JP2002331758A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

Info

Publication number
JP2002331758A
JP2002331758A JP2001142178A JP2001142178A JP2002331758A JP 2002331758 A JP2002331758 A JP 2002331758A JP 2001142178 A JP2001142178 A JP 2001142178A JP 2001142178 A JP2001142178 A JP 2001142178A JP 2002331758 A JP2002331758 A JP 2002331758A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
optical information
recording medium
thin film
information recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001142178A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Miura
裕司 三浦
Eiko Suzuki
栄子 鈴木
Hajime Yuzurihara
肇 譲原
Hiroko Tashiro
浩子 田代
Masato Harigai
眞人 針谷
Yoshiyuki Kageyama
喜之 影山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2001142178A priority Critical patent/JP2002331758A/ja
Publication of JP2002331758A publication Critical patent/JP2002331758A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 DVD−ROMと同等以上の容量を有し、D
VD−ROMの再生線速の2〜5倍速である7〜17m
/sにおける記録に好適でも、かつ初期化が容易な光記
録媒体を提供すること。 【解決手段】 基板上に、少なくとも第1の誘電体層、
Gaを含む薄膜層、相変化記録層、第2の誘電体層及び
反射放熱層を有する光情報記録媒体において、該相変化
記録層材料の結晶化温度が190℃以下であり、かつG
aを含む薄膜層と相変化記録層材料の平均組成がGaα
GeβInγSbδTeεで表したとき、α、β、γ、
δ、εの原子比率が以下の範囲にあることを特徴とする
光情報記録媒体。 0.01≦α≦0.1 0.01≦β≦0.1 0≦γ≦0.1 0.6≦δ≦0.85 ε=1−α−β−γ−δ

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光情報記録媒体に
関し、さらに詳しくは、容量が大きく、高再生倍速にお
ける記録に好適で、かつ初期化が容易な光情報記録媒体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザービーム照射により情報の
記録、再生及び消去が可能な光情報記録媒体には、熱を
利用して磁化の反転を行い、記録消去する光磁気記録方
式と、結晶と非晶質の可逆的相変化を利用し、記録消去
が可能な相変化記録方式とがある。後者は単一ビームオ
ーバーライトが可能であり、ドライブ側の光学系がより
単純であることを特徴とし、コンピューター関連や映像
音響に関する記録媒体として応用されている。
【0003】記録材料としては、非晶質を形成しやす
く、また、繰り返し記録によっても組成偏析が起きにく
いことから、カルコゲンを中心とした各種化合物や共晶
近傍付近の組成を有するものが使用されている。実用化
されているものとしては、GeTeとSb2Te3の混
合物及びSb−Sb2Te3擬2元系共晶組成にAgや
Inを添加した系がある。特に後者は、高感度でアモル
ファス部分の輪郭が明確であり、高密度記録に適した材
料である。特開平11−070738号公報は、オーバ
ーライト回数が高く、保存信頼性にも優れたAgInS
bTe4元材料の最適組成比、最適層構成が開示されて
いる。また、Cr又はZrを添加することにより保存特
性をさらに向上させている。
【0004】近年、相変化光情報記録媒体は、高密度画
像記録への用途が拡大すると共に、より一層の高速オー
バーライト実現(DVD−ROMの再生線速の2〜5倍
速である7〜17m/s)が要求されるようになってき
た。高速オーバーライトの実現には、マーク消去時にお
ける記録層材料の結晶化の高速化が必要である。
【0005】これに対して、記録層を式XαSbβTe
γとしたとき、XはIn又はGa、あるいはInとGa
の混合物であり、α、β、γは原子比率を示し、以下の
範囲とし、記録層の結晶化速度を速めた上で、誘電体層
(保護層)や反射放熱層の種類、それらの膜厚や作製方
法を最適化することにより、上記課題を解決できること
が知られている。 0.01≦α≦0.1 0.60≦β≦0.90 γ=1−α−β 本発明者らの知見によると、Gaはマーク消去時におけ
る記録層材料の結晶化速度を高める効果がきわめて大き
く、高速オーバーライトの実現に適した材料であること
が判明している。
【0006】しかし、本発明者らの検討によると、記録
層としてGaを有する記録材料を用いた相変化光情報記
録媒体は、上記組成範囲に基づき高速オーバーライト可
能な組成に設計された場合、以下のような問題を有して
いることが分った。すなわち、一般に相変化型光情報記
録媒体では、製膜時に非晶質状態にある相変化記録材料
をレーザビーム照射等の熱処理を施して記録層を結晶化
させる初期結晶化が必要であるが、上記組成範囲に基づ
き高速オーバーライト可能な組成に設計されたGaを有
する記録材料を用いた相変化光情報記録媒体は、いった
ん初期結晶化を行った後には、高速にマーク消去を行う
ことができるものの、それまでは溶融再結晶化し難いた
め、上記初期結晶化がきわめて困難となる。これは、G
aの添加によって記録層の結晶化温度が上昇することに
より、初期結晶化時の結晶化が困難となるためと考えら
れる。つまり、記録層の結晶化速度を速めるために必要
十分量のGaを添加した場合、結晶化温度が大幅に上昇
してしまい、初期化が極端に困難となるという問題を生
じていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の問題を解消し、DVD−ROMと同等以上の容量
を有し、DVD−ROMの再生線速の2〜5倍速である
7〜17m/sにおける記録に好適で、かつ初期化が容
易な光情報記録媒体を提供することをその課題とするも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、記録層材料の結晶化温度及びGaを
含む薄膜層と記録層材料の平均組成に着目して鋭意検討
を重ねた結果、本発明を完成するに到った。
【0009】すなわち、本発明によれば、基板上に、少
なくとも第1の誘電体層、Gaを含む薄膜層、相変化記
録層、第2の誘電体層及び反射放熱層を有する光情報記
録媒体において、該相変化記録層材料の結晶化温度が1
90℃以下であり、かつGaを含む薄膜層と相変化記録
層材料の平均組成がGaαGeβInγSbδTeεで
表したとき、α、β、γ、δ、εの原子比率が以下の範
囲にあることを特徴とする光情報記録媒体が提供され
る。 0.01≦α≦0.1 0.01≦β≦0.1 0≦γ≦0.1 0.6≦δ≦0.85 ε=1−α−β−γ−δ
【0010】そして、本発明には、下記(1)〜(9)
に記載の発明が含まれる。 (1)該Gaを含む薄膜層と該相変化記録層とが接して
いるものである光情報記録媒体。 (2)該Gaを含む薄膜層が、相変化記録層に対して初
期結晶化時におけるレーザー入射面側に存在するもので
ある光情報記録媒体。 (3)該Gaを含む薄膜層の膜厚が、該相変化記録層の
膜厚の10%以下である光情報記録媒体。 (4)該Gaを含む薄膜層の膜厚が、2nm以下である
光情報記録媒体。 (5)該Gaを含む薄膜層の融点が、200〜850℃
である光情報記録媒体。 (6)該Gaを含む薄膜層が、Ge、Sb、Te及びI
nから選ばれた少なくとも1つの元素との合金である光
情報記録媒体。 (7)該合金がSb及び/又はTeとの合金である光情
報記録媒体。 (8)該合金が金属間化合物である光情報記録媒体。 (9)レーザービームによる溶融初期化方法により初期
結晶化されたものである光情報記録媒体。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の光情報記録媒体(以下、
単に記録媒体ということがある)の具体的な基本構成
は、直径12cm、厚さ0.6mm、トラックピッチ
0.74μmの案内溝付きポリカーボネートディスク基
板上に、第1の誘電体層、Gaを含む薄膜層、相変化記
録層、第2の誘電体層及び反射放熱層を有し、さらに、
反射放熱層上に形成された有機保護膜を介して、直径1
2cm、厚さ0.6mmのポリカーボネートディスクを
接着したものである。そして、基板側からレーザー光を
照射して記録再生を行うものである。
【0012】また、相変化記録層材料の結晶化温度が1
90℃以下であり、かつGaを含む薄膜層と相変化記録
材料層の平均組成がGaαGeβInγSbδTeεで
表したとき、α、β、γ、δ、εの原子比率が以下の範
囲にあることを特徴とする。 0.01≦α≦0.1 0.01≦β≦0.1 0≦γ≦0.1 0.6≦δ≦0.85 ε=1−α−β−γ−δ
【0013】ここで、結晶化温度とは、スパッタ法等に
代表される気相製膜法により、基板上に堆積させた記録
材料薄膜が10℃/minの昇温速度で加熱されたとき
に結晶化する温度をいう。具体的には、膜厚200nm
程度の記録材料薄膜をガラス基板上にスパッタ法により
堆積させた後に、機械的に基板から粉末状にしてこそぎ
落とし、それを示差熱分析法によって測定されるもので
ある。
【0014】この相変化記録媒体の初期結晶化は、記録
層材料の結晶化温度が190℃を越えると急激に困難と
なる。よって、初期化を容易に行う観点からは結晶化温
度は低いことが好ましい。一方、Gaは記録材料の結晶
化速度を向上させると共に、結晶化温度を大きく上昇さ
せる効果を有する。つまり、結晶化速度を向上させ、高
速オーバーライトを実現する観点からは、相変化記録媒
体が有する記録層材料に含有されるGa量は多い方が望
ましいが、初期結晶化を容易にする観点からは、Gaは
少ない方が望ましい。
【0015】本発明においては、Gaを含む薄膜層と相
変化記録層とは、レーザー照射による初期結晶化時に溶
融して相互拡散により混合し、その結果、上記関係で表
される平均組成を有する混合記録層を形成する。すなわ
ち、本発明では、DVD−ROMの再生線速の2〜5倍
速である7〜17m/sでの相変化記録に必要とされる
Gaの一部又は全てをGaを含む薄膜に分割して含んで
いるので、初期結晶化段階での相変化記録層材料の結晶
化温度を低く抑えることができ、初期化操作が容易に行
えるのである。
【0016】初期結晶化前の相変化記録層材料の結晶化
温度及び初期結晶化後の混合記録層の平均組成は、Ga
を含む薄膜層、相変化記録層の組成及び膜厚を調整する
ことにより行う。Gaを含む薄膜層の組成に占めるGa
組成を増やすか又はGaを含む薄膜層の膜厚を厚くする
ことにより、相変化記録層が含有するGa量を減量し結
晶化温度を下げることが可能である。
【0017】混合記録層の構成元素のうち、In及びG
aは、記録層の結晶化速度を向上させ、高速オーバーラ
イトを可能とする効果を有している。また、結晶化温度
を高め、保存安定性を向上させる効果をも有している。
さらに、Geは保存信頼性、繰り返し特性、再生光安定
性を向上させる効果を有している。なお、混合記録層の
平均組成においては、その10%までGe,Ga,S
b,Te,In以外の他の元素を含んでいてもよい。例
えば、Ag等が挙げられる。
【0018】Gaを含む薄膜層は、相変化記録層と接し
ていることが好ましい。このようにすることにより、初
期結晶化時に相互拡散による2層の混合が容易となり、
繰り返し記録にともなう平均組成の変動がなく、初回記
録時から良好な記録特性が得られる。また、Gaを含む
薄膜層は、相変化記録層に対して初期化時におけるレー
ザー入射面側に存在することが好ましい。Gaを含む薄
膜層と相変化記録層との界面近傍における初期結晶化時
のレーザー照射光による温度上昇は、反射層による放熱
がない分、レーザー入射面の界面近傍の方が高い。その
ため、初期結晶化時に相互拡散による2層の混合が容易
になり、初回記録時から良好な記録特性が得られる。
【0019】Gaを含む薄膜層の融点は、200〜85
0℃であることが好ましい。融点が200℃未満である
と、製膜時に異常放電にあった場合に、ターゲットの一
部が溶融する等の不具合が生じる。また、850℃を越
えると、初期結晶化時にGaを含む薄膜層と記録層の相
互拡散が十分行われず、繰り返し記録と共に混合組成が
変動し、初期段階での記録特性が不安定となり好ましく
ない。上記範囲にある場合に限って、ターゲットの扱い
が容易で、かつ良好な記録特性を得ることができる。
【0020】Gaを含む薄膜層の融点は、Ge、Sb、
Te及びInから選ばれた少なくとも1つの元素との合
金からなる層とすることにより調整することが好まし
い。これらの材料は、従来から相変化材料の構成元素と
して使用されているものであるから、初期結晶化時の相
互拡散により混合記録層となったとしても記録特性への
影響が少ない。また、いずれの元素も融点が1000℃
以下であるため、Gaを含む薄膜層の基となるスパッタ
リング製膜用ターゲットの作製が容易となる。
【0021】Ge、Sb、Te及びInから選ばれた少
なくとも1つの元素との合金のうちでは、Sb及び/又
はTeとの合金であることが好ましい。SbとTeは、
相変化材料の主成分であり、初期化時の相互拡散の前に
あらかじめ合金を形成しておくことにより、混合組成に
おいてGaの添加効果が確実になされ、良好な記録特性
が得られる。
【0022】また、Ge、Sb、Te及びInから選ば
れた少なくとも1つの元素との合金は、金属間化合物で
あることが好ましい。元素のスパッタ収率の差異に起因
して生じるGaを含む薄膜層の基となるターゲット組成
と製膜された薄膜組成とのずれをも抑えることができ、
また、製膜を繰り返してターゲットエロージョンの進行
に連れた場合でも、経時的な組成変化が生じない。この
ため、製膜ごとの組成ばらつきによって特性がばらつく
ことがなく、安定した媒体供給が可能となる。金属間化
合物としては、Ga3Te2、GaTe、Ga2Te
3、GaTe3、GaSb等が挙げられる。
【0023】Gaを含む薄膜層の膜厚は、該記録層膜厚
の10%以下、より好ましくは5%以下である。また、
Ga薄膜層膜厚が2nm以下であることが好ましい。こ
れより厚いと、初期結晶化時にGaを含む薄膜層と記録
層の相互拡散が十分行われず、繰り返し記録と共に混合
組成が変動し、初期の繰り返し記録時の記録特性が不安
定となり好ましくない。
【0024】本発明において、第1及び第2の誘電体層
(保護層)としては、SiOx、ZnO、SnO2、A
23、TiO2、In23、MgO、ZrO2、Ta2
5等の金属酸化物、Si3N4、AlN、TiN、B
N、ZrN等の窒化物、ZnS、TaS4、等の硫化
物、SiC、TaC、B4C、WC、TiC、ZrC等
の炭化物が挙げられる。これらの材料は、単体で保護層
として用いることができ、また、混合物として用いるこ
ともできる。例えば、混合物としては、ZnSとSiO
x、Ta2O5とSiOxが挙げられる。これら材料物
性は、熱伝導率、比熱、熱膨張係数、屈折率及び基板材
料又は記録層材料との密着性等があり、融点が高く、熱
膨張係数が小さく、密着性がよいといったことが要求さ
れる。特に第2の誘電体層は、繰り返しオーバーライト
特性を左右するものである。
【0025】第1の誘電体層の膜厚は、50〜250n
mの範囲として、75〜200nmが好ましい。50n
mより薄くなると、耐環境性保護機能の低下、耐熱性低
下、畜熱効果の低下となり好ましくない。250nmよ
り厚くなると、スパッタ法等による製膜過程において、
膜温度の上昇により膜剥離やクラックが生じたり、記録
時の感度の低下をもたらすので好ましくない。第2の誘
電体層の膜厚は10〜100nmの範囲とし、15〜5
0nmが好ましい。第2の誘電体層の場合、10nmよ
り薄いと、基本的に耐熱性が低下し好ましくない。10
0nmを越えると、記録感度の低下、温度上昇による膜
剥離、変形、放熱性の低下により繰り返しオーバーライ
ト特性が悪くなる。
【0026】反射放熱層としては、Al、Au、Cu、
Ag、Cr、Sn、Zn、In、Pd、Zr、Fe、C
o、Ni、Si、Ge、Sb、Ta、W、Ti、Pb等
の金属を主とした材料の単体もしくは合金又はその混合
物を用いることができる。必要に応じて、異なる金属、
合金又は混合物を複数積層してもよい。この層は、熱を
効率的に放散させることが重要であり、膜厚は、30〜
250nm、好ましくは、50〜150nmである。膜
厚が厚すぎると、放熱効率が大きすぎて感度が悪くな
り、薄すぎると、感度は良好であるが、繰り返しオーバ
ーライト特性が悪くなる。特性としては、熱伝導率が高
く、高融点で保護層材料との密着性がよいこと等が要求
される。
【0027】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、これら実施例によって本発明はなんら限定
されるものではない。なお、記録再生の評価は、波長6
60nm、NA0.65のピックアップヘッドを用い、
記録密度0.267μm/bit、EFM+変調方式に
て行った。記録は、線速7、12、17m/s、記録パ
ワー13〜15mW、バイアスパワー0.2mW、消去
パワー6〜8mWで、記録ストラテジは各ディスクや線
速に合わせて最適化して行なった。再生は、全て線速
3.5m/s、パワー0.7mWで実施した。図1に、
記録ストラテジを模式的に示し、図2に、線速と反射率
の関係を示す。
【0028】実施例1 基板上に、第1誘電体層として(ZnS)80(SiO
2)20を60nm、Gaを含む薄膜層としてGa50
Te50(融点835℃)を1.5nm、記録層として
Ge3.2Ga2.5In1.1Sb79Te14.2
(結晶化温度185℃)を19nm、第2誘電体層とし
て(ZnS)80(SiO2)20を14nm、反射放
熱層としてAlTi140nmをこの順に設け、各々ス
パッタにより成膜してディスク化した。このディスクを
口径1μm×100μmのレーザーを用い、基板側から
レーザー光を入射し、出力680mW、送り36μm、
線速3m/sで初期結晶化を行った。初期化後の反射率
は20%であり、周内での反射率分布も均一であって良
好な初期結晶化が行われていた。なお、初期結晶化後
に、Gaを含む薄膜層と記録層の平均組成をICP分析
したところ、Ge3.0Ga6.0In1.0Sb7
3.2Te16.8であった。記録特性を評価したとこ
ろ、各線速でジッターは7%台、モジュレーションも6
0%以上と良好な記録を行うことができた。また、オー
バーライト5000回まではジッターの上昇は2%以内
であり、モジュレーションに変化はなかった。再生光安
定性は、0.8mW、100,000回で、ジッターの
上昇は1%であった。
【0029】実施例2 実施例1においてGaを含む薄膜層と記録層との製膜順
を入れ替え、基板上に第1誘電体層、記録層、Gaを含
む薄膜層、第2誘電体層、反射放熱層の順に製膜した。
実施例1と同様に初期結晶化を行ったところ、初期化後
の反射率は20%であり、周内での反射率分布も均一で
あって良好な初期結晶化が行われていた。しかし、記録
特性を評価したところ、実施例1の場合と比較すると、
初回から10回くらいまで各線速でのジッターが2割程
度増大していた。これはおそらく、Gaを含む薄膜層を
相変化記録層に対して初期化時におけるレーザー入射面
側とは反対側に設けたことにより、初期結晶化時、記録
時における記録層とGaを含む薄膜層との界面近傍にお
ける温度上昇が小さく、両者の相互拡散が十分に行われ
ず、初回から10回記録時において、混合記録層の組成
変化があったためと思われる。
【0030】実施例3 実施例1においてGaを含む薄膜層の膜厚を2.6nm
とし、記録層の組成をGe3.2Ga1.1Sb83.
0Te12.7(結晶温度165℃)とした。このディ
スクに対して、実施例1と同様の条件で初期結晶化を行
った。初期化後の反射率は20%であり、周内での反射
率分布も均一であって良好な初期結晶化が行われてい
た。しかし、記録特性を評価したところ、実施例1の場
合と比較すると、初回から10回くらいまで各線速での
ジッターが1割程度増大していた。これはおそらく、G
aを含む薄膜層の膜厚が記録層の膜厚の1割以上の厚さ
であるため、初期結晶化時に両者の相互拡散が十分に行
われず、初回から10回記録時において、混合記録層の
組成変化があったためと思われる。
【0031】実施例4 実施例1において、Gaを含む薄膜層としてGa80G
e20(融点600℃)を1.5nm、記録層としてG
e2.0Ga2.5In1.0Sb76Te18.5
(結晶化温度175℃)を19nmとした。製膜を繰り
返して1000枚のディスクを作製し、100枚製ごと
にディスクの初期化と評価を行った。また、100枚作
製ごとにGaを含む薄膜層の組成分析を行った。実施例
1と同様の条件で初期結晶化を行ったところ、いずれの
メディアも初期化後の反射率は20%であり、周内での
反射率分布も均一であって良好な初期結晶化が行われて
いた。しかし、各線速での記録特性を評価したところ、
100枚目ごとにディスクの特性がばらついてしまい、
ディスクによっては各線速でのジッターが10%を越え
てしまった。100枚作製ごとに行ったGaを含む薄膜
層の組成分析の結果をみると、100枚ごとに組成のば
らつきが見られていた。
【0032】比較例1 実施例1においてGaを含む薄膜層を設けることなく、
記録層の組成を実施例1における初期結晶化後の平均組
成Ge3.0Ga6.0In1.0Sb73.2Te1
6.8とした。このとき記録層の結晶化温度は210℃
であった。このディスクに対して、実施例1と同様の条
件で初期結晶化を行った。反射率の周内分布ばらつきが
大きく、部分的に結晶化が不完全で、反射率が低い箇所
が多数見られた。
【0033】実施例1と同様にして記録特性を評価した
ところ、各線速でジッターは10%台を越えており、良
好な記録特性は得られなかった。これは、記録層の結晶
化温度が210℃と高いため、初期結晶化が円滑に行わ
れなかったためと思われる。
【0034】比較例2 実施例1において、初期結晶化をランプアニールで行っ
た。実施例1と同様の条件で初期結晶化を行ったとこ
ろ、いずれのメディアも初期化後の反射率は20%であ
り、周内での反射率分布も均一であって良好な初期結晶
化が行われていた。しかし、記録特性を評価したとこ
ろ、各線速でのジッターは10%を大幅に越えてしまっ
た。これはおそらく、初期化時にGaを含む薄膜層と相
変化記録層との相互拡散が行われず所望の平均組成に達
しなかったためと思われる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、DVD−ROMと同等
以上の容量を有し、DVD−ROMの再生線速の2〜5
倍速である7〜17m/sにおける記録に好適でも、か
つ初期化が容易な光記録媒体を提供され、光情報の記
録、再生及び消去を行う分野に寄与するところはきわめ
て大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光情報記録媒体を用いて記録、再生す
るときの記録ストラテジの模式図である。
【図2】本発明の光情報記録媒体を用いて記録、再生す
るときの線速と反射率の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 譲原 肇 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 田代 浩子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 針谷 眞人 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 影山 喜之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H111 EA03 EA04 EA12 EA23 EA36 FA11 FA18 FA21 FA23 FB05 FB09 FB12 FB21 FB30 5D029 HA05 JA01 JB18 JC11 MA38 MA50 5D121 AA01 GG26

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、少なくとも第1の誘電体層、
    Gaを含む薄膜層、相変化記録層、第2の誘電体層及び
    反射放熱層を有する光情報記録媒体において、該相変化
    記録層材料の結晶化温度が190℃以下であり、かつG
    aを含む薄膜層と相変化記録層材料の平均組成がGaα
    GeβInγSbδTeεで表したとき、α、β、γ、
    δ、εの原子比率が以下の範囲にあることを特徴とする
    光情報記録媒体。 0.01≦α≦0.1 0.01≦β≦0.1 0≦γ≦0.1 0.6≦δ≦0.85 ε=1−α−β−γ−δ
  2. 【請求項2】 該Gaを含む薄膜層と該相変化記録層と
    が接しているものである請求項1に記載の光情報記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 該Gaを含む薄膜層が、相変化記録層に
    対して初期結晶化時におけるレーザー入射面側に存在す
    るものである請求項1又は2に記載の光情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 該Gaを含む薄膜層の膜厚が、該相変化
    記録層の膜厚の10%以下である請求項1〜3のいずれ
    かに記載の光情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 該Gaを含む薄膜層の膜厚が、2nm以
    下である請求項1〜4のいずれかに記載の光情報記録媒
    体。
  6. 【請求項6】 該Gaを含む薄膜層の融点が、200〜
    850℃である請求項1〜5のいずれかに記載の光情報
    記録媒体。
  7. 【請求項7】 該Gaを含む薄膜層が、Ge、Sb、T
    e及びInから選ばれた少なくとも1つの元素との合金
    である請求項1〜6のいずれかに記載の光情報記録媒
    体。
  8. 【請求項8】 該合金がSb及び/又はTeとの合金で
    ある請求項7に記載の光情報記録媒体。
  9. 【請求項9】 該合金が金属間化合物である請求項7又
    は8に記載の光情報記録媒体。
  10. 【請求項10】 レーザービームによる溶融初期化方法
    により初期結晶化されたものである請求項1〜9のいず
    れかに記載の光情報記録媒体。
JP2001142178A 2001-05-11 2001-05-11 光情報記録媒体 Pending JP2002331758A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001142178A JP2002331758A (ja) 2001-05-11 2001-05-11 光情報記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001142178A JP2002331758A (ja) 2001-05-11 2001-05-11 光情報記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002331758A true JP2002331758A (ja) 2002-11-19

Family

ID=18988529

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001142178A Pending JP2002331758A (ja) 2001-05-11 2001-05-11 光情報記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002331758A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1335356A1 (en) * 2002-01-30 2003-08-13 Ricoh Company, Ltd. Recording method and recording alloy
CN1328722C (zh) * 2003-02-26 2007-07-25 日本胜利株式会社 光存储介质
US7351516B2 (en) * 2002-11-06 2008-04-01 Ricoh Company, Ltd. Optical information recording medium

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1335356A1 (en) * 2002-01-30 2003-08-13 Ricoh Company, Ltd. Recording method and recording alloy
US7068591B2 (en) 2002-01-30 2006-06-27 Ricoh Company, Ltd. Information recording method and optical recording medium therefor
US7351516B2 (en) * 2002-11-06 2008-04-01 Ricoh Company, Ltd. Optical information recording medium
CN1328722C (zh) * 2003-02-26 2007-07-25 日本胜利株式会社 光存储介质

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5736657A (en) Sputtering target
JP2990036B2 (ja) 光記録媒体およびその製造方法
JPH10329426A (ja) 光記録媒体およびその製造方法
JP2000313170A (ja) 光学的情報記録用媒体並びにその再生方法及び記録方法
JP3584634B2 (ja) 光学的情報記録用媒体
JP3419347B2 (ja) 光学的情報記録用媒体、記録方法及び光学的情報記録用媒体の製造方法
US6127049A (en) Rewritable optical information medium
JP2002074741A (ja) 光学的情報記録用媒体
JP3651231B2 (ja) 光学的情報記録用媒体
JP2002331758A (ja) 光情報記録媒体
JP4093846B2 (ja) 相変化型光記録媒体
JP3731372B2 (ja) 光学的情報記録用媒体並びにその再生方法及び記録方法
JP3493913B2 (ja) 光学的情報記録用媒体
JPH04267192A (ja) 光情報記録媒体
JP2002117577A (ja) 光記録媒体および光学的情報記録方法
JPH0428587A (ja) 光情報記録媒体
JPH07161072A (ja) 光情報記録媒体
JP4063499B2 (ja) 光情報記録媒体
JP3869493B2 (ja) 光学的情報記録用媒体及びその製造方法
JP3176582B2 (ja) 情報の記録及び消去方法
JPH11232698A (ja) 光学的情報記録用媒体及びその製造方法
JPH09263055A (ja) スパッタリング用ターゲット、その製造方法、そのターゲットを用いた光記録媒体、その光記録媒体の製造方法、及び光記録方法
JP2004164686A (ja) 光情報記録媒体およびその製造方法
JPH07262615A (ja) 光情報記録媒体
JP2002304767A (ja) 相変化型光情報記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050225

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080418

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20080502

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090821

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090825

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091222