JP2004027005A - 封止用液状エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エポキシ樹脂と硬化剤と充填材とを必須成分とする。電子部品や半導体装置を構成する部材の表面に塗布後、加熱硬化させることにより封止材として使用される室温で液状のエポキシ樹脂組成物に関する。硬化物のガラス転移温度が40℃〜80℃、ガラス転移温度より低い温度における硬化物の線膨張係数が15〜40ppm/℃である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器の実装体積を極小化するための実装システムで、液状エポキシ樹脂を封止材して用いて封止する分野において、封止材硬化後の封止物品の反りが少ないことを必要とする用途に関する発明である。具体的には、ウェハー全体を封止し硬化するプロセスを含むウェハーレベルCSPや、アンダーフィルしたフリップチップ接続の特殊な半導体装置や、プリンタの熱転写あるいは感熱のためのヘッド部分など、反りを極小化する必要がある分野などに適用される封止用液状エポキシ樹脂組成物及びこの封止用液状エポキシ樹脂組成物を用いた半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子部品や半導体装置を構成する半導体チップや基板等の部材を電気絶縁性を有する封止材で封止することが行なわれている。このような封止材としてはエポキシ樹脂を配合した液状エポキシ樹脂組成物が汎用されており、封止材を上記部材の表面に塗布した後、加熱硬化させることにより部材を封止するようにしている。しかしながら、従来では、封止材の硬化後に封止物品(電子部品や半導体装置)に反りが発生することがあった。封止材の硬化後に反りが生じるのは、硬化後の封止材を含めた複数の部材の熱膨張率に差があること及び封止材の硬化収縮が原因であると考えられるが、封止材に使用されるエポキシ樹脂の硬化システムは、熱硬化性樹脂の中では最も小さいクラスの硬化収縮なので、大きな影響とはなりにくい。従って、実質的には、いわゆるバイメタルのような部材間の熱膨張率ミスマッチに基づく反りが、最大の要因となっている。
【0003】
バイメタル状の反りを生じる主因は、もちろん熱膨張率の差であるが、同時に部材の弾性率の大小も大きく影響する。なぜなら、熱膨張の差の分だけ変形すべきところ、湾曲の内側となる部材は伸ばされ、湾曲の外側となる部材は縮められる形で、双方の弾性率の大小に応じて、伸ばされる応力と縮められる応力が釣り合うように反るからである。
【0004】
このことから、従来は上記のような反りを低減するために封止材について、低応力化と称して硬化後の封止材の弾性率をできるだけ下げる試みと硬化後の封止材の低線膨張率化の試みが採られてきた。低線膨張率化は、封止される部材(被封止材)にシリコンチップやセラミックスなどの硬化後の封止材よりも小さい線膨張係数を持つものが含まれることが多いので、硬化後の封止材の線膨張係数をできるだけ封止される部材の線膨張係数に近づけることを意味するものである。
【0005】
硬化後の封止材の弾性率を下げる試みには、シリコーンゲル等の低弾性率の物質を多量に含ませる方法、及び弾性率が高くなる原因となるフィラーを含まないようにする方法などがあった。低弾性率の物質を多量に含ませる方法は、液状の封止材の流動性を低下させて作業性を悪くするし、封止材の硬化物の強度を著しく低下させるので補強効果を果たせなかったり、加工プロセスの過程で封止材の硬化物の欠けなどの問題が生じたり、高い封止信頼性(電気絶縁性や耐湿性など)を実現できないなどの問題点がある。フィラーを含まないものは、封止材の硬化物の線膨張係数が60〜80ppm/℃と大きくなるのを避けられないので封止信頼性が低くなり。さらにフリップチップのアンダーフィル用途においては、弾性率が低いことは、バンプの補強効果が弱いことにつながり、高い封止信頼性を実現できない。
【0006】
また、硬化後の封止材の低線膨張率化は、シリカやアルミナなどの金属酸化物フィラーの含有量をできるだけ高めるというのが唯一の方法である。これは、液状の封止材の流動性を低下させて作業性を悪くする。また、硬化後の封止材の弾性率が高くなるので、これだけでは反りを小さくすることは困難である。
【0007】
さらに、両者を組み合わせた低弾性かつ低線膨張率という手段もあるが、低弾性率の物質を多量に含ませかつ金属酸化物フィラーの含有量をできるだけ高めるという方法に限定される。これは、液状の封止材の粘度が最も高くなるケースであり、液状の封止材の流動性を著しく低下させて作業性を悪くするし、封止材の硬化物の強度を低下させるので補強効果を果たせなかったり、加工プロセスの過程で硬化物の欠けなどの問題が生じたりして好ましくなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、流動性に優れて作業性が良く、硬化後の封止物品の反りを極小化し、かつ高い封止信頼性を達成することができる封止用液状エポキシ樹脂組成物、及びこの封止用液状エポキシ樹脂組成物を用いて製造される半導体装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る封止用液状エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と硬化剤と充填材とを必須成分とし、電子部品や半導体装置を構成する部材の表面に塗布後、加熱硬化させることにより封止材として使用される室温で液状のエポキシ樹脂組成物において、硬化物のガラス転移温度が40℃〜80℃、ガラス転移温度より低い温度における硬化物の線膨張係数が15〜40ppm/℃であることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1において、室温における粘度が、5Pa・s〜100Pa・sであることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2において、エポキシ樹脂として、ビスフェノールF型またはビスフェノールA型、またはこれらの水素添加型のエポキシ樹脂の中から選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、エポキシ樹脂として、ポリアルキレングリコール・ジグリシジルエーテルを、エポキシ当量比で全エポキシ樹脂中の5〜50%含むことを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、硬化剤としてフェノール性水酸基を1分子内に複数有する化合物を含み、エポキシ基のモル数とフェノール性水酸基のモル数の比が100:90〜100:110であることを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項6の発明は、請求項5において、硬化剤としてのフェノール性水酸基を1分子内に複数有する化合物が、少なくともアリル化フェノールの構造を持つ化合物であることを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項7の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、硬化剤として酸無水物を含み、エポキシ基のモル数と酸無水物基のモル数の比が100:60〜100:100であることを特徴とするものである。
【0016】
また、請求項8の発明は、請求項7において、硬化剤としての酸無水物が、少なくとも下記(1)式で示されるグルタル酸無水物の構造を持つ化合物を含むことを特徴とするものである。
【0017】
【化4】
【0018】
また、請求項9の発明は、請求項7において、硬化剤としての酸無水物が、少なくとも下記(2)式で示される化合物を含むことを特徴とするものである。
【0019】
【化5】
【0020】
(式中、R1〜R3はそれぞれ炭素数1〜6の炭化水素基又は水素原子を表すと共に、R1〜R3の炭素原子数の合計は6、水素原子数の合計は13となるものである)
また、請求項10の発明は、請求項7において、硬化剤としての酸無水物が、少なくとも下記(3)式で示される化合物を含むことを特徴とするものである。
【0021】
【化6】
【0022】
(式中、R4はCnH2n−1(nは9〜12の整数)で示される直鎖不飽和炭化水素基を表す)
また、請求項11の発明は、請求項1乃至10のいずれかにおいて、充填材として、最大粒径が1μm〜20μmである球状非晶質シリカを使用することを特徴とするものである。
【0023】
本発明の請求項12に係る半導体装置は、半導体チップ1の半導体回路2側の面には樹脂層3が配置され、かつ半導体チップ1に接続された多数の電極4がその樹脂層3を貫通して配置される半導体装置において、請求項1乃至11のいずれかに記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物の硬化物により上記樹脂層3を形成して成ることを特徴とするものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0025】
本発明に係る封止用液状エポキシ樹脂組成物は、電子部品や半導体装置を構成する半導体チップや基板等の部材を封止するために用いられるものであり、上記部材の表面に塗布後、加熱硬化させることにより、電気絶縁性を有する封止材が形成されるものである。
【0026】
本発明の封止用液状エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、充填剤を必須成分とする室温(25℃)で液状のエポキシ樹脂組成物であり、且つその硬化物のガラス転移温度(Tg)が40℃〜80℃、Tgより低い温度における線膨張係数が15〜40ppm/℃、好ましくは室温での曲げ弾性率が2GPa〜15GPaであるものである。
【0027】
本発明の硬化物のTgが40℃を下回ると、室温において硬化物がゴム状領域となってしまい、封止材を使用する主目的であるチップやバンプを補強する効果が弱まるので好ましくない。一方、本発明の硬化物のTgが80℃よりも高くなると、通常100〜170℃である硬化温度から、室温までの温度範囲において、硬化物がガラス状領域であって弾性率が高くなる温度の範囲が広くなり、それによって封止物品(電子部品や半導体装置など)の反りが大きくなるので好ましくない。
【0028】
さらに、本発明の硬化物において上記Tgより低い温度における線膨張係数が15ppm/℃を下回ると、それ自体は反りに対して不都合を生じるわけではないが、線膨張係数を下げるために充填材の含有量を増やすことで副次的に生じる本発明の著しい粘度上昇により、本発明の流動性が低下し、作業性が悪化するので好ましくない。また、逆に、本発明の硬化物において上記Tgより低い温度における線膨張係数が40ppm/℃を超えると、温度サイクル性能に代表される封止信頼性が低くなり、また、封止物品の反りも大きくなる傾向となるので好ましくない。
【0029】
また、本発明の硬化物において室温での曲げ弾性率が2GPaを下回ると、柔らかすぎて、封止材を使用する主目的であるチップやバンプを補強する効果が弱まるので好ましくない。逆に、本発明の硬化物において室温での曲げ弾性率が15GPaを超えると、封止物品の反りが大きくなるので好ましくない。
【0030】
すなわち、本発明の硬化物のガラス転移温度(Tg)が40℃〜80℃、Tgより低い温度における線膨張係数が15〜40ppm/℃、好ましくは室温での曲げ弾性率が2GPa〜15GPaの範囲を満たす場合に、反り・封止信頼性・作業性のすべてを良好な状態に発現できるのである。
【0031】
特に、本発明の室温における粘度が、5Pa・s〜100Pa・sであることが、平面形状に塗布する場合の作業性や、ディスペンサーで塗布する場合の作業性、あるいはフリップチップのアンダーフィルを行う場合の作業性を高く維持できることにつながる。本発明の室温における粘度が5Pa・sよりも粘度が低いと、流れすぎが生じたり、本発明の保管中に配合成分の比重差による成分分離(高比重物の沈降や低比重物の浮き上がり)が生じやすくなって好ましくない。逆に、本発明の室温における粘度が100Pa・sを超えると、流動性が著しく劣るので、本発明を入れたシリンジからの流出に長時間を要したり、液面が滑らかにならないことで気泡を含んだりするという作業性の悪化が顕著となり好ましくない。
【0032】
このような封止用液状エポキシ樹脂組成物を得るには、エポキシ樹脂、硬化剤、充填材を必須成分として、その硬化物のガラス転移温度が40℃〜80℃、ガラス転移温度より低い温度における硬化物の線膨張係数が15〜40ppm/℃である室温で液状の電気絶縁性のエポキシ樹脂組成物とすればよい。
【0033】
特に、エポキシ樹脂として、ビスフェノールFジグリシジルエーテルまたはビスフェノールAジグリシジルエーテルまたは、これらの芳香環の二重結合に水素添加した型のエポキシ樹脂(いわゆる水添ビスFエポキシあるいは水添ビスAエポキシ)から選ばれる少なくとも一つを含むのが好ましく、これにより、本発明の粘度を低くすることが可能であり、かつ本発明の硬化物のTgを40〜80℃にするのが容易であり、本発明の硬化物の密着性を良好な水準に維持できるからである。
【0034】
また、エポキシ樹脂として、ポリアルキレングリコール・ジグリシジルエーテルを、エポキシ当量比で全エポキシ樹脂中の5〜50%含むことが更に好ましい。ポリアルキレングリコール・ジグリシジルエーテルを使用すると本発明の硬化物のTgを低くすることができ、かつ、本発明の粘度を低く抑えることが可能で、かつ本発明の硬化物の密着性を高めることができる。エポキシ当量比で全エポキシ樹脂中の5%よりも少ないと、これらの効果が弱く、逆にエポキシ当量比で全エポキシ樹脂中の50%を超えると、本発明の硬化物の吸湿性が高くなり、耐湿信頼性が劣るので好ましくない。ここで、ポリアルキレングリコール・ジグリシジルエーテルとは、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールとエピクロルヒドリンの反応により得られる構造を持つものであり、ポリアルキレングリコールからなるユニットの繰り返し数は、一般には20までであり、6〜10程度が液体粘度が高すぎず、かつ気化しにくさの点で好ましい。
【0035】
また、硬化剤としてフェノール性水酸基を1分子内に複数有する化合物を含み、エポキシ基のモル数とフェノール性水酸基のモル数の比が100:90〜100:110となるように配合することが好ましい。フェノール性水酸基を1分子内に複数有する化合物には、フェノールノボラックやクレゾールノボラック、ビスフェノール類などを例示できるが、これらを硬化剤として使用すると、硬化物の密着性が優れ、高い封止性能を実現できる。そして、エポキシ基のモル数とフェノール性水酸基のモル数の比が100:90〜100:110であることが、本発明の硬化性、硬化物の強度、密着性などを最も優れる状態に維持できるので好ましい。この範囲からはずれると、本発明の硬化性が悪くなったり、硬化物の強度や密着性が低下したりして好ましくない。
【0036】
また、フェノール性水酸基を1分子内に複数有する化合物としては、少なくともアリル化フェノールの構造を持つ化合物であることが特に好ましい。アリル化フェノールの構造を持つ化合物は、アリル化フェノールノボラックに代表される化合物であるが、フェノール性水酸基を1分子内に複数有する化合物の上記特徴に加えて、本発明の粘度を低くすることができる。
【0037】
また、硬化剤として酸無水物(酸無水物基を有する化合物)を含み、エポキシ基のモル数と酸無水物基(酸無水物環ともいう)のモル数の比が100:60〜100:100となるように配合することが好ましい。ここで言う酸無水物とは、分子内に複数のカルボキシル基(カルボン酸基)を有する多価カルボン酸の分子内無水物のことを意味しており、この酸無水物を硬化剤として使用すると、本発明の粘度を低く抑えることができ、吸湿性が低くかつ硬化物の絶縁特性が良好であることから、優れた作業性、信頼性を実現できる。そして、エポキシ基のモル数と酸無水物基のモル数の比が100:60〜100:100であることが、硬化後に反応残基として残ったカルボキシル基の影響が少なく、良好な耐湿信頼性を実現する上で好ましい。エポキシ基のモル数と酸無水物基のモル数の比が100:60よりも酸無水物基のモル数が少なくなると、本発明の硬化性が悪化し、充分な硬化物の強度や密着性を実現できなくなるので好ましくない。また、エポキシ基のモル数と酸無水物基のモル数の比が100:100よりも酸無水物基のモル数が多くなると、本発明の硬化物の耐湿信頼性が著しく悪化するので好ましくない。
【0038】
さらに、硬化剤としての酸無水物が、少なくとも上記(1)式で示されるグルタル酸無水物の構造を持つ化合物を含むことが特に好ましい。グルタル酸無水物構造とは、酸無水物基が6員環の一部として組み込まれた構造であり、硬化後の架橋点間距離が長くなるのでTgを低くすることができるからである。
【0039】
また、硬化剤としての酸無水物が、少なくとも上記(2)式で示される化合物を含むことが特に好ましい。ここで、(2)式中のR1〜R3はそれぞれ炭素数1〜6の炭化水素基又は水素原子を表すと共に、これらの基の炭素原子数の合計は6、水素原子数の合計は13となるものである。このような酸無水物は、分子式C10H16で示されるモノテルペンのうち炭素間二重結合を1分子内に3つ持ち、そのうち2つの二重結合が共役している化合物(以下、トリエンのモノテルペンという)と、無水マレイン酸とをDiels−Alder(ディールス・アルダー)反応により6員環化させて合成されるものである。従って、この6員環に結合しているR1〜R3は、トリエンのモノテルペン由来であると考えることができる。尚、トリエンのモノテルペンとは、モノテルペン類の中で環状構造を有しないものである。この化合物を使用すると、本発明の硬化物の吸湿性を低く抑えることができ、それにより高い封止信頼性を実現することができるものである。
【0040】
また、硬化剤としての酸無水物が、少なくとも上記(3)式で示される化合物を含むことが特に好ましい。ここで、(3)式中のR4はCnH2n−1(nは9〜12の整数)で示される直鎖不飽和炭化水素基を表し、一般的に入手容易な、nが9のノネニル無水コハク酸や、nが12のドデセニル無水コハク酸が好適に使用することができる。この酸無水物の使用により、本発明の硬化物のTgを低くすることと、吸湿率を低く抑えることが可能となる。
【0041】
さらに、充填材としてはシリカ、アルミナ、窒化アルミ、ボロンナイトライド、窒化珪素、シリコンカーバイド、炭酸カルシウムなどの無機フィラーを用いることができるが、最大粒径が1μm〜20μmである球状非晶質シリカを使用することが特に好ましい。粒子形状が球状であると、破砕状や異形の場合よりも、充填剤の含有量を高めた際の本発明の粘度増加を抑えることができるので好ましい。また、非晶質シリカはアモルファスシリカとも呼ばれるが、単一金属元素からなる酸化物あるいは窒化物あるいは炭化物の中で、最も熱膨張率が小さいという特徴から、本発明の線膨張係数を上記の範囲に入るよう抑えることに好都合である。このような球状非晶質シリカの最大粒径が1μmより小さくなると、そのようなシリカ粉はフュームドシリカと呼ばれるような、比表面積が極めて大きなものとなり、本発明の粘度を著しく高めてしまうので好ましくない。一方、球状非晶質シリカの最大粒径が20μmを超えると、本発明を狭い隙間に毛細管現象を利用して充填させようとする場合や、ワイヤーボンディングの金ワイヤー間隔が数十μmといった高密度ボンディングの素子を、ワイヤー間隔を変化させずに封止しようとする場合などに不都合が生じるので好ましくない。
【0042】
本発明では充填材は全量に対して40〜80質量%配合することができる。
【0043】
また、本発明では硬化促進剤を配合することができる。硬化促進剤としては潜在性の硬化促進剤を用いるのが好ましく、具体的には、イミダゾールを核とするマイクロカプセルなどを使用することができる。潜在性の硬化促進剤とは、樹脂組成物において熱時のある温度域では大きな反応性を発現するものの、それ以下の温度域、一般には室温或いはそれ以下の温度域においては優れた貯蔵安定性を有するものである。本発明では硬化促進剤はエポキシ樹脂及び硬化剤成分の合計100質量部に対して0.1〜5.0質量部配合することができる。
【0044】
さらに、本発明にはその目的を損なわない限り、必要に応じて他の物質を配合することもできる。このような物質としては、難燃剤、低弾性化剤、密着性付与剤、着色剤、希釈剤、消泡剤、カップリング剤等を例示することができる。
【0045】
そして、均一な液状のエポキシ樹脂組成物を調製するにあたっては、一般的に前述した各成分を撹拌型の分散機で混合したり、ビーズミルで分散混合したり、3本ロールで分散混合したりすることによって行うことができるものであるが、これらの方法に限定されるものではない。
【0046】
上記のようにして調製される本発明の封止用液状エポキシ樹脂組成物は、硬化後に封止物品の反りが少ないことを必要とする用途、具体的には、ウェハー全体を封止し硬化するプロセスを含むウェハーレベルCSPや、アンダーフィルしたフリップチップ接続の特殊な半導体装置や、プリンタの熱転写あるいは感熱のためのヘッド部分など、反りを極小化する必要がある分野に好適に使用することができる。
【0047】
特に、図1に示すように、シリコンチップ等の半導体チップ1の半導体回路側の面2には樹脂層3が配置され、かつ半導体チップ1に接続された多数の電極4がその樹脂層3を貫通して配置された型式の半導体装置において、半導体チップ1の半導体回路側の面2に配置されている樹脂層3を形成するために、本発明の封止用液状エポキシ樹脂組成物を好適に使用することができる。この形態の半導体装置は、一般にはCSP(チップスケールパッケージあるいはチップサイズパッケージ)と呼ばれる範疇のものであり、半導体チップ1を個片化する以前のシリコンウェハーの段階でCSPへの加工を行うことからWL(ウェハーレベル)あるいはWS(ウェハースケール)のCSPと呼ばれ、WL−CSP、WS−CSPと略されているものである。
【0048】
本発明の封止用液状エポキシ樹脂組成物を使用して、WL−CSPを製造するには特許第3084021号公報に記載の方法を例示できる。すなわち、まず、CSPとなったときにバンプが形成される位置にあるウェハー上のパッド部5に、樹脂層3を貫通することになるポスト6としての金属を形成する。ポスト6を形成する方法としては、具体的には、パッド部5にフラックスを印刷し、その上にメタルマスクを利用して半田ボールを載せリフローする方法や、パッド部5にハンダペーストを印刷しリフローする方法、あるいはパッド部5に銅などの金属をメッキ法により成長させる方法などがある。次に、ポスト6としての金属が形成されたウェハーに、本発明の封止用液状エポキシ樹脂組成物を印刷し、加熱硬化させる。印刷は常圧印刷でも真空印刷でも良い。常圧印刷の場合は、印刷後に減圧下に置いて、組成物中のボイドを除く処理を行うのが好ましい。加熱硬化は、常圧でも加圧下でも良いが、加圧下の方が硬化物中のボイドをより少なくすることができる。また硬化条件は、80〜120℃で30分〜2時間の1段目硬化を行った後に、150〜170℃で1〜6時間の2段目硬化を行うという2ステップ硬化を例示できる。フェノール性水酸基を有する化合物を硬化剤として使用した場合は、このような2ステップ硬化以外にも、100〜170℃で30分〜6時間の1ステップ硬化を採用することもできる。
【0049】
硬化後のウェハーは、本発明の封止用液状エポキシ樹脂組成物の硬化物が適切なTgや弾性率、線膨張係数を有していることにより、例えば、10cm径のウェハーで300μm以下の反りとなるような、小さな反りを実現できる。
【0050】
次に、封止用液状エポキシ樹脂組成物の硬化後のウェハーを樹脂層3側から研磨し、ポスト6と樹脂層3の高さを揃える。必要に応じて、その後にウェハーの背面を研磨し、総厚みを小さくする工程を採ることもある。また、半導体チップ1の背面保護やマーキング性向上のため、ウェハーの背面に本発明の封止用液状エポキシ樹脂組成物あるいは、他の樹脂を塗布、硬化しても良い。
【0051】
次に、半田等を用いてCSPのバンプ7の形成を行う。具体的には、樹脂層3の表面に露出するポスト6の端面にフラックスを印刷し、その上にメタルマスクを利用して半田ボールを載せてリフローする方法や、ポスト6にハンダペーストを印刷してリフローする方法などがある。
【0052】
このようにして得られたウェハーをダイシングにより個片化すると、ポスト6とバンプ7からなる金属製の電極4を備えたCSPを得ることができる。このCSPは、密着性が良く、線膨張係数も適切なエポキシ樹脂組成物が使用されているので、また反りが小さいため内部応力が低いので、温度サイクル性や耐湿信頼性に優れているものである。
【0053】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0054】
(実施例1〜6及び比較例1、2)
下記の表1に示す原材料の配合量(単位は質量部)及び製造法で、実施例1〜6及び比較例1、2を調製した。
【0055】
ここで、表1において使用した原材料は次のものである。
(エポキシ樹脂)
樹脂A:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、品番「YDF−8170」、エポキシ当量160)
樹脂B:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、品番「YD−8125」、エポキシ当量172)
樹脂C:ナフタレン環含有エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、品番「HP−4032」、エポキシ当量143)
樹脂D:ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル(東都化成株式会社製、品番「PG−207」、エポキシ当量318)
樹脂E:水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシ株式会社製、品番「YL6753」、エポキシ当量180)
(硬化剤)
硬化剤A:メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(MHHPA、大日本インキ化学工業株式会社製、品番「B−650」、酸無水物当量168)
硬化剤B:グルタル酸無水物(ナカライテスク株式会社製、酸無水物当量114)
硬化剤C:ドデセニル無水コハク酸(新日本理化株式会社製、品番「リカシッドDDSA」、酸無水物当量266)
硬化剤D:アリル化フェノールノボラック、明和化成株式会社製、品番「MEH8000H」、水酸基当量141)
(硬化促進剤)
促進剤A:アミンアダクト(株式会社味の素製、品番「アミキュアPN23」)
促進剤B:イミダゾール類を核とするマイクロカプセル(旭化成工業株式会社製、品番「ノバキュアHX3088」)
(添加剤)
添加剤:カーボンブラック(三菱化学株式会社製、品番「MA100」)
(充填材)
充填材A:球状非晶質シリカ(三菱レーヨン株式会社製、品番「QS−6」、最大粒径20μm)
充填材B:球状非晶質シリカ(株式会社アドマテックス製、品番「SO−25H」、最大粒径3μm)
また、表1において採用した製造法は次の通りである。
(製造法A)促進剤以外の成分を混合し、特殊機化工業製ホモミキサーにて3000〜5000rpmで分散、混合の後、促進剤を加え、特殊機化工業製ホモディスパーにて300〜500rpmで分散、混合してエポキシ樹脂組成物を調整した。
(製造法B)促進剤以外の成分を混合し、三本ロールにて分散、混合の後、促進剤を加え、特殊機化工業製ホモディスパーにて300〜500rpmで分散、混合してエポキシ樹脂組成物を調整した。
(製造法C)促進剤以外の成分を混合し、ゲッツマン社製ビーズミルにて分散、混合の後、促進剤を加え、特殊機化工業製ホモディスパーにて300〜500rpmで分散、混合してエポキシ樹脂組成物を調整した。
【0056】
【表1】
【0057】
尚、上記の表1において当量比(100:)とは、エポキシ当量100に対する硬化剤当量を示し、フィラー質量%とは封止用液状エポキシ樹脂組成物中における充填材の質量%を示す。また、実施例1では樹脂Dを全エポキシ樹脂中にエポキシ当量比で10%配合したものであり、また、実施例3は樹脂Dを全エポキシ樹脂中にエポキシ当量比で50%配合したものである。
【0058】
実施例1〜6及び比較例1、2で得られた封止用液状エポキシ樹脂組成物の特性を次の方法で測定した。測定結果を下記の表2に示す。
【0059】
(1)エポキシ樹脂組成物の粘度
室温(25℃)にてB型粘度計を用いて測定した。
【0060】
(2)曲げ弾性率
実施例1〜6及び比較例1、2を硬化させて、80mm以上長×10mm幅×3mm厚の試験片を形成し、引張圧縮試験機による3点曲げ試験により室温で評価した。試験速度2mm/min.、支点間距離48mmとし、試験片が折れるまで荷重を加えた。実施例1〜6及び比較例1、2の硬化は100℃で1時間加熱した後、150℃で3時間加熱して行なった。
【0061】
(3)線膨張係数
熱分析計TMAにより評価した。実施例1〜6及び比較例1、2を硬化させて、5mm×5mm×20mm長の試験片を形成し、この試験片を用いて昇温速度5℃/min.により−60℃〜260℃まで測定した。実施例1〜6及び比較例1、2の硬化は100℃で1時間加熱した後、150℃で3時間加熱して行なった。
【0062】
(4)ガラス転移温度(Tg)
粘弾性スペクトルメーター(DMA)の曲げモードにて評価した。試験片は、実施例1〜6及び比較例1、2を100℃で1時間加熱した後、150℃で3時間加熱して形成したものであって、5mm幅×50mm長×0.2mm厚に切り出したものを用いた。昇温は2℃/min.により−60℃〜260℃まで測定した。
【0063】
(5)反り
4インチで300μm厚のウエハーの表面に実施例1〜6及び比較例1、2を直径80mmで0.2mm厚に塗布し、100℃で1時間加熱した後、150℃で3時間加熱することによって、塗布した実施例1〜6及び比較例1、2を硬化させた。実施例1〜6及び比較例1、2の硬化後、三次元座標顕微鏡により裏面(実施例1〜6及び比較例1、2が塗布されていない面)の中心点と円周上に等間隔にとった8点とのZ座標(裏面と直交する方向に座標)の差の平均値を算出することにより反り量を評価した。
【0064】
【表2】
【0065】
表2にみられるように、実施例1〜6のものと比較例1,2のものとを比較すると、各実施例のものはいずれもが封止物品の反りが極小化され、実使用下において問題なく使用できることが確認される。一方、比較例1、2のものは、室温における粘度が、5Pa・s〜100Pa・sの範囲にないことから平面形状に塗布する場合の作業性や、ディスペンサーで塗布する場合の作業性、あるいはフリップチップのアンダーフィルを行う場合の作業性が十分ではなく、反りの点でも著しく悪いため実用に供さないことが確認される。この結果、本発明の封止用液状エポキシ樹脂組成物は、例えば、特許第3084021号公報に記載の電子部品の製造方法等に好適に用いることことができるものである。
【0066】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る封止用液状エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と硬化剤と充填材とを必須成分とし、電子部品や半導体装置を構成する部材の表面に塗布後、加熱硬化させることにより封止材として使用される室温で液状のエポキシ樹脂組成物において、硬化物のガラス転移温度が40℃〜80℃、ガラス転移温度より低い温度における硬化物の線膨張係数が15〜40ppm/℃であるので、流動性に優れて作業性が良く、硬化後の封止物品の反りを極小化し、かつ高い封止信頼性を達成することができるものである。
【0067】
また、請求項2の発明は、室温における粘度が、5Pa・s〜100Pa・sであるので、平面形状に塗布する場合の作業性や、ディスペンサーで塗布する場合の作業性、あるいはフリップチップのアンダーフィルを行う場合の高い作業性を実現することができるものである。
【0068】
また、請求項3の発明は、エポキシ樹脂として、ビスフェノールF型またはビスフェノールA型、またはこれらの水素添加型のエポキシ樹脂の中から選ばれる少なくとも一つを含むので、粘度を低くすることが可能であり、かつ硬化物のTgを40〜80℃にするのが容易であり、部材に対する硬化物の密着性を良好な水準に維持することができるものである。
【0069】
また、請求項4の発明は、エポキシ樹脂として、ポリアルキレングリコール・ジグリシジルエーテルを、エポキシ当量比で全エポキシ樹脂中の5〜50%含むので、硬化物のTgを低くすることができ、かつ、粘度を低く抑えることが可能で、かつ部材に対する硬化物の高い密着性を実現することができるものである。
【0070】
また、請求項5の発明は、硬化剤としてフェノール性水酸基を1分子内に複数有する化合物を含み、エポキシ基のモル数とフェノール性水酸基のモル数の比が100:90〜100:110であるので、硬化性、硬化物の強度、部材に対する密着性などを最も良好な状態にすることを実現するものである。
【0071】
また、請求項6の発明は、硬化剤としてのフェノール性水酸基を1分子内に複数有する化合物が、少なくともアリル化フェノールの構造を持つ化合物であるので、フェノール性水酸基を1分子内に複数有する化合物の上記特徴に加えて、さらに低粘度を実現することができるものである。
【0072】
また、請求項7の発明は、硬化剤として酸無水物を含み、エポキシ基のモル数と酸無水物基のモル数の比が100:60〜100:100であることを特徴とするので、粘度を低く抑えることができ、硬化物の吸湿性が低くかつ硬化物の絶縁特性が良好となり、優れた作業性及び封止信頼性を実現することができるものである。
【0073】
また、請求項8の発明は、硬化剤としての酸無水物が、少なくとも上記(1)式で示されるグルタル酸無水物の構造を持つ化合物を含むので、硬化後の架橋点間距離を長くすることができ、硬化物のTgを低くすることができるものである。
【0074】
また、請求項9の発明は、硬化剤としての酸無水物が、少なくとも上記(2)で示される化合物を含むので、硬化物の吸湿性を低く抑えることができ、それにより高い封止信頼性を実現することができるものである。
【0075】
また、請求項10の発明は、硬化剤としての酸無水物が、少なくとも上記(3)で示される化合物を含むので、硬化物のTgを低くすること及び硬化物の吸湿率を低く抑えることができるものである。
【0076】
また、請求項11の発明は、充填材として、最大粒径が1μm〜20μmである球状非晶質シリカを使用するので、充填材の有量を高めた際の粘度増加を抑えることができる同時に、狭い隙間への毛細管現象を利用した充填をも実現することができるものである。
【0077】
また、請求項12に係る半導体装置は、シリコンチップの半導体回路側の面に樹脂層が配置され、かつシリコンチップに接続された多数の電極がその樹脂層を貫通して配置される半導体装置において、請求項1乃至11のいずれかに記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物の硬化物により上記樹脂層を形成するので、半導体装置としての反りを小さくすることができ、内部応力が低くなって優れた温度サイクル性や耐湿信頼性を実現することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の実施の形態の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 半導体チップ
2 半導体回路側の面
3 樹脂層
4 電極
Claims (12)
- エポキシ樹脂と硬化剤と充填材とを必須成分とし、電子部品や半導体装置を構成する部材の表面に塗布後、加熱硬化させることにより封止材として使用される室温で液状のエポキシ樹脂組成物において、硬化物のガラス転移温度が40℃〜80℃、ガラス転移温度より低い温度における硬化物の線膨張係数が15〜40ppm/℃であることを特徴とする封止用液状エポキシ樹脂組成物。
- 室温における粘度が、5Pa・s〜100Pa・sであることを特徴とする請求項1に記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
- エポキシ樹脂として、ビスフェノールF型またはビスフェノールA型、またはこれらの水素添加型のエポキシ樹脂の中から選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
- エポキシ樹脂として、ポリアルキレングリコール・ジグリシジルエーテルを、エポキシ当量比で全エポキシ樹脂中の5〜50%含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
- 硬化剤としてフェノール性水酸基を1分子内に複数有する化合物を含み、エポキシ基のモル数とフェノール性水酸基のモル数の比が100:90〜100:110であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
- 硬化剤としてのフェノール性水酸基を1分子内に複数有する化合物が、少なくともアリル化フェノールの構造を持つ化合物であることを特徴とする請求項5に記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
- 硬化剤として酸無水物を含み、エポキシ基のモル数と酸無水物基のモル数の比が100:60〜100:100であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
- 充填材として、最大粒径が1μm〜20μmである球状非晶質シリカを使用することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
- 半導体チップの半導体回路側の面に樹脂層が配置され、かつ半導体チップに接続された多数の電極がその樹脂層を貫通して配置される半導体装置において、請求項1乃至11のいずれかに記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物の硬化物により上記樹脂層を形成して成ることを特徴とする半導体装置。
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