JP2004026924A - タイヤ用未加硫ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】より優れた耐熱劣化、耐酸化劣化性能を有する未加硫ゴム組成物並びに該未加硫ゴム組成物を使用したタイヤを提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム材料100重量部に対して、少なくとも1種のプロトン供与型酸化防止剤を0.1〜10重量部、及び2−メルカプトベンズイミダゾール、芳香環に少なくとも1個のアルキル置換基を有する2−メルカプトベンズイミダゾール並びにそれらの金属塩から選択される少なくとも1種の2−メルカプトベンズイミダゾール系化合物を0.1〜5重量部を含有するタイヤ用未加硫ゴム組成物とする。
【選択図】 なし
【解決手段】ジエン系ゴム材料100重量部に対して、少なくとも1種のプロトン供与型酸化防止剤を0.1〜10重量部、及び2−メルカプトベンズイミダゾール、芳香環に少なくとも1個のアルキル置換基を有する2−メルカプトベンズイミダゾール並びにそれらの金属塩から選択される少なくとも1種の2−メルカプトベンズイミダゾール系化合物を0.1〜5重量部を含有するタイヤ用未加硫ゴム組成物とする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ用の未加硫ゴム組成物並びに該未加硫ゴム組成物を少なくとも一部に使用して加硫成形して得られるタイヤに関し、より具体的には耐熱老化性に優れた未加硫ゴム組成物並びに該未加硫ゴム組成物を使用したタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤを構成するゴムは繰り返し圧縮変形を受けるものであり、そのためにゴムが発熱して熱履歴を受け、熱劣化や酸化劣化、いわゆる熱老化を起こす。タイヤを構成する加硫ゴムの劣化は、ゴム層内においてクラックの発生ならびにその成長を早め、またタイヤ用補強材料であるコード、特にスチールコードとの界面剥離を発生しやすくなる。従って、タイヤを構成する加硫ゴムの熱老化は、タイヤの故障の原因となる。
【0003】
ゴムの劣化防止に老化防止剤を添加することは周知技術であり、かかる老化防止剤としては、アミン−ケトン系老化防止剤、芳香族第2級アミン系老化防止剤等が公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年の車両の高速化、高馬力化に伴い、タイヤに対して負荷される衝撃的荷重、振動数が高くなり、従来以上にゴムが受ける熱履歴が年々過酷になっている。
【0005】
このため、従来の老化防止剤を添加するだけでは、タイヤを構成する加硫ゴムの劣化を十分に防止することができなくなりつつある。例えば、従来最も汎用されている老化防止剤であるp−フェニレンジアミン系老化防止剤を使用する場合、その添加量を多くしてタイヤを構成する加硫ゴムの劣化防止防止効果を高めようとすると、添加量の増加による劣化防止効果が、低い添加量領域におけるほど改善されず、ゴム組成と劣化条件によっては、ゴムが硬化して脆くなり、却ってタイヤ使用中の変形によるゴム層内のクラック発生が起こりやすくなる場合が生じる。
【0006】
本発明の目的は、より優れた耐熱劣化、耐酸化劣化性能を有する未加硫ゴム組成物並びに該未加硫ゴム組成物を使用したタイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、加硫ゴムの熱老化を改善すべく検討を行った結果、老化防止剤成分として、プロトン供与型酸化防止剤と、2−メルカプトベンズイミダゾール、芳香環に少なくとも1個のアルキル置換基を有する2−メルカプトベンズイミダゾール並びにそれらの金属塩から選択される少なくとも1種の2−メルカプトベンズイミダゾール系化合物とを併用することにより、タイヤに使用した時に従来よりも優れた耐熱劣化、耐酸化劣化性能を有する加硫ゴムを与える未加硫ゴム組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明のタイヤ用未加硫ゴム組成物は、ジエン系ゴム材料100重量部に対して、少なくとも1種のプロトン供与型酸化防止剤を0.1〜10重量部、及び2−メルカプトベンズイミダゾール、芳香環に少なくとも1個のアルキル置換基を有する2−メルカプトベンズイミダゾール並びにそれらの金属塩から選択される少なくとも1種の2−メルカプトベンズイミダゾール系化合物を0.1〜5重量部を含有することを特徴とする。
【0009】
プロトン供与型酸化防止剤の添加量が0.1〜10重量部の範囲外である場合、2−メルカプトベンズイミダゾール系化合物の添加量が0.1〜5重量部の範囲外である場合には、いずれも得られる未加硫ゴム組成物を加硫したゴムの耐熱劣化、耐酸化劣化性能が、近年のタイヤ構成加硫ゴムに対する厳しい要求を満足しないものとなる。プロトン供与型酸化防止剤の添加量は、0.5〜5重量部であることが特に好ましい。
【0010】
本発明のタイヤは、請求項1に記載のタイヤ用未加硫ゴム組成物を少なくとも一部に使用して加硫、成形して得られるものであることを特徴とする。
【0011】
かかるタイヤは、従来よりも優れた耐熱劣化、耐酸化劣化性能を有するものである。特に発熱の大きな部位であるトレッド部、カーカス部等の構成材料として使用することにより、耐久性に優れたタイヤが得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に使用するプロトン供与型酸化防止剤としては、p−フェニレンジアミン系酸化防止剤、キノリン系酸化防止剤、モノフェノール系やビスフェノール系等のフェノール系酸化防止剤が例示される。具体的化合物としては、以下の化合物が例示される。
p−フェニレンジアミン系酸化防止剤:N−iso−プロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン
キノリン系酸化防止剤:6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体
フェノール系酸化防止剤:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、p−クレゾールとジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物(ノクラックPBK,大内新興化学工業)、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン。
【0013】
2−メルカプトベンズイミダゾール系化合物としては、化学式(化1)又は(化2)にて表わされる化合物であり、具体的には、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール亜鉛塩等が例示される。
【0014】
【化1】
化学式(化1)において、Rは水素、炭素数1〜5のアルキル基である。置換基は2以上あってもよい。
【0015】
【化2】
化学式(化2)において、Rは水素、炭素数1〜5のアルキル基である。Mn+はn価の金属イオンであり、亜鉛イオン、マグネシウムやカルシウム等のアルカリ土類金属イオン、アルミニウムイオン、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属イオンから選択されることが好ましい。
【0016】
本発明の組成物ないしタイヤに使用するゴム材料は、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴムから選択されるジエン系ゴム材料である。ゴム材料は、必要に応じて2種以上を混合して使用してもよい。
【0017】
未加硫ゴム組成物には、公知の添加剤を添加することができる。具体的にはカーボンブラック、シリカ等の補強充填剤、プロセスオイルないし可塑剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛等の加工助剤、パラフィンワックス等のオゾン劣化防止剤、加硫促進剤、硫黄等の加硫剤が例示される。シリカを補強充填剤として使用する場合にはSi−69(デグサ社)等のシランカップリング剤を添加することが好ましい態様である。
【0018】
補強充填剤の添加量は、ゴム材料100重量部に対して、カーボンブラックは0〜200重量部、シリカは0〜100重量部であり、カーボンブラックとシリカの合計添加量は、20〜200重量部であることが好ましい。
【0019】
本発明の未加硫ゴム組成物は、公知の方法によって製造する。一般的には、加硫促進剤、硫黄等の加硫剤を除いた原材料をバンバリーミキサー等の混練装置を使用して混練してマスターバッチを作製し、得られたマスターバッチを一旦冷却した後に混練ロールやニーダー等の混練装置を使用して加硫剤、加硫促進剤を混合し、加熱により加硫架橋可能な未加硫ゴム組成物とする。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
(実施例、比較例)
ゴム配合は、天然ゴム100重量部、カーボンブラック(HAF)40重量部、シリカ10重量部、亜鉛華5重量部、ステアリン酸2重量部を共通組成とし、表1に示した添加剤を添加してバンバリーミキサーにて混練してマスターバッチを作製した。
【0021】
マスターバッチを冷却した後に、天然ゴム100重量部に対して、硫黄2重量部、加硫促進剤アクセルNS(川口化学工業)1重量部を、混練ロールを使用して混練し、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物は、所定の金型を使用して160℃にて30分加熱、加硫し、加硫ゴムとした。加硫ゴムは、タイヤの加硫ゴムの評価方法に準じて評価した。
【0022】
使用した添加剤の内容は、以下の通りである。
・ノクラック6C:N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(大内新興化学工業)
・アンチゲンRD:2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体(住友化学工業)
・ノクラックNS−6:2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(大内新興化学工業)
・スミライザーTP−D:ペンタエリスリチルテトラキス(β−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学工業)<イオウ原子含有過酸化物分解剤>
・IRGAFOS168:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(チバスペシャリティーケミカルズ)<リン原子含有過酸化物分解剤>
・アデカスタブPEP−4C:環状ネオペンタテトライルビスノニルフェニルフォスファイト(旭電化)<リン原子含有過酸化物分解剤>
・ノクラックMBZ:2−メルカプトベンズイミダゾール亜鉛塩(大内新興化学工業)
・ノクラックMB:2−メルカプトベンズイミダゾール(大内新興化学工業)
・ノクラックMMB:2−メルカプトメチルベンズイミダゾール(大内新興化学工業)。
【0023】
(評価)
<耐破壊特性>
90℃に温度調節したギアーオーブン中にて192時間加熱して熱履歴を与えた後、JIS K 6253に準拠して引張り試験を行い、破断伸びを測定した。結果は、熱履歴を加える前の破断伸びを100とした指数にて破断伸びの保持率を表示した。この数値は、100に近いことが、耐破壊特性に優れたゴムであることを示す。
【0024】
<耐硬化性>
90℃に温度調節したギアーオーブン中にて192時間加熱して熱履歴を与えた後、JIS K 6253に準拠して引張り試験を行い、100%伸長モジュラスを測定した。結果は、熱履歴を加える前の100%伸長モジュラスを100とした指数にて100%伸長モジュラスの保持率を表示した。この数値は、小さいほど熱老化によるゴムの硬化が小さく、耐熱老化性に優れたゴムであることを示す。
【0025】
評価結果は、表1の下段に示した。
【0026】
【表1】
この表の結果から、本発明の未加硫ゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムは耐熱老化性に優れたものであることが分かる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ用の未加硫ゴム組成物並びに該未加硫ゴム組成物を少なくとも一部に使用して加硫成形して得られるタイヤに関し、より具体的には耐熱老化性に優れた未加硫ゴム組成物並びに該未加硫ゴム組成物を使用したタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤを構成するゴムは繰り返し圧縮変形を受けるものであり、そのためにゴムが発熱して熱履歴を受け、熱劣化や酸化劣化、いわゆる熱老化を起こす。タイヤを構成する加硫ゴムの劣化は、ゴム層内においてクラックの発生ならびにその成長を早め、またタイヤ用補強材料であるコード、特にスチールコードとの界面剥離を発生しやすくなる。従って、タイヤを構成する加硫ゴムの熱老化は、タイヤの故障の原因となる。
【0003】
ゴムの劣化防止に老化防止剤を添加することは周知技術であり、かかる老化防止剤としては、アミン−ケトン系老化防止剤、芳香族第2級アミン系老化防止剤等が公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年の車両の高速化、高馬力化に伴い、タイヤに対して負荷される衝撃的荷重、振動数が高くなり、従来以上にゴムが受ける熱履歴が年々過酷になっている。
【0005】
このため、従来の老化防止剤を添加するだけでは、タイヤを構成する加硫ゴムの劣化を十分に防止することができなくなりつつある。例えば、従来最も汎用されている老化防止剤であるp−フェニレンジアミン系老化防止剤を使用する場合、その添加量を多くしてタイヤを構成する加硫ゴムの劣化防止防止効果を高めようとすると、添加量の増加による劣化防止効果が、低い添加量領域におけるほど改善されず、ゴム組成と劣化条件によっては、ゴムが硬化して脆くなり、却ってタイヤ使用中の変形によるゴム層内のクラック発生が起こりやすくなる場合が生じる。
【0006】
本発明の目的は、より優れた耐熱劣化、耐酸化劣化性能を有する未加硫ゴム組成物並びに該未加硫ゴム組成物を使用したタイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、加硫ゴムの熱老化を改善すべく検討を行った結果、老化防止剤成分として、プロトン供与型酸化防止剤と、2−メルカプトベンズイミダゾール、芳香環に少なくとも1個のアルキル置換基を有する2−メルカプトベンズイミダゾール並びにそれらの金属塩から選択される少なくとも1種の2−メルカプトベンズイミダゾール系化合物とを併用することにより、タイヤに使用した時に従来よりも優れた耐熱劣化、耐酸化劣化性能を有する加硫ゴムを与える未加硫ゴム組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明のタイヤ用未加硫ゴム組成物は、ジエン系ゴム材料100重量部に対して、少なくとも1種のプロトン供与型酸化防止剤を0.1〜10重量部、及び2−メルカプトベンズイミダゾール、芳香環に少なくとも1個のアルキル置換基を有する2−メルカプトベンズイミダゾール並びにそれらの金属塩から選択される少なくとも1種の2−メルカプトベンズイミダゾール系化合物を0.1〜5重量部を含有することを特徴とする。
【0009】
プロトン供与型酸化防止剤の添加量が0.1〜10重量部の範囲外である場合、2−メルカプトベンズイミダゾール系化合物の添加量が0.1〜5重量部の範囲外である場合には、いずれも得られる未加硫ゴム組成物を加硫したゴムの耐熱劣化、耐酸化劣化性能が、近年のタイヤ構成加硫ゴムに対する厳しい要求を満足しないものとなる。プロトン供与型酸化防止剤の添加量は、0.5〜5重量部であることが特に好ましい。
【0010】
本発明のタイヤは、請求項1に記載のタイヤ用未加硫ゴム組成物を少なくとも一部に使用して加硫、成形して得られるものであることを特徴とする。
【0011】
かかるタイヤは、従来よりも優れた耐熱劣化、耐酸化劣化性能を有するものである。特に発熱の大きな部位であるトレッド部、カーカス部等の構成材料として使用することにより、耐久性に優れたタイヤが得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に使用するプロトン供与型酸化防止剤としては、p−フェニレンジアミン系酸化防止剤、キノリン系酸化防止剤、モノフェノール系やビスフェノール系等のフェノール系酸化防止剤が例示される。具体的化合物としては、以下の化合物が例示される。
p−フェニレンジアミン系酸化防止剤:N−iso−プロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン
キノリン系酸化防止剤:6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体
フェノール系酸化防止剤:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、p−クレゾールとジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物(ノクラックPBK,大内新興化学工業)、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン。
【0013】
2−メルカプトベンズイミダゾール系化合物としては、化学式(化1)又は(化2)にて表わされる化合物であり、具体的には、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール亜鉛塩等が例示される。
【0014】
【化1】
化学式(化1)において、Rは水素、炭素数1〜5のアルキル基である。置換基は2以上あってもよい。
【0015】
【化2】
化学式(化2)において、Rは水素、炭素数1〜5のアルキル基である。Mn+はn価の金属イオンであり、亜鉛イオン、マグネシウムやカルシウム等のアルカリ土類金属イオン、アルミニウムイオン、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属イオンから選択されることが好ましい。
【0016】
本発明の組成物ないしタイヤに使用するゴム材料は、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴムから選択されるジエン系ゴム材料である。ゴム材料は、必要に応じて2種以上を混合して使用してもよい。
【0017】
未加硫ゴム組成物には、公知の添加剤を添加することができる。具体的にはカーボンブラック、シリカ等の補強充填剤、プロセスオイルないし可塑剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛等の加工助剤、パラフィンワックス等のオゾン劣化防止剤、加硫促進剤、硫黄等の加硫剤が例示される。シリカを補強充填剤として使用する場合にはSi−69(デグサ社)等のシランカップリング剤を添加することが好ましい態様である。
【0018】
補強充填剤の添加量は、ゴム材料100重量部に対して、カーボンブラックは0〜200重量部、シリカは0〜100重量部であり、カーボンブラックとシリカの合計添加量は、20〜200重量部であることが好ましい。
【0019】
本発明の未加硫ゴム組成物は、公知の方法によって製造する。一般的には、加硫促進剤、硫黄等の加硫剤を除いた原材料をバンバリーミキサー等の混練装置を使用して混練してマスターバッチを作製し、得られたマスターバッチを一旦冷却した後に混練ロールやニーダー等の混練装置を使用して加硫剤、加硫促進剤を混合し、加熱により加硫架橋可能な未加硫ゴム組成物とする。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
(実施例、比較例)
ゴム配合は、天然ゴム100重量部、カーボンブラック(HAF)40重量部、シリカ10重量部、亜鉛華5重量部、ステアリン酸2重量部を共通組成とし、表1に示した添加剤を添加してバンバリーミキサーにて混練してマスターバッチを作製した。
【0021】
マスターバッチを冷却した後に、天然ゴム100重量部に対して、硫黄2重量部、加硫促進剤アクセルNS(川口化学工業)1重量部を、混練ロールを使用して混練し、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物は、所定の金型を使用して160℃にて30分加熱、加硫し、加硫ゴムとした。加硫ゴムは、タイヤの加硫ゴムの評価方法に準じて評価した。
【0022】
使用した添加剤の内容は、以下の通りである。
・ノクラック6C:N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(大内新興化学工業)
・アンチゲンRD:2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体(住友化学工業)
・ノクラックNS−6:2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(大内新興化学工業)
・スミライザーTP−D:ペンタエリスリチルテトラキス(β−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学工業)<イオウ原子含有過酸化物分解剤>
・IRGAFOS168:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(チバスペシャリティーケミカルズ)<リン原子含有過酸化物分解剤>
・アデカスタブPEP−4C:環状ネオペンタテトライルビスノニルフェニルフォスファイト(旭電化)<リン原子含有過酸化物分解剤>
・ノクラックMBZ:2−メルカプトベンズイミダゾール亜鉛塩(大内新興化学工業)
・ノクラックMB:2−メルカプトベンズイミダゾール(大内新興化学工業)
・ノクラックMMB:2−メルカプトメチルベンズイミダゾール(大内新興化学工業)。
【0023】
(評価)
<耐破壊特性>
90℃に温度調節したギアーオーブン中にて192時間加熱して熱履歴を与えた後、JIS K 6253に準拠して引張り試験を行い、破断伸びを測定した。結果は、熱履歴を加える前の破断伸びを100とした指数にて破断伸びの保持率を表示した。この数値は、100に近いことが、耐破壊特性に優れたゴムであることを示す。
【0024】
<耐硬化性>
90℃に温度調節したギアーオーブン中にて192時間加熱して熱履歴を与えた後、JIS K 6253に準拠して引張り試験を行い、100%伸長モジュラスを測定した。結果は、熱履歴を加える前の100%伸長モジュラスを100とした指数にて100%伸長モジュラスの保持率を表示した。この数値は、小さいほど熱老化によるゴムの硬化が小さく、耐熱老化性に優れたゴムであることを示す。
【0025】
評価結果は、表1の下段に示した。
【0026】
【表1】
この表の結果から、本発明の未加硫ゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムは耐熱老化性に優れたものであることが分かる。
Claims (2)
- ジエン系ゴム材料100重量部に対して、少なくとも1種のプロトン供与型酸化防止剤を0.1〜10重量部、及び2−メルカプトベンズイミダゾール、芳香環に少なくとも1個のアルキル置換基を有する2−メルカプトベンズイミダゾール並びにそれらの金属塩から選択される少なくとも1種の2−メルカプトベンズイミダゾール系化合物を0.1〜5重量部を含有するタイヤ用未加硫ゴム組成物。
- 請求項1に記載のタイヤ用未加硫ゴム組成物を少なくとも一部に使用して加硫、成形して得られるタイヤ。
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JP2002182708A JP2004026924A (ja) | 2002-06-24 | 2002-06-24 | タイヤ用未加硫ゴム組成物及びタイヤ |
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Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011089031A (ja) * | 2009-10-22 | 2011-05-06 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | ゴム組成物 |
JP2011089033A (ja) * | 2009-10-22 | 2011-05-06 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | タイヤ用ゴム組成物 |
JP2013023651A (ja) * | 2011-07-25 | 2013-02-04 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | ゴム組成物及びその製造方法、並びに空気入りタイヤ |
WO2014119691A1 (ja) * | 2013-01-30 | 2014-08-07 | 株式会社ブリヂストン | ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ |
WO2014119694A1 (ja) * | 2013-01-30 | 2014-08-07 | 株式会社ブリヂストン | ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ |
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