JP2004028504A - 工業窯炉の熱間補修方法 - Google Patents

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Kazuhiro Honda
本田 和寛
Masataka Matsuo
松尾 正孝
Kenichi Matsunobu
松延 健一
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Abstract

【課題】金属粉を添加した補修材を使用し、その金属粉の酸化発熱反応をもって補修材を溶融付着させる補修方法において、補修材の発火を防止し、しかも施工装置の小型化・簡素化を図る方法を提供する。
【解決手段】金属粉5〜30質量%、酸化銅、酸化鉄、酸化剤から選ばれる一種または二種10〜40質量%、残部が耐火性粉末を主体とする粉末状の補修材を、高温下の被施工面に対し、窒素ガス、炭酸ガスあるいは不活性ガス等の非酸素性ガスをキャリアガスとして吹付ける工業窯炉の熱間補修方法。酸化剤は、過マンガン酸カリウム、二クロム酸カリウム、または二酸化硫黄、金属粉は、純度90〜98質量%のSi金属である。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工業窯炉の耐火ライニングを熱間補修する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工業用窯炉の炉壁を高温下で補修する方法として、耐火性粉末に金属粉を添加した粉末状の補修材を、酸素ガスをキャリアガスとして高温下の被施工面に吹付け、酸素ガスの作用による金属粉の酸化反応を生じさせ、その酸化反応熱で粉末耐火物を溶融付着して補修する方法が知られている。例えば特開2000−159579号公報に見られるとおりである。
【0003】
また、特開2000−159579号公報には前記の補修方法において、キャリアガスをLPGガスと不活性ガスとの混合ガスを使用する方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、キャリアガスに酸素ガスの使用は、補修材が移送管内で発火を生じ易いという問題がある。
【0005】
補修材は移送管内を20〜70m/sec程度の高速で流通し、移送管内壁との接触で静電気を発生する。吹付け施工から一定時間が経過すると静電気の帯電量が増し、静電気の放電が火種となって、補修材に含まれる金属粉がキャリアガスの酸素ガスの雰囲気下で燃焼する。これが補修材の発火原因と考えられる。
【0006】
発火は吹付け装置の材料移送管内で発生するため、補修材が発火熱で移送管の内壁に溶融付着し、ノズルからの吐出が困難となる。
【0007】
移送管の材質は、鋼管の他に、鋼管の内壁の磨耗を防止するためにアルミナ、窒化珪素等のセラミックを内装したもの、あるいはゴムホースがある。しかし、いずれも発火防止には効果がない。
【0008】
そこで、アース線を介して静電気をアースする手段がとられているが、施工装置の移動・駆動に伴うアース線の断線、あるいは接続忘れ等が懸念され、根本的な解決策ではない。また、移送管の曲がり角度部位において、補修材料の衝突による火花の発生も確認され、発火の原因は静電気に限らない。
【0009】
一方、キャリアガスにLPGガスと不活性ガスとを併用する方法は発火の問題はない。しかし、この方法はLPGガスと不活性ガスの他に、金属粉の酸化反応に支燃性ガスとして酸素ガスを必要とし、少なくとも三種のガスを使用する。このため、ガス配管が複雑でしかも距離が長くなることから、設備が大型化し、その操作・移動が容易でなく、また設備費も高い。
【0010】
本発明は、金属粉を添加した補修材を使用し、その金属粉の酸化発熱反応をもって補修材を溶融付着させる補修方法において、補修材の発火を防止し、しかも施工装置の小型化・簡素化を図る方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決しするための手段】
補修材の発火は、可燃性物質、支燃性物質および火種の3要素が必要である。上記の従来方法において、それぞれ可燃性物質は金属粉、支燃性物質は酸素ガス、火種は静電気あるいは衝突による火花である。換言すれば、補修材の発火防止には、この3要素の少なくとも一つを取り除けば良いことになる。
【0012】
補修材の溶融付着には、可燃性物質である金属粉は不可欠である。移送管内に補修材を流通させる以上は静電気の発生は避けられず、火種を取り除くことも不可能である。また、金属粉の酸化発熱反応を得るためには、支燃性物質も必要である。
【0013】
そこで本発明者らは研究開発を進めた結果、支燃性物質として、従来の酸素ガスに換えて酸化銅、酸化鉄あるいは酸化剤を使用し、キャリアガスには非酸素性ガスを使用したところ、補修材の発火が防止されると共に、従来と同様に緻密な補修施工体が得られることを見出し、本発明を導き出すに至ったものである。
【0014】
本発明は、金属粉5〜30質量%、酸化銅、酸化鉄、酸化剤から選ばれる一種または二種以上10〜40質量%、残部が耐火性粉末を主体とする粉末状の補修材を、高温下の被施工面に対し、窒素ガス、炭酸ガスあるいは不活性ガス等の非酸素性ガスをキャリアガスとして吹付けること特徴とした工業窯炉の熱間補修方法である。
【0015】
本発明で使用する補修材は、支燃性物質となる特定量の酸化銅、酸化鉄あるいは酸化物を含むことで、被施工面に吹付けられた後、金属粉が高温雰囲気下で酸化し、その反応熱で溶融付着する。その結果、従来方法と同様の緻密な補修施工体を形成することができる。
【0016】
酸化銅あるいは酸化鉄は通常の酸化物に比べ酸素を放出しやすく、これが本発明において支燃性物質として十分な機能を果たすものと考えられる。一方、酸化剤はその本来の性質から、支燃性物質としての作用をもつ。
【0017】
補修材を移送するキャリアガスには、非酸素性ガスを使用する。移送管内において火種となる静電気の発生は避けられないが、非酸素性ガスの使用により、移送管内における補修材の発火は皆無となる。
【0018】
本発明の方法は、被施工面が炉残熱で高温状態にある熱間補修が対象となる。冷間での補修では金属粉の酸化反応が不十分であり、本発明の効果が得られない。十分な補修効果を得るには、被施工面の温度が例えば700℃以上であることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明において、補修材に使用する金属粉は、例えばSi、Al、Mg、Cr、Fe、Tiあるいはその合金のSi−Al、Mg−Al、Si−Cr、Ni−Cr等である。微粉として使用するので、反応性が高すぎるものは取り扱いにおいて安全面で好ましくない。
【0020】
金属粉は、Siの使用が好ましい。Si金属はその酸化で生成したSiOが、さらにSiO系の低融点物質を生成し、補修材の溶融付着性をより一層向上させる。
【0021】
従来の補修材もSi金属の使用が知られている。そこでのSi金属は、酸化発熱反応を促進させる観点から、従来は純度99質量%以上の高純度品が使用されている。しかし、高純度のSi金属は酸化被膜が形成されており、支燃性物質に酸素ガスを使用する従来方法と違い、粉末状の支燃性物質を使用する本発明では、酸化被膜の存在はSi金属の酸化反応性に障害となり、施工体の緻密性が低下傾向にある。
【0022】
そこで、本発明における補修材のSi金属の純度は90〜98質量%が好ましく、さらに好ましくは92〜97質量%である。この純度範囲のSi金属は、酸化皮膜が形成され難く、しかも十分な発熱反応を示すためか、緻密な補修施工体を形成することができる。
【0023】
金属粉の粒度、使用割合は従来の補修材と特に変わりない。粒度は、十分な反応性を得るために0.1mm以下が好ましく、さらに好ましくは0.075mm以下である。使用割合は、補修材に占める割合で5質量%未満では被施工面上での着火性に劣り、補修材が十分に溶融されず、補修施工体の緻密性が低下する。さらに好ましくは10〜25質量%である。30質量%を超えると酸化反応されない余剰分が増加し、それが発塵の原因となって施工時の作業性を低下する。
【0024】
酸化剤の具体例は、例えば粉末状の過マンガン酸カリウム、二クロム酸カリウム、二酸化硫黄である。また、酸化鉄の具体例としては、酸化第一鉄、酸化第二鉄、四酸化鉄である。
【0025】
これらの支燃性物質の補修材に占める割合は、10質量%未満では支燃作用が不十分なために施工体の緻密性が劣る。40質量%を超えると金属粉との未反応の余剰分が増加し、発塵を発生する。また、粒径は0.1mm以下が好ましく、さらに好ましくは0.075mm以下である。
【0026】
耐火性粉末は、例えばシリカ、アルミナ、アルミナ−シリカ、マグネシア、ドロマイト、ジルコン、ジルコニア、スピネル、クロム鉱、炭素、炭化物、窒化物あるいはそれらを主材としたレンガ屑等が使用できる。
【0027】
耐火性粉末の中では、シリカあるいはアルミナ−シリカが好ましい。その具体例は、けい砂、けい石、溶融石英、ろう石、ばん土けつ石、シリマナイト、ボーキサイト、ムライト、コージェライト、シャモット等である。これは、耐火性粉末のシリカ成分がSiO系の低融物を生成し、溶融付着性に優れるためである。
【0028】
耐火性粉末の粒径は従来の補修材と特に変わりなく、例えば3mm以下、好ましくは1mm以下とし、この範囲内で粗粒、中粒、微粒に適宜調整する。
【0029】
耐火性粉末の割合は、補修材組成において、金属粉と支燃性物質との残部を占める。好ましくは30〜85質量%である。
【0030】
キャリアガスは、窒素ガス、炭酸ガスあるいは不活性ガスを使用する。中でも経済面から、窒素ガス、アルゴンガスが好ましい。
【0031】
本発明は、例えば製鉄産業で使用されるコークス炉、転炉、取鍋、真空脱ガス炉等の熱間補修に好適である。その補修形態は何ら限定されるものではないが、内張り耐火物の損耗個所に吹付け充填する他、例えば内張り耐火物の残存が少ない場合、残存部分を取外し、この取外した個所全体を吹付け充填で再生する。
【0032】
【実施例】
以下に本発明の実施例その比較例を示す。表1は本発明実施例、表2はその比較例であり、同表には試験結果を併せて示す。
【0033】
【表1】
Figure 2004028504
【表2】
Figure 2004028504
試験ではテーブルフィダー式吹付け装置を使用し、材料タンクから切り出した補修材をキャリアガス(8Nm/h)で搬送し、シリカ質耐火物よりなる表面温度約1000℃の壁面に吹付けた。
【0034】
ノズル内における補修材の発火有無と、発塵の程度は、目視評価とした。付着性は補修材の壁面に対する付着率である。緻密性は、施工体を切り出し、JIS R 2205に準じて見掛気孔率を測定した。
【0035】
本発明の実施例はいずれも、ノズル内においての補修材の発火が見られず、発塵も殆んど発生しない。また、施工体の付着率および緻密性に優れている。
【0036】
実施例9以外の実施例は、補修材に純度を下げたSi金属粉を使用したものである。実施例9の純度99質量%に比べ、純度を下げたSiを使用した他の実施例で得られた施工体は、付着性および緻密性が更に優れている。
【0037】
これに対し、比較例1、2はキャリアガスに酸素を使用したものであり、従来方法に相当する。吹付け開始から約10分経過後、静電気による帯電のためかノズル内で補修材が発火し、施工の中断を余儀なくされた。
【0038】
比較例3はキャリアガスに窒素ガスを使用したが、補修材中の酸化銅の割合が少ないため付着性、緻密性ともに劣る。
【0039】
酸化銅の割合が多い比較例4と、Si金属の使用量が多い比較例5についても、施工体の付着性および緻密性が劣る。また、これらは、微粉の絶対量が多く、発塵が著しい。
【0040】
【効果】
例えば製鉄産業におけるコークス炉等は数年あるいは10数年の耐用が要求され、炉寿命の延長のために中間補修は不可欠である。また、その補修は熱間で行わなければならず、迅速かつ信頼度の高い効果的な補修が求められる。
【0041】
本発明はこれに応える補修方法であり、以上の実施例の試験結果が示すとおり、従来方法に見られた移送管内での補修材の発火が皆無となり、しかも施工体の付着性および緻密性もそん色がない。また、施工装置の小型化・簡素化を図ることができ、設備費の低減に加え、ハンドリングの良さから迅速な施工を可能にする。

Claims (3)

  1. 金属粉5〜30質量%、酸化銅、酸化鉄、酸化剤から選ばれる一種または二種10〜40質量%、残部が耐火性粉末を主体とする粉末状の補修材を、高温下の被施工面に対し、窒素ガス、炭酸ガスあるいは不活性ガス等の非酸素性ガスをキャリアガスとして吹付けること特徴とした工業窯炉の熱間補修方法。
  2. 酸化剤が、過マンガン酸カリウム、二クロム酸カリウム、または二酸化硫黄である請求項1記載の工業窯炉の熱間補修方法。
  3. 金属粉が、純度90〜98質量%のSi金属である請求項1または2記載の工業窯炉の熱間補修方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011207702A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Kurosaki Harima Corp 焼付け補修材
CN106148635A (zh) * 2015-03-31 2016-11-23 鞍钢股份有限公司 一种转炉球缺部位修复方法
CN110395997A (zh) * 2018-07-31 2019-11-01 山东科宇能源有限公司 煅烧炉罐壁修补剂配方及在线修补方法

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