JP2004040850A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動パワーステアリング装置に関し、トルクセンサを要することなく、適切な操舵アシストを行なえるようにして低コストで操舵フィーリングを向上させることができるようにする。
【解決手段】DCモータ11を流れる電流iを検出する電流検出手段41と、DCモータ2へのモータ付加電圧値vを制御することによりDCモータ11の作動を制御する制御手段30とをそなえ、制御手段30に、DCモータ11へのモータ付加電圧値vと、検出されたモータ電流値iとを用いて、DCモータの制御系のモデルに基づいて、少なくともDCモータの制御系に加わる外乱トルクwを推定する推定手段31と、推定された外乱トルクwに応じて、DCモータ11へ与えるべき目標モータ付加電圧値を設定する設定手段32とを設け、設定された目標モータ付加電圧値をDCモータ2へ与えるようにする。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載されDCモータを用いて操舵をアシストする電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用のパワーステアリング装置としては、油圧式のものが普及しているが、きめの細かい操舵アシスト制御を実施するには、電動式のものの方が有利であり、近年、電動パワーステアリング装置に関する技術が開発されている。
このような電動パワーステアリング装置では、操舵系に加えられる操舵トルクを検出する操舵トルクセンサと、車速を検出する車速検出センサとを設けて、これらのセンサで検出された操舵トルクと車速とに応じて、モータによるアシストトルクを制御するのが一般的であった。
【0003】
これに対して、さらに、操舵フィーリングを改善するために、モータの角速度や角加速度に基づいて、ステアリング系の慣性、粘性等を補償する制御方法も提案されている。
このような観点から、特許第3133914号公報には、操舵系に連結されたモータをPWM制御する電動パワーステアリング装置において、PWM搬送波周波数よりも低い遮断周波数の低域通過特性を有する回路によって矩形波成分を除去してモータ印可電圧を検出して、このモータ印可電圧に基づいてモータ角速度を推定する技術が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電動パワーステアリング装置に関する技術では、よりきめの細かい操舵アシストを実現でき操舵フィーリングの向上を図れるものの、制御モータによるアシストトルクを制御するためにいずれも操舵トルクセンサが必要であり、この分コスト増あるいはトルクセンサ故障時に操舵アシストが行なえなくなるといった不具合を招いていた。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、トルクセンサを要することなく、適切な操舵アシストを行なえるようにして操舵フィーリングを向上させることができるようにした、電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の電動パワーステアリング装置(請求項1)は、車両に搭載されDCモータを用いて操舵をアシストする電動パワーステアリング装置であって、該DCモータを流れる電流を検出する電流検出手段と、該DCモータへの付加電圧を制御する制御手段とをそなえて構成される。該制御手段では、推定手段が、該DCモータへのモータ付加電圧値と、該電流検出手段により検出されたモータ電流値とを用いて、該DCモータの制御系のモデルに基づいて、少なくとも該DCモータの制御系に加わる外乱トルクを推定し、設定手段が、該推定手段により推定された該外乱トルクに応じて、該DCモータへ与えるべき目標モータ付加電圧値を設定して、該設定手段により設定された該目標モータ付加電圧値を該DCモータへ与える。
【0007】
該制御手段を、推定手段によって、該DCモータへのモータ付加電圧値と、該電流検出手段により検出されたモータ電流値とを用いて、該DCモータの制御系のモデルに基づいて、該DCモータの制御系に加わる外乱トルクを推定し、設定手段によって、該電流検出手段により検出された該電流値と該推定手段により推定された該角速度及び該外乱トルクとに応じて、該DCモータへ与えるべき目標モータ付加電圧値を設定して、この設定手段により設定された該目標モータ付加電圧値を該DCモータへ与えるように制御するように構成してもよい(請求項2)。
【0008】
該推定手段は、状態量としての該モータ付加電圧値及び該モータ電流値から、状態量としての該角速度及び該外乱トルクを推定するオブザーバにより構成されていることが好ましい(請求項3)。
該車両の車速を検出する車速検出手段をそなえ、該設定手段は、該電流検出手段により検出された該電流値と該推定手段により推定された該角速度及び該外乱トルクと、該車速検出手段により検出された車速とに応じて、該DCモータへ与えるべき該目標モータ付加電圧値を設定することが好ましい(請求項4)。
【0009】
該設定手段は、該電流値を該車速に応じて設定される第1制御ゲインで乗算処理した値と、該角速度を該車速に応じて設定される第2制御ゲインで乗算処理した値と、該外乱トルクを該車速に応じて設定される第3制御ゲインで乗算処理した値と、の和を該目標モータ付加電圧値に設定することが好ましい(請求項5)。
【0010】
また、本発明の電動パワーステアリング装置(請求項6)は、車両に搭載され操舵系に加えられる操舵トルクを検出する操舵トルクセンサを備え、該操舵トルクセンサにより検出された操舵トルクに基づいてDCモータを用いて操舵をアシストする電動パワーステアリング装置であって、該操舵トルクセンサの故障を検出する操舵トルクセンサ故障検出手段と、該DCモータを流れる電流を検出する電流検出手段と、該DCモータへの付加電圧を制御する制御手段とをそなえて構成される。該制御手段は、操舵トルクセンサ故障検出手段が該操舵トルクセンサの故障を検出したときに、該DCモータへのモータ付加電圧値と、該電流検出手段により検出されたモータ電流値とを用いて、該DCモータの制御系のモデルに基づいて、少なくとも該DCモータの制御系に加わる外乱トルクを推定する推定手段と、該推定手段により推定された該外乱トルクに応じて、該DCモータへ与えるべき目標モータ付加電圧値を設定する設定手段とを備え、該設定手段により設定された該目標モータ付加電圧値を該DCモータへ与える。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
まず、本発明の第1実施形態を説明すると、図1〜図4は本発明の第1実施形態としての電動パワーステアリング装置について示すもので、図1はその機能構成を示すブロック図、図2はそのモデル化を説明するブロック図、図3はその制御に用いる速度対応制御ゲインの特性を示す図、図4はその制御のシミュレーション結果を示す図である。
【0012】
図1に示すように、本電動パワーステアリング装置は、DCモータの制御系(モータへの付加電圧を制御入力としてモータの出力トルクや回転数を制御する系全体、以下、モータ制御系という)を含む操舵−車両系(車両の操舵装置とこの操舵装置によって運動する車体の系全体)1に対して、DCモータ11によって発生するトルク(操舵アシストトルク)Tmを付与して、ドライバの操舵負担を軽減できるようになっている。DCモータ11による操舵アシストトルクTmは、モータ制御系に加わるトルク(外乱トルク)wに応じて与えることで、フィーリング良くドライバの操舵負担を軽減できる。
【0013】
この場合の外乱トルクwとは、ドライバトルクThから車両が路面から受ける操舵反力トルクTcを減算した値であり(w=Th−Tc)、モータ制御系には、この外乱トルクwと操舵アシストトルクTmとが加わることになる。なお、定常旋回走行時は、ドライバトルクThと操舵反力トルクTcとが釣り合って外乱トルクwは0(w=0)となる。
【0014】
また、DCモータ11によって発生する操舵アシストトルクTmは、DCモータ11の作動電流(モータ電流)iに応じたもの、即ち、モータ電流iにモータトルク定数Kを乗算したものになる。
さらに、本装置におけるDCモータ11は、モータへの付加電圧を制御することで、モータ電流iを調整するようになっており、このモータ付加電圧vを制御するために、制御手段としての電子制御ユニット(ECU)30がそなえられている。
【0015】
したがって、ECU30は、外乱トルク推定値wに応じて目標モータ付加電圧値(以下、目標電圧値という)vを設定しこの目標電圧値vにモータ付加電圧vを制御することによって、操舵アシストトルクTmを調整するようになっている。
ただし、目標電圧値vは、外乱トルク推定値wのみならず、モータ電流推定値i及びモータ角速度(DCモータ11の角速度)推定値ωにも応じて設定されるようになっている。
【0016】
そこで、ECU30には、外乱トルク推定値w,モータ作動電流推定値i,モータ角速度推定値ωを推定するための、推定手段としてのオブザーバ31と、オブザーバ31で推定された各推定値w,i,ωに基づいて制御量(目標電圧値)vを設定する設定手段としての制御量設定部32とがそなえられている。
【0017】
オブザーバ31は、モータ付加電圧値vと、電流検出手段(電流センサ)41により検出されたモータ電流値iとを用いて、モータ制御系のモデルに基づいて、モータ電流推定値i,モータ角速度推定値ω,外乱トルク推定値wを推定する。
このオブザーバ31による推定についてさらに説明すると、DCモータ11は、図2に示すようにモデル化することができる。
【0018】
ただし、図2において、v,i,Tm,ω,wはいずれも変数であって、vは入力電圧(モータ付加電圧)、iは電流(モータ電流)、Tmはモータ出力トルク(操舵アシストトルク)、ωはモータ角速度、wは外乱トルクである。また、L,R,K,K,Iはモータ固有のパラメータ(定数値)であって、Lはコイルのインダクタンス、Rはコイルの抵抗、Kはトルク定数、Kは逆起電力定数、Iはモータの慣性モーメントである。
【0019】
このようなモデルから、モータ電流の微分方程式は次式(1)のように、モータ角速度の微分方程式は次式(2)のようにたてることができる。
L(di/dt)+R・i+K・ω=v  ・・・(1)
(dω/dt)=K・i+w      ・・・(2)
式(1),(2)を状態方程式で表現すると、次式(3)のようになる。
【0020】
【数1】
Figure 2004040850
【0021】
ここで、外乱wを状態変数に拡張すると、次式(4)が得られる。
【0022】
【数2】
Figure 2004040850
【0023】
式(4)に基づいて、電流iを観測値(検出値)とした場合のオブザーバの状態方程式を示すと、次式(5)のようになる。
【0024】
【数3】
Figure 2004040850
【0025】
上記の状態方程式(5)において、i,ω,wはいずれも状態量としての推定値(前述のモータ電流推定値,モータ角速度推定値,外乱トルク推定値)であり、m,m,mはいずれも係数である。ここで、係数m,m,mを定めることによって、状態量i,ω,wを推定するオブザーバを構成することができる。また、係数m,m,mは周波数特性を考慮した数式演算によって、適正値を設定することができる。
【0026】
制御量設定部32は、このように推定されたモータ電流推定値i(この推定値はモータ電流検出値iで置き換えることができる),モータ角速度推定値ω,外乱トルク推定値wと車速検出手段(車速センサ)42からの検出情報とを入力され、各推定値i,ω,wを、それぞれモータ電流の速度対応ゲイン処理部32a,モータ角速度の速度対応ゲイン処理部32b,外乱トルクの速度対応ゲイン処理部32cによって速度対応ゲインK,Kω,Kで乗算処理し、これらを加算部32dで、次式(6)のように加算して目標電圧値vを設定するようになっている。
【0027】
=−K・i−Kω・ω−K・w・・・(6)
なお、速度対応ゲインK,Kω,Kのうちモータ電流制御ゲインKは、図3(a)に示すように、車速にほとんど依存せずにほぼ定数に設定されており、目標電圧値vに値K・iを反映させることで、制御の動特性が向上するようになっている。
【0028】
モータ角速度制御ゲインKωは、図3(b)に示すように、車速の増大に応じて増加するように設定されており、目標電圧値vに値Kω・ωを反映させることで、ドライバトルクThが過剰に加わった際などに過剰な角速度の発生を抑制するようになっている。
外乱トルク制御ゲインKは、図3(c)に示すように、車速の増大に応じて減少するように設定されており、車速が高くなるほど目標電圧値vを小さくして、操舵アシストトルクTmを減少させるようになっている。これは、車速が高いほど操舵安定感を重視して操舵アシストを弱め、逆に、車速が低いほど操舵操作を容易にできるように操舵アシストを強めるようにしているのである。速度対応ゲインK,Kω,Kのうちこの外乱トルク制御ゲインKが最も大きく外乱トルク推定値wが目標電圧値vに最も大きく影響するようになっている。
【0029】
本発明の第1実施形態としての電動パワーステアリング装置は、上述のように構成されているので、モータ指令値であるモータ付加電圧vと電流センサ1で検出されるモータ電流iとから、操舵トルク(ドライバトルク)Thと操舵反力トルクTcとの加算値である外乱トルクwを推定して、この推定した外乱トルクに応じて、モータ2の付加電圧vを制御することにより、モータトルクTmを調整するので、トルクセンサを要することなく、演算ソフトを追加するだけで、低コストで操舵フィーリングを向上させることができる。
【0030】
定常旋回走行時は、ドライバトルクThと操舵反力トルクTcとが釣り合って外乱トルクwは0(w=0)となって操舵アシストできなくなるが、もともと操舵反力の小さい車両に本技術を適用すれば何ら不具合はなく、ハンドルを切り込むような操舵操作に対しては十分に操舵アシストを行なうことができる。
また、外乱トルクwを、車速の増大に応じて減少するように設定される外乱トルク制御ゲインKにより処理した上で、モータ2の付加電圧vを制御するので、車速が低いほど操舵アシストが強められ操舵操作を容易にできるようになり、車速が高いほど操舵アシストが弱められ操舵安定感が増大し、操舵アシストを車速に応じて適切に実施することができる。
【0031】
さらに、本実施形態では、モータ2の付加電圧vの制御にモータ電流制御ゲインKを反映させているので、制御の動特性を向上させることができ、応答性のよい操舵アシスト制御を実現できる。また、モータ2の付加電圧vの制御にモータ角速度制御ゲインKωを反映させているので、モータ2の過剰な角速度の発生を抑制することができ、モータの保護も図ることができる。
【0032】
なお、制御の動特性に特に課題がなければ、モータ2の付加電圧vの制御にモータ電流制御ゲインKを反映させる必要はなく、モータ2での過剰な角速度の発生のおそれがなければ、モータ2の付加電圧vの制御にモータ角速度制御ゲインKωを反映させる必要はない。
ところで、図4はモータ制御系に入力電圧(モータ付加電圧)vと外乱トルクwとを付加した場合の真値と推定値との比較例を示す時であり、図中、細線は真値を太線(網掛け部分)は推定値を示す。オブザーバ31により推定した推定値が、真値と略一致していることがわかり、このデータからも本装置の有効性が読み取れる。
【0033】
つぎに、本発明の第2実施形態を説明すると、図5は本発明の第2実施形態としての電動パワーステアリング装置の機能構成を示すブロック図である。
本実施形態では、従来のトルクセンサ付き電動パワーステアリング装置に対して、トルクセンサ故障検出装置を追加するとともに、電動パワーステアリング制御装置に、適宜のソフトウェア,ハードウェアを追加して、トルクセンサ故障検出装置によりトルクセンサの故障の発生が検出されると、表示装置を通じてドライバに対してこの故障発生を知らせる一方で、トルクセンサを利用しない上述の手法適用して操舵アシストを継続するようにしている。
【0034】
つまり、図5に示すように、操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ(操舵トルク検出手段)51を設け、ECU30には、この操舵トルクセンサ51からの実操舵トルクの検出信号に基づいて実操舵トルクに対応してDCモータ2の付加電圧vを設定する第1制御量設定部(設定手段)52を設け、操舵トルクセンサ51が正常に作動しているときには、この第1制御量設定部52により実操舵トルクに基づいて設定された付加電圧vをDCモータ2に与えて、実操舵トルクに対応して操舵アシストを行なうようにする。
【0035】
さらに、上述の実施形態の制御量設定部32、つまり、オブザーバ31の推定に基づいてDCモータ2の付加電圧vを設定する制御量設定部32をバックアップ用の第2制御量設定部(設定手段)32´として設ける。そして、操舵トルクセンサ51の故障を検出する操舵トルクセンサ故障検出手段53を設けるとともに、故障検出手段53により操舵トルクセンサ51の故障が検出されたら、第1制御量設定部52に代えて第2制御量設定部32によりDCモータ2の付加電圧vの設定を行なうように切り換える制御量設定切換部54を設ける。
【0036】
本発明の第2実施形態としての電動パワーステアリング装置は、上述のように構成されているので、操舵トルクセンサ51が故障した場合にも、第2制御量設定部32によりDCモータ2の付加電圧vの設定を行なうことができるようになる。
すなわち、トルクセンサ故障時でも、操舵アシストが不可能になる事態を回避でき、常に操舵フィーリングを向上させることが可能になる。
【0037】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、速度対応ゲインK,Kω,Kについては、図3に各設定例を示したが、速度対応ゲインK,Kω,Kの設定特性はこれに限るものではなく、系の安定性や操舵フィーリングを向上させることができるように、速度対応ゲインK,Kω,Kを車速に応じて適宜設定することが重要である。
【0038】
また、制御量設定部32に、速度対応ゲイン処理部32a,32b,32cに加えて、位相進み補償器や位相遅れ補償器を追加して、位相を調整するようにして、より適切に操舵アシスト制御を行なうことも考えられる。
【0039】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の電動パワーステアリング装置(請求項1)によれば、制御手段において、推定手段が、DCモータへのモータ付加電圧値と、電流検出手段により検出されたモータ電流値とを用いて、DCモータの制御系のモデルに基づいて、少なくともDCモータの制御系に加わる外乱トルクを推定し、設定手段が、該推定手段により推定された該外乱トルクに応じて、該DCモータへ与えるべき目標モータ付加電圧値を設定して、該設定手段により設定された該目標モータ付加電圧値を該DCモータへ与える。したがって、トルクセンサを要することなく、演算ソフトを追加するだけで、低コストで操舵フィーリングを向上させることができる。
【0040】
さらに、推定手段によって、外乱トルクに加えてDCモータの角速度を推定し、設定手段によって、電流値と推定された該角速度及び該外乱トルクとに応じて、該DCモータへ与えるべき目標モータ付加電圧値を設定して、この設定手段により設定された該目標モータ付加電圧値を該DCモータへ与えるように制御すれば、制御の動特性を向上させ応答性のよい操舵アシスト制御を実現することや、モータにおける過剰な角速度の発生を抑制して、モータの保護も図ることも可能になる(請求項2)。
【0041】
設定手段が、電流検出手段により検出された該電流値と該推定手段により推定された該角速度及び該外乱トルクと、該車速検出手段により検出された車速とに応じて、該DCモータへ与えるべき該目標モータ付加電圧値を設定することで、車速に応じて綿密に操舵アシストを制御することができる(請求項4,5)。
また、本発明の電動パワーステアリング装置(請求項6)によれば、トルクセンサ故障時でも、操舵アシストが不可能になる事態を回避でき、常に操舵フィーリングを向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての電動パワーステアリング装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかるモータ制御系の状態量を推定するオブザーバのブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態としての電動パワーステアリング装置におけるオブザーバに用いる速度対応制御ゲインの特性を示す図であって、(a)はモータ電流に関する制御ゲインを示し、(b)はモータ角速度に関する制御ゲインを示し、(c)は外乱トルクに関する制御ゲインを示す。
【図4】本発明の第1実施形態としての電動パワーステアリング装置における制御のシミュレーション結果を示す図であって、(a)はモータへの入力電圧について示し、(b)はモータ電流について示し、(c)はモータ角速度について示し、(d)は外乱トルクについて示す。
【図5】本発明の第2実施形態としての電動パワーステアリング装置の機能構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 操舵−車両系
11 DCモータ
21 電流検出手段
22 車速検出手段
30 制御手段としての電子制御ユニット(ECU)
31 推定手段としてのオブザーバ
32 設定手段としての制御量設定部
32´ 設定手段としての第2制御量設定部
32a モータ電流の速度対応ゲイン処理部
32b モータ角速度の速度対応ゲイン処理部
32c 外乱トルクの速度対応ゲイン処理部
32d 加算部
41 モータトルク演算部
51 操舵トルクセンサ(操舵トルク検出手段)
52 設定手段としての第1制御量設定部
53 操舵トルクセンサ故障検出手段
54 制御量設定切換部

Claims (6)

  1. 車両に搭載されDCモータを用いて操舵をアシストする電動パワーステアリング装置であって、
    該DCモータを流れる電流を検出する電流検出手段と、
    該DCモータへの付加電圧を制御する制御手段とをそなえ、
    該制御手段は、
    該DCモータへのモータ付加電圧値と、該電流検出手段により検出されたモータ電流値とを用いて、該DCモータの制御系のモデルに基づいて、少なくとも該DCモータの制御系に加わる外乱トルクを推定する推定手段と、
    該推定手段により推定された該外乱トルクに応じて、該DCモータへ与えるべき目標モータ付加電圧値を設定する設定手段とを備え、
    該設定手段により設定された該目標モータ付加電圧値を該DCモータへ与えることを特徴とする、電動パワーステアリング装置。
  2. 該推定手段は、該DCモータへのモータ付加電圧値と、該電流検出手段により検出されたモータ電流値とを用いて、該DCモータの制御系のモデルに基づいて、該DCモータの角速度及び該DCモータの制御系に加わる外乱トルクを推定するとともに、
    該設定手段は、該電流検出手段により検出された該電流値と該推定手段により推定された該角速度及び該外乱トルクとに応じて、該DCモータへ与えるべき目標モータ付加電圧値を設定する
    ことを特徴とする、請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 該推定手段は、状態量としての該モータ付加電圧値及び該モータ電流値から、状態量としての該角速度及び該外乱トルクを推定するオブザーバにより構成されている
    ことを特徴とする、請求項2記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 該車両の車速を検出する車速検出手段をそなえ、
    該設定手段は、該電流検出手段により検出された該電流値と該推定手段により推定された該角速度及び該外乱トルクと、該車速検出手段により検出された車速とに応じて、該DCモータへ与えるべき該目標モータ付加電圧値を設定する
    ことを特徴とする、請求項2又は3記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 該設定手段は、該電流値を該車速に応じて設定される第1制御ゲインで乗算処理した値と、該角速度を該車速に応じて設定される第2制御ゲインで乗算処理した値と、該外乱トルクを該車速に応じて設定される第3制御ゲインで乗算処理した値と、の和を該目標モータ付加電圧値に設定する
    ことを特徴とする、請求項4記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 車両に搭載され操舵系に加えられる操舵トルクを検出する操舵トルクセンサを備え、該操舵トルクセンサにより検出された操舵トルクに基づいてDCモータを用いて操舵をアシストする電動パワーステアリング装置であって、
    該操舵トルクセンサの故障を検出する操舵トルクセンサ故障検出手段と、
    該DCモータを流れる電流を検出する電流検出手段と、
    該DCモータへの付加電圧を制御する制御手段とをそなえ、
    該制御手段は、
    操舵トルクセンサ故障検出手段が該操舵トルクセンサの故障を検出したときに、該DCモータへのモータ付加電圧値と、該電流検出手段により検出されたモータ電流値とを用いて、該DCモータの制御系のモデルに基づいて、少なくとも該DCモータの制御系に加わる外乱トルクを推定する推定手段と、
    該推定手段により推定された該外乱トルクに応じて、該DCモータへ与えるべき目標モータ付加電圧値を設定する設定手段とを備え、
    該設定手段により設定された該目標モータ付加電圧値を該DCモータへ与えることを特徴とする、電動パワーステアリング装置。
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