JP2004036739A - アルミニウム一体型ガスケット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面粗さRaが3〜100μmのアルミニウムを陽性酸化皮膜処理しかつ封孔率を40%以下としたアルミニウムに、接着剤を介さずにフッ素ゴム加硫物を直接一体化したアルミニウム一体型ガスケット。このアルミニウム一体型ガスケットは、金属孔穿け等の加工を行わなくとも、また接着剤を介さずともアルミニウムとフッ素ゴム加硫材料との間の接着性が十分に確保されている。また、このガスケットは、耐アウトガス性の点でもすぐれている。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム一体型ガスケットに関する。更に詳しくは、接着剤を介さずアルミニウムとフッ素ゴム加硫物とを直接一体化させたアルミニウム一体型ガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子記憶装置、特にHDD(ハードディスクドライブ)に用いられるガスケットは、ゴム単体をステンレス鋼等の金属筐体に挟み込む形で取り付けられており、ゴム材料としては耐アウトガス性の良好なフッ素ゴム等が用いられている。また、ステンレス鋼等の金属筐体にゴムを一体化することで、組立て作業性が良好なため、金属とゴムとを接着剤で接合することが提案されているが(特許第2,517,797号公報)、接着剤の使用はアウトガス性に対して不利である。
【0003】
接着剤を使用しない構成として、金属のゴム接合部に孔を穿け、ゴムを一体形成することにより、接着剤を使用しないガスケットが提案されているが(特開2000−291802号公報)、金属の孔穿け加工は製品のコストアップと機械強度の低下を伴うため、孔穿け工程をなくし、また製品使用としても孔のない方が好ましい。
【0004】
接着剤および金属孔穿け加工の問題を解決する方法として、陽性酸化皮膜処理(アルマイト処理)、未封孔アルマイト処理等を行った金属板とスチレン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性材料を、接着剤を介さずに一体化させた成形体が提案されているが(特開2000−127199号公報)、この提案では熱可塑性エラストマーを用いているため、フッ素ゴム材料を用いた場合と比較して、圧縮永久歪特性に劣るという問題がみられる。
【0005】
すなわち、熱可塑性エラストマーを用いたガスケットはシール寿命が短く、実際の使用に際しては例えば短時間で交換を必要とするなどの問題を生ずる。さらに、アウトガス性においても問題があり、ガスケットをHDD用途等の高精密部品に用いた場合、内部汚染を生ずるおそれがある。
【0006】
こうした問題を解決するために、金属とフッ素ゴム加硫材料とを接着剤を介さずに接着することが必要となるが、アルミニウム金属を単純に陽性酸化皮膜処理したのみでは、これら両者間の接着性を十分に維持することができないという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、アルミニウムとフッ素ゴム加硫材料との間の接着性を接着剤を介さずとも十分に確保することができ、しかも金属孔穿け等の加工を必要とはしないアルミニウム一体型ガスケットを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる本発明の目的は、表面粗さRaが3〜100μmのアルミニウムを陽性酸化皮膜処理しかつ封孔率を40%以下としたアルミニウムに、接着剤を介さずにフッ素ゴム加硫物を直接一体化したアルミニウム一体型ガスケットによって達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
アルミニウム材としては、表面粗さRa(JIS B0601準処:表面粗さ形状測定機により測定)が3〜100μm、好ましくは15〜40μmのものが用いられる。表面粗さがこれ以下のものを用いると、フッ素ゴム加硫物のアルミニウムへの接着性が著しく低下する。一方、これよりも大きい表面粗さのものを用いると、製品金属部の機械的強度の低下が著しく、現実に用いることができない。
【0010】
かかるアルミニウム材の陽性酸化皮膜処理では、硫酸、リン酸、クロム酸等の無機酸またはしゅう酸等の有機酸の酸性溶液を用い、陽性酸化するとアルミニウム表面に多孔質皮膜を形成させる。陽性酸化時間を一定時間以上確保することにより、多孔質皮膜厚みが確保され、また印加される電圧が低い程細孔数が多くなり、ゴムとの接合性が有利になると考えられるが、処理コストとの関係で細孔が形成されれば十分である。例えば、約5〜25重量%硫酸水溶液の場合、印加電圧約10〜30Vで処理時間は約10〜60分間程度となる。その際の多孔質皮膜の厚みは、約1〜50μmで細孔数は10〜1000×109個/cm2程度であるが、膜厚約30〜50μmで細孔数が100〜1000×109個/cm2程度であることが好ましい。
【0011】
陽極酸化皮膜処理の後、封孔率を40%以下、好ましくは未封孔処理とする調整が行われる。封孔処理は、熱水処理、酸処理等の方法を選択可能であり、封孔処理をして封孔率を40%以下としたものが接着性に優れ、封孔処理を全く行わないものが最も好ましい。
【0012】
このような陽極酸化皮膜処理されかつ封孔率を40%以下としたアルミニウムと、接着剤を介さずに一体化されるフッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロペン共重合ゴム、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロペン−テトラフルオロエチレン3元共重合ゴム等が代表例として挙げられ、製品機能上圧縮永久歪特性にすぐれたフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロペン共重合ゴムを用いることが好ましい。
【0013】
前記処理を行ったアルミニウムとフッ素ゴムとの一体化は、所定形状のアルミニウムを金型に入れ、そこに未加硫フッ素ゴムを注入、成形するインサート成形することにより行われ、未加硫フッ素ゴムの加硫接着は例えば170℃で10分間の条件下で行われる。
【0014】
【発明の効果】
本発明に係るアルミニウム一体型ガスケットは、金属孔穿け等の加工を行わなくとも、また接着剤を介さずともアルミニウムとフッ素ゴム加硫材料との間の接着性が十分に確保されている。また、このガスケットは、耐アウトガス性の点でもすぐれている。
【0015】
【実施例】
次に、実施例について本発明を説明する。
【0016】
実施例1
表面粗さRaが25μmのアルミニウム金属片を、20重量%硫酸水溶液を用い、印加電圧20V、処理時間20分間の条件下で陽極酸化皮膜処理(アルマイト処理)した。これについては封孔処理はせず(封孔率40%以下)、そのまま金型に入れ、そこに架橋剤その他必要な配合剤を配合した未加硫フッ素ゴム(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロペン共重合ゴム;ダイキン製品G701)を注入し、170℃、10分間の条件下でインサート成形を行った。得られた接着テストピースについて、ゴム接着試験法(JIS K−6256)の90°剥離試験法による剥離試験を行い、接着力を測定すると0.5kg/cmであった。
【0017】
実施例2
実施例1において、表面粗さRaが5μmのアルミニウム金属片を用いると、得られた一体型テストピースの接着力は0.2kg/cmであった。
【0018】
比較例1
実施例2において、陽極酸化皮膜処理の後で熱水処理を行ない、封孔率を95%以上としたアルミニウム金属片を用いると、得られた一体型テストピースの接着力は0.0kg/cmであった。
【0019】
比較例2
実施例1において、表面粗さRaが2μmのアルミニウム金属片を用いると、得られた一体型テストピースの接着力は0.06kg/cmであった。
【0020】
比較例3
表面粗さRaが25μmのアルミニウム金属片を用い、陽極酸化皮膜処理せずに一体型テストピースを作製すると、それの接着力は0.0kg/cmであった。
【0021】
比較例4
表面粗さRaが5μmのアルミニウム金属片を用い、陽極酸化皮膜処理せずに一体型テストピースを作製すると、それの接着力は0.0kg/cmであった。
【0022】
なお、表面粗さRaが100μm以上のアルミニウム金属片を用いると、製品金属部の機械的強度の低下が著しく、実用性がなかった。
Claims (3)
- 表面粗さRaが3〜100μmのアルミニウムを陽性酸化皮膜処理しかつ封孔率を40%以下としたアルミニウムに、接着剤を介さずにフッ素ゴム加硫物を直接一体化してなるアルミニウム一体型ガスケット。
- 封孔処理率を40%以下のアルミニウムが未封孔処理アルミニウムである請求項1記載のアルミニウム一体型ガスケット。
- HDDトップカバー用ガスケットとして用いられる請求項1、2または3記載のアルミニウム一体型ガスケット。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002194082A JP2004036739A (ja) | 2002-07-03 | 2002-07-03 | アルミニウム一体型ガスケット |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004036739A true JP2004036739A (ja) | 2004-02-05 |
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Family Applications (1)
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2002
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