JP2004038857A - 硬貨処理機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】残留硬貨検知装置206は、それぞれが発振コイル207を有する複数の金属検知センサ209と、これら金属検知センサ209の出力を比較することにより残留硬貨の有無を判定する残留硬貨有無判定手段210とを有し、各金属検知センサ209間で温度変化や経年変化などの影響を相殺する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、載置面上の残留硬貨の有無を検知する残留硬貨検知装置を備えた硬貨処理機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、銀行等の金融機関で用いられる硬貨処理機として、例えば、実開平4−58515号公報に開示されたものがある。この硬貨処理機では、搬送ベルトの硬貨搬送区間の略全域にわたって硬貨を検知する一つの金属検知センサが設けられており、この一つの金属検知センサによって硬貨の搬送状態を検知し、硬貨搬送区間に残留硬貨が無いことを条件に搬送ベルトを停止させるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記公報に開示されたもののように、搬送ベルト上の残留硬貨を金属検知センサで検知する場合に、例えば、1円硬貨1枚等の少数枚の硬貨が残留していた場合には、金属検知センサの出力の変化は微弱なものとなる。他方、金属検知センサは、温度変化や経年変化等により出力が変動することがあることから、特に上記のような微弱な出力の変化に対しても残留硬貨の検知を確実なものとするためには、硬貨が残留していないことが保証されている状態でのセンサ出力を初期値として確定させる必要がある。
【0004】
しかし、電源投入時や、ジャム処理等のオペレータが介在する異常復旧処理後は、搬送ベルト上の硬貨の有無が保証されていないことからこの状態でのセンサ出力を初期値として確定させることはできない。このため、従来は、搬送ベルトを予め設定された所定時間駆動することで、硬貨が残留していないものとみなし、この状態でのセンサ出力を初期値として確定させるようになっていた。
【0005】
しかしながら、搬送ベルトを予め設定された所定時間駆動しても引っ掛かり等で硬貨が搬送されず搬送ベルト上に残留することがあり、このような状態で上記のようにセンサ出力の初期値を確定させると、初期値が適正でないことから、以後の残留硬貨の検知が不確実なものとなってしまうという問題があった。
【0006】
したがって、本発明は、確実に残留硬貨を検知することができる残留硬貨検知装置を備えた硬貨処理機の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の硬貨処理機は、載置面上の残留硬貨の有無を検知する残留硬貨検知装置を備えたものであって、前記残留硬貨検知装置は、それぞれが発振コイルを有する複数の金属検知センサと、これら金属検知センサの出力を比較することにより残留硬貨の有無を判定する残留硬貨有無判定手段とを有することを特徴としている。
【0008】
このように、残留硬貨有無判定手段は、それぞれが発振コイルを有する複数の金属検知センサの出力を比較することにより残留硬貨の有無を判定することになるため、温度変化や経年変化などの影響を同様に受ける複数の金属検知センサの出力を比較して残留硬貨の有無を判定することになり、各金属検知センサ間で温度変化や経年変化などの影響を相殺できる。よって、硬貨が残留していないことが保証された状態でのセンサ出力を初期値として確定させるといった処理が必要なくなり、その結果、実際には硬貨が残留しているときのセンサ出力を初期値として確定してしまいそれに起因して、以後の残留硬貨の検知が不確実なものとなってしまうといった問題が生じなくなる。
【0009】
本発明の請求項2記載の硬貨処理機は、請求項1記載のものに関して、前記複数の金属検知センサは、それぞれの発振コイルが同一の発振周波数で駆動されることを特徴としている。
【0010】
このように、複数の金属検知センサは、それぞれの発振コイルが同一の発振周波数で駆動されるため、残留硬貨有無判定手段におけるこれら金属検知センサの出力の比較が容易となる。
【0011】
本発明の請求項3記載の硬貨処理機は、請求項1または2記載のものに関して、前記残留硬貨検知装置を構成するすべての金属検知センサのうち、一つの金属検知センサの発振コイルの前記載置面からの距離が、残りすべての金属検知センサの発振コイルの前記載置面からの距離に対し長く設定されていることを特徴としている。
【0012】
このように、一つの金属検知センサの発振コイルの載置面からの距離が、残りすべての金属検知センサの発振コイルの載置面からの距離に対し長く設定されているため、残留硬貨有無判定手段は、前記した一つの金属検知センサの出力を硬貨を検知しない状態の基準として用い、これに対して残りすべての金属検知センサの出力を比較することで残留硬貨の有無を判定する。
【0013】
本発明の請求項4記載の硬貨処理機は、請求項1または2記載のものに関して、前記残留硬貨検知装置を構成するすべての金属検知センサの発振コイルが、前記載置面に対する距離を等しくしていることを特徴としている。
【0014】
このように、残留硬貨検知装置を構成するすべての金属検知センサの発振コイルが、載置面に対する距離を等しくしているため、硬貨の検知に必要な最小限の数の金属検知センサを設けることになり、金属検知センサの配置および配線が容易となる。
【0015】
本発明の請求項5記載の硬貨処理機は、請求項1乃至4のいずれか一項記載のものに関して、前記載置面は搬送ベルトの上面で構成されるとともに、前記残留硬貨有無判定手段で残留硬貨の有無を判定する際に前記搬送ベルトを駆動することを特徴としている。
【0016】
このように、残留硬貨有無判定手段で残留硬貨の有無を判定する際に搬送ベルトを駆動するため、万が一金属検知センサのそれぞれに対し同様の状況で硬貨が残留し、一旦はこれら金属検知センサの出力が同じ状況となることがあっても、搬送ベルトを駆動することで、各金属検知センサのそれぞれに対する硬貨の状況を変動させ、各金属検知センサの出力を異ならせることになって、残留硬貨を検知できる。
【0017】
本発明の請求項6記載の硬貨処理機は、請求項1乃至5のいずれか一項記載のものに関して、前記発振コイルは取り扱う最小径の硬貨の外径より小さい外径とされており、該発振コイルが複数、隣り合うもの同士の間の中央に前記最小径の硬貨が位置しても該硬貨を検知可能な間隔で配設されていることを特徴としている。
【0018】
これにより、取り扱う最小径の硬貨の外径より小さい外径の発振コイルの範囲にある硬貨は必ず検知され、また、複数の発振コイル同士の間の中央に最小径の硬貨が位置しても該硬貨は検知される。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施形態の硬貨処理機を図1〜図4を参照して以下に説明する。なお、図1および図2における矢印X方向が、操作を行うオペレータ側すなわち前方(正面側)を示す。また、以下における「前」はオペレータ側、「後」はオペレータに対し反対側であり、左右は、オペレータ側から見たときの左右である。
【0020】
第1実施形態の硬貨処理機10は、硬貨の入金、収納、回収および出金等、硬貨に関する各処理を行うもので、図1に示すように、機体12の外から入金硬貨が投入される硬貨投入部30と、硬貨投入部30に投入された硬貨を一枚ずつに分離して繰り出し搬送する繰出搬送部31と、この繰出搬送部31に設けられて硬貨の真偽および金種を識別する硬貨識別部32とが設けられている。
【0021】
硬貨投入部30は、投入された入金硬貨を受け取るとともに、水平回転する回転円盤34を有している。
【0022】
繰出搬送部31は、回転円盤34よりも左側に硬貨識別通路35を有しており、この硬貨識別通路35は、鉛直に立設された壁部35a,35a間に形成されている。また、繰出搬送部31は、回転円盤34の遠心力で硬貨識別通路35側に送り出される硬貨を一枚ずつに分離する隙間規制部材37を有しており、さらに、硬貨識別通路35の上側に、隙間形成部材37から繰り出された硬貨を、上側から押圧しつつ硬貨識別通路35に沿って搬送する搬送ベルト38を有している。
【0023】
硬貨識別部32は、硬貨識別通路35の搬送方向における中間位置に設けられており、上記したようにこれを通過する硬貨の真偽及び金種などを判別する。
【0024】
硬貨識別通路35の回転円盤34に対し反対側の端部には、硬貨識別部32の識別結果に応じて硬貨を選別するリジェクト・一時貯留振分ゲート40が設けられている。このリジェクト・一時貯留振分ゲート40は、硬貨識別部32で判別不能硬貨を含む偽硬貨と識別された硬貨を硬貨識別通路35から機体12の前部の硬貨リジェクト口19に案内し、真硬貨と識別された硬貨を硬貨識別通路35から後方の一時貯留部42に案内する。
【0025】
一時貯留部42は、硬貨識別部32で識別された硬貨のうち真硬貨を金種混合状態のまま一括して一時貯留させるもので、機体前後方向に延在する形状をなしている。一時貯留部42は、前後方向および上下方向に沿い、しかも互いに左右方向に所定の間隔をあけて配置された一対の壁部43,43と、これら壁部43,43間に配置された部分が一時貯留部42の底部を形成する図2に示すコンベアタイプの搬送ベルト44と、一時貯留部42の前部を形成する入金ガイド壁部45とを有している。
【0026】
入金ガイド壁部45は、後側ほど下側に位置するように傾斜しており、リジェクト・一時貯留振分ゲート40で後側に振り分けられた硬貨を一時貯留部42の搬送ベルト44上に案内する。
【0027】
搬送ベルト44は、硬貨が載置される上面の載置面200が、後側ほど上側に位置するように傾斜しており、回転することで載置面200を後方かつ上方に移動させることで、入金ガイド壁部45を介して投入され載置面200に載置された硬貨を回転することで後方かつ上方に搬送する。
【0028】
ここで、搬送ベルト44は、前後方向における中間位置においてガイドローラ201により若干屈曲されており、載置面200のうち、ガイドローラ201よりも前部すなわち入金ガイド壁部45側の上部の第1載置面部202が水平に近く、ガイドローラ201よりも後部側上部の第2載置面部203が第1載置面部202よりも大きな角度で傾斜している。
【0029】
また、一時貯留部42は、搬送ベルト44の後部側の上側位置に、隙間規制ローラ47を有している。この隙間規制ローラ47は、搬送ベルト44で後方に搬送される集積状態の硬貨の集積を、下部が前方に移動するように回転することにより崩し一枚ずつに分離して後方に繰り出す。ここで、この隙間規制ローラ47と搬送ベルト44とは、搬送ベルト44の傾斜により形成される後部下側のスペースに配置された共用のモータ48で複数のギア49を介して駆動される。
【0030】
さらに、一時貯留部42は、搬送ベルト44の隙間規制ローラ47よりも後側に、ゲートストッパ51を有している。このゲートストッパ51はオンされると、そのストッパ部材52が搬送ベルト44に近接して搬送ベルト44上の硬貨のストッパ部材52を越えての後方への移動を規制する閉状態となる。また、このゲートストッパ51はオフされると、先端のストッパ部材52が搬送ベルト44から離間して、搬送ベルト44上の硬貨のストッパ部材52より後方への移動を許容する開状態となる。
【0031】
ここで、ゲートストッパ51がオンされた状態では、回転する搬送ベルト44により硬貨が隙間規制ローラ47側に徐々に集積されてしまい、その後、ゲートストッパ51がオフされると集積された硬貨が一度に移動することで隙間規制ローラ47にジャム等を生じることがある。このため、一時貯留部42は、搬送ベルト44を下方から叩くベルト叩き機構54を有している。
【0032】
このベルト叩き機構54は、搬送ベルト44の隙間規制ローラ47よりも前側に配置されており、搬送ベルト44の上辺部212を下から叩くベルト叩きプッシャ55と、このベルト叩きプッシャ55を上下に往復動させるベルト叩きソレノイド(ベルト叩き駆動部)56とを有している。ベルト叩きプッシャ56は、搬送ベルト44を叩く側が、該搬送ベルト44に平行な平板部57とされており、ベルト叩きソレノイド56は、この平板部57に直交する方向にこの平板部57を短いストロークで往復動させる。
【0033】
上記の一時貯留部42の後方には、図1に示すように、一時貯留部42の搬送ベルト44からゲートストッパ51を越えて後方に送り出された硬貨をさらに後方に搬送した後、右方向に向きを変えて搬送する搬送部59が設けられている。この搬送部59は、機体の後側かつ左側において後方に延在した後、さらに右方に延在する硬貨通路60を有しており、この硬貨通路60は、鉛直に立設された壁部60a,60a間に形成されている。
【0034】
また、搬送部59は、硬貨通路60の上側に、一時貯留部42から一枚ずつに分離されて繰り出された硬貨を、上方から押圧しつつ硬貨通路60に沿って搬送する屈曲形状の搬送ベルト61を有している。
【0035】
搬送部59の硬貨通路60の前後に沿う部分には、一時貯留部42に近接して、通過する硬貨の金種を判別する硬貨判別部63が設けられている。
【0036】
搬送部59の硬貨通路60の前後に沿う部分には、硬貨判別部63の後方に、硬貨判別部63の判別結果等に応じて硬貨を選別する収納振分ゲート65が設けられている。この収納振分ゲート65は、硬貨をこの収納振分ゲート65を越えてそのまま硬貨通路60で搬送させ後述する金種振分部68に案内する状態、および硬貨通路60から硬貨を落下させる状態の一方に選択的に切り換えられるもので、硬貨通路60から落下された硬貨は後述する放出口83から返却搬送路67に送り込まれる。
【0037】
金種振分部68は、一時貯留部42から繰り出された硬貨を金種別に振り分けるものである。金種振分部68は、搬送部59の硬貨通路60に連続する硬貨分類通路70と、この硬貨分類通路70に沿って硬貨を上方から押圧しつつ搬送する搬送ベルト71とを有しており、硬貨分類通路70は、鉛直に設けられた壁部70a,70a間に設けられている。硬貨分類通路70には、搬送される硬貨を金種別に分類して落下させる分類孔72A〜72Fが、硬貨径の小さい順に配置されており、各分類孔72A〜72Fのそれぞれの直前には通過する硬貨を検出する硬貨検出センサ73が対応配置されている。
【0038】
各分類孔72A〜72Fの下側には、これらで振り分けられた硬貨をそれぞれ収納可能であるとともに収納している硬貨を出金口75に繰出可能な金種別の収納繰出部76A〜76Fが設けられている。具体的には、分類孔72Aの下側には1円硬貨を収納する収納繰出部76Aが、分類孔72Bの下側には50円硬貨を収納する収納繰出部76Bが、分類孔72Cの下側には5円硬貨を収納する収納繰出部76Cが、分類孔72Dの下側には100円硬貨を収納する収納繰出部76Dが、分類孔72Eの下側には10円硬貨を収納する収納繰出部76Eが、分類孔72Fの下側には500円硬貨を収納する収納繰出部76Fが、それぞれ設けられている。
【0039】
これら金種別の収納繰出部76A〜76Fと一時貯留部42との間には、収納繰出部76A〜76Fとほぼ同じ構成であって、一時貯留部42から繰り出され、収納振分ゲート65で右方に振り分けれた硬貨を後述する出金口75に返却可能な返却搬送路67が設けられている。ここで、これら収納振分ゲート65と返却搬送路67とで、一時貯留部42から繰り出された硬貨を出金口75に返却する硬貨返却部77が構成されている。
【0040】
金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67は、それぞれ、前後方向および上下方向に沿い、しかも互いに左右方向に所定の間隔をあけて配置された一対の壁部80,80と、これら壁部80,80間に配置された上面部分が硬貨を載置させる載置面204を形成する搬送ベルト81とを有している。
【0041】
金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67のそれぞれにおいて搬送ベルト81は、前側ほど上側に位置するように傾斜しており、載置面204を前方に移動させることで、収納していた硬貨を機体12の前方かつ上方に搬送する。
【0042】
また、金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67は、それぞれ、搬送ベルト81の前部側の上側位置に、隙間規制ローラ85を有している。この隙間規制ローラ85は、搬送ベルト81で前方に搬送される集積状態の硬貨の集積を、下部が後方に移動するように回転することにより崩し一枚ずつに分離する。
【0043】
さらに、金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67は、それぞれ、搬送ベルト81の隙間規制ローラ85よりも前方にゲートストッパ91を有している。このゲートストッパ91は、オンされると先端のストッパ部材92が突出して、硬貨のストッパ部材92を越えての前方への移動を規制する閉状態となり、オフされると先端のストッパ部材92が引っ込んで硬貨のストッパ部材92よりも前方への移動を許容する開状態となる。
【0044】
金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67のすべての前部下側には、これらから繰り出された硬貨を一時貯留部42および硬貨一括金庫23に案内可能なコンベア式の正逆回転可能な搬送ベルト100を有する硬貨搬送路101が設けられている。この硬貨搬送路101で一時貯留部42側に搬送された硬貨は、図2に示す一時貯留部42の壁部43の前後方向における中間位置に形成された硬貨搬送路出口102から一時貯留部42に放出されることになる。
【0045】
また、金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67の前部下側位置には、金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67から繰り出された硬貨を機外に放出可能な出金口75および硬貨搬送路101のいずれか一方に選択的に案内する図示せぬ出金側ゲートが設けられている。
【0046】
硬貨搬送路101の一時貯留部42に対し反対側には、硬貨搬送路101からの硬貨を受け入れて硬貨一括金庫23に案内する金庫案内部106が設けられており、この金庫案内部106の下側に、硬貨搬送路101よりも前方に位置して硬貨一括金庫23が設けられている。
【0047】
そして、第1実施形態においては、一時貯留部42の搬送ベルト44の載置面200のうちの一部である第1載置面部202のみに対して、残留硬貨の有無を検知する残留硬貨検知装置206が設けられている。
【0048】
残留硬貨検知装置206は、図3に示すようにそれぞれが発振コイル207と発振コイル207を発振させるコイル発振器208とを有する複数具体的には15の金属検知センサ209と、これら金属検知センサ209の出力を比較することにより第1載置面部202上の残留硬貨の有無を判定する残留硬貨有無判定部(残留硬貨有無判定手段)210とを有している。
【0049】
発振コイル207は、図4に示すように、円環状に巻かれた形状をなしており、この残留硬貨検知装置206用として設けられたすべてのものが同一のものとされている。発振コイル207は、取り扱う最小径の硬貨具体的には1円硬貨の外径より小さい外径とされている。
【0050】
複数の発振コイル207のうちの一つの発振コイル207aは、図2に示すように、一時貯留部42の搬送ベルト44の第1載置面部202を構成する上辺部212よりも下側であって搬送ベルト44の下辺部213の上側に配置された下部プリント基板214に、第1載置面部202に対し平行となるように形成されている。なお、この下部プリント基板214に設けられた発振コイル207aは、第1載置面部202からの距離が遠い。このため、第1載置面部202上の硬貨の影響を実質的に受けず(すなわち第1載置面部202上の硬貨の有無で出力が実質的に変化しない)、また他の部分の硬貨の影響も受けない基準となる(以下、この発振コイル207a、これに一対一で接続されるコイル発振器208aおよびこれらで構成される金属検知センサ209aを基準側と称す)。
【0051】
他方、複数の発振コイル207のうちの残りの発振コイル207bは、すべて、一時貯留部42の搬送ベルト44の第1載置面部202を構成する上辺部212の下側に近接して配置された上部プリント基板216に、第1載置面部202に対し平行となるように形成されている。なお、基準側に対してこの上部プリント基板216に設けられた発振コイル207bは、すべて第1載置面部202からの距離が近い。このため、第1載置面部202上の硬貨の有無で出力が変化することになり実質的に硬貨の検知を行う(以下、これらの発振コイル207b、これらにそれぞれ一対一で接続されるコイル発振器208bおよびこれらで構成される金属検知センサ209bを検知側と称す)。
【0052】
以上の結果、残留硬貨検知装置206を構成するすべての金属検知センサ209の発振コイル207のうち、一つの基準側の金属検知センサ209aの発振コイル207aの第1載置面部202からの距離が、残りすべての検知側の金属検知センサ209bの発振コイル207bの第1載置面部202からの距離に対し長く設定されている。
【0053】
ここで、上部プリント基板216に設けられた検知側のすべての発振コイル207bは、搬送ベルト44の第1載置面部202に対し平行かつ等距離をなしており、図4に示すように、すべての発振コイル207bが全体として第1載置面部202に全面的に重なるように設けられている。また、検知側のすべての発振コイル207bは、搬送ベルト44の第1載置面部202上において隣り合う発振コイル207b同士の間の中央に最小径の硬貨が位置してもこの硬貨を検知可能な間隔で配設されている。さらに、検知側のすべての発振コイル207bは、第1載置面部202上において壁部43に接触する位置に最小径の硬貨が位置してもこの硬貨をいずれかの発振コイル207bで検知可能な距離の範囲内で壁部43から離れて配設されている。
【0054】
具体的には、壁部43,43間で第1載置面部202上に最小径の硬貨が一つ存在する場合に、検知側の発振コイル207bのいずれか一つが必ずこの一つの最小径の硬貨によって所定割合具体的には50%以上覆われるように検知側の発振コイル207b同士の間隔および壁部43からの距離が設定されている。
【0055】
発振コイル207に一対一で接続されてそれぞれを発振させる図3に示すコイル発振器208は、同じ残留硬貨検知装置206を構成するものすべてにおいて発振コイル207を同期がとれた同一の発振周波数で駆動するようになっている。
【0056】
残留硬貨有無判定部210は、検知側の各発振コイル207bに接続されたコイル発振器208bの出力がそれぞれ一対一で導入される、検知側の発振コイル207bと同数の検波器218を有しており、すべての検波器218には、基準側の発振コイル207aに接続されたコイル発振器208aの出力がそれぞれ導入されている。
【0057】
各検波器218は、それぞれに接続された検知側のコイル発振器208bの出力である発振周波数と、基準側のコイル発振器208aの出力である発振周波数との差分周波数を求め、これを出力する。ここで、検知側の発振コイル207bに第1載置面部202上の硬貨が近接せず発振コイル207bに発信周波数の変動が生じなければ、差分周波数は実質的に0となる一方、検知側の発振コイル207bに第1載置面部202上の硬貨が近接しこの硬貨で発振コイル207bに発信周波数の変動が生じれば、差分周波数は大きくなる。
【0058】
また、残留硬貨有無判定部210は、各検波器218の出力がそれぞれ一対一で導入される、検波器218と同数のfV変換器219を有しており、各fV変換器219はそれぞれ導入された差分周波数を電圧値に変換して出力する。すなわち、近接する硬貨によって検知側の発振コイル207bに発信周波数の変動が生じれば差分周波数が大きくなるため、fV変換器219は高い電圧値を出力することになる。他方、近接する硬貨がなく検知側の発振コイル207bに発信周波数の変動が生じなければ差分周波数が実質的に0になるため、fV変換器219は低い電圧値を出力することになる。
【0059】
さらに、残留硬貨有無判定部210は、各fV変換器219の出力がそれぞれ一対一で導入される、fV変換器219と同数のコンパレータ220を有しており、各コンパレータ220はそれぞれ導入された電圧値を二値化して出力する。すなわち、fV変換器219から高い電圧値が出力されるとコンパレータ220は残留硬貨有を示すオン信号を出力し、fV変換器219から低い電圧値が出力されるとコンパレータ220は残留硬貨無を示すオフ信号を出力する。その結果、コンパレータ220から出力される二値化データは硬貨の有無を示すものとなる。
【0060】
そして、各コンパレータ220の出力が硬貨処理機10の全体を制御する制御部221に導入される。制御部221では、すべてのコンパレータ220の出力が硬貨無を示している場合には、残留硬貨がないと判定し、少なくともいずれか一つのコンパレータ220の出力が硬貨有を示している場合には、残留硬貨があると判定する。
【0061】
以上により、残留硬貨有無判定部210は、一つの基準側の金属検知センサ209aの出力を基準とし、この基準に対し残りのすべての検知側の金属検知センサ209bの出力をそれぞれ個別に比較して、検知側の金属検知センサ209bで硬貨を検知しているか否かを判定し、残留硬貨の有無を判定するのである。
【0062】
なお、第1実施形態においては、一時貯留部42の搬送ベルト44の載置面200のうち、その一部である第1載置面部202のみに、残留硬貨の有無を検知する残留硬貨検知装置206の金属検知センサ209が設けられていることから、制御部221は、残留硬貨の有無を検知する際に、載置面200を構成する搬送ベルト44を駆動する。加えて、制御部221は、残留硬貨の有無を検知する際に、ベルト叩き機構54で搬送ベルト44を叩く。
【0063】
勿論、搬送ベルト44の載置面200の全面に残留硬貨検知装置206の金属検知センサ209を配置しても良い。この場合は、搬送ベルト44を停止状態としても残留硬貨の有無を検知することが可能であるが、例えば、壁部43に沿って立ち上がった状態にある硬貨を倒したり、入金ガイド壁部45に一部載り上げた硬貨等を載置面200上に載置させる等のために搬送ベルト44を駆動しても良い。その場合、正逆回転を行い、入金ガイド壁部45に硬貨が載り上げた状態で停止しないように、最後は搬送ベルト44を所定量正回転させることで停止させることになる。
【0064】
以上の第1実施形態の硬貨処理機10の作動の要部を以下に説明する。
例えば、オペレータにより入金させる硬貨が硬貨投入部30の回転円盤34に投入され図示せぬ操作部に「入金処理」の実行入力がなされると、制御部221は、硬貨を回転円盤34から隙間規制部材37で一枚ずつに分離して繰り出し搬送ベルト38で搬送させることになり、硬貨選別部32で真硬貨と識別された硬貨を一時貯留振分ゲート40で一時貯留部42に落下させて一時貯留させる。
【0065】
そして、制御部221は、硬貨識別部32の識別結果を表示させる。この表示からオペレータにより入金確定操作すなわち「収納処理」の実行入力がなされると、例えば、搬送ベルト44および搬送ベルト61等を駆動して、一時貯留部42から硬貨を繰り出させて金種別の収納繰出部76A〜76Fに振り分けて収納させる。
【0066】
ここで、このような収納処理時に一時貯留部42からの硬貨の繰り出しの完了を判定するために、制御部221は、残留硬貨検知装置206で一時貯留部42の残留硬貨の有無を検知する。
【0067】
例えば、一時貯留部42から一時貯留していた硬貨をすべて繰り出す際に、残留硬貨検知装置206で残留硬貨の有無を検知しながら搬送ベルト44を繰り出し方向に正回転させるとともに残留硬貨検知装置206で第1載置面部202上に残留硬貨無と判定される状態になると第2載置面部203上にあった硬貨がすべて一時貯留部42から繰り出されるのに十分な第1所定時間が経過するまで搬送ベルト44をさらに正回転させた後に停止させるという正回転処理を行う。
【0068】
勿論、この正回転処理中に残留硬貨検知装置206で残留硬貨有と判定されることがあると、再度正回転処理をやり直す。
【0069】
正回転処理が終了する(残留硬貨無の状態が上記第1所定時間維持される)と、制御部221は、搬送ベルト44を逆回転させ、残留硬貨検知装置206で残留硬貨の有無を検知しながら、第2載置面部203上に硬貨があると仮定した場合にこの硬貨を第1載置面部202上に位置させるのに十分な第2所定時間が経過するまで搬送ベルト44を逆回転させた後に停止させる逆回転処理を行う。なお、この逆回転処理中にベルト叩き機構54で搬送ベルト44を叩く。
【0070】
そして、この逆回転処理中に、残留硬貨検知装置206で残留硬貨有と判定されることがあると、再度正回転処理からやり直す。
【0071】
逆回転処理が終了する(残留硬貨無の状態が上記第2所定時間維持される)と、制御部221は、最後に、仮に入金ガイド壁部45に硬貨が一部載り上げた状態にあった場合でもこの硬貨の全体を第1載置面部202の発振コイル207(207b)上に載置させて停止可能な所定量、搬送ベルト44を正回転させた後に停止させる最終処理を行う。
【0072】
この最終処理中に、残留硬貨検知装置206で残留硬貨有と判定されることがあると、再度正回転処理からやり直す。
【0073】
一方、この最終処理の間も残留硬貨検知装置206で第1載置面部202上に残留硬貨無と判定されていれば、一時貯留部42からのすべての硬貨の繰り出しが完了したと判定する。
【0074】
以上の第1実施形態の硬貨処理機10によれば、残留硬貨有無判定部210は、それぞれが発振コイル207を有する複数の金属検知センサ209の出力を比較することにより残留硬貨の有無を判定することになるため、温度変化や経年変化などの影響を同様に受ける複数の金属検知センサ209の出力を比較して残留硬貨の有無を判定することになり、各金属検知センサ209間で温度変化や経年変化などの影響を相殺できる。よって、硬貨が残留していないことが保証された状態でのセンサ出力を初期値として確定させるといった処理が必要なくなり、その結果、実際には硬貨が残留しているときのセンサ出力を初期値として確定してしまいそれに起因して、以後の残留硬貨の検知が不確実なものとなってしまうといった問題が生じなくなる。したがって、確実に残留硬貨を検知することができる。
【0075】
また、複数の金属検知センサ209は、それぞれの発振コイル207が同一の発振周波数で駆動されるため、残留硬貨有無判定部210におけるこれら金属検知センサ209の出力の比較が容易となる。したがって、残留硬貨有無判定部210を簡素構成にできる。
【0076】
さらに、一つの金属検知センサ209aの発振コイル207aの第1載置面部202からの距離が、残りすべての金属検知センサ209bの発振コイル207bの第1載置面部202からの距離に対し長く設定されているため、残留硬貨有無判定部210は、一つの金属検知センサ209aの出力を硬貨を検知しない状態の基準として用い、これに対して残りすべての金属検知センサ209bの出力を比較することで残留硬貨の有無を判定する。このように、硬貨の影響を受けない発振コイル207aの第1載置面部202からの距離が長い金属検知センサ209aの出力を基準とすることができるため、さらに確実に残留硬貨を検知することができる。
【0077】
さらに、残留硬貨有無判定部210が、残留硬貨の有無を判定する際に搬送ベルト44を駆動するため、万が一検知側のすべての金属検知センサ209bのそれぞれに対し同様の状況で硬貨が残留し、一旦はこれら金属検知センサ209bの出力が同じ状況となることがあっても、搬送ベルト44を駆動することで、各金属検知センサ209bのそれぞれに対する硬貨の状況を変動させ、各金属検知センサ209bの出力を異ならせることになって、残留硬貨を検知できる。したがって、さらに確実に残留硬貨を検知することができる。
【0078】
加えて、発振コイル207は取り扱う最小径の硬貨の外径より小さい外径とされており、発振コイル207が複数、隣り合うもの同士の間の中央に最小径の硬貨が位置しても該硬貨を検知可能な間隔で配設されているため、取り扱う最小径の硬貨の外径より小さい外径の発振コイル207の範囲にある硬貨は必ず検知され、また、複数の発振コイル207同士の間の中央に最小径の硬貨が位置しても該硬貨は検知される。したがって、一層確実に残留硬貨を検知することができる。
【0079】
さらに、残留硬貨検知装置206は、一つの基準側の金属検知センサ209aの出力を基準とし、残りすべての検知側の金属検知センサ209bの出力をそれぞれ前記基準と比較するため、より一層確実に残留硬貨を検知することができる。
【0080】
なお、この第1実施形態においては、複数の検知側の発振コイル207bおよびコイル発振器208bに対応して、同数の検波器218、同数のfV変換器219、および同数のコンパレータ220がそれぞれ設けられているが、これらの構成に代えて、検知側のコイル発振器208bの複数の出力を入力する一つのアナログマルチプレクサ(図示せず)を設け、このアナログマルチプレクサには、さらに、複数の入力の中から一つを選択して出力するための選択信号を制御部221から入力し、そして、このアナログマルチプレクサからの一つの出力を、一つの検波器218、一つのfV変換器219、および一つのコンパレータ220に導くように構成することもできる。
【0081】
これにより、制御部221は、予め定められた時間間隔をおいて、アナログマルチプレクサに選択信号を出力し、アナログマルチプレクサは、検知側のコイル発振器208bの複数の出力の一つ一つを順次選択して、検波器218、fV変換器219、およびコンパレータ220を介して硬貨の有無を表す信号を出力させ、前記した時間間隔で、且つ所定のタイミングをずらしたタイミングで、制御部221が硬貨の有無を表す信号を読み取って、残留硬貨の有無を判定させることもできるものである。
【0082】
次に、本発明の第2実施形態の硬貨処理機を図5および図6を参照して第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。
【0083】
第2実施形態において、図5に示すように、一時貯留部42の底部を構成する搬送ベルト44の載置面200の全面に対して残留硬貨の有無を検知する残留硬貨検知装置222の発振コイル223が設けられている。
【0084】
残留硬貨検知装置222は、図6に示すように、それぞれが発振コイル223と発振コイル223を発振させるコイル発振器224とを有する複数具体的には一対の金属検知センサ225と、これら金属検知センサ225の出力を比較することにより載置面200上の残留硬貨の有無を判定する残留硬貨有無判定部(残留硬貨有無判定手段)226とを有している。
【0085】
発振コイル223は、図5に示すように四角環状に巻かれた形状をなしており、この残留硬貨検知装置222用として設けられた両方が同一のものとされている。
【0086】
そして、第2実施形態においては、残留硬貨検知装置222を構成するすべての金属検知センサ225の発振コイル223が、載置面200に対する距離を等しくしている。すなわち、一時貯留部42の搬送ベルト44の載置面200を構成する上辺部212の下側にこれに近接して平行にプリント基板228が配置されており、このプリント基板228に、載置面200の対向する部分に対し平行をなすように両金属検知センサ225の発振コイル223が形成されている。
【0087】
ここで、プリント基板228に設けられた発振コイル223は、搬送ベルト44の載置面200に対し平行かつ等距離をなしており、両発振コイル223が全体として載置面200に全面的に重なるように設けられている。
【0088】
各発振コイル223にそれぞれ一対一で接続されてそれぞれを発振させるコイル発振器224は、同じ残留硬貨検知装置222を構成するすべての発振コイル223を同期がとれた同一の発振周波数で駆動するようになっている。
【0089】
そして、図6に示すように、残留硬貨有無判定部226は、各発振コイル223にそれぞれ接続された一対のコイル発振器224の出力が導入される一つのの検波器218と、検波器218の出力が導入される一つのfV変換器219と、fV変換器219の出力が導入される一つのコンパレータ220とを有している。
【0090】
第1実施形態と同様、検波器218は、一対のコイル発振器224の出力である発振周波数の差分周波数を求め、これを出力することになり、fV変換器219は、検波器218から導入された差分周波数を電圧値に変換して出力し、コンパレータ232は、fV変換器219から導入された電圧値を二値化して出力する。
【0091】
ここで、一対の発振コイル223に対して硬貨が同じ影響を及ぼす状態になることはまれであることから、差分周波数が実質的に0であり、fV変換器219が低い電圧値を出力し、コンパレータ220がオフ信号を出力する状態は、載置面200上に硬貨が存在しない状態であると判定した状態になる。
【0092】
一方、載置面200上に硬貨が存在すれば、一対の発振コイル223に対して硬貨がそれぞれに異なる影響を及ぼすことになるため、差分周波数が大きくなることから、差分周波数が実質的に0ではなく、fV変換器219が高い電圧値を出力し、コンパレータ220がオン信号を出力する状態は、載置面200上に硬貨が存在する状態であると判定した状態になる。
【0093】
なお、一対の発振コイル223に対して硬貨が同じ影響を及ぼす状態が万が一生じた場合のために、制御部221は、残留硬貨有無判定部226で硬貨無と一旦判定したときに、搬送ベルト44を駆動して一対の発振コイル223に対する硬貨のバランスを崩す制御を行って残留硬貨有無判定部226で硬貨の有無を再度判定する。
【0094】
また、載置面200が広い場合には、上記の残留硬貨検知装置222を複数設けても良い。この場合、制御部222は、すべてのコンパレータ220の出力が硬貨無を示している場合には、残留硬貨がないと判定し、少なくとも一つのコンパレータ220の出力が硬貨有を示している場合には、残留硬貨があると判定する。
【0095】
以上の第2実施形態の硬貨処理機10においても、上記のような収納処理時に一時貯留部42からの硬貨の繰り出しの完了を判定するために、制御部221は、残留硬貨検知装置222の一対の金属検知センサ225で一時貯留部42の残留硬貨の有無を検知する。
【0096】
この場合、まず、一時貯留部42からすべての硬貨を繰り出すように、一時貯留していた硬貨をすべて繰り出すのに十分な所定時間が経過するまで搬送ベルト44を正回転させた後に停止させる正回転処理を行う。
【0097】
この正回転処理の終了時点で、残留硬貨検知装置222で残留硬貨の有無を検知し、残留硬貨検知装置222で載置面200上に残留硬貨有と判定されると、終了後に残留硬貨検知装置222で載置面200上に残留硬貨無と判定されるまで正回転処理を繰り返し行う。
【0098】
他方、正回転処理の後、残留硬貨検知装置222で載置面200上に残留硬貨無と判定されると、載置面200上に硬貨があってこれが一対の金属検知センサ225に対しバランスした位置にあると仮定した場合にこの硬貨が一対の金属検知センサ225に対しバランスを崩すのに十分な所定時間が経過するまで搬送ベルト44を逆回転させ、その後、仮に入金ガイド壁部45に硬貨が一部載り上げた状態にあった場合でもこの硬貨の全体を載置面200に載置させて停止可能な所定量、搬送ベルト44を正回転させて停止させる最終処理を行う。
【0099】
そして、この最終処理が終了した時点で残留硬貨検知装置222で残留硬貨の有無を検知し、残留硬貨検知装置222で載置面200上に残留硬貨有と判定されると、上記正回転処理からやり直す。
【0100】
他方、この最終処理が終了した時点で残留硬貨検知装置222で載置面200上に残留硬貨無と判定されると、一時貯留部42からのすべての硬貨の繰り出しが完了したと判定する。
【0101】
以上の第2実施形態の硬貨処理機10によれば、第1実施形態とほぼ同様の効果を奏する上に、残留硬貨検知装置222を構成するすべての金属検知センサ225の発振コイル223が、載置面200に対する距離を等しくしているため、硬貨の検知に必要な最小限の数の金属検知センサ225を設けることになり、金属検知センサ225の配置および配線が容易となる。したがって、製造コストを低減することができる。
【0102】
なお、以上の第1,第2実施形態においては、一時貯留部42に残留硬貨検知装置を設ける場合を例にとり説明したが、金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67の残留硬貨の有無を検知するために、これらに上記残留硬貨検知装置を設けることも可能である。
【0103】
また、搬送ベルトで硬貨を載置させる載置面を構成するものに限定されず、例えば、上記した硬貨一括金庫23等の載置面が固定の容器状のものに設けることも可能である。この場合、図7に示すように、残留硬貨検知装置を構成するすべての金属検知センサの発振コイル223のうち、一つを載置面230から離れた位置に配置して基準側の金属検知センサの発振コイル223とし、残りの一つを載置面230に近接した位置に配置して検知側の金属検知センサの発振コイル223とすれば良い。
【0104】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載の硬貨処理機によれば、残留硬貨有無判定手段は、それぞれが発振コイルを有する複数の金属検知センサの出力を比較することにより残留硬貨の有無を判定することになるため、温度変化や経年変化などの影響を同様に受ける複数の金属検知センサの出力を比較して残留硬貨の有無を判定することになり、各金属検知センサ間で温度変化や経年変化などの影響を相殺できる。よって、硬貨が残留していないことが保証された状態でのセンサ出力を初期値として確定させるといった処理が必要なくなり、その結果、実際には硬貨が残留しているときのセンサ出力を初期値として確定してしまいそれに起因して、以後の残留硬貨の検知が不確実なものとなってしまうといった問題が生じなくなる。したがって、確実に残留硬貨を検知することができる。
【0105】
本発明の請求項2記載の硬貨処理機によれば、複数の金属検知センサは、それぞれの発振コイルが同一の発振周波数で駆動されるため、残留硬貨有無判定手段におけるこれら金属検知センサの出力の比較が容易となる。したがって、残留硬貨有無判定手段を簡素構成にできる。
【0106】
本発明の請求項3記載の硬貨処理機によれば、一つの金属検知センサの発振コイルの載置面からの距離が、残りすべての金属検知センサの発振コイルの載置面からの距離に対し長く設定されているため、残留硬貨有無判定手段は、前記した一つの金属検知センサの出力を硬貨を検知しない状態の基準として用い、これに対して残りすべての金属検知センサの出力を比較することで残留硬貨の有無を判定する。このように、硬貨の影響を受けない発振コイルの載置面からの距離が長い金属検知センサの出力を基準とすることができるため、さらに確実に残留硬貨を検知することができる。
【0107】
本発明の請求項4記載の硬貨処理機によれば、残留硬貨検知装置を構成するすべての金属検知センサの発振コイルが、載置面に対する距離を等しくしているため、硬貨の検知に必要な最小限の数の金属検知センサを設けることになり、金属検知センサの配置および配線が容易となる。したがって、製造コストを低減することができる。
【0108】
本発明の請求項5記載の硬貨処理機によれば、残留硬貨有無判定手段で残留硬貨の有無を判定する際に搬送ベルトを駆動するため、万が一金属検知センサのそれぞれに対し同様の状況で硬貨が残留し、一旦はこれら金属検知センサの出力が同じ状況となることがあっても、搬送ベルトを駆動することで、各金属検知センサのそれぞれに対する硬貨の状況を変動させ、各金属検知センサの出力を異ならせることになって、残留硬貨を検知できる。したがって、さらに確実に残留硬貨を検知することができる。
【0109】
本発明の請求項6記載の硬貨処理機によれば、取り扱う最小径の硬貨の外径より小さい外径の発振コイルの範囲にある硬貨は必ず検知され、また、複数の発振コイル同士の間の中央に最小径の硬貨が位置しても該硬貨は検知される。したがって、一層確実に残留硬貨を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の硬貨処理機を示す平面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の硬貨処理機の一時貯留部を示す側断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態の硬貨処理機の要部を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態の硬貨処理機の一時貯留部を示す部分拡大平面図である。
【図5】本発明の第2実施形態の硬貨処理機の一時貯留部を示す部分拡大平面図である。
【図6】本発明の第2実施形態の硬貨処理機の要部を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2実施形態の硬貨処理機の残留硬貨検知装置を硬貨金庫に適用する場合を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 硬貨処理機
44 搬送ベルト
200 載置面
202 第1載置面部
206,222 残留硬貨検知装置
207,223 発振コイル
209,225 金属検知センサ
210,226 残留硬貨有無判定部(残留硬貨有無判定手段)
Claims (6)
- 載置面上の残留硬貨の有無を検知する残留硬貨検知装置を備えた硬貨処理機において、
前記残留硬貨検知装置は、
それぞれが発振コイルを有する複数の金属検知センサと、
これら金属検知センサの出力を比較することにより残留硬貨の有無を判定する残留硬貨有無判定手段とを有することを特徴とする硬貨処理機。 - 前記複数の金属検知センサは、それぞれの発振コイルが同一の発振周波数で駆動されることを特徴とする請求項1記載の硬貨処理機。
- 前記残留硬貨検知装置を構成するすべての金属検知センサのうち、一つの金属検知センサの発振コイルの前記載置面からの距離が、残りすべての金属検知センサの発振コイルの前記載置面からの距離に対し長く設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の硬貨処理機。
- 前記残留硬貨検知装置を構成するすべての金属検知センサの発振コイルが、前記載置面に対する距離を等しくしていることを特徴とする請求項1または2記載の硬貨処理機。
- 前記載置面は搬送ベルトの上面で構成されるとともに、前記残留硬貨有無判定手段で残留硬貨の有無を判定する際に前記搬送ベルトを駆動することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の硬貨処理機。
- 前記発振コイルは取り扱う最小径の硬貨の外径より小さい外径とされており、該発振コイルが複数、隣り合うもの同士の間の中央に前記最小径の硬貨が位置しても該硬貨を検知可能な間隔で配設されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載の硬貨処理機。
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