JP2004028140A - 軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸に対する内輪の偏心を抑えることで、加工精度を必要以上に高める必要のない軸受装置を提供する。
【解決手段】軸受装置10は、軸12に沿って同軸配置された第1軸受部15および第2軸受部25を有し、第1軸受部15の内側軌道13が軸12に形成されているとともに、第2軸受部25の内側軌道27が軸12に嵌合された内輪26に形成され、かつ、第1軸受部15および第2軸受部25間に予圧を付与するためのコイルばね35が介装されている。この軸受装置10は、軸12と内輪26との嵌合部位33が、軸12の軸線45と、第2軸受部25における接触角αの延長線46との交点47を通過する径方向平面に対応した位置であるように構成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】軸受装置10は、軸12に沿って同軸配置された第1軸受部15および第2軸受部25を有し、第1軸受部15の内側軌道13が軸12に形成されているとともに、第2軸受部25の内側軌道27が軸12に嵌合された内輪26に形成され、かつ、第1軸受部15および第2軸受部25間に予圧を付与するためのコイルばね35が介装されている。この軸受装置10は、軸12と内輪26との嵌合部位33が、軸12の軸線45と、第2軸受部25における接触角αの延長線46との交点47を通過する径方向平面に対応した位置であるように構成されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は軸受装置に係り、例えばVTRやテープストリーマ用のドラムスピンドルモータ、LBP用モータやHDDモータなどのディスクメモリスピンドルモータ、HDDのスイングアームの回転支持部やその他のモータに組み込まれる軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばVTRやテープストリーマ用のドラムスピンドルモータには、そのスピンドルを支承する軸受として、特開昭62−22223号公報「回転ヘッド装置」に示すような軸受装置が組み込まれている。
【0003】
この軸受装置は、一例としてスピンドルモータ(図示せず)のスピンドル(以下、「軸」という)に沿って同軸配置された第1軸受部および第2軸受部を有している。
第1軸受部は、内側軌道が前記軸の外周に形成されるとともに、第2軸受部は、内側軌道が前記軸に嵌合された内輪に形成されている。
そして、第1軸受部および第2軸受部間にはコイルばねが介装され、このコイルばねで第1軸受部および第2軸受部に予圧が付与されている。
【0004】
第1軸受部の内側軌道を軸の外周に形成することで、軸に内輪を嵌め込む第2軸受部と比較すると、軸と内輪との間の隙間をなくすことができる。よって、第1軸受部の軸振れを抑えることができ、精度を高めることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したように第2軸受部は、軸に嵌め込んだ内輪で内側軌道を形成し、内輪をばねで押して予圧付与しているので、軸と内輪との嵌め合いを比較的ルーズにする必要がある。
軸と内輪との嵌め合いが比較的ルーズになると、軸に対する内輪の振れが発生する虞れがある。その結果、軸芯に対してハウジングがラジアル方向に偏芯して振れ周るため、回転精度を低下させるという問題点を有していた。また、外輪が半径方向に傾かないように各部を高精度に研削加工する必要があることから、コストの低減を図ることが困難であった。
【0006】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転精度の向上とコストの低減を図ることにできる軸受装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載したように、軸に沿って同軸配置された第1軸受部および第2軸受部を有し、前記第1軸受部の内側軌道が前記軸に形成されているとともに、前記第2軸受部の内側軌道が前記軸に嵌合された内輪に形成され、かつ、前記第1軸受部および前記第2軸受部間に予圧を付与するためのコイルばねが介装された軸受装置であって、前記軸と前記内輪との嵌合位置が、前記軸の軸線と、前記第2軸受部における接触角の延長線との交点を通過する径方向平面に対応した位置であることを特徴とする。
【0008】
このように構成された軸受装置においては、軸の軸線と、第2軸受部における接触角の延長線との交点を通過する径方向平面に対応した位置を、軸と内輪とが嵌合する嵌合位置とした。
これにより、第2軸受部の内輪を軸に嵌め込んだ際に、軸に対する内輪の傾きによる振れを抑えることができる。
【0009】
また、本発明においては、請求項2に記載したように、前記第1軸受部における外輪の外径寸法が前記第2軸受部における外輪の外径寸法よりも小さいことを特徴とする。
【0010】
第1軸受部における外輪の外径寸法を第2軸受部における外輪の外径寸法よりも小さくすることで、第1、第2軸受部に嵌め込むフランジの嵌合孔のうち、第2軸受部に対応する部位を拡径部とできる。
よって、嵌合孔に段部を設けることができ、第2軸受部を拡径部に嵌め込む際に、拡径部の段部に第2軸受部を当てることで、第2軸受部を簡単に正規の位置に位置決めすることができる。
【0011】
また、本発明においては、請求項3に記載したように、前記第1軸受部における転動体と、前記第2軸受部における転動体とが同一寸法であることを特徴とする。
【0012】
第1軸受部の転動体と第2軸受部の転動体とを同一寸法とすることで、第1、第2軸受部のそれぞれの転動体を同一部材で構成できる。よって、第1、第2軸受部のそれぞれの転動体を共用でき、部品点数を減らすことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施形態において、既に図1〜図2において説明した部材等については、図中に同一符号あるいは相当符号を付すことにより説明を簡略化あるいは省略する。
【0014】
図1に示すように、第1実施形態の軸受装置10は、一例としてVTRやテープストリーマ用のドラムスピンドルモータ(図示せず)の軸12に沿って同軸配置された第1軸受部15および第2軸受部25を有し、第1軸受部15の内側軌道13が軸12の外周に形成されているとともに、第2軸受部25の内側軌道27が軸12に嵌合された内輪26に形成され、かつ、第1軸受部15および第2軸受部25間に予圧を付与するためのコイルばね35が介装されている。
この軸受装置10は、第1、第2軸受部15,25が、例えばドラム40などの嵌合孔41に嵌め込まれて使用される。
【0015】
また、図2に示すように軸受装置10は、軸12と内輪26との嵌合部位33(嵌合位置)が、軸12の軸線45と、第2軸受部25における接触角αの延長線46との交点47を通過する径方向平面に対応した位置に決定されている。
軸12は、嵌合部位33の上方外周に内輪26の内径より小径の上小径部14Aが形成され、嵌合部位33の下方外周に内輪26の内径より小径の下小径部14Bが形成されている。これにより、内輪26と軸12との当接部を嵌合部位33のみにすることができる。
【0016】
このように、嵌合部位33を形成するとともに、嵌合部位33の上下にそれぞれ上下の小径部14A,14Bを形成することで、第2軸受部25の内輪26が軸12の軸線45に対し傾いても、外輪28の偏心が極小となることから、ドラム40に対して軸12が偏心して振れ周ることがない。
このことから、内輪26が軸12に対して傾かないように加工精度を高める必要がないので、コストの低減を図ることができる。
【0017】
第1軸受部15は、ドラム40の嵌合孔41に嵌め込まれた外輪16と、この外輪16と内側軌道13との間に配置される複数個の転動体17と、複数個の転動体17を保持する保持器18と、潤滑剤を軸受内に保持するシール部材19およびばね座21とを備える。
内側軌道13は、軸12の外周に転動体17の外形に倣わせて断面円弧形に形成された環状の湾曲凹部である。
【0018】
第2軸受部25は、軸12に嵌め込まれた内輪26と、ドラム40の嵌合孔41のうちの拡径部42に嵌め込まれる外輪28(図1も参照)と、内輪26と外輪28との間に配置される複数個の転動体29と、複数個の転動体29を保持する保持器31と、潤滑剤を軸受内に保持するシール部材32とを備える。
【0019】
第1軸受部15の外輪16は、その外径寸法が第2軸受部25の外輪27の外径寸法よりも小さく設定されている。
よって、第1、第2軸受部15,25に嵌め込むフランジ40の嵌合孔41のうち、第2軸受部25に対応する部位を拡径部42とできる。これにより、嵌合孔42に段部43を設けることができ、第2軸受部25を拡径部42に嵌め込む際に、拡径部42の段部43に第2軸受部25を当てることで、軸受装置10を簡単に正規の位置に位置決めすることができる。
【0020】
また、第1軸受部15の転動体17と、第2軸受部25の転動体29とは同一寸法に設定されている。
よって、第1、第2軸受部15,25のそれぞれの転動体を同一部材で構成できる。このように、第1、第2軸受部15,25のそれぞれの転動体を共用できるので、部品点数を減らしてコストの低減を図ることができる。
【0021】
第1、第2軸受部15,25間にはコイルばね35が配置され、コイルばね35の一端36が第1軸受部15のばね座21に当接するとともに、コイルばね35の他端37が第2軸受部25のシール部材32に当接されている。
これにより、第1軸受部15および第2軸受部25間にアキシアル方向の予圧を付与することができる。
【0022】
このコイルばね35は、第1軸受部15側、すなわち一端36側が小径に形成されるとともに、第2軸受部25側、すなわち他端37側が大径に形成され、一端36側から他端37側に向けて径が漸次大きくなるようにテーパ状に形成されている。以下、コイルばね35をテーパ状に形成した理由を説明する。
【0023】
すなわち、軸受装置10を組み付ける際には、軸12に形成した内側軌道13に、外輪16、複数個の転動体17、保持器18をセットするとともに潤滑剤を封入し、その後シール部材19およびばね座21で潤滑剤をシールする。
次に、コイルばね35をセットした後、第2軸受部25の内輪26の内側軌道外に、外輪28、複数個の転動体29、保持器31をセットするとともに潤滑剤を封入し、その後、シール部材32で潤滑剤をシールした内輪26を軸12に嵌め込む。
【0024】
このように、コイルばね35をテーパ状にすることで、第2軸受部25側のばね座をシールド板の凹部で兼ねることができ、コストの低減を図ることができる。
【0025】
加えて、第2軸受部25の内側軌道を軸12に嵌合した内輪26に形成することで、軸受装置10の組立て性を高めることができる。
さらに、第1軸受部15の内側軌道13を軸12の外周に形成することで、第1軸受部15の外輪16の外径を小径にして負荷容量を大きくすることが可能である。
【0026】
次に、第2実施形態を図3に基づいて説明する。なお、第2実施形態において第1実施形態と同一部材については同一符号を付して説明を省略する。
図3に示すように、第2実施形態の軸受装置50は、第1、第2軸受部15,25間に配置したコイルばね55が太鼓状に形成されている点で第1実施形態と相違する。
【0027】
すなわち、コイルばね55は、第1軸受部15側の一端56が小径に形成されるとともに、第2軸受部25側の他端57が小径に形成され、中央部58が大径に形成されている。
第1軸受部15にはコイルばね55の一端56が当接するばね座21が設けられるとともに、第2軸受部25にはコイルばね55の他端57が当接するばね座61が設けられている。
【0028】
また、第1、第2軸受部15,25間に介在させるコイルばねは、太鼓状に形成したコイルばね55に代えて、一端から他端までを同一小径に形成したストレート状のコイルばねを使用することも可能である。
【0029】
なお、前記実施形態では、軸受装置10を、VTRやテープストリーマ用のドラムスピンドルモータの軸12に適用する例について説明したが、これに限らないで、例えばLBP用モータやHDDモータなどのディスクメモリスピンドルモータ、HDDのスイングアームの回転支持部やその他のモータに組み込むことも可能である。
【0030】
さらに、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能であり、前述した各実施形態において例示した軸12、第1、第2軸受部15,25、コイルばね35,55等の材質,形状,寸法,形態,数,配置個所,厚さ寸法等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0031】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、請求項1に記載したように、軸の軸線と、第2軸受部における接触角の延長線との交点を通過する径方向平面に対応した位置を、軸と内輪とが嵌合する嵌合位置とした。
【0032】
これにより、第2軸受部の内輪を軸に嵌め込んだ際に、軸に対する内輪の偏心を抑えることができる。加えて、第2軸受部の内輪が軸に対して僅かに傾いた場合でも、第2軸受部の外輪の偏心を極小に抑え、軸振れを極小に抑えることができる。
従って、内輪が軸に対して傾かないように、加工精度を必要以上に高めなくてもよいので、コストの低減を図ることができる。
【0033】
また、請求項2に記載したように、第1軸受部における外輪の外径寸法を第2軸受部における外輪の外径寸法よりも小さくすることで、第1、第2軸受部に嵌め込むフランジの嵌合孔のうち、第2軸受部に対応する部位を拡径部とできる。
【0034】
これにより、嵌合孔に段部を設けることができ、第2軸受部を拡径部に嵌め込む際に、拡径部の段部に第2軸受部を当てることで、第2軸受部を簡単に正規の位置に位置決めすることができる。従って、軸受装置を手間をかけないで簡単に組み付けることができる。
【0035】
また、請求項3に記載したように、第1軸受部の転動体と第2軸受部の転動体とを同一寸法とすることで、第1、第2軸受部のそれぞれの転動体を同一部材で構成できる。
このように、第1、第2軸受部のそれぞれの転動体を共用できるので、部品点数を減らしてコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軸受装置の第1実施形態をハウジングに組み込んだ状態を示す断面図である。
【図2】本発明に係る軸受装置の第1実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明に係る軸受装置の第2実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 軸受装置
12 軸
13 内側軌道
15 第1軸受部
25 第2軸受部
26 内輪
27 内側軌道
33 嵌合部位(嵌合位置)
35,55 コイルばね
45 軸線
46 延長線
47 交点
α 接触角
【発明の属する技術分野】
本発明は軸受装置に係り、例えばVTRやテープストリーマ用のドラムスピンドルモータ、LBP用モータやHDDモータなどのディスクメモリスピンドルモータ、HDDのスイングアームの回転支持部やその他のモータに組み込まれる軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばVTRやテープストリーマ用のドラムスピンドルモータには、そのスピンドルを支承する軸受として、特開昭62−22223号公報「回転ヘッド装置」に示すような軸受装置が組み込まれている。
【0003】
この軸受装置は、一例としてスピンドルモータ(図示せず)のスピンドル(以下、「軸」という)に沿って同軸配置された第1軸受部および第2軸受部を有している。
第1軸受部は、内側軌道が前記軸の外周に形成されるとともに、第2軸受部は、内側軌道が前記軸に嵌合された内輪に形成されている。
そして、第1軸受部および第2軸受部間にはコイルばねが介装され、このコイルばねで第1軸受部および第2軸受部に予圧が付与されている。
【0004】
第1軸受部の内側軌道を軸の外周に形成することで、軸に内輪を嵌め込む第2軸受部と比較すると、軸と内輪との間の隙間をなくすことができる。よって、第1軸受部の軸振れを抑えることができ、精度を高めることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したように第2軸受部は、軸に嵌め込んだ内輪で内側軌道を形成し、内輪をばねで押して予圧付与しているので、軸と内輪との嵌め合いを比較的ルーズにする必要がある。
軸と内輪との嵌め合いが比較的ルーズになると、軸に対する内輪の振れが発生する虞れがある。その結果、軸芯に対してハウジングがラジアル方向に偏芯して振れ周るため、回転精度を低下させるという問題点を有していた。また、外輪が半径方向に傾かないように各部を高精度に研削加工する必要があることから、コストの低減を図ることが困難であった。
【0006】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転精度の向上とコストの低減を図ることにできる軸受装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載したように、軸に沿って同軸配置された第1軸受部および第2軸受部を有し、前記第1軸受部の内側軌道が前記軸に形成されているとともに、前記第2軸受部の内側軌道が前記軸に嵌合された内輪に形成され、かつ、前記第1軸受部および前記第2軸受部間に予圧を付与するためのコイルばねが介装された軸受装置であって、前記軸と前記内輪との嵌合位置が、前記軸の軸線と、前記第2軸受部における接触角の延長線との交点を通過する径方向平面に対応した位置であることを特徴とする。
【0008】
このように構成された軸受装置においては、軸の軸線と、第2軸受部における接触角の延長線との交点を通過する径方向平面に対応した位置を、軸と内輪とが嵌合する嵌合位置とした。
これにより、第2軸受部の内輪を軸に嵌め込んだ際に、軸に対する内輪の傾きによる振れを抑えることができる。
【0009】
また、本発明においては、請求項2に記載したように、前記第1軸受部における外輪の外径寸法が前記第2軸受部における外輪の外径寸法よりも小さいことを特徴とする。
【0010】
第1軸受部における外輪の外径寸法を第2軸受部における外輪の外径寸法よりも小さくすることで、第1、第2軸受部に嵌め込むフランジの嵌合孔のうち、第2軸受部に対応する部位を拡径部とできる。
よって、嵌合孔に段部を設けることができ、第2軸受部を拡径部に嵌め込む際に、拡径部の段部に第2軸受部を当てることで、第2軸受部を簡単に正規の位置に位置決めすることができる。
【0011】
また、本発明においては、請求項3に記載したように、前記第1軸受部における転動体と、前記第2軸受部における転動体とが同一寸法であることを特徴とする。
【0012】
第1軸受部の転動体と第2軸受部の転動体とを同一寸法とすることで、第1、第2軸受部のそれぞれの転動体を同一部材で構成できる。よって、第1、第2軸受部のそれぞれの転動体を共用でき、部品点数を減らすことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施形態において、既に図1〜図2において説明した部材等については、図中に同一符号あるいは相当符号を付すことにより説明を簡略化あるいは省略する。
【0014】
図1に示すように、第1実施形態の軸受装置10は、一例としてVTRやテープストリーマ用のドラムスピンドルモータ(図示せず)の軸12に沿って同軸配置された第1軸受部15および第2軸受部25を有し、第1軸受部15の内側軌道13が軸12の外周に形成されているとともに、第2軸受部25の内側軌道27が軸12に嵌合された内輪26に形成され、かつ、第1軸受部15および第2軸受部25間に予圧を付与するためのコイルばね35が介装されている。
この軸受装置10は、第1、第2軸受部15,25が、例えばドラム40などの嵌合孔41に嵌め込まれて使用される。
【0015】
また、図2に示すように軸受装置10は、軸12と内輪26との嵌合部位33(嵌合位置)が、軸12の軸線45と、第2軸受部25における接触角αの延長線46との交点47を通過する径方向平面に対応した位置に決定されている。
軸12は、嵌合部位33の上方外周に内輪26の内径より小径の上小径部14Aが形成され、嵌合部位33の下方外周に内輪26の内径より小径の下小径部14Bが形成されている。これにより、内輪26と軸12との当接部を嵌合部位33のみにすることができる。
【0016】
このように、嵌合部位33を形成するとともに、嵌合部位33の上下にそれぞれ上下の小径部14A,14Bを形成することで、第2軸受部25の内輪26が軸12の軸線45に対し傾いても、外輪28の偏心が極小となることから、ドラム40に対して軸12が偏心して振れ周ることがない。
このことから、内輪26が軸12に対して傾かないように加工精度を高める必要がないので、コストの低減を図ることができる。
【0017】
第1軸受部15は、ドラム40の嵌合孔41に嵌め込まれた外輪16と、この外輪16と内側軌道13との間に配置される複数個の転動体17と、複数個の転動体17を保持する保持器18と、潤滑剤を軸受内に保持するシール部材19およびばね座21とを備える。
内側軌道13は、軸12の外周に転動体17の外形に倣わせて断面円弧形に形成された環状の湾曲凹部である。
【0018】
第2軸受部25は、軸12に嵌め込まれた内輪26と、ドラム40の嵌合孔41のうちの拡径部42に嵌め込まれる外輪28(図1も参照)と、内輪26と外輪28との間に配置される複数個の転動体29と、複数個の転動体29を保持する保持器31と、潤滑剤を軸受内に保持するシール部材32とを備える。
【0019】
第1軸受部15の外輪16は、その外径寸法が第2軸受部25の外輪27の外径寸法よりも小さく設定されている。
よって、第1、第2軸受部15,25に嵌め込むフランジ40の嵌合孔41のうち、第2軸受部25に対応する部位を拡径部42とできる。これにより、嵌合孔42に段部43を設けることができ、第2軸受部25を拡径部42に嵌め込む際に、拡径部42の段部43に第2軸受部25を当てることで、軸受装置10を簡単に正規の位置に位置決めすることができる。
【0020】
また、第1軸受部15の転動体17と、第2軸受部25の転動体29とは同一寸法に設定されている。
よって、第1、第2軸受部15,25のそれぞれの転動体を同一部材で構成できる。このように、第1、第2軸受部15,25のそれぞれの転動体を共用できるので、部品点数を減らしてコストの低減を図ることができる。
【0021】
第1、第2軸受部15,25間にはコイルばね35が配置され、コイルばね35の一端36が第1軸受部15のばね座21に当接するとともに、コイルばね35の他端37が第2軸受部25のシール部材32に当接されている。
これにより、第1軸受部15および第2軸受部25間にアキシアル方向の予圧を付与することができる。
【0022】
このコイルばね35は、第1軸受部15側、すなわち一端36側が小径に形成されるとともに、第2軸受部25側、すなわち他端37側が大径に形成され、一端36側から他端37側に向けて径が漸次大きくなるようにテーパ状に形成されている。以下、コイルばね35をテーパ状に形成した理由を説明する。
【0023】
すなわち、軸受装置10を組み付ける際には、軸12に形成した内側軌道13に、外輪16、複数個の転動体17、保持器18をセットするとともに潤滑剤を封入し、その後シール部材19およびばね座21で潤滑剤をシールする。
次に、コイルばね35をセットした後、第2軸受部25の内輪26の内側軌道外に、外輪28、複数個の転動体29、保持器31をセットするとともに潤滑剤を封入し、その後、シール部材32で潤滑剤をシールした内輪26を軸12に嵌め込む。
【0024】
このように、コイルばね35をテーパ状にすることで、第2軸受部25側のばね座をシールド板の凹部で兼ねることができ、コストの低減を図ることができる。
【0025】
加えて、第2軸受部25の内側軌道を軸12に嵌合した内輪26に形成することで、軸受装置10の組立て性を高めることができる。
さらに、第1軸受部15の内側軌道13を軸12の外周に形成することで、第1軸受部15の外輪16の外径を小径にして負荷容量を大きくすることが可能である。
【0026】
次に、第2実施形態を図3に基づいて説明する。なお、第2実施形態において第1実施形態と同一部材については同一符号を付して説明を省略する。
図3に示すように、第2実施形態の軸受装置50は、第1、第2軸受部15,25間に配置したコイルばね55が太鼓状に形成されている点で第1実施形態と相違する。
【0027】
すなわち、コイルばね55は、第1軸受部15側の一端56が小径に形成されるとともに、第2軸受部25側の他端57が小径に形成され、中央部58が大径に形成されている。
第1軸受部15にはコイルばね55の一端56が当接するばね座21が設けられるとともに、第2軸受部25にはコイルばね55の他端57が当接するばね座61が設けられている。
【0028】
また、第1、第2軸受部15,25間に介在させるコイルばねは、太鼓状に形成したコイルばね55に代えて、一端から他端までを同一小径に形成したストレート状のコイルばねを使用することも可能である。
【0029】
なお、前記実施形態では、軸受装置10を、VTRやテープストリーマ用のドラムスピンドルモータの軸12に適用する例について説明したが、これに限らないで、例えばLBP用モータやHDDモータなどのディスクメモリスピンドルモータ、HDDのスイングアームの回転支持部やその他のモータに組み込むことも可能である。
【0030】
さらに、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能であり、前述した各実施形態において例示した軸12、第1、第2軸受部15,25、コイルばね35,55等の材質,形状,寸法,形態,数,配置個所,厚さ寸法等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0031】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、請求項1に記載したように、軸の軸線と、第2軸受部における接触角の延長線との交点を通過する径方向平面に対応した位置を、軸と内輪とが嵌合する嵌合位置とした。
【0032】
これにより、第2軸受部の内輪を軸に嵌め込んだ際に、軸に対する内輪の偏心を抑えることができる。加えて、第2軸受部の内輪が軸に対して僅かに傾いた場合でも、第2軸受部の外輪の偏心を極小に抑え、軸振れを極小に抑えることができる。
従って、内輪が軸に対して傾かないように、加工精度を必要以上に高めなくてもよいので、コストの低減を図ることができる。
【0033】
また、請求項2に記載したように、第1軸受部における外輪の外径寸法を第2軸受部における外輪の外径寸法よりも小さくすることで、第1、第2軸受部に嵌め込むフランジの嵌合孔のうち、第2軸受部に対応する部位を拡径部とできる。
【0034】
これにより、嵌合孔に段部を設けることができ、第2軸受部を拡径部に嵌め込む際に、拡径部の段部に第2軸受部を当てることで、第2軸受部を簡単に正規の位置に位置決めすることができる。従って、軸受装置を手間をかけないで簡単に組み付けることができる。
【0035】
また、請求項3に記載したように、第1軸受部の転動体と第2軸受部の転動体とを同一寸法とすることで、第1、第2軸受部のそれぞれの転動体を同一部材で構成できる。
このように、第1、第2軸受部のそれぞれの転動体を共用できるので、部品点数を減らしてコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軸受装置の第1実施形態をハウジングに組み込んだ状態を示す断面図である。
【図2】本発明に係る軸受装置の第1実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明に係る軸受装置の第2実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 軸受装置
12 軸
13 内側軌道
15 第1軸受部
25 第2軸受部
26 内輪
27 内側軌道
33 嵌合部位(嵌合位置)
35,55 コイルばね
45 軸線
46 延長線
47 交点
α 接触角
Claims (3)
- 軸に沿って同軸配置された第1軸受部および第2軸受部を有し、前記第1軸受部の内側軌道が前記軸に形成されているとともに、前記第2軸受部の内側軌道が前記軸に嵌合された内輪に形成され、かつ、前記第1軸受部および前記第2軸受部間に予圧を付与するためのコイルばねが介装された軸受装置であって、
前記軸と前記内輪との嵌合位置が、前記軸の軸線と、前記第2軸受部における接触角の延長線との交点を通過する径方向平面に対応した位置であることを特徴とする軸受装置。 - 前記第1軸受部における外輪の外径寸法が前記第2軸受部における外輪の外径寸法よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載した軸受装置。
- 前記第1軸受部における転動体と、前記第2軸受部における転動体とが同一寸法であることを特徴とする請求項1に記載した軸受装置。
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WO2019004159A1 (ja) * | 2017-06-30 | 2019-01-03 | ダイキン工業株式会社 | モータの軸受構造、モータ、および、空気調和機の室内機 |
JP2019011819A (ja) * | 2017-06-30 | 2019-01-24 | ダイキン工業株式会社 | モータの軸受構造、モータ、および、空気調和機の室内機 |
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