JP2004104221A - 画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】業務文書の発行業務における効率化を図る。
【解決手段】情報通信端末装置と通信可能な画像処理装置である。原稿を読み取る読取手段より出力された画像情報に基づいて、原稿上のマークで指定された所定領域を認識する領域認識手段と、領域認識手段により認識された所定領域内の送信先情報を認識する情報認識手段とを備える。読取手段より出力された画像情報からマークに対応する部分を消去した画像情報を作成する画像情報作成手段を備える。画像情報作成手段により作成された画像情報を、情報認識手段により認識された送信先情報に基づいて、送信先の情報通信端末装置に送信する送信手段を備える。
【選択図】 図3
【解決手段】情報通信端末装置と通信可能な画像処理装置である。原稿を読み取る読取手段より出力された画像情報に基づいて、原稿上のマークで指定された所定領域を認識する領域認識手段と、領域認識手段により認識された所定領域内の送信先情報を認識する情報認識手段とを備える。読取手段より出力された画像情報からマークに対応する部分を消去した画像情報を作成する画像情報作成手段を備える。画像情報作成手段により作成された画像情報を、情報認識手段により認識された送信先情報に基づいて、送信先の情報通信端末装置に送信する送信手段を備える。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、業務において作成され客先に送付される文書(以下、「業務文書」という。)として、商取引における見積書や注文書、展示会やイベントの招待状等が知られている。
そして、上記業務文書の発行業務においては、オフィス等にて、原稿を光学走査することで画像データを読み取り、この読み取った画像データを印刷出力する、いわゆる複写を行う画像処理装置が活用されている。
【0003】
ここで、上記業務文書のうち、代表して見積書の発行業務にかかる一般的な業務手順を示す。
見積書の発行業務においては、先ず、見積書をワープロや手書きにて作成し、作成された見積書を郵送、ファクシミリ、電子メールにおける添付ファイル等の送付手段のいずれか一つ、若しくは複数を用いて客先に送付する。その後、客先からの問い合わせ等に備えるために、送付した見積書の控えを上記画像処理装置を用いて作成し、それを手元に保管する。
【0004】
ところで、業務文書の発行業務のうち、業務文書を客先に送付する業務、特に、郵送にて客先に送付する場合、この業務における事務作業は、作業者による手作業に依存する割合が大きく、装置による自動化が遅れているのが現状である。例えば、業務文書が手書きで作成された文書である場合、宛名がデータ化されていないことがあり、作成された業務文書が封入される封筒への宛名書きが手書きで行われることになる。特に、取り扱う商品が多品種に亘る商社等においては、封筒への宛名書きが手作業となっている。また、業務文書の中には宛名が記載されているものがあり、この場合には、作業者は封筒への宛名書きを重複して行わなければならなかった。
そこで、業務文書に記載された宛名を読み取って、読み取られた宛名の画像情報に基づく画像を封筒に形成することにより封筒への宛名書きを行う画像処理装置が提案されている。
【0005】
また、複数の宛先にマークが付けられた原稿を読み取ることにより、それぞれの宛先にマークが付けられた複数の文書を得る文書編集装置も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−187335号公報(第3−5頁、第11図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の場合、文書編集装置は各宛先に対応する封筒への宛名書きを行うことができない。従い、上記文書編集装置を用いても業務文書の発行業務を効率的に行うことができなかった。
【0008】
また、商取引においては、業務文書は送付先に早急に送付される必要がある。そこで、電子メールやファクシミリ等を利用して通信を行う画像処理装置が近年開発されており、業務文書を郵送にて送付する前に、業務文書から読み取られた画像データを送付先に対して予め送信するようになっている。
しかしながら、上記の場合、作業者は所定の入力装置を用いて送付先の電子メールアドレスやファクシミリ番号等を入力する必要があり、その作業が煩雑となっていた。
また、電子メールやファクシミリを利用した業務文書の送受信は、業務文書の内容確認を即座に行えるという点においては有効であるが、インターネット網がオープン系である等の理由から機密内容のセキュリティが万全に行われなかったり、送付先において受信した画像データを利用した業務文書の不当な複製が行われたりする虞もある。
さらに、画像処理装置の通信機能を利用して送信された画像データに基づく業務文書は、業務文書としての効力を有する正式な書面として機能しない場合があるため、業務文書を書面にて改めて送付する作業が消滅することにはならない。つまり、送り主は通信を利用した業務文書の画像データの送信に加え、書面にての業務文書の送付も行わなければならず、結果として業務文書の発行業務における作業量及び作業時間の増加を招いている。従い、業務文書の発行業務における効率を高めることが切望されている。
【0009】
本発明の課題は、業務文書の発行業務における効率化を図ることができる画像処理装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、
情報通信端末装置と通信可能な画像処理装置であって、
原稿を読み取って画像情報を出力する読取手段と、
前記読取手段より出力された前記画像情報に基づいて、前記原稿上のマークで指定された所定領域を認識する領域認識手段と、
前記領域認識手段により認識された前記所定領域内の送信先情報を認識する情報認識手段と、
前記読取手段より出力された前記画像情報から前記マークに対応する部分を消去した画像情報を作成する画像情報作成手段と、
前記画像情報作成手段により作成された画像情報を、前記情報認識手段により認識された前記送信先情報に基づいて、送信先の情報通信端末装置に送信する送信手段とを備えることを特徴としている。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、原稿を読み取る読取手段より出力された画像情報に基づいて原稿上のマークで指定された所定領域を認識する領域認識手段と、所定領域内の送信先情報を認識する情報認識手段とが備えられる。また、読取手段より出力された画像情報からマークに対応する部分を消去した画像情報を作成する画像情報作成手段が備えられる。さらに、画像情報作成手段により作成された画像情報を、情報認識手段により認識された送信先情報に基づいて、送信先の情報通信端末装置に送信する送信手段が備えられる。これにより、原稿上の所定領域がマークで指定されることで、所定領域内の送信先情報に基づき、通信可能な送信先の情報通信端末装置に対して、画像情報からマークに対応する部分が消去された画像情報を送信する。すなわち、例えば「送信先」が記載されている原稿書類上の「送信先」の部分がマークで指定された後、原稿書類が読取手段によって読み取られることで、画像情報作成手段によってマークに対応する部分が消去された画像情報が作成された後、画像情報がこの画像情報に基づき作成される送付書類の送付先への送付に先行して、「送信先」に送信されることになる。よって、例えば業務文書が送付先に早急に送付される必要がある商取引において、業務文書の送付作業を行う際に上記画像処理装置を用いることにより、業務文書に対応する画像情報を受信した受信者によって業務文書の内容確認が早急に行われることになる。また、画像情報を「送信先」に対して送信する際に、従来のように、作業者が「送信先」の電子メールアドレスやファクシミリ番号等を所定の入力手段を用いて入力する必要がないため、作業者の負担が軽減されることになる。従い、業務文書の発行業務における効率化を図れる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、
前記画像情報作成手段は、前記情報通信端末装置によって前記画像情報が受信された後で前記画像情報に基づく画像の編集若しくは形成が実行された場合に前記画像上に可視化される電子透かしを組み込んだ電子透かし付き画像情報を作成し、
前記送信手段は、前記画像情報作成手段により作成された前記電子透かし付き画像情報を送信することを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、画像情報作成手段によって、情報通信端末装置により画像情報が受信された後で画像情報に基づく画像の編集若しくは形成が実行された場合に画像上に可視化される電子透かしを組み込んだ電子透かし付き画像情報が作成される。そして、送信手段によって、画像情報作成手段により作成された電子透かし付き画像情報が送信される。すなわち、電子透かし付き画像情報が送信先の情報通信端末装置に送信されて受信された後、受信者により電子透かし付き画像情報に基づく画像の編集若しくは形成が実行された場合には、画像上に電子透かしが可視化することになる。これにより、例えば電子透かしとして改版等の抑止メッセージを画像情報に組み込んでおくことにより、受信者によって前記画像情報に基づく画像の編集若しくは形成が実行された場合に抑止メッセージが画像上に可視化され、画像の不当な改版等を抑止できる。従って、例えばインターネット網を介して業務文書の送信が行われて、業務文書の機密内容が外部に漏洩した場合や、「送信先」において画像情報を利用した業務文書の複製が行われる場合等に、業務文書の機密内容のセキュリティを万全にすることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像処理装置おいて、
前記送信先情報が、電子メールアドレス若しくはファクシミリ番号であることを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、送信先情報が、電子メールアドレス若しくはファクシミリ番号となっている。これにより、情報認識手段によって、送信先の情報通信端末装置の電子メールアドレス若しくはファクシミリ番号が認識され、送信手段によって、前記電子メールアドレス若しくはファクシミリ番号に基づいて、画像情報が送信されることになる。すなわち、電子メール若しくはファクシミリを利用して画像情報を送信できるので、画像情報を受信する受信者が送信者に対して遠方にいる場合であっても、受信者によって前記画像情報に基づく画像の内容確認が早急に行われることになる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記画像情報作成手段により作成された前記画像情報に基づいて、画像を記録媒体に形成する画像形成手段を備えることを特徴としている。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、画像情報作成手段により作成された画像情報に基づいて、画像を記録媒体に形成する画像形成手段が備えられる。すなわち、例えば画像処理装置の通信機能を利用して送信された画像情報に基づく業務文書は、業務文書としての効力を有する正式な書面として機能しない場合がある。この場合、作業者は業務文書を書面にて改めて送付先に対して送付する必要がある。従い、画像形成手段は画像情報に基づく画像を記録媒体に対して形成するので、例えば通信機能を利用した業務文書に対応する画像情報の送信とともに、書面にて送付される業務文書の画像形成を行える。
これにより、業務文書の発行業務における効率化をさらに図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、本発明が適用された一実施の形態の画像処理装置として例示する画像形成装置の正面図であり、図2は、図1の画像形成装置と外部の情報通信端末装置との接続状態を説明するための模式図であり、図3は、図1の画像形成装置の主要な構成を示す機能ブロック図である。
【0019】
本発明が適用された画像形成装置100は、ネットワークNを介して外部の情報通信端末装置200、300、400と接続されており(図2参照)、原稿書類「見積書」P1(図5参照)を読み取って原稿書類「見積書」P1上の客先の「電子メールアドレス」に基づいて、客先(送信先)の情報通信端末装置200に原稿書類「見積書」P1に対応する合成画像データ(電子透かし付き画像情報)を電子メールにて送信する場合についてのものである。
以下の説明では、原稿として原稿書類「見積書」P1(図4参照)を採用し、第1画像形成部41(後述)により画像が形成された記録媒体Pとして、送付書類「見積書」P2(図5参照)を採用している。
【0020】
図1に示すように、画像形成装置100は、スキャナカバー2aと、画像読取部(読取手段)2と、第1画像形成部41を有するプリント部4と、後処理手段5と、操作入力部7を有する表示部6とを備え、さらに、図1には図示しないが、図3の機能ブロック図に示すように情報処理、記憶並びに通信を行うものとして、制御手段1と、画像処理部3と、RAM8と、記憶部9と、通信制御部10を備えて構成される。
なお、制御手段1と、画像読取部2と、画像処理部3と、プリント部4と、後処理手段5と、表示部6と、RAM8と、記憶部9と、通信制御部10とはバスにより接続されている。
【0021】
制御手段1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、記憶部9に記憶されている各種プログラムに基づいて、画像形成装置100の各部を集中制御する。
具体的には、制御手段1は、操作入力部7から入力される信号に応答して、記憶部9に記憶されているプログラムを読み出してRAM8に一時記憶し、係るプログラムに基づく各種処理を実行して、画像形成装置100の各部を機能させる。その際に、制御手段1は、RAM8内の作業領域内に各種処理結果を格納させ、必要に応じて表示部6にその処理結果を表示させる。
【0022】
スキャナカバー2aは、装置本体100Aの上部に開閉自在に設けられている(なお、図1では、スキャナカバー2aを閉じた状態が示されている)。また、スキャナカバー2a内には、原稿書類「見積書」P1を原稿台ガラス(図示略)上に搬送可能な紙送り機構が設けられている。
【0023】
画像読取部2は、例えば、上面が原稿読取面となっている原稿台ガラスの下側に設けられ、光源、レンズ、CCD(Charge Coupled Device)、A/D変換部等により構成されている。
そして、画像読取部2は、原稿台ガラス上に載置された原稿書類「見積書」P1へ光源から照明走査し、この反射光をCCDにより読み取って電気信号(アナログ信号)に変換し、この電気信号をA/D変換部によりデジタル画像データ(画像情報;以下「画像データ」という。)に変換する。
なお、画像データは、A/D変換部よりRAM8に出力され、このRAM8内にて原稿書類「見積書」P1毎に格納される。
【0024】
また、画像読取部2は、原稿書類「見積書」P1自体の色である白色及び原稿書類「見積書」P1上の画像を構成する黒色とは異なる色のうち、少なくとも送信先情報領域(図4参照)D1、宛名情報領域(図4参照)D2及びスタンプ情報領域(図4参照)D3をマーキングするマーカーペンの色である、青色、赤色及び緑色を認識可能となっている。
【0025】
画像処理部3には、領域認識手段3Aと、情報認識手段3Bと、画像情報作成手段3Cとが含まれている。
領域認識手段3Aは、RAM8に格納された原稿書類「見積書」P1毎の画像データに対して、操作入力部7からの入力指示に従って、原稿書類「見積書」P1上のマーカーペンによって閉ループとなるように指定された特定の画像処理領域(所定領域)D(図4参照)を認識可能となっている。具体的には、領域認識手段3Aは、原稿書類「見積書」P1上の青色のマーカーペンで指定された送信先情報領域D1と、赤色のマーカーペンで指定された宛名情報領域D2と、緑色のマーカーペンで指定されたスタンプ情報領域D3とを認識する。
なお、領域認識手段3Aの機能は、集積回路からなる中央処理装置によって領域認識プログラムが実行されることにより実現される。
【0026】
情報認識手段3Bは、領域認識手段3Aにより認識された画像処理領域D内のテキストデータを認識する。すなわち、情報認識手段3Bは、OCR(Optical Character Reader)等による文字認識機能を有しており、画像として読み取られたテキストを画像データに基づきOCRソフトにより解析して、テキストデータに変換する。具体的には、情報認識手段3Bは、送信先情報領域D1内の画像データを抽出して、文字認識することで送信先データ(テキストデータ)に変換した後、RAM8内の送信先情報格納領域に格納する。
また、宛名情報領域D2及びスタンプ情報領域D3内の各々の画像データも、送信先情報領域D1内の画像データと同様に、情報認識手段3Bによって抽出されて文字認識されることでテキストデータに変換された後、RAM8内の宛名情報格納領域及びスタンプ情報格納領域に各々格納される。
なお、情報認識手段3Bの機能は、集積回路からなる中央処理装置によって情報認識プログラムが実行されることにより実現される。
【0027】
画像情報作成手段3Cは、画像読取部2より出力された画像データからマーカーペンによる閉ループに対応する部分を消去した画像データを作成する。具体的には、画像情報作成手段3Cは、RAM8内に格納された原稿書類「見積書」P1毎の画像データに基づいて、この画像データから前記マーカーペンによる閉ループに対応する部分を消去した画像データを作成して、この画像データをRAM8内の画像データ格納領域に格納する。
また、画像情報作成手段3Cは、前記画像データ格納領域に格納された画像データに基づき、公知の電子透かし技術を利用して、電子透かし情報としてスタンプ画像データを組み込んだ合成画像データを作成する。すなわち、画像情報作成手段3Cは、画像データ格納領域に格納された画像データを抽出するとともに、記憶部9内に記憶されている所定のスタンプ画像データを抽出して、スタンプ画像データを画像データに組み込んだ合成画像データを作成して、RAM8内の合成画像データ格納領域に格納する。
なお、画像情報作成手段3Cの機能は、集積回路からなる中央処理装置によって画像情報作成プログラムが実行されることにより実現される。
【0028】
プリント部4は、第1画像形成部41と、第2画像形成部42とを備えている。
第1画像形成部41は、画像読取部2の下側に設けられている。また、第1画像形成部41は、送付書類「見積書」P2の作成が指示された場合に、画像データ格納領域内に格納された画像データに基づいて、給紙部411より供給される所定の記録媒体Pに対して電子写真方式で印刷を行うことにより、原稿書類「見積書」P1からマーカーペンによる閉ループが消去された送付書類「見積書」P2を作成する。
【0029】
第2画像形成部42は、装置本体100Aの図1における左側に配された後処理ユニット100Bの上部に設けられ、印刷部421と、封筒供給部422とを備えている。
印刷部421は、宛名情報格納領域及びスタンプ情報格納領域に格納されている宛名情報領域D2及びスタンプ情報領域D3内の各々のテキストデータに基づいて、封筒供給部422より供給される封筒Eの表面の所定位置に「宛名」及び「スタンプ」をインクジェット方式で画像形成することにより、封筒Eへの「宛名書き」及び「スタンプ形成」を行う(詳細後述)。
【0030】
封筒供給部422は、例えば、複数種類の封筒Eのうちいずれか一種類の封筒Eを複数枚重ね合わせた状態で載置可能となっており、印刷部421による印刷動作にタイミングを合わせて例えば一枚ずつ印刷部421に供給する。
なお、封筒供給部422に載置された封筒Eは、例えば複写機の手差しユニット等に備えられる公知の封筒検知手段(図示略)によって検知されるようになっている。
【0031】
後処理手段5は、第2画像形成部42の下側にて後処理ユニット100Bに設けられている。また、後処理手段5は、折り処理プログラムが実行された場合に、封筒Eに第1画像形成部41によって画像形成された送付書類「見積書」P2を封入可能となるように送付書類「見積書」P2を所定回数折り畳む折り処理等の後処理を行う。その後、後処理手段5は、後処理された送付書類「見積書」P2を第2画像形成部42によって「宛名書き」及び「スタンプ形成」が行われた封筒Eに封入して封緘する。
【0032】
表示部6は、原稿台ガラスよりも手前側に設けられている。また、表示部6は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、制御手段1から入力される表示信号の指示に従って、画面上に各種操作メニュー(詳細後述)や各種操作キーや画像の状態表示を行う。
【0033】
また、表示部6は、操作入力部7が一体的に構成されている。操作入力部7は、透明電極が格子状に配置された感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネル等により構成されるが、視認性の観点から光の透過率が高いものが望ましい。操作入力部7は、手指や専用のタッチペン等で押された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として制御手段1に出力する。また、操作入力部7は、数字キーや、各種設定を切り換える機能キー等の各種操作キーを備えている。
【0034】
RAM(Random Access Memory)8は、制御手段1により実行制御される各種処理において、記憶部9から読み出されたプログラム、入力若しくは出力データ、並びにパラメータ等の一時的な格納領域を形成する。具体的には、RAM8は、送信先情報領域D1内の送信先データを格納する送信先情報格納領域や、宛名情報領域D2内のテキストデータを格納する宛名情報格納領域や、スタンプ情報領域D3内のテキストデータを格納するスタンプ情報格納領域や、画像読取部2に読み取られた画像データからマーカーペンによる閉ループに対応する部分が消去された画像データを格納する画像データ格納領域や、前記画像データにスタンプ画像データが組み込まれた合成画像データを格納する合成画像データ格納領域等を形成している。
【0035】
記憶部9は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−OnlyMemory)やフラッシュメモリ(Flash Memory)等の不揮発性の半導体メモリにより構成されている。
また、記憶部9は、画像形成装置100で実行可能なシステムプログラムや、画像読取部2に読み取られた画像データから青色、赤色及び緑色のマーカーペンによる閉ループに対応する部分を消去した画像データを作成する画像データ作成プログラムや、画像データ格納領域内の画像データを抽出して記録媒体Pに画像形成することにより送付書類「見積書」P2を作成する送付書類作成プログラムや、画像データに所定のスタンプ画像データを組み込んで合成画像データを作成する合成画像データ作成プログラムや、送信先情報領域D1内の送信先データに対応する客先の情報通信端末装置200に合成画像データを送信する送信プログラム等を記憶するとともに、画像データに組み込まれるスタンプ画像「<複写厳禁>」に対応するスタンプ画像データ等の各種処理プログラムの実行に必要な諸データ等を記憶する。
【0036】
通信制御部10は、モデムやターミナルアダプタ等によって構成され、電話回線、ISDN回線、或いは専用線などの通信回線を介してネットワークNに接続される外部の情報通信端末装置200、300、400との通信を行うための通信制御を行う。すなわち、通信制御部10は、送信手段10Aとして機能する。
【0037】
送信手段10Aは、画像情報作成手段3Cにより作成された合成画像データを、情報認識手段3Bにより認識された送信先データに基づいて、客先の情報通信端末装置200に送信する。すなわち、送信手段10Aは、送信先情報格納領域に格納された「電子メールアドレス」に対応する送信先データに基づいて、前記「電子メールアドレス」を有する客先の情報通信端末装置200に合成画像データを電子メールの添付ファイル形式にて送信する。
【0038】
次に、画像形成装置100において、封筒Eに対して「宛名書き」を行う際に実行可能な各種機能について説明する。
ここで、図4は、画像処理領域Dがマーキングされた原稿書類「見積書」P1を正面から見た図であり、図5は、第1画像形成部41により画像形成された送付書類「見積書」P2を正面から見た図であり、図6は、客先の情報通信端末装置200にて受信した合成画像データに基づいて、プリント出力された改版書類「見積書」P3を正面から見た図であり、図7は、第2画像形成部42により「宛名」及び「スタンプ」が形成された封筒Eを正面から見た図である。
【0039】
ユーザによって、操作入力部7が操作されて「応用機能」メニューが選択され、この「応用機能」メニューの中から、「封筒宛名書き」に関するメニューが選択されると、以下に示す6つの機能メニューが表示部6に表示される。
機能1:「封筒宛名書き」
機能2:「封筒宛名書き・送付書類作成」
機能3:「封筒宛名書きスタンプ・送付書類作成」
機能4:「封筒宛名書き・送付書類作成・封入封緘」
機能5:「封筒宛名書きスタンプ・送付書類作成・封入封緘」
機能6:「封筒宛名書きスタンプ・送付書類作成・封入封緘・電子メールによる添付送付」
【0040】
このうち、機能1がユーザにより選択されると、宛名書きプログラムを実行して、原稿書類「見積書」P1上の宛名情報領域D2内のテキストデータに基づき封筒Eの表面に「宛名書き」を行う。
機能2がユーザにより選択されると、機能1が選択されることで実行される機能に加え、送付書類作成プログラムを実行して、客先に送付される送付書類「見積書」P2を作成する。
機能3がユーザにより選択されると、機能2が選択されることで実行される機能に加え、スタンプ形成プログラムを実行して、原稿書類「見積書」P1上のスタンプ情報領域D3内のテキストデータに基づき封筒Eの表面に「スタンプ」を形成する。
機能4がユーザにより選択されると、機能2が選択されることで実行される機能に加え、封入封緘プログラムを実行して、送付書類「見積書」P2を「宛名書き」された封筒Eに封入して封緘する。
機能5がユーザにより選択されると、機能3が選択されることで実行される機能に加え、封入封緘プログラムを実行して、送付書類「見積書」P2を「宛名書き」された封筒Eに封入して封緘する。
機能6がユーザにより選択されると、機能5が選択されることで実行される機能に加え、送信プログラムを実行して、送信先情報領域D1内の「電子メールアドレス」に対応する送信先データに基づき、「電子メールアドレス」を有する客先の情報通信端末200に合成画像データを送信する。
なお、機能4、機能5及び機能6において、封入封緘プログラムを実行する前に、送付書類「見積書」P2がそのままでは封筒Eに封緘されないと判定された場合には、折り処理プログラムを実行して、送付書類「見積書」P2に対して所定の折り処理を行う。
【0041】
次に、上記各種機能のうち機能6が選択された際に、画像形成装置100において実行される動作について説明する。
【0042】
図4に示す原稿書類「見積書」P1は、例えばワープロ又は手書き等により作成される。
そして、図4に示すように、原稿書類「見積書」P1の上部左側に記載されている「電子メールアドレス」の部分である「E−mail:######@marubatu.co.jp」の部分が青色のマーカーペンで閉ループとなるようにマーキングされることで、送信先情報領域D1が指定される。また、原稿書類「見積書」P1の「電子メールアドレス」の下側に記載されている「宛名」の部分が赤色のマーカーペンで閉ループとなるようにマーキングされることで、宛名情報領域D2が指定される。ここで、「宛名」の部分とは、客先(依頼主)の「郵便番号」及び「住所」、「会社名」、「所属部署名」、「担当者名」が記載された部分である。さらに、原稿書類「見積書」P1の上部中央に記載されている「御見積書」のうち「見積書」の部分が緑色のマーカーペンで閉ループとなるようにマーキングされることで、スタンプ情報領域D3が指定される。
その後、原稿書類「見積書」P1は原稿台ガラス上に載置される。
【0043】
そして、操作入力部7がユーザにより操作されることによって表示部6に表示される6つの機能メニューのうち、機能6が選択されると、制御手段1は、画像読取部2を制御して、原稿書類「見積書」P1を読み取り、変換された画像データをRAM8に格納する。
【0044】
その後、制御手段1は、画像処理部3を制御して、RAM8に格納されている画像データから、原稿書類「見積書」P1上の送信先情報領域D1、宛名情報領域D2及びスタンプ情報領域D3内の「電子メールアドレス」、「宛名」及び「スタンプ」の各々に対応する画像データを抽出して、各画像データを文字認識することで送信先データ若しくはテキストデータに変換した後、送信先情報格納領域、宛名情報格納領域及びスタンプ情報格納領域に格納する。
【0045】
そして、制御手段1は、第2画像形成部42を制御して、宛名情報格納領域に格納されたテキストデータに基づいて、封筒供給部422より搬入された封筒Eに対して、その表面の略中央に「宛名」を画像形成することで「宛名書き」を行う(図7参照)。また、制御手段1は、第2画像形成部42を制御して、スタンプ情報格納領域に格納されたテキストデータに基づいて、封筒Eの表面の下部やや右よりの位置に「スタンプ」として「見積書在中」を画像形成することで「スタンプ形成」を行う(図7参照)。
そして、「宛名書き」及び「スタンプ形成」が行われた封筒Eは、後処理手段5に送られる。
なお、図7においては、封筒Eの左下隅部に、差出人名及びその住所が予め印刷されている。
【0046】
また、制御手段1は、画像データ作成プログラムを実行して、画像情報作成手段3Cを制御することで、RAM8に格納されている画像データから青色、赤色及び緑色のマーカーペンによる閉ループに対応する部分を消去した画像データを作成した後、この画像データを画像データ格納領域に格納する。
そして、制御手段1は、送付書類作成プログラムを実行して、画像データ格納領域内に格納されている画像データを抽出した後、第1画像形成部41を制御することで、抽出された画像データに基づいて、給紙部411より供給された記録媒体Pに画像形成することにより、客先に送付される送付書類「見積書」P2(図5参照)を作成する。
その後、作成された送付書類「見積書」P2は、後処理手段5に送られる。
【0047】
また、制御手段1は、記憶部9に記憶されている控え書類作成プログラムを実行して、第1画像形成部41を制御することで、送付書類「見積書」P2と同様の控え書類「見積書」(図示略)を作成する。なお、作成された控え書類「見積書」は、所定の搬送機構により排紙部423(図1参照)から排出される。
【0048】
そして、制御手段1は、封入封緘プログラムを実行することにより、後処理手段5を制御して、送付書類「見積書」P2を「宛名書き」及び「スタンプ形成」が行われた封筒Eに封入して封緘する。
その後、送付書類「見積書」P2が封入され封緘された封筒Eは、排紙部423(図1参照)から排出される。
【0049】
さらに、画像形成装置100は、合成画像データを作成して、この合成画像データの電子メールによる添付送付を実行する。
すなわち、制御手段1は、合成画像データ作成プログラムを実行して、画像情報作成手段3Cを制御することで、画像データ格納領域に格納された画像データを抽出するとともに、記憶部9内に記憶されているスタンプ画像「<複写厳禁>」に対応するスタンプ画像データを抽出する。そして、制御手段1は、スタンプ画像データを電子透かし情報として画像データに組み込むことで合成画像データを作成した後、RAM8内の合成画像データ格納領域に格納する。
【0050】
その後、制御手段1は、送信プログラムを実行して、送信先情報格納領域に格納された「電子メールアドレス」に対応する送信先データを抽出するとともに、合成画像データ格納領域に格納された合成画像データを抽出した後、送信手段10Aを制御することで、合成画像データを電子メールの添付ファイル形式で前記「電子メールアドレス」を有する客先の情報通信端末装置200に対してネットワークNを介して送信する。
なお、送信される電子メールの件名(Subject:)は、スタンプ情報格納領域に格納されたテキストデータに基づくテキスト「見積書」となり、電子メールの送信者名は、画像形成装置100にエントリーしているユーザ名となる。
【0051】
ここで、送信された合成画像データが客先の情報通信端末装置200にて受信された後、合成画像データに基づく送信原稿画像、すなわち送付書類「見積書」P2と略同等の画像(図5参照)の編集若しくはプリント出力が受信者によって実行された場合には、合成画像データに組み込まれたスタンプ画像データに基づいて、送信原稿画像上にスタンプ画像が合成された合成画像が作成されることになる。
すなわち、受信者は、合成画像データを電子メールの添付ファイル形式で受信した後、受信した合成画像データに基づいて、送信原稿画像をモニタ等の表示装置に表示させて、送信原稿画像の内容確認を行うことができる。しかしながら、受信者が、送信原稿画像を情報通信端末装置200に接続された所定のプリンタ(図示略)を用いてプリント出力した場合、合成画像データのファイルコピーをした場合、合成画像データに基づいて送信原稿画像の編集を実行した場合等には、合成画像データに組み込まれているスタンプ画像情報に基づき、スタンプ画像が送信原稿画像上に可視化された合成画像が作成される。従い、例えば送信原稿画像のプリント出力が受信者によって実行された場合には、図6に示すように、「<複写厳禁>」というスタンプ画像が可視化された改版書類「見積書」P3が画像形成されることになる。
なお、「<複写厳禁>」というスタンプ画像の印字濃度は、送信原稿画像を構成する文字及び記号等の印字濃度に比べて薄くなっている。これにより、送信原稿画像の文字及び記号とスタンプ画像「<複写厳禁>」とが重なった部分であっても、スタンプ画像「<複写厳禁>」を透過して送信原稿画像の文字及び記号を視認可能となっている。
【0052】
以上のように、本実施の形態の画像形成装置100によれば、原稿書類「見積書」P1上の客先の「電子メールアドレス」が記載されている部分をマーカーペンで閉ループとなるように指定して、この原稿書類「見積書」P1を画像読取部2にて読み取ることにより、「電子メールアドレス」に基づき、ネットワークNを介して接続された客先の情報通信端末装置200に対して、原稿書類「見積書」P1に対応する画像データから「電子メールアドレス」を指定するマーカーペンによる閉ループの部分が消去された画像データに「<複写厳禁>」のスタンプ画像データを組み込んだ合成画像データを、送付書類「見積書」P2の客先への送付に先行して送信できる。
従って、送付書類「見積書」P2に対応する合成画像データを受信した客先の受信者は、ユーザに対して遠方にいる場合であっても、合成画像データに基づく送信原稿画像を視認することで、送付書類「見積書」P2の内容確認を早急に行うことができる。
また、合成画像データを「客先」に対して送信する際に、従来のようにユーザが「客先」の「電子メールアドレス」を操作入力部7を操作して入力する必要がないため、ユーザの負担を軽減できる。
このように、送付書類「見積書」P2の発行業務における効率化を図ることができる。
【0053】
また、第1画像形成部41は画像データに基づいて送付書類「見積書」P2を画像形成するので、送信手段10Aによる送付書類「見積書」P2に対応する合成画像データの送信とともに、業務文書としての効力を有する正式な書面にて送付される送付書類「見積書」P2の画像形成を行える。
さらに、原稿書類「見積書」P1上の「宛名」及び「スタンプ」が記載されている部分をマーカーペンで閉ループとなるように指定することで、封筒Eへの「宛名書き」及び「スタンプ形成」を行える。加えて、送付書類「見積書」P2に対して所定の折り処理を行った後で、この送付書類「見積書」P2を「宛名書き」及び「スタンプ形成」された封筒Eに封入して封緘できる。
このように、送付書類「見積書」P2の送付における処理をほぼ自動化することができ、送付書類「見積書」P2の送付にかかるユーザの負担を軽減できる。これにより、送付書類「見積書」P2の発行業務における効率化をさらに図ることができる。
【0054】
さらに、画像情報作成手段3Cは、スタンプ画像「<複写厳禁>」に対応するスタンプ画像データが組み込まれた合成画像データを作成するので、インターネット網を介して送付書類「見積書」P2に対応する合成画像データの送信が行われて送付書類「見積書」P2の機密内容が外部に漏洩した場合や、「客先」において合成画像データを利用した送付書類「見積書」P2の複製が行われた場合等に、「<複写厳禁>」のスタンプ画像が送付書類「見積書」P2に対応する送信原稿画像上に可視化され、送付書類「見積書」P2の不当な改版等を抑止できる。よって、送付書類「見積書」P2の機密内容のセキュリティを万全にすることができる。
【0055】
<変形例>
次に、変形例として例示される画像形成装置について説明する。
変形例の画像形成装置は、原稿書類「見積書」P4(図8参照)上の客先のFAX(ファクシミリ)番号に基づいて、客先の情報通信端末装置200に原稿書類「見積書」P4に対応する合成画像データをFAXにて送信する場合についてのものである。
【0056】
すなわち、変形例の画像形成装置に備わる情報認識手段3Bは、送信先データとして客先の「FAX番号」に対応する送信先データを認識する。
なお、記憶部9には、合成画像データの作成時に画像データに組み込まれるスタンプ画像「<FAX>」に対応するスタンプ画像データが記憶されている。
【0057】
次に、変形例の画像形成装置において、合成画像データをFAXにて送信する際の動作について説明する。
ここで、図8は、画像処理領域Dがマーキングされた原稿書類「見積書」P4を正面から見た図であり、図9は、第1画像形成部41により画像形成された送付書類「見積書」P5を正面から見た図であり、図10は、客先の情報通信端末装置200にて受信した合成画像データに基づいて、プリント出力された改版書類「見積書」P6を正面から見た図である。
【0058】
変形例の画像形成装置は、「封筒宛名書き」に関するメニューの中の一つの機能メニューとして、上記した画像形成装置100に備わる機能6の替わりに、
機能6:「封筒宛名書きスタンプ・送付書類作成・封入封緘・FAXにて先行送付」、を備えている。
【0059】
先ず、図8に示す原稿書類「見積書」P4は、その上部左側に記載されている「FAX番号」の部分である「FAX:0426−xx−1234」の部分が、送信先情報領域D4として青色のマーカーペンで閉ループとなるようにマーキングされている。
【0060】
そして、ユーザによって、操作入力部7が操作されて「封筒宛名書き」に関するメニューの中から機能6が選択された場合には、上記した画像形成装置100と同様にして、「封筒宛名書きスタンプ・送付書類作成・封入封緘」を順に実行する。
なお、「封筒宛名書きスタンプ」が実行される際には、制御手段1は画像処理部3を制御することで、原稿書類「見積書」P4上の送信先情報領域D4内の「FAX番号」に対応する画像データを抽出して、この画像データを文字認識することで送信先データに変換した後、送信先情報格納領域に格納するようになっている。
また、「送付書類作成」が実行されることで作成された送付書類「見積書」P5を図9に示す。
【0061】
その後、画像形成装置は、合成画像データを作成して、この合成画像データの「FAXによる先行送付」を実行する。
すなわち、制御手段1は、合成画像データ作成プログラムを実行して、原稿書類「見積書」p4に対応する画像データに、スタンプ画像「<FAX>」に対応するスタンプ画像データを電子透かし情報として組み込むことで合成画像データを作成する。なお、作成された合成画像データは、RAM8内の合成画像データ格納領域に一旦格納される。
【0062】
そして、制御手段1は、送信プログラムを実行して、送信先情報格納領域に格納された「FAX番号」に対応する送信先データを抽出するとともに、合成画像データ格納領域に格納された合成画像データを抽出した後、送信手段10Aを制御することで、合成画像データを「FAX番号」を有する客先の情報通信端末装置200に対してFAXにて送信する。
【0063】
ここで、送信された合成画像データが客先の情報通信端末装置200にて受信された後、合成画像データに基づく送信原稿画像の編集若しくはプリント出力が受信者によって実行された場合には、上記した画像形成装置100と同様に、合成画像データに組み込まれたスタンプ画像データに基づいて、送信原稿画像上にスタンプ画像が合成された合成画像が作成される。従い、例えば合成画像データに基づく送信原稿画像のプリント出力が受信者によって実行された場合には、図10に示すように、「<FAX>」というスタンプ画像が可視化された改版書類「見積書」P6が画像形成されることになる。
【0064】
このように、変形例の画像形成装置によれば、FAXを利用して合成画像データを送信できるので、合成画像データを受信する受信者がユーザに対して遠方にいる場合であっても、受信者は合成画像データに基づく送信原稿画像を視認することで送付書類「見積書」P5の内容確認を早急に行うことができる。
【0065】
なお、FAXを利用して合成画像データを客先の情報通信端末装置200に送信する場合、客先の情報通信端末装置200は、その設定状態によって合成画像データの受信に伴って、この合成画像データに基づく画像のプリント出力を行う場合がある。この場合には、受信者によって何れの操作が行われていなくても、図10に示したような改版書類「見積書」P6がプリント出力されるようになっている。
【0066】
また、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、本発明が適用された一実施の形態の画像処理装置として、原稿書類「見積書」P1に対応する画像データに基づいて、送付書類「見積書」P2の画像形成を行うプリント部4を備えた画像形成装置100を例示したが、これに限られるものではなく、例えば送付書類「見積書」P2の画像形成を行う画像形成手段を装置本体とは別に備える構成の画像処理装置であっても良い。
さらに、本発明の実施の形態では、画像形成装置100と客先の情報通信端末装置200とをネットワークNを介して接続するようにしたが、これに限られるものではなく、画像形成装置100が客先の情報通信端末装置200と通信可能であれば、通信方法は如何なるものであっても良い。例えば、客先の情報通信端末装置200と画像形成装置100とを専用の通信ケーブルを用いて接続して、通信を行うようにしても良い。
【0067】
また、本発明の実施の形態では、送付書類「見積書」P2(P5)を作成した後、合成画像データを客先の情報通信端末装置200に送信するようにしたが、これに限られるものではなく、送付書類「見積書」P2(P5)の作成及び合成画像データの送信の順序は任意である。従って、例えば送付書類「見積書」P2(P5)を作成する前に、合成画像データを送信しても良いし、送付書類「見積書」P2(P5)の作成と合成画像データの送信とを同時に行うようにしても良い。
【0068】
さらに、本発明の実施の形態では、原稿書類「見積書」P1(P4)上の特定の画像処理領域Dをマーカーペンで閉ループとなるようにして指定するようにしたが、これに限られるものではなく、画像処理領域Dを指定する方法は如何なる方法であっても良い。例えば、画像処理領域Dをマーカーペンで塗りつぶすようにして指定するようにしても良い。
【0069】
また、本発明の実施の形態では、「客先」に合成画像データが送信される際に、基になる原稿として原稿書類「見積書」P1(P4)を例示したが、これに限られるものではなく、「電子メールアドレス」や「FAX番号」等の「送信先」が記載されている原稿であれば如何なるものであっても良く、例えば、「請求書」、「注文書」又は展示会やイベント等の「招待状」等であっても良い。
加えて、本発明の実施の形態では、画像読取部2にて原稿書類「見積書」P1(P4)を読み取る際に、読み取られる原稿書類「見積書」P1(P4)を原稿台ガラス上に載置するようにしたが、これに限られるものではない。例えば、原稿書類「見積書」P1(P4)を紙送り機構にセットし、この紙送り機構によって、セットされた原稿書類「見積書」P1(P4)を原稿台ガラス上に搬送するようにしても良い。
【0070】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、原稿上の所定領域がマークで指定されることで、所定領域内の送信先情報に基づき、通信可能な送信先の情報通信端末装置に対して、画像情報からマークに対応する部分を消去した画像情報を送信できる。すなわち、例えば「送信先」が記載されている原稿書類上の「送信先」の部分がマークで指定された後、原稿書類が読取手段によって読み取られることで、画像情報作成手段によってマークに対応する部分が消去された画像情報が作成された後、画像情報がこの画像情報に基づき作成される送付書類の送付先への送付に先行して、「送信先」に送信されることになる。
よって、例えば業務文書の送付作業を行う際に上記画像処理装置を用いることにより、業務文書に対応する画像情報を受信した受信者は業務文書の内容確認を早急に行うことができる。また、画像情報を「送信先」に対して送信する際に、従来のように、作業者が「送信先」の電子メールアドレスやファクシミリ番号等を所定の入力手段を用いて入力する必要がないため、作業者の負担を軽減できる。従い、業務文書の発行業務における効率化を図ることができる。
【0071】
請求項2に記載の発明によれば、電子透かし付き画像情報が送信先の情報通信端末装置に送信されて受信された後、受信者により電子透かし付き画像情報に基づく画像の編集若しくは形成が実行された場合には、画像上に電子透かしが可視化する。これにより、例えば電子透かしとして改版等の抑止メッセージを画像情報に組み込んでおくことにより、受信者によって画像情報に基づく画像の編集若しくは形成が実行された場合に抑止メッセージが画像上に可視化され、画像の不当な改版等を抑止できる。従って、例えばインターネット網を介して業務文書の画像情報の送信が行われて、業務文書の機密内容が外部に漏洩した場合や、「送信先」において画像情報を利用した業務文書の複製が行われる場合等に、業務文書の機密内容のセキュリティを万全にすることができる。
【0072】
請求項3に記載の発明によれば、電子メール若しくはファクシミリを利用して画像情報を送信できるので、画像情報を受信する受信者が送信者に対して遠方にいる場合であっても、受信者は前記画像情報に基づく画像の内容確認を早急に行うことができる。
【0073】
請求項4に記載の発明によれば、画像形成手段は画像情報に基づく画像を記録媒体に対して形成するので、例えば通信機能を利用した業務文書に対応する画像情報の送信とともに、業務文書としての効力を有する正式な書面にて送付される業務文書の画像形成を行える。これにより、業務文書の発行業務における効率化をさらに図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された一実施の形態の画像処理装置として例示する画像形成装置の正面図である。
【図2】図1の画像形成装置と外部の情報通信端末装置との接続状態を説明するための模式図である。
【図3】図1の画像形成装置の主要な構成を示す機能ブロック図である。
【図4】図1の画像形成装置に備わる領域認識手段に抽出される画像処理領域がマーキングされた原稿書類を正面から見た図である。
【図5】図1の画像形成装置に備わる第1画像形成部により画像形成された送付書類を正面から見た図である。
【図6】図2の情報通信端末装置にて受信した画像データに基づいて、プリント出力された改版書類を正面から見た図である。
【図7】図1の画像形成装置に備わる第2画像形成部により画像形成された封筒を正面から見た図である。
【図8】変形例の画像形成装置に備わる領域認識手段に抽出される画像処理領域がマーキングされた原稿書類を正面から見た図である。
【図9】変形例の画像形成装置に備わる第1画像形成部により画像形成された送付書類を正面から見た図である。
【図10】図2の情報通信端末装置にて受信した画像データに基づいて、プリント出力された改版書類を正面から見た図である。
【符号の説明】
100 画像形成装置(画像処理装置)
1 制御手段
2 画像読取部(読取手段)
3 画像処理部
3A 領域認識手段
3B 情報認識手段
3C 画像情報作成手段
4 プリント部
41 第1画像形成部(画像形成手段)
10 通信制御部
10A 送信手段
200、300、400 情報通信端末装置
D1、D4 送信先情報領域(所定領域)
E 封筒
P 記録媒体
P1、P4 原稿書類「見積書」(原稿)
P2、P5 送付書類「見積書」(記録媒体)
P3、P6 改版書類「見積書」
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、業務において作成され客先に送付される文書(以下、「業務文書」という。)として、商取引における見積書や注文書、展示会やイベントの招待状等が知られている。
そして、上記業務文書の発行業務においては、オフィス等にて、原稿を光学走査することで画像データを読み取り、この読み取った画像データを印刷出力する、いわゆる複写を行う画像処理装置が活用されている。
【0003】
ここで、上記業務文書のうち、代表して見積書の発行業務にかかる一般的な業務手順を示す。
見積書の発行業務においては、先ず、見積書をワープロや手書きにて作成し、作成された見積書を郵送、ファクシミリ、電子メールにおける添付ファイル等の送付手段のいずれか一つ、若しくは複数を用いて客先に送付する。その後、客先からの問い合わせ等に備えるために、送付した見積書の控えを上記画像処理装置を用いて作成し、それを手元に保管する。
【0004】
ところで、業務文書の発行業務のうち、業務文書を客先に送付する業務、特に、郵送にて客先に送付する場合、この業務における事務作業は、作業者による手作業に依存する割合が大きく、装置による自動化が遅れているのが現状である。例えば、業務文書が手書きで作成された文書である場合、宛名がデータ化されていないことがあり、作成された業務文書が封入される封筒への宛名書きが手書きで行われることになる。特に、取り扱う商品が多品種に亘る商社等においては、封筒への宛名書きが手作業となっている。また、業務文書の中には宛名が記載されているものがあり、この場合には、作業者は封筒への宛名書きを重複して行わなければならなかった。
そこで、業務文書に記載された宛名を読み取って、読み取られた宛名の画像情報に基づく画像を封筒に形成することにより封筒への宛名書きを行う画像処理装置が提案されている。
【0005】
また、複数の宛先にマークが付けられた原稿を読み取ることにより、それぞれの宛先にマークが付けられた複数の文書を得る文書編集装置も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−187335号公報(第3−5頁、第11図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の場合、文書編集装置は各宛先に対応する封筒への宛名書きを行うことができない。従い、上記文書編集装置を用いても業務文書の発行業務を効率的に行うことができなかった。
【0008】
また、商取引においては、業務文書は送付先に早急に送付される必要がある。そこで、電子メールやファクシミリ等を利用して通信を行う画像処理装置が近年開発されており、業務文書を郵送にて送付する前に、業務文書から読み取られた画像データを送付先に対して予め送信するようになっている。
しかしながら、上記の場合、作業者は所定の入力装置を用いて送付先の電子メールアドレスやファクシミリ番号等を入力する必要があり、その作業が煩雑となっていた。
また、電子メールやファクシミリを利用した業務文書の送受信は、業務文書の内容確認を即座に行えるという点においては有効であるが、インターネット網がオープン系である等の理由から機密内容のセキュリティが万全に行われなかったり、送付先において受信した画像データを利用した業務文書の不当な複製が行われたりする虞もある。
さらに、画像処理装置の通信機能を利用して送信された画像データに基づく業務文書は、業務文書としての効力を有する正式な書面として機能しない場合があるため、業務文書を書面にて改めて送付する作業が消滅することにはならない。つまり、送り主は通信を利用した業務文書の画像データの送信に加え、書面にての業務文書の送付も行わなければならず、結果として業務文書の発行業務における作業量及び作業時間の増加を招いている。従い、業務文書の発行業務における効率を高めることが切望されている。
【0009】
本発明の課題は、業務文書の発行業務における効率化を図ることができる画像処理装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、
情報通信端末装置と通信可能な画像処理装置であって、
原稿を読み取って画像情報を出力する読取手段と、
前記読取手段より出力された前記画像情報に基づいて、前記原稿上のマークで指定された所定領域を認識する領域認識手段と、
前記領域認識手段により認識された前記所定領域内の送信先情報を認識する情報認識手段と、
前記読取手段より出力された前記画像情報から前記マークに対応する部分を消去した画像情報を作成する画像情報作成手段と、
前記画像情報作成手段により作成された画像情報を、前記情報認識手段により認識された前記送信先情報に基づいて、送信先の情報通信端末装置に送信する送信手段とを備えることを特徴としている。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、原稿を読み取る読取手段より出力された画像情報に基づいて原稿上のマークで指定された所定領域を認識する領域認識手段と、所定領域内の送信先情報を認識する情報認識手段とが備えられる。また、読取手段より出力された画像情報からマークに対応する部分を消去した画像情報を作成する画像情報作成手段が備えられる。さらに、画像情報作成手段により作成された画像情報を、情報認識手段により認識された送信先情報に基づいて、送信先の情報通信端末装置に送信する送信手段が備えられる。これにより、原稿上の所定領域がマークで指定されることで、所定領域内の送信先情報に基づき、通信可能な送信先の情報通信端末装置に対して、画像情報からマークに対応する部分が消去された画像情報を送信する。すなわち、例えば「送信先」が記載されている原稿書類上の「送信先」の部分がマークで指定された後、原稿書類が読取手段によって読み取られることで、画像情報作成手段によってマークに対応する部分が消去された画像情報が作成された後、画像情報がこの画像情報に基づき作成される送付書類の送付先への送付に先行して、「送信先」に送信されることになる。よって、例えば業務文書が送付先に早急に送付される必要がある商取引において、業務文書の送付作業を行う際に上記画像処理装置を用いることにより、業務文書に対応する画像情報を受信した受信者によって業務文書の内容確認が早急に行われることになる。また、画像情報を「送信先」に対して送信する際に、従来のように、作業者が「送信先」の電子メールアドレスやファクシミリ番号等を所定の入力手段を用いて入力する必要がないため、作業者の負担が軽減されることになる。従い、業務文書の発行業務における効率化を図れる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、
前記画像情報作成手段は、前記情報通信端末装置によって前記画像情報が受信された後で前記画像情報に基づく画像の編集若しくは形成が実行された場合に前記画像上に可視化される電子透かしを組み込んだ電子透かし付き画像情報を作成し、
前記送信手段は、前記画像情報作成手段により作成された前記電子透かし付き画像情報を送信することを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、画像情報作成手段によって、情報通信端末装置により画像情報が受信された後で画像情報に基づく画像の編集若しくは形成が実行された場合に画像上に可視化される電子透かしを組み込んだ電子透かし付き画像情報が作成される。そして、送信手段によって、画像情報作成手段により作成された電子透かし付き画像情報が送信される。すなわち、電子透かし付き画像情報が送信先の情報通信端末装置に送信されて受信された後、受信者により電子透かし付き画像情報に基づく画像の編集若しくは形成が実行された場合には、画像上に電子透かしが可視化することになる。これにより、例えば電子透かしとして改版等の抑止メッセージを画像情報に組み込んでおくことにより、受信者によって前記画像情報に基づく画像の編集若しくは形成が実行された場合に抑止メッセージが画像上に可視化され、画像の不当な改版等を抑止できる。従って、例えばインターネット網を介して業務文書の送信が行われて、業務文書の機密内容が外部に漏洩した場合や、「送信先」において画像情報を利用した業務文書の複製が行われる場合等に、業務文書の機密内容のセキュリティを万全にすることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像処理装置おいて、
前記送信先情報が、電子メールアドレス若しくはファクシミリ番号であることを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、送信先情報が、電子メールアドレス若しくはファクシミリ番号となっている。これにより、情報認識手段によって、送信先の情報通信端末装置の電子メールアドレス若しくはファクシミリ番号が認識され、送信手段によって、前記電子メールアドレス若しくはファクシミリ番号に基づいて、画像情報が送信されることになる。すなわち、電子メール若しくはファクシミリを利用して画像情報を送信できるので、画像情報を受信する受信者が送信者に対して遠方にいる場合であっても、受信者によって前記画像情報に基づく画像の内容確認が早急に行われることになる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記画像情報作成手段により作成された前記画像情報に基づいて、画像を記録媒体に形成する画像形成手段を備えることを特徴としている。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、画像情報作成手段により作成された画像情報に基づいて、画像を記録媒体に形成する画像形成手段が備えられる。すなわち、例えば画像処理装置の通信機能を利用して送信された画像情報に基づく業務文書は、業務文書としての効力を有する正式な書面として機能しない場合がある。この場合、作業者は業務文書を書面にて改めて送付先に対して送付する必要がある。従い、画像形成手段は画像情報に基づく画像を記録媒体に対して形成するので、例えば通信機能を利用した業務文書に対応する画像情報の送信とともに、書面にて送付される業務文書の画像形成を行える。
これにより、業務文書の発行業務における効率化をさらに図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、本発明が適用された一実施の形態の画像処理装置として例示する画像形成装置の正面図であり、図2は、図1の画像形成装置と外部の情報通信端末装置との接続状態を説明するための模式図であり、図3は、図1の画像形成装置の主要な構成を示す機能ブロック図である。
【0019】
本発明が適用された画像形成装置100は、ネットワークNを介して外部の情報通信端末装置200、300、400と接続されており(図2参照)、原稿書類「見積書」P1(図5参照)を読み取って原稿書類「見積書」P1上の客先の「電子メールアドレス」に基づいて、客先(送信先)の情報通信端末装置200に原稿書類「見積書」P1に対応する合成画像データ(電子透かし付き画像情報)を電子メールにて送信する場合についてのものである。
以下の説明では、原稿として原稿書類「見積書」P1(図4参照)を採用し、第1画像形成部41(後述)により画像が形成された記録媒体Pとして、送付書類「見積書」P2(図5参照)を採用している。
【0020】
図1に示すように、画像形成装置100は、スキャナカバー2aと、画像読取部(読取手段)2と、第1画像形成部41を有するプリント部4と、後処理手段5と、操作入力部7を有する表示部6とを備え、さらに、図1には図示しないが、図3の機能ブロック図に示すように情報処理、記憶並びに通信を行うものとして、制御手段1と、画像処理部3と、RAM8と、記憶部9と、通信制御部10を備えて構成される。
なお、制御手段1と、画像読取部2と、画像処理部3と、プリント部4と、後処理手段5と、表示部6と、RAM8と、記憶部9と、通信制御部10とはバスにより接続されている。
【0021】
制御手段1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、記憶部9に記憶されている各種プログラムに基づいて、画像形成装置100の各部を集中制御する。
具体的には、制御手段1は、操作入力部7から入力される信号に応答して、記憶部9に記憶されているプログラムを読み出してRAM8に一時記憶し、係るプログラムに基づく各種処理を実行して、画像形成装置100の各部を機能させる。その際に、制御手段1は、RAM8内の作業領域内に各種処理結果を格納させ、必要に応じて表示部6にその処理結果を表示させる。
【0022】
スキャナカバー2aは、装置本体100Aの上部に開閉自在に設けられている(なお、図1では、スキャナカバー2aを閉じた状態が示されている)。また、スキャナカバー2a内には、原稿書類「見積書」P1を原稿台ガラス(図示略)上に搬送可能な紙送り機構が設けられている。
【0023】
画像読取部2は、例えば、上面が原稿読取面となっている原稿台ガラスの下側に設けられ、光源、レンズ、CCD(Charge Coupled Device)、A/D変換部等により構成されている。
そして、画像読取部2は、原稿台ガラス上に載置された原稿書類「見積書」P1へ光源から照明走査し、この反射光をCCDにより読み取って電気信号(アナログ信号)に変換し、この電気信号をA/D変換部によりデジタル画像データ(画像情報;以下「画像データ」という。)に変換する。
なお、画像データは、A/D変換部よりRAM8に出力され、このRAM8内にて原稿書類「見積書」P1毎に格納される。
【0024】
また、画像読取部2は、原稿書類「見積書」P1自体の色である白色及び原稿書類「見積書」P1上の画像を構成する黒色とは異なる色のうち、少なくとも送信先情報領域(図4参照)D1、宛名情報領域(図4参照)D2及びスタンプ情報領域(図4参照)D3をマーキングするマーカーペンの色である、青色、赤色及び緑色を認識可能となっている。
【0025】
画像処理部3には、領域認識手段3Aと、情報認識手段3Bと、画像情報作成手段3Cとが含まれている。
領域認識手段3Aは、RAM8に格納された原稿書類「見積書」P1毎の画像データに対して、操作入力部7からの入力指示に従って、原稿書類「見積書」P1上のマーカーペンによって閉ループとなるように指定された特定の画像処理領域(所定領域)D(図4参照)を認識可能となっている。具体的には、領域認識手段3Aは、原稿書類「見積書」P1上の青色のマーカーペンで指定された送信先情報領域D1と、赤色のマーカーペンで指定された宛名情報領域D2と、緑色のマーカーペンで指定されたスタンプ情報領域D3とを認識する。
なお、領域認識手段3Aの機能は、集積回路からなる中央処理装置によって領域認識プログラムが実行されることにより実現される。
【0026】
情報認識手段3Bは、領域認識手段3Aにより認識された画像処理領域D内のテキストデータを認識する。すなわち、情報認識手段3Bは、OCR(Optical Character Reader)等による文字認識機能を有しており、画像として読み取られたテキストを画像データに基づきOCRソフトにより解析して、テキストデータに変換する。具体的には、情報認識手段3Bは、送信先情報領域D1内の画像データを抽出して、文字認識することで送信先データ(テキストデータ)に変換した後、RAM8内の送信先情報格納領域に格納する。
また、宛名情報領域D2及びスタンプ情報領域D3内の各々の画像データも、送信先情報領域D1内の画像データと同様に、情報認識手段3Bによって抽出されて文字認識されることでテキストデータに変換された後、RAM8内の宛名情報格納領域及びスタンプ情報格納領域に各々格納される。
なお、情報認識手段3Bの機能は、集積回路からなる中央処理装置によって情報認識プログラムが実行されることにより実現される。
【0027】
画像情報作成手段3Cは、画像読取部2より出力された画像データからマーカーペンによる閉ループに対応する部分を消去した画像データを作成する。具体的には、画像情報作成手段3Cは、RAM8内に格納された原稿書類「見積書」P1毎の画像データに基づいて、この画像データから前記マーカーペンによる閉ループに対応する部分を消去した画像データを作成して、この画像データをRAM8内の画像データ格納領域に格納する。
また、画像情報作成手段3Cは、前記画像データ格納領域に格納された画像データに基づき、公知の電子透かし技術を利用して、電子透かし情報としてスタンプ画像データを組み込んだ合成画像データを作成する。すなわち、画像情報作成手段3Cは、画像データ格納領域に格納された画像データを抽出するとともに、記憶部9内に記憶されている所定のスタンプ画像データを抽出して、スタンプ画像データを画像データに組み込んだ合成画像データを作成して、RAM8内の合成画像データ格納領域に格納する。
なお、画像情報作成手段3Cの機能は、集積回路からなる中央処理装置によって画像情報作成プログラムが実行されることにより実現される。
【0028】
プリント部4は、第1画像形成部41と、第2画像形成部42とを備えている。
第1画像形成部41は、画像読取部2の下側に設けられている。また、第1画像形成部41は、送付書類「見積書」P2の作成が指示された場合に、画像データ格納領域内に格納された画像データに基づいて、給紙部411より供給される所定の記録媒体Pに対して電子写真方式で印刷を行うことにより、原稿書類「見積書」P1からマーカーペンによる閉ループが消去された送付書類「見積書」P2を作成する。
【0029】
第2画像形成部42は、装置本体100Aの図1における左側に配された後処理ユニット100Bの上部に設けられ、印刷部421と、封筒供給部422とを備えている。
印刷部421は、宛名情報格納領域及びスタンプ情報格納領域に格納されている宛名情報領域D2及びスタンプ情報領域D3内の各々のテキストデータに基づいて、封筒供給部422より供給される封筒Eの表面の所定位置に「宛名」及び「スタンプ」をインクジェット方式で画像形成することにより、封筒Eへの「宛名書き」及び「スタンプ形成」を行う(詳細後述)。
【0030】
封筒供給部422は、例えば、複数種類の封筒Eのうちいずれか一種類の封筒Eを複数枚重ね合わせた状態で載置可能となっており、印刷部421による印刷動作にタイミングを合わせて例えば一枚ずつ印刷部421に供給する。
なお、封筒供給部422に載置された封筒Eは、例えば複写機の手差しユニット等に備えられる公知の封筒検知手段(図示略)によって検知されるようになっている。
【0031】
後処理手段5は、第2画像形成部42の下側にて後処理ユニット100Bに設けられている。また、後処理手段5は、折り処理プログラムが実行された場合に、封筒Eに第1画像形成部41によって画像形成された送付書類「見積書」P2を封入可能となるように送付書類「見積書」P2を所定回数折り畳む折り処理等の後処理を行う。その後、後処理手段5は、後処理された送付書類「見積書」P2を第2画像形成部42によって「宛名書き」及び「スタンプ形成」が行われた封筒Eに封入して封緘する。
【0032】
表示部6は、原稿台ガラスよりも手前側に設けられている。また、表示部6は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、制御手段1から入力される表示信号の指示に従って、画面上に各種操作メニュー(詳細後述)や各種操作キーや画像の状態表示を行う。
【0033】
また、表示部6は、操作入力部7が一体的に構成されている。操作入力部7は、透明電極が格子状に配置された感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネル等により構成されるが、視認性の観点から光の透過率が高いものが望ましい。操作入力部7は、手指や専用のタッチペン等で押された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として制御手段1に出力する。また、操作入力部7は、数字キーや、各種設定を切り換える機能キー等の各種操作キーを備えている。
【0034】
RAM(Random Access Memory)8は、制御手段1により実行制御される各種処理において、記憶部9から読み出されたプログラム、入力若しくは出力データ、並びにパラメータ等の一時的な格納領域を形成する。具体的には、RAM8は、送信先情報領域D1内の送信先データを格納する送信先情報格納領域や、宛名情報領域D2内のテキストデータを格納する宛名情報格納領域や、スタンプ情報領域D3内のテキストデータを格納するスタンプ情報格納領域や、画像読取部2に読み取られた画像データからマーカーペンによる閉ループに対応する部分が消去された画像データを格納する画像データ格納領域や、前記画像データにスタンプ画像データが組み込まれた合成画像データを格納する合成画像データ格納領域等を形成している。
【0035】
記憶部9は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−OnlyMemory)やフラッシュメモリ(Flash Memory)等の不揮発性の半導体メモリにより構成されている。
また、記憶部9は、画像形成装置100で実行可能なシステムプログラムや、画像読取部2に読み取られた画像データから青色、赤色及び緑色のマーカーペンによる閉ループに対応する部分を消去した画像データを作成する画像データ作成プログラムや、画像データ格納領域内の画像データを抽出して記録媒体Pに画像形成することにより送付書類「見積書」P2を作成する送付書類作成プログラムや、画像データに所定のスタンプ画像データを組み込んで合成画像データを作成する合成画像データ作成プログラムや、送信先情報領域D1内の送信先データに対応する客先の情報通信端末装置200に合成画像データを送信する送信プログラム等を記憶するとともに、画像データに組み込まれるスタンプ画像「<複写厳禁>」に対応するスタンプ画像データ等の各種処理プログラムの実行に必要な諸データ等を記憶する。
【0036】
通信制御部10は、モデムやターミナルアダプタ等によって構成され、電話回線、ISDN回線、或いは専用線などの通信回線を介してネットワークNに接続される外部の情報通信端末装置200、300、400との通信を行うための通信制御を行う。すなわち、通信制御部10は、送信手段10Aとして機能する。
【0037】
送信手段10Aは、画像情報作成手段3Cにより作成された合成画像データを、情報認識手段3Bにより認識された送信先データに基づいて、客先の情報通信端末装置200に送信する。すなわち、送信手段10Aは、送信先情報格納領域に格納された「電子メールアドレス」に対応する送信先データに基づいて、前記「電子メールアドレス」を有する客先の情報通信端末装置200に合成画像データを電子メールの添付ファイル形式にて送信する。
【0038】
次に、画像形成装置100において、封筒Eに対して「宛名書き」を行う際に実行可能な各種機能について説明する。
ここで、図4は、画像処理領域Dがマーキングされた原稿書類「見積書」P1を正面から見た図であり、図5は、第1画像形成部41により画像形成された送付書類「見積書」P2を正面から見た図であり、図6は、客先の情報通信端末装置200にて受信した合成画像データに基づいて、プリント出力された改版書類「見積書」P3を正面から見た図であり、図7は、第2画像形成部42により「宛名」及び「スタンプ」が形成された封筒Eを正面から見た図である。
【0039】
ユーザによって、操作入力部7が操作されて「応用機能」メニューが選択され、この「応用機能」メニューの中から、「封筒宛名書き」に関するメニューが選択されると、以下に示す6つの機能メニューが表示部6に表示される。
機能1:「封筒宛名書き」
機能2:「封筒宛名書き・送付書類作成」
機能3:「封筒宛名書きスタンプ・送付書類作成」
機能4:「封筒宛名書き・送付書類作成・封入封緘」
機能5:「封筒宛名書きスタンプ・送付書類作成・封入封緘」
機能6:「封筒宛名書きスタンプ・送付書類作成・封入封緘・電子メールによる添付送付」
【0040】
このうち、機能1がユーザにより選択されると、宛名書きプログラムを実行して、原稿書類「見積書」P1上の宛名情報領域D2内のテキストデータに基づき封筒Eの表面に「宛名書き」を行う。
機能2がユーザにより選択されると、機能1が選択されることで実行される機能に加え、送付書類作成プログラムを実行して、客先に送付される送付書類「見積書」P2を作成する。
機能3がユーザにより選択されると、機能2が選択されることで実行される機能に加え、スタンプ形成プログラムを実行して、原稿書類「見積書」P1上のスタンプ情報領域D3内のテキストデータに基づき封筒Eの表面に「スタンプ」を形成する。
機能4がユーザにより選択されると、機能2が選択されることで実行される機能に加え、封入封緘プログラムを実行して、送付書類「見積書」P2を「宛名書き」された封筒Eに封入して封緘する。
機能5がユーザにより選択されると、機能3が選択されることで実行される機能に加え、封入封緘プログラムを実行して、送付書類「見積書」P2を「宛名書き」された封筒Eに封入して封緘する。
機能6がユーザにより選択されると、機能5が選択されることで実行される機能に加え、送信プログラムを実行して、送信先情報領域D1内の「電子メールアドレス」に対応する送信先データに基づき、「電子メールアドレス」を有する客先の情報通信端末200に合成画像データを送信する。
なお、機能4、機能5及び機能6において、封入封緘プログラムを実行する前に、送付書類「見積書」P2がそのままでは封筒Eに封緘されないと判定された場合には、折り処理プログラムを実行して、送付書類「見積書」P2に対して所定の折り処理を行う。
【0041】
次に、上記各種機能のうち機能6が選択された際に、画像形成装置100において実行される動作について説明する。
【0042】
図4に示す原稿書類「見積書」P1は、例えばワープロ又は手書き等により作成される。
そして、図4に示すように、原稿書類「見積書」P1の上部左側に記載されている「電子メールアドレス」の部分である「E−mail:######@marubatu.co.jp」の部分が青色のマーカーペンで閉ループとなるようにマーキングされることで、送信先情報領域D1が指定される。また、原稿書類「見積書」P1の「電子メールアドレス」の下側に記載されている「宛名」の部分が赤色のマーカーペンで閉ループとなるようにマーキングされることで、宛名情報領域D2が指定される。ここで、「宛名」の部分とは、客先(依頼主)の「郵便番号」及び「住所」、「会社名」、「所属部署名」、「担当者名」が記載された部分である。さらに、原稿書類「見積書」P1の上部中央に記載されている「御見積書」のうち「見積書」の部分が緑色のマーカーペンで閉ループとなるようにマーキングされることで、スタンプ情報領域D3が指定される。
その後、原稿書類「見積書」P1は原稿台ガラス上に載置される。
【0043】
そして、操作入力部7がユーザにより操作されることによって表示部6に表示される6つの機能メニューのうち、機能6が選択されると、制御手段1は、画像読取部2を制御して、原稿書類「見積書」P1を読み取り、変換された画像データをRAM8に格納する。
【0044】
その後、制御手段1は、画像処理部3を制御して、RAM8に格納されている画像データから、原稿書類「見積書」P1上の送信先情報領域D1、宛名情報領域D2及びスタンプ情報領域D3内の「電子メールアドレス」、「宛名」及び「スタンプ」の各々に対応する画像データを抽出して、各画像データを文字認識することで送信先データ若しくはテキストデータに変換した後、送信先情報格納領域、宛名情報格納領域及びスタンプ情報格納領域に格納する。
【0045】
そして、制御手段1は、第2画像形成部42を制御して、宛名情報格納領域に格納されたテキストデータに基づいて、封筒供給部422より搬入された封筒Eに対して、その表面の略中央に「宛名」を画像形成することで「宛名書き」を行う(図7参照)。また、制御手段1は、第2画像形成部42を制御して、スタンプ情報格納領域に格納されたテキストデータに基づいて、封筒Eの表面の下部やや右よりの位置に「スタンプ」として「見積書在中」を画像形成することで「スタンプ形成」を行う(図7参照)。
そして、「宛名書き」及び「スタンプ形成」が行われた封筒Eは、後処理手段5に送られる。
なお、図7においては、封筒Eの左下隅部に、差出人名及びその住所が予め印刷されている。
【0046】
また、制御手段1は、画像データ作成プログラムを実行して、画像情報作成手段3Cを制御することで、RAM8に格納されている画像データから青色、赤色及び緑色のマーカーペンによる閉ループに対応する部分を消去した画像データを作成した後、この画像データを画像データ格納領域に格納する。
そして、制御手段1は、送付書類作成プログラムを実行して、画像データ格納領域内に格納されている画像データを抽出した後、第1画像形成部41を制御することで、抽出された画像データに基づいて、給紙部411より供給された記録媒体Pに画像形成することにより、客先に送付される送付書類「見積書」P2(図5参照)を作成する。
その後、作成された送付書類「見積書」P2は、後処理手段5に送られる。
【0047】
また、制御手段1は、記憶部9に記憶されている控え書類作成プログラムを実行して、第1画像形成部41を制御することで、送付書類「見積書」P2と同様の控え書類「見積書」(図示略)を作成する。なお、作成された控え書類「見積書」は、所定の搬送機構により排紙部423(図1参照)から排出される。
【0048】
そして、制御手段1は、封入封緘プログラムを実行することにより、後処理手段5を制御して、送付書類「見積書」P2を「宛名書き」及び「スタンプ形成」が行われた封筒Eに封入して封緘する。
その後、送付書類「見積書」P2が封入され封緘された封筒Eは、排紙部423(図1参照)から排出される。
【0049】
さらに、画像形成装置100は、合成画像データを作成して、この合成画像データの電子メールによる添付送付を実行する。
すなわち、制御手段1は、合成画像データ作成プログラムを実行して、画像情報作成手段3Cを制御することで、画像データ格納領域に格納された画像データを抽出するとともに、記憶部9内に記憶されているスタンプ画像「<複写厳禁>」に対応するスタンプ画像データを抽出する。そして、制御手段1は、スタンプ画像データを電子透かし情報として画像データに組み込むことで合成画像データを作成した後、RAM8内の合成画像データ格納領域に格納する。
【0050】
その後、制御手段1は、送信プログラムを実行して、送信先情報格納領域に格納された「電子メールアドレス」に対応する送信先データを抽出するとともに、合成画像データ格納領域に格納された合成画像データを抽出した後、送信手段10Aを制御することで、合成画像データを電子メールの添付ファイル形式で前記「電子メールアドレス」を有する客先の情報通信端末装置200に対してネットワークNを介して送信する。
なお、送信される電子メールの件名(Subject:)は、スタンプ情報格納領域に格納されたテキストデータに基づくテキスト「見積書」となり、電子メールの送信者名は、画像形成装置100にエントリーしているユーザ名となる。
【0051】
ここで、送信された合成画像データが客先の情報通信端末装置200にて受信された後、合成画像データに基づく送信原稿画像、すなわち送付書類「見積書」P2と略同等の画像(図5参照)の編集若しくはプリント出力が受信者によって実行された場合には、合成画像データに組み込まれたスタンプ画像データに基づいて、送信原稿画像上にスタンプ画像が合成された合成画像が作成されることになる。
すなわち、受信者は、合成画像データを電子メールの添付ファイル形式で受信した後、受信した合成画像データに基づいて、送信原稿画像をモニタ等の表示装置に表示させて、送信原稿画像の内容確認を行うことができる。しかしながら、受信者が、送信原稿画像を情報通信端末装置200に接続された所定のプリンタ(図示略)を用いてプリント出力した場合、合成画像データのファイルコピーをした場合、合成画像データに基づいて送信原稿画像の編集を実行した場合等には、合成画像データに組み込まれているスタンプ画像情報に基づき、スタンプ画像が送信原稿画像上に可視化された合成画像が作成される。従い、例えば送信原稿画像のプリント出力が受信者によって実行された場合には、図6に示すように、「<複写厳禁>」というスタンプ画像が可視化された改版書類「見積書」P3が画像形成されることになる。
なお、「<複写厳禁>」というスタンプ画像の印字濃度は、送信原稿画像を構成する文字及び記号等の印字濃度に比べて薄くなっている。これにより、送信原稿画像の文字及び記号とスタンプ画像「<複写厳禁>」とが重なった部分であっても、スタンプ画像「<複写厳禁>」を透過して送信原稿画像の文字及び記号を視認可能となっている。
【0052】
以上のように、本実施の形態の画像形成装置100によれば、原稿書類「見積書」P1上の客先の「電子メールアドレス」が記載されている部分をマーカーペンで閉ループとなるように指定して、この原稿書類「見積書」P1を画像読取部2にて読み取ることにより、「電子メールアドレス」に基づき、ネットワークNを介して接続された客先の情報通信端末装置200に対して、原稿書類「見積書」P1に対応する画像データから「電子メールアドレス」を指定するマーカーペンによる閉ループの部分が消去された画像データに「<複写厳禁>」のスタンプ画像データを組み込んだ合成画像データを、送付書類「見積書」P2の客先への送付に先行して送信できる。
従って、送付書類「見積書」P2に対応する合成画像データを受信した客先の受信者は、ユーザに対して遠方にいる場合であっても、合成画像データに基づく送信原稿画像を視認することで、送付書類「見積書」P2の内容確認を早急に行うことができる。
また、合成画像データを「客先」に対して送信する際に、従来のようにユーザが「客先」の「電子メールアドレス」を操作入力部7を操作して入力する必要がないため、ユーザの負担を軽減できる。
このように、送付書類「見積書」P2の発行業務における効率化を図ることができる。
【0053】
また、第1画像形成部41は画像データに基づいて送付書類「見積書」P2を画像形成するので、送信手段10Aによる送付書類「見積書」P2に対応する合成画像データの送信とともに、業務文書としての効力を有する正式な書面にて送付される送付書類「見積書」P2の画像形成を行える。
さらに、原稿書類「見積書」P1上の「宛名」及び「スタンプ」が記載されている部分をマーカーペンで閉ループとなるように指定することで、封筒Eへの「宛名書き」及び「スタンプ形成」を行える。加えて、送付書類「見積書」P2に対して所定の折り処理を行った後で、この送付書類「見積書」P2を「宛名書き」及び「スタンプ形成」された封筒Eに封入して封緘できる。
このように、送付書類「見積書」P2の送付における処理をほぼ自動化することができ、送付書類「見積書」P2の送付にかかるユーザの負担を軽減できる。これにより、送付書類「見積書」P2の発行業務における効率化をさらに図ることができる。
【0054】
さらに、画像情報作成手段3Cは、スタンプ画像「<複写厳禁>」に対応するスタンプ画像データが組み込まれた合成画像データを作成するので、インターネット網を介して送付書類「見積書」P2に対応する合成画像データの送信が行われて送付書類「見積書」P2の機密内容が外部に漏洩した場合や、「客先」において合成画像データを利用した送付書類「見積書」P2の複製が行われた場合等に、「<複写厳禁>」のスタンプ画像が送付書類「見積書」P2に対応する送信原稿画像上に可視化され、送付書類「見積書」P2の不当な改版等を抑止できる。よって、送付書類「見積書」P2の機密内容のセキュリティを万全にすることができる。
【0055】
<変形例>
次に、変形例として例示される画像形成装置について説明する。
変形例の画像形成装置は、原稿書類「見積書」P4(図8参照)上の客先のFAX(ファクシミリ)番号に基づいて、客先の情報通信端末装置200に原稿書類「見積書」P4に対応する合成画像データをFAXにて送信する場合についてのものである。
【0056】
すなわち、変形例の画像形成装置に備わる情報認識手段3Bは、送信先データとして客先の「FAX番号」に対応する送信先データを認識する。
なお、記憶部9には、合成画像データの作成時に画像データに組み込まれるスタンプ画像「<FAX>」に対応するスタンプ画像データが記憶されている。
【0057】
次に、変形例の画像形成装置において、合成画像データをFAXにて送信する際の動作について説明する。
ここで、図8は、画像処理領域Dがマーキングされた原稿書類「見積書」P4を正面から見た図であり、図9は、第1画像形成部41により画像形成された送付書類「見積書」P5を正面から見た図であり、図10は、客先の情報通信端末装置200にて受信した合成画像データに基づいて、プリント出力された改版書類「見積書」P6を正面から見た図である。
【0058】
変形例の画像形成装置は、「封筒宛名書き」に関するメニューの中の一つの機能メニューとして、上記した画像形成装置100に備わる機能6の替わりに、
機能6:「封筒宛名書きスタンプ・送付書類作成・封入封緘・FAXにて先行送付」、を備えている。
【0059】
先ず、図8に示す原稿書類「見積書」P4は、その上部左側に記載されている「FAX番号」の部分である「FAX:0426−xx−1234」の部分が、送信先情報領域D4として青色のマーカーペンで閉ループとなるようにマーキングされている。
【0060】
そして、ユーザによって、操作入力部7が操作されて「封筒宛名書き」に関するメニューの中から機能6が選択された場合には、上記した画像形成装置100と同様にして、「封筒宛名書きスタンプ・送付書類作成・封入封緘」を順に実行する。
なお、「封筒宛名書きスタンプ」が実行される際には、制御手段1は画像処理部3を制御することで、原稿書類「見積書」P4上の送信先情報領域D4内の「FAX番号」に対応する画像データを抽出して、この画像データを文字認識することで送信先データに変換した後、送信先情報格納領域に格納するようになっている。
また、「送付書類作成」が実行されることで作成された送付書類「見積書」P5を図9に示す。
【0061】
その後、画像形成装置は、合成画像データを作成して、この合成画像データの「FAXによる先行送付」を実行する。
すなわち、制御手段1は、合成画像データ作成プログラムを実行して、原稿書類「見積書」p4に対応する画像データに、スタンプ画像「<FAX>」に対応するスタンプ画像データを電子透かし情報として組み込むことで合成画像データを作成する。なお、作成された合成画像データは、RAM8内の合成画像データ格納領域に一旦格納される。
【0062】
そして、制御手段1は、送信プログラムを実行して、送信先情報格納領域に格納された「FAX番号」に対応する送信先データを抽出するとともに、合成画像データ格納領域に格納された合成画像データを抽出した後、送信手段10Aを制御することで、合成画像データを「FAX番号」を有する客先の情報通信端末装置200に対してFAXにて送信する。
【0063】
ここで、送信された合成画像データが客先の情報通信端末装置200にて受信された後、合成画像データに基づく送信原稿画像の編集若しくはプリント出力が受信者によって実行された場合には、上記した画像形成装置100と同様に、合成画像データに組み込まれたスタンプ画像データに基づいて、送信原稿画像上にスタンプ画像が合成された合成画像が作成される。従い、例えば合成画像データに基づく送信原稿画像のプリント出力が受信者によって実行された場合には、図10に示すように、「<FAX>」というスタンプ画像が可視化された改版書類「見積書」P6が画像形成されることになる。
【0064】
このように、変形例の画像形成装置によれば、FAXを利用して合成画像データを送信できるので、合成画像データを受信する受信者がユーザに対して遠方にいる場合であっても、受信者は合成画像データに基づく送信原稿画像を視認することで送付書類「見積書」P5の内容確認を早急に行うことができる。
【0065】
なお、FAXを利用して合成画像データを客先の情報通信端末装置200に送信する場合、客先の情報通信端末装置200は、その設定状態によって合成画像データの受信に伴って、この合成画像データに基づく画像のプリント出力を行う場合がある。この場合には、受信者によって何れの操作が行われていなくても、図10に示したような改版書類「見積書」P6がプリント出力されるようになっている。
【0066】
また、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、本発明が適用された一実施の形態の画像処理装置として、原稿書類「見積書」P1に対応する画像データに基づいて、送付書類「見積書」P2の画像形成を行うプリント部4を備えた画像形成装置100を例示したが、これに限られるものではなく、例えば送付書類「見積書」P2の画像形成を行う画像形成手段を装置本体とは別に備える構成の画像処理装置であっても良い。
さらに、本発明の実施の形態では、画像形成装置100と客先の情報通信端末装置200とをネットワークNを介して接続するようにしたが、これに限られるものではなく、画像形成装置100が客先の情報通信端末装置200と通信可能であれば、通信方法は如何なるものであっても良い。例えば、客先の情報通信端末装置200と画像形成装置100とを専用の通信ケーブルを用いて接続して、通信を行うようにしても良い。
【0067】
また、本発明の実施の形態では、送付書類「見積書」P2(P5)を作成した後、合成画像データを客先の情報通信端末装置200に送信するようにしたが、これに限られるものではなく、送付書類「見積書」P2(P5)の作成及び合成画像データの送信の順序は任意である。従って、例えば送付書類「見積書」P2(P5)を作成する前に、合成画像データを送信しても良いし、送付書類「見積書」P2(P5)の作成と合成画像データの送信とを同時に行うようにしても良い。
【0068】
さらに、本発明の実施の形態では、原稿書類「見積書」P1(P4)上の特定の画像処理領域Dをマーカーペンで閉ループとなるようにして指定するようにしたが、これに限られるものではなく、画像処理領域Dを指定する方法は如何なる方法であっても良い。例えば、画像処理領域Dをマーカーペンで塗りつぶすようにして指定するようにしても良い。
【0069】
また、本発明の実施の形態では、「客先」に合成画像データが送信される際に、基になる原稿として原稿書類「見積書」P1(P4)を例示したが、これに限られるものではなく、「電子メールアドレス」や「FAX番号」等の「送信先」が記載されている原稿であれば如何なるものであっても良く、例えば、「請求書」、「注文書」又は展示会やイベント等の「招待状」等であっても良い。
加えて、本発明の実施の形態では、画像読取部2にて原稿書類「見積書」P1(P4)を読み取る際に、読み取られる原稿書類「見積書」P1(P4)を原稿台ガラス上に載置するようにしたが、これに限られるものではない。例えば、原稿書類「見積書」P1(P4)を紙送り機構にセットし、この紙送り機構によって、セットされた原稿書類「見積書」P1(P4)を原稿台ガラス上に搬送するようにしても良い。
【0070】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、原稿上の所定領域がマークで指定されることで、所定領域内の送信先情報に基づき、通信可能な送信先の情報通信端末装置に対して、画像情報からマークに対応する部分を消去した画像情報を送信できる。すなわち、例えば「送信先」が記載されている原稿書類上の「送信先」の部分がマークで指定された後、原稿書類が読取手段によって読み取られることで、画像情報作成手段によってマークに対応する部分が消去された画像情報が作成された後、画像情報がこの画像情報に基づき作成される送付書類の送付先への送付に先行して、「送信先」に送信されることになる。
よって、例えば業務文書の送付作業を行う際に上記画像処理装置を用いることにより、業務文書に対応する画像情報を受信した受信者は業務文書の内容確認を早急に行うことができる。また、画像情報を「送信先」に対して送信する際に、従来のように、作業者が「送信先」の電子メールアドレスやファクシミリ番号等を所定の入力手段を用いて入力する必要がないため、作業者の負担を軽減できる。従い、業務文書の発行業務における効率化を図ることができる。
【0071】
請求項2に記載の発明によれば、電子透かし付き画像情報が送信先の情報通信端末装置に送信されて受信された後、受信者により電子透かし付き画像情報に基づく画像の編集若しくは形成が実行された場合には、画像上に電子透かしが可視化する。これにより、例えば電子透かしとして改版等の抑止メッセージを画像情報に組み込んでおくことにより、受信者によって画像情報に基づく画像の編集若しくは形成が実行された場合に抑止メッセージが画像上に可視化され、画像の不当な改版等を抑止できる。従って、例えばインターネット網を介して業務文書の画像情報の送信が行われて、業務文書の機密内容が外部に漏洩した場合や、「送信先」において画像情報を利用した業務文書の複製が行われる場合等に、業務文書の機密内容のセキュリティを万全にすることができる。
【0072】
請求項3に記載の発明によれば、電子メール若しくはファクシミリを利用して画像情報を送信できるので、画像情報を受信する受信者が送信者に対して遠方にいる場合であっても、受信者は前記画像情報に基づく画像の内容確認を早急に行うことができる。
【0073】
請求項4に記載の発明によれば、画像形成手段は画像情報に基づく画像を記録媒体に対して形成するので、例えば通信機能を利用した業務文書に対応する画像情報の送信とともに、業務文書としての効力を有する正式な書面にて送付される業務文書の画像形成を行える。これにより、業務文書の発行業務における効率化をさらに図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された一実施の形態の画像処理装置として例示する画像形成装置の正面図である。
【図2】図1の画像形成装置と外部の情報通信端末装置との接続状態を説明するための模式図である。
【図3】図1の画像形成装置の主要な構成を示す機能ブロック図である。
【図4】図1の画像形成装置に備わる領域認識手段に抽出される画像処理領域がマーキングされた原稿書類を正面から見た図である。
【図5】図1の画像形成装置に備わる第1画像形成部により画像形成された送付書類を正面から見た図である。
【図6】図2の情報通信端末装置にて受信した画像データに基づいて、プリント出力された改版書類を正面から見た図である。
【図7】図1の画像形成装置に備わる第2画像形成部により画像形成された封筒を正面から見た図である。
【図8】変形例の画像形成装置に備わる領域認識手段に抽出される画像処理領域がマーキングされた原稿書類を正面から見た図である。
【図9】変形例の画像形成装置に備わる第1画像形成部により画像形成された送付書類を正面から見た図である。
【図10】図2の情報通信端末装置にて受信した画像データに基づいて、プリント出力された改版書類を正面から見た図である。
【符号の説明】
100 画像形成装置(画像処理装置)
1 制御手段
2 画像読取部(読取手段)
3 画像処理部
3A 領域認識手段
3B 情報認識手段
3C 画像情報作成手段
4 プリント部
41 第1画像形成部(画像形成手段)
10 通信制御部
10A 送信手段
200、300、400 情報通信端末装置
D1、D4 送信先情報領域(所定領域)
E 封筒
P 記録媒体
P1、P4 原稿書類「見積書」(原稿)
P2、P5 送付書類「見積書」(記録媒体)
P3、P6 改版書類「見積書」
Claims (4)
- 情報通信端末装置と通信可能な画像処理装置であって、
原稿を読み取って画像情報を出力する読取手段と、
前記読取手段より出力された前記画像情報に基づいて、前記原稿上のマークで指定された所定領域を認識する領域認識手段と、
前記領域認識手段により認識された前記所定領域内の送信先情報を認識する情報認識手段と、
前記読取手段より出力された前記画像情報から前記マークに対応する部分を消去した画像情報を作成する画像情報作成手段と、
前記画像情報作成手段により作成された画像情報を、前記情報認識手段により認識された前記送信先情報に基づいて、送信先の情報通信端末装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1に記載の画像処理装置において、
前記画像情報作成手段は、前記情報通信端末装置によって前記画像情報が受信された後で前記画像情報に基づく画像の編集若しくは形成が実行された場合に前記画像上に可視化される電子透かしを組み込んだ電子透かし付き画像情報を作成し、
前記送信手段は、前記画像情報作成手段により作成された前記電子透かし付き画像情報を送信することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1又は2に記載の画像処理装置おいて、
前記送信先情報が、電子メールアドレス若しくはファクシミリ番号であることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記画像情報作成手段により作成された前記画像情報に基づいて、画像を記録媒体に形成する画像形成手段を備えることを特徴とする画像処理装置。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2002
- 2002-09-05 JP JP2002259975A patent/JP2004104221A/ja active Pending
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