JP2004040032A - 配線基板及び配線基板の製造方法 - Google Patents

配線基板及び配線基板の製造方法 Download PDF

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Rokuro Kanbe
神戸 六郎
Masao Kuroda
黒田 正雄
Satoshi Hirano
平野 訓
Yasuhiro Sugimoto
杉本 康宏
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Abstract

【課題】絶縁層間の導体層が導体配線層とプレーン導体層とを含む配線基板について、導体層上の樹脂絶縁層の表面の平坦性を向上させることができる配線基板及び配線基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】配線基板101は、主面側第1絶縁層113と、この上に積層された主面側第2絶縁層114と、これらの層間に形成され、導体配線層128と平板状のプレーン導体層129とを含む主面側第2導体層127とを備える。そして、上記プレーン導体層129は、多数の孔129Kが形成されたメッシュ状をなし、上記第2樹脂絶縁層114の表面は、高低差8μmの以下の平坦性を有する。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂絶縁層とその層間に形成された導体層とを備える配線基板及び配線基板の製造方法に関し、特に、その導体層が導体配線層と平板状のプレーン導体層とを含む配線基板及び配線基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、樹脂絶縁層とその層間に形成された導体層とを備える配線基板であって、その導体層が導体配線層と平板状のプレーン導体層とを含むものが知られている。
例えば、図4に簡略化した縦断面図を示す配線基板901が挙げられる。この配線基板901は、図示しないICチップを搭載する基板主面902と、図示しないマザーボードに接続される基板裏面903とを有する略板形状である。配線基板901は、その中心に樹脂製のコア基板911を備える。コア基板911の基板主面902側には、主面側第1樹脂絶縁層913と主面側第2樹脂絶縁層914と主面側ソルダーレジスト層915が積層されている。また同様に、コア基板911の基板裏面903側には、裏面側第1樹脂絶縁層917と裏面側第2樹脂絶縁層918と裏面側ソルダーレジスト層919が積層されている。
【0003】
基板内部を基板主面902側から基板裏面903側に向かって順に説明すると、主面側第2樹脂絶縁層914の表面には、主面側第3導体層921が形成されている。この主面側第3導体層921には、主面側ソルダーレジスト層915の主面側開口915K内に露出し、ICチップの端子と接続される多数のIC接続端子922が含まれる。また、主面側第3導体層921には、略ベタ状に拡がる平板状のプレーン導体層923が含まれる。
主面側第2絶縁層914には、これを貫通し上記主面側第3導体層921と接続する主面側第2ビア導体925が多数形成されている。
【0004】
主面側第1絶縁層913の表面には、上記主面側第2ビア導体925と接続する主面側第2導体層927が形成されている(図5参照)。この主面側第2導体層927には、導体配線層928と、略ベタ状に拡がる平板状のプレーン導体層929が含まれる。なお、図5は、主面側第2導体層927の部分拡大平面図を示す。
主面側第1絶縁層913には、これを貫通し上記主面側第2導体層927と接続する主面側第1ビア導体930が多数形成されている。
コア基板911の基板主面902側の表面には、上記主面側第1ビア導体930の一部と接続する主面側第1導体層931が形成されている。この主面側第1導体層931には、略ベタ状に拡がる平板状のプレーン導体層932が含まれる。
コア基板911には、これを貫通し上記主面側第1導体層931や主面側第1ビア導体930の一部と接続するスルーホール導体935が多数形成されている。
【0005】
コア基板911の基板裏面903側の表面には、上記スルーホール導体935の一部と接続する裏面側第1導体層937が形成されている。この裏面側第1導体層937には、略ベタ状に拡がる平板状のプレーン導体層938が含まれる。裏面側第1絶縁層917には、これを貫通し上記裏面側第1導体層937やスルーホール導体935の一部と接続する裏面側第1ビア導体941が多数形成されている。
裏面側第1絶縁層917の表面には、上記裏面側第1ビア導体941と接続する裏面側第2導体層943が形成されている。この裏面側第2導体層943には、上記主面側第2導体層927と同様に、導体配線層944と、略ベタ状に拡がる平板状のプレーン導体層945が含まれる。
裏面側第2絶縁層918には、これを貫通し上記裏面側第2導体層943と接続する裏面側第2ビア導体947が多数形成されている。
【0006】
裏面側第2絶縁層918の表面には、上記裏面側第2ビア導体947と接続する裏面側第3導体層949が形成されている。この裏面側第3導体層949には、裏面側ソルダーレジスト層919の裏面側開口919K内に露出し、マザーボードの端子に接続される多数の裏面接続端子950が含まれる。また、裏面側第3導体層949には、略ベタ状に拡がる平板状のプレーン導体層951が含まれる。
このような配線基板901は、ICチップを搭載し、マザーボードに接続したときに、マザーボードからICチップへ電源電位や接地電位を供給したり、マザーボードとICチップとの間で信号を伝送することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような配線基板901では、図6に部分拡大断面図を示すように、主面側第2導体層927の導体配線層928上に形成された主面側第2樹脂絶縁層914の厚さが、プレーン導体層929上に形成された主面側第2樹脂絶縁層914の厚さよりも薄くなり、主面側第2樹脂絶縁層914の表面の平坦性が損なわれていた。具体的には、場所によっては、表面の高低差が15μm程度できる場合があった。これは、導体配線層928上の部分においては、配線間の隙間を埋めるために多くの絶縁材が必要となるのに対し、プレーン導体層929上の部分においては、そのような絶縁材が必要でないことに起因する。
また、このように主面側第2樹脂絶縁層914の表面の平坦性が損なわれることにより、その上に形成する主面側第1導体層921や主面側ソルダーレジスト層915の平坦性も損なわれ、配線基板901の信頼性に劣っていた。
なお、導体配線層944とプレーン導体層945を有する裏面側第2導体層943上に形成された裏面側第2樹脂絶縁層918についても、同様な理由から、その表面の平坦性が損なわれるなどの問題が生じていた。
【0008】
本発明はかかる現状に鑑みてなされたものであって、樹脂絶縁層の層間に形成され導体配線層とプレーン導体層とを含む導体層を備える配線基板について、導体層上に形成された樹脂絶縁層の表面の平坦性を向上させることができる配線基板及び配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
その解決手段は、第1樹脂絶縁層と、上記第1樹脂絶縁層上に積層された第2樹脂絶縁層と、上記第1樹脂絶縁層と上記第2樹脂絶縁層との層間に形成された導体層であって、導体配線層と平板状のプレーン導体層とを含む導体層と、を備える配線基板であって、上記プレーン導体層は、多数の孔が形成されたメッシュ状をなし、上記第2樹脂絶縁層の表面は、高低差8μmの以下の平坦性を有する配線基板である。
【0010】
本発明によれば、第1,第2樹脂絶縁層の層間に形成された導体層は、導体配線層と平板状のプレーン導体層とを含む。このうちプレーン導体層は、多数の孔が形成されたメッシュ状とされている。そして、導体層上の第2樹脂絶縁層の表面は、高低差8μmの以下の平坦性を有する。
このような配線基板では、導体配線層上の部分において、配線間の隙間を埋めるために絶縁材が必要とされるが、プレーン導体層上の部分においても、多数の孔を埋めるために絶縁材が必要とされる。このため、導体配線層上に形成された第2樹脂絶縁層の厚さと、プレーン導体層上に形成された第2樹脂絶縁層の厚さの差を少なくすることができる。具体的には、第2樹脂絶縁層の表面の高低差を8μm以下とすることができ、表面の平坦性を確保することができる。
さらに、このような配線基板は、第2樹脂絶縁層の表面の平坦性が高いため、その上にさらに導体層や樹脂絶縁層、ソルダーレジスト層等が形成されていても、それらの平坦性も高く、配線基板の信頼性が向上する。
【0011】
さらに、上記の配線基板であって、前記プレーン導体層が形成された領域全体の面積に占める上記プレーン導体層の導体面積の面積率に対し、上記プレーン導体層によって囲まれ前記導体配線層が形成された領域全体の面積に占める上記導体配線層の導体面積の面積率の割合が、0.25以上である配線基板とすると良い。
【0012】
本発明によれば、プレーン導体層が形成された領域全体の面積に占めるプレーン導体層の導体面積の面積率に対し、プレーン導体層によって囲まれ導体配線層が形成された領域全体の面積に占める導体配線層の導体面積の面積率の割合が、0.25以上である。即ち、プレーン導体層の導体面積の面積率が小さくされ、導体配線層の導体面積の面積率との差が少なくされている。
このような配線基板では、プレーン導体層上の部分において、多数の孔を埋めるためにより多くの絶縁材が必要とされるので、導体配線層上の部分において配線間の隙間を埋めるために必要とされる絶縁材との差がより小さくなる。このため、導体配線層上に形成された第2樹脂絶縁層の厚さと、プレーン導体層上に形成された第2樹脂絶縁層の厚さの差をより少なくすることができ、第2樹脂絶縁層の表面の平坦性をより向上させることができる。
【0013】
さらに、上記のいずれかに記載の配線基板であって、前記プレーン導体層が形成された領域全体の面積に占める上記プレーン導体層の導体面積の面積率は、85%以下である配線基板とすると良い。
【0014】
本発明によれば、プレーン導体層が形成された領域全体の面積に占めるプレーン導体層の導体面積の面積率が、85%以下である。
このため、プレーン導体層上の部分において、多数の孔を埋めるためにより多くの絶縁材が必要とされるので、導体配線層上の部分において配線間の隙間を埋めるために必要とされる絶縁材との差がより小さくなる。このため、導体配線層上に形成された第2樹脂絶縁層の厚さと、プレーン導体層上に形成された第2樹脂絶縁層の厚さの差をより少なくすることができ、第2樹脂絶縁層の表面の平坦性をより向上させることができる。
【0015】
さらに、上記のいずれかに記載の配線基板であって、前記導体層の厚さは、10μm以上であり、前記第2樹脂絶縁層の厚さは、45μm以下である配線基板とすると良い。
【0016】
導体層の厚さが厚く、また、第2樹脂絶縁層の厚さが薄い場合には、場所による導体層の粗密の影響を強く受け、第2樹脂絶縁層の表面の平坦性が大きく損なわれやすい。従って、このような配線基板については、特に、上述した発明を適用し、第2樹脂絶縁層の表面の平坦性を向上させるのが好ましい。
【0017】
また、他の解決手段は、第1樹脂絶縁層と、上記第1樹脂絶縁層上に積層された第2樹脂絶縁層と、上記第1樹脂絶縁層と上記第2樹脂絶縁層との層間に形成された導体層であって、導体配線層と平板状のプレーン導体層とを含む導体層と、を備える配線基板の製造方法であって、上記第1樹脂絶縁層を有する基板本体のうち上記第1樹脂絶縁層上に、上記導体層を形成する工程であって、上記プレーン導体層を、多数の孔を有するメッシュ状に形成する工程と、上記第1樹脂絶縁層及び上記導体層上に、上記第2樹脂絶縁層を形成する工程と、を備える配線基板の製造方法である。
【0018】
本発明の製造方法は、基板本体の第1樹脂絶縁層上に導体層を形成する工程と、第1樹脂絶縁層及び導体層上に第2樹脂絶縁層を形成する工程とを備える。このうち、導体層を形成する工程では、導体層のうちプレーン導体層を、多数の孔を有するメッシュ状に形成する。
このようにして配線基板を製造すれば、導体配線層上の部分において、配線間の隙間を埋めるために絶縁材が必要とされるが、プレーン導体層上の部分においても、多数の孔を埋めるために絶縁材が必要とされる。このため、導体配線層上に形成された第2樹脂絶縁層の厚さと、プレーン導体層上に形成された第2樹脂絶縁層の厚さの差を少なくすることができ、第2樹脂絶縁層の表面の平坦性を高くすることができる。具体的には、表面の高低差が8μmの以下の平坦性を有する第2樹脂絶縁層を容易に形成することができる。
さらに、第2樹脂絶縁層上に導体層や樹脂絶縁層、ソルダーレジスト層等を形成する場合であっても、第2樹脂絶縁層の表面の平坦性が高いので、それらの平坦性も確保することができ、配線基板の信頼性を向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態の配線基板101について、図1に簡略化した縦断面図を示す。この配線基板101は、ICチップが搭載されると共にマザーボードに接続されるものであり、マザーボードからICチップに電源電位や接地電位を供給したり、マザーボードとICチップとの間で信号を伝送することができる。
【0020】
配線基板101は、図示しないICチップを搭載する基板主面102と、図示しないマザーボードに接続される基板裏面103とを有する略矩形の略板形状である。配線基板101は、その中心にガラス−エポキシ樹脂からなる厚さ約800μmのコア基板111を備える。このコア基板111の基板主面102側には、エポキシ樹脂等からなる厚さ約30μmの主面側第1絶縁層113が積層され、その上には、同じくエポキシ樹脂等からなる厚さ約30μmの主面側第2絶縁層114が積層され、さらにその上には、同じくエポキシ樹脂等からなる厚さ約25μmの主面側ソルダーレジスト層115が積層されている。また同様に、コア基板111の基板裏面103側には、エポキシ樹脂等からなる厚さ約30μmの裏面側第1絶縁層117が積層され、その上には、同じくエポキシ樹脂等からなる厚さ約30μmの裏面側第2絶縁層118が積層され、さらにその上には、同じくエポキシ樹脂等からなる厚さ約25μmの裏面側ソルダーレジスト層119が積層されている。
【0021】
基板内部の詳細を基板主面102側から基板裏面103側に向かって説明すると、主面側第2絶縁層114の表面には、Cuからなる厚さ約15μmの主面側第3導体層121が形成されている。この主面側第3導体層121には、ICチップの端子と接続される多数のIC接続端子122が含まれる。これらのIC接続端子122は、基板主面102のうちICチップを搭載する平面視略中央のIC搭載領域下に略格子状に配置され、それぞれの中央部が主面側ソルダーレジスト層115に形成された主面側開口115K内に露出している。また、主面側第3導体層121には、IC接続端子122が形成された領域を除く領域に略ベタ状に拡がり、接地電位とされる平板状のプレーン導体層123が含まれる。
主面側第2絶縁層114には、これを貫通し上記主面側第3導体層121と接続する直径約65μmの主面側第2ビア導体125が多数形成されている。この主面側第2ビア導体125は、Cuからなるフィルドビア導体である。
【0022】
主面側第1絶縁層113の表面には、図2に部分拡大平面図を示すように、上記主面側第2ビア導体125と接続する主面側第2導体層127が形成されている。主面側第2導体層127は、Cuからなり、厚さが約15μmである。
この主面側第2導体層127には、主に信号を伝送する導体配線層128が含まれる。導体配線層128に含まれる各配線の線幅は約25μmであり、配線と後述するプレーン導体層129との絶縁間隔は、約50μmである。そして、後述するプレーン導体層129によって囲まれ導体配線層128が形成された領域全体の面積に占める導体配線層128の導体面積の面積率は、約25%とされている。
【0023】
また、主面側第2導体層127には、導体配線層128が形成された領域を除く領域に略ベタ状に拡がり、接地電位とされる平板状のプレーン導体層129が含まれる。このプレーン導体層129には、従来とは異なり、多数の孔129Kが形成され、メッシュ状とされている。各孔の開口径は約250μmであり、約500μmの間隔で略格子状に配置されている。そして、プレーン導体層129が形成された領域全体の面積に占めるプレーン導体層129の導体面積の面積率は、約80%とされている。
従って、上述したプレーン導体層129の導体面積の面積率に対し、上述した導体配線層128の導体面積の面積率の割合が、約0.31である。
【0024】
主面側第1絶縁層113には、これを貫通し上記主面側第2導体層127と接続する直径約65μmの主面側第1ビア導体130が多数形成されている。この主面側第1ビア導体130も、Cuからなるフィルドビア導体である。
コア基板111の基板主面102側の表面には、上記主面側第1ビア導体130の一部と接続する主面側第1導体層131が形成されている。主面側第1導体層131は、Cuからなり、厚さが約25μmである。この主面側第1導体層131には、略ベタ状に拡がり、電源電位とされる平板状のプレーン導体層132が含まれる。プレーン導体層132には、多数の貫通孔132Kが形成され、接地電位とされるあるいは信号を伝送する主面側第1ビア導体130は、これらの貫通孔132K内に位置し、プレーン導体層132と絶縁している。
【0025】
コア基板111には、これを貫通し上記主面側第1導体層131または主面側第1ビア導体130の一部と接続する直径約150μm、厚さ約18μmの略筒状のスルーホール導体135が多数形成されている。スルーホール導体135は、Cuからなり、その内部には、図示しない樹脂充填体が充填されている。
コア基板111の基板裏面103側の表面には、上記スルーホール導体135の一部と接続する裏面側第1導体層137が形成されている。裏面側第1導体層137は、Cuからなり、厚さが約25μmである。この裏面側第1導体層137には、略ベタ状に拡がり、接地電位とされる平板状のプレーン導体層138が含まれる。このプレーン導体層138には、多数の貫通孔138Kが形成され、電源電位とされるあるいは信号を伝送するスルーホール導体135は、これらの貫通孔138K内に位置し、プレーン導体層138と絶縁している。
裏面側第1絶縁層117には、これを貫通し上記裏面側第1導体層137またはスルーホール導体135の一部と接続する直径約65μmの裏面側第1ビア導体141が多数形成されている。この裏面側第1ビア導体141も、Cuからなるフィルドビア導体である。
【0026】
裏面側第1絶縁層117の表面には、裏面側第1ビア導体141と接続する裏面側第2導体層143が形成されている。裏面側第2導体層143は、Cuからなり、厚さが約15μmである。
この裏面側第2導体層143には、上記主面側第2導体層127と同様に、主に信号を伝送する導体配線層144が含まれる。導体配線層144に含まれる各配線の線幅は約25μmであり、配線と後述するプレーン導体層145との絶縁間隔は、約50μmである。そして、後述するプレーン導体層145によって囲まれ導体配線層144が形成された領域全体の面積に占める導体配線層144の導体面積の面積率は、約25%となっている。
【0027】
また、裏面側第2導体層143には、導体配線層144が形成された領域を除く領域に略ベタ状に拡がり、接地電位とされる平板状のプレーン導体層145が含まれる。このプレーン導体層145には、従来とは異なり、多数の孔が形成され、メッシュ状とされている。各孔の開口径は約250μmであり、約500μmの間隔で略格子状に配置されている。そして、プレーン導体層145が形成された領域全体の面積に占めるプレーン導体層145の導体面積の面積率は、約80%となっている。
従って、上述したプレーン導体層145の導体面積の面積率に対し、上述した導体配線層144の導体面積の面積率の割合が、約0.31である。
【0028】
裏面側第2絶縁層118には、これを貫通し上記裏面側第2導体層143と接続する直径約65μmの裏面側第2ビア導体147が形成されている。この裏面側第2ビア導体147も、Cuからなるフィルドビア導体である。
裏面側第2絶縁層118の表面には、裏面側第2ビア導体147と接続する裏面側第3導体層149が形成されている。裏面側第3導体層149は、Cuからなり、厚さが約15μmである。この裏面側第3導体層149には、マザーボードの端子と接続される多数の裏面接続端子150が含まれる。これらの裏面接続端子150は、略格子状に配置され、それぞれの中央部が裏面側ソルダーレジスト層119に形成された裏面側開口119K内に露出している。また、裏面側第3導体層149には、裏面接続端子150が形成された領域を除く領域に略ベタ状に拡がり、電源電位とされる平板状のプレーン導体層151が含まれる。
【0029】
このような配線基板101では、図3に部分拡大断面図を示すように、主面側第2導体層127が、導体配線層128と平板状のプレーン導体層129とを含む。このうちプレーン導体層129は、多数の孔129Kが形成されたメッシュ状とされている。そして、主面側第2導体層127上の主面側第2絶縁層114の表面は、高低差8μmの以下の平坦性を有する。
このため、導体配線層128上の部分において、配線間の隙間を埋めるために絶縁材が必要とされるが、プレーン導体層129上の部分においても、多数の孔129Kを埋めるために絶縁材が必要とされる。従って、導体配線層128上に形成された主面側第2絶縁層114の厚さと、プレーン導体層129上に形成された主面側第2絶縁層114の厚さの差を少なくすることができる。具体的には、主面側第2絶縁層114の表面の高低差を8μm以下とすることができ、表面の平坦性を確保することができる。
さらに、主面側第2絶縁層114の表面の平坦性が高いため、その上にさらに形成された主面側第3導体層121や主面側ソルダーレジスト層115の平坦性も高く、配線基板101の信頼性を向上させることができる。
【0030】
さらに、上記プレーン導体層129が形成された領域全体の面積に占めるプレーン導体層129の導体面積の面積率に対し、プレーン導体層129によって囲まれ上記導体配線層128が形成された領域全体の面積に占める導体配線層128の導体面積の面積率の割合(0.31)が、0.25以上である。
このため、プレーン導体層129上の部分において、多数の孔129Kを埋めるために、より多くの絶縁材が必要とされるので、導体配線層128上の部分において配線間の隙間を埋めるために必要とされる絶縁材との差がより小さくなる。このため、導体配線層128上に形成された主面側第2絶縁層114の厚さと、プレーン導体層129上に形成された主面側第2絶縁層114の厚さの差をより少なくすることができ、主面側第2絶縁層114の表面の平坦性をより向上させることができる。
【0031】
またさらに、上記プレーン導体層129が形成された領域全体の面積に占めるプレーン導体層129の導体面積の面積率(約80%)が、85%以下である。
このため、プレーン導体層129上の部分において、多数の孔129Kを埋めるために、より多くの絶縁材が必要とされるので、導体配線層128上の部分において配線間の隙間を埋めるために必要とされる絶縁材との差がより小さくなる。このため、導体配線層128上に形成された主面側第2絶縁層114の厚さと、プレーン導体層129上に形成された主面側第2絶縁層114の厚さの差をより少なくすることができ、主面側第2絶縁層114の表面の平坦性をより向上させることができる。
【0032】
また、主面側第2導体層127の厚さ(約15μm)が10μm以上と厚く、一方、主面側第2絶縁層114の厚さ(約30μm)が45μm以下と薄いため、場所による主面側第2導体層127の粗密の影響を強く受け、主面側第2絶縁層114の表面の平坦性が大きく損なわれやすい。しかし、上述したように、プレーン導体層129がメッシュ状とされているので、主面側第2絶縁層114の平坦性を向上させることができる。
なお、裏面側第2導体層143についても、上述した各効果と同様な効果が得られることは言うまでもない。
【0033】
次いで、上記配線基板101の製造方法について説明する。
まず、両面に銅箔が張られたコア基板111を用意する。そして、これにドリルやレーザ等により、スルーホール導体135に対応した所定の位置にスルーホールを穿孔する。次に、Cu無電解メッキとCu電解メッキを順次施し、スルーホールの内周面に略筒状のスルーホール導体135を形成すると共に、コア基板111の両面の略全面にベタ状導体層を形成する。その後、スルーホール導体135内に樹脂ペーストを印刷充填し、樹脂ペーストを熱硬化させて、樹脂充填体を形成する。そして、この樹脂充填体の端部を研磨除去し、コア基板111の両面をそれぞれ面一にする。さらに、Cu無電解メッキとCu電解メッキを順次施し、樹脂充填体上に蓋メッキ層を形成する。その後、両面のベタ状導体層上に、公知のフォトリソグラフィ法により所定パターンのエッチングレジスト層をそれぞれ形成する。そして、エッチングレジスト層から露出する導体層をエッチング除去し、ベタ状導体層から主面側第1導体層131と裏面側第1導体層137を形成する(第1の導体形成工程)。
【0034】
次に、第1の絶縁層形成工程において、コア基板111及び主面側第1導体層131上に、公知のフォトリソグラフィ法により、絶縁材としてドライフィルムを利用して、主面側第1ビア導体130に対応した所定の位置にビアホールを有する主面側第1絶縁層113を形成する。また同様にして、コア基板111及び裏面側第1導体層137上に、裏面側第1ビア導体141に対応した所定の位置にビアホールを有する裏面側第1絶縁層117を形成する。
その際、コア基板111上の主面側第1導体層131及び裏面側第1導体層137は、それぞれ略全面にベタ状に拡がるプレーン導体層132,138を含むので、その上に形成する主面側第1絶縁層113及び裏面側第1絶縁層117の表面の平坦性は高くなる。従って、樹脂の表面を研磨したり、特別な平坦化処理をする必要がない。
【0035】
次に、第2の導体形成工程において、主面側第1絶縁層113のビアホールに主面側第1ビア導体130を形成すると共に、裏面側第1絶縁層117のビアホールに裏面側第1ビア導体141を形成する。また、主面側第1絶縁層113上に主面側第2導体層127を形成し、裏面側第1絶縁層117上に裏面側第2導体層143を形成する。
具体的には、まず、Cu無電解メッキを施し、主面側第1絶縁層113上及びそのビアホール内、裏面側第1絶縁層117上及びそのビアホール内に、無電解メッキ層を形成する。その後、主面側第1絶縁層113上の無電解メッキ層上と裏面側第1絶縁層117上の無電解メッキ層上に、公知のフォトリソグラフィ法により所定パターンのメッキレジスト層を形成する。次に、Cu電解メッキを施し、各々のメッキレジスト層から露出する無電解メッキ層上に、電解メッキを形成する。その後、メッキレジスト層をそれぞれ剥離して、露出した無電解メッキ層をエッチングにより除去し、所定パターンの主面側第2導体層127と裏面側第2導体層143を形成する。なお、主面側第2導体層127のプレーン導体層129、及び、裏面側第2導体層143のプレーン導体層145は、いずれも、前述した多数の孔129K等を有するメッシュ状に形成する。
【0036】
次に、第2の絶縁層形成工程において、主面側第1絶縁層113及び主面側第2導体層127上に、公知のフォトリソグラフィ法により、絶縁材としてドライフィルムを利用して、主面側第2ビア導体125に対応した所定の位置にビアホールを有する主面側第2絶縁層114を形成する。また同様にして、裏面側第1絶縁層117及び裏面側第2導体層143上に、裏面側第2ビア導体147に対応した所定の位置にビアホールを有する裏面側第2絶縁層118を形成する。
その際、主面側第2導体層127及び裏面側第1導体層143は、それぞれプレーン導体層129,145が多数の孔129K等を有するメッシュ状に形成されているので、主面側第2絶縁層114及び裏面側第2絶縁層118の表面の平坦性を高くすることができる。具体的には、各々の表面の高低差を8μm以下とすることができる。従って、樹脂の表面を研磨したり、特別な平坦化処理をする必要がない。
【0037】
次に、第3の導体形成工程において、主面側第2絶縁層114のビアホールに主面側第2ビア導体125を形成すると共に、裏面側第2絶縁層118のビアホールに裏面側第2ビア導体147を形成する。また、主面側第2絶縁層114上に主面側第3導体層121を形成し、裏面側第1絶縁層118上に裏面側第2導体層149を形成する。この工程は、上記第2の導体形成工程と同様に行えばよい。
【0038】
次に、ソルダーレジスト層形成工程において、主面側第2絶縁層114及び主面側第3導体層121上に、公知のフォトリソグラフィ法により、絶縁材としてドライフィルムを利用して、主面側開口115Kを所定の位置に有する主面側ソルダーレジスト層115を形成する。また同様にして、裏面側第2絶縁層118及び裏面側第3導体層149上に、裏面側開口119Kを所定の位置に有する裏面側ソルダーレジスト層119を形成する。
【0039】
次に、無電解Niメッキを施し、主面側ソルダーレジスト層115の主面側開口115K内に露出する主面側第3導体層121上に、Niメッキ層を被着させる。またこれと共に、裏面側ソルダーレジスト層119の裏面側開口119K内に露出する裏面側第3導体層149上にも、Niメッキ層を被着させる。その後、Auメッキを施し、酸化防止のため、各Niメッキ層上に、ごく薄いAuメッキ層を被着させる。
以上のようにして、配線基板101が完成する。
【0040】
以上で説明したように、本製造方法では、基板本体の主面側第1絶縁層113上に主面側第2導体層127を形成する工程と、主面側第1絶縁層113及び主面側第2導体層127上に主面側第2絶縁層114を形成する工程とを備える。このうち、主面側第2導体層127を形成する工程では、プレーン導体層129を、多数の孔129Kを有するメッシュ状に形成する。
このようにして配線基板101を製造すれば、導体配線層128上の部分において、配線間の隙間を埋めるために絶縁材が必要とされるが、プレーン導体層129上の部分においても、多数の孔129Kを埋めるために絶縁材が必要とされる。このため、導体配線層128上に形成された主面側第2絶縁層114の厚さと、プレーン導体層129上に形成された主面側第2絶縁層114の厚さの差を少なくすることができ、主面側第2絶縁層114の表面の平坦性を高くすることができる。
【0041】
さらに、主面側第2絶縁層114の表面の平坦性が高いため、主面側第2絶縁層114上に主面側第3導体層121や主面側ソルダーレジスト層115を形成したときにも、それらの平坦性も確保することができ、配線基板101の信頼性が向上させることができる。
なお、裏面側第2導体層143についても、上述した各効果と同様な効果が得られることは言うまでもない。
【0042】
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、コア基板111を中心に有する多層の配線基板101について例示したが、コア基板のない配線基板に本発明を適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る配線基板の簡略化した縦断面図である。
【図2】実施形態に係る配線基板に関し、主面側第2導体層の一部を示す部分拡大平面図である。
【図3】実施形態に係る配線基板に関し、主面側第2導体層及び主面側第2絶縁層付近の一部を示す部分拡大断面図である。
【図4】従来技術に係る配線基板の簡略化した縦断面図である。
【図5】従来技術に係る配線基板に関し、主面側第2導体層の一部を示す部分拡大平面図である。
【図6】従来技術に係る配線基板に関し、主面側第2導体層及び主面側第2絶縁層付近の一部を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
101   配線基板
111   コア基板
113   主面側第1絶縁層
114   主面側第2絶縁層
117   裏面側第1絶縁層
118   裏面側第2絶縁層
121   主面側第3導体層
127   主面側第2導体層
128   (主面側第2導体層の)導体配線層
129      (主面側第2導体層の)プレーン導体層
129K  (プレーン導体層の)孔
131   主面側第1導体層
137   裏面側第1導体層
143   裏面側第2導体層
144   (裏面側第2導体層の)導体配線層
145      (裏面側第2導体層の)プレーン導体層
149   裏面側第3導体層

Claims (5)

  1. 第1樹脂絶縁層と、
    上記第1樹脂絶縁層上に積層された第2樹脂絶縁層と、
    上記第1樹脂絶縁層と上記第2樹脂絶縁層との層間に形成された導体層であって、導体配線層と平板状のプレーン導体層とを含む導体層と、
    を備える配線基板であって、
    上記プレーン導体層は、多数の孔が形成されたメッシュ状をなし、
    上記第2樹脂絶縁層の表面は、高低差8μmの以下の平坦性を有する
    配線基板。
  2. 請求項1に記載の配線基板であって、
    前記プレーン導体層が形成された領域全体の面積に占める上記プレーン導体層の導体面積の面積率に対し、上記プレーン導体層によって囲まれ前記導体配線層が形成された領域全体の面積に占める上記導体配線層の導体面積の面積率の割合が、0.25以上である
    配線基板。
  3. 請求項1または請求項2に記載の配線基板であって、前記プレーン導体層が形成された領域全体の面積に占める上記プレーン導体層の導体面積の面積率は、85%以下である
    配線基板。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の配線基板であって、
    前記導体層の厚さは、10μm以上であり、
    前記第2樹脂絶縁層の厚さは、45μm以下である
    配線基板。
  5. 第1樹脂絶縁層と、
    上記第1樹脂絶縁層上に積層された第2樹脂絶縁層と、
    上記第1樹脂絶縁層と上記第2樹脂絶縁層との層間に形成された導体層であって、導体配線層と平板状のプレーン導体層とを含む導体層と、
    を備える配線基板の製造方法であって、
    上記第1樹脂絶縁層を有する基板本体のうち上記第1樹脂絶縁層上に、上記導体層を形成する工程であって、上記プレーン導体層を、多数の孔を有するメッシュ状に形成する工程と、
    上記第1樹脂絶縁層及び上記導体層上に、上記第2樹脂絶縁層を形成する工程と、
    を備える配線基板の製造方法。
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