JP2004023635A - 電波測定方法、電波測定回路、電波測定プログラムおよび電波監視方法、電波監視装置、電波監視プログラムならびに電波サービスエリア調査方法、電波サービスエリア調査装置、電波サービスエリア調査プログラム - Google Patents
電波測定方法、電波測定回路、電波測定プログラムおよび電波監視方法、電波監視装置、電波監視プログラムならびに電波サービスエリア調査方法、電波サービスエリア調査装置、電波サービスエリア調査プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】電波監視親機21と電波監視子機(9、11、13)とからなる電波監視装置を設け、各送信所(5、7)から送信されるISDB−T電波を電波監視子機(9、11、13)が受信し、当該ISDB−T電波を測定した結果である測定多重信号を電波監視親機21で比較処理する構成とした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電波を遠方監視する方法、装置、プログラムに係り、特にISDB−T電波による放送波ネットワークの機能確認のための電波測定方法、電波測定回路、電波測定プログラムおよび電波監視方法、電波監視装置、電波監視プログラムならびに電波サービスエリア調査方法、電波サービスエリア調査装置、電波サービスエリア調査プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、ISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial)電波監視における従来技術として、アナログ地上テレビジョン放送における電波監視の方法について説明する。従来のアナログ地上テレビジョン放送における電波監視の方法には、以下に挙げるものがある。
【0003】
(1)送信所(基幹送信所または中継送信所)に設置した監視装置(以下、従来の監視装置という)を用いて、送信所の各設備である送信設備の使用・故障などの設備情報、送信所の送信機の出力レベル、送信所近傍の電波の電界強度などを収集してテレメータ信号を生成し、このテレメータ信号を監視場所(送信所とは相当距離離れた“遠方”にある場所)に通信路を介して伝送し、当該監視場所にて電波を監視する方法(以下、従来の遠方監視方法という)。
【0004】
(2)送信所から送信される電波を受信側のテレビジョン受信機(以下、単に受信機という)で受信復調して得られた映像および音声を視聴者が視聴し、以下の2つの評価判定を行い、この2つの評価判定のいずれかが著しく低下したとき(異常が認められたとき)に、当該視聴者が電波を監視する監視場所に通報することにより電波を監視する方法(以下、従来の視聴者監視方法という)。2つの評価判定は、映像および音声が良好に視聴できるか否かによる電波の質の評価判定(以下、電波質評価判定という)と、番組表に記載されている番組内容(コンテンツ内容)と視聴している視聴内容とを比較して矛盾がないかによる番組内容(コンテンツ内容)の評価判定(以下、番組内容評価判定という)である。
【0005】
また、従来のアナログ地上テレビジョン放送におけるサービスエリア調査方法には、車両等の移動体で受信場所を随時変更し、アナログ地上テレビジョン放送の受信を繰り返して、移動地点(それぞれの受信場所)における受信結果を記録する方法がある。なお、サービスエリアとは、ある送信所から送信されるアナログ地上テレビジョン放送を受信可能な区域のことである。
【0006】
ここで、ISDB−T電波の質を評価する方法について説明を加えておく。
ISDB−T電波の質を評価する方法には、BER(Bit Error Rate:ビット誤り率)測定、MER(Moduration Error Rate:変調誤差率)測定等がある。ISDB−T電波受信機では、受信信号のBER測定値(ビット誤り率)がある値以下に劣化すると、復調が不可能になる(復調した受信画像が急激に劣化する)クリフエフェクト(cliff effect)現象が生じる。つまり、このクリフエフェクト現象が生じるまで、受信側の視聴者は、ISDB−T電波を復調して視聴可能である。従って、BER測定値(ビット誤り率)を観測することはISDB−T電波の質の評価(管理)に有効である。また、一方、MER測定によるMER測定値(変調誤差率)は、受信側のISDB−T電波受信機においてクリフエフェクト現象が生じる(現象に至る直前)までの受信信号のC/N比(Carrer to Noise rato)と概ね等価な値となり、ISDB−T電波の質の評価(管理)に有効である。
以上のアナログ地上テレビジョン放送における電波監視方法、サービスエリア調査方法は、ISDB−Tにおける電波監視方法、サービスエリア調査方法に適用可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アナログ地上テレビジョン放送における電波監視方法(従来の遠方監視方法、従来の視聴者監視方法)、サービスエリア調査方法では、基幹送信所から送信された電波が中継送信所にて無線中継された場合、この中継送信所からの電波について、番組内容(コンテンツ内容)の確認を厳密に行っていないという問題点がある。そのため、悪意ある電波ジャック等の発見が遅れるという問題がある。
【0008】
番組内容の確認を厳密に行い、この悪意ある電波ジャックを早期に発見する対策として、番組(コンテンツ)を提供している放送事業者から基幹送信所に送出された送出番組内容を基準にして、この送出番組内容と、受信電波(中継送信所または視聴者が所有する受信機)の番組内容(受信電波番組内容)とを比較すればよい。しかし、送出番組内容と受信電波番組内容とを比較する比較場所に、比較する際に利用される基準信号と比較信号とを伝送する必要が生じると共に、これらの信号比較はリアルタイムで連続して行うことが望ましいので、基準信号、比較信号共にリアルタイムに比較可能な信号形式にする必要が生じる。また、基準信号と比較信号とを比較する際には、タイミングを調整する必要がある。
【0009】
ところで、ISDB−T電波の場合、番組内容がデジタル信号に変換されたTS信号として伝送されており、このTS信号を基準信号および比較信号として用いる方法も想定されるが、TS信号は情報量が多いので、TS信号を伝送するためには広帯域伝送路が必要となる。そして、監視対象となるISDB−T電波の電波数の広帯域伝送路を確保することは、運用コスト的に困難であるという問題がある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、前記した従来の技術が有する課題を解消し、番組内容(コンテンツ内容)の確認を厳密に行って、悪意ある電波ジャック等の早期発見が図れると共に、運用コストを低減できる電波測定方法、電波測定回路、電波測定プログラムおよび電波監視方法、電波監視装置、電波監視プログラムならびに電波サービスエリア調査方法、電波サービスエリア調査装置、電波サービスエリア調査プログラムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記した目的を達成するため、以下に示す構成とした。
請求項1記載の電波測定方法は、圧縮符号化システムにおけるトランスポートストリーム信号を構成するトランスポートストリームパケットを利用して放送局から送信される電波の状態を測定する電波測定方法であって、前記トランスポートストリームパケットに付されているパケット識別子毎に、前記トランスポートストリームパケットを分類するストリームパケット分類ステップと、このストリームパケット分類ステップにおいて分類した前記パケット識別子毎のトランスポートストリームパケット数をカウントするストリームパケットカウントステップと、このストリームパケットカウントステップにおいてカウントされたトランスポートストリームパケット数に基づいて、前記電波の状態を測定する電波測定ステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
この方法によれば、まず、ストリームパケット分類ステップにおいて、圧縮符号化システムのトランスポートストリーム信号(以下、TSとする)を構成するトランスポートストリームパケット(以下、TSPとする)が、パケット識別子(以下、PIDとする)毎に分類される。そして、ストリームパケットカウントステップにおいて、パケット数(TSP数)がカウントされる。カウントされたトランスポートストリームパケット数に基づいて、電波測定ステップにおいて、電波の状態が測定される。
【0013】
圧縮符号化システムにおけるTSを構成するTSPは、映像信号や音声信号などの情報種別毎に分類できるようにPIDが割り当てられている。映像信号や音声信号などの、いわゆる情報源信号は、圧縮符号化システムで可変長符号化されてTSPに多重されるため、PIDで分類されたTSPの出現回数は電波に含まれる映像の絵柄や音声の強弱等に応じて変化する。つまり、一定時間毎にPIDで分類したTSPの出現回数は各一定時間内の電波の状態を測定する目安とすることができる。なお、圧縮符号化システムには、MPEG−2等が挙げられるし、電波には、ISDB−T電波等が挙げられる。
【0014】
請求項2記載の電波測定回路は、圧縮符号化システムにおけるトランスポートストリーム信号を構成するトランスポートストリームパケットを利用して放送局から送信される電波の状態を測定する電波測定回路であって、前記トランスポートストリームパケットに付されているパケット識別子毎に、前記トランスポートストリームパケットを分類するストリームパケット分類手段と、このストリームパケット分類手段で分類した前記パケット識別子毎のトランスポートストリームパケット数をカウントするストリームパケットカウント手段と、このストリームパケットカウント手段でカウントされたトランスポートストリームパケット数に基づいて、前記電波の状態を測定する電波測定手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
かかる構成によれば、ストリームパケット分類手段で、圧縮符号化システムのTSを構成するTSPが、PID毎に分類される。そして、ストリームパケットカウント手段で、パケット数(TSP数)がカウントされる。カウントされたトランスポートストリームパケット数に基づいて、電波測定手段で、電波の状態が測定される。
【0016】
請求項3記載の電波測定プログラムは、圧縮符号化システムにおけるトランスポートストリーム信号を構成するトランスポートストリームパケットを利用して放送局から送信される電波の状態を測定する装置を、以下に示す手段として機能させることを特徴とする。当該装置を機能させる手段は、前記トランスポートストリームパケットに付されているパケット識別子毎に、前記トランスポートストリームパケットを分類するストリームパケット分類手段、このストリームパケット分類手段で分類した前記パケット識別子毎のトランスポートストリームパケット数をカウントするストリームパケットカウント手段、このストリームパケットカウント手段でカウントされたトランスポートストリームパケット数に基づいて、前記電波の状態を測定する電波測定手段、である。
【0017】
かかる構成によれば、ストリームパケット分類手段で、圧縮符号化システムのTSを構成するTSPが、PID毎に分類される。そして、ストリームパケットカウント手段で、パケット数(TSP数)がカウントされる。カウントされたトランスポートストリームパケット数に基づいて、電波測定手段で、電波の状態が測定される。
【0018】
請求項4記載の電波監視方法は、広範囲に伝送された電波の状態を監視する電波監視方法であって、OFDM変調器でQ信号が電波の補助チャンネルに多重され送信側から伝送された電波を受信する電波受信ステップと、この電波受信ステップにおいて受信した電波の補助チャンネルから前記Q信号を復調検出するQ信号復調検出ステップと、このQ信号復調検出ステップにおいて検出されたQ信号の検出タイミングおよび受信した電波に基づいて再生した電波のフレーム同期タイミングからタイミング信号を生成するタイミング信号生成ステップと、このタイミング信号生成ステップにおいて生成されたタイミング信号に同期させて、請求項1記載の電波測定方法を用いることにより、カウントされたパケット数と前記電波が復調された際のコンテンツの内容とを関連付けるパケット数コンテンツ関連付ステップと、このパケット数コンテンツ関連付ステップにおいて関連づけられたパケット数およびコンテンツの内容に基づいて、前記電波の状態を監視する電波監視ステップと、を含むことを特徴とする。
【0019】
この方法によれば、まず、電波受信ステップにおいて、Q信号が補助チャンネルに多重された電波が受信され、Q信号復調検出ステップにおいて、多重されているQ信号が復調検出される。そして、タイミング信号生成ステップにおいて、Q信号の検出タイミングおよび電波のフレーム同期タイミングに基づいてタイミング信号が生成される。このタイミング信号を基準として、請求項1に記載の電波測定方法により、パケット数コンテンツ関連付ステップにおいて、パケット数(TSP数)とコンテンツ内容とが関連づけられ、電波監視ステップにおいて、関連づけられたパケット数およびコンテンツの内容に基づいて、電波の状態が監視される。
【0020】
なお、ここでは、このTSPの計数値に分類したPID値を付加した数値を番組内容測定の基本単位としている。そして、得られた全ての基本単位を集約し、これに測定時点を表す時刻情報(数字)を付加した数値を番組内容測定値と定義している。つまり、番組内容測定値は番組内容を忠実に表現する数字であり、TS信号に比べて情報量が極めて少なく、安価な伝送路(広帯域を必要としない)で容易に伝送できる。ちなみに、番組内容測定値を測定する方法を「TSP計数方式による番組内容測定法」と定義する。
【0021】
つまり、電波が複数の場所(例えば、基幹送信所、中継送信所)から送信される場合に、複数の場所から送信された電波から復調したTSの番組内容(コンテンツ内容)を測定して比較を行うには、番組内容測定のタイミングおよび測定期間を合わせる必要がある。そして、この方法では、送信される電波にQ信号が多重変調されており、このQ信号は、複数の場所において、忠実に伝搬されており、このQ信号が基準信号(基準時間タイミング信号)として利用される。すなわち、受信した電波からQ信号が復調されれば、複数の場所から送信された電波を復調したTSについて番組内容測定の開始時刻を一致させることができる。
【0022】
また、任意の場所(例えば、中継送信所)で中継された電波であれば、TMCC(Time Multiplexing Configuration Control:伝送多重制御)信号が復調された場合のTMCCに含まれるフレーム同期はビットレートと繰り返し周期が同じであるから、フレーム同期の検出タイミングを測定開始時刻と測定終了時刻との生成に利用すれば、測定時間(測定期間)を一致させることができる。
【0023】
なお、Q信号には時刻情報が付加されており、Q信号の復調検出タイミング、フレーム同期の検出タイミングから得た測定開始時刻と測定終了時刻との時刻関係(開始時刻から終了時刻までの時間)を用いて、復調されたTSの番組内容測定が行われる。この測定の結果得られた番組内容測定値に時刻情報(Q信号に付加されている)が付加され、基準信号または比較信号として電波を監視する場所に伝送される。同じ時刻情報を持つ番組内容測定値同士を比較すれば番組内容の比較を実現することができる。そして、Q信号を電波(例えば、ISDB−T電波)に多重する具体的な方法としてISBT−T電波のAC(Auxiliary Chanel:補助チャンネル)が利用され、補助チャンネルはTS信号と独立して変復調できる放送事業者専用チャンネルであり、Q信号の多重伝送に利用可能なものである。
【0024】
請求項5記載の電波監視装置は、広範囲に伝送された電波の状態を監視する電波監視装置であって、OFDM変調器でQ信号が電波の補助チャンネルに多重され送信側から伝送された電波を受信する電波受信手段と、この電波受信手段で受信した電波の補助チャンネルから前記Q信号を復調検出するQ信号復調検出手段と、このQ信号復調検出手段で検出されたQ信号の検出タイミングおよび受信した電波に基づいて再生した電波のフレーム同期タイミングからタイミング信号を生成するタイミング信号生成手段と、請求項2に記載の電波測定回路と、前記タイミング信号生成手段で生成したタイミング信号に同期させて、前記電波測定回路を制御し、カウントされたパケット数と前記電波が復調された際のコンテンツの内容とを関連付けるパケット数コンテンツ関連付手段と、このパケット数コンテンツ関連付手段で関連づけられたパケット数およびコンテンツの内容に基づいて、前記電波の状態を監視する電波監視手段と、を備えることを特徴とする。
【0025】
かかる構成によれば、電波受信手段で、Q信号が補助チャンネルに多重された電波が受信され、Q信号復調検出手段で、多重されているQ信号が復調検出される。タイミング信号生成手段で、Q信号の検出タイミングおよび電波のフレーム同期タイミングに基づいてタイミング信号が生成される。このタイミング信号を基準として、請求項2に記載の電波測定回路が制御され、パケット数コンテンツ関連付手段で、パケット数(TSP数)とコンテンツ内容とが関連づけられ、電波監視手段で、関連づけられたパケット数およびコンテンツの内容に基づいて、電波の状態が監視される。
【0026】
なお、電波にQ信号が多重されていない場合に、この電波監視装置からQ信号多重指令を出力する手段を備えることも可能である。或いはまた、電波を送信する送信側において、Q信号が基準信号として自動的に多重される基準信号多重電波送信装置を備えることも可能である。この装置は、電波の送信状態を監視するために、送信される複数の電波を比較する際の基準信号を多重して送信する基準信号多重電波送信装置であって、送信されるいずれかの電波の補助チャンネルに、前記基準信号として、時刻情報が付加されたQ信号を多重変調するQ信号多重変調手段を備えるものである。
【0027】
請求項6記載の電波監視装置は、送信側から送信された電波の状態を監視する電波監視装置であって、電波を送信する送信側がコンテンツを提供する放送事業者と、当該コンテンツを電波として伝送する基幹送信所と、この基幹送信所から送信された電波を中継する中継送信所とを含んでおり、請求項2に記載の電波測定回路を利用して、前記放送事業者から送信された基幹送信所送りTS信号のコンテンツ内容と、前記基幹送信所から送信された電波を復調したTS信号のコンテンツ内容とが常に同じであることを比較確認するコンテンツ比較確認手段と、請求項2に記載の電波測定回路を利用して、前記基幹送信所から送信された電波を復調したTS信号と、前記中継送信所において中継された電波を復調したTS信号とに基づいて、前記コンテンツ内容の測定を行うコンテンツ測定手段と、前記コンテンツ比較確認手段における比較確認結果と、前記コンテンツ測定手段におけるコンテンツ測定結果とに基づいて、前記中継送信所が中継した電波の状態を監視する電波監視手段と、を備えることを特徴とする。
【0028】
かかる構成によれば、電波を送信する送信側が放送事業者、基幹送信所、中継送信所に細分化されている場合、コンテンツ比較確認手段で、放送事業者から基幹送信所に送信された基幹送信所送りTS信号のコンテンツ内容と、この基幹送信所から一旦送信された電波を復調したTS信号のコンテンツ内容とが番組内容測定値(請求項2に記載の電波測定回路による)に基づいて比較され、これらが常に同じ(同じ値)であることが確認される。また同様に、コンテンツ測定手段で、基幹送信所から送信された電波を復調したTS信号のコンテンツ内容と、中継送信所で中継された電波を復調したTS信号のコンテンツ内容とが番組内容測定値により比較される。そして、電波監視手段で、コンテンツ比較確認手段で得られた比較確認結果と、コンテンツ測定手段で得られたコンテンツ測定結果とに基づいて、中継送信所で中継された電波の状態が監視される。すなわち、比較確認結果とコンテンツ測定結果とに差がない場合、中継送信所で中継された電波に不法電波が混在していないと言えるし、差がある場合、何らかの不法電波が混在しているか、基幹送信所、中継送信所等に何らかの異常があると言える。
【0029】
請求項7記載の電波監視装置は、請求項5または請求項6に記載の電波監視装置において、前記電波について、変調誤差率、ビット誤り率、受信信号強度、再生クロック断、サービスインフォメーションの少なくとも1つを測定した測定情報と、測定した際の位置情報とに基づいて電波の状態を監視することを特徴とする。
【0030】
かかる構成によれば、電波の状態を監視する際に、変調誤差率、ビット誤り率、受信信号強度、再生クロック断、サービスインフォメーションのいずれかに基づいて、電波の状態が正常であるかどうかが判定される。
【0031】
請求項8記載の電波監視プログラムは、広範囲に伝送された電波の状態を監視する装置を、以下に示す手段として機能させることを特徴とする。当該装置を機能させる手段は、OFDM変調器でQ信号が電波の補助チャンネルに多重され送信側から伝送された電波を受信する電波受信手段、この電波受信手段で受信した電波の補助チャンネルから前記Q信号を復調検出するQ信号復調検出手段、このQ信号復調検出手段で検出されたQ信号の検出タイミングおよび受信した電波に基づいて再生した電波のフレーム同期タイミングからタイミング信号を生成するタイミング信号生成手段、前記タイミング信号生成手段で生成したタイミング信号に同期させて、請求項2記載の電波測定回路を制御し、カウントされたパケット数と前記電波が復調された際のコンテンツの内容とを関連付けるパケット数コンテンツ関連付手段、このパケット数コンテンツ関連付手段で関連づけられたパケット数およびコンテンツの内容に基づいて、前記電波の状態を監視する電波監視手段、である。
【0032】
かかる構成によれば、電波受信手段で、Q信号が補助チャンネルに多重された電波が受信され、Q信号復調検出手段で、多重されているQ信号が復調検出される。タイミング信号生成手段で、Q信号の検出タイミングおよび電波のフレーム同期タイミングに基づいてタイミング信号が生成される。このタイミング信号を基準として、請求項2に記載の電波測定回路が制御され、パケット数コンテンツ関連付手段で、パケット数(TSP数)とコンテンツ内容とが関連づけられ、電波監視手段で、関連づけられたパケット数およびコンテンツの内容に基づいて、電波の状態が監視される。
【0033】
請求項9記載の電波サービスエリア調査方法は、電波を受信する移動体を用いて、請求項4に記載の電波監視方法に則って、電波を受信可能なサービスエリアの電波の状態を調査することを特徴とする。
この方法によれば、移動体、例えば、一般的な車両等が、電波を受信可能なサービスエリア内を移動しながら電波を受信することで、電波の状態が調査される。
【0034】
請求項10記載の電波サービスエリア調査装置は、電波を受信する移動体と、請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の電波監視装置とを備え、電波を受信可能なサービスエリアの電波の状態を調査することを特徴とする。
かかる構成によれば、移動体がサービスエリア内を巡回しつつ、電波監視装置と相互に電波の状態に関する情報を送受信することで、電波の状態が調査される。
【0035】
請求項11記載の電波サービスエリア調査プログラムは、電波を受信可能なサービスエリアに伝送された電波の状態を監視する装置と、当該サービスエリア内を移動可能な移動体とを、請求項8に記載の電波監視プログラムと前記移動体を制御する制御手段とを連動させて、前記サービスエリアの電波の状態を調査する移動体連動手段、として機能させることを特徴とする。
かかる構成によれば、移動体連動手段によって、移動体の移動動作が制御されつつ、電波監視プログラムが実行され、電波を受信可能なサービスエリア内の電波の状態が調査される。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
予め、この実施の形態の説明順序について述べておくと、まず、ISDB−T電波を監視する全体的な構成(ISDB−T電波の監視に関わる装置および設備[以下、ISDB−T電波監視システムという]の概略的な関係)を説明し、続いてISDB−T電波の監視に関わる各装置の構成、動作について説明していくものとする。
【0037】
(ISDB−T電波監視システムについて)
図1は、ISDB−T電波監視システムの配置関係の概略を図示した説明図である。この図1に示すように、ISDB−T電波監視システム1は、放送事業者設備3と、基幹送信所5と、中継送信所7(7A、7B・・・[図1中は2つだけ図示])と、基幹送信電波監視子機9と、中継送信電波監視子機11(11A、11B・・・[図1中は2つだけ図示])と、SFNエリア電波監視子機13(13A、13B・・・[図1中は2つだけ図示])とを備えている。
【0038】
ISDB−T電波監視システム1は、ISDB−T電波の状態、特に、ISDB−T電波が複数の場所から送信される場合に、それぞれの場所から送信されるISDB−T電波を比較確認することで、当該ISDB−T電波が正常に伝搬されているか(例えば、電波ジャック等が行われていないか)を監視するシステムである。
【0039】
放送事業者設備3は、ISDB−T電波に重畳される番組(コンテンツ)を提供する放送事業者が所有するものであって、番組送出装置15と、内容比較装置17と、基幹送信DIRD装置19と、電波監視親機21とを備えている。
番組送出装置15は、番組(コンテンツ)を蓄積しておき、当該番組を放送する放送時間に合わせて、番組(コンテンツ)をMPEG−2システムにおけるトランスポートストリーム信号に符号化した「基幹送信所送りTS信号」を基幹送信所5に通信網(有線・無線)を介して送出するものである。また、この番組送出装置15は、放送事業者設備1内に備えられている映像モニタ、音声モニタに「基幹送信所送りTS信号」をモニタリングさせつつ、内容比較装置17に「基幹送信所送りTS信号」を出力するものである。
【0040】
内容比較装置17は、番組送出装置15から送出された基幹送信所送りTS信号の番組内容(コンテンツ内容)である映像信号、音声信号を遅延調整した信号と、基幹送信DIRD装置19から送出された「基幹送信所戻りTS信号」の番組内容(コンテンツ内容)とを比較し、これらの番組内容が一致している場合に番組内容一致信号を電波監視親機21に出力するものである。なお、比較方法は、映像信号、音声信号とも、それぞれ電波信号のレベル差を取り、このレベル差がある閾値以下になることを確認することで容易に実現できる。
【0041】
基幹送信DIRD装置19は、基幹送信所5が発信するISDB−T電波を受信可能な場所に設置した受信アンテナに接続されており、基幹送信所5が送信したISDB−T電波を受信復調するものである。また、基幹送信DIRD装置19は、放送事業者設備1内に備えられている映像モニタ、音声モニタに「基幹送信所戻りTS信号」をモニタリングさせつつ、「基幹送信所戻りTS信号」を内容比較装置17に出力するものである。なお、DIRDはDigital Integrated Receiver Decoder:デジタル受信機のことである。
【0042】
電波監視親機21は、操作部、表示部、ブザー部に接続され、通信網(有線・無線)を介して、基幹送信電波監視子機9、中継送信電波監視子機11、SFNエリア電波監視子機13とに接続されている。そして、基幹送信所5に通信網(有線・無線)を介して、Q信号多重命令を送出するものである。なお、この電波監視親機21の内部構成の詳細は後記する。
【0043】
基幹送信所5は、広範囲の地域(サービスエリア)に種々の電波を送信可能な送信設備(図1に示した電波発信用の鉄塔等)が備えられており、放送事業者設備1の番組送出装置15から送出された基幹送信所送りTS信号を変調し、Q信号を多重したISDB−T電波を送信するものであって、OFDM変調器23と、デジタル送信機25と、Q信号多重装置27とが備えられている。
【0044】
OFDM変調器23は、多数の搬送波を用いるマルチキャリア・デジタル変調を行う変調器であり、放送事業者設備1の番組送出装置15から送出された基幹送信所送りTS信号を変調してISDB−T電波にするものである。ちなみに、OFDMとは、Orthogonal Frequency DivisionMultiplexingのことである。
デジタル送信機25は、ISDB−T電波を送信するものであって、ISDB−T電波は総合デジタル放送波の一種であり、地上デジタル放送の電波のことである。
【0045】
Q信号多重装置27は、電波監視親機21から出力されたQ信号多重命令に従ってQ信号を生成し、OFDM変調器23で基幹送信所送りTS信号を変調してISDB−T電波とする際に、当該ISDB−T電波の補助チャンネル(AC:Auxiliary Channel)にQ信号を多重させるものである。なお、Q信号は、時刻情報が付加されたデジタル情報信号であり、任意に指定された一定周期で連続送出、または任意のタイミングにより、任意に指定された回数だけ任意に指定された一定周期で送出されるものである。
【0046】
中継送信所7は、基幹送信所5から送信されたISDB−T電波(図中コメント「変調送信したQ信号を含む電波」:OFDM変調器23で変調され、デジタル送信機25で送信されたQ信号を含む電波)を受信した後、基幹送信所5から送信可能な地域より広範囲な地域に伝搬させるために、減衰したISDB−T電波を増幅して中継送信するものである。
【0047】
基幹送信電波監視子機9は、基幹送信所5から送信されたISDB−T電波を受信可能な場所(基幹送信電波サービスエリア)に設置された受信装置であって、通信網(有線・無線)を介して放送事業者設備1に備えられている電波監視親機21と信号の送受信を行って、当該基幹送信電波サービスエリア内のISDB−T電波の状態を監視するものである。
【0048】
中継送信電波監視子機11は、中継送信所7から送信されたISDB−T電波を受信可能な場所(中継送信電波サービスエリア)に設置された受信装置であって、通信網(有線・無線)を介して放送事業者設備1に備えられている電波監視親機21と信号の送受信を行って、当該中継送信電波サービスエリア内のISDB−T電波の状態を監視するものである。
【0049】
SFNエリア電波監視子機13は、基幹送信所5および中継送信所7A、或いは、中継送信所7Aおよび中継送信所7Bから送信されたそれぞれのISDB−T電波を受信可能な場所(SFNエリア:Single Frequency Networkエリア)に設置された受信装置であって、通信網(有線・無線)を介して放送事業者設備1に備えられている電波監視親機21と信号の送受信を行って、当該SFNエリア内のISDB−T電波の状態を監視するものである。これらの基幹送信電波監視子機9、中継送信電波監視子機11およびSFNエリア電波監視子機13の内部構成はほぼ同一であり、この内部構成の詳細な説明は後記する。
【0050】
なお、これらの基幹送信電波監視子機9、中継送信電波監視子機11およびSFNエリア電波監視子機13が請求項に記載した電波受信手段に相当するものである。
これより、図1に示した各装置の内部の構成について、図2〜図8を参照して説明していく。
【0051】
(電波監視子機の構成)
まず、基幹送信電波監視子機9、中継送信電波監視子機11およびSFNエリア電波監視子機13(以下、電波監視子機(9、11、13)と総括して呼称する)の内部の構成について、図2に示す子機ブロック図を参照して説明する。
電波監視子機(9、11、13)は、受信アンテナ31と、地上デジタル放送受信部33と、受信信号強度測定回路35と、MER測定回路37と、BER測定回路39と、SI取得回路41と、番組内容測定回路43と、測定タイミング値設定回路45と、位置情報収集回路47と、子機識別ID回路49と、測定値多重回路51と、通信網インターフェース53とを備えている。
【0052】
受信アンテナ31は、ISDB−T電波を受信可能な線状アンテナである。この実施の形態では、受信アンテナ31は、一般的なダイポールアンテナによって構成されている。
地上デジタル放送受信部33は、受信アンテナ31で受信されたISDB−T電波を受信した後、検波、復調等を行うものである。この地上デジタル放送受信部33において、検波信号、再生クロック断信号、FFT出力信号、ビタビ復号後TS信号、RS訂正後TS信号、TMCC信号、AC復調信号がISDB−T電波から検出され、これらの信号が地上デジタル放送受信部33に接続されている各回路に出力される。また、この地上デジタル放送受信部33は、受信チャンネル設定遠方制御監視信号を生成し、通信網インターフェース53に出力するものである。
【0053】
受信チャンネル設定遠方制御監視信号は、電波監視子機(9、11、13)が現在監視しているチャンネルを電波監視親機21に伝達する役目をすると共に、地上デジタル放送受信部33におけるISDB−T受信チャンネルを電波監視親機21から指定された受信チャンネルに変更する指示を地上デジタル放送受信部33に伝達する役目をするものである。
【0054】
ここで、地上デジタル放送受信部33から出力される各信号について補足説明しておく。
検波信号は、ISDB−T電波を検波回路(図示せず)によって直交検波した後の信号である。
再生クロック断信号は、後記する測定値(MER測定値、BER測定値等)の有効性を電波監視親機21で判断する際に用いられる信号である。
【0055】
FFT出力信号は、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)出力信号であり、ISDB−T電波において、OFDM変調された各キャリアを直交検波した後の信号である。
ビタビ復号後TS信号は、受信したTS信号からそれに最も近い符号を求める最尤復号された後のTS信号である。ちなみに、ビタビ復号とは誤り訂正符号のうちの畳込み符号の復号法の一つである。畳込み符号とは情報(番組の映像、音声等)が符号の中に順次畳み込まれながら符号化されたものである。
RS訂正後TS信号は、リード・ソロモン符号(RS符号)によって複数ビット単位で誤り訂正された後のTS信号である。
TMCC信号は、伝送多重制御信号である。
AC復調信号は、ISDB−T電波の補助チャンネル(AC)を復調した信号である。
【0056】
受信信号強度測定回路35は、地上デジタル放送受信部33から出力された検波信号に基づいて、ISDB−T電波の信号強度(電界強度)を測定するものであり、受信レベル値を測定値多重回路51に出力するものである。ISDB−T電波の信号強度(電界強度)は、検波信号、受信アンテナ31に供給されている供給電流、当該受信アンテナ31のアンテナ実効長、アンテナ高さ、水平あるいは垂直偏波に対する大地の反射係数、大地の比誘電率と導電率および送信所(基幹送信所5または中継送信所7)からの距離等に基づいて測定(算出)される。
【0057】
MER測定回路37は、地上デジタル放送受信部33から出力されたFFT出力信号およびTMCC信号に基づいて、MER(変調誤差率)を測定するものであり、MER測定値を測定値多重回路51に出力するものである。MERは、ISDB−T電波の送信側である基幹送信所5または中継送信所7において、TS信号を変調した際の誤差の度合いを示すものである。
【0058】
BER測定回路39は、地上デジタル放送受信部33から出力されたビタビ復号後TS信号、RS訂正後TS信号およびTMCC信号に基づいて、BER(ビット誤り率)を測定するものであり、BER値を測定値多重回路51に出力するものである。BERは、送信所(基幹送信所5または中継送信所7)から送信されたISDB−T電波に雑音が混入したり、他の電波が干渉したりして、生じるビット誤りの度合いを示すものである。
【0059】
SI取得回路41は、地上デジタル放送受信部33から出力されたRS訂正後TS信号に基づいて、SI情報値を取得し、取得したSI情報値を測定値多重回路51に出力するものである。SI(Service Information:サービス情報)は、TS信号が放送事業者設備3(放送事業者著作)からの信号であることや現在放送中の信号であることを容易に確認するための情報であり、MPEG−2システムで標準化されている伝送制御信号の一つであるPSI(Program Specific Information)を補完して、ISDB−T電波を受信する受信側(一般視聴者が所有する受信端末)における番組選択を容易にするための必要な情報である。例えば、このSI情報には、TS−ID(Transport Stream ID)、NIT(NetworkInformation Table)、PAT(Program Asociation Table)、PMT(Program Map Table)、SDT(Service Description Table)、EIT(Event Information Table)等がある。
【0060】
番組内容測定回路43は、地上デジタル放送受信部33から出力されたRS訂正後TS信号、TMCC信号およびAC復調信号に基づいて、番組内容測定値を算出し、算出した番組内容測定値を測定値多重回路51に出力するものである。この番組内容測定回路43の詳細な説明(実現例として説明)は後記する。
【0061】
測定タイミング値設定回路45は、電波監視するチャンネルの番組内容の測定を開始する測定タイミング値を設定した測定タイミング設定信号を番組内容測定回路43に出力すると共に、測定タイミング値を測定タイミング値遠方制御監視信号にし、通信網インターフェース53を介して、電波監視親機21に送出するものである。
【0062】
位置情報収集回路47は、電波監視子機(9、11、13)が設置されている緯度、経度、高度の位置情報を測定可能な位置計測手段(図示せず)を有しており、この位置計測手段で測定された位置情報を子機位置情報値として、測定値多重回路51に出力するものである。或いは、位置情報収集回路47は、電波監視子機(9、11、13)が設置されている位置情報が予め記憶されている記憶部(図示せず)を備え、この記憶部から、当該電波監視子機(9、11、13)の位置情報を読み出して、子機位置情報値として、測定値多重回路51に出力するものであってもよい。
【0063】
子機識別ID回路49は、電波監視子機(9、11、13)毎に設定されている子機識別IDが予め記憶されている記憶部(図示せず)から、当該電波監視子機(9、11、13)の子機識別IDを読み出して、測定値多重回路51に出力するものである。
【0064】
測定値多重回路51は、子機識別IDをヘッダ部に書き込むと共に、受信レベル値、MER測定値、BER測定値、SI情報値、番組内容測定値、子機位置情報値を多重してデータ部に書き込んだストリームを測定値多重信号として通信網インターフェース53に出力するものである。
【0065】
通信網インターフェース53は、入力された測定値多重信号、測定タイミング値遠方制御監視信号および受信チャンネル設定遠方制御監視信号を通信送信信号(図2中、通信送受信信号)として通信網(有線・無線)を介して送出すると共に、電波監視親機21から送出された信号を通信受信信号(図2中、通信送受信信号)として授受するものである。つまり、この通信網インターフェース53は、通信網(有線・無線)に適合する形式の通信送受信信号に変換を行うものである。
【0066】
(番組内容測定回路の実現例)
次に、番組内容測定回路43の実現例について、図3を参照して説明する。
図3に示すように、番組内容測定回路43は、TSP−PID識別回路61と、W0/W1フレーム同期再生回路63と、Q信号再生回路65と、開始/停止タイミング指定回路67と、計数開始/停止タイミング制御信号生成回路69と、計数回路/数値保持回路71とを備えている。なお、この番組内容測定回路43が請求項に記載した電波測定回路に相当するものである。
【0067】
TSP−PID識別回路61は、地上デジタル放送受信部33から出力されたRS訂正後TS信号を受信し、MPEG−2システムにおけるTS信号を構成するTSP(トランスポートストリームパケット)をPID(パケット識別子)に基づいて識別して、PID値およびTSP検出パルスを計数回路/数値保持回路71に出力するものである。PID値はTSPの種類を示すものであり、TSP検出パルスは、TSPを検出する毎に1回送出される矩形パルスである。なお、このTSP−PID識別回路61が請求項に記載したストリームパケット分類手段に相当するものである。
【0068】
W0/W1フレーム同期再生回路63は、地上デジタル放送受信部33から出力されたTMCC信号を受信し、フレームパルスを出力するものである。このフレームパルスは、同期W0、W1を識別できるものである。
【0069】
Q信号再生回路65は、地上デジタル放送受信部33から出力されたAC復調信号を受信し、Q信号を再生して出力するものである。
開始/停止タイミング指定回路67は、測定タイミング値設定回路45(図2参照)から出力された測定タイミング設定信号を受信し、この測定タイミング設定信号に基づいて、計数開始/停止タイミング制御信号生成回路69で生成される測定開始指示信号の出力時刻および終了指示信号の出力時刻(測定開始指示信号、終了指示信号の開始と終了の時間関係)を指定するものである。
【0070】
つまり、この開始/停止タイミング指定回路67は、計数開始/停止タイミング制御信号生成回路69におけるQ信号受信終了から計数回路/数値保持回路71におけるパケット数の測定開始までのフレーム数を示すフレーム数信号および分割単位となる測定対象のフレーム数を示す測定対象フレーム数信号を出力し、計数開始/停止タイミング制御信号生成回路69を制御するものである。
【0071】
計数開始/停止タイミング制御信号生成回路69は、W0/W1フレーム同期再生回路63から出力されたフレームパルスおよびQ信号再生回路65から出力されたQ信号を受信し、測定開始指示信号および測定終了指示信号を生成するものである。請求項に記載したタイミング信号生成手段に相当するものである。
【0072】
計数回路/数値保持回路71は、計数回路と数値保持回路とから構成され、PID毎に分類されたTSPをカウント、保持して出力するものである。計数回路は、計数開始/停止タイミング制御信号生成回路69から出力された測定開始信号により、カウントしているTSPをリセットし、TSP−PID識別回路61から出力されたPID値およびTSP検出パルスが入力される毎にPID値を分類してTSP数(計数値)をカウントアップするものである。数値保持回路はTSP−PID識別回路61から出力された新たなPID値を受信するか、計数開始/停止タイミング制御信号生成回路69から出力された終了指示信号を受信するまで、受信したPID値とPID値に対応する計数回路のTSP数(計数値)を保持すると共に、終了指示信号を受信した場合には測定開始時に復調したQ信号、全てのPID値に対応するTSP数(計数値)を番組内容測定値(図3中、測定値出力)として出力するものである。なお、この計数回路/数値保持回路71が請求項に記載したストリームパケットカウント手段に相当するものである。
【0073】
(電波監視親機の構成)
次に、電波監視親機21の内部構成について、図4を参照して説明する。
図4に示すように、電波監視親機21は、通信網インターフェース73と、位置情報選択・分離回路75と、番組内容測定値選択・分離・比較回路77と、受信レベル値選択・分離回路79と、受信クロック断信号選択・分離回路81と、MER値選択・分離回路83と、BER値選択・分離回路85と、SI情報値選択・分離回路87と、子機/Q信号多重装置制御情報生成・多重回路89と、測定値/アラーム配信情報生成回路91と、表示部93と、アラーム識別回路95と、ブザー部97と、操作部99とを備えている。
【0074】
通信網インターフェース73は、通信網(有線・無線)を介して、電波監視子機(9、11、13)との間で通信送受信信号(通信送信信号および通信受信信号)を送受信して、測定値多重信号を出力すると共に、子機/Q信号多重装置89制御情報生成・多重回路89から出力された子機/Q信号多重装置制御信号および測定値/アラーム配信情報生成回路91から出力された測定値/アラーム配信情報が入力されるものである。また、内容比較装置17(図1参照)が出力した番組内容一致信号を受信するものである。
【0075】
位置情報選択・分離回路75は、測定値多重信号を送信してきた電波監視子機(9、11、13)を選択し、当該電波監視子機(9、11、13)からの測定値多重信号に多重されている子機位置情報値を分離し、位置情報信号として出力するものである。
【0076】
番組内容測定値選択・分離・比較回路77は、測定値多重信号を送信してきた電波監視子機(9、11、13)を選択し、当該電波監視子機(9、11、13)からの測定値多重信号に多重されている番組内容測定値を分離し、この番組内容測定値に基づいて、一致/不一致信号を出力するものである。この番組内容測定値選択・分離・比較回路77が請求項に記載したパケット数コンテンツ関連付手段に相当するものである。
【0077】
受信レベル値選択・分離回路79は、測定値多重信号を送信してきた電波監視子機(9、11、13)を選択し、当該電波監視子機(9、11、13)からの測定値多重信号に多重されている受信レベル値を分離し、受信レベル値を出力するものである。
受信クロック断信号選択・分離回路81は、測定値多重信号を送信してきた電波監視子機(9、11、13)を選択し、当該電波監視子機(9、11、13)からの測定値多重信号に多重されている再生クロック断信号を分離し、受信クロック断値として出力するものである。
【0078】
MER値選択・分離回路83は、測定値多重信号を送信してきた電波監視子機(9、11、13)を選択し、当該電波監視子機(9、11、13)からの測定値多重信号に多重されているMER測定値を分離し、MER値として出力するものである。
BER値選択・分離回路85は、測定値多重信号を送信してきた電波監視子機(9、11、13)を選択し、当該電波監視子機(9、11、13)からの測定値多重信号に多重されているBER測定値を分離し、BER値として出力するものである。
【0079】
SI情報値選択・分離回路87は、測定値多重信号を送信してきた電波監視子機(9、11、13)を選択し、当該電波監視子機(9、11、13)からの測定値多重信号に多重されているSI情報値を分離し、SI値として出力するものである。
子機/Q信号多重装置制御情報生成・多重回路89は、電波監視子機(9、11、13)およびQ信号多重装置27に対する制御情報(制御信号)を生成し、通信網インターフェース73から送信される通信送信信号に多重するものである。
【0080】
測定値/アラーム配信情報生成回路91は、電波監視親機21に備えられている各回路が出力した測定値およびアラーム識別回路95が出力したアラーム配信情報を外部の配信情報表示装置(図示せず)に伝送するための測定値/アラーム配信情報を出力するものである。
【0081】
表示部93は、電波監視子機(9、11、13)から送信された通信送信信号に基づいて、通信網インターフェース73、各回路によって分離して得られた電波監視子機(9、11、13)における測定値、内容比較装置17から出力された番組内容一致信号による番組内容測定値の比較判定結果、異常検出情報を表示するものである。また、表示部93の表示画面上に、基幹送信所5および中継送信所7から送信されるISDB−T電波の受信可能エリアを、2次元または3次元の地図情報として表示し、位置情報選択・分離回路75から出力された位置情報信号に基づいた各電波監視子機(9、11、13)における測定値を統合した色彩情報を、地図情報上の該当する位置に付加表示することも可能である。
【0082】
アラーム識別回路95は、操作部99から出力されたアラーム識別回路制御信号およびアラームしきい値設定信号により、各回路(77、79、81、83、85、87)から出力された一致/不一致信号に基づく番組内容の異常検出、各測定値(受信レベル値、受信クロック断値、MER値、BER値、SI値)に基づく閾値判定等の情報処理による異常検出を行い、指令信号を出力するものである。指令信号には、表示部93に出力され、表示画面上に異常検出情報を表示させるアラーム表示指令信号と、ブザー部97に出力され、ブザー音を出力させるアラーム鳴動停止指令信号とがある。
【0083】
ブザー部97は、アラーム識別回路95または操作部99から出力されたアラーム鳴動停止信号を受信し、ブザー音を出力するものである。
操作部99は、電波監視親機21のユーザが操作するキーボード、マウス等によって構成され、表示部93、アラーム識別回路95およびブザー部97等を操作するものである。つまり、操作部99は、表示部93の表示画面の切替、Q信号多重装置27へのQ信号多重指令、アラーム識別回路95およびブザー部97へアラーム識別回路制御信号、アラームしきい値設定信号、アラーム鳴動停止指令信号等の当該電波監視親機21を運用する上で必要な運用制御命令と、電波監視子機(9、11、13)に対し、受信周波数等の動作設定をする遠方制御命令とを入力するものである。
【0084】
(番組内容測定値選択・分離・比較回路の内部構成)
ここで、図5を参照して、番組内容測定値選択・分離・比較回路77の内部構成について、より詳細に説明する(適宜、図4参照)。なお、この番組内容測定値以外の測定値を選択・分離する回路(75、79、83、85、87)は「その他測定値の選択・分離回路(75、79、83、85、87)」として、当該回路の内部構成については後記する。
【0085】
番組内容測定値選択・分離・比較回路77は、入力端切替スイッチ77aと、子機番組内容測定値分離・蓄積回路77b(77b1、77b2・・・77bn)と、子機出力切替スイッチ77dと、番組内容測定値比較回路77eとを備えている。
【0086】
入力端切替スイッチ77aは、入力される測定値多重信号を、測定値多重信号に多重されている(付加されている)子機識別ID(子機識別ID回路49[図2参照]による)に基づいて、切り替えるものである。
【0087】
子機番組内容測定値分離・蓄積回路77bは、中継送信電波監視子機11およびSFNエリア電波監視子機13の数と同数備えられるものであって、入力された測定値多重信号から番組内容測定値を分離し、蓄積するものである。
子機(基幹送信所)番組内容測定値分離・蓄積回路77cは、基幹送信電波監視子機9から送信された測定値多重信号から番組内容測定値を分離し、蓄積するものである。この子機(基幹送信所)番組内容測定値分離・蓄積回路77cで蓄積された番組内容測定値(基準信号とされる)が基準となり、子機番組内容測定値分離・蓄積回路77b1〜77bnに蓄積された番組内容測定値(比較信号とされる)が比較される。
【0088】
子機出力切替スイッチ77dは、各子機番組内容測定値分離・蓄積回路77b1〜77bnに蓄積されている番組内容測定値を切り替えて番組内容測定値比較回路77eに出力させるものである。
番組内容測定値比較回路77eは、子機(基幹送信所)番組内容測定値分離・蓄積回路77cから出力された番組内容測定値(基準信号)と、子機番組内容測定値分離・蓄積回路77b1〜77bnから出力された番組内容測定値(比較信号)とを、各番組内容測定値に付加されているQ信号に従って、すなわち、同一のQ信号が付加されている基準信号と比較信号とを比較し、一致/不一致信号を出力するものである。
【0089】
この番組内容測定値選択・分離・比較回路77によれば、Q信号に従って、順次、基準信号と比較信号とを番組内容測定値比較回路77eで比較していくので、汎用的なコンピュータおよびコンピュータ上で動作するソフトウェアで実現でき、全てをハードウェアで構成する方式に比べ、回路規模を小さくすることができる。
【0090】
(その他測定値の選択・分離回路の内部構成)
また、図6を参照して、その他測定値の選択・分離回路(75、79、83、85、87)の内部構成について、より詳細に説明する。なお、この図6には、その他測定値の選択・分離回路(75、79、83、85、87)を代表して、MER値選択・分離回路83の内部構成を図示している。
MER値選択・分離回路83は、入力端切替スイッチ83aと、子機MER値選択・分離回路83b(83b1、83b2・・・83bn)と、子機(基幹送信所)MER値選択・分離回路83cと、出力端切替スイッチ83dとを備えている。
【0091】
入力端切替スイッチ83aは、入力される測定値多重信号を、測定値多重信号に多重されている(付加されている)子機識別ID(子機識別ID回路49[図2参照]による)に基づいて、切り替えるものである。
子機MER値選択・分離回路83bは、中継送信電波監視子機11およびSFNエリア電波監視子機13の数と同数備えられるものであって、入力された測定値多重信号からMER測定値を分離し、蓄積するものである。
【0092】
子機(基幹送信所)MER値選択・分離回路83cは、基幹送信電波監視子機9から送信された測定値多重信号からMER測定値を分離し、蓄積するものである。
出力端切替スイッチ83dは、各子機MER値分離・蓄積回路83b1〜83bnおよび子機(基幹送信所)MER値選択・分離回路83cに蓄積されているMER測定値を切り替えて、MER値(MER値選択出力)を出力するものである。
【0093】
(Q信号多重装置の内部構成)
次に、図1に示した電波監視システム1の中の基幹送信所5に備えられたQ信号多重装置27の内部構成について、図7、図8を参照して説明する。なお、図8は、Q信号多重装置27が図1に示した電波監視システム1の放送事業者設備3に備えられた場合を図示したものであって、その内部構成に差異があるものではない。後記する電波監視システム1の変形例に関わりがあり、この変形例の説明において参照することにする。
【0094】
図7(図8)に示すように、Q信号多重装置27は、通信網インターフェース27aと、Q信号多重タイミング制御部27bと、Q信号ACビットマッピング部27cとを備えている。
通信網インターフェース27aは、通信網(有線・無線)を介して、電波監視親機21から送信されたQ信号多重命令を受信し、Q信号多重タイミング制御部27bにQ信号多重制御タイミング制御信号を出力すると共に、Q信号多重タイミング制御部27bから出力されたQ信号多重制御タイミングアンサー信号を受信し、このQ信号多重制御タイミングアンサー信号を電波監視親機21に通信網(有線・無線)を介して、送出するものである。
【0095】
Q信号多重タイミング制御部27bは、Q信号多重制御タイミング制御信号を受信し、Q信号に時刻情報を付加し、Q信号ACビットマッピング部27cにQ信号多重制御タイミング(数値)を出力すると共に、通信網インターフェース27aにQ信号多重制御タイミングアンサー信号を出力するものである。
【0096】
Q信号ACビットマッピング部27cは、Q信号多重タイミング制御部27bから出力されたQ信号多重制御タイミング(数値)に基づいて、Q信号をISDB−T電波の補助チャンネル(AC)のビットマッピングに変換し、ACマッピング信号を出力するものである。
【0097】
なお、図7は、図1に示した電波監視システム1のように、Q信号多重装置27が基幹送信所5に備えられている場合であって、Q信号を、直接、OFDM変調器23に伝送して、このOFDM変調器23において、Q信号(ACマッピング信号)をISDB−T電波のAC入力に入力して変調多重させる場合を図示したものである。
【0098】
また、図8はQ信号多重装置27が放送事業者設備3内に備えられている場合であって、Q信号(ACマッピング信号)を番組送出装置15においてTS多重してOFDM変調器23に送信し、このOFDM変調器23で基幹送信所送りTS信号からQ信号を分離して変調多重させる場合を図示したものである。
【0099】
(電波監視子機の動作)
次に、図9に示したフローチャートを参照して、電波監視子機(9、11、13)の動作について説明する(適宜、図1、図2参照)。
まず、基幹送信所5または中継送信所7から送出されたISDB−T電波が受信アンテナ31を介して、地上デジタル放送受信部33で受信される(S1)。そして、通信網インターフェース53を介して、電波監視親機21から送信された、受信するチャンネルを示す情報(監視対象となるチャンネル)として受信チャンネル設定遠方制御監視信号が地上デジタル放送受信部33に入力されると共に、測定タイミング値遠方制御信号が測定タイミング値設置回路45に入力される(S2)と、測定タイミング値設定回路45から測定タイミング設定信号が番組内容測定回路43に出力される(S3)。
【0100】
ISDB−T電波を受信した地上デジタル放送受信部33では、ISDB−T電波を検波または復号した結果である検波信号、FFT出力信号、ビタビ復号後TS信号、RS訂正後TS信号、TMCC信号およびAC復調信号が各回路(35、37、39、41、43)に出力される(S4)。なお、地上デジタル放送受信部33で検出された再生クロック断信号は測定値多重回路51に直接出力される。
【0101】
そして、各回路(35、37、39、41、43)、すなわち、受信信号強度測定回路35から受信レベル値が、MER測定回路37からMER測定値が、BER測定回路39からBER測定値が、SI取得回路41からSI情報値が、番組内容測定回路43から番組内容測定値および測定値多重指示信号が出力され、測定値多重回路51に入力される(S5)。ここで、位置情報収集回路47から子機位置情報値が測定値多重回路51に出力されると共に、子機識別ID回路49から子機識別IDが測定値多重回路51に出力される(S6)。
【0102】
そして、測定値多重回路51では、矩形パルスである測定値多重指示信号が検出され、子機位置情報値、子機識別ID、受信レベル値、再生クロック断信号、MER測定値、BER測定値、SI情報値および番組内容測定値が多重され測定値多重信号として通信網インターフェース53に出力される(S7)。そしてまた、この通信網インターフェース53から通信送信信号が出力される(S8)。
【0103】
(番組内容測定回路の動作)
次に、図10に示したフローチャートを参照して、番組内容測定回路43の動作について説明する(適宜、図9参照)。
まず、番組内容測定回路43には、地上デジタル放送受信部33からRS訂正後TS信号、TMCC信号およびAC復調信号が入力される。すなわち、RS訂正後TS信号がTSP−PID識別回路61に、TMCC信号がW0/W1フレーム同期再生回路63に、AC復調信号がQ信号再生回路65に入力される(S11)。
【0104】
そして、入力されたRS訂正後TS信号から、TSP−PID識別回路61でTSP(トランスポートストリームパケット)がPID(パケット識別子)に基づいて識別され、PID値およびTSP検出パルスが計数回路/数値保持回路71に入力される(S12)。また、入力されたTMCC信号からW0/W1フレーム同期再生回路63でフレームパルスが計数開始/停止タイミング制御信号生成回路69に入力される(S13)。さらに、Q信号再生回路65でQ信号が再生され、このQ信号が計数開始/停止タイミング制御信号生成回路69および計数回路/数値保持回路71に入力される(S14)。
【0105】
ここで、測定タイミング値設定回路45から出力された測定タイミング設定信号を受信した開始/停止タイミング指定回路67で、当該測定タイミング指定信号に基づいて、Q信号受信終了から測定開始までのフレーム数を指示するフレーム数信号および測定するフレーム数を指示する測定対象フレーム数信号が計数開始/停止タイミング制御信号生成回路69に入力される(S15)。すると、この計数開始/停止タイミング制御信号生成回路69から測定開始指示信号が計数回路/数値保持回路71に出力され、その後、一定時間(測定時間経過)後、測定終了指示信号が計数回路/数値保持回路71に出力される(S16)。この測定開始指示信号および測定終了指示信号およびTSP検出パルスにより、計数回路/数値保持回路71でPID値に基づいて識別されたTSP数がカウントアップされ、番組内容測定値として出力される(S17)。また、測定終了指示信号の一部が分岐され、測定値多重指示信号として、測定値多重回路51に出力される。
【0106】
(電波監視親機の動作)
次に、図11に示したフローチャートを参照して、電波監視親機21の動作を説明する(適宜、図1〜図6参照)。
まず、操作部99の操作によって、子機/Q信号多重装置制御情報生成・多重装置89を経て子機/Q信号多重装置制御信号が通信網インターフェース73を介して、基幹送信所5のQ信号多重装置27および電波監視子機(9、11、13)に入力される(S21)。つまり、子機/Q信号多重装置制御信号によって、基幹送信所5のデジタル送信機25から送出されるISDB−T電波にQ信号が多重されると共に、電波監視子機(9、11、13)から測定値多重信号が電波監視親機21に送信される。
【0107】
通信網インターフェース73が通信網(有線・無線)を介して電波監視子機(9、11、13)から測定値多重信号を受信し、この測定多重信号が各回路(75、77、79、81、83、85、87)に出力される。また、通信網インタフェース73では、放送事業者設備3に備えられている内容比較装置17から出力された番組内容一致信号を受信し、この番組内容一致信号が表示部93およびアラーム識別回路95に出力される(S22)。
【0108】
そして、測定値多重信号が入力された各回路(75、77、79、81、83、85、87)、すなわち、位置情報選択・分離回路75から位置情報信号が、番組内容測定値選択・分離・比較回路77から一致/不一致信号が、受信レベル値選択・分離回路79から受信レベル値が、受信クロック断信号選択・分離回路81から受信クロック断値が、MER値選択・分離回路83からMER値が、BER値選択・分離回路85からBER値が、SI情報値選択・分離回路87からSI値が出力される。そして、これらの測定値および信号が表示部93およびアラーム識別回路95に入力される(S23)。
【0109】
続いて、操作部99の操作によってアラーム識別回路制御信号およびアラームしきい値設定信号がアラーム識別回路95に入力される(S24)。同様に、操作部99の操作によって表示部制御信号が表示部93に入力されると共に、アラーム識別回路95からアラーム表示指令信号が表示部93に入力される(S25)。
表示部93では、表示部制御信号およびアラーム表示指令信号に基づいて、入力された位置情報信号、一致/不一致信号、受信レベル値、受信クロック断値、MER値、BER値、SI値が表示されると共に、測定値/アラーム情報が測定値/アラーム配信情報生成回路91に出力される(S26)。すると、測定値/アラーム配信情報生成回路91では測定値/アラーム配信情報が生成され、通信網インターフェース73を介して、この測定値/アラーム配信情報が外部に出力される(S27)。
【0110】
また、操作部99の操作によって、またはアラーム識別回路95からのアラーム鳴動停止指令信号がブザー部97に出力され(S28)、ブザー部97が動作(鳴動後、停止)し、ブザー音が発生される(S29)。
しかるに、番組内容測定回路43と、電波監視親機21の番組内容測定値選択・分離・比較回路77およびアラーム識別回路95が請求項に記載した電波測定回路に相当するものであり、これら電波監視子機(9、11、13)および電波監視親機21によれば、この番組内容測定回路43のTSP−PID識別回路61で、MPEG−2システムのTSを構成するTSPがPID毎に分類される。
【0111】
そして、電波監視親機21の番組内容測定値選択・分離・比較回路77で、複数の電波監視子機(中継送信電波監視子機11、SFNエリア電波監視子機13)で測定されたISDB−T電波の番組内容測定値と、基幹送信電波監視子機9で測定されたISDB−T電波の番組内容測定値とが比較され、アラーム識別回路95で電波の状態が監視される。つまり、アラーム識別回路95からのアラーム表示指令信号によって、異常な電波状態を表示部93に赤色等の刺激色で表示させたり、アラーム鳴動停止指令信号によって、ブザー部97でブザー音を発生させることによって、自動的にISDB−T電波の状態を監視することができる。
【0112】
(電波サービスエリア調査システムの構成)
次に、電波サービスエリア調査システムについて、図12に示す概略図を参照して説明する。この電波サービスエリア調査システムは、図1に示した電波監視システム1の中継送信電波監視子機11およびSFNエリア電波監視子機13を自在に移動可能な移動体に搭載したものであって、基幹送信所5および中継送信所7から送信されるISDB−T電波が受信可能なエリア(サービスエリア)内の各地点における電波状態を、当該移動体が移動しながらISDB−T電波を受信することによって調査するシステムである。
【0113】
すなわち、この電波サービスエリア調査システムは電波監視システム1の中継送信電波監視子機11およびSFNエリア電波監視子機13が移動体に搭載されたものであり、各構成はほぼ同じである。それゆえ、電波監視システム1と同一の構成には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0114】
図12に示すように、電波サービスエリア調査システムは、移動体101(101a、101b)を備えている。この移動体101は、一般車(自家用車)或いは商用車(バス、タクシー等)の車両、鉄道、船舶等のいずれであってもよく、この実施の形態では、移動体101は車両であり、サービスエリアも当該車両が移動可能な陸上の一定範囲(障害物がなければ、基幹送信所(中継送信所)から所定半径の円内)を想定している。
【0115】
移動体101aは、基幹送信所5および中継送信所7AからのISDB−T電波を受信可能なSFNエリア(以下、「基幹送信所5・中継送信所7A−SFNエリア」という)から移動を開始し、基幹送信所5のサービスエリア、基幹送信所5・中継送信所7A−SFNエリア、中継送信所7Aのサービスエリア、サービスエリア外、中継送信所7Bのサービスエリア(2箇所)の順で移動するものである。この図12に図示した地点で、移動体101aは、ISDB−T電波を受信し、測定結果である測定値多重信号を電波監視親機21に通信網(無線およびこの無線の通信網から別の通信網[有線・無線])を介して送信するものである。
【0116】
また、移動体101bは中継送信所7Aのサービスエリア、中継送信所7Aおよび中継送信所7BからのISDB−T電波を受信可能なSFNエリア(以下、「中継送信所7A・7B−SFNエリア」という)の順に移動するものである。同様に、移動体101bは、図12に図示した地点で、ISDB−T電波を受信し、測定結果である測定値多重信号を電波監視親機21に通信網(無線およびこの無線の通信網から別の通信網[有線・無線])を介して送信するものである。
【0117】
(電波サービスエリア調査システムの動作)
次に、図13に示すフローチャートを参照して、電波サービスエリア調査システムの動作について説明する(適宜、図2、図12参照)。
まず、移動体101が搭載している子機の位置情報収集回路47(図12参照)によって、移動体101の現在位置を通信網を介して電波監視親機21に送信し、移動を開始する(S31)。なお、移動開始した地点(移動体101の現在地点)がISDB−T電波の調査地点(受信地点)に該当する場合には、移動体101はISDB−T電波を受信し、測定結果である測定値多重信号を電波監視親機21に送信してから移動を開始する。
【0118】
そして、移動体101は自動的に自身の位置情報を位置情報収集回路47で収集しつつ移動する。或いは、移動体101の操作者が、適当な場所(ISDB−T電波の調査地点[受信地点]と思われる場所)で移動体101を停止させ、位置情報収集回路47を利用して、現在の移動地点を確認しつつ、ISDB−T電波を受信する。つまり、まず、移動体101の現在の移動地点は基幹送信所5のサービスエリア内かが判断される(S32)。基幹送信所5のサービスエリア内であると判断された場合(S32、Yes)、移動体101の現在の移動地点はSFNエリア内か判断される(S33)。また、基幹送信所5のサービスエリア内であると判断されない場合(S32、No)、移動体101の現在の移動地点は中継送信所7のサービスエリア内かが判断される(S34)。
【0119】
移動体101の現在の移動地点が基幹送信所5のサービスエリア内(S33、No)、SFNエリア内(S33、Yes)、中継送信所7のサービスエリア内(S34、Yes)と判断された場合には、移動体101ではISDB−T電波を受信し、このISDB−T電波の状態を測定した結果である測定値多重信号を電波監視親機21に通信網を介して送信する(S35)。
【0120】
また、S34にて中継送信所7のサービスエリア内であると判断されない場合(S34、No)には、移動体101の現在の移動地点は全サービスエリア外にあり、エラーメッセージが出力され(S36)、再び、移動体101の移動が開始される。
測定値多重信号を受信した電波監視親機21では、ISDB−T電波の状態を表示部93(図4参照)に表示させる(S37)。
【0121】
この電波サービスエリア調査システム(請求項に記載の電波サービスエリア調査装置に相当する)によれば、移動体101に電波監視子機(11、13)を搭載して、当該移動体101がサービスエリア内を移動しつつ(巡回しつつ)、電波監視親機21と相互にISDB−T電波を受信し、このISDB−T電波の状態を測定した結果である測定値多重信号を電波監視親機21に送信することで、当該サービスエリア内の電波状態を監視することができる。つまり、ISDB−T電波のサービスエリア内の電波状態を調査することができる。また、移動体101の数(電波監視子機[11、13]の数)を多くすれば、より短時間に、より詳細にサービスエリア内のISDB−T電波の状態を調査することができる。
【0122】
つまり、すべての送信所(5、7)が正常なISDB−T電波を発射して所要の質に電波がサービスエリア内に到達しているかどうかを電波監視親機21が備えられている遠方で確認することができ、ISDB−T電波発射の異常を即座に検出でき、修理対応等が迅速に行うことができる。また、従来は現地(サービスエリア内)の人員が行っていた電波監視を機械化、自動化することができる。
【0123】
また、この電波サービスエリア調査システムでは、サービスエリア内の調査を自動的に行うため、調査が省力化され迅速に行うことができるほか、サービスエリア内の視聴者からの電波受信相談に、調査結果を示しつつ応対することができる。また、電波監視親機21の測定値/アラーム配信情報生成回路91から出力する測定値/アラーム配信情報を外部の業者に配信することで、電波監視業務を外部の業者に委託して分離することができるので、ISDB−T電波監視と送信所(5、7)の運用保守管理を一括した新たな業務を実現することができる。
【0124】
(電波監視システムの変形例)
ここから、電波監視システム1および電波サービスエリア調査システムの変形例について、図14から図27(電波監視システム1の変形例は図14から図20に、電波サービスエリア調査システムの変形例は図21から図27に図示)を参照して説明する。なお、図1に示した電波監視システム1または図12に示した電波サービスエリア調査システムと同様の構成のものには、同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0125】
図14に示す電波監視システム1の変形例は、図1に示した電波監視システム1の基幹送信所5に備えられていたQ信号多重装置27が放送事業者設備3に備えられたものである(図8に示したQ信号多重装置27を参照)。この場合、Q信号は、放送事業者設備3の番組送出装置15から基幹送信所送りTS信号に多重されて、基幹送信所5に送信されることになる。
【0126】
図15に示す電波監視システム1の変形例は、図1に示した電波監視システム1の放送事業者設備3内に備えられていた電波監視親機21が別の場所に備えられ、放送事業者設備3内の内容比較装置17と通信網(有線・無線)を介して、番組内容一致信号を受信できるように構成されたものである。放送事業者設備3内には、電波監視親機21におけるISDB−T電波の監視状態を表示できる配信情報表示装置(符号を付さず)が備えられている。この配信情報表示装置は電波監視親機21の測定値/アラーム配信情報生成回路91(図4参照)において生成された測定値/アラーム配信情報を表示するものである。この場合、電波監視親機21が放送事業者設備3とは別の場所にあるので、この電波監視親機21を別の事業者(専門の電波管理業者)が単独でISDB−T電波の状態を監視することができる。
【0127】
図16に示す電波監視システム1の変形例は、図15に示した電波監視システムの変形例の基幹送信所5に備えられていたQ信号多重装置27を放送事業者設備3に備えたものである。つまり、図14および図15に示した電波監視システム1の変形例の組み合わせである。
【0128】
図17に示す電波監視システム1の変形例は、図1に示した電波監視システム1の放送事業者設備3内の基幹送信DIRD19が受信するISDB−T電波(内容比較装置17から番組内容一致信号を出力するための基準となる電波)を中継送信所7が送信した(中継した)ISDB−T電波になるように構成したものである。つまり、中継送信所7が送信したISDB−T電波を受信可能になるように、中継送信所7のサービスエリア内に基幹送信DIRD装置19の受信アンテナを設けたものである。この場合、電波監視親機21の番組内容測定値選択・分離・比較回路77における基準信号が中継送信所7Aから送信されたISDB−T電波になる。
【0129】
図18に示す電波監視システム1の変形例は、図17に示した電波監視システムの変形例の基幹送信所5に備えられていたQ信号多重装置27が放送事業者設備3に備えられたものである(図8に示したQ信号多重装置27を参照)。この場合、Q信号は、放送事業者設備3の番組送出装置15から基幹送信所送りTS信号に多重されて、基幹送信所5に送信されることになる。
【0130】
図19に示す電波監視システム1の変形例は、図17に示した電波監視システムの放送事業者設備3内に備えられていた電波監視親機21が別の場所に備えられ、放送事業者設備3内の内容比較装置17と通信網(有線・無線)を介して、番組内容一致信号を受信できるように構成されたものである。放送事業者設備3内には、電波監視親機21におけるISDB−T電波の監視状態を表示できる配信情報表示装置(符号を付さず)が備えられている。
【0131】
図20に示す電波監視システム1の変形例は、図19に示した電波監視システムの変形例の基幹送信所5に備えられていたQ信号多重装置27を放送事業者設備3に備えたものである。つまり、図18および図19に示した電波監視システム1の変形例の組み合わせである。
【0132】
(電波サービスエリア調査システムの変形例)
次に、電波サービスエリア調査システムの変形例について、図21から図27を参照して説明する。
図21に示す電波サービスエリア調査システムの変形例は、図12に示した電波サービスエリア調査システムの基幹送信所5に備えられていたQ信号多重装置27が放送事業者設備3に備えられたものである(図8に示したQ信号多重装置27を参照)。この場合、Q信号は、放送事業者設備3の番組送出装置15から基幹送信所送りTS信号に多重されて、基幹送信所5に送信されることになる。
【0133】
図22に示す電波サービスエリア調査システムの変形例は、図12に示した電波サービスエリア調査システムの放送事業者設備3内に備えられていた電波監視親機21が別の場所に備えられ、放送事業者設備3内の内容比較装置17と通信網(有線・無線)を介して、番組内容一致信号を受信できるように構成されたものである。放送事業者設備3内には、電波監視親機21におけるISDB−T電波の監視状態を表示できる配信情報表示装置(符号を付さず)が備えられている。この配信情報表示装置は電波監視親機21の測定値/アラーム配信情報生成回路91(図4参照)において生成された測定値/アラーム配信情報を表示するものである。この場合、電波監視親機21が放送事業者設備3とは別の場所にあるので、この電波監視親機21を別の事業者(専門の電波管理業者)が単独でISDB−T電波の状態を監視することができる。
【0134】
図23に示す電波サービスエリア調査システムの変形例は、図22に示した電波サービスエリア調査システムの変形例の基幹送信所5に備えられていたQ信号多重装置27を放送事業者設備3に備えたものである。つまり、図21および図22に示した電波サービスエリア調査システムの変形例の組み合わせである。
【0135】
図24に示す電波サービスエリア調査システムの変形例は、図12に示した電波サービスエリア調査システムの放送事業者設備3内の基幹送信DIRD19が受信するISDB−T電波(内容比較装置17から番組内容一致信号を出力するための基準となる電波)を中継送信所7が送信した(中継した)ISDB−T電波になるように構成したものである。つまり、中継送信所7が送信したISDB−T電波を受信可能になるように、中継送信所7のサービスエリア内に基幹送信DIRD装置19の受信アンテナを設けたものである。また、電波サービスエリア調査システムの変形例には、サービスエリア外から中継送信所7Bのサービスエリア内を移動する移動体101cが備えられている。この場合、電波監視親機21の番組内容測定値選択・分離・比較回路77における基準信号が中継送信所7Aから送信されたISDB−T電波になる。
【0136】
図25に示す電波サービスエリア調査システムの変形例は、図24に示した電波サービスエリア調査システムの変形例の基幹送信所5に備えられていたQ信号多重装置27が放送事業者設備3に備えられたものである(図8に示したQ信号多重装置27を参照)。この場合、Q信号は、放送事業者設備3の番組送出装置15から基幹送信所送りTS信号に多重されて、基幹送信所5に送信されることになる。
【0137】
図26に示す電波サービスエリア調査システムの変形例は、図25に示した電波サービスエリア調査システムの放送事業者設備3内に備えられていた電波監視親機21が別の場所に備えられ、放送事業者設備3内の内容比較装置17と通信網(有線・無線)を介して、番組内容一致信号を受信できるように構成されたものである。放送事業者設備3内には、電波監視親機21におけるISDB−T電波の監視状態を表示できる配信情報表示装置(符号を付さず)が備えられている。
【0138】
図27に示す電波サービスエリア調査システムの変形例は、図26に示した電波サービスエリア調査システムの変形例の基幹送信所5に備えられていたQ信号多重装置27を放送事業者設備3に備えたものである。つまり、図25および図26に示した電波サービスエリア調査システムの変形例の組み合わせである。
【0139】
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、電波監視子機(9、11、13)の番組内容測定回路43、電波監視親機21の番組内容測定値選択・分離・比較回路77、アラーム識別回路95の各構成を、一つずつのステップとみなした電波測定方法、或いは、各構成を汎用的なコンピュータ言語で記述した電波測定プログラムとみなすことも可能である。
この場合、これらの回路によって奏される効果と同様の効果を得ることができる。
【0140】
また、電波監視システム1の電波監視子機(9、11、13)および電波監視親機21を合わせた電波監視装置の各構成を、一つずつのステップとみなした電波監視方法、或いは、各構成を汎用的なコンピュータ言語で記述した電波監視プログラムとみなすことも可能である。この場合も電波監視子機(9、11、13)および電波監視親機21を合わせた電波監視装置と同様の効果を得ることができる。
【0141】
さらに、電波サービスエリア調査システムの各構成を一つずつのステップとみなした電波サービスエリア調査方法、或いは、各構成を汎用的なコンピュータ言語で記述した電波サービスエリア調査プログラムとみなすことも可能である。この場合も電波サービスエリア調査システムと同様の効果を得ることができる。
【0142】
【発明の効果】
請求項1、2、3記載の発明によれば、TSPが、PID毎に分類され、TSP数がカウントされる。そして、TSP数に基づいて、電波の状態が測定される。このため、電波の状態がストリームのパケット数によって把確することができる。
【0143】
請求項4、5、8記載の発明によれば、Q信号が補助チャンネルに多重された電波が受信され、Q信号の検出タイミングおよび電波のフレーム同期タイミングに基づいてタイミング信号が生成される。このタイミング信号を基準として、請求項2に記載の電波測定回路が制御され、電波のパケット数(TSP数)と番組内容(コンテンツ内容)とが関連づけられる。この関連づけられたパケット数およびコンテンツの内容に基づいて、電波の状態が監視される。このため、電波を比較することによって、コンテンツ内容の確認を厳密に行うことができ、悪意ある電波ジャック等の早期発見を図ることができる。また、従来のテレメータ信号を生成するシステムに比べ、運用コストを低減することができる。
【0144】
請求項6記載の発明によれば、基幹送信所から送信された電波を復調したTS信号のコンテンツ内容と、中継送信所で中継された電波を復調したTS信号のコンテンツ内容とが番組内容測定値により比較されるので、コンテンツの内容の確認を番組内容測定値に基づいて厳密に行うことができる。
【0145】
請求項7記載の発明によれば、電波の状態を監視する際に、変調誤差率、ビット誤り率、受信信号強度、再生クロック断、サービスインフォメーションのいずれかに基づいて、電波の状態が正常であるかどうかが判定されるので、より正確に電波の状態を監視することができる。
【0146】
請求項9、10、11記載の発明によれば、移動体がサービスエリア内を巡回しつつ、電波監視装置と相互に電波の状態に関する情報を送受信することで、電波の状態が調査される。つまり、従来は人員が行っていた電波監視の機械化、自動化が実現できる。また、サービスエリア内の調査を自動的に行うため、調査が省力化され迅速に行うことができるほか、サービスエリア内の視聴者からの電波受信相談に、調査結果を示しつつ応対することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施の形態である電波監視システム(電波監視装置を包含)を図示した概略図である。
【図2】図1に示した電波監視システムに含まれる電波監視子機のブロック図である。
【図3】図2に示した電波監視子機の中の番組内容測定回路のブロック図である。
【図4】図1に示した電波監視システムに含まれる電波監視親機のブロック図である。
【図5】図4に示した電波監視親機の中の番組内容測定値の選択・分離・比較回路のブロック図である。
【図6】図4に示した電波監視親機の中のその他の測定値の選択・分離回路のブロック図である。
【図7】図1に示した電波監視システムに含まれるQ信号多重装置のブロック図である。
【図8】Q信号多重装置のブロック図である。
【図9】電波監視子機の動作を説明したフローチャートである。
【図10】番組内容測定値回路の動作を説明したフローチャートである。
【図11】電波監視親機の動作を説明したフローチャートである。
【図12】本発明による一実施の形態である電波サービスエリア調査システム(電波サービスエリア調査装置を包含)を図示した概略図である。
【図13】図12に示した電波サービスエリア調査システムの動作を説明したフローチャートである。
【図14】電波監視システムの変形例を示した概略図である。
【図15】電波監視システムの変形例を示した概略図である。
【図16】電波監視システムの変形例を示した概略図である。
【図17】電波監視システムの変形例を示した概略図である。
【図18】電波監視システムの変形例を示した概略図である。
【図19】電波監視システムの変形例を示した概略図である。
【図20】電波監視システムの変形例を示した概略図である。
【図21】電波サービスエリア調査システムの変形例を示した概略図である。
【図22】電波サービスエリア調査システムの変形例を示した概略図である。
【図23】電波サービスエリア調査システムの変形例を示した概略図である。
【図24】電波サービスエリア調査システムの変形例を示した概略図である。
【図25】電波サービスエリア調査システムの変形例を示した概略図である。
【図26】電波サービスエリア調査システムの変形例を示した概略図である。
【図27】電波サービスエリア調査システムの変形例を示した概略図である。
【符号の説明】
1 電波監視システム
3 放送事業者設備
5 基幹送信所
7 中継送信所
9 基幹送信電波監視子機
11、11A、11B 中継送信電波監視子機
13、13A、13B SFNエリア電波監視子機
15 番組送出装置
17 内容比較装置
19 基幹送信DIRD装置
21 電波監視親機
23 OFDM変調器
25 デジタル送信機
27 Q信号多重装置
43 番組内容測定回路
61 TSP−PID識別回路
63 W0/W1フレーム同期再生回路
69 計数開始/停止タイミング制御信号生成回路
71 計数回路/数値保持回路
77 番組内容測定値選択・分離・比較回路
95 アラーム識別回路
101、101a、101b、101c 移動体
Claims (11)
- 圧縮符号化システムにおけるトランスポートストリーム信号を構成するトランスポートストリームパケットを利用して放送局から送信される電波の状態を測定する電波測定方法であって、
前記トランスポートストリームパケットに付されているパケット識別子毎に、前記トランスポートストリームパケットを分類するストリームパケット分類ステップと、
このストリームパケット分類ステップにおいて分類した前記パケット識別子毎のトランスポートストリームパケット数をカウントするストリームパケットカウントステップと、
このストリームパケットカウントステップにおいてカウントされたトランスポートストリームパケット数に基づいて、前記電波の状態を測定する電波測定ステップと、
を含むことを特徴とする電波測定方法。 - 圧縮符号化システムにおけるトランスポートストリーム信号を構成するトランスポートストリームパケットを利用して放送局から送信される電波の状態を測定する電波測定回路であって、
前記トランスポートストリームパケットに付されているパケット識別子毎に、前記トランスポートストリームパケットを分類するストリームパケット分類手段と、
このストリームパケット分類手段で分類した前記パケット識別子毎のトランスポートストリームパケット数をカウントするストリームパケットカウント手段と、
このストリームパケットカウント手段でカウントされたトランスポートストリームパケット数に基づいて、前記電波の状態を測定する電波測定手段と、
を備えることを特徴とする電子測定回路。 - 圧縮符号化システムにおけるトランスポートストリーム信号を構成するトランスポートストリームパケットを利用して放送局から送信される電波の状態を測定する装置を、
前記トランスポートストリームパケットに付されているパケット識別子毎に、前記トランスポートストリームパケットを分類するストリームパケット分類手段、
このストリームパケット分類手段で分類した前記パケット識別子毎のトランスポートストリームパケット数をカウントするストリームパケットカウント手段、このストリームパケットカウント手段でカウントされたトランスポートストリームパケット数に基づいて、前記電波の状態を測定する電波測定手段、
として機能させることを特徴とする電波測定プログラム。 - 広範囲に伝送された電波の状態を監視する電波監視方法であって、
OFDM変調器でQ信号が電波の補助チャンネルに多重され送信側から伝送された電波を受信する電波受信ステップと、
この電波受信ステップにおいて受信した電波の補助チャンネルから前記Q信号を復調検出するQ信号復調検出ステップと、
このQ信号復調検出ステップにおいて検出されたQ信号の検出タイミングおよび受信した電波に基づいて再生した電波のフレーム同期タイミングからタイミング信号を生成するタイミング信号生成ステップと、
このタイミング信号生成ステップにおいて生成されたタイミング信号に同期させて、請求項1記載の電波測定方法を用いることにより、カウントされたパケット数と前記電波が復調された際のコンテンツの内容とを関連付けるパケット数コンテンツ関連付ステップと、
このパケット数コンテンツ関連付ステップにおいて関連づけられたパケット数およびコンテンツの内容に基づいて、前記電波の状態を監視する電波監視ステップと、
を含むことを特徴とする電波監視方法。 - 広範囲に伝送された電波の状態を監視する電波監視装置であって、
OFDM変調器でQ信号が電波の補助チャンネルに多重され送信側から伝送された電波を受信する電波受信手段と、
この電波受信手段で受信した電波の補助チャンネルから前記Q信号を復調検出するQ信号復調検出手段と、
このQ信号復調検出手段で検出されたQ信号の検出タイミングおよび受信した電波に基づいて再生した電波のフレーム同期タイミングからタイミング信号を生成するタイミング信号生成手段と、
請求項2に記載の電波測定回路と、
前記タイミング信号生成手段で生成したタイミング信号に同期させて、前記電波測定回路を制御し、カウントされたパケット数と前記電波が復調された際のコンテンツの内容とを関連付けるパケット数コンテンツ関連付手段と、
このパケット数コンテンツ関連付手段で関連づけられたパケット数およびコンテンツの内容に基づいて、前記電波の状態を監視する電波監視手段と、
を備えることを特徴とする電波監視装置。 - 送信側から送信された電波の状態を監視する電波監視装置であって、
電波を送信する送信側がコンテンツを提供する放送事業者と、当該コンテンツを電波として伝送する基幹送信所と、この基幹送信所から送信された電波を中継する中継送信所とを含んでおり、
請求項2に記載の電波測定回路を利用して、前記放送事業者から送信された基幹送信所送りTS信号のコンテンツ内容と、前記基幹送信所から送信された電波を復調したTS信号のコンテンツ内容とが常に同じであることを比較確認するコンテンツ比較確認手段と、
請求項2に記載の電波測定回路を利用して、前記基幹送信所から送信された電波を復調したTS信号と、前記中継送信所において中継された電波を復調したTS信号とに基づいて、前記コンテンツ内容の測定を行うコンテンツ測定手段と、前記コンテンツ比較確認手段における比較確認結果と、前記コンテンツ測定手段におけるコンテンツ測定結果とに基づいて、前記中継送信所が中継した電波の状態を監視する電波監視手段と、
を備えることを特徴とする電波監視装置。 - 前記電波について、変調誤差率、ビット誤り率、受信信号強度、再生クロック断、サービスインフォメーションの少なくとも1つを測定した測定情報と、測定した際の位置情報とに基づいて、電波の状態を監視することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の電波監視装置。
- 広範囲に伝送された電波の状態を監視する装置を、
OFDM変調器でQ信号が電波の補助チャンネルに多重され送信側から伝送された電波を受信する電波受信手段、
この電波受信手段で受信した電波の補助チャンネルから前記Q信号を復調検出するQ信号復調検出手段、
このQ信号復調検出手段で検出されたQ信号の検出タイミングおよび受信した電波に基づいて再生した電波のフレーム同期タイミングからタイミング信号を生成するタイミング信号生成手段、
前記タイミング信号生成手段で生成したタイミング信号に同期させて、請求項2記載の電波測定回路を制御し、カウントされたパケット数と前記電波が復調された際のコンテンツの内容とを関連付けるパケット数コンテンツ関連付手段、
このパケット数コンテンツ関連付手段で関連づけられたパケット数およびコンテンツの内容に基づいて、前記電波の状態を監視する電波監視手段、
として機能させることを特徴とする電波監視プログラム。 - 電波を受信する移動体を用いて、請求項4に記載の電波監視方法に則って、電波を受信可能なサービスエリアの電波の状態を調査することを特徴とする電波サービスエリア調査方法。
- 電波を受信する移動体と、請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の電波監視装置とを備え、電波を受信可能なサービスエリアの電波の状態を調査することを特徴とする電波サービスエリア調査装置。
- 電波を受信可能なサービスエリアに伝送された電波の状態を監視する装置と、当該サービスエリア内を移動可能な移動体とを、
請求項8に記載の電波監視プログラムと前記移動体を制御する制御手段とを連動させて、前記サービスエリアの電波の状態を調査する移動体連動手段、
として機能させることを特徴とする電波サービスエリア調査プログラム。
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