JP2004018920A - 亜鉛皮膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】クロメート処理の条件を最適化することにより、水素脆性除去処理に耐えうるクロメート皮膜を生成できる亜鉛皮膜形成方法を提供すること。
【解決手段】本実施例の亜鉛皮膜形成方法は、鉄系素材から成るワークの表面に亜鉛めっきを施した後、そのめっき表面を3価クロメート処理してから水素脆性除去処理を行う。3価クロメート処理では、3価クロメート浴からワークを取り出して乾燥させる際に、高温乾燥ではなく40℃以下の乾燥とする。この処理方法によれば、3価クロメート処理によって水素脆性除去処理に耐えうるクロメート皮膜を生成することができるので、ワークに亜鉛めっきを実施した後、3価クロメート処理を施してから水素脆性除去処理を行うことができる。その結果、めっき装置により、めっき処理とクロメート処理とを一連の工程で行うことが可能となり、処理工程の短縮化によるコストダウンを図ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】本実施例の亜鉛皮膜形成方法は、鉄系素材から成るワークの表面に亜鉛めっきを施した後、そのめっき表面を3価クロメート処理してから水素脆性除去処理を行う。3価クロメート処理では、3価クロメート浴からワークを取り出して乾燥させる際に、高温乾燥ではなく40℃以下の乾燥とする。この処理方法によれば、3価クロメート処理によって水素脆性除去処理に耐えうるクロメート皮膜を生成することができるので、ワークに亜鉛めっきを実施した後、3価クロメート処理を施してから水素脆性除去処理を行うことができる。その結果、めっき装置により、めっき処理とクロメート処理とを一連の工程で行うことが可能となり、処理工程の短縮化によるコストダウンを図ることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄系素材から成るワークの表面に亜鉛皮膜を形成する亜鉛皮膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、鉄製品の防錆、防食を目的とした表面処理として亜鉛めっきが実施されている。この亜鉛めっきは、鉄に対して極めて効果的な防錆めっきであるが、大気中ではいわゆる「白錆」を発生するため、耐食性を長期間維持させるために、亜鉛めっきの表面にクロメート処理を施すのが通常である。
また、鉄系素材に亜鉛めっきを実施した場合には、素材の結晶粒子間に入り込んだ水素を抜き取るために、ベーキング炉で長時間(1時間以上)、高温加熱(180℃以上)する水素脆性除去処理が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般的なめっき装置は、めっき処理とクロメート処理とを一連の工程で実施することができる。従って、クロメート処理の後に水素脆性除去処理を実施できれば、めっき装置(めっき→クロメート)+水素脆性除去処理の二工程で対応できる。しかし、クロメート処理後に水素脆性除去処理を行うと、クロメート皮膜の耐熱性が低いことから、クロメート皮膜にクラックが発生して耐食性が劣化し、要求品質を満足することができない。
【0004】
このため、現状では、図4に示す様に、めっき処理(前処理−めっき−乾燥)→水素抜き(水素脆性除去処理)→クロメート処理(エッチング−クロメート−乾燥)の三工程で実施しているため、コストアップとなっている。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、クロメート処理の条件を最適化することにより、水素脆性除去処理に耐えうるクロメート皮膜を生成できる亜鉛皮膜形成方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の発明)
本発明の亜鉛皮膜形成方法は、鉄系素材から成るワークの表面に亜鉛めっきを実施し、更に亜鉛めっきの表面に3価クロメート処理を施してから水素脆性除去処理を行うことを特徴とする。
3価クロメート処理によって生成されたクロメート皮膜(6価クロムイオンを含まない)は、6価クロムイオンが多く含まれるクロメート皮膜と比較して耐熱性が向上するため、3価クロメート処理によって水素脆性除去処理に耐えうるクロメート皮膜を生成することが可能である。この場合、クロメート処理の後に水素脆性除去処理を実施できるため、めっき処理とクロメート処理とを一連の工程で行うことが可能となり、処理工程の短縮化(三工程から二工程へ)によるコストダウンを図ることができる。
【0006】
(請求項2の発明)
請求項1に記載した亜鉛皮膜形成方法において、
3価クロメート処理の後、水分を除去するために行われる乾燥工程では、クロメート浴から取り出したワークを40℃以下で乾燥させることを特徴とする。
生成直後のクロメート皮膜は、大変に脆いため、高温で乾燥すると瞬時に水分を失い、せっかく生成した皮膜にクラックが発生したり、剥がれ落ちる(脱落)ことがある。これに対し、40℃以下で乾燥させることにより、皮膜を安定化させることができ、水素脆性除去処理に耐えうるクロメート皮膜を得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は亜鉛皮膜形成方法の処理工程を示す工程図、図2は皮膜の構成を示す模式図である。
本実施例は、図2に示す様に、鉄系素材から成るワーク1の表面に亜鉛皮膜を形成する方法であり、めっき処理→クロメート処理→水素脆性除去処理の順に実施される。なお、本発明の亜鉛皮膜とは、亜鉛めっき皮膜2+クロメート皮膜3を言う。
めっき及びクロメートの処理方法は、それぞれハンガー式(ラック式)、バレル式(回転式)、カゴ式のすべてのタイプに適用される。
めっき処理は、油脂類等の汚れや錆を取る前処理を行った後、めっき浴にワーク1を浸漬させて電気亜鉛めっきを実施し、めっき浴から取り出した後、水洗する。
【0008】
クロメート処理は、エッチング(表面を活性化させるために、亜鉛めっきしたワーク1を硝酸に数秒間浸漬する)の後、水洗したワーク1を3価クロメート浴に浸漬して行う。この時、処理条件(処理時間、浴温、濃度等)によってクロメート皮膜3の厚さが決定されるが、皮膜が薄いと耐食性を満足できず、逆に皮膜が厚過ぎると皮膜の脱落やクラックが発生する。そこで、耐食性を満足でき、且つ皮膜の脱落やクラックが発生しないための処理条件を求めることが重要である。但し、市販の3価クロメート液は、それぞれ皮膜反応(生成)速度が異なるため、個々の市販薬品によって最適な処理条件を求める必要がある。
【0009】
次に、3価クロメート浴からワーク1を取り出した後、水洗して(ハンガー式及びカゴ式の場合は、エアー吹きを実施した後)乾燥させる。
この時、いくらクロメート皮膜3の厚さを最適化しても、乾燥条件が悪いと皮膜に欠陥が発生し、その欠陥が水素脆性除去処理時に拡大して耐食性を劣化させることになる。従って、乾燥時に欠陥の発生を抑制する必要があり、乾燥方法としては、温度を加えて行う高温乾燥ではなく、40℃以下の乾燥、常温での自然乾燥、あるいは真空乾燥、エアー吹き等も含まれる。
【0010】
続いて、水素脆性除去処理を行う。
この水素脆性除去処理は、ベーキング炉で長時間、高温加熱(180℃以上)して行われる。
ここで、3価クロメート処理したワーク1を高温(60℃)乾燥した場合と自然乾燥した場合とで、それぞれ水素脆性除去処理後に塩水噴霧耐食性の評価試験を行った。その結果を図3に示す。
この評価試験では、高温乾燥の場合より自然乾燥の方が良好な結果(耐食性が良い)が得られた。但し、自然乾燥の場合でも、処理時間によって耐食性にバラツキが生じるため、最適な処理条件(特にクロメート皮膜3の厚さ)を確立することが望まれる。
【0011】
(本実施例の効果)
本実施例の処理方法によれば、3価クロメート処理によって水素脆性除去処理に耐えうるクロメート皮膜3を生成することができるので、ワーク1に亜鉛めっきを実施した後、3価クロメート処理を施してから水素脆性除去処理を行うことができる。その結果、めっき装置により、めっき処理とクロメート処理とを一連の工程で行うことが可能となり、処理工程の短縮化(従来の三工程から本実施例の二工程へ)によるコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】亜鉛皮膜形成方法の処理工程を示す工程図である(本実施例)。
【図2】皮膜の構成を示す模式図である。
【図3】塩水噴霧耐食性の評価試験の結果を示す図面である。
【図4】亜鉛皮膜形成方法の処理工程を示す工程図である(従来技術の説明)。
【符号の説明】
1 ワーク
2 亜鉛めっき皮膜
3 クロメート皮膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄系素材から成るワークの表面に亜鉛皮膜を形成する亜鉛皮膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、鉄製品の防錆、防食を目的とした表面処理として亜鉛めっきが実施されている。この亜鉛めっきは、鉄に対して極めて効果的な防錆めっきであるが、大気中ではいわゆる「白錆」を発生するため、耐食性を長期間維持させるために、亜鉛めっきの表面にクロメート処理を施すのが通常である。
また、鉄系素材に亜鉛めっきを実施した場合には、素材の結晶粒子間に入り込んだ水素を抜き取るために、ベーキング炉で長時間(1時間以上)、高温加熱(180℃以上)する水素脆性除去処理が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般的なめっき装置は、めっき処理とクロメート処理とを一連の工程で実施することができる。従って、クロメート処理の後に水素脆性除去処理を実施できれば、めっき装置(めっき→クロメート)+水素脆性除去処理の二工程で対応できる。しかし、クロメート処理後に水素脆性除去処理を行うと、クロメート皮膜の耐熱性が低いことから、クロメート皮膜にクラックが発生して耐食性が劣化し、要求品質を満足することができない。
【0004】
このため、現状では、図4に示す様に、めっき処理(前処理−めっき−乾燥)→水素抜き(水素脆性除去処理)→クロメート処理(エッチング−クロメート−乾燥)の三工程で実施しているため、コストアップとなっている。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、クロメート処理の条件を最適化することにより、水素脆性除去処理に耐えうるクロメート皮膜を生成できる亜鉛皮膜形成方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の発明)
本発明の亜鉛皮膜形成方法は、鉄系素材から成るワークの表面に亜鉛めっきを実施し、更に亜鉛めっきの表面に3価クロメート処理を施してから水素脆性除去処理を行うことを特徴とする。
3価クロメート処理によって生成されたクロメート皮膜(6価クロムイオンを含まない)は、6価クロムイオンが多く含まれるクロメート皮膜と比較して耐熱性が向上するため、3価クロメート処理によって水素脆性除去処理に耐えうるクロメート皮膜を生成することが可能である。この場合、クロメート処理の後に水素脆性除去処理を実施できるため、めっき処理とクロメート処理とを一連の工程で行うことが可能となり、処理工程の短縮化(三工程から二工程へ)によるコストダウンを図ることができる。
【0006】
(請求項2の発明)
請求項1に記載した亜鉛皮膜形成方法において、
3価クロメート処理の後、水分を除去するために行われる乾燥工程では、クロメート浴から取り出したワークを40℃以下で乾燥させることを特徴とする。
生成直後のクロメート皮膜は、大変に脆いため、高温で乾燥すると瞬時に水分を失い、せっかく生成した皮膜にクラックが発生したり、剥がれ落ちる(脱落)ことがある。これに対し、40℃以下で乾燥させることにより、皮膜を安定化させることができ、水素脆性除去処理に耐えうるクロメート皮膜を得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は亜鉛皮膜形成方法の処理工程を示す工程図、図2は皮膜の構成を示す模式図である。
本実施例は、図2に示す様に、鉄系素材から成るワーク1の表面に亜鉛皮膜を形成する方法であり、めっき処理→クロメート処理→水素脆性除去処理の順に実施される。なお、本発明の亜鉛皮膜とは、亜鉛めっき皮膜2+クロメート皮膜3を言う。
めっき及びクロメートの処理方法は、それぞれハンガー式(ラック式)、バレル式(回転式)、カゴ式のすべてのタイプに適用される。
めっき処理は、油脂類等の汚れや錆を取る前処理を行った後、めっき浴にワーク1を浸漬させて電気亜鉛めっきを実施し、めっき浴から取り出した後、水洗する。
【0008】
クロメート処理は、エッチング(表面を活性化させるために、亜鉛めっきしたワーク1を硝酸に数秒間浸漬する)の後、水洗したワーク1を3価クロメート浴に浸漬して行う。この時、処理条件(処理時間、浴温、濃度等)によってクロメート皮膜3の厚さが決定されるが、皮膜が薄いと耐食性を満足できず、逆に皮膜が厚過ぎると皮膜の脱落やクラックが発生する。そこで、耐食性を満足でき、且つ皮膜の脱落やクラックが発生しないための処理条件を求めることが重要である。但し、市販の3価クロメート液は、それぞれ皮膜反応(生成)速度が異なるため、個々の市販薬品によって最適な処理条件を求める必要がある。
【0009】
次に、3価クロメート浴からワーク1を取り出した後、水洗して(ハンガー式及びカゴ式の場合は、エアー吹きを実施した後)乾燥させる。
この時、いくらクロメート皮膜3の厚さを最適化しても、乾燥条件が悪いと皮膜に欠陥が発生し、その欠陥が水素脆性除去処理時に拡大して耐食性を劣化させることになる。従って、乾燥時に欠陥の発生を抑制する必要があり、乾燥方法としては、温度を加えて行う高温乾燥ではなく、40℃以下の乾燥、常温での自然乾燥、あるいは真空乾燥、エアー吹き等も含まれる。
【0010】
続いて、水素脆性除去処理を行う。
この水素脆性除去処理は、ベーキング炉で長時間、高温加熱(180℃以上)して行われる。
ここで、3価クロメート処理したワーク1を高温(60℃)乾燥した場合と自然乾燥した場合とで、それぞれ水素脆性除去処理後に塩水噴霧耐食性の評価試験を行った。その結果を図3に示す。
この評価試験では、高温乾燥の場合より自然乾燥の方が良好な結果(耐食性が良い)が得られた。但し、自然乾燥の場合でも、処理時間によって耐食性にバラツキが生じるため、最適な処理条件(特にクロメート皮膜3の厚さ)を確立することが望まれる。
【0011】
(本実施例の効果)
本実施例の処理方法によれば、3価クロメート処理によって水素脆性除去処理に耐えうるクロメート皮膜3を生成することができるので、ワーク1に亜鉛めっきを実施した後、3価クロメート処理を施してから水素脆性除去処理を行うことができる。その結果、めっき装置により、めっき処理とクロメート処理とを一連の工程で行うことが可能となり、処理工程の短縮化(従来の三工程から本実施例の二工程へ)によるコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】亜鉛皮膜形成方法の処理工程を示す工程図である(本実施例)。
【図2】皮膜の構成を示す模式図である。
【図3】塩水噴霧耐食性の評価試験の結果を示す図面である。
【図4】亜鉛皮膜形成方法の処理工程を示す工程図である(従来技術の説明)。
【符号の説明】
1 ワーク
2 亜鉛めっき皮膜
3 クロメート皮膜
Claims (2)
- 鉄系素材から成るワークの表面に亜鉛めっきを実施し、更に前記亜鉛めっきの表面に3価クロメート処理を施してから水素脆性除去処理を行うことを特徴とする亜鉛皮膜形成方法。
- 請求項1に記載した亜鉛皮膜形成方法において、
前記3価クロメート処理の後、水分を除去するために行われる乾燥工程では、クロメート浴から取り出した前記ワークを40℃以下で乾燥させることを特徴とする亜鉛皮膜形成方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002174182A JP2004018920A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | 亜鉛皮膜形成方法 |
DE10326288A DE10326288A1 (de) | 2002-06-14 | 2003-06-11 | Verfahren zur Ausbildung eines Zinküberzugs |
US10/460,980 US20030232146A1 (en) | 2002-06-14 | 2003-06-13 | Method of forming zinc coating |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002174182A JP2004018920A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | 亜鉛皮膜形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004018920A true JP2004018920A (ja) | 2004-01-22 |
Family
ID=29707005
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002174182A Pending JP2004018920A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | 亜鉛皮膜形成方法 |
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DE (1) | DE10326288A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009208276A (ja) * | 2008-02-29 | 2009-09-17 | Mimaki Engineering Co Ltd | インクジェットプリンタ |
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US4642011A (en) * | 1982-11-22 | 1987-02-10 | Toacosei Chemical Industry Co., Ltd. | Composition for rust prevention of metals and threaded metal elements with a rustproof film |
US4818632A (en) * | 1984-11-13 | 1989-04-04 | The Boeing Company | Plated structure exhibiting low hydrogen embrittlement |
KR20010048280A (ko) * | 1999-11-26 | 2001-06-15 | 이구택 | 가공후 내식성 및 내연료성이 우수한 자동차 연료탱크용크로메이트 용액 및 이를 이용한 크로메이트 처리용융아연 도금강판의 제조방법 |
US7029541B2 (en) * | 2002-01-24 | 2006-04-18 | Pavco, Inc. | Trivalent chromate conversion coating |
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2002
- 2002-06-14 JP JP2002174182A patent/JP2004018920A/ja active Pending
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2003
- 2003-06-11 DE DE10326288A patent/DE10326288A1/de not_active Withdrawn
- 2003-06-13 US US10/460,980 patent/US20030232146A1/en not_active Abandoned
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009208276A (ja) * | 2008-02-29 | 2009-09-17 | Mimaki Engineering Co Ltd | インクジェットプリンタ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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US20030232146A1 (en) | 2003-12-18 |
DE10326288A1 (de) | 2003-12-24 |
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