JP2004029216A - 光モジュールの製造方法及びその方法により製造された光モジュール - Google Patents

光モジュールの製造方法及びその方法により製造された光モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】光モジュールの製造方法及びその方法により製造された光モジュールにおいて、効率的な光軸合せと製造、及び経時劣化による芯ずれのない光学的結合を実現する。
【解決手段】光モジュール1は、光導波路基板2の両端に光ファイバ3を配した光ファイバ一体型光導波路基板として構成され、光ファイバ3の端面3d,3eは、光導波路基板2の光を導波するコア部用凹部2d,2eの開口面と互いの光学軸を一致して光学的結合がされる。下成形型内部において、コア部形成用の凹凸パターン端面と、光ファイバの端面とを突き当てて光ファイバを保持した後、上下成形型を閉じて樹脂成形により光導波路基板を形成すると共に光導波路基板への光ファイバの接合を、接着剤を用いることなく、光導波路基板の成形に用いられる成形材料の硬化収縮を利用して行う。このため、経時変化による芯ずれが生じない。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバと光導波路を結合した光モジュールの製造方法及びその方法により製造された光モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光導波路を利用した光デバイスにおいて、特に、光導波路と光ファイバとを結合した光モジュールにおいては、それらの結合が適切に行なわれなければならない。光ファイバと光導波路を結合する方法として、例えば、特開平5−196838号公報に示される方法がある。この方法を図23を参照して説明する。ここに示される光モジュールは、複数本の光ファイバ3(ファイバ束30)を内蔵した光ファイバアレイ31と、基板34上に光導波路32を備えた光導波路ホルダ33とから成り、光信号の集合乃至分岐を行うものである。光ファイバと光導波路の光学的結合は、光ファイバ3と光導波路32とを突き合わせて連接した光ファイバと光導波路を調芯し、次いで、突き合せの面の間に、紫外硬化樹脂32を介在注入し、再度光ファイバと光導波路とを調芯した後に、光ファイバアレイ3又は光導波路ホルダ33のいずれか一方の側から紫外線を入射させて紫外硬化樹脂を硬化させることにより行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した図23に示されるような光モジュールの製造方法における光ファイバと光導波路の結合方法は、紫外硬化樹脂の硬化に時間が必要であると共に,紫外硬化樹脂の硬化中に芯ずれを起こさないように注意する必要があり、また、紫外硬化樹脂の経時劣化による芯ずれの問題もある。
【0004】
本発明は、上記の課題を解消するものであって、光軸合わせを容易に行うことができ、十分な光学的結合の精度が得られ、結合部の経時劣化による芯ずれのおそれがなく、製造時間の短縮を図ることができ、効率的な製造を実現できる光モジュールの製造方法及びその方法により製造された光モジュールを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を達成するために、請求項1の発明は、光を導波させるためのコア部を形成するための凹凸パターンを有する光導波路基板と光を伝送する光ファイバとを光軸について光学的に結合すると共に、前記光導波路基板と前記光ファイバとを一体化してなる光モジュールの製造方法において、光導波路基板の成形型に設けられた、前記コア部形成用の凹凸パターンの端面と、光ファイバの端面とを対向させて前記成形型内の所定位置に配置し、前記光ファイバを保持する工程と、前記工程の後に、前記成形型を用いて前記光導波路基板を形成すると共に前記光ファイバを前記光導波路基板に接合する工程を用いるものである。
【0006】
上記の光モジュールの製造方法においては、コア部形成用の凹凸パターンの端面と、光ファイバの端面とを対向させて光ファイバを保持した後、成形型を用いて光導波路基板を成形すると共に光ファイバを光導波路基板に接合するので、光導波路基板への光ファイバの接合を、接着剤を用いることなく、光導波路基板の成形に用いられる成形材料の硬化収縮を利用して行うことができる。このため、光導波路基板の膨張・収縮時の光導波路基板の寸法変化により発生する光導波路位置変化に対し、光ファイバは常に追随して位置が変化するので、光路接合部における芯ずれが発生しない。また、接着剤を用いていないので接着剤の劣化による芯ずれも発生しない。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1記載の光モジュールの製造方法において、射出成形を用いるものである。この製造方法においては、短い製造サイクルの射出成形により、光ファイバと光導波路基板とを一体成形して、光モジュールを生産性良く製造することができる。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2記載の光モジュールの製造方法において、成形材料を注入するためのゲート位置を前記光ファイバの軸線に対して左右対称になるように配置した成形型を用いて光導波路基板を形成するものである。この製造方法においては、成形材料が光ファイバの軸線に対して左右対称に流れるので、光ファイバに軸線と垂直な方向に働く力を小さくすることができる。
【0009】
請求項4の発明は、請求項2記載の光モジュールの製造方法において、光導波路基板の形成時の射出工程が、溶融樹脂を低圧で射出した後、高圧で射出して行われるものである。この製造方法においては、光ファイバが動く可能性のある射出成形開始時に光ファイバに対して高い射出圧力を与えないので、光ファイバの保持位置が変動することがない。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1記載の光モジュールの製造方法において、圧縮成形を用いて光導波路基板を形成するものである。この製造方法においては、樹脂流動が均一となるので、樹脂収縮が均一となり、残留応力による光ファイバの破断を防ぐことができる。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1記載の光モジュールの製造方法において、光ファイバを固定するための光ファイバ保持部を内部に設けた成形型を用いて光導波路基板を形成するものである。この製造方法においては、光ファイバを所定の位置に配置し固定することが容易となる。
【0012】
請求項7の発明は、請求項6記載の光モジュールの製造方法において、成形型に対して独立に移動可能な保持部材を用いて光ファイバを保持した後、光導波路基板を形成するものである。この製造方法においては、光ファイバを保持した状態で光導波路基板を形成できるので成形時に光ファイバが保持部からはずれることを防止することができる。
【0013】
請求項8の発明は、請求項6記載の光モジュールの製造方法において、前記光ファイバを配置する部位に排気源に連通した孔を有する成形型を用いて、前記排気源から排気することにより前記光ファイバを吸引保持した後、光導波路基板を形成するものである。この製造方法においては、吸引により光ファイバを保持するので、光ファイバに傷付けることがなく、また保持部からの光ファイバがはずれるのを防ぐことができる。
【0014】
請求項9の発明は、請求項6記載の光モジュールの製造方法において、コア部形成用の凹凸パターンを有する成形型と、この成形型と対向し、かつ光ファイバを所定の位置に配置するための溝を有する成形型とを用いて、光導波路基板を形成するものである。この製造方法においては、コア部形成用の成形型と光ファイバ配置用の溝を有する成形型が対向して分離されているので、個別の成形型の構造が単純になり、成形型の製造が容易となる。
【0015】
請求項10の発明は、請求項6記載の光モジュールの製造方法において、光導波路基板を成形するための第1の成形型の外側に、光ファイバを保持する機構を有する第2の成形型を配置した複合型を構成し、前記第2の成形型により光ファイバを保持した後、前記複合型を用いて光導波路基板を形成するものである。この製造方法においては、コア部形成用の成形型と光ファイバ保持用の成形型が分離されているので、それぞれの成形型の構造が単純になり、成形型の製造が容易となる。
【0016】
請求項11の発明は、請求項10記載の光モジュールの製造方法において、前記第1の成形型と前記第2の成形型の相対位置を微調整するための駆動機構を第1の成形型又は第2の成形型に設け、この駆動機構を用いて前記第2の成形型に保持した光ファイバの位置を調整した後、光導波路基板を形成するものである。この製造方法においては、2つの成形型の相対位置を調節する駆動機構を設けたので、成形型の再製作を行うことなく光軸合わせの修正ができる。
【0017】
請求項12の発明は、請求項1乃至請求項11記載のいずれかの方法により製造された光モジュールである。この構成の光モジュールは、光導波路基板のコアの光軸と光ファイバの光軸とを合わせた状態で、光ファイバと光導波路基板とが一体成形されるので、光軸合わせの精度が良く、また経時変化による光軸のずれの少ないものとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る光モジュール及びその製造方法について図面を参照して説明する。図面において共通する部材については同一符号を付して重複説明を省略する。まず、図1及び図2を参照して光モジュールの一例及びそれを成形する時に用いられる下成形型の例を説明する。光モジュール1は、図に示されるように、光導波路基板2の成形時に光ファイバ3が同時に取り付けられた光ファイバ一体型導波路基板として構成されている。光導波路基板2は略直方体形状に形成され、その一方の面に一本の光ファイバ3を配し、対向する他方の面に3本の光ファイバ3を配して同時一体樹脂成形されている。光ファイバ3の端面3d,3e,3e,3eは、光導波路基板2における略直方体の1面を構成する面2a,2bに設けられた凹部2cを臨み、互いに対向して配置されている。また、凹部2cには、光を導波するコア部用の凹部2d,2eが形成されている。この凹部は、前記1本の光ファイバ3の端面から発する凹部2dと、点Pにおいて3つに分岐して前記3本の光ファイバ3の端面3e,3e,3eに終点する3つの凹部2e,2e,2eとから成る。各光ファイバの端面に対向する凹部2d,2eの各開口面は、クラッド3aとコア3bとから構成される光ファイバ3のそれぞれの中心部であるコア3に対向して、互いの光学軸を一致させて構成されている。なお、このように構成された光モジュール1は、光導波路形成用の樹脂などを凹部2d,2eに充填すると共に蓋4を接着して、光回線における回線結合部品又は、回線分岐部品として用いられる。
【0019】
上記の光モジュール1は、図2に示されるような下成形型5を用いて成形される。下成形型5は、上下の成形型で構成される成形型の下側の成形型である。この下成形型5には光ファイバを型内部に導入配置するための半円溝51が左右に設けられており、半円溝51の中心線を通る面が、上下成形型のパーティ面PTとなっている。半円溝51が向かう成形型5の内部には、光モジュール1において光を導波するコア部用の凹部を形成するための凹凸パターンが設けられ、内部全体はパーティ面PTよりも大略凹部となっており、この凹部の左右においては底面により平面20a,20bが構成され、凹部中央には、前記平面20a,20bより一段上がった平面20cが構成されている。平面20a,20bには、半円溝51の軸方向に伸びるV溝52が、半円溝51の端面から発して、凹部中央の平面20cの左右の境界である端面30d,30eに終端して形成されている。この平面20a,20b及びV溝52から成る領域は光ファイバを位置決め・保持する光ファイバ保持部に成る。平面20cには、平面左端から発する断面直方形の凸形状20dが点Qで3つに分岐して平面右端に終端する断面直方形の凸形状20e,20e,20eが形成されている。この平面20c及び凸形状20d,20eによる凹凸パターン領域は導波路基板型部に成る。凸形状20d,20eの端面における断面中心は、半円溝52に配置される光ファイバの中心と一致して形成されている。従って、凸形状20d,20eの上面は、パーティ面よりも若干突出する。
【0020】
上記構成の下成形型5は、光モジュールの製造において次のように用いられる。被覆を剥がし、端面を研磨した光ファイバが、光ファイバ端面を前記端面30d,30eに突き当てられて、半円溝52及びV溝52に横たえてセットされる。このとき、光ファイバの外周円がV溝52の斜面に線接触することにより自動的に光ファイバの軸と前記突起20d,20eの断面中心との調軸が行われる。この後、下成形型5と図示しない上成形型とを閉じて、射出成形等により、光モジュール1が形成される。
【0021】
次に、図3乃至図5を参照して、上記のような光モジュールを成形するための光導波路基板成形用下成形型を含む製造装置及び成形工程の詳細を説明する。光モジュールの製造装置は、図3(a)に示されるように、互いにパーティ面PTにおいて接合される下成形型5と上成形型6とを備えている。下成形型5は、光導波路形状を賦形可能な凸形状20d,20eを持つ光導波路基板型部と、光導波路基板型部の端部30d,30eに光ファイバ3の端面3eを突き当てて支持し、設置するためのV溝52からなる光ファイバ位置決め部、及び光ファイバ3を矢印INで示されるように外部から成形型内部に導入するための半円溝51を有する。光ファイバ位置決め部のV溝52に光ファイバ3が配置されたとき、光ファイバ3の中心線と光導波路基板型部の端部における凸形状20d,20eの中心線とが一致するような成形型構成とすることによって、光ファイバ3の光軸を光導波路の光軸に合わせて光ファイバ3を配置して固定することが容易となり、生産性の向上が図れる。光ファイバ位置決め部は、図中ではV溝断面形状としているが、矩形断面又はU字型断面その他の形状であっても構わない。
【0022】
また、上成形型6は、光導波路基板の外形を形成するためのキャビティ62、キャビティ62の内部に光ファイバ3を導入するための半円溝61、成形された導波路基板を離型させるための光ファイバ突き出しピン63及び突き出しスリーブピン65、及び、型閉じ時及び成形時に光ファイバ3を押さえる光ファイバ押えピン64(保持部材)を有している。下成形型5における光ファイバ位置決め部のV溝52に設置された光ファイバ3を、光ファイバ押さえピン64で上から押さえ付けることにより、型閉じ後の成形樹脂注入(後述)時にも光ファイバ3を確実に固定でき、光ファイバ支持構造から光ファイバがはずれることを防止できる。光ファイバ押さえピン64の中心は、前記V溝52の形状断面の中央線及び凸形状20d,20e断面の中心線と一致している。光ファイバ押さえピン64について、図中では上成形型6とは別部品として示しているが、上成形型と一体となった突起部であっても構わない。また、光ファイバ押さえピン64をエアシリンダ等の適当な駆動源に接続することにより、押圧力を個々に調整して最適な押圧力で光ファイバ3を保持するようにしてもよい。さらに、別の実施例として、光ファイバ押さえピン64が、光ファイバ3を押さえる反力を圧力センサ等で検知し、その値をフィードバックして押圧力を調整する方法も可能であるし、反力値が所定値以上になった場合にアラームを出すことによって光ファイバ径の異常を検出するようにすることも可能となる。
【0023】
光ファイバの設置は、上成形型6と下成形型5とが開いた状態で、下成形型5の光ファイバ位置決め部のV溝52上に光ファイバ3を載せ、光導波路基板型部の端面に光ファイバ端面を突き合せて行われる。この光ファイバの設置は、手動で行ってもよいし、自動設置装置(ロボット等)を用いてもよい。光導波路基板型部の端面30d,30eをフラットな面とすることにより、特別な構造を用いずに、光ファイバ3の光軸方向の位置決めが可能となっている。
【0024】
下成形型5に光ファイバ3が配置されると、図3(b)に示されるように、上成形型6と下成形型5が閉じられ、光ファイバ3は、光ファイバ押さえピン64により位置決め保持される。そして、図3(c)に示されるように、この状態で、樹脂供給部(不図示)からキャビティ62内に光導波路基板材料Mが注入される。このとき、矢視A1−A1,A2−A2,A3−A3断面において図4(a)(b)(c)に示されるように、横に並んだ3本の光ファイバ3は、V溝52に光ファイバ押さえピン64に押さえられ、光ファイバ3の断面の半分以上の周り、及び凸形状20eの周りには光導波路基板材料Mが充填されている。このため、光導波路基板材料Mが冷却して固化したとき、光ファイバ3は、光導波路基板材料Mにより光導波路基板に固定され、また、凸形状20eが離型したところには、光導波路基板材料Mにより光を導波するコア部用の凹部が形成される。
【0025】
注入された光導波路基板材料Mが十分冷却された段階で、図5(a)に示されるように、上下成形型5,6が開かれる。この時、成形された光導波路基板2はキャビティ62の内側壁との摩擦抵抗によって上成形型6のキャビティ62内に保持される。キャビティ62内側壁に光導波路基板2を係止するためのアンダーカット形状を設ける等の方法を用いれば上成形型のキャビティ内に保持することが容易になる。その後、図5(b)に示されるように、上成形型内6に配置された突き出しスリーブピン65及び光ファイバ突き出しピン63を、図示しないエアシリンダ等の駆動源によって同期駆動し、突き出すことによりキャビティ62内から、光ファイバ3が一体に成形された光導波路基板2が取り出される。以上の装置、方法によれば、光導波路基板2と光ファイバ3とを同時に突き出すことができるため、光導波路基板2の取り出し時に、光導波路基板への光ファイバの取付部への応力集中を防ぐことができ、光ファイバ破損を防止することが可能となる。また、光ファイバ一体型光導波路基板として得られた光モジュールは、光導波路基板に光ファイバが一体結合して取り付けられた状態であるため、従来のような別部品として形成された光導波路基板に光ファイバを取り付けるという工程が不要であり、生産性向上、コスト低減が可能となる。
【0026】
次に、図6乃至図8を参照して、上記の製造装置において射出成形過程の詳細を説明する。射出成形による光モジュールの製造装置は、図6(a)に示されるように、下側ダイプレート500に取り付けられた下成形型5と、上側ダイプレート600に取り付けられた上成形型6とその周辺機構、及び成型機ノズル7を備えている。下成形型5は、前出のものと同じものである。上成形型6とその周辺機構について説明する。上成形型6の上面には、光導波路基板材料Mをキャビティに導入するスプルランナ67を形成する凹部があり、その凹部の上面は、ランナプレート保持板68aに一体保持されたランナプレート68により開閉自在とされている。ランナプレート68には前出のものと同様の光ファイバ押さえピン64が固定されている。また、上側ダイプレート600に一端を固定されたランナプレート駆動シリンダ68bがランナプレート保持板68aを上下することにより、ランナプレート68が上下に駆動される。また、光ファイバ突き出しピン63と基板突き出し66一端が、ランナプレート68とランナプレート保持板68a、及び上成形型6を貫通し、他端がランナプレート保持板68aの上方にある突出プレート69に固定して備えられている。突出プレート69は、これと一体になった突出プレート保持板69aが、上側ダイプレート600に一端を固定された製品突き出しシリンダ69bにより上下駆動されることにより上下する。成型機ノズル7は、その下端に備えた光導波路基板材料Mの吐出口を、ランナプレート保持板68aとランナプレート68の中央に設けられた貫通孔に離合自在に接続できると共に、ランナプレート保持板68a等と共に又は、独立に上下移動可能に構成されている。
【0027】
このような構成の射出成形による製造装置において、下成形型5内に光ファイバ3を位置決め完了後、ランナプレート68、上成形型6、下成形型5が閉じた状態で、図6(b)に示されるように、成形機ノズル7により光導波路基板材料(樹脂)Mを注入される。樹脂Mがスプルランナ67を通過してキャビティ62内に注入されるゲート67aは、各光ファイバ3の軸の直上方に設けられている。このため、樹脂注入初期において樹脂Mが光ファイバ3の上方から各光ファイバ3について左右ほぼ対称に注入されるので、光ファイバ3は樹脂注入圧により初期の設置位置からずれてしまうことがない。
【0028】
樹脂注入後、図6(c)に示されるように、注入された光導波路基板材料が十分冷却された段階で、ランナプレート駆動シリンダ68bが駆動され、ランナプレート68が上方に移動しスプルランナ67が開かれる。この時、廃棄されるスプルランナ67Xは、ランナプレート68に設置されたランナロックピン(図示せず)に保持されているためランナプレート68と共に上昇する。次に、図6(d)に示されるように、ロボット等の取出し機によってスプルランナ67Xが除去される。
【0029】
スプルランナ67Xの除去後、図7(a)に示されるように、再びランナプレート駆動シリンダ68bが駆動され、ランナプレート68が閉じられる。その後、図7(b)に示されるように、下成形型5を保持する下側ダイプレート500が下降して、上下成形型5,6が開かれる。この時、成形された光導波路基板2は、キャビティ内側壁の摩擦抵抗によって上成形型6のキャビティ内に保持される。キャビティ内側壁に光導波路基板2を係止するためのアンダーカット形状を設ける等の方法を用いれば上成形型のキャビティ内に保持することが容易になる。その後、図7(c)に示されるように、製品突き出しシリンダ69bを駆動させて上成形型内6に配置された光ファイバ突き出しピン63及び基板突き出しピン66を突き出すことによりキャビティ内から、光ファイバ3が一体に成形された光導波路基板2が取り出される。以上のような射出成形による光導波路基板製造方法では、短い成形サイクルで光ファイバ一体型の光導波路基板を製造することができるため生産性の向上が可能となる。
【0030】
射出成形における射出速度は、光導波路基板の体積が5cmであるとすると、図8における破線aで示されるように、従来のファイバなしで光導波路基板を射出成形する場合、通常20〜60cm/sである。しかし、光ファイバ一体型光導波路基板の成形を行う際には、最初、低射出速度で樹脂注入を行い(図8における曲線b)、全射出量の1/3程度注入された段階で、通常の射出速度に戻して樹脂注入する(図8における曲線c)方法が、製品歩留まりを上げるために有効である。低射出速度として20cm/s以下、好ましくは、3〜8cm/s程度が望ましい。この2段階の注入速度による方法では、樹脂注入初期の樹脂流によって光ファイバが設置位置からずれてしまうことがないため、不良製品の発生が抑えられる。
【0031】
次に、図9乃至図11を参照して、上記射出成形とは別の成形方法として圧縮成形による光モジュールの成形を説明する。圧縮成形による光モジュールの製造装置の下成形型5は、前出の図9(a)に示されるものと同様である。上成形型6は、上下に摺動可能な基板圧縮ブロック8と基板突き出しピン66及び光ファイバ突き出しピン63を備え、光導波路基板の外形を形成するキャビティ62を有している。上成形型6と下成形型5が開いた状態で、下成形型5の光ファイバ位置決め部のV溝52上に光ファイバ3を載せ、光導波路基板型部の端面30d,30eに光ファイバの端面を突き合せて設置する。光ファイバ3の設置は手動で行ってもよいし、又は、自動設置装置(ロボット等)を用いてもよい。光導波路基板型部の端面30d,30eをフラットな面とすることにより、特別な構造を用いずに、光ファイバの光軸方向の位置決めが可能となる。その後、光導波路基板材料Wを下成形型5上に設置した後に型閉じを開始する。
【0032】
図9(b)に示されるように、上下成形型の型閉じ完了後、上下成形型6、7が金型に配置されたカートリッジヒータ等(図示せず)によって昇温される。昇温は、例えば光導波路基板材料Wがメタクリル樹脂(PMMA)である場合、金型温度が100℃程度の温度になるまで行われる。図に示されるように、基板材料Wにより光ファイバ3を押さえることができるので、光ファイバ押さえ用のピン等は描いていないが、光ファイバ押さえピン等を用いる構成としてもよい。また、光ファイバ押さえピンについては上成形型と一体となった突起部であっても構わない。次に、十分に樹脂が昇温した後、図9(c)に示されるように、基板圧縮ブロック8が降下して樹脂圧縮が行われ、光導波路形状部の凸形状20d,20eの賦形が行われる。このとき、矢視C1−C1,C2−C2,C3−C3断面において図10(a)(b)(c)に示されるように、横に並んだ3本の光ファイバ3は、V溝52に基板材料Wに押さえられ、光ファイバ3の断面の半分以上の周り、及び凸形状20eの周りには基板材料Wが充填されている。
【0033】
その後、上下成形型5,6は冷却工程に入り、金型に配置された冷却管(図示せず)内を通るオイル又は加圧水等によって冷却される。光導波路基板材料WがPMMAである場合には、成形型の温度が60℃〜90℃程度の温度になるまで冷却が行われる。基板材料が十分冷却された段階で、図11(a)に示されるように、上下成形型5,6が開かれる。この時、成形された光導波路基板2は、キャビティ内側壁の摩擦抵抗によって上成形型6のキャビティ内に保持される。キャビティ内側壁に光導波路基板2を係止するためのアンダーカット形状を設ける等の方法を用いれば上成形型のキャビティ内に保持することが容易になる。その後、図11(b)に示されるように、上成形型6を貫通して設けられた基板突き出しピン66及び光ファイバ突き出しピン63が図示しない駆動源(エアシリンダ等)によって同期駆動して下方に突き出され、光ファイバ3を取り込んで一体成形された光導波路基板2がキャビティ62内から取り出される。以上のような圧縮成形では樹脂流動が少なく、射出成形における樹脂流動方向による収縮の差異等がない。このため、圧縮成形において光ファイバは、冷却工程及びその後の成形品の不均一収縮による応力を受けることが少なく、光ファイバ3の破断や位置ずれ等を防止することが可能である。以上、光導波路基板材料Wとして熱可塑性樹脂を用いた圧縮成形方法について述べたが、熱硬化性材料、又は、光硬化性材料を用いた場合においても略同様な方法を用いて光ファイバ一体型光導波路基板を成形することが可能である。
【0034】
次に、図12乃至図14を参照して、上記成形型とは異なる実施形態に係る成形型を用いた光モジュールの成形方法について説明する。図12(a)及び図13に示されるように、上成形型6には、光導波路形状を賦形可能な凸形状20d,20eを持つ光導波路基板型部ブロック6Aが埋設されており、また、下成形型5には、光ファイバ3を支持して設置するための光ファイバ位置決めブロック5Aが埋設されている。光ファイバ位置決めブロック5AのV溝形状をしたV溝52は、その断面中心線が、光導波路基板型部ブロック6Aにおける凸形状20d,20eの断面中心線と一致するような構成とされている。そして、光ファイバ3をV溝52に配置すれば光ファイバ3の円周とV溝52が線接触して光ファイバ3の位置が定まるため、V溝52のV溝の開き角度又はV溝52の上下位置を予め所定の構成にしておくことで、光ファイバ3の外形寸法で決まる光ファイバ3の中心軸の上下方向の高さ位置が所定の位置に自動的に定まる。このため、光ファイバ3の中心軸と光導波路の中心軸の位置合わせ及び光ファイバ3の固定が同時かつ容易に行われる。光ファイバ位置決め部について、図中ではV溝断面形状としているが、矩形断面又はU字型断面その他の形状であっても構わない。光ファイバ3は、このようにして上成形型6と下成形型5が開いた状態で、下成形型5の光ファイバ位置決め部のV溝52に配置される。
【0035】
その後、図12(b)に示されるように、上成形型6と下成形型5が閉じて半開の状態において、光導波路基板型部ブロック6Aの端面30e等に光ファイバ端面3eが突き合せられる。光ファイバ3の配置は、手動で行ってもよいし、又は、自動設置装置(ロボット等)を用いて行ってもよい。光導波路基板型部ブロック6Aの端面(端面30e等)をフラットな面とすることにより、特別な構造を用いずに、光ファイバ3の光軸方向の位置決めが可能となる。この状態で、図12(c)に示されるように、上成形型6に配置された突き出しピン63が下降して、光ファイバ3が仮固定される。次に、図12(c)に示されるように、上成形型と下成形型が閉じられる。この状態で、図示しない樹脂供給部からキャビティ内に光導波路基板材料Mが注入される。
【0036】
注入された光導波路基板材料Mが十分冷却された段階で、図14(a)に示されるように、上下成形型6,5が開かれる。この時、成形された光導波路基板2は、前出と同様にキャビティ内側壁の摩擦抵抗によって上成形型6のキャビティ内に保持されている。その後、図14(b)に示されるように、上成形型6及び光導波路基板型部ブロック6Aを貫通して設けられた突き出しピン63が図示しない駆動源(エアシリンダ等)によって同期駆動して下方に突き出され、光ファイバ3を取り込んで一体成形された光導波路基板2がキャビティ内から取り出される。
【0037】
このように、上下成形型6,5に埋設された光導波路基板型部ブロック6A及び光ファイバ位置決めブロック5Aを用いる方法によれば、以下の利点がある。光ファイバ位置決めブロック5Aは、研削盤のみによって高精度な加工により容易に製作することができる。また、光ファイバ位置決めブロック5Aは、一体物として構成されれば、入光側、出光側の光軸ずれが起こらない。また、光導波路基板型部ブロック6Aは、単純な凸形状部を持つブロックとして製作できるため加工が容易になる。さらに、各々のブロックを上下成形型に分けてそれぞれ配置するようにしているので、それぞれ一つの型に一つのブロックを配置するだけで成形型全体の組立を行うことができ、組立作業が容易になり、組立位置精度を出し易いという利点がある。
【0038】
次に、図15を参照して、さらに別の実施形態に係る成形型を用いた光モジュールの成形方法について説明する。図15(a)に示されるように、上成形型6は前出のものと同様であるが、下成形型5は、光導波路形状を賦形可能な凸形状20d,20eを持つ光導波路基板型部ブロック5C(第1の成形型)と、光導波路基板型部ブロック5Cの端部に光ファイバを支持して設置するための光ファイバ位置決め部ブロック5B(第2の成形型)を入れ子として有する。光ファイバ位置決め部ブロック5BのV溝52の断面中心線を光導波路基板型部端面30d,30eの凸形状断面の中心線と一致するような成形型構成とすることによって、前出のように光ファイバ3と光導波路との光軸位置合わせと固定を容易に行うことができ、生産性の向上が図れる。光ファイバ位置決め部について、図15(c)にV溝52として示されるように、V溝断面形状としているが、矩形断面又はU字型断面その他の形状であっても構わない。光ファイバ3の設置及び固定保持方法は前出のものと同様であり、また、光ファイバ3と光導波路形状を賦形する凸形状20e等との位置関係は、図15(c)に示されるように、前出のものと同様である。
【0039】
光ファイバ3が下成形型内に設置された状態で、図15(b)に示されるように、上成形型6と下成形型5が閉じられ、図示しない樹脂供給部からキャビティ62内に光導波路基板材料Mが注入される。以下、光ファイバ3と光導波路基板2が一体成形された光モジュール1の取り出しまでの工程は、前出のものと同様である。上記の方法によれば、光ファイバ位置決め部ブロック5Bは、研削盤のみによって高精度な加工により容易に製作することができる。また、光導波路基板型部ブロック5Cについても単純な凸形状部を持つブロックとして製作できるため加工が容易になる。
【0040】
次に、図16を参照して、上記とは別の実施形態に係る光ファイバ保持機構について説明する。上成型型6は前出のいずれかと同じであり、下成形型5も以下に述べる点以外、前出のいずれかと同じである。下成形型5は、その上面中央に光導波路形状を成型可能な凸形状20d,20eを持つ光導波路基板型部を有し、この光導波路基板型部の端部に光ファイバを支持して設置するためのV溝52から成る光ファイバ位置決め部を有している。光ファイバ位置決め部のV溝52には、排気孔Hが設けられ、排気孔Hは、排気管R及び排気バルブV1を介して真空ポンプ(排気源)Sに連通している。排気管Rに設置されたバルブV1及びリーク用バルブV2は、成型工程と連動して開閉が可能である。バルブV1,V2が閉じた状態で光ファイバ位置決め部に光ファイバが取り付けられた後、バルブV1を開くことによって、光ファイバ位置決め部のV溝52の真空排気が行われる。これにより、光ファイバ3が光ファイバ位置決め部のV溝52に吸着固定される。このように、光ファイバ3が光ファイバ位置決め部のV溝52に吸着されることで、型閉じ時や型閉じ後の成型樹脂注入時にも光ファイバを確実に固定でき、光ファイバ位置決め部から光ファイバがはずれることが防止される。また、押さえピンで光ファイバを光ファイバ位置決め部に押さえ付ける方法に比べて、強過ぎる押し圧力のため押さえピンが光ファイバを傷付けるといったこともなく、光ファイバ心線を保護する効果もある。
【0041】
次に、図17乃至図21を参照して、さらに別の実施形態に係る光モジュールの成形方法につき、成形型の水平方向位置決めを説明する。図17に示される下成形型5は、光導波路形状を成型可能な凸形状20d,20eを持つ光導波路基板型部5Cと、光導波路基板型部5Cの両端部に光ファイバを支持して設置するための光ファイバ位置決め部5B、5Bを組み込む構造を有する。光導波路基板型部5Cと光ファイバ位置決め部5Bを下成形型5に組み込む際に、下成形型5の左端にある組み込み部Cに位置決めブロックLBが設置される。光導波路基板型部5Cと光ファイバ位置決め部5Bは、下成形型5の右端に設けられた水平方向に移動可能な押さえピン53により、位置決めブロックLBの一面向けて押さえ付けられる。このようにして、下成形型5に光導波路基板型部5Cと光ファイバ位置決め部5B、5Bが組み込まれ、V溝52と光導波路形状を成型可能な凸形状20d,20e,20eの光軸合わせが自動的に行われる。このような構成の下成形型5を用いる方法では、光導波路基板型部5Cと光ファイバ位置決め部5Bとが独立に交換できるため、図に示したような入出力が1対2の光ファイバ構成から、1対3の光ファイバ構成に組み替えることなどが容易に行える。
【0042】
また、図18に示される下成形型5は、光導波路基板型部5Cと光ファイバ位置決め部5B,5Bとの3者について共通に用いられる位置決めブロックLBの他に、2者について用いられる位置決めブロックLB1,LB2を備えたものである。このように、位置決めブロックを複数個用いて光導波路基板型部5C、及び光ファイバ位置決め部5B、5Bの位置を個々に調整することも可能である。また、光導波路基板型部5Cと光ファイバ位置決め部5Bについて、図示されたものとは別構成として、それぞれ逆側面に位置決めブロック及び押さえピン53を設置して各部の水平位置の調整をすることも可能である。また、図19に示される下成形型5は、光導波路基板型部5Cの両端に設ける光ファイバ位置決め部5Bを一体構成として、その内部に光導波路基板型部5Cを位置決めブロックLBを用いて組み込むものである。
【0043】
また、図20に示される下成形型5は、光導波路形状を成型可能な凸形状を持つ光導波路基板型部5Cと、光導波路基板型部5Cの端部に光ファイバを支持して設置するための光ファイバ位置決め部5B,5Bとを有している。これらは、それぞれ、ねじ54,55,56により挟み込まれ、矢印X,Y,Zに示すごとく図示しない駆動機構によりそれぞれ水平方向の移動が行われ、光導波路基板型部5C及び光ファイバ位置決め部5Bの取り付け位置が微調整されて、固定される。また、光ファイバ位置決め部のV溝52に光ファイバ3を設置し、外部からレーザ光を光ファイバ3に入光して、光ファイバ先端からレーザ光Lを出光させる。そのレーザ光Lを基準として用いて光導波路基板型部5Cの位置を調整することによって、光導波路基板型部端面の凸形状20d,20e中心線と光ファイバ位置決め部5BのV溝52の断面中心線を一致させることができる。また、図21に示される下成形型5は、光導波路基板型部5Cの両端に設ける光ファイバ位置決め部5Bを一体構成とし、その内部に光導波路基板型部5Cをねじ55,55を用いて組み込まれ、図示しない駆動機構により光導波路基板型部5C及び光ファイバ位置決め部5Bの取り付け位置が微調整されるものである。
【0044】
次に、図22を参照して、上記の光ファイバ一体型光導波路基板を成形する製造装置に光ファイバを供給する機構を加えた製造ラインを説明する。図22(a)に示される光モジュール製造装置は、光ファイバ供給部9と、上記において説明した下成形型5,上成形型6、及び光ファイバ位置決め部52の構成を有する光導波路基板成形部10を備えている。光ファイバ供給部9において、光ファイバ3は、光ファイバ3を蓄えたドラムDから光ファイバ誘導装置91,91により引き出されると共に光導波路基板成形部10に向けて送り出され、光ファイバ被覆除去部92、光ファイバ研磨部93、光ファイバカット部94,94を経由して光導波路基板成型部10に供給される。この間に、光ファイバ3は、光ファイバ被覆除去部92において被覆が除去され、被覆除去された光ファイバ3は、光ファイバ研磨部93においてその先端面が研磨される。そして、下成型部5に誘導された光ファイバ3は、光導波光ファイバ位置決め部52に押さえ付けられた後、光ファイバカット部94により切断される。ドラムD側の光ファイバ3は、逆回転された光ファイバ誘導装置91及びドラムDにより引き戻され、光ファイバ先端が光ファイバ被覆除去部92に位置させられる。以後は、上記と同じ動作が繰り返される。また、図22(b)に示される光モジュール製造装置においては、光導波路基板成型部10の上下成形型6,5に光ファイバカット用の刃が一体化されたものである。光ファイバは、上下成形型6,5の閉動作の工程と同時に切断されるので、別途の光ファイバカット部の駆動が不要となり、製造装置の簡略化と工程の省略による生産性の向上が可能となる。
【0045】
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、光導波路基板で接合する光ファイバの対は、1対3又は1対2に限らずこれらの対を並列に複数構成することもできる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば、コア部形成用の凹凸パターンの端面と、光ファイバの端面とを対向させて光ファイバを保持した後、成形型を用いて光導波路基板の成形と共に光導波路基板に光ファイバを接合して一体化した光モジュールが形成されるので、光導波路基板に接着剤により別途光ファイバを接合する従来の方法に比べ、生産性向上、製品品質の向上、コスト低減の効果がある。また、接着剤を用いることなく、光導波路基板の成形に用いられる成形材料の硬化収縮を利用して光導波路基板と光ファイバとの接合が行われるので、光導波路基板の膨張・収縮時の光導波路基板の寸法変化により発生する光導波路位置変化に対し、光ファイバは常に追随して位置が変化し、光路接合部における芯ずれが発生しない。また、接着剤を用いていないので接着剤の劣化による芯ずれも発生しない。これらにより、光モジュールの品質向上、信頼性向上の効果がある。
【0047】
請求項2の発明によれば、短い製造サイクルの射出成形により、光ファイバと光導波路基板とを一体成形して、光モジュールを生産性良く製造することができる。また、請求項3の発明によれば、成形材料の射出時に、光ファイバの位置ずれを起こす力が低減されており、請求項4の発明によれば、光ファイバが動く可能性のある射出成形開始時に光ファイバに対して高い射出圧力を与えることが避けられており、共に光ファイバの保持位置を保って精度良く光モジュールを製造できる。また、請求項5の発明によれば、樹脂流動が均一となるので、樹脂収縮が均一となり、残留応力による光ファイバの破断を防ぐことができる。
【0048】
請求項6の発明によれば、光導波路基板と光ファイバとを光結合させる端面接触部の直近において、光ファイバの末端位置を確実に位置決めすることができる。さらに、請求項7の発明によれば、光ファイバを位置決めした位置に保持した状態で光導波路基板の形成と光導波路基板への光ファイバ接合ができるので、接合部形成過程において光ファイバが保持部からはずれることなく、光学的結合精度の良い光モジュールが得られる。また、請求項8の発明によれば、吸引により光ファイバを保持するので、光ファイバに傷付けることがなく、また、保持部から光ファイバがはずれるのを防ぐことができる。
【0049】
請求項9の発明によれば、コア部形成用の成形型と光ファイバ配置用の溝を有する成形型が対向して分離されており、個別の成形型の構造が単純になるため、成形型の製造が容易となる。また、請求項10の発明によれば、コア部形成用の成形型と光ファイバ保持用の成形型が分離されており、それぞれの成形型の構造が単純になるため、成形型の製造が容易となり、生産性向上、コスト低減が図れる。また、請求項11の発明によれば、2つの成形型の相対位置を調節する駆動機構を設けたので、成形型の再製作を行うことなく光軸合わせの修正ができるので、生産効率向上やコスト低減が図れる。
【0050】
請求項12の発明によれば、光導波路基板のコアの光軸と光ファイバの光軸とを合わせた状態で、光ファイバと光導波路基板とを一体成形して光モジュールが製造されている。この光モジュールは、光軸合わせの精度がよく、また経時変化による光軸のずれが生じず、信頼性が高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る光ファイバ一体型光導波路基板からなる光モジュールの斜視図。
【図2】同上光モジュールを製造する下成形型の斜視図。
【図3】(a)は同上光モジュールを製造する成形型開状態の断面図、(b)は同閉状態の断面図、(c)は同閉状態においてキャビティ内に光導波路基板材料が注入された状態の断面図。
【図4】(a)は図3(c)におけるA1−A1断面図、(b)は同A2−A2断面図、(c)は同A3−A3断面図。
【図5】(a)は同上光モジュール成形後の成形型開状態を示す断面図、(b)は同状態から光ファイバ一体型光導波路基板が離型された状態の断面図。
【図6】(a)は同上光モジュールを射出成形により製造する装置の成形型閉状態断面図、(b)は(a)のB1−B1断面図、(c)は同装置のスプルランナ開状態の断面図、(d)は同装置からスプルランナ除去を説明する断面図。
【図7】(a)は同上装置のスプルランナ閉状態断面図、(b)は同成形型開状態の断面図、(c)は同状態から光ファイバ一体型光導波路基板が離型された状態の断面図。
【図8】同上装置における射出速度の図。
【図9】(a)は同上光モジュールを圧縮成形により製造する装置の成形型閉状態断面図、(b)は同装置の成形型閉状態の断面図、(c)は同装置の圧縮成形状態の断面図。
【図10】(a)は図9(c)におけるC1−C1断面図、(b)は同C2−C2断面図、(c)は同C3−C3断面図。
【図11】(a)は同上光モジュール成形後の成形型開状態を示す断面図、(b)は同状態から光ファイバ一体型光導波路基板が離型された状態の断面図。
【図12】(a)は上記とは異なる実施形態に係る成形型を用いた同上光モジュールを製造する装置の成形型開状態の断面図、(b)は同半閉状態の断面図、(c)は同閉状態においてキャビティ内に光導波路基板材料が注入された状態の断面図。
【図13】(a)は図12(c)におけるD1−D1断面図、(b)は同D2−D2断面図、(c)は同D3−D3断面図。
【図14】(a)は同上光モジュール成形後の成形型開状態を示す断面図、(b)は同状態から光ファイバ一体型光導波路基板が離型された状態の断面図。
【図15】(a)は上記とはさらに異なる実施形態に係る成形型を用いた同上光モジュールを製造する装置の成形型開状態の断面図、(b)は同閉状態においてキャビティ内に光導波路基板材料が注入された状態の断面図、(c)は(b)のE2−E2断面図、(d)は同E3−E3断面図。
【図16】同上光モジュールを製造する装置において光ファイバの吸引保持を説明する概念断面図。
【図17】(a)は同上光モジュールを製造する装置への分割下成形型の組み込みを説明する水平断面図、(b)は同分割した下成形型の位置合わせ前段階の水平断面図、(c)は同位置合わせ後の水平断面図。
【図18】同上他の変形例を示す水平断面図。
【図19】同上他の変形例を示す水平断面図。
【図20】(a)は同上光モジュールを製造する装置への分割下成形型の他の組み込み例を説明する水平断面図、(b)は同分割した下成形型の位置合わせ段階の水平断面図、(c)は(b)のF部詳細平面図。
【図21】同上他の変形例を示す水平断面図。
【図22】(a)は同上光モジュールを製造する装置に光ファイバ供給部を連結した装置の概念図、(b)は同他の実施形態を示す概念図。
【図23】(a)は従来の光ファイバと光導波路とを結合する光モジュールの外形斜視図、(b)は同内部を示す斜視図。
【符号の説明】
1 光モジュール(光ファイバ一体型光導波路基板)
2 光導波路基板
3 光ファイバ
5 下成形型(成形型)
6 上成形型(成形型)
3e 光ファイバの端面
20d、20e 凸形状(凹凸パターン)
30d,30e 端面(凹凸パターンの端面)
5B 光ファイバ位置決め部(第2の成形型)
5C 光導波路基板型部(第1の成形型)
52 V溝(溝)
54,55,56 ねじ(駆動機構)
64 光ファイバ押えピン(保持部材)
M 光導波路基板材料(成形材料)
W 光導波路基板材料(成形材料)
S 排気源
H 孔

Claims (12)

  1. 光を導波させるためのコア部を形成するための凹凸パターンを有する光導波路基板と光を伝送する光ファイバとを光軸について光学的に結合すると共に、前記光導波路基板と前記光ファイバとを一体化してなる光モジュールの製造方法において、
    前記光導波路基板の成形型に設けられた、前記コア部形成用の凹凸パターンの端面と、光ファイバの端面とを対向させて前記成形型内の所定位置に配置し、前記光ファイバを保持する工程と、
    前記工程の後に、前記成形型を用いて前記光導波路基板を形成すると共に前記光ファイバを前記光導波路基板に接合する工程を用いることを特徴とする光モジュールの製造方法。
  2. 射出成形を用いて光導波路基板を形成することを特徴とする請求項1記載の光モジュールの製造方法。
  3. 成形材料を注入するためのゲート位置を前記光ファイバの軸線に対して左右対称になるように配置した成形型を用いて光導波路基板を形成することを特徴とする請求項2記載の光モジュールの製造方法。
  4. 光導波路基板の形成時の射出工程が、溶融樹脂を低圧で射出した後、高圧で射出して行われることを特徴とする請求項2記載の光モジュールの製造方法。
  5. 圧縮成形を用いて光導波路基板を形成することを特徴とする請求項1記載の光モジュールの製造方法。
  6. 光ファイバを固定するための光ファイバ保持部を内部に設けた成形型を用いて光導波路基板を形成することを特徴とする請求項1記載の光モジュールの製造方法。
  7. 成形型に対して独立に移動可能な保持部材を用いて光ファイバを保持した後、光導波路基板を形成することを特徴とする請求項6記載の光モジュールの製造方法。
  8. 前記光ファイバを配置する部位に排気源に連通した孔を有する成形型を用いて、前記排気源から排気することにより前記光ファイバを吸引保持した後、光導波路基板を形成することを特徴とする請求項6記載の光モジュールの製造方法。
  9. コア部形成用の凹凸パターンを有する成形型と、この成形型と対向し、かつ光ファイバを所定の位置に配置するための溝を有する成形型とを用いて、光導波路基板を形成することを特徴とする請求項6記載の光モジュールの製造方法。
  10. 光導波路基板を成形するための第1の成形型の外側に、光ファイバを保持する機構を有する第2の成形型を配置した複合型を構成し、前記第2の成形型により光ファイバを保持した後、前記複合型を用いて光導波路基板を形成することを特徴とする請求項6記載の光モジュールの製造方法。
  11. 前記第1の成形型と前記第2の成形型の相対位置を微調整するための駆動機構を第1の成形型又は第2の成形型に設け、この駆動機構を用いて前記第2の成形型に保持した光ファイバの位置を調整した後、光導波路基板を形成することを特徴とする請求項10記載の光モジュールの製造方法。
  12. 請求項1乃至請求項11記載のいずれかの方法により製造された光モジュール。
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