JPH09207029A - チタン及びチタン合金の電解研磨方法 - Google Patents

チタン及びチタン合金の電解研磨方法

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JPH09207029A
JPH09207029A JP1773496A JP1773496A JPH09207029A JP H09207029 A JPH09207029 A JP H09207029A JP 1773496 A JP1773496 A JP 1773496A JP 1773496 A JP1773496 A JP 1773496A JP H09207029 A JPH09207029 A JP H09207029A
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electrolytic polishing
neutral
electropolishing
wave
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Kazuo Yamagishi
和夫 山岸
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Toyo Rikagaku Kenkyusho Co Ltd
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    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25FPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC REMOVAL OF MATERIALS FROM OBJECTS; APPARATUS THEREFOR
    • C25F3/00Electrolytic etching or polishing
    • C25F3/16Polishing
    • C25F3/22Polishing of heavy metals
    • C25F3/26Polishing of heavy metals of refractory metals

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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 チタン及びチタン合金の安全で低コスト,工
業的量産性のある電解研磨方法を提供すること。 【解決手段】 チタン及びチタン合金の電解研磨方法に
おいて、その電解研磨液の構成成分として一種以上の中
性フッ化物と一種類以上の有機造粘剤を含むPH8〜P
H5の液を使用し、電解研磨電圧波形として100V以
下の直流波,断続波,PR波,交直重畳波を使用するこ
とを特徴とするチタン及びチタン合金の電解研磨方法で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、装飾品や建材ある
いは器物などに使用されるチタン及びチタン合金の電解
研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】チタン及びチタン合金はその優れた特性
により、従来から航空産業,宇宙産業,原子力発電,土
木建築等に利用されていたが、近年ではその利用分野は
カメラ,メガネフレーム,ハウスウェア関係,アウトド
ア用品,装身具等の一般消費財にまで広がって来てい
る。しかしながら、その素材特性から製品仕上げにおけ
る羽布研磨加工が難しく、そのため著しいコスト高とな
ってしまうため、より安価で量産性のある研磨方法とし
ての電解研磨の確立が望まれている。
【0003】従来のチタンの電解研磨液としては過塩素
酸に無水酢酸を加えた液,クロム酸にフッ化水素酸を加
えた液,リン酸にフッ化水素酸を加えた液,エチルアル
コールにイソプロピルアルコール・塩化アルミニウム・
塩化亜鉛等を加えた液などが発表されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の電
解研磨液は、電解研磨時にチタン表面に成長する非常に
安定な化合物である二酸化チタン皮膜の成長を抑制、あ
るいは溶解して、電解電流を安定して流すために、無水
系の可燃性の有る液,不安定で爆発性が有る液,遊離の
フッ化水素酸を含んだ液が使用されており、電解研磨作
業者にとり非常に危険であるために工業的な規模での量
産は難しいものとなっている。
【0005】チタン及びチタン合金の薬品による研磨方
法としては、電気を使用せずに化学的溶解のみで研磨を
行う化学研磨が工業的に行われているが、化学研磨の液
としては、硝酸・フッ化水素酸液,過酸化水素・フッ化
水素酸液が使用されており、いずれも遊離のフッ化水素
酸を含むため危険であり、大きな部品に応用するのは難
しい。又、化学研磨ではチタン及びチタン合金の溶解量
が多く溶解量のコントロールが難しく、得られる光沢も
梨地状の光沢で鏡面研磨には程遠く、精度の高い部品,
品位の高い鏡面を必要とする部品に応用することは難し
い。
【0006】かくして、本発明の目的は安全で低コス
ト,工業的量産性が有り、品位の高い鏡面が得られるチ
タン及びチタン合金の電解研磨方法を提供することに有
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。
【0008】チタン及びチタン合金の電解研磨方法にお
いて、電解液の成分として少なくとも一種類以上の中性
フッ素化合物を含み、さらに液粘度の上昇のために可溶
性澱粉,エチレングリコール,ポリエチレングリコー
ル,グリセリン若しくはプロピレングリコール等の水溶
性有機増粘剤の一種又は複数を含み、電解液のPHが5
〜8のほぼ中性であることを特徴とする、チタン及びそ
の合金の電解研磨方法に係るものである。
【0009】また、前記中性フッ素化合物としてフッ化
ナトリウム,フッ化カリウム,フッ化アンモニウムを用
いることを特徴とする特許請求の範囲1項記載のチタン
及びチタン合金の電解研磨方法に係るものである。
【0010】また、電解研磨電圧波形として100V以
下の直流波,断続波,PR波若しくは交直重畳波を使用
する特許請求の範囲1項記載のチタン及びチタン合金の
電解研磨方法に係るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】金属の電解研磨においては、被研
磨物を陽極として電解研磨溶液に浸漬することにより、
金属表面において陽極酸化被膜の発生と溶解がバランス
して安定な電解電流が流れて電解研磨が進行する。しか
しながら、チタン及びチタン合金は酸素と非常に化合し
易く、又、発生した陽極酸化被膜は非常に化学的に安定
であるため、ステレス,アルミニウム,鉄,銅等の金属
の電解研磨に通常使用されているリン酸液,リン酸硫酸
の混合液で電解研磨を行おうとしても、表面に陽極酸化
被膜が成長して電解電流が流れなくなってしまい、全く
電解研磨は不可能である。
【0012】チタン及びチタン合金の陽極酸化被膜を効
率良く溶解する成分としてはフッ化水素酸が知られてい
るが、遊離のフッ化水素酸は揮発性が大きく人体に対し
ても非常に危険な物質である。本発明においてはチタン
及びチタン合金の陽極酸化被膜を溶解する成分として揮
発性が無く、人体に対する危険性もない中性のフッ素化
合物を使用し、さらに電解液の粘度を上昇する成分とし
て中性の物質である可溶性澱粉,エチレングリコール,
ポリエチレングリコール,プロピレングリコール,グリ
セリン等の有機増粘剤を加えたPH5〜8のほぼ中性の
電解研磨液を使用することにより、電解研磨液中におい
て被研磨物に陽極電圧が加わった時だけ、被研磨物表面
に発生する遊離のフッ素イオンにて陽極酸化被膜を溶解
し、安定な電解研磨電流を継続的に流すことによりチタ
ン及びチタン合金の電解研磨を可能とし、課題を解決す
るものである。
【0013】電解研磨の電圧波形としては、直流波,断
続波,PR波,交直重畳波が使用されるが、直流及び断
続波においては電解研磨後表面に残っている薄い陽極酸
化被膜を軽い酸洗により溶解剥離する必要がある。PR
波,交直重畳波を使用した場合は被研摩物が陰極になっ
た時に陽極酸化被膜が還元及び剥離するため、後工程の
酸洗をはぶくことができる。
【0014】更に説明すると、電解液を中性とすること
により、遊離のフッ化水素酸が発生することはなく極め
て安全で作業環境も良好なものとなる。本発明の電解研
磨液では、被研磨物に液中で電圧を加えると、被研磨物
が陽極となった時被研磨物の表面に陽極酸化被膜が発生
し、同時にF-イオンが被研磨物表面に集まり陽極酸化
被膜を溶解することにより被膜の成長と溶解がバランス
し、安定した電流が流れてチタン及びチタン合金が溶解
し被研磨物の表面は電解研磨される。
【0015】電解研磨液に添加された有機造粘剤は、被
研磨物表面に電解研磨が行われるために必要な粘性のあ
る液層をつくるための物である。本発明の電解研磨液で
は、遊離のフッ化水素酸が液中に存在しないため、チタ
ン及びチタン合金の被研磨物を電解研磨液中に浸漬した
だけでは、まったく被研磨物の溶解が起こらない。チタ
ン及びチタン合金の溶解は電気的溶解のみで起こるた
め、流す電流量をコントロールすることにより、チタン
及びチタン合金の溶解量を正確にコントロールすること
が可能となる。電解終了後電圧を切断するとチタン及び
チタン合金の溶解は止まるため、液中に被研磨物を浸漬
したままでも化学溶解による光沢の劣化は全く起こらな
い。これらの点は従来の酸性のチタン及びチタン合金の
電解研磨液と比較して非常に有利な点で、工業的量産を
非常に簡単にし、さらに、精度を要求されるようなチタ
ン及びチタン合金製の部品の電解研磨も可能とするもの
である。尚、本発明の電解研磨液のPHを5以下とした
場合は液中にユリのフッ化水素酸が発生するため、作業
上の危険性が発生するとともに、チタン及びチタン合金
の化学的溶解が起こるため、光沢が劣化し、溶解量のコ
ントロールが難しくなる。電解研磨液のPHを8以上の
アルカリ性とした場合は、陽極酸化被膜の溶解が起こり
にくくなるため、陽極酸化被膜の成長が起こり、電解時
間とともに電流が流れなくなるため電解研磨を行うこと
は困難となる。電解研摩電圧については+100V以上
では液中放電が発生し、厚い酸化被膜が成長するため電
解研磨は不可能となる。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。
【0017】以下の実施例中の測定値は、チタン溶解量
のマイクロメーターによるサンプル板厚の両面での減少
量,光沢は光沢計により測定した45°鏡面光沢度,表
面粗さは触針式表面粗さ計により測定した最大粗さ(R
z)中心線平均粗さ(Ra)である。 (実施例1)試験サンプルとして50×50×0.8mmt
の純チタン板を使用し、脱脂により清浄化した後電解研
磨の試験を行った。可溶性澱粉200g/l,エチレング
リコール50g/lの水溶液に50g/lの中性フッ化カリウ
ムを添加して電解研磨液を調合した。この液のPHは
7.2であった。液温を70℃に加温して対極としてス
テンレス板を用い、サンプル板を陽極として20A/dm2
の電流密度で直流にて電解研磨を行った。尚、電解研磨
時の電圧は約20Vから約40Vの範囲で変動した。電
解研磨終了後サンプル表面の陽極酸化被膜を50g/l過
酸化水素と5g/lのフッ化水素酸の混合液に、30℃に
て30秒浸漬して溶解してから水洗乾燥し、表面の光沢
及び表面粗さを測定した。
【0018】表1に電解研磨時間とチタン溶解量(両面
での板厚減少),光沢,表面粗さとの関係を示す。
【表1】 図1はチタン溶解量と光沢、図2はチタン溶解量と表面
粗さの関係をプロットしたものである。
【0019】比較用として同じサンプル板を200g/l
の過酸化水素と50g/lのフッ化水素酸にて45〜50
℃にて化学研磨を行った場合の測定値についても示す。
【0020】表及び図よりわかるように、本電解研磨で
は従来一般的に行われている化学研磨に比較して少ない
チタンの溶解量で光沢を大きく上昇し表面粗さは小さく
なる。それに対して、化学研磨では溶解量が大きい割に
光沢の上昇は少なく、表面粗さは結晶粒界がエッチング
されるためほとんど改善されない。 (実施例2)電解研磨液として前記実施例1と同じ液を
70℃として試験を行った。試験サンプルとして50×
50×0.8mmtの純チタン板を使用し、脱脂により清浄
化した後電解研磨の試験を行った。対極としてステンレ
ス板を用い、サンプル板を陽極として、電解電圧波形と
して平滑直流波(25V一定),断続波(25V10
秒,0V2秒を繰り返す),PR波(+15V5秒,−
5V5秒を繰り返す),交直重畳波(+最大電圧15
V,−最大電圧5Vで周波数50Hz)をそれぞれ用い
て5分間電解研磨を行った。電解研摩終了後の表面は平
滑直流波,断続波を使用した場合は不均一な色の干渉被
膜に覆われた光沢面となっていたため、50g/l過酸化
水素と5g/lのフッ化水素酸の混合液に、30℃にて3
0秒浸漬して溶解してから水洗乾燥し、光沢及び表面粗
さを測定した。PR波及び交直重畳波を使用した場合は
無色の光沢面となっていたため、そのまま水洗乾燥し、
光沢及び表面粗さを測定した。
【0021】表2に電解電圧波形と電解電流(研磨サン
プルが陽極となった時の電流),光沢,表面粗さの関係
を示す。
【表2】 いずれの電圧波形においてもサンプルは非常に美麗な鏡
面となった。特にPR波及び交直重畳波を使用した場合
は、電解研磨時の電流の変動が少なく、平滑直流波や断
続波を使用した場合に比較して電圧が低くても電流は多
く流すことができ、さらに電解研磨後のチタン表面に酸
化被膜がほとんど付いていないため、後工程の酸洗をは
ぶくことが可能となった。 (実施例3)試験サンプルとして50×50×0.8mmt
の純チタン板を使用し、脱脂により清浄化した後電解研
磨の試験を行った。ポリエチレングリコール(平均分子
量200)100g/l,グリセリン50g/lの水溶液に中
性フッ化アンモニウム30g/lを添加して電解研磨液を
調合した。
【0022】この液のPHは6.7であった。液温を7
0℃に加温し対極としてステンレス板を用い、サンプル
板を+30V10秒,−5V5秒のPR波で3分,5
分,7分でそれぞれ電解研磨を行った。このときサンプ
ル板が陽極となった時の電流は15〜20A/dm2であっ
た。電解研磨終了後のサンプル表面は、無色の非常に平
滑な美麗な鏡面となっていた。
【0023】表3に電解研磨時間とチタン溶解量,光
沢,表面粗さの関係を示す。
【表3】 (実施例4)試験サンプルとして50×50×0.8mmt
の純チタン板を使用し、脱脂により清浄化した後電解研
磨の試験を行った。可溶性澱粉200g/l,エチレング
リコール50g/lの水溶液に50g/lの中性フッ化アンモ
ニウムを添加して電解研磨液を調合した。電解研磨液の
PHを硫酸及び水酸化アンモニウムにて変化させて、電
解研磨の試験を行った。電解研磨液の温度は70℃と
し、電解電圧は30V一定の平滑直流でステンレスを対
極として50分間サンプル板を陽極として電解研磨を行
い、その後、極性を反転しサンプル板を陰極として10
Vにて1分陽極酸化被膜溶解のための電解を行った。電
解研摩終了後電圧を切断した後、サンプル板はそのまま
1分間電解研磨液に浸漬しておいてから水洗乾燥し、チ
タン溶解量,光沢及び表面粗さの測定を行った。
【0024】表4にその測定結果を示す。
【表4】 PH8,PH9では電解研磨時間とともに陽極酸化被膜
の成長により電流は少なくなり、電解研磨後の表面は光
沢は悪く、不均一なゴールド色となっていた。PH7,
PH6では電解研磨流は安定して流れ、表面は美麗な無
色の光沢面となっていた。PH5では電解研磨電流は安
定して流れたが、電圧を切断すると同時にサンプル板の
表面から気体を発生しながら化学エッチングが起こり、
1分間の浸漬の間に光沢の劣化が進行して表面は光沢ム
ラの大きい半光沢面となった。
【0025】又、PH5の液は遊離のフッ化水素酸が発
生し揮発するため、刺激臭がした。 (実施例5)可溶性澱粉200g/l,エチレングリコー
ル50g/lの水溶性に、30g/l中性フッ化ナトリウム,
30g/l中性フッ化カリウム,30g/l中性フッ化アンモ
ニウムのそれぞれを添加した電解研磨液三種類を作成し
て電解研磨後の光沢を比較した。それぞれの液のPHは
フッ化ナトリウム添加液7.2,フッ化カリウム添加液
7.3,フッ化アンモニウム添加液6.8であった。
【0026】試験サンプルとして50×50×0.8mmt
の純チタン板を使用し、脱脂により清浄化した後電解研
磨の試験を行った。電解研磨液の温度は70℃とし、電
解電圧は30V一定の平滑直流でステンレスを対極とし
て5分間サンプル板を陽極として電解研磨を行い、その
後、極性を反転しサンプル板を陰極として10Vにて1
分陽極酸化被膜溶解のための電解を行った後、水洗乾燥
した。いずれの液の場合も非常に美麗な無色の光沢面が
得られた。 (実施例6)6%アルミニウム,4%バナジウムを含ん
だチタン合金の直径5mm,長さ50mmの丸棒の電解研磨
試験を行った。ポリエチレングリコール(平均分子量2
00)100g/l,グリセリン50g/lの水溶液に中性フ
ッ化アンモニウム100g/lを添加して電解研磨液を調
合した。この液のPHは6.4であった。液温を70℃
に加温し対極としてステンレス板を用い、サンプル板を
+30V10秒,−5V5秒のPR波で5分電解研磨を
行った。電解研磨後の表面は無色の美麗な光沢面となっ
た。
【0027】
【発明の効果】本発明の電解研磨方法では遊離のフッ化
水素酸が液中に含まれないため有害なフッ化水素ガスの
発生がなく、液の取り扱いが安全にでき、電解研磨液に
よるチタン及びチタン合金の化学エッチングも起こらな
いため液浸漬による光沢の劣化も起こらない。
【0028】特に、請求項2において指定した、フッ化
ナトリウム,フッ化カリウム,フッ化アンモニウムはい
ずれも他の中性フッ素化合物と比較して溶解度が大きく
液中濃度を高くすることができるため、これらを電解研
磨液に使用することにより、より低い電圧で電解研磨を
行うことが可能となる。
【0029】請求項3において記載した電解研磨電圧波
形において、断続波を使用した場合は電圧が0Vとなっ
ている間に発熱の拡散が行われているため、焼けによる
部分的な被研磨品の溶解を防ぐことができる。更に、P
R波及び交直重畳波を使用した場合は、被研磨品が陰極
となった時に、陽極酸化被膜の溶解が起きるため、より
低い電圧で電解研磨を行うことが可能となり、電解研磨
後の表面には陽極酸化被膜がほとんど残らず無色の鏡面
が得られる。
【0030】本発明の中性のフッ化物と中性の有機増粘
剤よりなる中性の電解研磨液を使用するチタン及びチタ
ン合金の電解研磨方法により、従来は実験室規模でしか
実用化されていなかったチタン及びチタン合金の電解研
磨が、安全に簡単に大きな規模で量産可能となり、複雑
な形状のチタン及びチタン合金の加工品も安価に鏡面加
工ができるようになる。次第に拡大しつつあるチタン及
びチタン合金製品の製造における簡単,安価で幅広い分
野の製品に適用できる研磨技術としてその市場性は計り
知れないものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電解研磨を行った場合のチタン溶解量
と光沢度の関係を示すグラフである。
【図2】本発明の電解研磨を行った場合のチタン溶解量
と表面粗さの関係を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン及びチタン合金の電解研磨方法に
    おいて、電解液の成分として少なくとも一種類以上の中
    性フッ素化合物を含み、さらに液粘度の上昇のために可
    溶性澱粉,エチレングリコール,ポリエチレングリコー
    ル,グリセリン若しくはプロピレングリコール等の水溶
    性有機増粘剤の一種又は複数を含み、電解液のPHが5
    〜8のほぼ中性であることを特徴とする、チタン及びそ
    の合金の電解研磨方法。
  2. 【請求項2】 前記中性フッ素化合物としてフッ化ナト
    リウム,フッ化カリウム,フッ化アンモニウムを用いる
    ことを特徴とする特許請求の範囲1項記載のチタン及び
    チタン合金の電解研磨方法。
  3. 【請求項3】 電解研磨電圧波形として100V以下の
    直流波,断続波,PR波若しくは交直重畳波を使用する
    特許請求の範囲1項記載のチタン及びチタン合金の電解
    研磨方法。
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