JP2004036227A - 舗装方法およびアスファルト舗装構造体 - Google Patents

舗装方法およびアスファルト舗装構造体 Download PDF

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吉田 悟
Makoto Takanashi
高梨 真
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Abstract

【課題】防水塗膜とアスファルトコンクリート舗装合材との一体性を向上し、作業性に優れ、作業環境を悪化することのない舗装方法およびこれによって施工されたアスファルト舗装構造体を提供する。
【解決手段】舗装下地1上に防水塗膜3を形成し、防水塗膜3の上にプライマー4を塗布したうえ、その表面全面を覆うことなくフロー、スプレーまたは霧化により軟化点が35℃〜130℃の熱溶融性接着剤を溶融塗布して熱溶融性接着剤層5を形成し、熱溶融性接着剤層5の上にアスファルトコンクリート舗装合材6を敷設し、防水塗膜3と熱溶融性接着剤層5とアスファルトコンクリート6とを接着一体化する舗装方法。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アスファルト舗装の割れ、浮き、ずれなどを防止する舗装方法およびこれによって施工されたアスファルト舗装構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、道路はアスファルトコンクリート舗装合材で舗装されてきた。これは、道路の表面に、その耐久性を増し、車両の損耗を防止するためなどに、アスファルトと小石からなる骨材を混合したものを敷設するものである。
【0003】
路床や橋梁などの床版は、その大半がコンクリート系合成床版、PC床版、鋼床版などの構造物で形成されている。これらの床版は、車両の積載移動荷重や振動によって、常に負荷を受けている。特にコンクリート系合成床版では、この負荷によって亀裂が生じ、次第に亀裂が大きくなることがある。
【0004】
また、アスファルトコンクリート舗装上に降った雨水または雪解け水や、さらに、この上に撒かれた融雪剤の塩分などが、雨水などの水分と共にアスファルトコンクリート舗装内に浸透して床版面に到達してコンクリート系合成床版のアルカリを中和し、また、亀裂から浸透して鉄筋を腐食させ、床版の強度を低下させることがある。
このようなことから、社団法人日本道路協会の仕様書に標準化された方法に準拠して、床版上にアスファルト系塗膜防水材や、アスファルト系シート防水材などからなる防水層を施工して、この防水層の上にアスファルトコンクリート舗装合材を敷設し、水や塩分が床版面に到達するのを防止している。しかしながら、近年、この方法では、防水層による防水性や遮塩性の効果が短期間で消滅することが確認されている。これに伴って、防水、遮塩および防食を目的として、床版上にポリウレタン系樹脂、ポリウレア系樹脂などの熱硬化性樹脂からなる防水塗膜、防食塗膜などを施工した後、これらの防水塗膜、防食塗膜などの上にアスファルトコンクリート舗装合材を敷設する方法が主流となりつつある。
【0005】
ところで、ポリウレタン系樹脂、ポリウレア系樹脂などの熱硬化性樹脂からなる防水塗膜またはゴムシート、塩ビシートなどからなるメンブレン防水層と、アスファルトコンクリート舗装合材とを、直接、接着により一体化することは全くできない。そこで、床版上に熱硬化性樹脂を塗布して塗膜を形成した後、この熱硬化性樹脂塗膜の硬化前に、熱硬化性樹脂塗膜上に砂を散布し、砂を媒体として、アスファルトコンクリート舗装合材と熱硬化性樹脂塗膜とを一体化する方法が採用されている。
しかしながら、この方法においても、熱硬化性樹脂塗膜とアスファルトコンクリート舗装合材との一体性は低く、アスファルトコンクリート舗装の浮きや剥離が発生する。
【0006】
さらに、熱硬化性樹脂塗膜とアスファルトコンクリート舗装合材との一体性を高めるために、以下のような方法が採用されている。例えば、熱硬化性樹脂塗膜が硬化する前に、熱溶融性樹脂ペレットを熱硬化性樹脂塗膜上に散布する方法、アスファルト粒状物を散布する方法、アスファルト乳剤に熱溶融性樹脂を分散させたものを塗布する方法など、アスファルトコンクリート舗装合材の敷設時の熱で熱溶融性樹脂を溶融させ、熱硬化性樹脂塗膜とアスファルトコンクリート舗装合材とを一体化する方法が採用されている。
あるいは、熱硬化性樹脂塗膜とアスファルトコンクリート舗装合材とを一体化する方法として、両者の間に熱溶融性樹脂シートを介入させて、アスファルトコンクリート舗装合材の敷設時の熱で熱溶融性樹脂シートを溶融させ、熱硬化性樹脂塗膜とアスファルトコンクリート舗装合材とを一体化する方法も提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、熱硬化性樹脂塗膜とアスファルトコンクリート舗装合材とを一体化するために、砂や熱溶融性樹脂ペレットなどの粉体を散布する方法では、熱硬化性樹脂塗膜の表面に均等に散布、固着することが困難であるため、熱硬化性樹脂塗膜とアスファルトコンクリート舗装合材とを、一体化するのが困難なことが多い。また、熱硬化性樹脂塗膜の表面と上記粉体との接着は、粉体の底部のみの点接着になりやすい。そのため、この方法では、フィニッシャーなどアスファルト敷設用施工機械やアスファルト舗装材運搬用トラックの走行などによって、熱硬化性樹脂塗膜の表面から粉体が剥離しやすいという欠点がある。さらに、この方法では、粉体を散布すると、風によって、粉体が施工部以外にも飛散し、施工部の周辺に対する環境問題を引き起こす可能性がある。
【0008】
また、熱硬化性樹脂塗膜やメンブレン防水層とアスファルトコンクリート舗装合材とを一体化するために、熱溶融性樹脂シートを熱硬化性樹脂塗膜に貼り合わせる方法では、熱硬化性樹脂塗膜に貼り合わせる時に、これらの間に空気を巻き込み易く、密着、一体化し難いという欠点がある。熱硬化性樹脂塗膜の硬化後もしくはゴムシートや塩ビシートなどのメンブレン防水層を敷設後、この塗膜の表面に、溶剤もしくは水溶性のプライマー、接着剤などを用いて熱溶融性樹脂シートを貼り合わせると、溶剤もしくは水の揮発によって、熱溶融性樹脂シートが押し上げられ、熱硬化性樹脂塗膜との一体性が低下することがある。熱硬化性樹脂塗膜の硬化前に、この塗膜の表面に、熱溶融性樹脂シートを貼り合わせる場合も、同様の問題が発生するおそれがあるため、熱硬化性樹脂は完全無溶剤のものでなくてはならない。
【0009】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、防水塗膜とアスファルトコンクリート舗装合材との一体性を向上し、作業性に優れ、作業環境を悪化させることのない舗装方法およびこれによって施工されたアスファルト舗装構造体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アスファルトコンクリート舗装合材を敷設する舗装下地上に、該舗装下地の表面全面を覆うことなく、熱溶融性の接着剤を溶融塗布して、貫通穴が分散して形成された熱溶融性接着剤層を形成し、該熱溶融性接着剤層上に加熱したアスファルトコンクリート舗装合材を敷設して、前記舗装下地と前記熱溶融性接着剤層と前記アスファルトコンクリート舗装合材とを接着一体化する舗装方法を提供する。
本発明は、アスファルトコンクリート舗装合材を敷設する舗装下地上に、合成樹脂製の防水塗膜またはメンブレン防水層を形成し、該防水塗膜またはメンブレン防水層上に、その表面全面を覆うことなく熱溶融性の接着剤を溶融塗布して熱溶融性接着剤層を形成し、該熱溶融性接着剤層上に加熱したアスファルトコンクリート舗装合材を敷設して、前記防水塗膜またはメンブレン防水層と前記熱溶融性接着剤層と前記アスファルトコンクリート舗装合材とを接着一体化する舗装方法を提供する。
本発明は、前記熱溶融性の接着剤の軟化点が35℃〜130℃である舗装方法を提供する。
本発明は、上記舗装方法によって施工されたアスファルト舗装構造体を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の舗装方法の一実施形態を示す断面模式図である。
図中、符号1は舗装下地を示し、2は下地用プライマー、3は熱硬化性樹脂からなる防水塗膜、4はプライマー、5は熱溶融性接着剤層、6はアスファルトコンクリート舗装合材(以下、「アスファルトコンクリート」と略すこともある。)を示す。
舗装下地1は、コンクリート製橋桁などの床版や駐車場、道路などの路床であり、現場打ちコンクリート、コンクリート系合成床版、PC(Prestressed Concrete、プレストレスト・コンクリート)床版、鋼床版、土壌などであって、特に限定されるものではない。
【0012】
この実施形態の舗装方法では、まず、舗装下地1の表面の凹凸や不陸を必要に応じて研削して下地調整を行った後、舗装下地1の表面を清掃して、ゴミ、異物などを除去する。
次いで、清掃済みの舗装下地1の表面に、下地用プライマー2を塗布する。
舗装下地1の表面に塗布する下地用プライマー2は、防水塗膜3の舗装下地1に対する接着性を高めるためのものであり、また、舗装下地1が湿っている場合もあることから、湿潤面に接着可能であるものが好ましい。このような下地用プライマー2としては、湿潤程度の水分では実質的に発泡しない樹脂が用いられ、湿潤面接着用接着剤として用いられる常温硬化性のウレタン樹脂や、エポキシ樹脂からなるプライマーが好ましく用いられ、1液硬化型でも2液硬化型でもよい。
下地用プライマー2を舗装下地1の表面に塗布する方法としては、スプレーガンによって噴射する方法、あるいは、ローラーによって塗布する方法が好ましい。
下地用プライマー2の塗布量は、好ましくは0.1〜0.5kg/m、より好ましくは0.15〜0.4kg/mとする。
なお、舗装下地1の表面状態などによっては、下地用プライマー2の塗布を省略してもよい。
【0013】
次いで、舗装下地1の上に、熱硬化性樹脂からなる防水塗膜3を施工する。防水塗膜3の施工前には、下地用プライマー2の表面に撒き砂がなされていないことが好ましい。
道路などの舗装の工事は、夜間など、交通量が少ない時間帯を見計らって、短時間、交通を遮断して行われる。したがって、防水塗膜3の形成には、超速硬化性の熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。
【0014】
防水塗膜3を形成する超速硬化性の熱硬化性樹脂としては、アスファルトコンクリート舗装合材の敷設時の熱によって、その防水性、遮塩性、防食性が損なわれないものが用いられ、具体的には、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂などが用いられる。また、防水塗膜3を形成する熱硬化性樹脂としては、可撓性を有するものが好ましい。防水塗膜3が可撓性を有する熱硬化性樹脂で形成されていれば、防水塗膜3は、床版などの撓みなどによる変形に追従して変形し、破断し難い。これらの要求を満たす超速硬化性の熱硬化性樹脂の中でも、超速硬化性のポリウレタン樹脂またはポリウレア樹脂を用いるのが好ましい。超速硬化性のポリウレタン樹脂としては、エバーコートSP100、エバーコートSP200、プラマックス500、プラマックス1000、プラマックス2000、また、ポリウレア樹脂としては、プラマックス5000(いずれも商品名、ダイフレックス社製)などが挙げられる。
【0015】
なお、駐車場など、交通量が少なく、機械塗装し難いような場所にある舗装下地1へ防水塗膜3を施工する場合、例えば、熱硬化性樹脂を手塗りすることもあるので、超速硬化性の熱硬化性樹脂でない方が好ましい場合もある。
防水塗膜3を舗装下地1(下地用プライマー2を塗布したものを含む)の上に施工する方法としては、上記の熱硬化性樹脂をスプレーガンによって噴射する方法、あるいは、ローラー、鏝およびレーキによって塗布する方法が好ましい。例えば、熱硬化性樹脂としてポリウレタン樹脂を用いた場合、スプレーガンによる噴射では、イソシアネート成分とポリオール成分をあらかじめ混合してなる硬化性混合物を、スプレーガンで噴射して防水塗膜3を形成してもよく、あるいは、スプレーガンにイソシアネート成分とポリオール成分を別々に供給してスプレーガン内で混合して得られる混合物を舗装下地1上に噴射して防水塗膜3を形成してもよい。ローラーなどによる塗布では、イソシアネート成分とポリオール成分をあらかじめ混合してなる硬化性混合物を、舗装下地1上に塗布してもよい。
この防水塗膜3は、緻密層でも、独立気泡を含む発泡層でも、熱硬化性樹脂のモルタルからなる層であってもよい。防水塗膜3を、発泡層とする場合は、硬化性混合物に発泡剤を混合すればよく、熱硬化性樹脂のモルタルからなる層とする場合は、硬化性混合物に各種無機質粉体などの骨材を混合すればよい。
【0016】
なお、防水塗膜3が硬化した後、防水塗膜3の表面にプライマー4を塗布してもよい。
プライマー4としては、防水塗膜3を形成する熱硬化性樹脂との親和性はもちろんのこと、防水塗膜3の上に溶融塗布される熱溶融性接着剤との親和性も有するものであることが好ましく、常温硬化性のウレタン樹脂などからなるプライマーまたは接着剤が用いられる。このようなプライマー4の具体例としては、ウレタン樹脂を溶剤に溶解した溶液を例示できる。
このプライマー4は、防水塗膜3の表面に均一に塗布して防水塗膜3に強固に接着し、かつ、プライマー4の硬化前に、防水塗膜3の上に溶融塗布される熱溶融性接着剤を接着一体化できればよいため、プライマー4として用いられるウレタン樹脂などの溶液の濃度は、特に限定されるものではないが、塗布時の取り扱い性を考慮して、15〜50質量%の濃度範囲で適宜設定される。
プライマー4を防水塗膜3の表面に塗布する方法としては、スプレーガンによって噴射する方法、あるいは、ローラーなどによって塗布する方法が好ましい。
【0017】
次いで、プライマー4が硬化する前に、防水塗膜3の表面全面を覆うことなく、熱溶融性接着剤を溶融塗布して、その上面からプライマー4または防水塗膜3の上面に達する貫通穴7が形成された熱溶融性接着剤層5を形成し、防水塗膜3と熱溶融性接着剤層5とを接着一体化する。
熱溶融性接着剤層5に形成される貫通穴7は、ピンホール状の小孔、長溝状など、様々な形状をなしている。また、熱溶融性接着剤層5に貫通穴7を形成するには、熱溶融性接着剤をプライマー4または防水塗膜3上に、意図的に線状、網目状などに塗布するか、または、意図的に塗り残し部分ができるように、熱溶融性接着剤を塗布する。
熱溶融性接着剤層5を形成する熱溶融性接着剤の塗布量は、0.1kg/m〜1.2kg/mが好ましく、0.2kg/m〜0.7kg/mがより好ましい。熱溶融性接着剤の塗布量の下限は防水塗膜3と熱溶融性接着剤層5との接着力を確保するためのものであり、上限は防水塗膜3と熱溶融性接着剤層5とを接着させる際に、熱溶融性接着剤が加熱により完全に溶融するのを阻害しない範囲の厚みとなるように限定される。
また、熱溶融性接着剤5は防水塗膜3の表面全体の30%〜98%を覆うことが好ましく、50%〜95%がより好ましい。熱溶融性接着剤5の防水塗膜3の表面を被覆する割合(被覆率)の下限は防水塗膜3と熱溶融性接着剤層5との接着力を確保するためのものであり、上限は防水塗膜3中に含まれる水分、溶剤などの揮発分を透過させて、これらの揮発分による熱溶融性接着剤5押し上げ、膨れによって、防水塗膜3と熱溶融性接着剤層5との一体性が損なわれるのを防止するために限定される。特に、揮発分による熱溶融性接着剤5の押し上げ、膨れにより、防水塗膜3と熱溶融性接着剤層5との接着一体性が損なわれる問題は、アスファルトコンクリート舗装合材6の敷設時のみならず、敷設後にも生じるので、本発明の舗装方法のように、防水塗膜3の表面全面を覆うことなく熱溶融性接着剤層5を形成する方法は有効である。
【0018】
熱溶融性接着剤としては、ポリウレタン、ポリイソプレン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、ポリエステル、アタクチックポリプロピレン、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはその部分鹸化物などの熱溶融性樹脂の1種または2種以上の混合物が用いられる。この熱溶融性接着剤の軟化点は35℃〜130℃が好ましく、45℃〜120℃がより好ましい。なお、熱溶融性接着剤の軟化点の下限は熱溶融性接着剤の耐ブロッキング性などの貯蔵安定性を確保するためのものであり、上限はアスファルトコンクリート舗装合材の敷設温度が150℃程度であることから、この敷設温度よりも低くするために限定される。
このような熱溶融性接着剤を用いれば、アスファルトコンクリート舗装合材の敷設時の熱で、熱溶融性接着剤層5が溶融し、アスファルトコンクリート舗装合材6と強固に一体化する。
【0019】
防水塗膜3の表面全面を覆うことなく、熱溶融性接着剤を溶融塗布して熱溶融性接着剤層5を形成する方法としては、防水塗膜3を舗装下地1の上に施工した後、防水塗膜3が硬化した後、必要に応じて、プライマー4を防水塗膜3上に塗布した後、アプリケーターなどによって、連続的に防水塗膜3の上に溶融塗布する方法が好ましい。
アプリケーターは、溶融装置、輸送装置、塗布装置などから概略構成されている。溶融装置としては、熱溶融性接着剤をタンクに入れて溶融するタンク溶融方式と、加熱された回転ホイールに熱溶融性接着剤を接触させて溶融するホイール溶融方式、あるいは棒状の熱溶融性樹脂を吐出分だけ徐々に溶融するハンドガン方式などのものが用いられる。この溶融装置に設けられ、熱溶融性接着剤の加熱機構としては、電熱式、熱風式、赤外線ヒーターなどのものが用いられる。輸送装置としては、溶融タンク中で回転するギアボックスなどが用いられるが、加熱されたスクリュー押出機で溶融と輸送を同時に行う方式を用いてもよい。塗布としては、主にノズル方式のものが用いられるが、フロー式、スプレー式、霧化方式などのものが用いられ、熱溶融性接着剤の種類や舗装下地1の状態などにより適宜選択することができる。
【0020】
防水塗膜3の表面全面を覆うことなく、熱溶融性接着剤を溶融塗布して熱溶融性接着剤層5を形成する方法の具体的な例としては、主に、以下に示す3つの方法がある。
第1の例としては、図2に示すように、必要に応じてプライマー4が塗布された防水塗膜3上に、アプリケーターを構成する塗布装置のパイプ10に所定の間隔で設けられた穴から、熱溶融性接着剤8を加熱溶融させたものを投下または噴射して線状に塗布する。この際、防水塗膜3上に、線状に塗布された熱溶融性接着剤8は、隣接する線状の熱溶融性接着剤8と重ならないようにし、隣接する線状の熱溶融性接着剤8同士の間に適宜の間隙ができるようにする。防水塗膜3上に、熱溶融性接着剤8を所定の間隔をおいて線状に塗布するには、パイプ10に設けられる穴の間隔、熱溶融性接着剤8の溶融粘度、溶融点、吐出時の温度、吐出量および吐出間隔、防水塗膜3の温度などを適宜調節する。特に、熱溶融性接着剤8の溶融粘度、溶融点、吐出時の温度、吐出量および吐出間隔は、防水塗膜3の温度、外気温(雰囲気温度)などに応じて、適宜調節される。
【0021】
第2の例としては、図3に示すように、必要に応じてプライマー4が塗布された防水塗膜3上に、アプリケーターを構成する塗布装置のノズル11先端の噴出口から、熱溶融性接着剤8を加熱溶融させたものを散布して線状に塗布する。この際、ノズル11を防水塗膜3に対して水平方向に往復移動させ、熱溶融性接着剤8を防水塗膜3上に線状に塗布する。線状に塗布された熱溶融性接着剤8は、重なっていてもよく、それによって熱溶融性接着剤8が網目状に塗布されていてもよく、この線状または網目状に塗布された熱溶融性接着剤8同士の間に適宜の間隙ができるようにする。また、防水塗膜3の温度、外気温(雰囲気温度)などに応じて、熱溶融性接着剤8の溶融粘度によりノズル11先端の噴出口の大きさや、熱溶融性接着剤8を散布する圧力などを適宜調節する。防水塗膜3上に線状または網目状に塗布された熱溶融性接着剤8は、上述の被覆率を満たしていれば、隣接する熱溶融性接着剤同士が重なっていてもよい。
【0022】
第3の例としては、必要に応じてプライマー4が塗布された防水塗膜3上に、任意形状の複数の貫通孔が全面に分散して形成されたマスクなどを施し、このマスクの上から、アプリケーターを構成する適宜の塗布装置から、熱溶融性接着剤を加熱溶融させたものを塗布し、塗り残し部分をつくる。
ここで用いられるマスクに形成された貫通孔の形状、大きさ、数などは、所望の防水塗膜3の被覆率、接着強度などに応じて、適宜設定される。
【0023】
次いで、熱溶融性接着剤層5の上に、加熱したアスファルトコンクリート舗装合材6を敷設する。
アスファルトコンクリート舗装合材6としては、道路などの舗装に用いられるアスファルトコンクリート舗装合材であれば、どのようなものでも用いることができる。アスファルトコンクリート舗装合材6の敷設の厚みは、目的に応じて適宜設定することができるが、一般的には20〜100mm程度とするのが好ましい。
【0024】
熱溶融性接着剤層5は、加熱したアスファルトコンクリート舗装合材6の敷設時の熱により、溶融流動して、熱溶融性接着剤層5の一部とアスファルトコンクリート舗装合材6の一部が接着一体化し、結果として、防水塗膜3とアスファルトコンクリート舗装合材6とが強固に接着一体化する。
【0025】
なお、この実施形態では、防水塗膜3上に、その表面全面を覆うことなく熱溶融性接着剤層5を形成して、防水塗膜3と熱溶融性接着剤層5とアスファルトコンクリート舗装合材6とを接着一体化する方法を示したが、本発明の舗装方法は、これに限定されるものではない。本発明の舗装方法は、舗装下地1上に形成された防水塗膜3以外のメンブレン防水層とアスファルトコンクリート舗装合材6とを接着一体化する際にも有効な方法である。
【0026】
また、本発明の舗装方法によって施工されたアスファルト舗装構造体は、空気の巻き込みや、溶剤または水分の揮発によって、防水塗膜またはメンブレン防水層と、アスファルトコンクリート舗装合材との一体性が低下することがなく、防水塗膜またはメンブレン防水層と、アスファルトコンクリート舗装合材が強固に密着、一体化したものである。
【0027】
以下、具体的な実施例を示して、本発明の効果を明らかにする。
(実施例1)
JIS A5304:94で規定される舗装用コンクリート平板からなる舗装下地の表面を清掃して、ゴミ、異物などを除去した後、その下地上に、スプレーガンを用いてエポキシ樹脂プライマー「プライマーPWF」(商品名、ダイフレックス社製)を塗布量0.2kg/mの割合で噴射した。
次いで、2液型超速硬化性ポリウレタン樹脂「プラマックス500」(商品名、ダイフレックス社製)を、スプレーガンを用いて噴射して厚み2.5mmのポリウレタン樹脂防水塗膜を形成した。ポリウレタン樹脂が硬化後、その上にスプレーガンを用いてウレタン系プライマー「層間プライマーJ」(商品名、ダイフレックス社製)を塗布量0.2kg/mの割合で噴射した。
次いで、このウレタン系プライマーが硬化する前に、熱溶融性接着剤としてエチレン−酢酸ビニル共重合体の部分鹸化物(軟化点65℃)を、ハンドガン式アプリケーターを用いて塗布量0.5kg/mの割合で溶融塗布した。この時、ポリウレタン樹脂防水塗膜表面の90%を被覆した。
このポリウレタン樹脂防水塗膜上にアスファルトコンクリート舗装合材を160℃に加熱したものを舗装厚50mmとなるように敷設し、アスファルトコンクリート敷設後24時間養生した。
この施工供試体を、建研式垂直引張試験機を用いて20℃と、−30℃で引張試験を行ったところ、引張強度は20℃で0.73N/mm、−30℃で3.76N/mmであり、破壊箇所はいずれも熱溶融性接着剤層またはアスファルトコンクリート舗装合材部分であった。
また、この施工供試体からコア抜きを行い、側面をパテシールしてJIS A6910に準拠して透水試験を行った結果、透水量は0.001ml/cm・日以下であった。
また、20℃で18時間、−30℃で3時間、60℃、湿度80%で3時間を1サイクルとした温冷繰り返し試験を18サイクル実施後、上記と同様に20℃と、−30℃で引張試験を行ったところ、引張強度は20℃で0.65N/mm、−30℃で2.60N/mmであり、破壊箇所はいずれも熱溶融性接着剤層またはアスファルトコンクリート舗装合材部分であった。
【0028】
(比較例1)
実施例1と同様にして、同様の舗装下地上に厚さ2.5mmのポリウレタン樹脂防水塗膜を形成し、この上にウレタン樹脂プライマーを塗布した後、このウレタン樹脂プライマー硬化前に、実施例1に使用した熱溶融性樹脂と同じ樹脂製シート(厚さ300μm)を貼付し、この上にアスファルトコンクリート舗装合材を160℃に加熱したものを舗装厚50mmとなるように敷設し、アスファルトコンクリート敷設後24時間養生した。
この施工供試体を建研式垂直引張試験機を用いて20℃で引張試験を行ったところ、引張強度は0.11N/mmであり、破壊箇所はアスファルトコンクリート舗装合材破壊であった。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の舗装方法によれば、防水塗膜またはメンブレン防水層と、アスファルトコンクリート舗装合材とが強固に密着、一体化した舗装構造が得られる。また、本発明の舗装方法は、従来の舗装方法のように、砂撒きなどの繁雑な作業をする必要がなく、作業性に優れ、作業環境を悪化することのない簡便な舗装方法である。さらに、本発明の舗装方法によれば、防水塗膜またはメンブレン防水層と、アスファルトコンクリート舗装合材とを密着、一体化するために採用されている従来の方法の欠点が解決できる。すなわち、熱溶融性樹脂シートを用いないから、空気の巻き込みや、溶剤または水分の揮発によって、防水塗膜とアスファルトコンクリート舗装合材との一体性が低下することがない。また、熱溶融性樹脂ペレットや粉体を用いることによる飛散や点接着による接着不良がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の舗装方法の一実施形態を示す断面模式図である。
【図2】防水塗膜上に、熱溶融性接着剤を溶融塗布する方法の第1の例を示す模式図である。
【図3】防水塗膜上に、熱溶融性接着剤を溶融塗布する方法の第2の例を示す模式図である。
【符号の説明】
1・・・下地、2・・・下地プライマー、3・・・防水塗膜、4・・・プライマー、5・・・熱溶融性接着剤層、6・・・アスファルトコンクリート舗装合材、7・・・貫通穴、8・・・熱溶融性接着剤、10・・・パイプ、11・・・ノズル

Claims (4)

  1. アスファルトコンクリート舗装合材を敷設する舗装下地上に、該舗装下地の表面全面を覆うことなく、熱溶融性の接着剤を溶融塗布して、貫通穴が分散して形成された熱溶融性接着剤層を形成し、該熱溶融性接着剤層上に加熱したアスファルトコンクリート舗装合材を敷設して、前記舗装下地と前記熱溶融性接着剤層と前記アスファルトコンクリート舗装合材とを接着一体化することを特徴とする舗装方法。
  2. アスファルトコンクリート舗装合材を敷設する舗装下地上に、合成樹脂製の防水塗膜またはメンブレン防水層を形成し、該防水塗膜またはメンブレン防水層上に、その表面全面を覆うことなく熱溶融性の接着剤を溶融塗布して熱溶融性接着剤層を形成し、該熱溶融性接着剤層上に加熱したアスファルトコンクリート舗装合材を敷設して、前記防水塗膜またはメンブレン防水層と前記熱溶融性接着剤層と前記アスファルトコンクリート舗装合材とを接着一体化することを特徴とする舗装方法。
  3. 前記熱溶融性の接着剤の軟化点は35℃〜130℃であることを特徴とする請求項1または2記載の舗装方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の舗装方法によって施工されたことを特徴とするアスファルト舗装構造体。
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