JP2004020758A - 表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示装置を斜めから見た場合でも正しい色が表示されるようにする。
【解決手段】図に示す表示装置は、光を変調する層C1,C2を2つ有しており、帯電泳動粒子15,22を適宜移動させることによってカラー表示を行うようになっている。この装置を正対して眺めた場合、上側の画素と下側の画素とが重なって見えるので、正しい色表示がなされる。この装置を斜め方向から眺めた場合、上側の画素と下側の画素とは重なって見えないものの、各画素の境界部分には光反射膜8が形成されていて、他の画素への光の進入を防止するようになっているため、隣接する画素の影響を受けることは防止される。その結果、表示装置を斜めから見ているにもかかわらず、正しい色が表示される。
【選択図】 図2
【解決手段】図に示す表示装置は、光を変調する層C1,C2を2つ有しており、帯電泳動粒子15,22を適宜移動させることによってカラー表示を行うようになっている。この装置を正対して眺めた場合、上側の画素と下側の画素とが重なって見えるので、正しい色表示がなされる。この装置を斜め方向から眺めた場合、上側の画素と下側の画素とは重なって見えないものの、各画素の境界部分には光反射膜8が形成されていて、他の画素への光の進入を防止するようになっているため、隣接する画素の影響を受けることは防止される。その結果、表示装置を斜めから見ているにもかかわらず、正しい色が表示される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的には、電圧等の外部からの信号に応じて光を変調できる光変調層を備えた表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
(1) 光を変調することにより表示を行う表示装置の代表的なものとして電気泳動表示装置がある。以下、この電気泳動表示装置について説明する。
【0003】
電気泳動表示装置としては、Harold D.Lees等により発明されたもの(米国特許USP3612758公報)が知られている。
【0004】
この装置は、図22に示すように、着色色素が溶解された絶縁性液体71中に着色帯電泳動粒子72を分散させてなる分散系と、この分散系を挟んで向かい合う一対の電極73,74からなっている。電極73,74を介して分散系に電圧を印加することにより、着色帯電泳動粒子72の電気泳動性を利用して、その着色帯電泳動粒子72を粒子自身が持つ電荷と反対極性の電極側にクーロン力により吸着させるものである。表示は、この着色帯電泳動粒子72の色と染色された絶縁性液体71の色の違いを利用して行われる。つまり、観測者に近い光透過性の第1の電極73表面に着色帯電泳動粒子72を吸着させた場合には着色帯電泳動粒子72の色が観察され(図22(a) 参照)、逆に観測者から遠い第2の電極74表面に吸着させた場合には、着色帯電泳動粒子72と光学的特性が異なるように染色された絶縁性液体71の色が観察される(図22(b) 参照)。(このように、泳動粒子が、向かい合う一対の電極間を上下に移動するタイプの電気泳動表示装置を、上下移動型電気泳動表示装置と呼ぶこととする。)
【0005】
しかしながら、このような電気泳動装置では、絶縁性液体に染料やイオンなどの発色材を混合しなくてはならず、このような発色材の存在は、新たな電荷の授受をもたらすために電気泳動動作において不安定要因として作用しやすく、表示装置としての性能や寿命、安定性を低下させる場合があった。
【0006】
そのような問題を解決するために、第1表示電極および第2表示電極からなる電極対を同一基板上に配置し、観察者から見て着色帯電泳動粒子を水平に移動させる表示装置が、特開昭49−5598号公報や特開平11−202804号公報にて提案されている。該装置は、図23に示すような構成であって、電気泳動特性を利用して、透明な絶縁性液体81中で着色帯電泳動粒子82を電圧印加により、第1表示電極88面および第2電極87面間を、基板面と平行に移動させることによって表示を行うものである。(このように、泳動粒子が、同一基板上に配置された一対の電極間を平行に移動するタイプの電気泳動表示装置を、水平移動型電気泳動表示装置と呼ぶこととする。)
【0007】
特開平11−202804号公報に開示されたような水平移動型電気泳動表示装置においては、絶縁性液体81が可視光に対して透明であって、観察者側から見て、第1表示電極88と第2表示電極87が異なる着色を呈し、いずれか一方の色を泳動粒子82の色と一致させてある。例えば第1電極88の色を白色、第2電極87の色を黒色、泳動粒子82の色を黒色とすると、泳動粒子が第2電極87上に分布する場合には、第1電極88が露出し白色を呈し、泳動粒子82が第1表示電極88上に分布する場合には泳動粒子82の色である黒色を呈す。
【0008】
(2) ところで、上述した電気泳動表示装置は光を変調させることを目的にする光変調装置の一種であるが、このような光変調装置としては、外部からの刺激に応じて光に対する変調特性を変化させるもの(上述した電気泳動表示装置や液晶パネルなど)や、変調特性を変化させないもの(例えば、カラーフィルター)などがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような光変調装置においては、積層構造および光変調層(光を変調する層を意味する。以下、同じ。)の厚さに起因する視差が問題となる場合がある。
【0010】
図24は、光変調装置の構造の一例を示す断面図であり、符号91,92,93は基板を示し、符号94,97は基板間隙を仕切るように配置された隔壁を示し、符号95A,95B,96A,96Bは、絶縁性液体や帯電泳動粒子などが配置された光変調層を示す。なお、帯電泳動粒子を駆動するための電極は図示していない。このような光変調装置では、各光変調層95A、95B、96A、96Bは独立に駆動され、光変調層95Aと光変調層96A、光変調層95Bと光変調層96Bはそれぞれ異なる光変調性を持ち、2層の組み合わせで所望の表示を行うようになっている。
【0011】
符号98で示すように基板の法線方向から観察した場合、光変調層95Aと光変調層96A、光変調層95Bと光変調層96Bがそれぞれ重なって見えるため、表現しようとする色が正しく表示される。
【0012】
しかし、符号99で示すように斜め方向から観察した場合、本来光変調層95Bと重なって観察されるべき光変調層96Bが、隔壁を透過する光のために光変調層95Aと一部重なって観察されてしまうため、正しい色が観察されないという問題(視差の問題)があった。
【0013】
なお、視差に関連するものとして、光変調層間の支持基板にファイバープレートを用いる方法(特開平6−3691号公報)、支持基板に溝と導光体を設ける方法(特開平10−39295号公報)等が提案されているが、光変調層そのものの厚さに起因する視差の解消には寄与しないという問題があった。
【0014】
そこで、本発明は、上記問題を解決する表示装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記事情を考慮してなされたものであり、少なくとも1つの光変調層を有し、該光変調層にて光を変調する表示装置において、
該光変調層の内部であって、画素と画素との境界部分に光反射面が配置されて、他の画素への光の進入が防止される、ことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図9を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
(1) まず、本発明に係る表示装置の概略について説明する。
【0018】
本発明に係る表示装置は、図1に符号D1で例示するよう、少なくとも1つの光変調層Cを有しており、該光変調層Cにて光を変調するように構成されている。そして、該光変調層Cの内部には、画素Aと画素Aとの境界部分に光反射面8が配置されて、他の画素への光の進入が防止されるようになっている。なお、この光変調層Cとしては、後述するように電気泳動表示素子や、液晶表示素子や、カラーフィルター等を挙げることができる。この光変調層は、上述のように少なくとも一つ有している必要があるが、液晶表示素子のようなバルク光変調層の場合は1層でも複数層でもよいが、水平移動型電気泳動表示素子のように、表示状態において光変調層内の一部でのみ光変調作用をもつものの場合は複数層備えていることが条件となる。
【0019】
この光反射面8は、光変調層Cの面方向(図面においては横方向)に対してほぼ90度の角度をなすように(図面においては縦方向に)配置されている。
【0020】
なお、画素Aと画素Aとの境界部分に隔壁7を配置し、上述した光反射面8は、該隔壁7に沿うように配置すると良い。
【0021】
この光変調層Cの厚みは、画素幅(Aで示す幅)の3%以上にすると良い。
【0022】
なお、図1に示す表示装置では視差が生じる程度の厚みを有する光変調層は1層(符号C参照)であるが、図2に符号C1,C2で示すように2層の視差が生じる程度の厚みを有する光変調層を配置しても、さらに3層以上の光変調層を配置しても良い。
【0023】
また、複数の光変調層を配置する場合において、上述した光反射面8は、全ての光変調層に配置する必要はなく、視差が生じる程度の厚みの光変調層にだけ配置すると良い。
【0024】
さらに、図1及び図2に示す表示装置は電気泳動表示装置であって、図1に示す装置は、所定間隙を開けた状態に配置された基板1,10(以下、必要に応じて“第一基板1”“第二基板10”とする)と、これらの基板間隙に配置された液体14や複数の帯電粒子15と、画素Aと画素Aとを仕切る隔壁7と、前記液体14の近傍に配置された電極2,4と、から構成されている。また、図2に示す電気泳動表示装置は、所定間隙を開けた状態に配置された基板1,10,25と、これらの基板間隙に配置された液体14,23や複数の帯電粒子15,22と、画素Aと画素Aとを仕切る隔壁7と、前記液体14の近傍に配置された電極2,4と、液体22の近傍に配置された電極17,19と、によって構成されており、各層の着色帯電泳動粒子15,22に異なる色のものを用いることによってカラー表示を行うように構成されている。かかる電気泳動表示装置においては、光変調層C,C1,C2は、液体14又は23と、該液体中に分散された帯電粒子15又は22とによって構成され、該帯電粒子15又は22の移動によって光を変調するように構成されている。
【0025】
但し、前記光反射面が配置されてなる光変調層としては、外部からの信号によって変調特性を制御されるものであれば良く、例えば、スイッチングによって光を変調することができる液晶層を用いても良い。
【0026】
(2) 本発明の一実施の形態として、図1に示す電気泳動表示装置D1について説明する。
【0027】
(2−1) 全体構造について説明する。
【0028】
図1に示す装置では、透明な絶縁性液体14及び着色帯電泳動粒子15は、第一基板1上の絶縁層5、隔壁7側面の光反射面8、及び透明な第二基板10上のカラーフィルター11によって囲まれた部分に保持されている。絶縁層5の下には第二電極4が一部に形成され、さらに白色の絶縁層3や第一電極2が形成されている。さらに第一電極2と第二電極4とは、不図示の配線によって不図示の電圧印加手段に接続されている。
【0029】
(2−2) 光反射面8について説明する。
【0030】
図1(及び図2)では、光反射面8は隔壁7の側面に配置されているが、隔壁7の内部に配置されていても良い。また、この光反射面8は、
・ 隔壁7とは別の材料(例えば、アルミ、銀などの金属薄膜や、屈折率の異なる誘電体を複数積層させてなる多層反射膜)で形成しても、
・ 光反射性を有する隔壁自体にて形成しても(つまり、隔壁7が、画素と画素とを仕切る機能や、基板間隙を規定する機能と共に、反射面としても機能するようにすると)、
良い。
【0031】
ここで、光反射面8と基板1,10との角度は、光反射面8への外部からの映り込みを避けるため、また開口率を上げるために90度近傍であることがより好ましい。
【0032】
また、光反射面8をコート膜(図11(c) の符号13参照)にて被覆し、光反射面8が液体14や帯電粒子15に触れないようにすると良い。
【0033】
さらに、光反射面8が導電性を持つ場合には、これに電圧を印加する手段を接続してもよい。
【0034】
(2−3) その他の構成について説明する。
【0035】
各画素に、赤、緑、青の3色のカラーフィルター11R,11G,11Bをそれぞれ配置すると良い。
【0036】
図1では、これらのカラーフィルター11R,11G,11Bは、上側基板10の下面に配置されているが、もちろんこれに限られるものではなく、観察者から観察可能であれば他の場所(例えば上側基板10の観察者側表面(上面)や内部、光変調層の観察者側表面、および上側基板10と光変調層とにはさまれた位置等)に配置しても良い。
【0037】
また、この電気泳動表示装置は反射型であっても透過型であっても良い。反射型の場合には、例えば絶縁層3を白色にする必要があり、透過型の場合には、絶縁層3,5や第一電極2や第一基板1を透明にする必要がある。
【0038】
(2−4) 駆動方法について説明する。
【0039】
図1に示す電気泳動表示装置では、着色帯電泳動粒子15と、第一基板或いは第一電極或いは第一電極2上の絶縁層3或いは第一基板上の絶縁層5とが異なる光学的特性を取るように着色し、第一電極2と第二電極4に異なる電圧を印加することで、装置内に生じる電界による着色帯電泳動粒子15の電気泳動を利用して、着色帯電泳動粒子の分布を変化させることで表示を行うようになっている。
【0040】
いま、着色帯電泳動粒子15を黒色とし、絶縁層3を白色とし、着色帯電泳動粒子15は正極性に帯電しているとする。そして、第一電極2に−40Vの電圧を印加し、第二電極4に+40Vの電圧を印加すると、着色帯電泳動粒子15は、図3(a) に示すように、第二電極4に沿うように広い範囲に配置されて黒色を表示する。
【0041】
次に、図3(b) に示すように、左側の画素(つまり、赤フィルター11Rが配置されている方の画素)では第一電極2に+40Vの電圧を印加し、第二電極4に−40Vの電圧を印加し、右側の画素(つまり、緑フィルター11Gが配置されている方の画素)では第一電極2に−40Vの電圧を印加し、第二電極4に+40Vの電圧を印加する。すると、左側の画素では、帯電泳動粒子15は第二電極4に沿うように狭い領域に配置されて赤色を表示し、右側の画素では、帯電泳動粒子15は第二電極4に沿うように広い範囲に配置されて黒色を表示する。
【0042】
また、本実施態様の第二の表示方法は、着色帯電泳動粒子15を第一基板1表面に対して横方向に、面から面に水平移動させるため構造的に表示色の階調表現が可能となる。電極に印加する電圧の大きさ、電極に印加する電圧印加時間の長さ、等を調整して移動する着色帯電泳動粒子15の移動量を調節し、第一電極2及び第二電極4を覆う着色帯電泳動粒子15の面積を制御して面積階調を実現できる。よって赤、青、緑に対応する画素を独立に階調表示させることで、フルカラー表示が実現できる。
【0043】
(2−5) 製造方法について説明する。
【0044】
図1に示す表示装置D1を製造するには図4(a) 〜(f) に示す方法を実施する。
【0045】
まず、第一基板1に第一電極2および不図示の配線を形成する(図4(a) 参照)。第一基板1の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエーテルサルフォン(PES)やポリイミド(PI)等のポリマーフィルムの他、ガラス、石英等の無機材料を使用することができる。また、第一電極2はパターニング可能な導電性材料ならば何を用いてもよく、透明電極なら酸化インジウムすず(ITO)などを用いることができる。
【0046】
次に、この第一電極2を覆うように絶縁層3を形成する(同図(b) 参照)。
【0047】
さらに、絶縁層3の表面には第二電極4や絶縁層5を形成する(同図(c) 参照)。第二電極4の材料は、第一電極2と同様のものを使用できる。絶縁層3の材料としては、薄膜でピンホールが形成しづらいものがよく、たとえば高い透明性を有するポリイミド、PETやアクリル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂層に加え、二酸化珪素などの無機絶縁層も用いることができる。
【0048】
そして、この絶縁層5の表面には隔壁7と光反射面8を形成する(同図(d) 参照)。隔壁7と光反射面8は、光反射面8が基板表面に垂直に近く、かつ画素を囲むようになっていればどのような位置関係でもよい。たとえば、隔壁7の側面に光反射面8が位置してもよいし、隔壁7側面とほぼ平行な光反射面8が隔壁7内部に含まれてもよく、隔壁7の側面が光反射面8をかねてもよい。隔壁7には、ポリマー樹脂や、金属や無機材料などを用いることができる。隔壁形成はどのような方法を用いてもよい。例えば、光感光性樹脂層を塗布した後露光およびウエット現像を行う方法、または別に作製した隔壁を接着する方法、あるいはモールドによって作製する方法等をとることができる。また、光反射面の形成法は、隔壁7形成後に全面にAlなどの金属を成膜し、その後隔壁表面の金属だけ残すようにフォトリソグラフィ等の方法でパターニングしてもよいし、メッシュ状の隔壁の表面全体に金属膜を作ったのちに、絶縁層5上に転写してもよいが、これに限定されるものではない。また、絶縁層5上に金属で隔壁7を形成し、その表面で光反射面8をかねることもできる。さらに、光反射面8の金属が露出する場合には、金属の酸化や着色帯電泳動粒子15との接触を避けるために、これを表面コート膜で覆ってもよい。表面コート膜としてはアクリル樹脂などの樹脂材料や二酸化珪素などの無機材料を用いることができる。
【0049】
なお、隔壁7の端面に接着層12を形成し(同図(d) 参照)、隔壁7にて仕切られる凹部に絶縁性液体14及び着色帯電泳動粒子15を充填する。絶縁性液体14としては、シリコーンオイル、トルエン、キシレン、イソプロパノール、高純度石油等の無色透明液体を用いると良く、着色帯電泳動粒子15としては絶縁性液体14中で帯電しうる材料を用いると良い。例えば、ポリエチレン、ポリスチレン等の樹脂にカーボン、TiO2等を混ぜたものなどを挙げることができる。帯電泳動粒子15の粒径は0.1μm〜50μm程度にすると良い。
【0050】
次に、第二基板10の表面にはカラーフィルター11R,11G,11Bを形成する(図4(e) 参照)。第二基板としては、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の高い材料を使用すると良い。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)等の樹脂フィルムあるいはガラス、石英等の無機材料を使用することができる。また、カラーフィルター11R,11G,11Bには赤、青、緑色のものや、シアン、マゼンタ、イエローのものを用いると良い。
【0051】
その後、図4(f) に示すように第二基板10を隔壁7に接着し、電気泳動表示装置を完成した。
【0052】
(2−6) 効果について説明する。
【0053】
図1に示す装置の場合、図示上側からカラーフィルター11R,11G,11Bを通って光変調層内に光が侵入するが、該光は、各画素内部では光反射面8によって反射されるだけで、隔壁7を透過して他の画素に進入することはほとんどなく、対応する画素内で光変調を受け、対応するカラーフィルターを透過して観察される。そのため、第二基板の法線からずれた方向から観察する際に、光変調層の厚みに起因してカラーフィルターの背後に隔壁や近接する画素が見えることによる色ずれや反射率の低下等の視差の問題を低減することができる。
【0054】
(3) その他の構成について説明する。
(3−1) 図5に例示するように複数の光変調層C1,C2を形成する場合、上述した光反射面8だけでなく、光変調層C1と光変調層C2との間に配置される透明基板10の内部にも光反射面28を配置しても良い。これにより、基板10の内部を通った光が他の画素に進入することを防止できる。この光反射面28は、上述した光反射面8と同一部材にて形成しても良い。
【0055】
また、複数の光変調層のうち少なくとも一つをバルク光変調層にしても良い。
【0056】
(3−2) また、図2や図5に示すように、光変調層C1と光変調層C2との間に基板(符号10参照)を配置するのではなく、図6に示すように、2枚の基板1,25だけを使用するようにしても良い。この構成は、基板10の厚さに起因する視差が生じないためにより効果的である。
【0057】
(3−3) さらに、図1では、第二電極4は第一電極2に沿うように配置したが、図7に示すように、第二電極4を隔壁7の部分に配置しても良い。かかる構造であっても、光反射面8を形成することで、同様の効果を得ることができる。
【0058】
(3−4) 以上では、光変調層の一例として、電気泳動表示素子のうち光変調層内の一部でのみ光変調作用をもつものを挙げたが、それ以外のものにも効果を有する。例えば、電気泳動表示素子のうち粒子が泳動液中にほぼ均一に分散された状態を表示モードとして持つものや、ホログラフィック高分子分散液晶、コレステリック液晶、ゲストホスト方式の液晶マイクロカプセル又は高分子分散液晶、等を用いた表示素子のようなバルク光変調層をも用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0059】
(3−5) 図8に、光変調層としてゲストホスト方式の高分子分散液晶を用いた例を示す。
【0060】
第一の2色性色素を含むゲストホスト方式の第一の高分子分散液晶30が、第一基板1上の第一電極2、隔壁7上の光反射膜8、および第三電極17によって囲まれる空間に保持される。第三電極17、第二の隔壁45上の第二の光反射膜46、及び共通電極42によって囲まれる空間に、第二の2色性色素を含むゲストホスト方式の第二の高分子分散液晶33が保持される。第三電極形成による第一の高分子分散液晶30への影響を除く為に、第一の高分子分散液晶30上に保護膜44を設けてもよい(図9)。第三電極17、共通電極42、第三基板は可視光の透過率が高いものをそれぞれ用いる。第三電極としては、ITOなどの他にも、導電性樹脂(例えばAGFA社、商品名PEDOT)を用いることができる。第一、第三電極は画素ごとに区切られ、共通電極は各画素共通で、それぞれ不図示の配線によって不図示の電圧印加手段に接続され、表示装置を得る。
【0061】
本実施態様の表示装置を用いて表示を行う。共通電極42と第三電極間17に印加する電圧で第2の高分子分散液晶層33を駆動し、第三電極17と第一電極間2に印加する電圧で第一の高分子分散液晶層30を駆動する。第一の2色性色素と第二の2色性色素とを異なる色のものを用い、減法混色によりカラー表示ができる。この実施態様においても、反射膜を導入することで、視差の問題が改善される。
【0062】
次に、本実施の形態の効果について説明する。
【0063】
本実施の形態によれば、表示装置表面から傾けた方向(図3(b) の符号49参照)から観察した際に生じる視差(光変調層自体の厚さに起因する視差)の問題を減少させる効果を有する。
【0064】
【実施例】
以下、実施例に沿って本発明を更に詳細に説明する。
【0065】
(実施例1)
本実施例では、図11(c) に示す構造の電気泳動表示装置(表示装置)を、図10(a) 〜(e) 及び図11(a) 〜(c) に示す方法により作製した。
【0066】
すなわち、第一基板1としての厚さ1.1mmのガラス板に、スパッタ法によって0.1μm厚のアルミ膜を成膜し、長辺500μm、短辺166μmの矩形にパターニングしてマトリクス状の第一電極2を形成した(図10(a) 参照)。なお、同時に、各画素に電力を供給するための配線(図示せず)も形成しておいた。
【0067】
次に、この第一電極2を覆うように、酸化チタン微粒子を混合して白色化させたアクリル樹脂からなる絶縁層3を形成した(図10(b) 参照)。そして、その絶縁層3の表面に、厚さ0.05μmのTi膜をスパッタ法で成膜し、その上にカーボンブラックを含む光感光性アクリル樹脂を塗布し、露光、現像の後、ドライエッチングによりライン状にパターニングして、黒色の第二電極4を形成した。なお、第二電極4の線幅は30μmとし、ピッチは100μmとした。そして、第二電極4を覆うように0.5μm厚の透明な熱硬化型樹脂5を形成して絶縁層とした(図10(c) 参照)。
【0068】
一方、本実施例では、転写用基板6として200μm厚のPET基板を用意し、その表面に塗布した光感光性樹脂をフォトリソグラフィにてパターニングし、隔壁7を形成した。この隔壁7は、高さ100μm、幅50μmとした。そして、この隔壁7には、アルミ膜からなる光反射膜(図10(e) の符号8参照)を形成した。その形成に際しては、まず、図10(d) に示すように、スパッタ法によってPET基板6及び隔壁7の表面に0.1μm厚のアルミ膜を形成し、さらに光感光性樹脂9を塗布し、露光、現像、ウエットエッチングによって隔壁7の部分のみ樹脂9を残した。その状態でウェットエッチングを行って、PET基板6の表面の部分のアルミ膜を除去し、その後、光感光性樹脂9を除去することにより、隔壁7のアルミ膜(光反射膜)8だけを残した。
【0069】
また、第二基板(100μm厚の透明なPET基板)10には、上述した第一電極2に対応するように赤、緑、青の3色のカラーフィルター(1μm厚)11R,11G,11Bをフォトリソグラフィーにて形成した(図11(a) 参照)。
【0070】
一方、第一基板1の方の絶縁層3の表面には、図11(b) に示すように、接着層としての熱硬化性樹脂12を1μmの厚さに塗布した。そして、この熱硬化樹脂12には、上述した隔壁7が接触するように転写用基板6を配置し、加熱して隔壁7を熱硬化樹脂12に接着した。その後、転写用基板6を隔壁7から剥離した。
【0071】
そして、図11(c) に示すように、表面コート膜13として熱硬化性樹脂を0.5μmの厚さに形成し、隔壁7にて仕切られる凹部に絶縁性液体14及び着色帯電泳動粒子15を充填した。なお、絶縁性液体14としては透明なアイソパーHを用い、着色帯電泳動粒子15としては、液晶スペーサーで、粒子の直径が6μm程度で黒色のものを使用した。この帯電泳動粒子15は、絶縁性液体中で正極性に帯電した。
【0072】
次に、第二基板10の表面であってカラーフィルター11R,11G,11Bの形成されていない部分(つまり、隔壁7に接着される部分)や、隔壁7の上面には熱融着性の接着層16を形成し、位置合わせを行って図11(c) に示すように基板1,10を加熱して貼り合わせた。これに電圧印加回路(図示せず)を接続し、表示装置が完成した。
【0073】
このような表示装置を以下の方法により駆動した。すなわち、全ての画素において第一電極2に−40Vを印加し、第二電極4に+40Vを印加した。正極性で黒色の着色帯電泳動粒子15は第一電極2を覆うように広い範囲に配置され、黒表示が行われる。
【0074】
次に、赤色フィルター11Rが配置された画素では第一電極2に+40Vを印加すると共に第二電極4に−40Vを印加し、青色や緑色のフィルター11B,11Gが配置された画素では第一電極2に−40Vを印加すると共に第二電極4に+40Vを印加したところ、赤色フィルター11Rが配置された画素では、帯電泳動粒子15は第二電極4に沿ってストライプ状に配置されることとなり、第二基板10の絶縁性液体と反対側から表示装置表面に垂直に観察する観察者48からは、カラーフィルター色である赤色が観察でき(図12の左側の画素参照)、第二基板10の法線方向から45度傾けて観察する観察者49からは、比較例1の表示装置に比べ視差による色ずれが低減され、表示色から隣接画素からの混色が顕著に減少する。
【0075】
(実施例2)
本実施例では、図13に示す構造の電気泳動表示装置(表示装置)を作製した。
【0076】
実施例1と同様の方法で、第一基板1上に第一電極2や絶縁層3や第二電極4や絶縁層5や熱硬化性樹脂16や隔壁7や光反射膜8や表面コート樹脂13を形成した。そして、隔壁7にて仕切られる凹部に絶縁性液体14及び第一の着色帯電泳動粒子15を充填した。
【0077】
そして、第二基板10上には、第三電極17や絶縁層18や第四電極19や隔壁7や光反射膜8や表面コート樹脂13や熱硬化性樹脂16を形成した。そして、隔壁7にて仕切られる凹部に絶縁性液体23及び第二の着色帯電泳動粒子22を充填した。さらに、下層の熱硬化性樹脂16には第二基板10を貼り付け、上層の熱硬化性樹脂16にはPET基板25を貼り付けて絶縁性液体23や帯電泳動粒子22を閉じ込め、これに電圧印加回路(図示せず)を接続し、表示装置を完成させた。なお、第二基板10、第三電極17、絶縁層18、接着層21、表面コート樹脂13は可視光の透過率が高い材料で形成した。第一の着色帯電泳動粒子15と、第二の着色帯電泳動粒子22は、異なる光学特性をもち、その重ね合わせで各種の色を表示することができる。すなわち、第一の着色帯電泳動粒子15には黒色のものを用い、第二の着色帯電泳動粒子22には赤色のもの用い、減法混色により各種の色を表示する。
【0078】
このような表示装置を以下の方法により駆動した。第一電極2に+40V、第二電極4に0V、第三電極17に−40V、第四電極19に0Vをそれぞれ印加すると、図14の左側の画素に示すように、正極性の第一の着色帯電泳動粒子15は、第二電極4に沿ってストライプ状に配置され、赤色で正極性の第二の着色帯電泳動粒子22は、第三電極17を覆うように広がる。このため、第三基板25の観察者側で、第三基板25表面の法線方向から観察する観察者48からは赤色の表示が観察される。
【0079】
また、第一電極2に−40V、第二電極4に0V、第三電極17に+40V、第四電極19に0Vをそれぞれ印加すると、図14の右側の画素に示すように、黒色の着色帯電粒子15は第一電極2に沿うように広がり、赤色の着色帯電泳動粒子22は、第四電極19に沿ってストライプ状に配置される。この結果、第三基板25の観察者側で、第三基板法線方向から観察すると黒色の表示が観察される。第三基板25表面の法線方向から45度傾けた方向からも観察する(符号49参照)。後述する比較例2においては、画素Aにおいて視差により赤色の光量が減少するが、本実施例では赤色光量の減少が改善される効果を有する。
【0080】
(実施例3)
本実施例では、図17(c) に示す電気泳動表示装置(表示装置)を、図15〜図17に示す方法により作製した。
【0081】
すなわち、厚さ1.1mmのガラス板(第一基板)1に、スパッタ法によって0.1μm厚のアルミ膜を成膜し、500μm×500μmの正方形にパターニングして10×10のマトリクス状の第一電極2を形成した(図15(a) 参照)。なお、同時に、各画素に電力を供給するための配線(図示せず)も形成しておいた。
【0082】
次に、この第一電極2を覆うように、酸化チタン微粒子を混合して白色化させたアクリル樹脂からなる絶縁層3を形成した(図15(b) 参照)。そして、その絶縁層3の表面に、厚さ0.05μmのTi膜をスパッタ法で成膜し、その上にカーボンブラックを含む光感光性アクリル樹脂を塗布し、露光、現像の後、ドライエッチングによりライン状にパターニングして、黒色の第二電極4を形成した。なお、第二電極4の線幅は30μmとし、ピッチは100μmとした。そして、第二電極4を覆うように0.5μm厚の透明な熱硬化型樹脂5を形成して絶縁層とした(図15(b) 参照)。
【0083】
一方、PET材にて図15(c) に示すような格子状の隔壁7を2つ形成した。この隔壁7の高さは100μmとし、窓部の寸法は第一電極2に一致するように500μm×500μmの正方形状とした。この隔壁7の表面には、銀鏡反応によって0.1μm厚の銀膜を形成して反射膜8とした(図15(d) 参照)。更にその上に表面コート膜13として熱硬化性樹脂をディップ法により厚さ0.5μmで形成した。
【0084】
本実施例では第二基板10の厚さに起因する視差をも低減させるため、第二基板10内部に隔壁7上の反射膜8と平行に、同じ周期で反射膜28を形成する。以下にその作製手順の一例を示す。
【0085】
一方、厚さ100μmの透明なPETフィルムからなる第二基板10にも、第一基板1と同様にスパッタ法によって0.1μm厚のアルミ膜を成膜し、500μm×500μmの正方形にパターニングして10×10のマトリクス状のマスク層26を形成した(図15(e) 参照)。そして、酸素ガスを用いたドライエッチングで、第二基板10に深さ190μmの溝Gを形成し(図16(a)(b)参照)、その後、マスク層26を除去した。さらに、マスク層26を形成したと同様の領域(つまり、溝Gが形成されていない領域)に光硬化性樹脂を第二のマスク層27として形成し(図16(b) 参照)、0.1μmの厚さのアルミ膜28をスパッタ法により形成し(図16(c) 参照)、その後、マスク層27を除去した(図16(d) 参照)。これにより、溝Gの側壁及び底壁にのみアルミ膜28が残存することとなった。その後、熱硬化型樹脂層29を形成し、溝Gを埋める(図16(d) 参照)。次に、この熱硬化型樹脂層29の表面にITO膜を成膜し、フォトリソグラフィーにより、反射膜28と整合し、重ならないように一辺500μmの正方形の第三電極17と、第三電極17に電圧を印加する配線(図示せず)とをパターニングする。第三電極は10×10のマトリクス状の配列をとる。
【0086】
次に、この第三電極17を覆うように、1μm厚で透明な熱硬化型樹脂を絶縁層18として形成し、さらにその絶縁層18の表面には、0.05μm厚のTi膜をスパッタ法で形成し、その上にカーボンブラックを含む光感光性アクリル樹脂を塗布し、露光、現像の後、ドライエッチングによりライン状にパターニングして、黒色の第四電極19を形成した。そして、第二電極4を覆うように0.5μm厚の透明な熱硬化型樹脂を形成して絶縁層20とした。
【0087】
一方、第一基板1の方の絶縁層4の表面には、図17(a) に示すように、接着層12を1μmの厚さに塗布した。そして、この接着層12には、上述した格子状の隔壁7を貼り付け(図17(a) 参照)、実施例1と同様、接着層16の形成や、絶縁性液体14及び着色帯電泳動粒子15の充填を行った。なお、絶縁性液体14(以下、“第一の絶縁性液体14”とする)としては透明なアイソパーHを用い、着色帯電泳動粒子15(以下、“第一の着色帯電泳動粒子15”とする)としては黒色の粒子を用いた。
【0088】
次に、位置合わせを行って図17(b) に示すように基板1,10を貼り合わせた。
【0089】
そして、第二基板10の絶縁層20上に接着層21を形成し、もう一つ作製してあった隔壁7をその表面に貼り付けた(図17(c) 参照)。さらに、上述と同様に、接着層16の形成や、第二の絶縁性液体23及び第二の着色帯電泳動粒子22の充填を行なった。第二の絶縁性液体23としては、アイソパーHを用い、第二の着色帯電粒子22としては、赤色の粒子を用いた。最後に、厚さ200μmのPET基板からなる第三基板25を貼り付け、これに電圧印加回路(図示せず)を接続し、表示装置が完成した。
【0090】
このような表示装置を実施例2と同様の方法により駆動した。すなわち、第一電極2に+40V、第二電極4に0V、第三電極17に−40V、第四電極19に0Vをそれぞれ印加すると、図18の左側の画素に示すように、正極性の第一の着色帯電泳動粒子15は、第二電極4に沿ってストライプ状に配置され、赤色で正極性の第二の着色帯電泳動粒子22は、第三電極17を覆うように広がる。このため、第三基板25の観察者側で、第三基板25表面の法線方向から観察する観察者48からは赤色の表示が観察される。
【0091】
また、第一電極2に−40V、第二電極4に0V、第三電極17に+40V、第四電極19に0Vをそれぞれ印加すると、図18の右側の画素に示すように、黒色の着色帯電粒子15は第一電極2に沿うように広がり、赤色の着色帯電泳動粒子22は、第四電極19に沿ってストライプ状に配置される。この結果、第三基板25の観察者側で、第三基板法線方向から観察すると黒色の表示が観察される。第三基板25表面の法線方向から45度傾けた方向からも観察する(符号49参照)。比較例2においては、画素Aにおいて視差により赤色の光量が減少するが、本実施例では赤色光量の減少が改善される効果を有する。
【0092】
(比較例1)
光反射膜8を設けない以外は実施例1と同じ構造の電気泳動表示装置(図19参照)を作製した。
【0093】
本比較例の表示装置を用いて表示を行う。印加電圧は±40Vである。すべての画素で、第一電極2を負極に、第二電極4を正極にすると、本比較例で用いる着色帯電泳動粒子15は絶縁性液体14であるアイソパーH中で正に帯電するため、第一電極2上にある白色の絶縁層3を覆うように帯電泳動粒子が移動する。第二基板10の絶縁性液体14と反対側の観察者48から見た表示は黒表示となる(不図示)。次に赤色のカラーフィルター11Rに対応する画素のみ第一電極2を正極に、第二電極4を負極にし、青色、緑色のカラーフィルター11G,11Bに対応する画素では第一電極2を負極に、第二電極4を正極にする。これにより、赤色のカラーフィルター11Rに対応する画素では、黒色の帯電泳動粒子15は黒色の第二電極4上の絶縁層5上に移動し、第二基板10の絶縁性液体と反対側から表示装置表面に垂直に観察する観察者48からは、カラーフィルター色である赤色が観察できる。表示装置表面の法線方向から45度の角度で観察する観察者49からは、視差の問題により観察方向によって表示色の赤色が青色や緑色がかって見える。
【0094】
(比較例2)
光反射膜8を設けない以外は実施例2と同様の電気泳動表示装置(図20参照)を作製した。
【0095】
本比較例の表示装置を用いて表示を行う。図21に示す左側の画素には第一電極2に+40V、第二電極4に0V、第三電極17に−40V、第四電極19に0Vをそれぞれ印加する。本比較例で用いる着色帯電粒子はアイソパーH中でいずれも正に帯電する為、画素において黒色の着色帯電粒子14は第二電極4上に移動し、赤色の着色帯電粒子22は第三電極17を覆うように広がる。このため、第三基板25の観察者側で、第三基板25表面の法線方向から観察する観察者48からは、画素は赤色の表示が観察される。
【0096】
また、図21に示す右側の画素には第一電極2に−40V、第二電極4に0V、第三電極17に+40V、第四電極19に0Vをそれぞれ印加する。これにより画素において黒色の着色帯電粒子22は第一電極2を覆うように広がり、赤色の着色帯電粒子22は第四電極19上に移動する。この結果第三基板25の観察者側で、第三基板法線方向から観察する観察者48からは、画素Bは黒色の表示が観察される。第三基板25表面の法線方向から45度傾けた方向から観察する観察者49からは、画素において視差により赤色成分の光量が減少する。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、視差の問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示装置の一例を示す断面図。
【図2】本発明に係る表示装置の一例を示す断面図。
【図3】表示装置の駆動方法を説明するための図。
【図4】表示装置の製造方法を説明するための図。
【図5】本発明に係る表示装置の一例を示す断面図。
【図6】本発明に係る表示装置の一例を示す断面図。
【図7】本発明に係る表示装置の一例を示す断面図。
【図8】本発明に係る表示装置の一例を示す断面図。
【図9】本発明に係る表示装置の一例を示す断面図。
【図10】表示装置の製造方法を説明するための図。
【図11】表示装置の製造方法を説明するための図。
【図12】表示装置の駆動方法を説明するための図。
【図13】本発明に係る表示装置の一例を示す断面図。
【図14】表示装置の駆動方法を説明するための図。
【図15】表示装置の製造方法を説明するための図。
【図16】表示装置の製造方法を説明するための図。
【図17】表示装置の製造方法を説明するための図。
【図18】表示装置の駆動方法を説明するための図。
【図19】従来の表示装置の構造の一例を示す断面図。
【図20】従来の表示装置の構造の一例を示す断面図。
【図21】従来の表示装置の駆動方法を説明するための図。
【図22】従来の電気泳動表示装置の構造の一例を示す断面図。
【図23】従来の電気泳動表示装置の構造の一例を示す断面図。
【図24】従来の問題点を説明するための図。
【符号の説明】
7 隔壁
8 光反射面
A 画素
C 光変調層
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的には、電圧等の外部からの信号に応じて光を変調できる光変調層を備えた表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
(1) 光を変調することにより表示を行う表示装置の代表的なものとして電気泳動表示装置がある。以下、この電気泳動表示装置について説明する。
【0003】
電気泳動表示装置としては、Harold D.Lees等により発明されたもの(米国特許USP3612758公報)が知られている。
【0004】
この装置は、図22に示すように、着色色素が溶解された絶縁性液体71中に着色帯電泳動粒子72を分散させてなる分散系と、この分散系を挟んで向かい合う一対の電極73,74からなっている。電極73,74を介して分散系に電圧を印加することにより、着色帯電泳動粒子72の電気泳動性を利用して、その着色帯電泳動粒子72を粒子自身が持つ電荷と反対極性の電極側にクーロン力により吸着させるものである。表示は、この着色帯電泳動粒子72の色と染色された絶縁性液体71の色の違いを利用して行われる。つまり、観測者に近い光透過性の第1の電極73表面に着色帯電泳動粒子72を吸着させた場合には着色帯電泳動粒子72の色が観察され(図22(a) 参照)、逆に観測者から遠い第2の電極74表面に吸着させた場合には、着色帯電泳動粒子72と光学的特性が異なるように染色された絶縁性液体71の色が観察される(図22(b) 参照)。(このように、泳動粒子が、向かい合う一対の電極間を上下に移動するタイプの電気泳動表示装置を、上下移動型電気泳動表示装置と呼ぶこととする。)
【0005】
しかしながら、このような電気泳動装置では、絶縁性液体に染料やイオンなどの発色材を混合しなくてはならず、このような発色材の存在は、新たな電荷の授受をもたらすために電気泳動動作において不安定要因として作用しやすく、表示装置としての性能や寿命、安定性を低下させる場合があった。
【0006】
そのような問題を解決するために、第1表示電極および第2表示電極からなる電極対を同一基板上に配置し、観察者から見て着色帯電泳動粒子を水平に移動させる表示装置が、特開昭49−5598号公報や特開平11−202804号公報にて提案されている。該装置は、図23に示すような構成であって、電気泳動特性を利用して、透明な絶縁性液体81中で着色帯電泳動粒子82を電圧印加により、第1表示電極88面および第2電極87面間を、基板面と平行に移動させることによって表示を行うものである。(このように、泳動粒子が、同一基板上に配置された一対の電極間を平行に移動するタイプの電気泳動表示装置を、水平移動型電気泳動表示装置と呼ぶこととする。)
【0007】
特開平11−202804号公報に開示されたような水平移動型電気泳動表示装置においては、絶縁性液体81が可視光に対して透明であって、観察者側から見て、第1表示電極88と第2表示電極87が異なる着色を呈し、いずれか一方の色を泳動粒子82の色と一致させてある。例えば第1電極88の色を白色、第2電極87の色を黒色、泳動粒子82の色を黒色とすると、泳動粒子が第2電極87上に分布する場合には、第1電極88が露出し白色を呈し、泳動粒子82が第1表示電極88上に分布する場合には泳動粒子82の色である黒色を呈す。
【0008】
(2) ところで、上述した電気泳動表示装置は光を変調させることを目的にする光変調装置の一種であるが、このような光変調装置としては、外部からの刺激に応じて光に対する変調特性を変化させるもの(上述した電気泳動表示装置や液晶パネルなど)や、変調特性を変化させないもの(例えば、カラーフィルター)などがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような光変調装置においては、積層構造および光変調層(光を変調する層を意味する。以下、同じ。)の厚さに起因する視差が問題となる場合がある。
【0010】
図24は、光変調装置の構造の一例を示す断面図であり、符号91,92,93は基板を示し、符号94,97は基板間隙を仕切るように配置された隔壁を示し、符号95A,95B,96A,96Bは、絶縁性液体や帯電泳動粒子などが配置された光変調層を示す。なお、帯電泳動粒子を駆動するための電極は図示していない。このような光変調装置では、各光変調層95A、95B、96A、96Bは独立に駆動され、光変調層95Aと光変調層96A、光変調層95Bと光変調層96Bはそれぞれ異なる光変調性を持ち、2層の組み合わせで所望の表示を行うようになっている。
【0011】
符号98で示すように基板の法線方向から観察した場合、光変調層95Aと光変調層96A、光変調層95Bと光変調層96Bがそれぞれ重なって見えるため、表現しようとする色が正しく表示される。
【0012】
しかし、符号99で示すように斜め方向から観察した場合、本来光変調層95Bと重なって観察されるべき光変調層96Bが、隔壁を透過する光のために光変調層95Aと一部重なって観察されてしまうため、正しい色が観察されないという問題(視差の問題)があった。
【0013】
なお、視差に関連するものとして、光変調層間の支持基板にファイバープレートを用いる方法(特開平6−3691号公報)、支持基板に溝と導光体を設ける方法(特開平10−39295号公報)等が提案されているが、光変調層そのものの厚さに起因する視差の解消には寄与しないという問題があった。
【0014】
そこで、本発明は、上記問題を解決する表示装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記事情を考慮してなされたものであり、少なくとも1つの光変調層を有し、該光変調層にて光を変調する表示装置において、
該光変調層の内部であって、画素と画素との境界部分に光反射面が配置されて、他の画素への光の進入が防止される、ことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図9を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
(1) まず、本発明に係る表示装置の概略について説明する。
【0018】
本発明に係る表示装置は、図1に符号D1で例示するよう、少なくとも1つの光変調層Cを有しており、該光変調層Cにて光を変調するように構成されている。そして、該光変調層Cの内部には、画素Aと画素Aとの境界部分に光反射面8が配置されて、他の画素への光の進入が防止されるようになっている。なお、この光変調層Cとしては、後述するように電気泳動表示素子や、液晶表示素子や、カラーフィルター等を挙げることができる。この光変調層は、上述のように少なくとも一つ有している必要があるが、液晶表示素子のようなバルク光変調層の場合は1層でも複数層でもよいが、水平移動型電気泳動表示素子のように、表示状態において光変調層内の一部でのみ光変調作用をもつものの場合は複数層備えていることが条件となる。
【0019】
この光反射面8は、光変調層Cの面方向(図面においては横方向)に対してほぼ90度の角度をなすように(図面においては縦方向に)配置されている。
【0020】
なお、画素Aと画素Aとの境界部分に隔壁7を配置し、上述した光反射面8は、該隔壁7に沿うように配置すると良い。
【0021】
この光変調層Cの厚みは、画素幅(Aで示す幅)の3%以上にすると良い。
【0022】
なお、図1に示す表示装置では視差が生じる程度の厚みを有する光変調層は1層(符号C参照)であるが、図2に符号C1,C2で示すように2層の視差が生じる程度の厚みを有する光変調層を配置しても、さらに3層以上の光変調層を配置しても良い。
【0023】
また、複数の光変調層を配置する場合において、上述した光反射面8は、全ての光変調層に配置する必要はなく、視差が生じる程度の厚みの光変調層にだけ配置すると良い。
【0024】
さらに、図1及び図2に示す表示装置は電気泳動表示装置であって、図1に示す装置は、所定間隙を開けた状態に配置された基板1,10(以下、必要に応じて“第一基板1”“第二基板10”とする)と、これらの基板間隙に配置された液体14や複数の帯電粒子15と、画素Aと画素Aとを仕切る隔壁7と、前記液体14の近傍に配置された電極2,4と、から構成されている。また、図2に示す電気泳動表示装置は、所定間隙を開けた状態に配置された基板1,10,25と、これらの基板間隙に配置された液体14,23や複数の帯電粒子15,22と、画素Aと画素Aとを仕切る隔壁7と、前記液体14の近傍に配置された電極2,4と、液体22の近傍に配置された電極17,19と、によって構成されており、各層の着色帯電泳動粒子15,22に異なる色のものを用いることによってカラー表示を行うように構成されている。かかる電気泳動表示装置においては、光変調層C,C1,C2は、液体14又は23と、該液体中に分散された帯電粒子15又は22とによって構成され、該帯電粒子15又は22の移動によって光を変調するように構成されている。
【0025】
但し、前記光反射面が配置されてなる光変調層としては、外部からの信号によって変調特性を制御されるものであれば良く、例えば、スイッチングによって光を変調することができる液晶層を用いても良い。
【0026】
(2) 本発明の一実施の形態として、図1に示す電気泳動表示装置D1について説明する。
【0027】
(2−1) 全体構造について説明する。
【0028】
図1に示す装置では、透明な絶縁性液体14及び着色帯電泳動粒子15は、第一基板1上の絶縁層5、隔壁7側面の光反射面8、及び透明な第二基板10上のカラーフィルター11によって囲まれた部分に保持されている。絶縁層5の下には第二電極4が一部に形成され、さらに白色の絶縁層3や第一電極2が形成されている。さらに第一電極2と第二電極4とは、不図示の配線によって不図示の電圧印加手段に接続されている。
【0029】
(2−2) 光反射面8について説明する。
【0030】
図1(及び図2)では、光反射面8は隔壁7の側面に配置されているが、隔壁7の内部に配置されていても良い。また、この光反射面8は、
・ 隔壁7とは別の材料(例えば、アルミ、銀などの金属薄膜や、屈折率の異なる誘電体を複数積層させてなる多層反射膜)で形成しても、
・ 光反射性を有する隔壁自体にて形成しても(つまり、隔壁7が、画素と画素とを仕切る機能や、基板間隙を規定する機能と共に、反射面としても機能するようにすると)、
良い。
【0031】
ここで、光反射面8と基板1,10との角度は、光反射面8への外部からの映り込みを避けるため、また開口率を上げるために90度近傍であることがより好ましい。
【0032】
また、光反射面8をコート膜(図11(c) の符号13参照)にて被覆し、光反射面8が液体14や帯電粒子15に触れないようにすると良い。
【0033】
さらに、光反射面8が導電性を持つ場合には、これに電圧を印加する手段を接続してもよい。
【0034】
(2−3) その他の構成について説明する。
【0035】
各画素に、赤、緑、青の3色のカラーフィルター11R,11G,11Bをそれぞれ配置すると良い。
【0036】
図1では、これらのカラーフィルター11R,11G,11Bは、上側基板10の下面に配置されているが、もちろんこれに限られるものではなく、観察者から観察可能であれば他の場所(例えば上側基板10の観察者側表面(上面)や内部、光変調層の観察者側表面、および上側基板10と光変調層とにはさまれた位置等)に配置しても良い。
【0037】
また、この電気泳動表示装置は反射型であっても透過型であっても良い。反射型の場合には、例えば絶縁層3を白色にする必要があり、透過型の場合には、絶縁層3,5や第一電極2や第一基板1を透明にする必要がある。
【0038】
(2−4) 駆動方法について説明する。
【0039】
図1に示す電気泳動表示装置では、着色帯電泳動粒子15と、第一基板或いは第一電極或いは第一電極2上の絶縁層3或いは第一基板上の絶縁層5とが異なる光学的特性を取るように着色し、第一電極2と第二電極4に異なる電圧を印加することで、装置内に生じる電界による着色帯電泳動粒子15の電気泳動を利用して、着色帯電泳動粒子の分布を変化させることで表示を行うようになっている。
【0040】
いま、着色帯電泳動粒子15を黒色とし、絶縁層3を白色とし、着色帯電泳動粒子15は正極性に帯電しているとする。そして、第一電極2に−40Vの電圧を印加し、第二電極4に+40Vの電圧を印加すると、着色帯電泳動粒子15は、図3(a) に示すように、第二電極4に沿うように広い範囲に配置されて黒色を表示する。
【0041】
次に、図3(b) に示すように、左側の画素(つまり、赤フィルター11Rが配置されている方の画素)では第一電極2に+40Vの電圧を印加し、第二電極4に−40Vの電圧を印加し、右側の画素(つまり、緑フィルター11Gが配置されている方の画素)では第一電極2に−40Vの電圧を印加し、第二電極4に+40Vの電圧を印加する。すると、左側の画素では、帯電泳動粒子15は第二電極4に沿うように狭い領域に配置されて赤色を表示し、右側の画素では、帯電泳動粒子15は第二電極4に沿うように広い範囲に配置されて黒色を表示する。
【0042】
また、本実施態様の第二の表示方法は、着色帯電泳動粒子15を第一基板1表面に対して横方向に、面から面に水平移動させるため構造的に表示色の階調表現が可能となる。電極に印加する電圧の大きさ、電極に印加する電圧印加時間の長さ、等を調整して移動する着色帯電泳動粒子15の移動量を調節し、第一電極2及び第二電極4を覆う着色帯電泳動粒子15の面積を制御して面積階調を実現できる。よって赤、青、緑に対応する画素を独立に階調表示させることで、フルカラー表示が実現できる。
【0043】
(2−5) 製造方法について説明する。
【0044】
図1に示す表示装置D1を製造するには図4(a) 〜(f) に示す方法を実施する。
【0045】
まず、第一基板1に第一電極2および不図示の配線を形成する(図4(a) 参照)。第一基板1の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエーテルサルフォン(PES)やポリイミド(PI)等のポリマーフィルムの他、ガラス、石英等の無機材料を使用することができる。また、第一電極2はパターニング可能な導電性材料ならば何を用いてもよく、透明電極なら酸化インジウムすず(ITO)などを用いることができる。
【0046】
次に、この第一電極2を覆うように絶縁層3を形成する(同図(b) 参照)。
【0047】
さらに、絶縁層3の表面には第二電極4や絶縁層5を形成する(同図(c) 参照)。第二電極4の材料は、第一電極2と同様のものを使用できる。絶縁層3の材料としては、薄膜でピンホールが形成しづらいものがよく、たとえば高い透明性を有するポリイミド、PETやアクリル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂層に加え、二酸化珪素などの無機絶縁層も用いることができる。
【0048】
そして、この絶縁層5の表面には隔壁7と光反射面8を形成する(同図(d) 参照)。隔壁7と光反射面8は、光反射面8が基板表面に垂直に近く、かつ画素を囲むようになっていればどのような位置関係でもよい。たとえば、隔壁7の側面に光反射面8が位置してもよいし、隔壁7側面とほぼ平行な光反射面8が隔壁7内部に含まれてもよく、隔壁7の側面が光反射面8をかねてもよい。隔壁7には、ポリマー樹脂や、金属や無機材料などを用いることができる。隔壁形成はどのような方法を用いてもよい。例えば、光感光性樹脂層を塗布した後露光およびウエット現像を行う方法、または別に作製した隔壁を接着する方法、あるいはモールドによって作製する方法等をとることができる。また、光反射面の形成法は、隔壁7形成後に全面にAlなどの金属を成膜し、その後隔壁表面の金属だけ残すようにフォトリソグラフィ等の方法でパターニングしてもよいし、メッシュ状の隔壁の表面全体に金属膜を作ったのちに、絶縁層5上に転写してもよいが、これに限定されるものではない。また、絶縁層5上に金属で隔壁7を形成し、その表面で光反射面8をかねることもできる。さらに、光反射面8の金属が露出する場合には、金属の酸化や着色帯電泳動粒子15との接触を避けるために、これを表面コート膜で覆ってもよい。表面コート膜としてはアクリル樹脂などの樹脂材料や二酸化珪素などの無機材料を用いることができる。
【0049】
なお、隔壁7の端面に接着層12を形成し(同図(d) 参照)、隔壁7にて仕切られる凹部に絶縁性液体14及び着色帯電泳動粒子15を充填する。絶縁性液体14としては、シリコーンオイル、トルエン、キシレン、イソプロパノール、高純度石油等の無色透明液体を用いると良く、着色帯電泳動粒子15としては絶縁性液体14中で帯電しうる材料を用いると良い。例えば、ポリエチレン、ポリスチレン等の樹脂にカーボン、TiO2等を混ぜたものなどを挙げることができる。帯電泳動粒子15の粒径は0.1μm〜50μm程度にすると良い。
【0050】
次に、第二基板10の表面にはカラーフィルター11R,11G,11Bを形成する(図4(e) 参照)。第二基板としては、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の高い材料を使用すると良い。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)等の樹脂フィルムあるいはガラス、石英等の無機材料を使用することができる。また、カラーフィルター11R,11G,11Bには赤、青、緑色のものや、シアン、マゼンタ、イエローのものを用いると良い。
【0051】
その後、図4(f) に示すように第二基板10を隔壁7に接着し、電気泳動表示装置を完成した。
【0052】
(2−6) 効果について説明する。
【0053】
図1に示す装置の場合、図示上側からカラーフィルター11R,11G,11Bを通って光変調層内に光が侵入するが、該光は、各画素内部では光反射面8によって反射されるだけで、隔壁7を透過して他の画素に進入することはほとんどなく、対応する画素内で光変調を受け、対応するカラーフィルターを透過して観察される。そのため、第二基板の法線からずれた方向から観察する際に、光変調層の厚みに起因してカラーフィルターの背後に隔壁や近接する画素が見えることによる色ずれや反射率の低下等の視差の問題を低減することができる。
【0054】
(3) その他の構成について説明する。
(3−1) 図5に例示するように複数の光変調層C1,C2を形成する場合、上述した光反射面8だけでなく、光変調層C1と光変調層C2との間に配置される透明基板10の内部にも光反射面28を配置しても良い。これにより、基板10の内部を通った光が他の画素に進入することを防止できる。この光反射面28は、上述した光反射面8と同一部材にて形成しても良い。
【0055】
また、複数の光変調層のうち少なくとも一つをバルク光変調層にしても良い。
【0056】
(3−2) また、図2や図5に示すように、光変調層C1と光変調層C2との間に基板(符号10参照)を配置するのではなく、図6に示すように、2枚の基板1,25だけを使用するようにしても良い。この構成は、基板10の厚さに起因する視差が生じないためにより効果的である。
【0057】
(3−3) さらに、図1では、第二電極4は第一電極2に沿うように配置したが、図7に示すように、第二電極4を隔壁7の部分に配置しても良い。かかる構造であっても、光反射面8を形成することで、同様の効果を得ることができる。
【0058】
(3−4) 以上では、光変調層の一例として、電気泳動表示素子のうち光変調層内の一部でのみ光変調作用をもつものを挙げたが、それ以外のものにも効果を有する。例えば、電気泳動表示素子のうち粒子が泳動液中にほぼ均一に分散された状態を表示モードとして持つものや、ホログラフィック高分子分散液晶、コレステリック液晶、ゲストホスト方式の液晶マイクロカプセル又は高分子分散液晶、等を用いた表示素子のようなバルク光変調層をも用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0059】
(3−5) 図8に、光変調層としてゲストホスト方式の高分子分散液晶を用いた例を示す。
【0060】
第一の2色性色素を含むゲストホスト方式の第一の高分子分散液晶30が、第一基板1上の第一電極2、隔壁7上の光反射膜8、および第三電極17によって囲まれる空間に保持される。第三電極17、第二の隔壁45上の第二の光反射膜46、及び共通電極42によって囲まれる空間に、第二の2色性色素を含むゲストホスト方式の第二の高分子分散液晶33が保持される。第三電極形成による第一の高分子分散液晶30への影響を除く為に、第一の高分子分散液晶30上に保護膜44を設けてもよい(図9)。第三電極17、共通電極42、第三基板は可視光の透過率が高いものをそれぞれ用いる。第三電極としては、ITOなどの他にも、導電性樹脂(例えばAGFA社、商品名PEDOT)を用いることができる。第一、第三電極は画素ごとに区切られ、共通電極は各画素共通で、それぞれ不図示の配線によって不図示の電圧印加手段に接続され、表示装置を得る。
【0061】
本実施態様の表示装置を用いて表示を行う。共通電極42と第三電極間17に印加する電圧で第2の高分子分散液晶層33を駆動し、第三電極17と第一電極間2に印加する電圧で第一の高分子分散液晶層30を駆動する。第一の2色性色素と第二の2色性色素とを異なる色のものを用い、減法混色によりカラー表示ができる。この実施態様においても、反射膜を導入することで、視差の問題が改善される。
【0062】
次に、本実施の形態の効果について説明する。
【0063】
本実施の形態によれば、表示装置表面から傾けた方向(図3(b) の符号49参照)から観察した際に生じる視差(光変調層自体の厚さに起因する視差)の問題を減少させる効果を有する。
【0064】
【実施例】
以下、実施例に沿って本発明を更に詳細に説明する。
【0065】
(実施例1)
本実施例では、図11(c) に示す構造の電気泳動表示装置(表示装置)を、図10(a) 〜(e) 及び図11(a) 〜(c) に示す方法により作製した。
【0066】
すなわち、第一基板1としての厚さ1.1mmのガラス板に、スパッタ法によって0.1μm厚のアルミ膜を成膜し、長辺500μm、短辺166μmの矩形にパターニングしてマトリクス状の第一電極2を形成した(図10(a) 参照)。なお、同時に、各画素に電力を供給するための配線(図示せず)も形成しておいた。
【0067】
次に、この第一電極2を覆うように、酸化チタン微粒子を混合して白色化させたアクリル樹脂からなる絶縁層3を形成した(図10(b) 参照)。そして、その絶縁層3の表面に、厚さ0.05μmのTi膜をスパッタ法で成膜し、その上にカーボンブラックを含む光感光性アクリル樹脂を塗布し、露光、現像の後、ドライエッチングによりライン状にパターニングして、黒色の第二電極4を形成した。なお、第二電極4の線幅は30μmとし、ピッチは100μmとした。そして、第二電極4を覆うように0.5μm厚の透明な熱硬化型樹脂5を形成して絶縁層とした(図10(c) 参照)。
【0068】
一方、本実施例では、転写用基板6として200μm厚のPET基板を用意し、その表面に塗布した光感光性樹脂をフォトリソグラフィにてパターニングし、隔壁7を形成した。この隔壁7は、高さ100μm、幅50μmとした。そして、この隔壁7には、アルミ膜からなる光反射膜(図10(e) の符号8参照)を形成した。その形成に際しては、まず、図10(d) に示すように、スパッタ法によってPET基板6及び隔壁7の表面に0.1μm厚のアルミ膜を形成し、さらに光感光性樹脂9を塗布し、露光、現像、ウエットエッチングによって隔壁7の部分のみ樹脂9を残した。その状態でウェットエッチングを行って、PET基板6の表面の部分のアルミ膜を除去し、その後、光感光性樹脂9を除去することにより、隔壁7のアルミ膜(光反射膜)8だけを残した。
【0069】
また、第二基板(100μm厚の透明なPET基板)10には、上述した第一電極2に対応するように赤、緑、青の3色のカラーフィルター(1μm厚)11R,11G,11Bをフォトリソグラフィーにて形成した(図11(a) 参照)。
【0070】
一方、第一基板1の方の絶縁層3の表面には、図11(b) に示すように、接着層としての熱硬化性樹脂12を1μmの厚さに塗布した。そして、この熱硬化樹脂12には、上述した隔壁7が接触するように転写用基板6を配置し、加熱して隔壁7を熱硬化樹脂12に接着した。その後、転写用基板6を隔壁7から剥離した。
【0071】
そして、図11(c) に示すように、表面コート膜13として熱硬化性樹脂を0.5μmの厚さに形成し、隔壁7にて仕切られる凹部に絶縁性液体14及び着色帯電泳動粒子15を充填した。なお、絶縁性液体14としては透明なアイソパーHを用い、着色帯電泳動粒子15としては、液晶スペーサーで、粒子の直径が6μm程度で黒色のものを使用した。この帯電泳動粒子15は、絶縁性液体中で正極性に帯電した。
【0072】
次に、第二基板10の表面であってカラーフィルター11R,11G,11Bの形成されていない部分(つまり、隔壁7に接着される部分)や、隔壁7の上面には熱融着性の接着層16を形成し、位置合わせを行って図11(c) に示すように基板1,10を加熱して貼り合わせた。これに電圧印加回路(図示せず)を接続し、表示装置が完成した。
【0073】
このような表示装置を以下の方法により駆動した。すなわち、全ての画素において第一電極2に−40Vを印加し、第二電極4に+40Vを印加した。正極性で黒色の着色帯電泳動粒子15は第一電極2を覆うように広い範囲に配置され、黒表示が行われる。
【0074】
次に、赤色フィルター11Rが配置された画素では第一電極2に+40Vを印加すると共に第二電極4に−40Vを印加し、青色や緑色のフィルター11B,11Gが配置された画素では第一電極2に−40Vを印加すると共に第二電極4に+40Vを印加したところ、赤色フィルター11Rが配置された画素では、帯電泳動粒子15は第二電極4に沿ってストライプ状に配置されることとなり、第二基板10の絶縁性液体と反対側から表示装置表面に垂直に観察する観察者48からは、カラーフィルター色である赤色が観察でき(図12の左側の画素参照)、第二基板10の法線方向から45度傾けて観察する観察者49からは、比較例1の表示装置に比べ視差による色ずれが低減され、表示色から隣接画素からの混色が顕著に減少する。
【0075】
(実施例2)
本実施例では、図13に示す構造の電気泳動表示装置(表示装置)を作製した。
【0076】
実施例1と同様の方法で、第一基板1上に第一電極2や絶縁層3や第二電極4や絶縁層5や熱硬化性樹脂16や隔壁7や光反射膜8や表面コート樹脂13を形成した。そして、隔壁7にて仕切られる凹部に絶縁性液体14及び第一の着色帯電泳動粒子15を充填した。
【0077】
そして、第二基板10上には、第三電極17や絶縁層18や第四電極19や隔壁7や光反射膜8や表面コート樹脂13や熱硬化性樹脂16を形成した。そして、隔壁7にて仕切られる凹部に絶縁性液体23及び第二の着色帯電泳動粒子22を充填した。さらに、下層の熱硬化性樹脂16には第二基板10を貼り付け、上層の熱硬化性樹脂16にはPET基板25を貼り付けて絶縁性液体23や帯電泳動粒子22を閉じ込め、これに電圧印加回路(図示せず)を接続し、表示装置を完成させた。なお、第二基板10、第三電極17、絶縁層18、接着層21、表面コート樹脂13は可視光の透過率が高い材料で形成した。第一の着色帯電泳動粒子15と、第二の着色帯電泳動粒子22は、異なる光学特性をもち、その重ね合わせで各種の色を表示することができる。すなわち、第一の着色帯電泳動粒子15には黒色のものを用い、第二の着色帯電泳動粒子22には赤色のもの用い、減法混色により各種の色を表示する。
【0078】
このような表示装置を以下の方法により駆動した。第一電極2に+40V、第二電極4に0V、第三電極17に−40V、第四電極19に0Vをそれぞれ印加すると、図14の左側の画素に示すように、正極性の第一の着色帯電泳動粒子15は、第二電極4に沿ってストライプ状に配置され、赤色で正極性の第二の着色帯電泳動粒子22は、第三電極17を覆うように広がる。このため、第三基板25の観察者側で、第三基板25表面の法線方向から観察する観察者48からは赤色の表示が観察される。
【0079】
また、第一電極2に−40V、第二電極4に0V、第三電極17に+40V、第四電極19に0Vをそれぞれ印加すると、図14の右側の画素に示すように、黒色の着色帯電粒子15は第一電極2に沿うように広がり、赤色の着色帯電泳動粒子22は、第四電極19に沿ってストライプ状に配置される。この結果、第三基板25の観察者側で、第三基板法線方向から観察すると黒色の表示が観察される。第三基板25表面の法線方向から45度傾けた方向からも観察する(符号49参照)。後述する比較例2においては、画素Aにおいて視差により赤色の光量が減少するが、本実施例では赤色光量の減少が改善される効果を有する。
【0080】
(実施例3)
本実施例では、図17(c) に示す電気泳動表示装置(表示装置)を、図15〜図17に示す方法により作製した。
【0081】
すなわち、厚さ1.1mmのガラス板(第一基板)1に、スパッタ法によって0.1μm厚のアルミ膜を成膜し、500μm×500μmの正方形にパターニングして10×10のマトリクス状の第一電極2を形成した(図15(a) 参照)。なお、同時に、各画素に電力を供給するための配線(図示せず)も形成しておいた。
【0082】
次に、この第一電極2を覆うように、酸化チタン微粒子を混合して白色化させたアクリル樹脂からなる絶縁層3を形成した(図15(b) 参照)。そして、その絶縁層3の表面に、厚さ0.05μmのTi膜をスパッタ法で成膜し、その上にカーボンブラックを含む光感光性アクリル樹脂を塗布し、露光、現像の後、ドライエッチングによりライン状にパターニングして、黒色の第二電極4を形成した。なお、第二電極4の線幅は30μmとし、ピッチは100μmとした。そして、第二電極4を覆うように0.5μm厚の透明な熱硬化型樹脂5を形成して絶縁層とした(図15(b) 参照)。
【0083】
一方、PET材にて図15(c) に示すような格子状の隔壁7を2つ形成した。この隔壁7の高さは100μmとし、窓部の寸法は第一電極2に一致するように500μm×500μmの正方形状とした。この隔壁7の表面には、銀鏡反応によって0.1μm厚の銀膜を形成して反射膜8とした(図15(d) 参照)。更にその上に表面コート膜13として熱硬化性樹脂をディップ法により厚さ0.5μmで形成した。
【0084】
本実施例では第二基板10の厚さに起因する視差をも低減させるため、第二基板10内部に隔壁7上の反射膜8と平行に、同じ周期で反射膜28を形成する。以下にその作製手順の一例を示す。
【0085】
一方、厚さ100μmの透明なPETフィルムからなる第二基板10にも、第一基板1と同様にスパッタ法によって0.1μm厚のアルミ膜を成膜し、500μm×500μmの正方形にパターニングして10×10のマトリクス状のマスク層26を形成した(図15(e) 参照)。そして、酸素ガスを用いたドライエッチングで、第二基板10に深さ190μmの溝Gを形成し(図16(a)(b)参照)、その後、マスク層26を除去した。さらに、マスク層26を形成したと同様の領域(つまり、溝Gが形成されていない領域)に光硬化性樹脂を第二のマスク層27として形成し(図16(b) 参照)、0.1μmの厚さのアルミ膜28をスパッタ法により形成し(図16(c) 参照)、その後、マスク層27を除去した(図16(d) 参照)。これにより、溝Gの側壁及び底壁にのみアルミ膜28が残存することとなった。その後、熱硬化型樹脂層29を形成し、溝Gを埋める(図16(d) 参照)。次に、この熱硬化型樹脂層29の表面にITO膜を成膜し、フォトリソグラフィーにより、反射膜28と整合し、重ならないように一辺500μmの正方形の第三電極17と、第三電極17に電圧を印加する配線(図示せず)とをパターニングする。第三電極は10×10のマトリクス状の配列をとる。
【0086】
次に、この第三電極17を覆うように、1μm厚で透明な熱硬化型樹脂を絶縁層18として形成し、さらにその絶縁層18の表面には、0.05μm厚のTi膜をスパッタ法で形成し、その上にカーボンブラックを含む光感光性アクリル樹脂を塗布し、露光、現像の後、ドライエッチングによりライン状にパターニングして、黒色の第四電極19を形成した。そして、第二電極4を覆うように0.5μm厚の透明な熱硬化型樹脂を形成して絶縁層20とした。
【0087】
一方、第一基板1の方の絶縁層4の表面には、図17(a) に示すように、接着層12を1μmの厚さに塗布した。そして、この接着層12には、上述した格子状の隔壁7を貼り付け(図17(a) 参照)、実施例1と同様、接着層16の形成や、絶縁性液体14及び着色帯電泳動粒子15の充填を行った。なお、絶縁性液体14(以下、“第一の絶縁性液体14”とする)としては透明なアイソパーHを用い、着色帯電泳動粒子15(以下、“第一の着色帯電泳動粒子15”とする)としては黒色の粒子を用いた。
【0088】
次に、位置合わせを行って図17(b) に示すように基板1,10を貼り合わせた。
【0089】
そして、第二基板10の絶縁層20上に接着層21を形成し、もう一つ作製してあった隔壁7をその表面に貼り付けた(図17(c) 参照)。さらに、上述と同様に、接着層16の形成や、第二の絶縁性液体23及び第二の着色帯電泳動粒子22の充填を行なった。第二の絶縁性液体23としては、アイソパーHを用い、第二の着色帯電粒子22としては、赤色の粒子を用いた。最後に、厚さ200μmのPET基板からなる第三基板25を貼り付け、これに電圧印加回路(図示せず)を接続し、表示装置が完成した。
【0090】
このような表示装置を実施例2と同様の方法により駆動した。すなわち、第一電極2に+40V、第二電極4に0V、第三電極17に−40V、第四電極19に0Vをそれぞれ印加すると、図18の左側の画素に示すように、正極性の第一の着色帯電泳動粒子15は、第二電極4に沿ってストライプ状に配置され、赤色で正極性の第二の着色帯電泳動粒子22は、第三電極17を覆うように広がる。このため、第三基板25の観察者側で、第三基板25表面の法線方向から観察する観察者48からは赤色の表示が観察される。
【0091】
また、第一電極2に−40V、第二電極4に0V、第三電極17に+40V、第四電極19に0Vをそれぞれ印加すると、図18の右側の画素に示すように、黒色の着色帯電粒子15は第一電極2に沿うように広がり、赤色の着色帯電泳動粒子22は、第四電極19に沿ってストライプ状に配置される。この結果、第三基板25の観察者側で、第三基板法線方向から観察すると黒色の表示が観察される。第三基板25表面の法線方向から45度傾けた方向からも観察する(符号49参照)。比較例2においては、画素Aにおいて視差により赤色の光量が減少するが、本実施例では赤色光量の減少が改善される効果を有する。
【0092】
(比較例1)
光反射膜8を設けない以外は実施例1と同じ構造の電気泳動表示装置(図19参照)を作製した。
【0093】
本比較例の表示装置を用いて表示を行う。印加電圧は±40Vである。すべての画素で、第一電極2を負極に、第二電極4を正極にすると、本比較例で用いる着色帯電泳動粒子15は絶縁性液体14であるアイソパーH中で正に帯電するため、第一電極2上にある白色の絶縁層3を覆うように帯電泳動粒子が移動する。第二基板10の絶縁性液体14と反対側の観察者48から見た表示は黒表示となる(不図示)。次に赤色のカラーフィルター11Rに対応する画素のみ第一電極2を正極に、第二電極4を負極にし、青色、緑色のカラーフィルター11G,11Bに対応する画素では第一電極2を負極に、第二電極4を正極にする。これにより、赤色のカラーフィルター11Rに対応する画素では、黒色の帯電泳動粒子15は黒色の第二電極4上の絶縁層5上に移動し、第二基板10の絶縁性液体と反対側から表示装置表面に垂直に観察する観察者48からは、カラーフィルター色である赤色が観察できる。表示装置表面の法線方向から45度の角度で観察する観察者49からは、視差の問題により観察方向によって表示色の赤色が青色や緑色がかって見える。
【0094】
(比較例2)
光反射膜8を設けない以外は実施例2と同様の電気泳動表示装置(図20参照)を作製した。
【0095】
本比較例の表示装置を用いて表示を行う。図21に示す左側の画素には第一電極2に+40V、第二電極4に0V、第三電極17に−40V、第四電極19に0Vをそれぞれ印加する。本比較例で用いる着色帯電粒子はアイソパーH中でいずれも正に帯電する為、画素において黒色の着色帯電粒子14は第二電極4上に移動し、赤色の着色帯電粒子22は第三電極17を覆うように広がる。このため、第三基板25の観察者側で、第三基板25表面の法線方向から観察する観察者48からは、画素は赤色の表示が観察される。
【0096】
また、図21に示す右側の画素には第一電極2に−40V、第二電極4に0V、第三電極17に+40V、第四電極19に0Vをそれぞれ印加する。これにより画素において黒色の着色帯電粒子22は第一電極2を覆うように広がり、赤色の着色帯電粒子22は第四電極19上に移動する。この結果第三基板25の観察者側で、第三基板法線方向から観察する観察者48からは、画素Bは黒色の表示が観察される。第三基板25表面の法線方向から45度傾けた方向から観察する観察者49からは、画素において視差により赤色成分の光量が減少する。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、視差の問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示装置の一例を示す断面図。
【図2】本発明に係る表示装置の一例を示す断面図。
【図3】表示装置の駆動方法を説明するための図。
【図4】表示装置の製造方法を説明するための図。
【図5】本発明に係る表示装置の一例を示す断面図。
【図6】本発明に係る表示装置の一例を示す断面図。
【図7】本発明に係る表示装置の一例を示す断面図。
【図8】本発明に係る表示装置の一例を示す断面図。
【図9】本発明に係る表示装置の一例を示す断面図。
【図10】表示装置の製造方法を説明するための図。
【図11】表示装置の製造方法を説明するための図。
【図12】表示装置の駆動方法を説明するための図。
【図13】本発明に係る表示装置の一例を示す断面図。
【図14】表示装置の駆動方法を説明するための図。
【図15】表示装置の製造方法を説明するための図。
【図16】表示装置の製造方法を説明するための図。
【図17】表示装置の製造方法を説明するための図。
【図18】表示装置の駆動方法を説明するための図。
【図19】従来の表示装置の構造の一例を示す断面図。
【図20】従来の表示装置の構造の一例を示す断面図。
【図21】従来の表示装置の駆動方法を説明するための図。
【図22】従来の電気泳動表示装置の構造の一例を示す断面図。
【図23】従来の電気泳動表示装置の構造の一例を示す断面図。
【図24】従来の問題点を説明するための図。
【符号の説明】
7 隔壁
8 光反射面
A 画素
C 光変調層
Claims (10)
- 少なくとも1つの光変調層を有し、該光変調層にて光を変調する表示装置において、
該光変調層の内部であって、画素と画素との境界部分に光反射面が配置されて、他の画素への光の進入が防止される、
ことを特徴とする表示装置。 - 前記光反射面が、前記光変調層の面方向に対してほぼ90度の角度をなす、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。 - 画素と画素との境界部分に隔壁が配置され、かつ、
前記光反射面は該隔壁に沿うように配置された、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。 - 光変調層を複数備え、かつ、
前記光反射面は、該複数の光変調層の内、視差が生じる程度の厚みの光変調層に配置された、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示装置。 - 前記光反射面が配置されてなる光変調層は、外部からの信号によって変調特性を制御される、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示装置。 - 前記光変調層の厚みが画素幅の3%以上である、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示装置。 - 前記光変調層のうち少なくとも一つがバルク光変調層である、
ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の表示装置。 - 前記光変調層に沿うように配置された透明基板を備え、かつ、
該透明基板の内部に光反射面が形成されて、光が該透明基板を経由して他の画素に進入することが防止される、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の表示装置。 - 前記光変調層の少なくとも1つが、液体と、該液体中に分散された帯電粒子とによって構成され、かつ、該帯電粒子の移動によって光を変調する、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の表示装置。 - 前記光変調層の少なくとも1つが液晶層であり、該液晶層のスイッチングによって光を変調する、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の表示装置。
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