JP2007152831A - 可動エアベントおよびそれを備えたモールド成形装置、並びに電子部品の製造方法 - Google Patents

可動エアベントおよびそれを備えたモールド成形装置、並びに電子部品の製造方法 Download PDF

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Takenao Ishihara
武尚 石原
Hirofumi Shindo
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Abstract

【課題】モールド成形装置の型に設けられたキャビティからガスを円滑に排出でき、したがって樹脂成形体中の気泡や表面段差の発生を解消できるものを提供すること。
【解決手段】型30に貫設され、キャビティ30と型30の外部とを連通させる細長いエアベント孔38,48と、エアベント孔に摺動可能に挿入されるエアベントピン37,47とを備える。エアベント孔38,48の内周面とエアベントピン37,47の外周面との間に、キャビティ33からのガスを通す隙間が存在する。樹脂硬化完了後に、エアベント孔38,48に対してエアベントピン37,47を摺動させるエアベントピン摺動部39,49を備える。
【選択図】図2A

Description

この発明は可動エアベントに関し、より詳しくは、モールド成形装置の型に設けられたキャビティからガスを排出するための要素に関する。
また、この発明は、そのような可動エアベントを備えたモールド成形装置に関する。
また、この発明は、そのようなモールド成形装置を用いた電子部品の製造方法に関する。
従来の一般的なモールド成形装置としては、図6に示すような構造をもつものが知られている(例えば、特許文献1(実開昭63−77340号公報)参照。)。このモールド成形装置は、固定側の下型1と、下型1に対向配置させた可動側の上型2とを備え、下型1には樹脂材料供給用のポットと所要数のキャビティを形成し、また、上型2には前記ポット及び各キャビティとの対応位置にカル及びキャビティをそれぞれ形成し、各キャビティ位置に樹脂成形体突出用のイジェクトピンを往復摺動自在に嵌装し、更に、前記ポットには樹脂材料加圧用のプランジャ15を嵌装させて構成されている。プランジャ15はバネを介して加圧機構14と結合されている。下型1は、嵌合取付部16と取り付けバー7とによってホルダー部8上に取り付けられている。各キャビティには、そのキャビティから前記ポットの位置とは反対側へ細長く延びるエアベントが設けられている。ポットから各キャビティ内へ樹脂材料を供給する際に、前記エアベントを通してキャビティ内の空気が排出される。
しかしながら、前記エアベントは細長い通路であるため、そこに樹脂が詰まって、空気をうまく排出できなくなる不具合が生ずる。
そこで、従来、図7に示すようなモールド成形装置が提案されている(例えば、特許文献2(特開平10−92853号公報)参照。)。このモールド成形装置は、キャビティ部103に樹脂を導く樹脂供給路121と、キャビティ部103から空気を排出するエアベント部109を有している。エアベント部109には、このエアベント部109の開口度を調節しうる開口度調整手段130が設けられている。このモールド成形装置では、型締め後、樹脂供給路121を通して樹脂をキャビティ部109に注入する際にエアベント部109の開口度を上げて、キャビティ部103からエアベント部109を通して空気を排出し、樹脂注入完了前にエアベント部109の開口度を下げて成形を行う。これにより、エアベント部109の樹脂詰まりを防ぐようになっている。以下、可動ピンなどの可動要素を有するエアベントを「可動エアベント」と呼ぶ。
実開昭63−77340号公報 特開平10−92853号公報
しかしながら、従来例のモールド成形装置では、得られた樹脂成形体中に気泡(ボイドとも呼ばれる。)が生じるという問題がある。
特に、光半導体部品のパッケージをモールド成形する場合は、半導体チップ(発光ダイオードチップやフォトダイオードチップなど)の表面を覆う樹脂に気泡が生じると、そこを光が通過する際に屈折や反射が起こって、光半導体部品としての光学的特性が劣化する。
また、例えば図8Aに示すように、従来例のモールド成形装置では、得られた樹脂成形体の表面200には、5μm程度の段差(以下「表面段差」と呼ぶ。)201が生じることがある。この表面段差201は、半導体チップを法線方向から見たとき丸や曲線、直線状に発生する。なお、図8B中に、市販の表面段差計を用いて、それぞれ図8A中の直線202,203に沿って樹脂成形体の表面200を走査して得られた測定結果E,Fを示している。この表面段差201が生じる原因は、例えば図7のモールド成形装置では樹脂の硬化時にエアベント部109が閉じた状態にあるため、樹脂が発生するガスが樹脂成形体(金型と半導体チップとの間の部分)中に閉じ込められたからである、と考えられる。
このような表面段差201が生じると、例えば光ディスク読み取り装置のサーボ用受光素子では、サーボ信号に狂いが生じて、光ディスクの信号を読み取れない不良が発生する。
このように、光半導体部品では、通常の電子部品よりも樹脂成形の完全性が要求される。
そこで、この発明の課題は、モールド成形装置の型に設けられたキャビティからガス(空気を含む。以下同様。)を円滑に排出でき、したがって樹脂成形体中の気泡や表面段差の発生を解消できる可動エアベントを提供することにある。
また、この発明の課題は、そのような可動エアベントを備えたモールド成形装置を提供することにある。
また、この発明の課題は、そのようなモールド成形装置を用いて、電子部品のパッケージをモールド成形する電子部品の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の可動エアベントは、
モールド成形装置の型に設けられたキャビティからガスを排出するための可動エアベントであって、
上記型に貫設され、上記キャビティと上記型の外部とを連通させる細長いエアベント孔と、
上記エアベント孔に摺動可能に挿入されるエアベントピンとを備え、
上記エアベント孔の内周面と上記エアベントピンの外周面との間に、上記キャビティからのガスを通す隙間が存在することを特徴とする。
この発明の可動エアベントでは、上記キャビティ内への樹脂供給開始から樹脂硬化完了までの間、上記エアベント孔の内周面と上記エアベントピンの外周面との間の隙間を通して、上記キャビティからのガスが円滑に排出される。したがって、樹脂成形体中の気泡や表面段差の発生を解消できる。この結果、上記可動エアベントを備えたモールド成形装置によって光半導体部品のパッケージを樹脂成形する場合に、光学的特性の不良が生じない。
上記キャビティ内への樹脂供給開始から樹脂硬化完了までの間に、上記エアベント孔の内周面と上記エアベントピンの外周面との間の隙間に或る程度樹脂が浸入する。しかし、そのような樹脂の量は僅かにすぎず、薄膜となる。したがって、そのような樹脂は、例えば上記キャビティ内の樹脂硬化完了後に、上記エアベント孔に対して上記エアベントピンを摺動させることによって、上記型から取り除かれる。
上記隙間は、上記ガスを通す一方、上記樹脂の浸入を或る程度抑制する微少な寸法をもつのが望ましい。
一実施形態の可動エアベントでは、
上記キャビティ内への樹脂供給開始から樹脂硬化完了までの間、上記エアベント孔に対する上記エアベントピンの位置を維持するエアベントピン維持部と、
上記キャビティ内の樹脂硬化完了後に、上記エアベント孔の内周面と上記エアベントピンの外周面との間の隙間に浸入した樹脂を取り除くように、上記エアベント孔に対して上記エアベントピンを摺動させるエアベントピン摺動部とを備えたことを特徴とする。
この一実施形態の可動エアベントでは、エアベントピン維持部がエアベント孔に対するエアベントピンの位置を維持した状態で、上記型の外部から上記キャビティ内に樹脂が供給される。これにより、キャビティ内に樹脂が首尾良く充填される。また、上記キャビティ内の樹脂硬化完了後に、エアベントピン摺動部が、上記エアベント孔に対して上記エアベントピンを摺動させる。これにより、上記エアベント孔の内周面と上記エアベントピンの外周面との間の隙間に浸入した樹脂は、上記型から取り除かれる。したがって、上記モールド成形装置による成形処理を反復して実施できる。これにより、成形サイクルの実施可能な回数が増える。
上記エアベントピンの長手方向寸法は上記エアベント孔が貫通する上記型の肉厚寸法よりも長いのが望ましい。その場合、上記エアベントピン摺動部は、上記エアベント孔に対する上記エアベントピンの摺動を、上記エアベントピンのうち上記エアベント孔から突出した部分に力を作用させることにより、容易に行うことができる。
一実施形態の可動エアベントでは、上記エアベントピン摺動部が上記エアベントピンを摺動させるとき、上記エアベント孔から出てきた上記エアベントピンの外周面に接する第1のブラシを備えたことを特徴とする。
この一実施形態の可動エアベントでは、上記エアベントピン摺動部が上記エアベントピンを摺動させるとき、第1のブラシが、上記エアベント孔から出てきた上記エアベントピンの外周面に接する。これにより、上記エアベントピンの外周面に付着した樹脂が取り除かれる。したがって、成形サイクルの実施可能な回数がさらに増える。
また、上記第1のブラシを上記エアベントピンの外周面へ向けて付勢する弾性体を備えるのが望ましい。その場合、上記第1のブラシは上記弾性体によって付勢されて上記エアベントピンの外周面に安定して接する。したがって、上記エアベントピンの外周面に付着した樹脂は、上記第1のブラシによって確実に取り除かれる。したがって、成形サイクルの実施可能な回数がさらに増える。
一実施形態の可動エアベントでは、上記エアベントピン摺動部が上記エアベントピンを摺動させるとき、上記エアベントピンの内周面に接する第2のブラシが植設されていることを特徴とする。
この一実施形態の可動エアベントでは、上記エアベントピン摺動部が上記エアベントピンを摺動させるとき、第2のブラシが、上記エアベント孔の内周面に接して、上記エアベント孔の内周面に付着した樹脂を取り除く。したがって、成形サイクルの実施可能な回数がさらに増える。
この発明のモールド成形装置は、
キャビティを有する型と、
上記型の外部から上記キャビティ内に樹脂を供給する樹脂供給部と、
上記キャビティから上記型の外部へガスを排出するための可動エアベントとを備え、
上記可動エアベントは、
上記型に貫設され、上記キャビティと上記型の外部とを連通させる細長いエアベント孔と、
上記エアベント孔に摺動可能に挿入されるエアベントピンとを備え、
上記エアベント孔の内周面と上記エアベントピンの外周面との間に、上記キャビティからのガスを通す隙間が存在し、
上記キャビティ内への樹脂供給開始から樹脂硬化完了までの間、上記エアベント孔に対する上記エアベントピンの位置を維持するエアベントピン維持部と、
上記キャビティ内の樹脂硬化完了後に、上記エアベント孔の内周面と上記エアベントピンの外周面との間の隙間に浸入した樹脂を取り除くように、上記エアベント孔に対して上記エアベントピンを摺動させるエアベントピン摺動部とを備えたことを特徴とする。
この発明のモールド成形装置では、エアベントピン維持部がエアベント孔に対するエアベントピンの位置を維持した状態で、樹脂供給部によって、上記型の外部から上記キャビティ内に樹脂が供給される。これにより、キャビティ内に樹脂が首尾良く充填される。また、上記キャビティ内への樹脂供給開始から樹脂硬化完了までの間、上記エアベント孔の内周面と上記エアベントピンの外周面との間の隙間を通して、上記キャビティからのガスが円滑に排出される。したがって、樹脂成形体中の気泡や表面段差の発生を解消できる。この結果、上記可動エアベントを備えたモールド成形装置によって光半導体部品のパッケージを樹脂成形する場合に、光学的特性の不良が生じない。
上記キャビティ内への樹脂供給開始から樹脂硬化完了までの間に、上記エアベント孔の内周面と上記エアベントピンの外周面との間の隙間に或る程度樹脂が浸入する。しかし、そのような樹脂の量は僅かにすぎず、薄膜となる。したがって、そのような樹脂は、上記キャビティ内の樹脂硬化完了後に、エアベントピン摺動部が、上記エアベント孔に対して上記エアベントピンを摺動させることによって、上記型から取り除かれる。
一実施形態のモールド成形装置では、上記樹脂供給部は、上記型の外部から上記キャビティ内に樹脂を圧送するプランジャと、このプランジャを直接駆動するプランジャ駆動機構とを有することを特徴とする。
なお、「直接駆動」とは、ばねなどの緩衝部を介さず、駆動機構の動きにしたがって移動させることを意味する。
この一実施形態のモールド成形装置では、プランジャ駆動機構がプランジャを直接駆動して、上記型の外部から上記キャビティ内に樹脂を圧送させる。したがって、ばねなどの緩衝部を介してプランジャを駆動する場合に比して、上記キャビティ内の樹脂の圧力が急激に上昇して、樹脂の硬化時に発生するガスの体積増大を抑制することができる。この結果、樹脂成形体中の気泡や表面段差の発生を抑制できる。
また、この発明の電子部品の製造方法は、上記発明のモールド成形装置を用いて、上記樹脂からなる電子部品のパッケージをモールド成形することを特徴とする。
この発明の電子部品の製造方法によれば、上記発明のモールド成形装置を用いて、上記樹脂からなる電子部品のパッケージをモールド成形するので、樹脂成形の完全性が高まる。つまり、製造された電子部品のパッケージは、気泡を含まず、表面段差を有しないものとなる。したがって、この電子部品の製造方法は、特に光半導体部品のパッケージを製造するのに適する。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、一実施形態のモールド成形装置の下型31を上方から見たところを示している。このモールド成形装置は、電子部品のパッケージ、この例では光半導体部品22のパッケージ23をモールド成形するためのものである。また、図2Aは、このモールド成形装置の金型30(下型31および上型41)の図1中のAB線に対応する部分縦断面を示している。
図1に示すように、下型31には、リードフレーム31が置かれる領域に、それぞれパッケージ23に対応する複数のキャビティ33が設けられている。この例では、1枚のリードフレーム31当たり4行4列(16個)のキャビティ33が設けられている。また、この下型31には、溶融樹脂を受けるカル34と、このカル34からの溶融樹脂を案内するランナ36と、このランナ36と各キャビティ33との間に設けられ溶融樹脂を絞るゲート35を備えている。
なお、図1中の小円32はイジェクトピンの位置を示している。イジェクトピンは、金属からなり、モールド成形後にキャビティ33からパッケージ23を離型させる段階で、パッケージ23の位置ではなく、リードフレーム31に相当する部分を突くように配置されている。これにより、パッケージ23の表面に傷が入るのを防止している。
図2Aから分かるように、各キャビティ33は、下型31に設けられた窪み33bと、それに対応して上型41に設けられた窪み43aとで定められる。なお、図2Aでは下型31と上型41とが離間した状態にあるが、下型31と上型41とが上下方向に圧接されたとき、両者の窪み33b,43aがキャビティ33を形成するようになっている。
また、上型41には、下型31のカル34の位置に対応して溶融樹脂格納用のポット44が設けられ、また、溶融樹脂を絞るために下型31のゲート35と組み合わされるゲート45が設けられている。
また、このモールド成形装置は、金型30の外部からキャビティ33内に樹脂を供給する樹脂供給部として、いずれも図示を省略するが、プランジャと、このプランジャを直接駆動するプランジャ駆動機構とを有している。プランジャは、プランジャ駆動機構によって直接駆動されて、金型30の外部からポット44(およびカル34)、ランナ36、ゲート35、45を通してキャビティ33内に樹脂を圧送する。
下型31には、各キャビティ33毎に、そのキャビティ33と下型31の外部とを連通させる細長いエアベント孔38が上下方向に貫設されている。各エアベント孔38には、エアベント孔38の長手方向寸法(つまり、下型31の肉厚寸法)よりも長い長手方向寸法をもつエアベントピン37が摺動可能に挿入されている。この例では、エアベント孔38、エアベントピン37の断面はいずれも円形である。そして、エアベント孔38の内径とエアベントピン37の外径との差は6μmに設定されている。つまり、エアベント孔38の内周面とエアベントピン37の外周面との間の隙間(図示せず)は、空気や樹脂から発生するガスを通す一方、樹脂の浸入を或る程度抑制する微少な寸法に設定されている。
各エアベントピン37の端部37f(下型31の外部に相当する端部)は連結バー51によって互いに一体に連結され、さらに連結バー52を介して、エアベントピン維持部およびエアベントピン摺動部としての可動機構39に接続されている。
同様に、上型41には、各キャビティ43毎に、そのキャビティ43と上型41の外部とを連通させる細長いエアベント孔48が上下方向に貫設されている。各エアベント孔48には、エアベント孔48の長手方向寸法(つまり、上型41の肉厚寸法)よりも長い長手方向寸法をもつエアベントピン47が摺動可能に挿入されている。この例では、エアベント孔48、エアベントピン47の断面はいずれも円形である。そして、エアベント孔48の内径とエアベントピン47の外径との差は6μmに設定されている。つまり、エアベント孔48の内周面とエアベントピン47の外周面との間の隙間(図示せず)は、ガス(空気を含む。)を通す一方、樹脂の浸入を或る程度抑制する微少な寸法に設定されている。
各エアベントピン47の端部47f(上型41の外部に相当する端部)は連結バー61によって互いに一体に連結され、さらに連結バー62を介して、エアベントピン維持部およびエアベントピン摺動部としての可動機構49に接続されている。
下型31に設けられたエアベント孔38、エアベントピン37および可動機構39、並びに、上型41に設けられたエアベント孔48、エアベントピン47および可動機構49は、キャビティ33から金型30の外部へガスを排出するための可動エアベントを構成している。
このモールド成形装置を用いたモールド成形によって、光半導体部品22のパッケージ23は次のようにして製造される。なお、下型31と上型41は、モールド用の樹脂の硬化に適した温度に維持されている。成型サイクルの最初には、下型31と上型41は互いに離間した状態にあるものとする。
まず、下型31上の所定の位置にリードフレーム21をセットする。
次に、下型31の窪み33bと上型41の窪み43aとがキャビティ33を形成するように、図示しない圧接機構によって、下型31に対して上型41を圧接する。このとき、可動機構39は、下型31のキャビティ33を定める面33bとエアベントピン37の先端面37eとが実質的に一致するように、エアベント孔38に対するエアベントピン37の位置を設定する。同様に、可動機構49は、上型41のキャビティ33を定める面43aとエアベントピン47の先端面47eとが実質的に一致するように、エアベント孔48に対するエアベントピン47の位置を設定する。これらのエアベント孔38、48に対するエアベントピン37、47の位置は、少なくとも次に述べるキャビティ33内への樹脂供給開始から樹脂硬化完了までの間、維持される。
次に、加熱されて溶融した樹脂を金型30の外部からポット44に入れて、既述のプランジャをプランジャ駆動機構によって直接駆動して、ポット44(およびカル34)からランナ36、ゲート35、45を通してキャビティ33内に樹脂28を圧送する。キャビティ33内へ樹脂を圧送する間、エアベント孔38の内周面とエアベントピン37の外周面との間の隙間およびエアベント孔48の内周面とエアベントピン47の外周面との間の隙間を通して、キャビティ33からのガス(主に空気)が円滑に排出される。これにより、キャビティ33内に樹脂28が首尾良く充填される。
そして、キャビティ33内に圧送され樹脂28の硬化が完了するまで、待つ。樹脂硬化完了まで待つ間、エアベント孔38の内周面とエアベントピン37の外周面との間の隙間およびエアベント孔48の内周面とエアベントピン47の外周面との間の隙間を通して、キャビティ33からのガス(主に樹脂28が発生するガス)が円滑に排出される。したがって、パッケージ23中の気泡や表面段差の発生を解消できる。この結果、光半導体部品22に光学的特性の不良が生じるのを防止できる。
次に、上述の圧接機構を逆に動かして、下型31に対して上型41を離間させる。そして、イジェクトピン32(図1参照)を突き出して、リードフレーム31とともにパッケージ23を離型させる。これにより、図2Aに示す状態となる。イジェクトピン32は、パッケージ23ではなく、リードフレーム31を突くので、パッケージ23の表面に傷が入るのを防止できる。なお、エアベントピン37、47は、イジェクトピン32とは違い、パッケージ23を離型させるために突き出されることは無い。
次に、図2Bに示すように、可動機構39、49を動作させて、エアベント孔38、48に対してエアベントピン37、47をそれぞれ上下方向に摺動させる。これにより、エアベント孔38、48の内周面とエアベントピン37、47の外周面との間の隙間に浸入した樹脂28を、下型31、上型41からそれぞれ取り除く。なお、下型31などの上に散乱した樹脂片は、図示しないエアーガンによって吹き飛ばされて、除去される。
このようにした場合、後続の成形サイクルのために、エアベント孔38の内周面とエアベントピン37の外周面との間の隙間およびエアベント孔48の内周面とエアベントピン47の外周面との間の隙間を確保できる。したがって、モールド成形装置による成形処理を反復して実施できる。これにより、成形サイクルの実施可能な回数が増える。
なお、エアベントピン37、47を摺動させる向きは、図2Bに示すようにエアベントピン37、47がキャビティ33側へ突出する向きでも、その逆向き(キャビティ33から後退する向き)でも良い。また、それらの両方でも良い。
図3Aは、上記モールド成形装置の変形例を示している。
この変形例では、下型31のキャビティ33を定める面33bとエアベントピン37の先端面37eとが実質的に一致している配置で、エアベントピン37のうち下型31の下方に突出した部分に接する第1のブラシ71を備えている。また、上型41のキャビティ33を定める面43aとエアベントピン47の先端面47eとが実質的に一致している配置で、エアベントピン47のうち上型41の上方に突出した部分に接する第1のブラシ81を備えている。第1のブラシ71、81は、それぞれ真鍮などの金属からなり、断面コの字状の図示しない各一対の支持枠の内面に埋め込まれている。それらの各一対の支持枠は、図3Aの紙面に対して垂直な方向にエアベントピン37、47を挟むように、弾性部材(バネなど)によって付勢されている。これにより、第1のブラシ71、81はそれぞれエアベントピン37、47の外周面に対して所定の圧力で接している。
この場合、図3Bに示すように、樹脂硬化完了後、下型31から上型41を離間させる前に、可動機構39、49を動作させて、エアベントピン37、47をキャビティ33から後退する向きに摺動させる。このとき、第1のブラシ71、81はそれぞれ、エアベント孔38、48から出てきたエアベントピン37、47の外周面に所定の圧力で接する。これにより、エアベントピン37、47の外周面に付着した樹脂が取り除かれる。なお、下型31などの上に散乱した樹脂片は、図示しないエアーガンによって吹き飛ばされて、除去される。
このようにした場合、後続の成形サイクルのために、エアベント孔38の内周面とエアベントピン37の外周面との間の隙間およびエアベント孔48の内周面とエアベントピン47の外周面との間の隙間を確保できる。したがって、モールド成形装置による成形処理を反復して実施できる。これにより、成形サイクルの実施可能な回数がさらに増える。
図4Aは、上記モールド成形装置の別の変形例を示している。
この変形例では、エアベントピン37、47のうち略中央の部分37c、47cがそれぞれ他の部分よりも小径になっている。そして、その小径の部分37c、47cの外周面に、それぞれ真鍮などの金属からなる第2のブラシ38、48が植設されている。第2のブラシ38、48の外径(ブラシ先端がなす輪郭の外径)はエアベント孔38、48の内径よりも若干大きく設定されている。図1Aの例と同様に、可動機構39、49によって、エアベント孔38、48に対してエアベントピン37、47が上下方向に摺動可能になっている。そして、エアベントピン37、47が上下方向に摺動されたとき、第2のブラシ38、48のブラシ先端は、エアベント孔38、48の内周面によって軸心方向へ押されて若干撓みながら、エアベント孔38、48の内周面に所定の圧力で接する。
この場合、図4Bに示すように、下型31から上型41を離間させた後、可動機構39、49を動作させて、エアベントピン37、47をキャビティ33側へ突出する向きに摺動させる。このとき、第2のブラシ38、48はそれぞれ、エアベント孔38、48の内周面に所定の圧力で接する。これにより、エアベント孔38、48の内周面に付着した樹脂が取り除かれる。なお、下型31などの上に散乱した樹脂片は、図示しないエアーガンによって吹き飛ばされて、除去される。
このようにした場合、後続の成形サイクルのために、エアベント孔38の内周面とエアベントピン37の外周面との間の隙間およびエアベント孔48の内周面とエアベントピン47の外周面との間の隙間を確保できる。したがって、モールド成形装置による成形処理を反復して実施できる。これにより、成形サイクルの実施可能な回数がさらに増える。
図5Aは、樹脂をキャビティ33へ圧送するためのプランジャを、参考例としてばねを介して駆動(プランジャ駆動機構によって)した場合のプランジャの位置P1の時間変化と樹脂に対する圧力Q1の時間変化の測定結果を例示している。一方、図5Bは、樹脂をキャビティ33へ圧送するためのプランジャを、既述のように直接駆動(同じプランジャ駆動機構によって)した場合のプランジャの位置P2の時間変化と樹脂に対する圧力Q2の時間変化の測定結果を例示している。図5A、図5Bともに、横軸が時間、左縦軸がプランジャの位置、右縦軸が樹脂に対する圧力を示している。図5A、図5Bから分かるように、ばねを介して駆動した場合に比して、直接駆動した場合は、キャビティ33内の樹脂に対する圧力を短時間で急激に上昇させることができる。これにより、樹脂の硬化時に発生するガスの体積増大を抑制することができる。この結果、パッケージ23中の気泡や表面段差の発生を抑制できる。
以上の実施形態では、電子部品の一例として光半導体部品22のパッケージ23を製造する場合について説明した。この発明のモールド成形装置を用いてモールド成形されたパッケージ23は、気泡を含まず、表面段差を有しないものとなるから、光半導体部品22に適する。ただし、この発明のモールド成形装置は、光半導体部品22のパッケージ23を製造する場合に限らず、電子部品の製造方法に広く適用され得る。
この発明の一実施形態のモールド成形装置の下型を上方から見たところを示す図である。 上記モールド成形装置の図1におけるAB線に相当する部分の断面構造を示す図である。 図2Aのモールド成形装置においてエアベント孔に対してエアベントピンを摺動させる態様を示す図である。 図2Aのモールド成形装置の変形例を示す図である。 図3Aのモールド成形装置においてエアベント孔に対してエアベントピンを摺動させる態様を示す図である。 図2Aのモールド成形装置の別の変形例を示す図である。 図4Aのモールド成形装置においてエアベント孔に対してエアベントピンを摺動させる態様を示す図である。 樹脂をキャビティへ圧送するためのプランジャを、参考例としてばねを介して駆動した場合のプランジャの位置P1の時間変化と樹脂に対する圧力Q1の時間変化の測定結果を例示する図である。 樹脂をキャビティへ圧送するためのプランジャを、プランジャ駆動機構によって直接駆動した場合のプランジャの位置P2の時間変化と樹脂に対する圧力Q2の時間変化の測定結果を例示する図である。 従来のモールド成形装置の構造を示す図である。 従来の別のモールド成形装置の構造を示す図である。 樹脂成形体の表面に生じた段差を示す図である。 図8Aのものを表面段差計によって測定した結果を示す図である。
符号の説明
30 金型
31 下型
37,47 エアベントピン
38,48 エアベント孔
42 上型
71,81 第1のブラシ
72,82 第2のブラシ

Claims (7)

  1. モールド成形装置の型に設けられたキャビティからガスを排出するための可動エアベントであって、
    上記型に貫設され、上記キャビティと上記型の外部とを連通させる細長いエアベント孔と、
    上記エアベント孔に摺動可能に挿入されるエアベントピンとを備え、
    上記エアベント孔の内周面と上記エアベントピンの外周面との間に、上記キャビティからのガスを通す隙間が存在することを特徴とする可動エアベント。
  2. 請求項1に記載の可動エアベントにおいて、
    上記キャビティ内への樹脂供給開始から樹脂硬化完了までの間、上記エアベント孔に対する上記エアベントピンの位置を維持するエアベントピン維持部と、
    上記キャビティ内の樹脂硬化完了後に、上記エアベント孔の内周面と上記エアベントピンの外周面との間の隙間に浸入した樹脂を取り除くように、上記エアベント孔に対して上記エアベントピンを摺動させるエアベントピン摺動部とを備えたことを特徴とする可動エアベント。
  3. 請求項2に記載の可動エアベントにおいて、
    上記エアベントピン摺動部が上記エアベントピンを摺動させるとき、上記エアベント孔から出てきた上記エアベントピンの外周面に接する第1のブラシを備えたことを特徴とする可動エアベント。
  4. 請求項2に記載の可動エアベントにおいて、
    上記エアベントピン摺動部が上記エアベントピンを摺動させるとき、上記エアベントピンの内周面に接する第2のブラシが植設されていることを特徴とする可動エアベント。
  5. キャビティを有する型と、
    上記型の外部から上記キャビティ内に樹脂を供給する樹脂供給部と、
    上記キャビティから上記型の外部へガスを排出するための可動エアベントとを備え、
    上記可動エアベントは、
    上記型に貫設され、上記キャビティと上記型の外部とを連通させる細長いエアベント孔と、
    上記エアベント孔に摺動可能に挿入されるエアベントピンとを備え、
    上記エアベント孔の内周面と上記エアベントピンの外周面との間に、上記キャビティからのガスを通す隙間が存在し、
    上記キャビティ内への樹脂供給開始から樹脂硬化完了までの間、上記エアベント孔に対する上記エアベントピンの位置を維持するエアベントピン維持部と、
    上記キャビティ内の樹脂硬化完了後に、上記エアベント孔の内周面と上記エアベントピンの外周面との間の隙間に浸入した樹脂を取り除くように、上記エアベント孔に対して上記エアベントピンを摺動させるエアベントピン摺動部とを備えたことを特徴とするモールド成形装置。
  6. 請求項5に記載のモールド成形装置において、
    上記樹脂供給部は、上記型の外部から上記キャビティ内に樹脂を圧送するプランジャと、このプランジャを直接駆動するプランジャ駆動機構とを有することを特徴とするモールド成形装置。
  7. 請求項5に記載のモールド成形装置を用いて、上記樹脂からなる電子部品のパッケージをモールド成形することを特徴とする電子部品の製造方法。
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