JP2000293082A

JP2000293082A - 画像形成装置

Info

Publication number: JP2000293082A
Application number: JP11098771A
Authority: JP
Inventors: Koichi Hashimoto; 浩一橋本
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1999-04-06
Filing date: 1999-04-06
Publication date: 2000-10-20

Abstract

(57)【要約】【課題】接触帯電方式・クリーナーレスプロセスの複数
個の作像ユニットＵａ・Ｕｂ・Ｕｃ・Ｕｄを用いたタン
デム式の画像形成装置において、１つの作像ユニットＵ
ｄだけを作像動作させて該作像ユニットにて形成の画像
を被転写材担持体７１に担持されて搬送される被転写材
Ｐに転写させる単色モードの画像形成の時に、該作像ユ
ニットよりも被転写材搬送方向上流側の作像ユニットＵ
ａの転写位置７ａで被転写材を被転写材担持体に転写バ
イアスで静電吸着保持させた時に作像ユニットの像担持
体表面電位の段差部に導電性部材から付着する現像剤に
よる不良画像の発生を防止すること。【解決手段】作像動作を行なわない作像ユニットの転写
バイアスの印加開始を、被転写材の先端が各作像ユニッ
トの転写位置に到達する時点よりも、少なくとも像担持
体が１回転するのに要する時間より前に行なうこと。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、接触帯電方式・ク
リーナーレスプロセスの複数個の作像ユニットと、該複
数個の作像ユニットの各転写位置に渡って移動する被転
写材担持体を含む転写装置を具備し、前記被転写材担持
体に担持されて前記複数個の作像ユニットの各転写位置
を順次に搬送される被転写材に少なくとも１つの作像ユ
ニットの像担持体に形成された画像を転写バイアスによ
り転写させる、いわゆるタンデム式画像形成装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】ａ）タンデム式画像形成装置例図１はタンデム式のフルカラー画像形成装置の一例の概
略構成図である。

【０００３】Ｕａ・Ｕｂ・Ｕｃ・Ｕｄは画像形成装置本
体内に右側から左側に順に配列配置した第１〜第４の４
つの作像ユニット（作像ステーション）である。

【０００４】本例において、第１の作像ユニットＵａは
イエロー画像作像ユニット、第２の作像ユニットＵｂは
マゼンタ画像作像ユニット、第３の作像ユニットＵｃは
シアン画像作像ユニット、第４の作像ユニットＵｄは黒
画像作像ユニットである。

【０００５】第１〜第４の各作像ユニットＵａ〜Ｕｄは
何れも接触帯電方式・反転現像方式・クリーナーレスプ
ロセスの電子写真作像機構であり、像担持体としての電
子写真感光ドラム１と、接触帯電装置としての磁気ブラ
シ帯電装置２と、画像情報書き込み装置としての像露光
手段と、現像装置４と、導電性部材としての導電性ブラ
シ５を備えている。画像情報書き込み装置としての像露
光手段は図には省略したが、例えばレーザービームスキ
ャナーやＬＥＤアレー等である。

【０００６】第１の作像ユニットＵａの現像装置４は現
像剤にイエロートナーを有する現像装置であり、第２の
作像ユニットＵｂの現像装置４は現像剤にマゼンタトナ
ーを有する現像装置であり、第３の作像ユニットＵｃの
現像装置４は現像剤にシアントナーを有する現像装置で
あり、第４の作像ユニットＵｄの現像装置４は現像剤に
黒トナーを有する現像装置である。

【０００７】７は第１〜第４の各作像ユニットＵａ〜Ｕ
ｄの下側に各作像ユニットＵａ〜Ｕｄに渡らせて左右方
向にほぼ水平に配設した転写ベルト装置であり、左右側
の懸回ローラ７２間に被転写材担持体としての無端状の
転写ベルト７１（例えば、膜厚７５μｍのポリイミド樹
脂ベルト）を懸架してあり、この転写ベルト７１は矢印
の反時計方向に回動される。転写ベルト７１の内側には
各作像ユニットＵａ〜Ｕｄの感光ドラム１の下面部に対
して転写ベルト７１の上行側ベルト部分を加圧当接させ
て第１〜第４の転写位置（転写ニップ部）７ａ〜７ｄを
形成する４つの転写帯電ブレード７３を配設してある。
７４は転写ベルト７１面に付着したトナーを除去するベ
ルトクリーナーである。

【０００８】６は給紙カセット、６ａは給紙ローラ、６
ｂは搬送ローラ、６ｃはレジストローラーである。８は
転写ベルト装置７の次位に配設した熱定着装置（熱定着
器）である。

【０００９】各作像ユニットＵａ〜Ｕｄにおける作像動
作は同じである。

【００１０】すなわち、感光ドラム１は矢示の時計方向
に１００ｍｍ／ｓｅｃのプロセススピード（周速度）で
回転駆動され、その回転過程において接触帯電装置とし
ての磁気ブラシ帯電装置２によりその外周面が一様に−
７００ｖに帯電処理される。

【００１１】この回転感光ドラム１の一様帯電面に対し
て像露光手段としての例えばレーザービームスキャナー
により画像情報に対応した像露光３がなされ、光照射さ
れた露光部の電位が落ち（明部電位）、照射されなかっ
た非露光部の電位（暗部電位）とのコントラストによ
り、像露光パターンに対応した静電潜像が形成される。

【００１２】像露光手段としてレーザービームスキャナ
ーはそれに内蔵の半導体レーザーが、ＣＣＤ等の光電変
換素子を有する原稿読み取り装置から送られたカラー原
稿の各色分解画像情報の時系列電気デジタル画素信号に
対応してＯＮ・ＯＦＦ発光制御され、その変調レーザー
ビームにより回転感光ドラム１の一様帯電面を走査露光
（像露光）３する。

【００１３】第１の作像ユニットＵａの感光ドラム１面
にはフルカラー画像のイエロー成分像に対応する像露光
３がなされてその静電潜像が形成される。第２の作像ユ
ニットＵｂの感光ドラム１面にはマゼンタ成分像に対応
する像露光３がなされてその静電潜像が形成される。第
３の作像ユニットＵｃの感光ドラム１面にはシアン成分
像に対応する像露光３がなされてその静電潜像が形成さ
れる。第４の作像ユニットＵｄの感光ドラム１面には黒
成分像に対応する像露光３がなされてその静電潜像が形
成される。

【００１４】そして、第１の作像ユニットＵａの感光ド
ラム１の静電潜像は現像装置４によりイエロートナー画
像として反転現像される。第２の作像ユニットＵｂの感
光ドラム１の静電潜像は現像装置４によりマゼンタトナ
ー画像として反転現像される。第３の作像ユニットＵｃ
の感光ドラム１の静電潜像は現像装置４によりシアント
ナー画像として反転現像される。第４の作像ユニットＵ
ｄの感光ドラム１の静電潜像は現像装置４により黒トナ
ー画像として反転現像される。

【００１５】一方、給紙カセット６内に積載収納されて
いる被転写材（被記録材）Ｐが給紙ローラ６ａにより一
枚宛繰り出されて給送され、搬送ローラ６ｂにより中継
ぎされ、レジストローラ６ｃにより所定の制御タイミン
グにて転写ベルト装置７の転写ベルト７１の上行側ベル
ト上に給紙される。各転写帯電ブレード７３にはそれぞ
れ不図示の転写バイアス印加電源より所定の転写バイア
スが所定の制御タイミングで印加される。

【００１６】転写ベルト７１上に給紙された被転写材Ｐ
はベルト面に静電吸着保持されて転写ベルト７１の回動
に伴い第１〜第４の転写位置７ａ〜７ｂを順次に搬送さ
れ、第１の転写位置７ａにおいて第１の作像ユニットＵ
ａの感光ドラム１面のイエロートナー画像の転写、第２
の転写位置７ｂにおいて第２の作像ユニットＵｂの感光
ドラム１面のマゼンタトナー画像の転写、第３の転写ニ
ップ部７ｃにおいて第３の作像ユニットＵｃの感光ドラ
ム１面のシアントナー画像の転写、第４の転写ニップ部
７ｄにおいて第４の作像ユニットＵｄの感光ドラム１面
の黒トナー画像の転写の都合４回のトナー画像の重畳転
写を受ける。すなわち、各転写帯電ブレード７３は被転
写材Ｐの裏面からトナーと逆極性の帯電を行なう。これ
により転写位置７ａ〜７ｄを通る被転写材Ｐの面に回転
感光ドラム１側のトナー像が順次に静電転写されてい
く。これにより被転写材面には目的のフルカラートナー
画像が合成形成される。本例では１０μｍの定電流制御
で転写がなされる。

【００１７】各作像ユニットＵａ〜Ｕｄにおけるトナー
画像の作像は所定に同期を取ってなされ、各作像ユニッ
トＵａ〜Ｕｄのトナー画像が転写ベルト装置７で搬送さ
れる同一の被転写材Ｐ面に所定に位置合わせされて順次
に重なるように転写される。

【００１８】転写ベルト７１で搬送され、最終の第４の
転写ニップ部７ｄを通過した被転写材は転写ベルト７１
上から分離されて熱定着装置８へ導入される。本例にお
ける熱定着装置８は熱ローラ定着装置であり、転写材は
この熱ローラ定着装置８の定着ニップ部を挟持搬送され
ることで被転写材面の未定着のフルカラートナー画像が
熱と圧力で永久固着画像として定着される。

【００１９】白黒画像モードの場合は、上記の第１〜第
４の作像ユニットＵａ〜Ｕｄの内の黒画像作像ユニット
である第４の作像ユニットＵｄだけが作像動作し、転写
ベルト装置７で搬送される被転写材Ｐに該作像ユニット
Ｕｄの感光ドラム１に形成された黒トナー画像が転写さ
れる。

【００２０】各作像ユニットＵａ〜Ｕｄにおいて被転写
材Ｐへのトナー画像転写後の感光ドラム１の面には転写
残トナーが残留する。本例の場合はその転写残トナーを
除去する専用のクリーナーは具備させないで、現像装置
４により現像同時回収させるようにしている（クリーナ
ーレスシステム）。

【００２１】電子計算機等からの出力信号もプリントア
ウトすることができる。

【００２２】ｂ）接触帯電電子写真方式や静電記録方式等の画像形成装置におい
て、電子写真感光体や静電記録誘電体等の像担持体、そ
の他の被帯電体を所定の極性・電位に帯電処理する帯電
手段としては、従来より一般にコロナ帯電器が使用され
てきた。

【００２３】これは像担持体（以下、感光体と記す）に
コロナ帯電器を非接触に対向配設して、コロナ帯電器か
ら放出されるコロナに感光体面をさらして感光体面を所
定の極性・電位に帯電させるものである。

【００２４】近年は、上記の非接触タイプのコロナ帯電
器による場合に比べて低オゾン・低電力等の利点を有す
ることから、前記のように、被帯電体としての感光体に
電圧（帯電バイアス）を印加した帯電部材（接触帯電部
材）を当接させて感光体面を所定の極性・電位に帯電さ
せる接触方式の帯電装置の実用化がなされてきている。

【００２５】特に、接触帯電部材として導電ローラ（帯
電ローラ）を用いたローラ帯電方式の装置が帯電の安定
性という点から好ましく用いられている。

【００２６】また、磁性粒子を担持体に磁気拘束させた
磁気ブラシ部を具備させた磁気ブラシ帯電器（磁気ブラ
シ帯電部材、帯電磁気ブラシ）を用い、該磁気ブラシ帯
電器の磁気ブラシ部を感光体に接触させる磁気ブラシ帯
電方式の装置も帯電接触の安定性という点から好ましく
用いられている。

【００２７】磁気ブラシ帯電器は、導電性の磁性粒子を
直接にマグネットに、あるいはマグネットを内包するス
リーブ上に磁気的に拘束させて磁気ブラシ部を形成具備
させたものであり、停止あるいは回転させて磁気ブラシ
部を感光体に接触させ、これに電圧を印加することによ
って感光体の帯電を開始させる。

【００２８】また、導電性の繊維をブラシ状に形成具備
させたファーブラシ帯電部材（帯電ファーブラシ）、導
電性ゴムをブレード状にした導電ゴムブレード（帯電ブ
レード）等も接触帯電部材として好ましく用いられてい
る。

【００２９】接触帯電の帯電機構（帯電のメカニズム、
帯電原理）にはコロナ帯電系と注入帯電系の２種類の帯
電機構が混在しており、どちらが支配的であるかにより
各々の特性が現れる。

【００３０】コロナ帯電系は、接触帯電部材と感光体と
の微小間隙に生じるコロナ放電現象による放電生成物で
感光体表面が帯電する系である。コロナ帯電は接触帯電
部材と感光体に一定の放電しきい値を有するため、帯電
電位より大きな電圧を接触帯電部材に印加する必要があ
る。また、コロナ帯電器に比べれば発生量は格段に少な
いけれども放電生成物を生じる。

【００３１】電荷注入帯電系は、接触帯電部材から感光
体に直接に電荷が注入されることで感光体表面が帯電す
る系である。より詳しくは、中抵抗の接触帯電部材が感
光体表面に接触して、放電現象を介さずに、つまり放電
を基本的に用いないで感光体表面に直接電荷注入を行う
ものである。よって、接触帯電部材への印加電圧が放電
閾値以下の印加電圧であっても、感光体を印加電圧相当
の電位に帯電することができる。この電荷注入帯電系は
オゾンの発生を伴わない。

【００３２】電荷注入帯電であるため、接触帯電部材の
感光体への接触性が帯電性に大きく効いてくる。そこで
接触帯電部材はより密に構成し、また感光体との速度差
を多く持ち、より高い頻度で感光体に接触する構成をと
る必要があり、この点において接触帯電部材として特に
磁気ブラシ帯電器は安定した帯電を行うことができる。

【００３３】磁気ブラシ帯電器による電荷注入帯電は抵
抗とコンデンサーの直列回路と等価であると見ることが
できる。理想的な帯電プロセスでは感光体表面のある点
が磁気ブラシと接触している時間（帯電ニップ×感光体
の周速）にコンデンサーが充電され、感光体表面電位が
印加電圧とほぼ同値になる。

【００３４】導電性の接触帯電部材に電圧を印加し感光
体の表面にあるトラップ準位に電荷を注入して感光体の
接触帯電を行う方法がある。また、感光体として通常の
有機感光体上に導電性微粒子を分散させた表層（電荷注
入層）を有するものや、アモルファスシリコン感光体な
どを用いると、接触帯電部材に印加したバイアスのうち
の直流成分と略同等の帯電電位を被帯電体表面に得るこ
とが可能である（特開平６−３９２１号公報）。

【００３５】注入帯電方式は、環境依存性が少ないだけ
でなく、放電を用いないため、接触帯電部材に対する印
加電圧は感光体電位と同程度で十分であり、またオゾン
を発生しない利点があり、完全なオゾンレスかつ低電力
消費型帯電が可能となる。

【００３６】また、注入帯電を用いることで、画像形成
中は転写されずに感光体上に残った転写残トナーを上記
の導電性接触帯電部材（ファーブラシ、磁気ブラシ等）
で掻き取ると同時に感光体を帯電し、画像形成以外の時
間に、該接触帯電部材に蓄積した転写残トナーを感光体
上に吐き出して、そのトナーを現像装置で再び回収する
クリーナーレスプロセスを実現することが可能となる。

【００３７】ｃ）クリーナーレスプロセス（トナーリサ
イクルプロセス）近年、画像形成装置は小型化が進んできたが、帯電・露
光・現像・転写・定着・クリーニング等の作像プロセス
の各手段・機器が夫々小型になるだけでは画像形成装置
の全体的な小型化には限界があった。

【００３８】また転写後の感光体上の転写残トナー（残
留現像剤）はクリーニング手段（クリーナー）によって
回収されて廃トナーとなるが、この廃トナーは環境保護
の面からも出ないことが好ましい。

【００３９】そこで、クリーナーを取りはずし、感光体
上の転写残トナーは現像手段によって「現像同時クリー
ニング」で感光体上から除去し現像手段に回収・再用す
る装置構成にした「クリーナーレスプロセス」の画像形
成装置も出現している。

【００４０】現像同時クリーニングとは、転写後に感光
体上に若干残留したトナーを次工程以後の現像時にかぶ
り取りバイアス（現像手段に印加する直流電圧と感光体
の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Ｖback）
によって回収する方法である。この方法によれば、転写
残トナーは現像手段に回収されて次工程以後用いられて
いるため、廃トナーをなくし、メンテンナンスに手を煩
わせることも少なくすることができる。またクリーナー
レスであることでスペース面での利点も大きく、画像形
成装置を大幅に小型化できるようになる。

【００４１】感光体を帯電させ、また転写残トナーを一
時的に回収する導電性の接触帯電部材として、ファーブ
ラシは、長期使用、長期放置による毛倒れが生じた場
合、帯電性が悪化してしまうのに対し、磁性粒子を用い
た磁気ブラシ帯電器では、その様な現象は起きず、また
磁性粒子が感光体に接触する密度がファーブラシよりも
多いため安定にかつ均一な帯電を行うことが可能とな
る。また、磁気ブラシの方が転写残トナーの保持量も多
いためクリーナーレスプロセスには有利である。

【００４２】上述のクリーナーレスプロセスにおいて、
転写残トナーの帯電極性が感光体の帯電極性と同極の場
合（ここでは負極とする）は、導電性接触帯電部材（以
下、注入帯電器と記す）での転写残トナーの回収が困難
となり、転写残トナーが注入帯電器をすり抜けて感光体
の次周の画像に出てしまう（以下、この現象をゴースト
と呼ぶ）。

【００４３】これを防止する方法として、感光体の転写
位置と帯電位置の間において感光体上の転写残トナーの
極性を反転させる（ここでは正極へ）部材を設ける方法
が知られている。この部材として導電性のブラシや弾性
体が挙げられ、それらを感光体に当接させ、正極の電圧
を印加することで、転写残トナーを正極に逆転させる。
特に、ブラシを用いた場合は、負極のトナーを一時的に
該ブラシの中に取り込み、正極に帯電してから再び感光
体上に出すため、ゴーストの発生を効率良く防ぐことが
できる。

【００４４】前述した図１の画像形成装置において第１
〜第４の各作像ユニットＵａ・Ｕｂ・Ｕｃ・Ｕｄにおい
て配設の導電性ブラシ５が上述の感光体の転写位置と帯
電位置の間において感光体上の転写残トナーの極性を反
転させる部材である。

【００４５】

【発明が解決しようとしている課題】前述した図１のよ
うな接触帯電方式・クリーナーレスプロセスの複数個の
作像ユニットを用いたタンデム式の画像形成装置におい
て、レジずれ色ずれや、転写不良を防止するため、レジ
ストローラ６ｃを通過した被転写材Ｐは転写装置７の被
転写材担持体としての転写ベルト７１に静電的に吸着さ
せなければならない。そのために、電圧を印加した導電
性のローラを設け、転写ベルト７１と被転写材Ｐを挟み
つける方法が挙げられるが、導電性ローラを配置する分
だけ作像系全体の長さが長くなってしまい、本体幅が大
きくなってしまう。

【００４６】そのため、第１の作像ユニットＵａでの転
写と同時に被転写材Ｐを転写ベルト７１ヘと吸着させる
方法をとることで導電性ローラを省き、本体幅をより短
くすることができる。

【００４７】このような画像形成装置において、１つの
作像ユニットだけ作像動作を行なう場合、例えば黒画像
作像ユニットである第４の作像ユニットＵｄだけ作像動
作させてブラック単色の作像を行なうとき、その他の第
１〜第３の作像ユニットＵａ・Ｕｂ・Ｕｃは被転写材搬
送性確保のために感光体は回転させるけれども、注入帯
電剤や現像剤の劣化を防ぐため接触帯電装置２や現像装
置４の動作を停止させておく。

【００４８】しかし、１ステーションの転写バイアスだ
けは、被転写材を転写ベルトに吸着させるために印加を
停止することはできない。この時、転写バイアス印加を
開始した感光体表面の位置を境界として０ｖから数百ｖ
への電位の段差が発生する。これは、注入帯電用感光体
表面には電荷注入するためのトラップ準位が有るため、
正の電荷も注入してしまうためである。

【００４９】この感光体表面に発生した電位段差部分が
導電性ブラシ５の位置を通過する時、該ブラシ５中に蓄
積されていた負極に帯電したトナーがエッジ効果により
その電位段差部分（境界）へと付着してしまう。この付
着したトナーは動作を停止している接触帯電装置２の注
入帯電器や現像装置では回収されず、感光体の周長が作
像の長さより短い場合は、転写ベルト７１に吸着して搬
送される被転写材へと転写されてしまい、図２に示すよ
うな横筋の汚れＸが発生してしまう。

【００５０】また、黒画像作像ユニットを第１の作像ユ
ニットとして配置した場合でも、それより後の第２、第
３、第４の作像ステーションでは、ブラックのトナー像
が感光体に再転写するのを防ぐためにそれぞれ転写バイ
アスを印加しなければならず、上述の現象が各作像ステ
ーションで発生し、やはり横筋の汚れＸが発生してしま
う。

【００５１】そこで本発明は、接触帯電方式・クリーナ
ーレスプロセスの複数個の作像ユニットを用いたタンデ
ム式の画像形成装置において、１つの作像ユニットだけ
を作像動作させて該作像ユニットにて形成の画像を被転
写材担持体に担持されて搬送される被転写材に転写させ
る単色モードの画像形成の時に、該作像ユニットよりも
被転写材搬送方向上流側の作像ユニットの転写位置で被
転写材を被転写材担持体に転写バイアスで静電吸着保持
させた時に作像ユニットの像担持体表面電位の段差部に
導電性部材から付着する現像剤による不良画像の発生を
防止して、不要な横筋のない良好な画像を常に安定に出
力させることを目的とする。

【００５２】

【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする画像形成装置である。

【００５３】（１）複数個の作像ユニットと、該複数個
の作像ユニットの各転写位置に渡って移動する被転写材
担持体を含む転写装置を具備し、前記被転写材担持体に
担持されて前記複数個の作像ユニットの各転写位置を順
次に搬送される被転写材に少なくとも１つの作像ユニッ
トの像担持体に形成された画像を転写バイアスにより転
写させる画像形成装置において、前記複数個の作像ユニ
ットはそれぞれ、像担持体と、該像担持体に当接する帯
電部材を有し該帯電部材に帯電バイアスを印加すること
で像担持体の帯電を行う帯電装置と、該像担持体の帯電
処理面に静電潜像を形成する画像情報書き込み装置と、
該静電潜像を現像剤により顕像化する現像装置と、前記
転写位置よりも像担持体の回転方向下流側で、前記帯電
部材による像担持体の帯電位置よりも像担持体の回転方
向上流側の間で像担持体に接触させて配設され電圧が印
加される導電性部材を具備し、転写時に被転写材に移動
せずに像担持体表面に残留した現像剤は前記帯電装置の
帯電部材に一時的に回収させ、その回収現像剤を帯電部
材から像担持体に吐き出させて現像装置にて再回収する
方式の作像機構であり、少なくとも１つの作像ユニット
が作像動作を行なわないとき（１個以上の作像ユニット
が作像動作を行なわないとき、作動する作像ユニットと
作動しない作像ユニットが混在する状態）、作像動作を
行なわない作像ユニットの転写バイアスの印加開始を、
被転写材の先端が各作像ユニットの転写位置に到達する
時点よりも、少なくとも像担持体が１回転するのに要す
る時間より前に行なうことを特徴とする画像形成装置．（２）複数個の作像ユニットと、該複数個の作像ユニッ
トの各転写位置に渡って移動する被転写材担持体を含む
転写装置を具備し、前記被転写材担持体に担持されて前
記複数個の作像ユニットの各転写位置を順次に搬送され
る被転写材に少なくとも１つの作像ユニットの像担持体
に形成された画像を転写バイアスにより転写させる画像
形成装置において、前記複数個の作像ユニットはそれぞ
れ、像担持体と、該像担持体に当接する帯電部材を有し
該帯電部材に帯電バイアスを印加することで像担持体の
帯電を行う帯電装置と、該像担持体の帯電処理面に静電
潜像を形成する画像情報書き込み装置と、該静電潜像を
現像剤により顕像化する現像装置と、前記転写位置より
も像担持体の回転方向下流側で、前記帯電部材による像
担持体の帯電位置よりも像担持体の回転方向上流側の間
で像担持体に接触させて配設され電圧が印加される導電
性部材を具備し、転写時に被転写材に移動せずに像担持
体表面に残留した現像剤は前記帯電装置の帯電部材に一
時的に回収させ、その回収現像剤を帯電部材から像担持
体に吐き出させて現像装置にて再回収する方式の作像機
構であり、少なくとも、被転写材の搬送方向の最上流の
作像ユニットにおいて作像動作を行なわない場合、該作
像ユニットの転写バイアスの印加開始をステップ状に行
なうことを特徴とする画像形成装置。

【００５４】（３）複数個の作像ユニットと、該複数個
の作像ユニットの各転写位置に渡って移動する被転写材
担持体を含む転写装置を具備し、前記被転写材担持体に
担持されて前記複数個の作像ユニットの各転写位置を順
次に搬送される被転写材に少なくとも１つの作像ユニッ
トの像担持体に形成された画像を転写バイアスにより転
写させる画像形成装置において、前記複数個の作像ユニ
ットはそれぞれ、像担持体と、該像担持体に当接する帯
電部材を有し該帯電部材に帯電バイアスを印加すること
で像担持体の帯電を行う帯電装置と、該像担持体の帯電
処理面に静電潜像を形成する画像情報書き込み装置と、
該静電潜像を現像剤により顕像化する現像装置と、前記
転写位置よりも像担持体の回転方向下流側で、前記帯電
部材による像担持体の帯電位置よりも像担持体の回転方
向上流側の間で像担持体に接触させて配設され電圧が印
加される導電性部材を具備し、転写時に被転写材に移動
せずに像担持体表面に残留した現像剤は前記帯電装置の
帯電部材に一時的に回収させ、その回収現像剤を帯電部
材から像担持体に吐き出させて現像装置にて再回収する
方式の作像機構であり、少なくとも、被転写材の搬送方
向の最上流の作像ユニットにおいて作像動作を行なわな
い場合、該作像ユニットの転写バイアスの極性を前記導
電性部材の印加電圧と逆極とすることを特徴とする画像
形成装置。

【００５５】（４）複数個の作像ユニットと、該複数個
の作像ユニットの各転写位置に渡って移動する被転写材
担持体を含む転写装置を具備し、前記被転写材担持体に
担持されて前記複数個の作像ユニットの各転写位置を順
次に搬送される被転写材に少なくとも１つの作像ユニッ
トの像担持体に形成された画像を転写バイアスにより転
写させる画像形成装置において、前記複数個の作像ユニ
ットはそれぞれ、像担持体と、該像担持体に当接する帯
電部材を有し該帯電部材に帯電バイアスを印加すること
で像担持体の帯電を行う帯電装置と、該像担持体の帯電
処理面に静電潜像を形成する画像情報書き込み装置と、
該静電潜像を現像剤により顕像化する現像装置と、前記
転写位置よりも像担持体の回転方向下流側で、前記帯電
部材による像担持体の帯電位置よりも像担持体の回転方
向上流側の間で像担持体に接触させて配設され電圧が印
加される導電性部材を具備し、転写時に被転写材に移動
せずに像担持体表面に残留した現像剤は前記帯電装置の
帯電部材に一時的に回収させ、その回収現像剤を帯電部
材から像担持体に吐き出させて現像装置にて再回収する
方式の作像機構であり、少なくとも、被転写材の搬送方
向の最上流の作像ユニットにおいて作像動作を行なわな
い場合、該作像ユニットの転写バイアスの印加を開始し
た像担持体表面の位置が帯電装置を通過する間、帯電装
置での帯電動作を行なうことを特徴とする画像形成装
置。

【００５６】（５）前記像担持体の周長が最大画像長よ
りも短いことを特徴とする（１）ないし（４）の何れか
に記載の画像形成装置。

【００５７】（６）前記導電性部材が毛ブラシであるこ
とを特徴とする（１）ないし（５）の何れかに記載の画
像形成装置。

【００５８】（７）前記導電性部材に印加する電圧の極
性が像担持体の帯電極性と逆極性であることを特徴とす
る（１）ないし（６）の何れかに記載の画像形成装置。

【００５９】（８）連続作像において、作像動作を行な
わない作像ユニットの転写バイアスを被転写材の間でも
印加することを特徴とする（１）ないし（７）の何れか
に記載の画像形成装置。

【００６０】（９）作像動作を行なわない作像ユニット
に印加する転写バイアスは作像時に比べて電流が小さ
い、または電圧が低いことを特徴とする（１）ないし
（８）の何れかに記載の画像形成装置。

【００６１】（１０）前記像担持体が電子写真感光体で
あることを特徴とする（１）ないし（９）の何れかに記
載の画像形成装置。

【００６２】（１１）前記像担持体が電荷注入帯電性で
あることを特徴とする（１）ないし（１０）のいずれか
に記載の画像形成装置。

【００６３】（１２）前記像担持体が絶縁性のバインダ
ー中に導電性微粒子を分散させた電荷注入層を有する電
子写真感光体であることを特徴とする（１）ないし（１
１）のいずれかに記載の画像形成装置。

【００６４】（１３）前記帯電部材が磁性粒子と磁性粒
子担持体からなることを特徴とするを有する（１）ない
し（１２）のいずれかに記載の画像形成装置。

【００６５】（１４）像担持体の帯電処理面に静電潜像
を形成する画像情報書き込み装置が露光装置であること
を特徴とする（１）ないし（１３）のいずれかに記載の
画像形成装置。

【００６６】〈作用〉単色作像時でも、第１の作像ユ
ニットの転写位置で被転写材を転写装置の被転写材担持
体に静電吸着させるため、第１の作像ユニットにおける
転写バイアスの印加開始を、被転写材の先端が第１の作
像ユニットの転写位置に到達するタイミングより像担持
体が１回転する時間以上早くすることで、被転写材面上
での横筋状の画像汚れを防ぐ事が出来る。

【００６７】像担持体上の転写バイアス印加開始位置に
付いた導電性部材からの現像剤（トナー）は被転写材が
第１の作像ユニットの転写位置に到達する前に被転写材
担持体ヘと転写され、被転写材担持体クリーナーで除去
される。

【００６８】また、被転写材の先端が第１の作像ユニッ
トの転写位置に到達するタイミングに合わせて転写バイ
アスをステップ状に立ち上げることで、像担持体表面に
電位の段差を付けないようにしたり、被転写材担持体に
対する被転写材の吸着時は転写バイアスを作像時の導電
性部材に印加するバイアスの極性と逆極性のバイアスに
することで、導電性部材からの現像材付着を防止でき
る。

【００６９】さらに、転写バイアスを印加した像担持体
表面の領域だけ、接触帯電部材を駆動させ、交番電界を
印加することで、導電性部材から像担持体へと付着した
現像材を接触帯電部材で回収して不良画像を防止すると
ともに、接触帯電部材の駆動を最小限にとどめること
で、帯電磁性粒子の劣化を遅らせる事が出来る。

【００７０】また、連続作像動作においては、被転写材
が第１の作像ユニットの転写位置を通過していない時も
転写バイアスを印加することで、２枚目以降の画像に横
筋状の画像汚れが出ないようにできる。

【００７１】

【発明の実施の形態】〈第１の実施例〉（１）画像形成装置（図１）本実施例における画像形成装置は、前述した図１のもの
と同様の、接触帯電方式・反転現像式・クリーナーレス
プロセスの複数個の電子写真作像ユニットＵａ・Ｕｂ・
Ｕｃ・Ｕｄと、該複数個の作像ユニットの各転写位置７
ａ・７ｂ・７ｃ・７ｄに渡って移動する転写ベルト７１
を含む転写装置７を具備したタンデム式のフルカラー画
像形成装置であり、該装置について前述した事項の再度
の説明は省略する。

【００７２】（２）感光ドラム１（図３）各作像ユニットにおける像担持体としての感光ドラム１
は負帯電性・電荷注入帯電性のＯＰＣ感光体であり、図
３に層構成模型図を示したように、φ３０ｍｍのアルミ
ニウム製のドラム基体１ａ上に第１〜第５の機能層１ｂ
〜１ｆを下から順に設けたものである。

【００７３】第１層１ｂ；下引き層であり、アルミニウ
ムドラム基体１ａの欠陥などをならすため、またレーザ
ー露光の反射によるモアレの発生を防止するために設け
られている厚さ約２０μｍの導電層である。

【００７４】第２層１ｃ；正電荷注入防止層であり、ア
ルミニウムドラム基体１ａから注入された正電荷が感光
体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割
を果たし、アミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンに
よって１０⁶ Ω・ｃｍ程度に抵抗調整された厚さ約１μ
ｍの中抵抗層である。

【００７５】第３層１ｄ；電荷発生層であり、ジスアゾ
系の顔料を樹脂に分散した厚さ約０．３μｍの層であ
り、レーザー露光を受けることによって正負の電荷対を
発生する。

【００７６】第４層１ｅ；電荷輸送層であり、ポリカー
ボネイト樹脂にヒドラゾンを分散したものであり、Ｐ型
半導体である。従って、感光体表面に帯電された負電荷
はこの層を移動することはできず、電荷発生層１ｄで発
生した正電荷のみを感光体表面に輸送することができ
る。

【００７７】第５層１ｆ；電荷注入層であり、バインダ
ーとしての光硬化性のアクリル樹脂に光透過性の導電フ
ィラーであるアンチモンをドーピングして低抵抗化（導
電化）した粒径０．０３μｍの酸化錫ＳｎＯ₂ の超微粒
子１ｇを樹脂に対して７０重量パーセント分散した材料
の厚さ約３μｍの塗工層である。この電荷注入層１ｆの
電気抵抗値は、充分な帯電性と画像流れを起こさない条
件である１×１０¹⁰〜１×１０¹⁴Ω・ｃｍである必要が
ある。本実施例では表面抵抗が１×１０¹¹Ω・ｃｍの感
光体ドラムを用いた。

【００７８】（４）磁気ブラシ帯電装置２（図４〜図
６）図４は帯電装置として用いた磁気ブラシ帯電装置２の拡
大横断面模型図である。本実施例の磁気ブラシ帯電装置
２は、大きく分けて、注入帯電器（磁気ブラシ帯電器）
２Ａ、該注入帯電器２Ａと導電性磁性粒子（帯電キャリ
ア）２ｄを収容させた容器（ハウジング）２Ｂ、注入帯
電器２Ａに対する帯電バイアス印加電源Ｅ２等からな
る。

【００７９】注入帯電器２Ａは本実施例のものはスリー
ブ回転タイプであり、マグネットロール（磁石）２ａ
と、このマグネットロールに外嵌させた非磁性ステンレ
ス製スリーブ（電極スリーブ、導電スリーブ、帯電スリ
ーブなどと称される）２ｂと、該スリーブ２ｂの外周面
にスリーブ内部のマグネットロール２ａの磁気力で磁気
拘束させて形成保持させた磁性粒子２ｄの磁気ブラシ部
２ｃからなる。

【００８０】マグネットロール２ａは非回転の固定部材
であり、スリーブ２ｂはこのマグネットロール２ａの外
回りを矢示ｂの時計方向に不図示の駆動系により所定の
周速度、本実施例では２２５ｍｍ／ｓｅｃ．の周速で回
転駆動される。またスリーブ２ｂは感光ドラム１に対し
てスペーサコロ等の手段で５００μｍ程度の隙間を保た
せて対向させて配設してある。

【００８１】２ｅは容器２Ｂに取り付けた、非磁性ステ
ンレス製の磁気ブラシ層厚規制ブレードであり、スリー
ブ２ｂ表面とのギャップが９００μｍになるように配置
されている。

【００８２】容器２Ｂ内の磁性粒子２ｄはその一部がス
リーブ２ｂの外周面にスリーブ内部のマグネットロール
２ａの磁気力で磁気拘束されて磁気ブラシ部２ｃとして
保持される。磁気ブラシ部２ｃはスリーブ２ｂの回転駆
動に伴い、スリーブ２ｂと一緒にスリーブ２ｂと同方向
に回転する。このとき磁気ブラシ部２ｃの層厚はブレー
ド２ｅにより均一厚さに規制される。そしてその磁気ブ
ラシ部２ｃの規制層厚はスリーブ２ｂと感光ドラム１と
の対向隙間部の間隔より大きいから、磁気ブラシ部２ｃ
はスリーブ２ｂと感光ドラム１との対向部において感光
ドラム１に対して所定幅のニップ部を形成して接触す
る。この接触ニップ部が帯電ニップ部（帯電位置）Ｎで
ある。従って、回転感光ドラム１は帯電ニップ部Ｎにお
いて注入帯電器２Ａのスリーブ２ｂの回転に伴ない回転
する磁気ブラシ部２ｃで摺擦される。この場合、帯電ニ
ップ部Ｎにおいて感光ドラム１の移動方向と磁気ブラシ
部２ｃの移動方向は逆方向となり、相対移動速度は速く
なる。

【００８３】スリーブ２ｂと磁気ブラシ層厚規制ブレー
ド２ｅには電源Ｅ２から所定の帯電バイアスが印加され
る。

【００８４】而して、感光ドラム１が回転駆動され、注
入帯電器２Ａのスリーブ２ｂが回転駆動され、電源Ｅ２
から所定の帯電バイアスが印加されることで、回転感光
ドラム１の周面が本実施例の場合は電荷注入帯電方式で
所定の極性・電位に一様に接触帯電処理される。

【００８５】スリーブ２ｂ内に固定配置されているマグ
ネットロール２ａは、スリーブ２ｂと感光ドラム１の最
近接位置ｃから感光ドラム回転方向上流側１０°の位置
に約９００Ｇの磁極（主極）Ｎ１を配置してある。

【００８６】この主極Ｎ１は、スリーブ２ｂと感光ドラ
ム１の最近接位置ｃとの角度θを感光ドラム回転方向上
流側２０°から下流側１０°の範囲に入るようにするこ
とが望ましく、上流側１５°〜０°であればさらに良
い。それより下流だと主極位置に磁性粒子が引きつけら
れ、帯電ニップ部Ｎの感光ドラム回転方向下流側に磁性
粒子の滞留が発生しやすくなり、また上流すぎると、帯
電ニップ部Ｎを通過した磁性粒子の搬送性が悪くなり、
滞留が発生しやすくなる。

【００８７】また、帯電ニップ部Ｎに磁極がない場合に
は、磁性粒子に働くスリーブ２ｂへの拘束力が弱くな
り、磁性粒子が感光ドラム１に付着しやすくなるのは明
らかである。

【００８８】ここで述べている帯電ニップ部Ｎは、帯電
時に磁気ブラシ部２ｃの磁性粒子が感光ドラム１と接触
している領域を示す。

【００８９】帯電バイアスは電源Ｅ２によってスリーブ
２ｂと規制ブレード２ｅに印加される。本実施例ではＤ
Ｃ成分にＡＣ成分が重畳しているバイアスを用いてい
る。

【００９０】帯電ニップ部Ｎにおける、注入帯電器２Ａ
の磁気ブラシ部２ｃによる感光ドラム１面の摺擦と、注
入帯電器２Ａへの帯電バイアスの印加により、磁気ブラ
シ部２ｃを構成している帯電用磁性粒子２ｄから電荷が
感光ドラム１上に与えられ、感光ドラム１面が所定の極
性・電位に一様に接触帯電される。本例の場合は前述し
たように感光ドラム１はその表面に電荷注入層１ｆを具
備させたものであるから、電荷注入帯電により感光ドラ
ム１の帯電処理がなされる。即ち、感光ドラム１面が帯
電バイアスＤＣ＋ＡＣのＤＣ成分に対応した電位に帯電
される。スリーブ２ｂは回転速度が速いほど帯電均一性
が良好になる傾向にある。

【００９１】注入帯電器２Ａによる感光ドラム１の電荷
注入帯電は図５の等価回路に示すような、抵抗Ｒとコン
デンサーＣの回路とみなすことが出来る。このような回
路の場合、抵抗値をｒ、感光体の静電容量をＣｐ、印加
電圧をＶ₀ 、帯電時間（感光ドラムのある点が帯電ニッ
プ部Ｎを通過する時間）をｔ₀ とすると、感光ドラムの
表面電位Ｖｄは式（１）で表される。

【００９２】Ｖｄ＝Ｖ₀ （１−exp （ｔ₀ ／（Ｃｐ・ｒ）））・・・・式（１）帯電バイアスＤＣ＋ＡＣにおいて、ＤＣ成分は必要とさ
れる感光ドラム１の表面電位と同値、本実施例では−７
００ｖとした。

【００９３】画像形成時（作像時）におけるＡＣ成分
は、そのピーク間電圧Ｖｐｐは、１００ｖ以上２０００
ｖ以下、特に３００ｖ以上１２００ｖ以下が好ましい。
ピーク間電圧Ｖｐｐがそれ以下では、帯電均一性、電位
の立ち上がり性向上の効果が薄く、それ以上では、磁性
粒子の滞留や感光ドラムへの付着が悪化する。

【００９４】周波数は１００Ｈｚ以上５０００Ｈｚ以
下、特に５００Ｈｚ以上２０００Ｈｚ以下が好ましい。
それ以下では、磁性粒子の感光ドラムへの付着悪化や、
帯電均一性、電位の立ち上がり性向上の効果が薄くな
り、それ以上でも帯電均一性、電位の立ち上がり性向上
の効果が得られにくくなる。

【００９５】ＡＣ成分の波形は矩形波、三角波、ｓｉｎ
波などがよい。

【００９６】本実施例では、作像時に７００Ｖｐｐ、非
作像時には０Ｖｐｐ、つまりＤＣ（−７００ｖ）のみの
帯電を行った。

【００９７】磁気ブラシ部２ｃを構成させる磁性粒子２
ｄは、本実施例では、燒結した強磁性体（フェライト）
を還元処理したものを用いたが、他に樹脂と強磁性体粉
を混練して粒子状に整形したもの、もしくはこれに抵抗
値調節のために導電性カーボン等を混ぜたものや、表面
処理を行ったものも同様に用いることができる。

【００９８】磁気ブラシ部２ｃの磁性粒子２ｄは感光ド
ラム表面のトラップ順位に電荷を良好に注入する役割
と、感光ドラム上に生じたピンホールなどの欠陥に帯電
電流が集中してしまうことに起因して生じる帯電部材及
び感光ドラムの通電破壊を防止する役割を兼ね備えてい
なければならない。

【００９９】従って、注入帯電器２Ａの抵抗値は１×１
０⁴ Ω〜１×１０⁹ Ωであることが好ましく、特には１
×１０⁴ Ω〜１×１０⁷ Ωであることが好ましい。注入
帯電器２Ａの抵抗値が１×１０⁴ Ω未満ではピンホール
リークが生じやすくなる傾向があり、１×１０⁹ Ωを越
えると良好な電荷の注入がしにくくなる傾向にある。ま
た、抵抗値を上記範囲内に制御するためには、磁性粒子
２ｄの体積抵抗値は１×１０⁴ Ω・ｃｍ〜１×１０⁹ Ω
・ｃｍであることが好ましく、特には１×１０ ⁴ Ω・ｃ
ｍ〜１×１０⁷ ・ｃｍであることが好ましい。

【０１００】本実施例で用いた注入帯電器２Ａの抵抗値
は、１×１０⁶ Ω・ｃｍであり、帯電バイアスのＤＣ成
分として−７００ｖを印加することで、感光ドラム１の
表面電位も−７００ｖとなった。

【０１０１】磁性粒子２ｄの体積抵抗値は図６に示す要
領で測定した。すなわち、セルＡに磁性粒子２ｄを充填
し、該充填磁性粒子２ｄに接するように主電極１７及び
上部電極１８を配し、該電極１７・１８間に定電圧電源
２２から電圧を印加し、そのとき流れる電流を電流計２
０で測定することにより求めた。１９は絶縁物、２１は
電圧計、２４はガイドリングを示す。

【０１０２】その測定条件は、２３℃、６５％の環境
で、充填磁性粒子２ｄのセルとの接触面積Ｓ＝２ｃｍ
² 、厚みｄ＝１ｍｍ、上部電極１８の荷重１０ｋｇ、印
加電圧１００Ｖである。

【０１０３】磁性粒子２ｄの平均粒径及び粒度分布測定
におけるピークは５〜１００μｍの範囲にあることが、
粒子表面の汚染による帯電劣化防止の観点から好まし
い。

【０１０４】磁性粒子２ｄの平均粒径は、水平方向最大
弦長で示し、測定法は顕微鏡法により磁性粒子３００個
以上をランダムに選び、その径を実測して算術平均をと
る。

【０１０５】（５）現像装置４（図７）静電潜像のトナー現像方法としては、一般に次のａ〜ｄ
の４種類に大別される。

【０１０６】ａ．非磁性トナーについてはブレード等で
スリーブ上にコーティングし、磁性トナーは磁気力によ
ってコーティングして搬送し感光体に対して非接触状態
で現像する方法（１成分非接触現像）。

【０１０７】ｂ．上記のようにしてコーティングしたト
ナーを感光体に対して接触状態で現像する方法（１成分
接触現像）。

【０１０８】ｃ．トナー粒子に対して磁性のキャリアを
混合したものを現像剤として用いて磁気力によって搬送
し感光体に対して接触状態で現像する方法（２成分接触
現像）。

【０１０９】ｄ．上記の２成分現像剤を非接触状態にし
て現像する方法（２成分非接触現像）。

【０１１０】このなかで、画像の高画質化や高安定性の
面から、ｃの２成分接触現像法が多く用いられている。

【０１１１】図７は本実施例で用いた現像器４の拡大横
断面模型図である。本実施例における現像装置４は、重
合法で作成した高離型性球形非磁性トナーと磁性キャリ
ア（現像用磁性粒子、現像キャリア）を混合したものを
現像剤として用い、該現像剤を現像剤担持体（現像部
材）に磁気力によって磁気ブラシ層として保持させて現
像部に搬送し感光ドラム面に接触させて静電潜像をトナ
ー像として現像する２成分磁気ブラシ接触現像方式の反
転現像装置である。

【０１１２】４ａは現像容器、４ｂは現像剤担持体とし
ての現像スリーブ、４ｃはこの現像スリーブ４ｂ内に固
定配置された磁界発生手段としての磁石（マグネットロ
ーラ）、４ｄは現像スリーブ表面に現像剤の薄層を形成
するための現像剤層厚規制ブレード、４ｅは現像剤攪拌
搬送スクリュー、４ｆは現像容器４ａ内に収容した２成
分現像剤であり、上記のように非磁性トナーｔと現像キ
ャリアｃを混合したものである。

【０１１３】現像スリーブ４ｂは少なくとも現像時にお
いては、感光ドラム１に対し最近接距離（隙間）が約５
００μｍになるように配置され、該現像スリーブ４ｂの
外面に担持させた現像剤磁気ブラシ薄層４ｆ′が感光ド
ラム１の面に接触するように設定されている。この現像
剤磁気ブラシ薄層４ｆ′と感光ドラム１の接触ニップ部
ｍが現像領域（現像部）である。

【０１１４】現像スリーブ４ｂは内部の固定磁石４ｃの
外回りを矢示の反時計方向に所定の回転速度で駆動さ
れ、現像容器４ａ内においてスリーブ外面に固定磁石４
ｃの磁力により現像剤４ｆ（ｔ＋ｃ）の磁気ブラシが形
成される。その現像剤磁気ブラシはスリーブ４ｂの回転
とともに搬送され、ブレード４ｄにより層厚規制を受け
て所定層厚の現像剤磁気ブラシ薄層４ｆ′として現像容
器外に持ち出されて現像部ｍへ搬送されて感光ドラム１
面に接触し、引き続くスリーブ４ｂの回転で再び現像容
器４ａ内に戻し搬送される。

【０１１５】現像スリーブ４ｂには現像バイアス印加電
源Ｅ４によりＤＣ成分とＡＣ成分を重畳した所定の現像
バイアスが印加される。本実施例での現像特性は、感光
ドラム１の帯電電位（−７００ｖ）と現像バイアスのＤ
Ｃ成分値の差が２００ｖ以下であるとカブリが生じ、３
５０ｖ以上であると現像キャリアｃの感光ドラム１への
付着が生じたので、現像バイアスのＤＣ成分は−４００
ｖとした。

【０１１６】現像容器４ａ内の現像剤４ｆ（ｔ＋ｃ）の
トナー濃度（現像キャリアｃとの混合割合）はトナー分
が静電潜像の現像に消費されて逐次減少していく。現像
容器４ａ内の現像剤４ｆのトナー濃度は不図示の検知手
段により検知されて所定の許容下限濃度まで低下すると
トナー補給部４ｇから現像容器４ａ内の現像剤４ｆにト
ナーｔの補給がなされて現像容器４ａ内の現像剤４ｆの
トナー濃度を常に所定の許容範囲内に保つようにトナー
補給制御される。

【０１１７】（６）導電性ブラシ５転写装置７（転写位置）よりも感光ドラム回転方向下流
側で、帯電装置２（帯電位置Ｎ）よりも感光ドラム回転
方向上流側において感光ドラム１に当接させた導電性部
材としての導電性ブラシ５としては、ブラシ長１〜１０
ｍｍ、ブラシ密度１〜５０万本／inch² 、ブラシ径２〜
１２デニール、ブラシ抵抗１０^-2〜１０ ¹²Ωｃｍが好ま
しく、本実施例では、ブラシ長５ｍｍ、ブラシ密度１０
万本／inch² 、ブラシ径６デニール、ブラシ抵抗１０⁵
Ωｃｍのものを用いた。

【０１１８】また、印加バイアスは２００ｖから１５０
０ｖがよく、４００ｖから８００ｖがさらに好ましい。
それ以下の場合は、負極転写残トナーの除電、帯電効果
が薄くゴースト発生を防止することが困難となり、それ
以上の場合は、強い正極の電荷を感光体に与えてしまう
ため、注入帯電において帯電不良を起こしやすくなる。
本実施例では５００ｖの直流バイアスを用いた。

【０１１９】（７）クリーナーレスプロセス各作像ユニットＵａ・Ｕｂ・Ｕｃ・Ｕｄはクリーナーレ
スプロセスであり、転写位置で被転写材Ｐに転写されず
に回転感光ドラム１の表面に残ったトナーを除去する専
用のクリーナーは配設していないが、転写残トナーは引
き続く感光ドラム１の回転で導電性ブラシ５の位置を経
て磁気ブラシ帯電装置２の位置に至り、感光ドラム１に
接触している接触帯電部材としての注入帯電器２Ａの磁
気ブラシ部２ｃに一時的に回収され、その回収トナーが
再び感光ドラム１面に吐き出されて最終的に現像装置４
に回収され、感光ドラム１は繰り返して作像に供され
る。

【０１２０】感光ドラム１上の転写残トナーは転写時の
剥離放電等により、極性が正のものと負のものが混在し
ていることが多い。前述したように、転写残トナーの帯
電極性が感光ドラム１の帯電極性と同極の場合（ここで
は負極とする）は注入帯電器２Ａでの転写残トナーの回
収が困難となり、転写残トナーが注入帯電器２Ａをすり
抜けて感光ドラム１の次周の画像に出てしまう（ゴース
ト）。

【０１２１】本実施例においては、転写装置７と磁気ブ
ラシ帯電装置２との間において感光ドラム１面に当接さ
せて導電性ブラシ５を配設し、この導電性ブラシ５に電
源Ｅ６よりＡＣバイアス、または帯電と逆極性のＤＣバ
イアス、またはＡＣバイアスを重畳した帯電と逆極性の
ＤＣバイアスを印加したことで、転写残トナーはこの導
電性ブラシ５により除電もしくは感光ドラム１の帯電と
逆極性の正に帯電して、注入帯電器２Ａの磁気ブラシ部
で容易に回収される。特に、導電性ブラシ５を用いた場
合は、負極のトナーを一時的に該ブラシ５の中に取り込
み、正極に帯電してから再び感光ドラム１上に出すた
め、ゴーストの発生を効率良く防ぐことができる。

【０１２２】即ち、転写位置において被転写材Ｐに転写
されずに感光ドラム１表面に残ったトナーは、正極の直
流電圧を印加し、感光ドラム１に接触させてある導電性
ブラシ５を通過することで、負極のトナーはこの導電性
ブラシ５中に捕集され、正極のトナーは通過して注入帯
電器２Ａに一時的に回収される。導電性ブラシ５中に捕
集された負極のトナーもこの導電性ブラシ１２で除電も
しくは正極に帯電されて再び感光ドラム１上に付着して
これも注入帯電器２Ａに一時的に回収される。

【０１２３】転写残トナーの注入帯電器２Ａの磁気ブラ
シ部２ｃへの取り込みは、注入帯電器２ＡにＡＣ成分を
印加することで、注入帯電器２Ａ−感光ドラム１間の振
動電界効果によってより効果的に行なわせることができ
る。

【０１２４】そして、磁気ブラシ部２ｃ内に取り込まれ
た転写残トナーは極性が全て負に帯電されて感光ドラム
１上に吐き出される。極性が負に揃えられて感光ドラム
１上に吐き出された転写残トナーは、現像部ｍに至って
現像装置４の現像器４ｂにより現像時のかぶり取り電界
によって現像同時クリーニングでに回収される。

【０１２５】この転写残トナーの現像同時回収は、回転
方向の画像領域が、感光ドラム１の周長よりも長い場合
には、その他の帯電、露光、現像、転写といった画像形
成工程と同時進行で行われる。

【０１２６】これにより転写残トナーは現像装置４内に
回収されて次工程以後も用いられるため、廃トナーをな
くすことができる。またスペースの面での利点も大き
く、画像形成装置の大幅に小型化が可能となる。

【０１２７】現像剤のトナーｔとして重合法で作成した
高離型性球形トナーを用いることで、転写残トナーの発
生量を少なくすることができるし、また注入帯電器２Ａ
から吐き出されたトナーの現像装置４への回収性を向上
させることができる。２成分接触現像方式の現像装置４
を用いることでも注入帯電器２Ａから吐き出されたトナ
ーの現像装置４への回収性を向上させている。

【０１２８】磁気ブラシ部２ｃから感光ドラム１へ吐き
出されたトナーはきわめて均一な散布状態にあり、また
その量も少量であるため、次の像露光過程に実質的に悪
影響を及ぼすことはない。また転写残トナーパターンに
起因するゴースト像の発生もない。

【０１２９】ここで、通常、トナーは電気抵抗が比較的
高いから、注入帯電器２Ａの磁気ブラシ部２ｃにそのよ
うなトナー粒子が混入することは磁気ブラシ部２ｃの抵
抗を上昇させて帯電能を低下させる因子であり、混入ト
ナー量が比較的多い場合は、非作像時に大量のトナーを
吐き出させることで良好な帯電を維持することができ
る。そこで本実施例においては、非作像時である紙間工
程の期間に転写ニップ部Ｔを通過する回転感光ドラム１
の領域がその前に帯電ニップ部を通過する間、また非作
像時である後回転工程の期間は、注入帯電器２Ａに印加
する帯電バイアスのＡＣ成分の印加を停止させることで
感光体表面と印加電圧との電位差ΔＶを大きくして、注
入帯電器２Ａの磁気ブラシ部２ｃ中から大量のトナーを
積極的に吐き出させて長期において磁気ブラシ部２ｃ中
の混入トナー量を一定以下に保たせ磁気ブラシの電気抵
抗上昇を抑えるようにしている。

【０１３０】（８）横筋入り不良画像の防止（図８）以上の系において、第１の作像ユニット（イエロー画像
作像ユニット）Ｕａは図８に示す各シーケンスで転写バ
イアスとして３μＡの定電流を流すことで転写位置７ａ
にて被転写材（Ａ４横方向）Ｐを転写ベルト装置７の転
写ベルト７１に静電吸着させ、第２の作像ユニット（マ
ゼンタ画像作像ユニット）Ｕｂ、第３の作像ユニット
（シアン画像作像ユニット）Ｕｃは感光ドラム１の回転
のみをおこなわせ、そして第４の作像ユニット（黒画像
作像ユニット）Ｕｄのみ作像動作させて、ブラック単色
の画像プリントの出力を行なった。

【０１３１】（あ）のシーケンスは、被転写材Ｐの先端
が第１の作像ユニットＵａの転写位置７ａに到達する１
００ｍｓｅｃ．前に転写バイアスの印加を開始している
（転写バイアスの立ち上がり時間は約５０ｍｓｅ
ｃ．）。

【０１３２】この場合は、第１の作像ユニットＵａにお
いて転写バイアス印加を開始したときの感光ドラム表面
位置の電位段差部に導電性ブラシ５から付着したイエロ
ートナーが、出力されたブラック単色画像プリントの画
像先端から約８４ｍｍの位置に付着してイエローの横筋
Ｘ（図２）が出てしまう。

【０１３３】一方、（い）のシーケンスでは、被転写材
Ｐの先端が第１の作像ユニットＵａの転写位置７ａに到
達する１１００ｍｓｅｃ．前に転写バイアスを印加して
おり、出力されたブラック単色画像プリントには横筋Ｘ
は出ていない（感光ドラム１が１回転するのに要する時
間は９４３ｍｓｅｃ．）。

【０１３４】この場合は、第１の作像ユニットＵａにお
いて転写バイアス印加を開始したときの感光ドラム表面
位置の電位段差部に導電性ブラシ５から付着したイエロ
ートナーは、転写ベルト７１に転写され、ベルトクリー
ナー７４により除去される。

【０１３５】〈第２の実施例〉（図９）本実施例では図９に示すシーケンスで作像を行った。こ
のシーケンスでは、被転写材Ｐの先端が第１の作像ユニ
ットＵａの転写位置７ａに到達する４００ｍｓｅｃ．前
から転写バイアスの印加を開始し、１００ｍｓｅｃ．前
までに、３０ｍｓｅｃ．おきに転写電流を０．３μＡづ
つ増加させている。

【０１３６】これにより、第１の作像ユニットＵａにお
いて転写バイアス印加を開始したときの感光ドラム表面
位置の電位段差部の電位変化を緩やかにすることがで
き、この場合は導電性ブラシ５を通過する感光体の電位
の変化を緩やかにすることができ、第１の実施例の図８
の（あ）のシーケンスを用いた場合のような、出力され
たブラック単色画像プリントにイエローの横筋Ｘが出る
ことは無い。

【０１３７】また、転写バイアスの印加をステップ状で
なく、スロープをかけて印加を開始しても同様の効果が
得られることは明らかである。

【０１３８】〈第３の実施例〉本実施例では、被転写材
Ｐの先端が第１の作像ユニットＵａの転写位置７ａに到
達する１００ｍｓｅｃ．前から３μＡの定電流を第１の
実施例とは逆向きに流した（転写帯電ブレード７２には
負極の電圧が印加される）。

【０１３９】その結果、感光ドラム１の表面電位はバイ
アス印加位置を境に０ｖから約−１００ｖとなるため、
導電性ブラシ５中の負極に帯電したイエロートナーは感
光ドラム１面に付着することはなく、出力されたブラッ
ク単色画像プリントにイエローの横筋Ｘが出ることは無
かった。

【０１４０】〈第４の実施例〉（図１０）本実施例では、図１０に示すように、被転写材Ｐの先端
が第１の作像ユニットＵａの転写位置７ａに到達する１
００ｍｓｅｃ．前から３μＡの定電流（作像時と同じ方
向）を流し始め、転写バイアスの印加を開始した感光ド
ラム表面の位置が注入帯電位置Ｎを通過する時を中心と
して前後に１５０ｍｓｅｃ．の間だけ注入帯電器２Ａの
スリーブの回転、１００ｍｓｅｃ．の間７００Ｖｐｐの
交流バイアスを印加した。

【０１４１】その結果、導電性ブラシ５から感光ドラム
に付着したイエロートナーは注入帯電器２Ａにより回収
され、出力されたブラック単色画像プリントにイエロー
の横筋Ｘが出ることは無かった。

【０１４２】導電性ブラシ５から感光ドラム１へと付着
するトナーは負極であるため、注入帯電器２Ａに印加す
る交流バイアスに正極の直流バイアスを重畳させる方が
トナーの回収性は向上するが、感光ドラムを正極に帯電
してしまうため、現像位置ｍでトナーが感光ドラムに付
着して画像に出てしまうので好ましくない。また、負極
の直流バイアスを重畳させた場合は、負極のトナーの回
収性が悪くなるため、注入帯電器２Ａをすり抜け、画像
に出やすくなる。

【０１４３】〈第５の実施例〉（図１１）本実施例では、連続作像時における紙間の転写バイアス
を図１１に示すシーケンスで行った。（あ）は、被転写
材Ｐが通過している時のみ転写バイアスを印加し、その
他の時は０μＡ制御を行うシーケンスであり、（い）は
紙間でも被転写材Ｐが通過している時と同じ電流（３μ
Ａ）を流すシーケンスである。転写バイアス印加開始は
第１の実施例１と同じとした。

【０１４４】（あ）の場合、２枚目以降には転写バイア
ス印加開始によるイエローの横筋Ｘが出力されたブラッ
ク単色画像プリントに出ているのに対し、（い）では２
枚目以降でも転写バイアス印加開始がないため、出力さ
れたブラック単色画像プリントにイエローの横筋Ｘは発
生しない。

【０１４５】〈その他〉１）接触帯電部材としての注入帯電器（磁気ブラシ帯電
器）２Ａは、スリーブ回転タイプに限らず、マグネット
ロールが回転するものや、マグネットロールの表面を必
要に応じて給電用電極として導電性処理して、該マグネ
ットロールの外周面に直接に導電性磁性粒子を磁気拘束
させて磁気ブラシ部を形成させ、マグネットロールを回
転させる構成のもの等にすることもできる。回転しない
タイプの磁気ブラシ帯電部材とすることもできる。

【０１４６】また接触帯電部材は、ファーブラシ帯電部
材や、導電性ゴムや導電性スポンジを用いた帯電ローラ
等であってもよいし、この場合も回転しない構成のもの
であってもよい。

【０１４７】２）像担持体としての感光体は表面抵抗が
１０⁹ 〜１０¹⁴Ω・ｃｍの低抵抗層を持つことが、電荷
注入帯電を実現でき、オゾンの発生防止の面から望まし
いが、上記以外の有機感光体等でもよい。即ち接触帯電
は、実施例の電荷注入帯電方式に限らず、放電現象が支
配的な接触帯電系であっても良い。

【０１４８】３）現像装置は２成分現像法についてのみ
述べたが、他の現像方法でもよい。好ましくは、現像剤
を感光体に対して接触させて潜像を現像する１成分接触
現像や２成分接触現像がより現像剤の同時回収効果を高
めるのに効果がある。

【０１４９】また、現像剤中のトナー粒子として重合ト
ナーを用いた場合には、上記の１成分接触現像や２成分
接触現像はもちろん１成分非接触現像や２成分非接触現
像など他の現像方法においても充分な回収効果が得られ
る。

【０１５０】現像装置は反転現像方式でも、正規現像方
式でもよい。

【０１５１】４）ＡＣ（交番電圧、交流電圧）の波形と
しては、正弦波、矩形波、三角波等適宜使用可能であ
る。また、直流電源を周期的にオン／オフすることによ
って形成された矩形はあっても良い。このように交番電
圧の波形としては周期的にその電圧値が変化するような
バイアスが使用できる。

【０１５２】５）画像形成装置の作像プロセスは実施例
に限らず任意である。また必要に応じて他の補助プロセ
ス機器を加えてもよい。

【０１５３】静電潜像形成のための画像露光手段として
は、実施形態例の様にデジタル的な潜像を形成するレー
ザー走査露光手段に限定されるものではなく、通常のア
ナログ的な画像露光やＬＥＤなどの他の発光素子でも構
わないし、蛍光燈等の発光素子と液晶シャッター等の組
み合わせによるものなど、画像情報に対応した静電潜像
を形成できるものであるなら構わない。

【０１５４】像担持体は静電記録誘電体等であっても良
い。この場合は、該誘電体面を所定の極性・電位に一様
に一次帯電した後、除電針ヘッド、電子銃等の除電手段
で選択的に除電して目的の静電潜像を書き込み形成す
る。

【０１５５】６）像担持体からトナー画像の転写を受け
る被転写材は中間転写ドラム・中間転写ベルト等の中間
転写体であってもよい。

【０１５６】７）転写手段は、実施形態例の転写ベルト
装置に限らず、コロナ帯電器（コロナ放電転写）、帯電
ローラ（ローラ転写）、導電性ブラシ、導電性ブレード
など任意である。

【０１５７】８）フルカラー画像形成装置でなく、多色
画像形成装置であってもよい。

【０１５８】９）各作像ユニットＵａ・Ｕｂ・Ｕｃ・Ｕ
ｄは画像形成装置本体に対して着脱交換自在なプロセス
カートリッジにすることもできる。

【０１５９】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、接
触帯電方式・クリーナーレスプロセスの複数個の作像ユ
ニットを用いたタンデム式の画像形成装置において、１
つの作像ユニットだけを作像動作させて該作像ユニット
にて形成の画像を被転写材担持体に担持されて搬送され
る被転写材に転写させる単色モードの画像形成の時に、
該作像ユニットよりも被転写材搬送方向上流側の作像ユ
ニットの転写位置で被転写材を被転写材担持体に転写バ
イアスで静電吸着保持させた時に作像ユニットの像担持
体表面電位の段差部に導電性部材から付着する現像剤に
よる不良画像の発生を防止して、不要な横筋のない良好
な画像を常に安定に出力させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】画像形成装置例の概略構成図

【図２】横筋が入った不良画像の説明図

【図３】感光体の層構成模型図

【図４】磁気ブラシ帯電装置の拡大横断面模型図

【図５】帯電回路の等価回路図

【図６】磁性粒子（帯電キャリア）の電気抵抗値（体
積抵抗値）の測定要領説明図

【図７】現像装置の拡大横断面模型図

【図８】作像シーケンスを示す図

【図９】第２の実施例における作像シーケンスを示す
図

【図１０】第４の実施例における作像シーケンスを示
す図

【図１１】第５の実施例における作像シーケンスを示
す図

【符号の説明】

Ｕａ・Ｕｂ・Ｕｃ・Ｕｄ第１〜第４の作像ユニット１像担持体（感光ドラム）２帯電装置３像露光４現像装置５導電性ブラシ６給紙カセット７転写ベルト装置８熱定着装置Ｘ画像中に入った横筋

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続きＦターム(参考） 2H027 EA01 EA04 EB04 EC20 ED01 ED08 ED15 ED24 EE07 EF09 FA28 2H030 AB02 AD02 AD03 AD05 AD07 BB02 BB23 BB44 BB54 BB71 2H032 AA05 BA01 BA02 BA18 CA01 CA13 2H077 AA37 AD02 AD06 BA10 DB12 DB14 DB15 EA03 EA24 GA13

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複数個の作像ユニットと、該複数個の作
像ユニットの各転写位置に渡って移動する被転写材担持
体を含む転写装置を具備し、前記被転写材担持体に担持
されて前記複数個の作像ユニットの各転写位置を順次に
搬送される被転写材に少なくとも１つの作像ユニットの
像担持体に形成された画像を転写バイアスにより転写さ
せる画像形成装置において、前記複数個の作像ユニットはそれぞれ、像担持体と、該
像担持体に当接する帯電部材を有し該帯電部材に帯電バ
イアスを印加することで像担持体の帯電を行う帯電装置
と、該像担持体の帯電処理面に静電潜像を形成する画像
情報書き込み装置と、該静電潜像を現像剤により顕像化
する現像装置と、前記転写位置よりも像担持体の回転方
向下流側で、前記帯電部材による像担持体の帯電位置よ
りも像担持体の回転方向上流側の間で像担持体に接触さ
せて配設され電圧が印加される導電性部材を具備し、転
写時に被転写材に移動せずに像担持体表面に残留した現
像剤は前記帯電装置の帯電部材に一時的に回収させ、そ
の回収現像剤を帯電部材から像担持体に吐き出させて現
像装置にて再回収する方式の作像機構であり、少なくとも１つの作像ユニットが作像動作を行なわない
とき、作像動作を行なわない作像ユニットの転写バイア
スの印加開始を、被転写材の先端が各作像ユニットの転
写位置に到達する時点よりも、少なくとも像担持体が１
回転するのに要する時間より前に行なうことを特徴とす
る画像形成装置．
【請求項２】複数個の作像ユニットと、該複数個の作
像ユニットの各転写位置に渡って移動する被転写材担持
体を含む転写装置を具備し、前記被転写材担持体に担持
されて前記複数個の作像ユニットの各転写位置を順次に
搬送される被転写材に少なくとも１つの作像ユニットの
像担持体に形成された画像を転写バイアスにより転写さ
せる画像形成装置において、前記複数個の作像ユニットはそれぞれ、像担持体と、該
像担持体に当接する帯電部材を有し該帯電部材に帯電バ
イアスを印加することで像担持体の帯電を行う帯電装置
と、該像担持体の帯電処理面に静電潜像を形成する画像
情報書き込み装置と、該静電潜像を現像剤により顕像化
する現像装置と、前記転写位置よりも像担持体の回転方
向下流側で、前記帯電部材による像担持体の帯電位置よ
りも像担持体の回転方向上流側の間で像担持体に接触さ
せて配設され電圧が印加される導電性部材を具備し、転
写時に被転写材に移動せずに像担持体表面に残留した現
像剤は前記帯電装置の帯電部材に一時的に回収させ、そ
の回収現像剤を帯電部材から像担持体に吐き出させて現
像装置にて再回収する方式の作像機構であり、少なくとも、被転写材の搬送方向の最上流の作像ユニッ
トにおいて作像動作を行なわない場合、該作像ユニット
の転写バイアスの印加開始をステップ状に行なうことを
特徴とする画像形成装置。
【請求項３】複数個の作像ユニットと、該複数個の作
像ユニットの各転写位置に渡って移動する被転写材担持
体を含む転写装置を具備し、前記被転写材担持体に担持
されて前記複数個の作像ユニットの各転写位置を順次に
搬送される被転写材に少なくとも１つの作像ユニットの
像担持体に形成された画像を転写バイアスにより転写さ
せる画像形成装置において、前記複数個の作像ユニットはそれぞれ、像担持体と、該
像担持体に当接する帯電部材を有し該帯電部材に帯電バ
イアスを印加することで像担持体の帯電を行う帯電装置
と、該像担持体の帯電処理面に静電潜像を形成する画像
情報書き込み装置と、該静電潜像を現像剤により顕像化
する現像装置と、前記転写位置よりも像担持体の回転方
向下流側で、前記帯電部材による像担持体の帯電位置よ
りも像担持体の回転方向上流側の間で像担持体に接触さ
せて配設され電圧が印加される導電性部材を具備し、転
写時に被転写材に移動せずに像担持体表面に残留した現
像剤は前記帯電装置の帯電部材に一時的に回収させ、そ
の回収現像剤を帯電部材から像担持体に吐き出させて現
像装置にて再回収する方式の作像機構であり、少なくとも、被転写材の搬送方向の最上流の作像ユニッ
トにおいて作像動作を行なわない場合、該作像ユニット
の転写バイアスの極性を前記導電性部材の印加電圧と逆
極とすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項４】複数個の作像ユニットと、該複数個の作
像ユニットの各転写位置に渡って移動する被転写材担持
体を含む転写装置を具備し、前記被転写材担持体に担持
されて前記複数個の作像ユニットの各転写位置を順次に
搬送される被転写材に少なくとも１つの作像ユニットの
像担持体に形成された画像を転写バイアスにより転写さ
せる画像形成装置において、前記複数個の作像ユニットはそれぞれ、像担持体と、該
像担持体に当接する帯電部材を有し該帯電部材に帯電バ
イアスを印加することで像担持体の帯電を行う帯電装置
と、該像担持体の帯電処理面に静電潜像を形成する画像
情報書き込み装置と、該静電潜像を現像剤により顕像化
する現像装置と、前記転写位置よりも像担持体の回転方
向下流側で、前記帯電部材による像担持体の帯電位置よ
りも像担持体の回転方向上流側の間で像担持体に接触さ
せて配設され電圧が印加される導電性部材を具備し、転
写時に被転写材に移動せずに像担持体表面に残留した現
像剤は前記帯電装置の帯電部材に一時的に回収させ、そ
の回収現像剤を帯電部材から像担持体に吐き出させて現
像装置にて再回収する方式の作像機構であり、少なくとも、被転写材の搬送方向の最上流の作像ユニッ
トにおいて作像動作を行なわない場合、該作像ユニット
の転写バイアスの印加を開始した像担持体表面の位置が
帯電装置を通過する間、帯電装置での帯電動作を行なう
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項５】前記像担持体の周長が最大画像長よりも
短いことを特徴とする請求項１ないし４の何れかに記載
の画像形成装置。
【請求項６】前記導電性部材が毛ブラシであることを
特徴とする請求項１ないし５の何れかに記載の画像形成
装置。
【請求項７】前記導電性部材に印加する電圧の極性が
像担持体の帯電極性と逆極性であることを特徴とする請
求項１ないし６の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項８】連続作像において、作像動作を行なわな
い作像ユニットの転写バイアスを被転写材の間でも印加
することを特徴とする請求項１ないし７の何れかに記載
の画像形成装置。
【請求項９】作像動作を行なわない作像ユニットに印
加する転写バイアスは作像時に比べて電流が小さい、ま
たは電圧が低いことを特徴とする請求項１ないし８の何
れかに記載の画像形成装置。
【請求項１０】前記像担持体が電子写真感光体である
ことを特徴とする請求項１ないし９の何れかに記載の画
像形成装置。
【請求項１１】前記像担持体が電荷注入帯電性である
ことを特徴とする請求項１ないし１０のいずれかに記載
の画像形成装置。
【請求項１２】前記像担持体が絶縁性のバインダー中
に導電性微粒子を分散させた電荷注入層を有する電子写
真感光体であることを特徴とする請求項１ないし１１の
いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項１３】前記帯電部材が磁性粒子と磁性粒子担
持体からなることを特徴とするを有する請求項１ないし
１２のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項１４】像担持体の帯電処理面に静電潜像を形
成する画像情報書き込み装置が露光装置であることを特
徴とする請求項１ないし１３のいずれかに記載の画像形
成装置。