JP2004030434A - Icカード - Google Patents

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篠原 英明
Kyoko Uchida
内田 恭子
Tatsu Nakai
中居 達
Naoki Kubo
久保 直樹
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Abstract

【課題】優れた画質を有すると共に、印画画像の耐光性、耐可塑剤性、耐脂性等の保存性に優れ、焼却にあたって有害ガス発生など環境に悪影響を与えることのないICカードを提供することを課題とする。
【解決手段】内部にICユニットを備えたカード基体と、その一方の表面に設けられ、熱転写画像が記録された受容層と、該受容層上に粘着剤層を介して積層された保護層とからなるICカードであって、カード基体はその少なくとも一方の表面がポリエステル樹脂を主成分とする樹脂シートからなり、受容層は該樹脂シート上に設けられ、保護層を形成する樹脂を構成するモノマー由来の単位のいずれも塩素基を含有せず、前記粘着剤層が常温粘着性の粘着剤を主成分とする層であることを特徴とするICカード及びICカードの熱転写画像の光安定性向上方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は非接触型ICカードに関し、カード表面に画像や文字情報を記録するのに適したICカードに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、会員証、社員証、免許証などの個人の身分を証明するIDカード用途のICカードにおいては、個人を認識する為に、顔写真などの画像情報をICカード表面に設けることが行われている。ICカード表面にこのような画像情報を設ける方法としては、顔写真をカード基材の所定の部分に接着剤等を用いて貼付する方法などがあるが、この方法ではカード表面に凹凸が生じて、平滑性が損なわれる欠点がある。このような欠点を解決するために、近年は、鮮明なフルカラー画像を印刷することが可能な熱転写方式によるサーマルプリンターが注目されている。
【0003】
中でも、昇華熱転写方式は、加熱により昇華もしくは溶融拡散する染料を含有する染料層を有する昇華熱転写染料シートと、フィルム基材の片面に染料を受容する染料受容層(以下、単に「受容層」と称す)が形成された受容シートとを重ね合わせ、染料層の所要箇所の染料を、サーマルヘッドなどから供給される熱により、所定濃度だけ染料受容層上に転写して画像を形成するものである。この昇華熱転写方式は、階調性に富んだ写真調フルカラー画像の形成に特に有利であるという特徴を有している。
【0004】
一方、溶融熱転写方式は、加熱により溶融するインキを塗布した転写フィルム(以下、「インクシート」と称す)と、受容シートとをプラテンロールで圧接し、インクシートの背面から加熱して瞬時にインキを溶融し、受像シート上に文字や画像などを形成するものである。このような溶融熱転写方式による印刷の特徴としては、インクを熱拡散する方式ではないため、エッジの効いたシャープで高濃度の画像が得られ、また堅牢な顔料タイプのインクが用いられるため、画像の耐光性及び耐薬品性に優れている。このようなことから、溶融熱転写方式は、特に文字情報の印字に好ましく用いられる。
【0005】
したがって、ICカードの印刷においては、まず、昇華熱転写方式により顔写真などをフルカラーで印画し、次いで溶融熱転写方式により文字を鮮明に印字する方法が行われている。現在このような異なる印刷方式を同時に行うことが可能な昇華・溶融熱転写併用プリンターが、既に知られている。(例えばカード用熱転写カラープリンターNCP100、野崎印刷紙業社製)
【0006】
このようなICカードは、保存性、記録画質、環境対応などの点で、必ずしも十分なものではなかった。
すなわち、現在、市販のICカードの表面を形成する表面基材で、主に使用されている樹脂はポリ塩化ビニル樹脂を主成分としたものであり、カード加工性、印画品質等に優れるものの、近年、含塩素樹脂の廃棄焼却に伴う、ダイオキシン類の発生の問題があり、非塩ビ系カードへの転換要請が高まっている。
非塩ビ系樹脂を主成分とした表面基材として、ポリスチレン系樹脂が提案されている。しかし、ポリスチレン系樹脂は、カード形状に打ち抜くときの切断面のバリが大きいことや、エンボス加工時のカールが大きいという問題もある。これらを改善するために、添加剤を添加すると強度の低下を生じ、品質バランスのとれたものが得られなかった。
また、例えば運転免許証、身分証明書等のIDカードの用途においては、例えばプリクラシール、医療用画像に代表されるような一般的な昇華受容紙に比べて、耐光性、耐可塑剤性、耐脂性等の各種保存性を同時に兼ね備えた高い保存性が要求されている。即ち長期間に亘って使用され、また、使用及び保存される環境が光に晒されたり、人間の手に触れたり、可塑剤を含むシートに接触した状態で保存されることが多いため、高い耐光性、耐脂性、耐可塑剤性等の保存性が必要となる。
【0007】
保存性改善のために、特許2548907号公報において、画像形成層に紫外線吸収剤や光安定剤を含む昇華染料熱転写受容紙が提案されている。この受容紙は耐光性の面では改善効果が見られるが、ICカード用途にはまだ不十分であり、また、形成された画像が表面に露出しているため、可塑剤や人脂が接触すると画像が滲んだり、消色する傾向にあり、耐可塑剤性、耐脂性の面で問題があった。
【0008】
そこで、特開平10−157349号公報では、紫外線吸収剤を含む感熱性接着剤層と保護層を積層した熱転写シートを使用して、昇華染料画像上に感熱性接着剤層を介して保護層を熱転写方式で積層する受容紙が記載されている。
登録実用新案第2551217号公報では、紙をカード基体とし、表示層に昇華染料画像を設け、該画像上にポリ塩化ビニルあるいはポリエステル樹脂からなる保護層を熱圧着するカードが提案されている。
また、特許2880399号公報では、軟質塩化ビニル樹脂上に昇華染料画像を形成し、その表面に保護層が設けられているカードが提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平10−157349号公報に記載の受容紙では、保護層を積層する際に感熱性接着剤を熱転写しているので、熱転写時に、受容層に形成された染料画像に熱がかかるため、染料の再拡散及び染料の熱による分解等が発生し、画像が滲んだり、退色するおそれがあり、画質の低下が懸念される。
また、熱転写方式で保護層を熱圧着する場合には、保護層の厚さが厚いと熱圧着する際に接着剤層に十分に熱がかからず、画像形成受容層と保護層との接着強度が低下するため保護層の厚さを厚くできない欠点もあり、また保護層の厚さが薄いと、耐光性が低下したり、可塑剤や人脂が保護層を通過し易くなるために耐可塑剤性や耐脂性が低下する。
【0010】
登録実用新案第2551217号公報のカードは、基体に紙が使用されているため、耐水性に乏しく、寸法精度に劣る欠点がある。
また、熱圧着時において昇華染料画像にかかる熱は上述の熱転写方式の場合に比べて多いため、形成されている染料画像に多量の熱がかかり、染料の再拡散及び染料の熱による分解等が発生し、画像が滲んで退色するおそれがあり、画質低下が発生する。
特許2880399号公報に記載のカードは塩化ビニル樹脂を含むため、焼却時に塩化水素ガスが発生して環境に対して悪影響を及ぼし、また多量の可塑剤を含むため人体に対する安全面で問題があり好ましくない
【0011】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、環境に配慮して、塩素原子を含まない材料から構成された積層体からなるICカードであり、熱転写プリンターを用いた画像の形成に適し、優れた画質を有すると共に、印画画像が保護層によって保護され、印画画像の耐光性、耐可塑剤性、耐脂性等の保存性に優れたICカードを提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、内部にICユニットを備えたカード基体と、その少なくとも一方の表面に設けられ、熱転写画像が記録された受容層と、該受容層上に粘着剤層を介して積層された保護層とからなるICカードであって、前記カード基体はその前記受容層が設けられた側の表面がポリエステル樹脂を主成分とする樹脂シートからなり、前記保護層はいずれも塩素基を含有しないモノマー由来の樹脂からなり、前記粘着剤層は常温粘着性の粘着剤を主成分とする層であることを特徴とするICカードによって解決される。
【0013】
前記常温粘着性の粘着剤が、JIS Z0237に基づく粘着力が2N/10mm以上の粘着剤であることが好ましく、4N/10mm以上であることがより好ましい。
前記樹脂シートが、軟化点が50〜140℃のポリエステル樹脂を主成分とする樹脂シートであることが好ましい。
前記保護層がポリエステル樹脂あるいはアクリル樹脂を主成分とする樹脂シートからなる層であることが好ましい。
また、前記課題は、内部にICユニットを備えたカード基体と、その少なくとも一方の表面に設けられ、熱転写画像が記録された受容層と、該受容層上に粘着剤層を介して積層された保護層とからなるICカードであって、前記カード基体は前記受容層が設けられた側の表面がポリエステル樹脂を主成分とする樹脂シートからなり、前記保護層はいずれも塩素基を含有しないモノマー由来の樹脂からなり、前記粘着剤層は常温粘着性の粘着剤を主成分とする層であるICカードの熱転写画像の保存安定化方法であって、前記粘着剤層が常温粘着性の粘着剤を主成分として構成することを特徴とするICカードの熱転写画像の光安定性向上方法によっても解決される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図1〜5は、本発明のICカードの一例を示す断面図である。
本発明のICカード30は、図1〜5に示されるように、カード基体21と、該カード基体21の上に設けられた受容層11と、該受容層11の上に粘着剤層14を介して積層された保護層15とから基本的に構成され、カード基体21はその内部にICユニット4を備えてなる。
【0015】
図1に示す第1実施形態においては、カード基体21は、表面基材1と、インレット22と、裏面基材2と、表面基材1の内側面1b側で、表面基材1およびインレット22を貼り合せている接着剤層3と、インレット22および裏面基材2を貼り合せている接着剤層3’とを備えている。インレット22は、インレット基材5と、インレット基材5の一方の面5a側に装着されたICチップなどからなるICユニット4を備えている。
表面基材1の外側面1a側には、下塗層10を介して受容層11が設けられており、受容層11には昇華染料層12および/または溶融熱転写インク層13とが熱転写画像として形成されている。また、昇華染料層12および/または溶融熱転写インク層13を保護する保護層15が、受容層11の上に粘着剤層14を介して積層されている。さらに裏面基材2の外側面2b側に裏面層16が設けられている。
【0016】
本実施形態において、表面基材1はポリエステル樹脂を主成分とする樹脂シートで構成されている。このポリエステル樹脂は、塩素を含有せず、カード加工性、印画品質等においてポリ塩化ビニル樹脂に近い性能を有し、価格も安価であるため、非塩ビ系カード基材として優れている。
このポリエステル樹脂の主成分であるポリエステル樹脂はジカルボン酸とジオールの重縮合反応などによって生成したものである。
ジカルボン酸成分としては テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカジオン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸類、ヘキサヒドロフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸類などが挙げられ、これらの1種または2種以上が単独または併用して用いられる。
【0017】
ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール類、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール類、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンなど芳香族グリコール類、ビスフェノールA骨格を有するジオール化合物などが挙げられ、これらの1種または2種以上が単独または併用して用いられる。
【0018】
表面基材1を構成する樹脂シートとしては、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコールからなるポリエチレンテレフタレート樹脂を主成分とするポリエステル樹脂シートが好ましく用いられる。
ジオール成分としては、エチレングリコールとシクロヘキサンジメタノールが併用されることが好ましい。即ち、表面基材1の樹脂は、テレフタル酸、エチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールの繰り返し単位からなる共重合ポリエステル樹脂であることが好ましい。
また、軟化点が好ましくは50〜140℃、より好ましくは55〜130℃のポリエステル樹脂を主成分とするポリエステル樹脂シートが用いられる。
軟化点は、JIS K7196に準拠して測定した値である。
【0019】
ジオール成分の一部をシクロヘキサンジメタノールとしたポリエステル樹脂において、ジオール成分におけるシクロヘキサンジメタノールの配合比率を変えて重縮合することによって、得られるポリエステル樹脂の物性、例えば軟化点、結晶性、耐熱性などを変えることができる。これにより、ポリエステル樹脂の軟化点を所定の温度の範囲に制御することが可能である。
軟化点が50〜140℃のポリエステル樹脂フィルムを得るためには、ポリエステル樹脂中のジオール成分に由来する残基のうち、シクロヘキサンジメタノ−ル残基を5モル%以上とすることが好ましく、より好ましくは5〜70モル%、さらに好ましくは10〜50モル%、最も好ましくは25〜40モル%である。シクロヘキサンジメタノ−ル残基が5モル%未満ではポリエステル樹脂の軟化点を50〜140℃の範囲にすることができない。
【0020】
特にジオール成分をエチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールからなるものとした場合は、ジオール成分中の1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル残基を5〜70モル%、エチレングリコール残基を95〜30モル%の配合比率とすることが好ましく、さらに好ましくは1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル残基を10〜50モル%、エチレングリコール残基を90〜50モル%、最も好ましくは1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル残基を25〜40モル%、エチレングリコール残基を75〜60モル%の配合比率とする。また上記のようなポリエステル樹脂はジカルボン酸ジメチルなどのジカルボン酸エステルまたはジカルボン酸の塩化物とジオール類とを重縮合して得ることもできる。
【0021】
表面基材1を形成するポリエステル樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリエステル樹脂に他の熱可塑性樹脂を添加することができる。ポリエステル樹脂に添加される熱可塑性樹脂としてはポリエステル樹脂と相溶性の高い樹脂が好ましい。例えば、上記ポリエステル樹脂とは組成の異なるポリエステル樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のポリアセタール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などが挙げられ、これらの1種または2種以上が単独または併用して用いられる。
これらの熱可塑性樹脂を加えることにより、ポリエステル樹脂の加工性、耐熱性などを改良することが可能となる。特に、耐熱性付与を目的とした場合、ポリカーボネート樹脂を添加することが好ましい。
例えば、軟化点が50〜140℃のポリエステル樹脂にポリカーボネート樹脂を添加して用いる場合、ポリカーボネート樹脂の配合量は、表面基材1を形成する樹脂全体の5〜50質量%が好ましく、より好ましくは10〜48質量%である。
【0022】
表面基材1を形成するポリエステル樹脂には、必要に応じて無機顔料として酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、タルク、クレーなど公知の1種または2種以上が含有されていても良い。このような無機顔料をカード基体21に配合すると、隠蔽性が改良され、この目的で白色顔料が好ましく用いられる。中でも安価で、隠蔽性に優れることから、酸化チタンが好ましく用いられる。
また、上記ポリエステル樹脂は、安定剤および滑剤としてステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの金属石鹸、各種界面活性剤などの分散剤、酸化防止剤、帯電防止剤、増白剤、紫外線吸収剤、有色顔料などの各種添加剤を1種または2種以上含有していてもよい。
【0023】
表面基材1の厚さは、好ましくは20〜300μmであり、さらに好ましくは30〜200μmである。表面基材1の厚さが20μm未満であると、表面基材の一方の表面上に後述の下塗層を設ける際に、しわが入り易くなり、作業性が低下することがある。また、厚さが300μmを超えると得られるICカード全体の厚さが過大となり、好ましくない。
表面基材1には、接着性や濡れ性を向上するために、コロナ放電処理、アンカーコート処理、帯電防止処理などの公知の処理を施してもよい。
【0024】
ICユニット4は、ICチップと必要に応じて他の部材とが一体化されたものである。非接触型ICカードに用いられるICユニット4は、アンテナを有している。
ICユニット4としては、例えば、略平板状のアンテナコイルと、このアンテナコイルの一方の面上に突き出して配置されたICチップとを備えるICユニットが用いられる。例えば、アンテナコイルの両端は異方導電性テープで接続されていて、アンテナコイルとICチップとが導通している。また、アンテナコイルは、基板上に形成された板状アンテナであってもよい。ICチップとしては、通常は、縦横の長さが0.5〜10mmで、厚さが50〜500μm程度のものが使用される。ICユニット4はインレット基材5上に設けられる。
【0025】
インレット基材5としては、厚さ20〜600μmの絶縁性基材フィルムが用いられる。この場合、インレット基材5としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、PET樹脂以外の軟化点が50℃〜140℃のポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂、ポリブチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等のシート、或いは合成紙などが挙げられ、これらの1種または2種以上が単独または併用されて用いられる。
【0026】
裏面基材2は、表面基材1と同種類の樹脂シートとすることができる。この場合、カード基体21の貼り合せ工程において、表裏面基材の熱収縮性の差が無くなることから、カールがなく、良好な外観を有するICカードを得ることができる。また、ICカードの厚み調整、画像印画による熱変形の防止、ICカード成型後の熱変形防止の観点から裏面基材2と表面基材1と異なる樹脂シートとしてもよい。
【0027】
裏面層16には、裏面基材又はインレット基材に対する親和性に優れ、接着性の良好な樹脂を用いることができる。このような樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂など、またこれらの樹脂の反応硬化物を用いることができる。また、裏面層16を形成する樹脂には、静電気の発生を防止するために各種の導電剤が含有されていてもよい。導電剤を含む場合、ICカードに静電気が発生することを防止できる。導電剤としては、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性系の界面活性剤あるいは導電性ポリマーが使用される。また、電子伝導性の無機系微粉末も用いることができる。そのうち、カチオン系ポリマーを用いることが好ましい。カチオン系ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、カチオン性モノマーを含むアクリル系共重合体樹脂、カチオン変性アクリルアミド系共重合体樹脂およびカチオン澱粉などが好ましく用いられる。
【0028】
また、裏面層16を形成する樹脂には、筆記性及び裏面層に適度の摩擦係数を付与するために、各種の有機または無機フィラーを配合することができる。有機フィラーとしては、ナイロンフィラー、セルロースフィラー、尿素樹脂フィラー、スチレン樹脂フィラー、アクリル樹脂フィラーなどを使用することができる。無機フィラーとしては、シリカ、硫酸バリウム、カオリン、クレー、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛などを用いることができる。
例えば、フィラーを含有する裏面層を形成することにより、サーマルヘッドでICカードの受容層に印画を行う際に、ICカードの裏面が搬送用ロールに対して適度の摩擦係数を有することによりプリンター内を滑らかに走行することができるため、高画質な画像が得られる。
裏面層16を形成する樹脂には、必要に応じて、公知の滑剤、離型剤などが含有されていてもよい。使用可能な滑剤、離型剤としては、シリコーンオイル、シリコーンブロック共重合体及びシリコーンゴム等のシリコーン系化合物、リン酸エステル化合物、脂肪酸エステル化合物、フッ素化合物等が挙げられる。また従来公知の消泡剤、分散剤、有色顔料、蛍光染料、蛍光顔料、紫外線吸収剤等を適宜選択して使用してもよい。
【0029】
裏面層16の固形分塗工量は、乾燥質量で0.3〜15g/m であることが好ましく、1〜10g/mがより好ましい。固形分塗工量が0.3g/m未満では、帯電防止効果および筆記性が不十分であり、固形分塗工量が15g/m を超えると効果が飽和し、不経済である。
【0030】
接着剤層3、3’の接着剤あるいは粘着剤としては、例えばユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル系共重合体(EVA系樹脂)、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系共重合体、天然ゴム系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂などの接着剤、天然ゴムにロジンおよびロジンエステルなどの粘着付与樹脂を加えたゴム系接着剤、ウレタン系接着剤などのエマルジョン型、溶剤型接着剤などを使用することができる。またこれらの接着剤には、必要に応じて粘着付与剤、架橋剤、顔料、紫外線吸収剤、可塑剤、充填剤、老化防止剤などの添加剤を添加してもよい。
【0031】
特に、強い接着強度を必要とする場合には、上記接着剤または粘着剤の中でも、化学反応で硬化あるいは重合するタイプの化学反応型接着剤が好ましく用いられる。化学反応型接着剤としては、例えばエポキシ樹脂、レゾール型フェノール樹脂などの熱硬化型、2−シアノアクリル酸エステル樹脂、シリコーン樹脂、アルキルチタネート樹脂などの湿気硬化型、アクリル酸オリゴマー樹脂などの嫌気硬化型、エポキシ樹脂、ポリウレタン系樹脂などの付加反応型、紫外線硬化型、ラジカル重合型などの接着剤が挙げられる。
本発明において、上記の構成からなるカード基体は実質的に塩素原子を含有しないことが好ましい。
【0032】
本実施形態においては、カード基体21の表面に受容層11が設けられるが、受容層11が設けられるに先だって、接着性の向上、表面基材の耐溶剤性向上のためにカード基体の表面基材の上に下塗層10が設けられている。
下塗層10を構成する材料としては、特に限定するわけではないが、水溶性或いは有機溶剤可溶性の高分子樹脂を使用することが可能であり、好ましくは、水溶性或いは水分散性の水性高分子樹脂が主成分として用いられ、受容層形成の際等に耐溶剤性に優れるという効果を示す。水性高分子としては、カルボキシメチルセルロース、カゼイン、デキストリン、澱粉、変性澱粉、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂の中から耐溶剤性、接着性などを考慮して適宜選択される。
【0033】
また、下塗層10は、白色顔料を含有していても良い。下塗層が白色顔料を含有していれば、下塗層の白色度が向上し、ICカード30の外観が良くなる。下塗層が含有する白色顔料としては、通常の無機または有機の白色顔料を適宜使用することができる。
例えば酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、タルク、クレーなどの無機顔料、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリアミドなどの有機高分子微粉末などがあげられる。
中でも、カオリン、タルク、シリカ、石膏、アルミナホワイト、サチンホワイト、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの白色顔料を使用すれば、下塗層の白色度が向上するので、好ましい。
【0034】
下塗層10が含有する白色顔料の量は、下塗層の接着性、耐溶剤性、白色度を考慮して適宜決定されるが、下塗層を形成する高分子樹脂に対して固形分対比で250質量%以下が好ましく、より好ましくは200質量%以下である。顔料の含有量が250質量%を超えると、下塗層10の耐溶剤性が不十分となり、有機溶剤により、表面基材1が劣化するおそれがある。
【0035】
前記下塗層10の固形分塗工量は乾燥質量で0.2〜10g/mが好ましく、より好ましくは0.5〜5g/mである。固形分塗工量が0.2g/m未満では下塗層10が表面基材1を完全に覆うことができなくなって、耐溶剤性が低下するおそれがあり、表面基材が有機溶剤で劣化するおそれがある。固形分塗工量が10g/mを超えると、効果が飽和し、不経済である。
【0036】
本実施形態において、受容層11は、インクリボン(染料シート、インクシートを含む)から熱転写される昇華染料及び/又は溶融熱転写性インクを受容し、固定する染着性樹脂を主成分として含有するものである。受容層11を形成する染着性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、セルロース誘導体樹脂などが挙げられる。
【0037】
受容層11を形成する染着性樹脂には架橋剤、滑剤、離型剤などが適宜添加されていることが好ましい。これらを添加することにより、インクリボンをサーマルヘッドにより加熱して、受容層に印画する際に、受容層とインクリボンが融着することを防ぐことができる。
また、受容層11を形成する染着性樹脂には、必要に応じて酸化防止剤、無機及び/または有機顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光染料などの添加剤が添加されていてもよい。
これらの添加剤は、受容層11を形成する染着性樹脂とあらかじめ混合し、受容層として塗工、印刷してもよいし、各種添加剤からなる塗被層を受容層11の上および/または下に形成してもよい。
【0038】
また、受容層11の固形分塗工量は、乾燥質量で1〜12g/mが好ましく、より好ましくは2〜8g/mである。固形分塗工量が1g/m未満では受容層11に印画された画像の画質が劣化したり、印画面の光沢が低下することがある。 また、固形分塗工量が12g/mを超えると受容層11が厚すぎて印画濃度が低下することがあるばかりか、不経済である。
この受容層は、表層基材の片面に直接設けられてもよいが、表層基材の片面に設けられた下塗層の上に形成されていることが好ましい。
【0039】
図1に示すICカード30では、可視画像が昇華染料層12および溶融熱転写インク層13で形成されている。昇華染料層12および溶融熱転写インク層13は受容層11の一方の面に熱転写方式によって印画されたものである。
可視画像は昇華染料層と溶融熱転写インク層のいずれか一方のみで構成されていてもよい。
本発明のICカードはカード基材の一方の面に受容層を有するので、昇華・溶融熱転写併用プリンターを用いて、高画質で鮮明な画像を形成することができる。特に昇華型熱転写記録方式では、銀塩写真に近い高品質のフルカラー画像を得ることができる。
【0040】
本実施形態のICカード30は、受容層11に昇華染料層12および/または溶融熱転写インク層13からなる画像を形成した後、昇華染料層12上および/または溶融熱転写インク層13上および受容層11上に形成された画像を保護するために粘着剤層14を介して保護層15が積層されている。
【0041】
保護層15は樹脂を構成するモノマー由来の単位のいずれも塩素基を含有しない限り、一般に使用されている各種の樹脂を主成分とするシートを用いることができる。主成分として使用される樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、ポリエステルエーテル系樹脂、フッ素系樹脂、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート等のアセテート系樹脂、アクリル系樹脂などの樹脂が挙げられる。
これらの樹脂のうちで、より好ましい樹脂としては、可視光線透過性が良好で、かつ、経済的にも安価である、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂が挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、表面基材1を構成する樹脂と同様のものを好ましく用いることができる。アクリル系樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、又はメチルメタクリレートと、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートなどのアクリル酸エステルとの共重合体を例示できる。
【0042】
保護層15の主成分として使用される樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、一般に用いられている下記のような熱可塑性樹脂が併用されることも可能である。ただし、この熱可塑性樹脂もその樹脂を構成するモノマー由来の単位のいずれも塩素基を含有しない樹脂を用いる。
併用される熱可塑性樹脂としては、主成分として使用される樹脂と相溶性の高い樹脂が好ましい。例えばポリエステル樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のポリアセタール系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、メチルメタクリレート(MMA)−スチレン共重合体樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられ、これらの1種または2種以上が単独または併用して用いられる。
これらの熱可塑性樹脂を加えることにより、保護層の主成分として使用される樹脂の加工性、耐熱性などを改良することが可能となる。
【0043】
保護層15の主成分として使用される樹脂中には、本発明の効果を損なわない範囲で、無機顔料として酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、タルク、クレーなどの1種または2種以上が含有されていても良い。無機顔料はフィルム表面に凹凸を付与するため、あるいはフィルムの可視光線透過率の調節に配合されることもある。無機顔料の粒径や配合量を変えることによりフィルム表面の表面粗さおよび可視光線透過率を変えることができる。
【0044】
保護層15の主成分として使用される樹脂中には、滑剤としてステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの金属石鹸、各種界面活性剤などの分散剤、酸化防止剤、帯電防止剤、増白剤、紫外線吸収剤、光安定剤、有色顔料などの各種添加剤の1種または2種以上が含有されていてもよい。
【0045】
保護層15として使用するシートの厚さは10〜100μmであることが好ましく、さらに好ましくは20〜80μmであり、最も好ましくは35〜75μmである。保護層として使用するシートの厚さが10μm未満であると、ICカード30の画像の保存性が低下することがあり、またシートを貼り付ける時、しわが入り易く作業性が悪くなることがある。一方、厚さが100μmを超えると、画像保存性の改善効果が飽和すると共に、経済的にも不利である。
保護層シートの接着性や濡れ性を向上するために、該シートにコロナ放電処理、アンカーコート処理、帯電防止処理などの公知の処理を施してもよい。
【0046】
保護層として使用するシートとしては、400nm〜750nmの波長の可視光線の光線透過率が80%以上であるシートを使用するのが好ましく、更に好ましくは可視光線の光線透過率が85%以上のシートである。400nm〜750nmの波長の可視光線の光線透過率が80%未満であると、印画画像の識別性が低下し、ICカードとして外観上の品質が悪くなるおそれがある。
【0047】
本実施形態の保護層15上にはさらに塗被層を形成してもよい。塗被層を形成する樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂などが挙げられる。また、SBRラテックス、NBRラテックス、アクリル系エマルジョン、澱粉、ポリビニルアルコール等の水性樹脂も使用可能である。なお、透明性を損なわないようにするために塗被層を形成する樹脂に顔料は添加しない方が好ましい。
【0048】
上記の塗被層には紫外線吸収剤を配合してもよく、300〜400nmの紫外線を吸収するものが好ましく、例えばベンゾフェノン系、トリアゾール系、サリシレート系の化合物を用いることができる。また、蛍光染料、滑剤としての金属石鹸類、各種界面活性剤などの分散剤、酸化防止剤、帯電防止剤、増白剤、紫外線吸収剤、光安定剤、有機及び/または無機顔料などの各種添加剤の1種または2種以上が含有されていてもよい。
【0049】
粘着剤層14は常温粘着性の粘着剤を主成分とする。この常温粘着性とは、常温即ち5〜50℃、より好ましくは10〜45℃の温度範囲で粘着性を示す粘着剤をいう。
一方、貼着積層用の材料としては、高温で粘着性を示すいわゆるホットメルトタイプの粘着剤や接着剤があるが、これらの材料を使用すると、印画画像の保存性(特に耐光性)が劣り、好ましくない。この理由としては、ホットメルトタイプの粘着剤や接着剤の場合には、加熱貼合時に加えられる熱によって、画像を形成する昇華染料が再拡散を起こし、印画された画像が滲んだり、熱により染料が分解して、染料の退色が発生し易くなるためと考えられる。
【0050】
粘着剤層14の粘着剤を構成する樹脂としては、常温粘着性の粘着剤を構成できるものであれば、アクリル系、ゴム系、シリコーン系等の公知の粘着剤用樹脂を用いることができる。ゴム系樹脂としては例えば天然ゴム及びイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム等の合成ゴムが例示される。
粘着剤層14の粘着剤を構成する樹脂としてはアクリル系樹脂がより好ましく用いられる。粘着剤として使用されるアクリル系樹脂は粘着性を与えるガラス転移点の低いモノマー(例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルアクリレート等)に接着性や凝集力を与えるガラス転移点の高いモノマー(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート等の各種官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル、MMA等の非官能性(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル或いはスチレン等の共重合可能な他のビニルモノマー等)、エチレングリコールジアクリレート等の多官能ビニルモノマー等を共重合して得られる樹脂である。
【0051】
上記の粘着剤用樹脂に対して、ロジン、変性ロジン、ロジン及び変性ロジンの誘導体、ポリテルペン系樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、芳香族系石油樹脂、フェノール系樹脂、クマロン−インデン樹脂等の各種の粘着付与剤、イソシアネート系、エポキシ系、金属キレート系等の架橋剤、老化防止剤、300〜400nmの紫外線を吸収する紫外線吸収剤(例えばベンゾフェノン系、トリアゾール系、サリシレート系の化合物)、光安定剤、オイル等の軟化剤、充填剤、顔料、着色剤等を必要に応じて添加できる。これらは必要に応じて2種以上併用して使用することも可能である。
なお、粘着付与剤及び架橋剤の添加量は粘着剤樹脂、粘着付与剤及び架橋剤の種類や配合量の組み合わせによるので一概には言えないが、粘着付与剤の添加量は粘着剤固形分に対して5〜50質量%、架橋剤の添加量は0.2〜5質量%程度である。
【0052】
アクリル系粘着剤樹脂の場合、粘着力は粘着性を与えるガラス転移点の低いモノマー(例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルアクリレート等)の種類及び配合比率の影響を受ける。
また、粘着剤樹脂の分子量、架橋密度、ガラス転移点温度の影響も受ける。粘着剤樹脂の分子量については添加する重合触媒、連鎖移動剤の量で制御可能であり、添加量の増大に伴い分子量は低下する傾向にある。連鎖移動剤の場合は特定の添加量で最高の粘着力を示す。
粘着剤樹脂のガラス転移点温度は共重合するモノマー類の種類と配合比率に依存し、ガラス転移点温度の上昇に伴い、粘着力は低下傾向にある。常温粘着性の粘着剤樹脂の場合、そのガラス転移点温度としては−25℃以下が好ましい。
粘着剤樹脂の架橋密度は共重合する多官能ビニルモノマーによる軽い架橋が利用され、特定の添加量を超えない範囲では一定の粘着力を示す傾向にある。
また、粘着剤樹脂以外の架橋剤や粘着付与剤等の種類及び配合量を変えることで粘着力を変えることもできる。架橋剤については添加量の増加に伴い、粘着力は低下傾向を示す。
【0053】
本実施形態の粘着剤は、常温で粘着性を示し、粘着剤層を介して保護層フィルムとICカード基体とを常温で圧着して強固に貼り合せることが可能な粘着剤である必要がある。粘着剤層14のJIS Z0237に基づく粘着力としては2N/10mm以上が好ましく、更に好ましくは粘着力として4N/10mm以上のいわゆる強粘着タイプの粘着剤が好ましい。粘着力が2N/10mm未満の粘着剤を使用すると、保護層とICカード基体との接着力が低い為、ICカードを取り扱う際に、剥がれなどの問題が発生するおそれがある。
本発明で使用する常温粘着性の粘着剤として特に好ましいものは、アクリル系の粘着剤であり、中でも、粘着剤樹脂の主成分として、2−エチルヘキシルアクリレート及び/またはブチルアクリレートを使用したものが好ましい。
【0054】
また、粘着剤層の固形分塗工量は5〜40g/mであることが好ましく、6〜35g/mであることがより好ましい。粘着剤層の固形分塗工量が5g/m未満であると、粘着剤層が印画画像および/または受容層表面を完全に覆うことができず、ICカードの粘着適性が悪化することがあり、好ましくない。一方、固形分塗工量が40g/mを超えると粘着剤層の周囲から粘着剤がはみだすおそれがあり、また経済性の面からも、好ましくない。
【0055】
本実施形態のICカード30の厚さは400〜1000μmであることが好ましく、さらに好ましくは500〜900μmである。ICカードの厚さが400μm未満であると、ICカードの腰が乏しく、取り扱いにくい。一方ICカードの厚さが1000μmを超えると、ICカードの厚さが過大となり、また経済的にも不利となる。
【0056】
本実施形態のICカードにおいては、カード基体の表面基材としてポリエステル樹脂を主成分とする樹脂シートを用い、保護層として樹脂を構成するモノマー由来の単位のいずれも塩素基を含有しない樹脂からなるシート、特にポリエステル樹脂またはアクリル樹脂を用いることにより、常温粘着性の粘着剤で強固に接着可能であり、ホットメルト接着剤で保護層を積層する必要がないので受容層に記録した熱転写画像の耐光保存性(光安定性)が良好となる。
また、ICカードを以上述べた構成のものにすることにより、受容層に記録した熱転写画像の耐光性(光安定性)を向上させることができる。
【0057】
図2は本発明の他の実施形態を示す図であり、再転写方式で画像を形成したICカードの一例を示す断面図である。
図2に示す第2実施形態では、第1実施形態と同様の構成のカード基体21の表面に受容層11が設けられ、その受容層11の上に下塗層10が設けられている。受容層11には可視画像が昇華染料層12および溶融熱転写インク層13で形成されている。昇華染料層12および溶融熱転写インク層13は受容層11に再転写方式によって印画されたものである。
本実施形態でも、受容層11上に形成された画像を保護するために受容層11上に粘着剤層14を介して保護層15が積層されている。
【0058】
図3に示す第3実施形態では、接着剤や粘着剤を用いずに表面基材1、インレット22および裏面基材2が熱圧着されている。
図4に示す第4実施形態では、第1実施形態における裏面基材2がなく、従って、接着剤層3’もない。
図5に示す第5実施形態では、第3実施形態における裏面基材2がなく、従って、接着剤層3、3’もない。
第2〜第5実施形態における他の構成は第1実施形態における構成と同様であるので、説明を省略する。
【0059】
以下に、本発明のICカードの製法について述べる。
表面基材1、裏面基材2、インレット基材5の成形方法は特に限定されるものではなく、公知の方法の中から適宜選択して成形することができる。例えば、Tダイ、スクリューダイ等を用いたシート押出成形、カレンダー加工、インフレーション加工などにより成形することができる。
また、保護層15用シートの成形方法も特に限定されるものではなく、公知の方法の中から適宜選択して成形することができる。例えば、Tダイ、スクリューダイ等を用いたシート押出成形、カレンダー加工、インフレーション加工などにより成形することができる。
この保護層15用シートは延伸したものであっても良い。延伸は通常行われている公知の方法、例えば、ロール群の周速差を利用した縦延伸、テンターオーブンを利用した横延伸、縦延伸と横延伸の組み合わせによる2軸延伸、圧延、テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせによる同時2軸延伸等の方式を用いることができる。
【0060】
インレット基材5上にアンテナコイルを形成する方法としては、銀や銅などのワイヤーからなるコイルを貼り付ける方法、銅やアルミニウムなどをコイル状にエッチングする方法、導電性インクなどを用いてコイル状に印刷を施す方法、銅やアルミニウムなどの金属を蒸着する方法などがある。
裏面基材2とインレット22とを接着する方法としては、例えば、あらかじめ剥離紙上に接着剤または粘着剤を塗布、乾燥した後、この上に裏面基材2あるいはインレット22の一方を積層し、剥離紙を剥がして接着剤または粘着剤の上にインレット22あるいは裏面基材2の他方を積層して、接着剤層3’を形成する方法、裏面基材2あるいはインレット22の一方の上に直接、接着剤または粘着剤を塗布、乾燥し、その上にインレット22あるいは裏面基材2の他方を積層して接着剤層3’を形成する方法などがある。好ましくは裏面基材2とインレット22との間に、シート状ホットメルト接着剤を挟み込んで積層することにより、接着剤層3’が形成される。表面基材1とインレット22の接着についても同様な方法で接着できる。
インレット基材22と裏面基材2あるいは表面基材1の間の接着剤層3、3’の厚さはICユニット4の厚さに応じて適宜設定される。
【0061】
なお、下塗層10および受容層11は、表面基材1上に塗工方式または印刷方式によって形成される。塗工方式では、例えばエアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、グラビアコーター、バーコーター、ブレードコーター、ロールコーター、サイズプレスコーター、カーテンコーター、リップコーター、ダイコーターあるいはスロットダイコーターなどの各種塗工装置が適宜使用される。また、印刷方式では、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷などに用いられる各種印刷装置が適宜使用される。特に、下塗層および受容層を表面基材上に部分的に形成する場合には、所定の個所に各層を設けることができるので、印刷方式が好ましい。
【0062】
また、下塗層10の形成においては、高分子樹脂を水および/または有機溶剤に溶解あるいは分散して得られる液体塗料を塗工する。この塗料中は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの可塑剤、さらには充填剤、消泡剤、濡れ剤、下塗層用高分子樹脂の硬化剤、増粘剤、滑剤などの1種または2種以上を含有していてもよい。
【0063】
本発明の一方の表面に受容層11を設けたカード基体21の形成方法は以下の通りである。
第1実施形態のカード基体の場合は、まず、一方の面1a上に好ましくは下塗層10を設け、その上に受容層11を設けた表面基材1と、インレット22と、一方の面2b上に裏面層16を設けた裏面基材2とを、接着剤層3,3’を介して重ね合せる。第3実施形態のカードの場合は同様のものを接着剤及び粘着剤を用いずに重ね合わせる。第2実施形態の場合は表面基材1とインレット22と裏面基材2とを接着剤層3,3’を介して重ね合せる。次いで、これらの重ね合わせた積層物をいずれも熱プレス機中へ供し、所定のプレス条件(プレス温度、プレス圧力、プレス時間)で熱圧着し貼合せた後、打ち抜き機でカード型に成形する方法を採用することができる。なお、熱圧着でICユニットが壊れないようにするために、インレット基材及び/又は表面基材のICユニットに対応する部分に窪みを設けてもよい。
【0064】
また、本発明の受容層11を設けたカード基体21の熱圧着貼合工程でのプレス条件は、使用する表面基材、裏面基材、インレット基材の材質、接着剤又は粘着剤の種類などにより任意に選択することができるが、特に限定されるものではない。熱プレス温度は20℃〜250℃の間で任意に設定できる。なお接着媒体として接着剤を用いる場合、熱プレス温度は60℃〜200℃が好ましく、粘着剤を用いる場合には20℃〜60℃が好ましい。
【0065】
受容層11には、熱転写方式で可視画像が記録される。可視画像の記録方法は、ある画像や文字などの情報を電気的に変換した電気信号を、熱転写プリンターのサーマルヘッドに供給し、このサーマルヘッドから供給される熱により、インクリボンから昇華染料および溶融熱転写性インクを、所定個所から所定量だけ、受容層11に転写、染着して画像や文字を形成して可視画像が記録される。
また、受容層11は後述するように、別の支持体上に設けられた受容層に、熱転写方式で反転画像が印画されたものを表面基材上に転写するいわゆる再転写方式による熱転写画像を受容層に記録することも可能である。
【0066】
昇華染料層12は、昇華熱転写プリンターを用いて形成することができる。 昇華熱転写プリンターを用いると、加熱により昇華もしくは溶融拡散して移行するイエロー、マゼンタ、シアンの染料を含有する染料層を有する昇華熱転写染料シートを、受容層11に重ね合わせ、染料層の所要箇所の染料を、サーマルヘッドなどから供給される熱により、所定濃度だけ受容層11上に転写して形成する。
溶融熱転写インク層13は、溶融熱転写プリンターを用いて形成することができる。溶融熱転写プリンターを用いると、加熱により溶融するインキを塗布したインクシートを受容層11上に圧接し、インクシートの背面から加熱して瞬時に熱溶融転写性インク(特にブラック)を溶融し、受容層11上に転写して形成する。
また、昇華・溶融熱転写併用プリンターを用いて、昇華性染料および熱溶融転写性インクを塗布したインクリボンの色材塗布面を、受容層11に重ね合せて、昇華染料層12および溶融熱転写インク層13を形成してもよい。
【0067】
また、第2実施形態の場合は、受容層への可視画像の形成にあたって、別の支持体上に剥離性表面層を介して受容層を設けた転写性受像媒体を使用し、上記媒体の受容層に前述のごとく、昇華染料層および/または溶融熱転写インク層からなる画像を設けた後、前記支持体の画像が設けられていない面側からサーマルヘッドなどで加熱して、画像を含む受容層を表面基材1上に転写して、受容層と画像の形成とを同時に行う再転写方式を用いて画像を形成する。
なおこの場合は、前記別支持体上の受容層に熱転写方式で反転可視画像の印画を行うことが好ましい。反転可視画像の印画方法はある画像や文字などの情報を180°反転した画像や文字の情報に変換した反転電気信号を熱転写プリンターのサーマルヘッドに供給し、このサーマルヘッドから供給される熱により、インクシートから染料およびインクを、所定個所から所定量だけ受容層に転写して反転可視画像が印画される。
このような反転方式で印画された反転可視画像は受容層が形成されていない側からみると、正常に識別可能な可視画像として認識される。
【0068】
粘着剤層14は、塗工方式または印刷方式によって熱転写画像上に直接に形成することができる。塗工方式としては、例えばエアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、グラビアコーター、バーコーター、ブレードコーター、ロールコーター、サイズプレスコーター、カーテンコーター、リップコーター、ダイコーターあるいはスロットダイコーター等の各種塗工装置が適宜使用される。また、印刷方式としては、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷などに用いられる各種印刷装置が適宜使用される。特に、粘着剤層14をカード基体21上に部分的に形成する場合には、所定の個所に粘着剤層14を設けることができるので、印刷方式が好ましい。
また、保護層15上に、粘着剤層14を塗工方式または印刷方式によって設けた後、表面に熱転写画像を有するカード基体21の表面に粘着剤層14を対向させ、貼りあわせても良い。また剥離性を有する別の支持体(剥離シート)上に粘着剤14層を設け、さらに粘着剤層14上に熱可塑性樹脂シートからなる保護層15を積層してなる粘着シートを使用し、剥離シートを除去しながら熱転写画像上に粘着剤層14が接するように貼り合せてもよい。
【0069】
【実施例】
下記実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお実施例において、特に断らない限り、「%」および「部」はすべて「質量%」および「質量部」を示す。
【0070】
<実施例1>
ICカードの構成を明確にするため図3を用いて説明する。
「受容層を有する表面基材1の作成」
表面基材1として酸化チタンが添加された、テレフタル酸−エチレングリコール−シクロヘキサンジメタノール共重合体樹脂52質量部と芳香族ポリカーボネート樹脂48質量部からなる高隠蔽白色改質PETGシート(商品名:トレパロイUW−1A、超耐熱タイプ、厚さ150μm、軟化点125℃、東レ合成フィルム社製)を用いた。表面基材1の一方の面1a上に、下記組成の下塗層用塗料−1を固形分塗工量が4g/mとなるようにグラビアコーティング法により塗工、乾燥して下塗層10を形成した。
下塗層用塗料−1
水性ポリウレタン樹脂(商品名:UX−125、旭電化工業社製)100質量部
ブチルセロソルブ系濡れ剤(商品名:ダプロU99、サンノプコ社製)0.5質量部
次に、この下塗層10上に下記組成の受容層用塗料−1を固形分塗工量が4g/mとなるようにグラビアコーティング法により塗工、乾燥した。その後50℃で5日間加熱して、受容層11を形成して受容層を有する表面基材1を得た。受容層用塗料−1
ポリエステル樹脂(商品名:バイロン200、東洋紡社製)   100質量部
シリコーンオイル(商品名:KF393、信越化学工業社製)    1質量部
イソシアネート(商品名:タケネートD110N、武田薬品社製)  4質量部
トルエン/メチルエチルケトン=1/1(質量比)       400質量部
【0071】
「インレット22の作成」
インレット基材5として酸化チタンが添加された、テレフタル酸−エチレングリコール−シクロヘキサンジメタノール共重合体樹脂75質量部と芳香族ポリカーボネート樹脂25質量部からなる高隠蔽白色改質PETGシート(商品名:デイアフィクスPG−WHT、耐熱タイプ、厚さ300μm、軟化点80℃、三菱樹脂社製)を用意した。次にインレット基材5の一方の面5a上に3ターンの巻き線アンテナおよび回路を銀ペーストを用いて、スクリーン印刷法により作成した。巻き線アンテナおよび回路の所定の位置に異方性樹脂を介してICチップ(型番:SLE44R31、厚さ185μm、シーメンス社製)をフェースボンディングにて搭載し、インレット22を得た。
【0072】
「裏面層を有する裏面基材2の作成」
裏面基材2として酸化チタンが添加された、テレフタル酸−エチレングリコール−シクロヘキサンジメタノール共重合体樹脂52質量部と芳香族ポリカーボネート樹脂48質量部からなる高隠蔽白色改質PETGシート(商品名:トレパロイUW−1A、超耐熱タイプ、厚さ150μm、軟化点125℃、東レ合成フィルム社製)を用いた。裏面基材2の一方の面2b上に、下記組成の裏面層用塗料−1を固形分塗工量が3g/mとなるようにグラビアコーティング法により塗工、乾燥して裏面層16を形成した。
Figure 2004030434
【0073】
「受容層11を有するカード基体21の作成」
上記で作成したインレット22のICユニット4を外側として、上記で得られた表面基材1上に下塗層10を介して受容層11を有する表面基材1を、その受容層11が外側になるようにして重ね合せ、同時にこのインレット22の裏面側にも上記で得られた裏面層16を有する裏面基材2を、その裏面層16が外側になるようにして重ね合せた。
この積層体の受容層11の表面を、成形用保護フィルムとして透明PETフィルム(商品名:S−3,厚さ100μm、帝人社製)で保護した後、この積層体をマット仕上げしたステンレス鋼板で挟み、プレス温度140℃、圧力5Kgf/cmで15分間保持して貼り合せた。次に貼り合された積層体を室温まで冷却して、成形用保護フィルムとして用いたPETフィルムおよびステンレス鋼板をはがし、得られた積層体を打ち抜き機でカード型(縦55mm×横85mm)に成形した。得られたカード基体21の厚さは610μmであった。
【0074】
「受容層11への画像形成」
市販のカード用熱転写カラープリンター(商標:NCP100、野崎印刷紙業社製、インクリボン:イエロー、マゼンタ、シアン(昇華)+ブラック(溶融)、野崎印刷紙業社製)を用いて、文字、ベタ部および顔写真からなる画像情報を、電気的に変換した電気信号を、上記熱転写プリンターのサーマルヘッドに供給し、このサーマルヘッドにより、インクリボンを段階的に加熱して、文字、ベタ部および顔写真からなる画像を、上記で得られたカード基体21の受容層11表面に熱転写した。上記の操作により、昇華染料及び溶融熱転写性インクからなる画像が受容層11上に昇華染料層12及び溶融熱転写インク層13として形成された。
また、このカード用熱転写カラープリンターを用いて、サーマルヘッドからインクリボンに供給されるエネルギーを段階的に変えて、イエロー、マゼンタ、シアンの昇華染料の混合により得られるブラックの10階調画像を、上記で得られたカード基体21の受容層11表面に熱転写した。
【0075】
「粘着剤層付き保護層シートの作成」
上質紙(80g/m)の一方の面に、低密度ポリエチレンを溶融押し出してラミネートした後、ポリエチレン層(厚さ25μm)の表面にシリコーン樹脂をグラビアコーティングすることにより、片面が剥離処理された片面剥離紙を得た。この片面剥離紙の剥離処理が施された表面に、常温粘着性のアクリル系粘着剤(商品名:BPS−4849、東洋インキ社製)(2−エチルヘキシルアクリレートを主成分とするポリマー)を、固形分塗工量が20g/mになるように塗工して粘着剤層14を形成した。この粘着剤層14面上に保護層15として、2軸延伸された透明ポリエステルフィルム(商品名:テトロンHB、厚さ50μm、可視光線透過率85%、主成分:ポリエチレンテレフタレート、帝人社製)を貼り合せて、剥離紙を有する粘着剤層付き保護層シートを得た。この粘着剤のJIS Z0237に基づく粘着力は5.0N/10mmであった。
【0076】
「ICカード30の作成」
上記で得られた剥離紙を有する粘着剤層付き保護層シートをカード型(縦55mm×横85mm)に断裁し、剥離紙を除去した後、粘着剤層付き保護層シートの粘着剤層14面と上記で得られたICカード基体に熱転写画像が設けられた面とを対向させて、温度23℃、50%相対湿度環境下で圧着して貼り合せ、ICカード30を得た。得られたICカードの厚さは680μmであった。
【0077】
<実施例2>
実施例1の「粘着剤層付き保護層シートの作成」において、保護層として、2軸延伸された透明ポリエステルフィルム(商品名:テトロンHB、厚さ50μm、可視光線透過率85%、帝人社製)を用いる代わりに、保護層として、2軸延伸された透明ポリエステルフィルム(商品名:テトロンHB、厚さ12μm、可視光線透過率85%、主成分:ポリエチレンテレフタレート、帝人社製)を使用する以外は実施例1と同様にしてICカードを得た。得られたICカードの厚さは642μmであった。
【0078】
<実施例3>
実施例1の「粘着剤層付き保護層シートの作成」において、保護層として、2軸延伸された透明ポリエステルフィルム(商品名:テトロンHB、厚さ50μm、可視光線透過率85%、帝人社製)を用いる代わりに、保護層として、2軸延伸された透明ポリエステルフィルム(商品名:テトロンHB、厚さ100μm、可視光線透過率85%、主成分:ポリエチレンテレフタレート、帝人社製)を使用し、粘着剤層の固形分塗工量を10g/mとした以外は実施例1と同様にしてICカードを得た。得られたICカードの厚さは720μmであり、粘着力は4.0N/10mmであった。
【0079】
<実施例4>
ICカードの構成を明確にするため図1を用いて説明する。
「受容層付きカード基体21の各構成要素の作成」
表面基材1及び裏面基材2として、酸化チタンが添加され、2軸延伸された非孔質白色ポリエステル樹脂フィルム(商品名:テトロンU2、厚さ100μm、軟化点85℃、主成分:ポリエチレンテレフタレート、帝人社製)を用い、インレット基材5として、酸化チタンが添加され、2軸延伸された非孔質白色ポリエステル樹脂フィルム(商品名:テトロンU2、厚さ125μm、軟化点85℃、主成分:ポリエチレンテレフタレート、帝人社製)を用いた以外は実施例1と同様にして受容層を有する表面基材1、インレット22、裏面層16を有する裏面基材2を作成した。
【0080】
「受容層付きカード基体21の作成」
上記で作成したインレット22のICユニット4を外側として、上記で得られた一方の表面に下塗層10および受容層11を有する表面基材1を、その受容層11が外側になるようにして、接着剤層3として、シート状ホットメルト型ポリエステル系接着剤を配置し、同時にこのインレット22の裏面側にも上記で得られた裏面層16を有する裏面基材2を、その裏面層16が外側になるようにして接着剤層3’としてシート状ホットメルト型ポリエステル系接着剤を配置し、積層した。
この積層体の受容層11の表面を、成形用保護フィルムとして透明PETフィルム(商品名:S−3、厚さ100μm、帝人社製)で保護した後、この積層体をマット仕上げしたステンレス鋼板で挟み、プレス温度120℃、圧力5Kgf/cmで15分間保持して貼り合せた。次に貼り合された積層体を室温まで冷却して、成形用保護フィルムとして用いたPETフィルムおよびステンレス鋼板をはがし、得られた積層体を打ち抜き機でカード型(縦55mm×横85mm)に成形した。得られたカード基体21の厚さは610μmであった。
【0081】
「ICカードの作成」
上記で得られたカード基体21を用いた以外は、実施例1と同様にしてカード基体21に熱転写画像を形成し、粘着剤層付き保護層シートを作成した。
ここで得られた熱転写画像が形成されたカード基体21を用いた以外は、実施例1と同様にしてICカードを得た。得られたICカードの厚さは680μmであった。
【0082】
<実施例5>
実施例1の「粘着剤層付き保護層シートの作成」において、保護層として、2軸延伸された透明ポリエステルフィルムを用いる代わりに、保護層として、透明アクリル樹脂フィルム(商品名:アクリプレンHBS#001、厚さ50μm、可視光線透過率90%、主成分ポリメチルメタクリレート、三菱レイヨン社製)を使用した以外は実施例1と同様にしてICカードを得た。得られたICカードの厚さは680μmであった。
【0083】
<実施例6>
ICカードの構成を明確にするために図2を用いて説明する。
「熱転写画像を有する受容層付き表面基材1の作成」
再転写画像形成用支持体として、2軸延伸された非孔質ポリエステル樹脂フィルム(商品名:テトロンF、厚さ6μm、主成分ポリエチレンテレフタレート、帝人社製)を用意した。前記非孔質ポリエステル樹脂フィルムの一方の面をシリコーン系剥離剤で剥離処理した。
剥離処理を施した面上に、実施例1と同じ下塗層用塗料−1を固形分塗工量が4g/mとなるようにスクリーン印刷機(東海商事社製、PC605)を使用して印刷、乾燥し、下塗層10を形成した。次に、この下塗層10上に下記組成の受容層用塗料−2を固形分塗工量が4g/mとなるようにスクリーン印刷機(東海商事社製、PC605)を使用して印刷、乾燥した。その後50℃で5日間加熱して、受容層11を形成した。
受容層用塗料−2
ポリエステル樹脂(商品名:バイロン200、東洋紡社製)   100質量部
シリコーンオイル(商品名:KF393、信越化学工業社製)    1質量部
イソシアネート(商品名:タケネートD110N、武田薬品社製)  4質量部
トルエン/メチルエチルケトン=1/1(質量比)       200質量部
【0084】
上記で得られた受容層11上に、熱転写方式で反転可視画像の印画を行った。即ち市販のカード用熱転写カラープリンター(商品名:NCP100、野崎印刷紙業社製、インクリボン:イエロー、マゼンタ、シアン(昇華)+ブラック(溶融)、野崎印刷紙業社製)を用いて、文字、ベタ部および顔写真からなる画像情報を、180°反転した文字、ベタ部および顔写真からなる画像情報に変換した反転電気信号を、上記熱転写プリンターのサーマルヘッドに供給し、このサーマルヘッドにより、インクリボンを段階的に加熱して、文字、ベタ部および顔写真からなる反転可視画像を、上記で得られた受容層11表面に形成した。上記の操作により、昇華染料及び溶融熱転写性インクからなる反転可視画像が受容層11上に昇華染料層12及び溶融熱転写インク層13として形成された。このような反転方式で印画された反転可視画像は受容層が形成されていない側からみると、正常に識別可能な可視画像として認識される。
また、このカード用熱転写カラープリンターを用いて、サーマルヘッドからインクリボンに供給されるエネルギーを段階的に変えて、イエロー、マゼンタ、シアンの昇華染料の混合により得られるブラックの10階調画像を、上記で得られた受容層11表面に形成した。
【0085】
表面基材1として、酸化チタンが添加された、2軸延伸された非孔質白色ポリエステル樹脂フィルム(商品名:テトロンU2、厚さ100μm、軟化点85℃、主成分:ポリエチレンテレフタレート、帝人社製)を用いた。
反転可視画像が印画された受容層11面と上記で用意した表面基材1とを対向するように重ね合せ、ヒートローラーを通過させて、反転可視画像を表面基材1側に転写した。表面基材1上に、昇華染料層12及び溶融熱転写インク層13、受容層11、下塗層10が順次積層された表面基材1を得た。
【0086】
「インレット22及び裏面層を有する裏面基材2の作成」
インレット基材5として、酸化チタンが添加され、2軸延伸された非孔質白色ポリエステル樹脂フィルム(商品名:テトロンU2、厚さ125μm、軟化点85℃、主成分:ポリエチレンテレフタレート、帝人社製)を用い、裏面基材2として、厚さが100μmである以外はインレット基材5用のフィルムと同様のフィルムを用いた以外は実施例1と同様にしてインレット22及び裏面層を有する裏面基材2を作成した。
【0087】
「画像が形成されたカード基体21の作成」
上記で作成したインレット22のICユニット4を外側とし、上記で得られた表面基材1上に熱転写画像である昇華染料層12及び溶融熱転写インク層13、受容層11、下塗層10が順次積層された表面基材1を、その下塗層10が外側になるようにして、接着剤層3として、シート状ホットメルト型ポリエステル系接着剤を配置し、同時にこのインレット22の裏面側にも上記で得られた裏面層16を有する裏面基材2を、その裏面層16が外側になるようにして、接着剤層3’としてシート状ホットメルト型ポリエステル系接着剤を配置し、積層した。この積層体の下塗層10表面を、成形用保護フィルムとして透明PETフィルム(商品名:S−3、厚さ100μm、帝人社製)で保護した後、この積層体をマット仕上げしたステンレス鋼板で挟み、プレス温度120℃、圧力5Kgf/cmで15分間保持して貼り合せた。次に貼り合された積層体を室温まで冷却して、成形用保護フィルムとして用いたPETフィルムおよびステンレス鋼板をはがし、得られた積層体を打ち抜き機でカード型(縦55mm×横85mm)に成形した。画像が形成されたカード基体21が得られ、その厚さは610μmであった。
【0088】
「粘着剤層付き保護層シートの作成」
実施例1と同様にして粘着剤層付き保護層シートを作成した。
「ICカードの作成」
上記で得られた再転写方式で画像形成されたカード基体を用い、粘着剤付き保護層シートとの圧着、貼合温度を40℃に変えた以外は、実施例1と同様な方法でICカード30を得た。得られたICカードの厚さは680μmであった。
【0089】
<比較例1>
実施例1と同様にして「受容層を有する表面基材1の作成」、「インレット22の作成」、「裏面層を有する裏面基材2の作成」、「カード基体21の作成」および「カード基体21への画像形成」を行ない、熱転写画像を有するカード基体を得た。得られたカード基体21の厚さは610μmであった。
「ICカードの作成」
上記の熱転写画像を有するカード基体21の熱転写画像が形成されている表面上に、粘着剤層14としてシート状ホットメルト型ポリエステル系接着剤を、さらに保護層15として2軸延伸された透明ポリエステルフィルム(商品名:テトロンHB、厚さ50μm、可視光線透過率85%、主成分:ポリエチレンテレフタレート、帝人社製)を順次積層配置した。
次いでこの積層体を、成形用保護フィルムとして透明PETフィルム(商品名:S−3、厚さ100μm、帝人社製)で保護した後、この積層体をマット仕上げしたステンレス鋼板で挟み、プレス温度120℃、圧力5Kgf/cmで15分間保持して貼り合せた。次に貼り合された積層体を室温まで冷却して、成形用保護フィルムとして用いたPETフィルムおよびステンレス鋼板をはがした。
得られたICカード30の厚さは710μmであった。
【0090】
<比較例2>
表面基材1として、白色ポリ塩化ビニル樹脂シート(商品名:白色塩ビシート8501、厚さ150μm、太平化学工業社製)を用い、インレット基材5として、白色ポリ塩化ビニル樹脂シート(商品名:白色塩ビシート8501、厚さ300μm、太平化学工業社製)を用い、裏面基材2として、白色ポリ塩化ビニル樹脂シート(商品名:白色塩ビシート8501、厚さ150μm、太平化学工業社製)を用い、カード基体21作成時のプレス温度を120℃とした以外は実施例1と同様にしてカード基体21を作成した。
得られたカード基体21の厚さは610μmであった。
「カード基体21への画像形成」
上記で得られたカード基体21を使用する以外は実施例1と同様な方法で熱転写画像の形成を行った。
【0091】
「ICカードの作成」
上記の熱転写画像を有するカード基体21の熱転写画像が形成されている表面上に、接着剤層を設けずに、保護層15として透明ポリ塩化ビニルフィルム(商品名:ヒシレックスMB−S、厚さ100μm、可視光線透過率85%、主成分:ポリ塩化ビニル、三菱樹脂社製)を積層した。
次いで、この積層体を、成形用保護フィルムとして透明PETフィルム(商品名:S−3、厚さ100μm、帝人社製)で保護した後、この積層体をマット仕上げしたステンレス鋼板で挟み、プレス温度120℃、圧力5Kgf/cmで15分間保持して貼り合せた。次に貼り合された積層体を室温まで冷却して、成形用保護フィルムとして用いたPETフィルムおよびステンレス鋼板をはがした。得られたICカード30の厚さは710μmであった。
【0092】
実施例1〜6及び比較例1〜2で得られたICカードに関して、以下の項目について評価した。
(1)印画濃度
ICカードに印画された昇華染料の混合により得られたブラックの10階調画像について、印画濃度をマクベス反射濃度計(商品名:RD−914、KOLLMORGEN社製)を用い、異なる印加エネルギーにおける反射濃度を測定した。昇華染料による画像の印画濃度は、ブラックの最高濃度の値で評価した。
また、ICカードに印画された熱溶融転写性インク転写部のベタ画像部分について、印画濃度をマクベス反射濃度計(商品名:RD−914、KOLLMORGEN社製)を用いて、反射濃度を測定した。熱溶融転写性インクの印画濃度の評価は、ブラックの最高濃度の値で評価した。
印画濃度の低いものは、プリンターのエネルギーがより多く必要となるため、商品価値が下がる。
【0093】
(2)耐光性試験
ICカードに印画された昇華染料の混合により得られたブラックの10階調画像について、印画濃度をマクベス反射濃度計(商品名:RD−914、KOLLMORGEN社製)を用いて、異なる印加エネルギーにおける反射濃度を測定した(処理前反射濃度)。また、この印画済みICカードを、キセノン耐光性試験機(商品名:アトラスフェードメーター)にて7日間処理し、異なる印加エネルギーにおける反射濃度を処理後の値について測定し(処理後反射濃度)、下記式に従って、画像濃度の残存率を算出した。
画像濃度残存率(%)=(処理後反射濃度/処理前反射濃度)×100
なお、画像濃度残存率は処理前の画像濃度1.0の濃度階調部について算出し、下記の評価基準で評価した。この耐光性試験において画像濃度残存率が85%以上の残存率であれば実用上問題の無い耐光性レベルである。
◎:画像濃度残存率90%以上で優秀。
○:画像濃度残存率90%未満85%以上であり、実用上問題なし。
△:画像濃度残存率85%未満75%以上であり、実用上問題となる。
×:画像濃度残存率75%未満で不可レベル。
【0094】
(3)燃焼試験
ICカードを燃やして、有毒ガスの発生の有無を評価した。評価基準を下記の通りとした。
○:有毒ガスが発生しなかった。
×:塩素を含む有毒ガスが発生した。
【0095】
(4)保護シート貼付け作業性
粘着剤層付き保護シートを画像が形成されているカード基体21に貼り付ける際の作業性の容易さを評価した。評価基準を下記の通りとした。
◎:保護シートにしわの発生もなく、作業性良好。
○:保護シートにしわの発生はほとんどなく、作業性ほぼ良好。
×:保護シートにしわが発生し易く、作業性が劣る。
【0096】
(5)ICカードのカール
ICカード(サイズ:縦55mm×横85mm)の凸面側が水平面に接するように放置し、平面から4角の高さを測定し、平均値を求めた。評価基準を下記の通りとした。
◎:ICカードのカール:3mm未満。
○:ICカードのカール:3mm〜5mm
×:ICカードのカール:5mmを超える。
以上(1)〜(5)の評価結果を表1に示した。
【0097】
【表1】
Figure 2004030434
【0098】
表1において、
PETG:テレフタル酸−エチレングリコール−シクロヘキサンジメタノール共重合体と芳香族ポリカーボネートとからなる樹脂
PET:ポリエステル樹脂
【0099】
表1の結果から、保護層形成にホットメルト接着剤を用いた比較例1のICカードは印画濃度が比較的低く、また、耐光性も実用上使用できないレベルにあることがわかる。また、比較例2のICカードは燃焼により有害ガスを発生し、耐光性も実用上使用できないレベルにある。これに対し、実施例1〜6のICカードは、印画画像の耐光性保存性、環境に対する無害性、ICカード製造における作業性などにすぐれていることが確認された。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のICカードは、画質が良好で、銀塩写真類似の画像が得られ、画像の耐光性保存性が良好となる。
また、カード基材も保護層も樹脂成分として塩素原子を含有する構成単位を含んでいないので、焼却廃棄しても有毒ガスが発生せず、環境に対して悪影響がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のICカードの一例を示す断面図である。
【図2】本発明の再転写方式で画像を形成したICカードの一例を示す断面図である。
【図3】本発明のICカードの一例を示す断面図である。
【図4】本発明のICカードの一例を示す断面図である。
【図5】本発明のICカードの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…表面基材、2…裏面基材、3…接着剤層、4…ICユニット、
5…インレット基材、10…下塗層、11…受容層、12…昇華染料層、
13…溶融熱転写インク層、14…粘着剤層、15…保護層、16…裏面層、
21…カード基体、22…インレット

Claims (5)

  1. 内部にICユニットを備えたカード基体と、その少なくとも一方の表面に設けられ、熱転写画像が記録された受容層と、該受容層上に粘着剤層を介して積層された保護層とからなるICカードであって、前記カード基体はその少なくとも前記受容層が設けられた側の表面がポリエステル樹脂を主成分とする樹脂シートからなり、前記保護層はいずれも塩素基を含有しないモノマー由来の樹脂からなり、前記粘着剤層は常温粘着性の粘着剤を主成分とする層であることを特徴とするICカード。
  2. 前記常温粘着性の粘着剤が、JIS Z0237に基づく粘着力が2N/10mm以上の粘着剤であることを特徴とする請求項1に記載のICカード。
  3. 前記樹脂シートが、軟化点が50〜140℃のポリエステル樹脂を主成分とする樹脂シートであることを特徴とする請求項1または2に記載のICカード。
  4. 前記保護層がポリエステル樹脂あるいはアクリル樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のICカード。
  5. 内部にICユニットを備えたカード基体と、その少なくとも一方の表面に設けられ、熱転写画像が記録された受容層と、該受容層上に粘着剤層を介して積層された保護層とからなるICカードであって、前記カード基体は前記受容層が設けられた側の表面がポリエステル樹脂を主成分とする樹脂シートからなり、前記保護層はいずれも塩素基を含有しないモノマー由来の樹脂からなり、前記粘着剤層は常温粘着性の粘着剤を主成分とする層であるICカードの熱転写画像の保存安定化方法であって、前記粘着剤層を常温粘着性の粘着剤を主成分として構成することを特徴とするICカードの熱転写画像の光安定性向上方法。
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