JP2004018604A - 粘着体、それを用いた加熱剥離型粘着シート - Google Patents

粘着体、それを用いた加熱剥離型粘着シート Download PDF

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佐藤 孝
Yasuko Asano
浅野 靖子
Satoshi Asai
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Abstract

【課題】被着体に貼り付けた場合、小片化等の加工時及びその後の180度折り曲げ外観検査工程においても小片が脱落することなく、しかも被着体から剥離する際には被着体を破壊せず、しかも被着体に糊残り等の汚染を生じさせない粘着体を提供する。
【解決手段】熱膨張性微小球を含有する粘着体であって、該粘着体のガラス転移温度が−15℃〜0℃、15℃の弾性率(a)が2.0MPa以下、30℃の弾性率(b)が1.2MPa以下であり、かつ該弾性率(a)と該弾性率(b)との比(a)/(b)が1.7以上であることを特徴とする粘着体。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱膨張性微小球が膨張するまでは被着体と密着し、加熱により被着体から容易に剥離可能である粘着体、及びそれを用いた加熱剥離型粘着シートに関し、特に被着体の小片化工程及びその後のシートを180度折り曲げて行われる屈曲外観検査工程において小片の脱落を防止しうる粘着体、それを用いた粘着シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、被着体に貼り付け後、不要時に剥離可能な粘着シートとして、粘着剤層に熱膨張性微小球を含有させ、熱膨張性微小球を膨張させる温度以下では充分な被着体との密着性を有し、一方、加熱により熱膨張性微小球を膨張させることにより被着体から容易に剥離することができる加熱剥離型粘着シートが提案されている。
このような加熱剥離型粘着シートは、剥離の容易さからラベルや電子部品製造工程用、例えばフレキシブルプリント基板製造工程、T−BGA基板製造工程、半導体ウェハの切断工程及び積層セラミックコンデンサーの小片化加工工程などに用いられている。
【0003】
特に、積層セラミックコンデンサーや積層チップインダクター等のセラミックグリーンシートの小片化においては、近年、その小片化精度が高まるとともに、また、その小片化の切断効率を高めるため、切断加工時にはセラミックグリーンシートを強固に保持するが、小片を取り出すときには容易に剥離できることが必要とされる。従来用いられてきた粘着剤層中に熱膨張性微小球を含有する加熱剥離性粘着シートでは、微小球粒子を含有するため被着体との接触面積が小さくなる傾向にあり、このため被着体との密着力を高めることが難しいものであった。そこで、被着体との追従性を向上するために、(1)熱膨張性微小球を含有する粘着層と基材との間に、ゴム状有機弾性層またはエネルギー線硬化型粘弾性層を設けた加熱剥離型粘着シート(特開平11−166164号公報及び特開2002−121505号公報)や、(2)粘着剤層表面中心線平均粗さが0.4μm以下とした加熱剥離型粘着シート(特開2001−131507号公報)が提案されている。しかしながら、前記(1)のものでは、粘着層のほか、別途粘弾性層を基材上に設けるため、生産性が極めて低くなるという問題があり、また上記(2)のものでは、小片化加工後に行われるシートを180度折り曲げて行われる外観検査工程において小片の脱落が発生するという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、被着体に貼り付けた場合、小片化等の加工時及びその後の180度折り曲げ外観検査工程においても小片が脱落することなく、しかも被着体から剥離する際には被着体を破壊せず、しかも被着体に糊残り等の汚染を生じさせない粘着体及びそれを用いた加熱剥離型粘着シートを提供することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、粘着体のガラス転移温度及び弾性率を特定の範囲に調整することにより、小片化加工及びその後の180度折り曲げ外観検査工程においても小片の脱落がなく、しかも加熱により容易に剥離可能となることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明によれば、以下に示す粘着体及びそれを用いた加熱剥離型粘着シートが提供される。
【0006】
(1)熱膨張性微小球を含有する粘着体であって、該粘着体のガラス転移温度が−15℃〜0℃、15℃の弾性率(a)が2.0MPa以下、30℃の弾性率(b)が1.2MPa以下であり、かつ該弾性率(a)と該弾性率(b)との比(a)/(b)が1.7以上であることを特徴とする粘着体。
(2)該粘着体の剥離力が、15N/25mm以上であることを特徴とする前記(1)記載の粘着体。
(3)アクリル系粘着剤、架橋剤、粘着付与樹脂及び熱膨張性微小球からなることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の粘着体。
(4)少なくとも前記(1)、(2)又は(3)のいずれかの粘着体を基材上に積層させた構造を有する加熱剥離型粘着シート。
【0007】
なお、本明細書で言う弾性率とは、TMA引張モード法により下記の条件で測定した弾性率である。
<条件>
昇温速度:2℃/分
周波数 :0.2Hz
荷重  :−0.5g〜−0.2g
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の粘着体は、熱膨張性微小球を含有し、かつ、そのガラス転移温度が−15℃〜0℃、好ましくは−7℃〜0℃の範囲にあることが必要である。ガラス転移温度が−15℃未満であると被着体との密着力が低下し、小片化及び検査する工程において、小片の脱落が発生する。一方、0℃を超えると小片加工後のシートを180度折り曲げて行なわれる外観検査において、小片への粘着体の追従性が低下し、小片の脱落が発生する。さらに粘着体の弾性率において、その15℃での弾性率(a)は2.0MPa以下、好ましくは1.5MPa以下であり、その下限値は、通常0.7MPa程度である。一方、その30℃での弾性率(b)は、1.2MPa以下、好ましくは0.8MPa以下であり、その下限値は、通常、0.3MPa程度である。両者の弾性率(a)と(b)との比(a)/(b)は、1.7以上、好ましくは2.5以上であり、その上限値は、通常、6.0程度である。
【0009】
本発明の粘着体において、弾性率(a)、(b)が前記範囲よりも高くなると、常温での被着体への貼り付け性が悪くなる等の問題が生じる。また、前記比(a)/(b)が前記範囲よりも低くなると、弾性率(a)及び(b)がともに上記範囲にあっても、180度折り曲げ外観検査時に小片脱落が発生するので好ましくない。180度折り曲げ外観検査時の小片脱落防止性、及び加熱剥離性の面から、より好ましくは30℃での弾性率を0.3以上1.2以下にするのがよい。
【0010】
本発明の粘着体に含有させる熱膨張性微小球としては、例えばイソブタン、プロパン、ペンタン等の加熱により容易にガス化して膨張する物質を、弾性を有する殻内に内包させた微小球であればよい。この殻は、熱溶融性物質や熱膨張により破壊する物質で形成される場合が多い。殻を形成する物質として、例えば、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホン等が挙げられる。熱膨張性微小球は、例えばマイクロスフェア[商品名、松本油脂製薬社製]等の市販品もある。熱膨張性微小球の選択に際しては、使用する温度により最適な熱膨張温度のものを適宜選択すればよく、特に制限はないが、好ましくは熱膨張温度が、切断や小片化等の加工温度の25℃以上であるものを用いるのがよい。
【0011】
本発明で用いる熱膨張性微小球としては、加熱処理により粘着層の接着力を効率よく低下させるため、体積膨張率が5倍以上、好ましくは7倍以上、特に好ましくは10倍以上となるまで破裂しない適度な強度を有する熱膨張性微小球が好ましい。この熱膨張性微小球の大きさは平均粒径で10〜17μmの範囲から適宜選択するのがよい。
【0012】
本発明の粘着体は、熱膨張性微小球や粘着剤、及び架橋剤、さらには粘着付与樹脂等により上記ガラス転移温度等の物性となるように調整することにより得ることができる。粘着剤としては、従来、粘着シートに用いられている粘着剤である。アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等いずれのものも用いることができるが、特にアクリル系粘着剤が本発明の物性を得るのに好ましい。架橋剤としては、分子中に少なくとも2つ、通常、2〜6、好ましくは2〜4の官能基を有する脂肪族系及び芳香族系の有機化合物が用いられる。この場合の官能基には、エポキシ基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基等が挙げられる。
【0013】
このアクリル系粘着剤は、アクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルの1種以上の単量体成分と架橋剤と、反応し得る官能基を有する単量体成分との共重合体からなるものである。前記アクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルのアルキルエステルとしては、例えばメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、s−ブチルエステル、t−ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、イソオクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、イソデシルエステル、ドデシルエステル、トリデシルエステル、ペンタデシルエステル、オクタデシルエステル、ノナデシルエステル、エイコシルエステル等が挙げられる。
【0014】
架橋剤と反応し得る官能基を有する単量体としては、官能基がカルボキシル基であるアクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等の他、官能基がヒドロキシル基であるアクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸ヒドロキシヘキシル、メタクリル酸ヒドロキシヘキシル、アクリル酸ヒドロキシオクチル、メタクリル酸ヒドロキシオクチル、アクリル酸ヒドロキシデシル、メタクリル酸ヒドロキシデシル、アクリル酸ヒドロキシラウリル、メタクリル酸ヒドロキシラウリル等が挙げられる。これらの単量体は単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルと架橋剤と反応し得る官能基を有する単量体との比は、質量比で92:8〜98:2の範囲であることが好ましく、この範囲より架橋剤と反応し得る官能基を有する単量体の配合比が少ないと被着体との密着力が乏しくなるし、この範囲を超えると熱膨張性微小球が膨張したとき被着体との剥離性が損なわれるものとなる。被着体との密着性及び剥離性の面から特に好ましい配合比は95:5〜93:7である。
【0015】
さらに、所望により前記単量体以外の単量体を併用してもよい。このようなものとしては、例えばスチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド、ポリエチレングリコールアクリレート、N−ビニルピロリドン、テトラフルフリルアクリレート等が挙げられる。
【0016】
この粘着剤成分は、前記単量体をラジカル共重合させることによって得ることができる。この場合の共重合法は良く知られており、乳化重合法、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、光重合法等が挙げられる。
また、架橋剤を用いる場合は、架橋剤を粘着剤に合せて適宜選択すればよく、特に制約を受けず、イソシアネート系架橋剤、金属キレート架橋剤及びエポキシ系架橋剤等の従来公知のものが用いられるが、特に熱膨張性微小球が膨張する温度に加熱後、被着体からの剥離性及び糊残り防止性の面から、エポキシ系の架橋剤を用いることが好ましい。エポキシ系架橋剤としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シロキサン等が挙げられ、常温での被着体との密着性及び熱膨張性微小球膨張後の剥離性の面で特に多官能性のもの、好ましくは4官能のエポキシ系架橋剤が好ましい。このようなものとしては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シロキサンが挙げられる。このエポキシ系架橋剤は、架橋反応速度が遅くなる傾向にあり、反応が不十分の場合、粘着剤層の凝集力が低くなり被着体表面に糊残り等が発生することがある。架橋反応を促進するために(1)アミン等の触媒を添加する、(2)粘着剤の構成成分としてアミン系官能基を持つ単量体を用いる、(3)架橋剤にアジリジン系架橋剤を併用する、等を行うことが望ましい。
【0017】
架橋剤を用いる場合は、前述した架橋剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】
粘着体中の前記熱膨張性微小球と粘着剤成分との配合割合は、粘着剤成分100質量部に対し、熱膨張性微小球を15〜100質量部の範囲である。この範囲より熱膨張性微小球の配合量が少ないと熱膨張性微小球が膨張した後、被着体からの剥離性が低下するし、この範囲を超えると常温付近での被着体との密着力が低下する。被着体との密着性及び剥離性の面から好ましい熱膨張性微小球成分の配合割合は15〜40質量部である。また、粘着剤成分に対する架橋剤成分の反応当量比は、0.05〜1.0の範囲である。この範囲より架橋剤成分の割合が少ないと被着体に糊残りなどが発生したり、被着体との剥離性が損なわれるし、この範囲を超えると常温付近での被着体との密着力が低下する。被着体への汚染防止、被着体との密着性及び剥離性の面から好ましい粘着剤成分に対する架橋剤成分の反応当量比は0.10〜0.50の範囲である。
【0019】
さらに、本発明においては、前記粘着体の物性を得るため粘着体中に粘着付与樹脂を含有させることができる。粘着付与樹脂成分としては、常温で液状及び/又は固形のものを本発明の物性が得られるように適宜選択すればよい。粘着付与樹脂としては、例えば、α−ピネン系、β−ピネン系、ジペンテン系、テルペンフェノール系等のテルペン系樹脂や、ガム系、ウッド系、トール油系等の天然系ロジン又はこれらに水素化、不均化、重合、マレイン化、エステル化等の処理をしたロジン系誘導体等のロジン系樹脂があげられ、これらの中でも、特に軟化点が80℃〜150℃の範囲であるものが好ましい。中でもテルペンフェノール系の粘着付与樹脂は、被着体への汚染、糊残りが少ないばかりか、50℃〜90℃の環境下での被着体との密着性に優れる、しかも熱膨張性微小球膨張後は、被着体から容易に剥離可能な粘着層を得ることができるので好ましい。この粘着付与樹脂成分の配合割合は、前記粘着剤成分100質量部に対し10〜100質量部の範囲である。この範囲より粘着付与樹脂成分の量が少ないと常温〜100℃の範囲で被着体との密着力が低下するし、この範囲を超えると常温での被着体への貼り付け性が低下する。基材との密着性及び常温での貼り付け性の面から好ましい粘着性付与樹脂成分の配合割合は20〜60質量部の範囲である。
【0020】
本発明の粘着体を、基材上に設けることにより加熱剥離型粘着シート(以下、単に粘着シートとも言う)を得ることができる。粘着シートに用いられる基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂の他、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステルエーテル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、フッ素樹脂等からなるフィルムが挙げられる。
【0021】
本発明で用いられる基材の厚さは、例えば10〜125μm程度の厚さのものが用いられる。
基材表面に、所望により表面処理を行うことができる。この時の表面処理としては、例えば(1)コロナ放電処理やグロー放電処理などの放電処理、(2)プラズマ処理、(3)火炎処理、(4)オゾン処理、(5)紫外線処理や電子線、放射線処理等の電離活性線処理、(6)サンドマット処理やヘアライン処理などの粗面化処理、(7)化学薬品処理、(8)アンカー層形成等が挙げられる。前記アンカー層としては、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂などが用いられる。このアンカー層の厚さは、通常0.5〜1.5μmの範囲である。
【0022】
粘着体を設ける基材上に粘着剤層を形成するには、前記した成分を適当な溶剤に溶解又は分散させて固形分濃度を20〜50質量%程度の粘着体形成塗工液を調製し、前記粘着体形成塗工液を基材又は所望により設けたれた表面処理面又は中間層上に、常法に従って、塗布、乾燥することにより、粘着剤層を20〜100μmの範囲で層を設ける。この範囲より層の厚さが厚いと、加熱処理後の剥離時に凝集破壊が起こり易くなるため、良好な剥離性が得られなくなるし、この範囲より薄いと、被着体との十分な密着力が得られなくなる。また、粘着剤層中に残っている溶剤の量(以下、残存溶剤量という)により粘着剤層と基材との密着性や熱膨張性微小球が膨張する温度以上に加熱後の被着体からの剥離性、糊残り性に悪影響を及ぼす場合がある。したがって、粘着剤層中の残存溶剤量は4質量%以下、0.1〜4質量%の範囲とすることが好ましい。
この際、粘着体形成塗工液には、従来慣用されている各種添加剤、例えば界面活性剤、潤滑剤、安定剤、粘度調整剤などを添加することができる。
【0023】
【実施例】
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、加熱剥離性粘着シートの物性は、次に示す方法に従って評価した。
【0024】
(1)弾性率(MPa)
片面にシリコン処理が施されたポリエチレンテレフタレートシートのシリコン処理面に粘着体を厚さ50μmで形成する。形成した粘着体を貼り合せ、厚さ100μmとし、これをポリエチレンテレフタレートシートから剥がして測定試料を得る。
この測定試料を3mm×15mmに加工し、TMA4000S(MAC SCIENCE社製)を用いて、引張モード法により、以下の条件にて弾性率を測定した。
昇温速度:2℃/分
周波数 :0.2Hz
荷重  :−0.5g〜−0.2g
【0025】
(2)180度剥離力(N/25mm)
被着体としてSUS304を用い、JIS Z0237<180度引きはがし法>に従って10mm幅の粘着テープを貼り付け(23℃)測定し、25mm幅に換算した。
(3)180度折り曲げ外観検査工程における小片脱落の有無
粘着シートの粘着面に、150mm×150mm×厚さ1mmのセラミックシート(焼成前)を貼り合せ、カッティング装置により、0.6mm×0.3mmの小片にカッティングした。小片加工後、小片を貼り合せたまま、粘着シートを180度折り曲げて小片の外観検査を行ったときの小片の脱落有無を目視により観察した。
(4)剥離性能
180度折り曲げ外観検査工程の後、小片を貼り合せたまま粘着シートを130℃オーブンの中に入れて10分間加熱処理し、冷却後、シートを反転して小片の残存有無を目視にて観察した。
【0026】
実施例1
アクリル系粘着剤(アクリル酸2−エチルヘキシルとメタクリル酸からなる共重合体、重量平均分子量15万、ガラス転移温度−7℃、酸価46mgKOH/g)35質量部、架橋剤(N,N,‘N,’N−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン)0.2質量部、熱膨張性微小球(製品名:マイクロスフィアF−50D、松本油脂製薬社製)8.8質量部、粘着付与樹脂A(テルペンフェノール樹脂、軟化点125℃、水酸基価200mgKOH/g)7質量部、粘着付与樹脂B(テルペンフェノール樹脂、常温液状、水酸基価250mgKOH/g)7質量部、トルエン42質量部を均一に混合、溶解し、粘着体形成塗工液を調製した。この塗工液を厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートシート上にベーカー式アプリケーターにて塗布し、80℃で2分間加熱乾燥し厚さ50μmの粘着剤層を形成し、加熱剥離性粘着シートを作製した。この粘着シートの物性を表1に示す。
【0027】
実施例2
実施例1において、アクリル系粘着剤をガラス転移温度−43℃、重量平均分子量67万、酸価16mgKOH/gのアクリル酸ブチルからなる粘着剤とし、粘着付与樹脂Bを用いず、粘着付与樹脂Aを10.5質量部とし、かつ熱膨張性微小球の配合割合を8.2質量部とした以外は全て実施例1と同様にして粘着シートを作製した。この物の物性を表1に示す。
【0028】
実施例3
実施例2において、粘着付与樹脂Aの配合割合を14質量部に、熱膨張性微小球の配合割合を8.8質量部とした以外は、全て実施例2と同様にして粘着シートを作製した。この物の物性を表1に示す。
【0029】
実施例4
実施例1において、アクリル系粘着剤をガラス転移温度−23℃、重量平均分子量30万、酸価23mgKOH/gのアクリル酸ブチル、メタクリル酸共重からなる共重合体とし、架橋剤の配合量を0.1質量部、粘着付与樹脂Bを用いず、粘着付与樹脂Aの配合割量を3.5質量部とした以外は全て実施例1と同様にして粘着シートを作製した。この物の物性を表1に示す。
【0030】
比較例1
実施例1において、粘着付与樹脂Bを用いず、粘着付与樹脂Aを14質量部とした以外は、全て実施例1と同様にして粘着シートを作製した。このものの物性を表1に示す。
【0031】
比較例2
実施例2において、粘着付与樹脂Aの配合量を3.5質量部とし、熱膨張性微小球の配合割合を8.8質量部とした以外は、全て実施例2と同様にして粘着シートを作製した。このものの物性を表1に示す。
【0032】
比較例3
実施例4において、架橋剤の配合量を0.2質量部とし、また粘着付与樹脂Aの配合量を14質量部とした以外は全て実施例4と同様にして粘着シートを作製した。このものの物性を表1に示す。
【0033】
比較例4
実施例4において、架橋剤の配合量を0.2質量部とした以外は全て実施例4と同様にして粘着シートを作製した。このものの物性を表1に示す。
【0034】
【表1】
Figure 2004018604
【0035】
本発明の粘着シート(実施例1〜4)は、比較例1〜4と比べ、180度折り曲げ外観検査工程時に小片の脱落がないにもかかわらず、加熱により被着体から容易に剥離できるものであることが分かる。
【0036】
【発明の効果】
本発明の加熱剥離型粘着シートは、被着体との密着性にすぐれるとともに、特に小片化工程後の180度折り曲げ外観検査時に小片脱落の発生がないものであり、しかも剥離した際、被着体に糊残り等の汚染を生じないものである。

Claims (4)

  1. 熱膨張性微小球を含有する粘着体であって、該粘着体のガラス転移温度が−15℃〜0℃、15℃の弾性率(a)が2.0MPa以下、30℃の弾性率(b)が1.2MPa以下であり、かつ該弾性率(a)と該弾性率(b)との比(a)/(b)が1.7以上であることを特徴とする粘着体。
  2. 該粘着体の剥離力が、15N/25mm以上であることを特徴とする請求項1記載の粘着体。
  3. アクリル系粘着剤、架橋剤、粘着付与樹脂及び熱膨張性微小球からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の粘着体。
  4. 少なくとも請求項1、2又は3のいずれかの粘着体を基材上に積層させた構造を有する加熱剥離型粘着シート。
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