JP2004035861A - 部品の接合方法および接合物 - Google Patents

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Shinji Kobayashi
小林 慎司
Hironori Uemoto
植本 浩紀
Ryuichi Furukawa
古川 龍一
Noboru Murayama
村山 昇
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Abstract

【課題】接着が必要な部分のみに過不足なく、光透過率が高く、均一な厚みの接合面を安価な材料で形成する接合方法を提供することを目的とする。
【解決手段】使用する接着剤の表面張力よりも低い臨界表面張力の素材で構成もしくはコーティングされる非粘着性部材3を、接着剤の必要な部分の外周にそって設置し、被接着物2側接合面と母材1側接合面とを平行に押し付ける機構により押圧し、接着剤の硬化開始後に非粘着性部材を取り除く。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明の部品の接合方法および接合物に関し、特に基板を貼り合わせるDVDメディアにおける部品の接合方法および接合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高精度部品の接着固定には、熱硬化型や二液混合型の接着材の代わりに、硬化時間が短くて扱いやすい紫外線硬化型(以下UV硬化型)接着材が多く使われるようになった。しかし、UV硬化型接着剤は酸素による硬化阻害があることが一般的である。従って、接合面からはみ出した余剰部分の接着剤は外気に触れると硬化しにくい。この余剰部分を完全硬化させるためには、本来必要なUVエネルギーの数倍を必要とする。そのため、硬化時間が長くなり、母材もしくは被接着物がダメージを受けるなどの支障があるばかりか、外観も損なってしまう。
【0003】
同じ形状の円板2枚を貼り合わせるDVDメディアの場合は、はみ出た接着剤は外観不良として商品価値を下げてしまう。また接着剤がメディアの中心孔部分にはみ出した場合は、商品規格を満たさない不良品になるばかりか、製造ラインの内径ボスに付着し、その他の良品メディアを次々と汚したり、生産ラインを止めてしまう致命的な状態をも引き起こしてしまう。
【0004】
また、従来の部品の接合方法として、以下のような従来技術がある。特開2001−18347号公報の「積層体の製造方法」は、孔のあいた基板および樹脂フィルムを孔同士が対面するように重ね合わせると共に、対面した孔に挿入体を挿入する。この重ね合わせ体を加熱して樹脂を硬化させて基板同士を接合一体化する。その後、挿入体を孔から抜き出す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような不具合を解決する手段として接着させたい部分のみに接着剤を転写するスクリーン印刷方法がある。この方法によって余剰部分はなくなるが、細かいメッシュを通して転写されるので、見た目にはきれいな透明膜であっても、ミクロ的には接着剤の無い部分が多数存在する。ひどい場合には白濁してしまう。液晶デバイスの接合、PDPなどのカバーガラスの接合、DVDメディアの中でもDVD−9と呼ばれる両面タイプの接合、次世代DVDで主流となっている0.1mmカバー基板の接合、光ディスクのピックアップにおける偏向板の接合など、接合面にて高い光透過率を要する用途には白濁する接着剤は論外であり、さらに見た目には透明に見えるものであっても、接着剤のある部分と無い部分がミクロ的に存在すると光ディスク用途には使用できない。
【0006】
従ってこのような用途には透明な液状のUV硬化型接着剤を塗布した後、重ね合わせてから接合物自体を高速回転させ、遠心力により余剰接着剤を振り切るスピンコート方法が主流であり、実際にDVDメディアの貼り合わせ工程で多用されている。しかし、前述したはみ出しによる不具合の他にも、高速振り切りによって飛散した余剰接着剤の回収やその清掃が困難であることや、余剰部分の接着剤が高くなることといった問題がある。
【0007】
また接着の必要な形状にあらかじめ粘着シートを加工しておき、それをサンドイッチさせる方法もあるが、粘着シートの供給方法や剥離紙の回収などで量産に向かないことや、接着剤のコストがスピンコート方法に比べて30倍ほど高くなってしまうことから現実的には実験用途に限られている。
【0008】
以上のことから例えばDVD−9メディアの接合工程における接着剤の供給方法として、スクリーン印刷方法は光透過率の問題で不可であり、粘着シート方法は量産性の面で不可であり、接合端面の接着剤はみ出しによる商品価値の減少を知りつつも、スピンコート方法を採用しているのが現実である。
【0009】
本発明は係る問題に鑑みてなされたもので、接着が必要な部分のみに過不足なく、光透過率が高く、均一な厚みの接合面で安価な材料で形成する接合方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の部品の接合方法は、母材もしくは被接着物の少なくとも一方に液状の接着剤を付け、母材と被接着物を押圧し、接着剤を硬化させる接合方法において、使用する接着剤の表面張力よりも低い臨界表面張力の素材で構成もしくはコーティングされる非粘着性部材を、接着剤の必要な部分の外周に沿って設置し、被接着物側接合面と母材側接合面とを平行に押し付ける機構により押圧し、接着剤の硬化開始後に前記非粘着性部材を取り除くことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の部品の接合方法は、非粘着性部材をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等に代表されるフッ素樹脂とすることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の部品の接合方法は、非粘着性部材を連続空孔のなる多孔質体とすることを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の部品の接合方法は、多孔質体の平均孔径を0.1μmから300μmとすることを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の部品の接合方法は、非粘着性部材を母材と被接着物の間に挟み込む位置に設置することを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の部品の接合方法は、非粘着性部材の厚みを所望する接着剤の厚みを1から2倍にすることを特徴とする。
【0016】
請求項7記載の部品の接合方法は、母材もしくは被接着物の保持部材として平面ガラスを利用することを特徴とする。
【0017】
請求項8記載の部品の接合方法は、母材と被接着物との平行に押し付ける機構としてエアシリンダを利用することを特徴とする。
【0018】
請求項9記載の部品の接合方法は、母材と被接着物との平行に押し付ける機構としてトルクモータを利用することを特徴とする。
【0019】
請求項10記載の部品の接合方法は、事前に滴下しておく接着剤の吐出機構に、吐出量を一定にする制御機構を不可することを特徴とする。
【0020】
請求項11記載の部品の接合方法は、接着剤の種類をラジカル型のUV硬化樹脂とすることを特徴とする。
【0021】
請求項12記載の部品の接合方法は、母材もしくは被接着物と接着剤との接液から展延時に気泡の巻き込みを防止する機構を付加したことを特徴とする。
【0022】
請求項13記載の部品の接合方法は、非粘着性部材にて母材と被接着物との位置決めを行うことを特徴とする。
【0023】
請求項14記載の部品の接合方法は、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法をもって仮接合とし、別ユニットにて本接合とすることを特徴とする。
【0024】
請求項15記載の部品の接合方法および接合物は、請求項1から14のいずれか1項に記載の方法により接合された接合方法および接合物を特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
実施例ではいずれも母材1、被接着物2ともに一般グレードのポリカーボネート(PC)を使用した。一般的なPCの臨界表面張力γcは42mN/mである。接着剤はラジカルUV型で25℃における表面張力は38mN/m、粘度は450cpsのものを使用した。非粘着性部材にはPTFEを使用した。一般的なPTFEの臨界表面張力γcは18.5mN/mである。多孔質の非粘着性部材には平均孔径10μmのPTFEシートを使用した。
以上の使用した部材の表面張力の値を小さい順に並べると以下のようになる。ここで括弧内の数値が表面張力で、単位はmN/mである。
非粘着性部材(18.5)<接着剤(38)<母材=被接着物(42)
よって、接着剤は母材や被接着物よりも表面張力が小さいので、母材や被接着物に対してよく濡れる(接触角が90度以下となる)ので、しっかり接着されるはずである。
【0026】
一方、接着剤は非粘着性部材よりも表面張力が大きいので、非粘着性部材に対しては濡れない(接触角が90度以上となる)ので、容易に剥離するはずである。実験の結果では、上記の予想通り、母材と被接着物はしっかり接着されており、非粘着性部材は接着剤が染みこんだり、くっついたりすることはなく、容易に剥離することができた。
【0027】
また最近はPTFEなどのフッ素系樹脂を金属や布地などにコーティングする技術が一般的に行われており、このように表面層のみが非粘着性の場合であっても同様の結果を示す。
【0028】
図1と図7は実施例として板厚0.6mmの基板2枚を貼り合わしたDVDメディアを対象に記載してある。これらには情報基板が片側にだけあるもの、両面とも情報基板であるもの、読み出し専用のもの、書き換えできるもの等、多岐にわたっているが、本考案はそれらの種類や組み合わせに限定せず、すべてに適応できるものである。
【0029】
[実施例1]
図2は本発明の実施形態における接合方法を断面図を用いて説明をした図である。
図2▲1▼は、母材1に対し事前に透明で液状のUV硬化接着剤4を適量塗布しておく。この際、UV硬化接着剤4は均一な平面である必要はなく、むしろ図示したような半円状である方が好ましい。これは被接着物2とUV硬化接着剤4との接液から展延時に気泡を巻き込みにくくするためである。また非粘着性部材3を光透過性のある被接着物2の外周部に沿うように母材1に設置しておく。
【0030】
図2▲2▼は、被接着物2が図示しない押し付け機構により母材1と平行に押圧されていくと、UV硬化接着剤4と中央部で接液し、外側に向かって展延していく。その際に被接着物2と非粘着性部材3と母材1に閉じこめられた空気6は被接着物2と非粘着性部材3の隙間から徐々に漏れ出ていく。
【0031】
図2▲3▼は、閉じこめられた空気6が無くなった時点で接着が必要な部分に過不足のない均一な接合面7が形成される。この時点でUV光源5から必要なエネルギーの紫外線を照射し硬化せしめる。
【0032】
図2▲4▼は、硬化が終了した時点で非粘着性部材3を取り除くことではみ出しのない光透過率の高い均一な接合面7を持つ接合が完成する。非粘着性部材3を取り除く際は硬化が完全でない状態であっても構わない。
非粘着性部材3はUV硬化接着剤4に対して濡れないことが重要であり、UV硬化接着剤4の表面張力よりも非粘着性部材3の臨界表面張力を低くしていわゆる疎水性にしておく。こうしておくとUV硬化接着剤4が非粘着性部材3に染み込むこともなく、完全硬化後でも非粘着性部材3は接合面7と容易に分離することができる。
非粘着性部材3の材質をPTFEやPFAに代表されるフッ素樹脂にすると、耐薬品性、耐熱性、耐光性などが申し分ない性能を示し、摩擦係数も0.02〜0.08と低いことから硬化後の接合面7との分離が一層容易となる。
【0033】
非粘着性部材3を連続空孔のある多孔質体とすると、被接着物2と非粘着性部材3と母材1に閉じこめられた空気6は非粘着性部材3の連続空孔から漏れ出すことになる。被接着物2と非粘着性部材3の隙間を無くすことが可能となり、より正確な形状の接合面を形成することが可能となる。
非粘着性部材3の多孔質体の平均孔径を0.1μmから300μmとすると、空気の分子よりもはるかに大きく、UV硬化接着剤4の分子よりもはるかに小さな孔が多量に開いていることになるので、閉じこめられた空気6は容易にこの孔から移動するがUV硬化接着剤4は、はみ出したり染み出したりしない理想の状態になる。
【0034】
[実施例2]
図3は、本発明の実施形態における非粘着性部材の厚みを利用して接着剤の厚みを2倍にする接合方法を示した図である。
図3▲1▼は、非粘着性部材3を被接着物2の外周部と母材1に挟まる位置に設置しておく。
【0035】
図3▲2▼は、母材1に対し事前に透明で液状のUV硬化接着剤4を適量塗布しておく。この際、UV硬化接着剤4は均一な平面である必要はなく、むしろ図示したような半円状である方が好ましい。これは被接着物2とUV硬化接着剤4との接液から展延時に気泡を巻き込みにくくするためである。また非粘着性部材3を光透過性のある被接着物2の外周部に沿うように母材1に設置しておく。
【0036】
被接着物2が図示しない押し付け機構により母材1と平行に押圧されていくと、UV硬化接着剤4と中央部で接液し、外側に向かって展延していく。その際に被接着物2と非粘着性部材3と母材1に閉じこめられた空気6は被接着物2と非粘着性部材3の隙間から徐々に漏れ出ていく。
【0037】
閉じこめられた空気6が無くなった時点で接着が必要な部分に過不足のない均一な接合面7が形成される。この時点でUV光源5から必要なエネルギーの紫外線を照射し硬化せしめる。
【0038】
硬化が終了した時点で非粘着性部材3を取り除くことではみ出しのない光透過率の高い均一な接合面7を持つ接合が完成する。非粘着性部材3を取り除く際は硬化が完全でない状態であっても構わない。
非粘着性部材3はUV硬化接着剤4に対して濡れないことが重要であり、UV硬化接着剤4の表面張力よりも非粘着性部材3の臨界表面張力を低くしていわゆる疎水性にしておく。こうしておくとUV硬化接着剤4が非粘着性部材3に染み込むこともなく、完全硬化後でも非粘着性部材3は接合面7と容易に分離することができる。
【0039】
非粘着性部材3の材質をPTFEやPFAに代表されるフッ素樹脂にすると、耐薬品性、耐熱性、耐光性などが申し分ない性能を示し、摩擦係数も0.02〜0.08と低いことから硬化後の接合面7との分離が一層容易となる。
非粘着性部材3を連続空孔のある多孔質体とすると、被接着物2と非粘着性部材3と母材1に閉じこめられた空気6は非粘着性部材3の連続空孔から漏れ出すことになる。被接着物2と非粘着性部材3の隙間を無くすことが可能となり、より正確な形状の接合面を形成することが可能となる。
非粘着性部材3の多孔質体の平均孔径を0.1μmから300μmとすると、空気の分子よりもはるかに大きく、UV硬化接着剤4の分子よりもはるかに小さな孔が多量に開いていることになるので、閉じこめられた空気6は容易にこの孔から移動するがUV硬化接着剤4は、はみ出したり染み出したりしない理想の状態になる。
【0040】
図3▲3▼は、非粘着性部材3の厚みを、その硬度や柔軟性に応じて所望する接着剤厚みの1から2倍にしておくことで、被接着物2と非粘着性部材3の隙間を無くすことが可能となり、UV硬化接着剤4のはみ出しを防げる。
【0041】
図3▲4▼は、非粘着性部材3を取り除くことで、はみ出しのない光透過率の高い均一な接合面7を持つ接合が完成する。
この方法は被接着物2が薄いフィルム状などで上記請求項1〜4記載の方法では実現困難な用途に適する。
【0042】
図4は、本発明の実施形態における平面ガラスを用いる接合方法を断面図を用いて説明した図である。
図4は図2▲2▼に該当し、光透過性のある平面ガラス8を介して被接着物2を保持している。平面ガラス8は図示しない押し付け機構により母材1と平行に押圧されていく。
【0043】
図5は、本発明の実施形態におけるエアシリンダを用いる接合方法を示した図
である。
図5は図2▲2▼に該当し、エアシリンダ9に供給する圧縮空気の圧力を調整することで、安定した押圧力を得ることができ、さらに任意の値に可変することも可能である。
【0044】
図6は、本発明の実施形態におけるトルクモータを用いる接合方法を示した図である。
図6は図2▲2▼に該当し、トルクモータ10に印加する電圧を調整することで、安定した押圧力を得ることができ、さらに任意の値に可変することも可能である。
【0045】
また、事前に透明で液状のUV硬化接着剤4を適量塗布する際に、図示しない定量吐出型の吐出機を用いたものである。定量吐出型の吐出機は接着剤の温度や粘度によらず、常に一定の量だけを正確に吐出できるので、接着の必要な部分のみに必要な厚みの接合面7を安定して形成することが可能となる。
【0046】
[実施例3]
図7は、本発明の実施形態におけるDVDメディアのカバー基板と情報基盤を貼り合わせる接合方法を示した図である。
図7はDVDメディアのカバー基板11と情報基板12を貼り合わせる事例である。
図7▲1▼は、回転中の情報基板12に対し、UV硬化接着剤4を接着剤吐出ノズル17を介して円周上に吐出する。
【0047】
図7▲2▼は、DVDメディアは中心穴径が15mmに規定されている。そこでカバー基板11と情報基板12との中心を合わせるための中心位置決めボス13を非粘着性でかつ多孔質な部材で形成し、直径15mmの円筒で上部はテーパにしてある。外周側非粘着性リング14も多孔質な部材で形成し、内周穴径120mmのリングでテーパ状にしてある。この中心位置決めボス13と外周側非粘着性リング14が図示しないベースに同心円上に設置されている。そこに▲1▼で作成したUV硬化接着剤4をリング状に積載した情報基板12を先にセットし、次にカバー基板11を気泡混入を防止するために反らせながら情報基板12に近づけていく。閉じこめられた空気6は中心位置決めボス13と外周側非粘着性リング14に設けられた微細孔を通って抜け出す。
【0048】
図7▲3▼は、カバー基板11に所定の押圧力を加えてUV硬化接着剤4を完全に展延した状態である。ここでUV光源5を照射することで硬化せしめる。
【0049】
図7▲4▼は、UV硬化後には内周側端面にも外周側端面にもはみ出した接着剤15が無く、均一な厚みの、中心穴位置の揃ったDVDメディアを形成することができる。
【0050】
また、図2で示した接合方法を仮接合とした場合に、図2▲3▼の工程で閉じ込められて空気6が無くなった時点で接着が必要な部分に過不足のない均一な接合面7が形成された後、図2▲3▼の工程よりも弱いエネルギーの紫外線を照射し、仮止め程度の硬化をする。後に、別ユニットへ搬送し、位置ずれが無いかの確認をし、ある場合が修正し、完全な硬化に必要なエネルギーの紫外線を照射する。
【0051】
以上のような接合方法により接合端面の接着材のはみ出しがなく、過不足が無いことから商品価値を高くすることができる。また、光透過率が高く、接着層の厚みが均一になり、接着強度が安定するため高品質な接合物を提供することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、請求項1記載の発明は、非粘着性部材の臨界表面張力がUV硬化接着剤の表面張力よりも低くしてあるのでUV硬化接着剤が非粘着性部材に染み込むこともなく、被接着物側接合面と母材側接合面とを平行に押し付ける機構により押圧するので接着層の厚みが均一となり、完全硬化後でも非粘着性部材とUV硬化接着剤とは容易に分離することができる。また安価で透明なUV硬化接着剤を使用しているので、はみ出しのない光透過率の高い均一な接合面を安価に形成することができる。
【0053】
その結果、接合端面の接着剤はみ出しがなく、過不足が無いので見た目がきれいなことから商品価値が高い。
光透過率が高いので、接着層の厚みが均一で接着強度が安定なことから高品質である。
振り切りコータが不要なことから製造装置が安い。
振り切りによる接着剤飛散が無いので、余剰接着剤の回収不要となり製造メンテナンスが容易になる。
端面の余剰接着剤を硬化させる必要がなくので、速いタクトタイムでできる。
以上のようなことから生産できる新たな接合方法を提供することができる。
【0054】
請求項2記載の発明は、非粘着性部材の材質をPTFEやPFAに代表されるフッ素樹脂にしてあるので、耐薬品性、耐熱性、耐光性などが非常に高いので接着剤の選択肢の幅が広がる上に、長時間の使用でも安定している。また摩擦係数も0.02〜0.08と低いことから硬化後の接合面との分離が一層容易となる。現在材質がPTFEの多孔質部材はカタログ販売されており、安く簡単に入手することが可能である。
【0055】
請求項3記載の発明は、非粘着性部材を連続空孔のある多孔質体としてあるので、被接着物と非粘着性部材と母材に閉じ込められた空気はより容易に外部に抜け出すことができる。被接着物と非粘着性部材の隙間を無くすことが可能となるので、隙間部分にバリが生じなくなる上に、より正確な形状の接合面を形成することが可能である。
【0056】
請求項4記載の発明は、非粘着性部材の多孔質体の平均孔径を0.1μmから300μmとしてあるので、閉じ込められた空気の移動速度と、UV硬化接着剤の染み出しにくさを特に両立しやすくなる。
【0057】
請求項5記載の発明は、非粘着性部材を被接着物の外周部と母材に挟まる位置に設置してあるので、被接着物が薄いフィルム状などの柔らかい材質であっても、上記請求項と同様の効果を発揮することができる。
【0058】
請求項6記載の発明は、実用できる強度を有する多孔質部材は、その空孔率が50%未満であることから、非粘着性部材の厚みを所望する接着剤厚みの1から2倍にしてあるので、閉じ込められた空気の通気性を確保しながら被接着物と非粘着性部材の隙間を最終的に無くすことが可能となる。
【0059】
請求項7記載の発明は、光透過性のある平面ガラスによって被接着物が保持されているので、被接着物が薄膜状のフィルムや厚さ0.1mmの樹脂板のように柔らかいものであってもガラスの平面度に矯正されて、均一な厚みの接合面を形成することが可能となる。また平面ガラスは光透過性があるので、この状態でムラなく紫外線照射することが可能である。また平面ガラスの自重を押し付け力に利用した場合は、シンプルな構造でありながら一定で均一な押圧力が得られる。
【0060】
請求項8記載の発明は、エアシリンダーの押圧力を利用しているので、供給する圧縮空気の圧力を調整することで安定した任意の押圧力が得ることができる。
【0061】
請求項9記載の発明は、トルクモータの押圧力を利用しているので、印加する電圧を調整することで、安定した任意の押圧力を得ることができる。
【0062】
請求項10記載の発明は、定量吐出型の吐出機を使用するので、接着剤の温度や粘度によらず常に一定の量だけを正確に吐出できる。その結果、接着層の厚みを制御することが可能となる。
【0063】
請求項11記載の発明は、接着剤の種類をラジカル型のUV硬化樹脂としてあるので、カチオン型のUV硬化樹脂と比べて、効果時間が短く生産タクトタイムを早くすることができる。また熱硬化型と比べると、熱の影響を受けにくいので薄く柔らかい接合物であっても反りが少ない。
【0064】
請求項12記載の発明は、母材もしくは被接着物と接着剤との接液から展延時に気泡の巻き込みを防止する機構を付加してあるので、最終的な均一接合面に気泡を無くすことができる。
【0065】
請求項13記載の発明は、位置決め用のボス自体が多孔質の非粘着性部材なので、高い位置合わせ精度を出すことが可能である。また、閉じ込められた空気も多孔質の中心位置決めボスから抜け出すため、基板中心孔径まで接着剤が完全に存在し、剥がれにくく、強くなる。また中心部に気泡がないので外観不良の発生も無くなる。
【0066】
請求項14記載の発明は、本方法をもって仮接合とし、別ユニットにて本接合とするので、生産ユニットを分離でき、生産タクトタイムを早くすることができる。
【0067】
請求項15記載の発明は、接合端面の接着剤はみ出しがなく過不足が無いので見た目がきれいなことから商品価値と高くする。また光透過率が高く、接着層の厚みが均一で、接着強度が安定なことから高品質を保つ。さらに安価な接着剤を使用し、余剰分が不要となることから材料コストを安くすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるDVDメディアを実施例として示した図である。
【図2】本発明の実施形態における接合方法を断面図を用いて説明をした図である。
【図3】本発明の実施形態における非粘着性部材を利用して接着材の厚みを2倍にする接合方法を示した図である。
【図4】本発明の実施形態における平面ガラスを用いる接合方法を断面図を用いて説明をした図である。
【図5】本発明の実施形態におけるエアシリンダを用いる接合方法を示した図である。
【図6】本発明の実施形態におけるトルクモータを用いる接合方法を示した図である。
【図7】本発明の実施形態におけるDVDメディアのカバー基板と情報基板を貼り合わせる接合方法を示した図である。
【符号の説明】
1 母材
2 被接着物
3 非粘着性部材
4 UV硬化接着剤
5 UV光源
6 閉じ込められた空気
7 均一な接合面
8 平面ガラス
9 エアシリンダー
10 トルクモータ
11 カバー基板
12 情報基板
13 中心位置決めボス
14 外周側非粘着性リング
15 接合部端面からはみ出した接着剤
16 DVDメディア
17 接着剤吐出ノズル

Claims (15)

  1. 母材もしくは被接着物の少なくとも一方に液状の接着剤を付け、母材と被接着物を押圧し、接着剤を硬化させる接合方法において、
    使用する接着剤の表面張力よりも低い臨界表面張力の素材で構成もしくはコーティングされる非粘着性部材を、接着剤の必要な部分の外周に沿って設置し、被接着物側接合面と母材側接合面とを平行に押し付ける機構により押圧し、接着剤の硬化開始後に前記非粘着性部材を取り除くことを特徴とする部品の接合方法。
  2. 前記非粘着性部材をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等に代表されるフッ素樹脂とすることを特徴とする請求項1記載の部品の接合方法。
  3. 前記非粘着性部材を連続空孔のなる多孔質体とすることを特徴とする請求項1または2記載の部品の接合方法。
  4. 前記多孔質体の平均孔径を0.1μmから300μmとすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の部品の接合方法。
  5. 前記非粘着性部材を前記母材と前記被接着物の間に挟み込む位置に設置することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の部品の接合方法。
  6. 前記非粘着性部材の厚みを所望する接着剤の厚みを1から2倍にすることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の部品の接合方法。
  7. 前記母材もしくは前記被接着物の保持部材として平面ガラスを利用することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の部品の接合方法。
  8. 前記母材と前記被接着物との前記平行に押し付ける機構としてエアシリンダを利用することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の部品の接合方法。
  9. 前記母材と前記被接着物との前記平行に押し付ける機構としてトルクモータを利用することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の部品の接合方法。
  10. 事前に滴下しておく前記接着剤の吐出機構に、吐出量を一定にする制御機構を不可することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の部品の接合方法。
  11. 前記接着剤の種類をラジカル型のUV硬化樹脂とすることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の部品の接合方法。
  12. 前記母材もしくは前記被接着物と前記接着剤との接液から展延時に気泡の巻き込みを防止する機構を付加したことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の部品の接合方法。
  13. 前記非粘着性部材にて前記母材と前記被接着物との位置決めを行うことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の部品の接合方法。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の方法をもって仮接合とし、別ユニットにて本接合とすることを特徴とする部品の接合方法。
  15. 請求項1から14のいずれか1項に記載の方法により接合することを特徴とする部品の接合方法および接合物。
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