JPH11224825A - 電子部品の製造方法 - Google Patents

電子部品の製造方法

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JPH11224825A
JPH11224825A JP10025968A JP2596898A JPH11224825A JP H11224825 A JPH11224825 A JP H11224825A JP 10025968 A JP10025968 A JP 10025968A JP 2596898 A JP2596898 A JP 2596898A JP H11224825 A JPH11224825 A JP H11224825A
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JP
Japan
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paste
insulating
conductor pattern
pattern layer
glass material
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JP10025968A
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English (en)
Inventor
Keishiro Amaya
圭司郎 天谷
Eita Tamezawa
栄太 為沢
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特性のばらつきが小さくて信頼性の高い小型
の電子部品を低コストで製造することができる電子部品
及びその製造方法を得る。 【解決手段】 絶縁基板1に印刷されたガラス材料を含
む感光性導電ペースト2を、露光、現像することによ
り、必要部分2aを残し、不要部分2bを除去する。そ
の後、感光性導電ペースト2中のガラス材料の転移温度
Tg付近の温度500〜600℃で予備焼成する。第1
層目の導体パターン層CL1上にガラス材料を含む感光
性絶縁ペースト3を一定の厚さに印刷により塗布し、露
光、現像することにより、導体パターン層CL1の導体
パターンcpに達するビアホール用の孔3vhを形成し
た後、同様に予備焼成する。以下、同様の工程を繰り返
し、最後に本焼成することにより、絶縁基板1上に三次
元的に導体パターンcpが形成された電子部品を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品及びその
製造方法に関し、特に、積層型の高周波インダクタや多
層基板として使用される電子部品及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、積層型の高周波インダクタや
多層基板の製造方法としては、印刷により絶縁層と導体
パターンとを順次形成し、ビアホールを通して必要な導
体パターンを電気的に接続する印刷法や、集積回路(I
C)の製造に用いられている薄膜フォトリソグラフィ技
術が一般に知られている。しかしながら、印刷法では数
10μm程度の微細なビアホールを形成するのが困難で
導体パターンの幅が広くなり、電子部品の小型化や高精
度化が困難であるという問題点を有していた。一方、薄
膜フォトリソグラフィ技術によれば、印刷法が有してい
る前記問題点は解消されるが、形成される導体パターン
の厚みが印刷法により形成される導体パターンの厚みに
比較して薄くなり、その直流抵抗が高くなり、電子部品
が例えば高周波インダクタの場合にはQ値が低くなるば
かりでなく、真空設備が必要で製造工程が複雑であり、
電子部品の製造コストが高くなるという問題点を有して
いた。
【0003】そこで、近年、前記従来の方法が有してい
た問題点を解消する方法として、感光性導電ペースト及
び感光性絶縁ペーストを用いて高周波インダクタや多層
基板を製造する方法が注目されている(例えば、特開平
8−316080号公報、特開平9−45570号公報
参照)。この種の電子部品の二つの製造方法をそれぞれ
図2、図3及び図4、図5に示す。
【0004】図2及び図3に示す製造方法(以下、第1
例と記す)では、図2(A)に示すように、セラミック
の焼成済み絶縁基板1の上面に感光性導電ペースト2を
印刷により一定の厚みに塗布した後、該感光性導電ペー
スト2を露光、現像することにより、第1層目の導体パ
ターン層CL1(図2(B)参照)となる感光性導電ペ
ースト2の必要部分2aを残し、前記感光性導電ペース
ト2の不要部分2bを除去する。その後、絶縁基板1を
焼成炉に収容して感光性導電ペースト2の焼結温度(8
00℃以上)で焼成する。これにより、絶縁基板1上に
残された感光性導電ペースト2aが焼結され、図2
(B)に示すように、第1層目の導体パターン層CL1
(焼結による収縮により寸法がやや小さくなってい
る。)が形成される。
【0005】次いで、図2(C)に示すように、第1層
目の導体パターン層CL1の上にガラス材料を含む感光
性絶縁ペースト3を一定の厚さに印刷により塗布し、該
感光性絶縁ペースト3を露光、現像することにより所定
の位置にビアホール用の孔3vhを形成した後、焼成炉
で焼成する。これにより、図3(D)に示すように、第
1層目の導体パターン層CL1の上に第1層目の絶縁層
IL1(焼結による収縮により寸法がやや小さくなって
いる。)が形成される。
【0006】以下、図3(E)〜(H)に示すように、
図2(A)〜(D)と同様の工程を繰り返し、第2層目
の導体パターン層CL2及び第2層目の絶縁層IL2を
形成する。これにより、図3(H)に示されるような二
つの導体パターン層CL1,CL2及び二つの絶縁層I
L1,IL2を有し、導体パターン層CL1及びCL2
をそれぞれ構成している導体パターンcpの必要なもの
がビアホールvhで電気的に接続された構造を有する電
子部品を得ている。
【0007】一方、図4及び図5に示す製造方法(以
下、第2例と記す)では、図4(A)に示すように、セ
ラミックの焼成済み絶縁基板1の上面に感光性導電ペー
スト2を印刷により一定の厚みに塗布した後、該感光性
導電ペースト2を露光、現像することにより、第1層目
の導体パターン層CL1(図5(E)参照)となる感光
性導電ペースト2の必要部分2aを残し、不要部分2b
を除去する。次いで、図4(B)に示すように、不要部
分2bが除去された感光性導電ペースト2の上にガラス
材料を含む感光性絶縁ペースト3を一定の厚さに印刷に
より塗布し、該感光性絶縁ペースト3を露光、現像する
ことにより所定の位置にビアホール用の孔3vhを形成
する。
【0008】以下、図5(C),(D)に示すように、
図4(A),(B)と同様の工程を繰り返す。その後、
全体を焼成炉に収容して焼成する。これにより、図5
(E)に示すように、絶縁基板1上に二つの導体パター
ン層CL1,CL2及び絶縁層IL1,IL2を有する
電子部品を得る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図2及び図
3で説明した第1例では、感光性導電性ペースト2,2
及び感光性絶縁ペースト3,3の印刷、露光、現像の工
程が終わる度に、焼成が繰り返されるので、絶縁基板1
がもろくなったり、導体パターン層CL1を構成する金
属材料が絶縁基板1や絶縁層IL1の中に拡散し、互い
に隣接する導体パターンcp,cp間や、絶縁層IL1
を間にしてその上下に位置する導体パターン層CL1,
CL2間の相互の絶縁性が低下するという問題点があっ
た。
【0010】また、図4及び図5で説明した第2例で
は、図5(E)からも分かるように、焼成により絶縁基
板1上の導体パターン層CL1,CL2及び絶縁層IL
1,IL2が収縮し、互いに隣接する導体パターンc
p,cp間でピッチずれが生じたり、導体パターン層C
L1,CL2が相対的にずれて、ビアホールvhが変形
して断線したり、設計パラメータの変化や特性のばらつ
きが生じ、所期の特性を得ることができないという問題
点があった。
【0011】そこで、本発明の目的は、特性のばらつき
が小さくて信頼性の高い小型の電子部品を提供すること
にある。
【0012】本発明の他の目的は、小型で特性のばらつ
きが小さくて信頼性の高い電子部品を低コストで製造す
ることができる製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用】以上の目的を達
成するため、本発明に係る電子部品は、セラミック材料
からなる絶縁基板の上に順次積層されてなるガラス材料
を含む導体パターン層及び該導体パターン層を覆うガラ
ス材料を含む絶縁層を有しており、これら導体パターン
層及び絶縁層はそれに含まれる前記ガラス材料がいずれ
も前記導体パターン層及び絶縁層の形成の際にそのガラ
ス転移温度付近で予備焼成され、前記導体パターン層及
び絶縁層の積層後に本焼成してなるものであることを特
徴とする。
【0014】前記導体パターン層及び絶縁層に含まれて
いるガラス材料は、ガラス転移温度付近での比較的低い
温度で順次予備焼成されたものであり、該予備焼成の温
度では導体パターン層中に含まれる導体金属はほとんど
絶縁層や絶縁基板中に拡散されない。従って、絶縁層や
絶縁基板中には、導体パターン層から拡散する導体金属
はほとんど存在しない。また、導体パターン層及び絶縁
層は各予備焼成の際にそのガラス材料が溶融して固化し
ており、本焼成による収縮はほとんどない。
【0015】また、本発明に係る電子部品の製造方法
は、セラミック材料からなる絶縁基板を用意し、その上
にガラス材料を含む感光性導電ペーストを付与し、該感
光性導電ペーストを露光、現像して導体パターン層を形
成した後、該導体パターン層をそれに含まれる前記ガラ
ス材料の転移温度付近の温度で予備焼成する工程と、予
備焼成された導体パターン層の上にガラス材料を含む感
光性絶縁ペーストを付与し、該感光性絶縁ペーストを露
光、現像して絶縁層を形成した後、該絶縁層をそれに含
まれる前記ガラス材料の転移温度付近の温度で予備焼成
する工程とを繰り返した後、全体を本焼成することを特
徴とする。
【0016】前記導体パターン層及び絶縁層は光を露
光、現像することによりパターニングし、かつ、それに
含まれるガラスの転移温度付近での比較的低い温度で順
次予備焼成する。この予備焼成の際に、感光性導電ペー
スト及び感光性絶縁ペーストのガラス材料が溶融して固
化する。この固化により、導体パターン層及び絶縁層の
実質的な収縮が終わっており、以降の工程における導体
パターン層及び絶縁層の収縮はほとんどない。加えて、
光を露光、現像する前記パターニングにより、精度の高
い導体パターン層及び絶縁層が形成される。さらに、導
体パターン層中に含まれる導体金属は予備焼成の際に絶
縁層や絶縁基板中にほとんど拡散されることはなく、ま
た、予備焼成の繰り返しによっても絶縁基板や既に形成
されている絶縁層に加わる熱的なストレスは比較的小さ
くなる。
【0017】さらに、本発明に係る製造方法において、
前記ガラス材料の転移温度は感光性導電ペースト及び感
光性絶縁ペーストに含まれるバインダが熱により飛散す
る温度よりも高く、かつ、前記導体パターン層及び絶縁
層の本焼成の温度よりも低いことが好ましい。
【0018】転移温度付近の予備焼成により、それぞれ
熱により感光性導電ペースト中のバインダは飛散し、ガ
ラス材料は固化する。また、転移温度付近の予備焼成に
より、感光性絶縁ペースト中のバインダ及びガラス材料
はそれぞれ熱により飛散及び固化する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電子部品及び
その製造方法の実施形態について添付図面を参照して詳
細に説明する。
【0020】本発明に係る電子部品の製造工程を図1に
示す。まず、セラミック製の焼成済み絶縁基板1を用意
し、その上面にガラス材料を含む感光性導電ペースト2
を印刷により一定の厚みに塗布して乾燥させる。この感
光性導電ペースト2は、導電性金属として銀を含む。さ
らに、感光性導電ペースト2は、前記ガラス材料とし
て、その転移温度Tgが感光性導電ペースト2に含まれ
るバインダが熱により飛散する温度よりも高く、かつ、
後に説明する最終工程である本焼成の際の焼成温度(8
00℃)よりも低い、ほう珪酸ガラス、ほう珪酸鉛ガラ
スもしくはほう珪酸亜鉛ガラスを1〜2重量パーセント
含む。絶縁基板1に印刷された感光性導電ペースト2
は、露光、現像することにより、図1(A)に示すよう
に、例えばスパイラル状に、導体パターン層となる感光
性導電ペースト2の必要部分2aを残し、不要部分2b
を除去する。
【0021】その後、絶縁基板1を予備焼成用の炉に収
容し、感光性導電ペースト2中のガラス材料の転移温度
Tg付近の温度500〜600℃で予備焼成する。これ
により、絶縁基板1上に残された感光性導電ペースト2
の必要部分2aが予備焼成され、それに含まれているバ
インダが飛散する一方、ガラス材料が溶融して固化し、
絶縁基板1に固着され、第1層目の導体パターン層CL
1(図1(B)参照)が形成される。このとき、ガラス
材料の固化により、第1層目の導体パターン層CL1の
以後の工程における収縮はほとんどない。
【0022】次いで、図1(B)に示すように、第1層
目の導体パターン層CL1の上にガラス材料を含む感光
性絶縁ペースト3を一定の厚さに印刷により塗布する。
この感光性絶縁ペースト3も、ガラス材料として、その
転移温度Tgが感光性導電ペースト2及び感光性絶縁ペ
ースト3に含まれるバインダが熱により飛散する温度よ
りも高く、かつ、本焼成の際の焼成温度よりも低い、ほ
う珪酸ガラス、ほう珪酸鉛ガラスもしくはほう珪酸亜鉛
ガラスを含んでいる。
【0023】感光性絶縁ペースト3は、露光、現像する
ことにより、第1層目の導体パターン層CL1の導体パ
ターンcp、例えばスパイラル状導体パターンの内端部
に達するビアホール用の孔3vhを形成した後、全体を
再び予備焼成用の炉に収容し、感光性絶縁ペースト3中
のガラス材料の転移温度Tg付近の温度500〜600
℃で予備焼成する。これにより、導体パターン層CL1
の上に塗布された感光性絶縁ペースト3は予備焼成さ
れ、それに含まれているバインダが飛散すると共にガラ
ス材料が固化し、絶縁基板1及び導体パターン層CL1
に固着され、第1層目の絶縁層IL1が形成される。こ
のとき、ガラス材料の固化により、第1層目の絶縁層I
L1も以後の工程における収縮はほとんどない。
【0024】以下、図1(A),(B)の工程を交互に
繰り返し、図1(C),(D)にそれぞれ示すように、
第2層目の導体パターン層CL2及び第2層目の絶縁層
IL2を形成する。第2層目の導体パターン層CL2の
形成工程において、図1(C)に示すように、第1層目
の絶縁層IL1に形成されたビアホール用の孔3vhに
感光性導電ペースト2が充填されて予備焼成されてビア
ホールvhが形成され、例えばスパイラル状の第2層目
の導体パターン層CL2の導体パターンcp、例えばス
パイラル状導体パターンの一端部が第1層目の導体パタ
ーン層CL1の導体パターンcpに電気的に接続され、
例えばコイルインダクタが形成される。なお、他の導体
パターン層及び絶縁層をさらに積層する必要がある場合
は、同様の工程を繰り返す。
【0025】その後、全体を焼成炉に収容して約800
℃で本焼成する。これにより、図1(D)に示すよう
に、絶縁層IL1を間にして第1層目の導体パターン層
CL1と第2層目の導体パターン層CL2が配置される
と共に、導体パターン層CL1の導体パターンcpと導
体パターン層CL2の導体パターンcpとが絶縁層IL
1に形成されたビアホールvhにより相互に接続された
構造を有する多層構造を有する電子部品を得ることがで
きる。
【0026】本実施形態では、図1(A)〜(C)にお
いて説明した工程からも分かるように、予備焼成の際に
ガラス材料が溶融して実質的な収縮が終わった第1層目
の導体パターン層CL1の上に順次第1層目の絶縁層I
L1、第2層目の導体パターン層CL2、第2層目の絶
縁層IL2が形成されるので、最終工程である本焼成に
おける導体パターン層CL1,CL2及び絶縁層IL
1,IL2の収縮は小さい。これにより、本焼成時に、
各導体パターン層CL1,CL2の導体パターンcp,
cpの間隔の変化、絶縁層IL1を間にして上下に位置
する導体パターン層CL1,CL2の導体パターンc
p,…,cp間の相対的な位置ずれ、さらには、ビアホ
ールvhの形状のゆがみや断線等が発生することがな
く、特性のばらつきが少なく精度の高い電子部品を得る
ことができる。
【0027】さらに、予備焼成の温度が比較的低いの
で、予備焼成の繰り返しによっても絶縁基板1や最初に
形成されている絶縁層IL1に加わる熱的なストレスは
比較的小さく、絶縁基板1やその上に形成されている第
1層目の導体パターン層CL1や第1層目の絶縁層IL
1等の機械的な強度劣化が防止される。さらに、導体パ
ターン層CL1,CL2中に含まれる導体金属は、予備
焼成の際に絶縁層IL1や絶縁基板1中にほとんど拡散
されない。従って、導体パターン層CL1,CL2の各
導体パターンcp,cpの間、絶縁層IL1を間にして
上下に位置する導体パターン層CL1,CL2間の絶縁
抵抗の低下がなく信頼性の高い電子部品を得ることがで
きる。
【0028】さらに、図1に示した工程からも分かるよ
うに、感光性導電ペースト2及び感光性絶縁ペースト3
に光を露光して現像することにより導体パターン層CL
1,CL2やビヤホール用の孔3vhを形成しているの
で、導体パターン層CL1,CL2の各導体パターンc
pやビアホールvhの幅や径を小さくすることができ、
電子部品を小型化することができるばかりでなく、製造
に真空設備を必要とせず、製造コストも大幅に引き下げ
ることができる。
【0029】なお、本発明に係る電子部品及びその製造
方法は、前記実施形態に限定されるものではなく、その
要旨の範囲内で種々に変更することができる。例えば、
前記実施形態では、絶縁基板1上に二つの導体パターン
層CL1,CL2を有する電子部品について説明した
が、絶縁基板1上にはさらに多くの導体パターン層を積
層することもできる。また、本発明は、セラミック製の
絶縁基板1上に配線用の導体パターンが三次元的に配設
された多層基板にも適用することができる。
【0030】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、導体パターン層及び絶縁層に含まれているガ
ラス材料は、ガラス転移温度付近での比較的低い温度で
順次予備焼成されたものであり、予備焼成の温度では導
体パターン層中に含まれる導体金属はほとんど絶縁層や
絶縁基板中に拡散されないので、絶縁層や絶縁基板中に
は導体パターン層から拡散する導体金属はほとんど存在
せず、一つの導体パターン層の導体パターンの間、絶縁
層を間にして上下に位置する導体パターンの間の絶縁抵
抗の低下がなく信頼性の高い電子部品を得ることができ
る。
【0031】また、導体パターン層及び絶縁層はその各
予備焼成の際にそのガラス材料が溶融してガラス化して
いるので、本焼成の際には実質的に収縮はほとんどな
く、導体パターンの間の間隔の変化、絶縁層を間にして
上下に位置する導体パターンの間の位置ずれ、さらに
は、ビアホールの形状のゆがみや断線等が発生すること
がなく、特性のばらつきが少なく精度の高い電子部品を
得ることができる。
【0032】さらに、本発明によれば、製造設備に薄膜
リソグラフィのような真空設備を必要としないので、低
コストで特性の優れた信頼性の高い電子部品を製造する
ことができる。しかも、感光性導電ペースト及び感光性
絶縁ペーストを用い、それらを露光及び現像することに
より導体パターン層をパターニングし、ビヤホール用の
孔等形成しているので、導体パターンやビアホールの幅
や径を小さくすることができ、電子部品を小型化するこ
とができる。
【0033】本発明によれば、さらに、転移温度付近の
予備焼成により、感光性絶縁ペースト中のバインダの飛
散とガラス材料のガラス化を同時に行うことができ、電
子部品の製造効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子部品の製造方法の一実施形態
を示す製造工程説明図。
【図2】従来の電子部品の製造工程の第1例を示す説明
図。
【図3】従来の電子部品の製造工程の第1例を示す説明
図、図2の続き。
【図4】従来の電子部品の製造工程の第2例を示す説明
図。
【図5】従来の電子部品の製造工程の第2例を示す説明
図、図4の続き。
【符号の説明】
1…絶縁基板 2…感光性導電ペースト 3…感光性絶縁ペースト 3vh…ビアホール用の孔 vh…ビアホール CL1…第1番目の導体パターン層 CL2…第2番目の導体パターン層 IL1…第1番目の絶縁層 IL2…第2番目の絶縁層 cp…導体パターン
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年1月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 電子部品の製造方法
【特許請求の範囲】
【請求項】 セラミック材料からなる絶縁基板を用意
し、その上にガラス材料を含む感光性導電ペーストを付
与し、該感光性導電ペーストを露光、現像して導体パタ
ーン層を形成した後、該導体パターン層をそれに含まれ
る前記ガラス材料の転移温度付近の温度で予備焼成する
工程と、予備焼成された導体パターン層の上にガラス材
料を含む感光性絶縁ペーストを付与し、該感光性絶縁ペ
ーストを露光、現像して絶縁層を形成した後、該絶縁層
をそれに含まれる前記ガラス材料の転移温度付近の温度
で予備焼成する工程とを繰り返した後、全体を本焼成
し、前記ガラス材料の転移温度は前記感光性導電ペース
ト及び感光性絶縁ペーストに含まれるバインダが熱によ
り飛散する温度よりも高く、かつ、前記導体パターン層
及び絶縁層の本焼成の温度よりも低いことを特徴とする
電子部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品の製造方
に関し、特に、積層型の高周波インダクタや多層基板
として使用される電子部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、積層型の高周波インダクタや
多層基板の製造方法としては、印刷により絶縁層と導体
パターンとを順次形成し、ビアホールを通して必要な導
体パターンを電気的に接続する印刷法や、集積回路(I
C)の製造に用いられている薄膜フォトリソグラフィ技
術が一般に知られている。しかしながら、印刷法では数
10μm程度の微細なビアホールを形成するのが困難で
導体パターンの幅が広くなり、電子部品の小型化や高精
度化が困難であるという問題点を有していた。一方、薄
膜フォトリソグラフィ技術によれば、印刷法が有してい
る前記問題点は解消されるが、形成される導体パターン
の厚みが印刷法により形成される導体パターンの厚みに
比較して薄くなり、その直流抵抗が高くなり、電子部品
が例えば高周波インダクタの場合にはQ値が低くなるば
かりでなく、真空設備が必要で製造工程が複雑であり、
電子部品の製造コストが高くなるという問題点を有して
いた。
【0003】そこで、近年、前記従来の方法が有してい
た問題点を解消する方法として、感光性導電ペースト及
び感光性絶縁ペーストを用いて高周波インダクタや多層
基板を製造する方法が注目されている(例えば、特開平
8−316080号公報、特開平9−45570号公報
参照)。この種の電子部品の二つの製造方法をそれぞれ
図2、図3及び図4、図5に示す。
【0004】図2及び図3に示す製造方法(以下、第1
例と記す)では、図2(A)に示すように、セラミック
の焼成済み絶縁基板1の上面に感光性導電ペースト2を
印刷により一定の厚みに塗布した後、該感光性導電ペー
スト2を露光、現像することにより、第1層目の導体パ
ターン層CL1(図2(B)参照)となる感光性導電ペ
ースト2の必要部分2aを残し、前記感光性導電ペース
ト2の不要部分2bを除去する。その後、絶縁基板1を
焼成炉に収容して感光性導電ペースト2の焼結温度(8
00℃以上)で焼成する。これにより、絶縁基板1上に
残された感光性導電ペースト2aが焼結され、図2
(B)に示すように、第1層目の導体パターン層CL1
(焼結による収縮により寸法がやや小さくなってい
る。)が形成される。
【0005】次いで、図2(C)に示すように、第1層
目の導体パターン層CL1の上にガラス材料を含む感光
性絶縁ペースト3を一定の厚さに印刷により塗布し、該
感光性絶縁ペースト3を露光、現像することにより所定
の位置にビアホール用の孔3vhを形成した後、焼成炉
で焼成する。これにより、図3(D)に示すように、第
1層目の導体パターン層CL1の上に第1層目の絶縁層
IL1(焼結による収縮により寸法がやや小さくなって
いる。)が形成される。
【0006】以下、図3(E)〜(H)に示すように、
図2(A)〜(D)と同様の工程を繰り返し、第2層目
の導体パターン層CL2及び第2層目の絶縁層IL2を
形成する。これにより、図3(H)に示されるような二
つの導体パターン層CL1,CL2及び二つの絶縁層I
L1,IL2を有し、導体パターン層CL1及びCL2
をそれぞれ構成している導体パターンcpの必要なもの
がビアホールvhで電気的に接続された構造を有する電
子部品を得ている。
【0007】一方、図4及び図5に示す製造方法(以
下、第2例と記す)では、図4(A)に示すように、セ
ラミックの焼成済み絶縁基板1の上面に感光性導電ペー
スト2を印刷により一定の厚みに塗布した後、該感光性
導電ペースト2を露光、現像することにより、第1層目
の導体パターン層CL1(図5(E)参照)となる感光
性導電ペースト2の必要部分2aを残し、不要部分2b
を除去する。次いで、図4(B)に示すように、不要部
分2bが除去された感光性導電ペースト2の上にガラス
材料を含む感光性絶縁ペースト3を一定の厚さに印刷に
より塗布し、該感光性絶縁ペースト3を露光、現像する
ことにより所定の位置にビアホール用の孔3vhを形成
する。
【0008】以下、図5(C),(D)に示すように、
図4(A),(B)と同様の工程を繰り返す。その後、
全体を焼成炉に収容して焼成する。これにより、図5
(E)に示すように、絶縁基板1上に二つの導体パター
ン層CL1,CL2及び絶縁層IL1,IL2を有する
電子部品を得る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図2及び図
3で説明した第1例では、感光性導電性ペースト2,2
及び感光性絶縁ペースト3,3の印刷、露光、現像の工
程が終わる度に、焼成が繰り返されるので、絶縁基板1
がもろくなったり、導体パターン層CL1を構成する金
属材料が絶縁基板1や絶縁層IL1の中に拡散し、互い
に隣接する導体パターンcp,cp間や、絶縁層IL1
を間にしてその上下に位置する導体パターン層CL1,
CL2間の相互の絶縁性が低下するという問題点があっ
た。
【0010】また、図4及び図5で説明した第2例で
は、図5(E)からも分かるように、焼成により絶縁基
板1上の導体パターン層CL1,CL2及び絶縁層IL
1,IL2が収縮し、互いに隣接する導体パターンc
p,cp間でピッチずれが生じたり、導体パターン層C
L1,CL2が相対的にずれて、ビアホールvhが変形
して断線したり、設計パラメータの変化や特性のばらつ
きが生じ、所期の特性を得ることができないという問題
点があった。
【0011】そこで、本発明の目的は、小型で特性のば
らつきが小さくて信頼性の高い電子部品を低コストで製
造することができる製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】以上の目的を達
成するため、本発明に係る電子部品の製造方法は、セラ
ミック材料からなる絶縁基板を用意し、その上にガラス
材料を含む感光性導電ペーストを付与し、該感光性導電
ペーストを露光、現像して導体パターン層を形成した
後、該導体パターン層をそれに含まれる前記ガラス材料
の転移温度付近の温度で予備焼成する工程と、予備焼成
された導体パターン層の上にガラス材料を含む感光性絶
縁ペーストを付与し、該感光性絶縁ペーストを露光、現
像して絶縁層を形成した後、該絶縁層をそれに含まれる
前記ガラス材料の転移温度付近の温度で予備焼成する工
程とを繰り返した後、全体を本焼成することを特徴とす
る。
【0013】前記導体パターン層及び絶縁層は光を露
光、現像することによりパターニングし、かつ、それに
含まれるガラスの転移温度付近での比較的低い温度で順
次予備焼成する。この予備焼成の際に、感光性導電ペー
スト及び感光性絶縁ペーストのガラス材料が溶融して固
化する。この固化により、導体パターン層及び絶縁層の
実質的な収縮が終わっており、以降の工程における導体
パターン層及び絶縁層の収縮はほとんどない。加えて、
光を露光、現像する前記パターニングにより、精度の高
い導体パターン層及び絶縁層が形成される。さらに、導
体パターン層中に含まれる導体金属は予備焼成の際に絶
縁層や絶縁基板中にほとんど拡散されることはなく、ま
た、予備焼成の繰り返しによっても絶縁基板や既に形成
されている絶縁層に加わる熱的なストレスは比較的小さ
くなる。
【0014】さらに、本発明に係る製造方法において、
前記ガラス材料の転移温度は感光性導電ペースト及び感
光性絶縁ペーストに含まれるバインダが熱により飛散す
る温度よりも高く、かつ、前記導体パターン層及び絶縁
層の本焼成の温度よりも低い。
【0015】転移温度付近の予備焼成により、それぞれ
熱により感光性導電ペースト中のバインダは飛散し、ガ
ラス材料は固化する。また、転移温度付近の予備焼成に
より、感光性絶縁ペースト中のバインダ及びガラス材料
はそれぞれ熱により飛散及び固化する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電子部品の製
造方法の実施形態について添付図面を参照して詳細に説
明する。
【0017】本発明に係る電子部品の製造工程を図1に
示す。まず、セラミック製の焼成済み絶縁基板1を用意
し、その上面にガラス材料を含む感光性導電ペースト2
を印刷により一定の厚みに塗布して乾燥させる。この感
光性導電ペースト2は、導電性金属として銀を含む。さ
らに、感光性導電ペースト2は、前記ガラス材料とし
て、その転移温度Tgが感光性導電ペースト2に含まれ
るバインダが熱により飛散する温度よりも高く、かつ、
後に説明する最終工程である本焼成の際の焼成温度(8
00℃)よりも低い、ほう珪酸ガラス、ほう珪酸鉛ガラ
スもしくはほう珪酸亜鉛ガラスを1〜2重量パーセント
含む。絶縁基板1に印刷された感光性導電ペースト2
は、露光、現像することにより、図1(A)に示すよう
に、例えばスパイラル状に、導体パターン層となる感光
性導電ペースト2の必要部分2aを残し、不要部分2b
を除去する。
【0018】その後、絶縁基板1を予備焼成用の炉に収
容し、感光性導電ペースト2中のガラス材料の転移温度
Tg付近の温度500〜600℃で予備焼成する。これ
により、絶縁基板1上に残された感光性導電ペースト2
の必要部分2aが予備焼成され、それに含まれているバ
インダが飛散する一方、ガラス材料が溶融して固化し、
絶縁基板1に固着され、第1層目の導体パターン層CL
1(図1(B)参照)が形成される。このとき、ガラス
材料の固化により、第1層目の導体パターン層CL1の
以後の工程における収縮はほとんどない。
【0019】次いで、図1(B)に示すように、第1層
目の導体パターン層CL1の上にガラス材料を含む感光
性絶縁ペースト3を一定の厚さに印刷により塗布する。
この感光性絶縁ペースト3も、ガラス材料として、その
転移温度Tgが感光性導電ペースト2及び感光性絶縁ペ
ースト3に含まれるバインダが熱により飛散する温度よ
りも高く、かつ、本焼成の際の焼成温度よりも低い、ほ
う珪酸ガラス、ほう珪酸鉛ガラスもしくはほう珪酸亜鉛
ガラスを含んでいる。
【0020】感光性絶縁ペースト3は、露光、現像する
ことにより、第1層目の導体パターン層CL1の導体パ
ターンcp、例えばスパイラル状導体パターンの内端部
に達するビアホール用の孔3vhを形成した後、全体を
再び予備焼成用の炉に収容し、感光性絶縁ペースト3中
のガラス材料の転移温度Tg付近の温度500〜600
℃で予備焼成する。これにより、導体パターン層CL1
の上に塗布された感光性絶縁ペースト3は予備焼成さ
れ、それに含まれているバインダが飛散すると共にガラ
ス材料が固化し、絶縁基板1及び導体パターン層CL1
に固着され、第1層目の絶縁層IL1が形成される。こ
のとき、ガラス材料の固化により、第1層目の絶縁層I
L1も以後の工程における収縮はほとんどない。
【0021】以下、図1(A),(B)の工程を交互に
繰り返し、図1(C),(D)にそれぞれ示すように、
第2層目の導体パターン層CL2及び第2層目の絶縁層
IL2を形成する。第2層目の導体パターン層CL2の
形成工程において、図1(C)に示すように、第1層目
の絶縁層IL1に形成されたビアホール用の孔3vhに
感光性導電ペースト2が充填されて予備焼成されてビア
ホールvhが形成され、例えばスパイラル状の第2層目
の導体パターン層CL2の導体パターンcp、例えばス
パイラル状導体パターンの一端部が第1層目の導体パタ
ーン層CL1の導体パターンcpに電気的に接続され、
例えばコイルインダクタが形成される。なお、他の導体
パターン層及び絶縁層をさらに積層する必要がある場合
は、同様の工程を繰り返す。
【0022】その後、全体を焼成炉に収容して約800
℃で本焼成する。これにより、図1(D)に示すよう
に、絶縁層IL1を間にして第1層目の導体パターン層
CL1と第2層目の導体パターン層CL2が配置される
と共に、導体パターン層CL1の導体パターンcpと導
体パターン層CL2の導体パターンcpとが絶縁層IL
1に形成されたビアホールvhにより相互に接続された
構造を有する多層構造を有する電子部品を得ることがで
きる。
【0023】本実施形態では、図1(A)〜(C)にお
いて説明した工程からも分かるように、予備焼成の際に
ガラス材料が溶融して実質的な収縮が終わった第1層目
の導体パターン層CL1の上に順次第1層目の絶縁層I
L1、第2層目の導体パターン層CL2、第2層目の絶
縁層IL2が形成されるので、最終工程である本焼成に
おける導体パターン層CL1,CL2及び絶縁層IL
1,IL2の収縮は小さい。これにより、本焼成時に、
各導体パターン層CL1,CL2の導体パターンcp,
cpの間隔の変化、絶縁層IL1を間にして上下に位置
する導体パターン層CL1,CL2の導体パターンc
p,…,cp間の相対的な位置ずれ、さらには、ビアホ
ールvhの形状のゆがみや断線等が発生することがな
く、特性のばらつきが少なく精度の高い電子部品を得る
ことができる。
【0024】さらに、予備焼成の温度が比較的低いの
で、予備焼成の繰り返しによっても絶縁基板1や最初に
形成されている絶縁層IL1に加わる熱的なストレスは
比較的小さく、絶縁基板1やその上に形成されている第
1層目の導体パターン層CL1や第1層目の絶縁層IL
1等の機械的な強度劣化が防止される。さらに、導体パ
ターン層CL1,CL2中に含まれる導体金属は、予備
焼成の際に絶縁層IL1や絶縁基板1中にほとんど拡散
されない。従って、導体パターン層CL1,CL2の各
導体パターンcp,cpの間、絶縁層IL1を間にして
上下に位置する導体パターン層CL1,CL2間の絶縁
抵抗の低下がなく信頼性の高い電子部品を得ることがで
きる。
【0025】さらに、図1に示した工程からも分かるよ
うに、感光性導電ペースト2及び感光性絶縁ペースト3
に光を露光して現像することにより導体パターン層CL
1,CL2やビヤホール用の孔3vhを形成しているの
で、導体パターン層CL1,CL2の各導体パターンc
pやビアホールvhの幅や径を小さくすることができ、
電子部品を小型化することができるばかりでなく、製造
に真空設備を必要とせず、製造コストも大幅に引き下げ
ることができる。
【0026】なお、本発明に係る電子部品の製造方法
は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨
の範囲内で種々に変更することができる。例えば、前記
実施形態では、絶縁基板1上に二つの導体パターン層C
L1,CL2を有する電子部品について説明したが、絶
縁基板1上にはさらに多くの導体パターン層を積層する
こともできる。また、本発明は、セラミック製の絶縁基
板1上に配線用の導体パターンが三次元的に配設された
多層基板にも適用することができる。
【0027】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、導体パターン層及び絶縁層に含まれているガ
ラス材料は、ガラス転移温度付近での比較的低い温度で
順次予備焼成されたものであり、予備焼成の温度では導
体パターン層中に含まれる導体金属はほとんど絶縁層や
絶縁基板中に拡散されないので、絶縁層や絶縁基板中に
は導体パターン層から拡散する導体金属はほとんど存在
せず、一つの導体パターン層の導体パターンの間、絶縁
層を間にして上下に位置する導体パターンの間の絶縁抵
抗の低下がなく信頼性の高い電子部品を得ることができ
る。
【0028】また、導体パターン層及び絶縁層はその各
予備焼成の際にそのガラス材料が溶融してガラス化して
いるので、本焼成の際には実質的に収縮はほとんどな
く、導体パターンの間の間隔の変化、絶縁層を間にして
上下に位置する導体パターンの間の位置ずれ、さらに
は、ビアホールの形状のゆがみや断線等が発生すること
がなく、特性のばらつきが少なく精度の高い電子部品を
得ることができる。
【0029】さらに、本発明によれば、製造設備に薄膜
リソグラフィのような真空設備を必要としないので、低
コストで特性の優れた信頼性の高い電子部品を製造する
ことができる。しかも、感光性導電ペースト及び感光性
絶縁ペーストを用い、それらを露光及び現像することに
より導体パターン層をパターニングし、ビヤホール用の
孔等形成しているので、導体パターンやビアホールの幅
や径を小さくすることができ、電子部品を小型化するこ
とができる。
【0030】本発明によれば、さらに、転移温度付近の
予備焼成により、感光性絶縁ペースト中のバインダの飛
散とガラス材料のガラス化を同時に行うことができ、電
子部品の製造効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子部品の製造方法の一実施形態
を示す製造工程説明図。
【図2】従来の電子部品の製造工程の第1例を示す説明
図。
【図3】従来の電子部品の製造工程の第1例を示す説明
図、図2の続き。
【図4】従来の電子部品の製造工程の第2例を示す説明
図。
【図5】従来の電子部品の製造工程の第2例を示す説明
図、図4の続き。
【符号の説明】 1…絶縁基板 2…感光性導電ペースト 3…感光性絶縁ペースト 3vh…ビアホール用の孔 vh…ビアホール CL1…第1番目の導体パターン層 CL2…第2番目の導体パターン層 IL1…第1番目の絶縁層 IL2…第2番目の絶縁層 cp…導体パターン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック材料からなる絶縁基板の上に
    順次積層されてなるガラス材料を含む導体パターン層及
    び該導体パターン層を覆うガラス材料を含む絶縁層を有
    しており、これら導体パターン層及び絶縁層はそれに含
    まれる前記ガラス材料がいずれも前記導体パターン層及
    び絶縁層の形成の際にそのガラス転移温度付近で予備焼
    成され、前記導体パターン層及び絶縁層の積層後に本焼
    成してなるものであることを特徴とする電子部品。
  2. 【請求項2】 セラミック材料からなる絶縁基板を用意
    し、その上にガラス材料を含む感光性導電ペーストを付
    与し、該感光性導電ペーストを露光、現像して導体パタ
    ーン層を形成した後、該導体パターン層をそれに含まれ
    る前記ガラス材料の転移温度付近の温度で予備焼成する
    工程と、予備焼成された導体パターン層の上にガラス材
    料を含む感光性絶縁ペーストを付与し、該感光性絶縁ペ
    ーストを露光、現像して絶縁層を形成した後、該絶縁層
    をそれに含まれる前記ガラス材料の転移温度付近の温度
    で予備焼成する工程とを繰り返した後、全体を本焼成す
    ることを特徴とする電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ガラス材料の転移温度は前記感光性
    導電ペースト及び感光性絶縁ペーストに含まれるバイン
    ダが熱により飛散する温度よりも高く、かつ、前記導体
    パターン層及び絶縁層の本焼成の温度よりも低いことを
    特徴とする請求項1に記載の電子部品の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004104129A (ja) * 2002-09-04 2004-04-02 Chartered Semiconductor Mfg Ltd 3−dスパイラル積層インダクタおよび3−dスパイラル積層インダクタを形成する方法
US7146719B2 (en) 2000-06-15 2006-12-12 Murata Manufacturing Co., Ltd. Multilayer circuit component and method for manufacturing the same
WO2019012929A1 (ja) * 2017-07-12 2019-01-17 株式会社村田製作所 複合配線基板及びプローブカード

Cited By (4)

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