JP2004035496A - ホモアリルハライドの合成方法 - Google Patents

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JP2004035496A JP2002196372A JP2002196372A JP2004035496A JP 2004035496 A JP2004035496 A JP 2004035496A JP 2002196372 A JP2002196372 A JP 2002196372A JP 2002196372 A JP2002196372 A JP 2002196372A JP 2004035496 A JP2004035496 A JP 2004035496A
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Yoshinori Yamamoto
山本 嘉則
Shiribarudana Amaru
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Abstract

【課題】ホモアリルハライドを、一段階の反応により高い収率で合成する方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表わされるアルキリデンシクロプロパンに、1.0〜1.5当量のハロゲン化水素を有機溶液として又はガス状で添加し、不活性ガス雰囲気中、110℃〜130℃で5分〜1時間反応させて、下記一般式(2)で表わされるホモアリルハライドを合成する方法である。
【化1】
Figure 2004035496

(上記一般式中、R及びRは同一でも異なっていてもよく、置換又は非置換の炭素数6〜8のアリール基、置換又は非置換の直鎖又は分岐した炭素数1〜8のアルキル基、もしくは置換又は非置換の炭素数5〜7のシクロアルキル基である。R及びRのいずれか一方は、水素原子でもよい。Xはハロゲン原子である。)
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホモアリルハライドの合成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホモアリルハライドは、合成試薬としての多様性のために、一般的および特殊な製薬や農薬産業において相当注目されている。しかしながら、一般的な合成ルートが乏しいことから、ホモアリルハライドの合成方法は極僅かしか研究されていない。すでに報告されている手法は、多段階の反応を必要として範囲が制限され、収率が低く、緩和な条件で容易に行なうことができない。さらに、反応時間が長く、反応の出発原料となる化合物が非常に高価であるため合成コストも高額となる。
【0003】
従来の方法では、蒸留による精製が必要とされるため収率が低下し、立体的に嵩高い置換基を有するホモアリルハライドを合成した際には、収率の大幅な低下が確認されている。また、反応基質にエステル基が共存する化合物は容易に合成することができず、非対称ホモアリルハライド(RとRが異なる置換基)の合成に関しては、検討されていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、ホモアリルハライドを、一段階の反応により高い収率で合成する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記一般式(1)で表わされるアルキリデンシクロプロパンに、1.0〜1.5当量のハロゲン化水素を有機溶液としてまたはガス状で添加し、不活性ガス雰囲気中、110℃〜130℃で5分〜1時間反応させて、下記一般式(2)で表わされるホモアリルハライドを合成する方法が提供される。
【0006】
【化3】
Figure 2004035496
【0007】
【化4】
Figure 2004035496
【0008】
(上記一般式中、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、置換または非置換の炭素数6〜8のアリール基、置換または非置換の直鎖または分岐した炭素数1〜8のアルキル基、もしくは置換または非置換の炭素数5〜7のシクロアルキル基である。RおよびRのいずれか一方は、水素原子でもよい。Xはハロゲン原子である。)
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0010】
鋭意研究の結果、本発明者らは、メチレンシクロプロパンのようなアルキリデンシクロプロピリデンが、ホモアリルハライドを合成するための有用な出発物質となることを見出した。例えばメチレンシクロプロパンは、近年、多用途の構造単位として有機合成に利用されつつあるものの、歪みのレベルが高く、極めて安定であるために反応性が低い。
【0011】
本発明においては、こうしたアルキリデンシクロプロパンを原料として、一段階の反応によりホモアリルハライドを高い収率で得ることを可能としたものである。
【0012】
前記一般式(1)において、R、Rとして導入されるアリール基としては、炭素数6〜8であれば特に限定されず、例えば、フェニル基、オルト,メタ,パラ−トリル基、パラ−エチルフェニル基、およびメタ,パラ−ジメチルトリル基などが挙げられる。こうしたアリール基は、例えば、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、およびハロゲン基等によりで置換されていてもよい。
【0013】
、Rとして導入されるアルキル基としては、直鎖または分岐した炭素数1〜8の任意のものが挙げられる。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、およびオクチル基などである。こうしたアルキル基には、例えば、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、およびハロゲン基など、さらには、フェニル基のようなアリール基、または(−COEt)のようなエステル基などが置換基として導入されていてもよい。
【0014】
、Rとして導入されるシクロアルキル基としては、炭素数5〜7であれば特に限定されず、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、およびシクロヘプチル基などが挙げられる。こうしたシクロアルキル基は、例えば、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、およびハロゲン基等により置換されていてもよい。
【0015】
前記一般式(1)におけるRおよびRが立体的に嵩高い基を含む場合でも、本発明の方法により高い収率でホモアリルハライドを合成することができる。例えば、RおよびRが、いずれもアリール基、シクロアルキル基、または分岐したアルキル基のような場合である。
【0016】
また、Grinard試薬を必要としないため、例えば−COEtのようなエステル基がRおよびRの少なくとも一方に導入されている場合でも、本発明の方法により高い収率でホモアリルハライドを合成することができる。
【0017】
さらに、水素原子がRおよびRの少なくとも一方として水素原子が導入されている場合には、本発明の方法により非対称ホモアリルハライドを、trans/cis選択的に得ることができる。
【0018】
一般式(1)で表わされるアルキリデンシクロプロパンは、110〜130℃の温度で所定時間、不活性ガス雰囲気中でハロゲン化水素と反応させることにより、シクロプロパン環が開環して、水素原子とハロゲン原子とが付加される。この反応は容易に進行して、前記一般式(2)で表わされるホモアリルハライドが高い収率で得られる。
【0019】
ハロゲン化水素としては、所望のハロゲンを含有するもの、例えば、塩化水素または塩化臭素を用いることができ、有機溶液としてまたはガス状で添加する。有機溶液の溶媒としては、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、または酢酸を用いることができる。ガス状で添加する場合には、アルキリデンシクロプロパンが収容された容器内に、所定のハロゲン化水素ガスを吹き込めばよい。
【0020】
いずれの状態で添加する場合も、ハロゲン化水素の量は、アルキリデンシクロプロパンに対して1.0当量以上1.5当量以下とする必要がある。1.0当量未満の場合には、シクロプロパンの開環を完全に行なうことが困難となる。一方、1.5当量を越えると、生成したホモアリルハライドの副反応が起こるおそれがある。
【0021】
アルキリデンシクロプロピレンとハロゲン化水素とを反応させるにあたって、反応温度が110℃未満の場合には、高い収率でホモアリルハライドを得ることができない。一方、130℃より高い高温としたところで、収率をさらに高めることは期待できず、ホモアリルハライドおよびアルキリデンシクロプロパンが分解するおそれもある。
【0022】
また、反応時間は5分以上1時間以下の範囲内に規定される。5分未満の場合には、ホモアリルハライドへの変換が十分でなく、高収率で目的物を得ることが困難となる。一方、1時間を越えた場合には、副反応が起こって目的物の収率の低下を招くおそれがある。
【0023】
さらに、空気中の湿気があるとホモアリルハライドの収率低下を招くので、これを防ぐために、反応は不活性ガス雰囲気中で行なわなければならない。不活性ガスは特に限定されず、窒素ガス、アルゴンガス等、任意の不活性ガスを用いることができる。
【0024】
反応が終了した後には、生成物はシリカゲルカラムにより簡便に精製することができ、収率を低下させることはない。
【0025】
上述したように、一般式(1)で表わされるアルキリデンシクロプロパンを出発物質として用いて、有機溶液としてまたはガス状でハロゲン化水素を特定の条件で反応させる本発明の方法によって、一般式(2)で表わされるホモアリルハライドを一段階の反応により高い収率で合成することが始めて可能となった。
【0026】
特に、シクロヘキシル基などの嵩高い置換基が導入されたホモアリルハライドも、高い収率で得られる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、具体例を示して本発明のホモアリルハライドの合成方法をさらに詳細に説明する。
【0028】
(実施例1)
まず、当モル量のトリメチレンブロマイドとトリフェニルフォスフィンとを、キシレン中、130℃で16時間加熱した。生成物をエタノールで再結晶化させた結果、3−ブロモプロピルトリフェニルホスホニウムブロマイドが90%の収率で得られた。
【0029】
3−ブロモプロピルトリフェニルホスホニウムブロマイド(10.212g,22mmol)をテトラヒドロフラン(100ml)に懸濁させ、アルゴン雰囲気中、室温にて、t−BuOK(4.937g,44mmol)を15分毎に3回に分けて添加した。2時間の還流を行なった後、TLCにより反応をモニターしつつ、5−ノナノン(3.5ml,20.3mmol)を65℃で黄褐色の懸濁液に添加した。
【0030】
2時間後、反応混合物を室温に冷却して100mlの水を加え、ヘキサンにより2回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した後、残渣をセライトで濾過した。次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)にて精製したところ、下記化学式(1b)で表わされる化合物((1−ブチル−ペンチリデン)−シクロプロパン)が73%の収率で得られた。
【0031】
【化5】
Figure 2004035496
【0032】
前記化学式(1b)で表わされる(1−ブチル−ペンチリデン)−シクロプロパン(83.1mg,0.5mmol)を加圧ビンに収容して、4M(0.14ml,0.55mmol)のHCl(アルドリッチ社製)を含有する1,4−ジオキサンを加えた。この混合物を、アルゴン雰囲気中、120℃で5分から1時間攪拌した。
【0033】
反応の終了をカラムクロマトグラフィーにより確認した後、酢酸エチルを抽出剤として用いて、短いシリカカラムにより混合物を濾過した。シリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)にて分離したところ、空気に敏感な生成物が96%の収率で得られた。
【0034】
以下の分析装置を用いて、得られた生成物のスペクトルを測定した。
【0035】
JEOL JNMLA−300(H,13C NMR)
島津製作所製 FTIR−A(FT−IR)
日立 M−2500s(HRMS)
カラムクロマトグラフィーは、シリカゲル60(Merck製、230〜400メッシュ)を用いて行なった。
H NMRスペクトルは300MHzで、13C NMRは75MHzで、いずれもCDCl中で測定した。
本実施例において合成された化合物の特性を、以下にまとめる。
【0036】
IR(neat):
2958〜2860,1660,1465,1379,1294,1238
900,875,850,744,727,719cm−1
H NMR(CDCl,300MHz):
δ 0.88(t,J=7.0Hz,6H),
1.20〜1.40(m,8H)
2.00(m,4H)
2.46(q,J=7.3Hz,2H)
3.47(t,J=7.4Hz,2H)
5.11(t,J=7.2Hz,1H)
13C NMR(CDCl,75MHz):
δ 13.98,22.44,23.15,29.77,29.94
30.29,30.67,31.32,36.53,44.56
1223Clについての高分解能マススペクトルHRMS(EI):
計算値 m/z 202.1488
実測値 m/z 202.1504
以上の分析結果から、本実施例で得られた化合物は、下記化学式(2b)で表される4−ブチル−1−クロロ−オクト−3−エンと同定した。
【0037】
【化6】
Figure 2004035496
【0038】
なお、4MのHClを含有する1,4−ジオキサンの代わりに1MのHClを含有するジエチルエーテルを用いた以外は、前述と同様の手法により前述の(1−ブチル−ペンチリデン)−シクロプロパンと反応させた場合には、4−ブチル−1−クロロ−オクト−3−エンの収率は95%であった。
【0039】
比較のためにより低い温度(60〜100℃)で反応を行なったところ、より長い時間を要するのみならず、収率の低下が確認された。
【0040】
以下の実施例2〜8においては、HClは4Mの1,4−ジオキサン溶液として用いた。
【0041】
(実施例2)
前記化学式(1b)で表わされる(1−ブチル−ペンチリデン)−シクロプロパンを下記化学式(1a)で表わされる(1−シクロプロピリデン−メチル)−ベンゼンに変更した以外は、前述の実施例1と同様の手法により塩化水素と反応させた。
【0042】
【化7】
Figure 2004035496
【0043】
生成物の収率は99%であった。この生成物の特性を前述と同様に評価し、得られた結果を以下にまとめる。
【0044】
IR(neat):
3080〜2956,1596,1575,1494,1444,1363
1296,1236,1155,1074,1028,921,867
759,700,659,630cm−1
H NMR(CDCl,300MHz):
δ 2.64(q,J=7.1Hz,2H)
3.60(t,J=7.1Hz,2H)
6.16(d,J=7.3Hz,1H)
7.21〜7.44(m,10H)
13C NMR(CDCl,75MHz):
δ 32.83,44.29,124.72,127.21,127.84
128.09,128.27,129.65
1615Cl(242.74)についての元素分析値:
計算値 C:79.17,H:6.23,Cl:14.61
実測値 C:79.15,H:6.79,Cl:14.56
1615ClについてのHRMS(EI):
計算値 m/z 242.0862
実測値 m/z 242.0897
以上の分析結果から、本実施例で得られた化合物は、下記化学式(2a)で表される(4−クロロ−1−フェニル−ブト−1−エニル)−ベンゼンと同定した。
【0045】
【化8】
Figure 2004035496
【0046】
(実施例3)
前記化学式(1b)で表わされる(1−ブチル−ペンチリデン)−シクロプロパンを下記化学式(1c)で表わされる(1−ヘキシル−ヘプチリデン)−シクロプロパンに変更した以外は、前述の実施例1と同様の手法により塩化水素と反応させた。
【0047】
【化9】
Figure 2004035496
【0048】
生成物の収率は94%であった。この生成物の特性を前述と同様に評価し、得られた結果を以下にまとめる。
【0049】
IR(neat):
2956〜2856,1558,1541,1508,1465,1456
1379,1315,1294,1238,1118,939,844
723,659cm−1
H NMR(CDCl,300MHz):
δ 0.86(t,J=6.9Hz,6H)
1.25〜1.34(m,16H)
1.93〜2.00(m,4H)
2.45(q,J=7.1Hz,2H)
3.49(t,J=7.5Hz,2H)
5.09(t,J=7.1Hz,1H)
13C NMR(CDCl,75MHz):
δ 14.08,22.65,28.06,28.44,29.06
29.45,30.22,31.34,31.77,36.83
44.61,119.55,143.41
1631Cl(258.87)についての元素分析値:
計算値 C:74.23,H:12.07,Cl:13.70
実測値 C:73.76,H:12.60,Cl:12.19
1631ClについてのHRMS(EI):
計算値 m/z 258.2114
実測値 m/z 258.2110
以上の分析結果から、本実施例で得られた化合物は、下記化学式(2c)で表される1−クロロ−4−ヘキシル−デカ−3−エンと同定した。
【0050】
【化10】
Figure 2004035496
【0051】
(実施例4)
前記化学式(1b)で表わされる(1−ブチル−ペンチリデン)−シクロプロパンを下記化学式(1d)で表わされる対称の(1−シクロプロピリデン−シクロヘキシル)−シクロヘキサンに変更した以外は、前述の実施例1と同様の手法により塩化水素と反応させた。
【0052】
【化11】
Figure 2004035496
【0053】
生成物の収率は89%であった。この生成物の特性を前述と同様に評価し、得られた結果を以下にまとめる。
【0054】
IR(neat):
2925〜2850,1448,1348,1317,1294,1259
1236,1072,1028,975,920,893,844,759
723,657cm−1
H NMR(CDCl,300MHz):
δ 1.04〜1.71(m,20H)
2.49(q,J=7.3Hz,2H)
3.42(q,J=7.3Hz,2H)
5.05(t,J=7.1Hz,1H)
13C NMR(CDCl,75MHz):
δ 14.08,22.84,29.56,33.44,34.70
45.67,112.35,122.11,122.29
122.74,123.95,144.77,150.47
1627ClについてのHRMS(EI):
計算値 m/z 254.1801
実測値 m/z 254.1788
以上の分析結果から、本実施例で得られた化合物は、下記化学式(2d)で表される(4−クロロ−1−ヘキシル−ブト−1−エニル)−シクロヘキサンと同定した。
【0055】
【化12】
Figure 2004035496
【0056】
(実施例5)
前記化学式(1b)で表わされる(1−ブチル−ペンチリデン)−シクロプロパンを下記化学式(1e)で表わされる非対称の(3−シクロプロピリデン−メチル)−シクロヘキサンに変更した以外は、前述の実施例1と同様の手法により塩化水素と反応させた。
【0057】
【化13】
Figure 2004035496
【0058】
生成物の収率は85%であった。この生成物の特性を前述と同様に評価し、得られた結果を以下にまとめる。
【0059】
IR(neat):
2925〜2852,1743,1541,1508,1448,1373
1346,1315,1294,1261,1238,1137,1070
1039,939,891,840,758,723,659cm−1
H NMR(CDCl,300MHz):
δ 1.04〜1.27(m,5H)
1.53〜1.86(m,9H)
2.45(q,J=6.9Hz,2H)
3.45(t,J=7.1Hz,2H)
5.11(t,J=6.9Hz,1H)
13C NMR(CDCl,75MHz):
δ 14.54,26.32,26.66,31.38,31.84
44.43,47.30,117.71,143.96
1119Cl(186.72)についての元素分析値:
計算値 C:70.76,H:10.26,Cl:18.99
実測値 C:70.55,H:10.80,Cl:18.85
1119ClについてのHRMS(EI):
計算値 m/z 186.1175
実測値 m/z 186.1165
以上の分析結果に加え、H NMR(500MHz)の測定から、本実施例で得られた化合物は、下記化学式(2e)で表されるE型異性体の(4−クロロ−1−メチル−ブト−1−エニル)−シクロヘキサンと同定した。
【0060】
【化14】
Figure 2004035496
【0061】
(実施例6)
前記化学式(1b)で表わされる(1−ブチル−ペンチリデン)−シクロプロパンを下記化学式(1f)で表わされるオクチリデンシクロプロパンに変更した以外は、前述の実施例1と同様の手法により塩化水素と反応させた。
【0062】
【化15】
Figure 2004035496
【0063】
反応は、開始から10分経過する前に終了して、87%の収率で生成物が得られた。この生成物の特性を前述と同様に評価し、得られた結果を以下にまとめる。
【0064】
IR(neat):
2989〜2854,1508,1485,1458,1379,1292
1236,1114,1074,1022,968,869,723
661cm−1
H NMR(CDCl,300MHz)トランス異性体:
δ 0.88(t,J=6.1Hz,3H)
1.08〜1.37(m,10H)
1.97〜2.14(m,2H)
2.44(q,J=6.9Hz,2H)
3.50(t,i=7.1Hz,2H)
5.34〜5.44(m,1H)
5.49〜5.59(m,1H)
13C NMR(CDCl,75MHz):
δ 14.07,22.65,29.07,29.14,29.23
29.30,31.83,32.53,35.92,125.43
134.07
1121Cl(188.73)についての元素分析値:
計算値 C:70.00,H:11.21,Cl:18.78
実測値 C:69.91,H:11.85,Cl:10.02
1121ClについてのHRMS(EI):
計算値 m/z 188.1332
実測値 m/z 188.1304
さらに、H NMR(500MHz)により生成物のシス/トランス選択性を測定したところ、トランス位の水素について15.5HzのJHHが確認された。
【0065】
以上の分析結果から、本実施例で得られた化合物は、下記化学式(2f)で表されるトランス体の1−クロロ−ウンデカ−3−エンと同定した。
【0066】
【化16】
Figure 2004035496
【0067】
(実施例7)
前記化学式(1b)で表わされる(1−ブチル−ペンチリデン)−シクロプロパンを下記化学式(1g)で表わされる(3−シクロプロピリデン−プロピル)−ベンゼンに変更した以外は、前述の実施例1と同様の手法により塩化水素と反応させた。
【0068】
【化17】
Figure 2004035496
【0069】
反応は、開始から10分が経過する前に終了して、生成物の収率は86%であった。この生成物の特性を前述と同様に評価し、得られた結果を以下にまとめる。
【0070】
IR(neat):
3084〜2854,1944,1870,1803,1739,1666
1602,1496,1454,1355,1290,1238,1074
1029,970,908,746,698,657cm−1
H NMR(CDCl,300MHz):
δ 2.29〜2.47(m,4H)
2.68(t,J=1.1Hz,2H)
3.47(d,J=7.0Hz,2H)
5.37〜5.43(m,1H)
5.53〜5.63(m,1H)
7.15〜7.30(m,5H)
13C NMR(CDCl,75MHz):
δ 34.30,35.74,35.81,44.33,125.76
126.30,128.23,128.43,132.89
141.76
1215Cl(194.70)についての元素分析値:
計算値 C:74.03,H:7.77,Cl:18.21
実測値 C:73.62,H:8.22,Cl:18.26
1215ClについてのHRMS(EI):
計算値 m/z 194.0862
実測値 m/z 194.0882
さらに、H NMR(500MHz)により生成物のシス/トランス選択性を測定したところ、トランス位の水素について15.5HzのJHHが確認された。
【0071】
以上の分析結果から、本実施例で得られた化合物は、下記化学式(2g)で表される(6−クロロ−ヘキサ−3−エニル)−ベンゼンと同定した。
【0072】
【化18】
Figure 2004035496
【0073】
(実施例8)
前記化学式(1b)で表わされる(1−ブチル−ペンチリデン)−シクロプロパンを、下記化学式(1h)で表わされる4−シクロプロピリデン−ペンタン酸エチルエステルに変更した以外は、前述の実施例1と同様の手法により塩化水素と反応させた。
【0074】
【化19】
Figure 2004035496
【0075】
この化合物は、電子吸引性基としてのエトキシカルボニル基を有している。
【0076】
生成物の収率は83%であった。この生成物の特性を前述と同様に評価し、得られた結果を以下にまとめる。
【0077】
IR(neat):
2979〜2871,1737,1732,1668,1558,1541
1506,1446,1371,1344,1296,1255,1159
1095,1033,941,856,719,655cm−1
H NMR(CDCl,300MHz):
δ 1.17(t,J=2.4Hz,4H)
1.57(s,2H)
2.23〜2.46(m,6H)
3.39(t,J=3.3Hz,2H)
4.05(q,J=7.1Hz,2H)
5.12(t,J=6.3Hz,1H)
13C NMR(CDCl,75MHz):
δ 26.68,26.82,27.11,30.94,34.92
40.37,40.87,44.75,117.29,153.64
1017ClOについてのHRMS(EI):
計算値 m/z 204.0917
実測値 m/z 205.1013
以上の分析結果から、本実施例で得られた化合物は、下記化学式(2h)で表される7−クロロ−4−メチル−ヘプト−4−エノイックアシッドエチルエステルと同定した。
【0078】
【化20】
Figure 2004035496
【0079】
(実施例9)
塩化水素を臭化水素に変更した以外は、前述の実施例1と同様の手法により反応させて、前記化学式(1b)で表わされる(1−ブチル−ペンチリデン)−シクロプロパンに臭化水素を付加した。具体的には、1MのHBr(アルドリッチ社製)を含有する酢酸を用いて、対応するホモアリルブロマイド誘導体を合成した。
【0080】
生成物の収率は95%であった。この生成物の特性を前述と同様に評価し、得られた結果を以下にまとめる。
【0081】
IR(neat):
2956〜2860,1658,1465,1379,1340,1301
1267,1205,1109,1047,646cm−1
H NMR(CDCl,300MHz):
δ 0.88(t,J=6.9Hz,6H)
1.23〜1.40(m,8H)
1.86〜2.12(m,4H)
2.54(q,J=7.5Hz,2H)
3.36(t,J=7.3Hz,2H)
5.07(t,J=7.0Hz,1H)
13C NMR(CDCl,75MHz):
δ 13.99,14.10,22.44,22,84,29.96
30.28,30.68,31.48,33.03,36.51
120.56,143.27
1223Br(247.21)についての元素分析値:
計算値 C:58.30,H:9.38,Br:32.32
実測値 C:58.25,H:9.89,Br:12.52
1223BrについてのHRMS(EI):
計算値 m/z 246.0983
実測値 m/z 246.1005
以上の分析結果から、本実施例で得られた化合物は、下記化学式(2i)で表される4−ブチル−1−ブロモ−オクト−3−エンと同定した。
【0082】
【化21】
Figure 2004035496
【0083】
【0084】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、ホモアリルハライドを、一段階の反応により高い収率で合成する方法が提供される。
【0085】
本発明の方法により合成されたホモアリルハライドは、生物学的に重要な細胞毒性を示す海産天然物を合成する途上で好適に用いることができ、その工業的価値は絶大である。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で表わされるアルキリデンシクロプロパンに、1.0〜1.5当量のハロゲン化水素を有機溶液としてまたはガス状で添加し、不活性ガス雰囲気中、110℃〜130℃で5分〜1時間反応させて、下記一般式(2)で表わされるホモアリルハライドを合成する方法。
    Figure 2004035496
    Figure 2004035496
    (上記一般式中、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、置換または非置換の炭素数6〜8のアリール基、置換または非置換の直鎖または分岐した炭素数1〜8のアルキル基、もしくは置換または非置換の炭素数5〜7のシクロアルキル基である。RおよびRのいずれか一方は、水素原子でもよい。Xはハロゲン原子である。)
  2. 前記一般式(1)におけるRおよびRは、いずれもアリール基を含むことを特徴とする請求項1に記載のホモアリルハライドの合成方法。
  3. 前記一般式(1)におけるRおよびRは、いずれも分岐したアルキル基を含むことを特徴とする請求項1に記載のホモアリルハライドの合成方法。
  4. 前記一般式(1)におけるRおよびRは、いずれもシクロアルキル基を含むことを特徴とする請求項1に記載のホモアリルハライドの合成方法。
  5. 前記一般式(1)におけるRおよびRの少なくとも一方は、エステル基を含むことを特徴とする請求項1に記載のホモアリルハライドの合成方法。
  6. 前記一般式(1)におけるRおよびRのいずれか一方は、水素原子であることを特徴とする請求項1に記載のホモアリルハライドの合成方法。
  7. 前記ハロゲン化水素は、有機溶液として添加されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のホモアリルハライドの合成方法。
  8. 前記有機溶液の溶媒は、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサンおよび酢酸からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項7に記載のホモアリルハライドの合成方法。
  9. 前記ハロゲン化水素は塩化水素であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のホモアリルハライドの合成方法。
  10. 前記ハロゲン化水素は臭化水素であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のホモアリルハライドの合成方法。
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