JP2004026971A - 架橋蓄熱材料 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄熱材料に関し、特に、衣料品、寝具、建材、皮革又は食品包装材等に使用される蓄熱材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、温度変化の著しい環境において着用される衣服、例えば防寒衣料やスポーツ衣料等において使用される衣服には、保温性の向上を目的として、様々の材料が利用されている。
例えば、各種綿材料、羽毛、フェザーを断熱材として用いる衣料、衣料内部にアルミニウム等の輻射熱反射膜を付加する衣料、吸水により発熱する材料等が具体化されている。
【0003】
また、外気温度の変化に対し、温度調節機能を付与するものとして、蓄熱材料を使用する方法がある。
このような蓄熱材料として、例えば、オクタデカン等の低分子量の結晶性化合物があり、その相変化熱(融解、凝固)を利用して温度調節する。
しかし、かかる化合物は潜熱は大きいが、融解すると粘度が低く流動性が大きくなるため、漏洩、流出の問題を抱えていた。また、低分子量であるため、沸点が低く、熱加工時に蒸発してしまう問題もあった。
【0004】
そこで、特開昭58−55699号公報、特開平1−85374号公報、特開平2−182980号公報等に示されるように、上記の低分子化合物を、マイクロカプセルに封入する試みがなされた。即ち、低分子化合物を含むマイクロカプセルを、布に塗布して固着したものや、このマイクロカプセルを含有する合成樹脂を紡糸し、得られた繊維を布地としたものが具体化されていた。
しかし、かかるマイクロカプセルを用いた技術にも、以下の多くの問題があった。
▲1▼ マイクロカプセルを素材に均一に付着させることが難しく、十分な機能を発揮できない。
▲2▼ 接着剤を塗布して固着させた場合、保温性は向上するものの、バインダの影響により保湿性は低下する場合があり、衣服としての快適性が損なわれる。
▲3▼ マイクロカプセルは構造上ある程度の大きさを有するため、フィルム、シート化する際、薄膜化が困難である。
▲4▼ マイクロカプセル素材が着色している。
▲5▼ マイクロカプセルからホルムアルデヒドが発生する場合がある。
▲6▼ フィルム、シート化の際、圧力等によりマイクロカプセルが破砕するため成形性が悪く、マイクロカプセルの破壊により、内部の融解した液体が染み出てくる。
【0005】
一方、高分子の主鎖の相転移を利用した蓄熱性高分子が開発されている(特開昭57−76078公報、特開昭58−27773公報等)。
しかし、このような蓄熱性高分子は、融点が高く実用化に適さなかった。例えば、高密度ポリエチレンの場合は融点が110〜130℃である。さらに、融点を調節することも困難であった。
また、これらの高分子は融点を超えると流動化するため、成形しても型崩れし易いという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題に鑑み、加工が容易で優れた蓄熱性を有する蓄熱材料を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明者らは、側鎖に結晶性部分を含む高分子が、所望の温度範囲で相転移し、かつ潜熱が大きく、蓄熱材料として適していること、さらに、架橋することにより相転移を超えても型崩れを起こさないことを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明によれば、式(1)に示される主鎖部X、結合部Y及び側鎖Zから構成され、側鎖Zが結晶化し得る結晶性ユニットを、主構成成分とするポリマー又はオリゴマーの架橋体である架橋蓄熱材料が提供される。
【化4】
【0009】
この架橋蓄熱材料は、所望の温度範囲において、側鎖Zが非結晶化又は結晶化の相変化(融解、凝固)し、その際、大きな潜熱を放出又は吸収する。従って、この架橋蓄熱材料は、外気温度が上昇すると熱を吸収して融解し、外気温度が低下すると熱を放出して凝固するので、外気温度の変動を和らげ一定の温度が保たれやすく、蓄熱材料としての機能を発揮する。さらに、架橋によって三次元網目構造となり、高分子全体が流出することなく形状は保持される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の架橋蓄熱材料は、式(1)に示される主鎖部X、結合部Y及び側鎖Zから構成される結晶性ユニットを、主構成成分とするポリマー又はオリゴマーの架橋体である。
【化5】
側鎖Zは結晶化し得る。
【0011】
主鎖部Xは、側鎖Zの結晶化を阻害する構造でなければ特に限定されないが、好ましくは、
【化6】
から選択される少なくとも一種類である。
結合部Yは、主鎖部Xと側鎖Zを結合する部であり、1原子単位を意味する。結合部Yは、好ましくは、−CO―、―O―、―CH2−から選択される少なくとも一種類である。
側鎖Zは、結晶化できれば特に限定はされないが、好ましくは、炭素数9以上の炭化水素から選択される少なくとも一種類であり、さらに好ましくは、炭素数9以上の直鎖アルキル基である。
【0012】
特に好ましい、主鎖部X、結合部Y及び側鎖Zからなる第1のユニットは、以下に示す、ポリメタクリレート系、ポリアクリレート系、ポリビニルエステル系、ポリビニルエーテル系又は炭化水素系である。
【化7】
【0013】
好ましくは、主鎖部X、結合部Y及び側鎖Zの重量は、以下の式を満たす。
Z/(X+Y+Z)≧0.75
即ち、側鎖Zの第1のユニットに占める割合は75重量%以上である。75重量%未満では、側鎖Zが結晶化できなくなり、蓄熱性を発揮することができない恐れがある。
【0014】
本発明の架橋蓄熱材料の製造方法は、特に限定されないが、結晶性ユニットおよび親水性ユニットを形成し得るモノマーを架橋剤とともに重合させて製造できる。
架橋を形成する架橋剤(モノマー)としては、ポリエチレングリコール(1000)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(1000)ジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート等があり、好ましくは、ポリエチレングリコール(1000)ジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレートである。
【0015】
架橋体の製造に用いる架橋剤の量は、結晶性ユニットおよび親水性ユニットを形成し得るモノマーに対し、好ましくは、0.1〜20重量%であり、より好ましくは、0.2〜3重量%である。0.1重量%未満では、架橋効果がほとんど表れない。一方、20重量%を越えてもほとんど効果に差がない。
【0016】
本発明の架橋蓄熱材料は架橋されているので、熱可塑性樹脂となり、成型することが可能になる。また、その成型体は、蓄熱材料の融点を超えても型崩れし難い。
【0017】
好ましい架橋蓄熱材料の例として、ポリエイコシルアクリレート、ポリノナデシルアクリレート、ポリヘプタデシルアクリレート、ポリペンタデシルアクリレート、ポリステアリルアクリレート、ポリラウリルアクリレート、ポリミリスチルアクリレート、ポリパルミチルアクリレート、ポリミリスチルメタクリレート、ポリペンタデシルメタクリレート、ポリパルミチルメタクリレート、ポリヘプタデシルメタクリレート、ポリノナデシルメタクリレート、ポリエイコシルメタクリレート、ポリヘンエイコシルメタクリレート、ポリドコシルメタクリレート、ポリステアリルメタクリレート、ポリ(パルミチル/ステアリル)メタクリレート、ポリビニルラウレート、ポリビニルミリステート、ポリビニルパルミテート、ポリビニルステアレート、ポリラウリルビニルエーテル、ポリミリスチルビニルエーテル、ポリパルミチルビニルエーテル、ポリステアリルビニルエーテル等の架橋体が挙げられる。
特に好ましいのは、ポリドコシルメタクリレート、ポリヘンエイコシルメタクリレート、ポリエイコシルメタクリレート、ポリステアリルメタクリレート、ポリノナデシルメタクリレート、ポリヘプタデシルメタクリレート、ポリパルミチルメタクリレート、ポリペンタデシルメタクリレート、ポリミリスチルメタクリレートの架橋体である。
【0018】
本発明の架橋蓄熱材料は、本発明の特性を損なわない範囲において、他のモノマーと共重合させて、所望の機能を発揮させることもできる。
【0019】
例えば、本発明の架橋蓄熱材料は、親水性ユニットを含むことができる。本発明の架橋蓄熱材料は側鎖として長鎖炭化水素を有するため疎水性が高いが、親水性ユニットを含ませることにより、親水性を高めることができる。その結果、架橋蓄熱材料を基材等に塗布するとき基材等に対する密着性が向上する。
このような親水性ユニットを形成するモノマーは、特に限定されないが、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等があり、好ましくは、2−ヒドロキシエチルメタクリレートである。2−ヒドロキシエチルメタクリレートから形成される親水性ユニットは、下記式(2)で表される。
【0020】
【化8】
【0021】
親水性ユニットの含有量は、好ましくは、50重量%以下であり、より好ましくは、30重量%以下である。50重量%を越えると、側鎖Zの結晶性が低下する恐れがある。
【0022】
架橋蓄熱材料の融点、即ち、側鎖Zが非結晶化する温度は、好ましくは−10〜100℃、より好ましくは0℃以上、80℃以下であり、さらに好ましくは10℃以上、50℃以下である。融点が100℃を超えると、架橋蓄熱材料は日常の使用雰囲気下において、常に固体状態で存在するため、昇温時に結晶化熱を吸収する性質を利用することができないため、蓄熱材料の機能を十分に果たし難くなる。
また、融点が−10℃未満では、日常の使用雰囲気下において、架橋蓄熱材料は常に液体状態で存在するため、凝固時に熱を放出する性質を利用できないため、蓄熱材料の機能を十分に果たし難くなる。
【0023】
架橋蓄熱材料の融点と凝固点の差は、好ましくは15℃以内である。15℃より大きくなると、吸熱、放熱する間隔が広いため、蓄熱材料として所望の狭い温度範囲で機能を発揮し難くなる。
【0024】
架橋蓄熱材料の潜熱は、好ましくは50J/g以上、より好ましくは70J/g以上、さらに好ましくは80J/g以上である。潜熱が50J/g未満では蓄熱材料としての効果が不十分となる恐れがある。また、通常200J/g以下である。
【0025】
本発明の架橋蓄熱材料は、所定の温度範囲で、側鎖Zが可逆的に結晶化、非結晶化の相転移をする。側鎖Zが非結晶化すれば、架橋蓄熱材料全体に粘着性が出てくる。
【0026】
ここで、融点、凝固点及び潜熱とは、それぞれ示差走査熱量測定(DSC)で測定し、融点は融解ピークの頂点の温度を、凝固点は結晶化ピークの頂点の温度を意味する(JIS K 7121)。尚、融点は一度融解ピーク終了時より高い温度まで加熱し、所定温度まで冷却した後、再度加熱した時に得られる融解ピークの頂点の温度を融点とした。
【0027】
本発明の架橋蓄熱材料は、所望の温度範囲において、側鎖Zが相変化(融解、凝固)し、その際、大きな潜熱を放出又は吸収する。従って、この架橋蓄熱材料は、外気温度が上昇すると熱を吸収して融解し、外気温度が低下すると熱を放出して凝固するので、外気温度の変動を和らげ一定の温度が保たれやすく、蓄熱材料として極めて有用である。
【0028】
この他に、本発明の架橋蓄熱材料は、以下の効果を有し得る。
▲1▼ 高分子量なので、蒸発、漏洩の問題がない。
▲2▼ 樹脂なので、塗布、練り込み、繊維化が可能であり、加工が容易である。
▲3▼ 側鎖Zの長さを調節することにより、融点を容易に調節できる。
▲4▼ 共重合により、他の機能を付与できる。
▲5▼ 融解時に液の滲み出しがなく、型崩れしない。
▲6▼ 主鎖結晶型に比べ、相転移がシャープである。
▲7▼ 架橋することで、熱可塑性樹脂となり、成型することが可能である。
▲8▼ 架橋することで、成形したものは融点を超えても型崩れしない。
【0029】
上述したように、本発明の架橋蓄熱材料は、温度調整機能を有するため、体の周囲に接触又は非接触して用いて、体温に対して温度調節するのに適する。
具体的には、スキーウェア、レインウェアー等のスポーツ衣料、靴下、パンティストッキング、シャツ、背広等の一般衣料、中綿等の寝具、手袋、靴材、保温保冷が要求される食品包装材、建材、自動車内装材家具用繊維製品等に好適に使用される。
例えば、本発明の架橋蓄熱材料は、高温の部屋に入った場合、重合体が潜熱を奪うため、外気温度の影響を受けることが少なく衣類温度の上昇を防止できる。また、低温の部屋に入った場合、重合体が固化しその際凝固熱を発生するため、衣類の温度低下を防止できる。従って、いわゆる温度調節機能を有する繊維製品として、防寒着、スポーツ衣料等に使用できる。
また、家具用、自動車用繊維製品等にあっては、人体の接触する部位で、体温での基材の温度上昇速度を緩和でき、特に夏場では快適な素材となり得る。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例における特性の測定方法は以下の通りである。
(1)融点,凝固点,潜熱:示差走査熱量計(DSC−7:パーキンエルマージャパン社製)にて、試料量:3mg,昇温,降温速度:10℃/分で測定した。
(2)重量減少率:150℃で1時間保持したときの重量減少率を、TG−DTA装置(セイコーインスツルメント社)にて、試料量:3mg、Air流速:300ml/分の条件で測定した。
【0031】
[メタクリレート系架橋蓄熱材料]
実施例1
ポリステアリルメタクリレート架橋体(1%架橋)を以下の方法により合成した。
▲1▼ 2Lセパラブルフラスコ(4つ口)に、窒素導入管、攪拌装置、リフラックス装置を付けた。
▲2▼ このフラスコに、ステアリルメタクリレート(モノマー)495g(固体)と、架橋剤としてポリエチレングリコール(1000)ジメタクリレート(ポリエチレングリコール部平均分子量1,000)5gを仕込み、それに溶媒としてトルエンを300mL入れた。
▲3▼ フラスコ内に窒素をゆっくり流しながら、フラスコをオイルバス90℃につけ、ゆっくり攪拌(約200rpm)して固体を溶解させた。
▲4▼ 固体が溶解して均一な溶液になったら、フラスコの内温が70℃程度まで上昇するのを待ち、温度が70℃に達したら、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBN)を0.5g加え攪拌を続けた。この際、窒素の量はトルエンがリフラックスできる範囲にした。
▲5▼ フラスコの内温が80℃になる辺りから内容物が徐々に粘ちょうになり、20分程度後には餅状になってきたため、回転数を約20rpmまで下げ、攪拌棒を伝わって内容物が上昇するのを防いだ。この状態で、オイルバスのバス温を130℃まで上げ、そのまま3時間攪拌を続けた。
▲6▼ フラスコに付けたリフラックス装置と窒素導入管をはずし、減圧蒸留装置につけかえ、内容物が膨張して容器の中がつまらないように徐々に減圧していき、トルエンと未反応の軽質分を除去した。最終的には、約2torrまで減圧した。
▲7▼ 約2時間、軽質分を除去した後、内容物をテフロン(登録商標)板上に取り出し、粗粉砕し、風乾、さらに減圧乾燥して、最終的に白色固体480gを得た。
NMR分析の結果、ポリステアリルメタクリレート架橋体であることが確認された。分析データを表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
各特性を測定した。その結果を表2に示す。
尚、参考として、オクタデカン及びステアリルメタクリレートの特性も合わせて示す。
【0034】
実施例2
ステアリルメタクリレートを490g、ポリエチレングリコールジメタクリレートを10gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で合成を行ない、ポリステアリルメタクリレート架橋体(2%架橋)を得た。
各特性を測定した。その結果を表2に示す。
【0035】
実施例3
ステアリルメタクリレートを485g、ポリエチレングリコールジメタクリレートを15gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で合成を行ない、ポリステアリルメタクリレート架橋体(3%架橋)を得た。
各特性を測定した。その結果を表2に示す。
【0036】
実施例4
ステアリルメタクリレートを495g、架橋剤としてエチレングリコールジメタクリレートを5g用いた以外は、実施例1と同様の方法で合成を行ない、ポリステアリルメタクリレート架橋体(1%架橋)を得た。
各特性を測定した。その結果を表2に示す。
【0037】
実施例5
ステアリルメタクリレートを490g、架橋剤としてエチレングリコールジメタクリレートを10g用いた以外は、実施例1と同様の方法で合成を行ない、ポリステアリルメタクリレート架橋体(2%架橋)を得た。
各特性を測定した。その結果を表2に示す。
【0038】
実施例6
溶媒をTHFに変更し、反応温度をTHFのリフラックス温度まで下げた以外は、実施例1と同様の方法で合成を行ない、ポリステアリルメタクリレート架橋体(1%架橋)を得た。尚、本実施例では、溶媒を減圧蒸留せず、そのまま室温まで放置した。すると、THFを取り込んだ白色固体になった。それを粗粉砕し、お湯に入れて攪拌し、中に取り込まれたTHFを除去した。この行為を5回繰り返すと、粉体からはTHFの匂いがしなくなった。それを、風乾、さらに減圧乾燥して、白色の架橋体粉末470gを得た。
各特性を測定した。その結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
参考として記載したオクタデカン及びステアリルメタクリレートは低分子量であることから、融解時の粘度が非常に低く、使用に耐えないことが分かる。さらに、オクタデカンは蒸発量(重量減少量)も非常に大きい。
【0041】
[アクリレート系架橋蓄熱材料]
実施例7
モノマーとして、ステアリルアクリレートを495g用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ポリステアリルアクリレート架橋体(1%架橋)を得た。
各特性を測定した。その結果を表5に示す。
【0042】
実施例8
モノマーとして、ステアリルアクリレートを485g用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ポリステアリルアクリレート架橋体(3%架橋)を得た。
各特性を測定した。その結果を表5に示す。
【0043】
[共重合体系架橋蓄熱材料]
実施例9
モノマーとして、ステアリルメタクリレート425g及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート70g(仕込みモル比7/3)、架橋剤として、ポリエチレングリコール(1000)ジメタクリレート5gを用いた以外は、実施例1と同様の方法で合成を行ない、ポリ(ステアリルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート)共重合体架橋体(1%架橋)480gを得た。
NMR分析の結果、ポリ(ステアリルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート)共重合体架橋体であることが確認された。分析データを表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
各特性を測定した。その結果を表5に示す。
【0046】
実施例10
ステアリルメタクリレートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートの仕込み比を7/3から9/1に変更した以外は、実施例9と同様の方法で合成を行ない、ポリ(ステアリルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート)共重合体架橋体(1%架橋)480gを得た。
NMR分析の結果、ポリ(ステアリルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート)共重合体架橋体であることが確認された。分析データを表4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】
各特性を測定した。その結果を表5に示す。
【0049】
【表5】
【0050】
[アクリレート系架橋蓄熱材料]
実施例11〜13
モノマーとして、ラウリルアクリレート、ミリスチルアクリレート又はパルミチルアクリレートを用いて、実施例1と同様の方法で、それぞれ、1%架橋のポリラウリルアクリレート架橋体、ポリミリスチルアクリレート架橋体又はポリパルミチルアクリレート架橋体を得た。
各特性を測定した。その結果を表6に示す。
【0051】
[メタクリレート系架橋蓄熱材料]
実施例14〜16
モノマーとして、ミリスチルメタクリレート、パルミチルメタクリレート又はパルミチルメタクリレートとステアリルメタクリレートの2種混合体を用いて、実施例1と同様の方法で、それぞれ、1%架橋のポリミリスチルメタクリレート架橋体、ポリパルミチルメタクリレート架橋体又はポリ(パルミチル/ステアリル)メタクリレート架橋体を得た。
各特性を測定した。その結果を表6に示す。
【0052】
[ビニルエステル系架橋蓄熱材料]
実施例17〜20
モノマーとして、ビニルラウレート、ビニルミリステート、ビニルパルミテート又はビニルステアレートを用いて、実施例1と同様の方法で、それぞれ、1%架橋のポリビニルラウレート架橋体、ポリビニルミリステート架橋体、ポリビニルパルミテート架橋体又はポリビニルステアレート架橋体を得た。
各特性を測定した。その結果を表6に示す。
【0053】
[ビニルエーテル系架橋蓄熱材料]
実施例21
モノマーとして、ラウリルビニルエーテル、架橋剤としてポリエチレングリコール(1000)ジメタクリレート、触媒としてBF3エーテル錯体、溶媒としてトルエンを用いて、通常のカチオン重合を行い、ポリラウリルビニルエーテル架橋体(1%架橋)を得た。
各特性を測定した。その結果を表6に示す。
【0054】
【表6】
【0055】
分析例
実施例1,3,8及び9で得られた架橋体の側鎖の結晶状態を、X線回折装置(ガイガーフレックス、リガク社製)により分析した。側鎖間、側鎖長に相当する規則正しいピークが確認された。
結晶化度はピーク分離法により求めた。結果を表7に示す。
【0056】
【表7】
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、加工が容易で優れた蓄熱性を有する蓄熱材料を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄熱材料に関し、特に、衣料品、寝具、建材、皮革又は食品包装材等に使用される蓄熱材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、温度変化の著しい環境において着用される衣服、例えば防寒衣料やスポーツ衣料等において使用される衣服には、保温性の向上を目的として、様々の材料が利用されている。
例えば、各種綿材料、羽毛、フェザーを断熱材として用いる衣料、衣料内部にアルミニウム等の輻射熱反射膜を付加する衣料、吸水により発熱する材料等が具体化されている。
【0003】
また、外気温度の変化に対し、温度調節機能を付与するものとして、蓄熱材料を使用する方法がある。
このような蓄熱材料として、例えば、オクタデカン等の低分子量の結晶性化合物があり、その相変化熱(融解、凝固)を利用して温度調節する。
しかし、かかる化合物は潜熱は大きいが、融解すると粘度が低く流動性が大きくなるため、漏洩、流出の問題を抱えていた。また、低分子量であるため、沸点が低く、熱加工時に蒸発してしまう問題もあった。
【0004】
そこで、特開昭58−55699号公報、特開平1−85374号公報、特開平2−182980号公報等に示されるように、上記の低分子化合物を、マイクロカプセルに封入する試みがなされた。即ち、低分子化合物を含むマイクロカプセルを、布に塗布して固着したものや、このマイクロカプセルを含有する合成樹脂を紡糸し、得られた繊維を布地としたものが具体化されていた。
しかし、かかるマイクロカプセルを用いた技術にも、以下の多くの問題があった。
▲1▼ マイクロカプセルを素材に均一に付着させることが難しく、十分な機能を発揮できない。
▲2▼ 接着剤を塗布して固着させた場合、保温性は向上するものの、バインダの影響により保湿性は低下する場合があり、衣服としての快適性が損なわれる。
▲3▼ マイクロカプセルは構造上ある程度の大きさを有するため、フィルム、シート化する際、薄膜化が困難である。
▲4▼ マイクロカプセル素材が着色している。
▲5▼ マイクロカプセルからホルムアルデヒドが発生する場合がある。
▲6▼ フィルム、シート化の際、圧力等によりマイクロカプセルが破砕するため成形性が悪く、マイクロカプセルの破壊により、内部の融解した液体が染み出てくる。
【0005】
一方、高分子の主鎖の相転移を利用した蓄熱性高分子が開発されている(特開昭57−76078公報、特開昭58−27773公報等)。
しかし、このような蓄熱性高分子は、融点が高く実用化に適さなかった。例えば、高密度ポリエチレンの場合は融点が110〜130℃である。さらに、融点を調節することも困難であった。
また、これらの高分子は融点を超えると流動化するため、成形しても型崩れし易いという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題に鑑み、加工が容易で優れた蓄熱性を有する蓄熱材料を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明者らは、側鎖に結晶性部分を含む高分子が、所望の温度範囲で相転移し、かつ潜熱が大きく、蓄熱材料として適していること、さらに、架橋することにより相転移を超えても型崩れを起こさないことを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明によれば、式(1)に示される主鎖部X、結合部Y及び側鎖Zから構成され、側鎖Zが結晶化し得る結晶性ユニットを、主構成成分とするポリマー又はオリゴマーの架橋体である架橋蓄熱材料が提供される。
【化4】
【0009】
この架橋蓄熱材料は、所望の温度範囲において、側鎖Zが非結晶化又は結晶化の相変化(融解、凝固)し、その際、大きな潜熱を放出又は吸収する。従って、この架橋蓄熱材料は、外気温度が上昇すると熱を吸収して融解し、外気温度が低下すると熱を放出して凝固するので、外気温度の変動を和らげ一定の温度が保たれやすく、蓄熱材料としての機能を発揮する。さらに、架橋によって三次元網目構造となり、高分子全体が流出することなく形状は保持される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の架橋蓄熱材料は、式(1)に示される主鎖部X、結合部Y及び側鎖Zから構成される結晶性ユニットを、主構成成分とするポリマー又はオリゴマーの架橋体である。
【化5】
側鎖Zは結晶化し得る。
【0011】
主鎖部Xは、側鎖Zの結晶化を阻害する構造でなければ特に限定されないが、好ましくは、
【化6】
から選択される少なくとも一種類である。
結合部Yは、主鎖部Xと側鎖Zを結合する部であり、1原子単位を意味する。結合部Yは、好ましくは、−CO―、―O―、―CH2−から選択される少なくとも一種類である。
側鎖Zは、結晶化できれば特に限定はされないが、好ましくは、炭素数9以上の炭化水素から選択される少なくとも一種類であり、さらに好ましくは、炭素数9以上の直鎖アルキル基である。
【0012】
特に好ましい、主鎖部X、結合部Y及び側鎖Zからなる第1のユニットは、以下に示す、ポリメタクリレート系、ポリアクリレート系、ポリビニルエステル系、ポリビニルエーテル系又は炭化水素系である。
【化7】
【0013】
好ましくは、主鎖部X、結合部Y及び側鎖Zの重量は、以下の式を満たす。
Z/(X+Y+Z)≧0.75
即ち、側鎖Zの第1のユニットに占める割合は75重量%以上である。75重量%未満では、側鎖Zが結晶化できなくなり、蓄熱性を発揮することができない恐れがある。
【0014】
本発明の架橋蓄熱材料の製造方法は、特に限定されないが、結晶性ユニットおよび親水性ユニットを形成し得るモノマーを架橋剤とともに重合させて製造できる。
架橋を形成する架橋剤(モノマー)としては、ポリエチレングリコール(1000)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(1000)ジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート等があり、好ましくは、ポリエチレングリコール(1000)ジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレートである。
【0015】
架橋体の製造に用いる架橋剤の量は、結晶性ユニットおよび親水性ユニットを形成し得るモノマーに対し、好ましくは、0.1〜20重量%であり、より好ましくは、0.2〜3重量%である。0.1重量%未満では、架橋効果がほとんど表れない。一方、20重量%を越えてもほとんど効果に差がない。
【0016】
本発明の架橋蓄熱材料は架橋されているので、熱可塑性樹脂となり、成型することが可能になる。また、その成型体は、蓄熱材料の融点を超えても型崩れし難い。
【0017】
好ましい架橋蓄熱材料の例として、ポリエイコシルアクリレート、ポリノナデシルアクリレート、ポリヘプタデシルアクリレート、ポリペンタデシルアクリレート、ポリステアリルアクリレート、ポリラウリルアクリレート、ポリミリスチルアクリレート、ポリパルミチルアクリレート、ポリミリスチルメタクリレート、ポリペンタデシルメタクリレート、ポリパルミチルメタクリレート、ポリヘプタデシルメタクリレート、ポリノナデシルメタクリレート、ポリエイコシルメタクリレート、ポリヘンエイコシルメタクリレート、ポリドコシルメタクリレート、ポリステアリルメタクリレート、ポリ(パルミチル/ステアリル)メタクリレート、ポリビニルラウレート、ポリビニルミリステート、ポリビニルパルミテート、ポリビニルステアレート、ポリラウリルビニルエーテル、ポリミリスチルビニルエーテル、ポリパルミチルビニルエーテル、ポリステアリルビニルエーテル等の架橋体が挙げられる。
特に好ましいのは、ポリドコシルメタクリレート、ポリヘンエイコシルメタクリレート、ポリエイコシルメタクリレート、ポリステアリルメタクリレート、ポリノナデシルメタクリレート、ポリヘプタデシルメタクリレート、ポリパルミチルメタクリレート、ポリペンタデシルメタクリレート、ポリミリスチルメタクリレートの架橋体である。
【0018】
本発明の架橋蓄熱材料は、本発明の特性を損なわない範囲において、他のモノマーと共重合させて、所望の機能を発揮させることもできる。
【0019】
例えば、本発明の架橋蓄熱材料は、親水性ユニットを含むことができる。本発明の架橋蓄熱材料は側鎖として長鎖炭化水素を有するため疎水性が高いが、親水性ユニットを含ませることにより、親水性を高めることができる。その結果、架橋蓄熱材料を基材等に塗布するとき基材等に対する密着性が向上する。
このような親水性ユニットを形成するモノマーは、特に限定されないが、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等があり、好ましくは、2−ヒドロキシエチルメタクリレートである。2−ヒドロキシエチルメタクリレートから形成される親水性ユニットは、下記式(2)で表される。
【0020】
【化8】
【0021】
親水性ユニットの含有量は、好ましくは、50重量%以下であり、より好ましくは、30重量%以下である。50重量%を越えると、側鎖Zの結晶性が低下する恐れがある。
【0022】
架橋蓄熱材料の融点、即ち、側鎖Zが非結晶化する温度は、好ましくは−10〜100℃、より好ましくは0℃以上、80℃以下であり、さらに好ましくは10℃以上、50℃以下である。融点が100℃を超えると、架橋蓄熱材料は日常の使用雰囲気下において、常に固体状態で存在するため、昇温時に結晶化熱を吸収する性質を利用することができないため、蓄熱材料の機能を十分に果たし難くなる。
また、融点が−10℃未満では、日常の使用雰囲気下において、架橋蓄熱材料は常に液体状態で存在するため、凝固時に熱を放出する性質を利用できないため、蓄熱材料の機能を十分に果たし難くなる。
【0023】
架橋蓄熱材料の融点と凝固点の差は、好ましくは15℃以内である。15℃より大きくなると、吸熱、放熱する間隔が広いため、蓄熱材料として所望の狭い温度範囲で機能を発揮し難くなる。
【0024】
架橋蓄熱材料の潜熱は、好ましくは50J/g以上、より好ましくは70J/g以上、さらに好ましくは80J/g以上である。潜熱が50J/g未満では蓄熱材料としての効果が不十分となる恐れがある。また、通常200J/g以下である。
【0025】
本発明の架橋蓄熱材料は、所定の温度範囲で、側鎖Zが可逆的に結晶化、非結晶化の相転移をする。側鎖Zが非結晶化すれば、架橋蓄熱材料全体に粘着性が出てくる。
【0026】
ここで、融点、凝固点及び潜熱とは、それぞれ示差走査熱量測定(DSC)で測定し、融点は融解ピークの頂点の温度を、凝固点は結晶化ピークの頂点の温度を意味する(JIS K 7121)。尚、融点は一度融解ピーク終了時より高い温度まで加熱し、所定温度まで冷却した後、再度加熱した時に得られる融解ピークの頂点の温度を融点とした。
【0027】
本発明の架橋蓄熱材料は、所望の温度範囲において、側鎖Zが相変化(融解、凝固)し、その際、大きな潜熱を放出又は吸収する。従って、この架橋蓄熱材料は、外気温度が上昇すると熱を吸収して融解し、外気温度が低下すると熱を放出して凝固するので、外気温度の変動を和らげ一定の温度が保たれやすく、蓄熱材料として極めて有用である。
【0028】
この他に、本発明の架橋蓄熱材料は、以下の効果を有し得る。
▲1▼ 高分子量なので、蒸発、漏洩の問題がない。
▲2▼ 樹脂なので、塗布、練り込み、繊維化が可能であり、加工が容易である。
▲3▼ 側鎖Zの長さを調節することにより、融点を容易に調節できる。
▲4▼ 共重合により、他の機能を付与できる。
▲5▼ 融解時に液の滲み出しがなく、型崩れしない。
▲6▼ 主鎖結晶型に比べ、相転移がシャープである。
▲7▼ 架橋することで、熱可塑性樹脂となり、成型することが可能である。
▲8▼ 架橋することで、成形したものは融点を超えても型崩れしない。
【0029】
上述したように、本発明の架橋蓄熱材料は、温度調整機能を有するため、体の周囲に接触又は非接触して用いて、体温に対して温度調節するのに適する。
具体的には、スキーウェア、レインウェアー等のスポーツ衣料、靴下、パンティストッキング、シャツ、背広等の一般衣料、中綿等の寝具、手袋、靴材、保温保冷が要求される食品包装材、建材、自動車内装材家具用繊維製品等に好適に使用される。
例えば、本発明の架橋蓄熱材料は、高温の部屋に入った場合、重合体が潜熱を奪うため、外気温度の影響を受けることが少なく衣類温度の上昇を防止できる。また、低温の部屋に入った場合、重合体が固化しその際凝固熱を発生するため、衣類の温度低下を防止できる。従って、いわゆる温度調節機能を有する繊維製品として、防寒着、スポーツ衣料等に使用できる。
また、家具用、自動車用繊維製品等にあっては、人体の接触する部位で、体温での基材の温度上昇速度を緩和でき、特に夏場では快適な素材となり得る。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例における特性の測定方法は以下の通りである。
(1)融点,凝固点,潜熱:示差走査熱量計(DSC−7:パーキンエルマージャパン社製)にて、試料量:3mg,昇温,降温速度:10℃/分で測定した。
(2)重量減少率:150℃で1時間保持したときの重量減少率を、TG−DTA装置(セイコーインスツルメント社)にて、試料量:3mg、Air流速:300ml/分の条件で測定した。
【0031】
[メタクリレート系架橋蓄熱材料]
実施例1
ポリステアリルメタクリレート架橋体(1%架橋)を以下の方法により合成した。
▲1▼ 2Lセパラブルフラスコ(4つ口)に、窒素導入管、攪拌装置、リフラックス装置を付けた。
▲2▼ このフラスコに、ステアリルメタクリレート(モノマー)495g(固体)と、架橋剤としてポリエチレングリコール(1000)ジメタクリレート(ポリエチレングリコール部平均分子量1,000)5gを仕込み、それに溶媒としてトルエンを300mL入れた。
▲3▼ フラスコ内に窒素をゆっくり流しながら、フラスコをオイルバス90℃につけ、ゆっくり攪拌(約200rpm)して固体を溶解させた。
▲4▼ 固体が溶解して均一な溶液になったら、フラスコの内温が70℃程度まで上昇するのを待ち、温度が70℃に達したら、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBN)を0.5g加え攪拌を続けた。この際、窒素の量はトルエンがリフラックスできる範囲にした。
▲5▼ フラスコの内温が80℃になる辺りから内容物が徐々に粘ちょうになり、20分程度後には餅状になってきたため、回転数を約20rpmまで下げ、攪拌棒を伝わって内容物が上昇するのを防いだ。この状態で、オイルバスのバス温を130℃まで上げ、そのまま3時間攪拌を続けた。
▲6▼ フラスコに付けたリフラックス装置と窒素導入管をはずし、減圧蒸留装置につけかえ、内容物が膨張して容器の中がつまらないように徐々に減圧していき、トルエンと未反応の軽質分を除去した。最終的には、約2torrまで減圧した。
▲7▼ 約2時間、軽質分を除去した後、内容物をテフロン(登録商標)板上に取り出し、粗粉砕し、風乾、さらに減圧乾燥して、最終的に白色固体480gを得た。
NMR分析の結果、ポリステアリルメタクリレート架橋体であることが確認された。分析データを表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
各特性を測定した。その結果を表2に示す。
尚、参考として、オクタデカン及びステアリルメタクリレートの特性も合わせて示す。
【0034】
実施例2
ステアリルメタクリレートを490g、ポリエチレングリコールジメタクリレートを10gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で合成を行ない、ポリステアリルメタクリレート架橋体(2%架橋)を得た。
各特性を測定した。その結果を表2に示す。
【0035】
実施例3
ステアリルメタクリレートを485g、ポリエチレングリコールジメタクリレートを15gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で合成を行ない、ポリステアリルメタクリレート架橋体(3%架橋)を得た。
各特性を測定した。その結果を表2に示す。
【0036】
実施例4
ステアリルメタクリレートを495g、架橋剤としてエチレングリコールジメタクリレートを5g用いた以外は、実施例1と同様の方法で合成を行ない、ポリステアリルメタクリレート架橋体(1%架橋)を得た。
各特性を測定した。その結果を表2に示す。
【0037】
実施例5
ステアリルメタクリレートを490g、架橋剤としてエチレングリコールジメタクリレートを10g用いた以外は、実施例1と同様の方法で合成を行ない、ポリステアリルメタクリレート架橋体(2%架橋)を得た。
各特性を測定した。その結果を表2に示す。
【0038】
実施例6
溶媒をTHFに変更し、反応温度をTHFのリフラックス温度まで下げた以外は、実施例1と同様の方法で合成を行ない、ポリステアリルメタクリレート架橋体(1%架橋)を得た。尚、本実施例では、溶媒を減圧蒸留せず、そのまま室温まで放置した。すると、THFを取り込んだ白色固体になった。それを粗粉砕し、お湯に入れて攪拌し、中に取り込まれたTHFを除去した。この行為を5回繰り返すと、粉体からはTHFの匂いがしなくなった。それを、風乾、さらに減圧乾燥して、白色の架橋体粉末470gを得た。
各特性を測定した。その結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
参考として記載したオクタデカン及びステアリルメタクリレートは低分子量であることから、融解時の粘度が非常に低く、使用に耐えないことが分かる。さらに、オクタデカンは蒸発量(重量減少量)も非常に大きい。
【0041】
[アクリレート系架橋蓄熱材料]
実施例7
モノマーとして、ステアリルアクリレートを495g用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ポリステアリルアクリレート架橋体(1%架橋)を得た。
各特性を測定した。その結果を表5に示す。
【0042】
実施例8
モノマーとして、ステアリルアクリレートを485g用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ポリステアリルアクリレート架橋体(3%架橋)を得た。
各特性を測定した。その結果を表5に示す。
【0043】
[共重合体系架橋蓄熱材料]
実施例9
モノマーとして、ステアリルメタクリレート425g及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート70g(仕込みモル比7/3)、架橋剤として、ポリエチレングリコール(1000)ジメタクリレート5gを用いた以外は、実施例1と同様の方法で合成を行ない、ポリ(ステアリルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート)共重合体架橋体(1%架橋)480gを得た。
NMR分析の結果、ポリ(ステアリルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート)共重合体架橋体であることが確認された。分析データを表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
各特性を測定した。その結果を表5に示す。
【0046】
実施例10
ステアリルメタクリレートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートの仕込み比を7/3から9/1に変更した以外は、実施例9と同様の方法で合成を行ない、ポリ(ステアリルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート)共重合体架橋体(1%架橋)480gを得た。
NMR分析の結果、ポリ(ステアリルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート)共重合体架橋体であることが確認された。分析データを表4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】
各特性を測定した。その結果を表5に示す。
【0049】
【表5】
【0050】
[アクリレート系架橋蓄熱材料]
実施例11〜13
モノマーとして、ラウリルアクリレート、ミリスチルアクリレート又はパルミチルアクリレートを用いて、実施例1と同様の方法で、それぞれ、1%架橋のポリラウリルアクリレート架橋体、ポリミリスチルアクリレート架橋体又はポリパルミチルアクリレート架橋体を得た。
各特性を測定した。その結果を表6に示す。
【0051】
[メタクリレート系架橋蓄熱材料]
実施例14〜16
モノマーとして、ミリスチルメタクリレート、パルミチルメタクリレート又はパルミチルメタクリレートとステアリルメタクリレートの2種混合体を用いて、実施例1と同様の方法で、それぞれ、1%架橋のポリミリスチルメタクリレート架橋体、ポリパルミチルメタクリレート架橋体又はポリ(パルミチル/ステアリル)メタクリレート架橋体を得た。
各特性を測定した。その結果を表6に示す。
【0052】
[ビニルエステル系架橋蓄熱材料]
実施例17〜20
モノマーとして、ビニルラウレート、ビニルミリステート、ビニルパルミテート又はビニルステアレートを用いて、実施例1と同様の方法で、それぞれ、1%架橋のポリビニルラウレート架橋体、ポリビニルミリステート架橋体、ポリビニルパルミテート架橋体又はポリビニルステアレート架橋体を得た。
各特性を測定した。その結果を表6に示す。
【0053】
[ビニルエーテル系架橋蓄熱材料]
実施例21
モノマーとして、ラウリルビニルエーテル、架橋剤としてポリエチレングリコール(1000)ジメタクリレート、触媒としてBF3エーテル錯体、溶媒としてトルエンを用いて、通常のカチオン重合を行い、ポリラウリルビニルエーテル架橋体(1%架橋)を得た。
各特性を測定した。その結果を表6に示す。
【0054】
【表6】
【0055】
分析例
実施例1,3,8及び9で得られた架橋体の側鎖の結晶状態を、X線回折装置(ガイガーフレックス、リガク社製)により分析した。側鎖間、側鎖長に相当する規則正しいピークが確認された。
結晶化度はピーク分離法により求めた。結果を表7に示す。
【0056】
【表7】
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、加工が容易で優れた蓄熱性を有する蓄熱材料を提供することができる。
Claims (7)
- 前記側鎖Zが、炭素数9以上の直鎖アルキル基である請求項1〜3のいずれかに記載の架橋蓄熱材料。
- 親水性ユニットをさらに含む請求項1〜4のいずれかに記載の架橋蓄熱材料。
- 架橋剤が前記結晶性ユニットおよび/または親水性ユニットを形成し得るモノマーに対し、0.1〜20重量%である請求項1〜6のいずれかに記載の架橋蓄熱材料。
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