JP2004022092A - 光情報記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

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柴田 清人
Katsunari Hanaoka
花岡 克成
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真貝 勝
Masato Harigai
針谷 眞人
Yuji Miura
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Abstract

【課題】準安定SbTe系材料を用いた相変化型光情報記録媒体において基板のチルト品質、未記録反射率、繰り返し記録特性および保存信頼性等をすべて満足しうる初期化プロセス不要な光情報記録媒体とその製造方法を提供すること。
【解決手段】SbおよびTeの他に、他元素を実質的に含まないまたは周期律表第I属及至VII属に属する元素の少なくとも1種類の元素を含む記録層と、その余の層とを有する光情報記録媒体のうち、前記光情報記録媒体にエネルギー照射して記録操作することにより、該記録層の成膜工程終了時に該記録層に存在した以上の量の前記他元素が前記その余の層から記録層中に移行して存在するようになる相変化記録媒体の製造方法において、少なくとも、その余の層として記録状態安定化材料と結晶化促進材料とを含む結晶化促進層を成膜する工程と、部分的に結晶化した記録膜を成膜する工程と、成膜終了後に記録媒体を加熱アニール処理する工程とを有することを特徴とする相変化記録媒体の製造方法。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、初期化操作が不要で基板のチルト特性と繰り返し記録特性に優れた相変化型光情報記録媒体およびその製造方法に関するものであり、相変化型情報記録媒体に応用できる。
【0002】
【従来の技術】
レーザビーム照射による情報の記録、再生および消去が可能な光情報記録媒体として、結晶状態と非晶質(アモルファス)状態の可逆的相変化を利用した、いわゆる相変化型光情報記録媒体が知られている。これらのうち、実用化レベルで広く知られている記録材料として、GeTe−SbTe擬似2元系組成を有していて、GeSbTeなどの化合物組成に代表されるGeSbTe系材料と、Sb−SbTeの2元系組成付近を主成分とし、Ag−In−Sb−Teに代表されるAgInSbTe系材料がある。前者のGeSbTe系材料はDVD−RAMとして、後者のAgInSbTe系材料はCD−RW、DVD−RWおよびDVD+RWとして実用化されている。
【0003】
さらに、近年、AgInSbTe系材料に関して、Sb−Te組成上はSb−SbTe系共晶組成近傍であって従来のAgInSbTe系材料と変わらないものの、空間群Fm3mに属する準安定SbTe相を有するという結晶構造上の新たな特徴を有するものが、高密度記録、繰り返し特性に優れたものとして開発されている(特開2000−43415号公報、以下、準安定SbTe系材料)。すなわち、準安定SbTe相を基本骨格として、特性向上の必要に応じてAg,In,Ge,Si,Sn,Cuなどの添加元素が少なくとも1種添加されたものであり、AgInSbTe,AgInSbTeGe,InSbTeGe,SbTeGeなどに代表されるものである。本発明は、上記準安定SbTe系材料を用いた相変化型光情報記録媒体およびその製造方法に関するものである。
【0004】
GeSbTe系材料と準安定SbTe系材料とを比較した場合、一見すると構成元素が同一または類似となる。例えば、準安定SbTe系材料に対する添加元素がGeである場合には、構成元素がGe,Sb,Teの3元素となって構成元素の上ではGeSbTe系材料と全く同一となる。しかしながら、実際には後述のように各元素の組成比や機能が大きく違うことなどから、物性やそれに基づく記録特性の相違点が非常に大きく、これまで根本的に異なる材料系として異なったアプローチで開発が行なわれてきた。すなわち、GeSbTe系材料と準安定SbTe系材料には以下に挙げる相違点が知られている。
【0005】
まず第一に、前者はGeTe−SbTe擬似2元系合金として、Teを50〜60原子%含むTe系材料として捉えられるのに対し、後者はSb−SbTeの2元系合金、特に共晶点(Sb−30原子%Te)近傍のSb系材料として捉えられる。Ge量に関しては、前者が実用的に10〜20原子%のGeを含み10原子%未満では記録層としての役割を果たさないのに対し、後者はGeを含む添加元素の総量が準安定SbTe相の出現を妨げないように好ましくは10原子%未満、より好ましくは8原子%程度以下でなくてはならない。すなわち、準安定SbTe系材料では10原子%以上のGeを含むことができない。
【0006】
第二に、結晶と非晶質の間の相変化において、前者はGe,Sb,Teの3元素が結晶構造の基本骨格をなし、また良好な記録再生動作にはこれら3元素が上記比率で必須であるのに対し、後者はSb,Teの2元素が結晶構造の基本骨格をなし、基本的には2元素のみで記録再生動作が可能である。後者において、記録層には周期律表第I族から第VII族に属する少なくとも1種類の元素、例えばAg,Al,In,Ge,Si,N,Sn,Cuなどを含むことができるが、これらの元素は特性改善のための添加元素として作用する。特に、Geは保存信頼性を向上させる働きがある。このように上記2材料においてGe原子の役割が全く異なる。
【0007】
第三に、溶融再結晶時(消去時)の結晶化においては、前者が非晶質マーク内で核形成が生じる均一核形成に基づくといわれているのに対して、後者は消去部(結晶部)と非晶質マークとの界面で起こる不均一核形成に基づくといわれている(例えば、ODS1999発表WA2)。このような相変化メカニズムの違いから準安定SbTe系材料は溶融・再結晶により消去を行なうが、GeSbTe系材料は固相消去である。この消去法の差ゆえに、準安定SbTe系材料は、記録のレーザビーム径を小さく絞ることにより、記録密度を際限なく高くすることが可能であるが、GeSbTe系材料ではマーク長で0.35μm程度が実用上の限界とされている。このような記録メカニズムの違いから、両材料を用いた光情報記録媒体に互換性はない。
【0008】
第四に、非晶質状態の記録層薄膜を加熱した際の結晶構造変化において、前者は面心立方格子系結晶構造、六方晶系結晶構造の順に2度の相変化を起こすのに対し、後者は1度の相変化(面心立方格子系結晶構造または菱面体晶系結晶構造のいずれか一方になる)しか起こさず、結晶学的にも温度に対する挙動が異なる。
【0009】
さて、現在実用化されている上記2相変化型光情報記録媒体では、記録層はスパッタリングなどの真空成膜法で成膜され、成膜工程直後の膜は非晶質状態(アモルファス)となっており、媒体の反射率は5%未満である。一方、製品化された光情報記録媒体の記録層の初期状態は、駆動装置側のサーボを安定かつ容易に行なうために反射率の高い結晶状態でなければならない(規格では18%以上)。このため、成膜工程終了後に100〜200μm幅のレーザビームを媒体半径方向に順次照射して記録層を結晶化させる、いわゆる初期化プロセスが必要であった。
しかしながら、上記初期化プロセスには1枚あたり30秒以上の時間が必要であるため、スループットを他工程と合わせるためには初期化装置が多数台必要となり、設備費が高くなって製造コストの上昇を招いてしまうという不都合があった。
【0010】
さらに、記録密度の高密度化や記録速度の高速化にしたがい、初期化に適したレーザ強度の許容範囲は狭くなる方向にある。初期化工程はディスクを回転させながら半導体レーザを半径方向に送ることにより行なうが、レーザニール結晶化を均一に行なうためには、同一の個所を複数回照射する速度でレーザを送る必要があり、同一個所を2〜3回照射する送り速度で行なうのが通常である。しかしながら、このような同一個所を複数回照射する方法においても、半導体レーザのディスク半径方向の強度プロファイルを厳しく管理する必要があった。例えば、DVD−RWでは初期化に適したレーザ出力の範囲が最適出力±5%未満のマージンである。初期化に適したレーザ出力の範囲は記録密度や記録速度が高くなるほど狭くなってゆく。このため、初期化用半導体レーザの強度プロファイル管理やその経時変化の管理などがより厳しく煩雑になり、安定して良品を得ることが困難になっていた。このことがさらなる製造コストの上昇要因となっていた。
【0011】
こうした状況下、従来のレーザ初期化工程を必要としない、いわゆる初期化レス光情報記録媒体の提案がなされている。その一つとして、記録層の結晶化を促進する結晶化促進層をあらかじめ記録層の直下に設けておくことにより、成膜段階で記録層を結晶化させ、初期化プロセスを不要または短時間化する方法(特許第3185890号公報)が知られている。この方法は、初期化を基本的には不要にすることができる点で注目される。
【0012】
特許第3185890号公報に記載の発明によると、Ge,Sb,Teを主成分とする材料からなる記録層を有する光情報記録媒体の製造方法において、ある一定の結晶構造からなる結晶化促進層(例えば、Sb,Bi,Sb化合物およびBi化合物の少なくともいずれか1つを含む材料などからなる層)を設け、この直上に記録層を成膜することにより成膜段階で記録層の結晶化をすることができ、これにより初期化が不要な光情報記録媒体を実現できるとされている。そして、CNR、消去比についてのみであるが、安定した記録特性が得られることが記載されている。
また、前記特許第3185890号公報の記載によれば、Ge,Sb,Teを主成分とする材料からなる記録層とは、非晶質状態から温度を上げていくと面心立方格子系結晶構造、六方晶系結晶構造の順に相変化を起こす材料であるという記述や実施例等から、いわゆるGeSbTe系材料を指すものであることは明らかである。
【0013】
したがって、以下に述べることも考え合わせると、前記特許第3185890号公報は、準安定SbTe系材料を記録層に有する光情報記録媒体の初期化工程を不要とする方法について記載されたものとは云えない。
【0014】
本発明者らの知見によると、結晶化促進層を用いる方法は結晶化促進層の材料が及ぼすメディア特性への悪影響が大きいため品質の確保がままならず、結果的に製造コストを削減できないという問題を有している。特に、保存信頼性の低下が深刻な問題となる。これは結晶化促進層が記録時に溶融して層としては存在しなくなるものの、依然として非晶質記録マーク中に何らかの形で分散して残存し、保存時に結晶化核等として働き、非晶質記録マークの結晶化を促進するためと考えられる。そのため、結晶化促進層を用いる方法においては成膜段階での結晶化を容易とするという観点からは、結晶化しやすい記録層材料を用いることが望ましいのであるが、その場合には信頼性の確保が困難となり、また逆に結晶化しにくく信頼性の高い記録材料を用いた場合には、保存信頼性の確保はできたとしても成膜段階での結晶化が困難となってしまう。すなわち、結晶化促進層を用いる方法は、成膜段階における記録材料の結晶化促進と非晶質記録マークの信頼性確保(結晶化の阻害)という相反する要件を両立しなければならないという困難性を有する。
この点に関して、前記特許第3185890号公報ではCNR、消去比について安定した記録特性の得られることが実施例として記載されているものの、保存信頼性に関しては全く記載されておらず、唯一記録層におけるGeの原子比率が10原子%未満の場合は、信頼性の点で好ましくないと言及されているのみである。
【0015】
GeSbTe系材料の場合、保存信頼性の観点からGe添加量は10原子%以上であることが好ましいわけであるが、本発明者らの知見では、準安定SbTe系材料の場合、前述のようにGe添加量は10原子%未満である必要がある。なぜならば、Geを含む添加元素の総量が10原子%以上になると準安定SbTe相の形成が困難となり、またたとえ準安定SbTe相の形成がされたとしても高密度記録が良好に行なえないという実験事実があるからである。つまり、準安定SbTe系材料において、Geの添加量は最大でも10原子%未満とならざるを得ない。これは、GeSbTe系材料ではGe自身が結晶と非晶質間で相変化を起こす際に基本骨格をなすのに対して、準安定SbTe系材料ではあくまでも添加元素として作用するに過ぎないという両材料系における根本的な相違によるものと考えられるが、いずれにせよ、上記のことから準安定SbTe系材料で結晶化促進層を用いる方法において、成膜時の結晶化と信頼性の維持との両立を図ることは非常に困難が予想される。
【0016】
このようなことから、準安定SbTe系材料で初期化不要な光情報記録媒体に最適な記録材料を見い出すには膨大な組み合わせについて検討する必要があり、多大な労力が必要とされることが予想される。
以上のような事情を鑑みた場合、特許第3185890号公報記載の発明をもとにして準安定SbTe系材料で初期化プロセスを不要とすることは容易でなく、技術の飛躍的進歩が必要である。さらに、GeSbTe系材料を前提とする特許第3185890号公報は、これらの課題を認識していて準安定SbTe系材料を意図的に排除したものか、もしくは逆にこれらの課題を全く認識してないためかの何れの理由によるものか不明であるが、その解決方法が記載されていないのは事実である。
【0017】
また、特開2001−297482号公報には、初期設定段階またはブレンディング段階を使用することなく使用されうる相変化型の再書き込み可能な光学式記録素子として記録層が2つのサブ層からなるものが記載されている。
しかし、この公報に具体的に記載されているものは実質的にSbからなるサブ層とTeInからなるサブ層の組み合わせのみであり、しかも実施例(例1)によればSbターゲットとTeIn0.37ターゲットを用いて記録ディスクを作製したところ、反射率は約7%と低く、16時間の室温保持で10.5%まで増加したと記載(段落[0035]〜[0036])されており、実用的には不充分な反射率である。加えてこの公報には、本発明の必須要件である結晶化促進層と共晶組成近傍のSbTeを主成分とする記録層とを有し、実用上充分な反射率と保存信頼性とを有する相変化記録媒体およびその製造方法については全く記載されていない。
【0018】
初期化レス光情報記録媒体の別の提案として、発明者らは「Sb,Teの他に他元素を実質的に含まない、または周期律表第I族及至VII族に属する元素の少なくとも1種類の元素を含む記録層と、その余の層とを有する光情報記録媒体において前記光記録媒体にエネルギー照射して記録操作することにより、該記録層の成膜工程終了時に該記録層中に存在した以上の量の前記他元素が前記その余の層から移行して存在するようになる相変化記録媒体」を提案している。具体的な実施態例として、「前記その余の層が,Ge,Cu,In,Bおよび/またはNからなる記録状態(アモルファス状態)安定化材料と、Sb,Biおよび/またはTeからなる結晶化促進材料とを含む結晶化促進層からなる相変化記録媒体」を開示している(特願2001−319887号明細書)。
【0019】
この中には、記録前反射率(=成膜したままの状態での反射率)が記録時に形成される溶融再結晶の反射率と比して80%以上である場合、良好な記録特性が得られることが示されている。以下、記録時に形成される溶融再結晶の反射率に対する記録前反射率の値を相対反射率と記述する。
例えば、相対反射率が70%程度の場合、溶融再結晶部反射率の記録回数依存性が大きくなり、相変化記録媒体としては使用不可能である。これは、記録回数の違いにより反射率の異なる溶融再結晶部が同一媒体内に混在し、この部分にダイレクトオーバーライトする際に、反射率差による光吸収率の違いが記録マークの溶融→急冷→アモルファス形成の熱履歴を変化させ、アモルファスマークの形状やアモルファス・結晶間の境界の反射率勾配に差を生じさせるため記録ジッターが悪くなるためである。
特に反射率変動が大きいのは、初回記録とダイレクトオーバーライト1回目であり、ダイレクトオーバーライト1回目のジッター上昇が問題となる。前記相対反射率が70%の場合、ダイレクトオーバーライト1回目の記録ジッターは10%を越えてしまい実用に適さない。相変化記録媒体として使用するには、望ましくは相対反射率が80%必要である。記録前メディアの相対反射率が80%の場合、1回目の記録により相対反射率が90%以上に上昇し、以後のダイレクトオーバーライトによる反射率変動は10%未満に抑えられる。この場合、反射率差による光吸収率の違いは記録ジッター上問題にならないレベルとなる。
【0020】
上記発明によれば、結晶化促進層中の結晶化促進材料の作用によって記録層成膜の際に記録層の結晶化を行ない、記録操作時に結晶化促進層と記録層とを混合し、結晶化促進層から記録層に導入されたアモルファス状態安定化材料によって同様に導入された結晶化促進材料の作用を補償しつつ、アモルファスマークの保存信頼性を得ることが可能となる。
【0021】
具体的には、結晶化促進層にBiGeを用いる場合、アモルファス記録マークの保存信頼性確保のため、BiGe結晶化促進層と記録層が混合した際、Bi<5原子%≦Geの量的関係を満たす必要がある。また、過度のBiは混合後にアモルファス反射率を上げ、信号の変調度を低くしてしまうため、Bi≦4原子%であることが望ましい。加えてBiとGeの総量は、準安定SbTe相の出現を妨げないように10原子%未満であることが望ましい。なお、変調度とは図1(a)でA:記録後結晶部反射率、B:アモルファスマーク反射率としたとき、(A−B)/Aで表わされる信号振幅比のことである。
【0022】
このように、結晶化促進層を用いる方法が成膜段階における記録材料の結晶化促進とアモルファス記録マークの保存信頼性との相反する要件を両立しなければならないという困難性を有することは前述した通りである.
上記のような量的制限下で、相対反射率80%以上を有する初期化レス相変化記録媒体を製造するには、結晶化促進層の作用を熱的にアシストする目的で、記録層成膜時の基板温度を基板の耐熱温度である85〜90℃を越えないように80℃以上に管理する必要があったため、これまで安定的な生産が困難で実用化に至っていなかった。すなわち、基板加熱温度の製造マージンが狭く、基板品質(チルト特性)を損なわないように、相対反射率80%以上を記録媒体全面で得るのが困難であった。なお、ここで云う基板温度は8〜13μm帯に感度を有する放射温度計により純Geの透過窓を通して測定した値である。基板の耐熱温度とは、ポリカーボネート基板に後工程の貼り合わせ工程で矯正できない著しい熱変形が生じるときの基板温度を示す。
【0023】
例えば、記録層Sb77Te23(膜厚15nm)と結晶化促進層Bi−Geを用いた場合、Biの結晶化促進作用を発現させ、かつ記録後(=結晶化促進層と記録層が混合した後)に上記量的関係を満足するためには、組成がBi40Ge60付近の結晶化促進層を1.7nm厚成膜し、記録層成膜時の基板温度(=成膜温度)を80℃以上に保持する必要があった。基板温度が80℃に満たない場合、あるいは満たない部分は相対反射率が80%未満になってしまった。このとき、蛍光X線分析法で調べた混合後の記録層の平均組成はBi3.8Ge6.0Sb69.0Te21.2であった。
【0024】
また、記録層が1原子%のGeを含むSb76Te23−Ge1(膜厚15nm)の場合は、組成がBi45Ge55付近の結晶化促進層を1.5nm成膜し、同様に記録層成膜時の基板温度を80℃以上に保持する必要があった。この系では、記録層中にアモルファス状態安定化元素Geを含み、結晶化促進層中のGe量を減らし結晶化促進材料Biの比率を上げられるため、結晶化促進層としての効果は発現しやすくなるが、記録層の結晶化転移温度が上がってアズデポで結晶化しにくくなることにより相殺され、成膜温度を下げることはできない。このときの記録層平均組成は、Bi4.0Ge5.8Sb69.2Te21.0であった。
【0025】
ここで、結晶化転移温度Tcとはスパッタ成膜されたアモルファス記録材料を10℃/minの昇温速度で加熱したときに結晶化する温度のことを云い、記録材料の結晶化のしやすさ(=アモルファスマークの不安定さ)の目安になるものである。具体的には、膜厚200nm程度の記録材料薄膜をガラス基板上に成膜し、これを機械的に粉末状に削り落としたものを示差走査熱量分析法(DSC)によって測定したものである。
【0026】
一般に、記録層中にアモルファス状態安定化元素Geを多く含むほど結晶化促進層中の結晶化促進材料Biの比率を上げられるため結晶化促進層としての効果は発現しやすくなるが、これよりも記録層の結晶化転移温度が上がってアズデポで結晶化しにくくなる効果の方が勝る(=同じ成膜温度においてアモルファスの方がより安定になる)ため、相対反射率80%以上を得るにはより高い基板温度が要求されるようになる。極端な例として、Sb72Te22−Ge6の場合、純Bi結晶化促進層を用い基板温度を80℃に保持しても相対反射率は60%程度しか得られなくなってしまう。この系で相対反射率80%以上を得るためには、成膜温度を120℃以上に上げなくてはならない。このとき、通常用いられるポリカーボネート基板は熱応力によって永久変形が残留してしまい、基板品質を満足できず、駆動装置で記録・再生ができない。
【0027】
一方、OKIらは、Jpn.J.Appl.Phys.8(1969)P.1056で、アモルファスGeと様々な金属を積層成膜した系において、これらに加熱アニールを施したとき、Geの結晶化温度(約400℃)よりも遙かに低い温度(170〜250℃)でアモルファスGeの結晶化が起こることを報告している。この報告は、光情報記録媒体における結晶化促進層/記録層の接触系とは材料系が異なるものの、金属膜/アモルファスの接触系においてある種の金属がアモルファス材料の結晶化温度を低下させうることを示唆する点で注目される。また、結晶化促進層/記録層の接触系においても、記録層の結晶化転移温度以下で記録層の結晶化が起こりうることを容易に想起させうるものである。
【0028】
そこで、本発明者らが前述のBi40Ge60/Sb77Te23の系において加熱アニールを試みたところ、記録層Sb77Te23の結晶化転移温度が124℃であるにもかかわらず、記録層がアモルファス状態で反射率数%以下の記録媒体が110℃の加熱で従来初期化品に近い反射率になった。すなわち、記録層の結晶化が起こった。
【0029】
このようにして記録層を結晶化した光情報記録媒体は、前述の相対反射率で80〜90%を有し、良好な繰り返し記録特性が期待されたが、意に反して記録ジッターが初回から10数%を越えてしまい、全く記録ができなかった。
上記のように、記録層成膜時の基板加熱あるいは記録媒体の加熱アニールでは良好な記録特性を有する初期化レス光情報記録媒体は得られていなかった。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、準安定SbTe系材料を用いた相変化型光情報記録媒体において上記のような不具合を解決し、基板のチルト品質、未記録反射率、繰り返し記録特性および保存信頼性等をすべて満足しうる初期化プロセス不要な光情報記録媒体とその製造方法を提供することにある。
【0031】
すなわち、上記課題は、本発明の(1)「SbおよびTeの他に、他元素を実質的に含まないまたは周期律表第I属及至VII属に属する元素の少なくとも1種類の元素を含む記録層と、その余の層とを有する光情報記録媒体のうち、前記光情報記録媒体にエネルギー照射して記録操作することにより、該記録層の成膜工程終了時に該記録層に存在した以上の量の前記他元素が前記その余の層から記録層中に移行して存在するようになる相変化記録媒体の製造方法であって、少なくともその余の層として記録状態安定化材料と結晶化促進材料とを含む結晶化促進層を成膜する工程と、部分的に結晶化した記録膜を成膜する工程と、成膜終了後に記録媒体を加熱アニール処理する工程とを有することを特徴とする相変化記録媒体の製造方法」、(2)「SbおよびTeの他に、他元素を実質的に含まないまたは周期律表第I属及至VII属に属する元素の少なくとも1種類の元素を含む記録層と、その余の層とを有する光情報記録媒体のうち、前記光情報記録媒体にエネルギー照射して記録操作することにより、該記録層の成膜工程終了時に該記録層に存在した以上の量の前記他元素が前記その余の層から記録層中に移行して存在するようになる相変化記録媒体の製造方法であって、少なくとも、その余の層として、記録材料に対する不純物元素を含む不純物層を成膜する工程と、結晶化促進層を成膜する工程と、部分的に結晶化した記録膜を成膜する工程と、成膜終了後に記録媒体を加熱アニール処理する工程とを有することを特徴とする相変化記録媒体の製造方法」、(3)「該不純物層が相変化記録媒体のレーザ入射側に配置されるよう成膜されることを特徴とする前記第(2)項に記載の相変化記録媒体の製造方法」、(4)「前記記録状態安定化材料が、Ge,Cu,In,Mn,Bおよび/またはNであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れかに記載の相変化記録媒体の製造方法」、(5)「前記結晶化促進材料が、Sb,Bi,Snおよび/またはTeであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れかに記載の相変化記録媒体の製造方法」、(6)「前記結晶化促進層が、少なくともBi元素とGe元素を含むことを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れかに記載の相変化記録媒体の製造方法」、(7)「前記加熱アニール処理温度が100〜125℃であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項の何れかに記載の相変化記録媒体の製造方法」、(8)「加熱アニール処理する前の記録媒体中間体の反射率が、記録後結晶部反射率に対する比で表わされる相対反射率で20%以上であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項の何れかに記載の相変化記録媒体の製造方法」によって解決される。
【0032】
また、上記課題は、本発明の(9)「加熱アニール処理する前の記録媒体中間体であって、該中間体の反射率が、記録後結晶部反射率に対する比で表わされる相対反射率で20%以上であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項の何れかに記載の相変化記録媒体製造方法による相変化記録媒体中間体」により解決される。
【0033】
また、上記課題は、本発明の(10)「前記第(1)項乃至第(8)項の何れかに記載の製造方法により、前記第(9)項に記載の相変化記録媒体中間体を経たことを特徴とする相変化記録媒体」によって解決される。
【0034】
本発明は、成膜工程終了時に記録層に存在した以上の量の副成分(以下これを「不純物」とも云う)が、記録を行なうことにより記録層中に存在するようになる相変化記録媒体の製造方法であって、特に結晶化促進層および/または不純物層を成膜する工程を有し、これらの構成元素を記録後に記録層中に存在するようになる相変化記録媒体の製造方法であって、結晶化促進層の作用により部分的に結晶化した記録膜を成膜する工程と、成膜終了後に記録媒体を加熱アニールして記録特性が良好な結晶記録膜を得る工程とを有するものである。
【0035】
ここで、「部分的に結晶化した記録膜」というのは、アモルファス相と結晶相が記録媒体内に2次元的に混在・分散した状態ではなく、記録膜全体がある程度結晶相に近い長周期性を有するアモルファス相であるか、非常に微結晶で結晶性の悪い結晶相であるかのいずれかの状態である。この状態は、EXAFS等の構造解析手段(例えば、物質の構造とゆらぎ、丸善、寺内著、P.166〜)により最近接原子間距離や各原子の配位数、動径分布関数などを用いて構造的に定義されうるが、本発明においては、実際的に光情報記録媒体としての相対反射率、すなわち、記録操作を行なった後のスペース結晶部反射率あるいは実験的に消去操作を行なった後の結晶部反射率に対する相対的な反射率として表わし、望ましくは20%以上、より望ましくは30%以上、最も望ましくは40%以上を有する記録膜の状態と定義する。
【0036】
例えば、図1(a)におけるDVD+RWの典型的なアイパターン{アイパターンは、デジタル信号を0と1にレベル弁別することにより信号のビットエラー状態を見るのに典型的に用いられている図1(a)における横軸の単位時間は0.1μsecである}において、14Tのスペース部分A(結晶部)の相対反射率は100%であり、14Tのアモルファスマーク部分Bの相対反射率は、40%以下(規格より変調度=[A−B]/A≧0.6のため)、さらに従来の結晶化促進層を用いない光情報記録媒体の成膜直後の相対反射率は5%以下である。
【0037】
本発明による「部分的に結晶化した記録膜」は、例えば14Tのアモルファスマーク程度の反射率を持った記録膜が記録媒体全体に形成された状態のことであり、周内に図1(b)のような反射率分布{図1(b)は、図1(a)のデジタル信号の強度レベル分布を示すオシログラムを解析することにより得られたもので、Aレベルが最高反射レベル(結着層)、Bレベルがアモルファス部の反射レベル}を有する状態である。
部分的に結晶化した記録膜を得るためには、例えば記録層を成膜する際の基板温度を50〜70℃程度に保持し、結晶化促進層の膜厚や結晶化促進材料の比率を調整すればよい。実際には、前述のように記録特性や保存信頼性を確保するために記録層中の不純物元素量が様々な条件で制約されるので、結晶化促進層の組成や膜厚には記録層の種類(不純物量や結晶化転移温度の違い)によって適当な組み合わせが限定的に存在する。なお、基板加熱以外に記録層成膜中にプラズマ中の荷電粒子の入射エネルギーを制御する方法や、光エネルギー等により記録層の結晶核発生を促すような方法も有効である。
【0038】
本発明における主成分としてのSb,Teとは、上記副成分と対象的な量であり、SbおよびTeが準安定SbTe相を維持し、且つ記録層の記録材料が記録操作によりアモルファス相−結晶相に相変換可能な程度の量比を保持することを意味する。副成分の総量は、準安定SbTe相の出現を妨げないように、10原子%未満であることが望ましい。
【0039】
副成分あるいは不純物としては、結晶化速度や記録特性、保存特性を調整する目的で、周期律表第I属及至VII属に属する元素、例えばAg,Ca,Cd,Ce,Co,Cr,Fe,Ga,H,Hg,Ir,K,La,Li,Mg,Mn,Mo,Na,Ni,O,P,Pb,Pd,Po,Pr,Pt,Pu,Rb,Rh,Ru,S,Se,Si,Sn,Sr,Th,Ti,Tl,U,ClおよびBr等の少なくとも1種類の元素を記録層、結晶化促進層、不純物層のいずれかに含むことができる。
【0040】
本発明における記録状態安定化材料としては、Geが最も有効であり、Cu,In,Mn,BおよびNも有効である。結晶化促進材料としては、Biが最も有効であり、Sb,SnおよびTeも有効である。結晶化促進層は上記記録状態安定化材料と結晶化促進材料のぞれぞれ1種以上を含有する。ここで、結晶化促進層は基板上で完全に連続な薄膜とならなくても良い。すなわち、成膜膜厚が質量膜厚で1nm程度の場合は不連続な島状構造になっている。成膜膜厚が増加すると、前記島同士がつながり基板上で完全な薄膜となる。本発明においては、前記島状構造をも微視的な意味で結晶化促進層という。
【0041】
本発明における不純物層としては、Ag−In,Ag−Sb,Ag−Sn,Ag−Te,Ag−Ge,Al−Ge,Al−Sn,Al−Te,Au−Ge,Cu−In,Cu−Sb,Cu−Sn,Cu−Mn,Cu−Te,In−Te,In−Sn,In−Sb,In−Mn,Ge−In,Ge−Sb,Ge−Sn,Ge−Te,Ga−In,Ga−Ge,Ga−Sb,Ga−Sn,Ga−Te等の2元合金およびこれらの構成元素から成る3元合金等が挙げられる。不純物層の膜厚は、記録時に充分に混合され、その機能が発現するために2nm以下が望ましい。
【0042】
また、本発明における記録層としては、前述のように記録層への不純物添加が記録層の結晶化転移温度を上げアズデポでの結晶化を困難にするため、相対反射率40%以上に部分的に結晶化した記録膜を得、かつ成膜後に一般的な基板材料であるポリカーボネート基板の熱変形温度(ASTM等による)である130〜140℃以下の加熱アニールで記録層を充分に結晶化させるためには、記録層中の不純物元素濃度を望ましくは2原子%以下、より好ましくは1.5原子%以下、最も好ましくは実質的に不純物元素を含まないことがよい。ここで、記録材料中に含まれる不純物元素濃度が1原子%未満の場合を実質的に含有しないと定義する。記録層の結晶化転移温度は、不純物元素を実質的に含まないSb−Te2元合金の場合で120〜130℃であり、不純物添加によって1原子%当たり約10℃上昇する。したがって、本発明による記録層の結晶化転移温度は120〜150℃程度である。記録層の膜厚としては5〜25nmが望ましい。
【0043】
本発明において、加熱アニール温度は100〜125℃が望ましく、より望ましくは110〜120℃がよい。前述のようにポリカーボネート基板の熱変形温度は130〜140℃であるが、実際の工程で、例えば基板がキャリア等に並べられた状態で加熱容器等の恒温環境下に全体が保持される場合、基板が静的保持に耐えうる温度(=基板のチルト品質に影響が出ない温度)は、加熱容器の熱容量や容器内空気の環流方法、加熱後の冷却方法等にもよるが、おおむね125℃以下が望ましく、より望ましくは120℃以下である。
【0044】
また、記録層の結晶化は熱活性化過程であるため、加熱アニール温度と結晶化転移温度との差分が小さいほど早く結晶化が進行する。したがって、80〜90℃の加熱アニールでも結晶化は進行するが、部分的に結晶化した記録膜が残らず、かつ製造工程で他工程と加熱アニール工程とのスループット差が実際的に問題にならないように処理するためには加熱アニール温度は100℃以上であることが望ましく、より望ましくは110℃以上がよい。
【0045】
例えば、一般的な光情報記録媒体の製造工程におけるラインタクトは6秒前後であるから、おおよそ現実的に一括処理が許容される数100枚の基板を加熱アニールする場合、数10分の処理時間で加熱アニール処理を終えないと工程間のスループットにミスマッチが生ずることになる。加熱アニール温度が上記範囲にあれば、本発明における不純物濃度が望ましくは2原子%以下、より好ましくは1.5原子%以下、最も好ましくは実質的に不純物元素を含まない記録層は、処理時間=10〜30分程度で相対反射率80%以上に結晶化されうる。
【0046】
加熱アニール処理前の相対反射率が20%未満の場合、上記加熱温度で数10分〜数時間のアニールを行なっても相対反射率がほとんど改善されないか、部分的(2次元的)に結晶相が混在・分散した状態になるか、あるいは相対反射率が80%を越えても繰り返し記録特性が全く出なくなるかのいずれかになってしまう。
【0047】
相対反射率が全く改善されないのは、記録層に含まれる不純物濃度が2原子%程度と多いにもかかわらず、結晶化促進層が薄い場合あるいは結晶化促進層中の結晶化促進材料の比率が低い場合に起こりうる。すなわち、記録層の結晶化転移温度が140℃以上と比較的高く、かつ結晶化促進層の促進作用が不充分なときは、100〜120℃の加熱アニールでは実際的な処理時間内で反射率の改善が見られない。
部分的に記録層に結晶相が混在・分散した状態になるのは、上記よりもやや不純物濃度が少なく(1〜2原子%程度)、かつ結晶化促進層の膜厚がやや不足している場合、あるいは結晶化促進層中の結晶化促進材料の比率がやや足りない場合に起こりうる。図2はその光学顕微鏡写真の例である。具体的には、結晶化促進層Bi40Ge60の膜厚を変えて、基板温度55℃で記録層Sb76.2Te22.6−Ge1.2を成膜した記録媒体(相対反射率10%以下)を110℃で20分間加熱アニールしたものである。それぞれ、図2(a),(b)および(c)の明部は結晶相、暗部は相対反射率10%以下の未結晶化部分で、結晶化促進層の厚さは(a)<(b)<(c)の順に厚くなっている。図3は部分的に結晶相が混在・分散する場合のRF信号の例である。反射電圧の上のレベル1が結晶相(図2でいう明部)、下のレベル2が相対反射率20%以下のアモルファスに近い相(図2でいう暗部)である。
【0048】
図2(a)あるいは(b)で、結晶相の円形領域(ドメイン)の大きさがほぼそろっていることから、何らかの要因を起点として各結晶ドメインで同様の結晶成長が時間的に並行して進行したことが判る。また、(a)<(b)<(c)の順に結晶化促進層が厚くなるにしたがい、ドメインの数的密度が増し、結晶相が全体を埋め尽くすように成長している様子がうかがえる。このことから、結晶化促進層(元素)が、記録層が結晶化する際の起点、例えば結晶核として機能しているものと推察される。
【0049】
さらに、図には示していないが結晶化促進層を有しない以外は同じ条件で、従来のレーザ初期化法によって半径方向の一部をリング状に初期化(結晶化)した記録媒体を用意し、比較のために同様の加熱アニールを行なった後結晶部とアモルファス部の境界を観察したところ、図2のような結晶成長は一切観察されなかった。すなわち、結晶核となりうる結晶部があってもそれを起点として結晶化が進まないことから、結晶化促進層(元素)は結晶成長時の原子の再配列を容易にする(=結晶化転移温度以下での再配列を可能とする)作用もあるものと考えられる。
【0050】
このように結晶化促進層(元素)の機能を考えると、「部分的に結晶化した記録膜」を得、さらに成膜後の加熱アニールによってアモルファス残部なく結晶記録膜を得るためには、記録層に含まれる不純物元素濃度の量すなわち結晶化転移温度の違いによって結晶化促進層の最適な結晶化促進材料比と膜厚とが存在しうることが予想される。そして、実用に供するためにはそのような最適な組み合わせにおいて記録特性はもちろんのこと、結晶化の容易性と相反する保存信頼性が満足されねばならないわけである。
いずれにせよ、上記のように結晶化されない相が残留・分散する場合は、駆動装置でのサーボエラーの原因となったり、前述のような繰り返し記録に伴う反射率変動によって記録ジッター悪化の原因となり、実用には不可能である。
【0051】
さらに、アニールによって相対反射率が80%を越えても繰り返し記録特性が全く出なくなってしまうのは、例えば前述の記録層Sb77Te23と結晶化促進層Bi40Ge60の組み合わせにおいて、成膜直後の相対反射率が20%未満となるような基板温度で記録層を成膜した後、これをアニールして相対反射率を高めた場合等に起こりうる。すなわち、「部分的に結晶化した記録膜」でない状態から、結晶化促進層と加熱アニールの温度アシストで、完全な固相変態のみによって結晶記録膜を得た場合、記録ジッターが10%以上と高い記録媒体になってしまい実用に適さない。
【0052】
本発明者らが鋭意研究を重ねたところ、このような記録媒体は消去線速が著しく低下していることが判った。ここで、消去線速とは消去可能な線速(=レーザが記録媒体面を走査するときの速度)の最大値を指す。具体的には、記録膜に消去パワーを投入しながら基板の回転数を変えていき、回転数を上げるにしたがい反射電圧が低くなり始める線速を閾値として求める。現象的には、消去パワーによる溶融→冷却→凝固の過程で冷却速度が速くなって、結晶化が間に合わなくなり始める線速を指す。このような線速領域でダイレクトオーバーライトを行なうと、スペース結晶部の反射率が低くなってしまい良好な記録再生ができなくなってしまう。すなわち、相変化記録媒体は消去線速以下で記録されるよう設計されねばならない。消去線速は記録材料の結晶化速度や記録媒体全体の層構成等によって一義的に決まる設計値である。
【0053】
例えば、消去線速が低下した例を図4に示す。(3)は加熱成膜によってアズデポで相対反射率40%以上の記録媒体中間体を得、これを加熱アニールによって相対反射率80%以上に高めた記録媒体の消去線速特性、(4)は同じ層構成で、加熱成膜を行なわずにアズデポで相対反射率5%以下の記録媒体中間体を得、これを加熱アニールによって相対反射率を80%以上に高めた記録媒体の消去線速特性、(5)は(4)を通常のレーザ初期化方法で結晶化した記録媒体の消去線速特性である。
【0054】
本発明による記録媒体および従来初期化法による記録媒体は、(3)および(5)のように消去線速特性に差が認められず、約9.6〜9.8m/sの消去線速を示す。一方、中間体の相対反射率が5%以下であった記録媒体は、消去線速が8.5m/s程度に著しく低下していることが判る。
このような消去線速の低下は、例えば記録層中でのSbの晶出によって説明しうる。すなわち、共晶組成付近のSb−Teアモルファス記録層は、アニールという長時間の加熱によって図5のSb−Te系状態図にしたがい、より安定なSbとSbTeに相分離する可能性がある。Sb単体は非常に結晶化しやすい材料であり、Sb−Te共晶系においてはSb比が増大するほど上記消去線速が速くなる。すなわち、Sbの晶出によってマトリクス中のSb比が減少したため、記録膜の消去線速が遅くなったと推察される。一端晶出したSbは融点が630℃と比較的高いため、記録や消去によってマトリクス中に完全には固溶せず、消去線速のばらつきを生じさせ、記録ジッタを悪化させてしまうと考えられる。消去線速が低下した記録媒体は、図3でも確認できるようにRF信号の上のレベル1がやや太くなり、反射率の異なる複数の相が混在しているように観測される。反射率が望ましくは20%以上、より望ましくは30%以上、最も望ましくは40%以上を有する記録膜は、このような相分離と推察される消去線速の低下がなく良好な記録特性が維持される。これは、成膜時に部分的に結晶化した構造を引き継いで加熱アニール後も準安定SbTe相が出現したためと推察される。
【0055】
本発明による光情報記録媒体の一例を図6に示す。図6において、(6)は基板、(7)は第1の誘電体層、(8)は結晶化促進層、(9)は記録層、(10)は第2の誘電体層、(11)は反射放熱層、(12)は必要に応じて反射放熱層の上に設けられる有機保護層である。なお、図では光情報記録媒体の情報基板側のみを示している。DVD+RW等の書き換え型DVDの場合には、図示した情報基板の積層膜側に0.6mm厚のカバー基板を紫外線硬化樹脂等で貼り合わせて1.2mm厚とする。基板には案内溝が形成してあり、その深さは200Å〜450Å程度である。溝のピッチはDVD−ROM互換メディアとして使用する場合は0.74μmである。
【0056】
本発明による光情報記録媒体の別の例を図7に示す。図7は、図6の構造において結晶化促進層(8)の直下に不純物層(13)を設けた例である。不純物層(13)の位置は、結晶化促進層(8)の直下に限定されたものではなく、少なくとも記録層(9)の直上および/または結晶化促進層(8)の直下に設けることができる。望ましくは、記録の際のレーザ入射側(図7では下側)に形成されるのがよい。すなわち、DVD互換構造の場合は図7のように結晶化促進層(8)の直下が望ましい。
【0057】
本発明において、第1および第2の誘電体層としては、SiO,ZnO,SnO,Al,TiO,In,MgO,ZrO,Ta等の金属酸化物、Si,AlN,TiN,BN,ZrN等の窒化物、ZnS,TaS等の硫化物、SiC,TaC,BC,WC,TiC,ZrC等の炭化物が挙げられる。これらの材料は、単体で保護層として用いることができ、また混合物として用いることもできる。例えば、混合物としては、ZnSとSiO,TaとSiOが挙げられる。
【0058】
第1の誘電体層の膜厚は、50〜250nmの範囲が好ましい。50nmより薄くなると、耐環境性保護機能の低下、耐熱性低下、畜熱効果の低下となり好ましくない。250nmより厚くなると、スパッタ法等による製膜過程において膜温度の上昇により膜剥離やクラックが生じたり、記録時の感度の低下をもたらすので好ましくない。第2の誘導体層の膜厚は15〜50nmが好ましい。第2の誘電体層の場合、10nmより薄いと耐熱性が低下し好ましくない。逆に、10nmを越えると、記録感度の低下、温度上昇による膜剥離、変形、放熱性の低下により、繰り返しオーバーライト特性が悪くなる。
【0059】
反射放熱層(7)としては、Al,Au,Cu,Ag,Cr,Sn,Zn,In,Pd,Zr,Fe,Co,Ni,Si,Ge,Sb,Ta,W,Ti,Pb等の金属を主とした材料の単体または合金を用いることができる。この層は熱を効率的に放散させることが重要であり、膜厚は50〜160nmが好ましい。膜厚が厚すぎると、放熱効率が大きすぎて感度が悪くなり、薄すぎると感度は良好であるが、繰り返しオーバーライト特性が悪くなる。特性としては、熱伝導率が高く、高融点で保護層材料との密着性がよいことなどが要求される。
【0060】
上記材料および構成による光情報記録媒体は、例えば波長が635あるいは650nmの半導体レーザでNA0.6のピックアップを用い記録再生することができる。記録方法としては、例えばPulse Width Modulationで変調コードがEFM又はEFM+[8/16RLL(2,10)]方式等を用いることができる。この場合、パルスは先頭パルスとその後のマルチパルス部に別れる。マルチパルス部は加熱、冷却を繰り返し行なうためのものである。この場合、各パワーの関係は加熱(記録)パワー>消去パワー>冷却パワーとなっていて、冷却パワーは読み出しパワー程度まで下げる。書き換え型DVDの場合、通常、線速は3.5〜8.5m/s、読み出しパワーは1mW以下で行なう。
【0061】
本発明による光情報記録媒体の別の例、いわゆる表面記録方式の例を図8に示す。表面記録方式では、1.1mm厚の基板(6)に反射放熱層(11)、第1の誘電体層(7)、結晶化促進層(8)、記録層(9)、不純物層(13)、第2の誘電体層(10)、有機保護層(12)を順次形成し、図示しないカバー基板0.1mmを張り合わせて、図6および図7とは逆の表面側(レーザが基板を透過しない側)から記録再生を行なう。表面記録方式では、トラックピッチを0.3μm程度まで微細化し、NA=0.85、波長405nmの光学系を用いると、直径120mmで20GB以上の記録が可能となる。この場合、不純物層(13)の位置はレーザ入射側(図8では下側)の記録層(9)直下が望ましい。
【0062】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき説明する。0.6mm厚、直径5インチのポリカーボネート基板(以下PC基板)上に、スパッタリング法により以下(1)〜(6)の薄膜を形成し、図6および図7の構造とした。その際、記録層成膜時の基板温度と加熱アニール条件を変えて成膜直後の記録媒体中間体およびアニール後の記録媒体について評価を行なった。なお、成膜時の基板加熱はスパッタ装置に付設した赤外線ランプヒータで行なった。加熱アニールは、25枚収納の縦置き型基板キャリアに記録媒体中間体を並べ、恒温槽に保持して一括処理した。アニール条件(加熱温度、及び時間)は表2に示される。
【0063】
(1)第一誘電体層:膜厚80nm、ターゲット=ZnS・SiO(ターゲットのmol%比で79.5:20.5)
(2)不純物層(IL):表1の組成および膜厚の不純物層、合金ターゲットのスパッタによる。
(3)結晶化促進層(CA):表1の組成および膜厚、合金ターゲットのスパッタによる。
(4)記録層(PL):表1の組成および膜厚のSbTe系記録層、合金ターゲットのスパッタによる。
(5)第二誘電体層:膜厚15nm、ターゲット=ZnS・SiO2(ターゲットのmol%比で79.5:20.5)
(6)反射放熱層:膜厚140nm、Al−Cr合金ターゲットのスパッタによる。
【0064】
【表1】
Figure 2004022092
【0065】
以下の実施例および比較例において、基板のチルト品質は小野測器製光ディスク機械特性測定装置で単板(貼り合わせ前)での周方向のチルト量(R−tiltと略す)を測定し、カバー基板の貼り合わせにより矯正可能な−2<R−tilt<0をOK、それ以上をNGとした。
繰り返しジッター特性に関しては、波長660nm、NA0.65のピックアップヘッドを用いて、記録線速8.5m/sで4.7GB相当となる記録密度で記録を行ない、初回記録、ダイレクトオーバーライト1回目、10回目、100回目および1000回目のジッター最大値が9%以下の場合をOK、それ以上をNGとした。また、特にジッター最大値がNGの場合、通常初期化品との消去線速も比較し、消去線速の低下が0.5m/s以上と明らかな場合を消去線速低下ありと判断した。
保存信頼性に関しては、80℃、100時間の恒温保持によって初回記録からのジッター上昇が1%未満である場合をOK、それ以上をNGとした。
【0066】
実施例1〜9は、いずれも成膜時の加熱温度がポリカーボネート基板の耐熱温度である85〜90℃よりも充分に低いため、基板のチルト品質が良好であった。いずれもアニール前の中間体の相対反射率が40%以上であり、110〜120℃の加熱アニールによって相対反射率が90%を越えるため、繰り返しジッターも良好であった。
また、蛍光X線分析によれば、実施例1〜7はいずれもBi<5原子%≦Geの量的条件を満たしているため、保存信頼性も良好であった。実施例8、9は、Ge<5原子%であったが、他の保存元素Mn,Inとの総量として保存信頼性を満足することができた。
【0067】
比較例1および2は、層構成1および5において従来のように記録層成膜時の基板温度を80℃にして初期化レス記録媒体の製造を行なったものである。比較例1の記録媒体は、基板の温度むらに起因すると考えられる相対反射率の低い部分が残存したため、ダイレクトオーバーライト1回目のジッターが12%になってしまった。また、比較例2は相対反射率が充分に高く繰り返しジッター特性も良好であったが、記録層成膜時に基板温度がポリカーボネートの耐熱温度を越えたためかチルト特性が満足できなかった。このように、基板温度を80℃以上かつ耐熱温度の85〜90℃以下に加熱する方法は、製造上のマージンが狭く実用に適さない。
【0068】
比較例3および4は、加熱アニール温度を125℃としたものである。比較例4は基板のチルト品質が良好であったが、比較例3はNGであった。これは、一括アニール処理の温度履歴にむらが生じたためと考えられる。加熱アニールの温度は125℃でも良いが、望ましくは120℃以下を示すものである。
【0069】
また、比較例5は加熱アニール温度を100℃としたものである。ただし、加熱時間が120分かかってしまい実用的ではない。加熱アニール温度は100℃でも良いが、望ましくは110℃以上を示すものである。
【0070】
比較例6,7,8は、いずれも成膜時の加熱温度が40℃と低くアニール前の中間体の相対反射率が20%に満たない。このような中間体を加熱アニールすると相対反射率は充分に高くなるが、初回記録から繰り返しジッターが悪化してしまう。いずれも消去線速が低下しており、Sbの晶出と思われる相分離が生じているものと推察される。
【0071】
比較例9,10,11は、成膜時の加熱温度を60℃とし、中間体の相対反射率を30〜40%としたものである。それぞれ110〜120℃の加熱アニールによって相対反射率が85%を越えたが、比較例10を除き初回記録から繰り返しジッターが悪化してしまった。比較例10は比較例9および11よりも結晶化転移温度の高い記録層を用いており、消去線速の低下が起こらなかったものと考えられる。これは、結晶化転移温度の低い記録材料(記録層中に含まれる不純物元素が少ない材料)ほど中間体の相対反射率を高めておく必要があることを示すものであり、良好な繰り返しジッターを得るために中間体の相対反射率は20もしくは30%以上でも良いが、より望ましくは40%以上であることを示すものである。
【0072】
【表2】
Figure 2004022092
【0073】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体的な説明により明らかなように、本発明により、準安定SbTe系材料を用いた相変化型光情報記録媒体において、基板のチルト品質、未記録反射率、繰り返しジッター特性および保存信頼性をすべて満足しうる初期化プロセス不要な光情報記録媒体とその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)DVD+RWの典型的なアイパターンを示す図である。
(b)記録膜が周内に反射率分布を有する状態を示す図である。
【図2】(a)〜(c)部分的に記録層に結晶相が混在・分散した状態の光学顕微鏡写真の例を示す図である。
【図3】部分的に結晶相が混在・分散する場合のRF信号の例である。
【図4】消去線速が低下した例を示す図である。
【図5】Sb−Te系状態図である。
【図6】本発明による光情報記録媒体の一例を示す図である。
【図7】本発明による光情報記録媒体の別の例を示す図である。
【図8】本発明による光情報記録媒体の別の例、いわゆる表面記録方式の例を示す図である。
【符号の説明】
1 結晶相のRF信号
2 相対反射率20%以下のアモルファスに近い相のRF信号
3 加熱成膜によってアズテポで相対反射率40%以上の記録媒体中間体を得、これを加熱アニールによって相対反射率80%以上に高めた記録媒体の消去線速特性
4 加熱成膜を行なわずにアズテポで相対反射率5%以下の記録媒体中間体を得、これを加熱アニールによって相対反射率を80%以上に高めた記録媒体の消去線速特性
5 4を通常のレーザ初期化方法で結晶化した記録媒体の消去線速特性
6 基板
7 第1の誘電体層
8 結晶化促進層
9 記録層
10 第2の誘電体層
11 反射放熱層
12 有機保護層

Claims (10)

  1. SbおよびTeの他に、他元素を実質的に含まないまたは周期律表第I属及至VII属に属する元素の少なくとも1種類の元素を含む記録層と、その余の層とを有する光情報記録媒体のうち、前記光情報記録媒体にエネルギー照射して記録操作することにより、該記録層の成膜工程終了時に該記録層に存在した以上の量の前記他元素が前記その余の層から記録層中に移行して存在するようになる相変化記録媒体の製造方法であって、少なくとも、その余の層として記録状態安定化材料と結晶化促進材料とを含む結晶化促進層を成膜する工程と、部分的に結晶化した記録膜を成膜する工程と、成膜終了後に記録媒体を加熱アニール処理する工程とを有することを特徴とする相変化記録媒体の製造方法。
  2. SbおよびTeの他に、他元素を実質的に含まないまたは周期律表第I属及至VII属に属する元素の少なくとも1種類の元素を含む記録層と、その余の層とを有する光情報記録媒体のうち、前記光情報記録媒体にエネルギー照射して記録操作することにより、該記録層の成膜工程終了時に該記録層に存在した以上の量の前記他元素が前記その余の層から記録層中に移行して存在するようになる相変化記録媒体の製造方法であって、少なくとも、その余の層として、記録材料に対する不純物元素を含む不純物層を成膜する工程と、結晶化促進層を成膜する工程と、部分的に結晶化した記録膜を成膜する工程と、成膜終了後に記録媒体を加熱アニール処理する工程とを有することを特徴とする相変化記録媒体の製造方法。
  3. 該不純物層が相変化記録媒体のレーザ入射側に配置されるよう成膜されることを特徴とする請求項2に記載の相変化記録媒体の製造方法。
  4. 前記記録状態安定化材料が、Ge,Cu,In,Mn,Bおよび/またはNであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の相変化記録媒体の製造方法。
  5. 前記結晶化促進材料が、Sb,Bi,Snおよび/またはTeであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の相変化記録媒体の製造方法。
  6. 前記結晶化促進層が、少なくともBi元素とGe元素を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の相変化記録媒体の製造方法。
  7. 前記加熱アニール処理温度が100〜125℃であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の相変化記録媒体の製造方法。
  8. 加熱アニール処理する前の記録媒体中間体の反射率が、記録後結晶部反射率に対する比で表わされる相対反射率で20%以上であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の相変化記録媒体の製造方法。
  9. 加熱アニール処理する前の記録媒体中間体であって、該中間体の反射率が、記録後結晶部反射率に対する比で表わされる相対反射率で20%以上であることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の相変化記録媒体製造方法を用いる相変化記録媒体中間体。
  10. 請求項1乃至8の何れかに記載の製造方法により、請求項9に記載の相変化記録媒体中間体を経たことを特徴とする相変化記録媒体。
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