JP2004031591A - 多層回路部品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板上にバッファガラス層を介して多層回路を設けることにより、絶縁ガラス層、ビアホール等を安定的に形成し、信頼性や生産性を向上させる。
【解決手段】基板2には、バッファガラス層3を介して導体層5,7,9,11と絶縁ガラス層6,8,10とを交互に積層し、バッファガラス層3に含まれる低融点ガラスの割合を絶縁ガラス層6,8,10よりも高くする。これにより、基板2に対するバッファ層用ガラスペースト16の濡れ性を高めてバッファガラス層3を平坦に形成でき、多層回路4を安定的に積層することができる。また、絶縁ガラス層6,8,10用のガラスペースト19を焼成するときの収縮率を低く抑制できるから、その焼成時には、ビアホール用の貫通孔19Aが大きく拡径するのを防止でき、ビアホール12,13,14を正確に形成することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】基板2には、バッファガラス層3を介して導体層5,7,9,11と絶縁ガラス層6,8,10とを交互に積層し、バッファガラス層3に含まれる低融点ガラスの割合を絶縁ガラス層6,8,10よりも高くする。これにより、基板2に対するバッファ層用ガラスペースト16の濡れ性を高めてバッファガラス層3を平坦に形成でき、多層回路4を安定的に積層することができる。また、絶縁ガラス層6,8,10用のガラスペースト19を焼成するときの収縮率を低く抑制できるから、その焼成時には、ビアホール用の貫通孔19Aが大きく拡径するのを防止でき、ビアホール12,13,14を正確に形成することができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば基板上に導体層と絶縁ガラス層とが交互に積層され、コイル部品等として好適に用いられる多層回路部品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、多層回路部品としては、基板上に複数の導体層と絶縁ガラス層とを交互に積層する構成とした多層型コイル部品等が知られている(例えば、特開2002−26530号公報等)。
【0003】
この種の従来技術による多層型コイル部品は、例えば導体ペースト等を焼成することにより、所定のパターン形状を有する導体層が形成されている。この場合、導体層は、例えば渦巻き状、ジグザグ状のパターン形状を有する細長い1本の導線として形成され、その長さ方向の途中部位は互いに微小な間隔(ピッチ)をもって隣接している。
【0004】
また、絶縁ガラス層は、例えば低融点ガラス、バインダー等の成分を含んだガラスペーストを焼成することにより形成され、個々の絶縁ガラス層には、この絶縁ガラス層を挟んで互いに隣接する2個の導体層を各導体層の端部側で接続する導電性のビアホールが設けられている。
【0005】
ここで、多層型コイル部品の製造方法について述べると、まず基板の表面側に1層目の導体層を形成した後に、ガラスペーストを基板の表面側に塗布し、導体層を覆うガラスペースト層を形成する。次に、ガラスペースト層の所定部位にビアホールとなる貫通孔を穿設した後に、ペーストを焼成することによって絶縁ガラス層を形成する。そして、絶縁ガラス層の貫通孔に導電性材料を充填することにより、1層目の導体層と接続されたビアホールを形成する。
【0006】
さらに、この絶縁ガラス層の表面側に2層目以降の導体層と絶縁ガラス層とを交互に積層しつつ、各絶縁ガラス層にビアホールを形成することにより、多層型コイル部品を製造するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術では、例えば低融点ガラス、バインダー等の成分を含んだガラスペーストを塗布、焼成して絶縁ガラス層を形成する構成としている。この場合、例えば低融点ガラスの割合(含有率)が低いガラスペーストを1層目の絶縁ガラス層として基板に塗布、焼成すると、基板に対するペーストの流動性(濡れ性)が悪いため、焼成後のガラス中に微小孔が形成され易い。
【0008】
そして、このガラスペーストの焼成後に2層目のガラスペーストを積層すると、新たに積層したペースト中に含まれるバインダー等の成分が1層目のガラス中の微小孔内に侵入し、このバインダー等は2層目のガラスペーストを焼成するときに膨張して気泡を形成することがある。このため、低融点ガラスの割合が低いガラスペーストを用いると、絶縁ガラス層の表面側が気泡によって凹凸形状となり、3層目以降に積層される導体層や絶縁ガラス層の積層不良等が多くなるため、コイル部品の歩留まりが低下するという問題がある。
【0009】
これに対し、例えば1層目のガラスペースト中に含まれる低融点ガラスの割合を高くする方法も考えられる。しかし、この場合には、ガラスペースト層を焼成するときにペーストの収縮率が高くなるため、その焼成前に形成されるビアホール用の貫通孔がペーストの焼成後に拡径し易くなる。そして、この貫通孔を用いてビアホールを形成すると、ビアホールが設計上の寸法等に対して大きくなり過ぎ、導体層のうち互いに微小なピッチで隣接する各部位がビアホールにより短絡されることがあるため、例えば導体層の各部位間のピッチを余分に確保しない限り、コイル部品の作動不良を招く虞れがある。
【0010】
このため、従来技術では、絶縁ガラス層中に含まれる低融点ガラスの割合が低い場合と高い場合の両方において、コイル部品の不良が生じ易いため、低融点ガラスの割合を適切に設定するのが困難となり、部品の信頼性や生産性を高めるのが難しいという問題がある。
【0011】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、基板に対するガラスペーストの濡れ性を確保しつつ、ペーストを焼成するときの収縮率を低く抑えることができ、導体層やビアホールを安定的に形成できると共に、信頼性や生産性を向上できるようにした多層回路部品及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明に係る多層回路部品は、基板と、該基板の表面側に設けられたバッファガラス層と、該バッファガラス層の表面側に導体層と絶縁ガラス層とが複数層にわたって交互に積層された多層回路と、該多層回路の各絶縁ガラス層に設けられ前記各導体層を接続するビアホールとから構成し、かつ前記バッファガラス層に含まれる低融点ガラスの割合を前記各絶縁ガラス層に含まれる低融点ガラスの割合よりも高くしてなる構成を採用している。
【0013】
このように構成することにより、基板の表面側には、低融点ガラスの割合が比較的高いバッファガラス層を形成できるから、その材料となるガラスペースト等を基板に塗布するときには、両者間の濡れ性を高めることができる。これにより、ガラスペーストが微小孔を含んだ状態で焼成されるのを防止でき、バッファガラス層を緻密で平坦に仕上げることができる。
【0014】
また、バッファガラス層の表面側には、低融点ガラスの割合が比較的低い絶縁ガラス層を形成できるから、例えば絶縁ガラス層となるガラスペーストを焼成するときには、ガラスペーストに予め形成しておいたビアホール用の貫通孔等がペーストの収縮によって大きく拡径するのを防止でき、ビアホールを正確な大きさに形成することができる。
【0015】
また、請求項2の発明によると、導体層は感光性導体ペーストを用いて形成する構成としている。これにより、例えば導体層用のマスクパターンが予め形成されたフォトマスク等を用いて感光性導体ペーストを容易にパターン成形でき、微細な導体層を高い精度で形成することができる。
【0016】
また、請求項3の発明によると、絶縁ガラス層は感光性ガラスペーストを用いて形成する構成としている。これにより、例えばフォトマスク等を用いて感光性ガラスペーストにビアホール用の貫通孔等を容易にパターン成形でき、ビアホールを正確に形成することができる。
【0017】
さらに、請求項4の発明に係る多層回路部品の製造方法では、基板の表面側に低融点ガラスを高い割合で含んだバッファガラス層を形成し、前記バッファガラス層の表面側に導体層を形成し、前記導体層の表面側に前記低融点ガラスを前記バッファガラス層よりも低い割合で含んだガラスペーストを塗布し、前記ガラスペーストにビアホールとなる貫通孔を形成して焼成することにより絶縁ガラス層を形成し、前記導体層と絶縁ガラス層とを複数層にわたって交互に積層し前記各導体層をビアホールにより接続した多層回路を形成する構成としている。
【0018】
これにより、基板の表面側には、濡れ性がよいガラスペースト等を用いてバッファガラス層を平坦に形成できるから、その表面側に導体層等を安定的に積層することができる。また、バッファガラス層の表面側には、焼成時の収縮率を低く抑えたガラスペーストを塗布できるから、このガラスペーストを焼成したときには、ガラスペーストの貫通孔が拡径してビアホールが大きくなり過ぎるのを防止でき、各導体層をビアホールによって安定的に接続することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による多層回路部品及びその製造方法を、多層型コイル部品に適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
1は多層型コイル部品、2は該多層型コイル部品1の下層側を構成する基板で、該基板2は、図1、図2に示す如く、例えば酸化アルミニウム、石英(SiO2)、他のガラス材料等により平板として形成され、その表面2Aは平坦面によって構成されている。
【0021】
3は基板2の表面2Aに設けられた絶縁性のバッファガラス層で、該バッファガラス層3は、後述のバッファ層用ガラスペースト16を焼成することにより、基板2のほぼ全面にわたって一定の厚みをもつ被膜として形成され、その表面3Aは平坦面となっている。
【0022】
ここで、バッファガラス層3(バッファ層用ガラスペースト16)は、低融点ガラスを比較的高い比率で含むガラス材料によって形成され、ガラスペースト16を基板2に塗布、焼成するときの濡れ性を高める構成となっている。この場合、低融点ガラスとは、例えばSiO2、K2O、B2O3等によって形成され、例えば750〜800℃程度の比較的低い融点を有するガラス材料である。
【0023】
そして、バッファガラス層3に含まれる低融点ガラスの割合(含有率)は、例えば30〜50重量部程度の範囲に設定され、この割合は後述の絶縁ガラス層6,8,10よりも高い比率値として定められている。
【0024】
4は基板2の表面2Aにバッファガラス層3を介して設けられた例えば4層の多層回路で、該多層回路4は、後述の感光性導体ペースト17により形成された導体層5,7,9,11と、後述の感光性ガラスペースト19により形成され、これらの導体層5,7,9,11と交互に積層されて該各導体層間を絶縁する絶縁ガラス層6,8,10とを含んで構成されている。
【0025】
5はバッファガラス層3の表面3A側に設けられた第1の導体層で、該第1の導体層5は、図2、図3に示す如く、感光性導体ペースト17をパターン成形することにより、例えば渦巻き状のパターン形状を有する細長い1本の導線として形成されている。そして、導体層5は、長さ方向の途中部位が互いに微小なピッチをもって隣接する複数のパターン部5Aとなっている。
【0026】
6はバッファガラス層3と導体層5の表面側に設けられた第1の絶縁ガラス層で、該第1の絶縁ガラス層6は、感光性ガラスペースト19を焼成することにより、バッファガラス層3と導体層5とを覆う絶縁性の被膜として形成されている。そして、絶縁ガラス層6には、導体層5の端部側に対応する部位に後述のビアホール12,13,14となる貫通孔6Aが穿設されている。
【0027】
また、絶縁ガラス層6(感光性ガラスペースト19)は、バッファガラス層3よりも低い比率で低融点ガラスを含むガラス材料によって形成され、その低融点ガラスの割合は、例えば25〜35重量部程度の範囲に設定されている。これにより、感光性ガラスペースト19は、焼成による体積の収縮率が比較的低くなるように形成され、後述の如くガラスペースト19の焼成時にビアホール12,13,14用の貫通孔19Aが拡径するのを許容範囲内に抑える構成となっている。
【0028】
7は絶縁ガラス層6の表面側に設けられた第2の導体層で、該第2の導体層7は、導体層5とほぼ同様に形成され、複数のパターン部7Aを有している。また、導体層5,7は、これらの端部側に位置するパターン部5A,7Aがビアホール12によって接続されている。
【0029】
8は絶縁ガラス層6と導体層7の表面側に設けられた第2の絶縁ガラス層で、該第2の絶縁ガラス層8は、絶縁ガラス層6とほぼ同様に形成され、絶縁ガラス層8のうち導体層7の端部側に対応する部位には貫通孔8Aが穿設されている。
【0030】
9は絶縁ガラス層8の表面側に複数のパターン部9Aをもって設けられた第3の導体層、10は該第3の導体層9を覆って設けられ貫通孔10Aが穿設された第3の絶縁ガラス層で、これらの導体層9、絶縁ガラス層10は、それぞれ導体層5、絶縁ガラス層6とほぼ同様に構成されている。また、絶縁ガラス層10には、複数のパターン部11Aを有する第4の導体層11が設けられている。
【0031】
12,13,14は絶縁ガラス層6,8,10にそれぞれ設けられたビアホールで、該ビアホール12,13,14は、図3に示す如く、絶縁ガラス層6,8,10の貫通孔6A,8A,10A内に導電性材料を充填することにより形成され、導体層5,7,9,11のうち絶縁ガラス層6,8,10を挟んで互いに隣接する2個の導体層の端部側をそれぞれ接続している。これにより、4個の導体層5,7,9,11は、ビアホール12,13,14により1本の導線(コイル)として接続されている。
【0032】
15は多層型コイル部品1の上層側を構成する保護層で、該保護層15は、絶縁ガラス層6とほぼ同様に、ガラスペースト等を用いて形成され、絶縁ガラス層10と導体層11とを覆っている。
【0033】
本実施の形態による多層型コイル部品1は上述の如き構成を有するもので、次に図4ないし図12を参照しつつ、その製造方法について説明する。
【0034】
まず、図4に示すバッファガラス層形成工程では、バッファ層用ガラスペースト16を印刷等の手段によって基板2の表面2A全体にほぼ一定の厚みで塗布し、これを焼成することによってバッファガラス層3を形成する。
【0035】
ここで、バッファ層用ガラスペースト16は、低融点ガラスの割合が後述の感光性ガラスペースト19よりも高い絶縁性のガラス材料によって形成されている。これにより、ガラスペースト16を基板2に塗布、焼成するときには、両者間の濡れ性を高めることができるので、ペースト16内に微小孔が形成されるのを防止でき、バッファガラス層3を緻密に形成して表面3Aを平坦に仕上げることができる。
【0036】
次に、図5及び図6に示す導体層形成工程では、まず図5に示すようにバッファガラス層3の表面3A側に感光性導体ペースト17を塗布する。この場合、感光性導体ペースト17は、特開2002−26530号公報に記載された従来技術とほぼ同様に、例えば感光性ビヒクル(感光性有機成分)等の感光性材料と導体材料とを含んで構成され、導体材料としては、例えば金、銀、銅、白金、ニッケル、カドミウム、タングステン等の金属粉が用いられるものである。
【0037】
また、感光性導体ペースト17としては、ペーストのうち露光した部位だけが硬化して残される光可硬化型の感光性ペーストと、露光した部位が可溶性となる光可溶化型の感光性ペーストがある。この場合、本発明は、これら光可硬化型と光可溶化型のうちいずれの感光性ペーストを用いてもよいものであり、実施の形態では、光可硬化型の感光性ペーストを用いた場合を例に挙げて説明する。
【0038】
そして、この工程では、感光性導体ペースト17の表面側にフォトマスク18を配置し、その開口パターン18Aを介して導体ペースト17の一部に紫外線等の光線を照射することにより、導体ペースト17のうち導体層5に対応する部位を選択的に露光する。そして、この導体ペースト17を所定の現像液等に浸して未露光部位だけを除去し、残りの部位を焼成する。この結果、図6に示すように導体層5を高い精度で容易に形成でき、各パターン部5Aを微小なピッチをもって互いに隣接させることができる。
【0039】
次に、図7に示すガラスペースト塗布工程では、感光性ガラスペースト19をスクリーン印刷等の手段によってバッファガラス層3と導体層5の表面側に塗布する。この場合、感光性ガラスペースト19は、従来技術とほぼ同様に、例えば感光性ビヒクル等の感光性材料、クォーツ等のセラミックス粉、各種の溶剤等を含む絶縁性のガラス材料として構成されている。
【0040】
そして、この場合には、バッファガラス層3が微小孔のない緻密な状態で形成されているので、ガラスペースト19内に含まれるバインダー等の成分がバッファガラス層3側に侵入するのを防止することができる。また、ガラスペースト19は、バッファガラス層3と比較的性質が近いガラス材料により形成されているので、このペースト19をバッファガラス層3上に高い濡れ性をもって安定的に塗布、焼成でき、両者間の濡れ性を高めることができる。
【0041】
次に、図8に示すビアホール用貫通孔形成工程では、まず感光性ガラスペースト19の表面側にフォトマスク20を配置し、そのパターン20Aを介してガラスペースト19のうちビアホール12に対応する部位だけを選択的に未露光とした後に、この未露光部位を除去して図9に示す貫通孔19Aを形成する。これにより、ガラスペースト19には、所定の孔径を有する貫通孔19Aを正確な位置に形成することができる。
【0042】
次に、図9に示すガラスペースト焼成工程では、ガラスペースト19を焼成することによって絶縁ガラス層6を形成する。この場合、ガラスペースト19の貫通孔19Aは、ガラスペースト19が焼成時に収縮することによって僅かに拡径し、貫通孔6Aとなる。しかし、ガラスペースト19は、低融点ガラスの割合がバッファ層用ガラスペースト16よりも低く抑えられ、焼成時の収縮率が低く形成されている。これにより、ガラスペースト19の焼成時には、貫通孔19Aがペースト19の収縮によって大きく拡径するのを防止することができる。そして、例えば貫通孔19Aの孔径をビアホール12の設計寸法等に対して僅かに小さく形成しておくことにより、焼成後の貫通孔6Aを設計寸法の許容範囲内に収まる正確な寸法に形成でき、ビアホール12を微小化することができる。
【0043】
次に、図10に示すビアホール形成工程では、絶縁ガラス層6の貫通孔6Aに導電性材料を充填することによりビアホール12を形成する。この場合、例えばビアホール12用の導電性材料として感光性導体ペースト17を用い、この導体ペースト17を貫通孔6A内に充填しつつ、導体ペースト17を絶縁ガラス層6上に第2の導体層7の材料として塗布することにより、図10に示すビアホール形成工程と図11に示す導体層形成工程とを一緒に行うことができる。
【0044】
そして、図11及び図12に示す積層工程では、絶縁ガラス層6の表面側に対して前記導体層形成工程、ガラスペースト塗布工程、ビアホール用貫通孔形成工程、ガラスペースト焼成工程及びビアホール形成工程とほぼ同様の手順を繰返すことにより、第2の導体層7、第2の絶縁ガラス層8、第3の導体層9、第3の絶縁ガラス層10、第4の導体層11を順次積層し、ビアホール13,14を形成して多層回路4を形成する。さらに、保護層15を形成することにより、多層型コイル部品1を製造することができる。
【0045】
かくして、本実施の形態では、基板2の表面2A側にバッファガラス層3を介して多層回路4を設け、その絶縁ガラス層6,8,10に含まれる低融点ガラスの割合よりもバッファガラス層3に含まれる低融点ガラスの割合を高くする構成としたので、バッファガラス層形成工程では、バッファ層用ガラスペースト16を基板2に高い濡れ性をもって安定的に塗布、焼成することができる。
【0046】
この場合、ガラスペースト16は、基板2のほぼ全面にわたって一定の厚みを有しているので、その焼成時には、ガラスペースト16が比較的大きく収縮するとしても、ペースト16の各部位を厚み方向等に対して均等に収縮させることができる。従って、バッファガラス層形成工程では、ガラスペースト16の収縮率に関係なく、バッファガラス層3の表面3Aを滑らかな平面として形成することができる。
【0047】
そして、バッファガラス層3を微小孔のない緻密な状態で形成できるので、その表面3A側に絶縁ガラス層6を形成するときには、絶縁ガラス層6用の感光性ガラスペースト19に含まれるバインダー等によってバッファガラス層3や絶縁ガラス層6の表面側が凹凸形状となるのを確実に防止でき、これらの表面側に導体層5,7,9,11と絶縁ガラス層6,8,10とを安定的に積層することができる。
【0048】
また、絶縁ガラス層6,8,10は低融点ガラスの割合を低くできるから、ガラスペースト焼成工程では、感光性ガラスペースト19が収縮してビアホール12,13,14用の貫通孔19Aが大きく拡径するの抑制でき、ビアホール12,13,14を正確に形成することができる。
【0049】
これにより、ビアホール形成工程では、例えば導体層5と接続するビアホール12が大きくなり過ぎ、複数のパターン部5Aがビアホール12により誤って短絡されるのを確実に防止することができる。
【0050】
従って、本実施の形態によれば、バッファガラス層3と絶縁ガラス層6,8,10とに含まれる低融点ガラスの割合をそれぞれ適切に設定できるから、多層回路4が下層側の凹凸形状等によって積層不良となったり、導体層5,7,9,11がビアホール12,13,14の寸法誤差等によって接続不良となるのを防止でき、コイル部品1の歩留まりを高め、信頼性や生産性を向上させることができる。また、ビアホール12,13,14を高い精度で形成できるから、これを可能な限り小さくして高密度に配置でき、コイル部品1を小型化することができる。
【0051】
また、導体層5,7,9,11を感光性導体ペースト17によって形成したので、導体層形成工程では、フォトマスク18等を用いて導体ペースト17を容易にパターン成形でき、例えば微細で複雑な形状をもつ導体層を形成する場合でも、これを高い精度で効率よく形成することができる。
【0052】
また、絶縁ガラス層6,8,10を感光性ガラスペースト19によって形成したので、ビアホール用貫通孔形成工程では、フォトマスク20等を用いてガラスペースト19の貫通孔19Aを容易にパターン成形でき、ビアホール12,13,14を正確に形成することができる。
【0053】
また、コイル部品1の製造時には、バッファガラス層3を形成した後に、導体層5,7,9,11と絶縁ガラス層6,8,10とを交互に積層しつつ、個々の導体層5,7,9,11を各ビアホール12,13,14によって容易に接続でき、多層型コイル部品1を効率よく製造することができる。
【0054】
なお、前記実施の形態では、感光性導体ペースト17を用いて導体層5,7,9,11を形成する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば汎用的な導体ペーストをスクリーン印刷等の手段によりパターン成形した状態で塗布し、これを焼成して導体層を形成する構成としてもよい。
【0055】
また、実施の形態では、図10に示すビアホール形成工程と図11に示す導体層形成工程とを分けて記載した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばビアホール12となる感光性導体ペースト17を貫通孔6A内に充填しつつ、この導体ペースト17を絶縁ガラス層6上に導体層7の材料として塗布することにより、ビアホール形成工程と導体層形成工程とを一緒に行う構成としてもよい。さらに、第3の導体層9とビアホール13もほぼ同様に、感光性導体ペースト17を一緒の工程で形成でき、第4の導体層11とビアホール14についても、一緒の工程で形成することができる。
【0056】
また、実施の形態では、例えば4層の導体層5,7,9,11と絶縁ガラス層6,8,10とを積層する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、2層または3層の導体層と絶縁ガラス層と交互に積層する構成としてもよく、さらには5層以上の積層構造に適用してもよい。
【0057】
また、実施の形態では、多層型コイル部品1を例に挙げて述べた。しかし、本発明はコイル部品1に限るものではなく、例えば高周波信号用のマイクロストリップ線路、コプレーナ線路、スロット線路等からなる各種の導体層と絶縁ガラス層とが交互に積層された多層回路部品に適用する構成としてもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、基板の表面側にバッファガラス層を介して導体層と絶縁ガラス層とを複数層交互に積層して多層回路を設け、その絶縁ガラス層に含まれる低融点ガラスの割合よりもバッファガラス層に含まれる低融点ガラスの割合を高くする構成としたので、例えばバッファガラス層用のガラスペーストを基板に安定的に塗布、焼成でき、バッファガラス層の表面を平坦に形成して導体層と絶縁ガラス層とを安定的に積層することができる。また、例えば絶縁ガラス層用のガラスペーストを焼成するときにペーストの収縮を小さく抑制でき、ビアホールを正確に形成することができる。従って、多層回路部品の歩留まりを高め、信頼性や生産性を向上させることができる。また、ビアホールを可能な限り小さくして高密度に配置できるから、部品全体を小型化することができる。
【0059】
また、請求項2の発明によれば、導体層を感光性導体ペーストによって形成する構成としたので、例えばフォトマスク等を用いて導体ペーストを容易にパターン成形でき、例えば微細で複雑な形状をもつ導体層を形成する場合でも、これを高い精度で効率よく形成することができる。
【0060】
また、請求項3の発明によれば、絶縁ガラス層を感光性ガラスペーストによって形成する構成としたので、例えばフォトマスク等を用いてガラスペーストに設けるビアホール用の貫通孔等を容易にパターン成形でき、ビアホールを正確に形成することができる。
【0061】
さらに、請求項4の発明によれば、基板の表面側にバッファガラス層、導体層、絶縁ガラス層を形成し、導体層と絶縁ガラス層とを交互に積層した多層回路を形成する構成としたので、バッファガラス層を形成した後に、導体層と絶縁ガラス層とを交互に積層しつつ、個々の導体層をビアホールによって容易に接続でき、多層型コイル部品を効率よく製造することができる。この場合、バッファガラス層と絶縁ガラス層とに含まれる低融点ガラスの割合をそれぞれ適切に設定できるから、多層回路が下層側の凹凸形状等によって積層不良となったり、導体層がビアホールの寸法誤差等によって接続不良となるのを防止でき、多層回路部品の歩留まりを高め、信頼性や生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による多層型コイル部品を示す正面図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向からみた多層型コイル部品の断面図である。
【図3】多層型コイル部品を示す分解斜視図である。
【図4】多層型コイル部品の製造時にバッファガラス層形成工程によって基板の表面側にバッファガラス層を形成する状態を示す断面図である。
【図5】導体層形成工程でバッファガラス層の表面側に感光性導体ペーストを塗布して露光する状態を示す断面図である。
【図6】導体層形成工程により感光性導体ペーストを用いて第1の導体層を形成した状態を示す断面図である。
【図7】ガラスペースト塗布工程でバッファガラス層と導体層の表面側に感光性ガラスペーストを塗布して露光する状態を示す断面図である。
【図8】ビアホール用貫通孔形成工程で感光性ガラスペーストの一部を露光してビアホール用の貫通孔を形成する状態を示す断面図である。
【図9】ガラスペースト焼成工程でガラスペーストを焼成して第1の絶縁ガラス層を形成する状態を示す断面図である。
【図10】ビアホール形成工程で絶縁ガラス層の貫通孔に導電性材料を充填してビアホールを形成した状態を示す断面図である。
【図11】積層工程により第2の導体層と絶縁ガラス層とを積層した状態を示す断面図である。
【図12】積層工程により第3の導体層と絶縁ガラス層とを積層した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 多層型コイル部品(多層回路部品)
2 基板
2A,3A 表面
3 バッファガラス層
4 多層回路
5,7,9,11 導体層
5A,7A,9A,11A パターン部
6,8,10 絶縁ガラス層
6A,8A,10A,19A 貫通孔
12,13,14 ビアホール
15 保護層
16 バッファ層用ガラスペースト
17 感光性導体ペースト
18,20 フォトマスク
18A,20A 開口パターン
19 感光性ガラスペースト
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば基板上に導体層と絶縁ガラス層とが交互に積層され、コイル部品等として好適に用いられる多層回路部品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、多層回路部品としては、基板上に複数の導体層と絶縁ガラス層とを交互に積層する構成とした多層型コイル部品等が知られている(例えば、特開2002−26530号公報等)。
【0003】
この種の従来技術による多層型コイル部品は、例えば導体ペースト等を焼成することにより、所定のパターン形状を有する導体層が形成されている。この場合、導体層は、例えば渦巻き状、ジグザグ状のパターン形状を有する細長い1本の導線として形成され、その長さ方向の途中部位は互いに微小な間隔(ピッチ)をもって隣接している。
【0004】
また、絶縁ガラス層は、例えば低融点ガラス、バインダー等の成分を含んだガラスペーストを焼成することにより形成され、個々の絶縁ガラス層には、この絶縁ガラス層を挟んで互いに隣接する2個の導体層を各導体層の端部側で接続する導電性のビアホールが設けられている。
【0005】
ここで、多層型コイル部品の製造方法について述べると、まず基板の表面側に1層目の導体層を形成した後に、ガラスペーストを基板の表面側に塗布し、導体層を覆うガラスペースト層を形成する。次に、ガラスペースト層の所定部位にビアホールとなる貫通孔を穿設した後に、ペーストを焼成することによって絶縁ガラス層を形成する。そして、絶縁ガラス層の貫通孔に導電性材料を充填することにより、1層目の導体層と接続されたビアホールを形成する。
【0006】
さらに、この絶縁ガラス層の表面側に2層目以降の導体層と絶縁ガラス層とを交互に積層しつつ、各絶縁ガラス層にビアホールを形成することにより、多層型コイル部品を製造するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術では、例えば低融点ガラス、バインダー等の成分を含んだガラスペーストを塗布、焼成して絶縁ガラス層を形成する構成としている。この場合、例えば低融点ガラスの割合(含有率)が低いガラスペーストを1層目の絶縁ガラス層として基板に塗布、焼成すると、基板に対するペーストの流動性(濡れ性)が悪いため、焼成後のガラス中に微小孔が形成され易い。
【0008】
そして、このガラスペーストの焼成後に2層目のガラスペーストを積層すると、新たに積層したペースト中に含まれるバインダー等の成分が1層目のガラス中の微小孔内に侵入し、このバインダー等は2層目のガラスペーストを焼成するときに膨張して気泡を形成することがある。このため、低融点ガラスの割合が低いガラスペーストを用いると、絶縁ガラス層の表面側が気泡によって凹凸形状となり、3層目以降に積層される導体層や絶縁ガラス層の積層不良等が多くなるため、コイル部品の歩留まりが低下するという問題がある。
【0009】
これに対し、例えば1層目のガラスペースト中に含まれる低融点ガラスの割合を高くする方法も考えられる。しかし、この場合には、ガラスペースト層を焼成するときにペーストの収縮率が高くなるため、その焼成前に形成されるビアホール用の貫通孔がペーストの焼成後に拡径し易くなる。そして、この貫通孔を用いてビアホールを形成すると、ビアホールが設計上の寸法等に対して大きくなり過ぎ、導体層のうち互いに微小なピッチで隣接する各部位がビアホールにより短絡されることがあるため、例えば導体層の各部位間のピッチを余分に確保しない限り、コイル部品の作動不良を招く虞れがある。
【0010】
このため、従来技術では、絶縁ガラス層中に含まれる低融点ガラスの割合が低い場合と高い場合の両方において、コイル部品の不良が生じ易いため、低融点ガラスの割合を適切に設定するのが困難となり、部品の信頼性や生産性を高めるのが難しいという問題がある。
【0011】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、基板に対するガラスペーストの濡れ性を確保しつつ、ペーストを焼成するときの収縮率を低く抑えることができ、導体層やビアホールを安定的に形成できると共に、信頼性や生産性を向上できるようにした多層回路部品及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明に係る多層回路部品は、基板と、該基板の表面側に設けられたバッファガラス層と、該バッファガラス層の表面側に導体層と絶縁ガラス層とが複数層にわたって交互に積層された多層回路と、該多層回路の各絶縁ガラス層に設けられ前記各導体層を接続するビアホールとから構成し、かつ前記バッファガラス層に含まれる低融点ガラスの割合を前記各絶縁ガラス層に含まれる低融点ガラスの割合よりも高くしてなる構成を採用している。
【0013】
このように構成することにより、基板の表面側には、低融点ガラスの割合が比較的高いバッファガラス層を形成できるから、その材料となるガラスペースト等を基板に塗布するときには、両者間の濡れ性を高めることができる。これにより、ガラスペーストが微小孔を含んだ状態で焼成されるのを防止でき、バッファガラス層を緻密で平坦に仕上げることができる。
【0014】
また、バッファガラス層の表面側には、低融点ガラスの割合が比較的低い絶縁ガラス層を形成できるから、例えば絶縁ガラス層となるガラスペーストを焼成するときには、ガラスペーストに予め形成しておいたビアホール用の貫通孔等がペーストの収縮によって大きく拡径するのを防止でき、ビアホールを正確な大きさに形成することができる。
【0015】
また、請求項2の発明によると、導体層は感光性導体ペーストを用いて形成する構成としている。これにより、例えば導体層用のマスクパターンが予め形成されたフォトマスク等を用いて感光性導体ペーストを容易にパターン成形でき、微細な導体層を高い精度で形成することができる。
【0016】
また、請求項3の発明によると、絶縁ガラス層は感光性ガラスペーストを用いて形成する構成としている。これにより、例えばフォトマスク等を用いて感光性ガラスペーストにビアホール用の貫通孔等を容易にパターン成形でき、ビアホールを正確に形成することができる。
【0017】
さらに、請求項4の発明に係る多層回路部品の製造方法では、基板の表面側に低融点ガラスを高い割合で含んだバッファガラス層を形成し、前記バッファガラス層の表面側に導体層を形成し、前記導体層の表面側に前記低融点ガラスを前記バッファガラス層よりも低い割合で含んだガラスペーストを塗布し、前記ガラスペーストにビアホールとなる貫通孔を形成して焼成することにより絶縁ガラス層を形成し、前記導体層と絶縁ガラス層とを複数層にわたって交互に積層し前記各導体層をビアホールにより接続した多層回路を形成する構成としている。
【0018】
これにより、基板の表面側には、濡れ性がよいガラスペースト等を用いてバッファガラス層を平坦に形成できるから、その表面側に導体層等を安定的に積層することができる。また、バッファガラス層の表面側には、焼成時の収縮率を低く抑えたガラスペーストを塗布できるから、このガラスペーストを焼成したときには、ガラスペーストの貫通孔が拡径してビアホールが大きくなり過ぎるのを防止でき、各導体層をビアホールによって安定的に接続することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による多層回路部品及びその製造方法を、多層型コイル部品に適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
1は多層型コイル部品、2は該多層型コイル部品1の下層側を構成する基板で、該基板2は、図1、図2に示す如く、例えば酸化アルミニウム、石英(SiO2)、他のガラス材料等により平板として形成され、その表面2Aは平坦面によって構成されている。
【0021】
3は基板2の表面2Aに設けられた絶縁性のバッファガラス層で、該バッファガラス層3は、後述のバッファ層用ガラスペースト16を焼成することにより、基板2のほぼ全面にわたって一定の厚みをもつ被膜として形成され、その表面3Aは平坦面となっている。
【0022】
ここで、バッファガラス層3(バッファ層用ガラスペースト16)は、低融点ガラスを比較的高い比率で含むガラス材料によって形成され、ガラスペースト16を基板2に塗布、焼成するときの濡れ性を高める構成となっている。この場合、低融点ガラスとは、例えばSiO2、K2O、B2O3等によって形成され、例えば750〜800℃程度の比較的低い融点を有するガラス材料である。
【0023】
そして、バッファガラス層3に含まれる低融点ガラスの割合(含有率)は、例えば30〜50重量部程度の範囲に設定され、この割合は後述の絶縁ガラス層6,8,10よりも高い比率値として定められている。
【0024】
4は基板2の表面2Aにバッファガラス層3を介して設けられた例えば4層の多層回路で、該多層回路4は、後述の感光性導体ペースト17により形成された導体層5,7,9,11と、後述の感光性ガラスペースト19により形成され、これらの導体層5,7,9,11と交互に積層されて該各導体層間を絶縁する絶縁ガラス層6,8,10とを含んで構成されている。
【0025】
5はバッファガラス層3の表面3A側に設けられた第1の導体層で、該第1の導体層5は、図2、図3に示す如く、感光性導体ペースト17をパターン成形することにより、例えば渦巻き状のパターン形状を有する細長い1本の導線として形成されている。そして、導体層5は、長さ方向の途中部位が互いに微小なピッチをもって隣接する複数のパターン部5Aとなっている。
【0026】
6はバッファガラス層3と導体層5の表面側に設けられた第1の絶縁ガラス層で、該第1の絶縁ガラス層6は、感光性ガラスペースト19を焼成することにより、バッファガラス層3と導体層5とを覆う絶縁性の被膜として形成されている。そして、絶縁ガラス層6には、導体層5の端部側に対応する部位に後述のビアホール12,13,14となる貫通孔6Aが穿設されている。
【0027】
また、絶縁ガラス層6(感光性ガラスペースト19)は、バッファガラス層3よりも低い比率で低融点ガラスを含むガラス材料によって形成され、その低融点ガラスの割合は、例えば25〜35重量部程度の範囲に設定されている。これにより、感光性ガラスペースト19は、焼成による体積の収縮率が比較的低くなるように形成され、後述の如くガラスペースト19の焼成時にビアホール12,13,14用の貫通孔19Aが拡径するのを許容範囲内に抑える構成となっている。
【0028】
7は絶縁ガラス層6の表面側に設けられた第2の導体層で、該第2の導体層7は、導体層5とほぼ同様に形成され、複数のパターン部7Aを有している。また、導体層5,7は、これらの端部側に位置するパターン部5A,7Aがビアホール12によって接続されている。
【0029】
8は絶縁ガラス層6と導体層7の表面側に設けられた第2の絶縁ガラス層で、該第2の絶縁ガラス層8は、絶縁ガラス層6とほぼ同様に形成され、絶縁ガラス層8のうち導体層7の端部側に対応する部位には貫通孔8Aが穿設されている。
【0030】
9は絶縁ガラス層8の表面側に複数のパターン部9Aをもって設けられた第3の導体層、10は該第3の導体層9を覆って設けられ貫通孔10Aが穿設された第3の絶縁ガラス層で、これらの導体層9、絶縁ガラス層10は、それぞれ導体層5、絶縁ガラス層6とほぼ同様に構成されている。また、絶縁ガラス層10には、複数のパターン部11Aを有する第4の導体層11が設けられている。
【0031】
12,13,14は絶縁ガラス層6,8,10にそれぞれ設けられたビアホールで、該ビアホール12,13,14は、図3に示す如く、絶縁ガラス層6,8,10の貫通孔6A,8A,10A内に導電性材料を充填することにより形成され、導体層5,7,9,11のうち絶縁ガラス層6,8,10を挟んで互いに隣接する2個の導体層の端部側をそれぞれ接続している。これにより、4個の導体層5,7,9,11は、ビアホール12,13,14により1本の導線(コイル)として接続されている。
【0032】
15は多層型コイル部品1の上層側を構成する保護層で、該保護層15は、絶縁ガラス層6とほぼ同様に、ガラスペースト等を用いて形成され、絶縁ガラス層10と導体層11とを覆っている。
【0033】
本実施の形態による多層型コイル部品1は上述の如き構成を有するもので、次に図4ないし図12を参照しつつ、その製造方法について説明する。
【0034】
まず、図4に示すバッファガラス層形成工程では、バッファ層用ガラスペースト16を印刷等の手段によって基板2の表面2A全体にほぼ一定の厚みで塗布し、これを焼成することによってバッファガラス層3を形成する。
【0035】
ここで、バッファ層用ガラスペースト16は、低融点ガラスの割合が後述の感光性ガラスペースト19よりも高い絶縁性のガラス材料によって形成されている。これにより、ガラスペースト16を基板2に塗布、焼成するときには、両者間の濡れ性を高めることができるので、ペースト16内に微小孔が形成されるのを防止でき、バッファガラス層3を緻密に形成して表面3Aを平坦に仕上げることができる。
【0036】
次に、図5及び図6に示す導体層形成工程では、まず図5に示すようにバッファガラス層3の表面3A側に感光性導体ペースト17を塗布する。この場合、感光性導体ペースト17は、特開2002−26530号公報に記載された従来技術とほぼ同様に、例えば感光性ビヒクル(感光性有機成分)等の感光性材料と導体材料とを含んで構成され、導体材料としては、例えば金、銀、銅、白金、ニッケル、カドミウム、タングステン等の金属粉が用いられるものである。
【0037】
また、感光性導体ペースト17としては、ペーストのうち露光した部位だけが硬化して残される光可硬化型の感光性ペーストと、露光した部位が可溶性となる光可溶化型の感光性ペーストがある。この場合、本発明は、これら光可硬化型と光可溶化型のうちいずれの感光性ペーストを用いてもよいものであり、実施の形態では、光可硬化型の感光性ペーストを用いた場合を例に挙げて説明する。
【0038】
そして、この工程では、感光性導体ペースト17の表面側にフォトマスク18を配置し、その開口パターン18Aを介して導体ペースト17の一部に紫外線等の光線を照射することにより、導体ペースト17のうち導体層5に対応する部位を選択的に露光する。そして、この導体ペースト17を所定の現像液等に浸して未露光部位だけを除去し、残りの部位を焼成する。この結果、図6に示すように導体層5を高い精度で容易に形成でき、各パターン部5Aを微小なピッチをもって互いに隣接させることができる。
【0039】
次に、図7に示すガラスペースト塗布工程では、感光性ガラスペースト19をスクリーン印刷等の手段によってバッファガラス層3と導体層5の表面側に塗布する。この場合、感光性ガラスペースト19は、従来技術とほぼ同様に、例えば感光性ビヒクル等の感光性材料、クォーツ等のセラミックス粉、各種の溶剤等を含む絶縁性のガラス材料として構成されている。
【0040】
そして、この場合には、バッファガラス層3が微小孔のない緻密な状態で形成されているので、ガラスペースト19内に含まれるバインダー等の成分がバッファガラス層3側に侵入するのを防止することができる。また、ガラスペースト19は、バッファガラス層3と比較的性質が近いガラス材料により形成されているので、このペースト19をバッファガラス層3上に高い濡れ性をもって安定的に塗布、焼成でき、両者間の濡れ性を高めることができる。
【0041】
次に、図8に示すビアホール用貫通孔形成工程では、まず感光性ガラスペースト19の表面側にフォトマスク20を配置し、そのパターン20Aを介してガラスペースト19のうちビアホール12に対応する部位だけを選択的に未露光とした後に、この未露光部位を除去して図9に示す貫通孔19Aを形成する。これにより、ガラスペースト19には、所定の孔径を有する貫通孔19Aを正確な位置に形成することができる。
【0042】
次に、図9に示すガラスペースト焼成工程では、ガラスペースト19を焼成することによって絶縁ガラス層6を形成する。この場合、ガラスペースト19の貫通孔19Aは、ガラスペースト19が焼成時に収縮することによって僅かに拡径し、貫通孔6Aとなる。しかし、ガラスペースト19は、低融点ガラスの割合がバッファ層用ガラスペースト16よりも低く抑えられ、焼成時の収縮率が低く形成されている。これにより、ガラスペースト19の焼成時には、貫通孔19Aがペースト19の収縮によって大きく拡径するのを防止することができる。そして、例えば貫通孔19Aの孔径をビアホール12の設計寸法等に対して僅かに小さく形成しておくことにより、焼成後の貫通孔6Aを設計寸法の許容範囲内に収まる正確な寸法に形成でき、ビアホール12を微小化することができる。
【0043】
次に、図10に示すビアホール形成工程では、絶縁ガラス層6の貫通孔6Aに導電性材料を充填することによりビアホール12を形成する。この場合、例えばビアホール12用の導電性材料として感光性導体ペースト17を用い、この導体ペースト17を貫通孔6A内に充填しつつ、導体ペースト17を絶縁ガラス層6上に第2の導体層7の材料として塗布することにより、図10に示すビアホール形成工程と図11に示す導体層形成工程とを一緒に行うことができる。
【0044】
そして、図11及び図12に示す積層工程では、絶縁ガラス層6の表面側に対して前記導体層形成工程、ガラスペースト塗布工程、ビアホール用貫通孔形成工程、ガラスペースト焼成工程及びビアホール形成工程とほぼ同様の手順を繰返すことにより、第2の導体層7、第2の絶縁ガラス層8、第3の導体層9、第3の絶縁ガラス層10、第4の導体層11を順次積層し、ビアホール13,14を形成して多層回路4を形成する。さらに、保護層15を形成することにより、多層型コイル部品1を製造することができる。
【0045】
かくして、本実施の形態では、基板2の表面2A側にバッファガラス層3を介して多層回路4を設け、その絶縁ガラス層6,8,10に含まれる低融点ガラスの割合よりもバッファガラス層3に含まれる低融点ガラスの割合を高くする構成としたので、バッファガラス層形成工程では、バッファ層用ガラスペースト16を基板2に高い濡れ性をもって安定的に塗布、焼成することができる。
【0046】
この場合、ガラスペースト16は、基板2のほぼ全面にわたって一定の厚みを有しているので、その焼成時には、ガラスペースト16が比較的大きく収縮するとしても、ペースト16の各部位を厚み方向等に対して均等に収縮させることができる。従って、バッファガラス層形成工程では、ガラスペースト16の収縮率に関係なく、バッファガラス層3の表面3Aを滑らかな平面として形成することができる。
【0047】
そして、バッファガラス層3を微小孔のない緻密な状態で形成できるので、その表面3A側に絶縁ガラス層6を形成するときには、絶縁ガラス層6用の感光性ガラスペースト19に含まれるバインダー等によってバッファガラス層3や絶縁ガラス層6の表面側が凹凸形状となるのを確実に防止でき、これらの表面側に導体層5,7,9,11と絶縁ガラス層6,8,10とを安定的に積層することができる。
【0048】
また、絶縁ガラス層6,8,10は低融点ガラスの割合を低くできるから、ガラスペースト焼成工程では、感光性ガラスペースト19が収縮してビアホール12,13,14用の貫通孔19Aが大きく拡径するの抑制でき、ビアホール12,13,14を正確に形成することができる。
【0049】
これにより、ビアホール形成工程では、例えば導体層5と接続するビアホール12が大きくなり過ぎ、複数のパターン部5Aがビアホール12により誤って短絡されるのを確実に防止することができる。
【0050】
従って、本実施の形態によれば、バッファガラス層3と絶縁ガラス層6,8,10とに含まれる低融点ガラスの割合をそれぞれ適切に設定できるから、多層回路4が下層側の凹凸形状等によって積層不良となったり、導体層5,7,9,11がビアホール12,13,14の寸法誤差等によって接続不良となるのを防止でき、コイル部品1の歩留まりを高め、信頼性や生産性を向上させることができる。また、ビアホール12,13,14を高い精度で形成できるから、これを可能な限り小さくして高密度に配置でき、コイル部品1を小型化することができる。
【0051】
また、導体層5,7,9,11を感光性導体ペースト17によって形成したので、導体層形成工程では、フォトマスク18等を用いて導体ペースト17を容易にパターン成形でき、例えば微細で複雑な形状をもつ導体層を形成する場合でも、これを高い精度で効率よく形成することができる。
【0052】
また、絶縁ガラス層6,8,10を感光性ガラスペースト19によって形成したので、ビアホール用貫通孔形成工程では、フォトマスク20等を用いてガラスペースト19の貫通孔19Aを容易にパターン成形でき、ビアホール12,13,14を正確に形成することができる。
【0053】
また、コイル部品1の製造時には、バッファガラス層3を形成した後に、導体層5,7,9,11と絶縁ガラス層6,8,10とを交互に積層しつつ、個々の導体層5,7,9,11を各ビアホール12,13,14によって容易に接続でき、多層型コイル部品1を効率よく製造することができる。
【0054】
なお、前記実施の形態では、感光性導体ペースト17を用いて導体層5,7,9,11を形成する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば汎用的な導体ペーストをスクリーン印刷等の手段によりパターン成形した状態で塗布し、これを焼成して導体層を形成する構成としてもよい。
【0055】
また、実施の形態では、図10に示すビアホール形成工程と図11に示す導体層形成工程とを分けて記載した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばビアホール12となる感光性導体ペースト17を貫通孔6A内に充填しつつ、この導体ペースト17を絶縁ガラス層6上に導体層7の材料として塗布することにより、ビアホール形成工程と導体層形成工程とを一緒に行う構成としてもよい。さらに、第3の導体層9とビアホール13もほぼ同様に、感光性導体ペースト17を一緒の工程で形成でき、第4の導体層11とビアホール14についても、一緒の工程で形成することができる。
【0056】
また、実施の形態では、例えば4層の導体層5,7,9,11と絶縁ガラス層6,8,10とを積層する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、2層または3層の導体層と絶縁ガラス層と交互に積層する構成としてもよく、さらには5層以上の積層構造に適用してもよい。
【0057】
また、実施の形態では、多層型コイル部品1を例に挙げて述べた。しかし、本発明はコイル部品1に限るものではなく、例えば高周波信号用のマイクロストリップ線路、コプレーナ線路、スロット線路等からなる各種の導体層と絶縁ガラス層とが交互に積層された多層回路部品に適用する構成としてもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、基板の表面側にバッファガラス層を介して導体層と絶縁ガラス層とを複数層交互に積層して多層回路を設け、その絶縁ガラス層に含まれる低融点ガラスの割合よりもバッファガラス層に含まれる低融点ガラスの割合を高くする構成としたので、例えばバッファガラス層用のガラスペーストを基板に安定的に塗布、焼成でき、バッファガラス層の表面を平坦に形成して導体層と絶縁ガラス層とを安定的に積層することができる。また、例えば絶縁ガラス層用のガラスペーストを焼成するときにペーストの収縮を小さく抑制でき、ビアホールを正確に形成することができる。従って、多層回路部品の歩留まりを高め、信頼性や生産性を向上させることができる。また、ビアホールを可能な限り小さくして高密度に配置できるから、部品全体を小型化することができる。
【0059】
また、請求項2の発明によれば、導体層を感光性導体ペーストによって形成する構成としたので、例えばフォトマスク等を用いて導体ペーストを容易にパターン成形でき、例えば微細で複雑な形状をもつ導体層を形成する場合でも、これを高い精度で効率よく形成することができる。
【0060】
また、請求項3の発明によれば、絶縁ガラス層を感光性ガラスペーストによって形成する構成としたので、例えばフォトマスク等を用いてガラスペーストに設けるビアホール用の貫通孔等を容易にパターン成形でき、ビアホールを正確に形成することができる。
【0061】
さらに、請求項4の発明によれば、基板の表面側にバッファガラス層、導体層、絶縁ガラス層を形成し、導体層と絶縁ガラス層とを交互に積層した多層回路を形成する構成としたので、バッファガラス層を形成した後に、導体層と絶縁ガラス層とを交互に積層しつつ、個々の導体層をビアホールによって容易に接続でき、多層型コイル部品を効率よく製造することができる。この場合、バッファガラス層と絶縁ガラス層とに含まれる低融点ガラスの割合をそれぞれ適切に設定できるから、多層回路が下層側の凹凸形状等によって積層不良となったり、導体層がビアホールの寸法誤差等によって接続不良となるのを防止でき、多層回路部品の歩留まりを高め、信頼性や生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による多層型コイル部品を示す正面図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向からみた多層型コイル部品の断面図である。
【図3】多層型コイル部品を示す分解斜視図である。
【図4】多層型コイル部品の製造時にバッファガラス層形成工程によって基板の表面側にバッファガラス層を形成する状態を示す断面図である。
【図5】導体層形成工程でバッファガラス層の表面側に感光性導体ペーストを塗布して露光する状態を示す断面図である。
【図6】導体層形成工程により感光性導体ペーストを用いて第1の導体層を形成した状態を示す断面図である。
【図7】ガラスペースト塗布工程でバッファガラス層と導体層の表面側に感光性ガラスペーストを塗布して露光する状態を示す断面図である。
【図8】ビアホール用貫通孔形成工程で感光性ガラスペーストの一部を露光してビアホール用の貫通孔を形成する状態を示す断面図である。
【図9】ガラスペースト焼成工程でガラスペーストを焼成して第1の絶縁ガラス層を形成する状態を示す断面図である。
【図10】ビアホール形成工程で絶縁ガラス層の貫通孔に導電性材料を充填してビアホールを形成した状態を示す断面図である。
【図11】積層工程により第2の導体層と絶縁ガラス層とを積層した状態を示す断面図である。
【図12】積層工程により第3の導体層と絶縁ガラス層とを積層した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 多層型コイル部品(多層回路部品)
2 基板
2A,3A 表面
3 バッファガラス層
4 多層回路
5,7,9,11 導体層
5A,7A,9A,11A パターン部
6,8,10 絶縁ガラス層
6A,8A,10A,19A 貫通孔
12,13,14 ビアホール
15 保護層
16 バッファ層用ガラスペースト
17 感光性導体ペースト
18,20 フォトマスク
18A,20A 開口パターン
19 感光性ガラスペースト
Claims (4)
- 基板と、該基板の表面側に設けられたバッファガラス層と、該バッファガラス層の表面側に導体層と絶縁ガラス層とが複数層にわたって交互に積層された多層回路と、該多層回路の各絶縁ガラス層に設けられ前記各導体層を接続するビアホールとから構成し、かつ前記バッファガラス層に含まれる低融点ガラスの割合を前記各絶縁ガラス層に含まれる低融点ガラスの割合よりも高くする構成としてなる多層回路部品。
- 前記導体層は感光性導体ペーストを用いて形成してなる請求項1に記載の多層回路部品。
- 前記絶縁ガラス層は感光性ガラスペーストを用いて形成してなる請求項1または2に記載の多層回路部品。
- 基板の表面側に低融点ガラスを高い割合で含んだバッファガラス層を形成し、前記バッファガラス層の表面側に導体層を形成し、前記導体層の表面側に前記低融点ガラスを前記バッファガラス層よりも低い割合で含んだガラスペーストを塗布し、前記ガラスペーストにビアホールとなる貫通孔を形成して焼成することにより絶縁ガラス層を形成し、前記導体層と絶縁ガラス層とを複数層にわたって交互に積層し前記各導体層をビアホールにより接続した多層回路を形成する構成とした多層回路部品の製造方法。
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