JP2004027147A - 建築用組成物、建築用基材及び建築物の塗装方法 - Google Patents

建築用組成物、建築用基材及び建築物の塗装方法 Download PDF

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藤掛 敏和
Michihiro Kiyota
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Abstract

【課題】非水系溶媒を用いて、塗装中の石だれ・液だれを少なくすることで作業性を高くし、太陽光、雨等にさらされても経時的に変色しにくい建築用組成物、建築用基材及び建築物の塗装方法を提供する。
【解決手段】スチレン−アクリル系樹脂を非水系溶媒により溶解させる建築用組成物において、前記スチレン−アクリル系樹脂は、分子量分布曲線で、5,000〜150,000の間に複数のピークを有し、かつ、粘度が、B型粘度計で、6rpmの粘度が80000〜120000mPa・s、60rpmの粘度が2500〜4000mPa・sであって、TI値(6rpmと60rpmの粘度の比)が25〜35である建築用組成物、これを用いる建築用基材及び建築物の塗装方法である。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅の基礎、壁、公園、ベランダ等の建築物を塗装するための建築用組成物、建築用基材及び建築物の塗装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物を塗装する塗料としては、エポキシ樹脂とスチレン−アクリル系樹脂が広く用いられていた。これらは、建築物に対する下塗り材、接着剤、仕上げ剤として用いられることがあるが、細かいガラスビーズ、樹脂ビーズ、天然石等の骨材又はベンガラ等の顔料を混練して外壁用の建築用基材と用いられることも多い。
建築用組成物のエポキシ樹脂は、一般に、非水系溶媒であって、硬化剤を添加し、住宅の基礎、壁に塗布して建築物に用いられている。エポキシ樹脂は、接着性が高く、硬化後は強度も高く、外壁等の建築用組成物に適していた。例えば、特開平2001−89216号公報等では、珪酸ソーダと硫酸とを反応させて沈殿法により生成したシリカを、硬化剤により硬化可能なエポキシ樹脂に混練し、適切な粘度に調整する組成物が開示されている。しかし、住宅の基礎、壁等の建築物の外観を形成する場合、雨、露、日光等にさらされている。このために、エポキシ樹脂は経時的に変色して黄色になり、さらに、光沢等の減少が著しいという不具合がある。
【0003】
一方、スチレン−アクリル系樹脂は、透明性も高く光沢があり、経時的に変色しにくいが、水系溶媒に溶解して使用されることが多いために乾燥が遅く、また、接着性が低いために塗装中に液だれ又は骨材の天然石等が塗膜層からたれる石だれ等が生じ、作業性が低いという不具合がある。例えば、特開2001−214123号公報では、リン酸エステル基を有する不飽和単量体と、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも一つの不飽和単量体とを含む不飽和単量体混合物を乳化共重合して得られるポリマーエマルジョンを必須成分として含有する土木・建築用プライマー組成物が開示されている。しかし、乾燥に時間が必要で作業性が低く、また、垂直な壁では液だれ又は石だれを防止することが困難である。また、水系溶媒を用いるアクリル系エマルジョンは、塗装された塗膜が白色化し、また、割れが発生したり、十分な強度が得られないという不具合がある。
これを改善するため、スチレン−アクリル系樹脂に増粘剤を添加して粘度を高くすることが挙げられるが、これでは、骨材等の混練及び塗装時の粘度が高くなり、混練に時間が必要となり及び塗装作業の効率の低下する等の作業性が低いという問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、非水系溶媒を用いて、塗装中の液だれ又は石だれを少なくすることで作業性を高くし、雨、日光等にさらされても経時的に変色しにくい建築用組成物、建築用基材及び建築物の塗装方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、スチレン−アクリル系樹脂を非水系溶媒により溶解させる建築用組成物において、前記スチレン−アクリル系樹脂は、分子量分布曲線が5,000〜150,000の間に複数のピークを有し、かつ、粘度が、B型粘度計で、6rpmの粘度が80000〜120000mPa・s、60rpmの粘度が2500〜4000mPa・sであって、TI値(6rpmと60rpmの粘度の比)が25〜35である建築用組成物とする。
請求項2に記載の発明は、前記スチレン−アクリル系樹脂は、重量平均分子量で2つのピークを有し、低分子量側のピークのスチレン−アクリル系樹脂と高分子量側のピークのスチレン−アクリル系樹脂との配合比が、6:4〜9:1である請求項1に記載の建築用組成物とする。
【0006】
請求項3に記載の発明は、建築用組成物と骨材を含む建築用基材において、 請求項1又は2に記載の建築用組成物と骨材との体積による配合比が、1:1〜1:3である建築用基材とする。
請求項4に記載の発明は、前記骨材は、直径が3〜10mmの天然石で、建築用組成物と天然石の体積による配合比が1:2〜1:3である請求項3に記載の建築用基材とする。
【0007】
請求項5に記載の発明は、建築用組成物と骨材を含む建築用基材を外壁に塗装する建築物の塗装方法において、請求項1又は2に記載の建築用組成物を外壁に下塗りし、次に、請求項3又は4に記載の建築用基材を上塗りする建築物の塗装方法とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の建築用組成物は、スチレン−アクリル系樹脂(以下、単に「樹脂」と記す。)からなっている。これは、スチレン系モノマーとアクリル系モノマーの共重合体で、例えば、スチレン系モノマーとしてはスチレン、メチルスチレン(ビニルトルエン)、エチルスチレン、イソブチルスチレン等が挙げられるが、中でもスチレンが好適に用いることができる。アクリル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸(メタクリル酸)メチル、アクリル酸(メタクリル酸)エチル、アクリル酸(メタクリル酸)n−ブチル、アクリル酸(メタクリル酸)i−ブチル等が挙げられるが、中でもメタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチルが好適に用いられる。これらのスチレン−アクリル系樹脂は、透明性が高く、また、スチレン−アクリル系樹脂は、エポキシ樹脂のように経時的に黄色に変色することが少なく、骨材と混練したときでも骨材の特長を活かすことができる。
【0009】
また、本発明に用いられるスチレン−アクリル系樹脂は、分子量分布曲線で、5,000〜150,000の間に複数のピークを有する。分子量が大きい樹脂は溶媒に溶解しにくいが、溶媒に溶解した状態で粘度が大きくなるので、塗布時の液だれ又は石だれを少なくすることができる。また、塗布後の強度が高く、骨材を強固に固定することができる。分子量が小さい樹脂は溶媒に溶解しやすいが、塗装時に液だれ又は石だれしやすくなる。また、塗装後の強度が低く、塗膜が割れて、骨材が分離することがある。そこで、本発明の外壁用塗装組成物は分子量分布曲線でが複数のピークをもたせることで、骨材との混錬性がよく、かつ塗装時の液だれをなくし等の作業性を良くし、塗装後に高い強度を有する塗膜を得ることができる。このときに、分子量が5,000以下にピークを有する樹脂では液だれを防止することができず、150,000以上にピークを有する樹脂では塗膜強度が大きくなるが塗装後に割れが発生する。
【0010】
非水系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶媒、シクロヘキサン等の脂環族系溶媒、酢酸エチルエステル等のエステル系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶媒を用いることができる。特に、トルエン、キシレン、アセトン等が好ましい。
【0011】
建築用組成物の粘度は、B型粘度計の測定で、ロータが6rpmと低回転の時に粘度が80000〜120000mPa・sで、ロータが60rpmと高回転の時に粘度が2500〜4000mPa・sにする。これにより、骨材等を混練する時には樹脂と骨材の混合が偏在が少なく、また、混合に必要な時間が短くなり混練性がよくなり、さらに、空気の混入を防いで気泡の発生を抑制することができる。また、塗装時には塗装作業を容易にし、塗膜表面を平坦にすることができる。また、塗装後の液だれ又は石だれを防止し、塗膜表面の平坦を維持することができる。また、6rpmと60rpmの粘度の比であるTI値が、25〜35の範囲にすることで、塗装時の作業性がよく、塗装後の表面平坦性のよい塗膜を得ることができる。このように、本発明の建築用組成物は、チクソトロピー性を有することが好ましく、これによって骨材との混練を容易にし、また、垂直な家屋の基礎、壁の塗装時の液だれを防止することができる。さらに、垂直な壁に骨材を塗布しても骨材がずり落ちる石だれ等を防ぐことができる。従来は、液だれ等を防止するために増粘剤を添加していた。増粘剤は、粘度を上昇させるために液だれ又は石だれを防止できても、骨材との混練性及び金コテ等による塗装などの作業性が低下する。そこで、本発明では、建築用組成物の樹脂の分子量分布極性に複数のピークを持たせることで、チクソトロピー性を制御した。
【0012】
また、分子量で2つのピークを有する樹脂としては、低分子量側のスチレン−アクリル系樹脂と高分子量側のスチレン−アクリル系樹脂との配合比が、6:4〜9:1で配合することが好ましい。スチレン−アクリル系樹脂の配合比が配合比6:4より小さいと、建築用組成物の粘度が高くなり、骨材の混練作業に時間が必要になり、また、溶媒の量が多くなり乾燥までの時間も多く必要になる。スチレン−アクリル系樹脂の配合比が配合比9:1より大きいと、溶媒の量を少なくしても十分な粘度が得られず液だれ等を防止するのが困難である。
このときに、低分子量側のスチレン−アクリル系樹脂における重量平均分子量は、40,000〜90,000がよく、さらに、70,000〜85,000の範囲にあることが好ましく、高分子量側のスチレン−アクリル系樹脂における重量平均分子量は、100,000〜160,000がよく、さらに、103,000〜148,000の範囲にあることが好ましい。低分子量側のスチレン−アクリル系樹脂において、重量平均分子量が40,000以下では高分子量側のスチレン−アクリル系樹脂を多くしても、液だれを防止することができず、90,000以上では作業性を良くすることができない。また、高分子量側のスチレン−アクリル系樹脂における重量平均分子量が、100,000以下では低分子量側のスチレン−アクリル系樹脂を多くしても、石だれを防止することができず、160,000以上では作業性を良くすることができない。また、それぞれのスチレン−アクリル系樹脂が、分子量分布曲線で、複数のピークを有しているものであってもよい。これにより、チクソトロピー性の制御を容易にすることができる。さらに、チクソトロピー性の制御を容易にするために、架橋剤を添加して架橋させたスチレン−アクリル系樹脂を用いてもよい。架橋剤としては、芳香族系、脂肪族系等の一般の架橋剤を使用することができる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等の多価カルボン酸エステル等が挙げられる。
【0013】
本発明の建築用基材は、少なくとも建築用組成物と骨材を含んでいる。骨材としては、顔料、染料を含有して色づけした陶磁器、ガラス、プラスチック等の粉砕物、さらに、珪砂、寒水砂、珪石、大理石、御影石を含む天然石又はこれらの粉砕物を適宜選択して使用することができる。これらは、粉砕して粒度調整したものも用いることが好ましい。
また、建築用組成物と骨材との体積による配合比が、1:1〜1:3である。建築用組成物は、混練時に骨材表面にある量の塗膜を形成でき、塗装後に骨材同士を固着させる量が必要になる。実際には、この骨材間の間隙を建築用組成物を完全に埋める必要はないが、塗装後の強度の確保のために骨材の間に空間が生ずるのをある程度防止する必要がある。このために、建築用組成物と骨材との体積による配合比が、1:1〜1:3の範囲が好ましい。骨材が3以上では、建築用組成物が少なく、塗装後に骨材を強固に固定することができない。骨材が1以下では、建築用組成物が多く、液だれが発生しやすい。
【0014】
また、骨材の天然石の粒度は、3〜10mmのものが好ましく、特に、3〜7mmの範囲のものがさらに好ましい。粒度が3mmより小さい場合では、単位重量当りの表面積が大きくなり、建築用組成物の使用量が多くなるために、塗装後の乾燥に時間が必要となり、作業性が低下する。粒度が10mmより大きい場合では、1粒当りの重量が重くなり、外壁などの垂直な面に塗装した場合に石だれが生じ、また、塗膜表面の平坦性が維持できなくなる。
【0015】
また、必要に応じて混合時に、増粘剤としてはメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、両性メタクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、シリコーンレジン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ジステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンジオレイン酸メチルグルコシド、この他に公知の増粘剤を適宜選択して用いることができる。可塑剤としてはハロゲン化パラフィン、ステアリン酸ブチル、マレイン酸ジブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジメチル、リン酸トリメチル等を適宜選択して用いることができる。この他に、分散剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、防藻剤、防腐剤、消泡剤、着色剤などの公知の添加剤を併用することができる。
【0016】
本発明の建築物の塗装方法では、建築用組成物を外壁に下塗りし、次に、建築用基材を上塗りする。同じ建築用組成物を用いることで、外観上の見栄えをよくし、また、下塗りと上塗りの間の接着性を低下させることがない。塗装は、ローラー、へら、ブラシ又はエアースプレー等での吹きつけで塗布することができる。下塗りは、厚さ0.10〜0.50mm、好ましくは0.15〜0.40mmがよい。0.5mm以上では乾燥に時間がかかり、作業性が低下する。また、0.10mm以下では強度が低く壁などから剥離することがある。
上塗りは、3〜15mmがよく、さらに、5〜10mmが一層好ましい。上塗りが3mm以下では、外壁の下地が見え、外観上好ましくない。上塗りが15mm以上では、乾燥までの時間が長くなり作業性が低下する。
また、上塗りの上に天然石表面の隙間を埋めるために仕上げのための仕上げ塗りを施してもよい。これにより、スチレン−アクリル系樹脂の透明性・光沢性により外観上の見栄えを良くすることができる。
【0017】
(実施例1)
重量平均分子量75,000のスチレン−アクリル系樹脂と重量平均分子量133,000のスチレン−アクリル系樹脂を1:1〜2:1の重量割合で混合し、さらに、樹脂全体1に対して、トルエンとキシレンを混合した溶媒を3〜4で混合した。この建築用組成物1に対して、平均粒径5mmの天然石を2.3の体積割合で混合して建築用基材とした。これ用いて、以下のような評価を行った。その結果を表1に示す。
【0018】
1.作業性試験
 作業性は、実施例1で作製した建築用基材を、金コテで塗装し塗装のしやすさと、天然石がたれて落ちてくる石だれについて、視覚観察して総合的に評価した。
2.付着力・圧縮強度試験
 付着力は、モルタル製の薄板に金コテで、下塗り厚さ0.3mmで、天然石を含む建築用基材を7〜10mmに塗装した後7日間常温で放置して養生し、その後、これをバネばかりで引っ張り、剥離するときの強度で評価した。
また、圧縮強度は、天然石を含む建築用基材を7〜10mmにした成型品を作製した後7日間常温で放置して養生し、これを圧縮試験器(装置名TENSILON/STM−F−500BP:TOYO BALDWIN社製)で2mm/minで圧縮して、圧縮強度を評価した。
3.温冷繰り返し試験
 温冷繰り返し試験は、JIS A 6909に則り、スレート板に金コテで、下塗り厚さ0.3mmで、天然石を含む建築用基材を7〜10mmに塗装した後7日間常温で放置して養生し、その後、18時間水に浸漬し、次に3時間−20℃、次に3時間+50℃に放置するのを1サイクルとして10サイクル繰り返し、初期乾燥に対するひび割れの発生に対する抵抗を視覚観察で評価した。
4.乾燥性試験
乾燥性は、スレート板に金コテで、下塗り厚さ0.3mmで、天然石を含む建築用基材を7〜10mmに塗装した後24時間5℃の環境に放置し、指で塗膜を押して評価した。
5.耐候性試験
 耐候性は、JIS A 6909に則り、スレート板に金コテで、下塗り厚さ0.3mmで、天然石を含む建築用基材を7〜10mmに塗装した後7日間20℃で養生し、その後、野外暴露耐候性を、耐候性試験器(サンシャインカーボンアーク灯式試験器WEL−SUN−HC−B型:スガ試験機(株)社製)で、1年に相当する時間暴露し、黄色への変色、光沢の減衰を視覚評価した。
【0019】
(比較例1)
重量平均分子量15,000のスチレン−アクリル系樹脂エマルジョンに対して平均粒径5mmの天然石を3.8の体積割合で混合して建築用基材とした。これを、実施例1と同じ評価を行った。その結果を表1に示す。
【0020】
(比較例2)
重量平均分子量350のエポキシ樹脂を建築用組成物とし、この量1に対して、平均粒径5mmの天然石を6.4の体積割合で混合して建築用基材とした。これを用いて、以下のような評価を行った。その結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
Figure 2004027147
【0022】
表1に示すように、金コテで塗布した作業性はいずれも非常に良好であったが、比較例1は天然石との混合性が悪い。しかし、いずれも石だれはなく、実用上問題がない。
付着力は、少なくとも0.5MPa(0.5N/mm)以上が必要とされ、実施例1は0.56MPa、比較例2は0.90MPaと非常に良好であったが、比較例1は0.41MPaと実用上問題がある。
圧縮強度は、少なくとも1.5MPa(1.5N/mm)以上が必要とされ、実施例1は1.60MPaと実用上問題がなく、比較例2は7.17MPaと非常に良好であったが、比較例1は1.17MPaと低く実用上問題がある。
温冷繰り返しは、いずれも非常に良好である。
乾燥は、実施例1は実用上問題がなく、比較例2は非常に良好であったが、比較例1は水性溶媒を用いるために乾燥が遅く実用上問題がある。なお、試験温度としては、10℃、20℃、30℃でも行ったが、比較例2の乾燥が遅いことは同様であった。
耐候性は、実施例1は、黄色への変色がなく、また、光沢が失われることもなく、非常に良好であった。比較例1は、若干の黄色への変色があり、光沢の減衰もみられたが、実用上問題がなかった。比較例2は、黄色への変色があり、さらに、光沢の減衰が大きかった。
【0023】
実用的には上記試験をいずれも一定の基準で満足しなければならず、いずれかを満足しないものは建築用組成物、建築用基材としては用いることができない。表1から明らかなように、実施例1は、他の比較例1及び2と比較して、いずれの試験においても実用上の問題がなかった。したがって、本発明の建築用基材を用いる建築物の建築方法でも、作業性・耐候性・温冷繰り返しでも実用上問題のない建築方法を提供することができる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、作業性・強度・乾燥性・温冷繰り返し・耐候性のいずれも問題がなく、特に、経時的な黄色の変色がなく、天然石を骨材として垂直な壁等に用いても石だれの発生しない建築用組成物を提供することができる。
また、本発明では、3〜10mmの天然石を骨材として用いて、垂直な外壁等に塗装しても石だれ、液だれのない建築用基材を提供することができる。
また、本発明では、骨材として天然石を用いて外壁等に塗装して天然素材の外観を経時的に維持することができる建築物の建築方法を提供することができる。

Claims (5)

  1. スチレン−アクリル系樹脂を非水系溶媒により溶解させる建築用組成物において、
    前記スチレン−アクリル系樹脂は、分子量分布曲線が5,000〜150,000の間に複数のピークを有し、かつ、
    粘度が、B型粘度計で、6rpmの粘度が80000〜120000mPa・s、60rpmの粘度が2500〜4000mPa・sであって、TI値(6rpmと60rpmの粘度の比)が25〜35である
    ことを特徴とする建築用組成物。
  2. 前記スチレン−アクリル系樹脂は、重量平均分子量で2つのピークを有し、
    低分子量側のピークのスチレン−アクリル系樹脂と高分子量側のピークのスチレン−アクリル系樹脂との配合比が、6:4〜9:1である
    ことを特徴とする請求項1に記載の建築用組成物。
  3. 建築用組成物と骨材を含む建築用基材において、
    請求項1又は2に記載の建築用組成物と骨材との体積による配合比が、1:1〜1:3である
    ことを特徴とする建築用基材。
  4. 前記骨材は、直径が3〜10mmの天然石で、建築用組成物と天然石の体積による配合比が1:2〜1:3である
    ことを特徴とする請求項3に記載の建築用基材。
  5. 建築用組成物と骨材を含む建築用基材を建築物に塗装する建築物の塗装方法において、
    請求項1又は2に記載の建築用組成物を建築物に下塗りし、次に、請求項3又は4に記載の建築用基材を上塗りする
    ことを特徴とする建築物の塗装方法。
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