JPH115938A - 耐候性に優れた軟質ポリ塩化ビニル系防水シート用保護塗料 - Google Patents

耐候性に優れた軟質ポリ塩化ビニル系防水シート用保護塗料

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JPH115938A
JPH115938A JP16008397A JP16008397A JPH115938A JP H115938 A JPH115938 A JP H115938A JP 16008397 A JP16008397 A JP 16008397A JP 16008397 A JP16008397 A JP 16008397A JP H115938 A JPH115938 A JP H115938A
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JP
Japan
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weight
waterproof sheet
protective coating
polyvinyl chloride
copolymer
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JP16008397A
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English (en)
Inventor
Hidetoshi Kurihara
秀俊 栗原
Masaya Sera
昌也 世良
Yasunori Takaichi
恭規 高市
Yasuhiro Matoba
康浩 的場
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Kowa Chemical Industry Co Ltd
Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
Original Assignee
Kowa Chemical Industry Co Ltd
Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プライマー処理を施さずとも防水シートとの
密着性に優れるとともに、塗布性および乾燥性が良好
で、かつ耐候性、耐摩耗性にも優れた、軟質ポリ塩化ビ
ニル系防水シート用保護塗料を提供する。 【解決手段】 保護塗料は、エチレンと、酢酸ビニル
と、アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタアクリル酸、
メタアクリル酸誘導体からなる群から選択される1種ま
たは2種以上のアクリル系重合性成分と、を水性媒体中
で乳化重合して得られる共重合体エマルジョンを含有す
ることを特徴とする。酸化チタンの配合量は、共重合体
100重量部に対して10〜150重量部であることが
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、軟質ポリ塩化ビ
ニル系防水シートに保護塗膜層を形成させるのに使用さ
れる耐候性に優れた保護塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、建築物の陸屋根や傾斜屋根等に
は、防水層として軟質ポリ塩化ビニル系防水シートを敷
設することが広く行われているが、施工後長期の年月を
経ると、可塑剤の揮散によるクラックの発生や紫外線に
よる表面劣化等により防水性能が損なわれるため、防水
シートの保護を目的として、予め防水シート表面に耐候
性の保護塗膜層を形成させることが多くなっている。
【0003】このような保護塗膜形成のための保護塗料
としては、アクリル樹脂−水系エマルジョンからなるア
クリル系塗料やEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合
体)−水系エマルジョンからなるEVA系塗料が用いら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先
行技術による場合、次のような問題があった。即ち、前
者のアクリル系塗料を用いる方法では耐候性に優れるも
のの、防水シートとの密着性を確保するために、塗装を
施す前に予め防水シート表面にプライマーを塗布してプ
ライマー層を形成させる処理を施さなければならず、施
工工程が多くなって施工作業に時間を要するのみなら
ず、材料コストも増大するという問題を有していた。
【0005】また、後者のEVA系塗料を用いる方法で
は、防水シートとの密着性には優れるものの、耐水性が
良好ではなく比較的短期間で保護性能が低下することが
あるため、比較的早期に再度保護塗装を行う必要が生じ
るという問題があった。
【0006】そのため、特に軟質ポリ塩化ビニル系防水
シート用保護塗料として、耐水性も含めて耐候性に優れ
るとともに、プライマー処理を要せずして防水シートと
の密着性に優れた塗料の開発が望まれていた。
【0007】この発明は、かかる技術的背景に鑑みてな
されたものであって、プライマー処理を施さずとも防水
シートとの密着性に優れるとともに、塗布時の塗布性お
よび乾燥性が良好で、しかも耐候性、耐摩耗性にも優れ
た、軟質ポリ塩化ビニル系防水シート用保護塗料を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは鋭意研究の結果、保護塗料を構成する
樹脂として、エチレン、酢酸ビニル及びアクリル系重合
性成分を共重合して得られる共重合体を用いることによ
り、所望の保護塗料を形成し得ることを見出した。
【0009】即ち、この発明の耐候性に優れた軟質ポリ
塩化ビニル系防水シート用保護塗料は、エチレンと、酢
酸ビニルと、アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタアク
リル酸、メタアクリル酸誘導体からなる群から選択され
る1種または2種以上のアクリル系重合性成分と、を水
性媒体中で乳化重合して得られる共重合体エマルジョン
を含有することを特徴とする。
【0010】EVAを構成するエチレン、酢酸ビニル
と、アクリル樹脂を構成するアクリル系重合性成分とを
乳化重合して得られる共重合体を用いるものであるか
ら、従来の樹脂では困難であった優れた密着性と優れた
耐候性の両立が可能となる。のみならず、共重合体とす
ることにより、EVA系塗料とアクリル系塗料が有する
それぞれの優れた特性を保持すること、すなわち機能の
複合化が可能となって、乾燥性、塗布性、耐摩耗性、可
塑剤移行防止性にも優れる。
【0011】
【発明の実施の形態】この発明の耐候性に優れた軟質ポ
リ塩化ビニル系防水シート用保護塗料は、合成樹脂−水
系エマルジョンを含有してなるものであるが、この樹脂
として、エチレンと、酢酸ビニルと、アクリル系重合性
成分と、を水性媒体中で乳化重合して得られる共重合体
を用いることに主たる特徴を有するものである。
【0012】アクリル系重合性成分としては、アクリル
酸、アクリル酸誘導体、メタアクリル酸、メタアクリル
酸誘導体が挙げられ、これらの中から選択される1種ま
たは2種以上の化合物を用いる。
【0013】アクリル酸誘導体としては、特に限定され
るものではないが、例えばアクリル酸エステル、アクリ
ルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
【0014】また、メタアクリル酸誘導体としては、特
に限定されるものではないが、例えば、メタアクリル酸
エステル、メタアクリルアミド、メタクリロニトリル等
が挙げられる。
【0015】中でも、アクリル系重合性成分として、ア
クリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸、メタ
アクリル酸エステルからなる群から選択される1種また
は2種以上を用いるのが好ましい。
【0016】上記アクリル酸エステルとしては、特に限
定されるものではないが、例えばアクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸ブチル、イソボルニルアク
リレート、ジメチルアミノエチルアクリレ−ト、テトラ
ヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシエチル
アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等が
挙げられる。
【0017】また、メタアクリル酸エステルとしては、
特に限定されるものではないが、例えばメタアクリル酸
メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチ
ル、エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメ
タクリレート、ステアリルメタクリレート、n−ブチル
メタクリレート、ベンジルメタクリレート、ラウリルメ
タクリレート等が挙げられる。
【0018】なお、共重合の成分として上記エチレン、
酢酸ビニル、アクリル系重合性成分の他に、共重合可能
な単量体、例えばイソブチルビニルエーテル等のビニル
エーテルや、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル
エーテル類等を、この発明の効果を妨げない範囲で使用
することができる。
【0019】前記共重合体におけるアクリル系重合性成
分の共重合比率は0.2〜55重量%であることが好ま
しい。0.2重量%未満では、得られる塗膜の耐水性が
十分ではなく比較的短期間で防水性能が低下することが
あり、好ましくない。また55重量%を超えると、塗膜
が不均一で防水シートとの密着性が低下することに加え
て、防水シートからの可塑剤の移行が多くなるので、好
ましくない。中でも10〜52重量%であるのがより好
ましい。
【0020】また、共重合体の数平均分子量は、100
00〜200000であることが好ましい。10000
未満では、防水シートとの密着性が低下し、20000
0を超えると、安定したエマルジョンが得られ難くなる
ので、好ましくない。
【0021】更に、共重合体中における単量体構造単位
の配列に関しては、特に限定されるものではなく、例え
ばランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重
合体等が挙げられるが、中でもブロック共重合体である
ことが望ましく、この場合には防水シートとの密着性に
一層優れる利点がある。
【0022】この発明の保護塗料を構成する共重合体
は、水性媒体中で乳化重合してエマルジョンを形成する
必要があるので、共重合体の平均粒径は0.2〜1.0
μmであることが好ましい。0.2μm未満では、塗布
時の乾燥性が低下し、一方、1.0μmを超えるとエマ
ルジョンとしての安定性が低下して共重合体の均一分散
性が低下するので、好ましくない。中でも0.4〜0.
6μmであるのがより好ましい。
【0023】また、共重合体エマルジョン(共重合体+
水)中における共重合体の含有量(樹脂分)は、25〜
75重量%であることが好ましい。25重量%未満で
は、水の含有量が多く乾燥性が低下するため保護塗膜を
形成させるのに時間を要するし、しかも所要の塗膜厚さ
を得るために4〜5回以上塗布を行わなければならず、
塗膜形成の効率が非常に低下するので、好ましくない。
また、75重量%を超えると、保護塗料の粘度が増大す
るため、刷毛跡が顕著に残ってしまうなど塗布性が低下
するので、好ましくない。中でも、35〜60重量%で
あるのがより好ましい。
【0024】この発明において、塗膜の耐候性を確保す
る観点から、酸化チタンを保護塗料の成分として含有さ
せるのが好ましく、更にその配合量は共重合体100重
量部に対して10〜150重量部とするのが好ましい。
10重量部未満では隠蔽力が不十分となって塗膜の耐候
性が低下し、150重量部を超えて配合すると、防水シ
ートとの密着性が不十分となるので、好ましくない。中
でも30〜120重量部であることが一層好ましい。
【0025】酸化チタンの平均粒径は0.10〜0.3
5μmであることが好ましい。0.10μm未満では塗
布時の乾燥性が低下し、0.35μmを超えると保護塗
料としての安定性が低下して酸化チタンの均一分散が達
成されにくくなるので、好ましくない。中でも0.20
〜0.30μmであるのがより好ましい。
【0026】この発明の保護塗料には、更にケイ酸質系
骨材を配合するのが好ましく、これにより塗膜にクラッ
クが発生するのを効果的に防止することができるととも
に、塗膜の防滑性も向上し、またケイ酸質系骨材は廉価
であるからコスト的にも有利となる。
【0027】ケイ酸質系骨材としては、特に限定される
ものではないが、例えばケイ砂、タルク、カオリナイ
ト、パイロフィライト等が挙げられる。
【0028】ケイ酸質系骨材の配合量は、共重合体10
0重量部に対して10〜300重量部であることが好ま
しい。10重量部未満では前記効果が殆ど得られず、一
方300重量部を超えると、塗膜の強度が低下したり密
着性が低下するので、好ましくない。中でも50〜20
0重量部であるのが一層好ましい。
【0029】また、ケイ酸質系骨材の平均粒径は0.0
1〜0.5mmであることが好ましい。0.01mm未
満では、塗膜の表面状態は良好であるが塗膜の乾燥性が
低下し、0.5mmを超えると塗布性が低下することに
加えて、塗膜の表面が粗くなって耐水性が低下するの
で、好ましくない。中でも0.05〜0.3mmである
ことがより好ましく、このような市販品として、シェル
モールドケイ砂7号(竹折礦業所製)、シェルモールド
ケイ砂8号(竹折礦業所製)が好適なものとして挙げら
れるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0030】この発明の保護塗料には、前記共重合体エ
マルジョン、酸化チタンおよびケイ酸質系骨材の他に、
保護塗料の諸性質の向上を目的として、他の無機粉末充
填材や各種添加剤を配合することができる。無機粉末充
填材としては、シリカや珪藻土などの二酸化ケイ素、水
酸化カルシウムや水酸化マグネシウム等の水酸化物、炭
酸カルシウムや炭酸マグネシウム等の炭酸塩、硫酸カル
シウムや硫酸バリウム等の硫酸塩、窒化アルミニウムや
窒化ホウ素等の窒化物、カーボンブラックやグラファイ
ト等の炭素類、その他金属粉等が挙げられ、また添加剤
としては、例えば分散剤、界面活性剤、凍結防止剤、消
泡剤、増粘剤、着色剤、成膜助剤等が挙げられる。
【0031】この発明において、上述したような各材料
成分を配合する際には、常法に従って配合すれば良く、
その配合順序等は特に限定されない。
【0032】なお、この発明にかかる保護塗料を、軟質
ポリ塩化ビニル系防水シートからなる防水層表面に塗布
する際の塗布量は、通常500〜1800g/m2 とす
るのが望ましい。
【0033】
【実施例】次に、この発明の具体的実施例について説明
する。
【0034】<使用材料> (共重合体エマルジョン)共重合体エマルジョンA…エ
チレン、酢酸ビニルおよびアクリル酸メチルを水性媒体
中で乳化共重合して得られる、ブロック共重合体A−水
系エマルジョン。共重合体Aの含有量(樹脂分)は5
4.6重量%。共重合体Aの組成は、エチレン17重量
%、酢酸ビニル68重量%、アクリル酸メチル15重量
%である。
【0035】共重合体エマルジョンB…エチレン、酢酸
ビニル、エチルヘキシルメタクリレートおよびメタクリ
ル酸メチルを水性媒体中で乳化共重合して得られる、ブ
ロック共重合体B−水系エマルジョン。共重合体Bの含
有量(樹脂分)は、54.5重量%。共重合体Bの組成
は、エチレン17重量%、酢酸ビニル68重量%、エチ
ルヘキシルメタクリレート8重量%、メタクリル酸メチ
ル7重量%である。
【0036】共重合体エマルジョンC…エチレン、酢酸
ビニルおよびメタアクリル酸を水性媒体中で乳化共重合
して得られる、ブロック共重合体C−水系エマルジョ
ン。共重合体Cの含有量(樹脂分)は、54.8重量
%。共重合体Cの組成は、エチレン11重量%、酢酸ビ
ニル39重量%、メタアクリル酸50重量%である。
【0037】共重合体エマルジョンD…エチレン、酢酸
ビニルおよびアクリル酸を水性媒体中で乳化共重合して
得られる、ブロック共重合体D−水系エマルジョン。共
重合体Dの含有量(樹脂分)は、55.0重量%。共重
合体Dの組成は、エチレン13重量%、酢酸ビニル57
重量%、アクリル酸30重量%である。
【0038】(酸化チタン)…平均粒径0.25μm (ケイ酸質系骨材) ケイ砂7号…シェルモールドケイ砂7号(竹折礦業所
製) ケイ砂8号…シェルモールドケイ砂8号(竹折礦業所
製) (炭酸カルシウム)…平均粒径40μm (EVA系エマルジョン)…スミカフレックス400
(住友化学工業株式会社製、EVAの水系エマルジョ
ン、樹脂分55重量%) (アクリル系エマルジョン)…モビニールDM774
(ヘキスト合成株式会社製、アクリル樹脂の水系エマル
ジョン、樹脂分46重量%) (分散剤)…エマルゲンL−40S(花王株式会社
製)、デモールEP(花王株式会社製) (消泡剤)…ノプコSN154(サンノプコ株式会社
製) (増粘剤)…アデカノールUH−420(旭電化株式会
社製) (成膜助剤)…メタノール (ウレタン系プライマー)…バリヤープライマーU(恒
和化学工業株式会社製、樹脂分40重量%)
【0039】<実施例1>上記共重合体エマルジョンA
を、厚み1.5mmの軟質ポリ塩化ビニル系防水シート
からなる、建築物の陸屋根の新設防水層表面に、ローラ
刷毛を用いて800g/m2 塗布した。なお、塗布は2
段階とした。即ち、塗布前に新設防水層表面をブラシを
用いて水洗し、表面を乾燥させた後、ローラ刷毛を用い
て400g/m2 塗布し、塗料が乾燥して塗膜が形成さ
れた後に、再び400g/m2 塗布し、乾燥させて保護
塗膜を形成させた。
【0040】<実施例2>水2.2重量部に添加剤4.
8重量部(エマルゲンL−40Sを0.3重量部、デモ
ールEPを0.3重量部、ノプコSN154を0.2重
量部、アデカノールUH−420を1.0重量部、メタ
ノールを3重量部)と、酸化チタン38重量部を配合し
て酸化チタンペーストを得た後、これに共重合体エマル
ジョンAを55重量部配合して得られる組成物を保護塗
料として使用した以外は、実施例1と同様にして保護塗
膜を形成させた。
【0041】<実施例3>水2.2重量部に実施例2と
同組成の添加剤4.8重量部と、酸化チタン15重量部
を配合して酸化チタンペーストを得た後、これに共重合
体エマルジョンAを40重量部、ケイ砂7号15重量
部、ケイ砂8号23重量部を配合して得られる組成物を
保護塗料として使用した以外は、実施例1と同様にして
保護塗膜を形成させた。
【0042】<実施例4>水2.2重量部に実施例2と
同組成の添加剤4.8重量部と、酸化チタン16重量部
を配合して酸化チタンペーストを得た後、これに共重合
体エマルジョンAを40重量部、ケイ砂7号10重量
部、ケイ砂8号15重量部、炭酸カルシウム12重量部
を配合して得られる組成物を保護塗料として使用した以
外は、実施例1と同様にして保護塗膜を形成させた。
【0043】<実施例5、6>表1に示す材料を表1に
示す割合にて、実施例4と同様に配合して得られる組成
物を保護塗料として使用した以外は、実施例1と同様に
して保護塗膜を形成させた。
【0044】<実施例7、8>表2に示す材料を表2に
示す割合にて、実施例4と同様に配合して得られる組成
物を保護塗料として使用した以外は、実施例1と同様に
して保護塗膜を形成させた。
【0045】<比較例1>表2に示す材料を表2に示す
割合にて、実施例4と同様に配合して得られる組成物を
保護塗料として使用した以外は、実施例1と同様にして
保護塗膜を形成させた。
【0046】<比較例2、3>予め、新設防水層表面の
洗浄、乾燥後に、ウレタン系プライマーを用いてプライ
マー処理を施した。次に、表2に示す材料を表2に示す
割合にて、実施例4と同様に配合して得られる組成物を
保護塗料として、実施例1と同様にして保護塗膜を形成
させた。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】<試験方法および評価方法>上記のように
作製された各保護塗膜に対し、下記A〜Fに示す試験
法、評価法に従い評価を行った。その結果を表3に示
す。なお、評価に際しては上記防水シートと保護塗膜と
を所要の大きさに一体に切り取って試験片を適宜作製し
た。
【0050】A.乾燥性評価法 塗布後、塗膜表面を手で触り、タック感がなくなるまで
の時間を評価し、下記基準により判定した。
【0051】(判定基準) 所要時間が1時間未満…「◎」 所要時間が1時間以上1.3時間未満…「○」 所要時間が1.3時間以上1.5時間未満…「△」 所要時間が1.5時間以上…「×」
【0052】B.密着性試験法 各試験片を60℃温水に浸漬し、ブリスターが発生する
までに要した日数を調べ、下記基準により判定した。
【0053】(判定基準) 所要日数が10日以上…「◎」 所要日数が7〜9日…「○」 所要日数が5または6日…「△」 所要日数が4日以下…「×」
【0054】C.耐摩耗性試験法 JIS K7204に準拠して、回転数を100回とし
た時の摩耗量(g)を測定し、下記基準により評価し
た。
【0055】(判定基準) 摩耗量が0.3g未満…「◎」 摩耗量が0.3g以上0.35g未満…「○」 摩耗量が0.35g以上0.4g未満…「△」 摩耗量が0.4g以上…「×」
【0056】D.可塑剤移行防止性評価法 各試験片を80℃オーブン内に7日間入れた後、試験片
を取りだし、その表面のタックを指触により、下記判定
基準により評価した。
【0057】(判定基準) タック感なし…「◎」 微弱なタック感あり…「○」 弱いタック感あり…「△」 強いタック感あり…「×」
【0058】E.耐候性試験法 デューパネル光コントロールウェザーメーター(スガ試
験機株式会社製DPWL−5R型)により、ブラックパ
ネル温度80℃蛍光紫外線照射4時間、ブラックパネル
温度50℃湿度90%RH4時間のサイクル条件で、1
000時間耐候促進試験を行った後の塗膜の表面状態
を、下記判定基準により評価した。
【0059】(判定基準) 亀裂は全く観察されない…「◎」 小さい亀裂が僅かに観察される…「○」 小さい亀裂が多数観察される…「△」 大きな亀裂が多数観察される…「×」
【0060】F.塗布性評価法 ローラ刷毛を用いて塗布する時の塗布性を下記基準によ
り評価した。
【0061】(判定基準) 問題なく滑らかに塗布できる…「◎」 刷毛跡が僅かに残る…「○」 刷毛跡が顕著に残る…「△」 塗布するのが困難…「×」
【0062】
【表3】
【0063】<評価結果>表3から明らかなように、こ
の発明の実施例1〜8の保護塗料は、塗布時の乾燥性お
よび塗布性に優れ、かつこれらの保護塗料により形成さ
れた保護塗膜は、防水シートとの密着性に優れるととも
に、耐摩耗性、耐候性、可塑剤移行防止性のいずれにも
優れるものである。
【0064】これに対し、この発明の範囲を逸脱する比
較例1の保護塗料は耐候性に劣り、比較例2の保護塗料
は可塑剤移行防止性に劣り、また密着性、耐摩耗性も不
十分であった。また、保護塗料の樹脂成分として、EV
Aとアクリル樹脂を混合して用いた比較例3では、耐候
性に劣り、また可塑剤移行防止性、密着性、耐摩耗性も
不十分であった。
【0065】
【発明の効果】以上のように、この発明にかかる耐候性
に優れた軟質ポリ塩化ビニル系防水シート用保護塗料
は、その樹脂成分として、エチレンと、酢酸ビニルと、
アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタアクリル酸、メタ
アクリル酸誘導体からなる群から選択される1種または
2種以上のアクリル系重合性成分と、を水性媒体中で乳
化重合して得られる共重合体を用いるものであるから、
プライマー処理を施さずとも防水シートとの密着性に優
れるとともに、耐候性にも優れる。すなわち、従来のE
VA系塗料では、防水シートとの密着性には優れるもの
の耐候性が良好ではなく、一方従来のアクリル系塗料で
は、耐候性には優れるものの、防水シートとの密着性を
確保するために予め防水シート表面にプライマー処理を
施さなければならず、またその密着性も十分ではなく、
このように従来の保護塗料では、優れた密着性と優れた
耐候性を具備させることは困難であったが、EVAを構
成するエチレン、酢酸ビニルと、アクリル樹脂を構成す
るアクリル系重合性成分とを乳化重合して得られる共重
合体を用いることにより、優れた密着性と優れた耐候性
を兼備させることが可能となったものである。このよう
な効果の両立はEVA系塗料とアクリル系塗料とを単に
併用するだけでは、どのような併用比率でも成し得なか
ったものである。
【0066】また、この発明の保護塗料は、共重合体と
することにより、EVA系塗料とアクリル系塗料が有す
るそれぞれの優れた特性を保持すること、即ち機能の複
合化が可能となり、乾燥性、塗布性、耐摩耗性、可塑剤
移行防止性にも優れている。共重合体がブロック共重合
体である場合には、防水シートとの密着性に一層優れる
という利点がある。
【0067】また、酸化チタンが配合されてなる場合に
は、隠蔽力が向上して塗膜の耐候性に優れたものとなす
ことができる。
【0068】また、酸化チタンの配合量が、共重合体1
00重量部に対して10〜150重量部である場合に
は、一段と優れた耐候性を確実に得ることができる。
【0069】更に、ケイ酸質系骨材が配合されてなる場
合には、保護塗膜にクラックが発生するのをより効果的
に防止することができるとともに、塗膜の防滑性も一層
向上させることができる。また、ケイ酸質系骨材は廉価
であるから配合量を増大させることにより低コスト化を
図ることも可能となる。
【0070】ケイ酸質系骨材の配合量が、共重合体10
0重量部に対して10〜300重量部である場合には、
保護塗膜にクラックが発生するのを確実に防止すること
ができる。
フロントページの続き (72)発明者 的場 康浩 大阪府堺市百舌鳥梅北町3丁目125番地105 号

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンと、 酢酸ビニルと、 アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタアクリル酸、メタ
    アクリル酸誘導体からなる群から選択される1種または
    2種以上のアクリル系重合性成分と、 を水性媒体中で乳化重合して得られる共重合体エマルジ
    ョンを含有することを特徴とする、耐候性に優れた軟質
    ポリ塩化ビニル系防水シート用保護塗料。
  2. 【請求項2】 共重合体におけるアクリル系重合性成分
    の共重合比率が0.2〜55重量%である請求項1に記
    載の耐候性に優れた軟質ポリ塩化ビニル系防水シート用
    保護塗料。
  3. 【請求項3】 アクリル系重合性成分として、アクリル
    酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸、メタアクリ
    ル酸エステルからなる群から選択される1種または2種
    以上を用いる請求項1または2に記載の耐候性に優れた
    軟質ポリ塩化ビニル系防水シート用保護塗料。
  4. 【請求項4】 共重合体がブロック共重合体である請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の耐候性に優れた軟質ポ
    リ塩化ビニル系防水シート用保護塗料。
  5. 【請求項5】 酸化チタンが配合されてなる請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の耐候性に優れた軟質ポリ塩化
    ビニル系防水シート用保護塗料。
  6. 【請求項6】 酸化チタンの配合量が、共重合体100
    重量部に対して10〜150重量部である請求項5に記
    載の耐候性に優れた軟質ポリ塩化ビニル系防水シート用
    保護塗料。
  7. 【請求項7】 ケイ酸質系骨材が配合されてなる請求項
    1〜6のいずれか1項に記載の耐候性に優れた軟質ポリ
    塩化ビニル系防水シート用保護塗料。
  8. 【請求項8】 ケイ酸質系骨材の配合量が、共重合体1
    00重量部に対して10〜300重量部である請求項7
    に記載の耐候性に優れた軟質ポリ塩化ビニル系防水シー
    ト用保護塗料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100847569B1 (ko) 2007-04-24 2008-07-21 (주)아해 염화비닐수지(pvc), 에틸렌-비닐렌 아세테이트 공중합체(eva) 및 폴리프로필렌(pp) 수지를 포함한 포장지용 조성물 및 이에 의한 포장지
CN102719155A (zh) * 2012-06-12 2012-10-10 天长市巨龙车船涂料有限公司 高分子防水涂料及其制备方法
KR101198330B1 (ko) 2012-04-04 2012-11-06 장수관 폴리비닐클로라이드 방수시트 및 그 제조 방법

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