JP2004034999A - 包装袋の熱交換処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、熱交換処理室の内部にローラコンベア装置を設け、このローラコンベア装置には包装袋の下面側を支えつつ一定方向に搬送するための回転ロールを所定の間隔を配して連続して並設して設けるとともに、包装袋の下面側を支持する位置を各回転ロールによって上下に異ならせて包装袋内の内容物の攪拌作用を促すように配設してなることにより、各回転ロールの回転作動に伴って包装袋が搬送移送されるとともに、その回転ロールの高さ位置が異なる表面上に沿って包装袋の下面側が変形しながら送り出され、包装袋内の液状物質からなる内容物が攪拌されて包装袋内の内容物の効率的な熱交換がなされる。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、加熱殺菌された液体や粘性を有する液状物質を内容物として、その加熱された内容物を充填包装してなる包装袋を所要温度まで冷却し、または常温や低温のまま包装袋に充填包装された内容物を一時的に加熱殺菌した後に、加熱された包装袋を冷却するようにした包装袋の熱交換処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液体や粘性を有する液状物質からなる内容物は包装フィルムによって製袋しながらヒートシールして包装袋内に充填密封するようにしている。この場合、前記内容物として食品類などにあっては、衛生面の関係から一般的に包装作業を行う前、あるいはその包装作業後に殺菌処理のために高温に加熱処理することがあり、この際、加熱されたままの状態では内容物が変質してしまう虞もあり、また高温の状態ではその後の工程であるたとえば箱詰め工程などにおいての作業が困難となることがある。
【0003】
そこで、たとえば充填包装機によって製袋しつつ、加熱殺菌した内容物を充填密封した包装袋を連続して搬送し、搬送された連続した帯状の包装袋を搬入コンベアなどを介して水槽などからなる冷却装置へと送り込み、冷却装置の冷却媒体中を搬送することにより、その充填包装袋を急速的に冷却した後に搬出コンベアによって冷却装置の外部側へと搬送するものが提案されている。
【0004】
たとえば従来のこの種の加熱殺菌した連続した帯状の包装袋の冷却処理方法としては、たとえば、特公平5−49536号公報,特公平5−49537号公報,特公平5−79572号公報等に示されているように、内容物を充填包装してなる連続した帯状の包装袋を、冷却槽内の液状冷媒(冷却水)に通過させて、その液状冷媒と連続した帯状の包装袋との間で直接的に熱交換を行わせるもの、あるいは個々に切断した包装袋を冷却槽内の液状冷媒(冷却水)に通過させて熱交換を行わせるものなどが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前述した従来技術にあっては、連続した帯状の包装袋あるいは個々に分離された包装袋自体が液状冷媒(冷却水)に直接接触することから、その包装袋に付着した冷媒(水)を取り除くための工程および機械装置が必要となり、しかもその付着した冷媒を、たとえばエアーブローによって吹き飛ばしたとしても、付着した冷媒を完全に除去することは難しいものであり、このことは包装袋のヒートシール部分の端縁である表裏2枚のフィルムの重ね合わせ部分の間に入り込んだ冷媒に対しては、前述したエアーブローは何ら効果もなく、それらの残留冷媒が包装袋への塵埃の付着の原因につながるとともに、カビの発生の原因にもなるなどの問題があった。
【0006】
この点を考慮するものとして、たとえば実開平4−132014号公報に示されているように、冷却室の内部に、上側に設けた入口より搬入したシール袋を往復搬送を繰り返しながら次第に下側の出口に向けて搬送する多段式のネットコンベヤを設けて構成するようにしたシール袋用冷却装置が知られている。この場合、ネットコンベヤによってシール袋を搬送しつつ、冷却用空気を冷却室内に通してシール袋を冷やすように構成しているため、上段側から下段へのコンベヤへと落下するときに充填物がシール袋内で移動を繰り返された冷却作用が発揮されるというメリットはあるものの、ネットコンベヤ上では冷気がシール袋に当たるときに若干冷やされつつ搬送される程度となるため、そのコンベヤ上での冷却作用はシール袋の大きさが大きくなればなるほどあまり期待することができないことが現状である。
【0007】
そこで本発明は、従来技術の有する問題点を解決することをねらいとし、特に内容物を充填包装した個々に分離した包装袋を熱処理媒体に直接接触させることなく、包装袋内の内容物の熱交換効率を良好にし得る包装袋の熱交換処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、請求項1では、液状物質を内容物として封入した包装袋を熱交換するするために、熱交換装置からの加熱あるいは冷却された気体の雰囲気下にある熱交換処理室内に通過させて所定の温度に熱交換処理するようにした包装袋の熱交換処理装置において、上記熱交換処理室の内部に供給搬送されてきた前記包装袋を搬出部に向けて搬送するローラコンベア装置を設け、このローラコンベア装置には前記包装袋の下面側を支えつつ搬送するための回転ロールを所定の間隔を配して連続して並設して設けるとともに、その回転ロールによる前記包装袋の支持位置を各回転ロールによって上下に異ならせて前記包装袋内の内容物の攪拌作用を促すように配設してなることを特徴とする包装袋の熱交換処理装置である。
【0009】
また請求項2では、液状物質を内容物として封入した包装袋を熱交換するするために、熱交換装置からの加熱あるいは冷却された気体の雰囲気下にある熱交換処理室内に通過させて所定の温度に熱交換処理するようにした包装袋の熱交換処理装置において、上記熱交換処理室の内部に供給搬送されてきた前記包装袋を搬出部に向けて搬送するローラコンベア装置を設け、このローラコンベア装置には前記包装袋の下面側を支えつつ搬送するための回転ロールを所定の間隔を配して連続して並設して設けるとともに、前記包装袋の支持位置が各回転ロールの回転作動に伴い上下方向に移行することによって前記包装袋内の内容物の攪拌作用を促すように前記回転ロールの全部または一部を、断面形状が多角形や楕円などの非円形形状に形成してなることを特徴とする包装袋の熱交換処理装置である。
【0010】
また請求項1または請求項2において、請求項3では、前記ローラコンベア装置に設けられた回転ロールの断面の大きさを異ならせて設け、この大きさの異なる回転ロールを所定のパターンの繰り返しに配列あるいはランダムに配列してなることを特徴とする包装袋の熱交換処理装置である。
【0011】
また請求項2において、請求項4では、前記ローラコンベア装置に設けられた回転ロールの断面形状を多角形や楕円などの非円形形状に形成するとともに、隣接して配列された非円形形状からなる回転ロールの回転位相を異ならせて設置してなることを特徴とする包装袋の熱交換処理装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】
請求項1においては、液状物質を内容物として封入した包装袋を熱交換するするために、熱交換装置からの加熱あるいは冷却された気体の雰囲気下にある熱交換処理室内に通過させて所定の温度に熱交換処理するようにした包装袋の熱交換処理装置において、上記熱交換処理室の内部に供給搬送されてきた前記包装袋を搬出部に向けて搬送するローラコンベア装置を設け、このローラコンベア装置には前記包装袋の下面側を支えつつ搬送するための回転ロールを所定の間隔を配して連続して並設して設けるとともに、その回転ロールによる前記包装袋の下面側を支持する位置を各回転ロールによって上下に異ならせて前記包装袋内の内容物の攪拌作用を促すように配設してなることにより、ローラコンベア装置の作動によって各回転ロールが回転作動し、この回転作動に伴ってコンベア上に載せられている包装袋が搬送移送されるとともに、回転ロールの設置位置が上下に異なって配列されているため、その回転ロールの高さ位置が異なる表面上に沿って包装袋の下面側が変形しながら送り出されるため、包装袋内の液状物質からなる内容物が攪拌されて包装袋内の内容物の効率的な熱交換を実現することができる。
【0013】
また請求項2においては、液状物質を内容物として封入した包装袋を熱交換するするために、熱交換装置からの加熱あるいは冷却された気体の雰囲気下にある熱交換処理室内に通過させて所定の温度に熱交換処理するようにした包装袋の熱交換処理装置において、上記熱交換処理室の内部に供給搬送されてきた前記包装袋を搬出部に向けて搬送するローラコンベア装置を設け、このローラコンベア装置には前記包装袋の下面側を支えつつ搬送するための回転ロールを所定の間隔を配して連続して並設して設けるとともに、前記包装袋の支持位置が各回転ロールの回転作動に伴い上下方向に移行することによって前記包装袋内の内容物の攪拌作用を促すように前記回転ロールの全部または一部を、断面形状が多角形や楕円などの非円形形状に形成してなることにより、ローラコンベア装置の作動によって各回転ロールが回転作動し、この回転作動に伴ってコンベア上に載せられている包装袋が搬送移送されるとともに、回転ロールの断面形状が多角形や楕円などの非円形形状に形成されているために、その形状に倣って包装袋の下面側が変形しながら送り出されるものであり、包装袋内の液状物質からなる内容物が攪拌されて包装袋内の内容物の効率的な熱交換を実現することができる。また回転ロールの回転作動により包装袋の送りとともに、断面が非円形形状であるため、その回転により回転支軸位置からの距離が変化するため、攪拌作用を助長することができる。
【0014】
また請求項1または請求項2において、請求項3では、前記ローラコンベア装置に設けられた回転ロールの断面の大きさを異ならせて設け、この大きさの異なる回転ロールを所定のパターンの繰り返しに配列あるいはランダムに配列してなることにより、回転ロールの設置位置が上下に異なって配列されると同時に、大きさが異なるために、その回転ロールの高さ位置の格差が大きくなりやすく、このため、包装袋内の液状物質からなる内容物の攪拌作用が高められて包装袋内の内容物の効率的な熱交換を実現することができる。また回転ロールの断面形状が多角形や楕円などの非円形形状に形成されるとともに、回転ロールの断面の大きさが異なって設けられるため、回転に伴い非円形形状の外径に倣って包装袋の下面側が変形するとともに包装袋が送り作動されるものであり、加えて、回転ロールの断面の大きさが異なるものが配列されるために、その外径寸法の格差が大きくなり、包装袋の下面側の上下振幅による変形によって包装袋内の液状物質からなる内容物が攪拌されるため、熱交換効率を高めることができる。
【0015】
また請求項2において、請求項4では、前記ローラコンベア装置に設けられた回転ロールの断面形状を多角形や楕円などの非円形形状に形成するとともに、隣接して配列された非円形形状からなる回転ロールの回転位相を異ならせて設置してなることにより、回転ロールの回転作動により包装袋の送りとともに、断面が非円形形状であり、かつ隣接して配列された非円形形状からなる回転ロールの回転位相を異ならせて設置してなることによって、その回転により回転支軸位置からの距離がそれぞれ変化するため、攪拌作用を助長することができる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明に係る包装袋の熱交換処理装置を添付図面を参照にして説明する。図1から図6は本発明の第1実施例を示すもので、たとえばホットパックと称される高温の液体や粘稠物などからなる液状物質を内容物として包装する場合、その内容物を加熱殺菌しながら図示しない充填包装機によって包装袋Pとして充填包装し、その加熱された包装袋Pを冷却装置からなる熱交換処理装置1へと供給して冷却するように構成している。
【0017】
この冷却装置からなる熱交換処理装置1としては、主に図1から図3に示すように、熱交換処理装置1には、熱交換処理室2の上部側に包装袋Pの供給口3が設けられるとともに、その熱交換処理室2の下部側には包装袋Pの搬出口4が設けられている。また、この第1実施例にあっては、熱交換処理室2の下部側中央には熱交換装置5が設置され、送風ファン6によって熱交換装置5の冷気を熱交換処理室2の上側にそれぞれ配置された送風ダクト7から送り出すように構成している。
【0018】
また熱交換処理装置1の熱交換処理室2の内部には、前記供給口3位置から連続して水平方向に最上段のローラコンベア装置8が設けられ、この最上段のローラコンベア装置8から順次下側に複数のローラコンベア装置8が多段に配列されている。この際、最下段のローラコンベア装置8の搬出端側は前記搬出口4と対応して設けられており、熱交換処理室2の供給口3から供給されてきた包装袋Pは、最上段のローラコンベア装置8へと供給され、その最上段のローラコンベア装置8から次段のローラコンベア装置8へと左右に往復搬送を繰り返しながら順次下側のローラコンベア装置8を介して搬出口4に向けて包装袋Pを搬送する多段式のローラコンベア装置8を構成している。
【0019】
この第1実施例においては、前記ローラコンベア装置8の各列には、前記包装袋Pの下面側を支えつつ一定方向に搬送するための回転ロール9が所定の間隔を配して連続して並設して設けられるとともに、包装袋Pの支持する位置が回転ロール9の回転作動に伴い上下方向に移行することによって包装袋P内の内容物Wの攪拌作用を促すように回転ロール9の断面形状を非円形形状である八角形に形成している。またこの第1実施例では、回転ロール9の断面形状を八角形に形成するとともに、ローラコンベア装置8に設けられた回転ロール9の断面の大きさを大小の2段階の大きさに異ならせて設けて構成し、大小の断面八角形形状の回転ロール9を交互に配列して構成している。
【0020】
またローラコンベア装置8の回転ロール9は、図2に示すように、それぞれの支軸10がローラコンベア装置8のフレーム11に回転可能に取り付けられ、外径寸法の大きい回転ロール9の支軸10の一端部にはスプロケット12が取り付けられ、このスプロケット12には無端状のチェーン13を介して外径寸法の大きい回転ロール9を回転駆動する駆動モータ14が連結されているとともに、外径寸法の小さい回転ロール9の支軸10の他端部にはスプロケット12がそれぞれ取り付けられ、各スプロケット12に無端状のチェーン13を介して外径寸法の小さい回転ロール9を回転駆動する駆動モータ14を連結して構成している。
【0021】
また上段側から下段側のローラコンベア装置8へ包装袋Pを受け渡す際に、包装袋Pが反転して下側のローラコンベア装置8に移行されるように板状のガイド部15を設置している。なお、この実施例におけるローラコンベア装置8の回転ロール9は熱伝導率の良好な金属製、たとえばステンレスからなる板状の材料によって八角形の形状に形成している。
【0022】
次に前述した構成において、特に包装袋の熱交換処理装置の作用を主体的に説明する。先ず、液体や粘性の液状物質からなる内容物Wを充填した包装袋Pを熱交換処理装置1である熱交換処理室2の上部側に設けられた供給口3へと供給し、最上段に位置したローラコンベア装置8へと供給案内する。供給された包装袋Pはローラコンベア装置8の回転ロール9に載せられて搬送されると同時に、熱交換装置5からの冷気を送風ファン6を介して回転ロール9の上方に配設された送風ダクト7から冷風を吹き出すことによって熱交換処理室2内の雰囲気全体を冷やすとともに、回転ロール9および包装袋P側に向けて送風して冷やすことによって、包装袋Pの内部の内容物Wが冷やされる。
【0023】
この時、ローラコンベア装置8の回転ロール9の断面形状を八角形に形成することによって包装袋Pの搬送とともに、回転ロール9の回転支軸10から回転ロール9の外周までの距離が八角形であるために一定でなく回転に伴って距離が変わり、これにより回転ロール9の角部に乗り上げたり平坦部に落ち込んだりするために、包装袋Pの底面側が押し上げられたり落ち込んだりする動きに連れて包装袋Pの内部の内容物Wが攪拌されながら、包装袋Pの底面部分が上下揺動しつつ次の回転ロール9へと乗り移り、一定方向に搬送移送される。この搬送移送によって包装袋Pの内容物Wの熱が送風ダクト7からの冷風によって直接的に冷やされるとともに、回転ロール9に接触することによって熱が奪われ、さらに攪拌作用によって袋内流動が起こり内容物Wが攪拌されることによって冷却効果が助長される。
【0024】
また回転ロール9の断面形状を八角形に形成するとともに、回転ロール9の断面の大きさを大小の2段階の大きさに異ならせて設けて構成し、大小の断面八角形形状の回転ロール9を交互に配列して構成することによってローラコンベア装置8の搬送面の段差を大きく、かつ上下動による揺動動作を細かく連続して作動することによって包装袋P内の内容物Wの攪拌作用を効果的に行うことができ、さらに熱交換効率を高めることも可能である。
【0025】
また最上段のローラコンベア装置8を通過して次段のローラコンベア装置8へと落下してガイド部15を介して反転移送される包装袋Pは、その反転移送に伴って包装袋内Pの内容物Wが攪拌され、冷却作用が促進される。この第1実施例では、多段式のローラコンベア装置8により、上側のローラコンベア装置8から下側のローラコンベア装置8へと包装袋Pが下方に落下することによって包装袋P内の内容物Wが袋の内部で攪拌されるため、この攪拌繰り返しにより熱交換処理効果が高められる。
【0026】
なお、熱交換処理室2の内部に、除湿機能を備えた熱交換装置5を設置することにより、熱交換処理室2の内部雰囲気中の温度とともに湿気を抑えることができ、これにより冷やされている金属表面である回転ロール9に発生しやすい結露を抑制することができ、包装袋Pに水気が付着することを未然に抑えることができるものであり、従来のような包装袋Pを液状冷媒に直接接触することによって起因する付着残留を防ぐことも可能となり、その包装袋Pへの塵埃の付着やカビの発生などを未然に防ぐことができる。
【0027】
図4は、本発明の第2実施例を示すものであり、前述した第1実施例と同様に熱交換処理室2の内部には、最上段のローラコンベア装置8から次段のローラコンベア装置8へと左右に往復搬送を繰り返しながら順次下側のローラコンベア装置8を介して搬出口4に向けて包装袋Pを搬送する多段式のローラコンベア装置8が設置されている。この第2実施例では、ローラコンベア装置8の各列には、包装袋Pの下面側を支えつつ一定方向に搬送するための回転ロール9Aが所定の間隔を配して連続して並設して設けられるとともに、包装袋Pの底面部分を支持する位置が回転ロール9Aの回転作動に伴い上下方向に移行することによって包装袋P内の内容物Wの攪拌作用を促すように回転ロール9Aの断面形状を非円形形状である四角形に形成している。
【0028】
この第2実施例では、回転ロール9Aの断面形状を四角形に形成するとともに、ローラコンベア装置8に設けられた回転ロール9Aの回転位相を異ならせて設置している。この場合、隣り合う回転ロール9Aの位相差をそれぞれ45度ずらして交互に配列して構成している。
【0029】
上記構成からなる第2実施例では、ローラコンベア装置8の回転ロール9Aの断面形状を四角形に形成することによって包装袋Pの搬送とともに、回転ロール9Aの回転支軸10から回転ロール9の外周までの距離が四角形であるために一定でなく回転に伴って距離が変わり、これにより回転ロール9Aの角部に乗り上げたり平坦部に落ち込んだりするために、包装袋Pの底面側が押し上げられたり落ち込んだりする動きに連れて包装袋Pの内部の内容物Wが攪拌されながら、包装袋Pの底面部分が上下揺動しつつ次の回転ロール9Aへと乗り移り、一定方向に搬送移送される。この搬送移送によって包装袋Pの内容物Wの熱が送風ダクト7からの冷風によって直接的に冷やされるとともに、回転ロール9Aに接触することによって熱が奪われ、さらに攪拌作用によって袋内流動が起こり内容物Wが攪拌されることによって冷却効果が助長される。
【0030】
この際、回転ロール9Aの断面形状を四角形に形成するとともに、隣り合う回転ロール9Aの位相差をそれぞれ45度ずらして交互に配列して構成していることにより、並んで設けられている回転ロール9Aの位相がそれぞれずれているため、ローラコンベア装置8(回転ロール9A)による搬送面上で受ける包装袋Pの底面部分に凹凸による段差を大きく得ることができるとともに、回転ロール9Aの回転駆動に伴って上下動による揺動動作を規則的な連続した動作として包装袋Pの送り動作と連係して作動することによって包装袋P内の内容物Wの攪拌作用を効果的に行うことができ、熱交換効率を高めることができる。
【0031】
また包装袋内の内容物の攪拌作用を促す実施態様例として、たとえば図5に示すように、ローラコンベア装置8には包装袋Pの下面側を支えつつ一定方向に搬送するための回転ロール9Bを所定の間隔を配して連続して並設して設けるとともに、その回転ロール9Bによる前記包装袋Pの下面側を支持する位置を各回転ロール9Bによって上下に異ならせて前記包装袋P内の内容物Wの攪拌作用を促すように配設している。なお、ローラコンベア装置8に設けられる回転ロール9Bは断面形状を円形に形成している。
【0032】
従って、ローラコンベア装置8の作動によって各回転ロール9Bが回転作動し、この回転作動に伴ってコンベア8上に載せられている包装袋Pが搬送移送されるとともに、回転ロール9Bの設置位置が上下に異なって配列されているため、その回転ロール9Bの高さ位置が異なる表面上に沿って包装袋Pの下面側が変形しながら送り出されるため、包装袋P内の液状物質からなる内容物Wが攪拌されて包装袋P内の内容物Wの効率的な熱交換を実現することができる。
【0033】
また包装袋内の内容物の攪拌作用を促す実施態様例として、たとえば図6に示すように、断面形状が円形状からなる回転ロール9Bを所定の間隔を配して設けるとともに、前記ローラコンベア装置8に設けられた回転ロール9Bの断面の大きさを異ならせて設け、この大きさの異なる回転ロール9Bを所定のパターンの繰り返しに配列あるいはランダムに配列してなることにより、回転ロール9Bの設置位置が上下に異なって配列されると同時に、大きさが異なるために、その回転ロール9Bの高さ位置の格差が大きくなりやすく、このため、包装袋P内の液状物質からなる内容物Wの攪拌作用が高められて包装袋P内の内容物Wの効率的な熱交換を実現することができる。
【0034】
また図7では、ローラコンベア装置8に設けられる回転ローラ9Cとして、断面形状を非円形形状からなる楕円形に形成したものを並べて配設したものを示している。
【0035】
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能であり、たとえば前述した実施例などに加えて、包装袋Pを搬送する際に包装袋P内の内容物Wの攪拌作用を促す手段として回転ローラ9,9A,9B,9Cの組み合わせであってもよく、また断面形状を三角形、四角形、五角形、楕円形など非円形形状とする他に、配設位置を上下方向に段差を持たせて形成することによって、包装袋Pの攪拌作用を助長することができる。
【0036】
また実施例では、包装袋Pを冷却する場合を例にして説明したが、包装袋P内の内容物Wを加熱する場合においても適用可能であり、この場合、熱交換装置によって加熱された熱風を循環するように、送風ファンを介して送風ダクトから吹き出して送風することにより、たとえば包装袋内の内容物を加熱殺菌することが可能である。
【0037】
なお、実施例では回転ロール9として、熱伝導率の比較的高い金属材料であるステンレスを用いていたが、たとえばアルミニウムや銅などの材料によって形成してもよいものであり、その金属材料の厚みなどは適宜設定すればよいものである。また実施例においては、熱交換処理室内に多段式のローラコンベア装置を設置して冷却作用を促進するように構成していたが、包装袋の大きさや形状あるいは内容物などの包装仕様条件によっては、上下に多段に設けることなく一列のローラコンベア装置であってもよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明の請求項1による包装袋の熱交換処理装置では、液状物質を内容物として封入した包装袋を熱交換するするために、熱交換装置からの加熱あるいは冷却された気体の雰囲気下にある熱交換処理室内に通過させて所定の温度に熱交換処理するようにした包装袋の熱交換処理装置において、上記熱交換処理室の内部に供給搬送されてきた前記包装袋を搬出部に向けて搬送するローラコンベア装置を設け、このローラコンベア装置には前記包装袋の下面側を支えつつ搬送するための回転ロールを所定の間隔を配して連続して並設して設けるとともに、その回転ロールによる前記包装袋の下面側を支持する位置を各回転ロールによって上下に異ならせて前記包装袋内の内容物の攪拌作用を促すように配設してなることにより、ローラコンベア装置の作動によって各回転ロールが回転作動し、この回転作動に伴ってコンベア上に載せられている包装袋が搬送移送されるとともに、回転ロールの設置位置が上下に異なって配列されているため、その回転ロールの高さ位置が異なる表面上に沿って包装袋の下面側が変形しながら送り出されるため、包装袋内の液状物質からなる内容物が攪拌されて包装袋内の内容物の効率的な熱交換を実現することができる。
【0039】
また本発明の請求項2による包装袋の熱交換処理装置では、液状物質を内容物として封入した包装袋を熱交換するするために、熱交換装置からの加熱あるいは冷却された気体の雰囲気下にある熱交換処理室内に通過させて所定の温度に熱交換処理するようにした包装袋の熱交換処理装置において、上記熱交換処理室の内部に供給搬送されてきた前記包装袋を搬出部に向けて搬送する多段式のローラコンベア装置を設け、このローラコンベア装置には前記包装袋の下面側を支えつつ搬送するための回転ロールを所定の間隔を配して連続して並設して設けるとともに、前記包装袋の支持位置が各回転ロールの回転作動に伴い上下方向に移行することによって前記包装袋内の内容物の攪拌作用を促すように前記回転ロールの全部または一部を、断面形状が多角形や楕円などの非円形形状に形成してなることにより、ローラコンベア装置の作動によって各回転ロールが回転作動し、この回転作動に伴ってコンベア上に載せられている包装袋が搬送移送されるとともに、回転ロールの断面形状が多角形や楕円などの非円形形状に形成されているために、その形状に倣って包装袋の下面側が変形しながら送り出されるものであり、包装袋内の液状物質からなる内容物が攪拌されて包装袋内の内容物の効率的な熱交換を実現することができる。また回転ロールの回転作動により包装袋の送りとともに、断面が非円形形状であるため、その回転により回転支軸位置からの距離が変化するため、攪拌作用を助長することができる。
【0040】
また請求項1または請求項2において、請求項3では、前記ローラコンベア装置に設けられた回転ロールの断面の大きさを異ならせて設け、この大きさの異なる回転ロールを所定のパターンの繰り返しに配列あるいはランダムに配列してなることにより、回転ロールの設置位置が上下に異なって配列されると同時に、大きさが異なるために、その回転ロールの高さ位置の格差が大きくなりやすく、このため、包装袋内の液状物質からなる内容物の攪拌作用が高められて包装袋内の内容物の効率的な熱交換を実現することができる。また回転ロールの断面形状が多角形や楕円などの非円形形状に形成されるとともに、回転ロールの断面の大きさが異なって設けられるため、回転に伴い非円形形状の外径に倣って包装袋の下面側が変形するとともに包装袋が送り作動されるものであり、加えて、回転ロールの断面の大きさが異なるものが配列されるために、その外径寸法の格差が大きくなり、包装袋の下面側の上下振幅による変形によって包装袋内の液状物質からなる内容物が攪拌されるため、熱交換効率を高めることができる。
【0041】
また請求項2において、請求項4では、前記ローラコンベア装置に設けられた回転ロールの断面形状を多角形や楕円などの非円形形状に形成するとともに、隣接して配列された非円形形状からなる回転ロールの回転位相を異ならせて設置してなることにより、回転ロールの回転作動により包装袋の送りとともに、断面が非円形形状であり、かつ隣接して配列された非円形形状からなる回転ロールの回転位相を異ならせて設置してなることによって、その回転により回転支軸位置からの距離がそれぞれ変化するため、攪拌作用を助長することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である包装袋の熱交換処理装置を示す全体概要構成図である。
【図2】本発明の第1実施例である熱交換処理装置に設けられたローラコンベア装置の主要部を示す平面図である。
【図3】図3は、図2のローラコンベア装置の回転ロールと包装袋との動作状態を示す拡大概要図である。
【図4】本発明の第2実施例である熱交換処理装置を示す動作概要正面図である。
【図5】本発明のローラコンベア装置の回転ロールの実施態様例を示した動作概要正面図である。
【図6】図6は、ローラコンベア装置の回転ロールの他の実施態様例を示した動作概要正面図である。
【図7】図7は、ローラコンベア装置の回転ロールの他の実施態様例を示した動作概要正面図である。
【符号の説明】
P 包装袋
W 内容物
1 熱交換処理装置
2 熱交換処理室
3 供給口
4 搬出口
5 熱交換装置
6 送風ファン
7 送風ダクト
8 ローラコンベア装置
9,9A,9B,9C 回転ロール
10 支軸
11 フレーム
12 スプロケット
13 チェーン
14 駆動モータ
15 ガイド部
Claims (4)
- 液状物質を内容物として封入した包装袋を熱交換するするために、熱交換装置からの加熱あるいは冷却された気体の雰囲気下にある熱交換処理室内に通過させて所定の温度に熱交換処理するようにした包装袋の熱交換処理装置において、上記熱交換処理室の内部に供給搬送されてきた前記包装袋を搬出部に向けて搬送するローラコンベア装置を設け、このローラコンベア装置には前記包装袋の下面側を支えつつ搬送するための回転ロールを所定の間隔を配して連続して並設して設けるとともに、その回転ロールによる前記包装袋の支持位置を各回転ロールによって上下に異ならせて前記包装袋内の内容物の攪拌作用を促すように配設してなることを特徴とする包装袋の熱交換処理装置。
- 液状物質を内容物として封入した包装袋を熱交換するするために、熱交換装置からの加熱あるいは冷却された気体の雰囲気下にある熱交換処理室内に通過させて所定の温度に熱交換処理するようにした包装袋の熱交換処理装置において、上記熱交換処理室の内部に供給搬送されてきた前記包装袋を搬出部に向けて搬送するローラコンベア装置を設け、このローラコンベア装置には前記包装袋の下面側を支えつつ搬送するための回転ロールを所定の間隔を配して連続して並設して設けるとともに、前記包装袋の支持位置が各回転ロールの回転作動に伴い上下方向に移行することによって前記包装袋内の内容物の攪拌作用を促すように前記回転ロールの全部または一部を、断面形状が多角形や楕円などの非円形形状に形成してなることを特徴とする包装袋の熱交換処理装置。
- 前記ローラコンベア装置に設けられた回転ロールの断面の大きさを異ならせて設け、この大きさの異なる回転ロールを所定のパターンの繰り返しに配列あるいはランダムに配列してなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の包装袋の熱交換処理装置。
- 前記ローラコンベア装置に設けられた回転ロールの断面形状を多角形や楕円などの非円形形状に形成するとともに、隣接して配列された非円形形状からなる回転ロールの回転位相を異ならせて設置してなることを特徴とする請求項2に記載の包装袋の熱交換処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002190597A JP2004034999A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 包装袋の熱交換処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002190597A JP2004034999A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 包装袋の熱交換処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004034999A true JP2004034999A (ja) | 2004-02-05 |
Family
ID=31700479
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004034999A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007030897A (ja) * | 2005-07-22 | 2007-02-08 | Toyohama Giken:Kk | 包装袋体の押圧攪拌装置 |
CN106868283A (zh) * | 2015-12-10 | 2017-06-20 | 俞扬池 | 一种改进的退火炉 |
KR102130935B1 (ko) * | 2020-02-06 | 2020-07-09 | 주식회사 엠앤티 | 자동화 공정의 정렬 시스템 |
CN115125692A (zh) * | 2022-06-30 | 2022-09-30 | 义乌市爱啦家纺有限公司 | 一种应用于床上四件套磨毛面料生产的磨毛机 |
-
2002
- 2002-06-28 JP JP2002190597A patent/JP2004034999A/ja active Pending
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