JP2004039268A - ブレーカ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】主回路が閉じている状態のままで固定電極から可動電極が離脱してしまうのを防止する。
【解決手段】固定電極11を短絡解除するとき、規制部材40が規制位置にある状態(即ち、スイッチング手段が閉作動のままであって主回路が閉じた状態)のままでスライドレバー30を操作しようとしても、規制部材40が規制位置にある状態では規制板44が邪魔になってスライドレバー30の操作部33に手をかけることができないので、スライドレバー30を操作して可動電極21を固定電極11から離脱させることはできない。したがって、主回路が閉じている状態のままで固定電極11間の短絡が解除されることが確実に防止される。
【選択図】 図1
【解決手段】固定電極11を短絡解除するとき、規制部材40が規制位置にある状態(即ち、スイッチング手段が閉作動のままであって主回路が閉じた状態)のままでスライドレバー30を操作しようとしても、規制部材40が規制位置にある状態では規制板44が邪魔になってスライドレバー30の操作部33に手をかけることができないので、スライドレバー30を操作して可動電極21を固定電極11から離脱させることはできない。したがって、主回路が閉じている状態のままで固定電極11間の短絡が解除されることが確実に防止される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定電極対に可動電極を嵌合・離脱させることにより回路を開閉するようにしたブレーカ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のブレーカ装置としては、例えば特開2000−235824公報に記載されたものがある。これは、絶縁状態とされた一対の固定電極を備えた固定側ハウジングと、可動電極を備えた可動側ハウジングとを嵌合させることで、固定電極対を可動電極によって短絡させ、可動側ハウジングを固定側ハウジングから離脱させることで固定電極間の短絡を解除するようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種のブレーカ装置は、その両固定電極を電気自動車の動力回路の途中に直列に設けてその動力回路を継断する手段として用いられるが、この場合、動力回路が通電している状態のままで固定電極から可動電極がいきなり抜かれて動力回路が開くと電極の間にアークが発生する。そのため、動力回路を開閉するスイッチング手段としてのリレーと、ハウジング同士の嵌合・離脱を検知してリレーを作動させる検知手段としてのマイクロスイッチを設けることが考えられる。
【0004】
これによれば、両ハウジングが嵌合して固定電極と可動電極が嵌合している状態(一対の固定電極間が通電を許容されている状態)ではリレーが閉作動して動力回路が閉じた状態とされる。そして、この状態から可動側ハウジングを固定側ハウジングから離脱させると、離脱を開始した直後にその可動側ハウジングの動きがマイクロスイッチで検知され、マイクロスイッチがリレーを開作動させることによって動力回路が開く。その後、可動側ハウジングの離脱をさらに進めると可動電極が固定電極対から離間するが、この時点では、既に動力回路はリレーによって開いた状態となっているので、電極間のアークの発生が防止される。
【0005】
しかしながら、リレーの開作動が開始してから(ソレノイドが励磁されてから)、その開作動が完了して動力回路の通電が止まるまでには、タイムラグがある。そのため、アークの発生を確実に防止するためには、リレーの開作動が開始されてから、固定電極と可動電極とが離間されるまでの間に、上記タイムラグよりも長い時間がかかるようにする必要がある。
ところが、両ハウジングが嵌合している状態(動力回路が閉じている状態)から、リレーの開作動が開始され、その後に固定電極から可動電極が離脱するまでの過程における可動側ハウジングの操作形態は、単純に一方向に引っ張るワンアクション動作である。そのため、可動側ハウジングを勢いよく操作した場合、リレーの開作動が完了せずに動力回路が閉じた状態のままであるにも拘わらず、固定電極から可動電極が離脱してしまう虞がある。
【0006】
本願発明は上記事情に鑑みて創案され、主回路が閉じている状態のままで固定電極から可動電極が離脱してしまうのを防止することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、スイッチング手段の開閉作動により開閉される主回路に直列に設けた一対の固定電極と、前記一対の固定電極に対して嵌合・離脱可能とされた可動電極と、操作部に手をかけることで嵌合位置と離脱位置との間でのスライド操作を可能とされているスライドレバーとを備え、前記スライドレバーの前記嵌合位置又は前記離脱位置へのスライド操作に伴うカム作用によって前記可動電極を前記一対の固定電極に対して嵌合又は離脱させることで、前記スイッチング手段の開閉作動とは独立して前記一対の固定電極間の通電を許容又は阻止できるようにしたものであって、前記操作部に手をかけることを規制する規制位置と前記操作部に手をかけることを許容する操作位置との間での変位を可能とされているとともに、前記スライドレバーを前記嵌合位置へ移動させた状態おいて前記規制位置に変位することで前記スイッチング手段を閉作動させる規制部材を備えている構成とした。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記操作部が、前記スライドレバーのスライド方向と略直交する板状をなし、前記スライドレバーが、前記固定電極又は前記可動電極を支持するハウジングに設けられ、前記スライドレバーが前記嵌合位置にある状態では前記操作部と前記ハウジングとの間に手を差し込む隙間が形成され、この隙間に差し入れた手を前記操作部に引っ掛けることで前記スライドレバーを離脱方向へスライド操作し得るようになっているものであって、前記規制部材には規制板が設けられ、前記規制部材が前記規制位置にある状態では、前記規制板が前記操作部と前記ハウジングとの間の隙間の入口を塞ぐように位置するとともに、前記規制部材が前記操作位置にある状態では、前記規制板が前記操作部における前記隙間とは反対側の面に沿うように位置する構成とされている。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、前記規制部材が前記スライドレバーに支持され、前記スライドレバーが、前記固定電極又は前記可動電極を支持するハウジングに設けられ、前記スライドレバーが前記嵌合位置に移動し且つ前記規制部材が前記規制位置に変位した状態において前記規制部材を前記ハウジングに係止させることで、前記規制部材の前記操作位置側への変位を規制するとともに前記スライドレバーの離脱方向への移動を規制するロック手段を備えている構成とした。
【0010】
【発明の作用及び効果】
[請求項1の発明]
スライドレバーを嵌合位置へ移動させると、可動電極が一対の固定電極に嵌合してその両固定電極間を短絡させた状態となる。この状態から規制部材を規制位置へ移動させると、スイッチング手段が閉作動し、主回路が閉じて通電可能な状態となる。この状態から、固定電極間の短絡を解除する際には、まず、規制部材を規制位置から操作位置へ移動させる。これにより、スイッチング手段が開作動し、主回路への通電が遮断される。その後、スライドレバーを操作するのであるが、このとき規制部材から操作部へ手を持ち替えるのに若干の時間を要するので、この間に、スイッチング手段の開作動が完了して主回路の通電が止まる。つまり、主回路の通電が停止した後に、スライドレバーのスライド操作が開始され、可動電極が固定電極から離間される。このように、両電極が離脱される時点では、既に主回路への通電が遮断されているから、電極間にアークが発生することはない。
【0011】
この固定電極の短絡解除に際して、規制部材が規制位置にある状態(即ち、スイッチング手段が閉作動のままであって主回路が閉じた状態)のままでスライドレバーを操作しようとしても、規制部材が規制位置にある状態ではスライドレバーの操作部に手をかけることができないので、スライドレバーを操作して可動電極を固定電極から離脱させることはできない。したがって、主回路が閉じている状態のままで固定電極間の短絡が解除されることが確実に防止される。
【0012】
[請求項2の発明]
規制部材を操作位置に変位させた状態では、規制板が操作部における隙間とは反対側の面、即ち、操作部における手が宛われる面とは反対側の面に沿うように位置するので、操作部に手をかけてスライドレバーをスライド操作するときに、規制板が邪魔にならずに済む。また、このときに規制板はスライドレバーから突出していないので、スライドレバーのスライド操作に伴って規制板を移動させるためのスペースを確保せずに済む。
【0013】
[請求項3の発明]
1つのロック手段によって規制部材を規制位置にロックするとともにスライドレバーを嵌合位置にロックすることができるので、構造が簡素化される。
【0014】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図9を参照して説明する。
本実施形態のブレーカ装置は、図示しないリレー(本発明の構成要件であるスイッチング手段)により開閉される主回路(図示せず)に直列に設けた固定電極11を固定側ハウジング10に取り付け、可動側ハウジング20に設けた可動電極21を、対をなす固定電極11に対して嵌合・離脱させることにより、リレーの開閉作動とは独立して固定電極11間の通電を許容又は阻止できるようにしたものである。
【0015】
固定側ハウジング10は、例えば自動車の車体等に固定されるようになっており、その正面側(図1、図7における左側であって、可動側ハウジング20と対応する側)には2対の固定電極11が上下に並べて設けられている。尚、以下の説明において、上下の方向は図1及び図7を基準とする。
可動側ハウジング20は、固定側ハウジング10に対して嵌合・離脱されるものであって、その正面(図1及び図7における右側の面であって、固定側ハウジング10と対応する側)には上下2つの可動電極21が取り付けられている。可動電極21は、その上下2個の筒状嵌合部22を正面側へ向けた形状をなし、その筒状嵌合部22を除いた部分は樹脂モールドからなる外装体23で覆われている。両ハウジング10,20の嵌合にともない、各可動電極21は、夫々、その2つの筒状嵌合部22を一対の固定電極11に嵌合させてその対をなす固定電極11を電気的に短絡させた状態(導通を許容された状態)とする。また、可動電極21が固定電極11から離脱されることにより、固定電極11の間の導通が阻止された状態となる。
【0016】
固定側ハウジング10には、図1の上方及び前方を開放させた正面視略U字形をなすフード部12が形成されており、これに対応して可動側ハウジング20にはそのフード部12を嵌合させる略U字形のスリット24が形成されている。このフード部12とスリット24の嵌合により、可動側ハウジング20は、固定側ハウジング10に対し、可動電極21と固定電極11との嵌合・離脱方向と平行な方向(前後方向)に案内されつつ上下及び左右方向への遊動を規制された状態で移動する。
【0017】
さらに、固定側ハウジング10のフード部12の左右両外側面には、夫々、上下一対ずつのカムフォロア13が突設されている。一方、可動側ハウジング20には、スリット24に連通するとともに上下方向に延びる左右一対のガイド部25が形成されているとともに、カムフォロア13と協働してカム機能を発揮するスライドレバー30が設けられている。
スライドレバー30は、上下方向に長い板状をなす左右2枚のカム板31と、この両カム板31の上端部同士を連結する連結板32と、この連結板32から上方へ延出する側方視略L字形をなす操作部33とを一枚の鋼板からプレス加工によって形成したものである。スライドレバー30は、その操作部33と連結板32を可動側ハウジング20の上方に露出させるとともに両カム板31を上記ガイド部25に嵌合させた状態で可動側ハウジング20に組み付けられ、このガイド部25に案内されることにより、嵌合位置とこの嵌合位置よりも上方の離脱位置との間で上下方向(固定電極11と可動電極21の嵌合・離脱方向と直交する方向)に移動し得るようになっている。
【0018】
各カム板31には、夫々、入口を固定側ハウジング10と対向する側縁に開口させ、スライドレバー30の移動方向と両電極11,21の嵌合・離脱方向の両方向に対して斜めに延びる上下2本ずつのカム溝34が形成されている。スライドレバー30が離脱位置にある状態で両ハウジング10,20を接近させると、カムフォロア13がカム溝34の入口に導入され、この状態からスライドレバー30を図1中の下方向に移動させると、カム溝34とカムフォロア13との係合によるカム作用により、カム板31及び可動側ハウジング20が固定側ハウジング10側へ引き寄せられ、スライドレバー30が嵌合位置に達したところで両ハウジング10,20の嵌合が完了すると同時に可動電極21と固定電極11との嵌合が完了する。また、この嵌合状態からスライドレバー30を上方へ持ち上げると、カム溝34とカムフォロア13の係合によるカム作用により、可動側ハウジング20が固定側ハウジング10から離間されるとともに可動電極21が固定電極11から離間される。
【0019】
また、スライドレバー30の略L字形をなす操作部33のうち、連結板32と略平行の板状部分、即ちスライドレバー30の移動方向と直交する板状部分は指当て部35とされている。この指当て部35の後端部には、その左右両側面から軸線を左右方向に向けて突出する一対の支持軸36が設けられ、この支持軸36には、規制部材40が回動可能に支持されている。また、指当て部35の上面には、規制部材40の規制板44との干渉を回避するための逃がし凹部37が形成されている。
【0020】
規制部材40は、左右一対のアーム部41の先端を左右方向に長い連結バー42で連結した形態の略門形をなし、両アーム部41の基端部において支持軸36に支持されている。連結バー42には、その内側の面(規制部材40の回動中心側の面)における左右方向中央位置から突出する係止爪43(本発明の構成要件であるロック手段)が形成されている。一方、可動側ハウジング20の上面には、側方視略L字形をなす受け部26(本発明の構成要件であるロック手段)が係止爪43と対応するように形成されている。また、両アーム部41の間には、アーム部41と略平行な規制板44が差し渡されるように設けられている。さらに、一方のアーム部41の外面には、側方視略三角形をなす押圧部45が突出形成されている。
【0021】
スライドレバー30が嵌合位置にある状態では、連結板32が可動側ハウジング20の上面に重なり、操作部33の指当て部35と可動側ハウジング20の上面との間に、後方及び左右両側方に開放された形態の隙間Sが構成される。この隙間Sには、その後方に開口された入口Seから作業者の指を差し入れることができ、隙間Sに差し入れた指を指当て部35に下から引っ掛けると、スライドレバー30を嵌合位置側から離脱位置側へ移動させることができる。
【0022】
また、スライドレバー30が嵌合位置にあり且つ規制部材40が規制位置にある状態では、図1及び図3に示すように、連結バー42が可動側ハウジング20の受け部26に対して下方から対応するとともに係止爪43が受け部26に係止し、これにより、規制部材40の操作位置側への移動が規制されると同時に、嵌合位置のスライドレバー30が離脱位置側へ移動することが規制される。また、規制板44は、可動側ハウジング20と指当て部35との間の隙間Sの入口Se(後方への開口)を塞ぐように位置し、これにより、後方から隙間Sへ指を差し入れることができなくなる。
【0023】
この状態から規制部材40を操作位置側へ回動させる際には、連結バー42を少し下方へ弾性撓みさせるとともに受け部26を上方へ弾性撓みさせつつ係止爪43と受け部26との係止状態を解除する。規制部材40が操作位置に回動した状態では、両アーム部41が指当て部35の外側面に沿うように位置するとともに、規制板44が逃がし凹部37内に収容される。そして、操作部33と可動側ハウジング20との間の隙間Sは、その後方の入口Seが開放されるため、作業者は、後方から隙間Sに指を差し入れて指当て部35に指を引っ掛けることで、スライドレバー30を離脱位置側へ引っ張り上げる操作を行うことができるようになる。
【0024】
また、可動側ハウジング20の外側面には、規制部材40の動きを検知してリレーを励磁することで開閉作動させる検知手段としてのマイクロスイッチ27が設けられている。マイクロスイッチ27は、プローブ27aとこのプローブ27aの後方において前後方向への弾性変位を可能とされた可動片27bとを備えている。
規制部材40が規制位置に移動すると、その規制部材40の押圧部45が可動片27bを押してプローブ27aに当接させ、これにより、マイクロスイッチ27は規制部材40が規制位置に移動したことを検知してリレーを励磁し、リレーは主回路を閉じて導通可能とするための閉作動を開始する。
【0025】
また、規制位置にある規制部材40が操作位置側への移動を開始すると、押圧部45が可動片27bへの押圧を解除し、可動片27bはその弾性復元力によりプローブ27aから離間する。これにより、マイクロスイッチ27は、規制部材40が規制位置から操作位置側への移動を開始したことを検知してリレーを励磁し、リレーは主回路を開いて導通不能にするための開作動を開始する。このリレーの開作動が開始してから完了するまでの間にはタイムラグがあり、リレーの開作動が完了した後に、主回路が導通不能となる。
【0026】
次に、本実施形態の作用を説明する。
主回路を通電可能状態とする際には、まず、規制部材40を操作位置に移動させた状態でスライドレバー30を嵌合位置へスライドさせ、両ハウジング10,20を嵌合させるとともに、可動電極21を固定電極11に嵌合させてその固定電極11間を可動電極21を介して通電を許容された状態とする。この後、操作位置にある規制部材40を規制位置へ回動させる。すると、規制部材40が規制位置に達したことがマイクロスイッチ27で検知され、リレーが閉作動する。このリレーが閉作動されると、固定電極11及び可動電極21を含む主回路が閉じた状態(通電を許容された状態)となる。
【0027】
次に、可動側ハウジング20を固定側ハウジング10から離脱させる動作について説明する。離脱に際しては、まず、規制部材40を規制位置から操作位置へ回動させる。規制部材40の回動開始直後に、その押圧部45がマイクロスイッチ27の可動片27bから離間し、マイクロスイッチ27が規制部材40の回動を検知して主回路を開くためのリレーの開作動を開始させる。また、規制部材40が操作位置へ回動されると、規制板44で塞がれていた隙間Sの入口Seが後方へ開放されるので、規制部材40を回動させた後は、その隙間Sに指を差し入れて指当て部35に引っ掛け、スライドレバー30を嵌合位置から離脱位置側へ引き上げる。このスライドレバー30の引き上げ操作に伴ない、可動側ハウジング20が固定側ハウジング10から離間するとともに可動電極21が固定電極11から離間する。
【0028】
さて、上記のように規制部材40を操作位置側へ回動させるとリレーが開作動を開始するのであるが、そのリレーの開作動が開始してから完了するまでの間にはタイムラグがあり、主回路への通電はこのタイムラグを経た後に遮断される。そのため、リレーの開作動(規制部材40の回動)を開始した直後に両電極11,21が離間された場合、両電極11,21間にアークが発生する虞がある。しかしながら本実施形態では、規制部材40を操作位置へ回動させてから、スライドレバー30の操作部33へ手を持ち替えるのに若干の時間を要するので、この間に、リレーの開作動が完了して主回路の通電が止まるようになっている。つまり、主回路の通電が停止した後に、スライドレバー30を離脱位置側へ移動させる操作が開始されるのである。このように、スライドレバー30の操作によって両電極11,21が離脱される時点では、既に主回路への通電が確実に遮断されているから、電極11,21間にアークが発生することはない。
【0029】
また、両ハウジング10,20を離脱するに際しては、規制部材40が規制位置にある状態(即ち、リレーが閉作動のままであって主回路が閉じた状態)のままでスライドレバー30を操作しようとしても、規制部材40が規制位置にある状態では規制板44が邪魔をしてスライドレバー30の操作部33に手をかけることができないため、スライドレバー30を操作して可動電極21を固定電極11から離脱させることはできない。したがって、主回路が閉じている状態のままで両電極11,21が離脱されること(固定電極11間の短絡が解除される)ことが確実に防止される。
【0030】
また、規制部材40を操作位置に変位させた状態では、規制板44が操作部33における隙間Sとは反対側の上面、即ち、操作部33における手が宛われる面とは反対側の面に沿うように位置するので、操作部33に手をかけてスライドレバー30を離脱位置側へスライド操作するときに、規制板44が指に当たらずに済む。また、このときに規制板44はスライドレバー30から突出していないので、スライドレバー30のスライド操作に伴って規制板44を移動させるためのスペースを確保せずに済む。
【0031】
また、本実施形態では、係止爪43と受け部26との係止作用、即ち1つのロック手段により、規制部材40を規制位置にロックするとともにスライドレバー30を嵌合位置にロックすることができるので、構造が簡素化されている。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0032】
(1)上記実施形態では規制部材をスライドレバーの操作部に支持したが、本発明によれば、規制部材はスライドレバーにおける操作部以外の部位に支持してもよい。
(2)上記実施形態では規制部材をスライドレバーに支持したが、本発明によれば、規制部材を可動側ハウジングに支持してもよい。
(3)上記実施形態では規制部材を回動させるようにしたが、本発明によれば、規制部材をガイドに沿って直線経路又は曲線経路に沿って移動させるようにしてもよい。
【0033】
(4)上記実施形態では規制部材を規制位置にロックする手段がスライドレバーを嵌合位置にロックする手段を兼ねるようにしたが、本発明によれば、規制部材を規制位置にロックする手段とは別に、スライドレバーを嵌合位置にロックするための専用のロック手段を設けてもよい。
(5)上記実施形態ではスライドレバーを可動側ハウジングに設けたが、本発明によれば、スライドレバーを固定側ハウジングに設けてもよい。
【0034】
(6)上記実施形態では操作部と可動側ハウジングとの間の隙間を規制板で塞ぐようにしたが、本発明によれば、隙間を塞ぐ手段としては、板状のものに限らず、梁状のものや格子状のものでもよい。
(7)上記実施形態のブレーカ装置にヒューズ装置を付設してもよい。
(8)上記実施形態では規制部材の動きを検知してリレーを作動させる検知手段としてマイクロスイッチを用いたが、本発明によれば、可動側ハウジングと規制部材のうちのいずれか一方に一対の端子金具を設けるとともに他方にに短絡端子を設け、この短絡端子によって一対の端子金具を短絡及び短絡の解除を行うようにしてもよい。
【0035】
(9)上記実施形態ではスイッチング手段として励磁により開作動を開始するリレーを用いたが、本発明によれば、トランジスタなどの他の手段を用いることもできる。
(10)上記実施形態ではマイクロスイッチを可動側ハウジングに設けたが、本発明によれば、マイクロスイッチを固定側ハウジングに設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1において規制部材が規制位置にある状態の部分拡大側面図
【図2】規制部材が操作位置にある状態の部分拡大側面図
【図3】規制部材が規制位置にある状態の部分拡大背面図
【図4】規制部材が操作位置にある状態の部分拡大背面図
【図5】規制部材が規制位置にある状態の部分拡大平面図
【図6】規制部材が操作位置にある状態の部分拡大平面図
【図7】スライドレバーが離脱位置にある状態の断面図
【図8】スライドレバーが嵌合位置に移動するとともに規制部材が規制位置に移動した状態の断面図
【図9】図8のX−X断面図
【符号の説明】
11…固定電極
20…可動側ハウジング
21…可動電極
26…受け部(ロック手段)
30…スライドレバー
33…操作部
40…規制部材
43…係止爪(ロック手段)
44…規制板
S…隙間
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定電極対に可動電極を嵌合・離脱させることにより回路を開閉するようにしたブレーカ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のブレーカ装置としては、例えば特開2000−235824公報に記載されたものがある。これは、絶縁状態とされた一対の固定電極を備えた固定側ハウジングと、可動電極を備えた可動側ハウジングとを嵌合させることで、固定電極対を可動電極によって短絡させ、可動側ハウジングを固定側ハウジングから離脱させることで固定電極間の短絡を解除するようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種のブレーカ装置は、その両固定電極を電気自動車の動力回路の途中に直列に設けてその動力回路を継断する手段として用いられるが、この場合、動力回路が通電している状態のままで固定電極から可動電極がいきなり抜かれて動力回路が開くと電極の間にアークが発生する。そのため、動力回路を開閉するスイッチング手段としてのリレーと、ハウジング同士の嵌合・離脱を検知してリレーを作動させる検知手段としてのマイクロスイッチを設けることが考えられる。
【0004】
これによれば、両ハウジングが嵌合して固定電極と可動電極が嵌合している状態(一対の固定電極間が通電を許容されている状態)ではリレーが閉作動して動力回路が閉じた状態とされる。そして、この状態から可動側ハウジングを固定側ハウジングから離脱させると、離脱を開始した直後にその可動側ハウジングの動きがマイクロスイッチで検知され、マイクロスイッチがリレーを開作動させることによって動力回路が開く。その後、可動側ハウジングの離脱をさらに進めると可動電極が固定電極対から離間するが、この時点では、既に動力回路はリレーによって開いた状態となっているので、電極間のアークの発生が防止される。
【0005】
しかしながら、リレーの開作動が開始してから(ソレノイドが励磁されてから)、その開作動が完了して動力回路の通電が止まるまでには、タイムラグがある。そのため、アークの発生を確実に防止するためには、リレーの開作動が開始されてから、固定電極と可動電極とが離間されるまでの間に、上記タイムラグよりも長い時間がかかるようにする必要がある。
ところが、両ハウジングが嵌合している状態(動力回路が閉じている状態)から、リレーの開作動が開始され、その後に固定電極から可動電極が離脱するまでの過程における可動側ハウジングの操作形態は、単純に一方向に引っ張るワンアクション動作である。そのため、可動側ハウジングを勢いよく操作した場合、リレーの開作動が完了せずに動力回路が閉じた状態のままであるにも拘わらず、固定電極から可動電極が離脱してしまう虞がある。
【0006】
本願発明は上記事情に鑑みて創案され、主回路が閉じている状態のままで固定電極から可動電極が離脱してしまうのを防止することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、スイッチング手段の開閉作動により開閉される主回路に直列に設けた一対の固定電極と、前記一対の固定電極に対して嵌合・離脱可能とされた可動電極と、操作部に手をかけることで嵌合位置と離脱位置との間でのスライド操作を可能とされているスライドレバーとを備え、前記スライドレバーの前記嵌合位置又は前記離脱位置へのスライド操作に伴うカム作用によって前記可動電極を前記一対の固定電極に対して嵌合又は離脱させることで、前記スイッチング手段の開閉作動とは独立して前記一対の固定電極間の通電を許容又は阻止できるようにしたものであって、前記操作部に手をかけることを規制する規制位置と前記操作部に手をかけることを許容する操作位置との間での変位を可能とされているとともに、前記スライドレバーを前記嵌合位置へ移動させた状態おいて前記規制位置に変位することで前記スイッチング手段を閉作動させる規制部材を備えている構成とした。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記操作部が、前記スライドレバーのスライド方向と略直交する板状をなし、前記スライドレバーが、前記固定電極又は前記可動電極を支持するハウジングに設けられ、前記スライドレバーが前記嵌合位置にある状態では前記操作部と前記ハウジングとの間に手を差し込む隙間が形成され、この隙間に差し入れた手を前記操作部に引っ掛けることで前記スライドレバーを離脱方向へスライド操作し得るようになっているものであって、前記規制部材には規制板が設けられ、前記規制部材が前記規制位置にある状態では、前記規制板が前記操作部と前記ハウジングとの間の隙間の入口を塞ぐように位置するとともに、前記規制部材が前記操作位置にある状態では、前記規制板が前記操作部における前記隙間とは反対側の面に沿うように位置する構成とされている。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、前記規制部材が前記スライドレバーに支持され、前記スライドレバーが、前記固定電極又は前記可動電極を支持するハウジングに設けられ、前記スライドレバーが前記嵌合位置に移動し且つ前記規制部材が前記規制位置に変位した状態において前記規制部材を前記ハウジングに係止させることで、前記規制部材の前記操作位置側への変位を規制するとともに前記スライドレバーの離脱方向への移動を規制するロック手段を備えている構成とした。
【0010】
【発明の作用及び効果】
[請求項1の発明]
スライドレバーを嵌合位置へ移動させると、可動電極が一対の固定電極に嵌合してその両固定電極間を短絡させた状態となる。この状態から規制部材を規制位置へ移動させると、スイッチング手段が閉作動し、主回路が閉じて通電可能な状態となる。この状態から、固定電極間の短絡を解除する際には、まず、規制部材を規制位置から操作位置へ移動させる。これにより、スイッチング手段が開作動し、主回路への通電が遮断される。その後、スライドレバーを操作するのであるが、このとき規制部材から操作部へ手を持ち替えるのに若干の時間を要するので、この間に、スイッチング手段の開作動が完了して主回路の通電が止まる。つまり、主回路の通電が停止した後に、スライドレバーのスライド操作が開始され、可動電極が固定電極から離間される。このように、両電極が離脱される時点では、既に主回路への通電が遮断されているから、電極間にアークが発生することはない。
【0011】
この固定電極の短絡解除に際して、規制部材が規制位置にある状態(即ち、スイッチング手段が閉作動のままであって主回路が閉じた状態)のままでスライドレバーを操作しようとしても、規制部材が規制位置にある状態ではスライドレバーの操作部に手をかけることができないので、スライドレバーを操作して可動電極を固定電極から離脱させることはできない。したがって、主回路が閉じている状態のままで固定電極間の短絡が解除されることが確実に防止される。
【0012】
[請求項2の発明]
規制部材を操作位置に変位させた状態では、規制板が操作部における隙間とは反対側の面、即ち、操作部における手が宛われる面とは反対側の面に沿うように位置するので、操作部に手をかけてスライドレバーをスライド操作するときに、規制板が邪魔にならずに済む。また、このときに規制板はスライドレバーから突出していないので、スライドレバーのスライド操作に伴って規制板を移動させるためのスペースを確保せずに済む。
【0013】
[請求項3の発明]
1つのロック手段によって規制部材を規制位置にロックするとともにスライドレバーを嵌合位置にロックすることができるので、構造が簡素化される。
【0014】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図9を参照して説明する。
本実施形態のブレーカ装置は、図示しないリレー(本発明の構成要件であるスイッチング手段)により開閉される主回路(図示せず)に直列に設けた固定電極11を固定側ハウジング10に取り付け、可動側ハウジング20に設けた可動電極21を、対をなす固定電極11に対して嵌合・離脱させることにより、リレーの開閉作動とは独立して固定電極11間の通電を許容又は阻止できるようにしたものである。
【0015】
固定側ハウジング10は、例えば自動車の車体等に固定されるようになっており、その正面側(図1、図7における左側であって、可動側ハウジング20と対応する側)には2対の固定電極11が上下に並べて設けられている。尚、以下の説明において、上下の方向は図1及び図7を基準とする。
可動側ハウジング20は、固定側ハウジング10に対して嵌合・離脱されるものであって、その正面(図1及び図7における右側の面であって、固定側ハウジング10と対応する側)には上下2つの可動電極21が取り付けられている。可動電極21は、その上下2個の筒状嵌合部22を正面側へ向けた形状をなし、その筒状嵌合部22を除いた部分は樹脂モールドからなる外装体23で覆われている。両ハウジング10,20の嵌合にともない、各可動電極21は、夫々、その2つの筒状嵌合部22を一対の固定電極11に嵌合させてその対をなす固定電極11を電気的に短絡させた状態(導通を許容された状態)とする。また、可動電極21が固定電極11から離脱されることにより、固定電極11の間の導通が阻止された状態となる。
【0016】
固定側ハウジング10には、図1の上方及び前方を開放させた正面視略U字形をなすフード部12が形成されており、これに対応して可動側ハウジング20にはそのフード部12を嵌合させる略U字形のスリット24が形成されている。このフード部12とスリット24の嵌合により、可動側ハウジング20は、固定側ハウジング10に対し、可動電極21と固定電極11との嵌合・離脱方向と平行な方向(前後方向)に案内されつつ上下及び左右方向への遊動を規制された状態で移動する。
【0017】
さらに、固定側ハウジング10のフード部12の左右両外側面には、夫々、上下一対ずつのカムフォロア13が突設されている。一方、可動側ハウジング20には、スリット24に連通するとともに上下方向に延びる左右一対のガイド部25が形成されているとともに、カムフォロア13と協働してカム機能を発揮するスライドレバー30が設けられている。
スライドレバー30は、上下方向に長い板状をなす左右2枚のカム板31と、この両カム板31の上端部同士を連結する連結板32と、この連結板32から上方へ延出する側方視略L字形をなす操作部33とを一枚の鋼板からプレス加工によって形成したものである。スライドレバー30は、その操作部33と連結板32を可動側ハウジング20の上方に露出させるとともに両カム板31を上記ガイド部25に嵌合させた状態で可動側ハウジング20に組み付けられ、このガイド部25に案内されることにより、嵌合位置とこの嵌合位置よりも上方の離脱位置との間で上下方向(固定電極11と可動電極21の嵌合・離脱方向と直交する方向)に移動し得るようになっている。
【0018】
各カム板31には、夫々、入口を固定側ハウジング10と対向する側縁に開口させ、スライドレバー30の移動方向と両電極11,21の嵌合・離脱方向の両方向に対して斜めに延びる上下2本ずつのカム溝34が形成されている。スライドレバー30が離脱位置にある状態で両ハウジング10,20を接近させると、カムフォロア13がカム溝34の入口に導入され、この状態からスライドレバー30を図1中の下方向に移動させると、カム溝34とカムフォロア13との係合によるカム作用により、カム板31及び可動側ハウジング20が固定側ハウジング10側へ引き寄せられ、スライドレバー30が嵌合位置に達したところで両ハウジング10,20の嵌合が完了すると同時に可動電極21と固定電極11との嵌合が完了する。また、この嵌合状態からスライドレバー30を上方へ持ち上げると、カム溝34とカムフォロア13の係合によるカム作用により、可動側ハウジング20が固定側ハウジング10から離間されるとともに可動電極21が固定電極11から離間される。
【0019】
また、スライドレバー30の略L字形をなす操作部33のうち、連結板32と略平行の板状部分、即ちスライドレバー30の移動方向と直交する板状部分は指当て部35とされている。この指当て部35の後端部には、その左右両側面から軸線を左右方向に向けて突出する一対の支持軸36が設けられ、この支持軸36には、規制部材40が回動可能に支持されている。また、指当て部35の上面には、規制部材40の規制板44との干渉を回避するための逃がし凹部37が形成されている。
【0020】
規制部材40は、左右一対のアーム部41の先端を左右方向に長い連結バー42で連結した形態の略門形をなし、両アーム部41の基端部において支持軸36に支持されている。連結バー42には、その内側の面(規制部材40の回動中心側の面)における左右方向中央位置から突出する係止爪43(本発明の構成要件であるロック手段)が形成されている。一方、可動側ハウジング20の上面には、側方視略L字形をなす受け部26(本発明の構成要件であるロック手段)が係止爪43と対応するように形成されている。また、両アーム部41の間には、アーム部41と略平行な規制板44が差し渡されるように設けられている。さらに、一方のアーム部41の外面には、側方視略三角形をなす押圧部45が突出形成されている。
【0021】
スライドレバー30が嵌合位置にある状態では、連結板32が可動側ハウジング20の上面に重なり、操作部33の指当て部35と可動側ハウジング20の上面との間に、後方及び左右両側方に開放された形態の隙間Sが構成される。この隙間Sには、その後方に開口された入口Seから作業者の指を差し入れることができ、隙間Sに差し入れた指を指当て部35に下から引っ掛けると、スライドレバー30を嵌合位置側から離脱位置側へ移動させることができる。
【0022】
また、スライドレバー30が嵌合位置にあり且つ規制部材40が規制位置にある状態では、図1及び図3に示すように、連結バー42が可動側ハウジング20の受け部26に対して下方から対応するとともに係止爪43が受け部26に係止し、これにより、規制部材40の操作位置側への移動が規制されると同時に、嵌合位置のスライドレバー30が離脱位置側へ移動することが規制される。また、規制板44は、可動側ハウジング20と指当て部35との間の隙間Sの入口Se(後方への開口)を塞ぐように位置し、これにより、後方から隙間Sへ指を差し入れることができなくなる。
【0023】
この状態から規制部材40を操作位置側へ回動させる際には、連結バー42を少し下方へ弾性撓みさせるとともに受け部26を上方へ弾性撓みさせつつ係止爪43と受け部26との係止状態を解除する。規制部材40が操作位置に回動した状態では、両アーム部41が指当て部35の外側面に沿うように位置するとともに、規制板44が逃がし凹部37内に収容される。そして、操作部33と可動側ハウジング20との間の隙間Sは、その後方の入口Seが開放されるため、作業者は、後方から隙間Sに指を差し入れて指当て部35に指を引っ掛けることで、スライドレバー30を離脱位置側へ引っ張り上げる操作を行うことができるようになる。
【0024】
また、可動側ハウジング20の外側面には、規制部材40の動きを検知してリレーを励磁することで開閉作動させる検知手段としてのマイクロスイッチ27が設けられている。マイクロスイッチ27は、プローブ27aとこのプローブ27aの後方において前後方向への弾性変位を可能とされた可動片27bとを備えている。
規制部材40が規制位置に移動すると、その規制部材40の押圧部45が可動片27bを押してプローブ27aに当接させ、これにより、マイクロスイッチ27は規制部材40が規制位置に移動したことを検知してリレーを励磁し、リレーは主回路を閉じて導通可能とするための閉作動を開始する。
【0025】
また、規制位置にある規制部材40が操作位置側への移動を開始すると、押圧部45が可動片27bへの押圧を解除し、可動片27bはその弾性復元力によりプローブ27aから離間する。これにより、マイクロスイッチ27は、規制部材40が規制位置から操作位置側への移動を開始したことを検知してリレーを励磁し、リレーは主回路を開いて導通不能にするための開作動を開始する。このリレーの開作動が開始してから完了するまでの間にはタイムラグがあり、リレーの開作動が完了した後に、主回路が導通不能となる。
【0026】
次に、本実施形態の作用を説明する。
主回路を通電可能状態とする際には、まず、規制部材40を操作位置に移動させた状態でスライドレバー30を嵌合位置へスライドさせ、両ハウジング10,20を嵌合させるとともに、可動電極21を固定電極11に嵌合させてその固定電極11間を可動電極21を介して通電を許容された状態とする。この後、操作位置にある規制部材40を規制位置へ回動させる。すると、規制部材40が規制位置に達したことがマイクロスイッチ27で検知され、リレーが閉作動する。このリレーが閉作動されると、固定電極11及び可動電極21を含む主回路が閉じた状態(通電を許容された状態)となる。
【0027】
次に、可動側ハウジング20を固定側ハウジング10から離脱させる動作について説明する。離脱に際しては、まず、規制部材40を規制位置から操作位置へ回動させる。規制部材40の回動開始直後に、その押圧部45がマイクロスイッチ27の可動片27bから離間し、マイクロスイッチ27が規制部材40の回動を検知して主回路を開くためのリレーの開作動を開始させる。また、規制部材40が操作位置へ回動されると、規制板44で塞がれていた隙間Sの入口Seが後方へ開放されるので、規制部材40を回動させた後は、その隙間Sに指を差し入れて指当て部35に引っ掛け、スライドレバー30を嵌合位置から離脱位置側へ引き上げる。このスライドレバー30の引き上げ操作に伴ない、可動側ハウジング20が固定側ハウジング10から離間するとともに可動電極21が固定電極11から離間する。
【0028】
さて、上記のように規制部材40を操作位置側へ回動させるとリレーが開作動を開始するのであるが、そのリレーの開作動が開始してから完了するまでの間にはタイムラグがあり、主回路への通電はこのタイムラグを経た後に遮断される。そのため、リレーの開作動(規制部材40の回動)を開始した直後に両電極11,21が離間された場合、両電極11,21間にアークが発生する虞がある。しかしながら本実施形態では、規制部材40を操作位置へ回動させてから、スライドレバー30の操作部33へ手を持ち替えるのに若干の時間を要するので、この間に、リレーの開作動が完了して主回路の通電が止まるようになっている。つまり、主回路の通電が停止した後に、スライドレバー30を離脱位置側へ移動させる操作が開始されるのである。このように、スライドレバー30の操作によって両電極11,21が離脱される時点では、既に主回路への通電が確実に遮断されているから、電極11,21間にアークが発生することはない。
【0029】
また、両ハウジング10,20を離脱するに際しては、規制部材40が規制位置にある状態(即ち、リレーが閉作動のままであって主回路が閉じた状態)のままでスライドレバー30を操作しようとしても、規制部材40が規制位置にある状態では規制板44が邪魔をしてスライドレバー30の操作部33に手をかけることができないため、スライドレバー30を操作して可動電極21を固定電極11から離脱させることはできない。したがって、主回路が閉じている状態のままで両電極11,21が離脱されること(固定電極11間の短絡が解除される)ことが確実に防止される。
【0030】
また、規制部材40を操作位置に変位させた状態では、規制板44が操作部33における隙間Sとは反対側の上面、即ち、操作部33における手が宛われる面とは反対側の面に沿うように位置するので、操作部33に手をかけてスライドレバー30を離脱位置側へスライド操作するときに、規制板44が指に当たらずに済む。また、このときに規制板44はスライドレバー30から突出していないので、スライドレバー30のスライド操作に伴って規制板44を移動させるためのスペースを確保せずに済む。
【0031】
また、本実施形態では、係止爪43と受け部26との係止作用、即ち1つのロック手段により、規制部材40を規制位置にロックするとともにスライドレバー30を嵌合位置にロックすることができるので、構造が簡素化されている。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0032】
(1)上記実施形態では規制部材をスライドレバーの操作部に支持したが、本発明によれば、規制部材はスライドレバーにおける操作部以外の部位に支持してもよい。
(2)上記実施形態では規制部材をスライドレバーに支持したが、本発明によれば、規制部材を可動側ハウジングに支持してもよい。
(3)上記実施形態では規制部材を回動させるようにしたが、本発明によれば、規制部材をガイドに沿って直線経路又は曲線経路に沿って移動させるようにしてもよい。
【0033】
(4)上記実施形態では規制部材を規制位置にロックする手段がスライドレバーを嵌合位置にロックする手段を兼ねるようにしたが、本発明によれば、規制部材を規制位置にロックする手段とは別に、スライドレバーを嵌合位置にロックするための専用のロック手段を設けてもよい。
(5)上記実施形態ではスライドレバーを可動側ハウジングに設けたが、本発明によれば、スライドレバーを固定側ハウジングに設けてもよい。
【0034】
(6)上記実施形態では操作部と可動側ハウジングとの間の隙間を規制板で塞ぐようにしたが、本発明によれば、隙間を塞ぐ手段としては、板状のものに限らず、梁状のものや格子状のものでもよい。
(7)上記実施形態のブレーカ装置にヒューズ装置を付設してもよい。
(8)上記実施形態では規制部材の動きを検知してリレーを作動させる検知手段としてマイクロスイッチを用いたが、本発明によれば、可動側ハウジングと規制部材のうちのいずれか一方に一対の端子金具を設けるとともに他方にに短絡端子を設け、この短絡端子によって一対の端子金具を短絡及び短絡の解除を行うようにしてもよい。
【0035】
(9)上記実施形態ではスイッチング手段として励磁により開作動を開始するリレーを用いたが、本発明によれば、トランジスタなどの他の手段を用いることもできる。
(10)上記実施形態ではマイクロスイッチを可動側ハウジングに設けたが、本発明によれば、マイクロスイッチを固定側ハウジングに設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1において規制部材が規制位置にある状態の部分拡大側面図
【図2】規制部材が操作位置にある状態の部分拡大側面図
【図3】規制部材が規制位置にある状態の部分拡大背面図
【図4】規制部材が操作位置にある状態の部分拡大背面図
【図5】規制部材が規制位置にある状態の部分拡大平面図
【図6】規制部材が操作位置にある状態の部分拡大平面図
【図7】スライドレバーが離脱位置にある状態の断面図
【図8】スライドレバーが嵌合位置に移動するとともに規制部材が規制位置に移動した状態の断面図
【図9】図8のX−X断面図
【符号の説明】
11…固定電極
20…可動側ハウジング
21…可動電極
26…受け部(ロック手段)
30…スライドレバー
33…操作部
40…規制部材
43…係止爪(ロック手段)
44…規制板
S…隙間
Claims (3)
- スイッチング手段の開閉作動により開閉される主回路に直列に設けた一対の固定電極と、
前記一対の固定電極に対して嵌合・離脱可能とされた可動電極と、
操作部に手をかけることで嵌合位置と離脱位置との間でのスライド操作を可能とされているスライドレバーとを備え、
前記スライドレバーの前記嵌合位置又は前記離脱位置へのスライド操作に伴うカム作用によって前記可動電極を前記一対の固定電極に対して嵌合又は離脱させることで、前記スイッチング手段の開閉作動とは独立して前記一対の固定電極間の通電を許容又は阻止できるようにしたものであって、
前記操作部に手をかけることを規制する規制位置と前記操作部に手をかけることを許容する操作位置との間での変位を可能とされているとともに、前記スライドレバーを前記嵌合位置へ移動させた状態おいて前記規制位置に変位することで前記スイッチング手段を閉作動させる規制部材を備えていることを特徴とするブレーカ装置。 - 前記操作部が、前記スライドレバーのスライド方向と略直交する板状をなし、
前記スライドレバーが、前記固定電極又は前記可動電極を支持するハウジングに設けられ、
前記スライドレバーが前記嵌合位置にある状態では前記操作部と前記ハウジングとの間に手を差し込む隙間が形成され、
この隙間に差し入れた手を前記操作部に引っ掛けることで前記スライドレバーを離脱方向へスライド操作し得るようになっているものであって、
前記規制部材には規制板が設けられ、
前記規制部材が前記規制位置にある状態では、前記規制板が前記操作部と前記ハウジングとの間の隙間の入口を塞ぐように位置するとともに、前記規制部材が前記操作位置にある状態では、前記規制板が前記操作部における前記隙間とは反対側の面に沿うように位置する構成とされていることを特徴とする請求項1記載のブレーカ装置。 - 前記規制部材が前記スライドレバーに支持され、
前記スライドレバーが、前記固定電極又は前記可動電極を支持するハウジングに設けられ、
前記スライドレバーが前記嵌合位置に移動し且つ前記規制部材が前記規制位置に変位した状態において前記規制部材を前記ハウジングに係止させることで、前記規制部材の前記操作位置側への変位を規制するとともに前記スライドレバーの離脱方向への移動を規制するロック手段を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のブレーカ装置。
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JP2002190287A JP2004039268A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | ブレーカ装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006109892A1 (ja) * | 2005-04-13 | 2006-10-19 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | 電流遮断装置及び電流遮断装置の操作方法 |
-
2002
- 2002-06-28 JP JP2002190287A patent/JP2004039268A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006109892A1 (ja) * | 2005-04-13 | 2006-10-19 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | 電流遮断装置及び電流遮断装置の操作方法 |
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