JP2004018954A - チタン系金属製品の製造方法及びチタン系金属製品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】チタン系金属製品を無水系電解液に浸漬し、電解研磨する工程と、前記電解研磨を停止した後に前記チタン系金属製品を前記電解液中で超音波処理に付す工程とを有する製造方法、及び表面に鏡面部を有し、前記鏡面部のTi含有量が前記鏡面部以外の部分のTi含有量よりも多いことを特徴とするチタン系金属製品。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チタン系金属製品の製造方法及びチタン系金属製品に関し、特に表面が鏡面に仕上げられたチタン系金属製品を得ることのできるチタン系金属製品の製造方法及びチタン系金属製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
チタン及びチタン合金は、軽量、高強度、耐食性に優れる等、他の金属よりも優れた特性を有する。このため、チタン及びチタン合金は、宇宙、航空機材料のほか、各種プラント設備、建築材料、医療材料、光学機器、装飾品、レジャー用品など広い分野で使用されている。また、機能性材料として現在実用化されている形状記憶合金は、チタンとニッケルの原子比が1:1である金属間化合物であり、高強度、耐熱性、耐磨耗性、耐食性に優れるという特徴を持つ。このため、形状記憶合金は、宇宙、航空機材料、自動車や家電品のアクチュエータ、歯列矯正ワイヤ、ガイドワイヤなどの医療用具、携帯電話のアンテナなどの通信機器、めがねフレームなどの装身具等に広く用いられている。
【0003】
上記のチタン、チタン合金及び形状記憶合金を各種の基材として使用する場合、製品の表面を鏡面仕上げとすることは、製品の審美性及び安全性を向上させる上で極めて重要である。すなわち、例えば、チタン、チタン合金又は形状記憶合金製品の表面が鏡面仕上げとなっていれば、建築部材、装飾品、装身具及び医療機器の美観を向上させられるほか、化学プラント等で使用される曲面状の構成部品への付着防止や、装身具、医療器具の雑菌の付着と繁殖の防止にも効果がある。さらに半導体装置内部で鏡面仕上りのチタン等を用いれば、製造プロセス中の不純物の混入を防ぐ効果も期待される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
チタン、チタン合金又は形状記憶合金の表面を鏡面に仕上げる方法としては、これまでバブ研磨、バレル研磨などの機械的研磨法のほか、化学研磨法、電解複合研磨法が知られている。しかし、機械的研磨法は、加工歪が生じやすく、化学的親和力に起因して研磨用砥粒と材料との融着が起こり、チタン表面層が毟り取られて一様な平滑面を得ることが難しいという欠点がある。また、化学研磨法は、有毒ガスが発生する危険性があるとともに、安定した鏡面を得ることが難しく、さらに光沢が鈍く、しかも光沢が持続しないため、良好な鏡面が得られないという欠点がある。さらに電解複合研磨法は、チタンのコイル材などを短時間で鏡面仕上げすることは可能であるが、加工した製品などの仕上げに期待する複雑形状の鏡面仕上げには適用できないなどの欠点がある。このように、いずれの研磨方法であっても、チタン等の表面を鏡面仕上げとすることは非常に難しいとされていた。
【0005】
一方、チタン等の表面を鏡面仕上げとする別の方法として電解研磨法がある。電解研磨法は、短時間の処理で比較的複雑な形状であっても研磨面の光沢が得られるというメリットがある。しかし、これまでの電解研磨法は、研磨対象が比較的小面積のものに限られる上、高い電圧を印加する必要があり、さらに電解研磨液の組成によってはチタン等の表面に厚い膜が形成されてしまうという問題があった。
【0006】
このような状況の中で、最近、チタンの電解研磨方法に関する研究が報告されている(森田直久、歯科技術・器械Vol.9 No.2 p218〜239(1990))。この研究報告によれば、アルコールを含む電解液に小型の純チタン板を浸漬して30V程度の電圧を5分程度印加すれば電解研磨で鏡面仕上げの純チタンを得ることができる旨を記載している。
【0007】
しかし、上記の研究報告に記載された電解研磨法の対象は純チタンに限定されていた。本発明者らが検討した結果、この電解研磨法ではチタン合金やチタン系形状記憶合金では十分な効果が得られず、更なる改善、検討が必要であることが判明した。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1の目的は、チタン系金属製品を電解研磨することにより、チタン合金やチタン系形状記憶合金であっても、従来、純チタンで得られている鏡面と同等又はそれ以上の鏡面に仕上げることのできるチタン系金属製品の製造方法を提供することにある。さらに本発明の第2の目的は、チタン合金やチタン系形状記憶合金等のチタン系金属製品であって、耐食性と生体適合性に優れた鏡面を有するチタン系金属製品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、チタン等の各種の鏡面仕上げ方法の中から比較的複雑な形状を有する製品の研磨に適した電解研磨法を選択し、この電解研磨の最適な研磨液の組成、研磨条件、電解電圧、電解工程等について鋭意検討した。その結果、本発明者らは従来の電解研磨法よりも良好な鏡面部を有するチタン系金属製品が得られる方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の第1の目的は、表面に鏡面部を有するチタン系金属製品の製造方法であって、前記チタン系金属製品を無水系電解液に浸漬し、電解研磨する工程と、前記電解研磨を停止した後に前記チタン系金属製品を前記電解液中で超音波処理に付す工程とを有することを特徴とする前記製造方法により達成される。
【0010】
本発明の製造方法によれば、電解研磨と超音波処理とを組み合わせることで表面に鏡面部を有するチタン系金属製品を得ることができる。このため、本発明の製造方法によれば、例えば、チタン合金、チタン系形状記憶合金を使用した装身具や医療用具(例えば、ステント、歯列矯正ワイヤ等)であっても表面が鏡面に仕上げられた審美性のある装身具等を得ることができる。
【0011】
また、本発明の製造方法の好ましい態様は次のとおりである。
(1)前記電解研磨を1〜40mA/cm2の電流密度で行う前記製造方法。
(2)前記チタン系金属が、純チタン、チタン合金及びチタン系形状記憶合金から選ばれる1種である前記製造方法。
(3)前記チタン系金属がTi−Ni系合金又はTi−Ni系形状記憶合金である前記製造方法。
(4)前記無水系電解液が炭素数1〜6のアルコールを1種又は2種以上含む前記製造方法。
(5)前記無水系電解液がエチルアルコール、iso−プロピルアルコール、無水塩化アルミニウム及び無水塩化亜鉛を含む前記製造方法。
(6)前記電解研磨の工程と前記超音波処理の工程とを少なくとも3回繰り返す前記製造方法。
【0012】
また、本発明の第2の目的は、表面に鏡面部を有し、前記鏡面部のTi含有量が前記鏡面部以外の部分のTi含有量よりも多いことを特徴とするチタン系金属製品によって達成される。
【0013】
本発明のチタン系金属製品は、表面に鏡面部を有し、かつその鏡面部のTi含有量が、その鏡面部以外の部分のTi含有量よりも多い。このため、本発明のチタン系金属製品は、バブ研磨等により得られたチタン系金属製品や未処理の製品よりも鏡面部のTi含有量が多く、耐食性及び生体適合性に優れている。
【0014】
本発明のチタン系金属製品の好ましい態様は、次のとおりである。
(1)前記チタン系金属がチタン合金又はチタン系形状記憶合金である前記チタン系金属製品。
(2)前記チタン系金属がNi−Ti系チタン合金又はNi−Ti系形状記憶合金である前記チタン系金属製品。
(3)前記鏡面部のTi含有量が前記鏡面部のNi含有量よりも多い前記チタン系金属合金製品。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の製造方法及びチタン系金属製品について、さらに詳細に説明する。
【0016】
[チタン系金属製品の製造方法]
本発明の製造方法では、チタン系金属製品を電解研磨及び超音波処理に付すことにより鏡面部を有するチタン系金属製品を得る。
本発明の製造方法の被研磨体である「チタン系金属製品」は、純チタンからなる製品のほか、チタンとその他の少なくとも1種の金属からなる製品を含む。このチタン系金属製品は、後述する本発明のチタン系金属製品でも同様の意味で用いられる。
本発明のチタン系金属は、純チタン、チタン合金及びチタン系形状記憶合金から選ばれる1種であることが好ましい。
本発明のチタン系金属の具体例としては、純チタン;Ti−15Mo、Ti−5Al−2.5Sn、Ti−6Al−4V ELI、Ti−6Al−4V、Ti−6Al−7Nb、Ti−15Mo−5Zr、Ti−5Al−3Mo−4Zr、Ti−13Nb−13Ta、Ti−12Mo−6Zr−2Fe、Ti−15Zr−4Nb−2Ta−0.2Pd、Ti−35.3Nb−5.1Ta−4.6Zr、Ti−29Nb−13Ta−4.6Zr、Ti−15Sn−4Nb−2Ta−0.2Pd、その他Tiを多量に含む合金等;Ni−Ti系、Ni−Ti−Co系、Ni−Ti−Fe系、Ni−Ti−Cr系、Ni−Ti−Cu系、Ni−Ti−Cu−Cr系形状記憶合金、その他、Ni、Tiを主成分とする各種の形状記憶合金などが挙げられ、特にNi−Ti系形状記憶合金であることが好ましい。
【0017】
本発明の製造方法で得られるチタン系金属製品は、表面に鏡面部を有する。本発明の製造方法における「鏡面」とは、得られるチタン系金属製品の表面状態を表すものであり、表面粗さが0.3μmRa以下の面をいう。チタン系金属製品の鏡面部は、チタン系金属製品の表面の一部及び全部のいずれであってもよい。
なお、この鏡面及び鏡面部の意味は、後述する本発明のチタン系金属製品においても同様の意味として用いられる。
【0018】
本発明の製造方法における電解研磨は、無水系電解液中に陰極と、チタン系金属製品からなる陽極とを浸漬し、両電極間に電圧を印加してチタン系金属製品の表面の研磨を行う。
本発明の電解研磨の電極として用いられる陰極の材料は、無水系電解液の種類に応じて適宜選択できる。そのような材料として、例えば、チタン、白金、ステンレス、銅などを挙げることができ、陽極での析出を防ぐためにもチタンであることが好ましい。また陰極の形状については特に制限はないが、陽極に均一な電圧を印加する観点からは円筒状であることが好ましい。
【0019】
次に本発明の製造方法を便宜上、電解研磨の工程と超音波処理の工程とに分けて以下に説明する。
[電解研磨の工程]
本発明の製造方法における電解研磨工程では無水系電解液が用いられる。本発明で用いられる無水系電解液は、好ましくは炭素数1〜6のアルコールを1種又は2種以上含む。炭素数1〜6のアルコールの具体例としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、iso−ブチルアルコール、グリセリン、n−ペンタノール、n−ヘキサノールなどを挙げることができる。中でもエチルアルコールとiso−プロピルアルコールを用いることが好ましい。
【0020】
上記無水系電解液は、上記のアルコール成分以外に、電解研磨で一般的に用いる成分をさらに含むことができる。そのような成分として、例えば、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化リチウムなどを挙げることができる。本発明の製造方法では、エチルアルコール、iso−プロピルアルコール、無水塩化アルミニウム及び無水塩化亜鉛を含む無水系電解液を用いることが好ましい。
無水系電解液の各成分の含有量(質量%)は、電解研磨するチタン系金属製品の種類、形状、電解研磨面積の大きさ等に応じて適宜決定できる。
【0021】
前述した研究報告(森田直久、歯科技術・器械Vol.9 No.2 p218〜239(1990))には、30V以下の低電圧下(電流密度65mA/cm2以下)では良好な結果が得られなかった旨の記載がある。それに対して、本発明者らは純チタンのみならずチタン合金及びチタン系形状記憶合金についても良好に電解研磨を行える方法につき鋭意検討をした。その結果、後述する超音波処理と組み合わせることにとで上記報告書では好ましくないとされていた比較的低い電圧(電流密度)における電解研磨により所望の鏡面を得られることを見出した。
すなわち、本発明の製造方法では比較的低い電流密度、例えば、1〜40mA/cm2、好ましくは10〜30mA/cm2の範囲、さらに好ましくは15〜20mA/cm2の範囲で電解研磨を行う。この範囲の電流密度の電解研磨を行った製品は、それだけでは表面に皮膜が形成されるだけで、良好な鏡面を示さないが、超音波処理と組み合わせることで良好な鏡面を示すようになる。前記範囲の電流密度は、印加する電圧を前記範囲になるように調整することにより得られる。
【0022】
電解研磨を行う温度は、上記無水系電解液の組成が変化しない程度の温度であればよく、例えば、10〜40℃であり、好ましくは20〜30℃である。また、電解研磨を行う時間は、使用されるチタン系金属製品の種類、電解研磨されるチタン系金属製品の表面積の大きさ等に応じて適宜決定できる。
【0023】
[超音波処理の工程]
本発明の製造方法における超音波処理の工程では、電解研磨されたチタン系金属製品の表面に形成された皮膜を超音波振動により除去する。
本発明の超音波処理の工程では電解研磨を停止する。すなわち、超音波処理工程におけるチタン系金属製品の皮膜の除去は、チタン系金属製品が浸漬されている無水系電解液において回路を開いた状態で行う。
本発明者らは、電解研磨と電解研磨後のチタン系金属製品の表面に形成された皮膜との関係につき鋭意検討した。その結果、電解研磨後に、電解研磨を停止した状態でチタン系金属製品の表面から皮膜を除去することにより、表面粗さが小さく、かつ表面が白濁化していないRaが0.3μm以下の鏡面仕上りのチタン系金属製品を得ることに成功した。
【0024】
本発明の製造方法における超音波処理の工程では、超音波振動を用いてチタン合金の表面に形成された皮膜を除去する。チタン系金属製品表面の皮膜の除去を超音波振動を用いて行うことにより、電解研磨により剥離されたチタン系金属製品の表面上の皮膜を表面が鏡面を示すように除去できる。本発明の超音波処理の工程で用いる超音波は、例えば、振動数10〜100MHz、出力25〜300Wであることが好ましい。本発明で用いられる超音波洗浄装置は、一般の超音波洗浄に用いられる超音波洗浄装置をそのまま用いることができる。
【0025】
本発明の製造方法は、上記の電解研磨の工程と超音波処理の工程とを有し、これらの工程を経ることにより鏡面仕上りのチタン系金属製品が得られる。この研電解研磨の工程と超音波処理の工程は、鏡面を得ようとする製品の処理前の表面状態に応じて、また得たい鏡面状態に応じて複数回(2回以上)繰り返すことができる。より滑らかな鏡面(例えば、表面粗さRaが0.3μm以下)を有するチタン系金属製品を得る観点からは、少なくとも3回繰り返すことが好ましく、6回以上繰り返すことがさらに好ましい。
【0026】
[チタン系金属製品]
本発明のチタン系金属製品は、表面に鏡面部を有する。本発明のチタン系金属製品の鏡面は、表面粗さRaが0.3μm以下の面であり、一部に鏡面部を有し、その他の部分は鏡面部を有しない態様、及び表面の全部に鏡面部を有する態様の2つの態様が含まれる。
【0027】
本発明における鏡面部のTi含有量は、鏡面部以外の部分のTi含有量よりも多い。ここで、「鏡面部以外の部分」とは、例えば、チタン系金属製品の表面の一部に鏡面部を有する場合には、鏡面部を有しないチタン系金属製品の表面部分又はチタン系金属製品の内部を意味し、表面の全部に鏡面部を有する場合には、チタン系金属製品の内部を意味する。
【0028】
上記鏡面部のTi含有量は、鏡面部以外の部分のTi含有量より多ければ特に限定はない。例えば、鏡面部のTi含有量が鏡面部以外の部分のTi含有量よりも5%以上、好ましくは10%以上多いことができる。Ti−Ni合金又はTi−Ni系形状記憶合金の場合、例えば、鏡面部のTi含有量が鏡面部以外の部分のTi含有量よりも10質量%以上多く、さらに好ましくは20質量%以上多いことができる。なお、上限値は特に制限はなく、鏡面がすべてTiであることもできる。
本発明における鏡面部のTi含有量は、例えば、オージェ電子分光法(AES)や電子プローブマイクロアナリシス(EPMA)などの各種の分析方法により測定できる。
【0029】
本発明の製品を構成するチタン系金属には、本発明の製造方法で列挙した各種のチタン系金属が含まれるが、中でもTi−Ni合金又はTi−Ni系形状記憶合金であることが好ましい。また、チタン系金属がNi−Ti系形状記憶合金(Ni:Ti=50:50 at%)である場合には、鏡面部のTi含有量はNi含有量よりも多いことが好ましい。Niは生体に対して毒性を有する金属として知られているため、チタン系金属製品を生体に用いる場合には、チタン系金属製品の表面からのNiの溶出をできる限り防止することが望ましい。本発明のチタン系金属製品(Ni−Ti系形状記憶合金)であれば、表面に存在するNi含有量を大幅に減少できる。したがって、本発明のチタン系金属製品は、その表面からのNiの溶出量を大幅に低減できるため、生体適合性と耐食性に優れた生体材料であり、装身具や医療用具に好適に応用することできる。
本発明のチタン系金属製品は、本発明の製造方法を用いて製造することができる。
【0030】
本発明の製造方法により得られたチタン系金属製品及び本発明のチタン系金属製品は、見た目にも美しく、かつ生体適合性に優れるため、例えば、不純物が混入するおそれの少ないステント、人工歯根、歯列矯正ワイヤ、ガイドワイヤ、チタンの柑子などの医療器具や、メガネ、指輪、イヤリング、ネックレス、腕時計、ブローチなどの装身具、細胞培養装置部品、半導体製造装置部品等への応用が可能である。
【0031】
【実施例】
本発明の好適な実施例を以下に適宜図面を用いながら説明する。
なお、以下の実施例に示される装置の構造、配置、寸法等は、本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の製造方法及び表面処理チタン合金の範囲は以下に示す実施例に制限されるものではない。
【0032】
(実施例1)
実験装置
本発明で用いる電解研磨装置の構成を図1に示す。
【0033】
電解研磨装置1は、電源2、電解槽3、チタン合金(陽極)4、陰極5、超音波洗浄器6、温度計7及びスイッチ8で構成される。電源2はセレン整流器((株)山本商店、0〜20V、直流)、電解槽3は300mlガラス製ビーカーをそれぞれ用いた。陰極5は電解槽3の内壁に沿って円筒状の銅版(厚さ0.1mm)を配置した。
電解槽3を超音波洗浄器6(アズワン(株)、VC−1,超音波振動子:PZT電歪型振動子,超音波出力:45W)の洗浄槽の中に入れ、洗浄槽内の水温を調整することにより電解液槽内の電解液の温度を25℃に保持した。
【0034】
試料(陽極)
電解研磨装置1の陽極は、Ti−Ni形状記憶合金板(大同特殊鋼(株)KIOK ALLOY−R、0.5t×5.7W,帯材;Ni:55.66質量%,Ti:44.34質量%)を表面処理剤((株)ユニカル,Axs−5 No.32)で黒皮を剥離したものを用いた。Ti−Ni合金板の研磨面積は、Ti−Ni合金板の表面を研磨しない部分をフッ素樹脂熱収縮チューブで被覆することにより調整した。
【0035】
電解液の調製
無水系電解液は、エチルアルコール210ml、iso−プロピルアルコール90ml、無水塩化アルミニウム18g、及び無水塩化亜鉛75gを混合したものを用いた。
【0036】
電解槽3内に上記電解液を注入してTi−Ni形状記憶合金板の研磨部分を浸漬した後、静置した状態で5Vの電圧(電流密度12mA/cm2)を印加して15分間電解研磨した。その後、スイッチ8をOFFにし回路を開いた状態で(電解研磨を停止して)超音波処理を5分間行った。以後、この電解研磨と超音波処理の操作を繰り返し合計で6回(電解研磨:合計90分間)行った。得られたNi−Ti形状記憶合金板の粗さ曲線、表面粗さ及び研磨面の状態を図2に示す。
【0037】
(比較例1)
電解研磨後に超音波処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様の方法で行った。得られたNi−Ti形状記憶合金板の粗さ曲線、表面粗さ及び研磨面の状態を図2に示す。
【0038】
(比較例2)
円筒状の銅板を陽極とし、電解槽3内に上記電解液を注入してTi−Ni形状記憶合金板の研磨部分を浸漬した後、静置した状態で5Vの電圧(電流密度12mA/cm2)を印加して10分間電解研磨を行った。その後、電解研磨を継続した状態で超音波処理を5分間行った。以後、この電解研磨と超音波処理の操作を繰り返し合計で6回(電解研磨:合計90分間)行った。得られたNi−Ti形状記憶合金板の粗さ曲線、表面粗さ及び研磨面の状態を図2に示す。
【0039】
(比較例3)
実施例1の印加電圧を5Vから15V(電流密度80mA/cm2)に変更した以外は実施例1及び2と同様の方法によりTi−Ni形状記憶合金板の電解研磨及び超音波処理を行った。
【0040】
(実施例2)
実施例1の陰極の材料を銅からチタン(円筒状、厚さ0.1mm)に変更した以外は実施例1と同様の方法により電解研磨及び超音波処理を行った。その結果、得られたTi−Ni形状記憶合金板の表面粗さはRaが0.20μmであり、かつRyが1.79μmであった。
【0041】
図2から分かるように、実施例1及び2のように電解研磨を停止した状態で超音波処理を行ったものは、得られたNi−Ti形状記憶合金板の表面の表面粗さは、銅電極の場合、0.16μmRa、1.72μmRy、純チタン電極の場合、0.20μmRa、1.79μmRyと極めて滑らかであり、いずれも鏡面仕上りのNi−Ti形状記憶合金板が得られた。
これに対し、比較例1のように超音波処理を行わなかった場合には、光沢面は得られるものの、Ni−Ti形状記憶合金板の表面粗さが0.32μmRa、1.93μmRyと本発明の実施例よりもかなり劣っていた。さらに比較例2のように電解研磨を継続した状態で超音波処理を行った場合には、Ni−Ti形状記憶合金板の表面が曇り面となり、また表面粗さも0.34μmRa、3.52μmRyと表面の状態は本発明の実施例よりも劣っていた。
また、比較例3のように電流密度が高くなると(40mA/cm2以上)、Ti−Ni形状記憶合金板の中央部が白、灰及び黒の曇り面となり、鏡面は得られなかった。
以上のことから、本願発明の製造方法のように電解研磨を行った後、電解研磨を停止した状態で超音波処理を行うことにより低電流密度で表面が鏡面に仕上げられたTi−Ni形状記憶合金板が得られることが分かる。
【0042】
(実施例3)
実施例1及び2で得られた鏡面仕上りのTi−Ni形状記憶合金板の表面における各成分及び含有量を定性・定量分析した。なお、コントロールとして未研磨のNi−Ti形状記憶合金(黒皮材)の成分及び含有量も定性・定量分析した。
鏡面仕上りのTi−Ni形状記憶合金表面の定量分析は、EPMA(日本電子株式会社製:電子プローブマイクロアナライザー:JXA−8800L)を用いて行った。
先ず、Ti−Ni形状記憶合金の表面に存在する元素の構成を調査するため、定性分析を行った。定性分析における分光結晶には、LDE(Layered Dispersion Element)、LiF(Lithium Fluoride)、PET(Pentaerythritol)、TAP(Thallium Acid Phthalate)を用い、加速電圧15kV、照射電流4.5×10−8Aの条件で解析を行った。
定量分析においては、分析用標準試料(日本電子(株)製:ピュアメタル及び酸化物スタンダード)を用い、加速電圧15kV、照射電流5×10−9Aの条件で解析を行った。定性分析及び定性分析の結果を表1に示す。
【0043】
(比較例4)
実施例3の電解研磨をバフ研磨に変更した以外は実施例3と同様の方法により研磨後のNi−Ti形状記憶合金の表面に含まれる成分の定性・定量分析を行った。バフ研磨はNi−Ti形状記憶合金の表面をSiC耐水研磨(#120、600、1200、4000)した後、SiCペーストを用いて行った。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
表1から分かるように、実施例3におけるTi−Ni形状記憶合金板の鏡面のTi含有量は、銅電極とチタン電極のいずれの場合も69質量%と、鏡面以外の部分(すなわち、電解研磨されていない部分)におけるTi含有量(約43質量%)よりも多くなっていることが分かる。
これに対して比較例4のバフ研磨で得られたTi−Ni形状記憶合金板の鏡面のTi含有量は、約31質量%と、鏡面以外の部分におけるTi含有量(約43質量%)よりも少なくなっていることが分かる。
【0046】
(実施例4)
実施例1で得られた電解研磨したTi−Ni形状記憶合金板の生体への適合性を試験した。
実施例1で得られた電解研磨したTi−Ni形状記憶合金板と、未研磨のもの(黒皮材)と、バフ研磨したTi−Ni形状記憶合金板とをそれぞれ5.5×10mmに切り出したものを試料とした。これらの試料をそれぞれEOG滅菌し、滅菌した試料と培養液2.8mlを外径35mmのシャーレ(Iwaki社製,ガラス製)内に入れ、L929細胞(マウス線維芽組織由来)を7日間、37℃(310K)、95%Air−5%CO2雰囲気のインキュベータ内で培養した。初期細胞数は5万個とした。コントロールとして、試料を入れないシャーレでも培養を行った。結果を図3に示す。
【0047】
図3から分かるように、実施例1のTi−Ni形状記憶合金板ではL929細胞の増殖初期が良好であること分かる。これに対して、バフ研磨したもの及び未研磨ものは、いずれも増殖初期においてL929細胞の増殖が低下してしまう傾向が見られた。これより、本発明の製造方法で得られたTi−Ni形状記憶合金板はバフ研磨又は未研磨のものよりも生体適合性が優れていることが分かる。
【0048】
(実施例5)
実施例1で得られたTi−Ni形状記憶合金板、バフ研磨したTi−Ni形状記憶合金板、及び未研磨のTi−Ni形状記憶合金板(黒皮材)の耐食性を評価した。
測定溶液には、擬似溶液(Eagle’s Medium溶液;Eagle’s MEM粉末(日水製薬株式会社製):4.307g、超純水:453.57ml、牛胎児血清:52ml、7.5%NaHCO3溶液:12.1ml、3%L−グルタミン:4.58ml)(pH=7.4)を用いた。測定溶液を3.33×10−6m3/s(200cm3/min)の流量で,約3.6Ks(60min)間高純度窒素脱気した。試料の準備過程において表面に付着した酸化皮膜を除去するために、5%硫酸中で−1V、300s(5min)のカソード処理を行い、脱気した超純水と脱気した測定溶液中で十分洗浄した。自然電位安定後、アノード分極試験を開始した。但し、測定中は高純度窒素脱気環境下(O2<0.1ppm)で行い、測定溶液表面に高純度窒素ガスを吹き付けることにより、酸素の混入を防いだ。また、液温を体温と同じ37℃(310K)に保つために、恒温槽中で試験を行った。測定は電流密度(A/m2)と電位(E/V vs SCE)の関係をアノード分極測定装置(北斗電工(株)製:全自動アノード分極測定装置;型式HZ−1A)を用いて行った。結果を図4に示す。
【0049】
図4に示されるように実施例1及び2の電解研磨したTi−Ni形状記憶合金板では、不動態化電流密度及び不動態保持電流密度がいずれもバフ研磨したTi−Ni形状記憶合金板及び未研磨のTi−Ni形状記憶合金板(黒皮材)よりも低い。これより、実施例1及び2の電解研磨したTi−Ni形状記憶合金板は、不導体皮膜が形成されやすく、かつ形成された不動態皮膜は安定であり、耐食性がバフ研磨又は未研磨(黒皮材)よりも優れていることが分かる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の製造方法であれば、比較的低い電流密度でチタン系金属製品の電解研磨を良好に行え、表面が滑らかな鏡面仕上りのチタン系金属製品を得ることができる。また、本発明のチタン系金属製品は、表面に鏡面部を有し、かつその鏡面部のTi含有量がその鏡面部以外の部分のTi含有量よりも多い。このため、本発明のチタン系金属製品は、バブ研磨等で得られるチタン系金属製品よりも鏡面部におけるTi含有量が多いため、優れた耐食性を有すると共に、優れた生体適合性(毒性が少なく、人体に対して安全性の高い)を有するチタン系金属製品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における電解研磨装置を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施例の粗さ曲線、表面粗さ及び研磨面を示す説明図である。
【図3】本発明のチタン系金属製品の生体適合性を示す説明図である。
【図4】本発明のチタン系金属製品の耐食性を示す説明図である。
【符号の説明】
1 電解研磨装置
2 電源
3 電解槽
4 試料(陽極)
5 陰極
6 超音波洗浄器
7 温度計
8 スイッチ
Claims (11)
- 表面に鏡面部を有するチタン系金属製品の製造方法であって、前記チタン系金属製品を無水系電解液に浸漬し、電解研磨する工程と、前記電解研磨を停止した後に前記チタン系金属製品を前記電解液中で超音波処理に付す工程とを有することを特徴とする前記製造方法。
- 前記電解研磨を1〜40mA/cm2の電流密度で行う請求項1に記載の製造方法。
- 前記チタン系金属が、純チタン、チタン合金及びチタン系形状記憶合金から選ばれる1種である請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記チタン系金属がTi−Ni系合金又はTi−Ni系形状記憶合金である請求項3に記載の製造方法。
- 前記無水系電解液が炭素数1〜6のアルコールを1種又は2種以上含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記無水系電解液がエチルアルコール、iso−プロピルアルコール、無水塩化アルミニウム及び無水塩化亜鉛を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記電解研磨の工程と前記超音波処理の工程とを少なくとも3回繰り返す請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
- 表面に鏡面部を有し、前記鏡面部のTi含有量が前記鏡面部以外の部分のTi含有量よりも多いことを特徴とするチタン系金属製品。
- 前記チタン系金属がチタン合金又はチタン系形状記憶合金である請求項8に記載のチタン系金属製品。
- 前記チタン系金属がTi−Ni系合金又はTi−Ni系形状記憶合金である請求項9に記載のチタン系金属製品。
- 前記鏡面部のTi含有量が前記鏡面部のNi含有量よりも多い請求項10に記載のチタン含有合金製品。
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