JP3883853B2 - 中間転写記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中間転写記録媒体を用いて被転写体に画像を形成し、該画像上に保護層を形成し、画像の耐久性付与を行うことができ、保護層を画像上に精度良く、簡単に転写することができる中間転写記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、種々の熱転写方法が知られているが、この方法は、基材シート上に着色転写層を形成した熱転写シートにおいて、その背面からサーマルヘッドなどにより、画像状に加熱して、上記の着色転写層を熱転写受像シートの表面に熱転写して、画像形成するものである。この熱転写方法は、その着色転写層の構成によって、昇華転写型と熱溶融転写型の二方式に大別される。両方式ともに、フルカラー画像の形成が可能であり、例えば、イエロー、マゼンタ、シアンさらに必要に応じて、ブラックの三色ないし四色の熱転写シートを用意し、同一の熱転写受像シートの表面に各色の画像を重ねて熱転写して、フルカラー画像を形成するものである。マルチメディアに関連した様々なハードおよびソフトの発達により、この熱転写方法は、コンピューターグラフィックス、衛星通信による静止画像そしてCDROMその他に代表されるデジタル画像およびビデオ等のアナログ画像のフルカラーハードコピーシステムとして、その市場を拡大している。
【0003】
この熱転写方法による熱転写受像シートの具体的な用途は、多岐にわたっている。代表的なものとしては、印刷の校正刷り、画像の出力、CAD/CAMなどの設計およびデザインなどの出力、CTスキャンや内視鏡カメラなどの各種医療用分析機器、測定機器の出力用途そしてインスタント写真の代替として、また身分証明書やIDカード、クレジットカード、その他カード類への顔写真などの出力、さらに遊園地、ゲームセンター、博物館、水族館などのアミューズメント施設における合成写真、記念写真としての用途などをあげることができる。上記のような用途の多様化に伴い、任意の対象物に熱転写画像を形成する要求が高まり、その対応の一つとして、受容層が基材上に剥離可能に設けられた中間転写記録媒体で、その受容層に染料層を有する熱転写シートを用いて、染料を転写して画像を形成し、その後に中間転写記録媒体を加熱して、受容層を被転写体上に転写する方法が提案されている。(特開昭62−238791号公報参照)
【0004】
昇華転写型の熱転写シートで画像形成した場合、顔写真等の階調性画像を精密に形成することができるが、通常の印刷インキによる画像とは異なり、耐候性、耐摩擦性、耐薬品性等の耐久性に欠ける弱点がある。その解決策として、熱転写画像上に熱転写性樹脂層を有する保護層熱転写フィルムを重ね合わせ、サーマルヘッドや加熱ロール等を用いて、透明性を有する熱転写性樹脂層を転写させ、画像上に保護層を形成することが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の保護層はサーマルヘッドまたは熱ロールによる転写時に、部分的に転写する必要があることから、箔切れ性を有する必要がある。この場合、保護層を数ミクロン程度の厚さの樹脂膜にせざるを得ないことから、強靱な耐擦傷性、耐薬品性等の耐久性を持たせることが出来ない。また、中間転写記録媒体に形成する保護層も箔切れ性の観点から、充分な耐擦傷性、耐薬品性等の耐久性を持たせることが出来ない。中間転写記録媒体を用いて被転写体に画像を形成し、その被転写体の画像を覆うように樹脂フィルムでラミネートすることにより保護層を形成することも考えられるが、被転写体の形状によってはラミネート時に樹脂フィルムにシワが生じたり、ラミネーター等の専用機で処理する等、工程が増えることが考えられる。
【0006】
また、先行技術として、特開2000−238439号公報があり、樹脂層を設けた支持体と、受容層を設けた透明シートが積層され、該樹脂層と透明シートの間で剥離する中間転写記録媒体において、受容層を含めて透明シート部にハーフカット処理が施されたものが記載されている。上記の樹脂層として、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂等の粘着剤層や、SBR、NBR等の簡易接着層、LDPE等の押し出し加工特性を有する樹脂によるEC層を用いている。
ところが、上記公報の内容では、以下のような欠点がある。
1.剥離力の経時変化;粘着剤層、簡易接着層の材料は経時で樹脂層と透明シートの間の剥離力が重くなる傾向がある。
2.転写時の剥離安定性の欠如;中間転写媒体から被転写体への透明シートの転写は、ヒートロール等により、100〜200℃程度で加熱するが、中間転写媒体の透明シートの剥離が安定して行なわれない。
3.画像形成時の熱転写シートと中間転写媒体の離型性欠如;受容層への画像形成が樹脂層にズレてしまった場合、または中間転写媒体の全面に印画を行なう際に、受容層が形成されている透明シートよりも大き目の画像を印画する場合、熱転写シートと樹脂層が融着して、熱転写シートが破断してしまう。
【0007】
したがって、上記の問題を解決するため、本発明は、中間転写記録媒体を用いて被転写体に画像を形成し、該画像上に保護層を形成し、画像の耐久性付与を完全に行うことができ、保護層を画像上に精度良く、簡単に転写でき、また画像形成時の熱転写シートとの離型性、被転写体への転写時の剥離性が安定した中間転写記録媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、支持体上に、少なくとも透明基材と受容層で構成される透明シートが、樹脂層を介して積層され、該樹脂層と透明基材の間で剥離する中間転写記録媒体において、該樹脂層に1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンのビスフェノール成分と芳香族ジカルボン酸成分の重縮合体を含有するポリアリレート樹脂を用い、前記透明シート部にハーフカットの処理が施されていることを特徴とする。これにより、上記課題を解決することが出来た。ポリアリレート樹脂が、上記の条件により樹脂のガラス転移温度が向上して、耐熱性がより高くなり、また汎用溶剤に溶解しやすくなり、樹脂層の塗工上や取扱いにおいて、塩素系溶剤の有害性の高い溶剤を用いることがなくなり、作業環境上安全である。
【0009】
支持体と樹脂層の間に中間層を有することが好ましく、支持体と樹脂層の接着性が高まる。樹脂層と透明基材間の剥離力が0.01N/inch〜0.5N/inchであることが好ましい。また、さらに樹脂層と透明基材間の剥離力が0.03N/inch〜0.2N/inchであることがより好ましく、被転写体への透明シートの転写性、画像形成時の熱転写シートとの異常転写の防止性が優れたものとなる。樹脂層にフィラーを含有することが望ましく、画像形成時の熱転写シートとの離型性、被転写体への転写時の剥離性がより安定する。また、少なくとも透明基材と受容層で構成される透明シート部にハーフカットの処理が施されているので、中間転写記録媒体から被転写体へ画像を再転写する際に、ハーフカット処理された部分で透明シートが切断されているため、被転写体への転写が確実に行なわれる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳しく説明する。
図1は、本発明の中間転写記録媒体である一つの実施形態を示す概略図であり、図1(1)に概略断面図を示し、支持体4上に樹脂層5を設け、受容層3を設けた透明基材2からなる透明シート6と、該樹脂層5と透明基材2の間で剥離する中間転写記録媒体1である。受容層3を含めて透明シート部分6にハーフカット処理8が施され、透明シートの不要な部分9が除去されている。図1(2)は、図1(1)に示した中間転写記録媒体の概略平面図を示し、長尺の連続した中間転写媒体1で、透明シート部分6が四角形で2列分、搬送方向に繰り返し形成されている。この透明シート部分6は、その四角形の外辺にハーフカット処理8を行ない、不要な部分9を除去して、四角形の必要な部分を残した形態である。
【0011】
図2は、本発明の中間転写記録媒体である他の実施形態を示す概略図であり、図2(1)に概略断面図を示し、支持体4上に中間層7、樹脂層5を順に設け、受容層3を設けた透明基材2からなる透明シート6と、該樹脂層5と透明基材2の間で剥離する中間転写記録媒体1である。受容層3を含めて透明シート部分6に、ハーフカット処理8が施され、透明シートの不要な部分9が除去されている。図2(2)は、図2(1)に示した中間転写記録媒体の概略平面図を示し、長尺の連続した中間転写媒体1で、透明シート部分6が楕円形で、搬送方向に繰り返し形成されている。この透明シート部分6は、その楕円形の外周上にハーフカット処理8を行ない、不要な部分9を除去して、楕円形の必要な部分を残した形態である。
【0012】
(透明基材)
本発明の中間転写記録媒体で使用する透明基材2は、ハーフカット処理された部分を境界にして、少なくとも受容層と透明基材からなる透明シート部が切断され、画像形成部の上に透明基材が覆う形態で、保護層として機能する。透明基材は、透明性と、耐候性、耐摩擦性、耐薬品性等の耐久性を有するものであれば、いずれのものでも良く、例えば、0.5〜100μm、好ましくは10〜40μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。
【0013】
(離型処理)
上記の透明基材の樹脂層と面する側に離型処理を施して、樹脂層と透明基材の間の剥離を行ないやすくすることもできる。離型処理は、透明基材の上に、離型層を設けるもので、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース誘導体樹脂等、及びこれらの樹脂群の共重合体を含有する塗工液を、従来公知のグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により、塗布し、乾燥して、形成することができる。離型層の塗工量は、乾燥状態で0.1〜10g/m2程度である。
【0014】
(受容層)
上記の透明基材の上に形成される受容層3は、透明基材の上に直接または、プライマー層を介して、形成することができる。受容層3は、熱溶融転写記録と昇華転写記録の各記録方式の違いにより、受容層の構成が異なる。また、熱溶融転写記録では受容層を設けずに、透明シートに直接、熱転写シートから着色転写層を熱転写することもできる。熱溶融転写記録と昇華転写記録の受容層は、加熱により熱転写シートから転写される色材を受容する働きを有するもので、特に昇華性染料の場合には、それを受容し、発色させると同時に、一旦受容した染料を再昇華させないことが望まれる。中間転写記録媒体を使用して、受容層に転写画像を形成し、該画像形成された部分のみを被転写体へ再転写して画像を形成するものであり、本発明の受容層には透明性をもたせて、被転写体に転写された画像を上から鮮明に観察できるようにすることが一般的である。但し、作為的に受容層を濁らせたり、薄く着色させたりして、再転写画像を特徴づけることも可能ではある。
【0015】
受容層は、一般に熱可塑性樹脂を主体として構成される。受容層を形成する材料としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられ、中でも特に好ましいものはポリエステル系樹脂及び塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体及びそれらの混合物である。
【0016】
画像形成時において、着色転写層を有する熱転写シートと、中間転写記録媒体の受容層との融着若しくは印画感度の低下等を防ぐ目的で、昇華転写記録では、受容層に離型剤を混合することができる。混合して使用する好ましい離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられるが、中でもシリコーンオイルが望ましい。そのシリコーンオイルとしては、エポキシ変性、ビニル変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、フッ素変性、アルキルアラルキルポリエーテル変性、エポキシ・ポリエーテル変性、ポリエーテル変性等の変性シリコーンオイルが望ましい。
【0017】
離型剤は1種若しくは2種以上のものが使用される。また、離型剤の添加量は受容層形成用樹脂100重量部に対し、0.5〜30重量部が好ましい。この添加量の範囲を満たさない場合は、昇華型熱転写シートと中間転写記録媒体の受容層との融着若しくは印画感度の低下等の問題が生じる場合がある。このような離型剤を受容層に添加することによって、転写後の受容層の表面に離型剤がブリードアウトして離型層が形成される。また、これらの離型剤は受容層に添加せず、受容層上に別途塗工してもよい。受容層は、透明シートの上に上記の如き樹脂に離型剤等の必要な添加剤を加えたものを適当な有機溶剤に溶解したり、或いは有機溶剤や水に分散した分散体をグラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等の公知の形成手段により、塗布し、乾燥して、形成される。上記受容層の形成に際しては、受容層は任意の厚さでよいが、一般的には乾燥状態で1〜50g/m2の塗工量である。また、このような受容層は連続被覆であるのが好ましいが、樹脂エマルジョン若しくは水溶性樹脂や樹脂分散液を使用して、不連続の被覆として形成してもよい。更に、熱転写プリンターの搬送安定化を図るために受容層の上に帯電防止剤を塗工してもよい。
【0018】
(支持体)
本発明において使用する支持体4は、特に限定されず、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、またはサイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂またはエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等のフィルムが挙げられる。
【0019】
支持体は10μm〜50μm程度の厚みのものが好ましい。中間転写記録媒体から被転写体への転写時の熱効率から、支持体は比較的薄い方が好ましい。但し、被転写体への転写を行ないやすくするために、中間転写記録媒体にはハーフカットの処理を施すことが望ましく、そのハーフカットの加工適性から支持体の厚みは現状では25μm程度は必要である。支持体が薄すぎると、中間転写記録媒体にカールやシワが発生したりする。一方、支持体が厚すぎると、中間転写記録媒体から被転写体への転写時の熱効率が悪くなるため、好ましくない。
【0020】
(樹脂層)
上記の支持体上に設ける樹脂層5は、ポリアリレート樹脂を主体に構成している。そのポリアリレート樹脂は、ビスフェノール成分と芳香族ジカルボン酸成分の重縮合体であり、ビスフェノール成分として、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(ビスフェノールAP)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールC)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)が挙げられる。特に、ビスフェノールAP単独、ビスフェノールAとビスフェノールAPの混合タイプのポリアクリレート樹脂が、トルエン、シクロヘキサノン等の非塩素系溶剤に溶解しやすく、有害性の高い塩素系溶剤等を用いることなく、樹脂層を塗工して形成することができ、作業環境上安全であり、好ましい。
【0021】
また、本発明に使用するポリアリレート樹脂の構成成分の芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−tert−ブチルイソフタル酸、ジフェン酸、4,4′−ジカルボキシジフェニルエーテル、ビス(p−カルボキシフェニル)アルカン、4,4′−ジカルボキシフェニルスルホン等が挙げられる。これらの二価のカルボン酸は、1種類で用いることもできるし、2種類以上を併用することも可能である。特に好適に用いることができる二価のカルボン酸としては、テレフタル酸とイソフタル酸である。
【0022】
本発明では、少なくとも透明基材と受容層で構成される透明シートと、支持体が樹脂層を介して積層され、該樹脂層と透明基材の間で剥離する中間転写記録媒体において、、該樹脂層にポリアリレート樹脂を用いることにより、被転写体へ透明シートを転写させる際に、樹脂層と透明シートの間の剥離力が経時変化により、重くなることがなく、中間転写媒体から透明シートが安定して剥離され、また受容層への画像形成時に樹脂層と熱転写シートとが融着して、熱転写シートが破断することを防止できた。
【0023】
画像形成時の熱転写シートとの離型性、被転写体への転写時の剥離性をより安定させるために、中間転写媒体の樹脂層に、無機または有機フィラーを添加することができる。無機フィラーとして、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化ケイ素、硫酸バリウム、酸化亜鉛、タルク、カオリン、クレー等が使用でき、有機フィラーとしてポリスチレン系、メラミン系、アクリル系、有機シリコーン系等が挙げられる。これらのフィラーの大きさは、平均粒径で0.01μm〜5μm程度が好ましい。
また、樹脂層に対するフィラーの添加割合は、樹脂固形分100重量部に対して、0.01〜20重量部程度が好ましい範囲である。
【0024】
樹脂層と透明基材間の剥離力は、JIS Z0237に準拠した方法で、剥離角度を180°にて、0.01N/inch〜0.5N/inchであるように設定すると、中間転写記録媒体に画像形成中、熱転写プリンターで透明シート側が剥がれてしまう等の、中間転写記録媒体の取扱い中に透明シートが不用意に剥がれることがなく、また被転写体へ透明シートの転写時の剥離性が良好である。
また、上記による剥離力は、0.03N/inch〜0.2N/inchであることが、取扱い中の不用意な剥がれがなく、被転写体への転写性がより良好となり、好ましい。
【0025】
樹脂層は、上記に説明したポリアリレート樹脂を主体に、画像形成時の熱転写シートとの離型性、被転写体への転写時の剥離性に支障が出ない範囲で、ガラス転移温度が200℃程度の他の熱可塑性樹脂を添加でき、また上記のフィラーを必要に応じて加え、トルエン、シクロヘキサノン等の溶剤を加えた塗工液を用いて、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等の公知の形成手段により、支持体上に塗布し、乾燥して、形成される。樹脂層の塗工量は、透明基材との剥離力が上記の範囲になるように、設定するが、通常は乾燥状態で0.1〜10g/m2程度である。
そして、樹脂層の上に透明基材を積層するには、支持体または透明基材(受容層の設けられている面と反対側の面)上に樹脂層を塗工して、支持体/樹脂層/透明基材の順に積層されるように、支持体側と透明基材側の両者をドライラミネーションやホットメルトラミネーション等の方法が採用できる。
【0026】
(中間層)
上記の支持体上に樹脂層を設ける際に、支持体表面に中間層7を設けて、支持体と樹脂層の接着性を向上させることができる。また、その中間層の代わりに、支持体表面にコロナ放電処理を施すことも可能である。中間層は、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等を溶剤に溶解ないし分散させた塗工液を用意し、前記受容層の形成手段と同様な方法で形成することができる。中間層の塗工量は、乾燥状態で0.1〜5g/m2程度である。尚、上記の中間層は透明基材と受容層との間にも同様に形成することができる。
【0027】
支持体の樹脂層の設けられている側と反対面には、熱転写プリンターの給紙時の搬送性向上等のために、適当なスリップ層を設けることができる。スリップ層としては、ブチラール樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル等公知の樹脂の単独又はブレンドしたものに、各種の微粒子やシリコーン等の滑剤を添加したものを用いることができる。
【0028】
本発明の中間転写記録媒体は、少なくとも受容層、透明基材、樹脂層及び支持体がこの順に積層され、該樹脂層と透明基材の間が剥離可能に貼合された構成であり、受容層面もしくは支持体裏面、または両面の最表面に帯電防止層を設けてもよい。帯電防止層は、帯電防止剤である、脂肪酸エステル、硫酸エステル、リン酸エステル、アミド類、4級アンモニウム塩、ベタイン類、アミノ酸類、アクリル系樹脂、エチレンオキサイド付加物等を溶剤に溶解又は分散させたものを塗工して、形成することができる。形成手段は、上記の受容層の場合と同様のものがあげられる。帯電防止層の塗工量は、乾燥時0.001〜0.1g/m2が好ましい。
【0029】
透明基材と受容層の間に各種の樹脂からなる中間層を設けることができる。但し、この中間層は再転写画像が観察できるように、透明性を有することが望ましい。この中間層に様々な役割をもたせることで、受像シートに優れた機能を付加させることができる。例えば、クッション性を付与させる樹脂として、弾性変形や塑性変形の大きな樹脂、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂等を用いて、受像シートの印字感度を向上させたり、画像のざらつきを防止することができる。さらに、中間層に、帯電防止能力を付与させるために、上記のクッション性を付与させる樹脂に、前記の帯電防止剤を添加し、溶剤に溶解又は分散させたものを塗工して、中間層を形成することができる。
【0030】
(ハーフカット)
本発明の中間転写記録媒体は、少なくとも受容層と透明基材を含む透明シート部にハーフカット8の処理が施されていることが望ましい。このハーフカットの形成方法は、カッター刃を取り付けた上型と台座の間に、中間転写記録媒体を挿入して、上型を上下動させる方法や、シリンダータイプのロータリーカッター方法、レーザー加工手段により熱処理加工方法等、ハーフカットできる方法であれば特に制限はない。図1、2に示すように、ハーフカット処理部8を境界として、透明シート6の不要な部分9を予め剥離、除去しておいて、画像形成時には透明基材2上に設けた受容層3が画像形成部10として残存している。このようにすれば、被転写体へ画像を再転写する際に、ハーフカット処理8された部分で透明シート6が切断されることがなく、確実に画像形成部10が被転写体へ転写される。
ハーフカット処理は、上記に説明した中間転写記録媒体の透明シート部分に画像形成前に予め形成することができ、また中間転写記録媒体の透明シートに画像形成後に、画像領域に合わせて、ハーフカット加工を行なうことも可能である。
【0031】
上記に説明した中間転写記録媒体を使用して、熱転写シートの転写層と受容層が接するように重ねて、加熱し、受容層に転写画像を形成し、その後に、受容層面と被転写体とが接するように合わせて、加熱及び加圧して、該画像形成された部分のみを被転写体へ再転写して画像を形成する。この場合、画像形成された部分を被転写体と合わせて加熱、圧着する時、加熱、圧着する面積の中に、画像形成された部分が含まれ、加熱、圧着する面積がハーフカットで囲まれた部分より、多少の大きさが異なっても、受容層を含めた透明シート部にハーフカット処理が施されているため、ハーフカット処理された部分で、透明シート部が綺麗に切断されるため、透明シートすなわち保護層付きの画像を精度良く、簡単に転写することができる。もちろん、ハーフカット処理して、画像形成部分10を残して、不要な部分9を予め除去しておけば、より簡単に被転写体に透明シートを転写することができる。
【0032】
また、上記の中間転写記録媒体を使用して、熱転写シートの転写層と受容層が接するように重ねて、加熱し、受容層に転写画像を形成し、さらに接着層を該受容層上に転写し、該接着層面と被転写体とが接するように合わせて、加熱及び加圧して、画像及び接着層を形成した部分のみを被転写体へ再転写して画像を形成することができる。接着層を受容層上に転写する点について、以下に詳細を説明する。接着層を受容層上に転写するには、例えばフィルム状に成形した接着シートを用い、画像形成された受容層面と被転写体との間に、該接着シートを挿入して、加熱圧着して、画像形成された受容層を含む透明シートを被転写体に接着することができる。また、離型紙上に接着層を形成した接着層転写シートを用いて、画像形成された受容層上に、該接着層転写シートの接着層を加熱、圧着して接着層を転写することができる。
【0033】
上記の接着シートまたは接着層転写シートで使用する接着成分は、熱可塑性の合成樹脂、天然樹脂、ゴム、ワックス等を用いることができる。例えば、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アイオノマー、オレフィン、エチレン−アクリル酸共重合体等の合成樹脂、粘着付与剤としてのロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴム等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体が挙げられる。これらの接着成分は1種または2種以上を用い、加熱により接着性を発現する材料を使用することが好ましい。接着シートまたは接着層転写シートの接着層の厚さは、0.1〜500μm程度である。上記の接着層を転写する際の加熱手段は、転写画像を形成する際のサーマルヘッドやラインヒーター、ヒートロールあるいはホットスタンプ等が挙げられる。
【0034】
中間転写記録媒体に画像を形成する方法は、従来公知の昇華型熱転写方式または熱溶融型熱転写方式でよく、例えばイエロー、シアン及びマゼンタの3色の着色転写層を面順次に有する熱転写シートを用いて、公知のサーマルヘッド方式やレーザー加熱方式の熱転写プリンターによって所望のフルカラー画像を中間転写記録媒体の受容層に形成する。次に、その画像形成された受容層を含んだ透明シートを、樹脂層を設けた支持体から剥離して、任意の被転写体に転写、貼着することができる。尚、本発明で最終的に得られる被転写体上の画像が正しい向きになるように、中間転写記録媒体上の受容層にはその最終画像とは鏡像の画像を形成する必要がある。本発明の中間転写記録媒体により再転写して画像形成される被転写体としては、特に限定されず、例えば、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム等いずれのシートでもよく、また形状的にはカード、葉書、パスポート、便箋、レポート用紙、ノート、カタログ、コップ、ケース等いずれのものでもよい。
【0035】
【実施例】
以下に実施例及び比較例をあげて、本発明をさらに具体的に説明する。尚、文中部または%とあるのは重量基準である。
(実施例1)
厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、ルミラー)の透明基材上に、下記組成で受容層を乾燥状態で4g/m2の塗工量で設け、次に受容層を設けた透明基材の受容層を設けた面と反対面に、下記組成で樹脂層を乾燥状態で2g/m2の塗工量で設け、25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、ルミラー)の支持体上と、上記の透明基材の樹脂層側とをドライラミネーションにより、貼り合わせた。さらに、上記の積層品に対して、図1に示すように、受容層を含めた透明シート部にカッター刃を取り付けた上型と台座とのプレス方式でハーフカット処理を行ない、かつハーフカット処理部を境界として、画像形成部を除いた部分を予め剥離しておき、連続巻き取り状の実施例1の中間転写記録媒体を用意した。尚、上記の樹脂層と透明基材の間で剥離するものである。
【0036】
受容層用塗工液組成
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 100部
(電気化学工業(株)製、#1000A)
エポキシ変性シリコーン 5部
(信越化学工業(株)製、KF−393)
アミノ変性シリコーン 5部
(信越化学工業(株)製、KF−343)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 400部
【0037】
樹脂層用塗工液組成
ポリアリレート樹脂(ユニチカ(株)製、PAR−8;ビスフェノールAとビスフェノールAPのビスフェノール成分と、テレフタル酸とイソフタル酸の芳香族ジカルボン酸成分による重縮合体、ガラス転移温度210℃) 100部
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 400部
【0038】
(実施例2)
実施例1の樹脂層用塗工液組成を下記のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の中間転写記録媒体を用意した。
樹脂層用塗工液組成
ポリアリレート樹脂(ユニチカ(株)製、PAR−3;ビスフェノールAとビスフェノールAPのビスフェノール成分と、テレフタル酸とイソフタル酸の芳香族ジカルボン酸成分による重縮合体、ガラス転移温度240℃) 100部
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 400部
【0039】
(実施例3)
実施例1の樹脂層用塗工液組成を下記のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の中間転写記録媒体を用意した。
樹脂層用塗工液組成
ポリアリレート樹脂(ユニチカ(株)製、MF−1000;ビスフェノールAとビスフェノールAPのビスフェノール成分と、テレフタル酸とイソフタル酸の芳香族ジカルボン酸成分による重縮合体、ガラス転移温度270℃) 100部
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 400部
【0040】
(比較例1)
実施例1の樹脂層用塗工液組成を下記のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の中間転写記録媒体を用意した。
樹脂層用塗工液組成
ノルボルネン樹脂(日本合成ゴム(株)製、F5022、ガラス転移温度171℃) 100部
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 400部
【0041】
(比較例2)
実施例1の樹脂層用塗工液組成を下記のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の中間転写記録媒体を用意した。
樹脂層用塗工液組成
塩素化ポリプロピレン樹脂(日本製紙(株)製、HP620、ガラス転移温度300℃) 100部
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 400部
【0042】
(比較例3)
実施例1の樹脂層用塗工液組成を下記のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例3の中間転写記録媒体を用意した。
樹脂層用塗工液組成
ポリアミドイミド樹脂(東洋紡績(株)製、MT5050L3V1、ガラス転移温度260℃) 100部
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 400部
【0043】
(比較例4)
実施例1の樹脂層用塗工液組成を下記のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例4の中間転写記録媒体を用意した。
樹脂層用塗工液組成
アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、BR−85、ガラス転移温度105℃) 100部
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 400部
【0044】
(比較例5)
厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、ルミラー)の透明基材上に、実施例1で同様に受容層を乾燥状態で4g/m2の塗工量で設け、次に支持体として25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、ルミラー)を用い、その支持体上に下記組成の樹脂層を乾燥状態で1g/m2の塗工量で設け、上記の透明基材の受容層が形成されていない面と、支持体上に設けた樹脂層面とを、ドライラミネーションにより貼り合せ、後は、実施例1と同様に、受容層を含めた透明シート部にハーフカット処理を行ない、かつハーフカット処理部を境界として、画像形成部を除いた部分を予め剥離しておき、連続巻き取り状の比較例5の中間転写記録媒体を作製した。
【0045】
樹脂層用塗工液組成
付加重合型シリコーン系感圧接着剤(信越化学工業(株)製、X40−3002) 100部
触媒(信越化学工業(株)製、CAT−PL−50T) 0.5部
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 400部
【0046】
以上の実施例及び比較例で作製した中間転写媒体を用いて、以下に示す項目について評価を行なった。
(剥離力)
テンシロンの測定機を用いて、ロードセル1kgf、ロードセル速度100mm/min、試料幅1inch、剥離角度180°にて、その他はJIS Z0237に準拠した方法で、各中間転写媒体の樹脂層と透明基材間の剥離力を測定した。
【0047】
(離型性対熱転写シート)
イエロー、マゼンタ及びシアンの3色の着色転写層である染料層を面順次に有する熱転写シート(大日本印刷株式会社製)と、上記の実施例及び比較例の各中間転写記録媒体の受容層を設けた透明シートを取り除いた樹脂層の部分とを、各々の着色転写層と樹脂層とを対向させて重ね合わせ、熱転写シートの裏面から、印加電圧12.0V、パルス幅16msec、印画周期33.3msec、ドット密度6ドット/lineの条件でサーマルヘッドによる熱転写プリンターで記録を行ない、樹脂層の熱転写シートに対する離型性を調べた。
その評価は以下の基準による。
○;離型性が良好である。
×;離型性が不良である。
【0048】
(離型性対カード)
イエロー、マゼンタ及びシアンの3色の着色転写層である染料層を面順次に有する熱転写シート(大日本印刷株式会社製)と上記の実施例及び比較例の各中間転写記録媒体の受容層を設けた透明シートとを、各々の着色転写層と受容層とを対向させて重ね合わせ、熱転写シートの裏面から、印加電圧12.0V、パルス幅16msec、印画周期33.3msec、ドット密度6ドット/lineの条件でサーマルヘッドによる熱転写プリンターで記録を行ない、その後、塩化ビニル製カードと画像記録面とを各々対向するように重ね合せ、中間転写媒体の裏面(支持体側)から、温度130℃、スピード1m/min、圧力3kg/lineの条件で、ヒートロールにより、画像形成された透明シートを塩化ビニル製カードに転写し、支持体から透明シートが剥がれる際の剥離音を確認した。
その評価は以下の基準による。
○;剥離音が小さく、離型性が良好である。
×;剥離音が大きく、離型性が不良である。
【0049】
(総合評価)
上記の(剥離力)、(離型性対熱転写シート)、(離型性対カード)の全てから総合的に、中間転写媒体として有用であるかないか、評価した。
その評価は以下の基準による。
○;中間転写媒体として有用であり、優れている。
△;中間転写媒体として有用とはいえず、不具合が一部生じている。
×;中間転写媒体として有用ではなく、不良である。
【0050】
評価結果を下記に示す。
【表1】
Figure 0003883853
【0051】
【発明の効果】
以上の通り、本発明は、支持体上に、少なくとも透明基材と受容層で構成される透明シートが、樹脂層を介して積層され、該樹脂層と透明基材の間で剥離する中間転写記録媒体において、該樹脂層に1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンのビスフェノール成分と芳香族ジカルボン酸成分の重縮合体を含有するポリアリレート樹脂を用い、前記透明シート部にハーフカットの処理が施されていることにより、受容層に形成した熱転写画像を透明基材とともに被転写体へ転写するので、該画像上に透明基材の強固な保護層が形成され、画像の耐久性付与を完全に行なうことができる。また、本発明の中間転写記録媒体は、保護層を画像上に精度良く、簡単に転写でき、また画像形成時の熱転写シートとの離型性、被転写体への転写時の剥離性が安定したものとなる。また、樹脂層のポリアリレート樹脂が、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンのビスフェノール成分と芳香族ジカルボン酸成分の重縮合体を含有することにより、樹脂のガラス転移温度が向上して、耐熱性が高くなり、また汎用溶剤に溶解しやすく、樹脂層の塗工上や取扱いにおいて、塩素系溶剤の有害性の高い溶剤を用いることがなくなり、作業環境上安全である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中間転写記録媒体である一つの実施形態を示す概略図である。
【図2】本発明の中間転写記録媒体である他の実施形態を示す概略図である。
【符号の説明】
1 中間転写記録媒体
2 透明基材
3 受容層
4 支持体
5 樹脂層
6 透明シート
7 中間層
8 ハーフカット
9 不要な部分
10 画像形成部

Claims (5)

  1. 支持体上に、少なくとも透明基材と受容層で構成される透明シートが、樹脂層を介して積層され、該樹脂層と透明基材の間で剥離する中間転写記録媒体において、該樹脂層に1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンのビスフェノール成分と芳香族ジカルボン酸成分の重縮合体を含有するポリアリレート樹脂を用い、前記透明シート部にハーフカットの処理が施されていることを特徴とする中間転写記録媒体。
  2. 支持体と樹脂層の間に中間層を有することを特徴とする請求項1に記載する中間転写記録媒体。
  3. 樹脂層と透明基材間の剥離力が0.01N/inch〜0.5N/inchであることを特徴とする請求項1に記載する中間転写記録媒体。
  4. 樹脂層と透明基材間の剥離力が0.03N/inch〜0.2N/inchであることを特徴とする請求項1に記載する中間転写記録媒体。
  5. 樹脂層にフィラーを含有することを特徴とする請求項1に記載する中間転写記録媒体。
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