JP2000192134A - 金属の表面処理方法 - Google Patents

金属の表面処理方法

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JP2000192134A
JP2000192134A JP10363494A JP36349498A JP2000192134A JP 2000192134 A JP2000192134 A JP 2000192134A JP 10363494 A JP10363494 A JP 10363494A JP 36349498 A JP36349498 A JP 36349498A JP 2000192134 A JP2000192134 A JP 2000192134A
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JP
Japan
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metal
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residual stress
treatment
present
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Pending
Application number
JP10363494A
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English (en)
Inventor
Takayuki Shimogishi
隆幸 下岸
Akihisa Tokunaga
彰久 徳永
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Niigata Engineering Co Ltd
Original Assignee
Niigata Engineering Co Ltd
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Publication date
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工により所要の寸法に仕上げられた金属部
品の寸法形状や熱処理効果、あるいは表面粗さや金属光
沢等を変化させずに、加工により生じた残留応力のばら
つきを均一化するとともに、微視的な表面粗さを平滑化
して摩擦係数を下げる。 【解決手段】 本発明では、pH7以上の電解液3中に
浸積された金属に、この電解液3を介して交流電流を流
すことにより、金属の寸法形状や金属の有する他の特性
に殆ど影響を及ぼすことなく、金属表面における残留応
力のばらつきを均一化するとともに、微視的な表面粗さ
を平滑化して摩擦係数を下げる。ここで、上記電流の周
波数は、0.05〜100Hzであることが望ましい。
また、上記電流の電圧は、0.1〜50Vであることが
望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば機械加工さ
れた金属の表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】切削、研削、あるいは研磨等の方法によ
り機械加工された金属の表面には、機械加工の結果、加
工変質層が形成される。このうち、耐磨耗性等の特性に
最も悪影響を及ぼし、金属の表面損傷に対する抵抗力を
低下させるのは、加工による残留歪み、すなわち残留応
力である。
【0003】この残留応力は、巨視的にみると均一であ
るが、微視的に見ると、金属の結晶毎、結晶間、更には
結晶中に析出した炭化物等の析出物と母相間等において
大きなばらつきを有しており、例えば、引張と圧縮のよ
うな、全く逆の残留応力分布を有する場合もある。この
ような微視的な残留応力のばらつきのうち、耐磨耗性等
の特性に最も影響するのは、より引張側に近い残留応力
を有する部分で、その結果、金属の表面損傷は、この部
分で発生しやすい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記悪影響を排除し、
材料が本来有する耐磨耗性等の特性を発揮させるために
は、上記した残留応力のばらつきを均一化すればよい。
しかしながら、加工により所要の寸法に仕上げられた金
属部品の寸法形状や熱処理効果、あるいは表面粗さや金
属光沢等を変化させずに、上記した残留応力のばらつき
のみを均一化する技術は、従来存在しなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記事情に鑑
みてなされたもので、pH7以上の電解液中に浸積され
た金属に、この電解液を介して交流電流を流すことによ
り、金属の寸法形状や金属の有する他の特性に殆ど影響
を及ぼすことなく、金属表面における残留応力のばらつ
きを均一化するとともに、微視的な表面粗さを平滑化し
て摩擦係数を下げるものである。
【0006】ここで、上記電流の周波数は、0.05〜
100Hzであることが望ましい。また、上記電流の電
圧は、0.1〜50Vであることが望ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき、本発明の実
施の形態について説明する。図1に、本発明に使用され
る処理装置1の構造の例を示す。図中符号2は金属製の
処理槽で、処理槽2内には、pH7以上、すなわち中性
〜アルカリ性の電解液3が貯留されている。ここで、電
解液3を中性〜アルカリ性とした理由は、酸性の電解液
3を用いると、電解液3に処理すべき金属を浸積した際
に、金属が溶解して、金属の寸法形状や表面粗さ、更に
は金属の光沢等が変化する恐れがあるためである。
【0008】符号4は金属製の網カゴで、網カゴ4は処
理槽2と接触することなく、処理槽2内に出し入れ自在
とされている。また、符号5は定電圧電源で、定電圧電
源5の出力端子6,7は、処理槽2及び網カゴ4にそれ
ぞれ連結され、その結果、処理槽2と網カゴ4との間で
は、電解液3を介してのみ電流が流れるようになってい
る。
【0009】ここで、直流電流では所望の処理効果が得
られないため、処理に際し定電圧電源5から供給される
電流には、周波数が0.05〜100Hzの交流電流を
使用する。また、処理電圧が過大となると、処理すべき
金属の品質管理が困難となり、実用面でも問題があるた
め、処理電圧は、0.1〜50Vの範囲内とする。
【0010】処理に際しては、処理すべき金属を脱脂洗
浄した後、網カゴ4内に設置し、網カゴ4を、上記金属
が完全に電解液3内に浸積するまで処理槽2内に降ろ
す。次いで、定電圧電源5から通電を開始すると、処理
槽2と網カゴ4との間にて電解液3を介して流れる交流
電流が、網カゴ4内の金属にも流れ、金属が表面処理さ
れる。通電の開始後所定時間が経過したら、定電圧電源
5からの通電を停止して網カゴ4を処理槽2から引き上
げ、網カゴ4から処理済みの金属を取り出し、洗浄後乾
燥させる。
【0011】上記処理の結果、通電に伴い金属の表面に
投入された電気化学的エネルギーにより、金属の表面に
おける金属結晶の微視的なひずみが緩和され、微視的な
残留応力のばらつきが均一化される。また、上記処理に
よる、金属の寸法や金属の有する他の特性への影響はな
い。すなわち、上記処理によれば、金属の寸法形状や金
属の有する他の特性に殆ど影響を及ぼすことなく、耐磨
耗性等の特性を向上させ、金属の表面損傷に対する抵抗
力を増加させることが可能となる。
【0012】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の効果について
説明する。 実施例1:軸受鋼製の試験片に、図2にA〜Dで示すよ
うな処理をそれぞれ施し、処理の前後におけるFe(110)
ピークの半価幅の減少率及び微視的残留応力の減少量
を、X線解析により測定した。その結果を図3に示す。
【0013】図3からわかる通り、上記処理の結果、半
価幅及び残留応力は、処理前に比べ明らかに減少してい
る。また、その減少程度は、処理時間が長い程大きい。
【0014】実施例2:同一種の金属片を用いて往復動
磨耗試験を行い、本発明の処理の有無による摩擦係数及
びその変化を比較した。その結果を図4及び図5に示
す。図4は無処理の金属片を用いた場合、図5は処理後
の金属片を用いた場合である。
【0015】図4と図5との比較からわかる通り、処理
の結果、金属片の表面における摩擦係数は明らかに低下
している。すなわち、本発明の処理は、摩擦係数の低減
に効果的である。
【0016】実施例3:市販のボールベアリングに本発
明の処理を施し、その耐久性の変化を比較した。その結
果を図6に示す。図6中、白丸は通常の熱処理を施した
ベアリングの場合、黒丸は特殊熱処理を施したベアリン
グの場合、白四角及び黒四角は、通常の熱処理を施した
ベアリング及び特殊熱処理を施したベアリングのそれぞ
れに、本発明の処理を施した場合である。
【0017】図6からわかる通り、本発明の処理の結
果、通常の熱処理を施したベアリング及び特殊熱処理を
施したベアリングのいずれにおいても、寿命が7〜10
倍程度増加している。すなわち、本発明の処理は、耐磨
耗性の向上に効果的である。
【0018】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、通
電に伴い金属の表面に投入された電気化学的エネルギー
により、金属の表面における金属結晶の微視的なひずみ
が緩和され、微視的な残留応力のばらつきが均一化され
るとともに、微視的な表面粗さが平滑化されて摩擦係数
が下がる。また、本発明の処理による、金属の寸法や金
属の有する他の特性への影響はない。すなわち、本発明
によれば、金属の寸法や金属の有する他の特性に殆ど影
響を及ぼすことなく、耐磨耗性等の特性を向上させ、金
属の表面損傷に対する抵抗力を増加させることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に使用される処理装置の構造の例を模
式的に示す断面図である。
【図2】 試験片に対し本発明の処理を施した際におけ
る処理条件を示す図である。
【図3】 本発明の処理の前後におけるFe(110)ピーク
の半価幅の減少率及び微視的残留応力の減少量を示す図
である。
【図4】 無処理の金属片を用いて往復動磨耗試験を行
った場合における、摩擦係数及びその変化を示す図であ
る。
【図5】 本発明の処理を施した金属片を用いて往復動
磨耗試験を行った場合における、摩擦係数及びその変化
を示す図である。
【図6】 市販のボールベアリングに本発明の処理を施
し、その耐久性の変化を比較した図である。
【符号の説明】
1 処理装置 2 処理槽 3 電解液 4 網カゴ 5 定電圧電源 6,7 出力端子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 pH7以上の電解液中に浸積された金属
    に、上記電解液を介して交流電流を流すことを特徴とす
    る金属の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 上記電流の周波数が0.05〜100H
    zであることを特徴とする請求項1に記載の金属の表面
    処理方法。
  3. 【請求項3】 上記電流の電圧が0.1〜50Vである
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の金属の表面
    処理方法。
JP10363494A 1998-12-21 1998-12-21 金属の表面処理方法 Pending JP2000192134A (ja)

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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53137010A (en) * 1977-05-04 1978-11-30 Inoue Japax Res Inc Surface treating apparatus
JPH09207029A (ja) * 1996-02-02 1997-08-12 Toyo Rikagaku Kenkyusho:Kk チタン及びチタン合金の電解研磨方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53137010A (en) * 1977-05-04 1978-11-30 Inoue Japax Res Inc Surface treating apparatus
JPH09207029A (ja) * 1996-02-02 1997-08-12 Toyo Rikagaku Kenkyusho:Kk チタン及びチタン合金の電解研磨方法

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