JP2004034021A - 水素化触媒、およびこれを用いた1,3−プロパンジオールの製造方法 - Google Patents
水素化触媒、およびこれを用いた1,3−プロパンジオールの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】水素化触媒、およびこれを用いた1,3−プロパンジオールの製造方法を提供する。
【解決手段】銅塩、マンガン塩および亜鉛塩の含有された水溶液にアルカリ性沈殿剤を加えて、混成水酸化物の形態で粒子を一次生成した後、ここにナノサイズのコロイダルシリカを加え熟成させることにより製造されたCuO(A)MnO2(B)ZnO(C)SiO2(D)(ここで、A、B、CおよびDは成分の質量%であって、Aは40〜85、Bは0.15〜4、Cは0.001〜2.5、Dは10〜60の実数を示し、但、BとCとの合計量は5以下である)と表わされる水素化触媒に関する。
【選択図】 なし
【解決手段】銅塩、マンガン塩および亜鉛塩の含有された水溶液にアルカリ性沈殿剤を加えて、混成水酸化物の形態で粒子を一次生成した後、ここにナノサイズのコロイダルシリカを加え熟成させることにより製造されたCuO(A)MnO2(B)ZnO(C)SiO2(D)(ここで、A、B、CおよびDは成分の質量%であって、Aは40〜85、Bは0.15〜4、Cは0.001〜2.5、Dは10〜60の実数を示し、但、BとCとの合計量は5以下である)と表わされる水素化触媒に関する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水素化触媒およびこれを用いて3−ヒドロキシプロパン酸アルキルから1,3−プロパンジオールを製造する方法に係り、より詳しくは、銅塩、マンガン塩および亜鉛塩を含有した水溶液にアルカリ性沈殿剤を加え混成水酸化物の形態で粒子を生成させ、ここにコロイダルシリカを加え熟成させた後、後処理して水素化触媒を製造し、これを用いて3−ヒドロキシプロパン酸アルキルを気相水素化させて1,3−プロパンジオールを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
1,3−プロパンジオールはポリエステルの合成原料として、またコーティングや有機合成における中間体として使用されるなど、様々な用途を有する製品である。今までの製造方法としては、エチレンオキシドをヒドロホルミル化して3−ヒドロキシプロパナールを合成し、これを水素化して1,3−プロパンジオールを合成する方法(特許文献1〜4)、アクロレインを水素化反応させ3−ヒドロキシプロパナールを合成し、これを水素化させる方法(特許文献5および6)、および、グリセロールから生物学的方法で1,3−プロパンジオールを製造する方法(特許文献7〜9)などが知られている。
【0003】
しかしながら、3−ヒドロキシプロパナールを中間体とする合成法の場合、アルデヒド自体が不安定で、オリゴマーの形成やアセタールの生成などによって水素化工程が難しくなったり、最終製品の品質が低下したりする問題がある。更には、アセタールの生成などを抑制するため、制限された濃度範囲内で行われるので、生産性を高めることに限界があった。
【0004】
一方、別の製造方法として、エチレンオキシドを一酸化炭素およびアルコールなどと共に反応させるカルボエステル化反応によって3−ヒドロキシプロパン酸アルキルを合成し、該化合物のエステル基を水素化させて1,3−プロパンジオールを製造する方法が可能である。この工程はヒドロキシ基とアルデヒド基とを共に有する中間体を製造しないためカルボニル化工程の生産性を高められる長所があるが、この方法で1,3−プロパンジオールを製造する工程が工業化された例は今までない。なぜならば、3−ヒドロキシプロパン酸アルキルが銅−クロム酸化物触媒、銅−亜鉛酸化物触媒あるいはレーニーニッケル(Raney Ni)のような通常のエステル基還元用水素化触媒上で非常に非選択的に反応するからである。一般に、マレイン酸ジエチルまたは2−ヒドロキシブチル酸エステル化合物から1,4−ブタンジオールまたは1,2−ジヒドロキシブタンなどへの合成のようにβ位にヒドロキシ基を持たないエステル化合物の水素化反応の場合は、高い選択性と収率で目的化合物を合成できる触媒工程が公知されている反面、本発明の対象の基質化合物のように、特別にβ位にヒドロキシ基を有している場合は、脱水反応による副産物の生成が多いため、高い収率で1,3−プロパンジオールを得ることが非常に難しく、公知の技術もほとんどないのが現状である。
【0005】
特許文献10では、メタノールのようなアルコール溶媒の存在下でCuO/ZnOおよび修飾されたCuO/ZnO系触媒を用いて1,3−プロパンジオールを製造する方法を提案しているが、前記引用発明の実施例をみれば、1,3−プロパンジオールに対する選択率が低く、特に転換率を高く維持したときは選択率が急落することが確認できる。
【0006】
そこで、本発明者らは特許文献11および特許文献12をもって、銅ナノ粒子をシリカで安定化させる方法によって製造された、CuO/SiO2および修飾されたCuO/SiO2系触媒を用い3−ヒドロキシエステル化合物から気相法または液−気相法および液相法で1,3−プロパンジオールを製造する方法を提示したことがある。該方法によれば、比較的高い触媒活性と選択性とで1,3−プロパンジオールを合成することができるが、工程の面でみると、液相や液−気相工程は高沸点溶媒を回収、再使用しなければならないという問題があり、また触媒が溶媒に流出するおそれがある。一方、気相工程を適用する場合は、触媒の生産性を高め、長期間反応の安定性を確保することが大事である。
【0007】
3−ヒドロキシプロパン酸アルキルから1,3−プロパンジオールを気相水素化工程で製造するに当たって最も大きな問題点は、反応物である3−ヒドロキシプロパン酸アルキルの反応性が非常に高くて種々の副反応を誘発するので、高い収率で長時間安定した1,3−プロパンジオールを得ることが非常に難しいということである。
【0008】
【特許文献1】
米国特許第5,770,776号明細書
【特許文献2】
米国特許第5,723,389号明細書
【特許文献3】
米国特許第5,731,478号明細書
【特許文献4】
米国特許第5,777,182号明細書
【特許文献5】
米国特許第6,232,511号明細書
【特許文献6】
米国特許第6,140,543号明細書
【特許文献7】
米国特許第6,136,576号明細書
【特許文献8】
米国特許第6,013,494号明細書
【特許文献9】
米国特許第5,821,092号明細書
【特許文献10】
国際公開第00/18712号パンフレット
【特許文献11】
韓国特許出願第2001−33142号明細書
【特許文献12】
韓国特許出願第2001−67901号明細書
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、3−ヒドロキシプロパン酸アルキルを気相水素化工程に適用することにより、目的とする1,3−プロパンジオールを高収率で製造することができ、安定性、高活性、および高選択率を長期にわたり示すことが可能な工業的価値のある水素化触媒を提供し、延いては、前記触媒を用い最適化された3−ヒドロキシプロパン酸アルキルの水素化方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、銅塩、マンガン塩および亜鉛塩の含有された水溶液にアルカリ性沈殿剤を加えて、混成水酸化物の形態で粒子を一次生成した後、ここにナノサイズのコロイダルシリカを加えて熟成させることにより製造された CuO(A)MnO2(B)ZnO(C)SiO2(D)(ここで、A、B、CおよびDは該当成分の質量%であって、Aは40〜85、Bは0.15〜4、Cは0.001〜2.5、Dは10〜60の実数を示し、但、BとCとの合計量は5以下である)として表わされる水素化触媒に関するものである。
【0011】
本発明はさらに、前記水素化触媒を固定層反応器内で水素気体または水素含有気体を用い還元させることにより活性化触媒を得る段階と、前記活性化触媒の存在下、水素気体または水素含有気体を用いて3−ヒドロキシプロパン酸アルキルを気相水素化させる段階と、を含む1,3−プロパンジオールの製造方法に関するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより詳しく説明する。
【0013】
本発明における基質化合物の3−ヒドロキシプロパン酸アルキルは下記一般式(1)の構造を有する。
【0014】
【化1】
【0015】
ここで、Rは好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブタン、イソブタン、t−ブタン、シクロヘキサン、またはシクロヘキサンメチ
ルを示す。
【0016】
前記化学式において、C2炭素に結合したプロトンは、酸または塩基により非常に容易に活性化して脱水されるため、3−ヒドロキシプロパン酸アルキルの水素化に用いられる触媒は極めて中性でなければならない。しかも、かような特性を有する触媒を用いたとしても、反応活性を向上させるために反応温度を高めることも脱水反応の増加する原因になるため限界がある。したがって、高収率で目的の化合物、すなわち1,3−プロパンジオールを得るためには、低い反応温度でも高活性を表わすような触媒を設計・製造しなければならない。
【0017】
本発明者らは、先行発明(韓国特許出願第2001−33142号明細書)において、酸化銅粒子を水酸化物の形態で一次生成させた後、ナノサイズを有するコロイダルシリカの存在下で熟成させる製造方法を報告した。かような製造方法は、酸化銅粒子のサイズを調節できるとの利点があり、最終的にシリカで安定されたナノロード型酸化銅結晶を有する触媒が得られ、該触媒は3−ヒドロキシプロパン酸アルキルの液相および液−気相水素化に非常に高い性能を有するものである。しかし、該触媒は液相および液−気相工程では高い性能を示すが、本発明が目的とする気相水素化工程に適用する場合、脱水による副産物が多量に生成する問題点があった。
【0018】
本発明者らは該触媒をマンガン、亜鉛などの元素を用いて製造すると、1,3−プロパンジオールに対する選択性が増加することを見出して、1,3−プロパンジオールへの選択性の高い新たな水素化触媒を提供することを可能にした。
【0019】
すなわち、本発明の水素化触媒は、銅塩、マンガン塩および亜鉛塩を含有した水溶液にアルカリ性沈殿剤を添加し混成水酸化物の形態で粒子を一次生成させた後、これにナノサイズのコロイダルシリカを添加し熟成させることにより製造されてなるものであり、具体的には、CuO(A)MnO2(B)ZnO(C)SiO2(D)(ここで、A、B、CおよびDは該当成分の質量%であって、Aは40〜85、Bは0.15〜4、Cは0.001〜2.5、Dは10〜60の実数を示す)で示されるものである。
【0020】
マンガン酸化物の含量は、全触媒含量(A+B+C+D)に対し0.15〜4質量%であることが好ましい。マンガン酸化物の含量が0.15質量%未満だと本発明で目的とする選択性の改善効果が得られず、また、マンガン酸化物の含量が4質量%を超えるとかえって活性と選択性とを低下させてしまうためである。
【0021】
亜鉛酸化物の含量は、全触媒含量(A+B+C+D)に対し0.001〜2.5質量%であることが好ましい。亜鉛成分の選択性の改善効果は極めて制限された範囲で表わされ、亜鉛酸化物の含量が0.001質量%以下だと選択性の改善効果がなく、その反面、亜鉛酸化物の含量が2.5質量%を超えるとかえって活性と選択性とが減少する。
【0022】
但し、マンガン酸化物含量と亜鉛酸化物含量との和は全触媒(A+B+C+D)の5質量%以下になるように調節することが好ましい。これらの二つの成分の和が全触媒の5質量%を超えると、選択性が低下する。
【0023】
本発明に使用可能な銅塩、マンガン塩および亜鉛塩の種類は、本発明の目的を害しない限り特に制限されない。使用可能な塩としては、例えば硝酸塩、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩などが挙げられ、そのうち硝酸塩が、焼成過程において、陰イオンを効果的に除去できるので最も好ましい。
【0024】
本発明の水素化触媒が3−ヒドロキシプロパン酸アルキルの水素化に高い性能を示すためには、前述のような水素化触媒の製造過程中に用いられるアルカリ性沈殿剤、例えば水酸化ナトリウム(または水酸化カリウム)、アルカリ族金属の炭酸塩または重炭酸塩などの使用量を、熟成後の触媒溶液のpHが5〜10、好ましくは6〜9となるように添加して調節することが好ましい。これは、pHが10を超えると、銅およびマンガンの共沈後に添加されるナノサイズのシリカが溶解し、pHが5未満だと各成分元素の沈殿が完全に行われず熟成過程において酸化物状態の結晶粒子を得難くなるためである。
【0025】
触媒の熟成に用いられるコロイダルシリカは、アンモニウムイオン(NH4 +)、ナトリウムイオン(Na+)または他のアルカリ金属イオンにより安定化されるものであり、粒子の大きさが4〜60nm、表面積が100〜600m2/gであるシリカを使用し、シリカの濃度は5〜60質量%であるものを使用する。通常使用される製品としては、例えばLudox、Nalcoag、Snowtexなどが挙げられる。表面積は、公知の方法により測定されるものである。
【0026】
本発明の触媒は好ましくは、熟成後に、洗浄、成形過程を経るものである。
【0027】
前記洗浄過程は、前記アルカリ性沈殿剤より生じたナトリウムイオンまたはカリウムイオンのような陽イオン性物質の残留量を調節するために行う。洗浄は、公知の方法を用いて行ってよく、例えば、蒸留水などを用いて洗浄を行う。これは、前記陽イオン性物質が過多に残留すると、触媒活性を低下させるためである。前記陽イオン性物質の濃度が酸化物状態の触媒に対し、1000ppm以下、好ましくは500ppm以下になるようにすることが好ましい。
【0028】
上述のように洗浄した触媒はろ過、乾燥後、例えば、加圧成形、圧出法、打錠法によって成形し、または耐火性担体に担持して使用してもよい。
【0029】
上述のように成形された触媒はシリカに含有されたヒドロキシ基の残留量を最大限に減らし触媒を中性化するために焼成過程を経るものである。この時、焼成温度は300〜1000℃、好ましくは400〜900℃にすることが好ましい。焼成温度が1000℃を超えると銅粒子の大きさが増加して触媒活性が低下し、焼成温度が300度未満だと脱水反応の増加により活性および選択性が共に低下する。
【0030】
上記方法により製造された銅−マンガン−シリカ成分からなる水素化触媒は、3−ヒドロキシプロパン酸アルキルの水素化に高い活性を示す。しかし、触媒の長期的な安定性をより改善するためには、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)およびレニウム(Re)から選ばれる少なくとも1種の元素を含有することが効果的である。前記促進剤を含有することにより、主成分である銅の活性を増加させる他、触媒表面への炭素沈着による活性の低下を緩和させることが考えられる。本発明者らは、前記水素化触媒の存在下でγ−ブチロラクトンの水素化分解反応によるブタンジオールの製造に際しては触媒の活性低下が検出されなかったが、プロピオラクトンの水素化においては反応時間に応じての活性が24時間内に50%以下に急激に低下することから、3−ヒドロキシプロパン酸アルキルの水素化反応時において、反応物自体のラクトン化により製造されたプロピオラクトンの高分子化による触媒表面での炭素の沈着が本発明の触媒の長期的な反応安定性を阻害する決定的な要因として作用すると考えている。上記のような促進剤を加えることにより、そのような高分子の分解速度を増進させて炭素の沈着速度が緩和され得ると期待される。
【0031】
前記促進剤を本発明の触媒に含有する方法としては、水または有機溶媒に溶解した所望の促進剤の前駆体化合物を上述のように製造した前記水素化触媒の粉末に担持させることが好ましい。PtおよびPdはそれぞれ硝酸塩(Pt(NO3)2・xH2O、またはPd(NO3)2・xH2O)またはアミン錯体(Pt(NH3)4X2、またはPd(NH3)4X2、ここで、X=NO3 −、OH−またはCl−)の形態で使用され、Ruはドデカカルボニル三ルテニウム(Ru3(CO)12)、Rhは硝酸塩(Rh(NO3)2・2H2O)、そしてReは酸化レニウム(Re2O7)の形態で使用することが好ましいが、これらに限られず、他の塩または錯物の形態で使用することもできる。
【0032】
前記促進剤を坦持させる方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、前記促進剤を、上述のとおりに製造した前記水素化触媒に、アセトン、メタノールなどの有機溶媒中で坦持する方法などがある。前記水素化触媒は前記促進剤として、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)およびレニウム(Re)から選ばれる少なくとも1種の元素を、金属換算で酸化物状態の銅−マンガン−亜鉛−シリカ触媒100質量部に対し0.001〜4質量部の割合で含むことが好ましい。これは、4質量部を超えると、脱カルボキシル化反応率の増加によって選択性を減少させるためである。
【0033】
前述の組成および方法により製造された本発明の触媒の存在下で、3−ヒドロキシプロパン酸アルキルから1,3−プロパンジオールを製造するには、まず酸化物状態の前記水素化触媒を、チューブ型反応器などを用いて、水素または水素含有気体により100〜250℃、1〜60時間程度で、活性化させる。
【0034】
本発明の触媒を用いた3−ヒドロキシプロパン酸アルキルの気相水素化反応では、固定層反応器を使用する。反応条件は、3−ヒドロキシプロパン酸アルキルのLHSVが0.01〜5.0hr−1、好ましくは0.05〜1.0hr−1の範囲に入るように供給し、反応温度は100〜300℃、好ましくは130〜200℃、反応圧力は10〜200気圧、好ましくは20〜100気圧、そして水素と3−ヒドロキシプロパン酸アルキルとのモル比は100:1ないし3000:1、好ましくは200:1ないし1500:1で、となるように調節する。
【0035】
特に、本発明の水素化触媒の存在下、3−ヒドロキシプロパン酸アルキルの水素化反応において、沸点の低い低沸点アルコールと3−ヒドロキシプロパン酸アルキルとを混合して供給することが好ましい。
【0036】
これは上記したような3−ヒドロキシプロパン酸アルキルの分子内ラクトン化によるプロピオラクトンの生成を抑制するためであり、触媒活性を長時間維持するのに重要な役割を果たす。かような低沸点アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどが挙げられ、特に3−ヒドロキシプロパン酸アルキルを製造するためのエチレンオキシドのカルボエステル化反応に使用したものと同じアルコールを使用することが分離などの後処理を考慮する上で好ましい。例えば、3−ヒドロキシプロパン酸メチルが基質である場合にはメタノールを、3−ヒドロキシプロパン酸エチルが基質である場合にはエタノールを使用することが好ましい。また、3−ヒドロキシプロパン酸アルキルに対する前記低沸点アルコールの混合比は10:90ないし90:10(v/v)の範囲内で定められ、好ましくは30:70ないし70:30(v/v)の範囲内で定められる。
【0037】
本発明は、後述する実施例により一層明確に理解でき、下記の実施例は本発明を例示するだけで発明の領域を制限するものではない。
【0038】
【実施例】
実施例1
(1)水素化触媒CuO(72)MnO2(2.5)ZnO(0.5)SiO2(25)の製造
硝酸銅(Cu(NO3)2・3H2O)200g、硝酸マンガン(Mn(NO3)2・6H2O)7.55gおよび硝酸亜鉛(ZnO(NO3)2・6H2O)1.67gを1500mlの蒸留水に溶かした溶液に、水酸化ナトリウム68.8gを500mlの蒸留水に溶かした溶液を加え、沈殿させた。このとき、中和熱により前記溶液の温度が20℃を超えないように調節した。次いで、前記溶液にコロイダルシリカ水溶液(Dupon社製、ルドックス(Ludox)SM−30(ナトリウム安定型、シリカ含量30質量%、表面積345m2/g、粒子の大きさ7nm))76.3gを加えた後、85℃で6時間熟成させた。熟成後の前記溶液のpHは7であった。沈殿したスラリーを蒸留水で洗浄した後、減圧フィルターを介して濾過し、120℃で12時間乾燥させた後300℃で一次焼成した。一次焼成した触媒を破砕し粉末にして加圧成形した後、再び20〜40メッシュの大きさで破砕し選別して750℃で5時間、二次焼成した。焼成した触媒酸化物においてナトリウム含量は180ppmであった。
【0039】
(2)触媒還元
前記焼成した酸化物状態の触媒1.0gをチューブ型反応器(内径12mm、長さ25cm)に充填し、5%H2/95%N2の混合ガスを流し込みながら徐々に昇温させ180℃で6時間活性化させた。
【0040】
(3)3−ヒドロキシプロパン酸メチルの水素化反応
上記のように触媒を還元して活性化した後、反応器の温度を155℃に合わせ、水素気体を用いて圧力を40気圧に調節した。以降、水素気体の流量を400ml/minに調節して反応器に流し込みながら、3−ヒドロキシプロパン酸メチル(HPM):メタノール=40:60(v/v)の混合物をHPLCポンプを用いて、HPMのみのLHSVが0.15hr−1になるように水素気体の流れと同じ方向に注入して反応させた。生成物を反応圧力と同圧力下で採取してGCで分析した。反応の開始から100時間経過後の反応結果は、HPMの転換率が98.4%、1,3−プロパンジオール(PDO)の選択率が87.1%であった。
【0041】
実施例2
前記実施例1に使用したものと同じ触媒を用い、同じ条件でHPMの水素化反応を500時間まで行った。以降、反応温度のみを160℃に上げ、続けて220時間反応を行った。前記のように、合計720時間使用された触媒の状態を調べるために、HPMの供給を中断し、水素気体の流れる中で前記触媒を320℃で12時間活性化した後、温度を155℃に下げ、初期条件と同じ条件でHPMの水素化反応を再開した。全体的な反応結果は下記の表1に示す通りであり、高温(320℃)水素処理後の結果は、触媒活性が反応初期と同じレベルで維持されていることを示している。
【0042】
【表1】
【0043】
実施例3
CuO(76)MnO2(3)ZnO(1)SiO2(20)触媒を実施例1と同様の方法で製造して活性化した後、HPMの水素化反応を行った。LHSV=0.12hr−1、150℃、40気圧、H2/HPM=890(モル比)の条件での反応結果は、HPM転換率93.8%に対しPDO選択率が87.8%であり、LHSV=0.15hr−1、155℃、40気圧、H2/HPM=740(モル比)の条件では、HPMの転換率が97.3%に対しPDOの選択率が86.7%であった。
【0044】
比較例1
マンガンおよび亜鉛成分の改良効果を調べるために、実施例1による触媒製造の際、硝酸マンガンおよび硝酸亜鉛を取り除いた以外は該実施例1と同様の方法でCuO(80)SiO2(20)触媒を製造した。前記触媒を実施例1と同じ条件で活性化させた後、HPMを水素化反応して活性を調べた。該反応の結果は、HPMの転換率97.4%に対しPDOの選択率が80.8%であった。
【0045】
比較例2
亜鉛成分のみの改良効果を調べるために、実施例1による触媒製造の際、硝酸マンガンを取り除いた以外は該実施例1と同様の方法でCuO(77)ZnO(3)SiO2(20)触媒を製造した。前記触媒を実施例1と同じ条件で活性化した後、HPMを水素化反応させて活性を調べた。該反応の結果は、HPMの転換率96.2%に対しPDOの選択率が84.5%であった。
【0046】
比較例3
マンガンおよび亜鉛成分の添加量による触媒性能を調べるために、実施例1による触媒製造の際、硝酸銅、硝酸マンガン、硝酸亜鉛およびシリカ水溶液の使用量を異にしてCuO(74.5)MnO2(4.5)ZnO(1)SiO2(20)触媒を製造した。前記触媒を実施例1と同じ条件で活性化した後、LHSV=0.105hr−1、155℃、40気圧、H2/HPM=1020(モル比)の条件でHPMの水素化反応を行った。反応結果は、HPMの転換率82.1%に対しPDOの選択率が80.1%であり、かかる結果はマンガンと亜鉛成分が非常に制限された含量範囲内で改良効果があることを示している。
【0047】
比較例4
比較例3と同じ目的で、亜鉛成分の含量を増やしたCuO(74.3)MnO2(2.7)ZnO(3)SiO2(20)触媒を実施例1と同様の方法で製造した。前記触媒を実施例1と同じ条件で活性化した後、LHSV=0.09hr−1、155℃、40気圧、H2/HPM=1200(モル比)の条件でHPMの水素化反応を行った。該反応の結果は、HPMの転換率が75.4%に対しPDOの選択率が70.4%であった。
【0048】
実施例4
実施例1と同様の方法でCuO(72)MnO2(2.5)ZnO(0.5)SiO2(25)触媒を製造した。但し、製造過程の中、洗浄、濾過したケーキを含水率が約55%になるまで120℃で乾燥した後、圧出法で成形した。このように成形した触媒を750℃で5時間焼成した後、酸化レニウム(Re2O7)を水とアセトンとの混合溶液に溶かしてから前記触媒に担持させて[CuO(72)MnO2(2.5)ZnO(0.5)SiO2(25)](99.5)(Re2O7)(0.5)触媒を製造した。前記触媒を実施例1と同じ条件で活性化した後、HPMを水素化反応させて活性を調べた。該反応を開始してから100時間経過した時点で、HPMの転換率は98.3%、PDOの選択率は87.8%であり、500時間経過した後のHPMの転換率は97.8%、PDOの選択率は88.0%であった。
【0049】
実施例5
実施例1のCuO(72)MnO2(2.5)ZnO(0.5)SiO2(25)触媒を破砕して100メッシュ以下の粉末にした後、Pt(NH3)4(NO3)2を水とメタノールとの混合溶液に溶かしてから前記触媒に担持させて、[CuO(72)MnO2(2.5)ZnO(0.5)SiO2(25)](99.8)PtO(0.2)触媒を製造した。製造した触媒粉末を打錠法で成形した。成形した触媒を実施例1と同じ条件で活性化した後、HPMを水素化反応させて活性を調べた。水素化反応を開示してから50時間経過の時点で反応温度を155℃から153℃に下げた後、反応を続けた。該反応の結果は下記の表2のとおりである。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】
3−ヒドロキシプロパン酸アルキルを気相法で水素化し1,3−プロパンジオールを製造するにあって、本発明の水素化触媒の下で長期的に、安定し、高活性及び高選択率で1,3−プロパンジオールを製造することが可能である。
【発明の属する技術分野】
本発明は水素化触媒およびこれを用いて3−ヒドロキシプロパン酸アルキルから1,3−プロパンジオールを製造する方法に係り、より詳しくは、銅塩、マンガン塩および亜鉛塩を含有した水溶液にアルカリ性沈殿剤を加え混成水酸化物の形態で粒子を生成させ、ここにコロイダルシリカを加え熟成させた後、後処理して水素化触媒を製造し、これを用いて3−ヒドロキシプロパン酸アルキルを気相水素化させて1,3−プロパンジオールを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
1,3−プロパンジオールはポリエステルの合成原料として、またコーティングや有機合成における中間体として使用されるなど、様々な用途を有する製品である。今までの製造方法としては、エチレンオキシドをヒドロホルミル化して3−ヒドロキシプロパナールを合成し、これを水素化して1,3−プロパンジオールを合成する方法(特許文献1〜4)、アクロレインを水素化反応させ3−ヒドロキシプロパナールを合成し、これを水素化させる方法(特許文献5および6)、および、グリセロールから生物学的方法で1,3−プロパンジオールを製造する方法(特許文献7〜9)などが知られている。
【0003】
しかしながら、3−ヒドロキシプロパナールを中間体とする合成法の場合、アルデヒド自体が不安定で、オリゴマーの形成やアセタールの生成などによって水素化工程が難しくなったり、最終製品の品質が低下したりする問題がある。更には、アセタールの生成などを抑制するため、制限された濃度範囲内で行われるので、生産性を高めることに限界があった。
【0004】
一方、別の製造方法として、エチレンオキシドを一酸化炭素およびアルコールなどと共に反応させるカルボエステル化反応によって3−ヒドロキシプロパン酸アルキルを合成し、該化合物のエステル基を水素化させて1,3−プロパンジオールを製造する方法が可能である。この工程はヒドロキシ基とアルデヒド基とを共に有する中間体を製造しないためカルボニル化工程の生産性を高められる長所があるが、この方法で1,3−プロパンジオールを製造する工程が工業化された例は今までない。なぜならば、3−ヒドロキシプロパン酸アルキルが銅−クロム酸化物触媒、銅−亜鉛酸化物触媒あるいはレーニーニッケル(Raney Ni)のような通常のエステル基還元用水素化触媒上で非常に非選択的に反応するからである。一般に、マレイン酸ジエチルまたは2−ヒドロキシブチル酸エステル化合物から1,4−ブタンジオールまたは1,2−ジヒドロキシブタンなどへの合成のようにβ位にヒドロキシ基を持たないエステル化合物の水素化反応の場合は、高い選択性と収率で目的化合物を合成できる触媒工程が公知されている反面、本発明の対象の基質化合物のように、特別にβ位にヒドロキシ基を有している場合は、脱水反応による副産物の生成が多いため、高い収率で1,3−プロパンジオールを得ることが非常に難しく、公知の技術もほとんどないのが現状である。
【0005】
特許文献10では、メタノールのようなアルコール溶媒の存在下でCuO/ZnOおよび修飾されたCuO/ZnO系触媒を用いて1,3−プロパンジオールを製造する方法を提案しているが、前記引用発明の実施例をみれば、1,3−プロパンジオールに対する選択率が低く、特に転換率を高く維持したときは選択率が急落することが確認できる。
【0006】
そこで、本発明者らは特許文献11および特許文献12をもって、銅ナノ粒子をシリカで安定化させる方法によって製造された、CuO/SiO2および修飾されたCuO/SiO2系触媒を用い3−ヒドロキシエステル化合物から気相法または液−気相法および液相法で1,3−プロパンジオールを製造する方法を提示したことがある。該方法によれば、比較的高い触媒活性と選択性とで1,3−プロパンジオールを合成することができるが、工程の面でみると、液相や液−気相工程は高沸点溶媒を回収、再使用しなければならないという問題があり、また触媒が溶媒に流出するおそれがある。一方、気相工程を適用する場合は、触媒の生産性を高め、長期間反応の安定性を確保することが大事である。
【0007】
3−ヒドロキシプロパン酸アルキルから1,3−プロパンジオールを気相水素化工程で製造するに当たって最も大きな問題点は、反応物である3−ヒドロキシプロパン酸アルキルの反応性が非常に高くて種々の副反応を誘発するので、高い収率で長時間安定した1,3−プロパンジオールを得ることが非常に難しいということである。
【0008】
【特許文献1】
米国特許第5,770,776号明細書
【特許文献2】
米国特許第5,723,389号明細書
【特許文献3】
米国特許第5,731,478号明細書
【特許文献4】
米国特許第5,777,182号明細書
【特許文献5】
米国特許第6,232,511号明細書
【特許文献6】
米国特許第6,140,543号明細書
【特許文献7】
米国特許第6,136,576号明細書
【特許文献8】
米国特許第6,013,494号明細書
【特許文献9】
米国特許第5,821,092号明細書
【特許文献10】
国際公開第00/18712号パンフレット
【特許文献11】
韓国特許出願第2001−33142号明細書
【特許文献12】
韓国特許出願第2001−67901号明細書
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、3−ヒドロキシプロパン酸アルキルを気相水素化工程に適用することにより、目的とする1,3−プロパンジオールを高収率で製造することができ、安定性、高活性、および高選択率を長期にわたり示すことが可能な工業的価値のある水素化触媒を提供し、延いては、前記触媒を用い最適化された3−ヒドロキシプロパン酸アルキルの水素化方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、銅塩、マンガン塩および亜鉛塩の含有された水溶液にアルカリ性沈殿剤を加えて、混成水酸化物の形態で粒子を一次生成した後、ここにナノサイズのコロイダルシリカを加えて熟成させることにより製造された CuO(A)MnO2(B)ZnO(C)SiO2(D)(ここで、A、B、CおよびDは該当成分の質量%であって、Aは40〜85、Bは0.15〜4、Cは0.001〜2.5、Dは10〜60の実数を示し、但、BとCとの合計量は5以下である)として表わされる水素化触媒に関するものである。
【0011】
本発明はさらに、前記水素化触媒を固定層反応器内で水素気体または水素含有気体を用い還元させることにより活性化触媒を得る段階と、前記活性化触媒の存在下、水素気体または水素含有気体を用いて3−ヒドロキシプロパン酸アルキルを気相水素化させる段階と、を含む1,3−プロパンジオールの製造方法に関するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより詳しく説明する。
【0013】
本発明における基質化合物の3−ヒドロキシプロパン酸アルキルは下記一般式(1)の構造を有する。
【0014】
【化1】
【0015】
ここで、Rは好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブタン、イソブタン、t−ブタン、シクロヘキサン、またはシクロヘキサンメチ
ルを示す。
【0016】
前記化学式において、C2炭素に結合したプロトンは、酸または塩基により非常に容易に活性化して脱水されるため、3−ヒドロキシプロパン酸アルキルの水素化に用いられる触媒は極めて中性でなければならない。しかも、かような特性を有する触媒を用いたとしても、反応活性を向上させるために反応温度を高めることも脱水反応の増加する原因になるため限界がある。したがって、高収率で目的の化合物、すなわち1,3−プロパンジオールを得るためには、低い反応温度でも高活性を表わすような触媒を設計・製造しなければならない。
【0017】
本発明者らは、先行発明(韓国特許出願第2001−33142号明細書)において、酸化銅粒子を水酸化物の形態で一次生成させた後、ナノサイズを有するコロイダルシリカの存在下で熟成させる製造方法を報告した。かような製造方法は、酸化銅粒子のサイズを調節できるとの利点があり、最終的にシリカで安定されたナノロード型酸化銅結晶を有する触媒が得られ、該触媒は3−ヒドロキシプロパン酸アルキルの液相および液−気相水素化に非常に高い性能を有するものである。しかし、該触媒は液相および液−気相工程では高い性能を示すが、本発明が目的とする気相水素化工程に適用する場合、脱水による副産物が多量に生成する問題点があった。
【0018】
本発明者らは該触媒をマンガン、亜鉛などの元素を用いて製造すると、1,3−プロパンジオールに対する選択性が増加することを見出して、1,3−プロパンジオールへの選択性の高い新たな水素化触媒を提供することを可能にした。
【0019】
すなわち、本発明の水素化触媒は、銅塩、マンガン塩および亜鉛塩を含有した水溶液にアルカリ性沈殿剤を添加し混成水酸化物の形態で粒子を一次生成させた後、これにナノサイズのコロイダルシリカを添加し熟成させることにより製造されてなるものであり、具体的には、CuO(A)MnO2(B)ZnO(C)SiO2(D)(ここで、A、B、CおよびDは該当成分の質量%であって、Aは40〜85、Bは0.15〜4、Cは0.001〜2.5、Dは10〜60の実数を示す)で示されるものである。
【0020】
マンガン酸化物の含量は、全触媒含量(A+B+C+D)に対し0.15〜4質量%であることが好ましい。マンガン酸化物の含量が0.15質量%未満だと本発明で目的とする選択性の改善効果が得られず、また、マンガン酸化物の含量が4質量%を超えるとかえって活性と選択性とを低下させてしまうためである。
【0021】
亜鉛酸化物の含量は、全触媒含量(A+B+C+D)に対し0.001〜2.5質量%であることが好ましい。亜鉛成分の選択性の改善効果は極めて制限された範囲で表わされ、亜鉛酸化物の含量が0.001質量%以下だと選択性の改善効果がなく、その反面、亜鉛酸化物の含量が2.5質量%を超えるとかえって活性と選択性とが減少する。
【0022】
但し、マンガン酸化物含量と亜鉛酸化物含量との和は全触媒(A+B+C+D)の5質量%以下になるように調節することが好ましい。これらの二つの成分の和が全触媒の5質量%を超えると、選択性が低下する。
【0023】
本発明に使用可能な銅塩、マンガン塩および亜鉛塩の種類は、本発明の目的を害しない限り特に制限されない。使用可能な塩としては、例えば硝酸塩、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩などが挙げられ、そのうち硝酸塩が、焼成過程において、陰イオンを効果的に除去できるので最も好ましい。
【0024】
本発明の水素化触媒が3−ヒドロキシプロパン酸アルキルの水素化に高い性能を示すためには、前述のような水素化触媒の製造過程中に用いられるアルカリ性沈殿剤、例えば水酸化ナトリウム(または水酸化カリウム)、アルカリ族金属の炭酸塩または重炭酸塩などの使用量を、熟成後の触媒溶液のpHが5〜10、好ましくは6〜9となるように添加して調節することが好ましい。これは、pHが10を超えると、銅およびマンガンの共沈後に添加されるナノサイズのシリカが溶解し、pHが5未満だと各成分元素の沈殿が完全に行われず熟成過程において酸化物状態の結晶粒子を得難くなるためである。
【0025】
触媒の熟成に用いられるコロイダルシリカは、アンモニウムイオン(NH4 +)、ナトリウムイオン(Na+)または他のアルカリ金属イオンにより安定化されるものであり、粒子の大きさが4〜60nm、表面積が100〜600m2/gであるシリカを使用し、シリカの濃度は5〜60質量%であるものを使用する。通常使用される製品としては、例えばLudox、Nalcoag、Snowtexなどが挙げられる。表面積は、公知の方法により測定されるものである。
【0026】
本発明の触媒は好ましくは、熟成後に、洗浄、成形過程を経るものである。
【0027】
前記洗浄過程は、前記アルカリ性沈殿剤より生じたナトリウムイオンまたはカリウムイオンのような陽イオン性物質の残留量を調節するために行う。洗浄は、公知の方法を用いて行ってよく、例えば、蒸留水などを用いて洗浄を行う。これは、前記陽イオン性物質が過多に残留すると、触媒活性を低下させるためである。前記陽イオン性物質の濃度が酸化物状態の触媒に対し、1000ppm以下、好ましくは500ppm以下になるようにすることが好ましい。
【0028】
上述のように洗浄した触媒はろ過、乾燥後、例えば、加圧成形、圧出法、打錠法によって成形し、または耐火性担体に担持して使用してもよい。
【0029】
上述のように成形された触媒はシリカに含有されたヒドロキシ基の残留量を最大限に減らし触媒を中性化するために焼成過程を経るものである。この時、焼成温度は300〜1000℃、好ましくは400〜900℃にすることが好ましい。焼成温度が1000℃を超えると銅粒子の大きさが増加して触媒活性が低下し、焼成温度が300度未満だと脱水反応の増加により活性および選択性が共に低下する。
【0030】
上記方法により製造された銅−マンガン−シリカ成分からなる水素化触媒は、3−ヒドロキシプロパン酸アルキルの水素化に高い活性を示す。しかし、触媒の長期的な安定性をより改善するためには、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)およびレニウム(Re)から選ばれる少なくとも1種の元素を含有することが効果的である。前記促進剤を含有することにより、主成分である銅の活性を増加させる他、触媒表面への炭素沈着による活性の低下を緩和させることが考えられる。本発明者らは、前記水素化触媒の存在下でγ−ブチロラクトンの水素化分解反応によるブタンジオールの製造に際しては触媒の活性低下が検出されなかったが、プロピオラクトンの水素化においては反応時間に応じての活性が24時間内に50%以下に急激に低下することから、3−ヒドロキシプロパン酸アルキルの水素化反応時において、反応物自体のラクトン化により製造されたプロピオラクトンの高分子化による触媒表面での炭素の沈着が本発明の触媒の長期的な反応安定性を阻害する決定的な要因として作用すると考えている。上記のような促進剤を加えることにより、そのような高分子の分解速度を増進させて炭素の沈着速度が緩和され得ると期待される。
【0031】
前記促進剤を本発明の触媒に含有する方法としては、水または有機溶媒に溶解した所望の促進剤の前駆体化合物を上述のように製造した前記水素化触媒の粉末に担持させることが好ましい。PtおよびPdはそれぞれ硝酸塩(Pt(NO3)2・xH2O、またはPd(NO3)2・xH2O)またはアミン錯体(Pt(NH3)4X2、またはPd(NH3)4X2、ここで、X=NO3 −、OH−またはCl−)の形態で使用され、Ruはドデカカルボニル三ルテニウム(Ru3(CO)12)、Rhは硝酸塩(Rh(NO3)2・2H2O)、そしてReは酸化レニウム(Re2O7)の形態で使用することが好ましいが、これらに限られず、他の塩または錯物の形態で使用することもできる。
【0032】
前記促進剤を坦持させる方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、前記促進剤を、上述のとおりに製造した前記水素化触媒に、アセトン、メタノールなどの有機溶媒中で坦持する方法などがある。前記水素化触媒は前記促進剤として、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)およびレニウム(Re)から選ばれる少なくとも1種の元素を、金属換算で酸化物状態の銅−マンガン−亜鉛−シリカ触媒100質量部に対し0.001〜4質量部の割合で含むことが好ましい。これは、4質量部を超えると、脱カルボキシル化反応率の増加によって選択性を減少させるためである。
【0033】
前述の組成および方法により製造された本発明の触媒の存在下で、3−ヒドロキシプロパン酸アルキルから1,3−プロパンジオールを製造するには、まず酸化物状態の前記水素化触媒を、チューブ型反応器などを用いて、水素または水素含有気体により100〜250℃、1〜60時間程度で、活性化させる。
【0034】
本発明の触媒を用いた3−ヒドロキシプロパン酸アルキルの気相水素化反応では、固定層反応器を使用する。反応条件は、3−ヒドロキシプロパン酸アルキルのLHSVが0.01〜5.0hr−1、好ましくは0.05〜1.0hr−1の範囲に入るように供給し、反応温度は100〜300℃、好ましくは130〜200℃、反応圧力は10〜200気圧、好ましくは20〜100気圧、そして水素と3−ヒドロキシプロパン酸アルキルとのモル比は100:1ないし3000:1、好ましくは200:1ないし1500:1で、となるように調節する。
【0035】
特に、本発明の水素化触媒の存在下、3−ヒドロキシプロパン酸アルキルの水素化反応において、沸点の低い低沸点アルコールと3−ヒドロキシプロパン酸アルキルとを混合して供給することが好ましい。
【0036】
これは上記したような3−ヒドロキシプロパン酸アルキルの分子内ラクトン化によるプロピオラクトンの生成を抑制するためであり、触媒活性を長時間維持するのに重要な役割を果たす。かような低沸点アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどが挙げられ、特に3−ヒドロキシプロパン酸アルキルを製造するためのエチレンオキシドのカルボエステル化反応に使用したものと同じアルコールを使用することが分離などの後処理を考慮する上で好ましい。例えば、3−ヒドロキシプロパン酸メチルが基質である場合にはメタノールを、3−ヒドロキシプロパン酸エチルが基質である場合にはエタノールを使用することが好ましい。また、3−ヒドロキシプロパン酸アルキルに対する前記低沸点アルコールの混合比は10:90ないし90:10(v/v)の範囲内で定められ、好ましくは30:70ないし70:30(v/v)の範囲内で定められる。
【0037】
本発明は、後述する実施例により一層明確に理解でき、下記の実施例は本発明を例示するだけで発明の領域を制限するものではない。
【0038】
【実施例】
実施例1
(1)水素化触媒CuO(72)MnO2(2.5)ZnO(0.5)SiO2(25)の製造
硝酸銅(Cu(NO3)2・3H2O)200g、硝酸マンガン(Mn(NO3)2・6H2O)7.55gおよび硝酸亜鉛(ZnO(NO3)2・6H2O)1.67gを1500mlの蒸留水に溶かした溶液に、水酸化ナトリウム68.8gを500mlの蒸留水に溶かした溶液を加え、沈殿させた。このとき、中和熱により前記溶液の温度が20℃を超えないように調節した。次いで、前記溶液にコロイダルシリカ水溶液(Dupon社製、ルドックス(Ludox)SM−30(ナトリウム安定型、シリカ含量30質量%、表面積345m2/g、粒子の大きさ7nm))76.3gを加えた後、85℃で6時間熟成させた。熟成後の前記溶液のpHは7であった。沈殿したスラリーを蒸留水で洗浄した後、減圧フィルターを介して濾過し、120℃で12時間乾燥させた後300℃で一次焼成した。一次焼成した触媒を破砕し粉末にして加圧成形した後、再び20〜40メッシュの大きさで破砕し選別して750℃で5時間、二次焼成した。焼成した触媒酸化物においてナトリウム含量は180ppmであった。
【0039】
(2)触媒還元
前記焼成した酸化物状態の触媒1.0gをチューブ型反応器(内径12mm、長さ25cm)に充填し、5%H2/95%N2の混合ガスを流し込みながら徐々に昇温させ180℃で6時間活性化させた。
【0040】
(3)3−ヒドロキシプロパン酸メチルの水素化反応
上記のように触媒を還元して活性化した後、反応器の温度を155℃に合わせ、水素気体を用いて圧力を40気圧に調節した。以降、水素気体の流量を400ml/minに調節して反応器に流し込みながら、3−ヒドロキシプロパン酸メチル(HPM):メタノール=40:60(v/v)の混合物をHPLCポンプを用いて、HPMのみのLHSVが0.15hr−1になるように水素気体の流れと同じ方向に注入して反応させた。生成物を反応圧力と同圧力下で採取してGCで分析した。反応の開始から100時間経過後の反応結果は、HPMの転換率が98.4%、1,3−プロパンジオール(PDO)の選択率が87.1%であった。
【0041】
実施例2
前記実施例1に使用したものと同じ触媒を用い、同じ条件でHPMの水素化反応を500時間まで行った。以降、反応温度のみを160℃に上げ、続けて220時間反応を行った。前記のように、合計720時間使用された触媒の状態を調べるために、HPMの供給を中断し、水素気体の流れる中で前記触媒を320℃で12時間活性化した後、温度を155℃に下げ、初期条件と同じ条件でHPMの水素化反応を再開した。全体的な反応結果は下記の表1に示す通りであり、高温(320℃)水素処理後の結果は、触媒活性が反応初期と同じレベルで維持されていることを示している。
【0042】
【表1】
【0043】
実施例3
CuO(76)MnO2(3)ZnO(1)SiO2(20)触媒を実施例1と同様の方法で製造して活性化した後、HPMの水素化反応を行った。LHSV=0.12hr−1、150℃、40気圧、H2/HPM=890(モル比)の条件での反応結果は、HPM転換率93.8%に対しPDO選択率が87.8%であり、LHSV=0.15hr−1、155℃、40気圧、H2/HPM=740(モル比)の条件では、HPMの転換率が97.3%に対しPDOの選択率が86.7%であった。
【0044】
比較例1
マンガンおよび亜鉛成分の改良効果を調べるために、実施例1による触媒製造の際、硝酸マンガンおよび硝酸亜鉛を取り除いた以外は該実施例1と同様の方法でCuO(80)SiO2(20)触媒を製造した。前記触媒を実施例1と同じ条件で活性化させた後、HPMを水素化反応して活性を調べた。該反応の結果は、HPMの転換率97.4%に対しPDOの選択率が80.8%であった。
【0045】
比較例2
亜鉛成分のみの改良効果を調べるために、実施例1による触媒製造の際、硝酸マンガンを取り除いた以外は該実施例1と同様の方法でCuO(77)ZnO(3)SiO2(20)触媒を製造した。前記触媒を実施例1と同じ条件で活性化した後、HPMを水素化反応させて活性を調べた。該反応の結果は、HPMの転換率96.2%に対しPDOの選択率が84.5%であった。
【0046】
比較例3
マンガンおよび亜鉛成分の添加量による触媒性能を調べるために、実施例1による触媒製造の際、硝酸銅、硝酸マンガン、硝酸亜鉛およびシリカ水溶液の使用量を異にしてCuO(74.5)MnO2(4.5)ZnO(1)SiO2(20)触媒を製造した。前記触媒を実施例1と同じ条件で活性化した後、LHSV=0.105hr−1、155℃、40気圧、H2/HPM=1020(モル比)の条件でHPMの水素化反応を行った。反応結果は、HPMの転換率82.1%に対しPDOの選択率が80.1%であり、かかる結果はマンガンと亜鉛成分が非常に制限された含量範囲内で改良効果があることを示している。
【0047】
比較例4
比較例3と同じ目的で、亜鉛成分の含量を増やしたCuO(74.3)MnO2(2.7)ZnO(3)SiO2(20)触媒を実施例1と同様の方法で製造した。前記触媒を実施例1と同じ条件で活性化した後、LHSV=0.09hr−1、155℃、40気圧、H2/HPM=1200(モル比)の条件でHPMの水素化反応を行った。該反応の結果は、HPMの転換率が75.4%に対しPDOの選択率が70.4%であった。
【0048】
実施例4
実施例1と同様の方法でCuO(72)MnO2(2.5)ZnO(0.5)SiO2(25)触媒を製造した。但し、製造過程の中、洗浄、濾過したケーキを含水率が約55%になるまで120℃で乾燥した後、圧出法で成形した。このように成形した触媒を750℃で5時間焼成した後、酸化レニウム(Re2O7)を水とアセトンとの混合溶液に溶かしてから前記触媒に担持させて[CuO(72)MnO2(2.5)ZnO(0.5)SiO2(25)](99.5)(Re2O7)(0.5)触媒を製造した。前記触媒を実施例1と同じ条件で活性化した後、HPMを水素化反応させて活性を調べた。該反応を開始してから100時間経過した時点で、HPMの転換率は98.3%、PDOの選択率は87.8%であり、500時間経過した後のHPMの転換率は97.8%、PDOの選択率は88.0%であった。
【0049】
実施例5
実施例1のCuO(72)MnO2(2.5)ZnO(0.5)SiO2(25)触媒を破砕して100メッシュ以下の粉末にした後、Pt(NH3)4(NO3)2を水とメタノールとの混合溶液に溶かしてから前記触媒に担持させて、[CuO(72)MnO2(2.5)ZnO(0.5)SiO2(25)](99.8)PtO(0.2)触媒を製造した。製造した触媒粉末を打錠法で成形した。成形した触媒を実施例1と同じ条件で活性化した後、HPMを水素化反応させて活性を調べた。水素化反応を開示してから50時間経過の時点で反応温度を155℃から153℃に下げた後、反応を続けた。該反応の結果は下記の表2のとおりである。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】
3−ヒドロキシプロパン酸アルキルを気相法で水素化し1,3−プロパンジオールを製造するにあって、本発明の水素化触媒の下で長期的に、安定し、高活性及び高選択率で1,3−プロパンジオールを製造することが可能である。
Claims (13)
- 銅塩、マンガン塩および亜鉛塩を含有した水溶液にアルカリ性沈殿剤を添加し混成水酸化物の形態で粒子を一次生成した後、これにナノサイズのコロイダルシリカを添加し熟成させることにより製造されてなるCuO(A)MnO2(B)ZnO(C)SiO2(D)(ここで、A、B、CおよびDは該当成分の質量%であって、Aは40〜85、Bは0.15〜4、Cは0.001〜2.5、Dは10〜60の実数を示し、但し、BとCとの合計量は5以下である)で示される水素化触媒。
- 前記水素化触媒は促進剤として、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)およびレニウム(Re)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を、前記水素化触媒100質量部に対し0.001〜4質量部の割合で含むことを特徴とする請求項1に記載の水素化触媒。
- 前記コロイダルシリカがアンモニウムイオン、ナトリウムイオンまたは他のアルカリ金属イオンにより安定化されるものであり、粒子の大きさが4〜60nm、表面積が100〜600m2/gであるシリカを使用し、シリカの濃度が5〜60質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の水素化触媒。
- 前記アルカリ性沈殿剤により、熟成後の触媒溶液のpHが5〜10となるように調節されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素化触媒。
- 前記アルカリ性沈殿剤から発生した陽イオン性物質の含量が1000ppm以下となるように洗浄されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水素化触媒。
- コロイダルシリカを加えて熟成させた後、300〜1000℃で焼成されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の水素化触媒。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の水素化触媒を固定層反応器内で水素気体または水素含有気体を用いて還元させて活性化触媒を得る段階と、
前記活性化触媒の存在下、水素気体または水素含有気体を用いて3−ヒドロキシプロパン酸アルキルを気相水素化させる段階と、を含む1,3−プロパンジオールの製造方法。 - 前記水素化触媒の還元が100〜250℃、1〜60時間で行われることを特徴とする請求項7に記載の1,3−プロパンジオールの製造方法。
- 前記3−ヒドロキシプロパン酸アルキルの気相水素化が100〜300℃、10〜200気圧下で行われることを特徴とする請求項7または8に記載の1,3−プロパンジオールの製造方法。
- 前記3−ヒドロキシプロパン酸アルキルのLHSVが0.01〜5.0hr−1であり、水素と3−ヒドロキシプロパン酸アルキルとのモル比が100:1〜3000:1で前記固定層反応器内に供給されることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の1,3−プロパンジオールの製造方法。
- 前記3−ヒドロキシプロパン酸アルキルを低沸点アルコールと混合して供給することを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の1,3−プロパンジオールの製造方法。
- 前記低沸点アルコールがメタノール、エタノール、n−プロパノールおよびイソプロパノールからなる群から選ばれる1種であることを特徴とする請求項11記載の1,3−プロパンジオールの製造方法。
- 前記3−ヒドロキシプロパン酸アルキルと前記低沸点アルコールとの混合比が10:90〜90:10(v/v)であることを特徴とする請求項11または12に記載の1,3−プロパンジオールの製造方法。
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