JP2009197297A - 溶融亜鉛めっき処理品の生産方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被処理品を溶融亜鉛めっき浴に浸漬し、次に当該被処理品を溶融亜鉛めっき浴から上昇させ表面が活性な状態から、シランカップリング剤を含有する冷却水に浸漬し冷却することで得られることを特徴とする溶融亜鉛めっき処理品の生産方法。
【選択図】 図1
Description
溶融亜鉛めっきは金属光沢が高いものの、白錆が発生しやすく、例えば特開2002−356786号に示すようにクロメート処理を施す場合が多い。
しかし、クロメート処理液には6価クロムが含まれているので環境負荷低減の観点からクロメート処理に代替できる表面処理が必要であった。
また、溶融亜鉛めっき製品に塗装処理する場合にあっては、塗装の密着性を確保すべく、リン酸塩処理等の化成皮膜処理や、表面研削を施しているのが現状であり、生産性向上の観点から塗装前処理の省力化が要求されていた。
また、表面処理の工程も複雑であり生産性に問題がある。
溶融亜鉛めっきは、鉄製品や鋼製品を、亜鉛又は亜鉛合金を溶解しためっき釜に浸漬してめっき処理する方法である。
一般的に使用される溶融亜鉛めっき浴は430〜470℃に加温されていて、被処理品をめっき浴に浸漬後にめっき浴から上昇させた状態では、めっき表面が非常に活性な状態になっている。
そこで、被処理品をめっき浴から上昇引き上げ後に冷却水に浸漬して冷却処理をしている。
本発明は、この冷却工程に着目し、冷却水にシランカップリング剤を添加したものである。
従来は、溶融亜鉛めっき及びその後の冷却工程と亜鉛めっき表面の防錆処理は、別の異なる工程であると考えられていた。
しかし、これでは溶融亜鉛めっきの冷却工程と表面処理工程の2つの工程が必要であった。
これに対して本発明は、冷却水に水溶性のシランカップリング剤を添加することで一つの処理槽にて冷却と表面処理を同時に行うことができた。
従って、表面処理を兼ねた冷却水に、被処理品をめっき浴から上昇させた直後の高温の表面活性な状態から、そのまま冷却水に浸漬することになるので、冷却水に添加する表面処理剤は水溶性のものがよい。
シランカップリング剤は、水溶性で、水に溶かすと概ね透明なものがよい。
冷却水としては、No.1:水のみ,No.2:タンニン酸5%溶解,No.4:シランカップリング剤10%添加したものを用いた。
シランカップリング剤は、東レ・ダウコーニング社製の商品名Z−6040(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を用いた。
比較例としてNo.3は、試験片をNo.1と同様に水を用いて冷却した後に別工程で市販のクロメート処理をした。
上記にて処理した試験サンプルNo.1〜No.4を用いて、硫酸ナトリウム0.01%,塩化ナトリウム0.01%添加した腐食水溶液を上記サンプルNo.1〜No.4に噴霧し、50℃,湿度100%の中に24時間保持した。
試験後のサンプルNo.1〜No.4の評価結果を図1に示し、その外観写真を図2に示す。
本試験により、水のみの冷却水よりも冷却水にシランカップリング剤,タンニン酸を添加したものの方が耐食性がよく、さらには、シランカップリング剤を用いたものの方がタンニン酸を用いたものよりも耐食性に優れていることが明らかになった。
サンプル作成条件を図3の表に示す。
表中、シラン含有量(%)はシランカップリング剤の質量での含有量(%)を示す。
このサンプルに実施例1と同じ腐食液を噴霧し、50℃×湿度100%中に24時間保持した。
その耐食性の評価結果を評価方法とともに図4に示し、その外観写真を図5に示す。
ここでブランクとは冷却水として水のみを用いたものをいう。
冷却水にリン酸のみを添加したNo.1−2及び冷却水にシランカップリング剤のみを添加したNo.1−3もブランクより耐食性が向上するが、冷却水にシッランカップリング剤とリン酸を添加したNo.1−4が最も耐食性に優れていた。
その結果を図6の表に示す。
これによりシランカップリング剤の添加量が15%以上になると表面がベタ付き、常温乾燥が困難になり、乾燥工程が必要であった。
評価結果を評価方法とともに図8に示し、腐食試験前の外観写真を図9、腐食試験後の外観写真を図10にそれぞれ示す。
これにより冷却水として水にシランカップリング剤10%,リン酸0.004%添加したサンプルNo.3−4が最も耐食性に優れていた。
このサンプルに対して、腐食液(0.01%)を噴霧した後に50℃×湿度100%中に48時間保持した。
その評価結果を評価方法とともに図12に示し、試験前の外観写真を図13に腐食試験後の外観写真を図14に示す。
この結果、シランカップリング剤10%の他にリン酸0.1%添加したサンプルNo.4−5は表面処理後の外観に僅かではあるが白い変色が認められた。
また、シランカップリング剤10%の他にリン酸0.5%を添加したサンプルNo.4−6は耐食性においてサンプルNO.4−5よりも低下した。
また、サンプルNo.4−5は表面にクラックが生じ塗装の密着性も低下した。
この結果からシランカップリング剤の濃度が10%の場合には、リン酸の濃度は0.5%以下がよく、好ましくは0.1%以下である。
実施例1と同様に溶融亜鉛めっき浴に浸漬後、上昇引き上げて図15に示す濃度の冷却水に浸漬した。
このようにして表面処理したサンプルを腐食液(0.01%)を噴霧後に50℃×湿度100%中に120時間保持した。
その結果を評価方法とともに図16に示し、試験前のサンプル写真を図17に示し、試験後のサンプル写真を図18に示す。
この結果、シランカップリング剤は1%以上で耐食性向上の効果が認められ、好ましくは15%以上がよいことも明らかになった。
なお、シランカップリング剤の濃度を濃くするとそれに応じてリン酸の濃度も高い方がよい。
この場合には腐食液を噴霧した後に12時間保持したものを評価した。
その評価結果を図20に示し、試験後の写真を図21に示す。
この結果、シランカップリング剤1%、リン酸0.001%でも耐食性が向上していた。
このサンプルの耐食性評価をしたが、差が明らかになるように腐食液を噴霧後の保持時間を72時間とした。
その結果を図23に示し、試験後の写真を図24に示す。
これにより、シランカップリング剤の濃度95%ではリン酸濃度は0.1%よりも濃い方がよく、0.4%で最も耐食性が良い結果になった。
その結果を図26に示し、試験後の写真を図27に示す。
この結果リン酸以外の酸でも耐食性が向上することが明らかになった。
溶融亜鉛めっきは、鉄製品や鋼製品を、亜鉛又は亜鉛合金を溶解しためっき釜に浸漬してめっき処理する方法である。
一般的に使用される溶融亜鉛めっき浴は430〜470℃に加温されていて、被処理品をめっき浴に浸漬後にめっき浴から上昇させた状態では、めっき表面が非常に活性な状態になっている。
そこで、被処理品をめっき浴から上昇引き上げ後に冷却水に浸漬して冷却処理をしている。
本発明は、この冷却工程に着目し、冷却水にシランカップリング剤を添加したものである。
従来は、溶融亜鉛めっき及びその後の冷却工程と亜鉛めっき表面の防錆処理は、別の異なる工程であると考えられていた。
しかし、これでは溶融亜鉛めっきの冷却工程と表面処理工程の2つの工程が必要であった。
これに対して本発明は、冷却水に水溶性のシランカップリング剤を添加することで一つの処理槽にて冷却と表面処理を同時に行うことができた。
従って、表面処理を兼ねた冷却水に、被処理品をめっき浴から上昇させた直後の高温の表面活性な状態から、そのまま冷却水に浸漬することになるので、冷却水に添加する表面処理剤は水溶性のものがよい。
溶融亜鉛めっきは、鉄製品や鋼製品を、亜鉛又は亜鉛合金を溶解しためっき釜に浸漬してめっき処理する方法である。
一般的に使用される溶融亜鉛めっき浴は430〜470℃に加温されていて、被処理品をめっき浴に浸漬後にめっき浴から上昇させた状態では、めっき表面が非常に活性な状態になっている。
そこで、被処理品をめっき浴から上昇引き上げ後に冷却水に浸漬して冷却処理をしている。
本発明は、この冷却工程に着目し、冷却水にシランカップリング剤を添加したものである。
従来は、溶融亜鉛めっき及びその後の冷却工程と亜鉛めっき表面の防錆処理は、別の異なる工程であると考えられていた。
しかし、これでは溶融亜鉛めっきの冷却工程と表面処理工程の2つの工程が必要であった。
これに対して本発明は、冷却水に水溶性のシランカップリング剤を添加することで一つの処理槽にて冷却と表面処理を同時に行うことができた。
従って、表面処理を兼ねた冷却水に、被処理品をめっき浴から上昇させた直後の高温の表面活性な状態から、そのまま冷却水に浸漬することになるので、冷却水に添加する表面処理剤は水溶性のものがよい。
Claims (2)
- 被処理品を溶融亜鉛めっき浴に浸漬し、
次に当該被処理品を溶融亜鉛めっき浴から上昇させ表面が活性な状態から、シランカップリング剤を含有する冷却水に浸漬し冷却することで得られることを特徴とする溶融亜鉛めっき処理品の生産方法。 - 冷却水はシランカップリング剤の他に無機酸が添加されていることを特徴とする請求項1記載の溶融亜鉛めっき処理品の生産方法。
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CN104838036A (zh) * | 2012-11-27 | 2015-08-12 | 日新制钢株式会社 | 溶融Zn合金镀层钢板的制造方法 |
US10167542B2 (en) | 2012-11-27 | 2019-01-01 | Nisshin Steel Co., Ltd. | Method for producing hot-dip Zn alloy-plated steel sheet |
US10202676B2 (en) | 2012-11-27 | 2019-02-12 | Nisshin Steel Co., Ltd. | Method for producing hot-dip Zn alloy-plated steel sheet |
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