JP2004021178A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】タンデム式であって、各作像ユニットを接触帯電方式、現像同時クリーニング方式にしている画像形成装置において、いわゆる再転写現象により、下流側の作像ユニットほど再転写現像剤量が多く、接触帯電部材に付着混入する現像剤量が多くなることによる、帯電不良、カブリ等の問題を解消する。
【解決手段】各作像ユニットI・II・III・IVにて帯電部材に回収された現像剤を帯電部材から吐き出すモードを持ち、被転写材移動方向下流側の作像ユニットほど、前記吐き出しモードの時間を長くする。作像ユニットに対し画像比率を算出する手段を持ち、前記吐き出しモードの時間を算出された画像比率に基づいて決定する。作像環境により、前記吐き出しモードの時間を変化させる。前記吐き出しモードの時間を、その作像ユニット自身の画像比率、及びその作像ユニットよりも被転写材移動方向上流側の作像ユニットの画像比率を用いて決定する。
【選択図】図1
【解決手段】各作像ユニットI・II・III・IVにて帯電部材に回収された現像剤を帯電部材から吐き出すモードを持ち、被転写材移動方向下流側の作像ユニットほど、前記吐き出しモードの時間を長くする。作像ユニットに対し画像比率を算出する手段を持ち、前記吐き出しモードの時間を算出された画像比率に基づいて決定する。作像環境により、前記吐き出しモードの時間を変化させる。前記吐き出しモードの時間を、その作像ユニット自身の画像比率、及びその作像ユニットよりも被転写材移動方向上流側の作像ユニットの画像比率を用いて決定する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の作像ユニットを被転写材の移動経路に沿ってタンデム(直列)に配置し、各作像ユニットの転写部を順次に経由させて被転写材を移動させ被転写材に各作像ユニットの像担持体に形成の現像剤像(トナー像)を順次転写させて画像形成を実行させる、所謂タンデム式の画像形成装置に関する。
【0002】
より詳しくは、上記の各作像ユニットを接触帯電方式、現像同時クリーニング方式(クリーナーレス)にしている画像形成装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
タンデム式の画像形成装置はフルカラー画像や多色画像を形成する装置の構成形態の一つである。フルカラー画像形成についていえば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の現像剤像をそれぞれ電子写真感光体・静電記録誘電体などの像担持体に形成する4つの作像ユニットを被転写材の移動経路に沿って順に配置し、各作像ユニットの転写部を順次に経由させて被転写材を移動させ被転写材に各作像ユニットの像担持体に形成のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各現像剤像を順次に重畳転写させることでフルカラー現像剤像を合成形成させ、そのフルカラー現像剤像を定着装置で被転写材に永久固着像として定着させてフルカラー画像形成物(コピー、プリント)を得るものである。
【0004】
あるいは上記の各作像ユニットの像担持体に形成のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各現像剤像を順次に重畳転写させる被転写材を中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写体(一次被転写材)にし、この中間転写体に合成形成されたフルカラー現像剤像を被転写材(二次被転写材)に一括二次転写させ、そのフルカラー現像剤像を定着装置で被転写材に永久固着像として定着させてフルカラー画像形成物を得るものである。
【0005】
各作像ユニットは電子写真プロセス機構や静電記録プロセス機構等で構成することが出来る。特に、接触帯電方式、現像同時クリーニング方式(クリーナーレス)とした作像ユニットにすることで、被転写材に対する現像剤像の転写後の像担持体面に残留した転写残現像剤は現像装置にて現像同時クリーニングで回収されて次工程以降に用いられるため、廃現像剤をなくし、メンテナンスに手を煩わせることも少なくすることができる。また、クリーナーレスであることでスペース面での利点も大きく、画像形成装置を大幅に小型化できるようになる。
【0006】
現像同時クリーニングは、転写後に像担持体面に残留した転写残現像剤を像担持体面から除去する専用のクリーニング装置(クリーナー)を具備させず、転写残現像剤を現像装置にて次工程以後の現像時にかぶり取りバイアス(現像手段に印加する直流電圧と像担持体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって回収するものである。
【0007】
この場合、現像装置で回収可能な転写残現像剤は帯電極性が正規の帯電極性を持つ必要があり、正規の帯電極性とは逆極性に反転している反転現像剤は回収が困難となる。反転現像剤は像担持体の帯電装置を接触式の帯電装置にすることで接触帯電部材に一時的に回収され、正規の帯電極性に直されて像担持体に戻され、現像装置の現像部位に持ち運ばれて回収される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、タンデム式であって、各作像ユニットを接触帯電方式、現像同時クリーニング方式にしている画像形成装置においては、被転写材移動方向上流側の作像ユニットの転写部で被転写材に転写された現像剤像の現像剤の一部が下流側の作像ユニットの転写部において該下流側の作像ユニットの像担持体に付着する現象、いわゆる再転写が発生することにより、下流側の作像ユニットほど再転写現像剤量が多く、帯電部材に持ち込まれて一時的に回収されて付着混入する現像剤量が多くなって帯電不良が起こり、カブリが発生しやすくなる、という問題点が有る。
【0009】
本発明はこの問題を解消することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記の構成を特徴とする画像形成装置である。
【0011】
(1)像担持体と、像担持体に当接する帯電部材を有し該帯電部材に帯電バイアスを印加することで像担持体の帯電を行う帯電装置と、像担持体の帯電処理面に静電潜像を形成する情報書き込み装置と、該静電潜像を現像剤により顕像化する現像装置と、像担持体に形成された現像剤像を被転写材に転写する転写装置を具備する作像ユニットを被転写材の移動経路に沿って複数個配置し、各作像ユニットの転写部を順次に経由させて被転写材を移動させ被転写材に各作像ユニットの像担持体に形成の現像剤像を順次転写させて画像形成を実行させ、各作像ユニットにおいて被転写材に対する現像剤像転写後の像担持体面に残留した転写残現像剤の少なくとも一部を帯電装置の帯電部材に一時的に回収させ、帯電装置側から現像装置側に持ち運ばれる像担持体上の現像剤の少なくとも一部を現像装置で回収させる構成の画像形成装置において、
各作像ユニットにて帯電部材に回収された現像剤を帯電部材から吐き出すモードを持ち、被転写材移動方向下流側の作像ユニットほど、前記吐き出しモードの時間を長くすることを特徴とする画像形成装置。
【0012】
(2)前記帯電バイアスが直流電圧に交流電圧を重畳した電圧であることを特徴とする(1)に記載の画像形成装置。
【0013】
(3)前記吐き出しモードは帯電バイアスの交流成分のピーク間電圧を作像時より小さくすることを特徴とする(1)または(2)に記載の画像形成装置。
【0014】
(4)前記帯電部材が磁性粒子と磁場発生装置を内包する磁性粒子担持体からなることを特徴とする(1)から(3)の何れかに記載の画像形成装置。
【0015】
(5)作像ユニットに対し画像比率を算出する手段を持ち、前記吐き出しモードの時間を算出された画像比率に基づいて決定することを特徴とする(1)から(4)の何れかに記載の画像形成装置。
【0016】
(6)作像環境により、前記吐き出しモードの時間を変化させることを特徴とする(1)から(5)の何れかに記載の画像形成装置。
【0017】
(7)前記吐き出しモードの時間を、その作像ユニット自身の画像比率、及びその作像ユニットよりも被転写材移動方向上流側の作像ユニットの画像比率を用いて決定することを特徴とする(1)から(6)の何れかに記載の画像形成装置。
【0018】
(8)像担持体が電子写真感光体であることを特徴とする(1)から(7)の何れかに記載の画像形成装置。
【0019】
(9)像担持体が電荷注入帯電性であることを特徴とする(1)から(8)の何れかに記載の画像形成装置。
【0020】
(10)像担持体が絶縁性のバインダー中に導電性微粒子を分散させた電荷注入層を有する電子写真感光体であることを特徴とする(1)から(9)の何れかに記載の画像形成装置。
【0021】
【発明の実施の形態】
〈第1の実施例〉
図1は本発明に従う画像形成装置の一例の概略構成模式図である。本実施例の画像形成装置は、電子写真プロセス利用の4色タンデム式のカラーレーザープリンタである。
【0022】
(1)プリンタの全体的な概略構成
I・II・III・IVは右側から左側に順にタンデムに配列した第1から第4の4つの作像ユニット(画像形成ステーション)である。本例において、第1の作像ユニットIはイエロー画像形成部、第2の作像ユニットIIはマゼンタ画像形成部、第3の作像ユニットIIIはシアン画像形成部、第4の作像ユニットIVはブラック画像形成部である。
【0023】
第1〜第4の各作像ユニットI・II・III・IVは何れも磁気ブラシ帯電方式・反転現像方式・クリーナーレスシステムの電子写真作像機構であり、像担持体としての電子写真感光ドラム1と、磁気ブラシ帯電装置2と、画像情報書き込み装置としての例えばレーザービームスキャナー3と、現像装置4と、補助帯電器としての導電性ブラシ5等を備えている。
【0024】
第1の作像ユニットIの現像装置4は現像剤にイエロートナーを有する現像装置であり、第2の作像ユニットIIの現像装置4は現像剤にマゼンタトナーを有する現像装置であり、第3の作像ユニットIIIの現像装置4は現像剤にシアントナーを有する現像装置であり、第4の作像ユニットIVの現像装置4は現像剤にブラックトナーを有する現像装置である。
【0025】
6は第1〜第4の各作像ユニットI・II・III・IVの下側に各作像ユニットに渡らせて左右方向にほぼ水平に配設した転写ベルト装置であり、左右側の懸回ローラ62に被転写材担持体としての無端状の転写ベルト61を懸架してあり、この転写ベルト61は矢印の反時計方向に回動される。転写ベルト61の内側には各作像ユニットI・II・III・IVの感光ドラム1の下面部に対して転写ベルト61の上行側ベルト部分を加圧当接させて第1〜第4の転写部(転写ニップ部)6a・6b・6c・6dを形成する4つの転写帯電ブレード63を配設してある。64は転写ベルト61の外面を清掃するクリーナーである。
【0026】
7は給紙カセット、71は給紙ローラ、72はレジストローラである。8は転写ベルト装置6の次位に配設した熱定着装置である。
【0027】
各作像ユニットI・II・III・IVにおける作像動作は同じである。
【0028】
1)帯 電
感光ドラム1は矢示の時計方向に所定のプロセススピード(周速度)、本例では100mm/secで回転駆動され、その回転過程において磁気ブラシ帯電装置(注入帯電器)2によりその外周面が一様に、本例では−700Vに接触注入帯電処理される。感光ドラム1及び磁気ブラシ帯電装置2については後記(2)項と(3)項でさらに詳述する。
【0029】
2)露 光
この回転感光ドラム1の一様帯電面に対してレーザービームスキャナー3により画像情報に対応したレーザー走査露光がなされ、光照射された露光部の電位が落ち(明部電位)、照射されなかった非露光部の電位(暗部電位)とのコントラストにより、像露光パターンに対応した静電潜像が形成される。レーザービームスキャナー3は、CCD等の光電変換素子を有する原稿読み取り装置や電子計算機等のホスト装置から入力する画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザー光を出力する。
【0030】
第1の作像ユニットIの感光ドラム1面にはフルカラー画像のイエロー成分像に対応する像露光がなされてその静電潜像が形成される。第2の作像ユニットIIの感光ドラム1面にはマゼンタ成分像に対応する像露光がなされてその静電潜像が形成される。第3の作像ユニットIIIの感光ドラム1面にはシアン成分像に対応する像露光がなされてその静電潜像が形成される。第4の作像ユニットIVの感光ドラム1面にはブラック成分像に対応する像露光がなされてその静電潜像が形成される。
【0031】
3)現 像
そして、第1の作像ユニットIの感光ドラム1の静電潜像は現像装置4によりイエロートナー画像として反転現像される。第2の作像ユニットIIの感光ドラム1の静電潜像は現像装置4によりマゼンタトナー画像として反転現像される。第3の作像ユニットIIIの感光ドラム1の静電潜像は現像装置4によりシアントナー画像として反転現像される。第4の作像ユニットIVの感光ドラム1の静電潜像は現像装置4によりブラックトナー画像として反転現像される。
【0032】
本実施例における現像装置4は、帯電極性が負極のトナー(ネガトナー)を用いた反転現像装置である。より具体的には、重合法で作成した、転写残トナーの少ない高離形成球形非磁性トナーと磁性キャリアを混合した現像剤による、2成分接触現像方式の反転現像装置である。本実施例の現像特性は、帯電電位と現像バイアスのDC成分値の差が200v以下であるとカブリが生じ、350v以上であると現像キャリアの感光体への付着が生じたので、現像バイアスDC成分値は−400vとした。
【0033】
4)転 写
一方、給紙カセット7内に積載収納されている被転写材(転写紙)Pが給紙ローラ71により一枚宛繰り出されて給送され、レジストローラ72により所定の制御タイミングにて転写ベルト装置6の転写ベルト61の上行側ベルト上に給紙される。各転写帯電ブレード63にはそれぞれ不図示の転写バイアス印加電源より所定の転写バイアス、本例ではプラスの転写バイアスが所定の制御タイミングで印加される。
【0034】
転写ベルト61上に給紙された被転写材Pはベルト面に静電吸着保持されて転写ベルト61の回動に伴い第1〜第4の転写部6a〜6dを順次に搬送され、第1の転写部6aにおいて第1の作像ユニットIの感光ドラム1面のイエロートナー画像の転写、第2の転写部6bにおいて第2の作像ユニットIIの感光ドラム1面のマゼンタトナー画像の転写、第3の転写部6cにおいて第3の作像ユニットIIIの感光ドラム1面のシアントナー画像の転写、第4の転写部6dにおいて第4の作像ユニットIVの感光ドラム1面のブラックトナー画像の転写の都合4回のトナー画像の重畳転写を受けて被転写材面にはフルカラートナー画像が合成形成される。本実施例では、10μAの定電流制御で転写を行った。
【0035】
各作像ユニットI〜IVにおけるトナー画像の作像は所定に同期を取ってなされ、各作像ユニットI〜IVのトナー画像が転写ベルト装置6で搬送される同一の被転写材P面に所定に位置合わせされて順次に重なるように転写される。
【0036】
5)定 着
転写ベルト61で搬送され、最終の第4の転写部6dを通過した被転写材は転写ベルト61上から分離されて熱定着装置8へ導入されて被転写材面の未定着のフルカラートナー画像が熱と圧力で永久固着画像として定着される。
【0037】
6)クリーナーレスシステム
各作像ユニットI〜IVにおいて被転写材Pへのトナー画像転写後の感光ドラム1の面には転写残トナーが残留する。本実施例の場合はその転写残トナーを除去する専用のクリーナーは具備させないで、現像装置4により現像同時回収させている。
【0038】
転写されずに感光ドラム1の表面に残ったトナーには、正規の帯電極性である負極のトナーと、転写バイアスや剥離放電等のために帯電極性が正規の帯電極性である負極から正極に反転したトナーが混在している。現像装置4による転写残トナーの現像同時回収は正規の帯電極性とは逆極性に反転している正極のトナーの回収が困難となる。
【0039】
そこで本実施例においては、転写残トナーの帯電極性を正規の帯電極性に整え直して現像部位に至らせるために、感光ドラム1の帯電手段を接触帯電装置、本例では磁気ブラシ帯電装置2にするとともに、転写部とこの磁気ブラシ帯電装置2との間に補助帯電器としての導電性ブラシ5を接触させて配設し、これに正極の直流電圧を印加する。図2においてE5はこの導電性ブラシ5に対するバイアス印加電源である。
【0040】
すなわち、転写残トナーは、正極の直流電圧を印加し、感光ドラム1に接触させてある導電性ブラシ5を通過することで、正規の帯電極性である負極のトナーは導電ブラシ5中に捕集され、逆極性に反転している正極のトナーは通過する。導電ブラシ5に補集された負極のトナーは正極に帯電もしくは除電されて再び感光ドラム1上に出ていく。これにより、磁気ブラシ帯電装置の帯電部位に持ち運ばれる転写残トナーは正極に帯電しているものや除電されているのものとになり、磁気ブラシ帯電装置2の負極の帯電バイアスが印加されている接触帯電部材である磁気ブラシに電気的に効率よく一時的に回収される。
【0041】
磁気ブラシに一旦回収された正極のトナーや除電されているトナーは磁気ブラシとの摩擦帯電や印加バイアスにより正規の帯電極性である負極のトナーに再帯電状態にされ、その負極のトナーが磁気ブラシとの電気的反発現象により再び感光ドラム1上に出ていく。
【0042】
従って、転写残トナーは実質的に正規の帯電極性である負極に整え直されて現像部位に持ち運ばれて、現像装置4により効果的に現像同時回収される。
【0043】
補助帯電器としての導電性ブラシ5としては、ブラシ長1〜10mm、ブラシ密度1〜50万本/inch2、ブラシ径2〜12デニール、ブラシ抵抗10−2〜1012Ωcmが好ましく、本実施例では、ブラシ長5mm、ブラシ密度10万本/inch2、ブラシ径6デニール、ブラシ抵抗105Ωcmのものを用いた。
【0044】
また、印加バイアスは200vから1500vがよく、400vから800vがさらに好ましい。それ以下の場合は、負極の転写残トナーの除電、帯電効果が薄くゴースト発生を防止することが困難となり、それ以上の場合は、強い正極の電荷を感光ドラム1に与えてしまうため、磁気ブラシ帯電装置2の注入帯電において帯電不良を起こしやすくなる。本実施例では、500vの直流バイアスを用いた。
【0045】
(2)感光ドラム1
感光ドラム1としては、通常用いられている有機感光体等を用いることができるが、望ましくは、有機感光体上にその抵抗が1×102〜1×1014Ω・cmの材質を有する表面層を持つものや、アモルファスシリコン感光体等を用いると、電荷注入帯電(直接帯電)を実現でき、オゾン発生の防止、ならびに消費電力の低減に効果がある。また、帯電性についても向上させることが可能となる。
【0046】
本実施例で用いた感光ドラム1は、表面に電荷注入層を設けた、負帯電のOPC(有機)感光体であり、φ30mmのアルミニウム製のドラム基体(以下、アルミ基体と記す)上に下記の第1〜第5の5つの層1a〜1fを下から順に設けたものである。図3はその層構成模型図である。
【0047】
第1層1b;下引き層であり、アルミ基体1aの欠陥等をならすため、またレーザー露光の反射によるモアレの発生を防止するために設けられている厚さ約20μmの導電層である。
【0048】
第2層1c;正電荷注入防止層であり、アルミ基体1aから注入された正電荷が感光体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果たし、アミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって1×106Ω・cm程度に抵抗調整された厚さ1μmの中抵抗層である。
【0049】
第3層1d;電荷発生層であり、ジスアゾ系の顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であり、レーザー露光を受けることによって正負の電荷対を発生する。
【0050】
第4層1e;電荷輸送層であり、ポリカーボネイト樹脂にヒドラゾンを分散したものであり、P型半導体である。従って、感光体表面に帯電された負電荷はこの層を移動することができず、電荷発生層1dで発生した正電荷のみを感光体表面に輸送することができる。
【0051】
第5層1f;電荷注入層であり、バインダーとしての光硬化性のアクリル樹脂に光透過性の導電フィラーであるアンチモンをドーピングして低抵抗化(導電化)した粒径0.03μmの酸化錫の超微粒子を樹脂に対して70重量パーセント分散した材料の約3μmの塗工層である。この電化注入層の電気抵抗値は、充分な帯電性と画像流れを起こさない条件である1×1010〜1×1014Ω・cmである必要がある。本実施例では、表面抵抗が1×1011Ω・cmの感光ドラムを用いた。
【0052】
(3)磁気ブラシ帯電装置3
本実施例の磁気ブラシ帯電装置2は、図2の拡大模型図に示すように、大きく分けて、接触帯電部材としての磁気ブラシ帯電部材2A、該磁気ブラシ帯電部材2Aと導電性磁性粒子(帯電キャリア)2dを収容させた容器(ハウジング)2B、磁気ブラシ層厚規制ブレード2e、磁気ブラシ帯電部材2Aと磁気ブラシ層厚規制ブレード2eに対する帯電バイアス印加電源E2等からなる。
【0053】
磁気ブラシ帯電部材2Aは本実施例のものはスリーブ回転タイプであり、マグネットロール(磁石)2aと、このマグネットロールに外嵌させた非磁性ステンレス製スリーブ(電極スリーブ、導電スリーブ、帯電スリーブなどと称される)2bと、該スリーブ2bの外周面にスリーブ内部のマグネットロール2aの磁気力で磁気拘束させて形成保持させた磁性粒子2dの磁気ブラシ部2cからなる。
【0054】
マグネットロール2aは非回転の固定部材であり、スリーブ2bはこのマグネットロール2aの外回りを矢示の時計方向に不図示の駆動系により所定の周速度で回転駆動される。またスリーブ2bは感光ドラム1に対してスペーサコロ等の手段で500μm程度の隙間を保たせて対向させて配設してある。
【0055】
2eは容器2Bに取り付けた、非磁性ステンレス製の磁気ブラシ層厚規制ブレードであり、スリーブ2bの表面とのギャップが900μmになるように配置されている。
【0056】
容器2B内の磁性粒子2dはその一部がスリーブ2bの外周面にスリーブ内部のマグネットロール2aの磁気力で磁気拘束されて磁気ブラシ部2cとして保持される。磁気ブラシ部2cはスリーブ2bの回転駆動に伴い、スリーブ2bと一緒にスリーブ2bと同方向に回転する。このとき磁気ブラシ部2cの層厚はブレード2eにより均一厚さに規制される。そしてその磁気ブラシ部2cの規制層厚はスリーブ2bと感光ドラム1との対向隙間部の間隔より大きいから、磁気ブラシ部2cはスリーブ2bと感光ドラム1との対向部において感光ドラム1に対して所定幅のニップ部を形成して接触する。この接触ニップ部が帯電ニップ部nである。従って、回転感光ドラム1は帯電ニップ部nにおいて磁気ブラシ帯電部材2Aのスリーブ2bの回転に伴ない回転する磁気ブラシ部2cで摺擦される。この場合、帯電ニップ部nにおいて感光ドラム1の移動方向と磁気ブラシ部2cの移動方向は逆方向となり、相対移動速度は速くなる。
【0057】
スリーブ2b内に固定配置されているマグネットロール2aは、スリーブ2bと感光ドラム1の最近接位置cから感光ドラム回転方向上流側10°の位置に約900Gの磁極(主極)Nを配置してある。
【0058】
この主極Nは、スリーブ2bと感光ドラム1の最近接位置cとの角度θを感光ドラム回転方向上流側20°から下流側10°の範囲に入るようにすることが望ましく、上流側15°〜0°であればさらに良い。それより下流だと主極位置に磁性粒子が引きつけられ、帯電ニップ部nの感光ドラム回転方向下流側に磁性粒子の滞留が発生しやすくなり、また上流すぎると、帯電ニップ部nを通過した磁性粒子の搬送性が悪くなり、滞留が発生しやすくなる。また、帯電ニップ部nに磁極がない場合には、磁性粒子に働くスリーブ2bへの拘束力が弱くなり、磁性粒子が感光ドラム1に付着しやすくなるのは明らかである。ここで述べている帯電ニップ部nは、帯電時に磁気ブラシ部2cの磁性粒子が感光ドラム1と接触している領域を示す。
【0059】
帯電バイアスは電源E2によってスリーブ2bと規制ブレード2eに印加される。本実施例ではDC成分にAC成分が重畳しているバイアスを用いている。
【0060】
而して、感光ドラム1が回転駆動され、磁気ブラシ帯電部材2Aのスリーブ2bが回転駆動され、電源E2から所定の帯電バイアスが印加されることで、回転感光ドラム1の周面が本実施例の場合は電荷注入帯電方式で所定の極性・電位に一様に接触帯電処理される。
【0061】
すなわち、帯電ニップ部nにおける、磁気ブラシ帯電部材2Aの磁気ブラシ部2cによる感光ドラム1面の摺擦と、磁気ブラシ帯電部材2Aへの帯電バイアスの印加により、磁気ブラシ部2cを構成している帯電用磁性粒子2dから電荷が感光ドラム1上に与えられ、感光ドラム1面が所定の極性・電位に一様に接触帯電される。本例の場合は前述したように感光ドラム1はその表面に電荷注入層1fを具備させたものであるから、電荷注入帯電により感光ドラム1の帯電処理がなされる。即ち、感光ドラム1面が帯電バイアスDC+ACのDC成分に対応した電位に帯電される。スリーブ2bは回転速度が速いほど帯電均一性が良好になる傾向にある。
【0062】
帯電バイアスのDCは必要とされる感光ドラムの表面電位と同値(本実施例では、−700v)とした。ACのピーク間電圧(以後、Vppと記す)は、100v以上、2000v以下、特に300v以上、1200v以下が好ましい。Vppがそれ以下では、帯電均一性、電位の立ち上がり向上の効果が薄く、それ以上では、磁性粒子の滞留や感光ドラムへの付着が悪化する。
【0063】
周波数は100Hz以上5000Hz以下、特に500Hz以上2000Hz以下が好ましい。それ以下では、磁性粒子の感光ドラムへの付着悪化や、帯電均一性、電位の立ち上がり性向上の効果が薄くなり、それ以上でも帯電均一性、電位の立ち上がり性向上の効果が得られにくくなる。ACの波形は矩形波、三角波、sin波などがよい。本実施例では作像時に700Vpp、非作像時には0Vpp、つまり、DC(−700v)のみの帯電を行った。
【0064】
本実施例では、磁性粒子2cとして、焼結した強磁性体(フェライト)を還元処理をしたものを用いたが、他に樹脂と強磁性体粉を混練して粒子状に成形したもの、もしくはこれに抵抗値調節のために導電性カーボン等を混ぜたものや、表面処理を行ったものも同様に用いることができる。
【0065】
この磁性粒子2dは感光体表面のトラップ準位に電荷を良好に注入する役割と、感光体上に生じたピンホールなどの欠陥に帯電電流が集中してしまうことに起因して生じる帯電部材及び感光体の通電破壊を防止する役割を兼ね備えていなければならない。従って、帯電部材の抵抗値は1×104Ω〜1×109Ωであることが好ましく、特には1×104Ω〜1×107Ωであることが好ましい。帯電部材の抵抗値が1×104Ω未満ではピンホールリークが生じやすくなる傾向があり、1×109Ωを超えると良好な電荷の注入がしにくくなる傾向にある。また、抵抗値を抵抗値を上記範囲内に制御するためには、磁性粒子の体積抵抗値は1×104Ω・cm〜1×109Ω・cmであることが好ましく、特には1×104Ω・cm〜1×107Ω・cmであることが好ましい。
【0066】
磁性粒子2dの体積抵抗値は、図4に示すセルAを用いて測定した。すなわち、セルAに磁性粒子2dを充填し、該充填磁性粒子に接するように主電極17及び上部電極18を配し、該電極間に電圧を印加し、そのとき流れる電流を測定することにより求めた。その測定条件は、23℃、65%の環境で充填磁性粒子のセルとの接触面積S=2cm2、厚みd=1mm、上部電極の荷重98N(10kg)、印加電圧100Vである。図4中、19は絶縁物、20は電流計、21は電圧計、22は定電圧装置、24はガイドリングを示す。
【0067】
磁性粒子の平均粒径及び粒度分布測定におけるピークは5〜100μmの範囲にあることが、粒子表面の汚染による帯電劣化防止の観点から好ましい。
【0068】
本実施例で用いた帯電部材の抵抗値は、1×106Ω・cmであり、帯電バイアスのDC成分として−700vを印加することで、感光ドラム1の表面電位も−700vとなった。
【0069】
(4)磁気ブラシからのトナー吐き出しモード
かくして、第1〜第4の各作像ユニットI・II・III・IVにおいて、転写残トナーは一時的に接触帯電部材である磁気ブラシ帯電部材の磁気ブラシ2cに一時的に回収され、正規の帯電極性に揃えられて磁気ブラシとの電気的な反発現象で感光ドラム1の面に戻され、画像形成工程時に現像装置4により現像同時回収されるのであるが、磁気ブラシ2cから感光ドラム1面に戻される転写残トナー量に対して磁気ブラシ2cに一時的に回収される転写残トナー量の方が多い状態のアンバランスを生じることで、磁気ブラシ2cにトナーが徐々に蓄積していき磁気ブラシが許容以上に過度にトナー汚染された状態を生じる。そうすると磁気ブラシ帯電装置2の帯電性能が低下してプリントアウトされる画像品質が低下する結果となる。
【0070】
そこで、プリンタの動作シーケンスにおける、いわゆる前回転工程時、紙間時、後回転工程時等の非画像形成動作時に、画像形成工程時よりも積極的に磁気ブラシ2cからトナーを吐き出させて現像装置で回収させる「トナー吐き出しモードを持たせることで、磁気ブラシが許容以上に過度にトナー汚染された状態を生じることを防止している。
【0071】
磁気ブラシ2cから感光ドラム1へのトナーの積極的な吐き出しは、磁気ブラシ帯電部材2Aに印加する帯電バイアスについて、画像形成工程時には印加しているAC成分の振幅Vppを減少させたり、AC成分の印加を停止させたりする制御をして印加電圧と感光体表面電位との電位差ΔVを大きくすることで可能である。
【0072】
しかしその場合でも、タンデム式の画像形成装置においては、被転写材移動方向上流側の作像ユニットの転写部で被転写材に転写されたトナー像のトナーの一部が下流側の作像ユニットの転写部において該下流側の作像ユニットの感光ドラム1に付着する現象、いわゆる再転写が発生することにより、下流側の作像ユニットほど再転写トナー量が多くなり、磁気ブラシ帯電部材2Aに持ち込まれて一時的に回収されて付着混入するトナー量が多くなって帯電不良が起こり、作像ユニット間で作像性能にアンバランスを生じてカブリが発生しやすくなる。
【0073】
そこで本発明は被転写材移動方向下流側の作像ユニットほど、前記吐き出しモードの実行時間を長くすることを特徴とするもので、いわゆる再転写により下流側の作像ユニットほど再転写現像剤量が多く、帯電部材に持ち込まれて一時的に回収されて付着混入する現像剤量が多くなっても、下流側の作像ユニットほど、前記吐き出しモードの時間を長くすることにより、下流側の作像ユニットほど、帯電部材からの吐き出し現像剤量も多くなるので、帯電部材が現像剤で過度に汚染された状態になることが防止され、帯電不良やカブリの発生を解消することができる。
【0074】
以下、これを具体的に説明する。上記説明した画像形成装置において、図5の(a)のように、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックが独立した横帯の画像(画像比率20%)を連続作像したときの、第1〜第4の各作像ユニットI・II・III・IVにおける磁気ブラシ帯電部材2A内のトナー濃度の推移を図5の(b)に示す。
【0075】
磁気ブラシ帯電部材2A内のトナー量が多くなるに従い、磁気ブラシ帯電部材2Aから感光体表面に吐き出す単位時間あたりのトナー量も増加する。そのため、時間当り一定量の転写残トナーを回収していると磁気ブラシ内トナー濃度はある値に安定し、その安定した値は単位時間当りに回収する転写残トナー量が多いほど大きくなる。
【0076】
第1〜第4の各作像ユニットI・II・III・IVの転写残トナー量は、0.03mg/cm2(感光体上の単面積当りのトナー量0.6mg/cm2に対し転写効率が95%)とほぼ同じ量であるのにも関わらず、磁気ブラシ内トナー濃度はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順、つまり被転写材移動方向下流の作像ユニットほど大きくなった。これは、各作像ユニットでの転写効率は同程度であるのに対し、上流側作像ユニットで被転写材に転写されたトナーの一部が下流側作像ユニットの感光ドラム1に付着する、いわゆる再転写が発生して下流側作像ユニットほど磁気ブラシ帯電部材で単位時間あたりに回収するトナー量が多くなるためである。再転写のトナー量を測定したところ、イエローは約0.01mg/cm2、マゼンタ、シアンが約0.005mg/cm2であった。
【0077】
このような状態で、画像100枚分の各作像ユニットの画像比率を積算した値に対し、非画像形成動作時に実行させるトナー吐き出しモード時の吐き出し時間を算出して吐き出し動作を行う作像耐久試験を行った。
【0078】
すなわち、プリンタの制御回路(不図示)に作像ユニットに対し画像比率を算出する手段を具備させ、非画像形成動作時に実行させるトナー吐き出しモード時の時間を算出された画像比率に基づいて決定する構成とする。
【0079】
吐き出し時間を算出方法は、積算画像比率に対する吐き出し時間をテーブルとして用意する、もしくは積算画像比率をパラメータとする時間算出式を用意する方法がある。本実施例では以下の表1のテーブルを用いた。
【0080】
【表1】
【0081】
その結果、カブリなどの不良画像が発生する磁気ブラシ内トナー濃度の上限値4%を最上流であるイエローの第1の作像ユニットIのみが下回り、その他の第2〜第4の作像ユニットII〜IVは上限値付近、もしくは上回った。
【0082】
そこで、最上流であるイエローの第1の作像ユニットIから1つ下流側の作像ユニットII→III→IVになるほど吐き出し時間を+2秒ずつした吐き出しテーブルを用いて同様の作像耐久試験を行ったところ、第1〜第4の作像ユニットI・II・III・IVすべてにおいて磁気ブラシ内トナー濃度は不良画像上限値の4%を超えることはなかった。
【0083】
本実施例では、下流側の作像ユニットの吐き出し時間を一律に長くしたが、各作像ユニット別に吐き出し時間算出テーブル、もしくは算出式を用意しておいてもよい。
【0084】
〈第2の実施例〉
下流側作像ユニットの再転写トナー量は、作像環境によっても大きく変化する。特に低湿環境などの再転写量が多くなるため、磁気ブラシ帯電部材2Aでの回収トナー量が多くなり不良画像が出やすくなる。
【0085】
本実施例では、プリンタに環境センサ(不図示)を具備させ、その検知情報を制御回路(不図示)にフィードバックさせ、その検知情報に応じて、第1の実施例で基本の吐き出し時間テーブルに対して加算する2秒を、低湿環境であるほど多くするように制御回路で制御させた。
【0086】
空気中の絶対水分量に対して加算する吐き出し時間は以下の表2の値とした。
【0087】
【表2】
【0088】
その結果、低湿環境でのカブリなどの不良画像を防止できた共にその他の環境で不必要に長い吐き出し動作を行わず、吐き出し動作によるダウンタイムを短くすることができた。
【0089】
〈第3の実施例〉
再転写は図6の模式図に示すように上流側作像ユニットで被転写材Pに転写されたトナー像Taが直接下流側作像ユニットの感光ドラム1に接触した時に生じやすく(再転写トナーTa′)、下流側作像ユニットの感光ドラム表面にトナー像Tbがあるときはほとんど再転写しない。Tb′はトナー像Tbの転写残トナーである。
【0090】
よって、本実施例では第1〜第4の各作像ユニットI・II・III・IVにおいて磁気ブラシ帯電部材2Aが回収するトナー量をそれより上流側の作像ユニットの画像比率を考慮して吐き出し時間を算出した。
【0091】
すなわち、吐き出しモードの時間を、制御回路により、その作像ユニット自身の画像比率、及びその作像ユニットよりも被転写材移動方向上流側の作像ユニットの画像比率を用いて決定する構成とした。
【0092】
第1の実施例で述べたとおり、各作像ユニットでの転写残トナー量は0.03mg/cm2、再転写トナー量はイエローが約0.01mg/cm2、マゼンタ、シアンが約0.005mg/cm2であったので、各作像ユニットでの吐き出し時間を決定する積算画像比率を以下の式で求めた。
【0093】
下記において、イエローステーションは第1の作像ユニットI、マゼンタステーションは第2の作像ユニットII、シアンステーションは第3の作像ユニットIII、ブラックステーションは第4の作像ユニットIVである。
【0094】
イエローステーション:T
マゼンタステーション:T+Cy・Ty
シアンステーション :T+Cy・Ty+Cm・Tm
ブラックステーション:T+Cy・Ty+Cm・Tm+Cc・Tc
T:各ステーションの画像比率
Ty:イエローの被転写材上トナー像がそのステーションの感光体に直接触れる画像比率
Tm:マゼンタの被転写材上トナー像がそのステーションの感光体に直接触れる画像比率
Tc:シアンの被転写材上トナー像がそのステーションの感光体に直接触れる画像比率
Cy、Cm、Cc:係数(イエロー:1/3、マゼンタ、シアン:1/6)以上の方式で吐き出し時間を決定したところ、不要な吐き出し時間を省きながらかつ不良画像のない作像動作を行うことができた。
【0095】
〈その他〉
1)接触帯電部材としての磁気ブラシ帯電部材2Aは、スリーブ回転タイプに限らず、マグネットロールが回転するものや、マグネットロールの表面を必要に応じて給電用電極として導電性処理して、該マグネットロールの外周面に直接に導電性磁性粒子を磁気拘束させて磁気ブラシ部を形成させ、マグネットロールを回転させる構成のもの等にすることもできる。回転しないタイプの磁気ブラシ帯電部材とすることもできる。
【0096】
また接触帯電部材は、ファーブラシ帯電部材や、導電性ゴムや導電性スポンジを用いた帯電ローラ等であってもよいし、この場合も回転しない構成のものであってもよい。
【0097】
2)像担持体としての感光体は表面抵抗が109〜1014Ω・cmの低抵抗層を持つことが、電荷注入帯電を実現でき、オゾンの発生防止の面から望ましいが、上記以外の有機感光体等でもよい。アモルファスシリコン感光体(非晶質のシリコンを有する表面層からなる感光体)は電荷注入帯電方式に対して良好な帯電性を示す。接触帯電は、実施例の電荷注入帯電方式に限らず、放電現象が支配的な接触帯電系であっても良い。
【0098】
3)現像装置は2成分現像法についてのみ述べたが、他の現像方法でもよい。好ましくは、現像剤を感光体に対して接触させて潜像を現像する1成分接触現像や2成分接触現像がより現像剤の現像同時回収効果を高めるのに効果がある。
【0099】
また、現像剤中のトナー粒子として重合トナーを用いた場合には、上記の1成分接触現像や2成分接触現像はもちろん1成分非接触現像や2成分非接触現像など他の現像方法においても充分な回収効果が得られる。
【0100】
現像装置は反転現像方式でも、正規現像方式でもよい。
【0101】
4)AC(交番電圧、交流電圧)の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等適宜使用可能である。また、直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成された矩形はあっても良い。このように交番電圧の波形としては周期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用できる。
【0102】
5)画像形成装置の作像プロセスは実施例に限らず任意である。また必要に応じて他の補助プロセス機器を加えてもよい。
【0103】
静電潜像形成のための画像露光手段としては、実施形態例の様にデジタル的な潜像を形成するレーザー走査露光手段に限定されるものではなく、通常のアナログ的な画像露光やLEDなどの他の発光素子でも構わないし、蛍光燈等の発光素子と液晶シャッター等の組み合わせによるものなど、画像情報に対応した静電潜像を形成できるものであるなら構わない。
【0104】
像担持体は静電記録誘電体等であっても良い。この場合は、該誘電体面を所定の極性・電位に一様に一次帯電した後、除電針ヘッド、電子銃等の除電手段で選択的に除電して目的の静電潜像を書き込み形成する。
【0105】
6)各作像ユニットの像担持体に形成の現像剤像を順次に転写させる被転写材を中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写体(一次被転写材)にし、この中間転写体に合成形成された現像剤像を被転写材(二次被転写材)に一括二次転写させて画像形成物を得る画像形成装置構成にすることもできる。
ものである。
【0106】
7)転写帯電器は、コロナ帯電器、帯電ローラ、導電性ブラシ当を用いてもよい。
【0107】
8)各作像ユニットにおいて、像担持体1、帯電装置2、現像装置4等の任意のプロセス機器を画像形成装置本体に対して一括して着脱交換自在なプロセスカートリッジ着脱式の装置構成にすることもできる。
【0108】
9)被転写材に重畳転写で合成形成させた現像剤像形成部を閲読表示部に位置させて画像表示させる構成の画像表示装置もある。本発明において画像形成装置にはこのような画像表示装置も含む。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、タンデム式であって、各作像ユニットを接触帯電方式、現像同時クリーニング方式にしている画像形成装置において、いわゆる再転写により下流側の作像ユニットほど再転写現像剤量が多く、接触帯電部材に持ち込まれて一時的に回収されて付着混入する現像剤量が多くなっても、下流側の作像ユニットほど、現像剤吐き出しモードの時間を長くすることにより、下流側の作像ユニットほど、接触帯電部材からの吐き出し現像剤量も多くなるので、接触帯電部材が現像剤で過度に汚染された状態になることが防止され、帯電不良やカブリの発生を解消することができる。
【0110】
さらには、作像ユニットに対し画像比率を算出する手段を持ち、現像剤吐き出しモードの時間を算出された画像比率に基づいて決定すること、また作像環境により、現像剤吐き出しモードの時間を変化させること、また現像剤吐き出しモードの時間を、その作像ユニット自身の画像比率、及びその作像ユニットよりも被転写材移動方向上流側の作像ユニットの画像比率を用いて決定することにより、より適切に、下流側作像ユニットにおける帯電部材の過度の現像剤汚染を抑え、不良画像の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例における画像形成装置の概略構成模式図。
【図2】帯電装置部分の拡大模式図。
【図3】感光体の層構成の説明図。
【図4】磁性粒子の電気抵抗の測定方法を示す図。
【図5】一定の画像比率で作像を行ったときの磁気ブラシ帯電部材内トナー濃度の推移を示す図。
【図6】下流側作像ユニットにおけるトナー再転写現象の説明図。
【符号の説明】
I・II・III・IV・・第1〜第4の作像ユニット、1・・電子写真感光ドラム(像担持体)、2・・磁気ブラシ帯電装置、3・・レーザービームスキャナー、4・・現像装置、5・・導電性ブラシ(補助帯電器)、6・・転写ベルト装置、7・・給紙カセット、8・・定着装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の作像ユニットを被転写材の移動経路に沿ってタンデム(直列)に配置し、各作像ユニットの転写部を順次に経由させて被転写材を移動させ被転写材に各作像ユニットの像担持体に形成の現像剤像(トナー像)を順次転写させて画像形成を実行させる、所謂タンデム式の画像形成装置に関する。
【0002】
より詳しくは、上記の各作像ユニットを接触帯電方式、現像同時クリーニング方式(クリーナーレス)にしている画像形成装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
タンデム式の画像形成装置はフルカラー画像や多色画像を形成する装置の構成形態の一つである。フルカラー画像形成についていえば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の現像剤像をそれぞれ電子写真感光体・静電記録誘電体などの像担持体に形成する4つの作像ユニットを被転写材の移動経路に沿って順に配置し、各作像ユニットの転写部を順次に経由させて被転写材を移動させ被転写材に各作像ユニットの像担持体に形成のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各現像剤像を順次に重畳転写させることでフルカラー現像剤像を合成形成させ、そのフルカラー現像剤像を定着装置で被転写材に永久固着像として定着させてフルカラー画像形成物(コピー、プリント)を得るものである。
【0004】
あるいは上記の各作像ユニットの像担持体に形成のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各現像剤像を順次に重畳転写させる被転写材を中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写体(一次被転写材)にし、この中間転写体に合成形成されたフルカラー現像剤像を被転写材(二次被転写材)に一括二次転写させ、そのフルカラー現像剤像を定着装置で被転写材に永久固着像として定着させてフルカラー画像形成物を得るものである。
【0005】
各作像ユニットは電子写真プロセス機構や静電記録プロセス機構等で構成することが出来る。特に、接触帯電方式、現像同時クリーニング方式(クリーナーレス)とした作像ユニットにすることで、被転写材に対する現像剤像の転写後の像担持体面に残留した転写残現像剤は現像装置にて現像同時クリーニングで回収されて次工程以降に用いられるため、廃現像剤をなくし、メンテナンスに手を煩わせることも少なくすることができる。また、クリーナーレスであることでスペース面での利点も大きく、画像形成装置を大幅に小型化できるようになる。
【0006】
現像同時クリーニングは、転写後に像担持体面に残留した転写残現像剤を像担持体面から除去する専用のクリーニング装置(クリーナー)を具備させず、転写残現像剤を現像装置にて次工程以後の現像時にかぶり取りバイアス(現像手段に印加する直流電圧と像担持体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって回収するものである。
【0007】
この場合、現像装置で回収可能な転写残現像剤は帯電極性が正規の帯電極性を持つ必要があり、正規の帯電極性とは逆極性に反転している反転現像剤は回収が困難となる。反転現像剤は像担持体の帯電装置を接触式の帯電装置にすることで接触帯電部材に一時的に回収され、正規の帯電極性に直されて像担持体に戻され、現像装置の現像部位に持ち運ばれて回収される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、タンデム式であって、各作像ユニットを接触帯電方式、現像同時クリーニング方式にしている画像形成装置においては、被転写材移動方向上流側の作像ユニットの転写部で被転写材に転写された現像剤像の現像剤の一部が下流側の作像ユニットの転写部において該下流側の作像ユニットの像担持体に付着する現象、いわゆる再転写が発生することにより、下流側の作像ユニットほど再転写現像剤量が多く、帯電部材に持ち込まれて一時的に回収されて付着混入する現像剤量が多くなって帯電不良が起こり、カブリが発生しやすくなる、という問題点が有る。
【0009】
本発明はこの問題を解消することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記の構成を特徴とする画像形成装置である。
【0011】
(1)像担持体と、像担持体に当接する帯電部材を有し該帯電部材に帯電バイアスを印加することで像担持体の帯電を行う帯電装置と、像担持体の帯電処理面に静電潜像を形成する情報書き込み装置と、該静電潜像を現像剤により顕像化する現像装置と、像担持体に形成された現像剤像を被転写材に転写する転写装置を具備する作像ユニットを被転写材の移動経路に沿って複数個配置し、各作像ユニットの転写部を順次に経由させて被転写材を移動させ被転写材に各作像ユニットの像担持体に形成の現像剤像を順次転写させて画像形成を実行させ、各作像ユニットにおいて被転写材に対する現像剤像転写後の像担持体面に残留した転写残現像剤の少なくとも一部を帯電装置の帯電部材に一時的に回収させ、帯電装置側から現像装置側に持ち運ばれる像担持体上の現像剤の少なくとも一部を現像装置で回収させる構成の画像形成装置において、
各作像ユニットにて帯電部材に回収された現像剤を帯電部材から吐き出すモードを持ち、被転写材移動方向下流側の作像ユニットほど、前記吐き出しモードの時間を長くすることを特徴とする画像形成装置。
【0012】
(2)前記帯電バイアスが直流電圧に交流電圧を重畳した電圧であることを特徴とする(1)に記載の画像形成装置。
【0013】
(3)前記吐き出しモードは帯電バイアスの交流成分のピーク間電圧を作像時より小さくすることを特徴とする(1)または(2)に記載の画像形成装置。
【0014】
(4)前記帯電部材が磁性粒子と磁場発生装置を内包する磁性粒子担持体からなることを特徴とする(1)から(3)の何れかに記載の画像形成装置。
【0015】
(5)作像ユニットに対し画像比率を算出する手段を持ち、前記吐き出しモードの時間を算出された画像比率に基づいて決定することを特徴とする(1)から(4)の何れかに記載の画像形成装置。
【0016】
(6)作像環境により、前記吐き出しモードの時間を変化させることを特徴とする(1)から(5)の何れかに記載の画像形成装置。
【0017】
(7)前記吐き出しモードの時間を、その作像ユニット自身の画像比率、及びその作像ユニットよりも被転写材移動方向上流側の作像ユニットの画像比率を用いて決定することを特徴とする(1)から(6)の何れかに記載の画像形成装置。
【0018】
(8)像担持体が電子写真感光体であることを特徴とする(1)から(7)の何れかに記載の画像形成装置。
【0019】
(9)像担持体が電荷注入帯電性であることを特徴とする(1)から(8)の何れかに記載の画像形成装置。
【0020】
(10)像担持体が絶縁性のバインダー中に導電性微粒子を分散させた電荷注入層を有する電子写真感光体であることを特徴とする(1)から(9)の何れかに記載の画像形成装置。
【0021】
【発明の実施の形態】
〈第1の実施例〉
図1は本発明に従う画像形成装置の一例の概略構成模式図である。本実施例の画像形成装置は、電子写真プロセス利用の4色タンデム式のカラーレーザープリンタである。
【0022】
(1)プリンタの全体的な概略構成
I・II・III・IVは右側から左側に順にタンデムに配列した第1から第4の4つの作像ユニット(画像形成ステーション)である。本例において、第1の作像ユニットIはイエロー画像形成部、第2の作像ユニットIIはマゼンタ画像形成部、第3の作像ユニットIIIはシアン画像形成部、第4の作像ユニットIVはブラック画像形成部である。
【0023】
第1〜第4の各作像ユニットI・II・III・IVは何れも磁気ブラシ帯電方式・反転現像方式・クリーナーレスシステムの電子写真作像機構であり、像担持体としての電子写真感光ドラム1と、磁気ブラシ帯電装置2と、画像情報書き込み装置としての例えばレーザービームスキャナー3と、現像装置4と、補助帯電器としての導電性ブラシ5等を備えている。
【0024】
第1の作像ユニットIの現像装置4は現像剤にイエロートナーを有する現像装置であり、第2の作像ユニットIIの現像装置4は現像剤にマゼンタトナーを有する現像装置であり、第3の作像ユニットIIIの現像装置4は現像剤にシアントナーを有する現像装置であり、第4の作像ユニットIVの現像装置4は現像剤にブラックトナーを有する現像装置である。
【0025】
6は第1〜第4の各作像ユニットI・II・III・IVの下側に各作像ユニットに渡らせて左右方向にほぼ水平に配設した転写ベルト装置であり、左右側の懸回ローラ62に被転写材担持体としての無端状の転写ベルト61を懸架してあり、この転写ベルト61は矢印の反時計方向に回動される。転写ベルト61の内側には各作像ユニットI・II・III・IVの感光ドラム1の下面部に対して転写ベルト61の上行側ベルト部分を加圧当接させて第1〜第4の転写部(転写ニップ部)6a・6b・6c・6dを形成する4つの転写帯電ブレード63を配設してある。64は転写ベルト61の外面を清掃するクリーナーである。
【0026】
7は給紙カセット、71は給紙ローラ、72はレジストローラである。8は転写ベルト装置6の次位に配設した熱定着装置である。
【0027】
各作像ユニットI・II・III・IVにおける作像動作は同じである。
【0028】
1)帯 電
感光ドラム1は矢示の時計方向に所定のプロセススピード(周速度)、本例では100mm/secで回転駆動され、その回転過程において磁気ブラシ帯電装置(注入帯電器)2によりその外周面が一様に、本例では−700Vに接触注入帯電処理される。感光ドラム1及び磁気ブラシ帯電装置2については後記(2)項と(3)項でさらに詳述する。
【0029】
2)露 光
この回転感光ドラム1の一様帯電面に対してレーザービームスキャナー3により画像情報に対応したレーザー走査露光がなされ、光照射された露光部の電位が落ち(明部電位)、照射されなかった非露光部の電位(暗部電位)とのコントラストにより、像露光パターンに対応した静電潜像が形成される。レーザービームスキャナー3は、CCD等の光電変換素子を有する原稿読み取り装置や電子計算機等のホスト装置から入力する画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザー光を出力する。
【0030】
第1の作像ユニットIの感光ドラム1面にはフルカラー画像のイエロー成分像に対応する像露光がなされてその静電潜像が形成される。第2の作像ユニットIIの感光ドラム1面にはマゼンタ成分像に対応する像露光がなされてその静電潜像が形成される。第3の作像ユニットIIIの感光ドラム1面にはシアン成分像に対応する像露光がなされてその静電潜像が形成される。第4の作像ユニットIVの感光ドラム1面にはブラック成分像に対応する像露光がなされてその静電潜像が形成される。
【0031】
3)現 像
そして、第1の作像ユニットIの感光ドラム1の静電潜像は現像装置4によりイエロートナー画像として反転現像される。第2の作像ユニットIIの感光ドラム1の静電潜像は現像装置4によりマゼンタトナー画像として反転現像される。第3の作像ユニットIIIの感光ドラム1の静電潜像は現像装置4によりシアントナー画像として反転現像される。第4の作像ユニットIVの感光ドラム1の静電潜像は現像装置4によりブラックトナー画像として反転現像される。
【0032】
本実施例における現像装置4は、帯電極性が負極のトナー(ネガトナー)を用いた反転現像装置である。より具体的には、重合法で作成した、転写残トナーの少ない高離形成球形非磁性トナーと磁性キャリアを混合した現像剤による、2成分接触現像方式の反転現像装置である。本実施例の現像特性は、帯電電位と現像バイアスのDC成分値の差が200v以下であるとカブリが生じ、350v以上であると現像キャリアの感光体への付着が生じたので、現像バイアスDC成分値は−400vとした。
【0033】
4)転 写
一方、給紙カセット7内に積載収納されている被転写材(転写紙)Pが給紙ローラ71により一枚宛繰り出されて給送され、レジストローラ72により所定の制御タイミングにて転写ベルト装置6の転写ベルト61の上行側ベルト上に給紙される。各転写帯電ブレード63にはそれぞれ不図示の転写バイアス印加電源より所定の転写バイアス、本例ではプラスの転写バイアスが所定の制御タイミングで印加される。
【0034】
転写ベルト61上に給紙された被転写材Pはベルト面に静電吸着保持されて転写ベルト61の回動に伴い第1〜第4の転写部6a〜6dを順次に搬送され、第1の転写部6aにおいて第1の作像ユニットIの感光ドラム1面のイエロートナー画像の転写、第2の転写部6bにおいて第2の作像ユニットIIの感光ドラム1面のマゼンタトナー画像の転写、第3の転写部6cにおいて第3の作像ユニットIIIの感光ドラム1面のシアントナー画像の転写、第4の転写部6dにおいて第4の作像ユニットIVの感光ドラム1面のブラックトナー画像の転写の都合4回のトナー画像の重畳転写を受けて被転写材面にはフルカラートナー画像が合成形成される。本実施例では、10μAの定電流制御で転写を行った。
【0035】
各作像ユニットI〜IVにおけるトナー画像の作像は所定に同期を取ってなされ、各作像ユニットI〜IVのトナー画像が転写ベルト装置6で搬送される同一の被転写材P面に所定に位置合わせされて順次に重なるように転写される。
【0036】
5)定 着
転写ベルト61で搬送され、最終の第4の転写部6dを通過した被転写材は転写ベルト61上から分離されて熱定着装置8へ導入されて被転写材面の未定着のフルカラートナー画像が熱と圧力で永久固着画像として定着される。
【0037】
6)クリーナーレスシステム
各作像ユニットI〜IVにおいて被転写材Pへのトナー画像転写後の感光ドラム1の面には転写残トナーが残留する。本実施例の場合はその転写残トナーを除去する専用のクリーナーは具備させないで、現像装置4により現像同時回収させている。
【0038】
転写されずに感光ドラム1の表面に残ったトナーには、正規の帯電極性である負極のトナーと、転写バイアスや剥離放電等のために帯電極性が正規の帯電極性である負極から正極に反転したトナーが混在している。現像装置4による転写残トナーの現像同時回収は正規の帯電極性とは逆極性に反転している正極のトナーの回収が困難となる。
【0039】
そこで本実施例においては、転写残トナーの帯電極性を正規の帯電極性に整え直して現像部位に至らせるために、感光ドラム1の帯電手段を接触帯電装置、本例では磁気ブラシ帯電装置2にするとともに、転写部とこの磁気ブラシ帯電装置2との間に補助帯電器としての導電性ブラシ5を接触させて配設し、これに正極の直流電圧を印加する。図2においてE5はこの導電性ブラシ5に対するバイアス印加電源である。
【0040】
すなわち、転写残トナーは、正極の直流電圧を印加し、感光ドラム1に接触させてある導電性ブラシ5を通過することで、正規の帯電極性である負極のトナーは導電ブラシ5中に捕集され、逆極性に反転している正極のトナーは通過する。導電ブラシ5に補集された負極のトナーは正極に帯電もしくは除電されて再び感光ドラム1上に出ていく。これにより、磁気ブラシ帯電装置の帯電部位に持ち運ばれる転写残トナーは正極に帯電しているものや除電されているのものとになり、磁気ブラシ帯電装置2の負極の帯電バイアスが印加されている接触帯電部材である磁気ブラシに電気的に効率よく一時的に回収される。
【0041】
磁気ブラシに一旦回収された正極のトナーや除電されているトナーは磁気ブラシとの摩擦帯電や印加バイアスにより正規の帯電極性である負極のトナーに再帯電状態にされ、その負極のトナーが磁気ブラシとの電気的反発現象により再び感光ドラム1上に出ていく。
【0042】
従って、転写残トナーは実質的に正規の帯電極性である負極に整え直されて現像部位に持ち運ばれて、現像装置4により効果的に現像同時回収される。
【0043】
補助帯電器としての導電性ブラシ5としては、ブラシ長1〜10mm、ブラシ密度1〜50万本/inch2、ブラシ径2〜12デニール、ブラシ抵抗10−2〜1012Ωcmが好ましく、本実施例では、ブラシ長5mm、ブラシ密度10万本/inch2、ブラシ径6デニール、ブラシ抵抗105Ωcmのものを用いた。
【0044】
また、印加バイアスは200vから1500vがよく、400vから800vがさらに好ましい。それ以下の場合は、負極の転写残トナーの除電、帯電効果が薄くゴースト発生を防止することが困難となり、それ以上の場合は、強い正極の電荷を感光ドラム1に与えてしまうため、磁気ブラシ帯電装置2の注入帯電において帯電不良を起こしやすくなる。本実施例では、500vの直流バイアスを用いた。
【0045】
(2)感光ドラム1
感光ドラム1としては、通常用いられている有機感光体等を用いることができるが、望ましくは、有機感光体上にその抵抗が1×102〜1×1014Ω・cmの材質を有する表面層を持つものや、アモルファスシリコン感光体等を用いると、電荷注入帯電(直接帯電)を実現でき、オゾン発生の防止、ならびに消費電力の低減に効果がある。また、帯電性についても向上させることが可能となる。
【0046】
本実施例で用いた感光ドラム1は、表面に電荷注入層を設けた、負帯電のOPC(有機)感光体であり、φ30mmのアルミニウム製のドラム基体(以下、アルミ基体と記す)上に下記の第1〜第5の5つの層1a〜1fを下から順に設けたものである。図3はその層構成模型図である。
【0047】
第1層1b;下引き層であり、アルミ基体1aの欠陥等をならすため、またレーザー露光の反射によるモアレの発生を防止するために設けられている厚さ約20μmの導電層である。
【0048】
第2層1c;正電荷注入防止層であり、アルミ基体1aから注入された正電荷が感光体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果たし、アミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって1×106Ω・cm程度に抵抗調整された厚さ1μmの中抵抗層である。
【0049】
第3層1d;電荷発生層であり、ジスアゾ系の顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であり、レーザー露光を受けることによって正負の電荷対を発生する。
【0050】
第4層1e;電荷輸送層であり、ポリカーボネイト樹脂にヒドラゾンを分散したものであり、P型半導体である。従って、感光体表面に帯電された負電荷はこの層を移動することができず、電荷発生層1dで発生した正電荷のみを感光体表面に輸送することができる。
【0051】
第5層1f;電荷注入層であり、バインダーとしての光硬化性のアクリル樹脂に光透過性の導電フィラーであるアンチモンをドーピングして低抵抗化(導電化)した粒径0.03μmの酸化錫の超微粒子を樹脂に対して70重量パーセント分散した材料の約3μmの塗工層である。この電化注入層の電気抵抗値は、充分な帯電性と画像流れを起こさない条件である1×1010〜1×1014Ω・cmである必要がある。本実施例では、表面抵抗が1×1011Ω・cmの感光ドラムを用いた。
【0052】
(3)磁気ブラシ帯電装置3
本実施例の磁気ブラシ帯電装置2は、図2の拡大模型図に示すように、大きく分けて、接触帯電部材としての磁気ブラシ帯電部材2A、該磁気ブラシ帯電部材2Aと導電性磁性粒子(帯電キャリア)2dを収容させた容器(ハウジング)2B、磁気ブラシ層厚規制ブレード2e、磁気ブラシ帯電部材2Aと磁気ブラシ層厚規制ブレード2eに対する帯電バイアス印加電源E2等からなる。
【0053】
磁気ブラシ帯電部材2Aは本実施例のものはスリーブ回転タイプであり、マグネットロール(磁石)2aと、このマグネットロールに外嵌させた非磁性ステンレス製スリーブ(電極スリーブ、導電スリーブ、帯電スリーブなどと称される)2bと、該スリーブ2bの外周面にスリーブ内部のマグネットロール2aの磁気力で磁気拘束させて形成保持させた磁性粒子2dの磁気ブラシ部2cからなる。
【0054】
マグネットロール2aは非回転の固定部材であり、スリーブ2bはこのマグネットロール2aの外回りを矢示の時計方向に不図示の駆動系により所定の周速度で回転駆動される。またスリーブ2bは感光ドラム1に対してスペーサコロ等の手段で500μm程度の隙間を保たせて対向させて配設してある。
【0055】
2eは容器2Bに取り付けた、非磁性ステンレス製の磁気ブラシ層厚規制ブレードであり、スリーブ2bの表面とのギャップが900μmになるように配置されている。
【0056】
容器2B内の磁性粒子2dはその一部がスリーブ2bの外周面にスリーブ内部のマグネットロール2aの磁気力で磁気拘束されて磁気ブラシ部2cとして保持される。磁気ブラシ部2cはスリーブ2bの回転駆動に伴い、スリーブ2bと一緒にスリーブ2bと同方向に回転する。このとき磁気ブラシ部2cの層厚はブレード2eにより均一厚さに規制される。そしてその磁気ブラシ部2cの規制層厚はスリーブ2bと感光ドラム1との対向隙間部の間隔より大きいから、磁気ブラシ部2cはスリーブ2bと感光ドラム1との対向部において感光ドラム1に対して所定幅のニップ部を形成して接触する。この接触ニップ部が帯電ニップ部nである。従って、回転感光ドラム1は帯電ニップ部nにおいて磁気ブラシ帯電部材2Aのスリーブ2bの回転に伴ない回転する磁気ブラシ部2cで摺擦される。この場合、帯電ニップ部nにおいて感光ドラム1の移動方向と磁気ブラシ部2cの移動方向は逆方向となり、相対移動速度は速くなる。
【0057】
スリーブ2b内に固定配置されているマグネットロール2aは、スリーブ2bと感光ドラム1の最近接位置cから感光ドラム回転方向上流側10°の位置に約900Gの磁極(主極)Nを配置してある。
【0058】
この主極Nは、スリーブ2bと感光ドラム1の最近接位置cとの角度θを感光ドラム回転方向上流側20°から下流側10°の範囲に入るようにすることが望ましく、上流側15°〜0°であればさらに良い。それより下流だと主極位置に磁性粒子が引きつけられ、帯電ニップ部nの感光ドラム回転方向下流側に磁性粒子の滞留が発生しやすくなり、また上流すぎると、帯電ニップ部nを通過した磁性粒子の搬送性が悪くなり、滞留が発生しやすくなる。また、帯電ニップ部nに磁極がない場合には、磁性粒子に働くスリーブ2bへの拘束力が弱くなり、磁性粒子が感光ドラム1に付着しやすくなるのは明らかである。ここで述べている帯電ニップ部nは、帯電時に磁気ブラシ部2cの磁性粒子が感光ドラム1と接触している領域を示す。
【0059】
帯電バイアスは電源E2によってスリーブ2bと規制ブレード2eに印加される。本実施例ではDC成分にAC成分が重畳しているバイアスを用いている。
【0060】
而して、感光ドラム1が回転駆動され、磁気ブラシ帯電部材2Aのスリーブ2bが回転駆動され、電源E2から所定の帯電バイアスが印加されることで、回転感光ドラム1の周面が本実施例の場合は電荷注入帯電方式で所定の極性・電位に一様に接触帯電処理される。
【0061】
すなわち、帯電ニップ部nにおける、磁気ブラシ帯電部材2Aの磁気ブラシ部2cによる感光ドラム1面の摺擦と、磁気ブラシ帯電部材2Aへの帯電バイアスの印加により、磁気ブラシ部2cを構成している帯電用磁性粒子2dから電荷が感光ドラム1上に与えられ、感光ドラム1面が所定の極性・電位に一様に接触帯電される。本例の場合は前述したように感光ドラム1はその表面に電荷注入層1fを具備させたものであるから、電荷注入帯電により感光ドラム1の帯電処理がなされる。即ち、感光ドラム1面が帯電バイアスDC+ACのDC成分に対応した電位に帯電される。スリーブ2bは回転速度が速いほど帯電均一性が良好になる傾向にある。
【0062】
帯電バイアスのDCは必要とされる感光ドラムの表面電位と同値(本実施例では、−700v)とした。ACのピーク間電圧(以後、Vppと記す)は、100v以上、2000v以下、特に300v以上、1200v以下が好ましい。Vppがそれ以下では、帯電均一性、電位の立ち上がり向上の効果が薄く、それ以上では、磁性粒子の滞留や感光ドラムへの付着が悪化する。
【0063】
周波数は100Hz以上5000Hz以下、特に500Hz以上2000Hz以下が好ましい。それ以下では、磁性粒子の感光ドラムへの付着悪化や、帯電均一性、電位の立ち上がり性向上の効果が薄くなり、それ以上でも帯電均一性、電位の立ち上がり性向上の効果が得られにくくなる。ACの波形は矩形波、三角波、sin波などがよい。本実施例では作像時に700Vpp、非作像時には0Vpp、つまり、DC(−700v)のみの帯電を行った。
【0064】
本実施例では、磁性粒子2cとして、焼結した強磁性体(フェライト)を還元処理をしたものを用いたが、他に樹脂と強磁性体粉を混練して粒子状に成形したもの、もしくはこれに抵抗値調節のために導電性カーボン等を混ぜたものや、表面処理を行ったものも同様に用いることができる。
【0065】
この磁性粒子2dは感光体表面のトラップ準位に電荷を良好に注入する役割と、感光体上に生じたピンホールなどの欠陥に帯電電流が集中してしまうことに起因して生じる帯電部材及び感光体の通電破壊を防止する役割を兼ね備えていなければならない。従って、帯電部材の抵抗値は1×104Ω〜1×109Ωであることが好ましく、特には1×104Ω〜1×107Ωであることが好ましい。帯電部材の抵抗値が1×104Ω未満ではピンホールリークが生じやすくなる傾向があり、1×109Ωを超えると良好な電荷の注入がしにくくなる傾向にある。また、抵抗値を抵抗値を上記範囲内に制御するためには、磁性粒子の体積抵抗値は1×104Ω・cm〜1×109Ω・cmであることが好ましく、特には1×104Ω・cm〜1×107Ω・cmであることが好ましい。
【0066】
磁性粒子2dの体積抵抗値は、図4に示すセルAを用いて測定した。すなわち、セルAに磁性粒子2dを充填し、該充填磁性粒子に接するように主電極17及び上部電極18を配し、該電極間に電圧を印加し、そのとき流れる電流を測定することにより求めた。その測定条件は、23℃、65%の環境で充填磁性粒子のセルとの接触面積S=2cm2、厚みd=1mm、上部電極の荷重98N(10kg)、印加電圧100Vである。図4中、19は絶縁物、20は電流計、21は電圧計、22は定電圧装置、24はガイドリングを示す。
【0067】
磁性粒子の平均粒径及び粒度分布測定におけるピークは5〜100μmの範囲にあることが、粒子表面の汚染による帯電劣化防止の観点から好ましい。
【0068】
本実施例で用いた帯電部材の抵抗値は、1×106Ω・cmであり、帯電バイアスのDC成分として−700vを印加することで、感光ドラム1の表面電位も−700vとなった。
【0069】
(4)磁気ブラシからのトナー吐き出しモード
かくして、第1〜第4の各作像ユニットI・II・III・IVにおいて、転写残トナーは一時的に接触帯電部材である磁気ブラシ帯電部材の磁気ブラシ2cに一時的に回収され、正規の帯電極性に揃えられて磁気ブラシとの電気的な反発現象で感光ドラム1の面に戻され、画像形成工程時に現像装置4により現像同時回収されるのであるが、磁気ブラシ2cから感光ドラム1面に戻される転写残トナー量に対して磁気ブラシ2cに一時的に回収される転写残トナー量の方が多い状態のアンバランスを生じることで、磁気ブラシ2cにトナーが徐々に蓄積していき磁気ブラシが許容以上に過度にトナー汚染された状態を生じる。そうすると磁気ブラシ帯電装置2の帯電性能が低下してプリントアウトされる画像品質が低下する結果となる。
【0070】
そこで、プリンタの動作シーケンスにおける、いわゆる前回転工程時、紙間時、後回転工程時等の非画像形成動作時に、画像形成工程時よりも積極的に磁気ブラシ2cからトナーを吐き出させて現像装置で回収させる「トナー吐き出しモードを持たせることで、磁気ブラシが許容以上に過度にトナー汚染された状態を生じることを防止している。
【0071】
磁気ブラシ2cから感光ドラム1へのトナーの積極的な吐き出しは、磁気ブラシ帯電部材2Aに印加する帯電バイアスについて、画像形成工程時には印加しているAC成分の振幅Vppを減少させたり、AC成分の印加を停止させたりする制御をして印加電圧と感光体表面電位との電位差ΔVを大きくすることで可能である。
【0072】
しかしその場合でも、タンデム式の画像形成装置においては、被転写材移動方向上流側の作像ユニットの転写部で被転写材に転写されたトナー像のトナーの一部が下流側の作像ユニットの転写部において該下流側の作像ユニットの感光ドラム1に付着する現象、いわゆる再転写が発生することにより、下流側の作像ユニットほど再転写トナー量が多くなり、磁気ブラシ帯電部材2Aに持ち込まれて一時的に回収されて付着混入するトナー量が多くなって帯電不良が起こり、作像ユニット間で作像性能にアンバランスを生じてカブリが発生しやすくなる。
【0073】
そこで本発明は被転写材移動方向下流側の作像ユニットほど、前記吐き出しモードの実行時間を長くすることを特徴とするもので、いわゆる再転写により下流側の作像ユニットほど再転写現像剤量が多く、帯電部材に持ち込まれて一時的に回収されて付着混入する現像剤量が多くなっても、下流側の作像ユニットほど、前記吐き出しモードの時間を長くすることにより、下流側の作像ユニットほど、帯電部材からの吐き出し現像剤量も多くなるので、帯電部材が現像剤で過度に汚染された状態になることが防止され、帯電不良やカブリの発生を解消することができる。
【0074】
以下、これを具体的に説明する。上記説明した画像形成装置において、図5の(a)のように、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックが独立した横帯の画像(画像比率20%)を連続作像したときの、第1〜第4の各作像ユニットI・II・III・IVにおける磁気ブラシ帯電部材2A内のトナー濃度の推移を図5の(b)に示す。
【0075】
磁気ブラシ帯電部材2A内のトナー量が多くなるに従い、磁気ブラシ帯電部材2Aから感光体表面に吐き出す単位時間あたりのトナー量も増加する。そのため、時間当り一定量の転写残トナーを回収していると磁気ブラシ内トナー濃度はある値に安定し、その安定した値は単位時間当りに回収する転写残トナー量が多いほど大きくなる。
【0076】
第1〜第4の各作像ユニットI・II・III・IVの転写残トナー量は、0.03mg/cm2(感光体上の単面積当りのトナー量0.6mg/cm2に対し転写効率が95%)とほぼ同じ量であるのにも関わらず、磁気ブラシ内トナー濃度はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順、つまり被転写材移動方向下流の作像ユニットほど大きくなった。これは、各作像ユニットでの転写効率は同程度であるのに対し、上流側作像ユニットで被転写材に転写されたトナーの一部が下流側作像ユニットの感光ドラム1に付着する、いわゆる再転写が発生して下流側作像ユニットほど磁気ブラシ帯電部材で単位時間あたりに回収するトナー量が多くなるためである。再転写のトナー量を測定したところ、イエローは約0.01mg/cm2、マゼンタ、シアンが約0.005mg/cm2であった。
【0077】
このような状態で、画像100枚分の各作像ユニットの画像比率を積算した値に対し、非画像形成動作時に実行させるトナー吐き出しモード時の吐き出し時間を算出して吐き出し動作を行う作像耐久試験を行った。
【0078】
すなわち、プリンタの制御回路(不図示)に作像ユニットに対し画像比率を算出する手段を具備させ、非画像形成動作時に実行させるトナー吐き出しモード時の時間を算出された画像比率に基づいて決定する構成とする。
【0079】
吐き出し時間を算出方法は、積算画像比率に対する吐き出し時間をテーブルとして用意する、もしくは積算画像比率をパラメータとする時間算出式を用意する方法がある。本実施例では以下の表1のテーブルを用いた。
【0080】
【表1】
【0081】
その結果、カブリなどの不良画像が発生する磁気ブラシ内トナー濃度の上限値4%を最上流であるイエローの第1の作像ユニットIのみが下回り、その他の第2〜第4の作像ユニットII〜IVは上限値付近、もしくは上回った。
【0082】
そこで、最上流であるイエローの第1の作像ユニットIから1つ下流側の作像ユニットII→III→IVになるほど吐き出し時間を+2秒ずつした吐き出しテーブルを用いて同様の作像耐久試験を行ったところ、第1〜第4の作像ユニットI・II・III・IVすべてにおいて磁気ブラシ内トナー濃度は不良画像上限値の4%を超えることはなかった。
【0083】
本実施例では、下流側の作像ユニットの吐き出し時間を一律に長くしたが、各作像ユニット別に吐き出し時間算出テーブル、もしくは算出式を用意しておいてもよい。
【0084】
〈第2の実施例〉
下流側作像ユニットの再転写トナー量は、作像環境によっても大きく変化する。特に低湿環境などの再転写量が多くなるため、磁気ブラシ帯電部材2Aでの回収トナー量が多くなり不良画像が出やすくなる。
【0085】
本実施例では、プリンタに環境センサ(不図示)を具備させ、その検知情報を制御回路(不図示)にフィードバックさせ、その検知情報に応じて、第1の実施例で基本の吐き出し時間テーブルに対して加算する2秒を、低湿環境であるほど多くするように制御回路で制御させた。
【0086】
空気中の絶対水分量に対して加算する吐き出し時間は以下の表2の値とした。
【0087】
【表2】
【0088】
その結果、低湿環境でのカブリなどの不良画像を防止できた共にその他の環境で不必要に長い吐き出し動作を行わず、吐き出し動作によるダウンタイムを短くすることができた。
【0089】
〈第3の実施例〉
再転写は図6の模式図に示すように上流側作像ユニットで被転写材Pに転写されたトナー像Taが直接下流側作像ユニットの感光ドラム1に接触した時に生じやすく(再転写トナーTa′)、下流側作像ユニットの感光ドラム表面にトナー像Tbがあるときはほとんど再転写しない。Tb′はトナー像Tbの転写残トナーである。
【0090】
よって、本実施例では第1〜第4の各作像ユニットI・II・III・IVにおいて磁気ブラシ帯電部材2Aが回収するトナー量をそれより上流側の作像ユニットの画像比率を考慮して吐き出し時間を算出した。
【0091】
すなわち、吐き出しモードの時間を、制御回路により、その作像ユニット自身の画像比率、及びその作像ユニットよりも被転写材移動方向上流側の作像ユニットの画像比率を用いて決定する構成とした。
【0092】
第1の実施例で述べたとおり、各作像ユニットでの転写残トナー量は0.03mg/cm2、再転写トナー量はイエローが約0.01mg/cm2、マゼンタ、シアンが約0.005mg/cm2であったので、各作像ユニットでの吐き出し時間を決定する積算画像比率を以下の式で求めた。
【0093】
下記において、イエローステーションは第1の作像ユニットI、マゼンタステーションは第2の作像ユニットII、シアンステーションは第3の作像ユニットIII、ブラックステーションは第4の作像ユニットIVである。
【0094】
イエローステーション:T
マゼンタステーション:T+Cy・Ty
シアンステーション :T+Cy・Ty+Cm・Tm
ブラックステーション:T+Cy・Ty+Cm・Tm+Cc・Tc
T:各ステーションの画像比率
Ty:イエローの被転写材上トナー像がそのステーションの感光体に直接触れる画像比率
Tm:マゼンタの被転写材上トナー像がそのステーションの感光体に直接触れる画像比率
Tc:シアンの被転写材上トナー像がそのステーションの感光体に直接触れる画像比率
Cy、Cm、Cc:係数(イエロー:1/3、マゼンタ、シアン:1/6)以上の方式で吐き出し時間を決定したところ、不要な吐き出し時間を省きながらかつ不良画像のない作像動作を行うことができた。
【0095】
〈その他〉
1)接触帯電部材としての磁気ブラシ帯電部材2Aは、スリーブ回転タイプに限らず、マグネットロールが回転するものや、マグネットロールの表面を必要に応じて給電用電極として導電性処理して、該マグネットロールの外周面に直接に導電性磁性粒子を磁気拘束させて磁気ブラシ部を形成させ、マグネットロールを回転させる構成のもの等にすることもできる。回転しないタイプの磁気ブラシ帯電部材とすることもできる。
【0096】
また接触帯電部材は、ファーブラシ帯電部材や、導電性ゴムや導電性スポンジを用いた帯電ローラ等であってもよいし、この場合も回転しない構成のものであってもよい。
【0097】
2)像担持体としての感光体は表面抵抗が109〜1014Ω・cmの低抵抗層を持つことが、電荷注入帯電を実現でき、オゾンの発生防止の面から望ましいが、上記以外の有機感光体等でもよい。アモルファスシリコン感光体(非晶質のシリコンを有する表面層からなる感光体)は電荷注入帯電方式に対して良好な帯電性を示す。接触帯電は、実施例の電荷注入帯電方式に限らず、放電現象が支配的な接触帯電系であっても良い。
【0098】
3)現像装置は2成分現像法についてのみ述べたが、他の現像方法でもよい。好ましくは、現像剤を感光体に対して接触させて潜像を現像する1成分接触現像や2成分接触現像がより現像剤の現像同時回収効果を高めるのに効果がある。
【0099】
また、現像剤中のトナー粒子として重合トナーを用いた場合には、上記の1成分接触現像や2成分接触現像はもちろん1成分非接触現像や2成分非接触現像など他の現像方法においても充分な回収効果が得られる。
【0100】
現像装置は反転現像方式でも、正規現像方式でもよい。
【0101】
4)AC(交番電圧、交流電圧)の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等適宜使用可能である。また、直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成された矩形はあっても良い。このように交番電圧の波形としては周期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用できる。
【0102】
5)画像形成装置の作像プロセスは実施例に限らず任意である。また必要に応じて他の補助プロセス機器を加えてもよい。
【0103】
静電潜像形成のための画像露光手段としては、実施形態例の様にデジタル的な潜像を形成するレーザー走査露光手段に限定されるものではなく、通常のアナログ的な画像露光やLEDなどの他の発光素子でも構わないし、蛍光燈等の発光素子と液晶シャッター等の組み合わせによるものなど、画像情報に対応した静電潜像を形成できるものであるなら構わない。
【0104】
像担持体は静電記録誘電体等であっても良い。この場合は、該誘電体面を所定の極性・電位に一様に一次帯電した後、除電針ヘッド、電子銃等の除電手段で選択的に除電して目的の静電潜像を書き込み形成する。
【0105】
6)各作像ユニットの像担持体に形成の現像剤像を順次に転写させる被転写材を中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写体(一次被転写材)にし、この中間転写体に合成形成された現像剤像を被転写材(二次被転写材)に一括二次転写させて画像形成物を得る画像形成装置構成にすることもできる。
ものである。
【0106】
7)転写帯電器は、コロナ帯電器、帯電ローラ、導電性ブラシ当を用いてもよい。
【0107】
8)各作像ユニットにおいて、像担持体1、帯電装置2、現像装置4等の任意のプロセス機器を画像形成装置本体に対して一括して着脱交換自在なプロセスカートリッジ着脱式の装置構成にすることもできる。
【0108】
9)被転写材に重畳転写で合成形成させた現像剤像形成部を閲読表示部に位置させて画像表示させる構成の画像表示装置もある。本発明において画像形成装置にはこのような画像表示装置も含む。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、タンデム式であって、各作像ユニットを接触帯電方式、現像同時クリーニング方式にしている画像形成装置において、いわゆる再転写により下流側の作像ユニットほど再転写現像剤量が多く、接触帯電部材に持ち込まれて一時的に回収されて付着混入する現像剤量が多くなっても、下流側の作像ユニットほど、現像剤吐き出しモードの時間を長くすることにより、下流側の作像ユニットほど、接触帯電部材からの吐き出し現像剤量も多くなるので、接触帯電部材が現像剤で過度に汚染された状態になることが防止され、帯電不良やカブリの発生を解消することができる。
【0110】
さらには、作像ユニットに対し画像比率を算出する手段を持ち、現像剤吐き出しモードの時間を算出された画像比率に基づいて決定すること、また作像環境により、現像剤吐き出しモードの時間を変化させること、また現像剤吐き出しモードの時間を、その作像ユニット自身の画像比率、及びその作像ユニットよりも被転写材移動方向上流側の作像ユニットの画像比率を用いて決定することにより、より適切に、下流側作像ユニットにおける帯電部材の過度の現像剤汚染を抑え、不良画像の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例における画像形成装置の概略構成模式図。
【図2】帯電装置部分の拡大模式図。
【図3】感光体の層構成の説明図。
【図4】磁性粒子の電気抵抗の測定方法を示す図。
【図5】一定の画像比率で作像を行ったときの磁気ブラシ帯電部材内トナー濃度の推移を示す図。
【図6】下流側作像ユニットにおけるトナー再転写現象の説明図。
【符号の説明】
I・II・III・IV・・第1〜第4の作像ユニット、1・・電子写真感光ドラム(像担持体)、2・・磁気ブラシ帯電装置、3・・レーザービームスキャナー、4・・現像装置、5・・導電性ブラシ(補助帯電器)、6・・転写ベルト装置、7・・給紙カセット、8・・定着装置
Claims (10)
- 像担持体と、像担持体に当接する帯電部材を有し該帯電部材に帯電バイアスを印加することで像担持体の帯電を行う帯電装置と、像担持体の帯電処理面に静電潜像を形成する情報書き込み装置と、該静電潜像を現像剤により顕像化する現像装置と、像担持体に形成された現像剤像を被転写材に転写する転写装置を具備する作像ユニットを被転写材の移動経路に沿って複数個配置し、各作像ユニットの転写部を順次に経由させて被転写材を移動させ被転写材に各作像ユニットの像担持体に形成の現像剤像を順次転写させて画像形成を実行させ、各作像ユニットにおいて被転写材に対する現像剤像転写後の像担持体面に残留した転写残現像剤の少なくとも一部を帯電装置の帯電部材に一時的に回収させ、帯電装置側から現像装置側に持ち運ばれる像担持体上の現像剤の少なくとも一部を現像装置で回収させる構成の画像形成装置において、
各作像ユニットにて帯電部材に回収された現像剤を帯電部材から吐き出すモードを持ち、被転写材移動方向下流側の作像ユニットほど、前記吐き出しモードの時間を長くすることを特徴とする画像形成装置。 - 前記帯電バイアスが直流電圧に交流電圧を重畳した電圧であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記吐き出しモードは帯電バイアスの交流成分のピーク間電圧を作像時より小さくすることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記帯電部材が磁性粒子と磁場発生装置を内包する磁性粒子担持体からなることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の画像形成装置。
- 作像ユニットに対し画像比率を算出する手段を持ち、前記吐き出しモードの時間を算出された画像比率に基づいて決定することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の画像形成装置。
- 作像環境により、前記吐き出しモードの時間を変化させることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の画像形成装置。
- 前記吐き出しモードの時間を、その作像ユニット自身の画像比率、及びその作像ユニットよりも被転写材移動方向上流側の作像ユニットの画像比率を用いて決定することを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の画像形成装置。
- 像担持体が電子写真感光体であることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の画像形成装置。
- 像担持体が電荷注入帯電性であることを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の画像形成装置。
- 像担持体が絶縁性のバインダー中に導電性微粒子を分散させた電荷注入層を有する電子写真感光体であることを特徴とする請求項1から9の何れかに記載の画像形成装置。
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