JP2004040593A - 可変遅延回路およびそれを用いたpll−fm変調回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】周波数変調波の信号対雑音特性、歪特性を改善する。
【解決手段】電圧制御発振器30の出力信号を分周器28で分周し、変調信号を積分回路29で積分し、基準クロック23を基準分周器24で分周した後、可変遅延回路25を用いて積分回路29の出力信号で位相変調し、分周器28の出力信号と可変遅延回路25の出力信号とを位相比較器26で位相比較し、位相比較器26の出力信号の低域成分をループフィルタ27で抽出して電圧制御発振器30に周波数制御電圧として与える。可変遅延回路25は、コレクタ側およびエミッタ側に電流源をそれぞれ接続した差動トランジスタと、差動トランジスタのコレクタにそれぞれ接続したキャパシタと、差動トランジスタのコレクタの電圧の上限値および下限値を所定の値に制限するためのスイッチ付電流源とで構成している。
【選択図】 図2
【解決手段】電圧制御発振器30の出力信号を分周器28で分周し、変調信号を積分回路29で積分し、基準クロック23を基準分周器24で分周した後、可変遅延回路25を用いて積分回路29の出力信号で位相変調し、分周器28の出力信号と可変遅延回路25の出力信号とを位相比較器26で位相比較し、位相比較器26の出力信号の低域成分をループフィルタ27で抽出して電圧制御発振器30に周波数制御電圧として与える。可変遅延回路25は、コレクタ側およびエミッタ側に電流源をそれぞれ接続した差動トランジスタと、差動トランジスタのコレクタにそれぞれ接続したキャパシタと、差動トランジスタのコレクタの電圧の上限値および下限値を所定の値に制限するためのスイッチ付電流源とで構成している。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変遅延回路および、それを用いて構成されるPLL−FM変調回路に関するものである。このPLL−FM変調回路は、PLLシンセサイザを用いて構成され、通信用変調装置に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の位相変調回路について、図3を参照しながら、以下に説明する。
【0003】
この位相変調回路は、図3に示すように、搬送波信号入力端子32と、変調信号入力端子31と、90度移相回路35と、平衡変調回路36と、加減回路34と、被変調波出力端子33とを備えている。
【0004】
搬送波信号入力端子32は、90度移相回路36の入力端子と、平衡変調回路35の一方の入力端子とに接続されている。平衡変調回路35の他方の入力端子には、変調信号入力端子31が接続されている。平衡変調回路36の出力端子は、加減回路34の負の入力端子に接続され、90度移相回路35の出力端子は加減回路34の正の入力端子に接続され、加減回路34の出力端子は被変調波出力端子33に接続されている。
【0005】
以下、この位相変調回路の動作を説明する。搬送波信号入力端子32に入力される信号を(数1)とし、変調信号入力端子31に入力される信号を(数3)とすると、90度移相回路35の出力端子に生じる信号は(数2)となる。また、平衡変調回路36の出力端子に生じる信号は(数4)となり、被変調波出力端子33に生じる位相相変調波は(数5)となる。
【0006】
【数1】
【0007】
【数2】
【0008】
【数3】
【0009】
【数4】
【0010】
【数5】
図4は周知のPLLシンセサイザを示している。このPLLシンセサイザは、基準クロック信号23を分周するREFカウンタ(基準カウンタ)24と、位相比較器26と、ループフィルタ27と、VCO 30と、VCO信号を分周するANカウンタ(プログラマブルカウンタ)28とで構成される。なお、37は従来の位相変調回路、29は積分回路、21は変調信号入力端子、22はVCO出力端子である。
【0011】
図4は、上記図3に示した位相変調回路をPLL回路に応用してFM変調波を生成するPLL−FM変調回路であり、変調信号を積分回路29を介して図3に示した構成を有する位相変調回路37に入力することによって、位相変調回路37の出力にはFM変調波が生成されることを利用して、PLLループの基準信号、すなわちREFカウンタ24の出力信号にFM変調をかけ、それをPLLループの位相比較器26に入力することにより、PLLシンセサイザの周波数変調方式を実現している。
【0012】
図5はPLLシンセサイザを利用してVCO30に直接変調信号を加えてPLL周波数変調回路を構成している。
【0013】
図6は基準クロック信号23に変調信号を加えてPLL周波数変調回路を構成しており、一般的には水晶振動子に直接変調信号を加えて、PLL周波数変調回路を構成している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5に示す従来のPLL周波数変調回路では、VCO30に直接周波数変調をかける方式であるため、PLLループの自然角周波数ωn以下の変調信号周波数では周波数偏移が低下する。例えば、音声信号など周波数が低い変調信号を変調しようとした場合、自然角周波数ωnはそれ以下の周波数に設定する必要があり、VCO30単体のノイズ特性が悪い場合、周波数変調波の信号対雑音特性が劣化してしまう。
【0015】
また、図6に示すように、基準クロック信号23に変調信号を加えてPLL周波数変調回路を構成した場合、自然各周波数ωnは変調信号周波数より高く設定できるため、上記周波数変調波の信号対雑音特性は改善されるものの、例えばPLLシンセサイザが複数個必要なシステムでは複数個の水晶振動子が基準クロックの発生源として必要となり、システムが高価となってしまう。
【0016】
さらに、図4に示したような、PLLシンセサイザと位相変調回路とを用いた周波数変調回路では、REFカウンタ24の出力または基準クロック信号23の出力を分岐することにより、複数個のPLLシンセサイザが必要なシステムでも1個の水晶振動子で構成でき、上記図6の課題は解決されるものの、図3に示す位相変調回路は、(数5)に示すように、位相の項にtan−1の係数があるため、線形性が悪く、変調信号の振幅が大きい時は歪を生じ、結果として周波数変調波の歪特性が劣化するという欠点がある。
【0017】
本発明の目的は、線形性が良好な位相変調を行うことができる可変遅延回路を提供することである。
【0018】
本発明の他の目的は、このような従来の問題点を鑑みてなされたものであり、PLLループの自然角周波数を高くして、周波数変調波の信号対雑音特性、歪特性の課題を解決し、かつ基準クロックの発生源が1つでも複数のPLLシンセサイザを有するシステム構成が可能で安価なPLL周波数変調回路を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の可変遅延回路は、第1電源端子および第2電源端子と、差動入力信号が入力される一対の差動入力端子と、差動出力信号が出力される一対の差動出力端子と、差動出力信号の上限値を制限する上限電圧が入力される上限値制御端子と、差動出力信号の下限値を制御する下限電圧が入力される下限値制御端子と、一対の差動入力端子にベースがそれぞれ接続され、一対の差動出力端子にコレクタがそれぞれ接続された一対の差動バイポーラトランジスタと、一対の差動バイポーラトランジスタのコレクタと第1電源端子との間にそれぞれ設けた第1および第2の電流源と、一対の差動バイポーラトランジスタのエミッタと第2電源端子との間に設けた第3の電流源と、一対の差動バイポーラトランジスタのコレクタと第2電源端子との間にそれぞれ設けた第1および第2のキャパシタと、一対の差動バイポーラトランジスタの一方のコレクタと第1電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が下限値制御端子に接続され、一対の差動バイポーラトランジスタの一方のコレクタの電圧が下限電圧を下回ったときに電流を流し、下限電圧を上回ったときに電流を遮断する第1のスイッチ付電流源と、一対の差動バイポーラトランジスタの他方のコレクタと第1電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が下限値制御端子に接続され、一対の差動バイポーラトランジスタの他方のコレクタの電圧が下限電圧を下回ったときに電流を流し、下限電圧を上回ったときに電流を遮断する第2のスイッチ付電流源と、一対の差動バイポーラトランジスタの一方のコレクタと第2電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が上限値制御端子に接続され、一対の差動バイポーラトランジスタの一方のコレクタの電圧が上限電圧を上回ったときに電流を流し、上限電圧を下回ったときに電流を遮断する第3のスイッチ付電流源と、一対の差動バイポーラトランジスタの他方のコレクタと第2電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が上限値制御端子に接続され、一対の差動バイポーラトランジスタの他方のコレクタの電圧が上限電圧を上回ったときに電流を流し、上限電圧を下回ったときに電流を遮断する第4のスイッチ付電流源とを備えている。
【0020】
この構成によれば、線形性が良好な位相変調を行うことができる。
【0021】
本発明の請求項2記載の可変遅延回路は、第1電源端子および第2電源端子と、差動入力信号が入力される一対の差動入力端子と、差動出力信号が出力される一対の差動出力端子と、差動出力信号の上限値を制限する上限電圧が入力される上限値制御端子と、差動出力信号の下限値を制御する下限電圧が入力される下限値制御端子と、一対の差動入力端子にゲートがそれぞれ接続され、一対の差動出力端子にドレインがそれぞれ接続された一対の差動電界効果トランジスタと、一対の差動電界効果トランジスタのドレインと第1電源端子との間にそれぞれ設けた第1および第2の電流源と、一対の差動電界効果トランジスタのソースと第2電源端子との間に設けた第3の電流源と、一対の差動電界効果トランジスタのドレインと第2電源端子との間にそれぞれ設けた第1および第2のキャパシタと、一対の差動電界効果トランジスタの一方のドレインと第1電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が下限値制御端子に接続され、一対の差動電界効果トランジスタの一方のドレインの電圧が下限電圧を下回ったときに電流を流し、下限電圧を上回ったときに電流を遮断する第1のスイッチ付電流源と、一対の差動電界効果トランジスタの他方のドレインと第1電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が下限値制御端子に接続され、一対の差動電界効果トランジスタの他方のドレインの電圧が下限電圧を下回ったときに電流を流し、下限電圧を上回ったときに電流を遮断する第2のスイッチ付電流源と、一対の差動電界効果トランジスタの一方のドレインと第2電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が上限値制御端子に接続され、一対の差動電界効果トランジスタの一方のドレインの電圧が上限電圧を上回ったときに電流を流し、上限電圧を下回ったときに電流を遮断する第3のスイッチ付電流源と、一対の差動電界効果トランジスタの他方のドレインと第2電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が上限値制御端子に接続され、一対の差動電界効果トランジスタの他方のドレインの電圧が上限電圧を上回ったときに電流を流し、上限電圧を下回ったときに電流を遮断する第4のスイッチ付電流源とを備えている。
【0022】
この構成によれば、線形性が良好な位相変調を行うことができる。
【0023】
本発明の請求項3記載の可変遅延回路は、電圧制御発振器と、電圧制御発振器の出力信号を分周する分周器と、変調信号を積分する積分回路と、基準クロックを積分回路の出力信号で位相変調する位相変調回路と、分周器の出力信号と位相変調回路の出力信号とを位相比較する位相比較器と、位相比較器の出力信号の低域成分を抽出して電圧制御発振器に周波数制御電圧として与えるループフィルタとを備え、電圧制御発振器から所定の搬送波周波数の周波数変調波を出力するPLL−FM変調回路であって、位相変調回路に請求項1記載の可変遅延回路を使用し、可変遅延回路の一対の差動入力端子に基準クロックを入力し、可変遅延回路の一対の差動出力端子の出力信号を位相比較器に入力し、可変遅延回路の上限値制御端子および下限値制御端子に与える上限電圧および下限電圧を積分回路の出力に応じて変化させるようにしたことを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、可変遅延回路を位相変調回路として使用したので、線形性が良好な位相変調を行うことができ、歪の少ないPLL−FM変調回路を得ることができる。また、基準クロックを積分回路の出力信号で位相変調して位相比較器に供給する構成であるので、自然角周波数を高くすることができ、周波数変調波の信号対雑音特性を改善することができ、かつ基準クロックの発生源が1つでも複数のPLLシンセサイザを有するシステム構成が安価に実現可能である。
【0025】
本発明の請求項4記載の可変遅延回路は、電圧制御発振器と、電圧制御発振器の出力信号を分周する分周器と、変調信号を積分する積分回路と、基準クロックを積分回路の出力信号で位相変調する位相変調回路と、分周器の出力信号と位相変調回路の出力信号とを位相比較する位相比較器と、位相比較器の出力信号の低域成分を抽出して電圧制御発振器に周波数制御電圧として与えるループフィルタとを備え、電圧制御発振器から所定の搬送波周波数の周波数変調波を出力するPLL−FM変調回路であって、位相変調回路に請求項2記載の可変遅延回路を使用し、可変遅延回路の一対の差動入力端子に基準クロックを入力し、可変遅延回路の一対の差動出力端子の出力信号を位相比較器に入力し、可変遅延回路の上限値制御端子および下限値制御端子に与える上限電圧および下限電圧を積分回路の出力に応じて変化させるようにしたことを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、可変遅延回路を位相変調回路として使用したので、線形性が良好な位相変調を行うことができ、歪の少ないPLL−FM変調回路を得ることができる。また、基準クロックを積分回路の出力信号で位相変調して位相比較器に供給する構成であるので、自然角周波数を高くすることができ、周波数変調波の信号対雑音特性を改善することができ、かつ基準クロックの発生源が1つでも複数のPLLシンセサイザを有するシステム構成が安価に実現可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0028】
図1は本発明のPLL−FM変調回路に使用される可変遅延回路の実施の形態を示す回路図である。図1において、1−1,1−2は差動入力信号が入力される一対の差動入力端子である。2−1,2−2は差動出力信号が出力される一対の差動出力端子である。3は差動出力信号の下限値を制御する下限電圧VLが入力される下限値制御端子である。4は差動出力信号の上限値を制限する上限電圧VHが入力される上限値制御端子である。5は例えば電池の正極が接続される第1電源端子(正電源端子)である。6は例えば電池の負極が接続される第2電源端子(負電源端子つまりグラウンド端子)である。
【0029】
11−1,11−2は一対の差動入力端子1−1,1−2にベースがそれぞれ接続され、一対の差動出力端子2−1,2−2にコレクタがそれぞれ接続されたNPN型の一対の差動バイポーラトランジスタである。9−1,9−2は一対の差動バイポーラトランジスタ11−1,11−2のコレクタと第1電源端子5との間にそれぞれ設けた第1および第2の電流源であり、各々電流Ioを流す。8−1,8−2は一対の差動バイポーラトランジスタ11−1,11−2のエミッタと第2電源端子6との間に設けた第3の電流源である。
【0030】
7−1,7−2は一対の差動バイポーラトランジスタ11−1,11−2のコレクタと第2電源端子6との間にそれぞれ設けた第1および第2のキャパシタである。
【0031】
9−3は電流源、10−11はスイッチであり、これらをまとめて第1のスイッチ付電流源と呼ぶ。この第1のスイッチ付電流源は、差動バイポーラトランジスタ11−1のコレクタと第1電源端子5との間に設けられスイッチ制御端子が下限値制御端子3に接続され、差動バイポーラトランジスタ11−1のコレクタの電圧が下限電圧VLを下回ったときに電流を流し、下限電圧VLを上回ったときに電流を遮断する機能を有する。
【0032】
9−4は電流源、10−12はスイッチであり、これらをまとめて第2のスイッチ付電流源と呼ぶ。この第2のスイッチ付電流源は、差動バイポーラトランジスタ11−2のコレクタと第1電源端子5との間に設けられスイッチ制御端子が下限値制御端子3に接続され、差動バイポーラトランジスタ11−2のコレクタの電圧が下限電圧VLを下回ったときに電流を流し、下限電圧VLを上回ったときに電流を遮断する機能を有する。
【0033】
8−3は電流源、10−21はスイッチであり、これらをまとめて第3のスイッチ付電流源と呼ぶ。この第3のスイッチ付電流源は、差動バイポーラトランジスタ11−1のコレクタと第2電源端子6との間に設けられスイッチ制御端子が上限値制御端子4に接続され、差動バイポーラトランジスタ11−1のコレクタの電圧が上限電圧VHを上回ったときに電流を流し、上限電圧VHを下回ったときに電流を遮断する機能を有する。
【0034】
8−4は電流源、10−22はスイッチであり、これらをまとめて第4のスイッチ付電流源と呼ぶ。この第4のスイッチ付電流源は、差動バイポーラトランジスタ11−2のコレクタと第2電源端子6との間に設けられスイッチ制御端子が上限値制御端子4に接続され、差動バイポーラトランジスタ11−2のコレクタの電圧が上限電圧VHを上回ったときに電流を流し、上限電圧VHを下回ったときに電流を遮断する機能を有する。
【0035】
ここで、スイッチ10−11,10−12,10−21,10−22の動作を説明する。
【0036】
スイッチ10−11,10−12は、各々一対の差動出力端子2−1および2−2の電圧、すなわち一対の差動バイポーラトランジスタ11−1,11−2のコレクタの電圧が下限値制御端子3に与えられる下限電圧VLを上回ったときはそれぞれOFFとなり、下限電圧VLを下回ったときにそれぞれONとなる。
【0037】
また、スイッチ10−21,10−22は各々一対の差動出力端子2−1および2−1の電圧が上限値制御端子4に与えられる上限電圧VHを上回ったときにそれぞれONとなり、上限電圧VHを下回ったときにそれぞれOFFとなる。
【0038】
初期状態として、差動入力が入力される一方の差動入力端子1−1が「L」レベルで、他方の差動入力端子1−2が「H」レベルの時、差動出力信号が出力される差動出力端子2−1が上限電圧VHで固定され、差動出力端子2−2が下限電圧VLで固定されている。
【0039】
この状態では、定電流源8−3に接続されているスイッチ10−21および定電流源9−4に接続されているスイッチ10−12がそれぞれONとなり、定電流源8−4に接続されているスイッチ10−22および定電流源9−3に接続されているスイッチ10−11がそれぞれOFFとなる。そのため、一対の差動バイポーラトランジスタ11−1,11−2の上側と下側の電流値が釣り合った状態となるので、キャパシタ7−1,7−2は電荷の移動がなく、差動出力端子2−1,2−1は各々一定電圧に保たれる。
【0040】
ここで、一対の差動バイポーラトランジスタ11−1,11−2の上側と下側の電流値が釣り合った状態となることについて、具体的に説明する。電流源9−1に流れる電流と電流源8−3に流れる電流とが等しいので、キャパシタ7−1は電荷の充放電が無く、キャパシタ7−1の電位は一定に保たれる。また、電流源9−2に流れる電流と電流源9−4に流れる電流との和が、差動バイポーラトランジスタ11−2を介して電流源8−1,8−2に流れる電流に等しくなるので、キャパシタ7−2は電荷の充放電が無く、キャパシタ7−2の電位は一定に保たれる。
【0041】
次の時間で差動入力が入力される一方の差動入力端子1−1が「H」レベルで,他方の差動入力端子1−2が「L」レベルとなった場合、差動バイポーラトランジスタ11−1がON、差動バイポーラトランジスタ11−2がOFFとなるため、差動出力端子2−1の電圧は上限電圧VHから減少し、差動出力端子2−2の電圧は下限電圧VLから増加する。この状態では、スイッチ10−11,10−12,10−21,10−22はすべてOFFとなるので、キャパシタ7−1の電荷は放電され、キャパシタ7−2の電荷は充電される。
【0042】
そして、差動出力端子2−1の電圧が下限電圧VLとなり、差動出力端子2−2の電圧が上限電圧VHとなったとき、定電流源8−4に接続されているスイッチ10−22および定電流源9−3に接続されているスイッチ10−11がそれぞれON、定電流源8−3に接続されているスイッチ10−21および定電流源9−4に接続されているスイッチ10−12がそれぞれOFFとなるため、再度一対の差動バイポーラトランジスタ11−1,11−2の上側と下側の電流値が釣り合った状態となるので、キャパシタ7−1,7−2は電荷の移動がなく、差動出力端子2−2,2−2は各々一定電圧に保たれる。
【0043】
ここで、一対の差動バイポーラトランジスタ11−1,11−2の上側と下側の電流値が釣り合った状態となることについて、具体的に説明する。電流源9−2に流れる電流と電流源8−4に流れる電流とが等しいので、キャパシタ7−2は電荷の充放電が無く、キャパシタ7−2の電位は一定に保たれる。また、電流源9−1に流れる電流と電流源9−3に流れる電流との和が、差動バイポーラトランジスタ11−1を介して電流源8−1,8−2に流れる電流に等しくなるので、キャパシタ7−1は電荷の充放電が無く、キャパシタ7−1の電位は一定に保たれる。
【0044】
ここで、定電流源9−1,9−2の電流値をIo、差動出力端子2−1,2−2の電圧が上限電圧VHから下限電圧VLへ変化するまでの時間をT、キャパシタ7−1,7−2の容量値をそれぞれCとすると、(数6)の関係式が成り立ち、下限値制限端子3および上限値制限端子4に印加する下限電圧VLまたは上限電圧VHに比例した出力信号の遅延時間を得ることができる。
【0045】
【数6】
図7は図1の具体的回路例を示している。図7において、8−10は図1の電流源8−1,8−2に対応するトランジスタ、9−10、9−11は電流源9−1,9−2に対応するトランジスタ、9−12はトランジスタ、8−11はトランジスタである。39は抵抗である。38は積分回路29の出力電圧を電流に変換する電圧−電流変換回路である。積分回路29、位相比較器26およびREFカウンタ24については、図2に示したものと同様である。
【0046】
図8は図1の可変遅延回路の入力信号波形と出力信号波形を示したものであり、(a)は入力信号波形であり、(b)は出力信号波形である。また、同図(b)において、実線は変調信号の振幅が小さい時を示し、破線は変調信号の振幅が大きい時を示している。この図8は、変調信号の振幅の大小によって、下限電圧が変化するようになっている。VLは変調信号の振幅が小さい時の値であり、VL′は変調信号の振幅が大きい時の値である。VHについては、変調信号の振幅にかかわらず一定である。
【0047】
同図から明らかなように、変調信号の振幅が大きい時の遅延時間ΔT′は、振幅が小さい時の遅延時間ΔTに比べて長くなっている。つまり、変調信号の振幅に応じて遅延時間が変化することになる。
【0048】
図9において、実線は図1の可変遅延回路における変調信号の振幅対遅延時間特性を示したもので、ここで示す変調信号の振幅は、下限値制限端子3および上限値制限端子4に印加する電圧VLまたはVHに比例したものである。また図9の破線は、図3の従来例の位相変調器の変調信号の振幅対遅延時間特性を示したものである。両者を比較すると、実施の形態のものは、線形性がきわめて良好であることが判る。
【0049】
図2は図1に示した可変遅延回路を含んで構成されるPLL−FM変調回路の構成を示すブロック図である。このPLL−FM変調回路は、図4に示した従来のPLL−FM変調回路における位相変調回路37に代えて、図1に示した回路構成を有する可変遅延回路25を位相変調回路として用いたものであり、その他の構成は、図4の従来例と同様である。
【0050】
図2のPLL−FM変調回路の動作は一般的なものであり、説明は省略する。
【0051】
この実施の形態によれば、図1に示した構成の線形性の優れた可変遅延回路25を図2に示すPLL−FM変調回路に用いているので、非常に線形性の良い、つまり歪み特性に優れたPLL−FM変調回路を実現することができる。
【0052】
なお、上記した図1の回路では、差動バイポーラトランジスタ11−1,11−2として、NPN型バイポーラトランジスタを用いているが、図10に示すようにPNPバイポーラトランジスタ11−1b,11−2bを用いて可変遅延回路を構成することも可能である。さらに、差動トランジスタとして、バイポーラトランジスタに代えて、図11に示すようにNチャンネル型MOSトランジスタ11−1c,11−2c、もしくは図12に示すようにPチャンネル型MOSトランジスタ11−1d,11−2dを使用して可変遅延回路を構成することも可能である。当然、それらを用いてPLL−FM変調回路を構成することも可能である。
【0053】
【発明の効果】
本発明の請求項1または2記載の可変遅延回路によれば、線形性が良好な位相変調を行うことができる。
【0054】
本発明の請求項3または4記載のPLL−FM変調回路によれば、可変遅延回路を位相変調回路として使用したので、線形性が良好な位相変調を行うことができ、歪の少ないPLL−FM変調回路を得ることができる。また、基準クロックを積分回路の出力信号で位相変調して位相比較器に供給する構成であるので、自然角周波数を高くすることができ、周波数変調波の信号対雑音特性を改善することができ、かつ基準クロックの発生源が1つでも複数のPLLシンセサイザを有するシステム構成が安価に実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における可変遅延回路の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるPLL−FM変調回路の構成を示すブロック図である。
【図3】従来の位相変調回路の構成を示すブロック図である。
【図4】従来の位相変調回路を用いたPLL−FM変調回路の構成を示すブロック図である。
【図5】従来の他のPLL−FM変調回路の構成を示すブロック図である。
【図6】従来のさらに他のPLL−FM変調回路の構成を示すブロック図である。
【図7】図1の可変遅延回路の具体例を示す回路図である。
【図8】図1の可変遅延回路の入出力波形を示す波形図である。
【図9】可変遅延回路の入力振幅対遅延時間特性を示す特性図である。
【図10】本発明の実施の形態における可変遅延回路の他の第1の例を示す回路図である。
【図11】本発明の実施の形態における可変遅延回路の他の第2の例を示す回路図である。
【図12】本発明の実施の形態における可変遅延回路の他の第3の例を示す回路図である。
【符号の説明】
1−1,1−2 差動信号入力端子
2−1,2−2 差動信号出力端子
3 下限値制御端子
4 上限値制御端子
5 第1電源端子
6 第2電源端子
7−1,7−2 キャパシタ
8−1〜8−4 定電流源
9−1〜9−4 定電流源
10−11,10−12,10−21,10−22 スイッチ
11−1,11−2 差動バイポーラトランジスタ
21 変調信号入力端子
22 VCO出力端子
23 基準クロック信号
24 REFカウンタ
25 可変遅延回路
26 位相比較器
27 ル−プフィルタ
28 ANカウンタ
29 積分回路
30 VCO
31 変調信号入力端子
32 搬送波信号入力端子
33 被変調波出力端子
34 加減回路
35 90度移相回路
36 平衡変調回路
37 位相変調回路
38 電圧電流変換回路
39 抵抗
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変遅延回路および、それを用いて構成されるPLL−FM変調回路に関するものである。このPLL−FM変調回路は、PLLシンセサイザを用いて構成され、通信用変調装置に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の位相変調回路について、図3を参照しながら、以下に説明する。
【0003】
この位相変調回路は、図3に示すように、搬送波信号入力端子32と、変調信号入力端子31と、90度移相回路35と、平衡変調回路36と、加減回路34と、被変調波出力端子33とを備えている。
【0004】
搬送波信号入力端子32は、90度移相回路36の入力端子と、平衡変調回路35の一方の入力端子とに接続されている。平衡変調回路35の他方の入力端子には、変調信号入力端子31が接続されている。平衡変調回路36の出力端子は、加減回路34の負の入力端子に接続され、90度移相回路35の出力端子は加減回路34の正の入力端子に接続され、加減回路34の出力端子は被変調波出力端子33に接続されている。
【0005】
以下、この位相変調回路の動作を説明する。搬送波信号入力端子32に入力される信号を(数1)とし、変調信号入力端子31に入力される信号を(数3)とすると、90度移相回路35の出力端子に生じる信号は(数2)となる。また、平衡変調回路36の出力端子に生じる信号は(数4)となり、被変調波出力端子33に生じる位相相変調波は(数5)となる。
【0006】
【数1】
【0007】
【数2】
【0008】
【数3】
【0009】
【数4】
【0010】
【数5】
図4は周知のPLLシンセサイザを示している。このPLLシンセサイザは、基準クロック信号23を分周するREFカウンタ(基準カウンタ)24と、位相比較器26と、ループフィルタ27と、VCO 30と、VCO信号を分周するANカウンタ(プログラマブルカウンタ)28とで構成される。なお、37は従来の位相変調回路、29は積分回路、21は変調信号入力端子、22はVCO出力端子である。
【0011】
図4は、上記図3に示した位相変調回路をPLL回路に応用してFM変調波を生成するPLL−FM変調回路であり、変調信号を積分回路29を介して図3に示した構成を有する位相変調回路37に入力することによって、位相変調回路37の出力にはFM変調波が生成されることを利用して、PLLループの基準信号、すなわちREFカウンタ24の出力信号にFM変調をかけ、それをPLLループの位相比較器26に入力することにより、PLLシンセサイザの周波数変調方式を実現している。
【0012】
図5はPLLシンセサイザを利用してVCO30に直接変調信号を加えてPLL周波数変調回路を構成している。
【0013】
図6は基準クロック信号23に変調信号を加えてPLL周波数変調回路を構成しており、一般的には水晶振動子に直接変調信号を加えて、PLL周波数変調回路を構成している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5に示す従来のPLL周波数変調回路では、VCO30に直接周波数変調をかける方式であるため、PLLループの自然角周波数ωn以下の変調信号周波数では周波数偏移が低下する。例えば、音声信号など周波数が低い変調信号を変調しようとした場合、自然角周波数ωnはそれ以下の周波数に設定する必要があり、VCO30単体のノイズ特性が悪い場合、周波数変調波の信号対雑音特性が劣化してしまう。
【0015】
また、図6に示すように、基準クロック信号23に変調信号を加えてPLL周波数変調回路を構成した場合、自然各周波数ωnは変調信号周波数より高く設定できるため、上記周波数変調波の信号対雑音特性は改善されるものの、例えばPLLシンセサイザが複数個必要なシステムでは複数個の水晶振動子が基準クロックの発生源として必要となり、システムが高価となってしまう。
【0016】
さらに、図4に示したような、PLLシンセサイザと位相変調回路とを用いた周波数変調回路では、REFカウンタ24の出力または基準クロック信号23の出力を分岐することにより、複数個のPLLシンセサイザが必要なシステムでも1個の水晶振動子で構成でき、上記図6の課題は解決されるものの、図3に示す位相変調回路は、(数5)に示すように、位相の項にtan−1の係数があるため、線形性が悪く、変調信号の振幅が大きい時は歪を生じ、結果として周波数変調波の歪特性が劣化するという欠点がある。
【0017】
本発明の目的は、線形性が良好な位相変調を行うことができる可変遅延回路を提供することである。
【0018】
本発明の他の目的は、このような従来の問題点を鑑みてなされたものであり、PLLループの自然角周波数を高くして、周波数変調波の信号対雑音特性、歪特性の課題を解決し、かつ基準クロックの発生源が1つでも複数のPLLシンセサイザを有するシステム構成が可能で安価なPLL周波数変調回路を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の可変遅延回路は、第1電源端子および第2電源端子と、差動入力信号が入力される一対の差動入力端子と、差動出力信号が出力される一対の差動出力端子と、差動出力信号の上限値を制限する上限電圧が入力される上限値制御端子と、差動出力信号の下限値を制御する下限電圧が入力される下限値制御端子と、一対の差動入力端子にベースがそれぞれ接続され、一対の差動出力端子にコレクタがそれぞれ接続された一対の差動バイポーラトランジスタと、一対の差動バイポーラトランジスタのコレクタと第1電源端子との間にそれぞれ設けた第1および第2の電流源と、一対の差動バイポーラトランジスタのエミッタと第2電源端子との間に設けた第3の電流源と、一対の差動バイポーラトランジスタのコレクタと第2電源端子との間にそれぞれ設けた第1および第2のキャパシタと、一対の差動バイポーラトランジスタの一方のコレクタと第1電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が下限値制御端子に接続され、一対の差動バイポーラトランジスタの一方のコレクタの電圧が下限電圧を下回ったときに電流を流し、下限電圧を上回ったときに電流を遮断する第1のスイッチ付電流源と、一対の差動バイポーラトランジスタの他方のコレクタと第1電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が下限値制御端子に接続され、一対の差動バイポーラトランジスタの他方のコレクタの電圧が下限電圧を下回ったときに電流を流し、下限電圧を上回ったときに電流を遮断する第2のスイッチ付電流源と、一対の差動バイポーラトランジスタの一方のコレクタと第2電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が上限値制御端子に接続され、一対の差動バイポーラトランジスタの一方のコレクタの電圧が上限電圧を上回ったときに電流を流し、上限電圧を下回ったときに電流を遮断する第3のスイッチ付電流源と、一対の差動バイポーラトランジスタの他方のコレクタと第2電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が上限値制御端子に接続され、一対の差動バイポーラトランジスタの他方のコレクタの電圧が上限電圧を上回ったときに電流を流し、上限電圧を下回ったときに電流を遮断する第4のスイッチ付電流源とを備えている。
【0020】
この構成によれば、線形性が良好な位相変調を行うことができる。
【0021】
本発明の請求項2記載の可変遅延回路は、第1電源端子および第2電源端子と、差動入力信号が入力される一対の差動入力端子と、差動出力信号が出力される一対の差動出力端子と、差動出力信号の上限値を制限する上限電圧が入力される上限値制御端子と、差動出力信号の下限値を制御する下限電圧が入力される下限値制御端子と、一対の差動入力端子にゲートがそれぞれ接続され、一対の差動出力端子にドレインがそれぞれ接続された一対の差動電界効果トランジスタと、一対の差動電界効果トランジスタのドレインと第1電源端子との間にそれぞれ設けた第1および第2の電流源と、一対の差動電界効果トランジスタのソースと第2電源端子との間に設けた第3の電流源と、一対の差動電界効果トランジスタのドレインと第2電源端子との間にそれぞれ設けた第1および第2のキャパシタと、一対の差動電界効果トランジスタの一方のドレインと第1電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が下限値制御端子に接続され、一対の差動電界効果トランジスタの一方のドレインの電圧が下限電圧を下回ったときに電流を流し、下限電圧を上回ったときに電流を遮断する第1のスイッチ付電流源と、一対の差動電界効果トランジスタの他方のドレインと第1電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が下限値制御端子に接続され、一対の差動電界効果トランジスタの他方のドレインの電圧が下限電圧を下回ったときに電流を流し、下限電圧を上回ったときに電流を遮断する第2のスイッチ付電流源と、一対の差動電界効果トランジスタの一方のドレインと第2電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が上限値制御端子に接続され、一対の差動電界効果トランジスタの一方のドレインの電圧が上限電圧を上回ったときに電流を流し、上限電圧を下回ったときに電流を遮断する第3のスイッチ付電流源と、一対の差動電界効果トランジスタの他方のドレインと第2電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が上限値制御端子に接続され、一対の差動電界効果トランジスタの他方のドレインの電圧が上限電圧を上回ったときに電流を流し、上限電圧を下回ったときに電流を遮断する第4のスイッチ付電流源とを備えている。
【0022】
この構成によれば、線形性が良好な位相変調を行うことができる。
【0023】
本発明の請求項3記載の可変遅延回路は、電圧制御発振器と、電圧制御発振器の出力信号を分周する分周器と、変調信号を積分する積分回路と、基準クロックを積分回路の出力信号で位相変調する位相変調回路と、分周器の出力信号と位相変調回路の出力信号とを位相比較する位相比較器と、位相比較器の出力信号の低域成分を抽出して電圧制御発振器に周波数制御電圧として与えるループフィルタとを備え、電圧制御発振器から所定の搬送波周波数の周波数変調波を出力するPLL−FM変調回路であって、位相変調回路に請求項1記載の可変遅延回路を使用し、可変遅延回路の一対の差動入力端子に基準クロックを入力し、可変遅延回路の一対の差動出力端子の出力信号を位相比較器に入力し、可変遅延回路の上限値制御端子および下限値制御端子に与える上限電圧および下限電圧を積分回路の出力に応じて変化させるようにしたことを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、可変遅延回路を位相変調回路として使用したので、線形性が良好な位相変調を行うことができ、歪の少ないPLL−FM変調回路を得ることができる。また、基準クロックを積分回路の出力信号で位相変調して位相比較器に供給する構成であるので、自然角周波数を高くすることができ、周波数変調波の信号対雑音特性を改善することができ、かつ基準クロックの発生源が1つでも複数のPLLシンセサイザを有するシステム構成が安価に実現可能である。
【0025】
本発明の請求項4記載の可変遅延回路は、電圧制御発振器と、電圧制御発振器の出力信号を分周する分周器と、変調信号を積分する積分回路と、基準クロックを積分回路の出力信号で位相変調する位相変調回路と、分周器の出力信号と位相変調回路の出力信号とを位相比較する位相比較器と、位相比較器の出力信号の低域成分を抽出して電圧制御発振器に周波数制御電圧として与えるループフィルタとを備え、電圧制御発振器から所定の搬送波周波数の周波数変調波を出力するPLL−FM変調回路であって、位相変調回路に請求項2記載の可変遅延回路を使用し、可変遅延回路の一対の差動入力端子に基準クロックを入力し、可変遅延回路の一対の差動出力端子の出力信号を位相比較器に入力し、可変遅延回路の上限値制御端子および下限値制御端子に与える上限電圧および下限電圧を積分回路の出力に応じて変化させるようにしたことを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、可変遅延回路を位相変調回路として使用したので、線形性が良好な位相変調を行うことができ、歪の少ないPLL−FM変調回路を得ることができる。また、基準クロックを積分回路の出力信号で位相変調して位相比較器に供給する構成であるので、自然角周波数を高くすることができ、周波数変調波の信号対雑音特性を改善することができ、かつ基準クロックの発生源が1つでも複数のPLLシンセサイザを有するシステム構成が安価に実現可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0028】
図1は本発明のPLL−FM変調回路に使用される可変遅延回路の実施の形態を示す回路図である。図1において、1−1,1−2は差動入力信号が入力される一対の差動入力端子である。2−1,2−2は差動出力信号が出力される一対の差動出力端子である。3は差動出力信号の下限値を制御する下限電圧VLが入力される下限値制御端子である。4は差動出力信号の上限値を制限する上限電圧VHが入力される上限値制御端子である。5は例えば電池の正極が接続される第1電源端子(正電源端子)である。6は例えば電池の負極が接続される第2電源端子(負電源端子つまりグラウンド端子)である。
【0029】
11−1,11−2は一対の差動入力端子1−1,1−2にベースがそれぞれ接続され、一対の差動出力端子2−1,2−2にコレクタがそれぞれ接続されたNPN型の一対の差動バイポーラトランジスタである。9−1,9−2は一対の差動バイポーラトランジスタ11−1,11−2のコレクタと第1電源端子5との間にそれぞれ設けた第1および第2の電流源であり、各々電流Ioを流す。8−1,8−2は一対の差動バイポーラトランジスタ11−1,11−2のエミッタと第2電源端子6との間に設けた第3の電流源である。
【0030】
7−1,7−2は一対の差動バイポーラトランジスタ11−1,11−2のコレクタと第2電源端子6との間にそれぞれ設けた第1および第2のキャパシタである。
【0031】
9−3は電流源、10−11はスイッチであり、これらをまとめて第1のスイッチ付電流源と呼ぶ。この第1のスイッチ付電流源は、差動バイポーラトランジスタ11−1のコレクタと第1電源端子5との間に設けられスイッチ制御端子が下限値制御端子3に接続され、差動バイポーラトランジスタ11−1のコレクタの電圧が下限電圧VLを下回ったときに電流を流し、下限電圧VLを上回ったときに電流を遮断する機能を有する。
【0032】
9−4は電流源、10−12はスイッチであり、これらをまとめて第2のスイッチ付電流源と呼ぶ。この第2のスイッチ付電流源は、差動バイポーラトランジスタ11−2のコレクタと第1電源端子5との間に設けられスイッチ制御端子が下限値制御端子3に接続され、差動バイポーラトランジスタ11−2のコレクタの電圧が下限電圧VLを下回ったときに電流を流し、下限電圧VLを上回ったときに電流を遮断する機能を有する。
【0033】
8−3は電流源、10−21はスイッチであり、これらをまとめて第3のスイッチ付電流源と呼ぶ。この第3のスイッチ付電流源は、差動バイポーラトランジスタ11−1のコレクタと第2電源端子6との間に設けられスイッチ制御端子が上限値制御端子4に接続され、差動バイポーラトランジスタ11−1のコレクタの電圧が上限電圧VHを上回ったときに電流を流し、上限電圧VHを下回ったときに電流を遮断する機能を有する。
【0034】
8−4は電流源、10−22はスイッチであり、これらをまとめて第4のスイッチ付電流源と呼ぶ。この第4のスイッチ付電流源は、差動バイポーラトランジスタ11−2のコレクタと第2電源端子6との間に設けられスイッチ制御端子が上限値制御端子4に接続され、差動バイポーラトランジスタ11−2のコレクタの電圧が上限電圧VHを上回ったときに電流を流し、上限電圧VHを下回ったときに電流を遮断する機能を有する。
【0035】
ここで、スイッチ10−11,10−12,10−21,10−22の動作を説明する。
【0036】
スイッチ10−11,10−12は、各々一対の差動出力端子2−1および2−2の電圧、すなわち一対の差動バイポーラトランジスタ11−1,11−2のコレクタの電圧が下限値制御端子3に与えられる下限電圧VLを上回ったときはそれぞれOFFとなり、下限電圧VLを下回ったときにそれぞれONとなる。
【0037】
また、スイッチ10−21,10−22は各々一対の差動出力端子2−1および2−1の電圧が上限値制御端子4に与えられる上限電圧VHを上回ったときにそれぞれONとなり、上限電圧VHを下回ったときにそれぞれOFFとなる。
【0038】
初期状態として、差動入力が入力される一方の差動入力端子1−1が「L」レベルで、他方の差動入力端子1−2が「H」レベルの時、差動出力信号が出力される差動出力端子2−1が上限電圧VHで固定され、差動出力端子2−2が下限電圧VLで固定されている。
【0039】
この状態では、定電流源8−3に接続されているスイッチ10−21および定電流源9−4に接続されているスイッチ10−12がそれぞれONとなり、定電流源8−4に接続されているスイッチ10−22および定電流源9−3に接続されているスイッチ10−11がそれぞれOFFとなる。そのため、一対の差動バイポーラトランジスタ11−1,11−2の上側と下側の電流値が釣り合った状態となるので、キャパシタ7−1,7−2は電荷の移動がなく、差動出力端子2−1,2−1は各々一定電圧に保たれる。
【0040】
ここで、一対の差動バイポーラトランジスタ11−1,11−2の上側と下側の電流値が釣り合った状態となることについて、具体的に説明する。電流源9−1に流れる電流と電流源8−3に流れる電流とが等しいので、キャパシタ7−1は電荷の充放電が無く、キャパシタ7−1の電位は一定に保たれる。また、電流源9−2に流れる電流と電流源9−4に流れる電流との和が、差動バイポーラトランジスタ11−2を介して電流源8−1,8−2に流れる電流に等しくなるので、キャパシタ7−2は電荷の充放電が無く、キャパシタ7−2の電位は一定に保たれる。
【0041】
次の時間で差動入力が入力される一方の差動入力端子1−1が「H」レベルで,他方の差動入力端子1−2が「L」レベルとなった場合、差動バイポーラトランジスタ11−1がON、差動バイポーラトランジスタ11−2がOFFとなるため、差動出力端子2−1の電圧は上限電圧VHから減少し、差動出力端子2−2の電圧は下限電圧VLから増加する。この状態では、スイッチ10−11,10−12,10−21,10−22はすべてOFFとなるので、キャパシタ7−1の電荷は放電され、キャパシタ7−2の電荷は充電される。
【0042】
そして、差動出力端子2−1の電圧が下限電圧VLとなり、差動出力端子2−2の電圧が上限電圧VHとなったとき、定電流源8−4に接続されているスイッチ10−22および定電流源9−3に接続されているスイッチ10−11がそれぞれON、定電流源8−3に接続されているスイッチ10−21および定電流源9−4に接続されているスイッチ10−12がそれぞれOFFとなるため、再度一対の差動バイポーラトランジスタ11−1,11−2の上側と下側の電流値が釣り合った状態となるので、キャパシタ7−1,7−2は電荷の移動がなく、差動出力端子2−2,2−2は各々一定電圧に保たれる。
【0043】
ここで、一対の差動バイポーラトランジスタ11−1,11−2の上側と下側の電流値が釣り合った状態となることについて、具体的に説明する。電流源9−2に流れる電流と電流源8−4に流れる電流とが等しいので、キャパシタ7−2は電荷の充放電が無く、キャパシタ7−2の電位は一定に保たれる。また、電流源9−1に流れる電流と電流源9−3に流れる電流との和が、差動バイポーラトランジスタ11−1を介して電流源8−1,8−2に流れる電流に等しくなるので、キャパシタ7−1は電荷の充放電が無く、キャパシタ7−1の電位は一定に保たれる。
【0044】
ここで、定電流源9−1,9−2の電流値をIo、差動出力端子2−1,2−2の電圧が上限電圧VHから下限電圧VLへ変化するまでの時間をT、キャパシタ7−1,7−2の容量値をそれぞれCとすると、(数6)の関係式が成り立ち、下限値制限端子3および上限値制限端子4に印加する下限電圧VLまたは上限電圧VHに比例した出力信号の遅延時間を得ることができる。
【0045】
【数6】
図7は図1の具体的回路例を示している。図7において、8−10は図1の電流源8−1,8−2に対応するトランジスタ、9−10、9−11は電流源9−1,9−2に対応するトランジスタ、9−12はトランジスタ、8−11はトランジスタである。39は抵抗である。38は積分回路29の出力電圧を電流に変換する電圧−電流変換回路である。積分回路29、位相比較器26およびREFカウンタ24については、図2に示したものと同様である。
【0046】
図8は図1の可変遅延回路の入力信号波形と出力信号波形を示したものであり、(a)は入力信号波形であり、(b)は出力信号波形である。また、同図(b)において、実線は変調信号の振幅が小さい時を示し、破線は変調信号の振幅が大きい時を示している。この図8は、変調信号の振幅の大小によって、下限電圧が変化するようになっている。VLは変調信号の振幅が小さい時の値であり、VL′は変調信号の振幅が大きい時の値である。VHについては、変調信号の振幅にかかわらず一定である。
【0047】
同図から明らかなように、変調信号の振幅が大きい時の遅延時間ΔT′は、振幅が小さい時の遅延時間ΔTに比べて長くなっている。つまり、変調信号の振幅に応じて遅延時間が変化することになる。
【0048】
図9において、実線は図1の可変遅延回路における変調信号の振幅対遅延時間特性を示したもので、ここで示す変調信号の振幅は、下限値制限端子3および上限値制限端子4に印加する電圧VLまたはVHに比例したものである。また図9の破線は、図3の従来例の位相変調器の変調信号の振幅対遅延時間特性を示したものである。両者を比較すると、実施の形態のものは、線形性がきわめて良好であることが判る。
【0049】
図2は図1に示した可変遅延回路を含んで構成されるPLL−FM変調回路の構成を示すブロック図である。このPLL−FM変調回路は、図4に示した従来のPLL−FM変調回路における位相変調回路37に代えて、図1に示した回路構成を有する可変遅延回路25を位相変調回路として用いたものであり、その他の構成は、図4の従来例と同様である。
【0050】
図2のPLL−FM変調回路の動作は一般的なものであり、説明は省略する。
【0051】
この実施の形態によれば、図1に示した構成の線形性の優れた可変遅延回路25を図2に示すPLL−FM変調回路に用いているので、非常に線形性の良い、つまり歪み特性に優れたPLL−FM変調回路を実現することができる。
【0052】
なお、上記した図1の回路では、差動バイポーラトランジスタ11−1,11−2として、NPN型バイポーラトランジスタを用いているが、図10に示すようにPNPバイポーラトランジスタ11−1b,11−2bを用いて可変遅延回路を構成することも可能である。さらに、差動トランジスタとして、バイポーラトランジスタに代えて、図11に示すようにNチャンネル型MOSトランジスタ11−1c,11−2c、もしくは図12に示すようにPチャンネル型MOSトランジスタ11−1d,11−2dを使用して可変遅延回路を構成することも可能である。当然、それらを用いてPLL−FM変調回路を構成することも可能である。
【0053】
【発明の効果】
本発明の請求項1または2記載の可変遅延回路によれば、線形性が良好な位相変調を行うことができる。
【0054】
本発明の請求項3または4記載のPLL−FM変調回路によれば、可変遅延回路を位相変調回路として使用したので、線形性が良好な位相変調を行うことができ、歪の少ないPLL−FM変調回路を得ることができる。また、基準クロックを積分回路の出力信号で位相変調して位相比較器に供給する構成であるので、自然角周波数を高くすることができ、周波数変調波の信号対雑音特性を改善することができ、かつ基準クロックの発生源が1つでも複数のPLLシンセサイザを有するシステム構成が安価に実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における可変遅延回路の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるPLL−FM変調回路の構成を示すブロック図である。
【図3】従来の位相変調回路の構成を示すブロック図である。
【図4】従来の位相変調回路を用いたPLL−FM変調回路の構成を示すブロック図である。
【図5】従来の他のPLL−FM変調回路の構成を示すブロック図である。
【図6】従来のさらに他のPLL−FM変調回路の構成を示すブロック図である。
【図7】図1の可変遅延回路の具体例を示す回路図である。
【図8】図1の可変遅延回路の入出力波形を示す波形図である。
【図9】可変遅延回路の入力振幅対遅延時間特性を示す特性図である。
【図10】本発明の実施の形態における可変遅延回路の他の第1の例を示す回路図である。
【図11】本発明の実施の形態における可変遅延回路の他の第2の例を示す回路図である。
【図12】本発明の実施の形態における可変遅延回路の他の第3の例を示す回路図である。
【符号の説明】
1−1,1−2 差動信号入力端子
2−1,2−2 差動信号出力端子
3 下限値制御端子
4 上限値制御端子
5 第1電源端子
6 第2電源端子
7−1,7−2 キャパシタ
8−1〜8−4 定電流源
9−1〜9−4 定電流源
10−11,10−12,10−21,10−22 スイッチ
11−1,11−2 差動バイポーラトランジスタ
21 変調信号入力端子
22 VCO出力端子
23 基準クロック信号
24 REFカウンタ
25 可変遅延回路
26 位相比較器
27 ル−プフィルタ
28 ANカウンタ
29 積分回路
30 VCO
31 変調信号入力端子
32 搬送波信号入力端子
33 被変調波出力端子
34 加減回路
35 90度移相回路
36 平衡変調回路
37 位相変調回路
38 電圧電流変換回路
39 抵抗
Claims (4)
- 第1電源端子および第2電源端子と、
差動入力信号が入力される一対の差動入力端子と、
差動出力信号が出力される一対の差動出力端子と、
前記差動出力信号の上限値を制限する上限電圧が入力される上限値制御端子と、
前記差動出力信号の下限値を制御する下限電圧が入力される下限値制御端子と、
前記一対の差動入力端子にベースがそれぞれ接続され、前記一対の差動出力端子にコレクタがそれぞれ接続された一対の差動バイポーラトランジスタと、
前記一対の差動バイポーラトランジスタのコレクタと第1電源端子との間にそれぞれ設けた第1および第2の電流源と、
前記一対の差動バイポーラトランジスタのエミッタと第2電源端子との間に設けた第3の電流源と、
前記一対の差動バイポーラトランジスタのコレクタと前記第2電源端子との間にそれぞれ設けた第1および第2のキャパシタと、
前記一対の差動バイポーラトランジスタの一方のコレクタと前記第1電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が前記下限値制御端子に接続され、前記一対の差動バイポーラトランジスタの一方のコレクタの電圧が前記下限電圧を下回ったときに電流を流し、前記下限電圧を上回ったときに電流を遮断する第1のスイッチ付電流源と、
前記一対の差動バイポーラトランジスタの他方のコレクタと前記第1電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が前記下限値制御端子に接続され、前記一対の差動バイポーラトランジスタの他方のコレクタの電圧が前記下限電圧を下回ったときに電流を流し、前記下限電圧を上回ったときに電流を遮断する第2のスイッチ付電流源と、
前記一対の差動バイポーラトランジスタの一方のコレクタと前記第2電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が前記上限値制御端子に接続され、前記一対の差動バイポーラトランジスタの一方のコレクタの電圧が前記上限電圧を上回ったときに電流を流し、前記上限電圧を下回ったときに電流を遮断する第3のスイッチ付電流源と、
前記一対の差動バイポーラトランジスタの他方のコレクタと前記第2電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が前記上限値制御端子に接続され、前記一対の差動バイポーラトランジスタの他方のコレクタの電圧が前記上限電圧を上回ったときに電流を流し、前記上限電圧を下回ったときに電流を遮断する第4のスイッチ付電流源とを備えた可変遅延回路。 - 第1電源端子および第2電源端子と、
差動入力信号が入力される一対の差動入力端子と、
差動出力信号が出力される一対の差動出力端子と、
前記差動出力信号の上限値を制限する上限電圧が入力される上限値制御端子と、
前記差動出力信号の下限値を制御する下限電圧が入力される下限値制御端子と、
前記一対の差動入力端子にゲートがそれぞれ接続され、前記一対の差動出力端子にドレインがそれぞれ接続された一対の差動電界効果トランジスタと、
前記一対の差動電界効果トランジスタのドレインと第1電源端子との間にそれぞれ設けた第1および第2の電流源と、
前記一対の差動電界効果トランジスタのソースと第2電源端子との間に設けた第3の電流源と、
前記一対の差動電界効果トランジスタのドレインと前記第2電源端子との間にそれぞれ設けた第1および第2のキャパシタと、
前記一対の差動電界効果トランジスタの一方のドレインと前記第1電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が前記下限値制御端子に接続され、前記一対の差動電界効果トランジスタの一方のドレインの電圧が前記下限電圧を下回ったときに電流を流し、前記下限電圧を上回ったときに電流を遮断する第1のスイッチ付電流源と、
前記一対の差動電界効果トランジスタの他方のドレインと前記第1電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が前記下限値制御端子に接続され、前記一対の差動電界効果トランジスタの他方のドレインの電圧が前記下限電圧を下回ったときに電流を流し、前記下限電圧を上回ったときに電流を遮断する第2のスイッチ付電流源と、
前記一対の差動電界効果トランジスタの一方のドレインと前記第2電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が前記上限値制御端子に接続され、前記一対の差動電界効果トランジスタの一方のドレインの電圧が前記上限電圧を上回ったときに電流を流し、前記上限電圧を下回ったときに電流を遮断する第3のスイッチ付電流源と、
前記一対の差動電界効果トランジスタの他方のドレインと前記第2電源端子との間に設けられスイッチ制御端子が前記上限値制御端子に接続され、前記一対の差動電界効果トランジスタの他方のドレインの電圧が前記上限電圧を上回ったときに電流を流し、前記上限電圧を下回ったときに電流を遮断する第4のスイッチ付電流源とを備えた可変遅延回路。 - 電圧制御発振器と、前記電圧制御発振器の出力信号を分周する分周器と、変調信号を積分する積分回路と、基準クロックを前記積分回路の出力信号で位相変調する位相変調回路と、前記分周器の出力信号と前記位相変調回路の出力信号とを位相比較する位相比較器と、前記位相比較器の出力信号の低域成分を抽出して前記電圧制御発振器に周波数制御電圧として与えるループフィルタとを備え、前記電圧制御発振器から所定の搬送波周波数の周波数変調波を出力するPLL−FM変調回路であって、前記位相変調回路に請求項1記載の可変遅延回路を使用し、前記可変遅延回路の一対の差動入力端子に前記基準クロックを入力し、前記可変遅延回路の一対の差動出力端子の出力信号を前記位相比較器に入力し、前記可変遅延回路の上限値制御端子および下限値制御端子に与える上限電圧および下限電圧を前記積分回路の出力に応じて変化させるようにしたことを特徴とするPLL−FM変調回路。
- 電圧制御発振器と、前記電圧制御発振器の出力信号を分周する分周器と、変調信号を積分する積分回路と、基準クロックを前記積分回路の出力信号で位相変調する位相変調回路と、前記分周器の出力信号と前記位相変調回路の出力信号とを位相比較する位相比較器と、前記位相比較器の出力信号の低域成分を抽出して前記電圧制御発振器に周波数制御電圧として与えるループフィルタとを備え、前記電圧制御発振器から所定の搬送波周波数の周波数変調波を出力するPLL−FM変調回路であって、前記位相変調回路に請求項2記載の可変遅延回路を使用し、前記可変遅延回路の一対の差動入力端子に前記基準クロックを入力し、前記可変遅延回路の一対の差動出力端子の出力信号を前記位相比較器に入力し、前記可変遅延回路の上限値制御端子および下限値制御端子に与える上限電圧および下限電圧を前記積分回路の出力に応じて変化させるようにしたことを特徴とするPLL−FM変調回路。
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