JP2004356873A - 無線システムの管理装置とそのプログラム - Google Patents
無線システムの管理装置とそのプログラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004356873A JP2004356873A JP2003151053A JP2003151053A JP2004356873A JP 2004356873 A JP2004356873 A JP 2004356873A JP 2003151053 A JP2003151053 A JP 2003151053A JP 2003151053 A JP2003151053 A JP 2003151053A JP 2004356873 A JP2004356873 A JP 2004356873A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reception quality
- information indicating
- wireless
- wireless terminal
- usage status
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】十分な受信品質が得られない不感地域に対する対策をその地域の利用状況も考慮して効果的に行えるようにして、少ない設備投資費用で高いシステム利用率を実現する。
【解決手段】放送受信装置MS1〜MSnに対し通信ネットワークNWを介して接続可能な管理装置SMを設け、この管理装置SMにおいて、上記放送受信装置MS1〜MSnからその位置の検出データと当該位置における受信品質の検出データをポーリングにより順次収集する。そして、この収集された各放送受信装置MS1〜MSnの位置データ及び受信品質データをもとに、地域(地点)別の平均受信品質及び利用者数を算出し、この算出された地域(地点)別の平均受信品質及び利用者数をそれぞれクラス分けして、このクラスに応じた表示パターンを地図データ上に重ねて表示するようにしたものである。
【選択図】 図3
【解決手段】放送受信装置MS1〜MSnに対し通信ネットワークNWを介して接続可能な管理装置SMを設け、この管理装置SMにおいて、上記放送受信装置MS1〜MSnからその位置の検出データと当該位置における受信品質の検出データをポーリングにより順次収集する。そして、この収集された各放送受信装置MS1〜MSnの位置データ及び受信品質データをもとに、地域(地点)別の平均受信品質及び利用者数を算出し、この算出された地域(地点)別の平均受信品質及び利用者数をそれぞれクラス分けして、このクラスに応じた表示パターンを地図データ上に重ねて表示するようにしたものである。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば基地局と移動通信端末との間で無線通信を行う移動通信システムや、放送局から主として移動体受信端末に向け放送を行うモバイル放送システムにおいて、端末によるシステムの利用状況を管理する管理装置とそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、携帯電話システムやPHS(Personal Handyphone System)等の移動通信システムでは、サービスエリアを効果的にカバーするべく地理的な条件を考慮した上で基地局の配置を行っている。しかし、サービスエリア内には、山やビル等の障害物の影響により基地局からの無線信号を十分な品質で受信することができない受信不可地域が出現することがある。このような場合、例えば通信事業者の調査員が現地に出向いてフィールド試験を行い、その測定結果をもとに既設の基地局の配置又は送信出力の調整を行うか、或いは基地局を増設するようにしている。
【0003】
また、最近静止衛星等を使用して、主として移動体向けに音楽や映像を放送するモバイル放送システムの実用化が進められている。この種のシステムは、放送局の送信信号を衛星を中継してサービスエリアへ放送するため、広範囲のサービスエリアを効果的にカバーすることができる。しかし、この種のシステムにおいても、ビル陰等においては十分な受信品質が得られない地域が発生することは避けられない。このため、事業者がフィールド試験等を実施して不感地域を把握し、その測定結果をもとに適切な場所に中継器を設置すると云ったギャップフィラー対策が必要不可欠である。
【0004】
以上のように移動通信システムにおいても、またモバイル放送システムにおいても、不感地域に対する対策が必要不可欠であり、そのために従来では事業者によるフィールド試験を実施する必要がある。このため、対策に多くの手間と時間を要し、通信事業者の負担が大きい。
【0005】
一方無線LAN(Local Area Network)においては、無線通信の障害要因を特定するために次のような対策が提案されている。すなわち、無線LAN端末の位置情報と当該位置に係わる無線通信品質に係わる情報を、アクセスポイントを介して管理サーバで収集する。そして管理サーバにおいて、上記収集した情報をもとに、ネットワーク構成図と平面図とを重ね合わせた上に上記無線LAN端末の潜在的な設置場所に係わる通信品質を可視的に表示するものである(例えば、特許文献1を参照。)。
【0006】
この技術を用いると、システムの管理者或いはユーザは、フィールド試験等を行うことなく簡単かつ短時間に、サービスエリア内の通信に適さない場所や障害要因を特定することが可能となる。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−223218。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の技術は無線LANというサービスエリアが比較的小範囲に限定されかつ少数の端末が利用するシステムにおいて、サービスエリア内の場所ごとの通信品質を検出するものに過ぎない。これに対し、先に述べた移動通信システムやモバイル放送システムはサービスエリアがきわめて広範囲でしかも多数の端末が利用する。このため、通信品質が劣化した地域を特定できたとしても、このような不感地域のすべてに基地局や中継器を設置することは設備投資費用やシステムの利用効率の点から実質的に困難であり、前記従来の技術のみでは効果的な対策を実施できない。
【0009】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、十分な受信品質が得られない不感地域に対する対策をその地域の利用状況も考慮して効果的に行えるようにして、少ない設備投資費用で高いシステム利用率を実現し、特にサービスエリアが大きく多数の端末が利用するシステムにとって好適な無線システムの管理装置とそのプログラムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためにこの発明は、無線システムに、複数の無線端末装置によるシステムの利用状況を管理する管理装置を設け、この管理装置において、上記複数の無線端末装置の各々について、そのサービスエリア内における位置を表す情報、及び当該位置における無線信号の受信品質を表す情報をそれぞれ収集する。そして、この収集された複数の無線端末装置の位置を表す情報及び受信品質を表す情報に基づいて、上記サービスエリアの地域別の受信品質及び利用状況を算出し、この算出された地域別の受信品質及び利用状況を表す情報を出力するようにしたものである。
【0011】
したがってこの発明によれば、サービスエリア内で使用されている複数の無線端末装置の位置と受信品質を表す情報が管理装置で収集される。このため、フィールド試験を行うことなくサービスエリア内の不感地域を特定することが可能となり、その結果簡単かつ迅速に不感地域を解消するための対応策を講じることが可能となる。
【0012】
しかもこの発明によれば、収集された情報をもとにサービスエリアの地域別の受信品質と利用状況が算出される。このため、例えば十分な受信品質が得られない不感地域が複数箇所確認された場合に、このうち利用効率の高い地域について優先的に不感状態を解消するための対策を講じることが可能となる。したがって、限られた設備投資費用を有効に利用しつつシステムの利用効率を高めることが可能となる。この効果は、携帯電話システム等の移動通信システムや、衛星を使用するモバイル放送システム等のように、広範囲のサービスエリアをカバーし、多数の端末を収容するシステムにあって、特に有効である。
【0013】
またこの発明は、複数の無線端末装置の各々が自装置の位置と当該位置における無線信号の受信品質を検出する検出手段を備えている場合に、これを利用して各無線端末装置の各々から上記検出された位置を表す情報及び受信品質を表す情報を収集することを特徴とする。
【0014】
例えば、最近移動通信システムにおいては、基地局が持つ位置情報サービス機能やGPS(Global Positioning System)を利用した位置検出機能を備えた移動通信端末が増えており、この位置検出機能を利用して各移動通信端末自身から位置情報を収集する。このようにすると、システム内に各無線端末装置の位置を検出するための機能や装置を新たに設けることなく、簡単に収集することが可能となる。
【0015】
さらにこの発明は、複数の無線端末装置それぞれの位置及び受信品質を表す情報を定期的に収集し、この定期的に収集された各無線端末装置の位置及び受信品質を表す情報に基づいてサービスエリアの地域別の受信品質及び利用状況を時間帯別に算出することも特徴とする。
【0016】
このように構成すると、システム管理者はサービスエリアの地域別の受信品質及び利用状況を時間帯ごとに把握することが可能となり、その結果をもとに例えば一日を通して利用率が高い地域に対し優先的に不感状態を解消するための対応処置を講じることが可能となる。
【0017】
さらにこの発明は、算出された地域別の受信品質及び利用状況をサービスエリアを表す地図データ上にマッピング処理し、このマッピング処理により作成された表示データを出力することも特徴とする。具体的には、算出された地域別の受信品質及び利用状況をそれぞれしきい値をもとに複数の品質クラス及び利用状況のクラスに分類する。そして、この分類された複数の品質クラス及び利用状況のクラスをクラスごとに異なる表示パターンを使用して地図データ上にマッピングする。
【0018】
このように構成することで、システム管理者はサービスエリア内の地域別の受信品質と利用状況を地図上において一目で簡単かつ正確に認識することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明に係わる無線システムの一実施形態であるモバイル放送システムの概略構成図である。
このモバイル放送システムは、地上の送信局BSと、静止衛星STとを備えている。送信局BSは、例えば複数の放送事業者により作成・編集された複数チャネル分の放送番組情報を、CDM(Code Division Multiplex)方式で多重したのち、Kuバンド(14GHz帯)の上り伝送路を介して静止衛星STへ向け送信する。
【0020】
静止衛星STは、Kuバンド用受信アンテナと、Sバンド(例えば2.5GHz帯)用送信アンテナとを備え、上記送信局BSからKuバンド(14GHz帯)の上り伝送路を介して送られたCDM放送信号を、上記Kuバンド用受信アンテナで受信する。そして、上記受信されたCDM放送信号を、中継器でSバンド(2.5GHz帯)の放送信号に周波数変換し、このSバンドのCDM放送信号を上記Sバンド用送信アンテナからSバンド(2.5GHz帯)の下り伝送路を介してサービスエリアSEに向け送信する。
【0021】
一方、サービスエリアSEでは、例えばオフィスや家庭に固定的に設置された放送受信装置(図示せず)や、車載或いは携帯型の移動可能な放送受信装置MS1〜MSnが使用される。これらの放送受信装置MS1〜MSnは、上記静止衛星STからSバンド(2.5GHz帯)の下り伝送路を介して放送されているCDM放送信号を受信し再生する。なお、映像信号を伝送する場合には映像符号化方式としてMPEG4(moving picture experts group 4)が用いられる。
【0022】
また上記放送受信装置MS1〜MSnは、自動車・携帯電話用の通信機を搭載しており、この通信機により通信ネットワークNWを介してモバイル放送システムの管理装置SMに接続可能となっている。通信ネットワークNWは、例えばインターネット等のコンピュータ・ネットワークと、このコンピュータ・ネットワークと上記放送受信装置MS1〜MSnの自動車・携帯電話用の通信機との間を接続するための交換通信網とから構成される。交換通信網には、携帯電話システムやPHS(Personal Handyphone System)等の移動通信網に加え、PSTN(Public Switch Telephone Network)やISDN(Integrated Service Digital Network)等の有線公衆電話網、有線又は無線LAN(Local Area Network)、CATV(Cable Television)網、構内通信網等が含まれる。なお、PC1〜PCmは、上記通信ネットワークNWに接続されるパーソナル・コンピュータ等の通信端末装置である。
【0023】
ところで、上記放送受信装置MS1〜MSnはそれぞれ次のように構成される。図2はその構成を示す回路ブロック図である。
すなわち、前記静止衛星STから送信されたCDM放送信号は、衛星放送受信用のアンテナ11で受信されたのち衛星放送受信機12に入力される。この衛星放送受信機12では、上記受信されたCDM放送信号が先ず低雑音増幅器で増幅され、さらに周波数変換器で中間周波数又はベースバンド周波数にダウンコンバートされたのち、放送信号受信処理部13に入力される。
【0024】
放送信号受信処理部13は、上記ダウンコンバートされた受信放送信号をスペクトラム逆拡散したのち、例えばPSK又はQAM方式により復調する。そして、その復調信号をチャネルごとにデスクランブル処理し、さらに復号することにより複数チャネルの放送番組データを再生する。この各チャネルの放送番組データは再生出力部14に入力され、ここで音声又は映像として再生出力される。
【0025】
上記衛星放送受信機12から出力された受信放送信号は、受信品質検出部15にも入力される。受信品質検出部15は、上記入力された放送信号受信信号の受信電界強度等をもとに受信品質を検出する。この受信品質の検出データは検出データ保存部16に記憶される。
【0026】
また放送受信装置MS1〜MSnは、図示しない複数のGPS衛星が送信するGPS信号を受信するためのアンテナ21と、GPS受信機22とを備えている。GPS受信機22は、アンテナ21により受信された複数のGPS信号をそれぞれ復調して位置検出部23に入力する。位置検出部23は、上記GPS受信機22により受信された複数のGPS信号をもとに測位演算を行い、これにより自装置の現在位置を検出する。この位置の検出データは、上記受信品質の検出データに対応付けた状態で検出データ保存部16に記憶される。
【0027】
制御部20は、例えばマイクロコンピュータを使用したもので、その制御機能として、上記CDM放送信号の受信再生制御機能、受信品質検出制御機能、GPS受信制御機能、及び位置検出制御機能に加え、検出データ送信制御機能を備えている。
【0028】
この検出データ送信制御機能は、後述する管理装置SMから検出データの収集要求が到来した時点で、上記受信品質検出部15及び位置検出部23により検出された受信品質及び位置の検出データを管理装置SMに返送するべく、自装置の固有識別データと共に選択部17を介して移動通信機18に供給する。移動通信機18は、上記供給された各検出データ及び固有識別データを所定のフォーマットに編集したのち、無線信号に変換してアンテナ19から通信ネットワークNWへ送信する。
【0029】
上記選択部17は、制御部20の指示に従い、上記各検出部15,23から出力された最新の検出データと、上記検出データ保存部16に保存された検出データとを、択一的に選択して移動通信機18に供給する。この検出データの選択送信機能により、上記各検出部15,23において最新の検出データが得られない場合や、無線伝送路の劣化等により移動通信機18が検出データを送信できなかった場合にも、検出データを送信することが可能となる。
【0030】
一方、管理装置SMは次のように構成される。図3はその構成を示す回路ブロック図である。
この管理装置SMは、マイクロプロセッサからなる中央演算処理ユニット(CPU)31を備える。このCPU31には、バス32を介してプログラムメモリ33と、データメモリ34と、通信インタフェース35と、入出力インタフェース36とがそれぞれ接続されている。
【0031】
通信インタフェース35は通信ネットワークNWに接続される。そして、CPU31の制御の下、前記放送受信装置MS1〜MSn及び通信端末装置PC1〜PCmとの間で、通信ネットワークNWにより規定される通信プロトコルに従いデータ通信を行う。入出力インタフェース36は、キーボード等の入力部37により入力された管理者の操作情報をCPU31に転送すると共に、CPU31の制御の下データメモリ34等から転送された表示データを、例えば液晶表示器からなる表示部38に表示する。
【0032】
データメモリ34には、この発明に係わる記憶エリアとして、地図データ記憶エリア34aと、収集データ記憶エリア34bと、算出データ記憶エリア34cとが新たに設けられている。
【0033】
地図データ記憶エリア34aには、サービスエリアSEを複数の小エリアに分割してこれらの小エリアを表す複数の地図データが格納されている。収集データ記憶エリア34bは、前記放送受信装置MS1〜MSnから収集した、当該放送受信装置MS1〜MSnの位置検出データ及び当該位置における受信品質検出データを保存するために使用される。算出データ記憶エリア34cは、上記収集された位置検出データ及び受信品質検出データをもとに算出された地域別の受信品質及び利用者数を表す情報と、当該情報を地図データ上にマッピング処理した表示データを格納するために使用される。
【0034】
プログラムメモリ33には、この発明に係わるアプリケーションプログラムとして、収集制御プログラム33aと、利用状況算出プログラム33bと、マッピング処理プログラム33cと、出力制御プログラム33dとが新たに格納されている。
【0035】
収集制御プログラム33aは、放送受信装置MS1〜MSnに対し定期的に収集要求を送信し、この収集要求に応答して放送受信装置MS1〜MSnから返送される位置検出データ及び受信品質検出データを受信して上記収集データ記憶エリア34bに記憶する処理を、上記CPU31に実行させる。
【0036】
利用状況算出プログラム33bは、上記収集された放送受信装置MS1〜MSnの位置検出データ及び受信品質検出データをもとに、地域別の平均受信品質及び利用者数を算出する。そして、この算出された地域別の平均受信品質及び利用者数を上記算出データ記憶エリア34cに記憶する処理を、上記CPU31に実行させる。
【0037】
マッピング処理プログラム33cは、上記利用状況算出プログラム33bにより算出された地域別の平均受信品質及び利用者数をそれぞれ複数のしきい値をもとにクラス判定し、この判定された受信品質クラス及び利用者数のクラスに応じた表示パターンを生成する。そして、上記地図データ記憶エリア34aに記憶されている地図データ上の対応する位置に、上記生成された表示パターンをマッピングする処理を、CPU31に実行させる。
【0038】
出力制御プログラム33dは、上記マッピング処理プログラム33cにより表示パターンがマッピングされた地図データを、管理者が指定した表示先の装置に表示させる処理を、CPU31に実行させる。表示先としては、管理装置SMの表示部38、或いは他の通信端末装置PC1〜PCmがある。
【0039】
次に、以上のように構成された管理装置SMの動作を説明する。図4はその制御手順及び制御内容を示すフローチャートである。
【0040】
定常状態において管理装置SMは、ステップ4aにおいて収集タイミングになったか否かを判定している。収集タイミングは例えば3分周期で設定される。収集タイミングになると管理装置SMは、ステップ4bにより、収集対象となる放送受信装置MS1〜MSnを順次選択し、この選択した放送受信装置MS1〜MSnに対し収集要求を送信する。この収集要求は、通信インタフェース35から通信ネットワークNWを介して宛先となる放送受信装置MS1〜MSnにそれぞれ送られる。
【0041】
上記収集要求が到来すると放送受信装置MS1〜MSnはそれぞれ、現時点での自装置の位置及び当該位置における受信品質をそれぞれ位置検出部23及び受信品質検出部15により検出する。そして、位置データ及び受信品質データを検出できると、この検出された位置データ及び受信品質データに、自装置の固有識別データを加えた所定フォーマットの通知情報を生成し、この通知情報を移動通信機18から管理装置SMに向け送信する。
【0042】
なお、上記検出された位置データ及び受信品質データは、上記通知情報が無線伝送路環境の劣化等により管理装置SMに届かなかった場合や、次回の収集タイミングにおいて降雨減衰等の影響により正確な位置データ又は受信品質データを検出できない場合に備え、検出データ保存部16に保存される。
【0043】
上記通知情報が管理装置SMに届かなかった場合、放送受信装置MS1〜MSnは例えば再送手順を実行する。この再送手順では、上記検出データ保存部16から保存されている位置データ及び受信品質データを読み出して選択部17により選択する。そして、この選択された各データに自装置の固有識別データを加えて通知情報を生成し、この生成された通知情報を移動通信機18から管理装置SMに向け再送する。
【0044】
また、例えば放送受信装置MS1〜MSnがトンネル内や屋内のように無線信号を受信し難い場所に存在したり、降雨減衰の影響により無線信号を受信し難い環境下におかれている場合には、上記位置データ及び受信品質データを正確に検出することができない。この場合放送受信装置MS1〜MSnは、前収集タイミングにおいて検出された位置データ及び受信品質データを検出データ保存部16から読み出す。そして、この読み出された位置データ及び受信品質データを選択部17により選択して、これらのデータに自装置の固有識別データを加えて通知情報を生成し、この生成された通知情報を移動通信機18から管理装置SMに向け送信する。
【0045】
管理装置SMは、上記収集要求の送信を終了すると送信先の放送受信装置MS1〜MSnからの通知情報の返送を待つ。そして、通知情報が返送されると、ステップ4cにおいて、この通知情報を通信インタフェース35により受信したのちデータメモリ34内の収集データ記憶エリア34bに記憶する。
【0046】
そして、すべての放送受信装置MS1〜MSnからの通知情報の受信を終了すると、管理装置SMはステップ4dに移行し、ここで上記記憶された各放送受信装置MS1〜MSnの位置データ及び受信品質データをもとに、地域(地点)別の平均受信品質及び利用者数をそれぞれ算出する。そして、この算出された地域(地点)別の平均受信品質及び利用者数をデータメモリ34内の算出データ記憶エリア34cに記憶する。
【0047】
次に管理装置SMは、ステップ4eにおいて利用状況を表す表示データの出力タイミングになったか否かを監視する。出力タイミングは、例えば管理者が必要に応じて任意に指定入力したものでも、また管理者が予め設定した定期的なタイミングでもよい。上記出力タイミングになると、管理装置SMはステップ4fに移行し、ここで上記算出データ記憶エリア34bから所定の時間帯における地域(地点)別の平均受信品質及び利用者数を選択的に読み出し、その平均を算出する。上記選択対象の時間帯は管理者が事前に指定する。この結果、注目する時間帯における地域別の平均受信品質及び利用者数が求められる。なお、管理者が事前に上記時間帯と共に地域(地点)を指定しておけば、注目する地域(地点)の平均受信品質及び利用者数を求めることも可能である。
【0048】
次に管理装置SMは、ステップ4gにおいて、上記ステップ4fにより求められた注目する時間帯の地域(地点)別の平均受信品質及び利用者数をそれぞれ予め設定したしきい値と比較することにより、クラス分けする。例えば、平均受信品質については、1個のしきい値をもとに「良好」と「劣化」にクラス分けする。また利用者数については、2個のしきい値をもとに「多い」、「少ない」及び「ほとんどいない」の3クラスに分類する。
【0049】
続いて管理装置SMは、ステップ4hにおいて、データメモリ34の地図データ記憶エリア34aから、注目する地域(地点)を含む地図データを読み出す。そして、この読み出された地図データ上に、上記平均受信品質及び利用者数のクラス分けの判定結果を表す表示パターンを重ねて表示する。例えば、平均受信品質については「良好」を黒丸で、「劣化」を黒四角でそれぞれ表す。また、利用者数は「多い」と「少ない」とで上記黒丸又は黒四角の大きさを異ならせることにより表し、「ほとんどいない」については上記黒丸又は黒四角を表示しないことで表現する。
【0050】
図6は、以上の表示パターンを用いて各地域(地点)別の平均受信品質及び利用者数を地図データ上にマッピングした場合の表示データの一例を示すものである。なお、図5はマッピング前の地図データを示す。
【0051】
そうして表示データを作成すると、管理装置SMは次にステップ4iで管理者が指定した表示先を判定する。そして、この判定の結果、表示先が管理装置SMの表示部38であればステップ4jに移行し、ここで上記作成された表示データを算出データ記憶エリア34cから入出力インタフェース36に転送し、表示部38に表示させる。
【0052】
この結果、管理者は管理装置SMの表示部38において表示データを見ることができ、この表示データから注目する地域における受信品質と利用状況を認識することができる。例えば、図6に示す表示データであれば、地域Y,Zの受信品質が劣化しており、このうち地域Yでは利用者数が多く、一方地域Zでは利用者数が少ないことを把握できる。したがって、この場合には地域Yに対する対策を第1優先順位とし、地域Zに対する対策を第2優先順位とするように、対応策を立案することが可能となる。
【0053】
一方、表示先が他の通信端末装置PC1〜PCmであれば、管理装置SMはステップ4kに移行し、ここで上記作成された表示データを算出データ記憶エリア34cから通信インタフェース35に転送し、この通信インタフェース35により宛先となる他の通信端末装置PC1〜PCmへ送信し表示させる。
【0054】
したがって、例えば上記表示データを通信事業者の設備保守部署或いは工事会社に設置された通信端末装置に送信し表示させた場合には、保守担当者又は工事担当者は自身の通信端末装置において表示データを見ることができる。そして、この表示データをもとに、先に述べた管理者と同様に受信品質と利用状況の把握、及び対応策の立案を行うことが可能となる。
【0055】
以上述べたように本実施形態では、放送受信装置MS1〜MSnに対し通信ネットワークNWを介して接続可能な管理装置SMを設け、この管理装置SMにおいて、上記放送受信装置MS1〜MSnからその位置の検出データと当該位置における受信品質の検出データをポーリングにより順次収集する。そして、この収集された各放送受信装置MS1〜MSnの位置データ及び受信品質データをもとに、地域(地点)別の平均受信品質及び利用者数を算出し、この算出された地域(地点)別の平均受信品質及び利用者数をそれぞれクラス分けして、このクラスに応じた表示パターンを地図データ上に重ねて表示するようにしている。
【0056】
したがってこの実施形態によれば、サービスエリアSE内の各放送受信装置MS1〜MSnの位置と受信品質が通信ネットワークNWを介して管理装置SMで収集される。このため、フィールド試験を行うことなく、サービスエリアSE内の十分な受信品質が得られない地域を特定することが可能となり、この結果簡単かつ迅速に不感地域を解消するための対応策を講じることが可能となる。
【0057】
しかも、地域(地点)別の平均受信品質に加え利用者数を求めてこれを地図データ上に表示するようにしているので、例えば十分な受信品質が得られない地域が複数箇所確認された場合に、このうち利用者数の多い地域について優先的に不感状態を解消するための対策を講じることが可能となる。したがって、限られた設備投資費用を有効に利用しつつシステムの利用効率を高めることが可能となる。この効果は、携帯電話システム等の移動通信システムや、衛星を使用するモバイル放送システム等のように、広範囲のサービスエリアをカバーし、多数の端末を収容するシステムにあって、特に有効である。
【0058】
また、上記地域(地点)別の平均受信品質及び利用者数を地図データに表示する際に、受信品質の良否を黒丸と黒四角という異なる表示マークで表し、かつ利用者数を上記各表示マークの大きさを可変することにより表した表示パターンを生成するようにしたので、受信品質と利用者数を個別に表示する場合に比べ視認性の優れた表示データを作成することができる。
【0059】
さらに、指定した時間帯における地域(地点)別の平均受信品質及び利用者数の平均を求めて表示するようにしたので、注目する時間帯における平均的な受信品質と利用状況を把握することができる。
【0060】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では放送受信装置MS1〜MSnに受信品質検出部15と位置検出部23とを設け、これらの検出部15,23により得られた検出データを管理装置SMで収集するようにした。しかし、受信品質検出部及び位置検出部を持たない無線端末装置については、例えば移動通信網の基地局が備える検出機能を利用して無線端末装置の受信品質及び位置を検出し、この基地局で得られた検出データを管理装置SMで収集するようにしてもよい。
【0061】
また、無線端末装置の位置及び受信品質の収集方式としては、ポーリング以外に、無線端末装置が任意のタイミングで自律的に検出データを送信して管理装置SMが受信する方式を採用することも可能である。さらに、収集対象のデータには、電源の投入状態や移動中か否かを表す情報、端末装置の種類等を表すデータを含めるようにしてもよい。
【0062】
さらに、前記実施形態では、指定した時間帯における地域(地点)別の平均受信品質と利用者数を算出して地図データ上に表示する場合を例にとって説明した。しかしそれに限らず、放送チャネルごとの時間別又は地域別の利用者数(視聴率)等を算出して表示するようにしてもよい。また、携帯電話システムやPHS等の移動通信システムであれば、地域別及び時間帯別のトラフィック量を算出して表示するようにしてもよい。
【0063】
その他、無線端末装置及び管理装置の種類や構成、無線端末装置の位置及び受信品質の検出データを管理装置で収集するために使用する通信ネットワークの種類と収集手順、表示すべき情報の内容などについても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明では、無線システムの管理装置において、複数の無線端末装置の各々について、そのサービスエリア内における位置を表す情報及び当該位置における無線信号の受信品質を表す情報をそれぞれ収集し、この収集された複数の無線端末装置の位置を表す情報及び受信品質を表す情報に基づいて上記サービスエリアの地域別の受信品質及び利用状況を算出し出力するようにしている。
【0065】
したがってこの発明によれば、十分な受信品質が得られない不感地域に対する対策をその地域の利用状況も考慮して効果的に行って、少ない設備投資費用で高いシステム利用率を実現することができ、特にサービスエリアが大きく多数の端末が利用するシステムにとって好適な無線システムの管理装置とそのプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる無線システムの一実施形態であるモバイル放送システムの概略構成図。
【図2】図1に示すシステムで使用される放送受信装置の構成を示す回路ブロック図。
【図3】図1に示すシステムに設けられる管理装置の構成を示す回路ブロック図。
【図4】図3に示す管理装置によるシステム利用状況管理制御の手順と内容を示すフローチャート。
【図5】地図データの一例を示す図。
【図6】図5に示す地図データに受信品質及び利用状況を表すデータをマッピングした例を示す図。
【符号の説明】
BS…放送局、ST…静止衛星、SE…サービスエリア、MS1〜MSn…放送受信装置、NW…通信ネットワーク、SM…管理装置、PC1〜PCm…端末装置、11…衛星放送受信用のアンテナ、12…衛星放送受信機、13…放送信号受信処理部、14…再生出力部、15…受信品質検出部、16…検出データ保存部、17…選択部、18…移動通信機、19…移動通信用のアンテナ、20…制御部、21…GPS受信用のアンテナ、22…GPS受信機、23…位置検出部、31…管理装置のCPU、32…バス、33…プログラムメモリ、33a…収集制御プログラム、33b…利用状況算出プログラム、33c…マッピング処理プログラム、33d…出力制御プログラム、34…データプログラム、34a…地図データ記憶エリア、34b…収集データ記憶エリア、34c…算出データ記憶エリア、35…通信インタフェース、36…入出力インタフェース、37…入力部、38…表示部。
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば基地局と移動通信端末との間で無線通信を行う移動通信システムや、放送局から主として移動体受信端末に向け放送を行うモバイル放送システムにおいて、端末によるシステムの利用状況を管理する管理装置とそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、携帯電話システムやPHS(Personal Handyphone System)等の移動通信システムでは、サービスエリアを効果的にカバーするべく地理的な条件を考慮した上で基地局の配置を行っている。しかし、サービスエリア内には、山やビル等の障害物の影響により基地局からの無線信号を十分な品質で受信することができない受信不可地域が出現することがある。このような場合、例えば通信事業者の調査員が現地に出向いてフィールド試験を行い、その測定結果をもとに既設の基地局の配置又は送信出力の調整を行うか、或いは基地局を増設するようにしている。
【0003】
また、最近静止衛星等を使用して、主として移動体向けに音楽や映像を放送するモバイル放送システムの実用化が進められている。この種のシステムは、放送局の送信信号を衛星を中継してサービスエリアへ放送するため、広範囲のサービスエリアを効果的にカバーすることができる。しかし、この種のシステムにおいても、ビル陰等においては十分な受信品質が得られない地域が発生することは避けられない。このため、事業者がフィールド試験等を実施して不感地域を把握し、その測定結果をもとに適切な場所に中継器を設置すると云ったギャップフィラー対策が必要不可欠である。
【0004】
以上のように移動通信システムにおいても、またモバイル放送システムにおいても、不感地域に対する対策が必要不可欠であり、そのために従来では事業者によるフィールド試験を実施する必要がある。このため、対策に多くの手間と時間を要し、通信事業者の負担が大きい。
【0005】
一方無線LAN(Local Area Network)においては、無線通信の障害要因を特定するために次のような対策が提案されている。すなわち、無線LAN端末の位置情報と当該位置に係わる無線通信品質に係わる情報を、アクセスポイントを介して管理サーバで収集する。そして管理サーバにおいて、上記収集した情報をもとに、ネットワーク構成図と平面図とを重ね合わせた上に上記無線LAN端末の潜在的な設置場所に係わる通信品質を可視的に表示するものである(例えば、特許文献1を参照。)。
【0006】
この技術を用いると、システムの管理者或いはユーザは、フィールド試験等を行うことなく簡単かつ短時間に、サービスエリア内の通信に適さない場所や障害要因を特定することが可能となる。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−223218。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の技術は無線LANというサービスエリアが比較的小範囲に限定されかつ少数の端末が利用するシステムにおいて、サービスエリア内の場所ごとの通信品質を検出するものに過ぎない。これに対し、先に述べた移動通信システムやモバイル放送システムはサービスエリアがきわめて広範囲でしかも多数の端末が利用する。このため、通信品質が劣化した地域を特定できたとしても、このような不感地域のすべてに基地局や中継器を設置することは設備投資費用やシステムの利用効率の点から実質的に困難であり、前記従来の技術のみでは効果的な対策を実施できない。
【0009】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、十分な受信品質が得られない不感地域に対する対策をその地域の利用状況も考慮して効果的に行えるようにして、少ない設備投資費用で高いシステム利用率を実現し、特にサービスエリアが大きく多数の端末が利用するシステムにとって好適な無線システムの管理装置とそのプログラムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためにこの発明は、無線システムに、複数の無線端末装置によるシステムの利用状況を管理する管理装置を設け、この管理装置において、上記複数の無線端末装置の各々について、そのサービスエリア内における位置を表す情報、及び当該位置における無線信号の受信品質を表す情報をそれぞれ収集する。そして、この収集された複数の無線端末装置の位置を表す情報及び受信品質を表す情報に基づいて、上記サービスエリアの地域別の受信品質及び利用状況を算出し、この算出された地域別の受信品質及び利用状況を表す情報を出力するようにしたものである。
【0011】
したがってこの発明によれば、サービスエリア内で使用されている複数の無線端末装置の位置と受信品質を表す情報が管理装置で収集される。このため、フィールド試験を行うことなくサービスエリア内の不感地域を特定することが可能となり、その結果簡単かつ迅速に不感地域を解消するための対応策を講じることが可能となる。
【0012】
しかもこの発明によれば、収集された情報をもとにサービスエリアの地域別の受信品質と利用状況が算出される。このため、例えば十分な受信品質が得られない不感地域が複数箇所確認された場合に、このうち利用効率の高い地域について優先的に不感状態を解消するための対策を講じることが可能となる。したがって、限られた設備投資費用を有効に利用しつつシステムの利用効率を高めることが可能となる。この効果は、携帯電話システム等の移動通信システムや、衛星を使用するモバイル放送システム等のように、広範囲のサービスエリアをカバーし、多数の端末を収容するシステムにあって、特に有効である。
【0013】
またこの発明は、複数の無線端末装置の各々が自装置の位置と当該位置における無線信号の受信品質を検出する検出手段を備えている場合に、これを利用して各無線端末装置の各々から上記検出された位置を表す情報及び受信品質を表す情報を収集することを特徴とする。
【0014】
例えば、最近移動通信システムにおいては、基地局が持つ位置情報サービス機能やGPS(Global Positioning System)を利用した位置検出機能を備えた移動通信端末が増えており、この位置検出機能を利用して各移動通信端末自身から位置情報を収集する。このようにすると、システム内に各無線端末装置の位置を検出するための機能や装置を新たに設けることなく、簡単に収集することが可能となる。
【0015】
さらにこの発明は、複数の無線端末装置それぞれの位置及び受信品質を表す情報を定期的に収集し、この定期的に収集された各無線端末装置の位置及び受信品質を表す情報に基づいてサービスエリアの地域別の受信品質及び利用状況を時間帯別に算出することも特徴とする。
【0016】
このように構成すると、システム管理者はサービスエリアの地域別の受信品質及び利用状況を時間帯ごとに把握することが可能となり、その結果をもとに例えば一日を通して利用率が高い地域に対し優先的に不感状態を解消するための対応処置を講じることが可能となる。
【0017】
さらにこの発明は、算出された地域別の受信品質及び利用状況をサービスエリアを表す地図データ上にマッピング処理し、このマッピング処理により作成された表示データを出力することも特徴とする。具体的には、算出された地域別の受信品質及び利用状況をそれぞれしきい値をもとに複数の品質クラス及び利用状況のクラスに分類する。そして、この分類された複数の品質クラス及び利用状況のクラスをクラスごとに異なる表示パターンを使用して地図データ上にマッピングする。
【0018】
このように構成することで、システム管理者はサービスエリア内の地域別の受信品質と利用状況を地図上において一目で簡単かつ正確に認識することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明に係わる無線システムの一実施形態であるモバイル放送システムの概略構成図である。
このモバイル放送システムは、地上の送信局BSと、静止衛星STとを備えている。送信局BSは、例えば複数の放送事業者により作成・編集された複数チャネル分の放送番組情報を、CDM(Code Division Multiplex)方式で多重したのち、Kuバンド(14GHz帯)の上り伝送路を介して静止衛星STへ向け送信する。
【0020】
静止衛星STは、Kuバンド用受信アンテナと、Sバンド(例えば2.5GHz帯)用送信アンテナとを備え、上記送信局BSからKuバンド(14GHz帯)の上り伝送路を介して送られたCDM放送信号を、上記Kuバンド用受信アンテナで受信する。そして、上記受信されたCDM放送信号を、中継器でSバンド(2.5GHz帯)の放送信号に周波数変換し、このSバンドのCDM放送信号を上記Sバンド用送信アンテナからSバンド(2.5GHz帯)の下り伝送路を介してサービスエリアSEに向け送信する。
【0021】
一方、サービスエリアSEでは、例えばオフィスや家庭に固定的に設置された放送受信装置(図示せず)や、車載或いは携帯型の移動可能な放送受信装置MS1〜MSnが使用される。これらの放送受信装置MS1〜MSnは、上記静止衛星STからSバンド(2.5GHz帯)の下り伝送路を介して放送されているCDM放送信号を受信し再生する。なお、映像信号を伝送する場合には映像符号化方式としてMPEG4(moving picture experts group 4)が用いられる。
【0022】
また上記放送受信装置MS1〜MSnは、自動車・携帯電話用の通信機を搭載しており、この通信機により通信ネットワークNWを介してモバイル放送システムの管理装置SMに接続可能となっている。通信ネットワークNWは、例えばインターネット等のコンピュータ・ネットワークと、このコンピュータ・ネットワークと上記放送受信装置MS1〜MSnの自動車・携帯電話用の通信機との間を接続するための交換通信網とから構成される。交換通信網には、携帯電話システムやPHS(Personal Handyphone System)等の移動通信網に加え、PSTN(Public Switch Telephone Network)やISDN(Integrated Service Digital Network)等の有線公衆電話網、有線又は無線LAN(Local Area Network)、CATV(Cable Television)網、構内通信網等が含まれる。なお、PC1〜PCmは、上記通信ネットワークNWに接続されるパーソナル・コンピュータ等の通信端末装置である。
【0023】
ところで、上記放送受信装置MS1〜MSnはそれぞれ次のように構成される。図2はその構成を示す回路ブロック図である。
すなわち、前記静止衛星STから送信されたCDM放送信号は、衛星放送受信用のアンテナ11で受信されたのち衛星放送受信機12に入力される。この衛星放送受信機12では、上記受信されたCDM放送信号が先ず低雑音増幅器で増幅され、さらに周波数変換器で中間周波数又はベースバンド周波数にダウンコンバートされたのち、放送信号受信処理部13に入力される。
【0024】
放送信号受信処理部13は、上記ダウンコンバートされた受信放送信号をスペクトラム逆拡散したのち、例えばPSK又はQAM方式により復調する。そして、その復調信号をチャネルごとにデスクランブル処理し、さらに復号することにより複数チャネルの放送番組データを再生する。この各チャネルの放送番組データは再生出力部14に入力され、ここで音声又は映像として再生出力される。
【0025】
上記衛星放送受信機12から出力された受信放送信号は、受信品質検出部15にも入力される。受信品質検出部15は、上記入力された放送信号受信信号の受信電界強度等をもとに受信品質を検出する。この受信品質の検出データは検出データ保存部16に記憶される。
【0026】
また放送受信装置MS1〜MSnは、図示しない複数のGPS衛星が送信するGPS信号を受信するためのアンテナ21と、GPS受信機22とを備えている。GPS受信機22は、アンテナ21により受信された複数のGPS信号をそれぞれ復調して位置検出部23に入力する。位置検出部23は、上記GPS受信機22により受信された複数のGPS信号をもとに測位演算を行い、これにより自装置の現在位置を検出する。この位置の検出データは、上記受信品質の検出データに対応付けた状態で検出データ保存部16に記憶される。
【0027】
制御部20は、例えばマイクロコンピュータを使用したもので、その制御機能として、上記CDM放送信号の受信再生制御機能、受信品質検出制御機能、GPS受信制御機能、及び位置検出制御機能に加え、検出データ送信制御機能を備えている。
【0028】
この検出データ送信制御機能は、後述する管理装置SMから検出データの収集要求が到来した時点で、上記受信品質検出部15及び位置検出部23により検出された受信品質及び位置の検出データを管理装置SMに返送するべく、自装置の固有識別データと共に選択部17を介して移動通信機18に供給する。移動通信機18は、上記供給された各検出データ及び固有識別データを所定のフォーマットに編集したのち、無線信号に変換してアンテナ19から通信ネットワークNWへ送信する。
【0029】
上記選択部17は、制御部20の指示に従い、上記各検出部15,23から出力された最新の検出データと、上記検出データ保存部16に保存された検出データとを、択一的に選択して移動通信機18に供給する。この検出データの選択送信機能により、上記各検出部15,23において最新の検出データが得られない場合や、無線伝送路の劣化等により移動通信機18が検出データを送信できなかった場合にも、検出データを送信することが可能となる。
【0030】
一方、管理装置SMは次のように構成される。図3はその構成を示す回路ブロック図である。
この管理装置SMは、マイクロプロセッサからなる中央演算処理ユニット(CPU)31を備える。このCPU31には、バス32を介してプログラムメモリ33と、データメモリ34と、通信インタフェース35と、入出力インタフェース36とがそれぞれ接続されている。
【0031】
通信インタフェース35は通信ネットワークNWに接続される。そして、CPU31の制御の下、前記放送受信装置MS1〜MSn及び通信端末装置PC1〜PCmとの間で、通信ネットワークNWにより規定される通信プロトコルに従いデータ通信を行う。入出力インタフェース36は、キーボード等の入力部37により入力された管理者の操作情報をCPU31に転送すると共に、CPU31の制御の下データメモリ34等から転送された表示データを、例えば液晶表示器からなる表示部38に表示する。
【0032】
データメモリ34には、この発明に係わる記憶エリアとして、地図データ記憶エリア34aと、収集データ記憶エリア34bと、算出データ記憶エリア34cとが新たに設けられている。
【0033】
地図データ記憶エリア34aには、サービスエリアSEを複数の小エリアに分割してこれらの小エリアを表す複数の地図データが格納されている。収集データ記憶エリア34bは、前記放送受信装置MS1〜MSnから収集した、当該放送受信装置MS1〜MSnの位置検出データ及び当該位置における受信品質検出データを保存するために使用される。算出データ記憶エリア34cは、上記収集された位置検出データ及び受信品質検出データをもとに算出された地域別の受信品質及び利用者数を表す情報と、当該情報を地図データ上にマッピング処理した表示データを格納するために使用される。
【0034】
プログラムメモリ33には、この発明に係わるアプリケーションプログラムとして、収集制御プログラム33aと、利用状況算出プログラム33bと、マッピング処理プログラム33cと、出力制御プログラム33dとが新たに格納されている。
【0035】
収集制御プログラム33aは、放送受信装置MS1〜MSnに対し定期的に収集要求を送信し、この収集要求に応答して放送受信装置MS1〜MSnから返送される位置検出データ及び受信品質検出データを受信して上記収集データ記憶エリア34bに記憶する処理を、上記CPU31に実行させる。
【0036】
利用状況算出プログラム33bは、上記収集された放送受信装置MS1〜MSnの位置検出データ及び受信品質検出データをもとに、地域別の平均受信品質及び利用者数を算出する。そして、この算出された地域別の平均受信品質及び利用者数を上記算出データ記憶エリア34cに記憶する処理を、上記CPU31に実行させる。
【0037】
マッピング処理プログラム33cは、上記利用状況算出プログラム33bにより算出された地域別の平均受信品質及び利用者数をそれぞれ複数のしきい値をもとにクラス判定し、この判定された受信品質クラス及び利用者数のクラスに応じた表示パターンを生成する。そして、上記地図データ記憶エリア34aに記憶されている地図データ上の対応する位置に、上記生成された表示パターンをマッピングする処理を、CPU31に実行させる。
【0038】
出力制御プログラム33dは、上記マッピング処理プログラム33cにより表示パターンがマッピングされた地図データを、管理者が指定した表示先の装置に表示させる処理を、CPU31に実行させる。表示先としては、管理装置SMの表示部38、或いは他の通信端末装置PC1〜PCmがある。
【0039】
次に、以上のように構成された管理装置SMの動作を説明する。図4はその制御手順及び制御内容を示すフローチャートである。
【0040】
定常状態において管理装置SMは、ステップ4aにおいて収集タイミングになったか否かを判定している。収集タイミングは例えば3分周期で設定される。収集タイミングになると管理装置SMは、ステップ4bにより、収集対象となる放送受信装置MS1〜MSnを順次選択し、この選択した放送受信装置MS1〜MSnに対し収集要求を送信する。この収集要求は、通信インタフェース35から通信ネットワークNWを介して宛先となる放送受信装置MS1〜MSnにそれぞれ送られる。
【0041】
上記収集要求が到来すると放送受信装置MS1〜MSnはそれぞれ、現時点での自装置の位置及び当該位置における受信品質をそれぞれ位置検出部23及び受信品質検出部15により検出する。そして、位置データ及び受信品質データを検出できると、この検出された位置データ及び受信品質データに、自装置の固有識別データを加えた所定フォーマットの通知情報を生成し、この通知情報を移動通信機18から管理装置SMに向け送信する。
【0042】
なお、上記検出された位置データ及び受信品質データは、上記通知情報が無線伝送路環境の劣化等により管理装置SMに届かなかった場合や、次回の収集タイミングにおいて降雨減衰等の影響により正確な位置データ又は受信品質データを検出できない場合に備え、検出データ保存部16に保存される。
【0043】
上記通知情報が管理装置SMに届かなかった場合、放送受信装置MS1〜MSnは例えば再送手順を実行する。この再送手順では、上記検出データ保存部16から保存されている位置データ及び受信品質データを読み出して選択部17により選択する。そして、この選択された各データに自装置の固有識別データを加えて通知情報を生成し、この生成された通知情報を移動通信機18から管理装置SMに向け再送する。
【0044】
また、例えば放送受信装置MS1〜MSnがトンネル内や屋内のように無線信号を受信し難い場所に存在したり、降雨減衰の影響により無線信号を受信し難い環境下におかれている場合には、上記位置データ及び受信品質データを正確に検出することができない。この場合放送受信装置MS1〜MSnは、前収集タイミングにおいて検出された位置データ及び受信品質データを検出データ保存部16から読み出す。そして、この読み出された位置データ及び受信品質データを選択部17により選択して、これらのデータに自装置の固有識別データを加えて通知情報を生成し、この生成された通知情報を移動通信機18から管理装置SMに向け送信する。
【0045】
管理装置SMは、上記収集要求の送信を終了すると送信先の放送受信装置MS1〜MSnからの通知情報の返送を待つ。そして、通知情報が返送されると、ステップ4cにおいて、この通知情報を通信インタフェース35により受信したのちデータメモリ34内の収集データ記憶エリア34bに記憶する。
【0046】
そして、すべての放送受信装置MS1〜MSnからの通知情報の受信を終了すると、管理装置SMはステップ4dに移行し、ここで上記記憶された各放送受信装置MS1〜MSnの位置データ及び受信品質データをもとに、地域(地点)別の平均受信品質及び利用者数をそれぞれ算出する。そして、この算出された地域(地点)別の平均受信品質及び利用者数をデータメモリ34内の算出データ記憶エリア34cに記憶する。
【0047】
次に管理装置SMは、ステップ4eにおいて利用状況を表す表示データの出力タイミングになったか否かを監視する。出力タイミングは、例えば管理者が必要に応じて任意に指定入力したものでも、また管理者が予め設定した定期的なタイミングでもよい。上記出力タイミングになると、管理装置SMはステップ4fに移行し、ここで上記算出データ記憶エリア34bから所定の時間帯における地域(地点)別の平均受信品質及び利用者数を選択的に読み出し、その平均を算出する。上記選択対象の時間帯は管理者が事前に指定する。この結果、注目する時間帯における地域別の平均受信品質及び利用者数が求められる。なお、管理者が事前に上記時間帯と共に地域(地点)を指定しておけば、注目する地域(地点)の平均受信品質及び利用者数を求めることも可能である。
【0048】
次に管理装置SMは、ステップ4gにおいて、上記ステップ4fにより求められた注目する時間帯の地域(地点)別の平均受信品質及び利用者数をそれぞれ予め設定したしきい値と比較することにより、クラス分けする。例えば、平均受信品質については、1個のしきい値をもとに「良好」と「劣化」にクラス分けする。また利用者数については、2個のしきい値をもとに「多い」、「少ない」及び「ほとんどいない」の3クラスに分類する。
【0049】
続いて管理装置SMは、ステップ4hにおいて、データメモリ34の地図データ記憶エリア34aから、注目する地域(地点)を含む地図データを読み出す。そして、この読み出された地図データ上に、上記平均受信品質及び利用者数のクラス分けの判定結果を表す表示パターンを重ねて表示する。例えば、平均受信品質については「良好」を黒丸で、「劣化」を黒四角でそれぞれ表す。また、利用者数は「多い」と「少ない」とで上記黒丸又は黒四角の大きさを異ならせることにより表し、「ほとんどいない」については上記黒丸又は黒四角を表示しないことで表現する。
【0050】
図6は、以上の表示パターンを用いて各地域(地点)別の平均受信品質及び利用者数を地図データ上にマッピングした場合の表示データの一例を示すものである。なお、図5はマッピング前の地図データを示す。
【0051】
そうして表示データを作成すると、管理装置SMは次にステップ4iで管理者が指定した表示先を判定する。そして、この判定の結果、表示先が管理装置SMの表示部38であればステップ4jに移行し、ここで上記作成された表示データを算出データ記憶エリア34cから入出力インタフェース36に転送し、表示部38に表示させる。
【0052】
この結果、管理者は管理装置SMの表示部38において表示データを見ることができ、この表示データから注目する地域における受信品質と利用状況を認識することができる。例えば、図6に示す表示データであれば、地域Y,Zの受信品質が劣化しており、このうち地域Yでは利用者数が多く、一方地域Zでは利用者数が少ないことを把握できる。したがって、この場合には地域Yに対する対策を第1優先順位とし、地域Zに対する対策を第2優先順位とするように、対応策を立案することが可能となる。
【0053】
一方、表示先が他の通信端末装置PC1〜PCmであれば、管理装置SMはステップ4kに移行し、ここで上記作成された表示データを算出データ記憶エリア34cから通信インタフェース35に転送し、この通信インタフェース35により宛先となる他の通信端末装置PC1〜PCmへ送信し表示させる。
【0054】
したがって、例えば上記表示データを通信事業者の設備保守部署或いは工事会社に設置された通信端末装置に送信し表示させた場合には、保守担当者又は工事担当者は自身の通信端末装置において表示データを見ることができる。そして、この表示データをもとに、先に述べた管理者と同様に受信品質と利用状況の把握、及び対応策の立案を行うことが可能となる。
【0055】
以上述べたように本実施形態では、放送受信装置MS1〜MSnに対し通信ネットワークNWを介して接続可能な管理装置SMを設け、この管理装置SMにおいて、上記放送受信装置MS1〜MSnからその位置の検出データと当該位置における受信品質の検出データをポーリングにより順次収集する。そして、この収集された各放送受信装置MS1〜MSnの位置データ及び受信品質データをもとに、地域(地点)別の平均受信品質及び利用者数を算出し、この算出された地域(地点)別の平均受信品質及び利用者数をそれぞれクラス分けして、このクラスに応じた表示パターンを地図データ上に重ねて表示するようにしている。
【0056】
したがってこの実施形態によれば、サービスエリアSE内の各放送受信装置MS1〜MSnの位置と受信品質が通信ネットワークNWを介して管理装置SMで収集される。このため、フィールド試験を行うことなく、サービスエリアSE内の十分な受信品質が得られない地域を特定することが可能となり、この結果簡単かつ迅速に不感地域を解消するための対応策を講じることが可能となる。
【0057】
しかも、地域(地点)別の平均受信品質に加え利用者数を求めてこれを地図データ上に表示するようにしているので、例えば十分な受信品質が得られない地域が複数箇所確認された場合に、このうち利用者数の多い地域について優先的に不感状態を解消するための対策を講じることが可能となる。したがって、限られた設備投資費用を有効に利用しつつシステムの利用効率を高めることが可能となる。この効果は、携帯電話システム等の移動通信システムや、衛星を使用するモバイル放送システム等のように、広範囲のサービスエリアをカバーし、多数の端末を収容するシステムにあって、特に有効である。
【0058】
また、上記地域(地点)別の平均受信品質及び利用者数を地図データに表示する際に、受信品質の良否を黒丸と黒四角という異なる表示マークで表し、かつ利用者数を上記各表示マークの大きさを可変することにより表した表示パターンを生成するようにしたので、受信品質と利用者数を個別に表示する場合に比べ視認性の優れた表示データを作成することができる。
【0059】
さらに、指定した時間帯における地域(地点)別の平均受信品質及び利用者数の平均を求めて表示するようにしたので、注目する時間帯における平均的な受信品質と利用状況を把握することができる。
【0060】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では放送受信装置MS1〜MSnに受信品質検出部15と位置検出部23とを設け、これらの検出部15,23により得られた検出データを管理装置SMで収集するようにした。しかし、受信品質検出部及び位置検出部を持たない無線端末装置については、例えば移動通信網の基地局が備える検出機能を利用して無線端末装置の受信品質及び位置を検出し、この基地局で得られた検出データを管理装置SMで収集するようにしてもよい。
【0061】
また、無線端末装置の位置及び受信品質の収集方式としては、ポーリング以外に、無線端末装置が任意のタイミングで自律的に検出データを送信して管理装置SMが受信する方式を採用することも可能である。さらに、収集対象のデータには、電源の投入状態や移動中か否かを表す情報、端末装置の種類等を表すデータを含めるようにしてもよい。
【0062】
さらに、前記実施形態では、指定した時間帯における地域(地点)別の平均受信品質と利用者数を算出して地図データ上に表示する場合を例にとって説明した。しかしそれに限らず、放送チャネルごとの時間別又は地域別の利用者数(視聴率)等を算出して表示するようにしてもよい。また、携帯電話システムやPHS等の移動通信システムであれば、地域別及び時間帯別のトラフィック量を算出して表示するようにしてもよい。
【0063】
その他、無線端末装置及び管理装置の種類や構成、無線端末装置の位置及び受信品質の検出データを管理装置で収集するために使用する通信ネットワークの種類と収集手順、表示すべき情報の内容などについても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明では、無線システムの管理装置において、複数の無線端末装置の各々について、そのサービスエリア内における位置を表す情報及び当該位置における無線信号の受信品質を表す情報をそれぞれ収集し、この収集された複数の無線端末装置の位置を表す情報及び受信品質を表す情報に基づいて上記サービスエリアの地域別の受信品質及び利用状況を算出し出力するようにしている。
【0065】
したがってこの発明によれば、十分な受信品質が得られない不感地域に対する対策をその地域の利用状況も考慮して効果的に行って、少ない設備投資費用で高いシステム利用率を実現することができ、特にサービスエリアが大きく多数の端末が利用するシステムにとって好適な無線システムの管理装置とそのプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる無線システムの一実施形態であるモバイル放送システムの概略構成図。
【図2】図1に示すシステムで使用される放送受信装置の構成を示す回路ブロック図。
【図3】図1に示すシステムに設けられる管理装置の構成を示す回路ブロック図。
【図4】図3に示す管理装置によるシステム利用状況管理制御の手順と内容を示すフローチャート。
【図5】地図データの一例を示す図。
【図6】図5に示す地図データに受信品質及び利用状況を表すデータをマッピングした例を示す図。
【符号の説明】
BS…放送局、ST…静止衛星、SE…サービスエリア、MS1〜MSn…放送受信装置、NW…通信ネットワーク、SM…管理装置、PC1〜PCm…端末装置、11…衛星放送受信用のアンテナ、12…衛星放送受信機、13…放送信号受信処理部、14…再生出力部、15…受信品質検出部、16…検出データ保存部、17…選択部、18…移動通信機、19…移動通信用のアンテナ、20…制御部、21…GPS受信用のアンテナ、22…GPS受信機、23…位置検出部、31…管理装置のCPU、32…バス、33…プログラムメモリ、33a…収集制御プログラム、33b…利用状況算出プログラム、33c…マッピング処理プログラム、33d…出力制御プログラム、34…データプログラム、34a…地図データ記憶エリア、34b…収集データ記憶エリア、34c…算出データ記憶エリア、35…通信インタフェース、36…入出力インタフェース、37…入力部、38…表示部。
Claims (10)
- サービスエリアに対し無線信号を送信する少なくとも一つの無線送信装置と、前記サービスエリアにおいて前記無線送信装置から送信される無線信号を受信する複数の無線端末装置とを具備する無線システムにおける前記無線端末装置による前記無線システムの利用状況を管理する管理装置であって、前記複数の無線端末装置の各々について、そのサービスエリア内における位置を表す情報、及び当該位置における無線信号の受信品質を表す情報をそれぞれ収集する収集手段と、
前記収集手段により収集された前記複数の無線端末装置の位置を表す情報及び受信品質を表す情報に基づいて、前記サービスエリアの地域別の受信品質及び利用状況を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された地域別の受信品質及び利用状況を表す情報を出力する出力手段と
を具備することを特徴とする管理装置。 - 前記複数の無線端末装置の各々が自装置の位置と当該位置における無線信号の受信品質を検出する検出手段を備えている場合に、
前記収集手段は、前記複数の無線端末装置の各々から前記検出された位置を表す情報及び受信品質を表す情報を収集することを特徴とする請求項1記載の管理装置。 - 前記収集手段は、前記複数の無線端末装置それぞれの位置を表す情報及び受信品質を表す情報を定期的に収集し、
前記算出手段は、前記定期的に収集された各無線端末装置の位置を表す情報及び受信品質を表す情報に基づいて、前記サービスエリアの地域別の受信品質及び利用状況を時間帯別に算出することを特徴とする請求項1記載の管理装置。 - 前記出力手段は、前記算出手段により算出された地域別の受信品質及び利用状況を前記サービスエリアを表す地図データ上にマッピング処理し、このマッピング処理により作成された表示データを出力することを特徴とする請求項1記載の管理装置。
- 前記出力手段は、前記算出手段により算出された地域別の受信品質及び利用状況をそれぞれしきい値をもとに複数の品質クラス及び利用状況のクラスに分類し、この分類された複数の品質クラス及び利用状況のクラスをクラスごとに異なる表示パターンを使用して前記地図データ上にマッピングすることを特徴とする請求項4記載の管理装置。
- サービスエリアに対し無線信号を送信する少なくとも一つの無線送信装置と、前記サービスエリアにおいて前記無線送信装置から送信される無線信号を受信する複数の無線端末装置とを具備する無線システムにおける前記無線端末装置による前記無線システムの利用状況をコンピュータにより管理する管理装置で使用されるプログラムであって、
前記複数の無線端末装置の各々について、そのサービスエリア内における位置を表す情報、及び当該位置における無線信号の受信品質を表す情報をそれぞれ収集する処理と、
前記収集された各無線端末装置の位置を表す情報及び受信品質を表す情報に基づいて、前記サービスエリアの地域別の受信品質及び利用状況を算出する処理と、
前記算出された地域別の受信品質及び利用状況を表す情報を出力する処理と
を前記コンピュータに実行させるプログラム。 - 前記複数の無線端末装置の各々が自装置の位置と当該位置における無線信号の受信品質を検出する検出手段を備えている場合に、
前記収集処理は、前記複数の無線端末装置の各々から前記検出された位置を表す情報及び受信品質を表す情報を収集することを特徴とする請求項6記載のプログラム。 - 前記収集処理は、前記複数の無線端末装置それぞれの位置を表す情報及び受信品質を表す情報を定期的に収集し、
前記算出処理は、前記定期的に収集された各無線端末装置の位置を表す情報及び受信品質を表す情報に基づいて、前記サービスエリアの地域別の受信品質及び利用状況を時間帯別に算出することを特徴とする請求項6記載のプログラム。 - 前記出力処理は、前記算出された地域別の受信品質及び利用状況を前記サービスエリアを表す地図データ上にマッピング処理し、このマッピング処理により作成された表示データを出力することを特徴とする請求項6記載のプログラム。
- 前記出力処理は、前記算出された地域別の受信品質及び利用状況をそれぞれしきい値をもとに複数の品質クラス及び利用状況のクラスに分類し、この分類された複数の品質クラス及び利用状況のクラスをクラスごとに異なる表示パターンを使用して前記地図データ上にマッピングすることを特徴とする請求項9記載のプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003151053A JP2004356873A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | 無線システムの管理装置とそのプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003151053A JP2004356873A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | 無線システムの管理装置とそのプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004356873A true JP2004356873A (ja) | 2004-12-16 |
Family
ID=34046686
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003151053A Pending JP2004356873A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | 無線システムの管理装置とそのプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004356873A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006115068A1 (ja) * | 2005-04-19 | 2006-11-02 | Nec Corporation | 探索方法および探索システムと探索プログラム |
WO2007029753A1 (ja) * | 2005-09-08 | 2007-03-15 | Sharp Kabushiki Kaisha | 放送局、基地局制御装置、受信装置、制御方法、受信方法、放送システム、受信プログラム、送信プログラム、配信プログラム、および記録媒体 |
US7499475B2 (en) | 2005-09-08 | 2009-03-03 | Sharp Kabushiki Kaisha | Broadcast station, base station control device, receiver, control method, receiving method, broadcast system, reception program, transmission program, distribution program, and storage medium |
JP2009130728A (ja) * | 2007-11-26 | 2009-06-11 | Nec Corp | 無線通信網の品質評価システム、通信品質の改善措置対象エリアの抽出方法及びプログラム |
JP2010505370A (ja) * | 2006-09-26 | 2010-02-18 | クゥアルコム・インコーポレイテッド | 無線装置に基づいたセンサネットワーク |
US7697939B2 (en) | 2005-09-08 | 2010-04-13 | Sharp Kabushiki Kaisha | Mobile terminal device, reception quality notification method, broadcast base station device, reception quality notification program, and storage medium |
JP2010171474A (ja) * | 2009-01-20 | 2010-08-05 | Mitsubishi Electric Corp | 移動無線システム |
JP2012049957A (ja) * | 2010-08-30 | 2012-03-08 | Hitachi Ltd | 基地局配置設計支援システム |
US8265711B2 (en) | 2006-09-22 | 2012-09-11 | Samsung Electronics Co., Ltd | Data processing system and method for in-vehicle short range wireless communication network |
JP2015173400A (ja) * | 2014-03-12 | 2015-10-01 | 三菱電機株式会社 | ネットワーク監視装置およびネットワーク監視方法 |
WO2016199548A1 (ja) * | 2015-06-09 | 2016-12-15 | ソニー株式会社 | サーバ装置、通信装置、方法及びコンピュータプログラム |
-
2003
- 2003-05-28 JP JP2003151053A patent/JP2004356873A/ja active Pending
Cited By (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7945435B2 (en) | 2005-04-19 | 2011-05-17 | Nec Corporation | Search method, search system, and search program |
JP2006303788A (ja) * | 2005-04-19 | 2006-11-02 | Nec Corp | 探索方法および探索システムと探索プログラム |
WO2006115068A1 (ja) * | 2005-04-19 | 2006-11-02 | Nec Corporation | 探索方法および探索システムと探索プログラム |
JP4711117B2 (ja) * | 2005-04-19 | 2011-06-29 | 日本電気株式会社 | 探索方法および探索システムと探索プログラム |
WO2007029753A1 (ja) * | 2005-09-08 | 2007-03-15 | Sharp Kabushiki Kaisha | 放送局、基地局制御装置、受信装置、制御方法、受信方法、放送システム、受信プログラム、送信プログラム、配信プログラム、および記録媒体 |
US7499475B2 (en) | 2005-09-08 | 2009-03-03 | Sharp Kabushiki Kaisha | Broadcast station, base station control device, receiver, control method, receiving method, broadcast system, reception program, transmission program, distribution program, and storage medium |
US7697939B2 (en) | 2005-09-08 | 2010-04-13 | Sharp Kabushiki Kaisha | Mobile terminal device, reception quality notification method, broadcast base station device, reception quality notification program, and storage medium |
US8265711B2 (en) | 2006-09-22 | 2012-09-11 | Samsung Electronics Co., Ltd | Data processing system and method for in-vehicle short range wireless communication network |
US8886229B2 (en) | 2006-09-26 | 2014-11-11 | Qualcomm Incorporated | Sensor networks based on wireless devices |
JP2010505370A (ja) * | 2006-09-26 | 2010-02-18 | クゥアルコム・インコーポレイテッド | 無線装置に基づいたセンサネットワーク |
JP2009130728A (ja) * | 2007-11-26 | 2009-06-11 | Nec Corp | 無線通信網の品質評価システム、通信品質の改善措置対象エリアの抽出方法及びプログラム |
JP2010171474A (ja) * | 2009-01-20 | 2010-08-05 | Mitsubishi Electric Corp | 移動無線システム |
JP2012049957A (ja) * | 2010-08-30 | 2012-03-08 | Hitachi Ltd | 基地局配置設計支援システム |
JP2015173400A (ja) * | 2014-03-12 | 2015-10-01 | 三菱電機株式会社 | ネットワーク監視装置およびネットワーク監視方法 |
WO2016199548A1 (ja) * | 2015-06-09 | 2016-12-15 | ソニー株式会社 | サーバ装置、通信装置、方法及びコンピュータプログラム |
CN107637112A (zh) * | 2015-06-09 | 2018-01-26 | 索尼公司 | 服务器装置、通信设备、方法和计算机程序 |
JPWO2016199548A1 (ja) * | 2015-06-09 | 2018-03-29 | ソニー株式会社 | サーバ装置、通信装置、方法及びコンピュータプログラム |
TWI743036B (zh) * | 2015-06-09 | 2021-10-21 | 日商新力股份有限公司 | 伺服器裝置、通訊方法及電腦程式 |
CN107637112B (zh) * | 2015-06-09 | 2022-02-22 | 索尼公司 | 服务器装置、通信设备和方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN101217784B (zh) | 一种通信架构中的无线网络、通信设备和接入点 | |
US8265552B2 (en) | Beam selection in a multiple beam antenna in a fixed wireless CPE | |
CN101217785B (zh) | 通信架构中的无线网络、接入点和客户端设备 | |
JP2008538881A (ja) | デジタルラジオの階層的な変調及び復調に関する方法及びシステム | |
US20070197174A1 (en) | Method and apparatus for reception of mobile broadcast | |
JP2004356873A (ja) | 無線システムの管理装置とそのプログラム | |
US20110275310A1 (en) | Method for Securing A Transmission, Associated System and Mediation Platform | |
US20080081553A1 (en) | Extended radio base station system having braodcast wave retransmitting function | |
CN101444023A (zh) | 发射设备、通信设备、接收设备、通信系统、广播接收系统、控制程序、通信方法和广播接收方法 | |
CA2298189A1 (en) | Method of making downlink operational measurements in a wireless communication system | |
KR20130068604A (ko) | 해상 이종통신망 제어 장치 및 그 방법 | |
JP4039614B2 (ja) | 電波測定方法、電波測定回路および電波監視方法、電波監視装置 | |
Yang et al. | A survey of handover algorithms in DVB-H | |
JP2009153137A (ja) | 適応可能な地上中継局を伴うハイブリッド地上−衛星通信ネットワーク | |
JP2009232093A (ja) | 無線制御装置、無線制御方法、およびプログラム | |
JP3557079B2 (ja) | 衛星放送システムとそのギャップフィラー装置 | |
EP1933481A1 (en) | Broadcast station, base station control device, reception device, control method, reception method, broadcast system, reception program, transmission program, distribution program, and recording medium | |
KR20080013712A (ko) | 셀의 신호 품질 비트맵 추정 방법 및 장치 | |
Yang | Handover in DVB-H: Investigations and analysis | |
CN115843040B (zh) | 一种列车的信号增强系统和方法 | |
CN112688748B (zh) | 音频传输系统及方法 | |
Unger et al. | Minimizing the electromagnetic exposure using hybrid (DVB-H/UMTS) networks | |
RU2754639C1 (ru) | Сотовый телефон | |
JP5677042B2 (ja) | 移動通信システム、無線端末、無線基地局、及び通信品質測定方法 | |
JP6711354B2 (ja) | サーバ装置、通信装置、方法及びコンピュータプログラム |