JP2004026010A - 車両用ランプ駆動装置 - Google Patents

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Ippei Kobayashi
小林 一平
Akiyoshi Kanazawa
金澤 昭義
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Nissan Motor Co Ltd
Yazaki Corp
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Nissan Motor Co Ltd
Yazaki Corp
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    • H05B39/00Circuit arrangements or apparatus for operating incandescent light sources
    • H05B39/04Controlling
    • H05B39/041Controlling the light-intensity of the source
    • H05B39/044Controlling the light-intensity of the source continuously
    • H05B39/047Controlling the light-intensity of the source continuously with pulse width modulation from a DC power source
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  • Circuit Arrangements For Discharge Lamps (AREA)
  • Circuit Arrangement For Electric Light Sources In General (AREA)
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Abstract

【課題】冗長性やフォールトトレランスを考慮した保護機能を有する車両用ランプ駆動装置を提供すること。
【解決手段】制御部(20)が、ランプ駆動部(3)にランプ(L1)を点灯する動作を行なわせるパルス波形のランプ駆動制御信号(S20)を出力しながら、ランプ(L1)に一定の直流電圧が印加状態であることを通知する検出信号(S10)をランプ印加電圧検出部(16)から受けた場合には、電磁コイル(48)に電流を流す動作をリレー駆動部(60)に止めさせるリレー駆動制御信号(S15)を出力し、それにより接触片(46)が電磁コイル(48)によって第3リレー接点(43)に接触させられ、第1および第3リレー接点(42,43)を介して予備電力供給線(11)からランプ駆動部(3)にランプ(L1)を駆動するための電力が供給される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等を含む種々の車両に搭載可能な車両用ランプ駆動装置に関し、より詳細にはフェールセーフ機能を有する車両用ランプ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
14ボルト(以下、“V”と称す。)のオルタネータおよび充放電可能な12Vバッテリを有する定格直流12V〜14V出力の電源部を搭載した自動車(即ち、所謂14V車)は、従来の車両として一般的に知られている。この14V車において、電源部から電力供給を受け、ヘッドランプ、ルームランプ、等の種々のランプ(即ち、フィラメントを有する白熱バルブ)を駆動する車両用ランプ駆動装置は、各ランプに対して直流12V〜14Vを印加して当該ランプを点灯させる。
【0003】
近年、42Vモータ/ジェネレータおよび充放電可能な36Vバッテリを有する定格直流36V〜42V出力の電源部を搭載した、燃費に有利な、高電圧自動車(即ち、所謂42V車)の開発が進められている。この42V車において高価な42V系電気負荷(即ち、電装機器)の代わりに14V車で従来から用いられている汎用の14V系電気負荷(即ち、電装機器)を用いることができれば、コスト的に大変有利である。そこで、電源部の直流36V〜42Vといった出力電圧を直流14Vに変換する直流電圧変換器(即ち、DC/DCコンバータ)を42V車に設けて、この直流電圧変換器からの電力供給により14V系電気負荷を駆動可能にする方法が検討されている。
【0004】
しかしながら、直流36V〜42Vといった高電圧を直流14Vといった低電圧に変換して幾つかの14V系電気負荷を駆動しながら更に14V車用ランプ等の重い電気負荷を駆動できる能力を持つ直流電圧変換器は、非常に高価であり、サイズ、重量、発熱、等にも課題がある。そのため、14V車用ランプに関しては、PWM制御(即ち、パルス幅変調制御)によりランプにパルス電圧を印加して、ランプに供給される電力量を調節し、それにより42V車において14V車用ランプの駆動を可能にする車両用ランプ駆動装置が現在検討されている。このような車両用ランプ駆動装置の一例を図8および図9に基づいて説明する。
【0005】
図8は、車両用ランプ駆動装置1の回路構成を示す図である。前述のように、車両用ランプ駆動装置1は、ランプL1へ供給される電力量をPWM制御により調節する。この車両用ランプ駆動装置1には、定格直流36V〜42V出力の電源部6からランプ駆動電力供給線4を介して電力供給を受け、ランプL1を駆動するランプ駆動部3と、当該ランプ駆動部3の動作を制御する制御部2と、が設けられている。尚、前述のように電源部6には42Vモータ/ジェネレータ7および充放電可能な36Vバッテリ8が設けられている。ランプ駆動電力供給線4にかかる供給電圧Vbは、電源部6の定格出力電圧に従い、直流36V〜直流42Vである。
【0006】
制御部2は、ランプ駆動部3と電気的に接続されており、ランプL1を点灯および消灯するためのスイッチSW1のON/OFF状態を示す指示信号S1に応じてランプ駆動制御信号S11を出力し、該ランプ駆動制御信号S11をランプ駆動部3に供給して当該ランプ駆動部3の動作を制御する。ランプ駆動部3は、ランプ駆動電力供給線4およびランプ駆動線5に電気的に接続されており、制御部2からのランプ駆動制御信号S11に従って、ランプL1にランプ駆動線5を介して電圧の印加および非印加を行ない、それによりランプL1を点灯および消灯させる。図9は、指示信号S1の電圧波形、ランプ駆動制御信号S11の電圧波形、およびランプ駆動部3によりランプL1に印加されるランプ印加電圧VLの波形のタイミングチャートである。
【0007】
図9に示されるように、指示信号S1の電圧波形がロー(Low)レベルからハイ(High)レベルに切り換わるタイミングに同期して、制御部2は、ハイ(High)レベルとロー(Low)レベルを交互に繰り返すパルス電圧波形のランプ駆動制御信号S11をランプ駆動部3に供給し、ランプ駆動部3に当該ランプ駆動制御信号S11に従ったランプL1へのランプ印加電圧VLの印加を行なわせてランプL1を点灯させる。即ち、制御部2が、ランプL1の点灯を指示する指示信号S1を受けた際に、ランプ駆動部3にランプL1へ電力を供給させるランプ駆動制御信号S11を出力する。
【0008】
ランプL1の点灯時におけるランプ駆動制御信号S11およびランプ印加電圧VLは、ランプL1に適切な電力が供給されるように、1周期に対するハイレベルのパルス幅に所定のデューティ比が設定されている。一方、指示信号S1の電圧波形がハイレベルからローレベルに切り換わるタイミングに同期して、制御部2は、ローレベルの電圧波形のランプ駆動制御信号S11をランプ駆動部3に供給し、ランプ駆動部3に当該ランプ駆動制御信号S11に従ったランプL1への電圧の非印加を行なわせてランプL1を消灯させる。
【0009】
ランプ駆動部3は、NPN型のバイポーラトランジスタであるスイッチングトランジスタTr1と、Pチャネル型のパワーMOSFETであるスイッチングパワートランジスタFET1と、を備えている。スイッチングトランジスタTr1のベース端子(B)は、抵抗R1を介して制御部2と電気的に接続されており、ランプ駆動制御信号S11を受信する。更に、スイッチングトランジスタTr1のベース端子(B)と抵抗R1を結ぶ導体は、抵抗R2を介してグランド(G)と電気的に接続されている。また、スイッチングトランジスタTr1のエミッタ端子(E)はグランド(G)と電気的に接続されている。
【0010】
スイッチングパワートランジスタFET1のゲート端子(G)は、スイッチングトランジスタTr1のコレクタ端子(C)と抵抗R3を介して電気的に接続され、ドレイン端子(D)はランプ駆動電力供給線4に電気的に接続され、そしてソース端子(S)はランプ駆動線5と電気的に接続されている。
【0011】
スイッチングパワートランジスタFET1のゲート端子(G)およびドレイン端子(D)には、抵抗R4とツェナーダイオードD1が並列に接続されている。抵抗R4、ツェナーダイオードD1、および抵抗R3は、スイッチングトランジスタTr1のベース端子(B)に制御部2からハイレベルのランプ駆動制御信号S11が供給されてスイッチングトランジスタTr1がON状態となった際に、スイッチングトランジスタTr1のコレクタ端子(C)からエミッタ端子(E)に流れる電流をランプ駆動電力供給線4から供給する。このとき、スイッチングパワートランジスタFET1のゲート端子(G)には、ランプ駆動電力供給線4の供給電圧Vbを分圧した電圧が印加される。
【0012】
さて、スイッチングトランジスタTr1は、そのベース端子(B)に印加されるランプ駆動制御信号S11がハイレベルのとき、スイッチングトランジスタTr1のコレクタ端子(C)からエミッタ端子(E)に電流が流れる状態となり、電流がランプ駆動電力供給線4から抵抗R4、ツェナーダイオードD1、および抵抗R3を介して流れるため、スイッチングパワートランジスタFET1のゲート端子(G)の電位がローレベルとなって、スイッチングパワートランジスタFET1がON状態となる。よって、電流が、グランド(G)に電気的に接続されたランプL1にランプ駆動電力供給線4からスイッチングパワートランジスタFET1およびランプ駆動線5を介して流れる。
【0013】
一方、スイッチングトランジスタTr1のベース端子(B)に印加されるランプ駆動制御信号S11がローレベルになると、スイッチングトランジスタTr1のコレクタ端子(C)とエミッタ端子(E)の間には電流が流れなくなるので、スイッチングパワートランジスタFET1のゲート端子(G)の電位がハイレベル(即ち、供給電圧Vb)となって、スイッチングパワートランジスタFET1はOFF状態となり、ランプL1には電流が流れなくなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
前述の車両用ランプ駆動装置1における例えばスイッチングパワートランジスタFET1がドレイン端子(D)・ソース端子(S)間のショートモードで故障した場合、例えば直流42Vといった高電圧が直接ランプL1に印加されるため、ランプL1のフィラメントが溶断されてしまう。スイッチングパワートランジスタFET1がショートモードで故障すると、少なくともスイッチングパワートランジスタFET1を交換しない限り車両用ランプ駆動装置1の正常な動作は得られない。それ故、電源系や回路系の異常発生等といった不測の事態においても、完全には故障することが無く且つ機能が失われない冗長性やフォールトトレランスが車両用ランプ駆動装置1には要求される。
【0015】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、冗長性やフォールトトレランスを考慮した保護機能を有する車両用ランプ駆動装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明の車両用ランプ駆動装置は、請求項1に記載したように、
ランプの点灯および消灯を指示するための指示信号に応じてリレー駆動制御信号およびランプ駆動制御信号を出力する制御部と、
前記ランプ駆動制御信号の波形に従って前記ランプに電力を供給するランプ駆動部と、
前記ランプ駆動部により前記ランプに印加される電圧を検出して、当該電圧の印加状態を示す検出信号を前記制御部に通知するランプ印加電圧検出部と、
前記ランプ駆動部に電気的に接続された第1リレー接点、前記ランプ駆動部に電力を供給するためのランプ駆動電力供給線に電気的に接続された第2リレー接点、前記ランプ駆動電力供給線に代って前記ランプ駆動部に電力を供給するための予備電力供給線に電気的に接続された第3リレー接点、前記第1リレー接点に電気的に接続且つ前記第3リレー接点と接触し、前記第1および第3リレー接点を導通させる接触片、および前記接触片を前記第3リレー接点から離し且つ前記第2リレー接点と接触させて前記第1リレー接点と導通させることが可能な電磁コイル、を有するリレーと、
前記リレー駆動制御信号に従い前記電磁コイルに電流を流すリレー駆動部と、
を備え、
前記制御部が、前記ランプの点灯を指示する前記指示信号を受けた際に、前記電磁コイルに電流を流す動作を前記リレー駆動部に行なわせる前記リレー駆動制御信号を出力し、それにより前記接触片が前記電磁コイルによって前記第2リレー接点に接触させられ、そして前記第1および第2リレー接点を介して前記ランプ駆動電力供給線から前記ランプ駆動部に前記ランプを駆動するための電力が供給可能な状態となった後に前記ランプを点灯する動作を前記ランプ駆動部に行なわせるパルス波形の前記ランプ駆動制御信号を出力し、
前記制御部が、前記ランプ駆動部に前記ランプを点灯する動作を行なわせる前記ランプ駆動制御信号を出力しながら、前記ランプに所定電圧以上の直流電圧が印加状態であることを通知する検出信号を前記ランプ印加電圧検出部から受けた場合には、前記電磁コイルに電流を流す動作を前記リレー駆動部に止めさせる前記リレー駆動制御信号を出力し、それにより前記接触片が前記電磁コイルによって前記第3リレー接点に接触させられ、前記第1および第3リレー接点を介して前記予備電力供給線から前記ランプ駆動部に前記ランプを駆動するための電力が供給されることを特徴としている。
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、制御部と、該制御部から出力されたランプ駆動制御信号の波形に従ってランプに電力を供給するランプ駆動部と、該ランプ駆動部によりランプに印加される電圧を検出して、当該電圧の印加状態を示す検出信号を制御部に通知するランプ印加電圧検出部と、ランプ駆動部に電気的に接続された第1リレー接点、ランプ駆動部に電力を供給するためのランプ駆動電力供給線に電気的に接続された第2リレー接点、ランプ駆動電力供給線に代ってランプ駆動部に電力を供給するための予備電力供給線に電気的に接続された第3リレー接点、第1リレー接点に電気的に接続且つ第3リレー接点と接触し、第1および第3リレー接点を導通させる接触片、および接触片を第3リレー接点から離し且つ第2リレー接点と接触させて第1リレー接点と導通させることが可能な電磁コイル、を有するリレーと、制御部から出力されたリレー駆動制御信号に従い電磁コイルに電流を流すリレー駆動部と、を車両用ランプ駆動装置が備えている。制御部は、ランプの点灯を指示する指示信号を受けた際に、電磁コイルに電流を流す動作をリレー駆動部に行なわせるリレー駆動制御信号を出力し、それにより接触片が電磁コイルによって第2リレー接点に接触させられ、そして第1および第2リレー接点を介してランプ駆動電力供給線からランプ駆動部にランプを駆動するための電力が供給可能な状態となった後にランプを点灯する動作をランプ駆動部に行なわせるパルス波形のランプ駆動制御信号を出力する。制御部は、ランプ駆動部にランプを点灯する動作を行なわせるランプ駆動制御信号を出力しながら、ランプに所定電圧以上の直流電圧が印加状態であることを通知する検出信号をランプ印加電圧検出部から受けた場合には、電磁コイルに電流を流す動作をリレー駆動部に止めさせるリレー駆動制御信号を出力し、それにより接触片が電磁コイルによって第3リレー接点に接触させられ、第1および第3リレー接点を介して予備電力供給線からランプ駆動部にランプを駆動するための電力が供給される。従って、例えば直流42Vといった高電圧のランプ駆動電力供給線からランプを駆動するための電力が供給されるランプ駆動部の入力回路と、ランプに電力を供給するランプ駆動部の出力回路がショートモードで故障したとしても、ランプ印加電圧としてパルス波形電圧ではなく所定電圧以上の直流電圧がランプに印加状態であることを通知する検出信号がランプ印加電圧検出部から制御部に供給され、それに応じて制御部が、例えば14Vといったランプ駆動電力供給線よりも低電圧の予備電力供給線からランプ駆動部にランプを駆動するための電力が供給されるようにリレー駆動制御信号を出力する。よって、完全には故障することが無く且つ機能が失われない冗長性やフォールトトレランスが車両用ランプ駆動装置には備わっている。それ故、当該車両用ランプ駆動装置に、前述のような故障が発生した場合でも、ランプを点灯させる事ができる。尚、本発明の車両用ランプ駆動装置は、第1および第2リレー接点間が導通した後にランプを点灯させるため、ランプ駆動電力供給線にかかる電圧が例えば42Vといった高電圧であっても、第1および第2リレー接点にはアークが生じない。このため、制御部が、ランプの消灯を指示する指示信号を受けた際も、ランプを消灯する動作(即ち、ランプに電力を供給しない動作)をランプ駆動部に行なわせるランプ駆動制御信号を出力し、ランプへのランプ駆動部からの電力供給が途絶えた後に電磁コイルに接触片を第2リレー接点から離し且つ第3リレー接点に接触させるリレー駆動制御信号をリレー駆動部へ出力すれば、第1および第2リレー接点にはアークが生じない。このように、第1および第2リレー接点間が導通した後にランプを点灯させ、更にランプ消灯後に第1および第2リレー接点間の導通を解除すれば、アーク遮断対策が為された高価な42Vリレーを採用する必要がなく、汎用の安価な14Vリレーを採用することができる。
【0018】
また、本発明の車両用ランプ駆動装置は、請求項2に記載したように、
ランプの点灯および消灯を指示するための指示信号に応じてリレー駆動制御信号およびランプ駆動制御信号を出力する制御部と、
該ランプ駆動制御信号に従って前記ランプに電力を供給するランプ駆動部と、前記ランプ駆動部により前記ランプに印加される電圧を検出して、当該電圧の印加状態を示す検出信号を前記制御部に通知するランプ印加電圧検出部と、
前記ランプ駆動部に電気的に接続された第1リレー接点、前記ランプ駆動部に電力を供給するためのランプ駆動電力供給線に電気的に接続された第2リレー接点、前記ランプ駆動電力供給線に代って前記ランプ駆動部に電力を供給するための予備電力供給線に電気的に接続された第3リレー接点、前記第1リレー接点に電気的に接続且つ前記第3リレー接点と接触し、前記第1および第3リレー接点を導通させる接触片、および前記接触片を前記第3リレー接点から離し且つ前記第2リレー接点と接触させて前記第1リレー接点と導通させることが可能な電磁コイル、を有するリレーと、
前記リレー駆動制御信号に従い前記電磁コイルに電流を流すリレー駆動部と、
を備え、
前記制御部が、前記ランプの点灯を指示する前記指示信号を受けた際に、前記電磁コイルに電流を流す動作を前記リレー駆動部に行なわせる前記リレー駆動制御信号を出力し、それにより前記接触片が前記電磁コイルによって前記第2リレー接点に接触させられ、そして前記第1および第2リレー接点を介して前記ランプ駆動電力供給線から前記ランプ駆動部に前記ランプを駆動するための電力が供給可能な状態となった後に前記ランプを点灯する動作を前記ランプ駆動部に行なわせる前記ランプ駆動制御信号を出力し、
前記制御部が、前記ランプ駆動部に前記ランプを点灯する動作を行なわせる前記ランプ駆動制御信号を出力しながら、前記ランプに電圧が非印加状態であることを通知する検出信号を前記ランプ印加電圧検出部から受けた場合には、前記電磁コイルに電流を流す動作を前記リレー駆動部に止めさせる前記リレー駆動制御信号を出力し、それにより前記接触片が前記電磁コイルによって前記第3リレー接点に接触させられ、前記第1および第3リレー接点を介して前記予備電力供給線から前記ランプ駆動部に前記ランプを駆動するための電力が供給されることを特徴としている。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、制御部と、該制御部から出力されたランプ駆動制御信号に従ってランプに電力を供給するランプ駆動部と、該ランプ駆動部によりランプに印加される電圧を検出して、当該電圧の印加状態を示す検出信号を制御部に通知するランプ印加電圧検出部と、ランプ駆動部に電気的に接続された第1リレー接点、ランプ駆動部に電力を供給するためのランプ駆動電力供給線に電気的に接続された第2リレー接点、ランプ駆動電力供給線に代ってランプ駆動部に電力を供給するための予備電力供給線に電気的に接続された第3リレー接点、第1リレー接点に電気的に接続且つ第3リレー接点と接触し、第1および第3リレー接点を導通させる接触片、および接触片を第3リレー接点から離し且つ第2リレー接点と接触させて第1リレー接点と導通させることが可能な電磁コイル、を有するリレーと、制御部から出力されたリレー駆動制御信号に従い電磁コイルに電流を流すリレー駆動部と、を車両用ランプ駆動装置が備えている。制御部は、ランプの点灯を指示する指示信号を受けた際に、電磁コイルに電流を流す動作をリレー駆動部に行なわせるリレー駆動制御信号を出力し、それにより接触片が電磁コイルによって第2リレー接点に接触させられ、そして第1および第2リレー接点を介してランプ駆動電力供給線からランプ駆動部にランプを駆動するための電力が供給可能な状態となった後にランプを点灯する動作をランプ駆動部に行なわせるランプ駆動制御信号を出力する。制御部は、ランプ駆動部にランプを点灯する動作を行なわせるランプ駆動制御信号を出力しながら、ランプに電圧が非印加状態であることを通知する検出信号をランプ印加電圧検出部から受けた場合には、電磁コイルに電流を流す動作をリレー駆動部に止めさせるリレー駆動制御信号を出力し、それにより接触片が電磁コイルによって第3リレー接点に接触させられ、第1および第3リレー接点を介して予備電力供給線からランプ駆動部にランプを駆動するための電力が供給される。従って、例えばヒューズの溶断等によってランプ駆動電力供給線からランプを駆動するための電力を供給することができなくなっても、制御部が、ランプ駆動部にランプを点灯する動作を行なわせるランプ駆動制御信号を出力しながらランプに電圧が非印加状態であることを通知する検出信号をランプ印加電圧検出部から受ければ、予備電力供給線からランプ駆動部にランプを駆動するための電力が供給されるようにリレー駆動制御信号を出力する。よって、完全には故障することが無く且つ機能が失われない冗長性やフォールトトレランスが車両用ランプ駆動装置には備わっている。それ故、当該車両用ランプ駆動装置に、前述のような故障が発生した場合でも、ランプを点灯させる事ができる。尚、本発明の車両用ランプ駆動装置は、第1および第2リレー接点間が導通した後にランプを点灯させるため、ランプ駆動電力供給線にかかる電圧が例えば42Vといった高電圧であっても、第1および第2リレー接点にはアークが生じない。このため、制御部が、ランプの消灯を指示する指示信号を受けた際も、ランプを消灯する動作(即ち、ランプに電力を供給しない動作)をランプ駆動部に行なわせるランプ駆動制御信号を出力し、ランプへのランプ駆動部からの電力供給が途絶えた後に電磁コイルに接触片を第2リレー接点から離し且つ第3リレー接点に接触させるリレー駆動制御信号をリレー駆動部へ出力すれば、第1および第2リレー接点にはアークが生じない。このように、第1および第2リレー接点間が導通した後にランプを点灯させ、更にランプ消灯後に第1および第2リレー接点間の導通を解除すれば、アーク遮断対策が為された高価な42Vリレーを採用する必要がなく、汎用の安価な14Vリレーを採用することができる。
【0020】
また、本発明の車両用ランプ駆動装置は、請求項3に記載したように、
ランプの点灯および消灯を指示するための指示信号に応じてリレー駆動制御信号およびランプ駆動制御信号を出力する制御部と、
該ランプ駆動制御信号に従って前記ランプに電力を供給するランプ駆動部と、前記ランプ駆動部に電気的に接続された第1リレー接点、前記ランプ駆動部に電力を供給するためのランプ駆動電力供給線に電気的に接続された第2リレー接点、前記ランプ駆動電力供給線に代って前記ランプ駆動部に電力を供給するための予備電力供給線に電気的に接続された第3リレー接点、前記第1リレー接点に電気的に接続且つ前記第3リレー接点と接触し、前記第1および第3リレー接点を導通させる接触片、および前記接触片を前記第3リレー接点から離し且つ前記第2リレー接点と接触させて前記第1リレー接点と導通させることが可能な電磁コイル、を有するリレーと、
前記リレー駆動制御信号に従い前記電磁コイルに電流を流すリレー駆動部と、
前記電磁コイルに印加される電圧を検出して、当該電圧の印加状態を示す検出信号を前記制御部に通知するコイル印加電圧検出部と、
を備え、
前記制御部が、前記ランプの点灯を指示する前記指示信号を受けた際に、前記電磁コイルに電流を流す動作を前記リレー駆動部に行なわせる前記リレー駆動制御信号を出力し、それにより前記接触片が前記電磁コイルによって前記第2リレー接点に接触させられ、そして前記第1および第2リレー接点を介して前記ランプ駆動電力供給線から前記ランプ駆動部に前記ランプを駆動するための電力が供給可能な状態となった後に前記ランプを点灯する動作を前記ランプ駆動部に行なわせるパルス電圧波形の前記ランプ駆動制御信号を出力し、
前記制御部が、前記電磁コイルに電流を流す動作を前記リレー駆動部に行なわせる前記リレー駆動制御信号を出力しながら、前記電磁コイルに電圧が非印加状態であることを通知する検出信号を前記コイル印加電圧検出部から受けた場合には、前記ランプを点灯する動作を前記ランプ駆動部に行なわせる直流電圧の前記ランプ駆動制御信号を出力することを特徴としている。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、制御部と、該制御部から出力されたランプ駆動制御信号に従ってランプに電力を供給するランプ駆動部と、該ランプ駆動部に電気的に接続された第1リレー接点、ランプ駆動部に電力を供給するためのランプ駆動電力供給線に電気的に接続された第2リレー接点、ランプ駆動電力供給線に代ってランプ駆動部に電力を供給するための予備電力供給線に電気的に接続された第3リレー接点、第1リレー接点に電気的に接続且つ第3リレー接点と接触し、第1および第3リレー接点を導通させる接触片、および接触片を第3リレー接点から離し且つ第2リレー接点と接触させて第1リレー接点と導通させることが可能な電磁コイル、を有するリレーと、制御部から出力されたリレー駆動制御信号に従い電磁コイルに電流を流すリレー駆動部と、電磁コイルに印加される電圧を検出して、当該電圧の印加状態を示す検出信号を制御部に通知するコイル印加電圧検出部と、を車両用ランプ駆動装置が備えている。制御部は、ランプの点灯を指示する指示信号を受けた際に、電磁コイルに電流を流す動作をリレー駆動部に行なわせるリレー駆動制御信号を出力し、それにより接触片が電磁コイルによって第2リレー接点に接触させられ、そして第1および第2リレー接点を介してランプ駆動電力供給線からランプ駆動部にランプを駆動するための電力が供給可能な状態となった後にランプを点灯する動作をランプ駆動部に行なわせるパルス電圧波形のランプ駆動制御信号を出力する。制御部は、電磁コイルに電流を流す動作をリレー駆動部に行なわせるリレー駆動制御信号を出力しながら、電磁コイルに電圧が非印加状態であることを通知する検出信号をコイル印加電圧検出部から受けた場合には、ランプを点灯する動作をランプ駆動部に行なわせる直流電圧のランプ駆動制御信号を出力する。従って、例えばヒューズの溶断等によって電磁コイルに電流を流す動作をリレー駆動部に行なわすことができなくなっても、制御部が、電磁コイルに電流を流す動作をリレー駆動部に行なわせるリレー駆動制御信号を出力しながら電磁コイルに電圧が非印加状態であることを通知する検出信号をコイル印加電圧検出部から受ければ、ランプを点灯する動作をランプ駆動部に行なわせる直流電圧のランプ駆動制御信号を出力する。よって、完全には故障することが無く且つ機能が失われない冗長性やフォールトトレランスが車両用ランプ駆動装置には備わっている。それ故、当該車両用ランプ駆動装置に、前述のような故障が発生した場合でも、ランプを点灯させる事ができる。尚、本発明の車両用ランプ駆動装置は、第1および第2リレー接点間が導通した後にランプを点灯させるため、ランプ駆動電力供給線にかかる電圧が例えば42Vといった高電圧であっても、第1および第2リレー接点にはアークが生じない。このため、制御部が、ランプの消灯を指示する指示信号を受けた際も、ランプを消灯する動作(即ち、ランプに電力を供給しない動作)をランプ駆動部に行なわせるランプ駆動制御信号を出力し、ランプへのランプ駆動部からの電力供給が途絶えた後に電磁コイルに接触片を第2リレー接点から離し且つ第3リレー接点に接触させるリレー駆動制御信号をリレー駆動部へ出力すれば、第1および第2リレー接点にはアークが生じない。このように、第1および第2リレー接点間が導通した後にランプを点灯させ、更にランプ消灯後に第1および第2リレー接点間の導通を解除すれば、アーク遮断対策が為された高価な42Vリレーを採用する必要がなく、汎用の安価な14Vリレーを採用することができる。
【0022】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明の実施の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の車両用ランプ駆動装置10の回路構成を示す図である。尚、本実施形態において、従来の車両用ランプ駆動装置1の説明のために参照した図8および図9に示される回路や信号と同じものを採用可能な箇所には同一符号を付して明確化を図る。
【0024】
車両用ランプ駆動装置10は、ランプL1へ供給される電力量をPWM制御により調節する。この車両用ランプ駆動装置10は、制御部20と、ランプ駆動部3と、リレー40と、ダイオード(整流器)50と、リレー駆動部60と、を備えている。
【0025】
制御部20は、ランプL1の点灯および消灯を指示するためのスイッチSW1のON/OFF状態を示す指示信号S1に応じてリレー駆動制御信号S15をリレー40へ出力し且つランプ駆動制御信号S20をランプ駆動部3へ出力して、リレー40の動作およびランプ駆動部3の動作を制御する。この制御部20は、例えばCPU等の半導体集積回路により構成でき、指示信号S1の入力に対してリレー駆動制御信号S15およびランプ駆動制御信号S20を出力する処理回路を内蔵している。ランプ駆動部3は、制御部20と電気的に接続されており、制御部20から供給されるランプ駆動制御信号S20に従ってランプL1に電力を供給する。
【0026】
リレー40は、ランプ駆動部3に電気的に接続された第1リレー接点42、ランプ駆動部3に電力を供給するためのランプ駆動電力供給線4に電気的に接続された第2リレー接点44、ランプ駆動電力供給線4に代ってランプ駆動部3に電力を供給するための予備電力供給線11に電気的に接続された第3リレー接点43、第1リレー接点42に電気的に接続且つ第3リレー接点43と接触し、第1および第3リレー接点42,43を導通させる接触片46、および接触片46を第3リレー接点43から離し且つ第2リレー接点42と接触させて第1リレー接点と導通させることが可能な電磁コイル、を有している。
【0027】
尚、リレー40は、非駆動時に、第1および第3リレー接点42,43がショート状態(即ち、導通状態)で且つ、第1および第2リレー接点42,44がオープン状態(即ち、非導通状態)となる。換言すれば、リレー40は、第1および第3リレー接点42,43がノーマリークローズ(NC)接点タイプで第1および第2リレー接点42,44がノーマリーオープン(NO)接点タイプである所謂トランスファータイプのリレーである。
【0028】
ランプ駆動部3は、リレー40の第1および第2リレー接点42,44がショート状態(即ち、導通状態)であるときに定格直流36V〜42V出力の電源部6からランプ駆動電力供給線4を介して電力供給を受け、ランプL1を駆動する。電源部6には42Vモータ/ジェネレータ7および充放電可能な36Vバッテリ8が設けられている。ランプ駆動電力供給線4にかかる供給電圧Vbは、電源部6の定格出力電圧に従い、直流36V〜直流42Vである。尚、ランプ駆動電力供給線4には過電流保護用のヒューズF42が挿入されており、第1リレー接点42とランプ駆動部3とを結ぶ導体には過電流保護用のヒューズF1が挿入されている。
【0029】
リレー40の電磁コイル48は、その一端48aがリレー駆動電力供給線9に電気的に接続されており、リレー駆動電力供給線9から電流の供給を受ける。このリレー駆動電力供給線9は、電源部6の出力電圧を直流14Vに変換する直流電圧変換器(即ち、DC/DCコンバータ)14の出力に電気的に接続されている。尚、図1に示されるように、直流電圧変換器14は主たる14V系電気負荷(即ち、電装機器)への電力供給を主な目的として設けられている。また、リレー駆動電力供給線9には過電流保護用のヒューズF14が挿入されている。
【0030】
整流器として働くダイオード50は、そのアノード端子(A)が電磁コイル48の他端48bに電気的に接続されており、リレー駆動電力供給線9から電磁コイル48への一方向のみ電流が流れるように電流の流れを規制する。尚、ダイオード50の代わりにリレー駆動電力供給線9から電磁コイル48への一方向のみ電流が流れるように電流の流れを規制する整流器を採用してもよい。
【0031】
リレー駆動部60は、ダイオード50のカソード端子(C)に電気的に接続されており、リレー駆動制御信号S15に従ってリレー駆動電力供給線9から電磁コイル48に電流を流す。尚、ダイオード50のカソード端子(C)を電磁コイル48の一端48aに電気的に接続し且つ、アノード端子(A)をリレー駆動電力供給線9に電気的に接続する形態を採ってもよく、この場合、リレー駆動部60は電磁コイル48の他端48bに電気的に接続される。
【0032】
リレー駆動部60は、NPN型のバイポーラトランジスタであるリレー駆動用トランジスタTr2を備えている。リレー駆動用トランジスタTr2のベース端子(B)は、抵抗R5を介して制御部20と電気的に接続されており、リレー駆動制御信号S15を受信する。更に、リレー駆動用トランジスタTr2のベース端子(B)と抵抗R5を結ぶ導体は、抵抗R6を介してグランド(G)と電気的に接続されている。また、リレー駆動用トランジスタTr2のエミッタ端子(E)はグランド(G)と電気的に接続され、そしてコレクタ端子(C)がダイオード50のカソード端子(C)に電気的に接続されている。
【0033】
ランプ駆動部3は、制御部20、ランプ駆動電力供給線4、およびランプ駆動線5に電気的に接続されており、ランプ駆動制御信号S20に従ってランプL1にランプ駆動線5を介して電圧の印加および非印加を行ない、それによりランプL1を点灯および消灯させる。ランプ駆動部3の回路構成については、既に図8を参照して説明しているため、説明を省略する。尚、本実施形態では、スイッチングトランジスタTr1の一例としてNPN型のバイポーラトランジスタを使用したが、その他、PNP型のバイポーラトランジスタ、MOSFET、等を適宜用いてもよい。また、用いられるスイッチングトランジスタTr1のタイプに応じて、適宜、ランプ駆動制御信号S20の位相を反転させてもよい。また、本実施形態では、スイッチングパワートランジスタFET1の一例としてPチャネル型のパワーMOSFETを使用したが、その他、Nチャネル型のパワーMOSFET、バイポーラトランジスタ、等を適宜用いてもよい。また、用いられるスイッチングパワートランジスタFET1のタイプに応じて、適宜、ランプ駆動制御信号S20の位相を反転させてもよい。
【0034】
さて、このように構成された車両用ランプ駆動装置10では、制御部20が、ランプL1の点灯を指示する指示信号S1を受けた際に、リレー駆動電力供給線9からリレー40の電磁コイル48に電流を流す動作をリレー駆動部60に行なわせるリレー駆動制御信号S15を出力し、それにより電磁コイル48がリレー40の接触片46を第3リレー接点43から離し且つ第2リレー接点44と接触させて第1リレー接点42と導通させられるので、第1および第2リレー接点42,44を介してランプ駆動電力供給線4からランプ駆動部3にランプL1を駆動するための電力が供給可能な状態となる。
【0035】
図2は、指示信号S1の電圧波形、リレー駆動制御信号S15の電圧波形、ランプ駆動制御信号S20の電圧波形、およびランプ駆動部3によりランプL1に印加されるランプ印加電圧VLの波形のタイミングチャートである。
【0036】
図2に示されるように、指示信号S1の電圧波形がロー(Low)レベルからハイ(High)レベルに切り換わるタイミングに同期して、制御部20は、ロー(Low)レベルからハイ(High)レベルに切り換わる電圧波形のリレー駆動制御信号S15を出力する。このときの指示信号S1はランプL1の点灯を指示している。
【0037】
ハイレベルのリレー駆動制御信号S15をリレー駆動部60のリレー駆動用トランジスタTr2のベース端子(B)が抵抗R5を介して受信すると、リレー駆動用トランジスタTr2のコレクタ端子(C)からエミッタ端子(E)に電流が流れる状態となり、電流がリレー駆動電力供給線9からリレー40の電磁コイル48に流れ込む。このとき、接触片46が電磁力によって電磁コイル48に引き寄せられて第1および第2リレー接点42,44間がショート状態になる。従って、ランプ駆動電力供給線4からランプ駆動部3にランプL1を駆動するための電力が供給可能な状態となる。
【0038】
制御部20は、ランプ駆動電力供給線4からランプ駆動部3にランプL1を駆動するための電力が供給可能な状態となった後にランプL1を点灯する動作(即ち、ランプL1に電力を供給する動作)をランプ駆動部3に行なわせるランプ駆動制御信号S20を出力する。即ち、図2に示されるように、指示信号S1の電圧波形およびリレー駆動制御信号S15の電圧波形のローレベルからハイレベルに切り換わる立ち上がりタイミングに対して、ランプ駆動制御信号S20の電圧波形のロー(Low)レベルからハイ(High)レベルに切り換わる立ち上がりタイミングは僅かに遅れている。このランプ駆動制御信号S20はハイレベルとローレベルを交互に繰り返すパルス電圧波形を有しており、ランプ駆動部3はランプ駆動制御信号S20に従ったランプL1へのランプ印加電圧VLの印加を行なってランプL1を点灯させる。ランプL1の点灯時におけるランプ駆動制御信号S20およびランプ印加電圧VLは、ランプL1に適切な電力が供給されるように1周期に対するハイレベルのパルス幅に所定のデューティ比が設定されている。
【0039】
一方、図2に示されるように、指示信号S1の電圧波形がハイレベルからローレベルに切り換わるタイミングに同期して、制御部20は、ランプL1を消灯する動作(即ち、ランプL1に電力を供給しない動作)をランプ駆動部3に行なわせるランプ駆動制御信号S20を出力する。勿論、このときの指示信号S1はランプL1の消灯を指示している。
【0040】
スイッチングトランジスタTr1のベース端子(B)に印加されるランプ駆動制御信号S20がローレベルになると、スイッチングトランジスタTr1のコレクタ端子(C)とエミッタ端子(E)の間には電流が流れなくなるので、スイッチングパワートランジスタFET1のゲート端子(G)の電位がハイレベル(即ち、供給電圧Vb)となって、スイッチングパワートランジスタFET1はOFF状態となり、ランプ駆動部3からランプL1への電力供給が途絶える。
【0041】
制御部20は、ランプ駆動部3からランプL1への電力供給が途絶えた後に接触片46により第1および第2リレー接点42,44間をオープン状態にさせるリレー駆動制御信号S15をリレー駆動部60へ出力する。即ち、ランプ駆動制御信号S20の電圧波形およびランプ印加電圧VLの波形がハイレベルからローレベルに切り換わった後にハイレベルからローレベルに切り換わる電圧波形のリレー駆動制御信号S15を制御部20は出力する。図2に示されるように、ランプ駆動制御信号S20の電圧波形およびランプ印加電圧VLの波形のハイレベルからローレベルに切り換わる立ち下がりタイミングに対して、リレー駆動制御信号S15の電圧波形のハイレベルからローレベルに切り換わる立ち下がりタイミングは僅かに遅れている。
【0042】
リレー駆動部60のリレー駆動用トランジスタTr2のベース端子(B)に印加されるリレー駆動制御信号S15がローレベルになると、リレー駆動用トランジスタTr2のコレクタ端子(C)とエミッタ端子(E)の間には電流が流れなくなる状態となり、リレー駆動電力供給線9からリレー40の電磁コイル48に電流が流れなくなる。従って、電磁コイル48の電磁力によって引き寄せられていた接触片46が第2リレー接点44から離れて第3リレー接点43と接触する。従って、ランプ駆動部3にはランプ駆動電力供給線4からランプL1を駆動するための電力が供給されない状態となり、イグニッションスイッチIG1がIG位置またはAcc位置であるときのみ、予備電力供給線11から第3および第1リレー接点43,42を介してランプL1を駆動するための電力がランプ駆動部3に供給可能な状態となる。
【0043】
従って、車両用ランプ駆動装置10は、ランプL1が点灯する前にリレー40の第1および第2リレー接点42,44を接触片46によりショート状態にし且つ、ランプL1が消灯した後にリレー40の第1および第2リレー接点42,44をオープン状態にする。換言すれば、車両用ランプ駆動装置10は、第1および第2リレー接点42,44間が導通した後にランプL1を点灯させ、ランプL1消灯後に第1および第2リレー接点42,44間の導通を解除する。それ故、ランプ駆動電力供給線4にかかる電圧が例えば42Vといった高電圧であっても、第1および第2リレー接点42,44にはアークが生じないため、アーク遮断対策が為された高価な42Vリレーを採用する必要がなく、汎用の安価な14Vリレーを採用することができる。勿論、PWM制御のため第1および第2リレー接点42,44に流れる電流量も抑制されている。
【0044】
さて、車両用ランプ駆動装置10は、電磁コイル48に印加される電圧を検出して、当該電圧の印加状態を示すコイル印加電圧検出信号S5を制御部20に通知するコイル印加電圧検出部12と、ランプ駆動部3によりランプL1に印加されるランプ印加電圧VLを検出して、当該ランプ印加電圧VLの印加状態を示すランプ印加電圧検出信号S10を制御部20に通知するランプ印加電圧検出部16と、を更に備えている。
【0045】
コイル印加電圧検出部12は抵抗R7および抵抗R8を有している。制御部20はコイル印加電圧検出信号S5が得られるように抵抗R7を介して電磁コイル48に電気的に接続されており、該抵抗R7と電磁コイル48とを結ぶ導体は抵抗R8を介してグランド(G)と電気的に接続されている。ランプ印加電圧検出部16は抵抗R9および抵抗R10を有している。制御部20はランプ印加電圧検出信号S10が得られるように抵抗R9を介してランプ駆動部3のスイッチングパワートランジスタFET1のソース端子(S)およびランプL1の入力端子に電気的に接続されており、該抵抗R9とソース端子(S)およびランプL1の入力端子とを結ぶ導体は抵抗R10を介してグランド(G)と電気的に接続されている。
【0046】
このように、車両用ランプ駆動装置10にはコイル印加電圧検出部12およびランプ印加電圧検出部16が設けられており、ランプL1が車両運行上重要な例えば、ヘッドランプ、ターンランプ、ストップランプ、等であって、例え車両運行中に車両用ランプ駆動装置10の故障が発生した場合でも、車両用ランプ駆動装置10はランプL1を点灯させることができる。完全には故障することが無く且つ機能が失われない車両用ランプ駆動装置10の冗長性やフォールトトレランスについて説明する(図3,図4,図5参照)。
【0047】
例えばランプ駆動部3のスイッチングパワートランジスタFET1がドレイン端子(D)・ソース端子(S)間のショートモードで故障またはスイッチングトランジスタTr1がコレクタ端子(C)・エミッタ端子(E)間のショートモードで故障したとしても、完全には故障することが無く且つ機能が失われない冗長性やフォールトトレランスが車両用ランプ駆動装置10には備わっている。
【0048】
具体的に、制御部20は、ランプ駆動部3にランプL1を点灯する動作を行なわせるランプ駆動制御信号S20を出力しながら、ランプL1に一定の直流電圧が印加状態であることを通知するランプ印加電圧検出信号S10をランプ印加電圧検出部16から受信した場合には、電磁コイル48に電流を流す動作をリレー駆動部60に止めさせるリレー駆動制御信号S15を出力する。これにより、接触片46が電磁コイル48によって第3リレー接点43に接触させられ、第1および第3リレー接点42,43を介して予備電力供給線11からランプ駆動部3にランプL1を駆動するための電力が供給される。
【0049】
即ち、ランプ印加電圧VLとしてパルス波形電圧ではなく一定の直流電圧がランプL1に印加状態であることを通知するランプ印加電圧検出信号S10がランプ印加電圧検出部16から制御部20に供給され、それに応じて制御部20が、ランプ駆動電力供給線4よりも低電圧の予備電力供給線11からランプ駆動部3にランプL1を駆動するための電力が供給されるようにリレー駆動制御信号S15を出力する。尚、制御部20は、ランプ印加電圧検出信号S10のハイレベル電圧の時間長をランプ駆動制御信号S20のハイレベル電圧の時間長と比較して、ランプ印加電圧VLとしてパルス波形電圧ではなく電圧一定の直流電圧がランプL1に印加状態であるか否かを判定する。また、制御部20にはハイレベル時のランプ印加電圧VLが所定電圧以上であるか否かを判定するための閾値電圧(データ)が記録されており、制御部20はランプ印加電圧VLをランプ印加電圧検出信号S10を基に監視して当該ランプ印加電圧検出信号S10の電圧を閾値電圧と比較する。このような制御部20の更なる制御動作例として、制御部20は、ランプ駆動部3にランプL1を点灯する動作を行なわせるランプ駆動制御信号S20を出力しながら、ランプL1に所定電圧以上の直流電圧が印加状態であることを通知するランプ印加電圧検出信号S10をランプ印加電圧検出部16から受信した場合、電磁コイル48に電流を流す動作をリレー駆動部60に止めさせるリレー駆動制御信号S15を出力する。即ち、ランプ印加電圧VLとして例えば14Vではなく例えば42V一定の直流電圧がランプL1に印加状態であることを通知するランプ印加電圧検出信号S10がランプ印加電圧検出部16から制御部20に供給され、それに応じて制御部20が、ランプ駆動電力供給線4よりも低電圧の予備電力供給線11からランプ駆動部3にランプL1を駆動するための電力が供給されるようにリレー駆動制御信号S15を出力する。
【0050】
このようなスイッチングパワートランジスタFET1またはスイッチングトランジスタTr1のショートモードでの故障の際の車両用ランプ駆動装置10の制御動作は、図3に示される図1の各ポイントにおける信号の電圧波形のタイミングチャートから明らかである。
【0051】
また、例えばランプ駆動電力供給線4のヒューズF42が溶断したとしても、完全には故障することが無く且つ機能が失われない冗長性やフォールトトレランスが車両用ランプ駆動装置10には備わっている。具体的に、制御部20は、ランプ駆動部3にランプL1を点灯する動作を行なわせるランプ駆動制御信号S20を出力しながら、ランプL1に電圧が非印加状態であることを通知するランプ印加電圧検出信号S10をランプ印加電圧検出部16から受けた場合には、電磁コイル48に電流を流す動作をリレー駆動部60に止めさせるリレー駆動制御信号S15を出力し、それにより接触片46が電磁コイル48によって第3リレー接点43に接触させられ、第1および第3リレー接点42,43を介して予備電力供給線11からランプ駆動部3にランプを駆動するための電力が供給される。
【0052】
即ち、ランプ駆動電力供給線4からランプL1を駆動するための電力を供給することができなくなっても、制御部20は、ランプ駆動部3にランプL1を点灯する動作を行なわせるランプ駆動制御信号S20を出力しながらランプL1に電圧が非印加状態であることを通知するランプ印加電圧検出信号S10をランプ印加電圧検出部16から受信すれば、予備電力供給線11からランプ駆動部3にランプL1を駆動するための電力が供給されるようにリレー駆動制御信号S15を出力する。このようなランプ駆動電力供給線4のヒューズF42が溶断した際の車両用ランプ駆動装置10の制御動作は、図4に示される図1の各ポイントにおける信号の電圧波形のタイミングチャートから明らかである。
【0053】
また、例えばリレー駆動電力供給線9のヒューズF14が溶断したとしても、完全には故障することが無く且つ機能が失われない冗長性やフォールトトレランスが車両用ランプ駆動装置10には備わっている。具体的に、制御部20は、電磁コイル48に電流を流す動作をリレー駆動部60に行なわせるリレー駆動制御信号S15を出力しながら、電磁コイル48に電圧が非印加状態であることを通知するコイル印加電圧検出信号S5をコイル印加電圧検出部12から受信した場合には、ランプL1を点灯する動作をランプ駆動部3に行なわせる直流電圧のランプ駆動制御信号S20を出力する。
【0054】
即ち、電磁コイル48に電流を流す動作をリレー駆動部60に行なわすことができなくなっても、制御部20は、電磁コイル48に電流を流す動作をリレー駆動部60に行なわせるリレー駆動制御信号を出力しながら電磁コイル48に電圧が非印加状態であることを通知するコイル印加電圧検出信号S5をコイル印加電圧検出部12から受信すれば、ランプL1を点灯する動作をランプ駆動部3に行なわせる直流電圧のランプ駆動制御信号S20を出力する。このようなリレー駆動電力供給線9のヒューズF14が溶断した際の車両用ランプ駆動装置10の制御動作は、図5に示される図1の各ポイントにおける信号の電圧波形のタイミングチャートから明らかである。
【0055】
尚、上記実施形態では、1つのリレー40に対して1つのランプL1を割り当てていたが、車両において重要な灯具として考慮されている複数のランプ(例えば、ヘッドランプ、ターンランプ、ストップランプ、等)を1つのリレー40に対して割り当ててもよい。このように1つのリレー40に対して複数のランプを割り当てれば、リレー40を複数設けずに済むのでコストダウンができる。このような車両用ランプ駆動装置を図6に基づいて説明する。
【0056】
図6は、図1の車両用ランプ駆動装置10の変形例を示す図であり、複数のランプL1,L2,・・・,Lnが1つのリレー40に対して割り当てられている車両用ランプ駆動装置100が示されている。尚、前述の車両用ランプ駆動装置10の説明のために参照した図1および図2に示される回路や信号と同じものを採用可能な箇所には同一符号を付して明確化を図る。
【0057】
制御部200は、ランプL1,L2,・・・,Lnそれぞれの点灯および消灯を指示するためのスイッチSW1,SW2,・・・,SWnそれぞれのON/OFF状態を示す指示信号S1,S2,・・・,Snに応じてリレー駆動制御信号S15をリレー40へ出力し且つランプ駆動制御信号S20,S30,・・・,S40を複数のランプ駆動部3それぞれへ出力して、リレー40の動作およびランプ駆動部3の動作を制御する。複数のランプ駆動部3は、それぞれ、制御部200と電気的に接続されており、制御部200から供給されるランプ駆動制御信号S20,S30,・・・,S40に従ってランプL1,L2,・・・,Lnに電力を供給する。リレー40の第1リレー接点42には複数のランプ駆動部3(注:図6では、ランプL2,Ln用のランプ駆動部3の図示を簡略化している。)が電気的に接続されている。
【0058】
図7は、図6の各ポイントにおける信号の電圧波形のタイミングチャートを示している。図7に示されるように、車両用ランプ駆動装置100は、ランプL1,L2,・・・,Lnのうち少なくとも1つが点灯する前にリレー40の第1および第2リレー接点42,44をショート状態にし、且つ、全てのランプL1,L2,・・・,Lnが消灯した後にリレー40の第1および第2リレー接点42,44をオープン状態にしている。その他、車両用ランプ駆動装置100に係る回路構成、回路動作、等に関しては、図1〜図5を参照して既に説明した内容から容易に推察可能であるため省略する。
【0059】
尚、本発明は、前述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、適宜、変形,改良,等が可能である。その他、前述した実施形態や変形例における各構成要素の数,配置個所,等、および波形,数値,等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0060】
尚、前述した各信号波形は図2〜図5および図7に示されるような矩形波に限らず、適宜、例えば、三角波、ノコギリ波、等にしてもよい。また、前述の実施形態では、ハイレベルとローレベルの電位差により形成された電圧波形を有する指示信号を用いているが、例えば数種類のロジック信号をそれぞれ制御部に入力し、それらのロジック信号を基にスイッチのON/OFF状態を制御部に割り出させ、適宜、リレー駆動制御信号およびランプ駆動制御信号を生成させてもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、制御部と、該制御部から出力されたランプ駆動制御信号の波形に従ってランプに電力を供給するランプ駆動部と、該ランプ駆動部によりランプに印加される電圧を検出して、当該電圧の印加状態を示す検出信号を制御部に通知するランプ印加電圧検出部と、ランプ駆動部に電気的に接続された第1リレー接点、ランプ駆動部に電力を供給するためのランプ駆動電力供給線に電気的に接続された第2リレー接点、ランプ駆動電力供給線に代ってランプ駆動部に電力を供給するための予備電力供給線に電気的に接続された第3リレー接点、第1リレー接点に電気的に接続且つ第3リレー接点と接触し、第1および第3リレー接点を導通させる接触片、および接触片を第3リレー接点から離し且つ第2リレー接点と接触させて第1リレー接点と導通させることが可能な電磁コイル、を有するリレーと、制御部から出力されたリレー駆動制御信号に従い電磁コイルに電流を流すリレー駆動部と、を車両用ランプ駆動装置が備えている。制御部は、ランプの点灯を指示する指示信号を受けた際に、電磁コイルに電流を流す動作をリレー駆動部に行なわせるリレー駆動制御信号を出力し、それにより接触片が電磁コイルによって第2リレー接点に接触させられ、そして第1および第2リレー接点を介してランプ駆動電力供給線からランプ駆動部にランプを駆動するための電力が供給可能な状態となった後にランプを点灯する動作をランプ駆動部に行なわせるパルス波形のランプ駆動制御信号を出力する。制御部は、ランプ駆動部にランプを点灯する動作を行なわせるランプ駆動制御信号を出力しながら、ランプに所定電圧以上の直流電圧が印加状態であることを通知する検出信号をランプ印加電圧検出部から受けた場合には、電磁コイルに電流を流す動作をリレー駆動部に止めさせるリレー駆動制御信号を出力し、それにより接触片が電磁コイルによって第3リレー接点に接触させられ、第1および第3リレー接点を介して予備電力供給線からランプ駆動部にランプを駆動するための電力が供給される。従って、例えば直流42Vといった高電圧のランプ駆動電力供給線からランプを駆動するための電力が供給されるランプ駆動部の入力回路と、ランプに電力を供給するランプ駆動部の出力回路がショートモードで故障したとしても、ランプ印加電圧としてパルス波形電圧ではなく所定電圧以上の直流電圧がランプに印加状態であることを通知する検出信号がランプ印加電圧検出部から制御部に供給され、それに応じて制御部が、例えば14Vといったランプ駆動電力供給線よりも低電圧の予備電力供給線からランプ駆動部にランプを駆動するための電力が供給されるようにリレー駆動制御信号を出力する。よって、完全には故障することが無く且つ機能が失われない冗長性やフォールトトレランスが車両用ランプ駆動装置には備わっている。それ故、当該車両用ランプ駆動装置に、前述のような故障が発生した場合でも、ランプを点灯させる事ができる。尚、本発明の車両用ランプ駆動装置は、第1および第2リレー接点間が導通した後にランプを点灯させるため、ランプ駆動電力供給線にかかる電圧が例えば42Vといった高電圧であっても、第1および第2リレー接点にはアークが生じない。このため、制御部が、ランプの消灯を指示する指示信号を受けた際も、ランプを消灯する動作(即ち、ランプに電力を供給しない動作)をランプ駆動部に行なわせるランプ駆動制御信号を出力し、ランプへのランプ駆動部からの電力供給が途絶えた後に電磁コイルに接触片を第2リレー接点から離し且つ第3リレー接点に接触させるリレー駆動制御信号をリレー駆動部へ出力すれば、第1および第2リレー接点にはアークが生じない。このように、第1および第2リレー接点間が導通した後にランプを点灯させ、更にランプ消灯後に第1および第2リレー接点間の導通を解除すれば、アーク遮断対策が為された高価な42Vリレーを採用する必要がなく、汎用の安価な14Vリレーを採用することができる。
【0062】
また、本発明によれば、制御部と、該制御部から出力されたランプ駆動制御信号に従ってランプに電力を供給するランプ駆動部と、該ランプ駆動部によりランプに印加される電圧を検出して、当該電圧の印加状態を示す検出信号を制御部に通知するランプ印加電圧検出部と、ランプ駆動部に電気的に接続された第1リレー接点、ランプ駆動部に電力を供給するためのランプ駆動電力供給線に電気的に接続された第2リレー接点、ランプ駆動電力供給線に代ってランプ駆動部に電力を供給するための予備電力供給線に電気的に接続された第3リレー接点、第1リレー接点に電気的に接続且つ第3リレー接点と接触し、第1および第3リレー接点を導通させる接触片、および接触片を第3リレー接点から離し且つ第2リレー接点と接触させて第1リレー接点と導通させることが可能な電磁コイル、を有するリレーと、制御部から出力されたリレー駆動制御信号に従い電磁コイルに電流を流すリレー駆動部と、を車両用ランプ駆動装置が備えている。制御部は、ランプの点灯を指示する指示信号を受けた際に、電磁コイルに電流を流す動作をリレー駆動部に行なわせるリレー駆動制御信号を出力し、それにより接触片が電磁コイルによって第2リレー接点に接触させられ、そして第1および第2リレー接点を介してランプ駆動電力供給線からランプ駆動部にランプを駆動するための電力が供給可能な状態となった後にランプを点灯する動作をランプ駆動部に行なわせるランプ駆動制御信号を出力する。制御部は、ランプ駆動部にランプを点灯する動作を行なわせるランプ駆動制御信号を出力しながら、ランプに電圧が非印加状態であることを通知する検出信号をランプ印加電圧検出部から受けた場合には、電磁コイルに電流を流す動作をリレー駆動部に止めさせるリレー駆動制御信号を出力し、それにより接触片が電磁コイルによって第3リレー接点に接触させられ、第1および第3リレー接点を介して予備電力供給線からランプ駆動部にランプを駆動するための電力が供給される。従って、例えばヒューズの溶断等によってランプ駆動電力供給線からランプを駆動するための電力を供給することができなくなっても、制御部が、ランプ駆動部にランプを点灯する動作を行なわせるランプ駆動制御信号を出力しながらランプに電圧が非印加状態であることを通知する検出信号をランプ印加電圧検出部から受ければ、予備電力供給線からランプ駆動部にランプを駆動するための電力が供給されるようにリレー駆動制御信号を出力する。よって、完全には故障することが無く且つ機能が失われない冗長性やフォールトトレランスが車両用ランプ駆動装置には備わっている。それ故、当該車両用ランプ駆動装置に、前述のような故障が発生した場合でも、ランプを点灯させる事ができる。尚、本発明の車両用ランプ駆動装置は、第1および第2リレー接点間が導通した後にランプを点灯させるため、ランプ駆動電力供給線にかかる電圧が例えば42Vといった高電圧であっても、第1および第2リレー接点にはアークが生じない。このため、制御部が、ランプの消灯を指示する指示信号を受けた際も、ランプを消灯する動作(即ち、ランプに電力を供給しない動作)をランプ駆動部に行なわせるランプ駆動制御信号を出力し、ランプへのランプ駆動部からの電力供給が途絶えた後に電磁コイルに接触片を第2リレー接点から離し且つ第3リレー接点に接触させるリレー駆動制御信号をリレー駆動部へ出力すれば、第1および第2リレー接点にはアークが生じない。このように、第1および第2リレー接点間が導通した後にランプを点灯させ、更にランプ消灯後に第1および第2リレー接点間の導通を解除すれば、アーク遮断対策が為された高価な42Vリレーを採用する必要がなく、汎用の安価な14Vリレーを採用することができる。
【0063】
また、本発明によれば、制御部と、該制御部から出力されたランプ駆動制御信号に従ってランプに電力を供給するランプ駆動部と、該ランプ駆動部に電気的に接続された第1リレー接点、ランプ駆動部に電力を供給するためのランプ駆動電力供給線に電気的に接続された第2リレー接点、ランプ駆動電力供給線に代ってランプ駆動部に電力を供給するための予備電力供給線に電気的に接続された第3リレー接点、第1リレー接点に電気的に接続且つ第3リレー接点と接触し、第1および第3リレー接点を導通させる接触片、および接触片を第3リレー接点から離し且つ第2リレー接点と接触させて第1リレー接点と導通させることが可能な電磁コイル、を有するリレーと、制御部から出力されたリレー駆動制御信号に従い電磁コイルに電流を流すリレー駆動部と、電磁コイルに印加される電圧を検出して、当該電圧の印加状態を示す検出信号を制御部に通知するコイル印加電圧検出部と、を車両用ランプ駆動装置が備えている。制御部は、ランプの点灯を指示する指示信号を受けた際に、電磁コイルに電流を流す動作をリレー駆動部に行なわせるリレー駆動制御信号を出力し、それにより接触片が電磁コイルによって第2リレー接点に接触させられ、そして第1および第2リレー接点を介してランプ駆動電力供給線からランプ駆動部にランプを駆動するための電力が供給可能な状態となった後にランプを点灯する動作をランプ駆動部に行なわせるパルス電圧波形のランプ駆動制御信号を出力する。制御部は、電磁コイルに電流を流す動作をリレー駆動部に行なわせるリレー駆動制御信号を出力しながら、電磁コイルに電圧が非印加状態であることを通知する検出信号をコイル印加電圧検出部から受けた場合には、ランプを点灯する動作をランプ駆動部に行なわせる直流電圧のランプ駆動制御信号を出力する。従って、例えばヒューズの溶断等によって電磁コイルに電流を流す動作をリレー駆動部に行なわすことができなくなっても、制御部が、電磁コイルに電流を流す動作をリレー駆動部に行なわせるリレー駆動制御信号を出力しながら電磁コイルに電圧が非印加状態であることを通知する検出信号をコイル印加電圧検出部から受ければ、ランプを点灯する動作をランプ駆動部に行なわせる直流電圧のランプ駆動制御信号を出力する。よって、完全には故障することが無く且つ機能が失われない冗長性やフォールトトレランスが車両用ランプ駆動装置には備わっている。それ故、当該車両用ランプ駆動装置に、前述のような故障が発生した場合でも、ランプを点灯させる事ができる。尚、本発明の車両用ランプ駆動装置は、第1および第2リレー接点間が導通した後にランプを点灯させるため、ランプ駆動電力供給線にかかる電圧が例えば42Vといった高電圧であっても、第1および第2リレー接点にはアークが生じない。このため、制御部が、ランプの消灯を指示する指示信号を受けた際も、ランプを消灯する動作(即ち、ランプに電力を供給しない動作)をランプ駆動部に行なわせるランプ駆動制御信号を出力し、ランプへのランプ駆動部からの電力供給が途絶えた後に電磁コイルに接触片を第2リレー接点から離し且つ第3リレー接点に接触させるリレー駆動制御信号をリレー駆動部へ出力すれば、第1および第2リレー接点にはアークが生じない。このように、第1および第2リレー接点間が導通した後にランプを点灯させ、更にランプ消灯後に第1および第2リレー接点間の導通を解除すれば、アーク遮断対策が為された高価な42Vリレーを採用する必要がなく、汎用の安価な14Vリレーを採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用ランプ駆動装置の回路構成を示す図である。
【図2】図1の指示信号の電圧波形、リレー駆動制御信号の電圧波形、ランプ駆動制御信号の電圧波形、およびランプ印加電圧の波形のタイミングチャートである。
【図3】スイッチングパワートランジスタFET1またはスイッチングトランジスタTr1のショートモードでの故障の際の車両用ランプ駆動装置10の制御動作に関して説明するための、図1の各ポイントにおける信号の電圧波形のタイミングチャートである。
【図4】ランプ駆動電力供給線4のヒューズF42が溶断した際の車両用ランプ駆動装置10の制御動作に関して説明するための、図1の各ポイントにおける信号の電圧波形のタイミングチャートである。
【図5】リレー駆動電力供給線9のヒューズF14が溶断した際の車両用ランプ駆動装置10の制御動作に関して説明するための、図1の各ポイントにおける信号の電圧波形のタイミングチャートである。
【図6】図1の車両用ランプ駆動装置の変形例を示す図である。
【図7】図6の各ポイントにおける信号の電圧波形のタイミングチャートである。
【図8】従来の車両用ランプ駆動装置の回路構成を示す図である。
【図9】図8の指示信号の電圧波形、ランプ駆動制御信号の電圧波形、およびランプ印加電圧の波形のタイミングチャートである。
【符号の説明】
3 ランプ駆動部
4 ランプ駆動電力供給線
9 リレー駆動電力供給線
10 車両用ランプ駆動装置
11 予備電力供給線
12 コイル印加電圧検出部
16 ランプ印加電圧検出部
20 制御部
40 リレー
42 第1リレー接点
43 第3リレー接点
44 第2リレー接点
46 接触片
48 電磁コイル
50 ダイオード(整流器)
60 リレー駆動部
L1 ランプ
S1 指示信号
S5 コイル印加電圧検出信号
S10 ランプ印加電圧検出信号
S15 リレー駆動制御信号
S20 ランプ駆動制御信号

Claims (3)

  1. ランプの点灯および消灯を指示するための指示信号に応じてリレー駆動制御信号およびランプ駆動制御信号を出力する制御部と、
    前記ランプ駆動制御信号の波形に従って前記ランプに電力を供給するランプ駆動部と、
    前記ランプ駆動部により前記ランプに印加される電圧を検出して、当該電圧の印加状態を示す検出信号を前記制御部に通知するランプ印加電圧検出部と、
    前記ランプ駆動部に電気的に接続された第1リレー接点、前記ランプ駆動部に電力を供給するためのランプ駆動電力供給線に電気的に接続された第2リレー接点、前記ランプ駆動電力供給線に代って前記ランプ駆動部に電力を供給するための予備電力供給線に電気的に接続された第3リレー接点、前記第1リレー接点に電気的に接続且つ前記第3リレー接点と接触し、前記第1および第3リレー接点を導通させる接触片、および前記接触片を前記第3リレー接点から離し且つ前記第2リレー接点と接触させて前記第1リレー接点と導通させることが可能な電磁コイル、を有するリレーと、
    前記リレー駆動制御信号に従い前記電磁コイルに電流を流すリレー駆動部と、
    を備え、
    前記制御部が、前記ランプの点灯を指示する前記指示信号を受けた際に、前記電磁コイルに電流を流す動作を前記リレー駆動部に行なわせる前記リレー駆動制御信号を出力し、それにより前記接触片が前記電磁コイルによって前記第2リレー接点に接触させられ、そして前記第1および第2リレー接点を介して前記ランプ駆動電力供給線から前記ランプ駆動部に前記ランプを駆動するための電力が供給可能な状態となった後に前記ランプを点灯する動作を前記ランプ駆動部に行なわせるパルス波形の前記ランプ駆動制御信号を出力し、
    前記制御部が、前記ランプ駆動部に前記ランプを点灯する動作を行なわせる前記ランプ駆動制御信号を出力しながら、前記ランプに所定電圧以上の直流電圧が印加状態であることを通知する検出信号を前記ランプ印加電圧検出部から受けた場合には、前記電磁コイルに電流を流す動作を前記リレー駆動部に止めさせる前記リレー駆動制御信号を出力し、それにより前記接触片が前記電磁コイルによって前記第3リレー接点に接触させられ、前記第1および第3リレー接点を介して前記予備電力供給線から前記ランプ駆動部に前記ランプを駆動するための電力が供給されることを特徴とする車両用ランプ駆動装置。
  2. ランプの点灯および消灯を指示するための指示信号に応じてリレー駆動制御信号およびランプ駆動制御信号を出力する制御部と、
    該ランプ駆動制御信号に従って前記ランプに電力を供給するランプ駆動部と、
    前記ランプ駆動部により前記ランプに印加される電圧を検出して、当該電圧の印加状態を示す検出信号を前記制御部に通知するランプ印加電圧検出部と、
    前記ランプ駆動部に電気的に接続された第1リレー接点、前記ランプ駆動部に電力を供給するためのランプ駆動電力供給線に電気的に接続された第2リレー接点、前記ランプ駆動電力供給線に代って前記ランプ駆動部に電力を供給するための予備電力供給線に電気的に接続された第3リレー接点、前記第1リレー接点に電気的に接続且つ前記第3リレー接点と接触し、前記第1および第3リレー接点を導通させる接触片、および前記接触片を前記第3リレー接点から離し且つ前記第2リレー接点と接触させて前記第1リレー接点と導通させることが可能な電磁コイル、を有するリレーと、
    前記リレー駆動制御信号に従い前記電磁コイルに電流を流すリレー駆動部と、
    を備え、
    前記制御部が、前記ランプの点灯を指示する前記指示信号を受けた際に、前記電磁コイルに電流を流す動作を前記リレー駆動部に行なわせる前記リレー駆動制御信号を出力し、それにより前記接触片が前記電磁コイルによって前記第2リレー接点に接触させられ、そして前記第1および第2リレー接点を介して前記ランプ駆動電力供給線から前記ランプ駆動部に前記ランプを駆動するための電力が供給可能な状態となった後に前記ランプを点灯する動作を前記ランプ駆動部に行なわせる前記ランプ駆動制御信号を出力し、
    前記制御部が、前記ランプ駆動部に前記ランプを点灯する動作を行なわせる前記ランプ駆動制御信号を出力しながら、前記ランプに電圧が非印加状態であることを通知する検出信号を前記ランプ印加電圧検出部から受けた場合には、前記電磁コイルに電流を流す動作を前記リレー駆動部に止めさせる前記リレー駆動制御信号を出力し、それにより前記接触片が前記電磁コイルによって前記第3リレー接点に接触させられ、前記第1および第3リレー接点を介して前記予備電力供給線から前記ランプ駆動部に前記ランプを駆動するための電力が供給されることを特徴とする車両用ランプ駆動装置。
  3. ランプの点灯および消灯を指示するための指示信号に応じてリレー駆動制御信号およびランプ駆動制御信号を出力する制御部と、
    該ランプ駆動制御信号に従って前記ランプに電力を供給するランプ駆動部と、
    前記ランプ駆動部に電気的に接続された第1リレー接点、前記ランプ駆動部に電力を供給するためのランプ駆動電力供給線に電気的に接続された第2リレー接点、前記ランプ駆動電力供給線に代って前記ランプ駆動部に電力を供給するための予備電力供給線に電気的に接続された第3リレー接点、前記第1リレー接点に電気的に接続且つ前記第3リレー接点と接触し、前記第1および第3リレー接点を導通させる接触片、および前記接触片を前記第3リレー接点から離し且つ前記第2リレー接点と接触させて前記第1リレー接点と導通させることが可能な電磁コイル、を有するリレーと、
    前記リレー駆動制御信号に従い前記電磁コイルに電流を流すリレー駆動部と、
    前記電磁コイルに印加される電圧を検出して、当該電圧の印加状態を示す検出信号を前記制御部に通知するコイル印加電圧検出部と、
    を備え、
    前記制御部が、前記ランプの点灯を指示する前記指示信号を受けた際に、前記電磁コイルに電流を流す動作を前記リレー駆動部に行なわせる前記リレー駆動制御信号を出力し、それにより前記接触片が前記電磁コイルによって前記第2リレー接点に接触させられ、そして前記第1および第2リレー接点を介して前記ランプ駆動電力供給線から前記ランプ駆動部に前記ランプを駆動するための電力が供給可能な状態となった後に前記ランプを点灯する動作を前記ランプ駆動部に行なわせるパルス電圧波形の前記ランプ駆動制御信号を出力し、
    前記制御部が、前記電磁コイルに電流を流す動作を前記リレー駆動部に行なわせる前記リレー駆動制御信号を出力しながら、前記電磁コイルに電圧が非印加状態であることを通知する検出信号を前記コイル印加電圧検出部から受けた場合には、前記ランプを点灯する動作を前記ランプ駆動部に行なわせる直流電圧の前記ランプ駆動制御信号を出力することを特徴とする車両用ランプ駆動装置。
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