JP2004022426A - フレキシブルフラットケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】フレキシブルフラットケーブルを複数の層に折り重ねた状態でワイヤハーネスとして使用できるように。
【解決手段】フレキシブルフラットケーブル10を長さ方向を折り目13a、13bとして複数層に折り重ねる。そして折り目13a、13bにて区割りされた複数のフラットケーブル層10a、10b、10cの各端部を接続部14a、14b、14cとし、この接続部の先端から折り目13a、13bに沿って切り込み部15a、15bを形成する。これにより、各フラットケーブル層10a、10b、10cが折り重ねられた状態で各接続部14a、14b、14cが切り込み部15a、15bに沿って分離可能できるようにし、各接続部への端末処理操作を容易にしている。
【選択図】 図1
【解決手段】フレキシブルフラットケーブル10を長さ方向を折り目13a、13bとして複数層に折り重ねる。そして折り目13a、13bにて区割りされた複数のフラットケーブル層10a、10b、10cの各端部を接続部14a、14b、14cとし、この接続部の先端から折り目13a、13bに沿って切り込み部15a、15bを形成する。これにより、各フラットケーブル層10a、10b、10cが折り重ねられた状態で各接続部14a、14b、14cが切り込み部15a、15bに沿って分離可能できるようにし、各接続部への端末処理操作を容易にしている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はフレキシブルフラットケーブルに関し、詳しくは狭小スペース内での配索に適したものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に自動車用のワイヤハーネスは、図8(A)に示すように、複数の電線を断面円形に束ねた電線束Wから構成され、車体の所要経路に沿って配索される。しかしながら、車両の小型化に伴いワイヤハーネスの配索スペースが狭小化され、図9に示すように、電線束Wの外径H1よりも狭い高さスペースH2の通路Aにワイヤハーネスを配索する場合、従来の電線束Wによるものでは通路Aを通して配索することができない。
このような場合、図8(B)に示すように、複数の帯状の銅箔からなる導体部2を間隔をあけて配置し、この導体部2の両面を絶縁樹脂フィルム3で被覆してなるフレキシブルフラットケーブル1からなるワイヤハーネスの利用が考えられる。しかしながら、フレキシブルフラットケーブル1の高さ寸法H3は通路Aの高さスペースH2よりも充分に薄く設定できるが、電線束Wと同じ本数の導体部2を横並びに配置すると幅寸法W3が通路Aの幅スペースW2よりも大きくなって配索できなくなる場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このため、図8(C)に示すように、独立したフレキシブルフラットケーブル1a、1b、1cを接着剤で貼り合わせた多層のフレキシブルフラットケーブル5を幅スペースW2よりも幅狭に設計することで、通路Aを通しての配策が可能となる。
しかしながら、多層のフレキシブルフラットケーブル5を使う場合は、上下層1a、1cは絶縁フィルム3の一部を剥離して導体部2を直接露出させる等して、相手側部材との接続用のコネクタと接続が可能であるが、中間層1bの接続が不可能である。
このため、図10に示すように、上下の層1a、1cに対し中間層1bの端末を延出して並設するためのスルーホール4が必要となり構造が複雑化すると共に幅広となる等の問題があった。
【0004】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、フレキシブルフラットケーブルを複数の層に折り重ねた状態でも端末の構造の複雑化等を招くことなく接続部の処理を可能とすることを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、複数の帯状の銅箔からなる導体部を間隔をあけて配置し、該導体部の両面を絶縁樹脂フィルムで被覆してなるフレキシブルフラットケーブルであって、該フレキシブルフラットケーブルを長さ方向を折り目として複数層に折り重ねてなるものにおいて、
上記折り目にて区割りされた複数のフラットケーブル層の各端部を接続部とし、該接続部の先端から上記折り目に沿って切り込み部を形成し、上記各フラットケーブル層が折り重ねられた状態で上記各接続部が上記切り込み部に沿って分離可能としていることを特徴とするフレキシブルフラットケーブルを提供している。
【0006】
上記構成によれば、フレキシブルフラットケーブルを多層に折り重ねたので、幅および厚さ方向の寸法を小さくすることができ、狭小スペースへのワイヤハーネスの配索にも問題なく対応することができる。また、相手側部材と接続するための各フラットケーブル層端部の接続部は、折り目に沿って形成された切り込み部によって各層毎に自由に分離可能となっているため、接続部への端子接続や絶縁被覆の剥離による導体部の露出処理も容易に行うことができる。このため、中間層の接続部を上下の層へ導入するためのスルーホールも必要としない。
なお、具体的には、フレキシブルフラットケーブルを折り重ねるための折り目部分に相当する部位には、導体部を配置しない設定としている。これにより、折り目を中心とする折り重ね操作を容易に行うことができる。
【0007】
また、折り重ねられた上記各フラットケーブル層の各層の対向面間には接着層を有する粘着テープが介在され、該粘着テープにより各層のフラットケーブルが折り重ね状態で固定するのが好ましい。
このようにすれば、多層構造からなるフレキシブルフラットケーブルの形態を整えることができ、各フラットケーブル層が分離することなく所要形態のワイヤハーネスとして容易に取り扱うことができる。
【0008】
また、上記各フラットケーブル層の各接続部は、相手側接続部材との接続位置に対応して先端長さが異なる寸法に設定してもよい。
このように設定すれば、各層のフラットケーブルの接続部が切り込み部によって分離可能となることと相乗して、電線束によるワイヤハーネスと同様に、それぞれの接続部を任意の方向および長さに分岐して相手側部材に接続させることができる。
【0009】
更に、上記フレキシブルフラットケーブルの導体部は信号線として利用される信号線用導体部と、アース用として利用されるグランド用導体部とからなり、上記各フラットケーブル層が折り重ねられた状態で上記各信号線用導体部が上記グランド用導体部で囲まれた状態となるようにしてもよい。
このように構成すれば、特定の信号線用導体部の周囲を取り巻くグランド用導体部をシールド線として作用させることができる。
【0010】
上記フラットケーブル層を折り重ねて構成したフレキシブルフラットケーブルに対し、同様に折り重ねて構成した他のフレキシブルフラットケーブルを重ね合わせると共に、この重ね合わせ面に上記接着テープを介在して複数のフレキシブルフラットケーブル同士を接着一体化するようにしてもよい。
このようにすれば、単体のフレキシブルフラットケーブルで折り重ねて多層構造としたものに、更に別体の多層フレキシブルフラットケーブルを重ね合わせるようにしているので、種々の組み合わせからなるワイヤハーネスの配線構造を提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3は第1実施形態を示し、フレキシブルフラットケーブル10は図1(A)に示すように、複数の帯状の銅箔からなる導体部11を間隔をあけて平行に配置し、この導体部11の両面を絶縁樹脂フィルム12a、12bで被覆している。
【0012】
このフレキシブルフラットケーブル10は、配索個所の通路の幅内を挿通可能とするため、所要幅毎に長さ方向に折り目13a、13bを設定し、この折り目13a、13bに沿って、図1(C)に示すように折り重ね可能としている。折り目13a、13bの設定された位置には、フレキシブルフラットケーブル10を折り曲げ易くするため、導体部11を配置しない設定としている。
フレキシブルフラットケーブル10は、折り目13a、13bを基準として区割りされる複数の領域をそれぞれフラットケーブル層10a、10b、10cとし、各フラットケーブル層10a、10b、10cが層別に折り重ねられるようにしている。
【0013】
各フラットケーブル層10a、10b、10cの端部は、相手側部材に電気的に接続するための接続部14a、14b、14cとされている。この接続部14a、14b、14cの先端から各折り目13a、13bに沿って切り込み部15a、15bを形成し、フレキシブルフラットケーブル10の折り重ね状態において、各フラットケーブル層10a、10b、10cの接続部14a、14b、14cが独立して屈曲することで分離可能としている。切り込み部15a、15bの切り込み深さは、各接続部14a、14b、14cが相手側部材に接続する際の操作に支障を来たさない充分な深さとしている。なお、図1(A)では、接続部14a、14b、14cの先端方を接続のための前処理として、絶縁樹脂フィルム12aを剥離した状態を示している。
【0014】
また、図1(C)のようにフレキシブルフラットケーブル10を蛇腹状に3層に折り重ねたとき、各フラットケーブル層10a、10b、10cが重合状態で固定できるように、各層の分離可能な対向面間に接着層16aを有する粘着テープ16を介在している。粘着テープ16としては、具体的には両面テープを用い、図1(A)に示すように、所要位置に沿って折り重ね時に対向する面の一方に貼り付け、折り重ね前においては他方の接着層16aに剥離紙16bを残した状態としている。そして、折り重ね操作時には、剥離紙16bを剥がして対向面に接着させるようにしている。
【0015】
図2は、フレキシブルフラットケーブル10を3層に折り重ねて粘着テープ16により固定した状態の斜視図を示し、各フラットケーブル層10a、10b、10c先端の接続部14a、14b、14cは、切り込み部15a、15bに沿って任意の方向に分離可能とされている。そして、各接続部14a、14b、14cには、相手側部材との電気的接続処理のため、例えば図3(A)に示すように、絶縁樹脂フィルム12a、12bを剥離して導体部11を露出させ、この導体部11に対して溶接用の端子金具17を溶接してコネクタ18aへ挿入している。または、図3(B)に示すように、各接続部14a、14b、14cの導体部11を露出させることなく、圧着用の端子金具19を突き刺して導体部11と接続させ、この端子金具19をコネクタ18b内へ挿入するようにしている。なお、接続部14a、14b、14cの先端方にはコネクタ18、19への挿入を容易にするため、スリットSを形成して各導体11毎に分離可能としてもよい。
【0016】
図4(A)(B)は第2実施形態のフレキシブルフラットケーブル20を示し、折り重ねるべき各フラットケーブル層20a、20b、20c、20dの各接続部24a、24b、24c、24dは、これらを接続すべき相手側接続部材との接続位置に対応して先端長さを異なる寸法に設定している。これにより、各フラットケーブル層20a、20b、20c、20dが折り重ねられた状態において、各接続部24a、24b、24c、24dは、その先端長さ位置に応じた位置で切り込み部25a、25b、25cに沿って所要方向に分岐させることができる。なお、その他の構成は第1実施形態と同様のため、同一符号を付してその説明を省略する。
【0017】
図5(A)(B)は第3実施形態のフレキシブルフラットケーブル30を示し、銅箔により形成される導体部を目的に応じて、シールド処理を必要とする信号線用導体部31aとアース用として用いられるグランド用導体部31bとに分けた設定としている。そして、フレキシブルフラットケーブル30を巻き込み状に折り重ねたとき、中間の層に配置されるフラットケーブル層30aに信号線用導体部31aが配置されるようにすると共に、この信号線用導体部31aの両側にグランド用導体部31b−1、31b−2を配置している。更に、このフラットケーブル層30aの上下に配置されるフラットケーブル層30b、30cには、信号線用導体部31aの両側に配置されたグランド用導体部31b−1、31b−2間に渉って対向するように幅広のグランド用導体部31b−3、31b−4を配置している。
【0018】
これにより、中間層に配置された信号線用導体部31aの周囲をグランド用導体部31b−1、31b−2、31b−3、31b−4で囲むようにしてシールド線として機能させるようにしている。このように、第2実施形態では、単体のフレキシブルフラットケーブル30でシールド線を簡単に構成することができるため、一般のシールド線よりコスト安とすることができると共に、狭小スペースの配索に適した薄厚のワイヤハーネスを提供することができる。フレキシブルフラットケーブル30は、第1実施形態のように蛇腹状に折り重ねて使用することもできるが、この場合は、中間層となるフラットケーブル層30bに信号線用導体部31aを配置し、上下となるフラットケーブル層30a、30cに幅広のグランド用導体部31b−3、31b−4を配置する。
なお、その他の構成は第1実施形態と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
【0019】
図6は第4実施形態のフレキシブルフラットケーブル40を示し、上記第1乃至第3実施形態のようにして折り重ね形成したフレキシブルフラットケーブル40a、40b、40cを、更に複数重ね合わせて構成したものである。そして、重ね合わせる対向面間に接着テープ46を介在して各フレキシブルフラットケーブル40a、40b、40cを重ね合わせ状態で一体化して固定するようにしている。なお、その他の構成は第1実施形態と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
このようにすれば、任意の回路構成からなるフレキシブルフラットケーブル40a、40b、40cを組み合わせることによって、多様な多層構造のワイヤハーネスを構成することができる。
【0020】
なお、上記各実施形態においては、図7(A)(B)に示すように、フレキシブルフラットケーブル10、20、30、40を折り重ねる態様として蛇腹状、巻き込み状のものを示したが、いずれを選択しても、またこれらを組み合わせてもよく、更に、折り重ねる層の数も2層、3層、4層と任意に設定することができる。ただし、第3実施形態のようにシールド線として利用する場合は、3層以上とするのが好ましい。
【0021】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明のフレキシブルフラットケーブルによれば、電線束では配索できないような狭小スペースへのワイヤハーネスの配索を可能とすることができる。また、フレキシブルフラットケーブルを折り重ねて構成しているので、幅方向に狭いスペースにも対応することができる。しかも、先端の接続部は切り込み部により分離可能とされているので、端子金具等の接続部材の取り付け処理を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフレキシブルフラットケーブルの第1実施形態を示し、(A)は平面図、(B)は部分拡大断面図、(C)は折り重ねた状態を示す図である。
【図2】フラットケーブル層を折り重ねた状態で接続部を分離させた状態を示す斜視図である。
【図3】(A)(B)は接続部に端子金具およびコネクタを接続する状態を示す図である。
【図4】(A)(B)は第2実施形態を示す図である。
【図5】(A)(B)は第3実施形態を示す図である。
【図6】第4実施形態を示す図である。
【図7】(A)(B)はフレキシブルフラットケーブルの折り重ねの態様を示す図である。
【図8】(A)乃至(C)は従来例を示す図である。
【図9】ワイヤハーネスの配索部位を示す図である。
【図10】従来例を示す図である。
【符号の説明】
10、20,30、40、40a、40b、40c フレキシブルフラットケーブル
10a、10b、10c、20a、20b、20c、20d、30a、30b、30c フラットケーブル層
11 導体部
12a、12b 絶縁樹脂フィルム
13a、13b 折り目
14a、14b、14c、24a、24b、24c、24d 接続部
15a、15b、25a、25b、25c 切り込み部
16、46 粘着テープ
31a信号線用導体部
31b−1、31b−2、31b−3、31b−4 グランド用導体部
【発明の属する技術分野】
本発明はフレキシブルフラットケーブルに関し、詳しくは狭小スペース内での配索に適したものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に自動車用のワイヤハーネスは、図8(A)に示すように、複数の電線を断面円形に束ねた電線束Wから構成され、車体の所要経路に沿って配索される。しかしながら、車両の小型化に伴いワイヤハーネスの配索スペースが狭小化され、図9に示すように、電線束Wの外径H1よりも狭い高さスペースH2の通路Aにワイヤハーネスを配索する場合、従来の電線束Wによるものでは通路Aを通して配索することができない。
このような場合、図8(B)に示すように、複数の帯状の銅箔からなる導体部2を間隔をあけて配置し、この導体部2の両面を絶縁樹脂フィルム3で被覆してなるフレキシブルフラットケーブル1からなるワイヤハーネスの利用が考えられる。しかしながら、フレキシブルフラットケーブル1の高さ寸法H3は通路Aの高さスペースH2よりも充分に薄く設定できるが、電線束Wと同じ本数の導体部2を横並びに配置すると幅寸法W3が通路Aの幅スペースW2よりも大きくなって配索できなくなる場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このため、図8(C)に示すように、独立したフレキシブルフラットケーブル1a、1b、1cを接着剤で貼り合わせた多層のフレキシブルフラットケーブル5を幅スペースW2よりも幅狭に設計することで、通路Aを通しての配策が可能となる。
しかしながら、多層のフレキシブルフラットケーブル5を使う場合は、上下層1a、1cは絶縁フィルム3の一部を剥離して導体部2を直接露出させる等して、相手側部材との接続用のコネクタと接続が可能であるが、中間層1bの接続が不可能である。
このため、図10に示すように、上下の層1a、1cに対し中間層1bの端末を延出して並設するためのスルーホール4が必要となり構造が複雑化すると共に幅広となる等の問題があった。
【0004】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、フレキシブルフラットケーブルを複数の層に折り重ねた状態でも端末の構造の複雑化等を招くことなく接続部の処理を可能とすることを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、複数の帯状の銅箔からなる導体部を間隔をあけて配置し、該導体部の両面を絶縁樹脂フィルムで被覆してなるフレキシブルフラットケーブルであって、該フレキシブルフラットケーブルを長さ方向を折り目として複数層に折り重ねてなるものにおいて、
上記折り目にて区割りされた複数のフラットケーブル層の各端部を接続部とし、該接続部の先端から上記折り目に沿って切り込み部を形成し、上記各フラットケーブル層が折り重ねられた状態で上記各接続部が上記切り込み部に沿って分離可能としていることを特徴とするフレキシブルフラットケーブルを提供している。
【0006】
上記構成によれば、フレキシブルフラットケーブルを多層に折り重ねたので、幅および厚さ方向の寸法を小さくすることができ、狭小スペースへのワイヤハーネスの配索にも問題なく対応することができる。また、相手側部材と接続するための各フラットケーブル層端部の接続部は、折り目に沿って形成された切り込み部によって各層毎に自由に分離可能となっているため、接続部への端子接続や絶縁被覆の剥離による導体部の露出処理も容易に行うことができる。このため、中間層の接続部を上下の層へ導入するためのスルーホールも必要としない。
なお、具体的には、フレキシブルフラットケーブルを折り重ねるための折り目部分に相当する部位には、導体部を配置しない設定としている。これにより、折り目を中心とする折り重ね操作を容易に行うことができる。
【0007】
また、折り重ねられた上記各フラットケーブル層の各層の対向面間には接着層を有する粘着テープが介在され、該粘着テープにより各層のフラットケーブルが折り重ね状態で固定するのが好ましい。
このようにすれば、多層構造からなるフレキシブルフラットケーブルの形態を整えることができ、各フラットケーブル層が分離することなく所要形態のワイヤハーネスとして容易に取り扱うことができる。
【0008】
また、上記各フラットケーブル層の各接続部は、相手側接続部材との接続位置に対応して先端長さが異なる寸法に設定してもよい。
このように設定すれば、各層のフラットケーブルの接続部が切り込み部によって分離可能となることと相乗して、電線束によるワイヤハーネスと同様に、それぞれの接続部を任意の方向および長さに分岐して相手側部材に接続させることができる。
【0009】
更に、上記フレキシブルフラットケーブルの導体部は信号線として利用される信号線用導体部と、アース用として利用されるグランド用導体部とからなり、上記各フラットケーブル層が折り重ねられた状態で上記各信号線用導体部が上記グランド用導体部で囲まれた状態となるようにしてもよい。
このように構成すれば、特定の信号線用導体部の周囲を取り巻くグランド用導体部をシールド線として作用させることができる。
【0010】
上記フラットケーブル層を折り重ねて構成したフレキシブルフラットケーブルに対し、同様に折り重ねて構成した他のフレキシブルフラットケーブルを重ね合わせると共に、この重ね合わせ面に上記接着テープを介在して複数のフレキシブルフラットケーブル同士を接着一体化するようにしてもよい。
このようにすれば、単体のフレキシブルフラットケーブルで折り重ねて多層構造としたものに、更に別体の多層フレキシブルフラットケーブルを重ね合わせるようにしているので、種々の組み合わせからなるワイヤハーネスの配線構造を提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3は第1実施形態を示し、フレキシブルフラットケーブル10は図1(A)に示すように、複数の帯状の銅箔からなる導体部11を間隔をあけて平行に配置し、この導体部11の両面を絶縁樹脂フィルム12a、12bで被覆している。
【0012】
このフレキシブルフラットケーブル10は、配索個所の通路の幅内を挿通可能とするため、所要幅毎に長さ方向に折り目13a、13bを設定し、この折り目13a、13bに沿って、図1(C)に示すように折り重ね可能としている。折り目13a、13bの設定された位置には、フレキシブルフラットケーブル10を折り曲げ易くするため、導体部11を配置しない設定としている。
フレキシブルフラットケーブル10は、折り目13a、13bを基準として区割りされる複数の領域をそれぞれフラットケーブル層10a、10b、10cとし、各フラットケーブル層10a、10b、10cが層別に折り重ねられるようにしている。
【0013】
各フラットケーブル層10a、10b、10cの端部は、相手側部材に電気的に接続するための接続部14a、14b、14cとされている。この接続部14a、14b、14cの先端から各折り目13a、13bに沿って切り込み部15a、15bを形成し、フレキシブルフラットケーブル10の折り重ね状態において、各フラットケーブル層10a、10b、10cの接続部14a、14b、14cが独立して屈曲することで分離可能としている。切り込み部15a、15bの切り込み深さは、各接続部14a、14b、14cが相手側部材に接続する際の操作に支障を来たさない充分な深さとしている。なお、図1(A)では、接続部14a、14b、14cの先端方を接続のための前処理として、絶縁樹脂フィルム12aを剥離した状態を示している。
【0014】
また、図1(C)のようにフレキシブルフラットケーブル10を蛇腹状に3層に折り重ねたとき、各フラットケーブル層10a、10b、10cが重合状態で固定できるように、各層の分離可能な対向面間に接着層16aを有する粘着テープ16を介在している。粘着テープ16としては、具体的には両面テープを用い、図1(A)に示すように、所要位置に沿って折り重ね時に対向する面の一方に貼り付け、折り重ね前においては他方の接着層16aに剥離紙16bを残した状態としている。そして、折り重ね操作時には、剥離紙16bを剥がして対向面に接着させるようにしている。
【0015】
図2は、フレキシブルフラットケーブル10を3層に折り重ねて粘着テープ16により固定した状態の斜視図を示し、各フラットケーブル層10a、10b、10c先端の接続部14a、14b、14cは、切り込み部15a、15bに沿って任意の方向に分離可能とされている。そして、各接続部14a、14b、14cには、相手側部材との電気的接続処理のため、例えば図3(A)に示すように、絶縁樹脂フィルム12a、12bを剥離して導体部11を露出させ、この導体部11に対して溶接用の端子金具17を溶接してコネクタ18aへ挿入している。または、図3(B)に示すように、各接続部14a、14b、14cの導体部11を露出させることなく、圧着用の端子金具19を突き刺して導体部11と接続させ、この端子金具19をコネクタ18b内へ挿入するようにしている。なお、接続部14a、14b、14cの先端方にはコネクタ18、19への挿入を容易にするため、スリットSを形成して各導体11毎に分離可能としてもよい。
【0016】
図4(A)(B)は第2実施形態のフレキシブルフラットケーブル20を示し、折り重ねるべき各フラットケーブル層20a、20b、20c、20dの各接続部24a、24b、24c、24dは、これらを接続すべき相手側接続部材との接続位置に対応して先端長さを異なる寸法に設定している。これにより、各フラットケーブル層20a、20b、20c、20dが折り重ねられた状態において、各接続部24a、24b、24c、24dは、その先端長さ位置に応じた位置で切り込み部25a、25b、25cに沿って所要方向に分岐させることができる。なお、その他の構成は第1実施形態と同様のため、同一符号を付してその説明を省略する。
【0017】
図5(A)(B)は第3実施形態のフレキシブルフラットケーブル30を示し、銅箔により形成される導体部を目的に応じて、シールド処理を必要とする信号線用導体部31aとアース用として用いられるグランド用導体部31bとに分けた設定としている。そして、フレキシブルフラットケーブル30を巻き込み状に折り重ねたとき、中間の層に配置されるフラットケーブル層30aに信号線用導体部31aが配置されるようにすると共に、この信号線用導体部31aの両側にグランド用導体部31b−1、31b−2を配置している。更に、このフラットケーブル層30aの上下に配置されるフラットケーブル層30b、30cには、信号線用導体部31aの両側に配置されたグランド用導体部31b−1、31b−2間に渉って対向するように幅広のグランド用導体部31b−3、31b−4を配置している。
【0018】
これにより、中間層に配置された信号線用導体部31aの周囲をグランド用導体部31b−1、31b−2、31b−3、31b−4で囲むようにしてシールド線として機能させるようにしている。このように、第2実施形態では、単体のフレキシブルフラットケーブル30でシールド線を簡単に構成することができるため、一般のシールド線よりコスト安とすることができると共に、狭小スペースの配索に適した薄厚のワイヤハーネスを提供することができる。フレキシブルフラットケーブル30は、第1実施形態のように蛇腹状に折り重ねて使用することもできるが、この場合は、中間層となるフラットケーブル層30bに信号線用導体部31aを配置し、上下となるフラットケーブル層30a、30cに幅広のグランド用導体部31b−3、31b−4を配置する。
なお、その他の構成は第1実施形態と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
【0019】
図6は第4実施形態のフレキシブルフラットケーブル40を示し、上記第1乃至第3実施形態のようにして折り重ね形成したフレキシブルフラットケーブル40a、40b、40cを、更に複数重ね合わせて構成したものである。そして、重ね合わせる対向面間に接着テープ46を介在して各フレキシブルフラットケーブル40a、40b、40cを重ね合わせ状態で一体化して固定するようにしている。なお、その他の構成は第1実施形態と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
このようにすれば、任意の回路構成からなるフレキシブルフラットケーブル40a、40b、40cを組み合わせることによって、多様な多層構造のワイヤハーネスを構成することができる。
【0020】
なお、上記各実施形態においては、図7(A)(B)に示すように、フレキシブルフラットケーブル10、20、30、40を折り重ねる態様として蛇腹状、巻き込み状のものを示したが、いずれを選択しても、またこれらを組み合わせてもよく、更に、折り重ねる層の数も2層、3層、4層と任意に設定することができる。ただし、第3実施形態のようにシールド線として利用する場合は、3層以上とするのが好ましい。
【0021】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明のフレキシブルフラットケーブルによれば、電線束では配索できないような狭小スペースへのワイヤハーネスの配索を可能とすることができる。また、フレキシブルフラットケーブルを折り重ねて構成しているので、幅方向に狭いスペースにも対応することができる。しかも、先端の接続部は切り込み部により分離可能とされているので、端子金具等の接続部材の取り付け処理を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフレキシブルフラットケーブルの第1実施形態を示し、(A)は平面図、(B)は部分拡大断面図、(C)は折り重ねた状態を示す図である。
【図2】フラットケーブル層を折り重ねた状態で接続部を分離させた状態を示す斜視図である。
【図3】(A)(B)は接続部に端子金具およびコネクタを接続する状態を示す図である。
【図4】(A)(B)は第2実施形態を示す図である。
【図5】(A)(B)は第3実施形態を示す図である。
【図6】第4実施形態を示す図である。
【図7】(A)(B)はフレキシブルフラットケーブルの折り重ねの態様を示す図である。
【図8】(A)乃至(C)は従来例を示す図である。
【図9】ワイヤハーネスの配索部位を示す図である。
【図10】従来例を示す図である。
【符号の説明】
10、20,30、40、40a、40b、40c フレキシブルフラットケーブル
10a、10b、10c、20a、20b、20c、20d、30a、30b、30c フラットケーブル層
11 導体部
12a、12b 絶縁樹脂フィルム
13a、13b 折り目
14a、14b、14c、24a、24b、24c、24d 接続部
15a、15b、25a、25b、25c 切り込み部
16、46 粘着テープ
31a信号線用導体部
31b−1、31b−2、31b−3、31b−4 グランド用導体部
Claims (5)
- 複数の帯状の銅箔からなる導体部を間隔をあけて配置し、該導体部の両面を絶縁樹脂フィルムで被覆してなるフレキシブルフラットケーブルであって、該フレキシブルフラットケーブルを長さ方向を折り目として複数層に折り重ねてなるものにおいて、
上記折り目にて区割りされた複数のフラットケーブル層の各端部を接続部とし、該接続部の先端から上記折り目に沿って切り込み部を形成し、上記各フラットケーブル層が折り重ねられた状態で上記各接続部が上記切り込み部に沿って分離可能としていることを特徴とするフレキシブルフラットケーブル。 - 折り重ねられた上記各フラットケーブル層の各層の対向面間には接着層を有する粘着テープが介在され、該粘着テープにより各層のフラットケーブルが折り重ね状態で固定されている請求項1に記載のフレキシブルフラットケーブル。
- 上記各フラットケーブル層の各接続部は、相手側接続部材との接続位置に対応して先端長さが異なる寸法に設定されている請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のフレキシブルフラットケーブル。
- 上記フレキシブルフラットケーブルの導体部は信号線として利用される信号線用導体部と、アース用として利用されるグランド用導体部とからなり、上記各フラットケーブル層が折り重ねられた状態で上記各信号線用導体部が上記グランド用導体部で囲まれた状態となるようにしている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のフレキシブルフラットケーブル。
- 上記フラットケーブル層を折り重ねて構成したフレキシブルフラットケーブルに対し、同様に折り重ねて構成した他のフレキシブルフラットケーブルを重ね合わせると共に、この重ね合わせ面に上記接着テープを介在して複数のフレキシブルフラットケーブル同士を接着一体化している請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のフレキシブルフラットケーブル。
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-
2002
- 2002-06-19 JP JP2002178041A patent/JP2004022426A/ja not_active Withdrawn
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