JP2004030775A - 半導体メモリ試験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】入出力データを独立したクロックで入出力し、各クロック信号の上がりエッジと下がりエッジで信号の入出力を行うメモリの試験を可能とする。
【解決手段】被試験メモリ10の試験装置1であって、タイミング発生器2の基準クロックの一サイクルごとに一つのアドレス及び二つの書込みデータを出力する第一パターン発生器3aと、基準クロックの一サイクルごとに一つのアドレス及び二つの期待値データを出力する第二パターン発生器3bと、アドレス,書込みデータ及び期待値データを被試験メモリ10及び論理比較器6の各ピンに割り付けるPDS4を備え、PDS4が、第一及び第二パターン発生器のアドレスを多重化し、第一パターン発生器の書込みデータを多重化し、第二パターン発生器の期待値データを多重化し、多重化された各信号を基準クロック信号の一サイクルの上がりエッジ及び下がりエッジのタイミングで出力する構成としてある。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、SSRAM(Synchronous Static Random Access Memory)等のメモリデバイスを試験する半導体メモリ試験装置に関し、特に、入力データと出力データをそれぞれ独立したクロックで入力,出力するとともに、各クロック信号の上がりエッジと下がりエッジで信号の入出力を行う高速メモリデバイスの試験に好適な半導体メモリ試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体メモリ試験装置とは、被試験対象(DUT又はMUT)となるSRAMやDRAM等のメモリデバイスへ試験パターン信号を入力するとともに、メモリデバイスから出力される応答信号を期待値パターン信号と比較し、その一致,不一致を判定することにより、メモリデバイスの不良をメモリセルごとに検出する装置である。
【0003】
[従来の半導体メモリ試験装置の基本構成]
以下、従来の半導体メモリ試験装置について図面を参照しつつ説明する。
図5は、従来の半導体メモリ試験装置の基本構成を示すブロック図である。
同図に示すように、従来のメモリ試験装置101は、タイミング発生器102,パターン発生器103,データセレクタ(以下「PDS(Programmable Data Selector)」と略称する)104,波形整形器105及び論理比較器106を備え、被試験メモリ110の試験装置を構成している。
【0004】
タイミング発生器102は、試験装置101の基準クロックを発生させる。
この基準クロックは、パターン発生器103から入力されるクロック制御信号により制御される。
パターン発生器103は、タイミング発生器102で発生される基準クロックに従い、図5に示すように、被試験対象となるメモリ110に与えられる試験パターン信号となるアドレス,書込みデータと、論理比較器105に与えられる期待値データ、及び制御信号(図示省略)を発生させる。
また、パターン発生器103は、タイミング発生器102に与えられるクロック制御信号を出力する。
なお、このパターン発生器103では、アドレス,書込みデータ及び期待値データを、それぞれ独立の演算回路(図示省略)により発生させるようになっている。
【0005】
パターン発生器103から出力されたアドレス,書込みデータ,期待値データ(及び制御信号)の各信号は、PDS104に入力され、被試験メモリ110の各ピンに対する割り付け処理が行われ、波形整形器105に入力される。
波形整形器105では、入力されたアドレス,書込みデータ及び期待値データが、タイミング発生器102からの基準クロックに従って波形整形され、アドレス,書込みデータ(及び制御信号)が被試験メモリ110に印加されるとともに、期待値データが論理比較器106に印加される。
【0006】
被試験メモリ110では、与えられた制御信号に基づきデータ信号の書込み又は読出しの動作が行われ、印加されたアドレスからデータが読み出されるとともに、印加された書込みデータが当該アドレスに書き込まれる。
被試験メモリ110から読み出されたデータは、応答信号として出力され、論理比較器106に与えられる。
論理比較器106では、被試験メモリ110から応答信号が入力されるとともに、パターン発生器103で発生された期待値データが入力され、両データが比較されて、その一致,不一致が検出されることにより、試験メモリ110の良否判定が行われる。
【0007】
[従来の他の半導体メモリ試験装置▲1▼]
以上のような基本構成からなる半導体メモリ試験装置に対し、試験時間の短縮等を図ることを目的として、パターン発生器及びPDSを、それぞれ二つずつ備えた試験装置が提案されている。
図6は、パターン発生器及びPDSを二つずつ備えた半導体メモリ試験装置の構成を示すブロック図である。
図7は、図6に示す半導体メモリ試験装置における信号のタイミングチャートである。
【0008】
図6に示すように、この半導体メモリ試験装置201は、図5に示した試験装置101と同様の構成からなるタイミング発生器202,パターン発生器203,PDS204,波形整形器205及び論理比較器206を備えている。
そして、この試験装置201では、パターン発生器203とPDS204を、それぞれメイン及びサブの二つずつ(パターン発生器203a,203b及びPDS204a,205b)備えるようになっている。
【0009】
パターン発生器203は、図6に示すように、メイン側のパターン発生器203aとサブ側のパターン発生器203bからなる。
そして、このメイン及びサブの各パターン発生器203a,203bで、それぞれアドレス,書込みデータ,期待値データが発生されるようになっている。
【0010】
まず、メイン側のパターン発生器203aでは、図示しないアドレス演算回路により、基準クロック信号に従ってアドレスが発生される。具体的には、図7に示すように、1サイクル目でアドレス信号「AD1」,2サイクル目で「AD3」,3サイクル目で「AD5」...と、順次アドレス信号が出力されるようになっている。
また、メイン側のパターン発生器203aでは、図示しないデータ演算回路により、基準クロックに従って書込みデータ及び期待値データが発生されるようになっている。具体的には、図示しない第一のデータ演算回路において、被試験メモリ210に印加される書込みデータが発生され、図7に示すように、1サイクル目で「DT1」,2サイクル目で「DT3」,3サイクル目で「DT5」...と、順次出力されるようになっている。
同様に、メイン側のパターン発生器203aの図示しない第二のデータ演算回路で、論理比較器206に印加される期待値データが発生され、図7に示すように、1サイクル目で「EDT1」,2サイクル目で「EDT3」,3サイクル目で「EDT5」...と、順次出力されるようになっている。
【0011】
一方、サブ側のパターン発生器203bでは、メイン側と同様に、図示しない演算回路によりアドレス,書込みデータ,期待値データの各信号が発生されるようになっている。
具体的には、図7に示すように、1サイクル目でアドレス信号「AD2」,書込みデータ信号「DT2」,期待値データ信号「EDT2」が、2サイクル目で「AD4」,「DT4」,「EDT4」が、3サイクル目で「AD6」,「DT6」,「EDT6」が、順次出力されるようになっている。
そして、このようにパターン発生器203a,203bから順次出力される信号は、対応する二つのPDS203a,203bを介して波形整形器204に入力され、波形整形器204において、メイン側のPDS203aの出力と、サブ側のPDS203bの出力とが、基準クロック信号に従って波形整形及び多重化される。
【0012】
多重化された各信号は、図7に示すように、波形整形器204から順次出力される。まず、アドレス信号は、1サイクル目で、クロックサイクルの前半に「AD1」が、後半に「AD2」が出力され、2サイクル目は前半に「AD3」,後半に「AD4」、3サイクル目は前半に「AD5」,後半に「AD6」...と、順次出力される。
また、書込みデータ信号は、図7に示すように、1サイクル目でクロックサイクルの前半に「DT1」が、後半に「DT2」が出力され、2サイクル目は前半に「DT3」,後半に「DT4」、3サイクル目は前半に「DT5」,後半に「DT6」...と、順次出力される。
同様に、期待値データ信号も、1サイクル目の前半に「EDT1」,後半に「EDT2」、2サイクル目の前半に「EDT3」,後半に「EDT4」、3サイクル目の前半に「EDT5」,後半に「EDT6」...、と順次出力されるようになっている。
【0013】
これにより、メイン側とサブ側の二台のパターン発生器203a,b及びPDS204a,bを備えた試験装置201では、各クロックサイクルごとに二つのアドレス信号及びデータ(書込みデータ及び期待値データ)信号を発生させることができる。
これによって、図5に示した試験装置100の場合と比較して、被試験メモリ210に与えられる信号を二倍の周波数にして試験を行うことが可能となり、試験時間を短縮化できるようになっている。
【0014】
[従来の他の半導体メモリ試験装置▲2▼]
また、従来の他の半導体メモリ試験装置として、パターン発生器,PDS及び波形整形器をそれぞれ二台ずつ備えることにより、デュアルポート(Dual Port)型のメモリに対応した試験装置も提案されている。
デュアルポート型のメモリは、データの入出力ポートを二つ備え、同時に二つの回路からのアクセスを可能としたメモリデバイスで、例えばVRAM(Video RAM)等が知られている。
図8は、このようなデュアルポート型メモリに対応した半導体メモリ試験装置の構成を示すブロック図である。
また、図9は、図8に示す半導体メモリ試験装置における信号のタイミングチャートである。
【0015】
図8に示すように、このデュアルポート型メモリ用の半導体メモリ試験装置301は、図5に示した試験装置101や図6に示した試験装置201と同様に、タイミング発生器302,パターン発生器303,PDS304,波形整形器305及び論理比較器306を備えている。
被試験対象となる被試験メモリ310は、デュアルポート型メモリとなっており、アクセス可能な入出力ポートが二つ備えられている(図8に示すポートA及びポートB)。
そして、この二つのポートA,Bに対応して、図8に示すように、パターン発生器303,PDS304及び波形整形器305が、それぞれポートA用とポートB用に備えられている(ポートA用パターン発生器303a,PDS304a及び波形整形器305a及びポートB用パターン発生器303b,PDS304b及び波形整形器305b)。
【0016】
パターン発生器303は、ポートA側のパターン発生器303aとポートB側のパターン発生器303bを備えている。
ポートA側のパターン発生器303aは、図示しないアドレス演算回路により、基準クロック信号に従ってアドレス信号を発生する。具体的には、図9に示すように、1サイクル目でアドレス信号「AD1a」,2サイクル目で「AD2a」,3サイクル目で「AD3a」...と、順次アドレスが発生,出力されるようになっている。
また、ポートA側のパターン発生器303aでは、図示しないデータ演算回路により、基準クロックに従って書込みデータ信号及び期待値データ信号が発生されるようになっている。具体的には、図示しない第一のデータ演算回路により、被試験メモリ310に印加される書込みデータが発生され、図9に示すように、1サイクル目で書込みデータ「DA1a」,2サイクル目で「DA2a」,3サイクル目で「DA3a」...と、順次書込みデータが出力される。
同様に、図示しない第二のデータ演算回路では、論理比較器306に印加される期待値データ信号が発生され、図9に示すように、1サイクル目で期待値データ「DB1a」,2サイクル目で「DB2a」,3サイクル目で「DB3a」...と、順次期待値データが出力されるようになっている。
【0017】
一方、ポートB側のパターン発生器303bでは、ポートA側と同様に、図示しない演算回路によりアドレス,書込みデータ,期待値データの各信号が発生され、図9に示すように、1サイクル目でアドレス「AD1b」,書込みデータ「DA1b」,期待値データ「DB1b」、2サイクル目で「AD2b」,「DA2b」,「DB2b」、3サイクル目で「AD3b」,「DA3b」,「DB3b」...と、順次出力されるようになっている。
そして、このように順次出力される信号は、対応する各PDS304a,304bにより、被試験メモリ310の各ピンに対する割り付け処理が行われ、対応する波形整形器305a,305bに出力される。
【0018】
二つの波形整形器305a,305bでは、まず、ポートA用の波形整形器305aが、被試験メモリ310のポートAに、パターン発生器303aからのアドレス及び書込みデータを出力するとともに、期待値データを論理比較器306に入力する。
同様に、ボートB用の波形整形器304bが、被試験メモリのポートBに、パターン発生器303bからのアドレス及び書込みデータを出力するとともに、期待値データを論理比較器306に入力する。
そして、論理比較器306では、被試験メモリ310のポートAから出力されたデータがポートA側波形整形器304aから入力される期待値データと比較される。同様に、被試験メモリ310のポートBから出力されたデータがポートB側波形整形器304bから入力される期待値データと比較されることになる。
以上により、パターン発生器303,PDS304及び波形整形器305をそれぞれ二台ずつ備えた試験装置301では、デュアルポート型のメモリ310の良否判定試験を行うことができるようになっている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の各半導体メモリ試験装置では、より高速化,高性能化されたメモリデバイスの試験を行うことができないという問題が発生した。
近年は半導体メモリの更なる高速化,高性能化が進展しており、従来のメモリの二倍以上のデータ転送能力を実現した高速メモリデバイスが開発されている。この種の高速メモリとしては、例えばQuad Data Rate(登録商標)SynchronousSRAM(以下、単に「QDR」と言う)がある。
このQDRは、入力データと出力データをそれぞれ独立したクロックで入力,出力するとともに、各クロック信号の上がりエッジと下がりエッジで信号の入出力を行うことにより、1クロックサイクルで最大4つのデータ転送(入出力)を行えるようにして、メモリ動作の高速処理を可能としたメモリデバイスである。
【0020】
[QDR]
QDRでは、印加されるアドレス及び書込みデータは、入力信号用の基準クロック信号により内部に取り込まれるようになっており、入力用クロックの上がりエッジ及び下がりエッジを使用して、1クロックサイクル中に二回、アドレス信号及び書込みデータ信号が取り込まれるようになっている。
また、データ出力についても、出力用の基準クロック信号に従い、出力用クロックの上がりエッジ及び下がりエッジで、1クロックサイクル中に二つの読出しデータが出力されるようになっている。
そして、QDR内では、取り込まれた各アドレス信号に基づき、メモリの内部でバーストアドレス信号が発生され、1サイクル中に二つのデータの書込み及び読出しが行われる。
これにより、QDRでは、1クロックサイクルで最大4つのデータの転送(入出力)が行えるようになっている。
【0021】
以下、図10を参照して、QDRにおける具体的なデータの流れを説明する。
図10は、QDRの信号特性を示すタイミングチャートである。
同図に示すように、QDRでは、まずアドレス信号の入力は、入力用クロックの各サイクルの上がりエッジ及び下がりエッジで取り込まれ、上がりエッジで読出しアドレスが、下がりエッジで書込みアドレスが取り込まれるようになっている。具体的には、1サイクル目の上がりエッジで読出しアドレス「RA0」、下がりエッジで書込みアドレス「WA1」が取り込まれる。同様に、2サイクル目で読出しアドレス「RA2」及び書込みアドレス「WA3」、3サイクル目で読出しアドレス「RA4」及び書込みアドレス「WA5」...と、順次メモリに入力される。
【0022】
入力された各アドレス信号に対しては、メモリ内部でバーストアドレスが発生される。
ここで、バーストアドレスとは、メモリにアドレス信号が入力されると、そのアドレス信号を開始アドレスとして、それに続くアドレスがメモリ内で順次自動生成されるもので、QDRではバースト長が「2」となっている。
これにより、入力される各アドレス(読出し・書込み)に対して、書き込まれ、読み出されるデータが、それぞれ「2つ」となる。
【0023】
まず、書込みアドレスに対しては、バースト長「2」によって書込みデータが二つ書込み可能となり、入力信号用クロックに従って二つの書込みデータがメモリに入力される。
具体的には、図10に示すように、クロックの1サイクル目で取り込まれる一つの書込みアドレス「WA1」に対する書込みデータは、バースト長「2」によって二つとなり、入力用CLKに従って1サイクル目の上がりエッジで書込みデータ「D10」が、下がりエッジで「D11」が、メモリ内に取り込まれる。
同様に、2サイクル目では、書込みアドレス「WA3」に対する「D30」,「D31」、3サイクル目では、書込みアドレス「WA5」に対する「D50」,「D51」...、というように順次、メモリに入力される。
【0024】
一方、読出しアドレスに対しても、読出しデータはバースト長「2」によって二つ存在し、出力信号用クロックに従ってメモリから出力される。
具体的には、図10に示す例では、1サイクル目の読出しアドレス「RA0」に対する出力データは、出力用CLKの2サイクル目の上がりエッジで「Q00」が、下がりエッジで「Q01」が出力されるようになっている。
同様に、2サイクル目の読出しアドレス「RA2」に対して「Q20」,「Q21」、3サイクル目の読出しアドレス「RA4」に対して「Q40」,「Q41」...と、順次出力されるようになっている。
【0025】
以上のように、QDRでは、1クロックサイクルで最大4つのデータの入出力が行われるという信号特性を有している。
従って、このような信号特性を有するQDRに対して試験を行うには、まず入力するアドレス信号を1サイクル中に二つ発生させ、各サイクルの前半(上がりエッジ)で読出しアドレス、後半(下がりエッジ)で書込みアドレスを印加する必要がある。
また、データについても、印加される各アドレス信号に対して二つの書込みデータ及び読出しデータが存在することから、この書込み及び読出しデータ数に対応した書込みデータ及び期待値データが必要となる。そして、図10に示したように、各クロックの前半の読出しアドレスに対して二つの期待値データを与え、後半の書込みアドレスに対して二つの書込みデータを与える必要がある。
【0026】
ところが、上述した従来の半導体メモリ試験装置では、いずれも、このような試験パターン信号を発生させることができず、QDRの試験を行うことができないという問題が発生した。
まず、図6で示した試験装置▲1▼の場合、メイン側信号を読出し用、サブ側信号を書込み用に割り付ければ、アドレス信号については、1サイクル中の前半に読出しアドレス、後半に書込みアドレスとして発生させることは可能であった。
しかし、この試験装置▲1▼では、書込みデータ及び期待値データについては、1サイクル中に一つの書込みデータと期待値データしか発生させることができず、各アドレス(読出し・書込み)ごとに二つのデータ信号を必要とするQDR等のメモリの試験を行うことはできなかった。
【0027】
一方、図8で示した試験装置▲2▼では、デュアルポート型メモリに対応して、二つのアドレス,書込みデータ及び期待値データが発生されるようになっている。しかし、この試験装置▲2▼で発生されるアドレス,書込みデータ及び期待値データの各信号は、メモリデバイスの各ポートに、1クロックサイクルごとに一つの信号が入力されるようになっており、1クロックサイクル中に読出し及び書込みの二つのアドレス及びデータを入力する必要があるQDRの試験に対応することは不可能であった。
【0028】
本発明は、このような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、基準クロックの一サイクル中に二つのアドレス信号を発生させるとともに、各アドレス信号に対して二つの書込みデータ及び期待値データを発生させることができるパターン発生器と信号多重化回路を備えることにより、入力データと出力データをそれぞれ独立したクロックで入力,出力して、各クロック信号の上がりエッジと下がりエッジで信号の入出力を行う高速メモリデバイスを試験することができる半導体メモリ試験装置の提供を目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載の半導体メモリ試験装置は、試験対象となるメモリデバイスに所定の試験パターン信号を入力し、このメモリデバイスから出力される応答出力信号と所定の期待値データ信号を論理比較器で比較することにより、当該メモリデバイスの良否を判定する半導体メモリ試験装置であって、基準クロック信号を出力するタイミング発生器と、前記メモリデバイスに入力する試験パターン信号となる所定のアドレス信号及び書込みデータ信号を発生させるとともに、所定の期待値データ信号を発生させるパターン発生器と、前記アドレス信号,書込みデータ信号及び期待値データ信号を、前記メモリデバイス及び論理比較器の各ピンに対して割り付けるデータセレクタと、を備え、前記パターン発生器が、前記基準クロックの一サイクルごとに一つのアドレス信号及び二つの書込みデータ信号を出力する第一パターン発生器と、前記基準クロックの一サイクルごとに一つのアドレス信号及び二つの期待値データ信号を出力する第二パターン発生器とを有し、前記データセレクタが、前記第一及び第二パターン発生器のアドレス信号を多重化するとともに、前記第一パターン発生器の書込みデータ信号を多重化し、さらに、前記第二パターン発生器の期待値データ信号を多重化し、多重化された各信号を、前記基準クロック信号の上がりエッジ及び下がりエッジのタイミングで出力する多重化回路を有する構成としてある。
【0030】
そして、請求項2では、本発明に係る半導体メモリ試験装置の試験対象となるメモリデバイスが、入力データと出力データをそれぞれ独立したクロックで入力,出力するとともに、各クロック信号の上がりエッジと下がりエッジで信号の入出力を行うメモリデバイスである構成としてある。
【0031】
具体的には、請求項3記載の半導体メモリ試験装置では、前記多重化回路が、前記第一及び第二パターン発生器のアドレス信号を入力し、当該アドレス信号を多重化して出力するアドレス多重化回路と、前記第一パターン発生器の書込みデータ信号を多重化して出力する書込みデータ多重化回路と、前記第二パターン発生器の期待値データ信号を多重化して出力する期待値データ多重化回路と、からなる構成としてある。
【0032】
このような構成からなる本発明の半導体メモリ試験装置によれば、第一及び第二パターン発生器を備えることで、メモリデバイスを試験するためのアドレス信号,書込みデータ信号及び期待値データ信号を、それぞれ二つずつ発生させることができる。そして、データセレクタにおいて、各二つのアドレス信号,書込みデータ信号及び期待値データ信号をそれぞれ多重化し、基準クロックの各サイクルの上がりエッジ(前半)及び下がりエッジ(後半)で出力させることができる。
これにより、まず、メモリデバイスに入力するアドレス信号を1サイクル中に二つ発生させ、各サイクルの前半(上がりエッジ)で読出しアドレス、後半(下がりエッジ)で書込みアドレスを印加することができる。
また、データについても、メモリデバイスに印加される各アドレス信号に対して二つの書込みデータ及び期待値データを、メモリデバイス及び論理比較器に入力させることができる。
従って、本発明に係る半導体メモリ試験装置を用いることで、従来は不可能であったQDRのような入力データと出力データをそれぞれ独立したクロックで入力,出力して、各クロック信号の上がりエッジと下がりエッジで信号の入出力を行う高速メモリデバイスの試験を行うことができる。
【0033】
そして、請求項4では、前記多重化回路が、前記基準クロックの一サイクルごとに二つの信号を入力し、当該基準クロック信号の上がりエッジ及び下がりエッジのタイミングで一つの信号を出力するダブル・データ・レート回路からなる構成としてある。
【0034】
特に、請求項5では、前記ダブル・データ・レート回路が、前記基準クロックの一サイクルごとに一の信号を入力し、当該基準クロック信号の上がりエッジのタイミングで当該一の信号を出力する第一のフリップ・フロップと、前記基準クロックの一サイクルごとに他の信号を入力し、当該基準クロック信号の下がりエッジのタイミングで当該他の信号を出力する第二のフリップ・フロップと、前記第一及び第二のフリップ・フロップの出力信号を入力し、前記基準クロック信号の上がりエッジのタイミングで前記第一のフリップ・フロップからの信号を選択,出力し、当該基準クロックの下がりエッジのタイミングで前記第二のフリップ・フロップからの信号を選択,出力するセレクタと、からなる構成としてある。
【0035】
このような構成からなる本発明の半導体メモリ試験装置によれば、データセレクタに備えられる多重化回路を、フリップ・フロップとセレクタのような既存の回路からなるダブル・データ・レート回路によって構成することができる。
これにより、データセレクタが複雑化,大型化,高コスト化等することなく、簡易な構成によって、本発明に係る半導体メモリ試験装置を実現することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の半導体メモリ試験装置の好ましい実施形態について、図1〜図4を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る半導体メモリ試験装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
図2は、図1に示す本実施形態の半導体メモリ試験装置におけるPDSの詳細構成を示すブロック図である。
図3は、図2に示すPDSのダブル・データ・レート回路の詳細を示す説明図で、(a)は回路構成を示すブロック図、(b)は同回路における信号のタイミングチャートである。
また、図4は、図1に示す本実施形態の半導体メモリ試験装置における信号のタイミングチャートである。
【0037】
まず、図1を参照して、本実施形態にかかる半導体メモリ試験装置の基本構成について説明する。
同図に示すように、本実施形態にかかる半導体メモリ試験装置は、試験対象となるメモリデバイス10に対し、所定の試験パターン信号を入力し、メモリデバイス10から出力される応答出力信号と所定の期待値データ信号を比較することにより、当該メモリデバイス10の良否を判定する試験装置である。
【0038】
被試験メモリ10は、本実施形態では、上述したQDR(Quad Data Rate SynchronousSRAM)を構成している。
QDRは、入力データと出力データをそれぞれ独立したクロックで入力,出力するとともに、各クロック信号の上がりエッジと下がりエッジで信号の入出力を行うことにより、1クロックサイクルで最大4つのデータ転送(入出力)を行える高速化されたメモリデバイスである。そして、このようなQDRを被試験メモリ10として試験する場合には、アドレス信号を1サイクル中に二つ発生させ、各サイクルの上がりエッジで読出しアドレス、下がりエッジで書込みアドレスを印加し、データ信号も、印加される各アドレス信号に対して二つの書込みデータ及び期待値データが必要となる。このため、従来の試験装置ではこのようなQDRを試験することが不可能であった。
本実施形態は、このようなQDRのような高速化メモリデバイスの試験を行えるようにした試験装置である。
【0039】
具体的には、本実施形態の試験装置1は、タイミング発生器2,パターン発生器3,プログラマブル・データセレクタ(PDS)4,波形整形器5及び論理比較器6を備え、被試験メモリ10の試験装置を構成している。
タイミング発生器2は、試験装置1の基準クロックを発生させる回路である。このタイミング発生器2から出力される基準クロックは、パターン発生器3(3a,3b)から入力されるクロック制御信号により制御される。
このタイミング発生器2は、従来の試験装置の場合と同様の構成となっている。
【0040】
パターン発生器3は、タイミング発生器2で発生される基準クロックに従い、被試験メモリ10に与えられる試験パターン信号となるアドレス,書込みデータと、論理比較器5に与えられる期待値データ、及び制御信号(図示省略)を発生させるようになっている。また、パターン発生器3は、タイミング発生器2に与えられるクロック制御信号を出力する。
そして、本実施形態のパターン発生器3は、図1に示すように、第一パターン発生器3a及び第二パターン発生器3bを備えている。
【0041】
QDRからなる被試験メモリ10を試験するには、アドレスは1サイクル中に二つ必要であり、データは前半のアドレスに対して書込みデータを二つ、後半のアドレスに対して期待値データが二つ必要である(図10参照)。そこで、本実施形態では、第一及び第二パターン発生器3a,3bを備えることで、二つのアドレス信号と二つの書込みデータ及び期待値データを発生させるようにしてある。
具体的には、図1に示すように、第一パターン発生器3aは、タイミング発生器2の基準クロックの一サイクルごとに、一つのアドレス信号「MAD」及び二つのデータ信号「MDA」,「MDB」を出力する。同様に、第二パターン発生器3bは、基準クロックの一サイクルごとに、一つのアドレス信号「SAD」及び二つのデータ信号「SAD」,「SDB」を出力する。
そして、後述するように、第一パターン発生器3aで発生されるアドレス信号が読出しアドレス、第二パターン発生器3bで発生されるアドレス信号が書込みアドレスとして被試験メモリ10に入力される。また、第一パターン発生器3aで発生される二つのデータ信号が書込みデータとして被試験メモリ10に入力され、第二パターン発生器3bで発生される二つのデータ信号が期待値データとして論理比較器6に入力されるようになっている。
【0042】
ここで、各パターン発生器3a,3bは、それぞれ、アドレス,書込みデータ,期待値データ(又は制御信号)を発生させる図示しない演算回路を備えており、各演算回路からアドレス,書込みデータ又は期待値データの各信号が独立して出力されるようになっている。
すなわち、各パターン発生器3a,3bは、アドレス信号を発生させる一つのアドレス演算回路及びデータ信号を発生させる二つのデータ演算回路(第一及び第二演算回路)を備えている。
なお、各パターン発生器3a,3bは、従来の試験装置におけるパターン発生器と同様、ALPG(アルゴリズミック・パターン発生器)を用いることが好ましい。一般に、ALPGは、メモリデバイスの内部セルの所在を示すアドレス信号を、一定の算法に基づいて逐次発生させるパターン発生器であり、大容量のパターンメモリ等を必要とすることなく、マイクロプログラムによってアドレス信号を発生させることができ、大容量化,高速化,多ビット化したメモリデバイスの試験に好適である。
【0043】
PDS4は、パターン発生器3(3a,3b)から出力されたアドレス,書込みデータ,期待値データ(及び制御信号)の各信号を、被試験メモリ10の各ピンに対する割り付け処理を行う回路である。
そして、本実施形態のPDS4は、図1に示すように、二つのパターン発生器(第一パターン発生器3a及び第二パターン発生器3b)から入力された各信号を多重化し、多重化した各信号を基準クロックの上がりエッジ及び下がりエッジのタイミングで出力する多重化回路を備えている。
【0044】
QDRを試験するには、被試験メモリ10に対して、基準クロックの前半(上がりエッジ)で読出しアドレス、後半(下がりエッジ)で書込みアドレスを印加するとともに、書込みアドレスについて、二つの書込みデータを上がりエッジ及び下がりエッジで入力する必要がある。さらに、読出しアドレスに対応する期待値データを、基準クロックの上がりエッジ及び下がりエッジのタイミングで論理比較器6に入力する必要がある。
上述した従来の試験装置で、PDSをメイン側とサブ側(図6参照)又はポートA側とポートB側(図8参照)で個々別々に有していたが、本実施形態では、一つのPDS4によって、第一及び第二パターン発生器3a,3bからのアドレス及びデータを取り込むようにしてある。そして、このPDS4に備えられる多重化回路によって、二つのアドレス信号と二つの書込みデータ及び期待値データを、それぞれ多重化して出力するようにしてある。
【0045】
具体的には、PDS4は、図2に示すように、第一パターン発生器3aと第二パターン発生器3bのアドレス信号を入力,多重化するアドレス多重化回路41と、第一パターン発生器3aの二つのデータを書込みデータとして入力,多重化する書込みデータ多重化回路42と、第二パターン発生器3bの二つのデータを期待値データとして入力,多重化する期待値データ多重化回路43を備えている。
そして、各多重化回路41,42,43で多重化された各信号は、基準クロックの一サイクルの前半(上がりエッジ)及び後半(下がりエッジ)のタイミングで出力されるようになっている。
【0046】
ここで、図2に示す各多重化回路41,42,43は、それぞれ、基準クロックの一サイクルごとに二つの信号を入力し、当該基準クロック信号の一サイクルの上がりエッジ及び下がりエッジのタイミングで一つの信号を出力するダブル・データ・レート(Double Data Rate)回路(以下「DDR回路」と略称する)となっている。
図3に、本実施形態のDDR回路の構成を及びタイミングチャートを示す。なお、図3では、アドレス多重化回路41を例にとって示してあが、書込みデータ多重化回路42及び期待値データ多重化回路43についても同様の構成である。
【0047】
同図(a)に示すように、本実施形態のDDR回路は、二つのフリップ・フロップ41a,41b(第一FF41a,第二FF41b)と一つのセレクタ41cを備えている。
第一FF41aは、基準クロックの一サイクルごとに第一パターン発生器3aからのアドレス信号「MAD」を入力し、当該基準クロック信号の上がりエッジのタイミングで当該アドレス信号「MAD」を出力する(出力信号「MADT」)。
第二FF41bは、基準クロックの一サイクルごとに第二パターン発生器3bからのアドレス信号「SAD」を入力し、当該基準クロック信号の下がりエッジのタイミングで当該アドレス信号「SAD」を出力する(出力信号「SADT」)。図3(a)に示すように、出力信号「SADT」が基準クロックの下がりエッジで出力されるように、第二FF41bに入力されるクロック信号には、第一FF41aから半クロック遅れて入力されるように遅延回路が挿入してある。
セレクタ41cは、第一及び第二FF41a,41bの出力信号「MADT及びSADT」を入力データとして入力するとともに、基準クロック信号をセレクト信号として入力する。そして、基準クロックの上がりエッジのタイミングで第一FF41aからの信号を選択,出力し、基準クロックの下がりエッジのタイミングで第二FF41bからの信号を選択,出力するようになっている。
【0048】
このようなDDR回路により、図3(b)に示すように、第一及び第二パターン発生器3a,3bから入力される二つのアドレス信号(及び二つの書込みデータ及び期待値データ)は、それぞれ多重化されて基準クロックの一サイクルの前半(上がりエッジ)及び後半(下がりエッジ)のタイミングで出力されることになる。
このように、本実施形態では、PDS4に備えられる多重化回路41,42,43を、フリップ・フロップ,セレクタのような既存の回路からなるDDR回路によって構成することができ、PDS4が複雑化,大型化,高コスト化等することなく、簡易な構成によって、本実施形態に係る半導体メモリ試験装置を実現することができる。
【0049】
波形整形器5は、PDS4から入力されるアドレス,書込みデータ及び期待値データを、タイミング発生器2からの基準クロックに従って波形整形し、アドレス,書込みデータ(及び制御信号)が被試験メモリ10に印加されるとともに、期待値データが論理比較器6に印加される。
この波形整形器5は、従来の試験装置の場合と同様の構成である。
この波形整形器5から信号を印加された被試験メモリ10では、与えられた制御信号に基づきデータ信号の書込み又は読出しの動作が行われ、印加されたアドレスからデータが読み出されるとともに、印加された書込みデータが当該アドレスに書き込まれる。
そして、被試験メモリ10から読み出されたデータ信号が、応答信号として出力され、論理比較器6に与えられる。
【0050】
論理比較器6は、被試験メモリ10の応答信号が入力されるとともに、パターン発生器3で発生された期待値データが入力され、入力された応答信号と期待値データとを比較して、その一致,不一致により、試験メモリ10の良否判定を行う。
この論理比較器6も、従来の試験装置におけるものと同様の構成である。
また、以上の他、本実施形態に係る試験装置1は、既存の試験装置におけるものと同様の構成,機能となっている。
【0051】
次に、以上のような構成からなる本実施形態に係る半導体メモリ試験装置の動作について、図2を参照しつつ説明する。
まず、パターン発生器3では、タイミング発生器2の基準クロックに従って、アドレス信号,書込みデータ信号及び期待値データ信号がそれぞれ発生される。
具体的な信号の流れは、図4に示す通りである。
アドレス信号については、まず、第一パターン発生器3a側では、図示しないアドレス演算回路により、基準クロックの1サイクル目でアドレス信号「MAD1」が発生され、以下、2サイクル目で「MAD2」,3サイクル目で「MAD3」,4サイクル目で「MAD4」...と、順次発生される。この第一パターン発生器3aで発生されたアドレスが、読出しアドレスとして割り当てられる。一方、第二パターン発生器3b側では、図示しないアドレス演算回路により、基準クロックの1サイクル目でアドレス信号「SAD1」が発生され、以下、2サイクル目で「SAD2」,3サイクル目で「SAD3」,4サイクル目で「SAD3」...と、順次発生される。この第二パターン発生器3bで発生されたアドレスが、書込みアドレスとして割り当てられる。
【0052】
データ信号については、まず、第一パターン発生器3a側では、図示しない第一データ演算回路により、基準クロックの1サイクル目でデータ信号「MDA1」が発生され、以下、2サイクル目で「MDA2」,3サイクル目で「MDA3」,4サイクル目で「MDA4」...と、順次発生される。同様に、図示しない第二データ演算回路により、基準クロックの1サイクル目でデータ信号「MDB1」が発生され、以下、2サイクル目で「MDB2」,3サイクル目で「MDB3」,4サイクル目で「MDB4」...と、順次発生される。そして、この第一パターン発生器3aで発生された二つのデータが、書込みデータとして割り当てられる。
【0053】
一方、第二パターン発生器3b側では、図示しない第一データ演算回路により、基準クロックの1サイクル目でデータ信号「SDA1」が発生され、以下、2サイクル目で「SDA2」,3サイクル目で「SDA3」,4サイクル目で「SDA4」...と、順次発生される。同様に、図示しない第二データ演算回路により、基準クロックの1サイクル目でデータ信号「SDB1」が発生され、以下、2サイクル目で「SDB2」,3サイクル目で「SDB3」,4サイクル目で「SDB4」...と、順次発生される。そして、この第二パターン発生器3bで発生された二つのデータが、期待値データとして割り当てられる。
【0054】
以上のようにしてパターン発生器3で発生されたアドレス及びデータは、PDS4に入力され、多重化される。
具体的には、図4に示す通りであり、まず、アドレスについては、第一及び第二パターン発生器3a,3bで発生された二つのアドレスがPDS4のアドレス多重化回路41において多重化される。
そして、基準クロックの1サイクルの前半で読出しアドレス「MAD1」が、後半で書込みアドレス「SAD1」が出力され、以下、2サイクルの前半で読出しアドレス「MAD2」、後半で書込みアドレス「SAD2」,3サイクルの前半で読出しアドレス「MAD3」、後半で書込みアドレス「SAD3」,4サイクルの前半で読出しアドレス「MAD4」、後半で書込みアドレス「SAD4」...と、順次出力される。
【0055】
書込みデータについては、第一パターン発生器3aで発生された二つのデータがPDS4の書込みデータ多重化回路42において多重化される。
そして、基準クロックの1サイクルの前半で読出しアドレス「MDA1」が、後半で書込みアドレス「MDB1」が出力され、以下、2サイクルの前半で読出しアドレス「MDA2」、後半で書込みアドレス「MDB2」,3サイクルの前半で読出しアドレス「MDA3」、後半で書込みアドレス「MDB3」,4サイクルの前半で読出しアドレス「MDA4」、後半で書込みアドレス「MDB4」...と、順次出力される。
【0056】
さらに、期待値データについては、第二パターン発生器3bで発生された二つのデータがPDS4の期待値データ多重化回路43において多重化される。
そして、基準クロックの1サイクルの前半で読出しアドレス「SDA1」が、後半で書込みアドレス「SDB1」が出力され、以下、2サイクルの前半で読出しアドレス「SDA2」、後半で書込みアドレス「SDB2」,3サイクルの前半で読出しアドレス「SDA3」、後半で書込みアドレス「SDB3」,4サイクルの前半で読出しアドレス「SDA4」、後半で書込みアドレス「SDB4」...と、順次出力される。
【0057】
PDS4から出力された各多重化信号は、波形整形器5で波形整形されて出力され、アドレス及び書込みデータが被試験メモリ10に入力されるとともに、期待値データが論理比較器6に入力される。
従って、QDRからなる被試験メモリ10には、図4に示すように、読出しアドレス「MDA」に対して期待値データ「MDA,MDB」が、書込みアドレス「SAD」に対して書込みデータ「SDA,SDB」が与えられることになり、アドレス信号を1サイクル中に二つ発生させて、各サイクルの前半(上がりエッジ)で読出しアドレス、後半(下がりエッジ)で書込みアドレスを印加することができる。そして、データについても、印加される各アドレス信号に対して二つの書込みデータ及び読出しデータに対応した書込みデータ及び期待値データを与えることができる。
これによって、従来の試験装置では実施が不可能であったQDRの試験を行うことができる。
【0058】
以上説明したように、本実施形態に係る半導体メモリ試験装置によれば、第一及び第二パターン発生器3a,3bを備えることで、被試験メモリ10を試験するためのアドレス信号,書込みデータ信号及び期待値データ信号を、それぞれ二つずつ発生させることができる。そして、PDS4において、各二つのアドレス信号,書込みデータ信号及び期待値データ信号をそれぞれ多重化し、基準クロックの各サイクルの上がりエッジ(前半)及び下がりエッジ(後半)で出力させることができる。
これにより、被試験メモリ10に入力するアドレス信号を1サイクル中に二つ発生させ、各サイクルの前半(上がりエッジ)で読出しアドレス、後半(下がりエッジ)で書込みアドレスを印加することができる。
また、データについても、被試験メモリ10に印加される各アドレス信号に対して二つの書込みデータ及び期待値データを、被試験メモリ10及び論理比較器6に入力することができる。
従って、本実施形態に係る半導体メモリ試験装置を用いることで、従来は不可能であったQDRのような入力データと出力データをそれぞれ独立したクロックで入力,出力して、各クロック信号の上がりエッジと下がりエッジで信号の入出力を行う高速メモリデバイスの試験を行うことができる。
【0059】
なお、本発明の半導体メモリ試験装置は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、試験対象となるメモリデバイスとしてQDRを例にとって説明したが、本発明に係る試験装置で試験できるメモリデバイスはQDRに限定されるものではない。すなわち、本発明は、入力データと出力データをそれぞれ独立したクロックで入力,出力するとともに、各クロック信号の上がりエッジと下がりエッジで信号の入出力を行うメモリデバイスは、どのような名称,構成のものでも試験を行うことができる。
【0060】
また、多重化回路は、上述した実施形態ではフリップ・フロップ及びセレクタからなるDDR回路によって構成してあるが、基準クロックの一サイクルごとに二つの信号を入力し、基準クロックの各サイクルの上がりエッジ及び下がりエッジのタイミングで一つの信号を出力できる限り、どのような回路構成としてもよい。例えば、DDR回路のフリップ・フロップをラッチに代えることができる。また、本発明にかかる第一及び第二パターン発生器として、上述した実施形態では、ALPGを備えているが、これを他の構成からなるパターン発生器により構成することもできる。
さらに、データセレクタについても、上記実施形態におけるPDSに替えて、他の信号選択手段(データセレクタ)を用いることも可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の半導体メモリ試験装置によれば、パターン発生器と信号多重化回路を備えることにより、基準クロックの一サイクル中に二つのアドレス信号を発生させるとともに、各アドレス信号に対して二つの書込みデータ及び期待値データを発生させることができる。
これにより、入力データと出力データをそれぞれ独立したクロックで入力,出力して、各クロック信号の上がりエッジと下がりエッジで信号の入出力を行う高速メモリデバイスの試験を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体メモリ試験装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す本発明に係る半導体メモリ試験装置の一実施形態におけるPDSの詳細構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す本発明に係る半導体メモリ試験装置の一実施形態におけるPDSのダブル・データ・レート回路の詳細を示す説明図で、(a)は回路構成を示すブロック図、(b)は同回路における信号のタイミングチャートである。
【図4】図1に示す本発明の半導体メモリ試験装置の一実施形態における信号のタイミングチャートである。
【図5】従来の半導体メモリ試験装置の基本構成を示すブロック図である。
【図6】従来のパターン発生器及びPDSを二つずつ備えた半導体メモリ試験装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示す従来の半導体メモリ試験装置における信号のタイミングチャートである。
【図8】従来のデュアルポートメモリ対応型の半導体メモリ試験装置の構成を示すブロック図である。
【図9】図8に示す従来の半導体メモリ試験装置における信号のタイミングチャートである。
【図10】QDRの信号特性を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 試験装置
2 タイミング発生器
3a 第一パターン発生器
3b 第二パターン発生器
4 PDS
5 波形整形器
6 論理比較器
10 被試験メモリ
41〜43 多重化回路(DDR回路)

Claims (5)

  1. 試験対象となるメモリデバイスに所定の試験パターン信号を入力し、このメモリデバイスから出力される応答出力信号と所定の期待値データ信号を論理比較器で比較することにより、当該メモリデバイスの良否を判定する半導体メモリ試験装置であって、
    基準クロック信号を出力するタイミング発生器と、
    前記メモリデバイスに入力する試験パターン信号となる所定のアドレス信号及び書込みデータ信号を発生させるとともに、所定の期待値データ信号を発生させるパターン発生器と、
    前記アドレス信号,書込みデータ信号及び期待値データ信号を、前記メモリデバイス及び論理比較器の各ピンに対して割り付けるデータセレクタと、を備え、前記パターン発生器が、前記基準クロックの一サイクルごとに一つのアドレス信号及び二つの書込みデータ信号を出力する第一パターン発生器と、前記基準クロックの一サイクルごとに一つのアドレス信号及び二つの期待値データ信号を出力する第二パターン発生器とを有し、
    前記データセレクタが、前記第一及び第二パターン発生器のアドレス信号を多重化するとともに、前記第一パターン発生器の書込みデータ信号を多重化し、さらに、前記第二パターン発生器の期待値データ信号を多重化し、多重化された各信号を、前記基準クロック信号の上がりエッジ及び下がりエッジのタイミングで出力する多重化回路を有することを特徴とする半導体メモリ試験装置。
  2. 前記メモリデバイスが、入力データと出力データをそれぞれ独立したクロックで入力,出力するとともに、各クロック信号の上がりエッジと下がりエッジで信号の入出力を行うメモリデバイスである請求項1記載の半導体メモリ試験装置。
  3. 前記多重化回路が、
    前記第一及び第二パターン発生器のアドレス信号を入力し、当該アドレス信号を多重化して出力するアドレス多重化回路と、
    前記第一パターン発生器の書込みデータ信号を多重化して出力する書込みデータ多重化回路と、
    前記第二パターン発生器の期待値データ信号を多重化して出力する期待値データ多重化回路と、からなる請求項1又は2記載の半導体メモリ試験装置。
  4. 前記多重化回路が、
    前記基準クロックの一サイクルごとに二つの信号を入力し、当該基準クロック信号の上がりエッジ及び下がりエッジのタイミングで一つの信号を出力するダブル・データ・レート回路からなる請求項1,2又は3記載の半導体メモリ試験装置。
  5. 前記ダブル・データ・レート回路が、
    前記基準クロックの一サイクルごとに一の信号を入力し、当該基準クロック信号の上がりエッジのタイミングで当該一の信号を出力する第一のフリップ・フロップと、
    前記基準クロックの一サイクルごとに他の信号を入力し、当該基準クロック信号の下がりエッジのタイミングで当該他の信号を出力する第二のフリップ・フロップと、
    前記第一及び第二のフリップ・フロップの出力信号を入力し、前記基準クロック信号の上がりエッジのタイミングで前記第一のフリップ・フロップからの信号を選択,出力し、当該基準クロックの下がりエッジのタイミングで前記第二のフリップ・フロップからの信号を選択,出力するセレクタと、からなる請求項4記載の半導体メモリ試験装置。
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JP2011501343A (ja) * 2007-10-24 2011-01-06 インターナショナル・トレーディング・アンド・テクノロジー・カンパニー・リミテッド 半導体テストパターン信号の逓倍装置

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