JP2004027284A - マグネシウム合金成形品の表面処理方法 - Google Patents

マグネシウム合金成形品の表面処理方法 Download PDF

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荒木 克之
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Abstract

【解決手段】酢酸を0.1〜50重量%含む水溶液をエッチング工程に使用することを特徴とするマグネシウム合金成形品の表面処理方法、および当該方法により得られる表面処理マグネシウム合金成形品。
【効果】本発明により表面処理したマグネシウム合金成形品は表面粗度が小さく、従って外観、耐食性にすぐれ、塗装密着性が向上し、表面抵抗値が低減できる。また、エッチング工程コストが低減できる。更に、酢酸は生分解性が良好なため、環境への負荷が小さく、廃液処理も活性汚泥処理で行える。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マグネシウム合金成形品の塗装前の表面処理方法、および表面処理マグネシウム合金成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、マグネシウム合金成形品には、塗装前に耐食性や塗装密着性を向上させるために、表面処理(化成処理)が施される。表面処理の基本工程は、図1に示すように、(1)前脱脂工程、(2)エッチング工程、(3)脱スマット工程、(4)表面調整工程、(5)化成皮膜形成工程からなり、各工程の間に水洗工程がある。
化成皮膜形成工程でどのような処理液を用いるかによって、表面処理方法の特徴が決まる。従来、化成皮膜形成工程としては、大別してクロメート処理とノンクロメート処理がある。最近では環境への配慮から、主流はクロメート処理から有害金属であるクロムを含まないノンクロメート処理へと移行しつつある。
ノンクロメート処理の例として、リン酸マンガン、リン酸カルシウム、リン酸鉄、リン酸亜鉛など、主にリン酸塩を用いた処理液が開発されてきたが、更に最近では、これらの処理液とは異なり重金属を含まない有機皮膜系の処理液が開発されている。
【0003】
化成皮膜形成工程に有機皮膜系の処理液を用いるマグネシウム合金成形品の表面処理工程について、図1を参照して説明する。マグネシウム合金成形品の表面に付着した油分を除去するための(1)前脱脂工程では、アルカリ溶液を用いることが多いが、(2)のエッチング工程がこれを兼ねて、省略されることもある。(2)のエッチング工程では、酸性溶液によりマグネシウム合金成形品の表面に付着した離型剤を、これを含む表面層ごと除去する。(3)の脱スマット工程では、(2)のエッチング工程で生じた表面酸化物(スマット)を、アルカリ溶液に浸漬することで除去する。(4)の表面調整工程では、(3)の脱スマット工程で使用したアルカリ溶液を完全に洗浄するとともに、次の工程で付与される化成皮膜と親和力の高い表面状態を創生する。次に(5)の化成皮膜形成工程で化成皮膜を該成形品に付与し、湿潤環境に対する耐食性を向上させ、または塗装密着性を向上させる。
【0004】
上記の表面処理工程において、(2)のエッチング工程は重要である。即ち、この工程でなされた成形品表層の除去が均一でないと、表面処理品そのもののムラにつながる。また、エッチングが強すぎると耐食性が悪くなり、エッチングが不足すると塗装密着不良や表面抵抗値の上昇を招く。そのため、マイルドな(即ち、表面を荒らさない)エッチングを行う薬液のほうが扱いやすい。また、マグネシウムと反応してマグネシウムを溶かしこむ工程であるため、薬液の劣化が最も激しく、表面処理のコストの大半を占める工程である。
【0005】
従来のエッチング液には酒石酸のような有機酸、リン酸塩系、縮合リン酸化合物などがある。これらの中で、縮合リン酸化合物はマイルドなエッチングを行うタイプのもので、取り扱いは容易であるが、多量の反応生成物(スラッジ)ができるため、スラッジ処理が必要となるとともに、薬液の劣化が早く、エッチング工程のコストを割高にしていた。一方、酒石酸をエッチング液に用いた場合は、エッチング力が強すぎるため、成形品表面を荒らしやすい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、マグネシウム合金成形品の表面処理において、マグネシウム合金成形品に対してマイルドなエッチングを行い、環境負荷が小さく、かつ低コストのエッチング工程を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、酢酸を0.1〜50重量%含む水溶液をエッチング工程に使用することを特徴とするマグネシウム合金成形品の表面処理方法を提供するものである。
本発明はまた、酢酸を0.1〜50重量%含む水溶液をエッチング工程に使用することを特徴とする表面処理方法により製造された表面処理マグネシウム合金成形品を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
エッチング工程で使用するエッチング液は、酢酸を0.1〜50重量%、好ましくは5〜20重量%、特に好ましくは7〜15重量%含む水溶液である。酢酸は、80重量%以下の濃度であれば引火性物質とならず、取り扱い易く、生分解性も良いため、環境への負荷も小さい。また、マグネシウムと反応する際も、マグネシウム合金成形品表面の荒れは小さい。
エッチング工程は通常5〜40℃、好ましくは10〜25℃の酢酸水溶液に、0.1〜10分、好ましくは1〜5分浸漬することにより行われる。浸漬処理槽に吸引装置を設置して、酢酸の蒸気を引き抜くことにより、酢酸の使用に伴う臭いを解消することができる。
【0009】
エッチング工程の後、水洗した後、脱スマット工程で、エッチングにより生成したスマット(表面酸化物)をアルカリ溶液、例えば水酸化カリウムの水溶液、に浸漬することにより除去する。
次いで、水洗後、表面調整工程で、脱スマット工程で使用したアルカリ溶液を市販の薬液、例えばMG100A(大塚化学製、主成分:界面活性剤)などで洗浄する。
次いで、水洗後、化成皮膜形成工程に付す。化成皮膜形成には、クロム又は重金属類を含む無機系皮膜の処理液も使用できるが、ノンクロム、ノン重金属系である有機皮膜系の処理液を用いるのが、環境負荷を低減する観点から好ましい。かかる有機皮膜系の処理液としては、市販のMG200B(大塚化学製、ヒドラジン誘導体を主成分とする混合物)などが使用できる。
【0010】
表面粗度Ra=0.5〜0.8のマグネシウム合金成形品を、エッチング工程で酢酸を使用して表面処理した場合、非接触式のレーザー変位計により測定すると、図2で示すような表面形状となる。このときの表面粗度はRa=0.7〜1.2である。リン酸でエッチングした場合の表面粗度Ra=約2.5、市販エッチング液である縮合リン酸化合物系でエッチングした場合の表面粗度Ra=約1.6以上と比べて、表面粗度が小さくなっている。エッチング後の表面粗度が小さい表面処理成形品は、凹凸が少ないため、塗装後の外観が良いばかりでなく、耐食性にも優れている。また、成形品のどの部位も均一にエッチングが行われているため、表面処理状態が良いので、塗装密着性も良好であり、得られた表面処理成形品の表面抵抗値は低い。
【0011】
【実施例】
本発明を実施例により説明する。
実施例1および比較例1
マグネシウム合金製平板(寸法:幅50×長さ75×厚さ2mm、表面粗度Ra=0.58)を、表1に示す条件で表面処理した(実施例1)。
【0012】
【表1】
Figure 2004027284
【0013】
エッチング液は、エッチング液1kg当たりマグネシウム合金製平板1.32mを処理するまで使用した時点で交換した。エッチング時に生成するスマットは通常の水酸化マグネシウムであるため、一般の脱スマット液(アルカリ溶液)でも脱スマットは可能である。表面調整工程には、市販薬液MG100A(大塚化学製、主成分:界面活性剤)を使用した。化成皮膜形成工程には、市販のノンクロム系薬品であるMG200B(大塚化学製、主成分:ヒドラジン誘導体)の10%溶液を使用した。表1に示す手順で表面処理された処理品の表面粗度Raは0.79であった。
比較例として、エッチング液として市販のMGE200(大塚化学製、縮合リン酸化合物)を使用して、その他は上記と同様の表面処理をマグネシウム合金製平板に行った(比較例1)。
実施例1および比較例1の表面処理したマグネシウム合金製平板の基本的特性を表2に示す。
【0014】
【表2】
Figure 2004027284
【0015】
:ASTM B117に基づき測定。5%塩化ナトリウム水溶液を24時間連続噴霧した後、測定する。
**:塗装後、塗装面に1mm幅の10×10マスの碁盤目をカッターで入れ、セロハンテープで剥離試験を行った。
***:塗装後、塗装品を60℃の湯に4時間浸漬し、取り出した後、水分を軽くふきとって30分間自然乾燥させ、塗装密着性(一次)と同様の剥離試験を行った。
【0016】
表2から、本発明による表面処理品は、いずれの項目においても従来品である比較例1の表面処理品と同等又はそれ以上であり、特に表面粗度において大きく改善されていた。
【0017】
比較例2
エッチング液として5%の酒石酸水溶液を用いる以外は、実施例1と同様にしてマグネシウム合金製平板の表面処理を行った。その結果、表面粗度Ra=2.54、表面抵抗値は0.2〜0.8Ω・cmであった。
【0018】
本発明の表面処理方法をモデルラインで連続試験した結果、市販エッチング薬液の一般的な交換時期と同程度の処理量をエッチング処理した後でもエッチング力は低下しておらず、発生したスラッジなどの懸濁物は通常のフィルターで除去できる範囲であった。このときのエッチング薬液製造コストを試算したところ、市販薬液の10分の1以下であり、付帯設備の簡易さなどから更なるコストダウンが望める。
【0019】
【発明の効果】
エッチング工程に酢酸を使用しているため、表面処理成形品の表面粗度Ra=0.7〜1.2程度になり、外観意匠性、耐食性にすぐれた製品が供給可能である。また、エッチングが均一であるため表面処理性が良く、これにより塗装密着性が向上し、表面抵抗値が低減できる。安価な酢酸を使用するため、エッチング薬液コストを10分の1以下に低減できる。また、酢酸は生分解性が良好なため、環境への負荷が小さく、廃液処理も活性汚泥処理で行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】マグネシウム合金成形品の表面処理方法のフローチャートである。
【図2】本発明により表面処理されたマグネシウム合金成形品の表面形状を示す図面である。

Claims (2)

  1. 酢酸を0.1〜50重量%含む水溶液をエッチング工程に使用することを特徴とするマグネシウム合金成形品の表面処理方法。
  2. 酢酸を0.1〜50重量%含む水溶液をエッチング工程に使用することを特徴とする表面処理方法により製造された表面処理マグネシウム合金成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010285660A (ja) * 2009-06-12 2010-12-24 Taiho Kogyo Co Ltd マグネシウム合金へのすずめっき方法及びマグネシウム合金のエッチング液
JP2012107285A (ja) * 2010-11-16 2012-06-07 Sumitomo Electric Ind Ltd マグネシウム合金部材
US20190047018A1 (en) * 2017-08-11 2019-02-14 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Component for a motor vehicle, and method for producing a coated component from a magnesium material

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