JP2004037761A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原稿を読み取る読取手段より出力された画像情報に基づいて、原稿上のマークで指定された所定領域を認識する領域認識手段と、領域認識手段に認識された所定領域内の画像情報を認識する情報認識手段とを備える画像形成装置である。情報認識手段に認識された所定領域内の画像情報に基づく画像の形成を制御する第1制御手段が備えられる。さらに、読取手段より出力された画像情報からマークに対応する部分を消去するマーク消去手段と、このマーク消去手段によりマークに対応する部分が消去された画像情報に基づく画像の形成を制御する第2制御手段とが備えられる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、業務において作成され客先に送付される文書(以下、「業務文書」という。)として、商取引における見積書や注文書、展示会やイベントの招待状等が知られている。
そして、上記業務文書の発行業務においては、オフィス等にて、原稿を光学走査することで画像データを読み取り、この読み取った画像データを印刷出力する、いわゆる複写を行う画像形成装置が活用されている。
【0003】
ここで、上記業務文書のうち、代表して見積書の発行業務にかかる一般的な業務手順を示す。
見積書の発行業務においては、先ず、見積書をワープロや手書きにて作成し、作成された見積書を郵送、FAX、電子メールにおける添付ファイル等の送付手段のいずれか一つ、若しくは複数を用いて客先に送付する。その後、客先からの問い合わせ等に備えるために、送付した見積書の控えを上記画像形成装置を用いて作成し、それを手元に保管する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記業務のうち、業務文書を客先に送付する業務、特に、郵送にて客先に送付する場合、この業務における事務作業は、作業者による手作業に依存する割合が大きく、装置による自動化が遅れているのが現状である。例えば、業務文書が手書きで作成された文書である場合、宛名がデータ化されていないことがあり、作成された業務文書が封入される封筒への宛名書きが手作業で行われることになる。特に、取り扱う商品が多品種に亘る商社等においては、封筒への宛名書きが手作業となっている。
【0005】
しかしながら、業務文書の中には宛名が記載されているものがある。それにもかかわらず、作業者は封筒への宛名書きを重複して行わなければならなかった。
また、宛名書きされた封筒に業務文書を封入して封緘する作業も、作業者による手作業にて行われる場合があった。
さらに、送付される業務文書とその控えとは略同じではあるが、控えであることの記載の有無等で異なるため、上記画像形成装置を用いて、単に送付される業務文書の複写を行えばその控えを作成できるというわけではなかった。
【0006】
なお、特開平6−187335号公報に開示されているように、複数の宛先にマークが付けられた原稿を読み取って、それぞれの宛先にマークが付けられた複数の文書を得る文書編集装置も提案されている。しかしながら、この文書編集装置では、各宛先に対応する封筒への宛名書きをすることができないといった問題がある。
【0007】
本発明の課題は、相手先に送付される書類若しくは控えとして手元に保管される書類の作成及び宛名書きを容易にでき、書類の送付にかかる作業者の負担を軽減できる画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、原稿を読み取って画像情報を出力する読取手段と、前記読取手段より出力された前記画像情報に基づいて、前記原稿上のマークで指定された所定領域を認識する領域認識手段と、前記領域認識手段に認識された前記所定領域内の画像情報を認識する情報認識手段とを備える画像形成装置において、
前記情報認識手段に認識された前記所定領域内の画像情報に基づく画像の形成を制御する第1制御手段と、
前記読取手段より出力された前記画像情報から前記マークに対応する部分を消去するマーク消去手段と、
前記マーク消去手段により前記マークに対応する部分が消去された画像情報に基づく画像の形成を制御する第2制御手段とを備えることを特徴としている。
【0009】
ここで、画像情報には、文字や記号等のテキストデータが含まれている。
また、情報認識手段を、前記文字や記号等のテキストデータを認識する文字情報認識手段としても良いし、単にイメージを認識する情報認識手段としても良いが、文字情報認識手段とすることが好ましい。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、原稿を読み取る読取手段より出力された画像情報に基づいて、原稿上のマークで指定された所定領域を認識する領域認識手段と、領域認識手段に認識された所定領域内の画像情報を認識する情報認識手段とが備えられる。そして、情報認識手段に認識された所定領域内の画像情報に基づく画像の形成を制御する第1制御手段が備えられる。さらに、読取手段より出力された画像情報からマークに対応する部分を消去するマーク消去手段と、このマーク消去手段によりマークに対応する部分が消去された画像情報に基づく画像の形成を制御する第2制御手段とが備えられる。すなわち、原稿上のマークで指定された所定領域内の画像情報が情報認識手段によって認識され、認識された画像情報に基づく画像の形成が第1制御手段によって制御される。また、読取手段より出力された画像情報からマークに対応する部分がマーク消去手段によって消去され、マークに対応する部分が消去された画像情報に基づく画像の形成が第2制御手段によって制御される。これによって、例えば、相手先に送付される書類若しくは控えとして手元に保管される書類上の宛名が記載されている部分をマークで指定することで、第1制御手段の制御下にて宛名の記録媒体への形成(以下、「宛名書き」という。)が行われるとともに、第2制御手段の制御下にて前記宛名を指定するマークの部分が消去された画像、すなわち前記宛名に対応する相手先に送付される書類若しくは控えとして手元に保管される書類が形成される。
従って、相手先に送付される書類若しくは控えとして手元に保管される書類の作成及び宛名書きが容易になり、書類の送付にかかる作業者の負担が軽減されることになる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記第1及び第2制御手段は、互いに異なる記録媒体への画像の形成を制御することを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、第1及び第2制御手段によって、互いに異なる記録媒体への画像の形成が制御される。これにより、第1及び第2制御手段の制御下にて、互いに異なる記録媒体に対して画像の形成が行われる。すなわち、例えば、第1制御手段の制御下にて画像が形成される記録媒体が、第2制御手段の制御下にて形成された書類が封入される封筒である場合には、第1制御手段の制御下にて封筒に宛名書きが行われるとともに、第2制御手段の制御下にて前記宛名に対応する相手先に送付される書類若しくは控えとして手元に保管される書類の作成が行われる。
また、第1制御手段の制御下にて、前記封筒への宛名書きの他、送り状や、物件目録等を作成するようにしても良い。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記第1制御手段に制御されることにより画像が形成された封筒に、前記第2制御手段に制御されることにより画像が形成された記録媒体を封入して封緘する封入封緘手段を備えることを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、第1制御手段に制御されることにより画像が形成された封筒に、第2制御手段に制御されることにより画像が形成された記録媒体を封入して封緘する封入封緘手段が備えられる。すなわち、封入封緘手段によって、第1制御手段の制御下にて宛名書きが行われた封筒に、第2制御手段の制御下にて形成された前記宛名に対応する相手先に送付される書類が封入されて封緘される。従って、書類の送付にかかる作業が自動化されて、作業者の負担が軽減される。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記領域認識手段は、前記原稿上のマークで指定された少なくとも2箇所の前記所定領域を認識し、
前記第1制御手段は、前記領域認識手段に認識された前記所定領域のうち、少なくともいずれか1箇所の前記所定領域内の画像情報に基づく画像を原稿色と異なる色で形成するように制御することを特徴としている。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、領域認識手段によって、原稿上のマークで指定された少なくとも2箇所の所定領域が認識される。また、第1制御手段によって、領域認識手段に認識された所定領域のうち、少なくともいずれか1箇所の所定領域内の画像情報に基づく画像を原稿色と異なる色で形成するように制御される。これにより、第1制御手段の制御下において、原稿上のマークで指定された少なくともいずれか1箇所の所定領域内の画像情報に基づく画像が、原稿色(例えば、黒)と異なる色で形成されることになる。すなわち、第1制御手段の制御下にて画像が形成される記録媒体が、第2制御手段の制御下にて形成された書類が封入される封筒である場合に、封筒の内容物を確認できないことから封筒の表面に宛名とともに内容物名を記載することが広く行われている。このとき、一般的に封筒への宛名の記載は黒で行われ、封筒の内容物名の記載は赤色や青色で行われている。このため、封筒の表面に記載される内容物名を宛名の色(原稿色;例えば、黒色)と異なる色(例えば、赤色等の目立つ色)で画像形成することにより、封筒を受け取る相手に対して内容物を確実に認識させることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、本発明が適用された一実施の形態として例示される画像形成装置の正面図であり、図2は、画像形成装置の主要な構成を示す機能ブロック図である。
【0018】
本発明が適用された画像形成装置100は、客先に送付される書類の控え(以下、「控え書類」という。)「見積書(控え)」P1(図3参照)を読み取って、客先に送付される送付書類「見積書」P2(図7参照)を作成するとともに封筒P3(図6参照)に「宛名書き」を行って、この封筒P3に送付書類「見積書」P2を封入して封緘することを特徴としている。
以下の説明では、原稿として、控え書類「見積書(控え)」P1を採用している。また、第1制御部1A(後述)の制御下で画像が形成される記録媒体Pとして、封筒P3を採用し、第2制御部1B(後述)の制御下で画像が形成される記録媒体Pとして、送付書類「見積書」P2を採用している。
【0019】
図1及び図2に示すように、画像形成装置100は、制御手段1と、画像読取部(読取手段)2と、画像処理部3と、プリント部4と、RAM5と、記憶部6と、封入封緘部(封入封緘手段)7と、操作入力部9を有する表示部8とを備えて構成され、これら各部はバスにより接続されている。
【0020】
制御手段1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、記憶部6に記憶されている各種プログラムに基づいて、画像形成装置100の各部を集中制御する。
具体的には、制御手段1は、操作入力部9から入力される信号に応答して、記憶部6に記憶されているプログラムを読み出してRAM5に一時記憶し、係るプログラムに基づく各種処理を実行して、画像形成装置100の各部を機能させる。その際に、制御手段1は、RAM5内の作業領域内に各種処理結果を格納するとともに、必要に応じて表示部8にその処理結果を表示させる。
【0021】
また、制御手段1は、第1制御手段として第1制御部1A及び第2制御手段として第2制御部1Bとして機能する。
ここで、第1及び第2制御部1A、1Bの機能は、集積回路からなる中央処理装置(CPU)によって制御プログラムが実行されることにより実現される。
【0022】
第1制御部1Aは、画像処理部3に認識される宛名情報領域D2及びスタンプ情報領域D1内の画像データに基づく画像の形成を制御する。具体的には、第1制御部1Aは、宛名書きプログラムを実行することで、控え書類「見積書(控え)」P1上の宛名情報領域D2(図4参照)内の画像データを抽出して封筒P3の表面への「宛名書き」を制御する一方で、スタンプ形成プログラムを実行することで、控え書類「見積書(控え)」P1上のスタンプ情報領域D1(図4参照)内の画像データを抽出して封筒P3の表面へのスタンプの形成を制御する。
【0023】
また、第2制御部1Bは、マーカーペンによる閉ループに対応する部分が画像処理部3によって消去された画像データに基づく画像の形成を制御する。具体的には、第2制御部1Bは、送付書類作成プログラムを実行することで、画像読取部2より出力された画像データから、宛名情報領域D2及びスタンプ情報領域D1を指定するマーカーペンによる閉ループに対応する部分を消去した画像データを作成して、この画像データに基づく送付書類「見積書」P2の作成を制御する。
【0024】
画像読取部2は、例えば、上面が原稿読取面となっている原稿台ガラス(図示略)の下側に設けられ、光源、レンズ、CCD(Charge Coupled Device)、A/D変換部等により構成されている。
そして、画像読取部2は、原稿台ガラス上に載置された送付書類「見積書(控え)」P1へ光源から照明走査し、この反射光をCCDにより読み取って電気信号(アナログ信号)に変換し、この電気信号をA/D変換部によりデジタル画像データ(画像情報;以下「画像データ」という。)に変換する。
なお、画像データは、A/D変換部よりRAM5に出力され、このRAM5内にて控え書類「見積書(控え)」P1毎に格納される。
【0025】
また、画像読取部2は、控え書類「見積書(控え)」P1上の画像を構成する黒色(原稿色)及び記録媒体P自体の色である白色とは異なる色のうち、少なくともスタンプ情報領域D1及び宛名情報領域D2をマーキングするマーカーペンの色である、赤色及び青色を認識可能となっている。
【0026】
なお、画像読取部2は、OCR(Optical Character Reader)による文字認識機能を有しており、画像として読み取った文字をOCRソフトにより解析し、テキストデータに変換可能となっている。
【0027】
画像処理部3には、領域認識手段3Aと、情報認識手段3Bと、マーク消去手段3Cが含まれている。
領域認識手段3Aは、RAM5に格納された控え書類「見積書(控え)」P1毎の画像データに対して、操作入力部9からの入力指示に従って、控え書類「見積書(控え)」P1上のマーカーペンによって閉ループとなるように指定された特定の画像処理領域(所定領域)D(図4参照)を認識可能となっている。具体的には、領域認識手段3Aは、控え書類「見積書(控え)」P1上の青色のマーカーペンで指定されたスタンプ情報領域D1と、赤色のマーカーペンで指定された宛名情報領域D2とを認識する。
なお、領域認識手段3Aの機能は、集積回路からなる中央処理装置(CPU)によって領域認識プログラムが実行されることにより実現される。
【0028】
また、情報認識手段3Bは、領域認識手段3Aに認識された画像処理領域D内の画像データを認識する。具体的には、情報認識手段3Bは、スタンプ情報領域D1及び宛名情報領域D2内の画像データを抽出して、RAM5内のスタンプ情報格納領域及び宛名情報格納領域に格納する。
なお、情報認識手段3Bの機能は、集積回路からなる中央処理装置(CPU)によって情報認識プログラムが実行されることにより実現される。
【0029】
マーク消去手段3Cは、画像読取部2より出力された画像データからマーカーペンによる閉ループに対応する部分を消去する。具体的には、マーク消去手段3Cは、RAM5に格納された控え書類「見積書(控え)」P1毎の画像データに基づいて、この画像データから前記マーカーペンによる閉ループに対応する部分を消去した画像データを作成して、RAM5内の画像データ格納領域に格納する。
なお、マーク消去手段3Cの機能は、集積回路からなる中央処理装置(CPU)によってマーク消去プログラムが実行されることにより実現される。
【0030】
プリント部4は、画像処理された後でRAM5内に格納された画像データに基づいて、電子写真方式やインクジェット方式等の印刷方式で、給紙部10(図1参照)より供給される所定の記録媒体Pに対して所定の色で印刷する。
具体的には、プリント部4は、画像データ格納領域に格納されている画像データに基づいて、所定の記録媒体Pに電子写真方式で画像を形成することで送付書類「見積書」P2を作成する。また、プリント部4は、スタンプ情報格納領域及び宛名情報格納領域に格納されているスタンプ情報領域D1及び宛名情報領域D2内の画像データに基づいて、前記送付書類「見積書」P2が封入される封筒P3の表面に「スタンプ」及び「宛名」をインクジェット方式で画像形成することで封筒P3への「スタンプ形成」及び「宛名書き」を行う(詳細後述)。このとき、プリント部4は、少なくとも前記「スタンプ」を「宛名」と異なる色で画像形成するようになっている(詳細後述)。
【0031】
封入封緘部7は、後処理として「宛名書き」が行われた封筒P3に送付書類「見積書」P2を封入して封緘するためのものであり、周知の封入封緘機構により構成されている。
【0032】
RAM5(Random Access Memory)は、制御手段1により実行制御される各種処理において、記憶部6から読み出されたプログラム、入力若しくは出力データ、並びにパラメータ等の一時的な格納領域を形成する。具体的には、RAM5は、情報認識手段3Bによって抽出されたスタンプ情報領域D1内の画像データを格納するスタンプ情報格納領域や、情報認識手段3Bによって抽出された宛名情報領域D2内の画像データを格納する宛名情報格納領域や、画像読取部2に読み取られた画像データからマーカーペンによる閉ループに対応する部分が消去された画像データを格納する画像データ格納領域等を形成している。
【0033】
記憶部6は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only
Memory)等の不揮発性の半導体メモリにより構成されている。
また、記憶部6は、画像形成装置100で実行可能なシステムプログラムや、控え書類「見積書(控え)」P1の宛名情報領域D2内の画像データを抽出して封筒P3の表面に宛名書きを行う宛名書きプログラムや、控え書類「見積書(控え)」P1上のスタンプ情報領域D1内の画像データ抽出して封筒P3の表面にスタンプ情報を形成するスタンプ形成プログラムや、画像読取部2に読み取られた画像データから青色及び赤色マーカーペンによる閉ループに対応する部分を消去した画像データに基づいて送付書類「見積書」P2を作成する送付書類作成プログラムや、送付書類「見積書」P2を「宛名書き」された封筒P3に封入して封緘する封入封緘プログラム、並びに各種処理プログラムで処理されたデータ等を記憶する。
【0034】
表示部は8、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、制御手段1から入力される表示信号の指示に従って、画面上に各種操作メニュー(詳細後述)や各種操作キーや画像の状態表示を行う。
【0035】
また、表示部8は、操作入力部9が一体的に構成されている。操作入力部9は、透明電極が格子状に配置された感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネル等により構成されるが、視認性の観点から光の透過率が高いものが望ましい。操作入力部9は、手指や専用のタッチペン等で押された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として制御手段1に出力する。また、操作入力部9は、数字キーや、各種設定を切り換える機能キー等の各種操作キーを備えている。
【0036】
次に、画像形成装置100において、送付書類「見積書」P2の作成の際に実行可能な各種機能について説明する。
ここで、図3は、控え書類「見積書(控え)」P1を正面から見た図であり、図4は、情報認識手段3Bに抽出される画像処理領域Dがマーキングされた控え書類「見積書(控え)」P1を正面から見た図であり、図5は、情報認識手段3Bに抽出された控え書類「見積書(控え)」P1の画像処理領域Dの画像データに対応する画像のうち、図5(a)は、スタンプ情報領域D1の画像データの画像「見積書」を示す図であり、図5(b)は、宛名情報領域D2の画像データの画像「宛名」を示す図であり、図6は、プリント部4により画像が形成された封筒P3を正面から見た図であり、図7は、プリント部4により画像が形成された送付書類「見積書」P2を正面から見た図である。
【0037】
ユーザによって、操作入力部9が操作されて「応用機能」メニューが選択され、この「応用機能」メニューの中から、「封筒宛名書き」に関するメニューが選択されると、以下に示す5つの機能メニューが表示部8に表示される。
機能1:「封筒宛名書き」
機能2:「封筒宛名書き・送付書類作成」
機能3:「封筒宛名書きスタンプ・送付書類作成」
機能4:「封筒宛名書き・送付書類作成・封入封緘」
機能5:「封筒宛名書きスタンプ・送付書類作成・封入封緘」
【0038】
このうち、機能1がユーザにより選択されると、宛名書きプログラムを実行して、控え書類「見積書(控え)」P1(図3参照)上の宛名情報領域D2内の画像データを抽出して、封筒P3の表面に「宛名書き」を行う(図6参照)。
機能2がユーザにより選択されると、機能1が選択されることで実行される機能に加え、送付書類作成プログラムを実行して、客先に送付される送付書類「見積書」P2を作成する。
機能3がユーザにより選択されると、機能2が選択されることで実行される機能に加え、スタンプ形成プログラムを実行して、控え書類「見積書(控え)」P1上のスタンプ情報領域D1内の画像データを抽出して、封筒P3の表面に「スタンプ」を形成する(図6参照)。
機能4がユーザにより選択されると、機能2が選択されることで実行される機能に加え、封入封緘プログラムを実行して、送付書類「見積書」P2を「宛名書き」された封筒P3に封入して封緘する。
機能5がユーザにより選択されると、機能3が選択されることで実行される機能に加え、封入封緘プログラムを実行して、送付書類「見積書」P2を「宛名書き」された封筒P3に封入して封緘する。
【0039】
次に、上記各種機能のうち機能5が選択された際に、画像形成装置100において実行される動作について説明する。
【0040】
先ず、図3に示される控え書類「見積書(控え)」P1は、例えばワープロ又は手書き等により作成される。
そして、図4に示すように、控え書類「見積書(控え)」P1の上部に記載されている「御見積書(控)」のうち「見積書」の部分が青色のマーカーペンで閉ループとなるようにマーキングされる(指定される)。さらに、この控え書類「見積書(控え)」P1に記載されている「宛名」の部分が赤色のマーカーペンで閉ループとなるようにマーキングされる(指定される)。ここで、「宛名」の部分とは、客先(依頼主)の郵便番号、住所、会社名、部署名、担当者名が記載された部分である。
その後、控え書類「見積書(控え)」P1は原稿台ガラス上に載置される。
【0041】
そして、操作入力部9がユーザにより操作されることによって表示部8に表示される5つの機能メニューのうち、機能5が選択されると、制御手段1は、画像読取部2を制御して、控え書類「見積書(控え)」P1を読み取り、変換された画像データをRAM5に格納する。
【0042】
その後、制御手段1は、宛名書きプログラムを実行して、画像処理部3により、RAM5に格納されている画像データから、控え書類「見積書(控え)」P1上の宛名情報領域D2内の「宛名」(図5(b)参照)に対応する画像データを抽出して、この画像データを宛名情報格納領域に格納する。さらに、制御手段1は、スタンプ形成プログラムを実行して、画像処理部3により、控え書類「見積書(控え)」P1上のスタンプ情報領域D1内の「見積書」の部分(図5(a)参照)に対応する画像データを抽出して、この画像データをスタンプ情報格納領域に格納する。
【0043】
そして、制御手段1は、プリント部4を制御して、宛名情報格納領域に格納された画像データに基づいて、給紙部10より搬入された封筒P3に対して、その表面の略中央に「宛名」を画像形成することで「宛名書き」を行う(図6参照)。このとき、プリント部4は、「宛名」を黒色で画像形成する。
さらに、制御手段1は、プリント部4を制御して、スタンプ情報格納領域に格納された画像データに基づいて、封筒P3の表面の下部やや右よりの位置への「スタンプ」の形成を行う。具体的には、制御手段1は、封書内容物のタイトルを示した「見積書」に「在中」という文字を加えた画像データを作成し、この画像データに基づき、プリント部4を制御して、前記画像が形成された「宛名」とは異なる色、赤色で「見積書在中」(スタンプ)を画像形成する(図6参照)。
そして、「宛名書き」及び「スタンプ」の形成が行われた封筒P3は、封入封緘部7に送られる。
なお、図6では、封筒P3の下部の左隅に、差出人名及びその住所が予め印刷されている。
【0044】
また、制御手段1は、送付書類作成プログラムを実行して、画像処理部3により、画像読取部2より出力されRAM5に格納されている画像データから青色及び赤色のマーカーペンによる閉ループに対応する部分を消去するとともに、控え書類「見積書(控え)」P1上の「御見積書(控)」のうち「御」及び「(控)」の部分を消去した画像データを作成して、この画像データを画像データ格納領域に格納する。
そして、制御手段1は、プリント部4を制御して、画像データ格納領域に格納された画像データに基づいて、客先に送付される送付書類「見積書」P2(図7参照)を作成する。その後、作成された送付書類「見積書」P2は、封入封緘部7に送られる。
【0045】
そして、制御手段1は、封入封緘プログラムを実行することにより、封入封緘部7を制御して、送付書類「見積書」P2を「宛名書き」及び「スタンプ」の形成が行われた封筒P3に封入して封緘する。
その後、送付書類「見積書」P2が封入され封緘された封筒P3は、所定の搬送機構により排紙部11(図1参照)から排出される。
【0046】
以上のように、本実施の形態の画像形成装置100によれば、客先に送付される書類の控えとして手元に保管される控え書類「見積書(控え)」P1上の「宛名」及び「スタンプ情報」が記載されている部分をマーカーペンで閉ループとなるように指定することで、封筒P3への「宛名書き」及び「スタンプ」の形成を行うことができるとともに、「宛名」及び「スタンプ」を指定するマーカーペンによる閉ループの部分が消去された画像、すなわち「宛名」に対応する客先に送付される送付書類「見積書」P2の形成を行うことができる。
また、封入封緘部7は、「宛名書き」が行われた封筒P3に「宛名」に対応する客先に送付される送付書類「見積書」P2を封入して封緘するので、送付書類「見積書」P2の送付にかかる作業が自動化される。
従って、客先に送付される送付書類「見積書」P2の作成を容易にするとともに、「宛名書き」及び「スタンプ」の形成を容易にして、送付書類「見積書」P2の送付にかかるユーザの負担を軽減することができる。
【0047】
さらに、封筒P3の表面に形成される「宛名」を黒色で明瞭に画像形成して、封書内容物のタイトルを示す「見積書在中(スタンプ)」を「宛名」とは異なる色、赤色で画像形成するので、「見積書在中(スタンプ)」の視認性を高めて、封筒P3を受け取る客先に対して封書内容物を確実に認識させることができる。
【0048】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施の形態では、控え書類「見積書(控え)」P1上の「宛名」及び「見積書」の部分を2箇所マーキングしたが、これに限られるものではなく、控え書類「見積書(控え)」P1上のマーキングされる箇所は少なくとも2箇所であれば任意である。例えば、控え書類「見積書(控え)」P1上の「宛名」及び「見積書」の部分に加えて3箇所目をマーキングした場合には、封筒P3の表面に画像形成される「見積書在中」及びマーキングされた3箇所目に対応する「画像」のうち少なくともいずれか一方を「宛名」と異なる色で形成するようになっている。
【0049】
また、上記実施の形態では、控え書類「見積書(控え)」P1上の特定の画像処理領域Dをマーカーペンで閉ループとなるように指定するようにしたが、これに限られるものではなく、画像処理領域Dを指定する方法は如何なる方法であっても良い。例えば、画像処理領域Dをマーカーペンで塗りつぶすようにして指定するようにしても良い。
【0050】
さらに、上記実施の形態では、予め控え書類「見積書(控え)」P1を作成しておき、この控え書類「見積書(控え)」P1を用いて、送付書類「見積書」P2を作成するとともに封筒P3に「宛名書き」を行うようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、控え書類「見積書(控え)」P1の代わりに予め送付書類「見積書」P2を作成しておいても良い。そして、この送付書類「見積書」P2を用いて、控え書類「見積書(控え)」P1を作成して封筒P3への「宛名書き」及び「スタンプ」の形成を行うようにしても良い。
また、上記実施の形態では、画像形成装置100により作成される書類として「見積書」を例示したが、これに限られるものではなく、客先に送付される書類であれば如何なるものであっても良く、例えば、「請求書」、「注文書」又は展示会やイベント等の「招待状」等であっても良い。
加えて、上記実施の形態では、画像読取部2にて控え書類「見積書(控え)」P1を読み取る際に、読み取られる控え書類「見積書(控え)」P1を原稿台ガラス上に載置するようにしたが、これに限られるものではない。例えば、画像形成装置100上部に原稿を原稿台ガラス上に搬送可能な紙送り機構を設けて、画像読取部2にて原稿を読み取る際に、紙送り機構にセットされた原稿をこの紙送り機構により原稿台ガラス上に順次搬送するようにしても良い。
【0051】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、原稿上のマークで指定された所定領域内の画像情報を情報認識手段が認識し、認識された画像情報に基づく画像の形成を第1制御手段が制御する。また、読取手段より出力された画像情報からマークに対応する部分をマーク消去手段が消去して、マークに対応する部分が消去された画像情報に基づく画像の形成を第2制御手段が制御する。これによって、例えば、相手先に送付される書類若しくは控えとして手元に保管される書類上の宛名が記載されている部分をマークで指定することで、第1制御手段の制御下にて宛名の記録媒体への形成(以下、「宛名書き」という。)を行うことができるとともに、第2制御手段の制御下にて前記宛名を指定するマークの部分が消去された画像、すなわち前記宛名に対応する相手先に送付される書類若しくは控えとして手元に保管される書類を形成できる。従って、相手先に送付される書類若しくは控えとして手元に保管される書類の作成及び宛名書きを容易にして、書類の送付にかかる作業者の負担を軽減することができる。
【0052】
請求項2に記載の発明によれば、第1及び第2制御手段の制御下にて、互いに異なる記録媒体に対して画像の形成を行うことができる。すなわち、例えば、第1制御手段の制御下にて画像が形成される記録媒体が、第2制御手段の制御下にて形成された書類が封入される封筒である場合には、第1制御手段の制御下にて封筒に宛名書きを行うことができるとともに、第2制御手段の制御下にて前記宛名に対応する相手先に送付される書類若しくは控えとして手元に保管される書類の作成を行うことができる。
【0053】
請求項3に記載の発明によれば、封入封緘手段は、第1制御手段の制御下にて宛名書きが行われた封筒に、第2制御手段の制御下にて形成された前記宛名に対応する相手先に送付される書類を封入して封緘する。従って、書類の送付にかかる作業を自動化して、作業者の負担を軽減できる。
【0054】
請求項4に記載の発明によれば、第1制御手段の制御下において、原稿上のマークで指定された少なくともいずれか1箇所の所定領域内の画像情報に基づく画像を、原稿色と異なる色で形成することができる。すなわち、第1制御手段の制御下にて画像が形成される記録媒体が、第2制御手段の制御下にて形成された書類が封入される封筒である場合に、封筒の内容物を確認できないことから封筒の表面に宛名とともに内容物名を記載することが広く行われているが、内容物名を宛名の色(原稿色;例えば、黒色)と異なる色(例えば、赤色等の目立つ色)で画像形成することによって、封筒を受け取る相手に対して内容物を確実に認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された一実施の形態として例示される画像形成装置の正面図である。
【図2】図1の画像形成装置の主要な構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図1の画像形成装置に備わる画像読取部に読み取られる控え書類を正面から見た図である。
【図4】図1の画像形成装置に備わる領域認識手段に抽出される画像処理領域がマーキングされた控え書類を正面から見た図である。
【図5】図1の画像形成装置に備わる領域認識手段に抽出された控え書類の画像処理領域の画像データに対応する画像を示す図である。
【図6】図1の画像形成装置に備わるプリント部により画像が形成された封筒を正面から見た図である。
【図7】図1の画像形成装置に備わるプリント部により画像が形成された送付書類を正面から見た図である。
【符号の説明】
100 画像形成装置
1 制御手段
1A 第1制御部
1B 第2制御部
2 画像読取部(読取手段)
3 画像処理部
3A 領域認識手段
3B 情報認識手段
3C マーク消去手段
7 封入封緘部(封入封緘手段)
D1 宛名情報領域(所定領域)
D2 スタンプ情報領域(所定領域)
P1 控え書類「見積書(控え)」(原稿)
P2 送付書類「見積書」(記録媒体)
P3 封筒(記録媒体)
Claims (4)
- 原稿を読み取って画像情報を出力する読取手段と、前記読取手段より出力された前記画像情報に基づいて、前記原稿上のマークで指定された所定領域を認識する領域認識手段と、前記領域認識手段に認識された前記所定領域内の画像情報を認識する情報認識手段とを備える画像形成装置において、
前記情報認識手段に認識された前記所定領域内の画像情報に基づく画像の形成を制御する第1制御手段と、
前記読取手段より出力された前記画像情報から前記マークに対応する部分を消去するマーク消去手段と、
前記マーク消去手段により前記マークに対応する部分が消去された画像情報に基づく画像の形成を制御する第2制御手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記第1及び第2制御手段は、互いに異なる記録媒体への画像の形成を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記第1制御手段に制御されることにより画像が形成された封筒に、前記第2制御手段に制御されることにより画像が形成された記録媒体を封入して封緘する封入封緘手段を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記領域認識手段は、前記原稿上のマークで指定された少なくとも2箇所の前記所定領域を認識し、
前記第1制御手段は、前記領域認識手段に認識された前記所定領域のうち、少なくともいずれか1箇所の前記所定領域内の画像情報に基づく画像を原稿色と異なる色で形成するように制御することを特徴とする画像形成装置。
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