JP2004039086A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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JP2004039086A JP2002194137A JP2002194137A JP2004039086A JP 2004039086 A JP2004039086 A JP 2004039086A JP 2002194137 A JP2002194137 A JP 2002194137A JP 2002194137 A JP2002194137 A JP 2002194137A JP 2004039086 A JP2004039086 A JP 2004039086A
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Motosuke Hirai
平井 基介
Yuko Tanno
丹野 祐子
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Abstract

【課題】媒体の高強度化と安定した走行性を確保しつつ、ドロップアウト特性等他の特性をも損なわない磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】非磁性支持体の一方に、強磁性粉末を結合剤中に分散させてなる磁性分散液を塗布し、0.3μm以下の少なくとも一層の磁性層を有する磁気記録媒体において、該非磁性支持体の他方の面に表面電気抵抗が1.0E+04Ω/sq以下の導電性を有する層を設け、その面に板状無機粉末を含む無機粉末を結合剤に分散させてなる厚さ0.05〜1.5μmのバック層を設け、かつ該バック層の無機粉末は、板状無機粉末と、板状無機粉末100重量部に対して5重量部以上20重量部以下のカーボンブラックを含むものとする。さらに、前記表面電気抵抗が1.0E+04Ω/sq以下の導電性を有する層の厚みは、10nm以上150nm以下とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気テ−プ等の磁気記録媒体に関し、高い機械的強度、安定した走行性と低ドロップアウトとを両立する磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル記録等により情報量が増大しており、さらなる高密度記録化の方向に向かっている。これに伴い、巻かれた状態でカートリッジに収納されるテープ媒体においてはますます媒体の厚みを薄くしなくてはならなくなっている。しかし、単に媒体の厚みを薄くすると、機械的強度が低下し、エッジ部分などの媒体の破損やヘッドとの当たり特性の悪化、また、走行性が不安定になるなどの問題が発生していた。これらの機械的強度が低下することによって生じる問題を解決するために、例えば、非磁性支持体と磁性層の間の中間層や、バック層、非磁性支持体とバック層との中間層などに板状の無機粉末を用いた分散液を塗布するなどの磁気記録媒体が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、単に前記板状無機粉末を結合剤中に分散させた分散液を塗布するだけだと、媒体の電気抵抗値が高くなり帯電してしまい、周囲の埃等を拾いドロップアウトになってしまったり、ドライブ内走行中にガイド等に張り付くなどの問題が発生した。そこで、板状無機粉末の他にカーボンブラック等を添加し、電気抵抗を下げ、ドロップアウト低減やガイド張り付きを抑制するなどの方策が取られている。しかし、目標の電気抵抗値にするには多量にカーボンブラックを添加しなくてはならず、そうなると添加されたカーボンブラックにより塗布された層内に空孔が多くできるため、本来の目的である媒体の機械的強度が低下してしまう問題が発生していた。
【0004】
以上の事から本発明は、媒体の高強度化と安定した走行性を確保しつつ、ドロップアウト特性等他の特性をも損なわない磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、非磁性支持体の一方に、強磁性粉末を結合剤中に分散させてなる磁性分散液を塗布し、0.3μm以下の少なくとも一層の磁性層を有する磁気記録媒体において、該非磁性支持体の他方の面に表面電気抵抗が1.0E+04Ω/sq以下の導電性を有する層を設け、その面に板状無機粉末を含む無機粉末を結合剤に分散させてなる厚さ0.05〜1.5μmのバック層を設けることで、高い機械的強度、安定した走行性と低ドロップアウトとを両立できるようにしたことを特徴としている。
【0006】
また、かつ前記バック層の無機粉末は、板状無機粉末と、板状無機粉末100重量部に対して5重量部以上20重量部以下のカーボンブラックを含むことを特徴としている。
【0007】
また本発明は、非磁性支持体の一方に、強磁性粉末を結合剤中に分散させてなる磁性分散液を塗布し、0.3μm以下の少なくとも一層の磁性層を有する磁気記録媒体において、該非磁性支持体の他方の面に板状無機粉末を含む無機粉末を結合剤に分散させてなる厚さ0.05〜1.5μmのバック層を設け、該バック層の無機粉末は、板状無機粉末の表面に、板状無機粉末100重量部に対して5重量部以上20重量部以下のカーボンブラックが表面処理され、被覆されているものを含むことを特徴としている。
【0008】
また本発明は、非磁性支持体上に、無機粉末が結合剤に分散されてなる非磁性下層を設け、この非磁性下層上に、強磁性粉末が結合剤に分散されてなる厚さ0.3μm以下の磁性層が形成されて構成される磁気記録媒体に於いて、該非磁性支持体の非磁性下層側の面に表面電気抵抗が1.0E+04Ω/sq以下の導電性を有する層を設け、その面に板状無機粉末を含む無機粉末を結合剤に分散させてなる厚さ0.2〜3.0μmの該非磁性下層を設けることで、高い機械的強度、安定した走行性と低ドロップアウトとを両立できるようにしたことを特徴としている。
【0009】
また、かつ前記非磁性下層の無機粉末は、板状無機粉末と、板状無機粉末100重量部に対して5重量部以上20重量部以下のカーボンブラックを含むことを特徴としている。
【0010】
また本発明は、非磁性支持体上に、無機粉末が結合剤に分散されてなる非磁性下層を設け、この非磁性下層上に、強磁性粉末が結合剤に分散されてなる厚さ0.3μm以下の磁性層が形成されて構成される磁気記録媒体に於いて、非磁性下層が板状無機粉末を含む無機粉末を結合剤に分散させてなる厚さ0.2〜3.0μmに形成され、該非磁性下層の無機粉末は、板状無機粉末の表面に、板状無機粉末100重量部に対し5重量部以上20重量部以下のカーボンブラックが表面処理され、被覆されているものを使用することで上記目的を達成できるようにしたものである。
【0011】
以上により、上記磁気記録媒体を容易に提供することを図るものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。まず請求項1〜3に記載の発明の実施の形態を説明する。請求項1〜3に記載の発明の基本思考は、磁気記録媒体の非磁性支持体のバック層側の面に表面電気抵抗が1.0E+04Ω/sq以下の導電性を有する層を設け、その面に板状無機粉末を含む無機粉末を結合剤に分散させてなる厚さ0.05〜1.5μmのバック層を設けることで、高い機械的強度、安定した走行性と低ドロップアウトとを両立させることを最大の特徴とするものである。
【0013】
上記導電性を有する層、例えば金属薄膜から成る層や、カーボン薄膜層などが無い場合は、バック層に多量のカーボンブラックを混入しないと電気抵抗値が上がってしまうため、走行中の張り付きや埃の巻き込み等を起こす。
【0014】
さらに、バック層に板状無機粉末を使用しないと近年の薄膜媒体においては媒体の強度が低下し、結果的に、高強度化と走行安定性化が図れない。また、該バック層の無機粉末に、板状無機粉末100重量部に対し、5重量部以上20重量部以下のカーボンブラックを添加することで、非磁性支持体のバック面側に設けられた導電層との相乗効果で高強度を保ったまま電気抵抗値を下げることができ、さらなる安定走行化、低ドロップアウト化が図れる。
【0015】
5重量部に満たないカーボンブラックの添加では、媒体の強度は十分高いが、電気抵抗を十分下げる効果が生まれず、走行中の張り付きや埃の巻き込み等を起こす。また、20重量部を超すカーボンブラックを添加してしまうと、媒体の強度が弱くなってしまい、媒体の破損、ヘッドとの当たり特性の低下等につながってしまう。
【0016】
またさらなる検討を行った結果、上記効果を高めるために、該バック層の無機粉末として、板状無機粉末100重量部に対し5重量部以上20重量部以下のカーボンブラックによって表面処理され、被覆されているものを使用することでも、上記目的が達成されることが分かった。
【0017】
本発明の磁気記録媒体とは、ポリエステル系プラスチックフィルム等からなる非磁性支持体の磁性層塗布面とは逆のバック層側に、例えばAl、Zn、Ag、Cu等の金属層がスパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の方法で形成された非磁性支持体や、例えばグラファイト等のカーボン薄膜層などが同様の方法等で形成された非磁性支持体に、Fe、Co等の磁性粉末、及び各種結合剤を含有する磁性塗料を塗布することによって得られる膜厚0.3μm以下の磁性層を有しているものである。また、上記導電層が形成されているバック層側には、板状の無機粉末、カーボンブラック等他の無機粉末が、各種結合剤に分散させてなる分散液を0.05〜1.5μmの厚みで塗布されているものである。
【0018】
非磁性支持体のバック層側に設ける、表面電気抵抗が1.0E+04Ω/sq以下の導電層の厚みは、10nm以上150nm以下であることが好ましい。10nmよりも薄い導電層であると、非磁性支持体のバック層側の凹凸により導電層によって完全に被覆されない面積が増え、工程内の走行時に導電層がはがれやすくなりドロップアウトを引き起こすなど好ましくない。また、150nmよりも厚く導電層を設けると、非磁性支持体自体のカールがひどくなり、工程のハンドリング上不都合になったりするため好ましくない。また、上記導電層の表面電気抵抗値が1.0E+04Ω/sq以上であると、バック層に添加する少量のカーボンブラックとの相乗効果が十分得られないため、好ましくない。
【0019】
または、上記バック層の無機粉末として、板状無機粉末100重量部に対し5重量部以上20重量部以下のカーボンブラックによって表面処理され、被覆されているものを使用しているものである。
【0020】
本発明における上記非磁性体支持体の素材としては、一般的なフィルムとして、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、ポリイミド、ポリアミド等が挙げられる。また、これらのポリエステルに関しては、ホモポリエステルであってもコポリエステルであっても良い。
【0021】
また、これらフィルムは単層構造でも2層以上の構造でも良く、表面にコロナ放電処理や電子線照射処理、易接着層形成等、表面処理をしていても良い。
【0022】
また、走行安定性のために、炭酸カルシウム、シリカ、酸化アルミ、ポリスチレン等の無機、有機フィラーを内添させても良い。
【0023】
また、上記非磁性支持体の磁性層塗布側の面には、金属、半金属及び合金、並びにこれらの酸化物および複合物から選ばれた金属材料からなる膜やグラファイト等からなる膜、すなわち導電層が、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の方法で形成されていても良い。
【0024】
そして、上記非磁性支持体と磁性層との間に各種無機粉末と結合剤等からなる非記録中間層が設けられていても良い。
【0025】
さらに、磁性層に混入される磁性粉末、結合剤、分散剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤等、非磁性中間層に混入される無機粉末、結合剤、および必要に応じて使用される分散剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤等、バック層に混入される板状無機粉末、カーボンブラック、分散剤、結合剤等、あるいは塗布型の磁気記録媒体において磁性分散液、非記録層用分散液およびバック層用分散液を調整するために使用される溶剤は従来公知のものがいずれも適用可能で、何ら限定されるものではない。
【0026】
例えば、上記磁性粉末としては、強磁性酸化鉄粒子、強磁性二酸化クロム、強磁性合金粉末、窒化鉄等が挙げられる。
【0027】
例えば、上記非記録層用無機粉末としては、従来、公知のものがいずれも使用可能であって、シリカ、酸化チタン、アルミナ、カーボンブラック、α−酸化鉄、炭酸カルシウムなどが挙げられる。これら顔料の形状は、針状でもよい。
【0028】
例えば、上記バック層用板状無機粉末としては、天然物としては、雲母、カオリン等の無機粉末、また合成物としては、BaSO4、Fe2O3等、板状であれば従来、公知のものがいずれも使用可能であるが、Fe2O3を用いたα酸化鉄による板状粉末が特に好ましい。また、バック層用カーボンブラックとしても、アセチレンブラック、ファーネスブラック等、公知のものを単独、複数の組み合わせ、どちらも使用可能である。
【0029】
さらに、結合剤としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコ−ル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、ポリビニルブチラ−ル、セルロ−ス誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、フェノ−ル樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルムアルデヒト樹脂またはこれらの混合物などが挙げられる。
【0030】
なかでも、柔軟性を付与するとされているポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等と剛性を付与するとされているセルロ−ス誘導体、フェノ−ル樹脂、エポキシ樹脂等が好ましい。これらは、イソシアネ−ト化合物を架橋剤としてより耐久性を向上させたりしても良い。
【0031】
また磁性分散液、非記録層分散液、バック層分散液を調整するための溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸グリコ−ルモノエチルエステル等のエステル系溶剤、グリコ−ルモノエチルエ−テル、ジオキサン等のグリコ−ルエ−テル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリン、ジクロロベンゼン等の有機塩素化合物系溶剤が挙げられる。
【0032】
上述した磁性粉末と結合剤等、または非記録層用無機粉末と結合剤等、バック層用無機粉末と結合剤等による塗料の調整については、従来公知の方法により行うことができるが、例えば、サンドミル、ロールミル、ボールミル、ニーダー、加圧ニーダー、エクストルーダー、ホモジナイザー、ディスパー、超音波分散機等を用いて行うことができる。
【0033】
非磁性支持体上に磁性塗料ならびにそれらの間に、同時もしくは逐時に非磁性層を塗布して形成する手法としては、ブレードコート、グラビアコート、ダイコート等従来公知の手法を用いることができる。バックコート層も同様である。さらに、非磁性支持体上への塗布は、磁性層側とバック層側のどちらを先に行ってもよく、同時に行っても良い。
【0034】
磁性層としては膜厚を0.3μm以下に形成する。磁性層を0.3μm以上にすると前述のような高密度化の妨げになる恐れがあるからである。
【0035】
バック層としては膜厚を0.05〜1.5μmの範囲で形成する。さらに好ましくは0.1〜1.0μmの間に形成する。0.05μm以下にすると媒体強度を上げる効果が非常に低下してしまうため、好ましくない。また、1.5μm以上にすると媒体のカッピングがひどくなるなどの問題が発生し、好ましくない。
【0036】
以下、本発明の好適な実施形態例について、実験例、比較例にもとづいて説明する。まず、以下の非磁性支持体のバック層塗布側に、真空蒸着法を用い、実施形態例、比較例にある導電層を、所定の厚みになるように形成した。比較例中に導電層を設けなかったものについては、何も行わなかった。
[非磁性支持体]
非磁性支持体:ポリエチレンナフタレート(PEN)
(厚み:6.2μm、ヤング率:テープ長手方向(MD)/テープ幅方向(TD)=810/750 kg/mm
次に、以下の組成にしたがって磁性層、非記録層、バック層を形成するための分散液組成物を調整した。
Figure 2004039086
以上の材料をニーダーで混練処理を施し、さらにメチルエチルケトン,トルエン,シクロヘキサノンで希釈した後、サンドミル分散し非記録層用分散液とした。ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製硬化剤「コロネートL」)3重量部添加し、撹拌後これを以下実施形態例、比較例のポリエステル系プラスチックフィルム上に所定の厚さになるように塗布した。
Figure 2004039086
以上の材料をニーダーで混練処理を施し、さらにメチルエチルケトン,トルエン,シクロヘキサノンで希釈した後、サンドミル分散し磁性用分散液とした。ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製硬化剤「コロネートL」)4重量部添加し、撹拌後これを各非磁性支持体上に設けた上記組成の該非記録層上に所定の厚さになるよう、同時に塗布した。
【0037】
その後、磁場配向処理を行い、乾燥させて巻取りした。さらにカレンダー処理を施し、硬化処理してから実施形態例、比較例に記す組成のバックコート層用分散液へポリイソシアネート(日本ポリウレタン製硬化剤「コロネートL」)10重量部を添加し、磁性層とは反対側の導電層を設けてあるフィルム面に塗布し、乾燥時0.6μm厚となるようにバックコート層を形成した。
【0038】
<実施形態例1> 非磁性支持体として、上記6.2μm厚のポリエチレンナフタレート(PEN)のバック層塗布面に真空蒸着法を用いてAlを80nmの膜厚で設けたものを使用した。そして、非磁性支持体の磁性層塗布側に乾燥厚みで、下層非記録層が2.0μm、上層磁性層が0.2μmとなるように同時にダイコーティングした後、カレンダー、硬化の各工程を施し、下記バック塗料をコーティングして得た。
Figure 2004039086
以上の材料を混合し、サンドミル分散してバックコート層用分散液とした。
<実施形態例2> バックコート層用分散液中のカーボンブラックの添加量を15重量部に変更した以外は、実施形態例1と同様にサンプルを得た。
<実施形態例3> バックコート層用分散液中のカーボンブラックの添加量を20重量部に変更した以外は、実施形態例1と同様にサンプルを得た。
<実施形態例4> 非磁性支持体として、上記6.2μm厚のポリエチレンナフタレート(PEN)のバック層塗布面に真空蒸着法を用いてグラファイトを80nmの膜厚で設けたものを使用した以外は、実施形態例1と同様にサンプルを得た。
<実施形態例5> 非磁性支持体のバック層塗布側に設ける金属層をAlからCuに変更した以外は、実施形態例1と同様にサンプルを得た。
<実施形態例6> 板状無機粉末として、α−Fe2O3の代わりに雲母(平均粒径3.0μm、板状比40)を使用した以外は、実施形態例1と同様にサンプルを得た。
<実施形態例7> 非磁性支持体のバック層塗布側に設けたAlの金属層の膜厚を10nmにした以外は、実施形態例1と同様にサンプルを得た。
<実施形態例8> 非磁性支持体のバック層塗布側に設けたAlの金属層の膜厚を150nmにした以外は、実施形態例1と同様にサンプルを得た。
<比較例1> バックコート層用分散液中のカーボンブラックを添加しなかった以外は、実施形態例1と同様にサンプルを得た。
<比較例2> バックコート層用分散液中のカーボンブラックの添加量を21重量部に変更した以外は、実施形態例1と同様にサンプルを得た。
<比較例3> バックコート層用分散液中のカーボンブラックの添加量を30重量部に変更した以外は、実施形態例1と同様にサンプルを得た。
<比較例4> バックコート層用分散液中の無機粉末を針状のα−Fe2O3(長軸長0.20μm、針状比7)に変更した以外は、実施形態例1と同様にサンプルを得た。
<比較例5> 非磁性支持体のバック層塗布側に導電層を設けなかったこと以外は、実施形態例1と同様にサンプルを得た。
<比較例6> 非磁性支持体のバック層塗布側に設けたAlの金属層の膜厚を5nmにした以外は、実施形態例1と同様にサンプルを得た。
<比較例7> 非磁性支持体のバック層塗布側に設けたAlの金属層の膜厚を155nmにした以外は、実施形態例1と同様にサンプルを得た。
<比較例8>バックコート層用分散液を以下のように変更した以外は、実施形態例1と同様にサンプルを得た。すなわち、板状無機粉末を用いなかった。
Figure 2004039086
以上の材料を混合し、サンドミル分散してバックコート層用分散液とした。
【0039】
このようにして得られた広幅テープを12.65mm幅(1/2インチ)にスリッターを用いて裁断し、サンプルとした。
[スティフネス測定]
ストレートスティフネステスターを用い、幅方向(TD方向)のスティフネス(S=f/x;fは力、xは変形(変位))をmg単位で求めた。
[電磁変換特性(ヘッド当たり測定)]
ソニー社製HDCAMドライブの改造機を用い、80MHzの信号を記録し、この信号を再生したとき80MHzの信号再生出力をオシロスコープで観察し、1フィールド内でのエンベロープの平坦度を測定した。そこで、以下の基準で判断した。
【0040】
○:1フィールド内での最大出力と最小出力の差が0〜0.3dB
△:1フィールド内での最大出力と最小出力の差が0.3〜0.5dB
×:1フィールド内での最大出力と最小出力の差が0.5dB以上
[エッジダメージ測定]
上記ソニー社製HDCAMドライブの改造機を用い、900m長テープを100パス走行させた時のテープのエッジ状態を光学顕微鏡で観察し、以下の基準で判断した。
【0041】
○:走行前の状態と比較して、ほとんど変化のないもの
△:走行前の状態と比較して、塗膜部分が剥がれ落ちそうになるなどのダメージを受けているもの
×:走行前の状態と比較して、塗膜部分が剥がれ落ち、明らかにダメージを受けているもの
[表面電気抵抗測定]
温度23℃、相対湿度60%の環境下において、スリット後のテープを金属製の電極(電極間隔25.4mm)に密着させ、両端に1.6Nの荷重をかけ、電極間に100Vの電圧をかけて測定した。
[ドロップアウト測定]
上記ソニー社製HDCAMドライブの改造機を用い、0.5μsecにおいて6dB出力が低下するごとに1カウントと数え、5分間測定し、1分間のカウント数を平均して求めた。
【0042】
実施形態例、比較例にもとづくサンプルの測定結果を以下の表1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 2004039086
【0044】
表1より、非磁性支持体のバックコート層塗布側に設けられた導電層の膜厚、バックコート層塗料に含有させる板状無機粉末、カーボンブラック量が本発明で規定している範囲に入る実施形態例1〜8はスティフネスが高く、電磁変換特性やエッジダメージが良好な結果が得られ、また、表面電気抵抗値も低く、ドロップアウト数も少ない結果が得られた。
【0045】
上記、バックコート層塗料に含有させる板状無機粉末、カーボンブラック量のいずれかが本発明の規定に入らない比較例2、3、4、8は電気抵抗値が低く、ドロップアウト数は少ない良好な結果が得られたが、スティフネスが弱いため、ヘッド当たり不良をまねいたり、走行後にエッジダメージが発生するなどの不具合が発生した。
【0046】
また、カーボンブラックを添加しなかった比較例1、非磁性支持体に導電層を設けなかった比較例5、また導電層の厚みが本発明の規定の下限に入らない比較例6は、媒体の強度は十分高く、電磁変換特性、エッジダメージは良好な結果であったが、表面電気抵抗値が高く、ドロップアウト数が増加してしまう結果となった。さらに、導電層として設けたAlの金属層を155nmにした比較例7は、表面電気抵抗値は低くドロップアウト数も規定には入るが、非磁性支持体の時点でカール、カッピングがひどく、ハンドリング上好ましくなく、また、テープ化した後も、カール、カッピングが強いためヘッド当たりが悪くなり、電磁変換特性的にはあまり好ましくない。
【0047】
次に請求項2に係る、板状無機粉末の表面にカーボンブラックが被覆されているものを含むバック層について、実施形態例、比較例にもとづいて説明する。用いた非磁性支持体は実施形態例1〜8、比較例1〜8で用いたのと同じポリエチレンナフタレート(PEN)を用い、磁性層、非記録層用の分散液組成、調製方法も同様に行った。
【0048】
また、塗布方式も同様に行い、以下の実施形態例、比較例に記す組成のバックコート層用分散液へポリイソシアネート(日本ポリウレタン製硬化剤「コロネートL」)10重量部を添加し、磁性層とは反対側のフィルム面に塗布し、乾燥時0.6μm厚となるようにバックコート層を形成した。
<実施形態例9> 上記非磁性支持体の磁性層塗布側に、乾燥厚みで、下層非記録層が2.0μm、上層磁性層が0.2μmとなるように同時にダイコーティングした後、カレンダー、硬化の各工程を施し、下記バック塗料をコーティングして得た。
[バックコート層用分散液組成]
カーボンブラック(Black Pearls−L)を5重量部、上記板状α−Fe2O3に被着させたものを板状無機粉末として使用した。
【0049】
Figure 2004039086
以上の材料を混合し、サンドミル分散してバックコート層用分散液とした。
<実施形態例10> 板状α−Fe2O3に被着させるカーボンブラック量を10重量部とし、非磁性支持体として、上記実施形態例1と同様にバック層塗布面にAlを80nmの膜厚で設けたものを使用した以外は、実施形態例9と同様にサンプルを得た。<実施形態例11> 板状α−Fe2O3に被着させるカーボンブラックの被着量を20重量部とした以外は、実施形態例9と同様にサンプルを得た。
<実施形態例12> 実施形態例10のバックコート層用分散液に追加でカーボンブラック(Black Pearls−L)を10重量部投入した以外は、実施形態例10と同様にサンプルを得た。
<比較例9> 板状α−Fe2O3にカーボンブラックを被着させなかったものを用いた以外は、実施形態例9と同様にサンプルを得た。
<比較例10> 板状α−Fe2O3に被着させるカーボンブラックの被着量を21重量部とした以外は、実施形態例9と同様にサンプルを得た。
<比較例11> 板状α−Fe2O3に被着させるカーボンブラックの被着量を30重量部とした以外は、実施形態例9と同様にサンプルを得た。
【0050】
このようにして得られた広幅テープを12.65mm幅(1/2インチ)にスリッターを用いて裁断し、サンプルとした。
【0051】
また、スティフネス測定、電磁変換特性(ヘッド当たり測定)、エッジダメージ測定、表面電気抵抗測定、ドロップアウト測定に関しても、上記実施形態例1〜8、比較例1〜8と同様の方法で測定した。
【0052】
実施形態例、比較例にもとづくサンプルの測定結果を以下の表2に示す。
【0053】
【表2】
Figure 2004039086
【0054】
表2より、バックコート層塗料に含有させる板状無機粉末に被着させるカーボンブラック量が本発明で規定している範囲に入る実施形態例9〜12はスティフネスが高く、電磁変換特性やエッジダメージが良好な結果が得られ、また、表面電気抵抗値も低く、ドロップアウト数も少ない結果が得られた。上記、バックコート層塗料に含有させる板状無機粉末に被着させるカーボンブラック量が本発明の規定に入らない比較例9は媒体の強度は十分高く、電磁変換特性、エッジダメージは良好な結果が得られたが、表面電気抵抗値が高く、ドロップアウト数が増加してしまった。同様にバックコート層塗料に含有させる板状無機粉末に被着させるカーボンブラック量が本発明の規定に入らない比較例10、11は電気抵抗値が低く、ドロップアウト数は少ない良好な結果が得られたが、スティフネスが弱いため、ヘッド当たり不良をまねいたり、走行後にエッジダメージが発生するなどの不具合が発生した。
【0055】
次に、請求項4〜6に記載の発明の実施形態例を説明する。請求項4〜6に記載の発明の基本思考は、該磁気記録媒体の非磁性支持体の非磁性下層側の面に表面電気抵抗が1.0E+04Ω/sq以下の導電性を有する層を設け、その面に板状無機粉末を含む無機粉末を結合剤に分散させてなる厚さ0.2〜3.0μmの非磁性下層を設けることで、高い機械的強度、安定した走行性と低ドロップアウトとを両立させることを最大の特徴とするものである。
【0056】
上記導電性を有する層、例えば金属薄膜から成る層や、カーボン薄膜層などが無い場合、非磁性下層に多量のカーボンブラックを混入しないと電気抵抗値が上がってしまうため、走行中の張り付きや埃の巻き込み等を起こす。さらに、非磁性下層に板状無機粉末を使用しないと近年の薄膜媒体においては媒体の強度が低下し、結果的に、高強度化と走行安定性化が図れない。
【0057】
また、該非磁性下層の無機粉末に、板状無機粉末100重量部に対して5重量部以上20重量部以下のカーボンブラックを添加することで、非磁性支持体の非磁性下層側に設けられた導電層との相乗効果で高強度を保ったまま電気抵抗値を下げることができ、さらなる安定走行化、低ドロップアウト化が図れる。
【0058】
5重量部に満たないカーボンブラックの添加では、媒体の強度は十分高いが、電気抵抗を十分下げる効果が生まれず、走行中の張り付きや埃の巻き込み等を起こす。また、20重量部を超すカーボンブラックを添加してしまうと、媒体の強度が弱くなってしまい、媒体の破損、ヘッドとの当たり特性の低下等につながってしまう。
【0059】
またさらなる検討を行った結果、上記効果を高めるために、該非磁性下層の無機粉末として、板状無機粉末100重量部に対して5重量部以上20重量部以下のカーボンブラックによって表面処理され、被覆されているものを使用することでも、上記目的が達成されることが分かった。
【0060】
本発明の磁気記録媒体とは、ポリエステル系プラスチックフィルム等からなる非磁性支持体の非性下層側の面に、例えばAl、Zn、Ag、Cu等の金属層が、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の方法で形成された非磁性支持体や、例えばグラファイト等のカーボン薄膜層などが同様の方法等で形成された非磁性支持体に、Fe、Co等の磁性粉末、及び各種結合剤を含有する磁性塗料を塗布することによって得られる膜厚0.3μm以下の磁性層を有しているものである。また、上記導電層が形成されている非磁性下層側には、板状の無機粉末、カーボンブラック等他の無機粉末が、各種結合剤に分散させてなる分散液を0.2〜3.0μmの厚みで塗布されているものである。
【0061】
非磁性支持体の非磁性下層側に設ける表面電気抵抗が1.0E+04Ω/sq以下の導電層の厚みは10nm以上150nm以下であることが好ましい。10nmよりも薄い導電層であると、非磁性支持体の非磁性下層側の凹凸により導電層によって完全に被覆されない面積が増え、工程内の走行時に導電層がはがれやすくなりドロップアウトを引き起こすなど好ましくない。また、150nmよりも厚く導電層を設けると、非磁性支持体自体のカールがひどくなり、工程のハンドリング上不都合になったり、工程内の走行時に導電層がはがれてしまいドロップアウトなどを引き起こすため、好ましくない。また、上記導電層の表面電気抵抗値が1.0E+04Ω/sq以上であると、非磁性下層に添加する少量のカーボンブラックとの相乗効果が十分得られないため、好ましくない。
【0062】
または、上記非磁性下層の無機粉末として、板状無機粉末100重量部に対し5重量部以上20重量部以下のカーボンブラックによって表面処理され、被覆されているものを使用しているものである。
【0063】
本発明における上記非磁性体支持体の素材としては、一般的なフィルムとして、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、ポリイミド、ポリアミド等が挙げられる。また、これらのポリエステルに関しては、ホモポリエステルであってもコポリエステルであっても良い。
【0064】
また、これらフィルムは単層構造でも2層以上の構造でも良く、表面にコロナ放電処理や電子線照射処理、易接着層形成等、表面処理をしていても良い。
【0065】
また、走行安定性のために、炭酸カルシウム、シリカ、酸化アルミ、ポリスチレン等の無機、有機フィラーを内添させても良い。
【0066】
また、上記非磁性支持体の他方の面に各種無機粉末と結合剤等からなるバックコート層が設けられていても良い。
【0067】
また、上記非磁性支持体のバックコート層塗布側の面には、金属、半金属及び合金、並びにこれらの酸化物および複合物から選ばれた金属材料からなる膜やグラファイト等からなる膜、すなわち導電層が、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の方法で形成されていても良い。
【0068】
さらに、磁性層に混入される磁性粉末、結合剤、分散剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤等、非磁性下層に混入される板状無機粉末、カーボンブラック、分散剤、結合剤、および必要に応じて使用される研磨剤、帯電防止剤、防錆剤等、バック層に混入される無機粉末、結合剤等、あるいは塗布型の磁気記録媒体において磁性層分散液、非磁性下層用分散液およびバック層用分散液を調整するために使用される溶剤は従来公知のものがいずれも適用可能で、何ら限定されるものではない。
【0069】
例えば、上記磁性粉末としては、強磁性酸化鉄粒子、強磁性二酸化クロム、強磁性合金粉末、窒化鉄等が挙げられる。
【0070】
例えば、上記非磁性下層用板状無機粉末としては、天然物としては、雲母、カオリン等の無機粉末、また合成物としては、BaSO4、Fe2O3等、板状であれば従来、公知のものがいずれも使用可能であるが、Fe2O3を用いたα酸化鉄による板状粉末が特に好ましい。また、下層用カーボンブラックとしても、アセチレンブラック、ファーネスブラック等、公知のものを単独、複数の組み合わせ、どちらも使用可能である。
【0071】
例えば、上記バックコート層用無機粉末としては、従来、公知のものがいずれも使用可能であって、カーボンブラックを主体として、シリカ、酸化チタン、アルミナ、カーボンブラック、α−酸化鉄、炭酸カルシウムなどが挙げられる。これら顔料は、針状、球状、形状は問わない。
【0072】
さらに、結合剤としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコ−ル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、ポリビニルブチラ−ル、セルロ−ス誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、フェノ−ル樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルムアルデヒト樹脂またはこれらの混合物などが挙げられる。
【0073】
なかでも、柔軟性を付与するとされているポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等と剛性を付与するとされているセルロ−ス誘導体、フェノ−ル樹脂、エポキシ樹脂等が好ましい。これらは、イソシアネ−ト化合物を架橋剤としてより耐久性を向上させたりしても良い。
【0074】
また磁性層分散液、非磁性下層分散液、バックコート層分散液を調整するための溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸グリコ−ルモノエチルエステル等のエステル系溶剤、グリコ−ルモノエチルエ−テル、ジオキサン等のグリコ−ルエ−テル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリン、ジクロロベンゼン等の有機塩素化合物系溶剤が挙げられる。
【0075】
上述した磁性粉末と結合剤等、または非磁性下層無機粉末と結合剤等、バックコート層用無機粉末と結合剤等による塗料の調整については、従来公知の方法により行うことができるが、例えば、サンドミル、ロールミル、ボールミル、ニーダー、加圧ニーダー、エクストルーダー、ホモジナイザー、ディスパー、超音波分散機等を用いて行うことができる。
【0076】
非磁性支持体上に磁性塗料ならびにそれらの間に、同時もしくは逐時に非磁性下層を塗布して形成する手法としては、ブレードコート、グラビアコート、ダイコート等従来公知の手法を用いることができる。バックコート層も同様である。さらに、非磁性支持体上への塗布は、磁性層側とバックコート層側のどちらを先に行ってもよく、同時に行っても良い。
【0077】
磁性層としては膜厚を0.3μm以下に形成する。磁性層を0.3μm以上にすると前述のような高密度化の妨げになる恐れがあるからである。
【0078】
非磁性下層としては膜厚を0.2〜3.0μmの範囲で形成する。さらに好ましくは0.5〜2.5μmの間に形成する。0.2μm以下にすると媒体強度を上げる効果が非常に低下してしまうため、好ましくない。また、3.0μm以上にすると媒体のカッピングがひどくなるなどの問題が発生し、好ましくない。
【0079】
以下、本発明の好適な実施形態例について、実験例にもとづいて説明する。
【0080】
まず、以下の非磁性支持体の非磁性下層塗布側に、真空蒸着法を用い、実施形態例、比較例にある導電層を、所定の厚みになるように形成した。比較例中に導電層を設けなかったものについては、何も行わなかった。
[非磁性支持体]
非磁性支持体:ポリエチレンナフタレート(PEN)
(厚み:6.2μm、ヤング率:テープ長手方向(MD)/テープ幅 方向(TD)=810/750 kg/mm
次に、以下の組成にしたがって磁性層、非磁性下層、バックコート層を形成するための分散液組成物を調整した。
<実施形態例13>
Figure 2004039086
以上の材料をニーダーで混練処理を施し、さらにメチルエチルケトン,トルエン,シクロヘキサノンで希釈した後、サンドミル分散し非磁性下層用分散液とした。ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製硬化剤「コロネートL」)3重量部添加し、撹拌し調整した。
Figure 2004039086
以上の材料をニーダーで混練処理を施し、さらにメチルエチルケトン,トルエン,シクロヘキサノンで希釈した後、サンドミル分散し磁性用分散液とした。ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製硬化剤「コロネートL」)4重量部添加し、撹拌し調整した。
Figure 2004039086
以上の材料を混合し、サンドミル分散してバックコート層用分散液とした。ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製硬化剤「コロネートL」)10重量部を添加し、攪拌し調整した。
【0081】
次に、得られた塗料を用いポリエステル系プラスチックフィルム上に所定の厚さになるように塗布した。
【0082】
非磁性支持体として、上記6.2μm厚のポリエチレンナフタレート(PEN)の非磁性下層塗布面に真空蒸着法を用いてAlを80nmの膜厚で設けたものを使用した。その面に乾燥厚みで、非磁性下層が2.0μm、上層磁性層が0.2μmとなるように同時にダイコーティングした後、磁場配向処理を行い、乾燥させて巻取りした。さらにカレンダー、硬化の各工程を施し、磁性層とは反対側のフィルム面にバックコート層が乾燥時0.6μm厚となるよう塗布した。
<実施形態例14>非磁性下層用分散液中のカーボンブラックの添加量を15重量部に変更した以外は、実施形態例13と同様にサンプルを得た。
<実施形態例15>非磁性下層用分散液中にカーボンブラックの添加量を20重量部に変更した以外は、実施形態例13と同様にサンプルを得た。
<実施形態例16> 非磁性支持体として、上記6.2μm厚のポリエチレンナフタレート(PEN)の非磁性下層塗布面に真空蒸着法を用いてグラファイトを80nmの膜厚で設けたものを使用した以外は、実施形態例13と同様にサンプルを得た。
<実施形態例17> 非磁性支持体の非磁性下層塗布側に設ける金属層をAlからCuに変更した以外は、実施形態例13と同様にサンプルを得た。
<実施形態例18> 非磁性下層用分散液中の板状無機粉末として、α−Fe2O3の代わりに雲母(平均粒径3.0μm、板状比40)を使用した以外は、実施形態例13と同様にサンプルを得た。
<実施形態例19>非磁性支持体の非磁性下層塗布側に設けたAlの金属層の膜厚を10nmにした以外は、実施形態例13と同様にサンプルを得た。
<実施形態例20>非磁性支持体の非磁性下層塗布側に設けたAlの金属層の膜厚を150nmにした以外は、実施形態例13と同様にサンプルを得た。
<比較例12>非磁性下層が乾燥厚みで0.1μmに変更した以外は、実施形態例13と同様にサンプルを得た。
<比較例13>非磁性下層が乾燥厚みで3.1μmに変更した以外は、実施形態例13と同様にサンプルを得た。
<比較例14> 非磁性下層用分散液中のカーボンブラックを添加しなかった以外は、実施形態例13と同様にサンプルを得た。
<比較例15> 非磁性下層用分散液中のカーボンブラックの添加量を21重量部に変更した以外は、実施形態例13と同様にサンプルを得た。
<比較例16> 非磁性下層用分散液中のカーボンブラックの添加量を30重量部に変更した以外は、実施形態例13と同様にサンプルを得た。
<比較例17> 非磁性下層用分散液中の無機粉末を針状のα−Fe2O3(長軸長0.20μm、針状比7)に変更した以外は、実施形態例13と同様にサンプルを得た。
<比較例18> 非磁性支持体の非磁性下層塗布側に導電層を設けなかったこと以外は、実施形態例13と同様にサンプルを得た。
<比較例19>非磁性支持体の非磁性下層塗布側に設けたAlの金属層の膜厚を5nmにした以外は、実施形態例13と同様にサンプルを得た。
<比較例20> 非磁性支持体の非磁性下層塗布側に設けたAlの金属層の膜厚を155nmにした以外は、実施形態例13と同様にサンプルを得た。
<比較例21>非磁性下層用分散液を以下のように変更した以外は、実施形態例13と同様にサンプルを得た。すなわち、板状無機粉末を用いなかった。
Figure 2004039086
以上の材料をニーダーで混練処理を施し、さらにメチルエチルケトン,トルエン,シクロヘキサノンで希釈した後、サンドミル分散し非磁性下層用分散液とした。ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製硬化剤「コロネートL」)3重量部添加し、撹拌し調整した。
【0083】
このようにして得られた広幅テープを12.65mm幅(1/2インチ)にスリッターを用いて裁断し、サンプルとした。
[スティフネス測定]
ストレートスティフネステスターを用い、幅方向(TD方向)のスティフネスをmg単位で求めた。
[電磁変換特性(ヘッド当たり測定)]
ソニー社製HDCAMドライブの改造機を用い、80MHzの信号を記録し、この信号を再生したとき80MHzの信号再生出力をオシロスコープで観察し、1フィールド内でのエンベロープの平坦度を測定した。そこで、以下の基準で判断した。
【0084】
○:1フィールド内での最大出力と最小出力の差が0〜0.3dB
△:1フィールド内での最大出力と最小出力の差が0.3〜0.5dB
×:1フィールド内での最大出力と最小出力の差が0.5dB以上
[エッジダメージ測定]
上記ソニー社製HDCAMドライブの改造機を用い、900m長テープを100パス走行させた時のテープのエッジ状態を光学顕微鏡で観察し、以下の基準で判断した。
【0085】
○:走行前の状態と比較して、ほとんど変化のないもの
△:走行前の状態と比較して、塗膜部分が剥がれ落ちそうになるなどのダメージを受けているもの
×:走行前の状態と比較して、塗膜部分が剥がれ落ち、明らかにダメージを受けているもの
[表面電気抵抗測定]
温度23℃、相対湿度60%の環境下において、スリット後のテープを金属製の電極(電極間隔25.4mm)に密着させ、両端に1.6Nの荷重をかけ、電極間に100Vの電圧をかけて測定した。
[ドロップアウト測定]
上記ソニー社製HDCAMドライブの改造機を用い、0.5μsecにおいて6dB出力が低下するごとに1カウントと数え、5分間測定し、1分間のカウント数を平均して求めた。
[カッピング測定]
カッピング測定装置を用い、温度23℃、相対湿度60%の環境下において、スリット後のテープ1mを24時間放置した後、カッピングの量を測定した。磁性層を上側にして磁性層側が凸になるカッピングをマイナス(−)、バックコート層側が凸になるカッピングをプラス(+)として、カッピングの量を測定し、以下の基準で判断した。
【0086】
○:カッピング量が0.0〜−1.5mmの範囲内
×:カッピング量が上記の範囲外
実施形態例、比較例にもとづくサンプルの測定結果を以下の表3に示す。
【0087】
【表3】
Figure 2004039086
【0088】
表3より、非磁性支持体の非磁性下層塗布側に設けられた導電層の膜厚、非磁性下層塗料に含有させる板状無機粉末、カーボンブラック量が本発明で規定している範囲に入る実施形態例13〜20はスティフネスが高く、電磁変換特性やエッジダメージが良好な結果が得られ、また、表面電気抵抗値も低く、ドロップアウト数も少ない結果が得られた。非磁性下層厚みが0.2μm以下の比較例12は、媒体の強度が低く、エッジダメージが発生した。非磁性層厚みが3.0μm以上の比較例13は、カッピングが強く、電磁変換特性も悪い結果となった。
【0089】
上記、非磁性下層塗料に含有させる板状無機粉末、カーボンブラック量のいずれかが本発明の規定に入らない比較例15、16、17、21は電気抵抗値が低く、ドロップアウト数は少ない良好な結果が得られたが、スティフネスが弱いため、ヘッド当たり不良をまねいたり、走行後にエッジダメージが発生するなどの不具合が発生した。
【0090】
また、非磁性支持体に導電層を設けなかった比較例18、また導電層の厚みが本発明の規定の下限に入らない比較例19は、媒体の強度は十分高く、電磁変換特性、エッジダメージは良好な結果であったが、表面電気抵抗値が高く、ドロップアウト数が増加してしまう結果となった。さらに、非磁性支持体の非磁性下層塗布側に導電層として設けたAlの金属層を155nmにした比較例20は、表面電気抵抗値は低くドロップアウト数も規定には入るが、非磁性支持体の時点でカール、カッピングがひどく、ハンドリング上好ましくなく、また、テープ化した後も、カール、カッピングが強いためヘッド当たりが悪くなり、電磁変換特性的にはあまり好ましくない。
【0091】
次に請求項5に係る、板状無機粉末の表面にカーボンブラックが被覆されているものを含む非磁性下層について実施形態例、比較例にもとづいて説明する。
【0092】
用いた非磁性支持体は実施形態例13〜20、比較例12〜21で用いたのと同じポリエチレンナフタレート(PENを用い、磁性層、バックコート層の分散液組成、調製方法も同様に行った。
<実施形態例21>下記非磁性下層塗料を上記非磁性支持体の磁性層塗布側に乾燥厚みで2.0μm、上層磁性層が0.2μmとなるように同時にダイコーティングした後、磁場配向処理を行い、乾燥させて巻取りした。さらにカレンダー、硬化の各工程を施し、磁性層とは反対側のフィルム面にバックコート層が乾燥時0.6μm厚となるよう塗布した。
[非磁性下層用分散液組成]
カーボンブラック(Black Pearls−L)を5重量部、上記板状α−Fe2O3に被着させたものを板状無機粉末として使用した。
【0093】
Figure 2004039086
以上の材料をニーダーで混練処理を施し、さらにメチルエチルケトン,トルエン,シクロヘキサノンで希釈した後、サンドミル分散し非磁性下層用分散液とした。ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製硬化剤「コロネートL」)3重量部添加し、撹拌し非磁性下層用分散液とした。
<実施形態例22> 板状α−Fe203に被着させるカーボンブラック量を10重量部とし、非磁性支持体として、上記実施形態例1と同様に非磁性下層塗布面にAlを80nmの膜厚で設けたものを使用した以外は、実施形態例21と同様にサンプルを得た。
<実施形態例23> 板状α−Fe2O3に被着させるカーボンブラックの被着量を20重量部とした以外は、実施形態例21と同様にサンプルを得た。
<実施形態例24> 実施形態例22の非磁性下層用分散液に追加でカーボンブラック(Black Pearls−L)を10重量部投入した以外は、実施形態例22と同様にサンプルを得た。
<比較例22> 板状α−Fe2O3にカーボンブラックを被着させなかったものを用いた以外は、実施形態例21と同様にサンプルを得た。
<比較例23> 板状α−Fe2O3に被着させるカーボンブラックの被着量を21重量部とした以外は、実施形態例21と同様にサンプルを得た。
<比較例24> 板状α−Fe2O3に被着させるカーボンブラックの被着量を30重量部とした以外は、実施形態例21と同様にサンプルを得た。
【0094】
このようにして得られた広幅テープを12.65mm幅(1/2インチ)にスリッターを用いて裁断し、サンプルとした。
【0095】
また、スティフネス測定、電磁変換特性(ヘッド当たり測定)、エッジダメージ測定、表面電気抵抗測定、ドロップアウト測定、カッピング測定に関しても、上記実施形態例13〜20、比較例12〜21と同様の方法で測定した。
【0096】
実施形態例、比較例にもとづくサンプルの測定結果を以下の表4に示す。
【0097】
【表4】
Figure 2004039086
【0098】
表4より、非磁性下層塗料に含有させる板状無機粉末に被着させるカーボンブラック量が本発明で規定している範囲に入る実施形態例21〜24はスティフネスが高く、電磁変換特性やエッジダメージが良好な結果が得られ、また、表面電気抵抗値も低く、ドロップアウト数も少ない結果が得られた。上記、非磁性下層塗料に含有させる板状無機粉末に被着させるカーボンブラック量が本発明の規定に入らない比較例22は媒体の強度は十分高く、電磁変換特性、エッジダメージは良好な結果が得られたが、表面電気抵抗値が高く、ドロップアウト数が増加してしまった。同様に非磁性下層塗料に含有させる板状無機粉末に被着させるカーボンブラック量が本発明の規定に入らない比較例23、24は電気抵抗値が低く、ドロップアウト数は少ない良好な結果が得られたが、スティフネスが弱いため、ヘッド当たり不良をまねいたり、走行後にエッジダメージが発生するなどの不具合が発生した。
【0099】
【発明の効果】
(1)以上のように請求項1〜3に記載の発明によれば、非磁性支持体の一方に、強磁性粉末を結合剤中に分散させてなる磁性分散液を塗布し、0.3μm以下の少なくとも一層の磁性層を有する磁気記録媒体において、高い機械的強度、安定した走行性および低ドロップアウトとの両立が可能となった。
(2)また請求項1、3によれば、表面電気抵抗が1.0E+04Ω/sq以下の導電性を有する層を設けたので、バック層に、電気抵抗値を下げるための多量のカーボンブラックを添加させる必要がなくなる。このため、カーボンブラックの多量添加によって、塗布された磁性層内に空孔ができて媒体の機械的強度が低下するという問題は起こらない。
【0100】
またバック層の無機粉末に、板状無機粉末100重量部に対して5重量部以上20重量部以下のカーボンブラックを添加しているので、前記導電性を有する層との相乗効果によって高強度を保ったまま電気抵抗値を下げることができる。これによってさらなる安定走行化、低ドロップアウト化を図ることができる。
(3)また請求項3によれば、表面電気抵抗が1.0E+04Ω/sq以下の導電性を有する層の厚みを10nm以上150nm以下にしているので、製造工程内走行時に、導電層が剥がれてドロップアウトを引き起こすことは避けられ、また非磁性支持体のカール、カッピングがひどくなることはない。
(4)また請求項4〜6に記載の発明によれば、非磁性支持体上に、無機粉末が結合剤に分散されてなる非磁性下層を設け、この非磁性下層上に、強磁性粉末が結合剤に分散されてなる厚さ0.3μm以下の磁性層が形成されて構成される磁気記録媒体に於いて、高い機械的強度、安定した走行性および低ドロップアウトとの両立が可能となった。
(5)また請求項4、6によれば、表面電気抵抗が1.0E+04Ω/sq以下の導電性を有する層を設けたので、非磁性下層に、電気抵抗値を下げるための多量のカーボンブラックを添加させる必要がなくなる。このため、カーボンブラックの多量添加によって、塗布された磁性層内に空孔ができて媒体の機械的強度が低下するという問題は起こらない。
【0101】
また非磁性下層の無機粉末に、板状無機粉末100重量部に対して5重量部以上20重量部以下のカーボンブラックを添加しているので、前記導電性を有する層との相乗効果によって高強度を保ったまま電気抵抗値を下げることができる。これによってさらなる安定走行化、低ドロップアウト化を図ることができる。
(6)また請求項6によれば、表面電気抵抗が1.0E+04Ω/sq以下の導電性を有する層の厚みを10nm以上150nm以下にしているので、製造工程内走行時に、導電層が剥がれてドロップアウトを引き起こすことは避けられ、また非磁性支持体のカール、カッピングがひどくなることはない。

Claims (6)

  1. 非磁性支持体の一方に、強磁性粉末を結合剤中に分散させてなる磁性分散液を塗布し、0.3μm以下の少なくとも一層の磁性層を有する磁気記録媒体において、
    該非磁性支持体の他方の面に表面電気抵抗が1.0E+04Ω/sq以下の導電性を有する層を設け、その面に板状無機粉末を含む無機粉末を結合剤に分散させてなる厚さ0.05〜1.5μmのバック層を設け、かつ該バック層の無機粉末は、板状無機粉末と、板状無機粉末100重量部に対して5重量部以上20重量部以下のカーボンブラックを含むものであることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 非磁性支持体の一方に、強磁性粉末を結合剤中に分散させてなる磁性分散液を塗布し、0.3μm以下の少なくとも一層の磁性層を有する磁気記録媒体において、
    該非磁性支持体の他方の面に板状無機粉末を含む無機粉末を結合剤に分散させてなる厚さ0.05〜1.5μmのバック層を設け、かつ該バック層の無機粉末は、板状無機粉末の表面に、板状無機粉末100重量部に対して5重量部以上20重量部以下のカーボンブラックが表面処理され、被覆されているものを含むことを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 前記表面電気抵抗が1.0E+04Ω/sq以下の導電性を有する層の厚みは、10nm以上150nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  4. 非磁性支持体上に、非磁性下層を介して、強磁性粉末が結合剤に分散されてなる厚さ0.3μm以下の磁性層を形成して構成された磁気記録媒体において、
    前記非磁性下層は、板状無機粉末を含む無機粉末を結合剤に分散させてなる厚さ0.2〜3.0μmの層で形成され、該非磁性下層と前記非磁性支持体の間には、表面電気抵抗が1.0E+04Ω/sq以下の導電性を有する層が設けられ、前記非磁性下層の無機粉末は、板状無機粉末と、板状無機粉末100重量部に対して5重量部以上20重量部以下のカーボンブラックを含むものであることを特徴とする磁気記録媒体。
  5. 非磁性支持体上に、非磁性下層を介して、強磁性粉末が結合剤に分散されてなる厚さ0.3μm以下の磁性層を形成して構成された磁気記録媒体において、
    前記非磁性下層は、板状無機粉末を含む無機粉末を結合剤に分散させてなる厚さ0.2〜3.0μmの層で形成され、かつ該非磁性下層の無機粉末は、板状無機粉末の表面に、板状無機粉末100重量部に対して5重量部以上20重量部以下のカーボンブラックが表面処理され、被覆されているものを含むことを特徴とする磁気記録媒体。
  6. 前記表面電気抵抗が1.0E+04Ω/sq以下の導電性を有する層の厚みは、10nm以上150nm以下であることを特徴とする請求項4に記載の磁気記録媒体。
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