JP2005347817A - Pll回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】 チャージポンプが、高周波成分からなるノイズを受けて、ループフィルタの遮断周波数より低い周波数成分を有するノイズに変換することにより、ループフィルタがこのノイズを除去することができず、FSK変調信号に位相雑音が生じてしまうことを防ぐことのできるPLL回路を提供する。
【解決手段】 PLL回路は、基準周波数信号frおよび比較周波数信号fpの位相差を検出し、位相比較信号PDを出力する位相比較器13と、位相比較信号PDに含まれる高周波成分からなるノイズを除去するローパスフィルタ31と、位相比較信号PDに応じて制御電流ICを増減し、出力するチャージポンプ14と、制御電流ICの高周波成分を除去し、制御電圧VCに変換し、出力するループフィルタ15と、制御電圧VCに応じて比較周波数信号fpの周波数を増減し、出力する電圧制御発振器1とを含む。
【選択図】 図1
【解決手段】 PLL回路は、基準周波数信号frおよび比較周波数信号fpの位相差を検出し、位相比較信号PDを出力する位相比較器13と、位相比較信号PDに含まれる高周波成分からなるノイズを除去するローパスフィルタ31と、位相比較信号PDに応じて制御電流ICを増減し、出力するチャージポンプ14と、制御電流ICの高周波成分を除去し、制御電圧VCに変換し、出力するループフィルタ15と、制御電圧VCに応じて比較周波数信号fpの周波数を増減し、出力する電圧制御発振器1とを含む。
【選択図】 図1
Description
本発明は、PLL回路に関し、特に、位相雑音の低減を図るPLL回路に関する。
PLL(phase locked loop)回路は、現在様々なエレクトロニクスの分野で利用されており、特に無線通信分野である携帯電話や無線LAN(local area network)における周波数シンセサイザとしての利用が顕著である。ここで、周波数シンセサイザとは、1つまたは複数の基準周波数源から、複数の所望する周波数を生成するものである。
無線通信分野において、変調方式が従来のアナログ変調方式からデジタル変調方式へ大きく移行している。デジタル変調方式の中で、FSK(frequency shift keying)変調方式は、非常に広範囲な分野で利用されている。ここで、FSK変調方式とは、ベースバンド信号の論理レベルに応じて搬送波の瞬時周波数を切り替えることにより、変調を行なう方式のことである。FSK変調方式は、変調方式の中では伝送速度が低速であるが、回路構成が簡易であるため、今後もその利用は拡大していくものと予想される。
図6にFSK変調方式による変調器の概略構成の例を示す。同図を参照して、この変調器は、電圧制御発振器(VCO:voltage controlled oscillator)1が、ベースバンド信号を受け、ベースバンド信号に応じて発振周波数を変化させる。そして、この変調器は、電圧制御発振器1の出力信号をFSK変調信号として出力する。したがって、FSK変調信号は、ベースバンド信号の論理ハイレベルおよび論理ローレベルに応じて2種類の周波数が択一的に切り替えられた信号となる。このような変調方式は位相連続変調方式と呼ばれる。
また、図7にFSK変調方式による変調器の概略構成の他の例を示す。同図を参照して、この変調器は、発振器2が周波数f1の出力信号をスイッチ4に出力し、発振器3が周波数f2の出力信号をスイッチ4に出力する。スイッチ4は、ベースバンド信号を受けて、ベースバンド信号の論理レベルに応じて周波数f1の出力信号および周波数f2の出力信号を選択し、その出力信号をFSK変調信号として出力する。したがって、FSK変調信号は、ベースバンド信号の論理ハイレベルおよび論理ローレベルに応じて周波数f1および周波数f2が択一的に切り替えられた信号となる。このような変調方式は位相不連続変調方式と呼ばれる。
ここで、位相不連続変調方式には、図7に示す変調器のように周波数f1の出力信号および周波数f2の出力信号を生成するために、2つの発振器を使用するのではなく、図6に示すFSK変調器の概略構成を具体化したものである、PLL回路を用いた周波数シンセサイザを使用する構成が従来から採用されている。
[構成]
図8は、PLL回路を用いた非特許文献1記載のFSK変調回路の構成を示す。同図を参照して、このFSK変調回路は、発振器11と、分周器12と、分周器17と、位相比較器13と、チャージポンプ14と、ループフィルタ15と、電圧制御発振器1と、分周器コントロール回路18と、ロック検出回路19とを含む。
図8は、PLL回路を用いた非特許文献1記載のFSK変調回路の構成を示す。同図を参照して、このFSK変調回路は、発振器11と、分周器12と、分周器17と、位相比較器13と、チャージポンプ14と、ループフィルタ15と、電圧制御発振器1と、分周器コントロール回路18と、ロック検出回路19とを含む。
また、発振器11と、分周器12と、分周器17と、位相比較器13と、チャージポンプ14と、ループフィルタ15と、電圧制御発振器1とでPLL回路を構成する。
[動作]
分周器12は、発振器11から出力信号を受け、これを分周した基準周波数信号frを出力する。
分周器12は、発振器11から出力信号を受け、これを分周した基準周波数信号frを出力する。
分周器17は、電圧制御発振器1からFSK変調信号を受け、これを分周した比較周波数信号fpを出力する。
位相比較器13は、分周器12から送られた基準周波数信号frおよび分周器17から送られた比較周波数信号fpの位相差に応じた位相比較信号PDを出力する。
チャージポンプ14は、位相比較器13から送られた位相比較信号PDに応じて出力電流ICを増減し、出力する。
ループフィルタ15は、チャージポンプ14から送られた出力電流ICの高周波成分を除去し、これを制御電圧VCに変換し、出力する。
電圧制御発振器1は、ループフィルタ15から送られた制御電圧VCに応じて発振周波数を変化させ、その出力信号をFSK変調信号として出力する。このFSK変調回路における電圧制御発振器1は、図6に示す電圧制御発振器1の機能と同様である。
したがって、このFSK変調回路におけるPLL回路では、基準周波数信号frおよび比較周波数信号fpの位相差に応じて、比較周波数信号fpのもととなるFSK変調信号の周波数を変化させることにより、比較周波数信号fpの位相を変化させ、比較周波数信号fpおよび基準周波数信号frの位相を一致させる制御(以下、帰還制御という。)が行なわれる。なお、比較周波数信号fpおよび基準周波数信号frの位相が一致する状態を、PLL回路がロックする、という。
次に、このFSK変調回路の変調動作について説明する。
分周器コントロール回路18は、ベースバンド信号を受けて、これに応じた分周比制御信号NDを分周器17に出力する。
分周器17は、分周比制御信号NDを受けて、これに応じて分周比を変化させる。
ここで、ベースバンド信号の論理レベルが変わると、分周器17の分周比が変わるため、分周器17から送られる比較周波数信号fpの周波数が変わる。そうすると、位相比較器13において基準周波数信号frおよび比較周波数信号fpに位相差が生じるため、上述のように、位相比較信号PD、出力電流ICおよび制御電圧VCが変化する。そして、制御電圧VCに応じて電圧制御発振器1が発振周波数を変化させることにより、比較周波数信号fpおよび基準周波数信号frの位相が再び一致する。
したがって、このFSK変調回路では、ベースバンド信号の論理レベルに対応する分周器17の分周比を変更することにより、電圧制御発振器1の発振周波数を変えることができ、FSK変調を行なうことができる。また、ベースバンド信号の論理レベルに対応する分周器17の分周比を変更することにより、FSK変調信号の周波数を容易に変更することができる。
また、ロック検出回路19は、位相比較器13から送られる位相比較信号PDを受けて、
このPLL回路がロックしているかどうかを判断し、ロックしている場合、ロック検出信号を出力する。無線通信機器においては、ロック検出信号が出力されていないときは、PLL回路がロックしていないため、送信動作を停止することにより、所定の送信周波数以外の信号が送信されることを防ぐことができる。
このPLL回路がロックしているかどうかを判断し、ロックしている場合、ロック検出信号を出力する。無線通信機器においては、ロック検出信号が出力されていないときは、PLL回路がロックしていないため、送信動作を停止することにより、所定の送信周波数以外の信号が送信されることを防ぐことができる。
次に、特許文献1記載のPLL回路を用いた、FSK変調回路について説明する。
[構成]
図9は、特許文献1記載のPLL回路を用いた、FSK変調回路の構成を示す。同図を参照して、このFSK変調回路は、図8に示す非特許文献1記載のFSK変調回路に対して、さらに、波形変換回路20を含む。
図9は、特許文献1記載のPLL回路を用いた、FSK変調回路の構成を示す。同図を参照して、このFSK変調回路は、図8に示す非特許文献1記載のFSK変調回路に対して、さらに、波形変換回路20を含む。
波形変換回路20は、位相比較器13とチャージポンプ14との間に配置される。その他の構成は、図8に示す非特許文献1記載のFSK変調回路と同様である。
[動作]
波形変換回路20は、位相比較器13から送られる位相比較信号PDを、基準周波数信号frよりも高い周波数をもつ信号に変換し、チャージポンプ14へ送る。その他の動作は、図8に示す非特許文献1記載のFSK変調回路と同様である。
波形変換回路20は、位相比較器13から送られる位相比較信号PDを、基準周波数信号frよりも高い周波数をもつ信号に変換し、チャージポンプ14へ送る。その他の動作は、図8に示す非特許文献1記載のFSK変調回路と同様である。
このような構成により、リファレンスリークがさらに高い周波数に変換され、ループフィルタ15における減衰量が大きくなり、リファレンスリークに起因する位相雑音をさらに低減することができる。
次に、特許文献2記載のPLL回路について説明する。
[構成]
図10は、特許文献2記載のPLL回路を用いた、FSK変調回路の構成を示す。同図を参照して、このFSK変調回路は、図8に示す非特許文献1記載のFSK変調回路に対して、さらに、フィルタ回路21を含む。
図10は、特許文献2記載のPLL回路を用いた、FSK変調回路の構成を示す。同図を参照して、このFSK変調回路は、図8に示す非特許文献1記載のFSK変調回路に対して、さらに、フィルタ回路21を含む。
フィルタ回路21は、位相比較器13とチャージポンプ14との間に配置される。その他の構成は、図8に示す非特許文献1記載のFSK変調回路と同様である。
[動作]
フィルタ回路21は、位相比較器13から受けた位相比較信号PDの示す位相差が、所定の範囲内(以下、不感帯という。)である場合には、チャージポンプ14へ位相比較信号PDを送らない。その他の動作は、図8に示す非特許文献1記載のFSK変調回路と同様である。このような構成により、位相比較器13から送られる位相比較信号PDの微小変動による、PLL回路の収束値近傍での振動等を防ぐことができ、安定したPLL回路を実現することができる。
Chipcon AS社 「CC400 Data Sheet(rev3.1)」 特開平7−74631号公報
特開平7−46125号公報
フィルタ回路21は、位相比較器13から受けた位相比較信号PDの示す位相差が、所定の範囲内(以下、不感帯という。)である場合には、チャージポンプ14へ位相比較信号PDを送らない。その他の動作は、図8に示す非特許文献1記載のFSK変調回路と同様である。このような構成により、位相比較器13から送られる位相比較信号PDの微小変動による、PLL回路の収束値近傍での振動等を防ぐことができ、安定したPLL回路を実現することができる。
Chipcon AS社 「CC400 Data Sheet(rev3.1)」
しかしながら、非特許文献1記載のFSK変調回路では、以下のような問題点がある。
まず、電圧制御発振器1の発振角周波数をω0とし、振幅をV0とし、電圧制御発振器の感度をKvcoとし、制御電圧VCをVcont(t)とし、初期位相をφ0とし、時間をtとすると、電圧制御発振器の出力信号Vout(t)は、以下のように表わせる。
Vout(t)=V0×cos(ω0×t+Kvco×(∫(Vcont(t))dt)+φ0)・・・(A1)
ここで、(Kvco×∫(Vcont(t)dt)は、位相を表わし、制御電圧VCにノイズが発生せず、制御電圧VCが時間変動しない場合は一定値となる。以下、φ0=0と仮定する。
ここで、(Kvco×∫(Vcont(t)dt)は、位相を表わし、制御電圧VCにノイズが発生せず、制御電圧VCが時間変動しない場合は一定値となる。以下、φ0=0と仮定する。
制御電圧VCにノイズが発生し、電圧制御発振器1が正弦波の制御電圧VCを受けた場合の電圧制御発振器の動作について説明する。制御電圧VCの角周波数をωmとし、振幅をVmとし、時間をtとすると、Vcont(t)は以下のように表わせる。
Vcont(t)=Vm×cos(ωm×t)・・・(A2)
式(A1)に式(A2)を代入して整理すると、Vout(t)は以下のように表わせる。
式(A1)に式(A2)を代入して整理すると、Vout(t)は以下のように表わせる。
Vout(t)=V0×cos(ω0×t+Kvco×(Vm/ωm)×sin(ωm×t))
=V0×cos(ω0×t)×cos(Kvco×(Vm/ωm)×sin(ωm×t))−V0×sin(ω0×t)×sin(Kvco×(Vm/ωm)×sin(ωm×t))・・・(A3)
ここで、Vmが十分に小さく、(Kvco×(Vm/ωm))<<1[rad]と仮定すると、式(A3)は以下のように表わせる。
=V0×cos(ω0×t)×cos(Kvco×(Vm/ωm)×sin(ωm×t))−V0×sin(ω0×t)×sin(Kvco×(Vm/ωm)×sin(ωm×t))・・・(A3)
ここで、Vmが十分に小さく、(Kvco×(Vm/ωm))<<1[rad]と仮定すると、式(A3)は以下のように表わせる。
Vout(t)≒V0×cos(ω0×t)−(Kvco×Vm×V0/(2×ωm)){cos((ω0−ωm)×t)−cos((ω0+ωm)×t)}・・・(A4)
式(A4)から、所望の角周波数ω0を有する信号成分以外に、(ω0−ωm)および(ω0+ωm)の角周波数を有する信号成分が生じていることが分かる。
式(A4)から、所望の角周波数ω0を有する信号成分以外に、(ω0−ωm)および(ω0+ωm)の角周波数を有する信号成分が生じていることが分かる。
図11に、この場合のVout(t)の周波数スペクトルを示す。所望の角周波数ω0を中心に、左右に(ω0−ωm)および(ω0+ωm)の不要な信号成分を生じている。このような不要な信号成分は、スプリアス成分と呼ばれている。
また、実際にはノイズは様々な周波数成分を有しているから、ωmは様々な値をとる。特に、所望の角周波数ω0の近傍に生じたスプリアス成分は、位相雑音を生じる原因となる。位相雑音は、信号対雑音比、すなわち、C/N比を劣化させる原因となる。
ここで、制御電圧VCにノイズが発生する原因となる、非特許文献1記載のFSK変調回路において発生するノイズとしては、以下のようなものが考えられる。
第1のノイズは、FSK変調回路の外部から受けるノイズである。このFSK変調回路では、分周器コントロール回路18の、ベースバンド信号を入力する端子およびロック検出回路19の出力端子からノイズを受ける場合がある。これらのノイズは、位相比較器13に進入することにより、このFSK変調回路におけるPLL回路の帰還制御に影響を与え、FSK変調信号に位相雑音を生じさせる要因となる。そして、これらのノイズは、ベースバンド信号がデジタル信号であること、また、ロック検出回路19の出力端子が、マイコン等のデジタル回路に接続されることから、これらのノイズには、デジタル信号が通常有する高周波成分が多く含まれる。
第2のノイズは、発振器11、位相比較器13または電圧制御発振器1等のデバイス自身から発生するノイズである。このノイズは、低周波から高周波にわたる成分を有している。また、このノイズは、各デバイスの特性に応じて必ず発生するものであるから、発生自体を防ぐことはできない。
第3のノイズは、位相比較器13が受ける、基準周波数信号frおよび比較周波数信号fpが含む高調波成分によるノイズである。これらの信号は矩形波であり、また、このFSK変調回路におけるPLL回路がロックしているときは、比較周波数信号fpの周波数は、基準周波数信号frの周波数と一致している。したがって、位相比較器13から出力される位相比較信号PDは、基準周波数信号frの周期をもつ矩形波信号となる。
ここで、基準周波数信号frの角周波数をωrとし、時間をtとすると、矩形波信号Vfr(t)は以下のようなフーリエ級数に展開できる。
Vfr(t)=V1×(sin(ωr×t)+φ1)+V3×(sin(3×ωr×t)+φ3)+V5×(sin(5×ωr×t)+φ5)+・・・・・ ・・・(A5)
式(A5)から、角周波数ωrの矩形波である、基準周波数信号fr、比較周波数信号fpおよび位相比較信号PDには、ωrの奇数倍である3×ωr、5×ωr・・・の高調波成分が含まれていることが分かる。第3のノイズにより生じるスプリアス成分はリファレンスリークと呼ばれている。
式(A5)から、角周波数ωrの矩形波である、基準周波数信号fr、比較周波数信号fpおよび位相比較信号PDには、ωrの奇数倍である3×ωr、5×ωr・・・の高調波成分が含まれていることが分かる。第3のノイズにより生じるスプリアス成分はリファレンスリークと呼ばれている。
ここで、主に高周波成分からなる第1のノイズおよび第3のノイズと、第2のノイズの高周波成分は、ループフィルタ15に送られると、ループフィルタ15の遮断周波数が通常、数10kHz以下に設計されていることから、ほぼすべて除去することが可能であり、FSK変調信号に位相雑音は生じない。
しかしながら、チャージポンプ14が、高周波成分からなるノイズを受けて、ループフィルタ15の遮断周波数より低い周波数成分を有するノイズに変換し、ループフィルタ15に送ることにより、ループフィルタ15がこのノイズを十分に除去することができず、FSK変調信号に位相雑音が生じてしまうことが実験的に知られている。
このような位相雑音を低減する方法としては、ループフィルタ15のループ帯域幅を狭める、すなわち、遮断周波数を低くすることで、ループ帯域外のノイズを除去する方法が考えられる。しかしながら、ループ帯域幅を狭めると、PLL回路のロックするまでの時間(以下、ロックタイムという。)が長くなってしまう。これは、チャージポンプ14の出力電流ICが、ループフィルタ15によって平滑化されすぎると、位相比較器13の位相比較信号PDの変化に対して、制御電圧VCの応答、すなわち、電圧制御発振器1の発振周波数の応答が遅れてしまうからである。
また、無線通信機器では、非常に短い時間で所定の周波数にロックすることや、非常に短い時間でチャネルの切り替えを行なうことが要求されるため、ループ帯域幅を狭める方法には限界がある。
以上のように、非特許文献1記載のFSK変調回路では、ループフィルタ15の遮断周波数より低いノイズが発生した場合に、これを除去することができず、FSK変調信号に位相雑音が生じてしまうという欠点があった。この位相雑音は、上述のように、このFSK変調回路のC/N比が劣化する原因となる。
なお、第2のノイズの低周波成分についても、これを除去することは困難であり、FSK変調信号のC/N比が劣化する原因となるが、上述のように、第2のノイズの発生自体を防ぐことは困難である。したがって、第1のノイズおよび第3のノイズを如何に除去していくかが重要である。
次に、特許文献1記載のPLL回路を用いた、FSK変調回路では、以下のような問題点がある。
波形変換回路20は、DSP(Digital Signal Processor)等を使用するため、回路規模が大きくなり、小型化および集積化が困難となるという欠点があった。また、DSP内でメモリ等を使用するため、データの読み出し等で応答時間に遅延が生じ、PLL回路のロックタイム等の応答特性に影響を与えてしまうという欠点があった。
また、チャージポンプ14が、高周波成分からなるノイズを受けて、ループフィルタ15の遮断周波数より低い周波数成分を有するノイズに変換し、ループフィルタ15に送ることにより、ループフィルタ15がこのノイズを十分に除去することができず、FSK変調信号に位相雑音が生じてしまうという、非特許文献1記載のFSK変調回路が有する欠点を克服するものではない。
次に、特許文献2記載のPLL回路を用いた、FSK変調回路では、以下のような問題点がある。
図12に、このFSK変調回路におけるPLL回路の、位相比較器13における、基準周波数信号frおよび比較周波数信号fpの位相差と制御電圧VCとの関係を示す。同図を参照して、位相差が大きく、不感帯の範囲外である場合は、位相差に応じた制御電圧VCが電圧制御発振器1に送られることが分かる。また、位相差が小さく、不感帯の範囲内である場合は、制御電圧VCが変化せず、PLL回路の帰還制御が行なわれない状態になる。
すなわち、このPLL回路は、上述のような効果を有する一方で、フィルタ回路21の出力から、電圧制御発振器1の入力までの信号経路において、不感帯の範囲内で位相比較器13における位相差が変動するようなノイズが発生した場合に、この位相変動を抑えるような帰還制御が行なわれず、FSK変調信号に位相雑音が生じてしまうという欠点があった。通常、ループフィルタ15は、PLL回路を構成するその他の回路が含まれるIC(integrated circuit)の外に設けられるため、外部からノイズを受けやすく、このような問題が起きる可能性が高い。
また、チャージポンプ14が、高周波成分からなるノイズを受けて、ループフィルタ15の遮断周波数より低い周波数成分を有するノイズに変換し、ループフィルタ15に送ることにより、ループフィルタ15がこのノイズを十分に除去することができず、FSK変調信号に位相雑音が生じてしまうという、非特許文献1記載のFSK変調回路が有する欠点を克服するものではない。
そこで、本発明は、チャージポンプが、高周波成分からなるノイズを受けて、ループフィルタの遮断周波数より低い周波数成分を有するノイズに変換し、ループフィルタに送ることにより、ループフィルタがこのノイズを十分に除去することができず、FSK変調信号に位相雑音が生じてしまうことを防ぐことのできるPLL回路を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明に係わるPLL回路は、基準周波数信号および比較周波数信号の位相差を検出し、位相差に応じた位相比較信号を出力する位相比較器と、位相比較信号を受けて、位相比較信号に含まれる高周波成分からなるノイズを除去するローパスフィルタと、高周波成分からなるノイズが除去された位相比較信号に応じて制御電流を増減し、出力するチャージポンプと、出力された制御電流の高周波成分を除去し、高周波成分が除去された制御電流を制御電圧に変換し、出力するループフィルタと、制御電圧に応じて比較周波数信号の周波数を増減し、出力する電圧制御発振器とを含む。
好ましくは、PLL回路は、遮断周波数制御信号を生成し、出力する遮断周波数制御回路をさらに含み、ローパスフィルタは、遮断周波数制御信号を受けて、遮断周波数制御信号に応じて遮断周波数を変化させる。
好ましくは、遮断周波数制御回路は任意の周波数のクロックである遮断周波数制御信号を生成し、ローパスフィルタは、オペアンプと、第1のスイッチと、第2のスイッチと、第1のコンデンサと、第2のコンデンサと、インバータとを含み、第1のスイッチは、一方が位相比較器に接続され、他方が第2のスイッチおよび第1のコンデンサに接続され、オペアンプは、負端子が第2のスイッチおよび第2のコンデンサに接続され、正端子が固定電位に接続され、出力が第2のコンデンサおよびチャージポンプに接続され、インバータは遮断周波数制御信号を受ける。
好ましくは、ローパスフィルタは、トランスコンダクタンスアンプと、コンデンサと、可変電流源とを含み、トランスコンダクタンスアンプは、入力が位相比較器に接続され、出力がコンデンサおよびチャージポンプに接続され、可変電流源は、トランスコンダクタンスアンプに接続され、可変電流源は、遮断周波数制御信号を受けて、遮断周波数制御信号に応じて電流値を変化させ、トランスコンダクタンスアンプは、可変電流源の電流値に応じてコンダクタンスを変化させる。
好ましくは、PLL回路は、一方が位相比較器およびローパスフィルタの入力に接続され、他方がローパスフィルタの出力およびチャージポンプに接続されるスイッチと、ローパスフィルタに接続される電源制御回路とをさらに含み、スイッチは、オン状態のときに位相比較信号を通過させてチャージポンプに送り、オフ状態のときに位相比較信号を通過させず、電源制御回路は、スイッチがオン状態のときにローパスフィルタへの電力供給を停止させ、スイッチがオフ状態のときにローパスフィルタへの電力供給を行なわせる。
PLL回路において、チャージポンプが、高周波成分からなるノイズを受けて、ループフィルタの遮断周波数より低い周波数成分を有するノイズに変換し、ループフィルタに送ることにより、ループフィルタがこのノイズを十分に除去することができず、FSK変調信号に位相雑音が生じてしまうことを防ぐことができる。
<第1の実施の形態>
本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
[構成]
図1は、第1の実施の形態に係るFSK変調回路の構成を示す。同図を参照して、このFSK変調回路は、図8に示す、PLL回路を用いた非特許文献1記載のFSK変調回路に対して、さらに、ローパスフィルタ31を含む。
図1は、第1の実施の形態に係るFSK変調回路の構成を示す。同図を参照して、このFSK変調回路は、図8に示す、PLL回路を用いた非特許文献1記載のFSK変調回路に対して、さらに、ローパスフィルタ31を含む。
ローパスフィルタ31は、位相比較器13とチャージポンプ14との間に配置される。その他の構成は、図8に示す非特許文献1記載のFSK変調回路と同様である。
[動作]
ローパスフィルタ31は、位相比較器13から送られる位相比較信号PDに含まれる、高周波成分からなるノイズを除去する。
ローパスフィルタ31は、位相比較器13から送られる位相比較信号PDに含まれる、高周波成分からなるノイズを除去する。
したがって、非特許文献1記載のFSK変調回路、特許文献1記載のPLL回路を用いたFSK変調回路および特許文献2記載のPLL回路を用いたFSK変調回路では、チャージポンプ14が、高周波成分からなるノイズを受けて、ループフィルタ15の遮断周波数より低い周波数成分を有するノイズに変換し、ループフィルタ15に送ることにより、ループフィルタ15がこのノイズを十分に除去することができず、FSK変調信号に位相雑音が生じてしまうという欠点があったが、本実施の形態に係るFSK変調回路では、ローパスフィルタ31が、位相比較器13から送られる位相比較信号PDに含まれる、高周波成分からなるノイズを除去することにより、チャージポンプ14が高周波成分からなるノイズを受けて、低い周波数成分を有するノイズに変換し、ループフィルタ15に送ることを防ぐことができ、FSK変調信号に位相雑音が生じることを防ぐことができる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の他の実施の形態について、図面を用いて説明する。
次に、本発明の他の実施の形態について、図面を用いて説明する。
[構成]
図2は、第2の実施の形態に係るFSK変調回路の構成を示す。同図を参照して、このFSK変調回路は、図8に示す、第1の実施の形態に係るFSK変調回路に対して、ローパスフィルタ31の代わりにローパスフィルタ32を含み、さらに、遮断周波数制御回路33を含む。
図2は、第2の実施の形態に係るFSK変調回路の構成を示す。同図を参照して、このFSK変調回路は、図8に示す、第1の実施の形態に係るFSK変調回路に対して、ローパスフィルタ31の代わりにローパスフィルタ32を含み、さらに、遮断周波数制御回路33を含む。
その他の構成は、図8に示す第1の実施の形態に係るFSK変調回路と同様である。
[動作]
遮断周波数制御回路33は、遮断周波数制御信号FCをローパスフィルタ32に送る。
遮断周波数制御回路33は、遮断周波数制御信号FCをローパスフィルタ32に送る。
ローパスフィルタ32は、遮断周波数制御信号FCに応じて遮断周波数を変化させる。
ここで、このFSK変調回路におけるPLL回路の収束時間に相当するロックタイムτは、ループフィルタ15のループ帯域幅をωlpfとすると、以下のように表わせる。
τ∝(1/ωlpf) ・・・(A6)
すなわち、ロックタイムτはωlpfに反比例し、上述したように、ループフィルタ15のループ帯域幅を狭めると、ロックタイムが長くなってしまう。
すなわち、ロックタイムτはωlpfに反比例し、上述したように、ループフィルタ15のループ帯域幅を狭めると、ロックタイムが長くなってしまう。
ここで、ローパスフィルタ32は、PLL回路の一部を構成し、帰還制御に影響を与えるものであるため、その遮断周波数はロックタイムに影響を与える。ロックタイムに影響を与えないようにするためには、ループフィルタ15の遮断周波数よりも、ローパスフィルタ32の遮断周波数を高くする必要がある。その一方で、ローパスフィルタ32の遮断周波数を高くしすぎると、高周波成分からなるノイズを除去することができなくなってしまう。したがって、ローパスフィルタ32の遮断周波数は、FSK変調回路に要求されるFSK変調信号の周波数やロックタイム等の設計条件、使用デバイスの特性および使用環境等の諸条件に応じた最適値を選択することが必要となる。
したがって、本実施の形態に係るFSK変調回路では、ローパスフィルタ32が、遮断周波数制御回路33から送られる遮断周波数制御信号FCに応じて、遮断周波数を変化させることにより、諸条件に応じた遮断周波数の最適値を選択することができる。
次に、第2の実施の形態に係るFSK変調回路におけるローパスフィルタ32を具体化した一例について図面を用いて説明する。
[構成]
図3は、第2の実施の形態に係るFSK変調回路におけるローパスフィルタ32を具体化した一例である、スイッチトキャパシタフィルタの構成を示す。同図を参照して、このスイッチトキャパシタフィルタは、オペアンプ41と、スイッチ42と、スイッチ43と、コンデンサ44と、コンデンサ45と、インバータ46とを含む。
図3は、第2の実施の形態に係るFSK変調回路におけるローパスフィルタ32を具体化した一例である、スイッチトキャパシタフィルタの構成を示す。同図を参照して、このスイッチトキャパシタフィルタは、オペアンプ41と、スイッチ42と、スイッチ43と、コンデンサ44と、コンデンサ45と、インバータ46とを含む。
スイッチ42は、一方が第2の実施の形態に係るFSK変調回路における位相比較器13に接続され、他方がスイッチ43およびコンデンサ44に接続される。スイッチ42は、位相比較器13から位相比較信号PDを受ける。
コンデンサ44は、固定電位(接地電位)に接続される。
インバータ46は、入力が第2の実施の形態に係るFSK変調回路における遮断周波数制御回路33に接続され、遮断周波数制御回路33から遮断周波数制御信号FCを受ける。
オペアンプ41は、負端子がスイッチ43およびコンデンサ45に接続され、正端子が固定電位(接地電位)に接続され、出力がコンデンサ45および第2の実施の形態に係るFSK変調回路におけるチャージポンプ14に接続される。
スイッチ42は、遮断周波数制御信号FCによってオン状態及びオフ状態を切り替える。
スイッチ43は、インバータ回路46の出力によってオン状態及びオフ状態を切り替える。
[動作]
遮断周波数制御信号FCは、任意の周波数のクロックである。
遮断周波数制御信号FCは、任意の周波数のクロックである。
スイッチ42およびスイッチ43は、スイッチ42がオン状態のときはスイッチ43がオフ状態となり、スイッチ42がオフ状態のときはスイッチ43がオン状態となる。また、クロックの論理レベルはクロック半周期毎に切り替わるため、スイッチ42及びスイッチ43の状態も、クロック半周期毎に切り替わる。
ここで、位相比較信号PDの電圧をVinとし、オペアンプ41の出力電圧をVoutとし、コンデンサ44の容量をC1とし、コンデンサ45の容量をC2とし、クロックの周波数をfclkとする。
スイッチ42がオン状態となり、スイッチ43がオフ状態となると、コンデンサ44は、クロック半周期間で、Vinまで充電され、コンデンサ44の電荷量はVin×C1となる。
次に、クロックの論理レベルが切り替わると、スイッチ42がオフ状態となり、スイッチ43がオン状態となり、クロック半周期間でコンデンサ44の電荷がコンデンサ45に送られる。そうすると、Vinによって1クロック周期間にオペアンプ41に供給される電荷量はVin×C1となるから、コンデンサ45を通過して流れる、このスイッチトキャパシタフィルタの出力電流Ioutは、以下のように表わせる。
Iout=Vin×C1×fclk ・・・(A7)
式(A7)より、このスイッチトキャパシタフィルタの入力からオペアンプ41の負端子間の等価抵抗Rは、以下のように表わせる。
式(A7)より、このスイッチトキャパシタフィルタの入力からオペアンプ41の負端子間の等価抵抗Rは、以下のように表わせる。
R=Vin/Iout=1/(C1×fclk) ・・・(A8)
式(A8)より、1クロックの半周期毎に切り替わるスイッチ42ならびにスイッチ43およびコンデンサ44は、抵抗値Rの抵抗を構成することが分かる。
式(A8)より、1クロックの半周期毎に切り替わるスイッチ42ならびにスイッチ43およびコンデンサ44は、抵抗値Rの抵抗を構成することが分かる。
したがって、このスイッチトキャパシタフィルタは、ローパスフィルタの一種であるアクティブフィルタを構成する。そして、遮断周波数fcは、以下のように表わせる。
fc=(C1×fclk)/(2π×C2) ・・・(A9)
式(A9)より、C1およびC2が固定値であれば、遮断周波数制御信号FCの周波数fclkを変えることにより、このスイッチトキャパシタフィルタの遮断周波数fcを変えることができる。
式(A9)より、C1およびC2が固定値であれば、遮断周波数制御信号FCの周波数fclkを変えることにより、このスイッチトキャパシタフィルタの遮断周波数fcを変えることができる。
また、式(A9)より、遮断周波数fcは、C1とC2との比に比例するため、このスイッチトキャパシタフィルタを集積化、すなわち、ICで実現した場合には、製造ばらつきや周辺温度によるC1およびC2の容量の変動の影響を受けにくい、という利点がある。また、集積化に適していることにより、回路の小型化を図ることができる。
[第2の実施の形態の変形例]
次に、図3に示す、第2の実施の形態に係るFSK変調回路におけるローパスフィルタ32を具体化したものの変形例について図面を用いて説明する。
次に、図3に示す、第2の実施の形態に係るFSK変調回路におけるローパスフィルタ32を具体化したものの変形例について図面を用いて説明する。
[構成]
図4は、第2の実施の形態に係るFSK変調回路におけるローパスフィルタ32を具体化した一例である、Gm−Cフィルタの構成を示す。同図を参照して、このGm−Cフィルタは、トランスコンダクタンスアンプ51と、コンデンサ52と、可変電流源53とを含む。
図4は、第2の実施の形態に係るFSK変調回路におけるローパスフィルタ32を具体化した一例である、Gm−Cフィルタの構成を示す。同図を参照して、このGm−Cフィルタは、トランスコンダクタンスアンプ51と、コンデンサ52と、可変電流源53とを含む。
トランスコンダクタンスアンプ51は、入力が第2の実施の形態に係るFSK変調回路における位相比較器13に接続され、出力がコンデンサ52および第2の実施の形態に係るFSK変調回路におけるチャージポンプ14に接続される。トランスコンダクタンスアンプ51は、位相比較器13から位相比較信号PDを受ける。
可変電流源53は、一方がトランスコンダクタンスアンプ51に接続され、他方が固定電位(接地電位)に接続される。
可変電流源53は、第2の実施の形態に係るFSK変調回路における遮断周波数制御回路33に接続され、遮断周波数制御回路33から遮断周波数制御信号FCを受ける。そして、可変電流源53は、遮断周波数制御信号FCに応じて電流値を変化させる。
トランスコンダクタンスアンプ51は、入力信号が電圧であるのに対して、出力信号が電流となるアンプである。
トランスコンダクタンスアンプ51は、可変電流源53の電流値が変化すると、そのコンダクタンスGmが変化する。
[動作]
トランスコンダクタンスアンプ51の出力にコンデンサ52を接続することで、これらはローパスフィルタを構成する。このGm−Cフィルタの遮断周波数fcは、コンデンサ52の容量をC3とすると、以下のように表わされる。
トランスコンダクタンスアンプ51の出力にコンデンサ52を接続することで、これらはローパスフィルタを構成する。このGm−Cフィルタの遮断周波数fcは、コンデンサ52の容量をC3とすると、以下のように表わされる。
fc=Gm/(2π×C3) ・・・(A10)
式(A10)より、コンダクタンスGmを変える、すなわち、可変電流源53の電流値を、遮断周波数制御信号FCによって変えることにより、このGm−Cフィルタの遮断周波数fcを変えることができる。
式(A10)より、コンダクタンスGmを変える、すなわち、可変電流源53の電流値を、遮断周波数制御信号FCによって変えることにより、このGm−Cフィルタの遮断周波数fcを変えることができる。
また、トランスコンダクタンスアンプ51は、差動増幅回路やカレントミラー回路の組み合わせで構成されるが、トランジスタ等の各素子の特性を共通にする必要があるため、集積化されている場合が多く、トランスコンダクタンスアンプ51を採用することにより、回路の小型化を図ることができる。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の他の実施の形態について、図面を用いて説明する。
次に、本発明の他の実施の形態について、図面を用いて説明する。
[構成]
図5は、第3の実施の形態に係るFSK変調回路の構成を示す。同図を参照して、このFSK変調回路は、図8に示す、第1の実施の形態に係るFSK変調回路に対して、さらに、スイッチ34と、電源制御回路35とを含む。
図5は、第3の実施の形態に係るFSK変調回路の構成を示す。同図を参照して、このFSK変調回路は、図8に示す、第1の実施の形態に係るFSK変調回路に対して、さらに、スイッチ34と、電源制御回路35とを含む。
スイッチ34は、一方が位相比較器13およびローパスフィルタ34の入力に接続され、他方がローパスフィルタ34の出力およびチャージポンプ14に接続される。
電源制御回路35は、ローパスフィルタ31に接続され、ローパスフィルタ31へ電源停止制御信号を送ることにより、ローパスフィルタ31への電源供給を停止させる。
その他の構成は、図8に示す第1の実施の形態に係るFSK変調回路と同様である。
[動作]
スイッチ34がオフ状態のときは、位相比較信号PDはローパスフィルタ31を通過してチャージポンプ14に送られる。
スイッチ34がオフ状態のときは、位相比較信号PDはローパスフィルタ31を通過してチャージポンプ14に送られる。
スイッチ34がオン状態のときは、位相比較信号PDはローパスフィルタ31を通過せず、スイッチ34を通過してチャージポンプ14に送られる。
上述したように、非特許文献1記載のFSK変調回路においては、分周器コントロール回路18の入力端子およびロック検出回路19の出力端子からノイズを受けるという問題点があった。ここで、分周器コントロール回路18は、FSK変調信号を送信するために使用するものである。また、ロック検出回路19は、このFSK変調回路におけるPLL回路がロックしていない間は無線通信機器の出力を停止することにより、所定の送信周波数以外の信号を、無線通信機器が送信することを防ぐために使用するものである。したがって、分周器コントロール回路18およびロック検出回路19は無線通信機器の送信機で使用するものであり、受信機では不要なものであるから、このFSK変調回路が受信機で使用される場合は、これらの回路は配置されないか、または、これらの回路の接続先の回路が動作していない。このため、受信機においては、このFSK変調回路がこれらの回路を介して受けるノイズは極めて小さく、ローパスフィルタ31を使用する必要性は、送信機と比べて低い。
したがって、このFSK変調回路が送信機で使用される場合は、スイッチ34をオフ状態として、位相比較信号PDをローパスフィルタ31に送る。この場合、電源制御回路35は、ローパスフィルタ31に電源停止制御信号を送らないため、ローパスフィルタ31への電力供給が行なわれる。一方、このFSK変調回路が受信機で使用される場合は、スイッチ34をオン状態として、位相比較信号PDをスイッチ34を介してチャージポンプ14に送る。この場合、電源制御回路35は、ローパスフィルタ31に電源停止制御信号を送るため、ローパスフィルタ31の電力供給が停止される。以上により、受信機におけるFSK変調回路の消費電力を低減することができる。
その他の動作は、図8に示す第1の実施の形態に係るFSK変調回路と同様である。
[変形例]
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、たとえば以下の変形例も含まれる。
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、たとえば以下の変形例も含まれる。
本発明の第2の実施の形態に係るFSK変調回路におけるローパスフィルタ32は、1つのスイッチトキャパシタフィルタにより構成されるとしたが、これに限定するものではない。図3に示すスイッチトキャパシタフィルタを直列に複数接続し、フィルタの次数をあげることにより、様々な周波数特性を得ることができる。
本発明の第2の実施の形態に係るFSK変調回路におけるローパスフィルタ32は、1つのGm−Cフィルタにより構成されるとしたが、これに限定するものではない。図4に示すGm−Cフィルタを直列に複数接続し、フィルタの次数をあげることにより、様々な周波数特性を得ることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電圧制御発振器、2,3 発振器、4,34,42,43 スイッチ、11 発振器、12,17 分周器、13 位相比較器、14 チャージポンプ、15 ループフィルタ、18 分周器コントロール回路、19 ロック検出回路、20 波形変換回路、21 フィルタ回路、31,32 ローパスフィルタ、33 遮断周波数制御回路、35 電源制御回路、41 オペアンプ、44,45,52 コンデンサ、46 インバータ、51 トランスコンダクタンスアンプ、53 可変電流源。
Claims (5)
- 基準周波数信号および比較周波数信号の位相差を検出し、前記位相差に応じた位相比較信号を出力する位相比較器と、
前記位相比較信号を受けて、前記位相比較信号に含まれる高周波成分からなるノイズを除去するローパスフィルタと、
前記高周波成分からなるノイズが除去された位相比較信号に応じて制御電流を増減し、出力するチャージポンプと、
前記出力された制御電流の高周波成分を除去し、前記高周波成分が除去された制御電流を制御電圧に変換し、出力するループフィルタと、
前記制御電圧に応じて前記比較周波数信号の周波数を増減し、出力する電圧制御発振器とを含むPLL回路。 - 遮断周波数制御信号を生成し、出力する遮断周波数制御回路をさらに含み、
前記ローパスフィルタは、前記遮断周波数制御信号を受けて、前記遮断周波数制御信号に応じて遮断周波数を変化させる請求項1記載のPLL回路。 - 前記遮断周波数制御回路は、任意の周波数のクロックである遮断周波数制御信号を生成し、
前記ローパスフィルタは、オペアンプと、第1のスイッチと、第2のスイッチと、第1のコンデンサと、第2のコンデンサと、インバータとを含み、
前記第1のスイッチは、一方が前記位相比較器に接続され、他方が前記第2のスイッチおよび前記第1のコンデンサに接続され、
前記オペアンプは、負端子が前記第2のスイッチおよび前記第2のコンデンサに接続され、正端子が固定電位に接続され、出力が前記第2のコンデンサおよび前記チャージポンプに接続され、
前記インバータは前記任意の周波数のクロックである遮断周波数制御信号を受ける請求項2記載のPLL回路。 - 前記ローパスフィルタは、トランスコンダクタンスアンプと、コンデンサと、可変電流源とを含み、
前記トランスコンダクタンスアンプは、入力が前記位相比較器に接続され、出力が前記コンデンサおよび前記チャージポンプに接続され、
前記可変電流源は、前記トランスコンダクタンスアンプに接続され、
前記可変電流源は、前記遮断周波数制御信号を受けて、前記遮断周波数制御信号に応じて電流値を変化させ、
前記トランスコンダクタンスアンプは、前記可変電流源の電流値に応じてコンダクタンスを変化させる請求項2記載のPLL回路。 - 一方が前記位相比較器および前記ローパスフィルタの入力に接続され、他方が前記ローパスフィルタの出力および前記チャージポンプに接続されるスイッチと、
前記ローパスフィルタに接続される電源制御回路とをさらに含み、
前記スイッチは、オン状態のときに前記位相比較信号を通過させて前記チャージポンプに送り、オフ状態のときに前記位相比較信号を通過させず、
前記電源制御回路は、前記スイッチがオン状態のときに前記ローパスフィルタへの電力供給を停止させ、前記スイッチがオフ状態のときに前記ローパスフィルタへの電力供給を行なわせる請求項1記載のPLL回路。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10250268B2 (en) | 2017-07-11 | 2019-04-02 | Nihon Dempa Kogyo Co., Ltd. | PLL circuit |
CN110324039A (zh) * | 2018-03-29 | 2019-10-11 | 精工爱普生株式会社 | 电路装置、振荡器、电子设备以及移动体 |
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-
2004
- 2004-05-31 JP JP2004161748A patent/JP2005347817A/ja not_active Withdrawn
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