JP4088178B2 - 蓄熱性フィルム又はシート及びその積層体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣料品、寝具、合成皮革又は食品包装材、車輌内装材、建設資材等に使用される、蓄熱性フィルム又はシート及びその積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、温度変化の著しい環境において着用される衣服、例えば、防寒衣料やスポーツ衣料等において使用される衣服には、保温性の向上を目的として、様々の材料が利用されている。
例えば、各種綿材料、羽毛、フェザーを断熱材として用いる衣料、衣料内部にアルミニウム等の輻射熱反射膜を付加する衣料、吸水により発熱する材料等が具体化されている。
【0003】
また、外気温度の変化に対し、温度調節機能を付与するものとして、蓄熱材料を使用する方法がある。
このような蓄熱材料として、例えば、オクタデカン等の低分子量の結晶性化合物があり、その相変化熱(融解、凝固)を利用して温度調節する。
しかし、かかる化合物は、潜熱は大きいが、融解すると粘度が低く流動性が大きくなるため、漏洩、流出の問題を抱えていた。また、低分子量であるため、沸点が低く、熱加工時に蒸発してしまう問題もあった。
【0004】
そこで、上記の低分子化合物を、マイクロカプセルに封入する試みがなされた(例えば、特許文献1〜3参照。)。即ち、低分子化合物を含むマイクロカプセルを、布に塗布して固着したものや、このマイクロカプセルを含有する合成樹脂を紡糸し、得られた繊維を布地としたものが具体化されていた。
しかし、かかるマイクロカプセルを用いた技術にも、以下の多くの問題があった。
▲1▼ マイクロカプセルを素材に均一に付着させることが難しく、十分な機能を発揮できない。
▲2▼ 接着剤を塗布して固着させた場合、保温性は向上するものの、バインダの影響により保湿性は低下する場合があり、衣服としての快適性が損なわれる。
▲3▼ マイクロカプセルは構造上ある程度の大きさを有するため、フィルム、シート化する際、薄膜化が困難である。
▲4▼ マイクロカプセル素材が着色している。
▲5▼ マイクロカプセルからホルムアルデヒドが発生する場合がある。
▲6▼ フィルム、シート化の際、圧力等によりマイクロカプセルが破砕するため成形性が悪く、マイクロカプセルの破壊により、内部の融解した液体が染み出てくる。
【0005】
一方、高分子の主鎖の相転移を利用した蓄熱性高分子が開発されている(例えば、特許文献4〜5参照。)。
しかし、このような蓄熱性高分子は、融点が高く実用化に適さなかった。例えば、高密度ポリエチレンの場合は融点が110〜130℃である。さらに、融点を調節することも困難であった。
【0006】
【特許文献1】
特開昭58−55699号公報
【特許文献2】
特開平1−85374号公報
【特許文献3】
特開平2−182980号公報
【特許文献4】
特開昭57−76078号公報
【特許文献5】
特開昭58−27773号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題に鑑み、製造が容易で優れた蓄熱性を有する蓄熱性フィルム又はシート及びその積層体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様によれば、融点が−10〜100℃であって、潜熱が30J/g以上であるポリマー若しくはオリゴマー又はこれらの架橋体からなる蓄熱材料、又はこの蓄熱材料を合成樹脂に配合してなる蓄熱性組成物からなるフィルム又はシートが提供される。
【0009】
好ましくは、合成樹脂は、少なくともポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂のうちいずれか1からなる。
好ましくは、蓄熱材料は、側鎖結晶型である。
好ましくは、合成樹脂の融点は100℃以上である。
好ましくは、蓄熱材料の潜熱は50J/g以上である。
【0010】
本発明の第二の態様によれば、式(1)に示される主鎖部X、結合部Y及び側鎖Zから構成され、側鎖Zが互いに結晶化し得る結晶性ユニットを、主構成成分とするポリマー又はオリゴマーである蓄熱材料、又はこの蓄熱材料を合成樹脂に配合してなる蓄熱性組成物からなるフィルム又はシートが提供される。
【化6】
【0011】
本発明の第三の態様によれば、式(1)に示される主鎖部X、結合部Y及び側鎖Zから構成され、側鎖Zが互いに結晶化し得る結晶性ユニットを、主構成成分とするポリマー又はオリゴマーの架橋体である蓄熱材料、又はこの蓄熱材料を合成樹脂に配合してなる蓄熱性組成物からなるフィルム又はシートが提供される。
【化7】
【0012】
好ましくは、主鎖部X、結合部Y及び側鎖Zの重量は、以下の式を満たす。
Z/(X+Y+Z)≧0.75
好ましくは、主鎖部Xは、
【化8】
から選択される少なくとも一種類であり、
結合部と側鎖Y−Zは、−CO−O−R、―O−CO−R、−O−R、−CH2−Rから選択される少なくとも一種類であり、Rは、炭素数9以上の炭化水素基である
好ましくは、Rは、炭素数9以上の直鎖アルキル基である。
好ましくは、ポリマー又はオリゴマーは、ポリドコシルメタクリレート、ポリヘンエイコシルメタクリレート、ポリエイコシルアクリレート、ポリノナデシルアクリレート、ポリヘプタデシルアクリレート、ポリパルミチルアクリレート、ポリペンタデシルアクリレート、ポリステアリルアクリレート、ポリラウリルアクリレート、ポリミリスチルアクリレート、ポリミリスチルメタクリレート、ポリペンタデシルメタクリレート、ポリパルミチルメタクリレート、ポリヘプタデシルメタクリレート、ポリノナデシルメタクリレート、ポリエイコシルメタクリレート、ポリステアリルメタクリレート、ポリ(パルミチル/ステアリル)メタクリレート、ポリビニルラウレート、ポリビニルミリステート、ポリビニルパルミテート、ポリビニルステアレート、ポリラウリルビニルエーテル、ポリミリスチルビニルエーテル、ポリパルミチルビニルエーテル又はポリステアリルビニルエーテルである。
【0013】
また、蓄熱材料は、さらに、親水性ユニットを含むことができる。
好ましくは、親水性ユニットは、式(2)又は式(3)に示されるユニットである。
【化9】
【0014】
本発明の第四の態様によれば、ポリエーテルである主鎖と、互いに結晶化し得る側鎖とを有するユニットを、主構成成分とするポリマー又はオリゴマーである蓄熱材料、又はこの蓄熱材料を合成樹脂に配合してなる蓄熱性組成物からなるフィルム又はシートが提供される。
【0015】
好ましくは、蓄熱材料の重量平均分子量Mwは、1,000〜2,000,000である。
【0016】
本発明の第五の態様によれば、上記のフィルム又はシートを、一層として含む積層体が提供される。
【0017】
本発明の第六の態様によれば、式(1)に示される主鎖部X、結合部Y及び側鎖Zから構成され、側鎖Zが互いに結晶化し得る結晶性ユニットを、主構成成分とするポリマー又はオリゴマーである蓄熱材料を、合成樹脂に配合してなる蓄熱性組成物が提供される。
【化10】
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
1.蓄熱材料
本発明のフィルム又はシートは、融点が−10〜100℃であって、潜熱が30J/g以上であるポリマー若しくはオリゴマー又はこれらの架橋体からなる蓄熱材料からなる。この材料は、好ましくは、側鎖結晶型で、潜熱が50J/g以上である。
具体的には、以下の蓄熱材料(A)〜(C)からなる。
(A)式(1)に示される主鎖部X、結合部Y及び側鎖Zから構成され、側鎖Zが互いに結晶化し得る結晶性ユニットを、主構成成分とするポリマー又はオリゴマー
【化11】
(B)上記式(1)に示される主鎖部X、結合部Y及び側鎖Zから構成され、側鎖Zが互いに結晶化し得る結晶性ユニットを、主構成成分とするポリマー又はオリゴマーの架橋体(架橋蓄熱材料)
(C)ポリエーテルである主鎖と、互いに結晶化し得る側鎖とを有するユニットを、主構成成分とするポリマー又はオリゴマー(ポリエーテル蓄熱材料)
【0019】
これらの蓄熱材料は、所望の温度範囲において、材料(A)及び(B)にあっては、側鎖Zの非結晶化又は結晶化により相変化(融解、凝固)し、また、材料(C)にあっては、側鎖の凝集解離により相変化(融解、凝固)し、その際、大きな潜熱を放出又は吸収する。従って、これらの蓄熱材料は、外気温度が上昇すると熱を吸収して融解し、外気温度が低下すると熱を放出して凝固するので、外気温度の変動を和らげ、一定の温度が保たれやすく、蓄熱材料としての機能を発揮する。また、材料(A)及び(B)では、式(1)の主鎖部Xが、上記の温度範囲では融解せず、さらに、材料(B)では、架橋によって三次元網目構造となるので、材料全体が流出することなく形状は保持される。また、これらの蓄熱材料(A)、(B)及び(C)は、側鎖の長さを調節することにより、融点を容易に調節できる。
【0020】
まず、蓄熱材料(A)及び(B)について説明する。
蓄熱材料(A)及び(B)において、式(1)の主鎖部Xは、側鎖Zの結晶化を阻害する構造でなければ特に限定されないが、好ましくは、
【化12】
から選択される少なくとも一種類である。
結合部Yは、主鎖部Xと側鎖Zを結合する部であり、1原子ユニットを意味する。側鎖Zは、結晶化できれば特に限定はされないが、好ましくは、炭素数9以上の炭化水素基を含み、さらに好ましくは、炭素数9以上の直鎖アルキル基を含む。
結合部と側鎖Y−Zは、好ましくは、−CO−O−R、−O−CO−R、−O−R、−CH2−Rから選択される少なくとも一種類であり、Rは、炭素数9以上の炭化水素基であり、さらに好ましくは、炭素数9以上の直鎖アルキル基である。
【0021】
特に好ましい、主鎖部X、結合部Y及び側鎖Zからなる結晶性ユニットは、以下に示す、ポリメタクリレート系、ポリアクリレート系、ポリビニルエステル系、ポリビニルエーテル系又は炭化水素系である。
【化13】
【0022】
好ましい蓄熱材料(A)の例として、ポリドコシルメタクリレート、ポリヘンエイコシルメタクリレート、ポリエイコシルアクリレート、ポリノナデシルアクリレート、ポリヘプタデシルアクリレート、ポリパルミチルアクリレート、ポリペンタデシルアクリレート、ポリステアリルアクリレート、ポリラウリルアクリレート、ポリミリスチルアクリレート、ポリミリスチルメタクリレート、ポリペンタデシルメタクリレート、ポリパルミチルメタクリレート、ポリヘプタデシルメタクリレート、ポリノナデシルメタクリレート、ポリエイコシルメタクリレート、ポリステアリルメタクリレート、ポリ(パルミチル/ステアリル)メタクリレート、ポリビニルラウレート、ポリビニルミリステート、ポリビニルパルミテート、ポリビニルステアレート、ポリラウリルビニルエーテル、ポリミリスチルビニルエーテル、ポリパルミチルビニルエーテル、ポリステアリルビニルエーテル等が挙げられる。
【0023】
また、好ましい蓄熱材料(B)の例として、上記蓄熱材料(A)の具体例の架橋体が挙げられる。
【0024】
好ましくは、主鎖部X、結合部Y及び側鎖Zの重量は、以下の式を満たす。
Z/(X+Y+Z)≧0.75
即ち、側鎖Zの結晶性ユニットに占める割合は75重量%以上である。75重量%未満では、側鎖Zが結晶化できなくなり、蓄熱性を発揮することができない恐れがある。
【0025】
蓄熱材料(A)及び(B)は、その特性を損なわない範囲において、他のユニットを含むことにより、所望の機能を発揮させることもできる。
【0026】
例えば、蓄熱材料(A)及び(B)は、親水性ユニットを含むことができる。これらの蓄熱材料は、側鎖として長鎖炭化水素基を有するため疎水性が高いが、親水性ユニットを含ませることにより、親水性を高めることができる。その結果、これらの蓄熱材料を基材等に塗布してフィルム又はシートを製造するとき、基材等に対する密着性が向上する。
【0027】
このような親水性ユニットを形成するモノマーは、特に限定されないが、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等がある。2−ヒドロキシエチルメタクリレートから形成される親水性ユニットは、下記式(2)で表される。また、2−ヒドロキシエチルアクリレートから形成される親水性ユニットは、下記式(3)で表される。
【化14】
【0028】
親水性ユニットの含有量は、好ましくは、50重量%以下であり、より好ましくは、30重量%以下である。50重量%を越えると、側鎖Zの結晶性が低下する恐れがある。
【0029】
蓄熱材料(A)の重量平均分子量Mwは、好ましくは1,000〜2,000,000、より好ましくは10,000〜1,000,000である。Mwが1,000未満では、製品強度が弱く、また、融点が低いため、使用時に液化し、ベトツキ等の原因となる場合がある。一方、2,000,000を超えると、高分子としての流動性が悪化するため、紡糸、成形加工性が低下する場合がある。
【0030】
蓄熱材料(A)及び(B)の融点、即ち、側鎖Zが非結晶化する温度は、好ましくは−10〜100℃である。この範囲の下限は、より好ましくは0℃、さらに好ましくは10℃である。この範囲の上限は、より好ましくは80℃、さらに好ましくは50℃、特に好ましくは40℃である。
融点が100℃を超えると、これらの材料は、日常の使用雰囲気下において、常に固体状態で存在するため、昇温時に結晶化熱を吸収する性質を利用することができないため、蓄熱材料としての機能を十分に果たし難くなる。
また、融点が−10℃未満では、日常の使用雰囲気下において、これらの材料は、常に液体状態で存在するため、凝固時に熱を放出する性質を利用できないため、蓄熱材料としての機能を十分に果たし難くなる。
【0031】
蓄熱材料(A)及び(B)の融点と凝固点の差は、好ましくは15℃以内である。15℃より大きくなると、吸熱、放熱する間隔が広いため、蓄熱材料として所望の狭い温度範囲で機能を発揮し難くなる。
【0032】
蓄熱材料(A)及び(B)の潜熱は、上記の融点の範囲において、好ましくは30J/g以上、より好ましくは50J/g以上、さらに好ましくは70J/g以上である。潜熱が30J/g未満では、蓄熱材料としての効果が不十分となる恐れがある。また、通常200J/g以下である。
【0033】
蓄熱材料(A)及び(B)は、所定の温度範囲で、側鎖Zが大きな潜熱を伴って可逆的に結晶化、非結晶化の相転移をするが、主鎖Xはかかる相転移はしない。
【0034】
蓄熱材料(A)及び(B)の50℃における40重量%トルエン溶液の溶液粘度は、好ましくは100mm2/s以上、より好ましくは120mm2/s以上である。100mm2/s未満では、蓄熱材料が漏洩する恐れがあり、布地のベタツキ等の原因となる。
【0035】
ここで、融点、凝固点及び潜熱とは、それぞれ示差走査熱量測定(DSC)で測定し、融点は、融解ピークの頂点の温度を、凝固点は、結晶化ピークの頂点の温度を意味する(JIS K 7121)。尚、融点は、一度融解ピーク終了時より高い温度まで加熱し、所定温度まで冷却した後、再度加熱した時に得られる融解ピークの頂点の温度を融点とした。
【0036】
蓄熱材料(A)及び(B)の製造方法は、特に限定されない。
例えば、材料(A)は、結晶性ユニットを形成し得るモノマー、又は結晶性ユニット及び親水性ユニットを形成し得るモノマーを重合することにより製造できる。
【0037】
また、材料(B)は、結晶性ユニットを形成し得るモノマー、又は結晶性ユニット及び親水性ユニットを形成し得るモノマーを、架橋剤と共に重合することにより製造できる。
架橋を形成する架橋剤(モノマー)としては、ポリエチレングリコール(1000)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(1000)ジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート等があり、好ましくは、ポリエチレングリコール(1000)ジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレートである。
架橋剤の量は、結晶性ユニット及び親水性ユニットを形成し得るモノマーに対し、好ましくは、0.1〜20重量%であり、より好ましくは、0.2〜3重量%である。0.1重量%未満では、架橋効果がほとんど表れない。一方、20重量%を越えてもほとんど効果に差がない。
【0038】
次に、蓄熱材料(C)について説明する
蓄熱材料(C)は、上述したように、ポリエーテルである主鎖と、互いに結晶化し得る側鎖とを有するユニットを、主構成成分とするポリマー又はオリゴマーである。
蓄熱材料(C)において、側鎖は、結晶化できれば特に限定はされない。
具体的な蓄熱材料(C)としては、式(4)に示すユニットを有するポリグリセリン系、又は式(5)に示すユニットを有するポリアルキレングリコール系が挙げられる。
【0039】
【化15】
(式中、R1は、炭素数11以上の炭化水素基から選択される少なくとも一種類であり、R2は、炭素数14以上の炭化水素基から選択される少なくとも一種類である。)
【0040】
R1又はR2は、好ましくは上記の炭素数を有する直鎖アルキル基である。具体例としては、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基等が挙げられる。
特に好ましいのは、トリデシル基(C13)、ペンタデシル基(C15)、ヘプタデシル基(C17)、ヘンエイコシル基(C21)である。
【0041】
例えば、R1が炭素数13のトリデシル基、R2が炭素数14のテトラデシル基であるときは、本発明の蓄熱材料は、それぞれ式(6)又は式(7)に示すユニットを有する。
【0042】
【化16】
【0043】
上記のような構成において、所定の温度で、主鎖は結晶化しないが、長い側鎖同士が互いに結晶化し得る。
【0044】
ポリグリセリン系蓄熱材料の例としては、デカグリセリン−ラウリン酸(C12)反応物、デカグリセリン−ミリスチン酸(C14)反応物、デカグリセリン−パルミチン酸(C16)反応物、デカグリセリン−ステアリン酸(C18)反応物、デカグリセリン−ベヘン酸(C22)反応物等が挙げられる。このうち、好ましいのは、デカグリセリン−ミリスチン酸反応物、デカグリセリン−パルミチン酸反応物、デカグリセリン−ステアリン酸反応物、デカグリセリン−ベヘン酸反応物である。
【0045】
また、ポリアルキレングリコール系蓄熱材料の例としては、ドデシレンオキシド、テトラデシレンオキシド、ヘキサデシレンオキシド、オクタデシレンオキシド等のアルキレンオキシドの重合物等が挙げられる。このうち、好ましいのは、ヘキサデシレンオキシド、オクタデシレンオキシド等の重合物である。
【0046】
蓄熱材料(C)は、その特性を損なわない範囲において、側鎖の官能基を変えることにより、所望の機能を発揮させることもできる。
例えば、蓄熱材料(C)は、側鎖として長鎖炭化水素基を有するため疎水性が高いが、アルコール等の親水性官能基を含ませることにより、親水性を高めることができる。その結果、蓄熱材料を基材等に塗布するとき、基材等に対する密着性が向上する。
【0047】
蓄熱材料(C)の重量平均分子量Mw、融点、融点と凝固点の差及び潜熱は、蓄熱材料(A)及び(B)と同様である。
【0048】
蓄熱材料(C)も、所定の温度範囲で、側鎖が可逆的に結晶化、非結晶化の相転移をするが、主鎖はかかる相転移はしない。
【0049】
蓄熱材料(C)は、TG−DTA測定装置で測定した空気中での5%重量減少温度が、好ましくは200℃以上、より好ましくは240℃以上である。200℃未満では、加熱加工処理時に蒸発する場合がある。尚、5%重量減少温度とは、蓄熱材料(C)を加熱して、全体の5重量%が減少したときの温度である。
【0050】
蓄熱材料(C)の製造方法は、特に限定されない。例えば、ポリグリセリン系蓄熱材料は、ポリグリセリン(ポリエーテル主鎖)に存在する水酸基と、直鎖アルキル基を有するカルボン酸(側鎖)のカルボキシル基とを、公知のエステル化反応を用いて反応させることにより製造できる。
一方、ポリアルキレングリコール系蓄熱材料は、アルキレンオキシドを開環重合することにより製造できる。
【0051】
2.蓄熱性組成物
また、本発明のフィルム又はシートは、蓄熱性組成物からなる。
本発明のフィルム又はシートに使用する蓄熱性組成物は、上記の蓄熱材料を合成樹脂に配合したものである。
蓄熱性組成物に用いる合成樹脂としては、融点が100℃以上のものが好ましい。具体的には、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂(PVC樹脂)、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂(例えば、PET)、ポリカーボネート樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、熱可塑性エラストマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。このうち、好ましくは、上述した樹脂である。これらは、一種単独で用いてもよく、また、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0052】
蓄熱材料の配合量は、要求される温度調節機能により異なるが、合成樹脂に対して、5重量%以上、好ましくは20重量%以上、特に好ましくは30重量%以上である。5重量%以下では、その温度調節機能が十分に発揮されない恐れがある。
【0053】
蓄熱性組成物には、相溶性改良材として、エポキシ基含有アクリル系ポリマーや、アリルエーテルコポリマー等を配合することができる。これにより、合成樹脂間の相溶性が向上し、蓄熱材料の配合量を増加することが可能となる。
また、蓄熱性組成物には、その特性を損なわない範囲で、種々の添加剤、例えば、酸化防止剤、耐光剤、無機充填剤(炭酸カルシウム、タルク等)、発泡剤(化学発泡材等)、老化防止剤、抗菌剤、防カビ剤、着色剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、加工助剤、安定剤、可塑剤、架橋剤、反応促進剤等を配合することができる。
【0054】
蓄熱性組成物の潜熱は、−10〜100℃において、蓄熱機能上、好ましくは1J/g以上であり、より好ましくは5J/g以上である。潜熱が1J/g未満では、蓄熱の効果が十分でない場合がある。また、好ましくは−10〜80℃、より好ましくは0〜50℃において、好ましくは1J/g以上、より好ましくは5J/g以上である。
この特性により、外気温度等に対して、温度調節機能が十分に発揮できる。
このような蓄熱性組成物は、蓄熱材料と合成樹脂とを、公知の方法でブレンドし、混練することより製造することができる。
【0055】
3.フィルム又はシート
フィルム又はシートの成形方法は、公知の方法を用いることができ、特に限定されないが、例えば、ナイフコーティング、グラビアコーティング、スプレー、ディッピング等の方法で成形できる。
【0056】
蓄熱材料又は組成物を成形するとき、特に蓄熱性組成物の樹脂として、ポリ塩化ビニル、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル配合樹脂等を用いる場合は、通常のTダイ成形、インフレーション成形、圧縮成形、カレンダー成形等の熱可塑性樹脂の成形に使用される方法で成形できる。
また、蓄熱性組成物の樹脂として、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂を使用した組成物の場合は、溶剤系樹脂溶液としてフィルム化が可能である。その溶剤としては、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、トルエン等を使用できる。
さらに、各種樹脂及び蓄熱材料を微粉化し、水、イソプロピルアルコール等の貧溶媒によりエマルジョン化しても、フィルム化が可能である。
【0057】
本発明のフィルム又はシートを製造するとき、原料となる蓄熱材料又は組成物は、高分子量なので、蒸発、漏洩の問題がない。また、樹脂なので、塗布、練り込み、繊維化が可能であり、加工が容易である。即ち、蓄熱材料又は組成物は、フィルム又はシートへの加工が容易であり、従来技術と比較し、蓄熱材を均一に分散できる。
【0058】
尚、上記の蓄熱材料を用いて、フィルム又はシートを製造するとき、その特性を損なわない範囲において、上記の各種添加剤を添加できる。
【0059】
本発明のフィルム又はシートは、上記の蓄熱材料を含んでいるので、蓄熱材料の融点において、潜熱を発生する。即ち、−10〜100℃において、好ましくは1J/g以上、より好ましくは5J/g以上の潜熱を発生する。潜熱が1J/g未満では、蓄熱の効果が十分でない場合がある。また、好ましくは−10〜80℃、より好ましくは0〜50℃において、好ましくは1J/g以上、より好ましくは5J/g以上の潜熱を発生する。
【0060】
4.積層体
本発明の積層体は、上記のフィルム又はシートを一層として含む、二層又はそれ以上の多層体である。
好ましくは、本発明の積層体は、基材(ベース)の上に、フィルム又はシートを積層する。基材の例として、塩化ビニル(PVC)シート、ポリウレタンシート、繊維生地、セルロース、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂のフィルム、不織布、紙等が挙げられる。
本発明の積層体は、本発明のフィルム又はシート及び基材の他、必要に応じて、基材とフィルム層の間にウレタン等のバインダ層を含むことができる。
【0061】
積層体の製造方法は、公知の方法を用いることができ、特に限定されないが、例えば、ナイフコーティング、グラビアコーティング、スプレー、ディッピング等の方法で積層できる。
ポリ塩化ビニル、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル配合樹脂等を用いる場合、通常のTダイ成形、インフレーション成形、圧縮成形、カレンダー成形等の熱可塑性樹脂の成形に使用される方法により積層体を製造できる。
また、本発明のフィルム又はシートを、バインダ等で他の層と張り合わせて製造することもできる。
【0062】
本発明によれば、優れた蓄熱性を有する材料又はその組成物を用いているので、外気温度の変化に追随することの少ない優れた蓄熱性フィルム又はシート及び積層体が提供できる。
本発明のフィルム又はシート及び積層体は、スキーウェア、レインウェア等のスポーツ衣料、防寒衣料、靴下、パンティストッキング、シャツ、背広等の一般衣料、中綿等の寝具、手袋、靴材、家具用、自動車用人工レザー、保温、保冷が要求される食品包装材、建材等に使用でき、特に、繊維製品、家具及び自動車用レザー製品等に好適に使用できる。
例えば、本発明のフィルム又はシートを積層した繊維生地を利用した繊維製品は、高温の部屋に入った場合、蓄熱材料が潜熱を奪うため、外気温度の影響を受けることが少なく衣類温度の上昇を防止できる。また、低温の部屋に入った場合、蓄熱材料が固化しその際凝固熱を発生するため、衣類の温度低下を防止できる。従って、いわゆる温度調節機能を有する繊維製品として、防寒着、スポーツ衣料等に使用できる。
また、家具用、自動車用レザー等にあっては、人体の接触する部位で、体温での基材の温度上昇速度を緩和でき、特に夏場では快適な素材となり得る。
【0063】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、各例で得られた試料の評価は下記の方法で行った。
(1)融点、凝固点、潜熱:示差走査熱量計(DSC−7:パーキンエルマージャパン社製)にて、試料量:3mg、昇温、降温速度:10分/分で測定した。
(2)分子量:GPC測定装置(日本分光社製)にて、テトラヒドロフランを溶媒として測定した。分子量はポリスチレン換算で計算した。
(3)重量減少率:150℃で1時間保持したときの重量減少率を、TG−DTA装置(セイコーインスツルメント社)にて、試料量:3mg、Air流速:300ml/分の条件で測定した。
(4)溶融粘度:動粘度(単位mm2/s)(JIS−K2283)を75℃で測定した。
(5)5%重量減少温度:TG−DTA装置(セイコーインスツルメント社)にて、試料量:3mg、Air流速:300ml/分の条件で測定した。
【0064】
(蓄熱材料の製造)
製造例1
蓄熱材料として、ポリステアリルメタクリレートを以下の方法で重合した。
2lの4つ口セパラブルフラスコに窒素導入管、攪拌翼、還流器をつけ、そのフラスコにステアリルメタクリレート400g、及び溶媒としてトルエン600mlを入れた。
窒素をゆっくり通気しながら、65℃の水浴中で約15分間攪拌しながらステアリルメタクリレートを溶解した。その後、重合開始剤としてアゾビスイソブチルニトリル1.0gを入れ、内温が75℃になるように水浴温度を調節し、8時間反応させた。
反応終了後、室温にて反応物を冷却し、反応物を5lビーカーに入れたメタノール4l中へ攪拌しながら加え重合物を沈殿させた。2時間攪拌後析出した重合物をろ過し、その後風乾し蓄熱材料を得た。
得られた重合物の重量平均分子量は202,000であり、融点は38℃であった。潜熱は84J/gであった。
【0065】
製造例2〜14
製造例1と同様にして、表1に示す蓄熱材料を製造した。
製造例1〜14で製造した蓄熱材料の物性を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
(架橋体の製造)
製造例15
ポリステアリルメタクリレート架橋体(1%架橋)を以下の方法により合成した。
▲1▼ 2Lセパラブルフラスコ(4つ口)に、窒素導入管、攪拌装置、リフラックス装置を付けた。
▲2▼ このフラスコに、ステアリルメタクリレート(モノマー)743g(固体)と、架橋剤としてポリエチレングリコール(1000)ジメタクリレート(ポリエチレングリコール部平均分子量1,000)7.5gを仕込み、それに溶媒としてトルエンを450mL入れた。
▲3▼ フラスコ内に窒素をゆっくり流しながら、フラスコをオイルバス90℃につけ、ゆっくり攪拌(約200rpm)して固体を溶解させた。
▲4▼ 固体が溶解して均一な溶液になったら、フラスコの内温が70℃程度まで上昇するのを待ち、温度が70℃に達したら、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBN)を0.75g加え攪拌を続けた。この際、窒素の量はトルエンがリフラックスできる範囲にした。
▲5▼ フラスコの内温が80℃になる辺りから内容物が徐々に粘ちょうになり、20分程度後には餅状になってきたため、回転数を約20rpmまで下げ、攪拌棒を伝わって内容物が上昇するのを防いだ。この状態で、オイルバスのバス温を130℃まで上げ、そのまま3時間攪拌を続けた。
▲6▼ フラスコに付けたリフラックス装置と窒素導入管をはずし、減圧蒸留装置につけかえ、内容物が膨張して容器の中がつまらないように徐々に減圧していき、トルエンと未反応の軽質分を除去した。最終的には、約2torrまで減圧した。
▲7▼ 約2時間、軽質分を除去した後、内容物をテフロン(登録商標)板上に取り出し、粗粉砕し、風乾、さらに減圧乾燥して、最終的に白色固体720gを得た。
NMR分析の結果、ポリステアリルメタクリレート架橋体であることが確認された。
【0068】
製造例16
ステアリルメタクリレートを728g、ポリエチレングリコール(1000)ジメタクリレートを22.5gに変更した以外は、製造例15と同様の方法で合成を行ない、ポリステアリルメタクリレート架橋体(3%架橋)を得た。
【0069】
製造例17
モノマーとして、ステアリルメタクリレート638g及び2−ヒドロキシエチルアクリレート70g(仕込みモル比7/3)、架橋剤として、ポリエチレングリコール(1000)ジメタクリレート7.5g(1重量%)を用いた以外は、製造例15と同様の方法で合成を行ない、ポリ(ステアリルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレート)共重合体架橋体(1%架橋)720gを得た。
【0070】
製造例18
原料の仕込み比を7/3から9/1に変更した以外は、製造例17と同様の方法で合成を行ない、ポリ(ステアリルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレート)共重合体架橋体(1%架橋)720gを得た。
【0071】
製造例19
ポリステアリルメタクリレート架橋体(1%架橋)を以下の方法により合成した。
▲1▼ 2Lセパラブルフラスコ(4つ口)に窒素導入管、攪拌装置、リフラックス装置を付けた。
▲2▼ フラスコに、ステアリルメタクリレート(モノマー)99gと、架橋剤としてポリエチレングリコール(1000)ジメタクリレート(ポリエチレングリコール部平均分子量1,000)1gを仕込み、それに重合開始剤としてAIBNを0.5g加えた。
▲3▼ 窒素をゆっくり流しながら、オイルバス50℃につけ、ゆっくり攪拌(約200rpm)して全体を均一に溶解させた。
▲4▼ 次に、予め分散剤としてPVA(ポリビニルアルコール:平均重合度3,500、部分ケン化型)1gを溶解させた水800mLを、▲3▼の均一溶液に500rpmで攪拌しながら、一度に加えた。
▲5▼ オイルバスの温度を90℃に上げ、500rpmで3時間攪拌を続けた。
▲6▼ 3時間後、オイルバスを氷水にかえて、1時間攪拌しながら冷却を行った。
▲7▼ 内容物を加圧濾過器に移し、No.2の濾紙にて濾過を行った。次に、水で濾過、最後にメタノールで濾過した後、得られた粉体をドラフトで風乾、さらに減圧乾燥機で乾燥させた。
このようにして白い架橋粉体が99g得られた。電子顕微鏡(SEM)で観察すると、平均粒径が約50μmの真球状粒子であった。このものは、架橋していないポリマーと同様の相転移点を持つが、高温域で相転移した後も液状にはならず、粘着性が出るのみであった。
【0072】
製造例20
製造例19で使用した分散剤を、界面活性剤ネオコールSW−C(商品名:第一工業製薬(株)製)14gに変えた以外は、製造例19と同様に反応を行い、白色粉体99gを得た。
【0073】
製造例21
製造例20で、水を600mL、ステアリルメタクリレート(モノマー)を297g、ポリエチレングリコール(1000)ジメタクリレートを3g、AIBNを1gに変えた以外は、製造例20と同様に反応を行い、白色粉体299gを得た。
【0074】
製造例22
製造例21で、AIBNを水溶性の過硫酸アンモニウム1gに変え、これを予め水に溶解させた以外は、製造例21と同様に反応を行った。この場合、No.2の濾紙では内容物が抜けてしまったので、濾紙を0.1μmのものに付け替え、再度濾過をし、白色粉体298gを得た。
製造例15〜22で製造した架橋体の物性を表2に示す。
【0075】
【表2】
【0076】
製造例23
デカグリセリン−ミリスチン酸(C14)反応物を、以下の方法により合成した。
▲1▼ 2Lセパラブルフラスコ(4つ口)に、窒素導入管、攪拌装置、ディーンスターク水分離装置を付けた。このとき、水分離装置は60−70℃に保温した。
▲2▼ フラスコに、デカグリセリン310gとミリスチン酸(固体)1,090gを仕込んだ。
▲3▼ 窒素をゆっくり流しながら、マントルヒーター(100℃)で加熱し、ゆっくり攪拌して固体を溶解させた。
▲4▼ 溶解して均一な溶液になった後、ヒーターの温度を徐々に上げ、攪拌を続けた。このとき、160−170℃付近から水の流出が始まり、同時にミリスチン酸もトラップに出てくるため、固化して詰まらせないようにしながら水を除去した。そして、そのまま内温を180℃程度に調節しながら反応を続けた。
▲5▼ 5−6時間後、ヒーターの温度を、内温が240℃程度になるまで上げ、そのまま2−3時間攪拌を続けた。
▲6▼ 水の留出が認められなくなったら、水分離装置を減圧蒸留装置に付け替え、20mmHg程度で軽質分をカットした。
▲7▼ フラスコをヒーターからはずし、攪拌しながら80℃程度まで放冷した。
▲8▼ 内容物を金属製のパットにあけ、さらに冷却し、固化させた後、粉砕してフレーク状の固体1,210gを得た。
NMR分析の結果、デカグリセリンの反応点12個所に対し、平均10ユニットのミリスチン酸がエステル結合したものであることが確認された。
尚、後述する製造例24、製造例25、製造例26で得られた反応物についても同様にNMR分析したところ、製造例23と同様の化学シフト値が得られ、その強度が炭素数に応じて異なっていた。
【0077】
重量平均分子量は2,750であった。
各特性を測定した。その結果を表3に示す。
【0078】
製造例24
ミリスチン酸の代わりにパルミチン酸を使用した以外は、製造例23と同様の方法で合成を行ない、デカグリセリン−パルミチン酸(C16)反応物を得た。
重量平均分子量は2,899であった。
各特性を測定した。その結果を表3に示す。
【0079】
製造例25
ミリスチン酸の代わりにステアリン酸を使用した以外は、製造例23と同様の方法で合成を行ない、デカグリセリン−ステアリン酸(C18)反応物を得た。
重量平均分子量は3,151であった。
各特性を測定した。その結果を表3に示す。
【0080】
製造例26
ミリスチン酸の代わりにベヘン酸を使用した以外は、製造例23と同様の方法で合成を行ない、デカグリセリン−ベヘン酸(C22)反応物を得た。
重量平均分子量は3,396であった。
各特性を測定した。その結果を表3に示す。
【0081】
製造例27
ミリスチン酸の代わりにラウリン酸を使用した以外は、製造例23と同様の方法で合成を行ない、デカグリセリン−ラウリン酸(C12)反応物を得た。
重量平均分子量は1,927であった。
各特性を測定した。その結果を表3に示す。
【0082】
【表3】
【0083】
(蓄熱材料からなるシート)
実施例1〜14
製造例1〜14で製造した蓄熱材料を、離型紙上にコーターで塗布し、80℃で乾燥した後、離型紙を剥がして、厚さ100μmのシートを作製した。
得られたシートの融点、潜熱は、表1に示す値と同様であった。
【0084】
(蓄熱性組成物からなるシート)
実施例15
透湿性ポリウレタン樹脂溶液(大日精化工業製ハイムレンY−237:固形分25重量%)1,000gに対し、製造例1で作製した蓄熱材料583gを混合した樹脂溶液を離型紙上にコーターで塗布し、80℃で乾燥した後、離型紙を剥がして、厚さ100μmのシートを作製した。
【0085】
実施例16
製造例1で作製した蓄熱材料250gを混合した樹脂溶液を使用した以外は、実施例15と同様に厚さ100μmのシートを作製した。
【0086】
比較例1
蓄熱材料を配合しなかった以外は、実施例15と同様に厚さ100μmのシートを作製した。
【0087】
比較例2
製造例1で作製した蓄熱材料のかわりに、ステアリルメタクリレート2量体を用いた以外は、実施例16と同様にして厚さ100μmのシートを作製した。
【0088】
(積層体:繊維)
実施例17
ナイロン50%とテトロン50%との混紡繊維よりなる基材に、実施例16で作製した樹脂溶液を、湿式コーティング装置を用いて塗布した。この基材を凝固水洗槽に通した後140℃で乾燥し、厚さ100μmの積層体を作製した。
【0089】
実施例15〜17及び比較例1のシート及び積層体の、38℃(蓄熱材料の融点)における潜熱を測定した。結果を表4に示す。
尚、比較例2は、ステアリルメタクリレート2量体成分が溶解溶出し、べとつきが激しく、種々の製品への使用には向かないものであった。
【0090】
【表4】
【0091】
(積層体:ウレタン樹脂)
実施例18
図1(a)に示す積層体10を以下のように作製した。
ポリエステル系ウレタン樹脂溶液(大日精化工業製、レザミンME−3612LP)を離型紙11上にバーコーターで塗布し、80℃で乾燥し、10μm厚のウレタン層12を作製した(層A)。
固形分60%の2液系ウレタン樹脂(大日精化工業製、バインダレザミンUD−660SA)1000g、架橋剤(大日精化工業製、レザミンUD−102)120g、促進剤(大日精化工業製、レザミンUD−102)100g、トルエン600g及び製造例1で作製した蓄熱材料600gを混合し、コーティング溶液とした。
このコーティング液を層Aにバーコーターで塗布し、100℃で乾燥し100μm厚のウレタン/蓄熱材料層13(蓄熱性組成物層)を作製した。
その上にポリエステル不織布14を載せ、120℃のプレス機でラミネーションし、離型紙11を剥がし、積層体10を得た。
【0092】
実施例19
図1(b)に示す積層体20を以下のように作製した。
実施例18と同様に、離型紙21上に作製したウレタン層22に、トルエン1,000gと製造例1で作製した蓄熱材料400gを混合したコーティング液を、バーコーターで塗布し、80℃で乾燥し、厚さ70μmの蓄熱材料層23を得た。
その上に実施例18と同じ2液系ウレタン樹脂1,000g、架橋剤120g及び促進剤100gを混合したコーティング液を、バーコーターで塗布し、100℃で乾燥し、厚さ10μmのウレタンバインダ層24を作製した。
その上にポリエステル不織布25を載せ、120℃のプレス機でラミネーションし、離型紙21を剥がし、積層体20を得た。
【0093】
尚、実施例18と実施例19の他にも、ウレタン樹脂を用いた、様々な積層体の構造が可能である。例えば、図1(c)に記すような積層体30を作製できる。この積層体30は、ウレタン層31、ウレタン/蓄熱材料層(蓄熱性組成物層)32、ウレタン層33、バインダ層34及び紙又は布35からなり、ウレタン/蓄熱材料層32のウレタン又はウレタン層33の両方又は一方が発泡しているため一層蓄熱効果が高まっている。
【0094】
比較例3
蓄熱材料を含まない以外は、実施例18と同様の方法で積層体を得た。
実施例18、19及び比較例3で得られた積層体について、これら積層体を4つ折りにし、内部に熱電対を挿入し、外部の雰囲気温度を25℃→40℃→5℃と変動させたときの、積層体内部の温度変化を測定した。結果を図2に示す。
図2のグラフから分かるように、実施例18、19の積層体は、比較例3の積層体に比べると、温度変化が少ないことが分かる。
【0095】
(積層体:レザー)
実施例20
軟質塩化ビニル樹脂(信越ポリマー社製、可塑剤38重量%、平均重合度3000)50重量%に対し、製造例1で作製した蓄熱材料50重量%を混合し、これを160℃に加熱混練して厚さ400μmのシート状に加工後、ウレタン系バインダを用い、ポリエステル/レーヨン(50/50)生地を貼り、塩化ビニルレザー(PVCレザー)を作製した。
【0096】
比較例4
蓄熱材料を配合しない他は、実施例20と同様の方法で積層体を得た。
実施例20及び比較例4で作製したシートの、38℃(蓄熱材料の融点)における潜熱を測定した。結果を表5に示す。
【0097】
【表5】
【0098】
(蓄熱性組成物からなるシート)
実施例21
透湿性ポリウレタン樹脂溶液(大日精化工業製、ハイムレンY−237:固形分25重量%)1,000gに、製造例15で作製したポリステアリルメタクリレート架橋体(1%架橋)583gを混合し、樹脂溶液とした。この樹脂溶液を離型紙上にコーターで塗布し、80℃で乾燥して厚さ100μmのシートを作製した。
【0099】
実施例22
製造例15で作製した架橋体250gを混合し、樹脂溶液とした以外は、実施例21と同様にして、厚さ100μmのシートを作製した。
【0100】
実施例23
製造例15で作製した架橋体107gを混合し、樹脂溶液とした以外は、実施例21と同様にして、厚さ100μmのシートを作製した。
【0101】
実施例24
製造例16で作製したポリステアリルメタクリレート架橋体(3%架橋)250gを混合し、樹脂溶液とした以外は、実施例21と同様にして、厚さ100μmのシートを作製した。
【0102】
実施例25
製造例17で作製したポリ(ステアリルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレート)共重合体架橋体(1%架橋)250gを混合し、樹脂溶液とした以外は、実施例21と同様にして、厚さ100μmのシートを作製した。
【0103】
実施例26
製造例18で作製したポリ(ステアリルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレート)共重合体架橋体(1%架橋)250gを混合した樹脂溶液を使用した以外は、実施例21と同様にして、厚さ100μmのシートを作製した。
【0104】
比較例5
上記実施例21において、架橋体を使用しなかった他は、実施例21と同様にして、厚さ100μmシートを作製した。
【0105】
比較例6
製造例15で作製した架橋体の代わりにn−ステアリルメタクリレート2量体を用いた他は、実施例22と同様にして、厚さ100μmのシートを作製した。
【0106】
(積層体:繊維)
実施例27
ナイロン50%とテトロン50%の混紡繊維よりなる基材に、実施例22で使用した樹脂溶液を、湿式コーティング装置を用いて塗布した。この基材を凝固水洗槽に通した後、140℃で乾燥し、全厚が100μmの積層シートを作製した。
実施例21〜27及び比較例5のシートを切り取り、示差走査熱量計にて、使用した各架橋体の融点における潜熱を測定した。結果を表6に示す。
尚、比較例6は、ステアリルメタクリレート2量体成分が溶解溶出し、べとつきが激しく、種々の製品への使用には向かないものであった。
【0107】
【表6】
【0108】
(積層体:ウレタン樹脂)
実施例28
図3(a)に示す積層体100を以下のように作製した。
ポリエステル系ウレタン樹脂溶液(大日精化工業製、レザミンME−3612LP)を離型紙110上にバーコーターで塗布し、80℃で乾燥し、10μm厚のウレタン層120を作製した(層A)。
固形分60重量%の2液系ウレタン樹脂(大日精化工業製、バインダレザミンUD−660SA)1,000g、架橋剤(大日精化工業製、レザミンUD−102)120g、促進剤(大日精化工業製、レザミンUD−102)100g、トルエン600g及び製造例15で作製した架橋体600gを混合し、コーティング溶液とした。
このコーティング液を層Aにバーコーターで塗布し、100℃で乾燥し100μm厚のウレタン/架橋体層130(蓄熱性組成物層)を作製した。
その上にポリエステル不織布140を載せ、120℃のプレス機でラミネーションし、離型紙110を剥がし、積層体100を得た。
【0109】
実施例29
図3(b)に示す積層体200を以下のように作製した。
実施例28と同様に、離型紙210上に作製したウレタン層220に、ジメチルホルムアミド1,000gと製造例15で作製した架橋体400gを混合したコーティング液を、バーコーターで塗布し、80℃で乾燥し、厚さ70μmの架橋体層230を得た。
その上に実施例28と同じ2液系ウレタン樹脂1,000g、架橋剤120g及び促進剤100gを混合したコーティング液を、バーコーターで塗布し、100℃で乾燥し、厚さ10μmのウレタンバインダ層240を作製した。
その上にポリエステル不織布250を載せ、120℃のプレス機でラミネーションし、離型紙210を剥がし、積層体200を得た。
【0110】
尚、実施例28と実施例29の他にも、ウレタン樹脂を用いた、様々な積層体の構造が可能である。例えば、図3(c)に記すような積層体300を作製できる。この積層体300は、ウレタン層310、ウレタン/架橋体層(蓄熱性組成物層)320、ウレタン層330、バインダ層340及び紙又は布350からなり、ウレタン/架橋体層320のウレタン又はウレタン層330の両方又は一方が発泡しているため一層蓄熱効果が高まっている。
【0111】
比較例7
蓄熱性組成物層を含まない以外は実施例28と同様の方法で積層体を得た。
実施例28及び比較例7で得られた積層体について、これら積層体を4つ折りにし、内部に熱電対を挿入し、外部の雰囲気温度を25℃→40℃→5℃と変動させたときの、積層体内部の温度変化を測定した。結果を図4に示す。
図4のグラフから分かるように、実施例28の積層体は、比較例7の積層体に比べると、温度変化が少ないことが確認できた。
【0112】
実施例30
軟質塩化ビニル樹脂(信越ポリマー社製、可塑剤38重量%、平均重合度3,000)50重量%に対し、製造例15で作製した架橋体50重量%を混合した。この混合物を、160℃に加熱混練して、厚さ400μmのシート状に加工した。このシートに、ウレタン系バインダを使用して、ポリエステル/レーヨン(50/50)生地を貼り、塩化ビニルレザー(PVCレザー)を作製した。
【0113】
比較例8
架橋体を配合しない他は、実施例30と同様の方法で塩化ビニルレザー(PVCレザー)を作製した。
実施例30及び比較例8で作製したシートの、37℃(架橋体の融点)における潜熱を測定した。結果を表7に示す。
【0114】
【表7】
【0115】
(蓄熱材料からなるシート)
実施例31〜35
製造例23〜27で製造した蓄熱材料を、離型紙上にコーターで塗布し、80℃で乾燥した後、離型紙を剥がして、厚さ100μmのシートを作製した。
得られたシートの融点、潜熱は、表3に示す値と同様であった。
【0116】
【発明の効果】
本発明によれば、製造が容易で優れた蓄熱性を有するフィルム又はシート及びその積層体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は実施例18の積層体を示す模式図であり、図1(b)は実施例19の積層体を示す模式図であり、図1(c)は変形例の積層体を示す模式図である。
【図2】実施例18、19及び比較例3の積層体における、外部雰囲気温度を変動させたときの、積層体内部の温度変化を示すグラフである。
【図3】図3(a)は実施例28の積層体を示す模式図であり、図3(b)は実施例29の積層体を示す模式図であり、図1(c)は変形例の積層体を示す模式図である。
【図4】実施例28及び比較例7の積層体における、外部雰囲気温度を変動させたときの、積層体内部の温度変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10 積層体
13 ウレタン/蓄熱材料層(フィルム又はシート)
20 積層体
23 蓄熱材料層(フィルム又はシート)
30 積層体
32 (発泡)ウレタン/蓄熱材料層(フィルム又はシート)
100 積層体
130 ウレタン/架橋体層(フィルム又はシート)
200 積層体
230 架橋体層(フィルム又はシート)
300 積層体
320 (発泡)ウレタン/架橋体層(フィルム又はシート)
Claims (13)
- 請求項1に記載された蓄熱材料を合成樹脂に配合してなる蓄熱性組成物からなるフィルム又はシート。
- 請求項2に記載された蓄熱材料を合成樹脂に配合してなる蓄熱性組成物からなるフィルム又はシート。
- Rが、炭素数9以上の直鎖アルキル基である請求項3又は4に記載のフィルム又はシート。
- 前記ポリマー又はオリゴマーが、ポリドコシルメタクリレート、ポリヘンエイコシルメタクリレート、ポリエイコシルアクリレート、ポリノナデシルアクリレート、ポリヘプタデシルアクリレート、ポリパルミチルアクリレート、ポリペンタデシルアクリレート、ポリステアリルアクリレート、ポリラウリルアクリレート、ポリミリスチルアクリレート、ポリミリスチルメタクリレート、ポリペンタデシルメタクリレート、ポリパルミチルメタクリレート、ポリヘプタデシルメタクリレート、ポリノナデシルメタクリレート、ポリエイコシルメタクリレート、ポリステアリルメタクリレート、ポリ(パルミチル/ステアリル)メタクリレート、ポリビニルラウレート、ポリビニルミリステート、ポリビニルパルミテート、ポリビニルステアレート、ポリラウリルビニルエーテル、ポリミリスチルビニルエーテル、ポリパルミチルビニルエーテル又はポリステアリルビニルエーテルである請求項3〜5のいずれか一項に記載のフィルム又はシート。
- 前記蓄熱材料が、さらに、親水性ユニットを含む請求項3〜6のいずれか一項に記載のフィルム又はシート。
- 請求項9に記載された蓄熱材料を合成樹脂に配合してなる蓄熱性組成物からなるフィルム又はシート。
- 前記蓄熱材料の重量平均分子量Mwが、1,000〜2,000,000である請求項3又は10に記載のフィルム又はシート。
- 請求項3〜8、10のいずれか一項に記載のフィルム又はシートを、一層として含む積層体。
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