JP2004045570A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】クリーナレス方式の画像形成装置において、複数種の転写材を使用することによる帯電装置の汚染を防止して良好な画像を長期にわたって形成する。
【解決手段】転写材としての厚紙の印字枚数(通紙枚数)が多いほど反転トナーが増加して、帯電装置2を汚染する。そこで画像形成装置本体50に設けられた記憶手段58に、カウンタ53によって記憶される使用転写材のカテゴリーごとの印字枚数情報が、換算手段54を介してCPU55により所定の値(ここでは厚紙500枚)と比較され、所定の値を超えるとそれに応じてバイアス制御手段57により各種バイアス値や印加時間を変化させ、帯電電位の安定と、磁気ブラシ帯電器内の混入トナーの吐き出し回収を行う。
【選択図】 図8
【解決手段】転写材としての厚紙の印字枚数(通紙枚数)が多いほど反転トナーが増加して、帯電装置2を汚染する。そこで画像形成装置本体50に設けられた記憶手段58に、カウンタ53によって記憶される使用転写材のカテゴリーごとの印字枚数情報が、換算手段54を介してCPU55により所定の値(ここでは厚紙500枚)と比較され、所定の値を超えるとそれに応じてバイアス制御手段57により各種バイアス値や印加時間を変化させ、帯電電位の安定と、磁気ブラシ帯電器内の混入トナーの吐き出し回収を行う。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリーナレス方式のプリンタ,複写機,ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
(a)接触帯電
電子写真方式の画像形成装置において、像担持体(被帯電体)としての感光体を所定の極性・電位に帯電処理する帯電手段としては、従来から一般にコロナ帯電器が使用されてきた。これは感光体表面に対して、コロナ帯電器を非接触に対向配置して、コロナ帯電器から放出されるコロナに感光体表面をさらして感光体表面を所定の極性・電位に帯電させるものである。
【0003】
近年は、上述の非接触方式のコロナ帯電器による場合に比べて低オゾン・低電力等の利点を有することから、接触方式の帯電器が実用化されている。この接触方式の帯電装置は、帯電電圧(帯電バイアス)を印加した帯電部材(接触帯電部材)を感光体表面に当接させることにより、感光体表面を所定の極性・電位に一様に帯電させるものである。特に、帯電部材として導電ローラ(帯電ローラ)を用いたローラ帯電方式の装置が帯電の安定性という点から好ましく用いられている。
【0004】
また、接触帯電部材として、磁気ブラシ帯電部材を使用した磁気ブラシ帯電器も安定性という点から好ましく用いられている。この磁気ブラシ帯電器は、磁性粒子を直接にマグネットに、又はマグネットを内包するスリーブ上に磁気的に拘束させて磁気ブラシ部を形成し、この磁気ブラシ部を停止又は回転させて感光体表面に接触させ、さらにこれに帯電バイアスを印加することによって感光体表面の帯電を行うものである。
【0005】
さらに、導電性の繊維をブラシ状に形成したファーブラシ帯電部材(帯電ファーブラシ)、導電性ゴムをブレード状に形成した導電ゴムブレード(帯電ブレード)等も接触帯電部材として好ましく用いられている。
【0006】
接触帯電の帯電機構(帯電メカニズム)にはコロナ帯電系と電荷注入帯電系(直接帯電系)の2種類の帯電機構が混在しており、どちらが支配的であるかにより各々の特性が現われる。
【0007】
コロナ帯電系は、接触帯電部材と感光体との微小間隙に生じるコロナ放電現象による放電生成物で感光体表面が帯電する系である。コロナ帯電は、接触帯電部材と感光体との間に一定の放電しきい値を有するため、帯電電位より大きな電圧を接触帯電部材に印加する必要がある。また、コロナ帯電器に比べれば発生量は格段に少なくないものの、放電生成物を生じる。
【0008】
これに対して、電荷注入帯電系は、接触帯電部材から感光体に直接に電荷が注入されることで感光体表面が帯電する系である。より詳しくは、中抵抗の接触帯電部材が感光体表面に接触して、放電現象を介さずに、つまり放電を基本的に用いないで感光体表面に直接電荷注入を行うものである。よって、接触帯電部材への印加電圧が放電しきい値以下の印加電圧であっても、感光体を印加電圧相当の電位に帯電することができる。この電荷注入帯電系はイオンの発生を伴わない。
【0009】
しかし電荷注入帯電であるため、接触帯電部材の感光体への接触性が帯電性に大きく影響する。
【0010】
そこで接触帯電部材はより密に構成し、また感光体との速度差を多く持ち、より高い頻度で感光体に接触する構成をとる必要があり、この点において接触帯電部材として特に磁気ブラシ帯電器は安定した帯電を行なうことができる。
【0011】
磁気ブラシ帯電器による電荷注入帯電は、抵抗とコンデンサの直列回路と等価であると見ることができる。理想的な帯電プロセスでは感光体表面のある点が磁気ブラシと接触している時間(帯電ニップ/感光体の周速)にコンデンサが充電され、感光体表面電位が印加電圧とほぼ同値になる。
【0012】
導電性の接触部材に電圧を印加し感光体の表面にあるトラップ準位に電荷を注入して感光体の接触帯電を行なう方法がある。また、感光体として通常の有機感光体上に導電性微粒子を分散させた表層(電荷注入層)を有するものや、アモルファスシリコン感光体などを用いると、接触帯電部材に印加したバイアスのうちの直流成分とほぼ同等の帯電電位を感光体表面に得ることが可能である(例えば、特開平6−3921号公報)。
【0013】
注入帯電方式は、環境依存性が少ないだけでなく、放電を用いないため、接触帯電部材に対する印加電圧は感光体電位と同程度で十分であり、また、オゾンを発生しない利点があり、完全なオゾンレスかつ低電力消費型帯電が可能となる。
【0014】
(b)クリーナレスプロセス(トナーリサイクルプロセス)
また近年、画像形成装置は小型化が進んできたが、帯電・露光・現像・転写・定着・クリーニング等の画像形成プロセスの各手段・機器をそれぞれ小型化するだけでは、画像形成装置の全体的な小型化には限界があった。また、転写後の感光体上の転写残トナー(残留現像剤)はクリーニング装置(クリーナ)によって回収されて廃トナーとなるが、この廃トナーは環境保護の面からも出ないことが好ましい。
【0015】
そこで、クリーナを取り外し、感光体上の転写残トナーは現像装置によって「現像同時クリーニング」で感光体上から除去して回収し、回収したトナーを再利用するようにした装置構成、すなわち「クリーナレスプロセス(クリーナレス方式)」の画像形成装置も出現している。
【0016】
現像同時クリーニングとは、転写後に感光体上に若干残留したトナーを、次工程以後の現像時にかぶり取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位との間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって回収する方法である。この方法によれば、転写残トナーは現像装置に回収されて次工程以後用いられるため、廃トナーをなくし、メンテナンスも簡略化される。また、クリーナレスであることでスペース面での利点も大きく、画像形成装置を大幅に小型化できるようになる。また、感光体を帯電する帯電装置が接触帯電方式である場合には、感光体に接触している帯電部材に転写残トナーを一旦回収させ、それを再び感光体上に吐き出させて現像装置で回収するようにしている。
【0017】
クリーナレス方式においては、接触帯電部材に転写残トナーが多く混入したり付着したりするため、画像形成枚数(耐久枚数)が増加するに連れて、接触帯電部材の抵抗値が変動する。そこで、画像形成枚数や画像比率に応じた帯電部材清掃バイアスを、例えば非画像形成時に印加して帯電部材の劣化を遅らせるというような方法が知られている。つまり接触帯電においては、磁気ブラシに混入したり、ローラに付着したりしたトナーを感光体上に吐き出しやすいバイアス条件やハード構成の条件が存在し、帯電器寿命を延ばすことが可能である。また、このようなバイアス条件の変更は、耐久劣化を何らかの検知手段や、あらかじめ設定した枚数やトナー消費量等の使用量の閾値に従って行うことで、より無駄の無い効率的な清掃モードとして機能する。
【0018】
特に磁気ブラシ注入帯電装置の場合、正負両極性のトナーが存在すると考えられる転写残トナーを、一旦磁気ブラシ部で回収して前画像の履歴を消すとともに、磁性粒子と回収したトナーとの接触摩擦によってトナーを正規の極性に帯電させることにより、再び感光体上に戻す制御が可能となる。
【0019】
また、磁気ブラシ部から感光体へ吐き出されたトナーは極めて均一な散布状態にあり、また、その量も少量であるため、次の像露光過程に実質的に悪影響を及ぼすことはない。また、転写残トナーのパターンに起因するゴースト像の発生もなく、正規極性のトナーは非画像領域においては現像バイアスと帯電電位との差により確実に回収することができる。
【0020】
導電性ローラを用いた帯電の場合は、ローラに付着した反対極性トナーを正規極性に戻すために、ローラに摩擦系列が考慮されたシートを当接するなどの方法がある。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような接触帯電方式を用いたクリーナレス方式の画像形成装置においては、転写残トナーに起因する不具合が生じていた。以下に詳述する。
【0022】
前述のように、転写残トナーは帯電装置において正規の極性、すなわち帯電極性と同極性に揃えられて現像装置で回収されるが、わずかながら、ほとんど極性を持たなかったり、逆極性のままの状態であったりするトナー(以下「反転トナー」という。)が存在することがある。通常、この逆極性のトナーは極微量であり、仮に現像装置で回収されずに感光体上を連れ回ることがあっても正規の転写条件においては転写されることなく、また、多くの反転トナーは帯電部材との接触により再び正規の極性を持つことができるため、特に問題にはならない。
【0023】
ところが、使用する転写材(トナー像が形成される紙や透明フィルム)の厚み、表面性等によっては、反転トナーは、画像上の白地部にかぶりとして発生してしまうことがある。その理由については明確ではないが、転写材の厚みが厚い場合は、転写部における転写部材(転写ローラや転写ブレード)の接触圧が強まることにより、逆極性ながらも圧力で転写されてしまうものと考えられる。また、コート紙のように平滑性の高い転写材にあっては、転写材と感光体との密着性が高まるために、同時にトナーが転写材に押し付けられることを回避する隙間が存在せず、やはり密着度が高まり圧力で転写されるものと考えられる。
【0024】
反転トナーや極性をほとんど持たないトナーは、もともとある比率で存在しうるが、特に高湿下においては、トナーが正規の帯電極性を持ちにくい環境であったり、帯電器内のトナー量が一時的に増加して接触帯電がされにくい状態であったり、また、長期間転写されずにドラム周りを周回しているうちに外添剤が埋め込まれるなど、劣化したトナーが増加していった場合に顕著に発生する。
【0025】
また、クリーナレス方式で使用される補助帯電ブラシ、つまり転写装置と帯電器との間に配設される補助帯電ブラシは、前画像履歴防止等の効果が期待され、正規帯電とは逆極性のバイアスが印加される。その電流がトナーに電荷を付与し、反転トナー発生の一要因にもなっている。
【0026】
これらの反転トナーの発生要因自体は、通紙する転写材によらないが、この反転トナーは、転写装置の上流部の空間で発生する異常放電によって発生するため、転写材に対応した転写バイアス条件に左右されることも知られている。例として、タンデム方式の4色フルカラーの画像形成装置について説明する。
【0027】
この画像形成装置は、画像形成装置本体内に4個の画像形成部が並設され、これらの画像形成部においてそれぞれ色の異なったトナー像が帯電・露光・現像・転写の画像形成プロセスを経て形成される。
【0028】
画像形成部は、それぞれ専用の感光ドラム(像担持体)と、感光ドラム上にトナー像を形成する画像形成プロセス機器とを有している。各感光ドラム上に各色のトナー像が形成される。各感光ドラムに隣接して、転写材担持体(転写ベルト)が設置され、感光ドラム上に形成された各色のトナー像が、後述の転写部材により、転写ベルト上に担持して搬送される転写材上に重畳転写される。各色のトナー像が転写された転写材は、その後、転写ベルトから分離され、定着装置へ搬送される。搬送された転写材は、定着装置による加熱及び加圧によって、トナー像が溶融混色されて定着させる。その後、画像形成装置本体外部に排出される。
【0029】
画像形成部において、転写装置は、転写部材として、それぞれ転写ベルトの裏側に接触して転写を行う接触式の転写帯材を備える。
【0030】
各画像形成部において、感光ドラム上のトナー像を、転写ベルト上に担持された転写材上に順次多重転写する際に、転写する直前、すなわち転写ベルトと感光ドラムとの当接点の上流側近傍に空間が存在し、このわずかな空間においても転写電界が作用し、その空間の異常放電等が生じる領域において、感光ドラム上のトナーのうち他のトナーよりも鏡映力が小さい一部のトナーが早くから飛翔したり、また、他のトナーよりも鏡映力が大きいトナーの極性が反転してしまい、転写材に転写されないばかりか、反転トナーに近接する他のトナーの転写のための飛翔を妨げる等の、トナー飛散、転写抜けなどの画像不良が発生しやすくなる。つまり、転写前放電に伴う画像不良が生じていた。特に厚紙やコート紙を用いる場合は、転写効率最適化のために通常の転写材(例えば、コピー用紙)の使用時よりも高い転写バイアス設定がなされ、異常放電の影響が顕著となるため、反転トナーがより発生しやすくなる。
【0031】
また、転写材担持体が転写ベルトという構成上、搬送速度、転写材の厚み、サイズ等により、転写領域内への搬入経路(紙パス)がばたつくなど不安定となっており、したがって、転写前の感光ドラム、転写ベルト間の空隙幅(空隙の間隔)も不安定な状態となっている。すると、放電領域外であっても、その空隙幅が減少したときには、放電が生じており、反転トナー発生の原因となっていた。このような反転トナーが帯電器内に混入したり付着したりすると、一定量を超えた場合に徐々に感光ドラム上に漏れ出し、現像装置では回収されないまま厚紙等に圧力転写されてしまう。
【0032】
以上述べたように、反転トナーは特に厚紙等の特殊紙を通紙した場合により多く発生する傾向にある。クリーナレス方式において、帯電器の汚れによる帯電不良をより長期に渡り引き起こさないようにするためには、正規の極性を持つトナーの制御は当然必要であったが、同時に反転トナーの処理が必要となる。これらのトナーは、前述のように、磁気ブラシ部に混入したりローラに付着したりしたトナーを感光体上に吐き出しやすいバイアス条件やハード構成の条件が存在し、帯電器寿命を延ばすことが可能である。
【0033】
ところがこの場合、正規極性トナーと反転トナーの挙動は電界作用に対しては正反対の挙動を示すため、通常の画像形成時に対してバイアス条件を変更するとしても、異なるタイミングにおいて異なるバイアスを印加しなければならない。
【0034】
しかしながら、厚紙等の特殊紙をどれだけ用いたかによって蓄積した正規極性トナーや反転トナーの量がそれぞれ異なり、あらかじめ予測することは困難であるため、適当な時に適当な時間だけ、それぞれのトナーを感光体上に吐き出す最適な設定にすることができない。このことは、常に余裕をもって清掃モードを設定せざるを得ず、必要以上に帯電器や感光体を動作させ、その結果、感光体や帯電器を劣化させる原因となっていた。
【0035】
そこで、本発明は、クリーナレス方式の画像形成装置において、画像形成に供された転写材の種類や厚さにかかわらず、正規極性トナーと反転トナーを過不足無く処理し、良質な画像をより長期にわたって形成することができるようにした画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0036】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、感光体と、前記感光体表面を帯電する帯電手段と、前記感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する現像手段と、前記トナー像を転写材又は中間転写体に転写する転写手段と、を備え、トナー像転写後に前記感光体表面に残ったトナーを除去するクリーニング手段を前記現像手段が兼ねる画像形成装置において、前記帯電手段と前記現像手段と前記転写手段とにそれぞれ印加するバイアスのうちの少なくとも1つのバイアスについて、バイアス印加条件を、印字に供される複数種の転写材のそれぞれの使用量情報に応じて変更する、ことを特徴とする。
【0037】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、汚染した前記帯電手段又は前記現像手段を前記使用量情報に応じて浄化するための動作モードであって、印字に必要な動作以外の、前記現像手段と帯電手段と転写手段のバイアス印加条件のうちの少なくとも1つを変更する動作モードを有する、ことを特徴とする。
【0038】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記使用量情報が、前記転写材の印字枚数又は印字量である、ことを特徴とする。
【0039】
請求項4に係る発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記使用量情報が、前記転写材の印字枚数と印字量の積で表現される耐久劣化状態を表す指標値である、ことを特徴とする。
【0040】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記指標値はあらかじめ設定した過去の一定枚数における値である、ことを特徴とする。
【0041】
請求項6に係る発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記使用量情報が、使用に供された複数種の転写材のそれぞれの印字量又は連続印字枚数、及び連続印字枚数の印字履歴に関する印字量情報である、ことを特徴とする。
【0042】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記印字量情報が、前記露光手段によって前記感光体を露光している時間又は露光していない時間のいずれか一方の時間をカウントしたカウント値情報である、ことを特徴とする。
【0043】
請求項8に係る発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記印字量情報が、前記露光手段に入力される画像信号によって印字されるドット数をカウントしたカウント値情報である、ことを特徴とする。
【0044】
請求項9に係る発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記印字量情報が、トナー消費量情報である、ことを特徴とする。
【0045】
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の画像形成装置において、前記現像手段が、現像剤残量検知手段を有し、前記現像剤残量検知手段によって前記トナー消費量情報を取得する、ことを特徴とする。
【0046】
請求項11に係る発明は、請求項2ないし10のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記バイアス印加条件が、前記転写手段に印加するバイアスのバイアス印加条件であって、前記転写手段に対して正規の極性とは逆のバイアスを印加することである、ことを特徴とする。
【0047】
請求項12に係る発明は、請求項11に記載の画像形成装置において、前記転写手段に対して正規の極性とは逆のバイアスを印加する際に、正規の極性とは逆の極性の電荷を帯びた現像剤を、前記転写材を担持搬送する転写材担持体又は前記中間転写体に転写させる、ことを特徴とする。
【0048】
請求項13に係る発明は、請求項11又は12に記載の画像形成装置において、動作モードとして、印字後において、前記転写手段に正規の極性とは逆のバイアスを印加する時間を設ける、ことを特徴とする。
【0049】
請求項14に係る発明は、請求項2ないし13のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記バイアス印加条件が、前記現像手段に印加するバイアスのバイアス印加条件である、ことを特徴とする。
【0050】
請求項15に係る発明は、請求項14に記載の画像形成装置において、前記動作モードとして、印字後において、前記現像手段に印加するバイアス印加条件を変更して前記現像手段に印加する時間を設ける、ことを特徴とする。
【0051】
請求項16に係る発明は、請求項2ないし15のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記バイアス印加条件が、前記帯電手段に印加するバイアスのバイアス印加条件である、ことを特徴とする。
【0052】
請求項17に係る発明は、請求項16に記載の画像形成装置において、前記動作モードとして、印字後において、前記帯電手段に印加するバイアス印加条件を変更して前記帯電手段に印加する時間を設ける、ことを特徴とする。
【0053】
請求項18に係る発明は、請求項1ないし17のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記帯電手段が、前記感光体表面に接触するように配置された導電性の接触帯電部材を有する、ことを特徴とする。
【0054】
請求項19に係る発明は、請求項18に記載の画像形成装置において、前記感光体は表面に電荷注入層を有し、前記感光体表面に前記接触帯電部材を接触させて帯電バイアスを印加することにより、前記感光体表面を帯電させる、ことを特徴とする。
【0055】
請求項20に係る発明は、請求項18又は19に記載の画像形成装置において、前記接触帯電部材が、磁性粒子と、前記磁性粒子を表面に担持して前記感光体に接触させる磁性粒子担持体とを有する、ことを特徴とする。
【0056】
請求項21に係る発明は、請求項18又は19に記載の画像形成装置において、前記接触帯電部材が、導電性繊維ブラシによって形成されている、ことを特徴とする。
【0057】
請求項22に係る発明は、請求項18又は19に記載の画像形成装置において、前記接触帯電部材が、導電性ゴムローラによって形成されている、ことを特徴とする。
【0058】
請求項23に係る発明は、請求項12ないし22のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記正規の極性とは逆の極性の電荷を帯びた現像剤は、前記接触帯電部材に付着又は混入した現像剤である、ことを特徴とする。
【0059】
請求項24に係る発明は、請求項12ないし23のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記正規の極性とは逆の極性の電荷を帯びた現像剤を、前記現像手段で回収する回収手段を有し、前記回収手段は、前記感光体表面の帯電電位と現像バイアスとの電位差を変化させる、ことを特徴とする。
【0060】
請求項25に係る発明は、請求項24に記載の画像形成装置において、前記回収手段は、前記電位差を大きくする、ことを特徴とする。
【0061】
請求項26に係る発明は、請求項18ないし25のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記接触帯電部材で回収した現像剤を前記接触帯電部材から前記感光体上に戻すために、前記接触帯電部材に対して画像形成時とは異なる現像剤戻しバイアスを印加する、ことを特徴とする。
【0062】
請求項27に係る発明は、請求項18ないし26のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記接触帯電部材に印加される帯電バイアスが、直流バイアス、又は直流バイアスに交流バイアスを重畳した重畳バイアスである、ことを特徴とする。
【0063】
請求項28に係る発明は、請求項27に記載の画像形成装置において、前記現像剤戻しバイアスは、現像バイアスに対して、交流バイアスの振幅を変化させる、ことを特徴とする。
【0064】
請求項29に係る発明は、請求項27に記載の画像形成装置において、前記現像剤戻しバイアスは、現像バイアスに対して、交流バイアスの波形を変化させる、ことを特徴とする。
【0065】
請求項30に係る発明は、請求項1ないし29のいずれか1項に記載の画像形成装置において、印字に供される転写材に応じてプロセススピードを変更する、ことを特徴とする。
【0066】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。
【0067】
<実施の形態1>
(1)画像形成装置全体の概要
本発明に係る画像形成装置は、帯電手段(後述の帯電装置2や補助帯電装置12)又は現像手段(後述の現像装置4)を使用量情報に応じて浄化するための動作モードであって、印字(画像形成)に必要な動作以外の、現像手段と帯電部材と転写手段のバイアス印加条件のうちの少なくとも1つを変更する動作モードを有することを特徴としている。
【0068】
図1に、本発明に係る画像形成装置の一例として、本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す。本実施の形態の画像形成装置は、電子写真方式、転写方式、電荷注入帯電方式、クリーナレス方式のレーザビームプリンタ(以下「画像形成装置」という。)である。
【0069】
同図に示す画像形成装置は、画像形成装置本体(不図示)の内側に、像担持体としてドラム型の感光体(以下「感光ドラム」という。)1を備えている。本実施の形態の感光ドラム1は負帯電性・電荷注入帯電性のOPC感光体(有機光導電性感光体)であり、軸(不図示)を中心に矢印a方向に150mm/secのプロセススピード(周速度)で回転駆動される。
【0070】
感光ドラム1の周囲には、その回転方向に沿ってほぼ順に、帯電装置(帯電手段)2、露光装置(露光手段)3、現像装置(現像手段)4、転写装置(転写手段)5、補助帯電装置(帯電手段)12が配設されている。
【0071】
また、転写材Pの搬送方向の上流側から順に、給紙カセット6、給紙ローラ7、搬送ローラ8、シートパス9,10、定着装置(定着手段)11が配設されている。
【0072】
帯電装置2は、感光ドラム1表面(外周面)を所定の極性・電位に一様に帯電処理する接触帯電装置である。本実施の形態では、磁気ブラシ帯電装置を使用している。回転中の感光ドラム1表面は、この磁気ブラシ帯電装置により、電荷注入帯電方式でほぼ−700Vに一様に帯電処理される。
【0073】
露光装置3は、画像情報露光手段としてのレーザビームスキャナである。この露光装置3は、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等(いずれも不図示)を有している。露光装置3は、CCD等の光電変換素子を有する原稿読み取り装置、コンピュータ、ワードプロセッサ等(いずれも不図示)のホスト装置から入力される信号(目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号)に対応して変調されたレーザ光Lを射出して、このレーザ光Lにより、帯電後の感光ドラム1表面を走査露光する。このレーザ光Lの走査露光により、感光ドラム1表面は、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0074】
現像装置4は、本実施の形態では、重合法で作製した、転写残トナーの少ない高離型性の球形トナーと、磁性キャリヤとを混合した現像剤による二成分接触現像方式の現像装置を用いている。そして、感光ドラム1表面の静電潜像をトナー像として反転現像している。
【0075】
転写装置5は、感光ドラム1の下方に配置されている。転写装置5は、本実施の形態では、転写ベルトタイプのものであり、無端状の転写ベルト5aと、駆動ローラ5bと、従動ローラ5cと、転写ブレード5dとを有している。転写ベルト5aは、例えば、膜厚75μmのポリイミドのベルトによって形成されていて、駆動ローラ5bと従動ローラ5cとの間に張設されている。感光ドラム1の矢印a方向の回転に対して、矢印d方向に回転する。転写ベルト5aの周速度は、感光ドラム1のそれとほぼ同じに設定されている。転写ブレード5dは、転写ベルト5aの内側に配設された導電性ブレードであり、転写ベルト5aの上行側ベルト部分を感光ドラム1の下部に当接させて転写部位としての転写ニップ部Tを形成している。
【0076】
給紙カセット6は、紙等の転写材Pを積載収納している。給紙ローラ7の駆動により給紙カセット6内の転写材Pが1枚ずつ分離給紙され、搬送ローラ8等を含むシートパス9を通って所定の制御タイミングにて転写ニップ部Tに給送される。
【0077】
転写ニップ部Tに給送された転写材Pは、感光ドラム1と転写ベルト5aの間を挟持搬送され、その間、転写ブレード5dに転写バイアス印加電源E5から所定の転写バイアスが印加されて、転写材Pの裏面からトナーと逆極性の帯電がなされる。これにより、転写ニップ部Tを通る転写材Pの表面側に、感光ドラム1上のトナー像が順次に静電転写されていく。なお転写ベルト5aに付着した不要なトナーや紙粉は、転写ベルトクリーニング装置5eによって除去されるようになっている。
【0078】
トナー像転写後の転写材Pは、感光ドラム1表面から順次に分離されてシートパス10を通って定着装置(例えば熱ローラ定着装置)11に搬送される。転写材Pは、ここで、加熱・加圧されて表面にトナー像が定着される。これにより、画像形成が完了する。
【0079】
図1に示す画像形成装置は、前述のように、クリーナレス方式を採用しており、転写ニップ部Tで転写材Pに転写されずに感光ドラム1表面に残ったトナー(転写残トナー)を除去する専用のクリーナは有していない。転写残トナーは、後述するように、引き続く感光ドラム1の回転で帯電装置2の位置に至り、感光ドラム1に接触している接触帯電部材としての磁気ブラシ部に一時的に回収され、その回収トナーが再び感光ドラム1表面に吐き出されて最終的に現像装置4によって回収される。転写残トナーが除去された感光ドラム1は繰り返して画像形成に供される。
【0080】
補助帯電装置12は、感光ドラム1の回転方向に沿っての転写装置5の下流側でかつ帯電装置2の上流側において、感光ドラム1表面に当接されている。補助帯電装置12は、本実施の形態では、導電性ブラシによって形成されている。補助帯電装置12には、ACバイアス、帯電と逆極性のDCバイアス、又はACバイアスを重畳した帯電と逆極性のDCバイアスを印加される。補助帯電装置12は、帯電装置2による帯電直前の感光ドラム表面電位をならすとともに、転写残トナーを除電又は感光ドラム1の帯電と逆極性に帯電して、帯電装置2の磁気ブラシ部での回収を容易にする。
【0081】
(2)現像装置
図2は、本実施の形態で使用した現像装置4の拡大縦断面である。静電潜像の現像方法としては、トナー粒子に対して磁性のキャリヤを混合した二成分現像剤を用いた。この現像剤を磁気力によって搬送し感光ドラム1に対して接触状態で現像する方法(二成分接触現像)を使用している。
【0082】
本実施の形態における現像装置4は、重合法で作製した高離型性球形非磁性トナーと磁性キャリヤ(現像用磁性粒子、現像キャリヤ)を混合したものを現像剤として用い、この現像剤を現像剤担持体に磁気力によって磁気ブラシ層とし保持させて現像部に搬送し感光ドラム1表面に接触させて静電潜像をトナー像として現像する二成分磁気ブラシ接触現像方式の反転現像装置である。
【0083】
図2に示す現像装置4は、現像容器4a、現像剤担持体としての現像スリーブ4b、この現像スリーブ4b内に固定配置された磁界発生手段としての磁石(マグネットローラ)4c、現像スリーブ4b表面に現像剤の薄層を形成するための現像剤層厚規制ブレード4d、現像剤攪拌搬送スクリュー4e、現像剤容器4a内に収容した二成分の現像剤4fを有している。上述のように、二成分の現像剤4fは、非磁性トナーtと現像キャリヤcとを混合したものである。なお、この現像剤4fには、適宜外添剤が加えられている。
【0084】
現像スリーブ4bは少なくとも現像時においては、感光ドラム1に対し最近接距離(隙間)が約500μmになるように配置されている。この現像スリーブ4bの外面に担持させた現像剤磁気ブラシ薄層4hが感光ドラム1表面に接触するように設定されている。この現像剤磁気ブラシ薄層4hと感光ドラム1との接触ニップ部mが現像領域(現像部)である。
【0085】
現像スリーブ4bは内部のマグネットローラ4cの外回りを矢印方向(反時計回り)に所定の回転速度で駆動される。これにより、現像容器4a内において現像スリーブ4bの外周面に、マグネットローラ4cの磁力により現像剤4fの磁気ブラシ(現像剤磁気ブラシ)が形成される。その現像剤磁気ブラシは、現像スリーブ4bの回転とともに搬送され、現像剤層厚規制ブレード4dにより層厚規制を受けて所定層厚の現像剤磁気ブラシ薄層4hとして現像容器4a外に持ち出されて現像部mへ搬送され、感光ドラム1表面に接触して、引き続く現像スリーブ4bの回転で再び現像容器4a内に戻し搬送される。
【0086】
現像スリーブ4bには現像バイアス印加電源E4により、DC成分とAC成分とが重畳された所定の現像バイアスが印加される。本実施の形態での現像特性は、感光ドラム1の帯電電位と現像バイアスのDC成分値の差が200V以下の場合には、かぶりが生じ、350V以上であると現像キャリヤcの感光ドラム1への付着が生じた。
【0087】
現像容器4a内の現像剤4f(t+c)のトナー濃度(現像キャリヤcとの混合割合)は、トナーが静電潜像の現像に消費されて逐次消費されていくので、逐次低下していく。現像容器4a内の現像剤4fのトナー濃度は、検知手段(不図示)により検知されて所定の許容下限濃度まで低下すると、トナー補給部4gから現像容器4a内の現像剤4fにトナーtの補給がなされて現像容器4a内の現像剤4fのトナー濃度を常に所定の許容範囲内に保つようにトナー補給制御される。
【0088】
(3)感光ドラム
本実施の形態の感光ドラム1は前述したように負帯電性・電荷注入性のドラム型のOPC感光体である。図3に、感光ドラム1の層構成を模式的に示す。なお、同図において下方が内側であり、上方が外側である。
【0089】
感光ドラム1は、直径30mmのアルミニウム製のドラム基体1a上に以下の第1層〜第5層の機能層を下から順に設けたものである。
【0090】
第1層:下引き層1bであり、アルミニウムのドラム基体1aの欠陥などをならすため、またレーザ露光の反射によるモアレの発生を防止するために設けられている厚さ約20μmの導電層である。
【0091】
第2層:正電荷注入防止層1cであり、アルミニウムのドラム基体1aから注入された正電荷が感光体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果たし、アミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって106Ω・cm程度に、抵抗調整された厚さ約1μmの中抵抗層である。
【0092】
第3層:電荷発生層1dであり、ジスアゾ系の顔料を樹脂に分散させた厚さ約0.3μmの層であり、レーザ露光を受けることによって正負の電荷対を発生する。
【0093】
第4層:電荷輸送層1eであり、ポリカーボネイト樹脂にヒドラゾンを分散させたものであり、P型半導体である。したがって、感光体表面に帯電された負電荷はこの層を移動することはできず、電荷発生層1dで発生した正電荷のみを感光体表面に輸送することができる。
【0094】
第5層:電荷注入層1fであり、バインダーとしての光硬化性のアクリル樹脂に光透過性の導電フィラーをドーピングして低抵抗化(導電化)した粒径0.03μmの酸化スズSnO2の超微粒子を樹脂に対して70重量パーセント分散させた材料の約3μmの塗工層である。この電荷注入層1fの電気抵抗値は、充分な帯電性を有し、かつ画像流れを起こさない条件である1×1010〜1×1014Ω・cmである必要がある。本実施の形態では、表面抵抗が1×1011Ω・cmの感光ドラム1を用いた。
【0095】
(4)磁気ブラシ帯電装置
図4は、磁気ブラシ帯電装置2の拡大縦断面を模式的に示す図である。本実施の形態の磁気ブラシ帯電装置2は、大きく分けて、接触帯電部材としての磁気ブラシ帯電器2A、この磁気ブラシ帯電器2Aと導電性の磁性粒子(帯電キャリヤ)2dを収容する容器(ハウジング)2B、磁気ブラシ帯電器2Aに帯電バイアスを印加する帯電バイアス印加電源E2等からなる。
【0096】
磁気ブラシ帯電器2Aは、本実施の形態のものはスリーブ回転タイプであり、マグネットロール(磁石)2aと、このマグネットロール2aに外嵌させた磁性粒子担持体としての非磁性ステンレス製のスリーブ(電極スリーブ、導電スリーブ、帯電スリーブなどと称される)2bと、このスリーブ2bの外周面にスリーブ内部のマグネットロール2aの磁気力で磁気拘束させて形成保持させた磁性粒子2dの磁気ブラシ部2cとからなる。
【0097】
マグネットロール2aは非回転の固定部材であり、スリーブ2bはこのマグネットロール12の外回りを矢印b方向に駆動系(不図示)により所定の周速度、本実施の形態では225mm/secの周速度で回転駆動される。また、スリーブ2bは感光ドラム1に対してスペーサコロなどの手段によって500μm程度の隙間を保たせて配設してある。容器2Bには、磁性ブラシ層厚規制ブレード2eが取り付けられている。この磁性ブラシ層厚規制ブレード2eは、非磁性ステンレス製のブレードであり、スリーブ2b表面とのギャップが900μmになるように配置されている。
【0098】
容器2B内の磁性粒子2dはその一部がスリーブ2b外周面にスリーブ内部のマグネットロール2aの磁気力で磁気拘束されて磁気ブラシ部2cとして保持される。磁気ブラシ部2cはスリーブ2bの回転駆動に伴い、スリーブ2bに伴ってスリーブ2bと同方向に回転する。このとき磁気ブラシ部2cの層厚は、磁性ブラシ層厚規制ブレード2eにより均一厚さに規制させる。磁気ブラシ部2cの規制後の層厚は、スリーブ2bと感光ドラム1との対向隙間部の間隔より大きくなるように設定されているので、磁気ブラシ部2cはスリーブ2bと感光ドラム1との対向部において感光ドラム1に対して所定幅の接触ニップ部を形成して接触する。この接触ニップ部が帯電ニップ部Nである。したがって、感光ドラム1は、帯電ニップ部Nにおいて磁気ブラシ帯電器2Aのスリーブ2bの回転に伴って回転する磁気ブラシ部2cで摺擦される。この場合、帯電ニップ部Nにおいて感光ドラム1の移動方向と磁気ブラシ部2cの移動方向は逆方向となり、相対移動速度は速くなる。
【0099】
スリーブ2bと磁気ブラシ層厚規制ブレード2eには帯電バイアス印加電源E2から所定の帯電バイアスが印加される。感光ドラム1が回転駆動され、磁気ブラシ帯電器2Aのスリーブ2bが回転駆動され、帯電バイアス印加電源E2から所定の帯電バイアスが印加されることで、感光ドラム1表面が、本実施の形態の場合は注入帯電方式で所定の極性・電位に一様に接触帯電処理される。
【0100】
スリーブ2b内に固定配置されているマグネットロール2aは、スリーブ2bと感光ドラム1の最近接位置cとの角度θを感光ドラム回転方向上流側20°から下流側10°の範囲に入るようにすることが望ましく、上流側15°〜0°であればさらによい。それより下流だと主極位置に磁性粒子2dが引き付けられ、帯電ニップ部Nの感光ドラム回転方向下流側に磁性粒子2dの滞留が発生しやすくなる。これに対して、上流すぎると、帯電ニップ部Nを通過した磁性粒子2dの搬送性が悪くなり、滞留が発生しやすくなる。また、帯電ニップ部Nに磁極がない場合は、磁性粒子2dに作用するスリーブ2bへの拘束力が弱くなり、磁性粒子2dが感光ドラム1に付着しやすくなるのは明らかである。ここで述べている帯電ニップ部Nは、帯電時に磁性ブラシ部2cの磁性粒子2dが感光ドラム1と接触している領域を示す。本実施の形態では、上流側10°の位置に約900Gの磁極を配置した。
【0101】
磁気ブラシ部2cを構成する磁性粒子2dは、本実施の形態では、焼結した強磁性体(フェライト)を還元処理をしたものを用いたが、他に樹脂と強磁性体粉を混練して粒子状に成形したもの、又はこれに抵抗値調節のために導電性カーボン等を混ぜたものや、表面処理を行ったものも同様に用いることができる。磁気ブラシ部の磁性粒子2dは、感光ドラム1表面のトラップ準位に電荷を良好に注入する役割と、感光ドラム1上に生じたピンホールなどの欠陥に帯電電流が集中してしまうことに起因して生じる帯電部材及び感光体の通電破壊を防止する役割を兼ね備えていなければならない。したがって、磁気ブラシ帯電器2Aの電気抵抗値は、1×104Ω〜1×109Ωであることが好ましく、特には1×104〜1×107Ωであることが好ましい。磁気ブラシ帯電器2Aの電気抵抗値が1×104Ω未満ではピンホールリークが生じやすくなる傾向があり、逆に1×109Ωを超えると良好な電荷の注入がしにくくなる傾向にある。また、抵抗値を上述の範囲内に制御するためには、磁性粒子2dの体積抵抗値は1×104〜1×109Ω・cmであることが望ましく、特には1×104〜1×107Ω・cmであることがより好ましい。
【0102】
本実施の形態で用いた磁気ブラシ帯電器2Aの電気抵抗値は、1×106Ω・cmであり、帯電バイアスのDC成分として−700Vを印加することで、感光ドラム1の表面電位も、−700Vとなった。
【0103】
磁性粒子2dの体積抵抗値は、図5に略図を示す測定装置によって測定した。すなわち、セルAに磁性体粒子2dを充填し、この充填磁性粒子2dに接するように主電極17及び上部電極18を配し、これら電極17,18間に定電圧電源22から電圧を印加し、そのとき流れる電流を電流計20で測定することにより求めた。同図中の符号19は絶縁物、21は電圧計、24はガイドリングを示す。その測定条件は、温度23℃、湿度65%の環境において、充填された磁性粒子2dのセルAとの接触面積S=2cm2、厚みd=1mm、上部電極18の荷重10kg、印加電圧100Vである。
【0104】
磁性粒子2dの平均粒径及び粒度分布測定におけるピークは5〜100μmの範囲にあることが、粒子表面の汚染による帯電劣化防止、及び磁性粒子2dの感光ドラム1表面への付着防止の観点から好ましい。磁性粒子2dの平均粒径は、水平方向最大弦長で示し、測定法は顕微鏡法により磁性粒子300個以上をランダムに選び、その径を実測して算術平均をとる。
【0105】
帯電バイアスは、帯電バイアス印加電源E2によってスリーブ2bと規制ブレード2eに印加される。本実施の形態ではDC成分にAC成分が重畳されているバイアス(重畳バイアス)を用いている。
【0106】
帯電ニップ部Nにおける、磁気ブラシ帯電器2Aの磁気ブラシ部2cによる感光ドラム1表面の摺擦と、磁気ブラシ帯電器2Aへの帯電バイアスの印加により、磁気ブラシ部2cを構成している帯電用の磁性粒子2dから電荷が感光ドラム1上に与えられ、感光ドラム1表面が所定の極性・電位に一様に接触帯電される。本実施の形態の場合は前述したように、感光ドラム1はその表面に電荷注入層を有しているので、電荷注入帯電により感光ドラム1の帯電処理がなされる。すなわち、感光ドラム1表面が帯電バイアス(DC+AC)のDC成分に対応した電位に帯電される。スリーブ2bは回転速度が速いほど帯電均一性が良好になる傾向にある。
【0107】
磁気ブラシ帯電器2Aによる感光ドラム1の電荷注入帯電は、図6の等価回路に示すような、抵抗RとコンデンサCの直列回路とみなすことができる。このような回路の場合、抵抗値をr、感光体の静電容量をCp、印加電圧をV0、帯電時間(感光ドラム表面のある点が帯電ニップ部Nを通過する時間)をT0とすると、感光ドラムの表面電位Vdは次式(1)で表わされる。
【0108】
Vd=V0(1−exp(T0/(Cp・r)))……(1)
帯電バイアス(DC+AC)において、DC成分は必要とされる感光ドラム1の表面電位と同値、本実施の形態では−700Vとした。
【0109】
画像形成時(作像時)におけるAC成分は、そのピーク間電圧Vppが小さい場合、帯電均一性、電位収束性の効果が薄く、逆に大きすぎる場合では、磁性粒子2dの滞留や感光ドラム1への付着レベルが悪化する。またそのピーク間電圧Vppの上下限は、通紙耐久継続時には、転写残トナーの混入量や、磁性粒子2dの劣化状態、あるいは外部の環境次第で変化する。すなわち、トナー混入量が多い場合や、長期にわたる通紙耐久により磁性粒子2dにトナーや外添剤が付着して劣化した場合、外部環境が低湿度である場合などには、磁性粒子2dの抵抗値が上昇しているため、適正な帯電を行うためにはVppを大きくし、電流量を増やすことが必要となる。しかしながら、Vppを大きくした場合の弊害として考えられる磁性粒子2dの感光ドラム1への付着レベルは逆に抵抗値が大きいほど減少する傾向にある。これは磁性粒子2dに注入される電荷量が大きいほど、帯電バイアスと感光ドラム1との電位差の影響を受けやすく、より付着されやすくなるためである。したがって、逆に抵抗値が低い場合は磁性粒子2dの付着は増加する傾向にあるが、その分、Vppを小さめに設定しても帯電には十分な電流量が得られる。
【0110】
周波数は100Hz以上5000Hz以下、特に500Hz以上2000Hz以下が好ましい。それ以下では、磁性粒子2dの感光ドラム1への付着悪化や、帯電均一性、電位の立ち上がり性向上の効果が薄くなり、それ以上でも帯電均一性、電位の立ち上がり性向上の効果が得られにくくなる。ACの波形は、矩形波、三角波、sin波などがよい。
【0111】
(5)補助帯電装置
一般に、トナー像転写後の感光ドラム表面に残留する転写残トナーは、前画像をそのまま残した形で存在するため、そのまま帯電装置2を通過した場合、前画像部分のみ帯電電位が低下したり、次の画像形成のための露光を遮断したりする。このため、そのままの形で次の現像工程に影響を及ぼして、次の画像上で前画像部分が薄くなったり濃く現われたりといった現象、いわゆるゴースト現象が発生する。
【0112】
そこで、感光ドラムの回転に伴い帯電領域に到達した転写残トナーを接触帯電部材に取り込み、前画像の履歴を消してしまうことが必要となる。このとき、直流電圧を接触帯電部材に印加するのみでは接触帯電部材へのトナーの取り込みは十分に行われないが、交番電圧を接触帯電部材に印加すると感光ドラム−接触帯電部材間の電界による振動効果によって、比較的、接触帯電部材へのトナーの取り込みが行われやすい。
【0113】
しかしながら、帯電領域に到達した転写残トナーの帯電量によっては、接触帯電部材への転写残トナーの取り込みが非常に困難な場合が生じる。つまり転写残トナーが帯電しているため、接触帯電部材と感光ドラムとの間の電位差や、トナーと感光ドラムとの間の付着力により取り込み性が悪くなる場合がある。
【0114】
すなわち接触帯電部材に対する印加電圧に対し、例えば磁気ブラシ帯電器2Aの場合、磁気ブラシ部2cと感光ドラム1との接触部にも数mmの幅があり接触部通過初期には電荷注入が不十分であるため、そこに磁気ブラシ帯電器2Aと感光ドラム1との間の電位差が生じている。仮に磁気ブラシ帯電器2AのVdcを−700Vと設定した場合、接触部通過初期の感光ドラム1の表面電位はいわゆる転写通過後電位であり、各種設定条件によって異なるが、前画像の露光部が−350V程度であるとすると、この場合、露光部は350Vの電位差が生じている。一般に転写残トナーの保持電荷は正負ともに存在するが、正帯電トナーはマイナス側の磁気ブラシ帯電器2A方向へ取り込まれやすく、負帯電トナーは取り込まれにくくなる。また、転写残トナーの帯電量が極端に大きい場合や小粒径の場合、感光ドラム1との付着力が強く、感光ドラム1上に残ってしまう。したがって、本来、負帯電性のトナーではあるが転写残トナーは正帯電されていることが望ましい。ただし、正帯電されていなくても、帯電量の絶対値が十分小さければ、磁気ブラシ部2cによって機械的にかきとられる効果は期待できる。
【0115】
実際、転写残トナーは、転写ニップ部T通過時の剥離放電等により、帯電極性が反転してしまうことも多いが、転写効率が同じであっても転写電流によって転写残トナーの帯電量分布は大きく異なり、各種設定条件次第で負帯電トナーの比率が多い場合がある。また長期にわたり使用すると現像剤自体、外添剤の遊離や埋め込みにより転写効率が低下してくることがあるため、負帯電のまま感光ドラム1上に残るトナー比率も増えてくる。このため、転写電流を強めたり、転写残トナーを反対極性に帯電させる手段を持ったりすることが好ましい。
【0116】
そこで、感光ドラム1の回転方向に沿っての転写装置5の下流側でかつ磁気ブラシ帯電器2Aの上流側に、補助帯電装置12を配設した。この補助帯電装置12は、補助帯電部材としての帯電ブラシ(導電性繊維ブラシ)12aと、これに電圧を印加する補助帯電バイアス印加電源E6とを有している。帯電ブラシ12aは、導電性繊維のレーヨンを、毛足の長さが6mmとなるように形成したものであり、感光ドラム1表面に当接配置されている。この帯電ブラシ12aには、上述の補助帯電バイアス印加電源E6によって、帯電極性とは逆のプラス500Vの直流電圧を印加した。この帯電ブラシ12aは、プラスのバイアスが印加されていることにより、負極性の転写残トナーは一時的にこの帯電ブラシ12a内に捕獲され、除電された後、再び感光ドラム1上へ送りだされる。この際、ブラシ表面にトナーが蓄積してくると、転写残トナーの保持量の限界に達し、除電されたトナーから次々と感光ドラム1上へと戻される。したがって、磁気ブラシ帯電器2Aと感光ドラム1との接触部である帯電ニップ部Nに侵入するトナーは、帯電極性と逆極性のもの、若しくは除電されて帯電量の低いものに限られ、磁気ブラシ帯電器2Aにほぼ回収されることになる。この時点で前画像の履歴は失われ、ゴーストが発生する直接的要因が除去される。なお、帯電ブラシ12に代えて、導電性のゴムローラを使用することもできる。
【0117】
(6)転写残トナーの磁気ブラシ帯電器からの吐き出し等
本実施の形態の画像形成装置は、クリーナレス方式であるから、転写材Pに対するトナー像転写後に感光ドラム1表面に残留したトナー(転写残トナー)は、感光ドラム1の帯電ニップ部Nに持ち運ばれて磁気ブラシ帯電器2Aの磁気ブラシ部2cに混入して一時的に回収される。感光ドラム1上の転写残トナーは転写時の剥離放電などにより、極性が正のものと負のものが混在していることが多い。この極性が混在した転写残トナーが磁気ブラシ帯電器2Aに至って磁気ブラシ部2c内に混入して一時的に回収される。この転写残トナーの磁気ブラシ部2cへの取り込みは、磁気ブラシ帯電器2AにAC成分を印加することで、磁気ブラシ帯電器2Aと感光ドラム1との間の振動電界効果によってより効果的に行わせることができる。
【0118】
そして、磁気ブラシ部2c内に取り込まれた転写残トナーは極性が理想的には負に帯電されて感光ドラム1上に吐き出される。極性が揃えられて感光ドラム1上に吐き出された転写残トナーは現像部mに至って現像装置4の現像現像スリーブ4bにより現像時のかぶり取り電界によって現像同時クリーニングで回収される。この転写残トナーの現像同時回収は、回転方向の画像領域が、感光ドラム1の周長よりも長い場合には、その他の帯電、露光、現像、転写といった画像形成工程と同時進行で行われる。これにより転写残トナーは現像装置4内に回収されて次工程以後も用いられるため、廃トナーをなくすことができる。
【0119】
現像剤のトナーtとして重合法で作製した高離型性球形トナーを用いることで、転写残トナーの発生量を少なくすることができ、また、磁気ブラシ帯電器2Aから吐き出されたトナーの現像装置4への回収性を向上させることができる。二成分接触現像方式の現像装置4を用いることでも磁気ブラシ帯電器2Aから吐き出されたトナーの現像装置4への回収性を向上させている。ここで、通常、トナーは電気抵抗が比較的高いので、磁気ブラシ帯電器2Aの磁気ブラシ部2cにそのようなトナー粒子が混入することは磁気ブラシ部2cの電気抵抗を上昇させて帯電能を低下させる原因となり、混入トナー量が比較的多い場合は、非画像形成時に大量のトナーを吐き出させることで、良好な帯電を維持することができる。
【0120】
ここで、上述の磁気ブラシ帯電器2Aからのトナーの吐き出し回収を積極的に行うことで、磁気ブラシ帯電器2Aの寿命をより延ばすことが可能である。以下にその詳細を述べる。
【0121】
(A)正規極性の吐き出し回収
ここでトナー吐き出しについてまず、反転トナーの影響を考慮しない場合の従来の構成を簡単に説明する。
【0122】
磁気ブラシ部2cにトナーが混入した場合、それの電気抵抗は次第に大きくなっていくため、帯電ニップ部N通過中に充分な電荷の移動が行われず、帯電ニップ部N通過後の感光ドラム1の表面電位は印加電圧より小さくなってしまう。以下、感光ドラム1表面電位と印加電圧との電位差をΔVとする。磁気ブラシ帯電器2Aに取り込まれたトナーが導電性の磁性粒子(帯電キャリヤ)2dとの接触により、感光ドラム1表面電位と同極の電荷を付与されている場合、電位差ΔVによって発生する電界により混入トナーは磁気ブラシ部2c中から感光ドラム1表面に吐き出される。特開平9−96949号公報などに開示されるように、この現象を利用した、非画像形成時(非作像時)に帯電バイアスのAC成分(交流成分)の振幅Vppを減少させたり、AC成分の印加を停止させることで電位差ΔVを大きくし、積極的にトナーを吐き出させて磁気ブラシ帯電器2Aの電気抵抗上昇を抑えている。
【0123】
上述の非画像形成時の吐き出しとしては、紙間(先行する転写材Pの後端とこれに後続する転写材Pの先端との間)や画像形成終了後の後回転などで行うことで、長期の使用において磁気ブラシ部2c中の混入トナー量を一定以下に保つことが可能となる。また、印字枚数(画像形成枚数,耐久枚数,通紙枚数)や、印字量による制御が提案されている。
【0124】
しかしながら、これらの効果も印字枚数がさらに多くなると、磁気ブラシ帯電器2Aの磁性粒子2dは、現像剤に含まれる外添剤等の付着により抵抗値が上昇し、帯電不良の原因となるとともに、混入してくるトナーも前述のように、必ずしも理想的に正規極性の帯電状態に維持制御しきれない。特に転写材Pとして厚紙を用いた場合には反転トナーの影響が顕著であり、比較的早い段階から画像不良の原因となった。したがって、あらゆる転写材Pに対応してより長期にわたり安定して高画質を維持し、寿命を延ばすためにはさらなる改良が必要である。本発明は、厚紙やOHT(オーバヘッドトランスペアレンシー)シート等、より反転トナーの発生しやすい転写材Pが規則性無く無作為に使用された場合、上述の制御では良好な画像が維持できない、といった点を改善するものである。
【0125】
(B)反転トナーの吐き出し回収
次に、反転トナーについての吐き出し回収について説明する。
【0126】
感光ドラム1上に存在する、極性をもたないトナーや反転トナーは、通常、転写バイアスや現像バイアスの作用により除去される機会が少ないため、磁気ブラシ帯電器2Aの磁気ブラシ部2c内部に蓄積されることが多い。磁気ブラシ帯電器2Aから感光ドラム1上に吐き出されるトナーは、この反転トナーと正規極性トナーが共に存在する。正規極性トナーは、非画像領域においては現像部mで回収されるため、画像に影響を与えることは少なく、また非画像形成時の吐き出しバイアスにより常に処理されている。
【0127】
一方、反転トナーが画像形成時に吐き出された場合には、現像部mで回収されないため、厚紙やコート紙ではかぶりが発生してしまう。これは、極微量の反転トナーが存在するだけでも発生してしまうことがわかった。このため、厚紙やコート紙を使用する場合においては、反転トナーについても処理する機構を設ける必要がある。厚紙使用がごく稀である場合は、画像形成時に反転トナーが吐き出されないようなバイアス設定も可能ではある。しかし、厚紙が頻繁に使用される場合は磁気ブラシ帯電器2A内に蓄積された反転トナーを積極的に処理する機構が必要となる。反転トナーはバイアスの設定に対し、正規トナーとは正反対の挙動を示すため、上述の正規トナーの処理のためのバイアス設定とは両立できず、したがって磁気ブラシ帯電器2A内に混入している反転トナーを処理するタイミングを別途設けなくてはならない。
【0128】
反転トナーを磁気ブラシ帯電器2A内から吐き出す方法としては、現像剤戻しバイアスを利用する。この現像剤戻しバイアスは、前述の電位差ΔVについて正規極性トナーと逆の方向へバイアスを変更することで達成される。例えば、ΔVを小さくするため、帯電バイアスのAC振幅を大きくする、又は帯電電位を印加バイアスのDC電圧に対してむしろ高くしてΔVを負にするため、前述の帯電ブラシ12aに、正規極性のバイアスで、帯電バイアスよりも高いDCバイアスを印加する方法等が考えられる。
【0129】
また、吐き出された反転トナーを回収する方法(回収手段)としては、現像装置4に印加するDCバイアスと帯電電位の差を大きくすることで、より反転トナーを電界的に現像スリーブ4b側へ取り込む方法や、転写に通常と逆のバイアスを印加して転写ベルト、中間転写体等に転写させ、それらに備えられたクリーニング部材によって回収する方法などが考えられる。
【0130】
(7)吐き出し回収制御
次に、正規トナー、反転トナーの吐き出しタイミングについて詳細を説明する。図9中a,bは、従来構成において、60gのキヤノン製コピー用紙及び坪量160g/m2の厚紙を1枚間欠モードで、5%の画像比率原稿をもとに、10000枚通紙した場合において、坪量160g/m2の厚紙の枚数比率に対する、10000枚時点での坪量160g/m2の厚紙上の反転トナーかぶりを示している(図中a)。厚紙比率が高くなればなるほど反転かぶりが増加していくことがわかる。図中bは、10000枚時点における普通紙上のかぶり反射率であり、反転トナーはほとんど転写されないことから、正規極性のかぶりを示している。
【0131】
このときの動作シーケンスは以下の通りである。
【0132】
前多回転工程P1:画像形成装置の始動動作期間(起動動作期間、ウォーミング期間)である。メイン電源スイッチのオンにより、画像形成装置のメインモータを駆動させて感光ドラム1を回転駆動させ、所定のプロセス機器の準備動作を実行させる。
【0133】
前回転工程P2:プリント前動作を実行させる期間である。この前回転工程は。上述の前多回転工程P1中にプリント信号が入力されたときには前多回転工程P1に引き続いて実行される。プリント信号の入力がないときには前多回転工程P1の終了後にメインモータの駆動が一旦停止されて感光ドラム1の回転駆動が停止され、画像形成装置はプリント信号が入力されるまでスタンバイ(待機)状態に保たれる。プリント信号が入力されると、前回転工程P2が実行される。
【0134】
印字工程P3:所定の前回転工程P2が終了すると、引き続いて感光ドラム1に対する画像形成プロセスが実行され、感光ドラム1表面に形成されたトナー像の転写材Pへの転写、定着手段によるトナー像の定着処理がなされて画像形成物がプリントアウトされる。連続印字(連続プリント)モードの場合は上述の印字工程P3が所定の設定プリント枚数分繰り返して実行される。このとき帯電バイアスのAC成分の振幅は600Vである。
【0135】
紙間工程P4:連続印字モードにおいて先行する転写材Pの後端が転写ニップ部Tを通過した後、次の(後続の)転写材Pの先端が転写ニップ部Tに到達するまでの間の、転写ニップ部Tにおける転写材Pの非通紙状態期間である。この期間に転写ニップ部Tを通過する感光ドラム1表面の領域がその前に帯電ニップ部Nを通過する間は、帯電バイアスのAC成分の振幅を400Vに変更し、磁気ブラシ帯電器2Aで一時的に回収した転写残トナーを感光ドラム1表面に吐き出し、現像装置4で回収する。
【0136】
後回転工程P5:最後の転写材Pの印字工程が終了した後もしばらくの間メインモータの駆動を継続させて感光ドラム1を回転駆動させ、所定の後動作を実行させる期間である。この期間においても紙間工程と同様に帯電バイアスのAC成分の振幅を400Vに変更することで、磁気ブラシ帯電器2Aで一時的に回収した転写残トナーを感光ドラム1表面に吐き出させ、現像装置4で回収する。
【0137】
スタンバイP6:所定の後回転工程P5が終了すると、メインモータの駆動が停止され、感光ドラム1の回転駆動が停止され、画像形成装置は、次のプリントスタート信号が入力するまでスタンバイ状態P6に保たれる。
【0138】
ちなみに1枚だけのプリントを繰り返す場合は、そのプリント終了後、プリンタは後回転工程P5を経てスタンバイP6状態になる。スタンバイP6状態においてプリントスタート信号が入力されると、画像形成装置は前回転工程P2に移行する。
【0139】
上述の印字工程P3時が画像形成時であり、前多回転工程P1、前回転工程P2、紙間工程P4、後回転工程P5が非画像形成時(非作像時)になる。
【0140】
また、この従来例の場合、印字枚数が500枚に達するごとに60秒、後回転工程P5を延長することにより磁気ブラシ帯電器2Aからの正規極性トナー吐き出し量を増量し、磁気ブラシ帯電器2Aの劣化を防止している。
【0141】
ここで、画像形成時、非画像形成時に帯電装置2に印加する帯電バイアスの特性について述べる。DC電界のみを帯電装置2に印加した場合、帯電装置2内に混入したトナーの感光ドラム1への吐き出し性は向上し、キャリヤを劣化させず長時間維持するが、AC電界を印加した場合に比べわずかのキャリヤ劣化に対しても帯電性は落ちる。例えば帯電電位目標700Vに対し、初期には700V印加しても、690V程度にしか感光ドラム1上を帯電することができない。磁気ブラシ帯電器2Aが耐久劣化してくるとさらに電位が低下し、AC電界を印加した場合との差が次第に広がってゆく。したがって現像バイアスのDC値に対して必要な逆電位が維持されず、かぶってしまうことになる。
【0142】
また、初期の設定電位に対し、電位低下が或る値を超えると露光部電位の変動により、出力画像の初期に対する濃度変化が許容レベルを超えてしまうことになる。通常かぶりだす電位低下レベルよりも、一定の濃度変化を引き起こす電位低下のレベルの方が条件としては厳しい。つまり、かぶらないまでも、帯電電位低下により現像コントラストが変化して出力画像の濃度及び色見が許容レベルを超えてしまうことがある。また特にべた画像のような画像比率の高い画像が連続で出力された場合、一時的に磁気ブラシ帯電器2A中のトナー濃度が上がって帯電能力が低下し、画像部ではゴーストが発生したり必要な逆電位が維持されなくなるような事態も考えられるため、少なくとも転写材Pが通過する通紙部はACバイアスを適正な振幅で印加し続けることが望ましい。
【0143】
通常環境においては、帯電バイアスの振幅を画像形成時は600V、非画像形成時は400Vと設定した。
【0144】
以上のような従来構成においては、前述したように、厚紙を通紙すればするほど反転トナーが増加し、かぶりが許容範囲を超えてしまう。
【0145】
そこで本実施の形態では、換算された厚紙枚数が、500枚に達するたびに、20秒の反転かぶり吐き出し回収の高圧設定がなされた状態を、後回転工程P5として付加した。
【0146】
より具体的には、図8にしめすように、画像形成装置本体50に設けられた記憶手段58に、カウンタ53によって記憶される使用転写材のカテゴリーごとの印字枚数情報が、換算手段54を介してCPU55により所定の値(ここでは厚紙500枚)と比較され、所定の値を超えるとそれに応じてバイアス制御手段57により各種バイアス値や印加時間を変化させ、帯電電位の安定と、磁気ブラシ帯電器2A内混入トナーの吐き出し回収を行うものである。
【0147】
使用転写材のカテゴリーとしては、反転かぶりの発生度合いに応じて設定すればよく、ここでは、坪量105g/m2以下の紙とそれ以上の紙の2種類及びOHTシートの合わせて3つのカテゴリーで設定している。これらは、あらかじめ本体操作部において選択され、定着性の観点からプロセススピードがそれぞれ150mm/sec、75mm/sec、40mm/secとなる。このとき本体操作部で入力された情報を元に、記憶手段58に記憶されるそれぞれの印字枚数(使用枚数)が識別される。
【0148】
このとき制御される高圧条件は、帯電バイアスのAC振幅は700V、転写バイアスを通常と逆極性の−2μAとし、反転トナーを転写ベルト5a上に回収している。
【0149】
図9中cは、そのときの10000枚時点での厚紙上の反転かぶりを示している。反転トナーを適宜吐き出すことにより、反転かぶりを抑えられることがわかる。
【0150】
<実施の形態2>
図10は、従来構成において、坪量60g/m2のキヤノン製コピー用紙及び坪量160g/m2の厚紙をそれぞれ1枚間欠モードで合わせて10000枚通紙した場合において、坪量160g/m2の厚紙の枚数比率に対する、10000枚時点での坪量160g/m2の厚紙上の反転トナーかぶりを、通紙した画像比率ごとに示している。aは画像比率5%、bは画像比率10%、cは画像比率20%である。画像比率が高くなればなるほど反転かぶりが増加していくことがわかる。したがって、実施の形態1のような制御の場合、画像比率が高い画像を含むとかぶりが増加してしまうため、画像比率に見合った制御を行う必要が生じる。
【0151】
そこで本実施の形態においては、通算の総印字量に従って反転トナー吐き出しタイミングを設けることとした。つまり本実施の形態の特徴は、使用量情報として、印字が行われた量に対応する情報(印字量情報)を使用する。この印字量情報は、コントローラ40内で画像展開部41により画像展開されたドット数を直接カウントして、そのカウント値をカウント値情報として画像メモリ42に記憶させることにある。
【0152】
印字ドット数をカウントする場合、レーザ点灯時間のデューティーを変化させて、画像信号の多値化を行う場合の対応はとれないが、画像信号と、画像クロック発生手段44からの画像クロック信号とにより、印字されるドット数をそのままカウントすればよい。
【0153】
図8において、コントローラ40内に設けられたドットカウンタ30は、画像データ出力部43から出力されるシリアルの画像信号と画像クロックとから画像として記録するドットの数を計測するカウンタである。ここで計測された各転写材Pにおける印字ドット数のカウント値は記憶手段58に加算して順次書き込まれる。記憶手段58に書き込まれたドット数のカウント値G及び印字枚数値F、厚紙印字枚数H、普通紙印字枚数Iは順次換算手段54、CPU55に送られ、xF×Gの耐久指数値(耐久劣化状態を表す指標値)が設定値記憶手段56に記憶された所定の値を超えた次の画像形成における後回転に、反転トナー吐き出し用の高圧設定での動作を20秒間加えることとしている。そして、耐久紙数値が閾値に達し、吐き出しモード動作が行われた時に耐久紙数値はリセットされ、再び換算を開始する。ここでxは、(1.5×H+I)/Fであり、厚紙通紙の方が反転トナーが蓄積しやすいことを反映させているため、厚紙比率が高いほど、設定した閾値に早く到達するため、吐き出しの回数が増えることになる。また、閾値として、画像ドット比率100%の画像にして25枚相当の印字量を設定した。したがって、普通紙100%画像では25枚に1度、5%画像では500枚に1度の反転トナー吐き出しモードが後回転に付加される。なお、同図中の符号51は変調器、52はレーザを示す。
【0154】
図11は、上述の設定において、画像比率一定で10000枚通紙した場合の、10000枚時点での坪量160g/m2の厚紙上の反転トナーかぶりを、通紙した画像の画像比率ごとに示している。画像比率が高いものは、それだけ反転トナー吐き出し時間が加えられるため、反転トナーの蓄積が抑えられ、また、厚紙比率が高い場合は反転トナー蓄積が早い分やはり反転トナー吐き出しモード動作の頻度を高めているため、結果として10000枚時点での反転かぶりはどの画像比率の通紙においてもそれほど、また厚紙通紙の比率で変らないことになる。
【0155】
なお、上述の印字情報としては、上述以外に、例えば、露光装置3によって感光ドラム1を露光している時間、又は露光していない時間のいずれか一方の時間をカウントしたカウント値情報を使用することもできる。
【0156】
また、印字量情報として、トナーの消費量を使用することもできる。現像装置4に、現像剤残量検知手段(不図示)を設け、この検知手段の出力からトナーの消費量を逆算するように知ればよい。
【0157】
以上の説明では、画像形成装置として、感光ドラム1上のトナー像を、転写ベルト5a上に担持された転写材Pに転写する方式のものついて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、感光ドラム1上に形成したトナー像を、中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写体に転写する方式の画像形成装置についても適用することができる。
【0158】
なお、以上の説明では、帯電手段として、磁気ブラシ注入帯電装置を使用した場合を礼に説明したが、その他の各種帯電装置にも適用でき、また変更するバイアス印加条件としては、DC成分や、周波数、波形などがあり、また反転トナー、正規トナーそれぞれの吐き出し回収タイミングについては、適宜に設定することが可能である。
【0159】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、現像手段がクリーニング手段を兼ねる画像形成装置において、帯電手段と現像手段と転写手段とにそれぞれ印加するバイアスのうちの少なくとも1つのバイアスについて、バイアス印加条件を、印字に供される複数種の転写材のそれぞれの使用量情報に応じて変更することにより、使用する転写材の種別にかかわらず、正規極性トナーと反転トナーとを過不足無く処理し、良質な画像をより長期にわたって維持し、寿命を大幅に伸ばすことができる。特に厚紙、コート紙等に特有の反転トナーや極性を持たないトナーによるかぶりが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1,2の画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図2】実施の形態1,2の現像装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図3】実施の形態1,2の感光ドラムの層構成を模式的に示す縦断面図である。
【図4】実施の形態1,2の帯電装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図5】磁性粒子(帯電キャリヤ)の電気抵抗値(体積抵抗値)の測定を説明する図である。
【図6】実施の形態1,2の帯電回路の等価回路を示す図である。
【図7】印字(画像形成)シーケンスを説明する図である。
【図8】実施の形態2における、印字量情報(使用量情報)を示すブロック図である。
【図9】従来例、及び実施の形態1における、通紙耐久後の紙上かぶり反射率を示す図である。
【図10】従来例における、通紙耐久後の紙上かぶり反射率を示す図である。
【図11】実施の形態2における、通紙耐久後の紙上かぶり反射率を示す図である。
【符号の説明】
1 感光体(感光ドラム)
1f 電荷注入層
2 帯電手段(帯電装置)
2A 接触帯電部材(磁気ブラシ帯電器)
2b スリーブ(磁性粒子担持体)
2c 磁気ブラシ部
2d 磁性粒子
3 露光手段(露光装置)
4 現像手段(現像装置)
5 転写手段(転写装置)
12 帯電手段(補助帯電装置)
12a 導電性繊維ブラシ(帯電ブラシ)
P 転写材
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリーナレス方式のプリンタ,複写機,ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
(a)接触帯電
電子写真方式の画像形成装置において、像担持体(被帯電体)としての感光体を所定の極性・電位に帯電処理する帯電手段としては、従来から一般にコロナ帯電器が使用されてきた。これは感光体表面に対して、コロナ帯電器を非接触に対向配置して、コロナ帯電器から放出されるコロナに感光体表面をさらして感光体表面を所定の極性・電位に帯電させるものである。
【0003】
近年は、上述の非接触方式のコロナ帯電器による場合に比べて低オゾン・低電力等の利点を有することから、接触方式の帯電器が実用化されている。この接触方式の帯電装置は、帯電電圧(帯電バイアス)を印加した帯電部材(接触帯電部材)を感光体表面に当接させることにより、感光体表面を所定の極性・電位に一様に帯電させるものである。特に、帯電部材として導電ローラ(帯電ローラ)を用いたローラ帯電方式の装置が帯電の安定性という点から好ましく用いられている。
【0004】
また、接触帯電部材として、磁気ブラシ帯電部材を使用した磁気ブラシ帯電器も安定性という点から好ましく用いられている。この磁気ブラシ帯電器は、磁性粒子を直接にマグネットに、又はマグネットを内包するスリーブ上に磁気的に拘束させて磁気ブラシ部を形成し、この磁気ブラシ部を停止又は回転させて感光体表面に接触させ、さらにこれに帯電バイアスを印加することによって感光体表面の帯電を行うものである。
【0005】
さらに、導電性の繊維をブラシ状に形成したファーブラシ帯電部材(帯電ファーブラシ)、導電性ゴムをブレード状に形成した導電ゴムブレード(帯電ブレード)等も接触帯電部材として好ましく用いられている。
【0006】
接触帯電の帯電機構(帯電メカニズム)にはコロナ帯電系と電荷注入帯電系(直接帯電系)の2種類の帯電機構が混在しており、どちらが支配的であるかにより各々の特性が現われる。
【0007】
コロナ帯電系は、接触帯電部材と感光体との微小間隙に生じるコロナ放電現象による放電生成物で感光体表面が帯電する系である。コロナ帯電は、接触帯電部材と感光体との間に一定の放電しきい値を有するため、帯電電位より大きな電圧を接触帯電部材に印加する必要がある。また、コロナ帯電器に比べれば発生量は格段に少なくないものの、放電生成物を生じる。
【0008】
これに対して、電荷注入帯電系は、接触帯電部材から感光体に直接に電荷が注入されることで感光体表面が帯電する系である。より詳しくは、中抵抗の接触帯電部材が感光体表面に接触して、放電現象を介さずに、つまり放電を基本的に用いないで感光体表面に直接電荷注入を行うものである。よって、接触帯電部材への印加電圧が放電しきい値以下の印加電圧であっても、感光体を印加電圧相当の電位に帯電することができる。この電荷注入帯電系はイオンの発生を伴わない。
【0009】
しかし電荷注入帯電であるため、接触帯電部材の感光体への接触性が帯電性に大きく影響する。
【0010】
そこで接触帯電部材はより密に構成し、また感光体との速度差を多く持ち、より高い頻度で感光体に接触する構成をとる必要があり、この点において接触帯電部材として特に磁気ブラシ帯電器は安定した帯電を行なうことができる。
【0011】
磁気ブラシ帯電器による電荷注入帯電は、抵抗とコンデンサの直列回路と等価であると見ることができる。理想的な帯電プロセスでは感光体表面のある点が磁気ブラシと接触している時間(帯電ニップ/感光体の周速)にコンデンサが充電され、感光体表面電位が印加電圧とほぼ同値になる。
【0012】
導電性の接触部材に電圧を印加し感光体の表面にあるトラップ準位に電荷を注入して感光体の接触帯電を行なう方法がある。また、感光体として通常の有機感光体上に導電性微粒子を分散させた表層(電荷注入層)を有するものや、アモルファスシリコン感光体などを用いると、接触帯電部材に印加したバイアスのうちの直流成分とほぼ同等の帯電電位を感光体表面に得ることが可能である(例えば、特開平6−3921号公報)。
【0013】
注入帯電方式は、環境依存性が少ないだけでなく、放電を用いないため、接触帯電部材に対する印加電圧は感光体電位と同程度で十分であり、また、オゾンを発生しない利点があり、完全なオゾンレスかつ低電力消費型帯電が可能となる。
【0014】
(b)クリーナレスプロセス(トナーリサイクルプロセス)
また近年、画像形成装置は小型化が進んできたが、帯電・露光・現像・転写・定着・クリーニング等の画像形成プロセスの各手段・機器をそれぞれ小型化するだけでは、画像形成装置の全体的な小型化には限界があった。また、転写後の感光体上の転写残トナー(残留現像剤)はクリーニング装置(クリーナ)によって回収されて廃トナーとなるが、この廃トナーは環境保護の面からも出ないことが好ましい。
【0015】
そこで、クリーナを取り外し、感光体上の転写残トナーは現像装置によって「現像同時クリーニング」で感光体上から除去して回収し、回収したトナーを再利用するようにした装置構成、すなわち「クリーナレスプロセス(クリーナレス方式)」の画像形成装置も出現している。
【0016】
現像同時クリーニングとは、転写後に感光体上に若干残留したトナーを、次工程以後の現像時にかぶり取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位との間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって回収する方法である。この方法によれば、転写残トナーは現像装置に回収されて次工程以後用いられるため、廃トナーをなくし、メンテナンスも簡略化される。また、クリーナレスであることでスペース面での利点も大きく、画像形成装置を大幅に小型化できるようになる。また、感光体を帯電する帯電装置が接触帯電方式である場合には、感光体に接触している帯電部材に転写残トナーを一旦回収させ、それを再び感光体上に吐き出させて現像装置で回収するようにしている。
【0017】
クリーナレス方式においては、接触帯電部材に転写残トナーが多く混入したり付着したりするため、画像形成枚数(耐久枚数)が増加するに連れて、接触帯電部材の抵抗値が変動する。そこで、画像形成枚数や画像比率に応じた帯電部材清掃バイアスを、例えば非画像形成時に印加して帯電部材の劣化を遅らせるというような方法が知られている。つまり接触帯電においては、磁気ブラシに混入したり、ローラに付着したりしたトナーを感光体上に吐き出しやすいバイアス条件やハード構成の条件が存在し、帯電器寿命を延ばすことが可能である。また、このようなバイアス条件の変更は、耐久劣化を何らかの検知手段や、あらかじめ設定した枚数やトナー消費量等の使用量の閾値に従って行うことで、より無駄の無い効率的な清掃モードとして機能する。
【0018】
特に磁気ブラシ注入帯電装置の場合、正負両極性のトナーが存在すると考えられる転写残トナーを、一旦磁気ブラシ部で回収して前画像の履歴を消すとともに、磁性粒子と回収したトナーとの接触摩擦によってトナーを正規の極性に帯電させることにより、再び感光体上に戻す制御が可能となる。
【0019】
また、磁気ブラシ部から感光体へ吐き出されたトナーは極めて均一な散布状態にあり、また、その量も少量であるため、次の像露光過程に実質的に悪影響を及ぼすことはない。また、転写残トナーのパターンに起因するゴースト像の発生もなく、正規極性のトナーは非画像領域においては現像バイアスと帯電電位との差により確実に回収することができる。
【0020】
導電性ローラを用いた帯電の場合は、ローラに付着した反対極性トナーを正規極性に戻すために、ローラに摩擦系列が考慮されたシートを当接するなどの方法がある。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような接触帯電方式を用いたクリーナレス方式の画像形成装置においては、転写残トナーに起因する不具合が生じていた。以下に詳述する。
【0022】
前述のように、転写残トナーは帯電装置において正規の極性、すなわち帯電極性と同極性に揃えられて現像装置で回収されるが、わずかながら、ほとんど極性を持たなかったり、逆極性のままの状態であったりするトナー(以下「反転トナー」という。)が存在することがある。通常、この逆極性のトナーは極微量であり、仮に現像装置で回収されずに感光体上を連れ回ることがあっても正規の転写条件においては転写されることなく、また、多くの反転トナーは帯電部材との接触により再び正規の極性を持つことができるため、特に問題にはならない。
【0023】
ところが、使用する転写材(トナー像が形成される紙や透明フィルム)の厚み、表面性等によっては、反転トナーは、画像上の白地部にかぶりとして発生してしまうことがある。その理由については明確ではないが、転写材の厚みが厚い場合は、転写部における転写部材(転写ローラや転写ブレード)の接触圧が強まることにより、逆極性ながらも圧力で転写されてしまうものと考えられる。また、コート紙のように平滑性の高い転写材にあっては、転写材と感光体との密着性が高まるために、同時にトナーが転写材に押し付けられることを回避する隙間が存在せず、やはり密着度が高まり圧力で転写されるものと考えられる。
【0024】
反転トナーや極性をほとんど持たないトナーは、もともとある比率で存在しうるが、特に高湿下においては、トナーが正規の帯電極性を持ちにくい環境であったり、帯電器内のトナー量が一時的に増加して接触帯電がされにくい状態であったり、また、長期間転写されずにドラム周りを周回しているうちに外添剤が埋め込まれるなど、劣化したトナーが増加していった場合に顕著に発生する。
【0025】
また、クリーナレス方式で使用される補助帯電ブラシ、つまり転写装置と帯電器との間に配設される補助帯電ブラシは、前画像履歴防止等の効果が期待され、正規帯電とは逆極性のバイアスが印加される。その電流がトナーに電荷を付与し、反転トナー発生の一要因にもなっている。
【0026】
これらの反転トナーの発生要因自体は、通紙する転写材によらないが、この反転トナーは、転写装置の上流部の空間で発生する異常放電によって発生するため、転写材に対応した転写バイアス条件に左右されることも知られている。例として、タンデム方式の4色フルカラーの画像形成装置について説明する。
【0027】
この画像形成装置は、画像形成装置本体内に4個の画像形成部が並設され、これらの画像形成部においてそれぞれ色の異なったトナー像が帯電・露光・現像・転写の画像形成プロセスを経て形成される。
【0028】
画像形成部は、それぞれ専用の感光ドラム(像担持体)と、感光ドラム上にトナー像を形成する画像形成プロセス機器とを有している。各感光ドラム上に各色のトナー像が形成される。各感光ドラムに隣接して、転写材担持体(転写ベルト)が設置され、感光ドラム上に形成された各色のトナー像が、後述の転写部材により、転写ベルト上に担持して搬送される転写材上に重畳転写される。各色のトナー像が転写された転写材は、その後、転写ベルトから分離され、定着装置へ搬送される。搬送された転写材は、定着装置による加熱及び加圧によって、トナー像が溶融混色されて定着させる。その後、画像形成装置本体外部に排出される。
【0029】
画像形成部において、転写装置は、転写部材として、それぞれ転写ベルトの裏側に接触して転写を行う接触式の転写帯材を備える。
【0030】
各画像形成部において、感光ドラム上のトナー像を、転写ベルト上に担持された転写材上に順次多重転写する際に、転写する直前、すなわち転写ベルトと感光ドラムとの当接点の上流側近傍に空間が存在し、このわずかな空間においても転写電界が作用し、その空間の異常放電等が生じる領域において、感光ドラム上のトナーのうち他のトナーよりも鏡映力が小さい一部のトナーが早くから飛翔したり、また、他のトナーよりも鏡映力が大きいトナーの極性が反転してしまい、転写材に転写されないばかりか、反転トナーに近接する他のトナーの転写のための飛翔を妨げる等の、トナー飛散、転写抜けなどの画像不良が発生しやすくなる。つまり、転写前放電に伴う画像不良が生じていた。特に厚紙やコート紙を用いる場合は、転写効率最適化のために通常の転写材(例えば、コピー用紙)の使用時よりも高い転写バイアス設定がなされ、異常放電の影響が顕著となるため、反転トナーがより発生しやすくなる。
【0031】
また、転写材担持体が転写ベルトという構成上、搬送速度、転写材の厚み、サイズ等により、転写領域内への搬入経路(紙パス)がばたつくなど不安定となっており、したがって、転写前の感光ドラム、転写ベルト間の空隙幅(空隙の間隔)も不安定な状態となっている。すると、放電領域外であっても、その空隙幅が減少したときには、放電が生じており、反転トナー発生の原因となっていた。このような反転トナーが帯電器内に混入したり付着したりすると、一定量を超えた場合に徐々に感光ドラム上に漏れ出し、現像装置では回収されないまま厚紙等に圧力転写されてしまう。
【0032】
以上述べたように、反転トナーは特に厚紙等の特殊紙を通紙した場合により多く発生する傾向にある。クリーナレス方式において、帯電器の汚れによる帯電不良をより長期に渡り引き起こさないようにするためには、正規の極性を持つトナーの制御は当然必要であったが、同時に反転トナーの処理が必要となる。これらのトナーは、前述のように、磁気ブラシ部に混入したりローラに付着したりしたトナーを感光体上に吐き出しやすいバイアス条件やハード構成の条件が存在し、帯電器寿命を延ばすことが可能である。
【0033】
ところがこの場合、正規極性トナーと反転トナーの挙動は電界作用に対しては正反対の挙動を示すため、通常の画像形成時に対してバイアス条件を変更するとしても、異なるタイミングにおいて異なるバイアスを印加しなければならない。
【0034】
しかしながら、厚紙等の特殊紙をどれだけ用いたかによって蓄積した正規極性トナーや反転トナーの量がそれぞれ異なり、あらかじめ予測することは困難であるため、適当な時に適当な時間だけ、それぞれのトナーを感光体上に吐き出す最適な設定にすることができない。このことは、常に余裕をもって清掃モードを設定せざるを得ず、必要以上に帯電器や感光体を動作させ、その結果、感光体や帯電器を劣化させる原因となっていた。
【0035】
そこで、本発明は、クリーナレス方式の画像形成装置において、画像形成に供された転写材の種類や厚さにかかわらず、正規極性トナーと反転トナーを過不足無く処理し、良質な画像をより長期にわたって形成することができるようにした画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0036】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、感光体と、前記感光体表面を帯電する帯電手段と、前記感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する現像手段と、前記トナー像を転写材又は中間転写体に転写する転写手段と、を備え、トナー像転写後に前記感光体表面に残ったトナーを除去するクリーニング手段を前記現像手段が兼ねる画像形成装置において、前記帯電手段と前記現像手段と前記転写手段とにそれぞれ印加するバイアスのうちの少なくとも1つのバイアスについて、バイアス印加条件を、印字に供される複数種の転写材のそれぞれの使用量情報に応じて変更する、ことを特徴とする。
【0037】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、汚染した前記帯電手段又は前記現像手段を前記使用量情報に応じて浄化するための動作モードであって、印字に必要な動作以外の、前記現像手段と帯電手段と転写手段のバイアス印加条件のうちの少なくとも1つを変更する動作モードを有する、ことを特徴とする。
【0038】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記使用量情報が、前記転写材の印字枚数又は印字量である、ことを特徴とする。
【0039】
請求項4に係る発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記使用量情報が、前記転写材の印字枚数と印字量の積で表現される耐久劣化状態を表す指標値である、ことを特徴とする。
【0040】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記指標値はあらかじめ設定した過去の一定枚数における値である、ことを特徴とする。
【0041】
請求項6に係る発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記使用量情報が、使用に供された複数種の転写材のそれぞれの印字量又は連続印字枚数、及び連続印字枚数の印字履歴に関する印字量情報である、ことを特徴とする。
【0042】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記印字量情報が、前記露光手段によって前記感光体を露光している時間又は露光していない時間のいずれか一方の時間をカウントしたカウント値情報である、ことを特徴とする。
【0043】
請求項8に係る発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記印字量情報が、前記露光手段に入力される画像信号によって印字されるドット数をカウントしたカウント値情報である、ことを特徴とする。
【0044】
請求項9に係る発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記印字量情報が、トナー消費量情報である、ことを特徴とする。
【0045】
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の画像形成装置において、前記現像手段が、現像剤残量検知手段を有し、前記現像剤残量検知手段によって前記トナー消費量情報を取得する、ことを特徴とする。
【0046】
請求項11に係る発明は、請求項2ないし10のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記バイアス印加条件が、前記転写手段に印加するバイアスのバイアス印加条件であって、前記転写手段に対して正規の極性とは逆のバイアスを印加することである、ことを特徴とする。
【0047】
請求項12に係る発明は、請求項11に記載の画像形成装置において、前記転写手段に対して正規の極性とは逆のバイアスを印加する際に、正規の極性とは逆の極性の電荷を帯びた現像剤を、前記転写材を担持搬送する転写材担持体又は前記中間転写体に転写させる、ことを特徴とする。
【0048】
請求項13に係る発明は、請求項11又は12に記載の画像形成装置において、動作モードとして、印字後において、前記転写手段に正規の極性とは逆のバイアスを印加する時間を設ける、ことを特徴とする。
【0049】
請求項14に係る発明は、請求項2ないし13のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記バイアス印加条件が、前記現像手段に印加するバイアスのバイアス印加条件である、ことを特徴とする。
【0050】
請求項15に係る発明は、請求項14に記載の画像形成装置において、前記動作モードとして、印字後において、前記現像手段に印加するバイアス印加条件を変更して前記現像手段に印加する時間を設ける、ことを特徴とする。
【0051】
請求項16に係る発明は、請求項2ないし15のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記バイアス印加条件が、前記帯電手段に印加するバイアスのバイアス印加条件である、ことを特徴とする。
【0052】
請求項17に係る発明は、請求項16に記載の画像形成装置において、前記動作モードとして、印字後において、前記帯電手段に印加するバイアス印加条件を変更して前記帯電手段に印加する時間を設ける、ことを特徴とする。
【0053】
請求項18に係る発明は、請求項1ないし17のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記帯電手段が、前記感光体表面に接触するように配置された導電性の接触帯電部材を有する、ことを特徴とする。
【0054】
請求項19に係る発明は、請求項18に記載の画像形成装置において、前記感光体は表面に電荷注入層を有し、前記感光体表面に前記接触帯電部材を接触させて帯電バイアスを印加することにより、前記感光体表面を帯電させる、ことを特徴とする。
【0055】
請求項20に係る発明は、請求項18又は19に記載の画像形成装置において、前記接触帯電部材が、磁性粒子と、前記磁性粒子を表面に担持して前記感光体に接触させる磁性粒子担持体とを有する、ことを特徴とする。
【0056】
請求項21に係る発明は、請求項18又は19に記載の画像形成装置において、前記接触帯電部材が、導電性繊維ブラシによって形成されている、ことを特徴とする。
【0057】
請求項22に係る発明は、請求項18又は19に記載の画像形成装置において、前記接触帯電部材が、導電性ゴムローラによって形成されている、ことを特徴とする。
【0058】
請求項23に係る発明は、請求項12ないし22のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記正規の極性とは逆の極性の電荷を帯びた現像剤は、前記接触帯電部材に付着又は混入した現像剤である、ことを特徴とする。
【0059】
請求項24に係る発明は、請求項12ないし23のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記正規の極性とは逆の極性の電荷を帯びた現像剤を、前記現像手段で回収する回収手段を有し、前記回収手段は、前記感光体表面の帯電電位と現像バイアスとの電位差を変化させる、ことを特徴とする。
【0060】
請求項25に係る発明は、請求項24に記載の画像形成装置において、前記回収手段は、前記電位差を大きくする、ことを特徴とする。
【0061】
請求項26に係る発明は、請求項18ないし25のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記接触帯電部材で回収した現像剤を前記接触帯電部材から前記感光体上に戻すために、前記接触帯電部材に対して画像形成時とは異なる現像剤戻しバイアスを印加する、ことを特徴とする。
【0062】
請求項27に係る発明は、請求項18ないし26のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記接触帯電部材に印加される帯電バイアスが、直流バイアス、又は直流バイアスに交流バイアスを重畳した重畳バイアスである、ことを特徴とする。
【0063】
請求項28に係る発明は、請求項27に記載の画像形成装置において、前記現像剤戻しバイアスは、現像バイアスに対して、交流バイアスの振幅を変化させる、ことを特徴とする。
【0064】
請求項29に係る発明は、請求項27に記載の画像形成装置において、前記現像剤戻しバイアスは、現像バイアスに対して、交流バイアスの波形を変化させる、ことを特徴とする。
【0065】
請求項30に係る発明は、請求項1ないし29のいずれか1項に記載の画像形成装置において、印字に供される転写材に応じてプロセススピードを変更する、ことを特徴とする。
【0066】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。
【0067】
<実施の形態1>
(1)画像形成装置全体の概要
本発明に係る画像形成装置は、帯電手段(後述の帯電装置2や補助帯電装置12)又は現像手段(後述の現像装置4)を使用量情報に応じて浄化するための動作モードであって、印字(画像形成)に必要な動作以外の、現像手段と帯電部材と転写手段のバイアス印加条件のうちの少なくとも1つを変更する動作モードを有することを特徴としている。
【0068】
図1に、本発明に係る画像形成装置の一例として、本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す。本実施の形態の画像形成装置は、電子写真方式、転写方式、電荷注入帯電方式、クリーナレス方式のレーザビームプリンタ(以下「画像形成装置」という。)である。
【0069】
同図に示す画像形成装置は、画像形成装置本体(不図示)の内側に、像担持体としてドラム型の感光体(以下「感光ドラム」という。)1を備えている。本実施の形態の感光ドラム1は負帯電性・電荷注入帯電性のOPC感光体(有機光導電性感光体)であり、軸(不図示)を中心に矢印a方向に150mm/secのプロセススピード(周速度)で回転駆動される。
【0070】
感光ドラム1の周囲には、その回転方向に沿ってほぼ順に、帯電装置(帯電手段)2、露光装置(露光手段)3、現像装置(現像手段)4、転写装置(転写手段)5、補助帯電装置(帯電手段)12が配設されている。
【0071】
また、転写材Pの搬送方向の上流側から順に、給紙カセット6、給紙ローラ7、搬送ローラ8、シートパス9,10、定着装置(定着手段)11が配設されている。
【0072】
帯電装置2は、感光ドラム1表面(外周面)を所定の極性・電位に一様に帯電処理する接触帯電装置である。本実施の形態では、磁気ブラシ帯電装置を使用している。回転中の感光ドラム1表面は、この磁気ブラシ帯電装置により、電荷注入帯電方式でほぼ−700Vに一様に帯電処理される。
【0073】
露光装置3は、画像情報露光手段としてのレーザビームスキャナである。この露光装置3は、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等(いずれも不図示)を有している。露光装置3は、CCD等の光電変換素子を有する原稿読み取り装置、コンピュータ、ワードプロセッサ等(いずれも不図示)のホスト装置から入力される信号(目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号)に対応して変調されたレーザ光Lを射出して、このレーザ光Lにより、帯電後の感光ドラム1表面を走査露光する。このレーザ光Lの走査露光により、感光ドラム1表面は、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0074】
現像装置4は、本実施の形態では、重合法で作製した、転写残トナーの少ない高離型性の球形トナーと、磁性キャリヤとを混合した現像剤による二成分接触現像方式の現像装置を用いている。そして、感光ドラム1表面の静電潜像をトナー像として反転現像している。
【0075】
転写装置5は、感光ドラム1の下方に配置されている。転写装置5は、本実施の形態では、転写ベルトタイプのものであり、無端状の転写ベルト5aと、駆動ローラ5bと、従動ローラ5cと、転写ブレード5dとを有している。転写ベルト5aは、例えば、膜厚75μmのポリイミドのベルトによって形成されていて、駆動ローラ5bと従動ローラ5cとの間に張設されている。感光ドラム1の矢印a方向の回転に対して、矢印d方向に回転する。転写ベルト5aの周速度は、感光ドラム1のそれとほぼ同じに設定されている。転写ブレード5dは、転写ベルト5aの内側に配設された導電性ブレードであり、転写ベルト5aの上行側ベルト部分を感光ドラム1の下部に当接させて転写部位としての転写ニップ部Tを形成している。
【0076】
給紙カセット6は、紙等の転写材Pを積載収納している。給紙ローラ7の駆動により給紙カセット6内の転写材Pが1枚ずつ分離給紙され、搬送ローラ8等を含むシートパス9を通って所定の制御タイミングにて転写ニップ部Tに給送される。
【0077】
転写ニップ部Tに給送された転写材Pは、感光ドラム1と転写ベルト5aの間を挟持搬送され、その間、転写ブレード5dに転写バイアス印加電源E5から所定の転写バイアスが印加されて、転写材Pの裏面からトナーと逆極性の帯電がなされる。これにより、転写ニップ部Tを通る転写材Pの表面側に、感光ドラム1上のトナー像が順次に静電転写されていく。なお転写ベルト5aに付着した不要なトナーや紙粉は、転写ベルトクリーニング装置5eによって除去されるようになっている。
【0078】
トナー像転写後の転写材Pは、感光ドラム1表面から順次に分離されてシートパス10を通って定着装置(例えば熱ローラ定着装置)11に搬送される。転写材Pは、ここで、加熱・加圧されて表面にトナー像が定着される。これにより、画像形成が完了する。
【0079】
図1に示す画像形成装置は、前述のように、クリーナレス方式を採用しており、転写ニップ部Tで転写材Pに転写されずに感光ドラム1表面に残ったトナー(転写残トナー)を除去する専用のクリーナは有していない。転写残トナーは、後述するように、引き続く感光ドラム1の回転で帯電装置2の位置に至り、感光ドラム1に接触している接触帯電部材としての磁気ブラシ部に一時的に回収され、その回収トナーが再び感光ドラム1表面に吐き出されて最終的に現像装置4によって回収される。転写残トナーが除去された感光ドラム1は繰り返して画像形成に供される。
【0080】
補助帯電装置12は、感光ドラム1の回転方向に沿っての転写装置5の下流側でかつ帯電装置2の上流側において、感光ドラム1表面に当接されている。補助帯電装置12は、本実施の形態では、導電性ブラシによって形成されている。補助帯電装置12には、ACバイアス、帯電と逆極性のDCバイアス、又はACバイアスを重畳した帯電と逆極性のDCバイアスを印加される。補助帯電装置12は、帯電装置2による帯電直前の感光ドラム表面電位をならすとともに、転写残トナーを除電又は感光ドラム1の帯電と逆極性に帯電して、帯電装置2の磁気ブラシ部での回収を容易にする。
【0081】
(2)現像装置
図2は、本実施の形態で使用した現像装置4の拡大縦断面である。静電潜像の現像方法としては、トナー粒子に対して磁性のキャリヤを混合した二成分現像剤を用いた。この現像剤を磁気力によって搬送し感光ドラム1に対して接触状態で現像する方法(二成分接触現像)を使用している。
【0082】
本実施の形態における現像装置4は、重合法で作製した高離型性球形非磁性トナーと磁性キャリヤ(現像用磁性粒子、現像キャリヤ)を混合したものを現像剤として用い、この現像剤を現像剤担持体に磁気力によって磁気ブラシ層とし保持させて現像部に搬送し感光ドラム1表面に接触させて静電潜像をトナー像として現像する二成分磁気ブラシ接触現像方式の反転現像装置である。
【0083】
図2に示す現像装置4は、現像容器4a、現像剤担持体としての現像スリーブ4b、この現像スリーブ4b内に固定配置された磁界発生手段としての磁石(マグネットローラ)4c、現像スリーブ4b表面に現像剤の薄層を形成するための現像剤層厚規制ブレード4d、現像剤攪拌搬送スクリュー4e、現像剤容器4a内に収容した二成分の現像剤4fを有している。上述のように、二成分の現像剤4fは、非磁性トナーtと現像キャリヤcとを混合したものである。なお、この現像剤4fには、適宜外添剤が加えられている。
【0084】
現像スリーブ4bは少なくとも現像時においては、感光ドラム1に対し最近接距離(隙間)が約500μmになるように配置されている。この現像スリーブ4bの外面に担持させた現像剤磁気ブラシ薄層4hが感光ドラム1表面に接触するように設定されている。この現像剤磁気ブラシ薄層4hと感光ドラム1との接触ニップ部mが現像領域(現像部)である。
【0085】
現像スリーブ4bは内部のマグネットローラ4cの外回りを矢印方向(反時計回り)に所定の回転速度で駆動される。これにより、現像容器4a内において現像スリーブ4bの外周面に、マグネットローラ4cの磁力により現像剤4fの磁気ブラシ(現像剤磁気ブラシ)が形成される。その現像剤磁気ブラシは、現像スリーブ4bの回転とともに搬送され、現像剤層厚規制ブレード4dにより層厚規制を受けて所定層厚の現像剤磁気ブラシ薄層4hとして現像容器4a外に持ち出されて現像部mへ搬送され、感光ドラム1表面に接触して、引き続く現像スリーブ4bの回転で再び現像容器4a内に戻し搬送される。
【0086】
現像スリーブ4bには現像バイアス印加電源E4により、DC成分とAC成分とが重畳された所定の現像バイアスが印加される。本実施の形態での現像特性は、感光ドラム1の帯電電位と現像バイアスのDC成分値の差が200V以下の場合には、かぶりが生じ、350V以上であると現像キャリヤcの感光ドラム1への付着が生じた。
【0087】
現像容器4a内の現像剤4f(t+c)のトナー濃度(現像キャリヤcとの混合割合)は、トナーが静電潜像の現像に消費されて逐次消費されていくので、逐次低下していく。現像容器4a内の現像剤4fのトナー濃度は、検知手段(不図示)により検知されて所定の許容下限濃度まで低下すると、トナー補給部4gから現像容器4a内の現像剤4fにトナーtの補給がなされて現像容器4a内の現像剤4fのトナー濃度を常に所定の許容範囲内に保つようにトナー補給制御される。
【0088】
(3)感光ドラム
本実施の形態の感光ドラム1は前述したように負帯電性・電荷注入性のドラム型のOPC感光体である。図3に、感光ドラム1の層構成を模式的に示す。なお、同図において下方が内側であり、上方が外側である。
【0089】
感光ドラム1は、直径30mmのアルミニウム製のドラム基体1a上に以下の第1層〜第5層の機能層を下から順に設けたものである。
【0090】
第1層:下引き層1bであり、アルミニウムのドラム基体1aの欠陥などをならすため、またレーザ露光の反射によるモアレの発生を防止するために設けられている厚さ約20μmの導電層である。
【0091】
第2層:正電荷注入防止層1cであり、アルミニウムのドラム基体1aから注入された正電荷が感光体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果たし、アミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって106Ω・cm程度に、抵抗調整された厚さ約1μmの中抵抗層である。
【0092】
第3層:電荷発生層1dであり、ジスアゾ系の顔料を樹脂に分散させた厚さ約0.3μmの層であり、レーザ露光を受けることによって正負の電荷対を発生する。
【0093】
第4層:電荷輸送層1eであり、ポリカーボネイト樹脂にヒドラゾンを分散させたものであり、P型半導体である。したがって、感光体表面に帯電された負電荷はこの層を移動することはできず、電荷発生層1dで発生した正電荷のみを感光体表面に輸送することができる。
【0094】
第5層:電荷注入層1fであり、バインダーとしての光硬化性のアクリル樹脂に光透過性の導電フィラーをドーピングして低抵抗化(導電化)した粒径0.03μmの酸化スズSnO2の超微粒子を樹脂に対して70重量パーセント分散させた材料の約3μmの塗工層である。この電荷注入層1fの電気抵抗値は、充分な帯電性を有し、かつ画像流れを起こさない条件である1×1010〜1×1014Ω・cmである必要がある。本実施の形態では、表面抵抗が1×1011Ω・cmの感光ドラム1を用いた。
【0095】
(4)磁気ブラシ帯電装置
図4は、磁気ブラシ帯電装置2の拡大縦断面を模式的に示す図である。本実施の形態の磁気ブラシ帯電装置2は、大きく分けて、接触帯電部材としての磁気ブラシ帯電器2A、この磁気ブラシ帯電器2Aと導電性の磁性粒子(帯電キャリヤ)2dを収容する容器(ハウジング)2B、磁気ブラシ帯電器2Aに帯電バイアスを印加する帯電バイアス印加電源E2等からなる。
【0096】
磁気ブラシ帯電器2Aは、本実施の形態のものはスリーブ回転タイプであり、マグネットロール(磁石)2aと、このマグネットロール2aに外嵌させた磁性粒子担持体としての非磁性ステンレス製のスリーブ(電極スリーブ、導電スリーブ、帯電スリーブなどと称される)2bと、このスリーブ2bの外周面にスリーブ内部のマグネットロール2aの磁気力で磁気拘束させて形成保持させた磁性粒子2dの磁気ブラシ部2cとからなる。
【0097】
マグネットロール2aは非回転の固定部材であり、スリーブ2bはこのマグネットロール12の外回りを矢印b方向に駆動系(不図示)により所定の周速度、本実施の形態では225mm/secの周速度で回転駆動される。また、スリーブ2bは感光ドラム1に対してスペーサコロなどの手段によって500μm程度の隙間を保たせて配設してある。容器2Bには、磁性ブラシ層厚規制ブレード2eが取り付けられている。この磁性ブラシ層厚規制ブレード2eは、非磁性ステンレス製のブレードであり、スリーブ2b表面とのギャップが900μmになるように配置されている。
【0098】
容器2B内の磁性粒子2dはその一部がスリーブ2b外周面にスリーブ内部のマグネットロール2aの磁気力で磁気拘束されて磁気ブラシ部2cとして保持される。磁気ブラシ部2cはスリーブ2bの回転駆動に伴い、スリーブ2bに伴ってスリーブ2bと同方向に回転する。このとき磁気ブラシ部2cの層厚は、磁性ブラシ層厚規制ブレード2eにより均一厚さに規制させる。磁気ブラシ部2cの規制後の層厚は、スリーブ2bと感光ドラム1との対向隙間部の間隔より大きくなるように設定されているので、磁気ブラシ部2cはスリーブ2bと感光ドラム1との対向部において感光ドラム1に対して所定幅の接触ニップ部を形成して接触する。この接触ニップ部が帯電ニップ部Nである。したがって、感光ドラム1は、帯電ニップ部Nにおいて磁気ブラシ帯電器2Aのスリーブ2bの回転に伴って回転する磁気ブラシ部2cで摺擦される。この場合、帯電ニップ部Nにおいて感光ドラム1の移動方向と磁気ブラシ部2cの移動方向は逆方向となり、相対移動速度は速くなる。
【0099】
スリーブ2bと磁気ブラシ層厚規制ブレード2eには帯電バイアス印加電源E2から所定の帯電バイアスが印加される。感光ドラム1が回転駆動され、磁気ブラシ帯電器2Aのスリーブ2bが回転駆動され、帯電バイアス印加電源E2から所定の帯電バイアスが印加されることで、感光ドラム1表面が、本実施の形態の場合は注入帯電方式で所定の極性・電位に一様に接触帯電処理される。
【0100】
スリーブ2b内に固定配置されているマグネットロール2aは、スリーブ2bと感光ドラム1の最近接位置cとの角度θを感光ドラム回転方向上流側20°から下流側10°の範囲に入るようにすることが望ましく、上流側15°〜0°であればさらによい。それより下流だと主極位置に磁性粒子2dが引き付けられ、帯電ニップ部Nの感光ドラム回転方向下流側に磁性粒子2dの滞留が発生しやすくなる。これに対して、上流すぎると、帯電ニップ部Nを通過した磁性粒子2dの搬送性が悪くなり、滞留が発生しやすくなる。また、帯電ニップ部Nに磁極がない場合は、磁性粒子2dに作用するスリーブ2bへの拘束力が弱くなり、磁性粒子2dが感光ドラム1に付着しやすくなるのは明らかである。ここで述べている帯電ニップ部Nは、帯電時に磁性ブラシ部2cの磁性粒子2dが感光ドラム1と接触している領域を示す。本実施の形態では、上流側10°の位置に約900Gの磁極を配置した。
【0101】
磁気ブラシ部2cを構成する磁性粒子2dは、本実施の形態では、焼結した強磁性体(フェライト)を還元処理をしたものを用いたが、他に樹脂と強磁性体粉を混練して粒子状に成形したもの、又はこれに抵抗値調節のために導電性カーボン等を混ぜたものや、表面処理を行ったものも同様に用いることができる。磁気ブラシ部の磁性粒子2dは、感光ドラム1表面のトラップ準位に電荷を良好に注入する役割と、感光ドラム1上に生じたピンホールなどの欠陥に帯電電流が集中してしまうことに起因して生じる帯電部材及び感光体の通電破壊を防止する役割を兼ね備えていなければならない。したがって、磁気ブラシ帯電器2Aの電気抵抗値は、1×104Ω〜1×109Ωであることが好ましく、特には1×104〜1×107Ωであることが好ましい。磁気ブラシ帯電器2Aの電気抵抗値が1×104Ω未満ではピンホールリークが生じやすくなる傾向があり、逆に1×109Ωを超えると良好な電荷の注入がしにくくなる傾向にある。また、抵抗値を上述の範囲内に制御するためには、磁性粒子2dの体積抵抗値は1×104〜1×109Ω・cmであることが望ましく、特には1×104〜1×107Ω・cmであることがより好ましい。
【0102】
本実施の形態で用いた磁気ブラシ帯電器2Aの電気抵抗値は、1×106Ω・cmであり、帯電バイアスのDC成分として−700Vを印加することで、感光ドラム1の表面電位も、−700Vとなった。
【0103】
磁性粒子2dの体積抵抗値は、図5に略図を示す測定装置によって測定した。すなわち、セルAに磁性体粒子2dを充填し、この充填磁性粒子2dに接するように主電極17及び上部電極18を配し、これら電極17,18間に定電圧電源22から電圧を印加し、そのとき流れる電流を電流計20で測定することにより求めた。同図中の符号19は絶縁物、21は電圧計、24はガイドリングを示す。その測定条件は、温度23℃、湿度65%の環境において、充填された磁性粒子2dのセルAとの接触面積S=2cm2、厚みd=1mm、上部電極18の荷重10kg、印加電圧100Vである。
【0104】
磁性粒子2dの平均粒径及び粒度分布測定におけるピークは5〜100μmの範囲にあることが、粒子表面の汚染による帯電劣化防止、及び磁性粒子2dの感光ドラム1表面への付着防止の観点から好ましい。磁性粒子2dの平均粒径は、水平方向最大弦長で示し、測定法は顕微鏡法により磁性粒子300個以上をランダムに選び、その径を実測して算術平均をとる。
【0105】
帯電バイアスは、帯電バイアス印加電源E2によってスリーブ2bと規制ブレード2eに印加される。本実施の形態ではDC成分にAC成分が重畳されているバイアス(重畳バイアス)を用いている。
【0106】
帯電ニップ部Nにおける、磁気ブラシ帯電器2Aの磁気ブラシ部2cによる感光ドラム1表面の摺擦と、磁気ブラシ帯電器2Aへの帯電バイアスの印加により、磁気ブラシ部2cを構成している帯電用の磁性粒子2dから電荷が感光ドラム1上に与えられ、感光ドラム1表面が所定の極性・電位に一様に接触帯電される。本実施の形態の場合は前述したように、感光ドラム1はその表面に電荷注入層を有しているので、電荷注入帯電により感光ドラム1の帯電処理がなされる。すなわち、感光ドラム1表面が帯電バイアス(DC+AC)のDC成分に対応した電位に帯電される。スリーブ2bは回転速度が速いほど帯電均一性が良好になる傾向にある。
【0107】
磁気ブラシ帯電器2Aによる感光ドラム1の電荷注入帯電は、図6の等価回路に示すような、抵抗RとコンデンサCの直列回路とみなすことができる。このような回路の場合、抵抗値をr、感光体の静電容量をCp、印加電圧をV0、帯電時間(感光ドラム表面のある点が帯電ニップ部Nを通過する時間)をT0とすると、感光ドラムの表面電位Vdは次式(1)で表わされる。
【0108】
Vd=V0(1−exp(T0/(Cp・r)))……(1)
帯電バイアス(DC+AC)において、DC成分は必要とされる感光ドラム1の表面電位と同値、本実施の形態では−700Vとした。
【0109】
画像形成時(作像時)におけるAC成分は、そのピーク間電圧Vppが小さい場合、帯電均一性、電位収束性の効果が薄く、逆に大きすぎる場合では、磁性粒子2dの滞留や感光ドラム1への付着レベルが悪化する。またそのピーク間電圧Vppの上下限は、通紙耐久継続時には、転写残トナーの混入量や、磁性粒子2dの劣化状態、あるいは外部の環境次第で変化する。すなわち、トナー混入量が多い場合や、長期にわたる通紙耐久により磁性粒子2dにトナーや外添剤が付着して劣化した場合、外部環境が低湿度である場合などには、磁性粒子2dの抵抗値が上昇しているため、適正な帯電を行うためにはVppを大きくし、電流量を増やすことが必要となる。しかしながら、Vppを大きくした場合の弊害として考えられる磁性粒子2dの感光ドラム1への付着レベルは逆に抵抗値が大きいほど減少する傾向にある。これは磁性粒子2dに注入される電荷量が大きいほど、帯電バイアスと感光ドラム1との電位差の影響を受けやすく、より付着されやすくなるためである。したがって、逆に抵抗値が低い場合は磁性粒子2dの付着は増加する傾向にあるが、その分、Vppを小さめに設定しても帯電には十分な電流量が得られる。
【0110】
周波数は100Hz以上5000Hz以下、特に500Hz以上2000Hz以下が好ましい。それ以下では、磁性粒子2dの感光ドラム1への付着悪化や、帯電均一性、電位の立ち上がり性向上の効果が薄くなり、それ以上でも帯電均一性、電位の立ち上がり性向上の効果が得られにくくなる。ACの波形は、矩形波、三角波、sin波などがよい。
【0111】
(5)補助帯電装置
一般に、トナー像転写後の感光ドラム表面に残留する転写残トナーは、前画像をそのまま残した形で存在するため、そのまま帯電装置2を通過した場合、前画像部分のみ帯電電位が低下したり、次の画像形成のための露光を遮断したりする。このため、そのままの形で次の現像工程に影響を及ぼして、次の画像上で前画像部分が薄くなったり濃く現われたりといった現象、いわゆるゴースト現象が発生する。
【0112】
そこで、感光ドラムの回転に伴い帯電領域に到達した転写残トナーを接触帯電部材に取り込み、前画像の履歴を消してしまうことが必要となる。このとき、直流電圧を接触帯電部材に印加するのみでは接触帯電部材へのトナーの取り込みは十分に行われないが、交番電圧を接触帯電部材に印加すると感光ドラム−接触帯電部材間の電界による振動効果によって、比較的、接触帯電部材へのトナーの取り込みが行われやすい。
【0113】
しかしながら、帯電領域に到達した転写残トナーの帯電量によっては、接触帯電部材への転写残トナーの取り込みが非常に困難な場合が生じる。つまり転写残トナーが帯電しているため、接触帯電部材と感光ドラムとの間の電位差や、トナーと感光ドラムとの間の付着力により取り込み性が悪くなる場合がある。
【0114】
すなわち接触帯電部材に対する印加電圧に対し、例えば磁気ブラシ帯電器2Aの場合、磁気ブラシ部2cと感光ドラム1との接触部にも数mmの幅があり接触部通過初期には電荷注入が不十分であるため、そこに磁気ブラシ帯電器2Aと感光ドラム1との間の電位差が生じている。仮に磁気ブラシ帯電器2AのVdcを−700Vと設定した場合、接触部通過初期の感光ドラム1の表面電位はいわゆる転写通過後電位であり、各種設定条件によって異なるが、前画像の露光部が−350V程度であるとすると、この場合、露光部は350Vの電位差が生じている。一般に転写残トナーの保持電荷は正負ともに存在するが、正帯電トナーはマイナス側の磁気ブラシ帯電器2A方向へ取り込まれやすく、負帯電トナーは取り込まれにくくなる。また、転写残トナーの帯電量が極端に大きい場合や小粒径の場合、感光ドラム1との付着力が強く、感光ドラム1上に残ってしまう。したがって、本来、負帯電性のトナーではあるが転写残トナーは正帯電されていることが望ましい。ただし、正帯電されていなくても、帯電量の絶対値が十分小さければ、磁気ブラシ部2cによって機械的にかきとられる効果は期待できる。
【0115】
実際、転写残トナーは、転写ニップ部T通過時の剥離放電等により、帯電極性が反転してしまうことも多いが、転写効率が同じであっても転写電流によって転写残トナーの帯電量分布は大きく異なり、各種設定条件次第で負帯電トナーの比率が多い場合がある。また長期にわたり使用すると現像剤自体、外添剤の遊離や埋め込みにより転写効率が低下してくることがあるため、負帯電のまま感光ドラム1上に残るトナー比率も増えてくる。このため、転写電流を強めたり、転写残トナーを反対極性に帯電させる手段を持ったりすることが好ましい。
【0116】
そこで、感光ドラム1の回転方向に沿っての転写装置5の下流側でかつ磁気ブラシ帯電器2Aの上流側に、補助帯電装置12を配設した。この補助帯電装置12は、補助帯電部材としての帯電ブラシ(導電性繊維ブラシ)12aと、これに電圧を印加する補助帯電バイアス印加電源E6とを有している。帯電ブラシ12aは、導電性繊維のレーヨンを、毛足の長さが6mmとなるように形成したものであり、感光ドラム1表面に当接配置されている。この帯電ブラシ12aには、上述の補助帯電バイアス印加電源E6によって、帯電極性とは逆のプラス500Vの直流電圧を印加した。この帯電ブラシ12aは、プラスのバイアスが印加されていることにより、負極性の転写残トナーは一時的にこの帯電ブラシ12a内に捕獲され、除電された後、再び感光ドラム1上へ送りだされる。この際、ブラシ表面にトナーが蓄積してくると、転写残トナーの保持量の限界に達し、除電されたトナーから次々と感光ドラム1上へと戻される。したがって、磁気ブラシ帯電器2Aと感光ドラム1との接触部である帯電ニップ部Nに侵入するトナーは、帯電極性と逆極性のもの、若しくは除電されて帯電量の低いものに限られ、磁気ブラシ帯電器2Aにほぼ回収されることになる。この時点で前画像の履歴は失われ、ゴーストが発生する直接的要因が除去される。なお、帯電ブラシ12に代えて、導電性のゴムローラを使用することもできる。
【0117】
(6)転写残トナーの磁気ブラシ帯電器からの吐き出し等
本実施の形態の画像形成装置は、クリーナレス方式であるから、転写材Pに対するトナー像転写後に感光ドラム1表面に残留したトナー(転写残トナー)は、感光ドラム1の帯電ニップ部Nに持ち運ばれて磁気ブラシ帯電器2Aの磁気ブラシ部2cに混入して一時的に回収される。感光ドラム1上の転写残トナーは転写時の剥離放電などにより、極性が正のものと負のものが混在していることが多い。この極性が混在した転写残トナーが磁気ブラシ帯電器2Aに至って磁気ブラシ部2c内に混入して一時的に回収される。この転写残トナーの磁気ブラシ部2cへの取り込みは、磁気ブラシ帯電器2AにAC成分を印加することで、磁気ブラシ帯電器2Aと感光ドラム1との間の振動電界効果によってより効果的に行わせることができる。
【0118】
そして、磁気ブラシ部2c内に取り込まれた転写残トナーは極性が理想的には負に帯電されて感光ドラム1上に吐き出される。極性が揃えられて感光ドラム1上に吐き出された転写残トナーは現像部mに至って現像装置4の現像現像スリーブ4bにより現像時のかぶり取り電界によって現像同時クリーニングで回収される。この転写残トナーの現像同時回収は、回転方向の画像領域が、感光ドラム1の周長よりも長い場合には、その他の帯電、露光、現像、転写といった画像形成工程と同時進行で行われる。これにより転写残トナーは現像装置4内に回収されて次工程以後も用いられるため、廃トナーをなくすことができる。
【0119】
現像剤のトナーtとして重合法で作製した高離型性球形トナーを用いることで、転写残トナーの発生量を少なくすることができ、また、磁気ブラシ帯電器2Aから吐き出されたトナーの現像装置4への回収性を向上させることができる。二成分接触現像方式の現像装置4を用いることでも磁気ブラシ帯電器2Aから吐き出されたトナーの現像装置4への回収性を向上させている。ここで、通常、トナーは電気抵抗が比較的高いので、磁気ブラシ帯電器2Aの磁気ブラシ部2cにそのようなトナー粒子が混入することは磁気ブラシ部2cの電気抵抗を上昇させて帯電能を低下させる原因となり、混入トナー量が比較的多い場合は、非画像形成時に大量のトナーを吐き出させることで、良好な帯電を維持することができる。
【0120】
ここで、上述の磁気ブラシ帯電器2Aからのトナーの吐き出し回収を積極的に行うことで、磁気ブラシ帯電器2Aの寿命をより延ばすことが可能である。以下にその詳細を述べる。
【0121】
(A)正規極性の吐き出し回収
ここでトナー吐き出しについてまず、反転トナーの影響を考慮しない場合の従来の構成を簡単に説明する。
【0122】
磁気ブラシ部2cにトナーが混入した場合、それの電気抵抗は次第に大きくなっていくため、帯電ニップ部N通過中に充分な電荷の移動が行われず、帯電ニップ部N通過後の感光ドラム1の表面電位は印加電圧より小さくなってしまう。以下、感光ドラム1表面電位と印加電圧との電位差をΔVとする。磁気ブラシ帯電器2Aに取り込まれたトナーが導電性の磁性粒子(帯電キャリヤ)2dとの接触により、感光ドラム1表面電位と同極の電荷を付与されている場合、電位差ΔVによって発生する電界により混入トナーは磁気ブラシ部2c中から感光ドラム1表面に吐き出される。特開平9−96949号公報などに開示されるように、この現象を利用した、非画像形成時(非作像時)に帯電バイアスのAC成分(交流成分)の振幅Vppを減少させたり、AC成分の印加を停止させることで電位差ΔVを大きくし、積極的にトナーを吐き出させて磁気ブラシ帯電器2Aの電気抵抗上昇を抑えている。
【0123】
上述の非画像形成時の吐き出しとしては、紙間(先行する転写材Pの後端とこれに後続する転写材Pの先端との間)や画像形成終了後の後回転などで行うことで、長期の使用において磁気ブラシ部2c中の混入トナー量を一定以下に保つことが可能となる。また、印字枚数(画像形成枚数,耐久枚数,通紙枚数)や、印字量による制御が提案されている。
【0124】
しかしながら、これらの効果も印字枚数がさらに多くなると、磁気ブラシ帯電器2Aの磁性粒子2dは、現像剤に含まれる外添剤等の付着により抵抗値が上昇し、帯電不良の原因となるとともに、混入してくるトナーも前述のように、必ずしも理想的に正規極性の帯電状態に維持制御しきれない。特に転写材Pとして厚紙を用いた場合には反転トナーの影響が顕著であり、比較的早い段階から画像不良の原因となった。したがって、あらゆる転写材Pに対応してより長期にわたり安定して高画質を維持し、寿命を延ばすためにはさらなる改良が必要である。本発明は、厚紙やOHT(オーバヘッドトランスペアレンシー)シート等、より反転トナーの発生しやすい転写材Pが規則性無く無作為に使用された場合、上述の制御では良好な画像が維持できない、といった点を改善するものである。
【0125】
(B)反転トナーの吐き出し回収
次に、反転トナーについての吐き出し回収について説明する。
【0126】
感光ドラム1上に存在する、極性をもたないトナーや反転トナーは、通常、転写バイアスや現像バイアスの作用により除去される機会が少ないため、磁気ブラシ帯電器2Aの磁気ブラシ部2c内部に蓄積されることが多い。磁気ブラシ帯電器2Aから感光ドラム1上に吐き出されるトナーは、この反転トナーと正規極性トナーが共に存在する。正規極性トナーは、非画像領域においては現像部mで回収されるため、画像に影響を与えることは少なく、また非画像形成時の吐き出しバイアスにより常に処理されている。
【0127】
一方、反転トナーが画像形成時に吐き出された場合には、現像部mで回収されないため、厚紙やコート紙ではかぶりが発生してしまう。これは、極微量の反転トナーが存在するだけでも発生してしまうことがわかった。このため、厚紙やコート紙を使用する場合においては、反転トナーについても処理する機構を設ける必要がある。厚紙使用がごく稀である場合は、画像形成時に反転トナーが吐き出されないようなバイアス設定も可能ではある。しかし、厚紙が頻繁に使用される場合は磁気ブラシ帯電器2A内に蓄積された反転トナーを積極的に処理する機構が必要となる。反転トナーはバイアスの設定に対し、正規トナーとは正反対の挙動を示すため、上述の正規トナーの処理のためのバイアス設定とは両立できず、したがって磁気ブラシ帯電器2A内に混入している反転トナーを処理するタイミングを別途設けなくてはならない。
【0128】
反転トナーを磁気ブラシ帯電器2A内から吐き出す方法としては、現像剤戻しバイアスを利用する。この現像剤戻しバイアスは、前述の電位差ΔVについて正規極性トナーと逆の方向へバイアスを変更することで達成される。例えば、ΔVを小さくするため、帯電バイアスのAC振幅を大きくする、又は帯電電位を印加バイアスのDC電圧に対してむしろ高くしてΔVを負にするため、前述の帯電ブラシ12aに、正規極性のバイアスで、帯電バイアスよりも高いDCバイアスを印加する方法等が考えられる。
【0129】
また、吐き出された反転トナーを回収する方法(回収手段)としては、現像装置4に印加するDCバイアスと帯電電位の差を大きくすることで、より反転トナーを電界的に現像スリーブ4b側へ取り込む方法や、転写に通常と逆のバイアスを印加して転写ベルト、中間転写体等に転写させ、それらに備えられたクリーニング部材によって回収する方法などが考えられる。
【0130】
(7)吐き出し回収制御
次に、正規トナー、反転トナーの吐き出しタイミングについて詳細を説明する。図9中a,bは、従来構成において、60gのキヤノン製コピー用紙及び坪量160g/m2の厚紙を1枚間欠モードで、5%の画像比率原稿をもとに、10000枚通紙した場合において、坪量160g/m2の厚紙の枚数比率に対する、10000枚時点での坪量160g/m2の厚紙上の反転トナーかぶりを示している(図中a)。厚紙比率が高くなればなるほど反転かぶりが増加していくことがわかる。図中bは、10000枚時点における普通紙上のかぶり反射率であり、反転トナーはほとんど転写されないことから、正規極性のかぶりを示している。
【0131】
このときの動作シーケンスは以下の通りである。
【0132】
前多回転工程P1:画像形成装置の始動動作期間(起動動作期間、ウォーミング期間)である。メイン電源スイッチのオンにより、画像形成装置のメインモータを駆動させて感光ドラム1を回転駆動させ、所定のプロセス機器の準備動作を実行させる。
【0133】
前回転工程P2:プリント前動作を実行させる期間である。この前回転工程は。上述の前多回転工程P1中にプリント信号が入力されたときには前多回転工程P1に引き続いて実行される。プリント信号の入力がないときには前多回転工程P1の終了後にメインモータの駆動が一旦停止されて感光ドラム1の回転駆動が停止され、画像形成装置はプリント信号が入力されるまでスタンバイ(待機)状態に保たれる。プリント信号が入力されると、前回転工程P2が実行される。
【0134】
印字工程P3:所定の前回転工程P2が終了すると、引き続いて感光ドラム1に対する画像形成プロセスが実行され、感光ドラム1表面に形成されたトナー像の転写材Pへの転写、定着手段によるトナー像の定着処理がなされて画像形成物がプリントアウトされる。連続印字(連続プリント)モードの場合は上述の印字工程P3が所定の設定プリント枚数分繰り返して実行される。このとき帯電バイアスのAC成分の振幅は600Vである。
【0135】
紙間工程P4:連続印字モードにおいて先行する転写材Pの後端が転写ニップ部Tを通過した後、次の(後続の)転写材Pの先端が転写ニップ部Tに到達するまでの間の、転写ニップ部Tにおける転写材Pの非通紙状態期間である。この期間に転写ニップ部Tを通過する感光ドラム1表面の領域がその前に帯電ニップ部Nを通過する間は、帯電バイアスのAC成分の振幅を400Vに変更し、磁気ブラシ帯電器2Aで一時的に回収した転写残トナーを感光ドラム1表面に吐き出し、現像装置4で回収する。
【0136】
後回転工程P5:最後の転写材Pの印字工程が終了した後もしばらくの間メインモータの駆動を継続させて感光ドラム1を回転駆動させ、所定の後動作を実行させる期間である。この期間においても紙間工程と同様に帯電バイアスのAC成分の振幅を400Vに変更することで、磁気ブラシ帯電器2Aで一時的に回収した転写残トナーを感光ドラム1表面に吐き出させ、現像装置4で回収する。
【0137】
スタンバイP6:所定の後回転工程P5が終了すると、メインモータの駆動が停止され、感光ドラム1の回転駆動が停止され、画像形成装置は、次のプリントスタート信号が入力するまでスタンバイ状態P6に保たれる。
【0138】
ちなみに1枚だけのプリントを繰り返す場合は、そのプリント終了後、プリンタは後回転工程P5を経てスタンバイP6状態になる。スタンバイP6状態においてプリントスタート信号が入力されると、画像形成装置は前回転工程P2に移行する。
【0139】
上述の印字工程P3時が画像形成時であり、前多回転工程P1、前回転工程P2、紙間工程P4、後回転工程P5が非画像形成時(非作像時)になる。
【0140】
また、この従来例の場合、印字枚数が500枚に達するごとに60秒、後回転工程P5を延長することにより磁気ブラシ帯電器2Aからの正規極性トナー吐き出し量を増量し、磁気ブラシ帯電器2Aの劣化を防止している。
【0141】
ここで、画像形成時、非画像形成時に帯電装置2に印加する帯電バイアスの特性について述べる。DC電界のみを帯電装置2に印加した場合、帯電装置2内に混入したトナーの感光ドラム1への吐き出し性は向上し、キャリヤを劣化させず長時間維持するが、AC電界を印加した場合に比べわずかのキャリヤ劣化に対しても帯電性は落ちる。例えば帯電電位目標700Vに対し、初期には700V印加しても、690V程度にしか感光ドラム1上を帯電することができない。磁気ブラシ帯電器2Aが耐久劣化してくるとさらに電位が低下し、AC電界を印加した場合との差が次第に広がってゆく。したがって現像バイアスのDC値に対して必要な逆電位が維持されず、かぶってしまうことになる。
【0142】
また、初期の設定電位に対し、電位低下が或る値を超えると露光部電位の変動により、出力画像の初期に対する濃度変化が許容レベルを超えてしまうことになる。通常かぶりだす電位低下レベルよりも、一定の濃度変化を引き起こす電位低下のレベルの方が条件としては厳しい。つまり、かぶらないまでも、帯電電位低下により現像コントラストが変化して出力画像の濃度及び色見が許容レベルを超えてしまうことがある。また特にべた画像のような画像比率の高い画像が連続で出力された場合、一時的に磁気ブラシ帯電器2A中のトナー濃度が上がって帯電能力が低下し、画像部ではゴーストが発生したり必要な逆電位が維持されなくなるような事態も考えられるため、少なくとも転写材Pが通過する通紙部はACバイアスを適正な振幅で印加し続けることが望ましい。
【0143】
通常環境においては、帯電バイアスの振幅を画像形成時は600V、非画像形成時は400Vと設定した。
【0144】
以上のような従来構成においては、前述したように、厚紙を通紙すればするほど反転トナーが増加し、かぶりが許容範囲を超えてしまう。
【0145】
そこで本実施の形態では、換算された厚紙枚数が、500枚に達するたびに、20秒の反転かぶり吐き出し回収の高圧設定がなされた状態を、後回転工程P5として付加した。
【0146】
より具体的には、図8にしめすように、画像形成装置本体50に設けられた記憶手段58に、カウンタ53によって記憶される使用転写材のカテゴリーごとの印字枚数情報が、換算手段54を介してCPU55により所定の値(ここでは厚紙500枚)と比較され、所定の値を超えるとそれに応じてバイアス制御手段57により各種バイアス値や印加時間を変化させ、帯電電位の安定と、磁気ブラシ帯電器2A内混入トナーの吐き出し回収を行うものである。
【0147】
使用転写材のカテゴリーとしては、反転かぶりの発生度合いに応じて設定すればよく、ここでは、坪量105g/m2以下の紙とそれ以上の紙の2種類及びOHTシートの合わせて3つのカテゴリーで設定している。これらは、あらかじめ本体操作部において選択され、定着性の観点からプロセススピードがそれぞれ150mm/sec、75mm/sec、40mm/secとなる。このとき本体操作部で入力された情報を元に、記憶手段58に記憶されるそれぞれの印字枚数(使用枚数)が識別される。
【0148】
このとき制御される高圧条件は、帯電バイアスのAC振幅は700V、転写バイアスを通常と逆極性の−2μAとし、反転トナーを転写ベルト5a上に回収している。
【0149】
図9中cは、そのときの10000枚時点での厚紙上の反転かぶりを示している。反転トナーを適宜吐き出すことにより、反転かぶりを抑えられることがわかる。
【0150】
<実施の形態2>
図10は、従来構成において、坪量60g/m2のキヤノン製コピー用紙及び坪量160g/m2の厚紙をそれぞれ1枚間欠モードで合わせて10000枚通紙した場合において、坪量160g/m2の厚紙の枚数比率に対する、10000枚時点での坪量160g/m2の厚紙上の反転トナーかぶりを、通紙した画像比率ごとに示している。aは画像比率5%、bは画像比率10%、cは画像比率20%である。画像比率が高くなればなるほど反転かぶりが増加していくことがわかる。したがって、実施の形態1のような制御の場合、画像比率が高い画像を含むとかぶりが増加してしまうため、画像比率に見合った制御を行う必要が生じる。
【0151】
そこで本実施の形態においては、通算の総印字量に従って反転トナー吐き出しタイミングを設けることとした。つまり本実施の形態の特徴は、使用量情報として、印字が行われた量に対応する情報(印字量情報)を使用する。この印字量情報は、コントローラ40内で画像展開部41により画像展開されたドット数を直接カウントして、そのカウント値をカウント値情報として画像メモリ42に記憶させることにある。
【0152】
印字ドット数をカウントする場合、レーザ点灯時間のデューティーを変化させて、画像信号の多値化を行う場合の対応はとれないが、画像信号と、画像クロック発生手段44からの画像クロック信号とにより、印字されるドット数をそのままカウントすればよい。
【0153】
図8において、コントローラ40内に設けられたドットカウンタ30は、画像データ出力部43から出力されるシリアルの画像信号と画像クロックとから画像として記録するドットの数を計測するカウンタである。ここで計測された各転写材Pにおける印字ドット数のカウント値は記憶手段58に加算して順次書き込まれる。記憶手段58に書き込まれたドット数のカウント値G及び印字枚数値F、厚紙印字枚数H、普通紙印字枚数Iは順次換算手段54、CPU55に送られ、xF×Gの耐久指数値(耐久劣化状態を表す指標値)が設定値記憶手段56に記憶された所定の値を超えた次の画像形成における後回転に、反転トナー吐き出し用の高圧設定での動作を20秒間加えることとしている。そして、耐久紙数値が閾値に達し、吐き出しモード動作が行われた時に耐久紙数値はリセットされ、再び換算を開始する。ここでxは、(1.5×H+I)/Fであり、厚紙通紙の方が反転トナーが蓄積しやすいことを反映させているため、厚紙比率が高いほど、設定した閾値に早く到達するため、吐き出しの回数が増えることになる。また、閾値として、画像ドット比率100%の画像にして25枚相当の印字量を設定した。したがって、普通紙100%画像では25枚に1度、5%画像では500枚に1度の反転トナー吐き出しモードが後回転に付加される。なお、同図中の符号51は変調器、52はレーザを示す。
【0154】
図11は、上述の設定において、画像比率一定で10000枚通紙した場合の、10000枚時点での坪量160g/m2の厚紙上の反転トナーかぶりを、通紙した画像の画像比率ごとに示している。画像比率が高いものは、それだけ反転トナー吐き出し時間が加えられるため、反転トナーの蓄積が抑えられ、また、厚紙比率が高い場合は反転トナー蓄積が早い分やはり反転トナー吐き出しモード動作の頻度を高めているため、結果として10000枚時点での反転かぶりはどの画像比率の通紙においてもそれほど、また厚紙通紙の比率で変らないことになる。
【0155】
なお、上述の印字情報としては、上述以外に、例えば、露光装置3によって感光ドラム1を露光している時間、又は露光していない時間のいずれか一方の時間をカウントしたカウント値情報を使用することもできる。
【0156】
また、印字量情報として、トナーの消費量を使用することもできる。現像装置4に、現像剤残量検知手段(不図示)を設け、この検知手段の出力からトナーの消費量を逆算するように知ればよい。
【0157】
以上の説明では、画像形成装置として、感光ドラム1上のトナー像を、転写ベルト5a上に担持された転写材Pに転写する方式のものついて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、感光ドラム1上に形成したトナー像を、中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写体に転写する方式の画像形成装置についても適用することができる。
【0158】
なお、以上の説明では、帯電手段として、磁気ブラシ注入帯電装置を使用した場合を礼に説明したが、その他の各種帯電装置にも適用でき、また変更するバイアス印加条件としては、DC成分や、周波数、波形などがあり、また反転トナー、正規トナーそれぞれの吐き出し回収タイミングについては、適宜に設定することが可能である。
【0159】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、現像手段がクリーニング手段を兼ねる画像形成装置において、帯電手段と現像手段と転写手段とにそれぞれ印加するバイアスのうちの少なくとも1つのバイアスについて、バイアス印加条件を、印字に供される複数種の転写材のそれぞれの使用量情報に応じて変更することにより、使用する転写材の種別にかかわらず、正規極性トナーと反転トナーとを過不足無く処理し、良質な画像をより長期にわたって維持し、寿命を大幅に伸ばすことができる。特に厚紙、コート紙等に特有の反転トナーや極性を持たないトナーによるかぶりが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1,2の画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図2】実施の形態1,2の現像装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図3】実施の形態1,2の感光ドラムの層構成を模式的に示す縦断面図である。
【図4】実施の形態1,2の帯電装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図5】磁性粒子(帯電キャリヤ)の電気抵抗値(体積抵抗値)の測定を説明する図である。
【図6】実施の形態1,2の帯電回路の等価回路を示す図である。
【図7】印字(画像形成)シーケンスを説明する図である。
【図8】実施の形態2における、印字量情報(使用量情報)を示すブロック図である。
【図9】従来例、及び実施の形態1における、通紙耐久後の紙上かぶり反射率を示す図である。
【図10】従来例における、通紙耐久後の紙上かぶり反射率を示す図である。
【図11】実施の形態2における、通紙耐久後の紙上かぶり反射率を示す図である。
【符号の説明】
1 感光体(感光ドラム)
1f 電荷注入層
2 帯電手段(帯電装置)
2A 接触帯電部材(磁気ブラシ帯電器)
2b スリーブ(磁性粒子担持体)
2c 磁気ブラシ部
2d 磁性粒子
3 露光手段(露光装置)
4 現像手段(現像装置)
5 転写手段(転写装置)
12 帯電手段(補助帯電装置)
12a 導電性繊維ブラシ(帯電ブラシ)
P 転写材
Claims (30)
- 感光体と、前記感光体表面を帯電する帯電手段と、前記感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する現像手段と、前記トナー像を転写材又は中間転写体に転写する転写手段と、を備え、トナー像転写後に前記感光体表面に残ったトナーを除去するクリーニング手段を前記現像手段が兼ねる画像形成装置において、
前記帯電手段と前記現像手段と前記転写手段とにそれぞれ印加するバイアスのうちの少なくとも1つのバイアスについて、バイアス印加条件を、印字に供される複数種の転写材のそれぞれの使用量情報に応じて変更する、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 汚染した前記帯電手段又は前記現像手段を前記使用量情報に応じて浄化するための動作モードであって、印字に必要な動作以外の、前記現像手段と帯電手段と転写手段のバイアス印加条件のうちの少なくとも1つを変更する動作モードを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記使用量情報が、前記転写材の印字枚数又は印字量である、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記使用量情報が、前記転写材の印字枚数と印字量の積で表現される耐久劣化状態を表す指標値である、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記指標値はあらかじめ設定した過去の一定枚数における値である、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。 - 前記使用量情報が、使用に供された複数種の転写材のそれぞれの印字量又は連続印字枚数、及び連続印字枚数の印字履歴に関する印字量情報である、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記印字量情報が、前記露光手段によって前記感光体を露光している時間又は露光していない時間のいずれか一方の時間をカウントしたカウント値情報である、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。 - 前記印字量情報が、前記露光手段に入力される画像信号によって印字されるドット数をカウントしたカウント値情報である、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。 - 前記印字量情報が、トナー消費量情報である、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。 - 前記現像手段が、現像剤残量検知手段を有し、前記現像剤残量検知手段によって前記トナー消費量情報を取得する、
ことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。 - 前記バイアス印加条件が、前記転写手段に印加するバイアスのバイアス印加条件であって、前記転写手段に対して正規の極性とは逆のバイアスを印加することである、
ことを特徴とする請求項2ないし10のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記転写手段に対して正規の極性とは逆のバイアスを印加する際に、正規の極性とは逆の極性の電荷を帯びた現像剤を、前記転写材を担持搬送する転写材担持体又は前記中間転写体に転写させる、
ことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。 - 動作モードとして、印字後において、前記転写手段に正規の極性とは逆のバイアスを印加する時間を設ける、
ことを特徴とする請求項11又は12に記載の画像形成装置。 - 前記バイアス印加条件が、前記現像手段に印加するバイアスのバイアス印加条件である、
ことを特徴とする請求項2ないし13のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記動作モードとして、印字後において、前記現像手段に印加するバイアス印加条件を変更して前記現像手段に印加する時間を設ける、
ことを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。 - 前記バイアス印加条件が、前記帯電手段に印加するバイアスのバイアス印加条件である、
ことを特徴とする請求項2ないし15のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記動作モードとして、印字後において、前記帯電手段に印加するバイアス印加条件を変更して前記帯電手段に印加する時間を設ける、
ことを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。 - 前記帯電手段が、前記感光体表面に接触するように配置された導電性の接触帯電部材を有する、
ことを特徴とする請求項1ないし17のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記感光体は表面に電荷注入層を有し、
前記感光体表面に前記接触帯電部材を接触させて帯電バイアスを印加することにより、前記感光体表面を帯電させる、
ことを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。 - 前記接触帯電部材が、磁性粒子と、前記磁性粒子を表面に担持して前記感光体に接触させる磁性粒子担持体とを有する、
ことを特徴とする請求項18又は19に記載の画像形成装置。 - 前記接触帯電部材が、導電性繊維ブラシによって形成されている、
ことを特徴とする請求項18又は19に記載の画像形成装置。 - 前記接触帯電部材が、導電性ゴムローラによって形成されている、
ことを特徴とする請求項18又は19に記載の画像形成装置。 - 前記正規の極性とは逆の極性の電荷を帯びた現像剤は、前記接触帯電部材に付着又は混入した現像剤である、
ことを特徴とする請求項12ないし22のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記正規の極性とは逆の極性の電荷を帯びた現像剤を、前記現像手段で回収する回収手段を有し、前記回収手段は、前記感光体表面の帯電電位と現像バイアスとの電位差を変化させる、
ことを特徴とする請求項12ないし23のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記回収手段は、前記電位差を大きくする、
ことを特徴とする請求項24に記載の画像形成装置。 - 前記接触帯電部材で回収した現像剤を前記接触帯電部材から前記感光体上に戻すために、前記接触帯電部材に対して画像形成時とは異なる現像剤戻しバイアスを印加する、
ことを特徴とする請求項18ないし25のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記接触帯電部材に印加される帯電バイアスが、直流バイアス、又は直流バイアスに交流バイアスを重畳した重畳バイアスである、
ことを特徴とする請求項18ないし26のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記現像剤戻しバイアスは、現像バイアスに対して、交流バイアスの振幅を変化させる、
ことを特徴とする請求項27に記載の画像形成装置。 - 前記現像剤戻しバイアスは、現像バイアスに対して、交流バイアスの波形を変化させる、
ことを特徴とする請求項27に記載の画像形成装置。 - 印字に供される転写材に応じてプロセススピードを変更する、
ことを特徴とする請求項1ないし29のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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