JP2004022632A - 研磨パッドおよびその製造方法ならびに研磨装置ならびに半導体基板の研磨方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被研磨物表面へのダスト付着性を少なくし、スクラッチ傷の低減を果たし、さらに平坦化特性をも両立させる。パッドを提供すること。上記研磨パッドを用いることを特徴とする研磨装置ならびに研磨方法を提供すること。
【解決手段】ポリウレタン樹脂中に含水性のフィラーを分散させ、発泡体構造を有していることを特徴とする研磨用パッドおよび上記研磨パッドを用いることを特徴とする研磨装置ならびに研磨方法。
【選択図】 なし
【解決手段】ポリウレタン樹脂中に含水性のフィラーを分散させ、発泡体構造を有していることを特徴とする研磨用パッドおよび上記研磨パッドを用いることを特徴とする研磨装置ならびに研磨方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は加工砥粒を含む研磨液を供給しながらおよび/または砥粒を含まない研磨液を供給しながら、被加工物を回転する弾性パッドに押しつけ、相対運動を行わせながら、被加工物表面を鏡面に仕上げるための、もしくは被加工物表面の凹凸の凸の部分を研磨材で優先的に研磨するための、化学機械研磨(CMP)などに用いられる研磨パッドおよびそれを用いた研磨装置ならびに研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスが高密度化するにつれ、多層配線と、これに伴う層間絶縁膜形成や、プラグ、ダマシンなどの電極形成等の技術が重要度を増している。これに伴い、これら層間絶縁膜や電極の金属膜の平坦化プロセスの重要度は増してきており、この平坦化プロセスのための効率的な技術として、CMP(Chemical Mechanical Polishing)と呼ばれる研磨技術が普及してきている。これは被加工物を回転する弾性パッドに押しつけ、相対運動を行わせながら、被加工物表面の凹凸の凸の部分を研磨パッドで優先的に研磨する方法である。研磨パッドとしては、特表平8−500622号公報に記載される発泡体や、特開2000−34416号公報に記載される無発泡体の物が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、発泡体の研磨パッドは被加工物表面へのダストの付着やスクラッチ傷の抑制には効果的であるが、パッドとしての硬度が不十分となるために、被加工物表面の平坦性が不良となる。一方、無発泡で硬質のパッドは平坦性の点で望ましいが、被加工物表面へのダストの付着やスクラッチ傷が発生してしまう。このため被加工物表面の平坦性とダストの付着およびスクラッチ傷の抑制の両者は両立することはできないという問題がある。
【0004】
本発明はこの問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、被研磨物表面へのダスト付着を少なくし、スクラッチ傷の低減を果たしながらも、高い平坦性を得ることのできる研磨パッドを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、下記の構成を有する。すなわち、
(1)マトリクス樹脂中に含水性のフィラー0.1〜50重量%が分散されてなり、表面D硬度が60度以上かつ発泡体構造を有していることを特徴とする研磨パッド、
(2)前記マトリクス樹脂がポリウレタン樹脂からなることを特徴とする前記(1)記載の研磨パッド、
(3)吸水率が2.0重量%より大きいことを特徴とする前記(1)記載の研磨パッド、
(4)発泡体構造がマトリクス樹脂によって構成されていることを特徴とする前記(1)に記載の研磨パッド、
(5)発泡体構造が独立気泡であることを特徴とする前記(1)に記載の研磨パッド、
(6)水分と反応して気泡を生じるモノマーあるいはプレポリマーと含水した含水性フィラー0.1〜50重量%の混合物とを前記モノマーあるいはプレポリマーを重合しつつフィラーの含有する水分と反応せしめて発泡構造を形成した研磨パッドであって、表面D硬度として60度以上であることを特徴とする研磨パッドの製造方法、
(7)水分と反応して気泡を生じるモノマーあるいはプレポリマーが少なくともイソシアネート基を含むものである前記(7)記載の研磨パッドの製造方法、
(8)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の研磨パッド又は前記(6)若しくは(7)記載の製造方法によって得た研磨パッドを用いて研磨を行う研磨装置、
(9)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の研磨パッド又は前記(6)若しくは(7)記載の製造方法によって得た研磨パッドを用いることを特徴とする半導体基板の研磨方法、である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0007】
本発明の研磨パッドは、マトリクス樹脂中に含水性のフィラーが分散して含有されており、表面D硬度が60度以上で発泡体構造を有している。
【0008】
含水性とは基本的に樹脂等の媒体の中に水を内蔵する性質の表現であり、毛管現象のごときマクロな空隙に抱え込まれた水分を対象とするものではない。
【0009】
含水率は、25℃、相対湿度95%の環境下で平衡状態に到ったときの吸湿状態での重量(吸湿重量)と、100℃で24時間真空乾燥した後測定した乾燥重量から、下記(式1)に基づき算出される。
【0010】
含水率(wt%)={(吸湿重量−乾燥重量)/乾燥重量}×100(式1)。
含水性があるとは、含水率0.1%以上の場合を言う。本発明は係る含水性のフィラーを採用するものである。
【0011】
本発明の研磨パッドは発泡構造を有している。この発泡構造には、連続的な発泡構造形態や独立型の発泡構造とがあり、本発明においてはいずれの構造も取ることができるが、ダストの付着やスクラッチ傷の低減がより一層低減できることから独立型の発泡構造と有するものであることが好ましい。独立発泡構造は適当な発泡剤を用いることあるいは発泡樹脂ビーズを添加することでも取りうるが、発泡剤を用いる場合は分解やブリードアウトなどにより研磨対象物を毒するおそれがあり、ビーズを用いる場合はマトリクス樹脂との硬度や摩耗特性を合わせることが困難であり、その結果被研磨面の平坦性の確保が困難であったり、スクラッチ傷を生じたりして好ましくない。
【0012】
本発明の好ましい態様は、マトリクス樹脂中に、含水性のフィラーが分散して含有され、発泡体構造をとるものであるが、含水性のフィラーに含まれる水がマトリクス樹脂の原料であるモノマーあるいはプレポリマーに含まれる水反応性の官能基と反応して生じる気体、例えば、ポリウレタン樹脂にあっては、原料のイソシアネート基と反応せしめて生じる炭酸ガス、を発泡構造の形成に利用することを着想されたものである。
【0013】
このため、本発明の研磨パッドは発泡部分においても均質であり、好ましく独立した発泡体構造を有するため、硬度を高めて平坦性を確保しつつも、ダストの付着、スクラッチ傷の発生を抑えることができるのである。
【0014】
発泡体の気泡径(球相当体積平均径:すなわち気泡の体積を球とした時の球の直径)は小さすぎるとダスト付着や、スクラッチ傷が発生しやすくなり、大きすぎるとパッドが脆くなるため、平均気泡径は1〜1000μmが好ましい。より好ましくは10〜500μmであり、さらに好ましくは20〜100μmである。
【0015】
この気泡の制御には、製造時の含水性のフィラーの含水率、添加量、粒径などを適宜選択することにより制御することができる。その具体的な例については実施例の項にて説明されている。なお、独立気泡の場合は、独立気泡の占める体積は該フィラーに含まれる水分の量が支配的である。また、独立気泡の数は該フィラーの大きさ及び数が支配的である。
【0016】
また、マトリクス樹脂中に含水性のフィラーが分散して含有されていることにより、研磨パッド自身に吸水性を付与することができ、ダストの付着、スクラッチ傷の発生の抑制効果を向上させることができる。
【0017】
研磨パッドの吸水率は、まず、成形した研磨パッドを25℃相対湿度40%の環境下で恒量となった時の重量を乾燥重量として求め、ついで、25℃の水に浸漬し、24時間経過後の重量を吸湿重量とし、下記(式2)に基づき算出する。
【0018】
吸水率(wt%)={(吸湿重量−乾燥重量)/乾燥重量}×100(式2)。
【0019】
吸水率が増加すると、ダストの付着、スクラッチ傷の発生は低減する傾向がある。詳細なメカニズムはわからないが、ダストの付着、スクラッチ傷の発生を抑えるには、吸水率2.0重量%より大きいことが好ましく、より好ましくは5.0重量%以上である。上限は必要な表面硬度が保てる限り特に制限はないが、20重量%以下が通常採用される。
【0020】
例えば、特表平8−500622号公報に記載される従来技術に係る研磨パッドでは、発泡体構造を得るために、フィラーとして中空高分子微小球体を混合するものであるが、上述の改善すべき点を有し、また研磨パッド自身の吸水率は2.0%以下と低く、被加工物表面のダストの付着、スクラッチ傷発生の抑制効果は十分とは言えないものであった。また、中空高分子微小球体を用いたことに起因し、パッド自身の表面D硬度は56度と低く、被加工物の平坦性を確保できない。
【0021】
しかし、本発明においては、マトリックスとして硬度の高いポリウレタン樹脂を用いることにより、表面D硬度60度以上の硬度の高いパッドを作成でき、高い平坦性も確保できる。
【0022】
含水性フィラーの含有量は、乾燥した重量として、0.1重量%以上、50重量%以下である。該フィラーの含有量を0.1重量%以上とすることでダストの付着やスクラッチ傷を少なくできる。0.1重量%未満では硬度は高いが発泡構造による効果が得られない。また、多いとその効果は大きくなるが、50重量%を超えるものであると、パッド自身が研磨時のズリ応力に抗しきれず、また、変形しやすくなって研磨特性を悪化させる。すなわち、パッドの曲げ強度が弱く脆性破壊しやすくなる。このため、好適には5〜45重量%であり、さらに好適には、10〜40重量%の範囲で用いられる。
【0023】
研磨パッドを構成するマトリクス樹脂は、公知の樹脂にて差し支えないが、本発明の技術思想は、特に本発明において好ましく採用されるポリウレタン樹脂を例として説明すると容易に理解されるので、以下、ポリウレタン樹脂を例として説明する。
【0024】
ポリウレタン樹脂は、通常知られるポリウレタンで充分であるが、その変性体、共重合体、グラフト体などを用いても差し支えない。また、これらが混合されたものであっても構わないが硬度が出るように配合することが重要である。このため、イソシアネートの導入も多官能化させることが好ましい。通常用いられる2官能系のジイソシアネート例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(順にMDI,TDI、NDI、XDI、HMDIと略されて表現される)などより、3から8官能のものを用いる方がよい。ウレタンの反応にはポリオール成分を用いることが好ましい。ポリオール成分としては、同様に2官能よりも多官能が好ましい。メチレンビスクロロアニリン(MOCA)のような架橋剤をポリオール成分の代わりに用いることができるが、この場合には、ダスト付着・スクラッチ傷の問題を起こしやすくなり、含水性のフィラーを分散させることで、この問題を改善できる。また同様にメチレンビスクロロアニリンをポリオール成分とあわせて追加で用いることも可能である。アミン成分の添加によってウレタンの硬化時のゲル加速度が速くなることを利用し、樹脂板の成形速度や構造の制御を行うことも可能である。イソシアネートは、プレポリマーの形でも良いが、フィラーに含浸させたり、フィラーと混合したりする場合には粘度が低いものを設計した方がよい。以上からわかるように、いろいろなイソシアネート成分、ポリオール成分の混合体でよい。硬化後の研磨パッドとしての表面D硬度が60度以上であることが重要である。
【0025】
このため、高硬度のウレタンを用いる際は、ポリアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)等の親水性プレポリマーを少量利用し、硬度の低下を抑え、吸水率を高めることによって、吸水率が2.0重量%より大きいものを作ることができる。
【0026】
本発明の研磨パッドにおいて使用される、含水性のフィラーは、たとえば、セルロース系やデンプン系、キチンなどの多糖類、タンパク質、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸などのアクリル系、アラミド系、ポリアミド系、ポリビニルアルコール系、エチレン−ビニルアルコール共重合系、ポリビニルポリピロリドンなどの樹脂もしくはその樹脂を主成分とする架橋体や共重合体を用いることができる。絹、羊毛、綿、麻などの天然繊維や、ポリビニルピロリドン/ポリビニルイミダゾール共重合体、高吸水性樹脂、パルプ、レーヨン、紙、セルロースエステル系イオン交換用の各種荷電付与したセルロースなども市販されており有効に利用できる。また、本来疎水性である樹脂にスルホン基、アミノ基、カルボキル基、水酸基を導入したものも使用可能である。上記ポリウレタンに全部又は一部が相溶するものであっても構わない。研磨特性の点では有機物であることが好ましい。
【0027】
含水性のフィラーの形状には特に制限はないが、不織布状、粒子状、織物状、編み物状、フエルト状の少なくとも1つから選ばれてなるものであることが好ましい。不織布状とは、繊維を交絡させた広義の布を指し、織物状とは織組織を持った布帛を編み物状とは編み組織を持った布帛を指すが、歪んでいたり、凹凸があっても良い。粒子状とは、基本的に球形をのものを指すが、歪んでいたり、多孔体であったり、凹凸があっても良い。いわゆるヒュームドシリカのような、いびつに入り組んだ形状も好ましく使用できる。
【0028】
なお、本発明の研磨パッドにいては、本発明の目的を阻害しない限り、上記のウレタン樹脂や含水性フィラー以外の成分が含まれるものであっても構わない。例えば、樹脂としては、相溶するあるいは非相溶である公知の樹脂が採用されるが、相溶するものが好ましい。フィラーについても同様に公知のものが適宜採用しうる。
【0029】
研磨パッドの成形方法としては、フィラーを硬化前のポリウレタンと混合し、これを型に入れて熱圧縮成型することもできるし、押し出し成形することもできる。インジェクションプレスなどの手法も可能である。
【0030】
具体的にはポリウレタンとフィラーの相溶性や個々の耐熱性、重合特性、粘度などの物性に依存するが、当業者にとってその組み合わせを選択することは容易である。本発明の研磨パッドは、本発明に係る設計指針の基、製造方法に関しては公知技術を応用して得ることが可能である。
【0031】
本発明の好ましい態様では、前記のポリウレタン樹脂としては少なくともイソシアネート基を含んだウレタンモノマーあるいはプレポリマーを用い、前記の含水性フィラーを含水状態にして用い(なお、含有量に関しては乾燥状態を基準とする)、該ウレタンモノマーあるいはプレポリマーの中に含まれるイソシアネートと含水性フィラーの水分とを反応せしめ、また、同時に重合を行って、発泡構造を有する研磨パッドとするものである。
【0032】
マトリクス樹脂において、モノマーあるいはプレポリマーにおいて水分と反応性を有し気体を生じる官能基としては、上記のイソシアネート基の他には、例えば、イソチオシアネート基、ハロゲン化カルボキシル基などが挙げられる。
【0033】
研磨面への研磨スラリーの供給とそこからの排出を促進するなどの目的で、研磨パッド表面には、溝や孔が設けられていることが好ましい。溝の形状としては、同心円、渦巻き、放射、碁盤目など種々の形状が採用できる。溝の断面形状としては四角、三角、半円などの形状が採用できる。溝の深さは0.05mmから該研磨層の厚さまでの範囲で、溝の幅は0.05〜5mmの範囲で、溝のピッチは0.1〜100mmの範囲で選ぶことができる。孔は研磨層を貫通していても良いし、貫通していなくても良い。孔の直径は0.1〜5mmの範囲で選ぶことができる。また、孔のピッチは1〜100mmの範囲で選ぶことができる。これらの形状は、研磨液がうまく研磨面へ供給されること、研磨液の保持性を高めること、またそこから研磨屑を伴って良好に排出することおよびまたは促進することなどを満たせば良い。研磨パッド自体の形状は、円板状、ドーナツ状、ベルト状など様々な形に加工できる。厚みも、0.1mm程度から、50mm程度もしくはこれ以上の厚みのものも製造可能である。円板状、ドーナツ状に加工した場合の直径についても、被研磨物の大きさを基準として、1/5から5倍程度のものまで製造されるが、あまり大きいと加工効率が低下してしまうため好ましくない。
【0034】
本発明で得られた研磨パッドは、クッション性を有するクッションシートと積層して複合研磨パッドとして使用することも可能である。半導体基板は局所的な凹凸とは別にもう少し大きなうねりが存在しており、このうねりを吸収する層として硬い研磨パッドの下(研磨定盤側)にクッションシートをおいて研磨する場合が多い。クッションシートとしては、発泡ウレタン系、ゴム系のものを組み合わせて使うことができる。
【0035】
かくして得られた研磨パッドは、公知の研磨装置に装着され、好適に半導体基板等の基材の研磨に用いられる。
【0036】
【実施例】
以下に本発明を実施例により説明する。なお、D硬度、ダスト付着量、研磨速度、平坦化特性の評価は、以下のようにして行った。
【0037】
表面D硬度の測定
厚さ1.0mm〜1.5mmの範囲に入るサンプル(大きさは1cm角以上)を、D硬度90以上の表面硬度を有する平面上に置き、JIS規格(硬さ試験)K6253に準拠した、デュロメーター・タイプD(実際には、高分子計器(株)製”アスカーD型硬度計”)を用い、5点測定しその平均値をD硬度とした。測定は室温(25℃)で行った。
【0038】
ダスト付着量の測定
厚さ1.2mm、直径38cmの円形の研磨パッドを作成し、表面に、幅2.0mm、深さ0.5mm、ピッチ15mmのいわゆるX−Yグルーブ加工(格子状溝加工)を施した。このパッドを研磨機(ラップマスターSFT社製、”L/M−15E”)の定盤にクッション層として、ロデール社製Suba400を貼り、その上に両面接着テープ(3M社製、”442J”)で張り付けた。旭ダイヤモンド工業(株)のコンディショナー(”CMP−M”、直径14.2cm)を用い、押しつけ圧力0.04MPa、定盤回転数25rpm、コンディショナー回転数25rpmで同方向に回転させ、純水を10ml/minで供給しながら5分間研磨パッドのコンディショニングを行った。研磨機に純水を100ml/min流しながら研磨パッド上を2分間洗浄し次ぎに、酸化膜付きウェハ(4インチダミーウェハCZP型、信越化学工業(株))を研磨機に設置し、説明書記載使用濃度のキャボット社製スラリー分散液(”SC−1”)を100ml/minで研磨パッド上に供給しながら、押しつけ圧力0.04MPa、定盤回転数45rpm、コンディショナー回転数45rpmで同方向に回転させ、5分間研磨を実施した。ウェハ表面を乾かさないようにし、すぐさま純水をかけながら、ポリビニルアルコールスポンジでウェハ表面を洗浄し、乾燥圧縮空気を吹き付けて乾燥した。その後ウェーハ表面ゴミ検査装置(トプコン社製、”WM−3”)を用いて、直径が0.5μm以上の表面ダスト数を測定した。本試験方法では、400個以下であれば半導体生産上問題を生じることがなく合格である。また研磨後のウエハー表面のスクラッチ数は、自動X−Yステージを具備したキーエンス社製デジタルマイクロスコープ(VH6300)でカウントした。20個以下を合格領域とした。
【0039】
研磨速度の測定
ウェハ(4インチダミーウェハCZP型、信越化学工業(株))表面の酸化膜の厚みを、あらかじめ大日本スクリーン社製”ラムダエース”(VM−2000)を用いて決められた点196ポイント測定した。研磨機(ラップマスターSFT社製、”L/M−15E”)の定盤にクッション層として、ロデール社製”Suba400”を貼り、その上に両面接着テープ(3M社製、”442J”)で試験すべき研磨パッドを張り付けた。旭ダイヤモンド工業(株)のコンディショナー(”CMP−M”、直径14.2cm)を用い、押しつけ圧力0.04MPa、定盤回転数25rpm、コンディショナー回転数25rpmで同方向に回転させ、純水を10ml/minで供給しながら5分間研磨パッドのコンディショニングを行った。研磨機に純水を100ml/min流しながら研磨パッド上を2分間洗浄し次ぎに、酸化膜厚みを測定し終わった酸化膜付きウェハを研磨機に設置し、説明書記載使用濃度のキャボット社製スラリー分散液(”SC−1”)を100ml/minで研磨パッド上に供給しながら、押しつけ圧力0.04MPa、定盤回転数45rpm、コンディショナー回転数45rpmで同方向に回転させ、5分間研磨を実施した。ウェハ表面を乾かさないようにし、すぐさま純水をかけながら、ポリビニルアルコールスポンジでウェハ表面を洗浄し、乾燥圧縮空気を吹き付けて乾燥した。この研磨後のウェハ表面の酸化膜の厚みを大日本スクリーン社製”ラムダエース”(VM−2000)を用いて決められた点196ポイント測定し、各々の点での研磨速度を計算し、その平均値を研磨速度とした。
【0040】
平坦化特性の評価
まず、以下の手順でグローバル段差評価用テストウェハを準備した。
グローバル段差評価用テストウェハ:酸化膜付き4インチシリコンウェハ(酸化膜厚:2μm)に10mm角のダイを配置する。フォトレジストを使用してマスク露光をおこない、RIEによって10mm角のダイの中に20μm幅、高さ0.7μmのラインと230μmのスペースで左半分にラインアンドスペースで配置し、230μm幅、高さ0.7μmのラインを20μのスペースで右半分にラインアンドスペースで配置する。
【0041】
次に、直径38cmの円形の研磨層を作製し、表面に幅2.0mm、深さ0.5mm、ピッチ15mmのいわゆるX−Yグルーブ加工(格子状溝加工)を施した。この研磨パッドを研磨機(ラップマスターSFT社製、L/M―15E)の定盤にクッション層として、ロデール社製”Suba400”を貼り、その上に両面接着テープ(3M社製、”442J”)で貼り付けた。旭ダイヤモンド工業(株)のコンディショナー(”CMP−M”、直径14.2cm)を用い、押しつけ圧力0.04MPa、定盤回転数25rpm、コンディショナー回転数25rpmで同方向に回転させ、純水を10ml/minで供給しながら5分間研磨パッドのコンディショニングを行った。研磨機に純水を100ml/min流しながら研磨パッド上を2分間洗浄し次に、グローバル段差評価用テストウェハを研磨機に設置し、説明書記載使用濃度のキャボット社製スラリー(”SC−1”)を100ml/minで研磨パッド上に供給しながら、押しつけ圧力0.04MPa、定盤回転数45rpm(ウェハの中心での線速度は3000(cm/分))、半導体ウェハ保持試料台を回転数45rpmで同方向に回転させ、所定時間研磨を実施した。半導体ウェハ表面を乾かさないようにし、すぐさま純水をかけながら、ポリビニルアルコールスポンジでウェハ表面を洗浄し、乾燥圧縮空気を吹き付けて乾燥した。グローバル段差評価用テストウェハのセンタ10mmダイ中の20μmラインと230μラインの酸化膜厚みを大日本スクリーン社製ラムダエース(”VM−2000”)を用いて測定し、それぞれの厚みの差をグローバル段差として評価した。研磨層の加工形態については、その他形状のものも上記と同様の手順で行った。20μm幅配線領域と230μm幅配線領域のグローバル段差は研磨時間は5分で450nm以下であれば合格とした。
【0042】
実施例1
2液系ポリウレタン樹脂KC−384(日本ポリウレタン(株)製 )71重量%とKN−590(日本ポリウレタン(株)製 )29重量%を混練し、脱泡した後50cm幅のポリエチレン板に挟み厚さ1.2mmに成形した。このウレタンの表面D硬度は78であった。この2液系ウレタン樹脂を85重量%になるように、80℃で1時間真空乾燥した粉末濾紙(日本製紙(株)製、”KCフロック”、400メッシュ)15重量%を吸湿せしめて混合し、脱泡した後50cm幅のポリエチレン板に挟み厚さ1.2mmに成形し、研磨パッドを作成した。粉末濾紙1gあたり約2mgの水が含まれていたため、ポリウレタン原料のイソシアネート基と反応し炭酸ガスが発生した。そのため、研磨パッド中には平均径が数十μm程度の多数の独立気泡が見られた。得られた研磨パッドでD硬度、吸水率、ダスト付着量、研磨速度、平坦化特性を測定した。その結果、D硬度67度、吸水率9%、ダスト数8個、研磨速度116nm/min、平坦化特性は段差420nmで平坦性も良好であった。
【0043】
実施例2
実施例1で使用した2液系ポリウレタン樹脂を99重量%になるように、80℃で1時間真空乾燥した粉末濾紙(日本製紙(株)製、”KCフロック”、400メッシュ)1重量%を吸湿せしめて混合し、脱泡した後50cm幅のポリエチレン板に挟み厚さ1.2mmに成形し、研磨パッドを作成した。粉末濾紙1gあたり約2mgの水が含まれていたため、ポリウレタン原料のイソシアネート基と反応し炭酸ガスが発生した。そのため、研磨パッド中には平均径が数十μm程度の多数の独立気泡が見られた。得られた研磨パッドでD硬度、吸水率、ダスト付着量、研磨速度、平坦化特性を測定した。その結果、D硬度73度、吸水率2.1%、ダスト数26個、研磨速度102nm/min、平坦化特性は段差410nmで平坦性も良好であった。
【0044】
実施例3
実施例1で使用した2液系ポリウレタン樹脂を50重量%になるように、80℃で1時間真空乾燥した粉末濾紙(日本製紙(株)製、”KCフロック”、400メッシュ)50重量%を吸湿せしめて混合し、脱泡した後50cm幅のポリエチレン板に挟み厚さ1.2mmに成形し、研磨パッドを作成した。粉末濾紙1gあたり約2mgの水が含まれていたため、ポリウレタン原料のイソシアネート基と反応し炭酸ガスが発生した。そのため、研磨パッド中には平均径が数十μm程度の多数の独立気泡が見られた。 得られた研磨パッドでD硬度、吸水率、ダスト付着量、研磨速度、平坦化特性を測定した。その結果、D硬度61度、吸水率18.6%、ダスト数11個、研磨速度120nm/min、平坦化特性は段差450nmで平坦性も良好であった。
【0045】
比較例1
市販の発泡ウレタンからなる研磨パッド(ロデール社、”IC−1000”)を38cm径に加工し、研磨パッドを作成した。得られた研磨パッドで吸水率、ダスト付着量、研磨速度、平坦化特性を測定した。その結果、D硬度56度、吸水率2.0%、ダスト数18個、研磨速度100nm/min、平坦化特性は段差500nmで平坦性は不良であった。
【0046】
比較例2
実施例1で使用した2液系ポリウレタン樹脂を混練し、脱泡した後50cm幅のポリエチレン板に挟み厚さ1.2mmに成形し、研磨パッドを作成した。ポリウレタンマトリックス中には気泡は見られなかった。 得られた研磨パッドで吸水率、ダスト付着量、研磨速度、平坦化特性を測定した。その結果、D硬度78度、吸水率1.5%、ダスト数158個、研磨速度50nm/min、平坦化特性は段差450nmで平坦性は良好であった。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、硬度の高いポリウレタン樹脂をマトリックスとして使用するので、高い平坦性が得られる。また、含水性のフィラーを分散させることにより、マトリックスとなるポリウレタンが発泡体構造をとるので、被研磨物表面へのダストの付着性を少なくすることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は加工砥粒を含む研磨液を供給しながらおよび/または砥粒を含まない研磨液を供給しながら、被加工物を回転する弾性パッドに押しつけ、相対運動を行わせながら、被加工物表面を鏡面に仕上げるための、もしくは被加工物表面の凹凸の凸の部分を研磨材で優先的に研磨するための、化学機械研磨(CMP)などに用いられる研磨パッドおよびそれを用いた研磨装置ならびに研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスが高密度化するにつれ、多層配線と、これに伴う層間絶縁膜形成や、プラグ、ダマシンなどの電極形成等の技術が重要度を増している。これに伴い、これら層間絶縁膜や電極の金属膜の平坦化プロセスの重要度は増してきており、この平坦化プロセスのための効率的な技術として、CMP(Chemical Mechanical Polishing)と呼ばれる研磨技術が普及してきている。これは被加工物を回転する弾性パッドに押しつけ、相対運動を行わせながら、被加工物表面の凹凸の凸の部分を研磨パッドで優先的に研磨する方法である。研磨パッドとしては、特表平8−500622号公報に記載される発泡体や、特開2000−34416号公報に記載される無発泡体の物が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、発泡体の研磨パッドは被加工物表面へのダストの付着やスクラッチ傷の抑制には効果的であるが、パッドとしての硬度が不十分となるために、被加工物表面の平坦性が不良となる。一方、無発泡で硬質のパッドは平坦性の点で望ましいが、被加工物表面へのダストの付着やスクラッチ傷が発生してしまう。このため被加工物表面の平坦性とダストの付着およびスクラッチ傷の抑制の両者は両立することはできないという問題がある。
【0004】
本発明はこの問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、被研磨物表面へのダスト付着を少なくし、スクラッチ傷の低減を果たしながらも、高い平坦性を得ることのできる研磨パッドを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、下記の構成を有する。すなわち、
(1)マトリクス樹脂中に含水性のフィラー0.1〜50重量%が分散されてなり、表面D硬度が60度以上かつ発泡体構造を有していることを特徴とする研磨パッド、
(2)前記マトリクス樹脂がポリウレタン樹脂からなることを特徴とする前記(1)記載の研磨パッド、
(3)吸水率が2.0重量%より大きいことを特徴とする前記(1)記載の研磨パッド、
(4)発泡体構造がマトリクス樹脂によって構成されていることを特徴とする前記(1)に記載の研磨パッド、
(5)発泡体構造が独立気泡であることを特徴とする前記(1)に記載の研磨パッド、
(6)水分と反応して気泡を生じるモノマーあるいはプレポリマーと含水した含水性フィラー0.1〜50重量%の混合物とを前記モノマーあるいはプレポリマーを重合しつつフィラーの含有する水分と反応せしめて発泡構造を形成した研磨パッドであって、表面D硬度として60度以上であることを特徴とする研磨パッドの製造方法、
(7)水分と反応して気泡を生じるモノマーあるいはプレポリマーが少なくともイソシアネート基を含むものである前記(7)記載の研磨パッドの製造方法、
(8)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の研磨パッド又は前記(6)若しくは(7)記載の製造方法によって得た研磨パッドを用いて研磨を行う研磨装置、
(9)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の研磨パッド又は前記(6)若しくは(7)記載の製造方法によって得た研磨パッドを用いることを特徴とする半導体基板の研磨方法、である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0007】
本発明の研磨パッドは、マトリクス樹脂中に含水性のフィラーが分散して含有されており、表面D硬度が60度以上で発泡体構造を有している。
【0008】
含水性とは基本的に樹脂等の媒体の中に水を内蔵する性質の表現であり、毛管現象のごときマクロな空隙に抱え込まれた水分を対象とするものではない。
【0009】
含水率は、25℃、相対湿度95%の環境下で平衡状態に到ったときの吸湿状態での重量(吸湿重量)と、100℃で24時間真空乾燥した後測定した乾燥重量から、下記(式1)に基づき算出される。
【0010】
含水率(wt%)={(吸湿重量−乾燥重量)/乾燥重量}×100(式1)。
含水性があるとは、含水率0.1%以上の場合を言う。本発明は係る含水性のフィラーを採用するものである。
【0011】
本発明の研磨パッドは発泡構造を有している。この発泡構造には、連続的な発泡構造形態や独立型の発泡構造とがあり、本発明においてはいずれの構造も取ることができるが、ダストの付着やスクラッチ傷の低減がより一層低減できることから独立型の発泡構造と有するものであることが好ましい。独立発泡構造は適当な発泡剤を用いることあるいは発泡樹脂ビーズを添加することでも取りうるが、発泡剤を用いる場合は分解やブリードアウトなどにより研磨対象物を毒するおそれがあり、ビーズを用いる場合はマトリクス樹脂との硬度や摩耗特性を合わせることが困難であり、その結果被研磨面の平坦性の確保が困難であったり、スクラッチ傷を生じたりして好ましくない。
【0012】
本発明の好ましい態様は、マトリクス樹脂中に、含水性のフィラーが分散して含有され、発泡体構造をとるものであるが、含水性のフィラーに含まれる水がマトリクス樹脂の原料であるモノマーあるいはプレポリマーに含まれる水反応性の官能基と反応して生じる気体、例えば、ポリウレタン樹脂にあっては、原料のイソシアネート基と反応せしめて生じる炭酸ガス、を発泡構造の形成に利用することを着想されたものである。
【0013】
このため、本発明の研磨パッドは発泡部分においても均質であり、好ましく独立した発泡体構造を有するため、硬度を高めて平坦性を確保しつつも、ダストの付着、スクラッチ傷の発生を抑えることができるのである。
【0014】
発泡体の気泡径(球相当体積平均径:すなわち気泡の体積を球とした時の球の直径)は小さすぎるとダスト付着や、スクラッチ傷が発生しやすくなり、大きすぎるとパッドが脆くなるため、平均気泡径は1〜1000μmが好ましい。より好ましくは10〜500μmであり、さらに好ましくは20〜100μmである。
【0015】
この気泡の制御には、製造時の含水性のフィラーの含水率、添加量、粒径などを適宜選択することにより制御することができる。その具体的な例については実施例の項にて説明されている。なお、独立気泡の場合は、独立気泡の占める体積は該フィラーに含まれる水分の量が支配的である。また、独立気泡の数は該フィラーの大きさ及び数が支配的である。
【0016】
また、マトリクス樹脂中に含水性のフィラーが分散して含有されていることにより、研磨パッド自身に吸水性を付与することができ、ダストの付着、スクラッチ傷の発生の抑制効果を向上させることができる。
【0017】
研磨パッドの吸水率は、まず、成形した研磨パッドを25℃相対湿度40%の環境下で恒量となった時の重量を乾燥重量として求め、ついで、25℃の水に浸漬し、24時間経過後の重量を吸湿重量とし、下記(式2)に基づき算出する。
【0018】
吸水率(wt%)={(吸湿重量−乾燥重量)/乾燥重量}×100(式2)。
【0019】
吸水率が増加すると、ダストの付着、スクラッチ傷の発生は低減する傾向がある。詳細なメカニズムはわからないが、ダストの付着、スクラッチ傷の発生を抑えるには、吸水率2.0重量%より大きいことが好ましく、より好ましくは5.0重量%以上である。上限は必要な表面硬度が保てる限り特に制限はないが、20重量%以下が通常採用される。
【0020】
例えば、特表平8−500622号公報に記載される従来技術に係る研磨パッドでは、発泡体構造を得るために、フィラーとして中空高分子微小球体を混合するものであるが、上述の改善すべき点を有し、また研磨パッド自身の吸水率は2.0%以下と低く、被加工物表面のダストの付着、スクラッチ傷発生の抑制効果は十分とは言えないものであった。また、中空高分子微小球体を用いたことに起因し、パッド自身の表面D硬度は56度と低く、被加工物の平坦性を確保できない。
【0021】
しかし、本発明においては、マトリックスとして硬度の高いポリウレタン樹脂を用いることにより、表面D硬度60度以上の硬度の高いパッドを作成でき、高い平坦性も確保できる。
【0022】
含水性フィラーの含有量は、乾燥した重量として、0.1重量%以上、50重量%以下である。該フィラーの含有量を0.1重量%以上とすることでダストの付着やスクラッチ傷を少なくできる。0.1重量%未満では硬度は高いが発泡構造による効果が得られない。また、多いとその効果は大きくなるが、50重量%を超えるものであると、パッド自身が研磨時のズリ応力に抗しきれず、また、変形しやすくなって研磨特性を悪化させる。すなわち、パッドの曲げ強度が弱く脆性破壊しやすくなる。このため、好適には5〜45重量%であり、さらに好適には、10〜40重量%の範囲で用いられる。
【0023】
研磨パッドを構成するマトリクス樹脂は、公知の樹脂にて差し支えないが、本発明の技術思想は、特に本発明において好ましく採用されるポリウレタン樹脂を例として説明すると容易に理解されるので、以下、ポリウレタン樹脂を例として説明する。
【0024】
ポリウレタン樹脂は、通常知られるポリウレタンで充分であるが、その変性体、共重合体、グラフト体などを用いても差し支えない。また、これらが混合されたものであっても構わないが硬度が出るように配合することが重要である。このため、イソシアネートの導入も多官能化させることが好ましい。通常用いられる2官能系のジイソシアネート例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(順にMDI,TDI、NDI、XDI、HMDIと略されて表現される)などより、3から8官能のものを用いる方がよい。ウレタンの反応にはポリオール成分を用いることが好ましい。ポリオール成分としては、同様に2官能よりも多官能が好ましい。メチレンビスクロロアニリン(MOCA)のような架橋剤をポリオール成分の代わりに用いることができるが、この場合には、ダスト付着・スクラッチ傷の問題を起こしやすくなり、含水性のフィラーを分散させることで、この問題を改善できる。また同様にメチレンビスクロロアニリンをポリオール成分とあわせて追加で用いることも可能である。アミン成分の添加によってウレタンの硬化時のゲル加速度が速くなることを利用し、樹脂板の成形速度や構造の制御を行うことも可能である。イソシアネートは、プレポリマーの形でも良いが、フィラーに含浸させたり、フィラーと混合したりする場合には粘度が低いものを設計した方がよい。以上からわかるように、いろいろなイソシアネート成分、ポリオール成分の混合体でよい。硬化後の研磨パッドとしての表面D硬度が60度以上であることが重要である。
【0025】
このため、高硬度のウレタンを用いる際は、ポリアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)等の親水性プレポリマーを少量利用し、硬度の低下を抑え、吸水率を高めることによって、吸水率が2.0重量%より大きいものを作ることができる。
【0026】
本発明の研磨パッドにおいて使用される、含水性のフィラーは、たとえば、セルロース系やデンプン系、キチンなどの多糖類、タンパク質、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸などのアクリル系、アラミド系、ポリアミド系、ポリビニルアルコール系、エチレン−ビニルアルコール共重合系、ポリビニルポリピロリドンなどの樹脂もしくはその樹脂を主成分とする架橋体や共重合体を用いることができる。絹、羊毛、綿、麻などの天然繊維や、ポリビニルピロリドン/ポリビニルイミダゾール共重合体、高吸水性樹脂、パルプ、レーヨン、紙、セルロースエステル系イオン交換用の各種荷電付与したセルロースなども市販されており有効に利用できる。また、本来疎水性である樹脂にスルホン基、アミノ基、カルボキル基、水酸基を導入したものも使用可能である。上記ポリウレタンに全部又は一部が相溶するものであっても構わない。研磨特性の点では有機物であることが好ましい。
【0027】
含水性のフィラーの形状には特に制限はないが、不織布状、粒子状、織物状、編み物状、フエルト状の少なくとも1つから選ばれてなるものであることが好ましい。不織布状とは、繊維を交絡させた広義の布を指し、織物状とは織組織を持った布帛を編み物状とは編み組織を持った布帛を指すが、歪んでいたり、凹凸があっても良い。粒子状とは、基本的に球形をのものを指すが、歪んでいたり、多孔体であったり、凹凸があっても良い。いわゆるヒュームドシリカのような、いびつに入り組んだ形状も好ましく使用できる。
【0028】
なお、本発明の研磨パッドにいては、本発明の目的を阻害しない限り、上記のウレタン樹脂や含水性フィラー以外の成分が含まれるものであっても構わない。例えば、樹脂としては、相溶するあるいは非相溶である公知の樹脂が採用されるが、相溶するものが好ましい。フィラーについても同様に公知のものが適宜採用しうる。
【0029】
研磨パッドの成形方法としては、フィラーを硬化前のポリウレタンと混合し、これを型に入れて熱圧縮成型することもできるし、押し出し成形することもできる。インジェクションプレスなどの手法も可能である。
【0030】
具体的にはポリウレタンとフィラーの相溶性や個々の耐熱性、重合特性、粘度などの物性に依存するが、当業者にとってその組み合わせを選択することは容易である。本発明の研磨パッドは、本発明に係る設計指針の基、製造方法に関しては公知技術を応用して得ることが可能である。
【0031】
本発明の好ましい態様では、前記のポリウレタン樹脂としては少なくともイソシアネート基を含んだウレタンモノマーあるいはプレポリマーを用い、前記の含水性フィラーを含水状態にして用い(なお、含有量に関しては乾燥状態を基準とする)、該ウレタンモノマーあるいはプレポリマーの中に含まれるイソシアネートと含水性フィラーの水分とを反応せしめ、また、同時に重合を行って、発泡構造を有する研磨パッドとするものである。
【0032】
マトリクス樹脂において、モノマーあるいはプレポリマーにおいて水分と反応性を有し気体を生じる官能基としては、上記のイソシアネート基の他には、例えば、イソチオシアネート基、ハロゲン化カルボキシル基などが挙げられる。
【0033】
研磨面への研磨スラリーの供給とそこからの排出を促進するなどの目的で、研磨パッド表面には、溝や孔が設けられていることが好ましい。溝の形状としては、同心円、渦巻き、放射、碁盤目など種々の形状が採用できる。溝の断面形状としては四角、三角、半円などの形状が採用できる。溝の深さは0.05mmから該研磨層の厚さまでの範囲で、溝の幅は0.05〜5mmの範囲で、溝のピッチは0.1〜100mmの範囲で選ぶことができる。孔は研磨層を貫通していても良いし、貫通していなくても良い。孔の直径は0.1〜5mmの範囲で選ぶことができる。また、孔のピッチは1〜100mmの範囲で選ぶことができる。これらの形状は、研磨液がうまく研磨面へ供給されること、研磨液の保持性を高めること、またそこから研磨屑を伴って良好に排出することおよびまたは促進することなどを満たせば良い。研磨パッド自体の形状は、円板状、ドーナツ状、ベルト状など様々な形に加工できる。厚みも、0.1mm程度から、50mm程度もしくはこれ以上の厚みのものも製造可能である。円板状、ドーナツ状に加工した場合の直径についても、被研磨物の大きさを基準として、1/5から5倍程度のものまで製造されるが、あまり大きいと加工効率が低下してしまうため好ましくない。
【0034】
本発明で得られた研磨パッドは、クッション性を有するクッションシートと積層して複合研磨パッドとして使用することも可能である。半導体基板は局所的な凹凸とは別にもう少し大きなうねりが存在しており、このうねりを吸収する層として硬い研磨パッドの下(研磨定盤側)にクッションシートをおいて研磨する場合が多い。クッションシートとしては、発泡ウレタン系、ゴム系のものを組み合わせて使うことができる。
【0035】
かくして得られた研磨パッドは、公知の研磨装置に装着され、好適に半導体基板等の基材の研磨に用いられる。
【0036】
【実施例】
以下に本発明を実施例により説明する。なお、D硬度、ダスト付着量、研磨速度、平坦化特性の評価は、以下のようにして行った。
【0037】
表面D硬度の測定
厚さ1.0mm〜1.5mmの範囲に入るサンプル(大きさは1cm角以上)を、D硬度90以上の表面硬度を有する平面上に置き、JIS規格(硬さ試験)K6253に準拠した、デュロメーター・タイプD(実際には、高分子計器(株)製”アスカーD型硬度計”)を用い、5点測定しその平均値をD硬度とした。測定は室温(25℃)で行った。
【0038】
ダスト付着量の測定
厚さ1.2mm、直径38cmの円形の研磨パッドを作成し、表面に、幅2.0mm、深さ0.5mm、ピッチ15mmのいわゆるX−Yグルーブ加工(格子状溝加工)を施した。このパッドを研磨機(ラップマスターSFT社製、”L/M−15E”)の定盤にクッション層として、ロデール社製Suba400を貼り、その上に両面接着テープ(3M社製、”442J”)で張り付けた。旭ダイヤモンド工業(株)のコンディショナー(”CMP−M”、直径14.2cm)を用い、押しつけ圧力0.04MPa、定盤回転数25rpm、コンディショナー回転数25rpmで同方向に回転させ、純水を10ml/minで供給しながら5分間研磨パッドのコンディショニングを行った。研磨機に純水を100ml/min流しながら研磨パッド上を2分間洗浄し次ぎに、酸化膜付きウェハ(4インチダミーウェハCZP型、信越化学工業(株))を研磨機に設置し、説明書記載使用濃度のキャボット社製スラリー分散液(”SC−1”)を100ml/minで研磨パッド上に供給しながら、押しつけ圧力0.04MPa、定盤回転数45rpm、コンディショナー回転数45rpmで同方向に回転させ、5分間研磨を実施した。ウェハ表面を乾かさないようにし、すぐさま純水をかけながら、ポリビニルアルコールスポンジでウェハ表面を洗浄し、乾燥圧縮空気を吹き付けて乾燥した。その後ウェーハ表面ゴミ検査装置(トプコン社製、”WM−3”)を用いて、直径が0.5μm以上の表面ダスト数を測定した。本試験方法では、400個以下であれば半導体生産上問題を生じることがなく合格である。また研磨後のウエハー表面のスクラッチ数は、自動X−Yステージを具備したキーエンス社製デジタルマイクロスコープ(VH6300)でカウントした。20個以下を合格領域とした。
【0039】
研磨速度の測定
ウェハ(4インチダミーウェハCZP型、信越化学工業(株))表面の酸化膜の厚みを、あらかじめ大日本スクリーン社製”ラムダエース”(VM−2000)を用いて決められた点196ポイント測定した。研磨機(ラップマスターSFT社製、”L/M−15E”)の定盤にクッション層として、ロデール社製”Suba400”を貼り、その上に両面接着テープ(3M社製、”442J”)で試験すべき研磨パッドを張り付けた。旭ダイヤモンド工業(株)のコンディショナー(”CMP−M”、直径14.2cm)を用い、押しつけ圧力0.04MPa、定盤回転数25rpm、コンディショナー回転数25rpmで同方向に回転させ、純水を10ml/minで供給しながら5分間研磨パッドのコンディショニングを行った。研磨機に純水を100ml/min流しながら研磨パッド上を2分間洗浄し次ぎに、酸化膜厚みを測定し終わった酸化膜付きウェハを研磨機に設置し、説明書記載使用濃度のキャボット社製スラリー分散液(”SC−1”)を100ml/minで研磨パッド上に供給しながら、押しつけ圧力0.04MPa、定盤回転数45rpm、コンディショナー回転数45rpmで同方向に回転させ、5分間研磨を実施した。ウェハ表面を乾かさないようにし、すぐさま純水をかけながら、ポリビニルアルコールスポンジでウェハ表面を洗浄し、乾燥圧縮空気を吹き付けて乾燥した。この研磨後のウェハ表面の酸化膜の厚みを大日本スクリーン社製”ラムダエース”(VM−2000)を用いて決められた点196ポイント測定し、各々の点での研磨速度を計算し、その平均値を研磨速度とした。
【0040】
平坦化特性の評価
まず、以下の手順でグローバル段差評価用テストウェハを準備した。
グローバル段差評価用テストウェハ:酸化膜付き4インチシリコンウェハ(酸化膜厚:2μm)に10mm角のダイを配置する。フォトレジストを使用してマスク露光をおこない、RIEによって10mm角のダイの中に20μm幅、高さ0.7μmのラインと230μmのスペースで左半分にラインアンドスペースで配置し、230μm幅、高さ0.7μmのラインを20μのスペースで右半分にラインアンドスペースで配置する。
【0041】
次に、直径38cmの円形の研磨層を作製し、表面に幅2.0mm、深さ0.5mm、ピッチ15mmのいわゆるX−Yグルーブ加工(格子状溝加工)を施した。この研磨パッドを研磨機(ラップマスターSFT社製、L/M―15E)の定盤にクッション層として、ロデール社製”Suba400”を貼り、その上に両面接着テープ(3M社製、”442J”)で貼り付けた。旭ダイヤモンド工業(株)のコンディショナー(”CMP−M”、直径14.2cm)を用い、押しつけ圧力0.04MPa、定盤回転数25rpm、コンディショナー回転数25rpmで同方向に回転させ、純水を10ml/minで供給しながら5分間研磨パッドのコンディショニングを行った。研磨機に純水を100ml/min流しながら研磨パッド上を2分間洗浄し次に、グローバル段差評価用テストウェハを研磨機に設置し、説明書記載使用濃度のキャボット社製スラリー(”SC−1”)を100ml/minで研磨パッド上に供給しながら、押しつけ圧力0.04MPa、定盤回転数45rpm(ウェハの中心での線速度は3000(cm/分))、半導体ウェハ保持試料台を回転数45rpmで同方向に回転させ、所定時間研磨を実施した。半導体ウェハ表面を乾かさないようにし、すぐさま純水をかけながら、ポリビニルアルコールスポンジでウェハ表面を洗浄し、乾燥圧縮空気を吹き付けて乾燥した。グローバル段差評価用テストウェハのセンタ10mmダイ中の20μmラインと230μラインの酸化膜厚みを大日本スクリーン社製ラムダエース(”VM−2000”)を用いて測定し、それぞれの厚みの差をグローバル段差として評価した。研磨層の加工形態については、その他形状のものも上記と同様の手順で行った。20μm幅配線領域と230μm幅配線領域のグローバル段差は研磨時間は5分で450nm以下であれば合格とした。
【0042】
実施例1
2液系ポリウレタン樹脂KC−384(日本ポリウレタン(株)製 )71重量%とKN−590(日本ポリウレタン(株)製 )29重量%を混練し、脱泡した後50cm幅のポリエチレン板に挟み厚さ1.2mmに成形した。このウレタンの表面D硬度は78であった。この2液系ウレタン樹脂を85重量%になるように、80℃で1時間真空乾燥した粉末濾紙(日本製紙(株)製、”KCフロック”、400メッシュ)15重量%を吸湿せしめて混合し、脱泡した後50cm幅のポリエチレン板に挟み厚さ1.2mmに成形し、研磨パッドを作成した。粉末濾紙1gあたり約2mgの水が含まれていたため、ポリウレタン原料のイソシアネート基と反応し炭酸ガスが発生した。そのため、研磨パッド中には平均径が数十μm程度の多数の独立気泡が見られた。得られた研磨パッドでD硬度、吸水率、ダスト付着量、研磨速度、平坦化特性を測定した。その結果、D硬度67度、吸水率9%、ダスト数8個、研磨速度116nm/min、平坦化特性は段差420nmで平坦性も良好であった。
【0043】
実施例2
実施例1で使用した2液系ポリウレタン樹脂を99重量%になるように、80℃で1時間真空乾燥した粉末濾紙(日本製紙(株)製、”KCフロック”、400メッシュ)1重量%を吸湿せしめて混合し、脱泡した後50cm幅のポリエチレン板に挟み厚さ1.2mmに成形し、研磨パッドを作成した。粉末濾紙1gあたり約2mgの水が含まれていたため、ポリウレタン原料のイソシアネート基と反応し炭酸ガスが発生した。そのため、研磨パッド中には平均径が数十μm程度の多数の独立気泡が見られた。得られた研磨パッドでD硬度、吸水率、ダスト付着量、研磨速度、平坦化特性を測定した。その結果、D硬度73度、吸水率2.1%、ダスト数26個、研磨速度102nm/min、平坦化特性は段差410nmで平坦性も良好であった。
【0044】
実施例3
実施例1で使用した2液系ポリウレタン樹脂を50重量%になるように、80℃で1時間真空乾燥した粉末濾紙(日本製紙(株)製、”KCフロック”、400メッシュ)50重量%を吸湿せしめて混合し、脱泡した後50cm幅のポリエチレン板に挟み厚さ1.2mmに成形し、研磨パッドを作成した。粉末濾紙1gあたり約2mgの水が含まれていたため、ポリウレタン原料のイソシアネート基と反応し炭酸ガスが発生した。そのため、研磨パッド中には平均径が数十μm程度の多数の独立気泡が見られた。 得られた研磨パッドでD硬度、吸水率、ダスト付着量、研磨速度、平坦化特性を測定した。その結果、D硬度61度、吸水率18.6%、ダスト数11個、研磨速度120nm/min、平坦化特性は段差450nmで平坦性も良好であった。
【0045】
比較例1
市販の発泡ウレタンからなる研磨パッド(ロデール社、”IC−1000”)を38cm径に加工し、研磨パッドを作成した。得られた研磨パッドで吸水率、ダスト付着量、研磨速度、平坦化特性を測定した。その結果、D硬度56度、吸水率2.0%、ダスト数18個、研磨速度100nm/min、平坦化特性は段差500nmで平坦性は不良であった。
【0046】
比較例2
実施例1で使用した2液系ポリウレタン樹脂を混練し、脱泡した後50cm幅のポリエチレン板に挟み厚さ1.2mmに成形し、研磨パッドを作成した。ポリウレタンマトリックス中には気泡は見られなかった。 得られた研磨パッドで吸水率、ダスト付着量、研磨速度、平坦化特性を測定した。その結果、D硬度78度、吸水率1.5%、ダスト数158個、研磨速度50nm/min、平坦化特性は段差450nmで平坦性は良好であった。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、硬度の高いポリウレタン樹脂をマトリックスとして使用するので、高い平坦性が得られる。また、含水性のフィラーを分散させることにより、マトリックスとなるポリウレタンが発泡体構造をとるので、被研磨物表面へのダストの付着性を少なくすることができる。
Claims (9)
- マトリクス樹脂中に含水性のフィラー0.1〜50重量%が分散されてなり、表面D硬度が60度以上かつ発泡体構造を有していることを特徴とする研磨パッド。
- 前記マトリクス樹脂がポリウレタン樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の研磨パッド。
- 吸水率が2.0重量%より大きいことを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
- 発泡体構造がマトリクス樹脂によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
- 発泡体構造が独立気泡であることを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
- 水分と反応して気泡を生じるモノマーあるいはプレポリマーと含水した含水性フィラー0.1〜50重量%の混合物とを前記モノマーあるいはプレポリマーを重合しつつフィラーの含有する水分と反応せしめて発泡構造を形成した研磨パッドであって、表面D硬度として60度以上であることを特徴とする研磨パッドの製造方法。
- 水分と反応して気泡を生じるモノマーあるいはプレポリマーが少なくともイソシアネート基を含むものである請求項6記載の研磨パッドの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の研磨パッド又は請求項6若しくは7記載の製造方法によって得た研磨パッドを用いて研磨を行う研磨装置。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の研磨パッド又は請求項6若しくは7記載の製造方法によって得た研磨パッドを用いることを特徴とする半導体基板の研磨方法。
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-
2002
- 2002-06-13 JP JP2002172427A patent/JP2004022632A/ja active Pending
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