JP2004018576A - 分子インプリントポリマー合成のための液滴重合法 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率の良い分子インプリントポリマー(MIP)を生成するための液滴重合法を提供する。これらのインプリントポリマーは吸着または触媒反応のための増加した表面積をもつ。
【解決手段】本方法は懸濁媒質の不在下でモノマー−テンプレート相互作用を提供し、それにより増加したテンプレート分子の選択性及び実質的な処理(processing)の利点を伴ったMIPの形成を可能にする。本方法は大豆ホエーからイソフラボンを分離するために特に有用である。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は分子インプリントポリマー(MIP)を合成する改良法に関する。より具体的には、本発明は急速な重合法によるモノマー−テンプレート相互作用への破壊を最少にし、懸濁媒質により著しくは妨げられない、MIPを生成する液滴重合法に関与する。
【0002】
【従来の技術】
分子インプリントポリマー,もしくはMIPは分離分野における著しい科学的興味の分野になってきた。30年前の有機ポリマーにおけるインプリントの最初の刊行[G.Wulff,Agnew.Chem.Int.Ed.Engl.,11:341(1972)]以来、MIPは莫大な数の工業的応用に適することが認識されるようになった。分子インプリントは有機もしくは無機ポリマー内に選択的吸着性または触媒の部位を形成する。具体的には、この方法は、非共有結合または可逆的共有結合により、1種類もしくは複数の官能性モノマーと相互作用するテンプレート分子の存在下で、官能性及び架橋モノマーを重合することに関する。テンプレート分子はポリマー内にインプリントを形成する。ポリマーからのテンプレートの抽出は、MIP内に空間を残し、そこでテンプレートもしくはテンプレート類似物の選択的再結合が起こることができる。次に、インプリントされたポリマーが、サンプルから分析物(テンプレート分子と同様なもしくは類似の構造をもつ)に高い選択性または回収性をもつ、特異的な分離手段として使用される。著しく多様な、適切なテンプレート分子を与えられるので、それに対応して、あらゆる与えられた分離または触媒の用途に対して、分子インプリントポリマーの巨大な群を形成することができる。
【0003】
例えば、固体相吸着剤、キラル固定相、センサーのような適用のための、そして弱い酵素模倣体としてすらの分子インプリントポリマーの合成及び使用は様々な研究者により考察されてきた(例えば、O.Bruggemann et al.,J.Chromatography A,889:15(2000)を参照されたい)。
【0004】
MIP−に基づいた分離の利点は以下を含む。
1) MIPは実質的にあらゆる具体的な所望の分子に対して高い親和性及び選択性をもつように生成することができ、2) MIPは天然の生物分子(例えば、これも選択的に再結合することができる抗生物質またはタンパク質)よりも優れた独特な安定性をもち、3) MIPまたは「抗体模倣体」は抗体の使用には適さない極端な条件下で(例えば、高温で、有機溶媒中で、そして極端なpHにおいて)操作することができ、4) MIPは高い結合能(例えば、通常、5〜20mgの吸着剤を使用して数μMの濃度までを抽出することができる)をもち、そして、5) MIPは調製が比較的簡単で安価である。
【0005】
しかし、吸着剤または触媒性MIPは、それらを広範な工業的使用に不適切にさせる2種の主要な欠点をもつ。第1に、MIPの物質移動能が低い、すなわちインプリント部位への吸着質の低いアクセスの原因である。第2に、吸着剤MIPに対する低い吸着能及び触媒MIPに対する低い触媒率がそれぞれ、それらの利用性を制約している。低いモノマー−テンプレート相互作用は有効な分子インプリントを妨げるこれらの欠点の土台となる原因として認識されている。低いモノマー−テンプレート相互作用は、懸濁媒質により形成される妨害から起こることが多い[例えば、P.Cormack and K.Mosbach,React.Funct.Polym.41(1−3),115−124(1999);K.Mosbach and K.Haupt.J.Mol.Recognit.11(1−6),62−28(1998);及びG.Wulff,Chemtech,28:19(1998)を参照されたい]。
【0006】
以前は、MIPは3種の主要な方法、バルク重合、懸濁重合及び表面重合、により調製されていた。これらの3種の方法は、それらそれぞれの合成法及び主要な欠点に関して以下に説明される。
【0007】
バルク重合によるインプリントは具体的には、溶媒中に直接、テンプレート、モノマー及び開始剤を一緒に混合し、次に重合を起こさせることにより起こる。この方法は、所望の粉末度を得るために、その時に粉砕、磨砕そしてふるいしなければならないポリマーの固まりを形成する[L.Andersson et al.,Chromatographia,46:57−62(1997);B.A.Rashid et al.,Analytical Communications,34:303−5(1997)]。この方法においては、モノマー−テンプレート相互反応は溶媒の存在下で有効に起こることが期待され、粒子形態を制御する機構が存在しない。その代わり、粉砕が、カラム中への充填性が低く、弱く形成された活性部位を破損する可能性があり、更にそれらの利用性を減少もしくは排除する不整な粉末度の粒子を形成する。粉砕はまた、最初のポリマー質量の50%を越す可能性がある、大量の望ましくない微細物を形成する。これらの理由により、バルク重合は、特に大規模においては本質的に非効率的である[O.Bruggemann et al.,J.Chromatography A,889:15−24(2000)、 米国特許第5,959,050号明細書]。
【0008】
懸濁重合によるインプリントは二相撹拌系を使用する。具体的には、モノマー、テンプレート、及び開始剤が第1相を形成し、他方、懸濁媒質(水またはもう1種の高度に極性の液体)が第2相として働く。重合条件が適用され(例えば、熱または紫外線)、モノマーはそれらが撹拌により第2相全体に分散されている間に重合される。しかし、水はテンプレートとの強力な水素結合によりモノマー−テンプレート相互作用を妨げることができる。大量に過剰な水が具体的に存在するために、それは実際、モノマー相を飽和させて、所望のモノマー−テンプレート相互作用を破壊することができる。大量に過剰な水もしくは他の懸濁媒質はまた、テンプレートを可溶化させて、それをモノマー相から除去させることができる。この条件はインプリントの理論的効率(重合期間に使用されたテンプレートの質量に対する吸着されたテンプレートの質量の比率)を低下させる。その結果、この方法により製造されたMIPは具体的に満足に作用しない[B.Sellergren,J.Chromatography A,673:133(1994)]。
【0009】
懸濁重合によるインプリントは国際公開第00/41723号パンフレットに例示されている。国際公開第00/41723号パンフレットは0.01〜10ミクロンの粉末度範囲の分子インプリント粒子を製造する界面活性剤を含まない手段を開示している。しかし、モノマー−テンプレート相互作用は大量に過剰な懸濁媒質内で起こる。更に、この系のポリマー処理量は、懸濁媒質に対する重合性化合物の0.01〜20容量%の制約のために極めて低い。米国特許第5,872,198号及び同第5,959,050号明細書もまた、懸濁重合によるインプリントを開示しているが、これらの特許においては、水の使用を回避するために懸濁媒質としてペルフルオロカーボンを使用している。ペルフルオロカーボンの主要な欠点は、それらが概括的にフッ素化界面活性剤を必要とし、従って資本集中的溶媒回収システムを必要とすることである。更に、高密度のペルフルオロカーボン(例えば、ペルフルオロ[シクロヘキサン]、密度=1.78グラム/ミリリッター)は懸濁重合期間中にバルクの相分離を予防するために著しい電力入力を必要とする。最後に、これらのペルフルオロカーボンは環境に優しくなく、処理及び廃棄問題を提起することができる。
【0010】
分子インプリントの第3の方法は表面重合によるインプリントと呼ばれる[J.Haginaka et al.,J.Chromatography A,849:331−9(1999)]。この方法においては、モノマー及びテンプレートの小規模の被膜が、既存のポリマー表面上に重合される。この方法は、ポリマーの表面のみがインプリントされ(残りは廃棄されるかまたは非特異的結合をもたらす)るので、数々の工業的応用には本質的に望ましくない。その結果、大部分のポリマーが興味ある吸着部位を含まないので、この方法は大量のポリマーを必要とする。更に、水を連続相もしくは二次相として使用する時に、テンプレートの浸出及び低いモノマー−テンプレート相互作用がインプリント過程を妨げるかも知れない。
【0011】
最近、文献には、破壊を伴わずにこれらのきわどいモノマー−テンプレート相互作用を起こさせる懸濁重合法が言及されない。更に、懸濁媒質の不在下でインプリント部位を確立するためにモノマー−テンプレート混合物を結合させ、次に良好な粒子形態及び粉末度制御を達成するために急速な重合を許す一般的な方法も記載されていない。同様に、同一容器内の、テンプレートのインプリント及び抽出の考え−工業的レベルにおける工程操作の有用な改良、を開示している当該技術分野はない。
【0012】
ポリマー合成(MIPを含まない)の広範な分野において、モノマー混合物を前以て混合して、個々の粒子を形成させ、次に重合が完全に起こる水相中に導入する方法が知られている。米国特許第3,922,255号明細書は、対流下で水相を含む管形容器中にモノマー混合物を噴射し、次に、モノマー液滴の重合を許すように水性供給物により高温に維持された別の管にモノマー/水性反応混合物を移動することを開示している。しかし、この方法はMIPの形成のためにではなく、分子インプリントのために、テンプレート分子も、テンプレート−モノマー相互作用の必要も考慮していない。
【0013】
【発明が解決使用とする課題】
従って、改良された結合親和性(溶媒により妨げられない強力なテンプレート−モノマー相互作用の形態における)、均一な粉末度分布及び良好な物質移動能を有するMIPの形成を許す、容易な、再生可能な重合法の需要が存在する。その方法は簡単で経済的に有効である必要がある。更に、その方法は、1)ポリマーの粉砕の必要、2)外来の流体の使用の必要及び3)懸濁液へのテンプレートの早期の喪失、を排除しなければならない。そのような方法は特に、大豆ホエーからのイソフラボンの効率的な分離をいかに達成するかの問題を解決するであろう。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本特許請求者は分子インプリントポリマーを形成するための液滴重合法を提案した。その方法は、
(a) 液体懸濁媒質中に液滴として、
(i) 少なくとも1種類のモノマー及び
(ii) 少なくとも1種類のテンプレート分子、
を含んで成るモノマー−テンプレート反応混合物を放出すること、そこで少なくとも1種類のモノマー−テンプレート反応混合物及び液体懸濁媒質が更に、重合開始剤系を含んで成り、それにより各液滴の重合が少なくとも実質的に、懸濁媒質中で完了される、並びに
(b) 懸濁媒質から分子インプリントポリマーを回収すること、
の段階をもつ。好ましくは、少なくとも1種類のテンプレート分子は工程中、懸濁媒質の温度で、少なくとも0.5重量パーセントの液体懸濁媒質中の溶解度をもつ。
【0015】
より具体的には、モノマー−テンプレート反応混合物は更に、 (iii) 少なくとも1種類のポロゲン分子及び/または(iv)少なくとも1種類の溶媒を含む。段階a)の前もしくはその期間中、モノマー−テンプレート反応混合物は部分的に重合し、モノマー−テンプレート反応混合物の粘度は、モノマー−テンプレート反応混合物の最初のもしくは開始粘度に対して、少なくとも0.1センチポアズだけ増加するが、ゲル化点には至らない。
【0016】
工程の段階(b)の前または後の、更なる段階は分子インプリントポリマーから少なくとも1種類のテンプレート分子を抽出することである。更に、テンプレート分子及びポロゲン分子の双方がモノマー−テンプレート反応混合物中に存在する場合は、それらを懸濁媒質により分子インプリントポリマー粒子から抽出することができる。本方法のもう一つの態様はまた、後のモノマー−テンプレート反応混合物中への再使用のために、少なくとも1種類の抽出されたテンプレート分子を回収し、再循環することを含む。
【0017】
少なくとも1種類のテンプレート分子は、フラボン、アルキル−もしくはヒドロキシル−置換フラボン、イソフラボン、アルキル−もしくはヒドロキシル−置換イソフラボン、アミノ酸、抗生物質、ステロイド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、芳香族分子、ヒドロキシル化脂肪族分子及びそれらの構造的な類似物である分子、から成る群から選択される。より好ましくは、テンプレート分子は安息香酸エストラジオール、フェノール、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン、ゲニスチン、ダイジン、グリシチン、マロニルゲニスチン、マロニルダイジン、マロニルグリシチン、アセチルゲニスチン、アセチルダイジン、アセチルグリシチン及びそれらの構造的な類似体である分子、から成るフラボンの群から選択される。少なくとも1種類のテンプレート分子は、少なくとも1種類のモノマー及び、少なくとも1種類のテンプレート分子の総質量の約5〜15%(質量を基礎にして)を含んで成る。
【0018】
少なくとも1種類のモノマーは、架橋モノマー及び官能性モノマーから成る群から選択される。より好ましくは、少なくとも1種類のモノマーは、ジメタクリル酸エチレングリコール(EGDMA)である。
【0019】
本方法において、重合開始剤系は熱フリーラジカル開始剤、UVフリーラジカル開始剤及びガンマ線フリーラジカル開始剤から成る群から選択される。より好ましくは、重合開始剤系は熱フリーラジカル開始剤である。懸濁媒質の温度が熱フリーラジカル開始剤の半減温度より20℃以上も下である場合は、半減期間は炭化水素媒質中で1時間である。
【0020】
本方法で使用されるポロゲンは少なくとも1種類のモノマーの合わせた容量の約1〜50容量パーセントである。好ましくは、ポロゲンは形成している分子インプリントポリマーの2δ以内の溶解パラメーターをもつ。更に本方法では、ポロゲンは懸濁媒質及びポロゲンの総重量に対して、2重量パーセントを越える、20℃の水中の溶解度をもつ。好ましいポロゲンはテトラヒドロフラン、アセトニトリル、CHCl、CHCl、N−メチルピロリドン、トルエン、酢酸エチル、1,2−ジクロロエタン、メタノール、アルコール、アセトン及び酢酸エチルから成る群から選択される。
【0021】
本方法において、液滴は、モノマー−テンプレート反応混合物にオリフィスを通過させることにより形成され、そこで、オリフィス及び液体媒質が相互に対して非固定的(non−stationary)である。
【0022】
もう一つの態様において、懸濁媒質は1〜1000rpmで機械的に撹拌されるかまたは超音波により撹拌される。
【0023】
本方法で使用された懸濁媒質は重合に必要なエネルギーを含み、好ましくは懸濁媒質は加熱される。懸濁媒質は少なくとも水から成ることができる。より好ましくは、水が懸濁媒質の重量の大部分であり、懸濁媒質が更に、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールから成る群から選択された少なくとも1種類の化合物を含んで成る。
【0024】
本方法の段階(a)の重合はフリーラジカル重合により、縮合重合によりそして/または約150〜350nmの波長以内の光線により起こる。
【0025】
本方法は回転楕円面状の一次粒子を生成し、分子インプリントポリマーの回転楕円面状一次粒子の少なくとも75%が1μm〜1mmの直径の粉末度範囲にあり、より好ましくは、分子インプリントポリマーの回転楕円面状の一次粒子の少なくとも70%が10〜400μmの直径の粉末度の範囲内にある。好ましくは、本方法は窒素多孔度により測定すると、約150m/gを越える表面積をもつ、回転楕円面状一次粒子を生成する。
【0026】
本発明の更なる態様は、
a)標的の分析物を含むサンプルと、前記の方法により生成された分子インプリントポリマーを接触させること、及び
b)分子インプリントポリマーから標的の分析物を抽出すること、
を含んで成る、サンプルから分子を吸着する方法である。
【0027】
好ましくは、サンプルは大豆ホエーであり、標的分析物はイソフラボンである。
【0028】
本発明の更なる態様は、
(a)液体懸濁媒質中に、オリフィスから液滴として、
i.官能性モノマー及び架橋モノマーから成る群から選択された少なくとも1種類のモノマー及び
ii. 安息香酸エストラジオール、フェノール、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン、ゲニスチン、ダイジン、グリシチン、マロニルゲニスチン、マロニルダイジン、マロニルグリシチン、アセチルゲニスチン、アセチルダイジン及びアセチルグリシチンから成る群から選択された少なくとも1種類のテンプレート、を含んで成るモノマー−テンプレート反応混合物を放出すること、そこで
少なくとも1種類のモノマー−テンプレート反応混合物及び液体懸濁媒質が更に、重合開始剤系を含んで成り、それにより液滴の重合が少なくとも実質的に、懸濁媒質中で完了される、並びに
(b) 懸濁媒質から分子インプリントポリマーを回収すること、並びに
(c) 段階(b)の前または後に、分子インプリントポリマーからテンプレート分子を抽出すること、
の段階を含んで成る、分子インプリントポリマーを形成するための液滴重合法である。
【0029】
本方法の更なる態様は、
iii.テトラヒドロフラン、アセトニトリル、CHCl、CHCl、N−メチルピロリドン、トルエン、酢酸エチル、1,2−ジクロロエタン、メタノール、アルコール、アセトン及び酢酸エチルから成る群から選択された少なくとも1種類のポロゲン、及び/または
iv. 少なくとも1種類の溶媒
を更に含んで成る、モノマー−テンプレート反応混合物を含む。
【0030】
本発明の更にもう一つの態様は、
a) 液体懸濁媒質中に、オリフィスから液滴として、
i. 官能性モノマー及び架橋モノマーから成る群から選択された少なくとも1種類のモノマー,
ii. 安息香酸エストラジオール、フェノール、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン、ゲニスチン、ダイジン、グリシチン、マロニルゲニスチン、マロニルダイジン、マロニルグリシチン、アセチルゲニスチン、アセチルダイジン及びアセチルグリシチンから成る群から選択された少なくとも1種類のテンプレート、
を含んで成るモノマー−テンプレート反応混合物を放出すること、そこで
少なくとも1種類のモノマー−テンプレート反応混合物及び液体懸濁媒質が更に、重合開始剤系を含んで成り、それにより液滴の重合が少なくとも実質的に、懸濁媒質中で完了される、
b) 懸濁媒質から分子インプリントポリマーを回収すること、
c) 段階b)の前または後に、分子インプリントポリマーからテンプレートを抽出すること、
d) 標的の分析物を含んで成るサンプルと、分子インプリントポリマーを接触させること、並びに
e) 標的の分析物を分子インプリントポリマーから分離すること、
の段階を含んで成る、サンプルからの標的分析物の吸着における使用のための分子インプリントポリマーを形成するための液滴重合法である。
【0031】
サンプルからの標的分析物の吸着における使用のための分子インプリントポリマーを形成するための方法はまた、
iii.テトラヒドロフラン、アセトニトリル、CHCl、CHCl、N−メチルピロリドン、トルエン、酢酸エチル、1,2−ジクロロエタン、メタノール、アルコール、アセトン及び酢酸エチルから成る群から選択された少なくとも1種類のポロゲン、及び/または
iv. 少なくとも1種類の溶媒
を更に含んで成る、モノマー−テンプレート反応混合物を含むことができる。
【0032】
本方法は好ましくは、少なくとも1種類のモノマーがジメタクリル酸エチレングリコール(EGDMA)であり、少なくとも1種類のテンプレートが、フラボン、アルキル−もしくはヒドロキシル−置換フラボン、イソフラボン、アルキル−もしくはヒドロキシル−置換イソフラボン、アミノ酸、抗生物質、ステロイド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、芳香族分子、ヒドロキシル化脂肪族分子及びそれらの構造的類似物である分子、から成る群から選択され、液体懸濁媒質が水を含んで成り、重合開始剤系が熱によるフリーラジカル開始剤であり、そして標的分析物がイソフラボンである場合に操作される。
【0033】
発明の詳細な説明
本請求者は吸着性及び触媒性分子インプリントポリマーを生成するための液滴重合法を開発することにより前記の問題を解決した。本発明は、モノマー−テンプレート反応混合物が懸濁媒質中への侵入時に早急に重合するために、モノマー−テンプレート相互作用の破壊を最少にする。すなわち、本方法は、モノマー−テンプレート反応混合物及び液体懸濁媒質を提供すること、オリフィスから液体懸濁媒質中へ液滴としてモノマー−テンプレート反応混合物を放出すること([ドリップする」こと)、及びそのように生成された分子インプリントポリマーを回収すること、を伴う。重合が実質的に完了する前には、モノマー−テンプレート反応混合物はほとんどもしくは全く液体懸濁媒質中に浸出しない。具体的には、モノマーとテンプレート分子との間の相互作用は、懸濁媒質からの妨げを受けずに、モノマー−テンプレート反応混合物中で起こる。次に、この反応混合物は好ましくは小滴(約10μm〜約500μm)として加熱懸濁媒質中に放出され、それにより、各個々の液滴の重合がテンプレート−モノマー相互作用に対する最少の破壊を伴って急速に起こる。この液滴重合法は、本出願の「発明の技術的背景」の項で考察されたような、バルク重合、懸濁重合及び表面重合の欠点を克服する。
【0034】
本発明の液滴重合法は、改良された結合親和性、均一な粉末度分配及び良好な物質移動能をもつMIPの工業的規模の形成に特に十分に適している。本方法は簡単で、経済的に効率的で、そして能率的である。数々の工業過程に適用可能であるが、本発明の好ましい態様はイソフラボンの分離及び回収に有用である。
液滴重合法の利点
 本発明の液滴重合法は、他の分子インプリント法により生成されたものに比較して、より大きい吸着活性及び改良インプリント効率をもつMIPをもたらす。
【0035】
MIPの生成のための開示された液滴重合法の利点は、粒子形成からテンプレート部位形成を分離することから起こると考えられる。更に、各小滴の重合が急速で、それにより良好なMIP粒子形態を保持し、懸濁媒質が1種もしくは複数のモノマーから早期にテンプレートを可溶化して除去することを妨げるために、効率のよいインプリントが起こる。
【0036】
本発明のもう一つの利点は、モノマー−テンプレート相互作用が懸濁媒質の不在下で起こるので、懸濁媒質に非常に可溶性のテンプレートをインプリントに使用することができる点である。例えば、水性懸濁媒質中に水溶性のテンプレート(例えば僅かに極性の化合物)を使用することがしばしば所望されるが、強力なモノマー−テンプレート相互作用物を形成することができない。本発明の方法は、反応混合物の液滴が一旦懸濁媒質と接触すると早急に重合が起こるので、このような水溶性のテンプレートを懸濁媒質の一次成分として水とともに使用させる。熱重合を使用する時は、テンプレートは好ましくは、重合過程の温度で、約0.5重量パーセント以上、より好ましくは約1.0重量パーセント以上の、懸濁媒質中の溶解度をもつであろう。これは、1種もしくは複数のテンプレート分子が可溶性の懸濁媒質中でMIPを形成する過程の性能を利用している。
【0037】
最後に、本発明は、容易に入手可能な装置及び環境に優しい懸濁媒質の組成物を使用している。
定義
 本明細書においては、多数の用語及び略語が使用される。本発明を更に理解するために、以下の定義が提供される。用語は特に別記されない限り、明細書全体に適用される。
【0038】
「高速液体クロマトグラフィー」はHPLCと略す。
【0039】
「N−メチルピロリドン」はNMPと略す。
【0040】
「テトラヒドロフラン」はTHFと略す。
【0041】
「分子インプリントポリマー」(MIP)の用語は、テンプレートで分子インプリントを受け、それにより、生成された有機もしくは無機ポリマーが、インプリントに使用された最初のテンプレート分子と補完的な選択的吸着性または触媒的部位を含むポリマーを表す。ポリマーをインプリントすることは、1)水素結合またはイオン対相互作用のような非共有相互作用、または2)テンプレートとモノマーとの間の可逆的な共有相互作用、のいずれかを使用することにより、実施される。
【0042】
「分子インプリント」の用語は、ポリマーにおける、その上もしくはその中の空間を表し、その空間はテンプレート分子の化学的官能基に対する立体的そして化学的の双方で、空間の表面上の官能基に対して補完性をもつ。本発明の目的のためには、テンプレート分子が分子インプリントポリマーから抽出された後に、インプリントが安定したままでいることが所望される。
【0043】
「1種もしくは複数のテンプレート分子」または「1種もしくは複数の分子インプリント分子」の用語は、モノマーをインプリントするために使用された1種もしくは複数の分子を表す。それらはMIPにより吸着されることができる分析物と同一もしくは構造的に類似である。
【0044】
「モノマー−テンプレート反応混合物」または「反応混合物」の用語は、少なくとも、1種類以上のテンプレート分子及び1種類以上のモノマーを含んで成る混合物を表す。概括的には、混合物はモノマーとして1種類以上の架橋モノマー及び、場合によっては1種類以上の官能性モノマーを含むであろう。好ましくは、モノマー−テンプレート反応混合物は重合開始剤系を含むであろう。場合によっては、1種もしくは複数のポロゲン及び1種もしくは複数の溶媒を更に、モノマー−テンプレート反応混合物中に含むことができる。
【0045】
「モノマー−テンプレート相互作用」は、重合の前にテンプレートとモノマーとの間に起こる相互作用を表す。モノマーとテンプレートとの間の最初の相互作用は生成されたMIPの特異性に劇的に影響するので、これらの相互作用はテンプレートとモノマーとの間で非常に特異的である(数々の非共有相互作用または可逆的共有相互作用の形態で)ことが望ましい。
【0046】
「モノマー」は、重合を受けることができ、それによりポリマーの本質的構造に対する個々の単位に寄与することができる分子と定義される。具体的には、モノマーは官能性または架橋モノマーのいずれかとして分類することができる。官能性及び架橋性モノマーは双方とも、非共有結合または可逆的共有結合によりテンプレート分子上の基と相互作用し、それにより分子インプリントをもつポリマーの形成の補助をする様々な化学官能基(例えば、ヒドロキシ−、メチル−、カルボキシル−、等)を含む。これらの基はまた、ポリマーの分子インプリント内に分析物を結合させるためにMIPにより使用される。しかし、官能性及び架橋性モノマーは分子上に存在する重合可能な基の数に従って区別される。
【0047】
「官能性モノマー」は、1個の重合可能な基(例えばビニル基)を含むモノマーである。重合時に、官能性モノマーはポリマーの長い「連鎖」を生成することができるのみであるが、これらの「連鎖」は直接に相互に連結せずに、従ってポリマーは安定ではない。
【0048】
「架橋性モノマー」は、重合過程に寄与できる2個以上の重合可能な基(例えば複数のビニル基)を含む。従って、例えば、これらはしばしば、ジ−、トリ−及びテトラ−官能性モノマーと呼ばれる。架橋性モノマーはポリマー「連鎖」の相互連結に高度に架橋したポリマー構造を生成させることができる。
【0049】
「アクリルモノマー」は、アクリル酸から誘導された(少なくとも一部は)モノマー(例えばアクリル酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド及びアクリロニトリル)である。それに対し、「メタクリルモノマー」は、アクリル酸の方法に類似の方法で、メタクリル酸から誘導された(少なくとも一部は)モノマーを表すであろう。「スチレンモノマー」は、芳香族環に付いたビニル基をもつ化合物(例えばスチレン自体、ジビニルベンゼン及びα−メチルスチレン)を表すであろう。
【0050】
「重合開始剤系」もしくは「開始剤」は化学反応を開始させ、生成される化合物の一部になるために反応中に侵入する系もしくは薬剤を表す。触媒は反応物と化学的に結合しない点で、開始剤は触媒と異なる。
【0051】
「ポロゲン」の用語は、モノマー−テンプレート反応混合物に混合可能な1種もしくは複数の化合物を表し、好ましくは懸濁液中に容易に抽出可能で、MIP内の孔形成の補助をし、そして本明細書で定義されたモノマーまたはテンプレート分子の機能を実施しない。ポロゲンの例は、それらに限定はされないが、アルコール、水溶性エーテル(例えばテトラヒドロフラン)及びカルボン酸を含む。
【0052】
「懸濁媒質」の用語は、モノマー−テンプレート反応混合物がその中に放出され(例えば「ドリップされ」)、そして重合に必要なエネルギーを含むことができる液体を表す。従って、例えば、懸濁媒質は加熱時に熱エネルギーを維持し(熱フリーラジカル開始剤を使用して重合を所望する時)または、ガンマ線に暴露する時に放射線エネルギーを維持する(ガンマ線フリーラジカル開始剤を使用して重合することが所望される時)ことができなければならない。
【0053】
「モノマー−テンプレート反応混合物をドリップすること」の用語は、モノマー−テンプレート反応混合物が放出され、運搬され、または、液滴が形成されるようにオリフィスをとおされる過程を表す。この定義はまた、モノマー−テンプレート反応混合物の連続的な流れが機械的、超音波またはその他の匹敵する手段により液滴に変換される過程を包含する。
【0054】
「液滴」の用語は、適切な回転楕円面状形態をもつ液体の一定の容量を表す。概して、本発明の液滴は直径1μm〜1cmである。
【0055】
「重合」はモノマー(もしくはモノマーの混合物)をポリマーに転化させる過程を表し、そこでポリマーは高い相対的分子質量の分子であり、その構造は本質的に、ポリマーがそこから誘導されたモノマー単位の多数の繰り返し物を含んで成る。
【0056】
「一次粒子」は、本明細書に開示された液滴重合法の生成物である分子インプリント粒子を表す。これらの一次粒子は具体的には、回転楕円面状形態であり、従って、それらは球様のしかし完全に丸くはない粒子である。それに比し、「マクロ粒子」は2種以上の一次粒子が部分的もしくは完全に相互に凝集する時に生成される粒子を表す。「分析物」もしくは「標的分析物」は、特定のMIPを使用して分離もしくは分割することができる分子を表す。従って、分析物はテンプレート分子に分子構造が同一でなければならず、または、少なくともテンプレート分子に明らかな類似性(例えば、3−次元分子構造、官能基の位置及び数、並びに静電気ポテンシャルに基づいて立体的そして化学的に)をもたなければならない。
【0057】
「δ」は溶解度を測定するための単位であり、メガパスカルの平方根で表される(MPa1/2)。広範な物質に対する溶解パラメーターの値はHandbook of Solubility Parameters and Other Cohesion Parameters(A.F.M.Barton,CRC Press,Boca Raton,FL,1991)及びPolymer Handbook,2nd Ed.,(J.Brandrup et al.,Eds.John Wiley & Sons Inc. New York 1975,Pages IV−337−IV−359)の表に示されている。
液滴重合法
 本発明において、効率的なMIPは懸濁媒質(例えば水)中へのモノマー−テンプレート反応混合物の液滴の放出により生成される。モノマー−テンプレート相互作用は、懸濁媒質中への反応混合物の導入の前に、モノマー−テンプレート反応混合物中に形成されることができる。場合によっては、懸濁媒質中への液滴の導入の前に、部分的重合が起こることができる。一旦液滴が懸濁溶媒にさらされると、それらは、懸濁媒質の小さい液滴サイズ及びエネルギー含量(例えば、熱、UV、等)により、少なくとも実質的に重合する。急速な重合(具体的には約10秒以内に起こる)は、懸濁媒質によるモノマー−テンプレート相互作用の著しい破壊を最少にし、それにより増加したテンプレート選択性をもつMIPの形成を可能にすると考えられる。形成されたMIPは好ましくは回転楕円面状の形態を達成する。
【0058】
生成されたMIPからテンプレート分子を抽出することは、MIPの回収の前に受動的もしくは能動的のどちらかで達成することができる。この方法は同一容器中で、同一懸濁媒質により重合及びテンプレート抽出を起こさせる。これはMIP合成の他の方法に必要な追加の工程段階の必要を排除する。場合によっては、MIPを最初に回収し、次にテンプレート分子を抽出することができる。
モノマー−テンプレート反応混合物
 モノマー−テンプレート反応混合物は少なくとも、1種以上のテンプレート分子及び1種以上のモノマーを含んで成る。概括的に、モノマー−テンプレート反応混合物中で、1:1を越えるモノマー:テンプレートのモル濃度比率をもつことが望ましい。更に、この反応混合物は場合によっては、開始剤、1種もしくは複数のポロゲン、及び1種もしくは複数の溶媒を含んで成ることができる。これらの成分はそれぞれ、更に詳細に以下に考察される。
テンプレート分子及び分析物
 広範な種類のテンプレート分子が選択的認識マトリックスをもつMIPを生成するために使用されてきた。テンプレートとして以前に使用された分子または化合物の例は、薬剤、アミノ酸、炭水化物、タンパク質、ヌクレオチド基剤、ホルモン、殺虫剤及び補酵素を含む。
【0059】
テンプレートの選択は幾つかの因子を反映する。評価されるべき一つの因子はテンプレートのサイズまたはMIP上に選択的に捕捉されることができる分析物のサイズである。具体的にはMIPはテンプレートとして比較的低分子量の化合物(すなわち、約1000MWまでの)により形成することができるが、幾つかのMIPは表面インプリントにより、より大きい化合物、例えば、タンパク質または細胞に対する親和性により形成された(例えば、H.Shi and B.D.Ratner,J.Biomedical Materials Res 49(1):1−11(2000)を参照されたい)。ポリマーはテンプレートの周囲に形成するので、テンプレートは重合後にポリマーの網目から拡散することができなければならない。より大きい分子はポリマーから拡散することが困難であり、従って捕捉されたままであり、あらゆる分析物の結合を妨げるであろう。
【0060】
考慮すべき第2の選択因子は非共有結合(例えば、水素結合、イオン対相互作用)または可逆性共有結合により、1種もしくは複数の架橋及び官能性モノマーと相互作用するテンプレート分子の能力である。過去に使用されたインプリント法のうち、テンプレートとモノマーとの間の非共有相互作用の使用がより用途の広いアプローチであることが明白になった。これらの相互作用のタイプの明白な弱点は、個別に考慮すると、多数の相互作用点を同時に許すことにより克服することができる。更なる利点は、正確な相手が短時間に結合する前に、多数の可能な組み合わせを検討させる、これらの結合タイプの急速な結合及び分解動力学により実現される。最後に、インプリント段階における非共有の相互作用の使用は、テンプレート及びモノマーが非共有相互作用を使用して最終的にインプリントを形成するように、それにより生物学的分子(例えばDNA、タンパク質、等)が非共有相互作用を使用して自己に類似させる、自然界に認められる認識パターンに極めて類似している。
【0061】
テンプレート分子の選択はまた、テンプレートとして分析物の構造的類似体を使用することがより望ましいかどうかを考慮することを伴う。これは様々な理由により望ましいであろう。例えば、MIPが分析物の特に感受性の定量を実施する目的のために生成される時には、テンプレート分子が分析物と同一であり、テンプレート抽出後にMIPと結合したままであれば、誤った結果が起こるであろう。概括的にテンプレート分子の99%までは抽出により容易に除去できるが、残りの1%は除去に対する問題を構成するかも知れない。構造類似体がテンプレート分子として使用されると、分析物のその後の定量に関する困難が予防されるであろう。分析物自体の代わりにテンプレート分子として構造的類似体を使用する第2の理由は、テンプレート(及び関連分析物)が極めて高価な場合に起こる。この場合には、より安価な構造的類似体の使用がMIP生成の価格を低下させることができる。
【0062】
どちらの状況においても、選択された構造的類似体は以下の特徴をもたなければならない。
1) それは好ましくは、認識を与える分析物と同様な官能基を含まなければならない、
2) それは分析システム中で分析物を妨害してはならない、
3) それは反応混合物に可溶性でなければならない、
4) それは重合期間中安定でなければならない、そして
5) それは、分割もしくは分離されるべきサンプル中に、結合部位に対して分析物と競合するほど大量に存在してはならない。
【0063】
当該技術分野で周知のように、MIPは時々、「あまりにも特異的で」、これが望ましい化合物の混合物(すなわち、1種を越える分析物)を吸着しない。これらの場合には、様々な方法でMIPの特異性を減少することができる。第1に、モノマー−テンプレート反応混合物中に「架橋性の弱いモノマー」を使用して、それにより硬度(以下に考察される)の低いMIPを生産することができる。「架橋性の弱いモノマー」の用語は、より反応性が弱い架橋モノマー、より少ない重合可能基をもつ架橋モノマー、同一架橋モノマーのより小さい固まり、またはこれらの特徴のあらゆる組み合わせ物を表すために使用される。この方法で形成されたMIPはしばしば、1個を越える分析物をMIPに結合させるであろう。第2に、より「全体的な」インプリントをもたらす構造的類似体をテンプレートとして使用することにより、特異性を減少することができる。これは、興味を引く分析物すべてを、1個のインプリントにより選択的に吸着させる。最後に、MIPを製造する時に1個を越えるテンプレート分子を同時に使用することができる。この方法は、1個を越える分析物と選択的に結合することができる複数インプリントMIPを製造するであろう。
【0064】
本発明において有用なテンプレートは、それらに限定はされないが、フラボン(及びアルキル−もしくはヒドロキシル−置換フラボン)、イソフラボン(及びアルキル−もしくはヒドロキシル−置換イソフラボン)、抗生物質、ステロイド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、芳香族分子、ヒドロキシル化脂肪族分子、ヒドロキシル化環式化合物(例えば、フェノール、パラヒドロキシ安息香酸、パラヒドロキシケイ皮酸、ヒドロキシスチレン)、ポリヒドロキシル化小分子(分子量<500)(例えば、1,3−プロパンジオール)、アミノ酸(例えば、ロイシン、フェニルアラニン)、ブチロラクトン、メチレンブチロラクトン、メチレンブチロラクトンのメチル化形態及び、これらの分子に構造的類似体であると考えられる分子、を含む。
【0065】
有用なテンプレートと考えられる具体的なイソフラボンは、ダイジン、ゲニスチン、グリシチン、ダイゼイン、グリシテイン、ゲニステイン、ダイジンもしくはゲニスチンもしくはグリシチンのマロニルエステル形態、及びダイジンもしくはゲニスチンもしくはグリシチンのアセチルエステル形態を含む。安息香酸エストラジオール及びフェノールはイソフラボンに対する構造的類似体として役立つことができる有用なテンプレートである。当業者は、ある分析物に対するテンプレート分子として使用することができるであろう他の適切な構造的類似体を類推することができるであろう。
【0066】
好ましい態様において、1種もしくは複数のテンプレートの濃度は、1種もしくは複数のモノマー及び1種もしくは複数のテンプレートの総質量の5〜15%(質量を基礎にして)である。
【0067】
テンプレートとして使用された具体的な分子は、生成されたMIPが分離もしくは分割することができるであろう1種もしくは複数の分析物を決定するであろう。分析物の認識は水素結合、イオン交換及び疎水性相互作用に基づいた選択的相互作用による。概括的に、選択性はMIPと分析物との間の相互作用の数及びタイプとともに増加する。
官能性及び架橋モノマー
 モノマー−テンプレート反応混合物は少なくとも1種のモノマーを含むであろう。伝統的には、1種以上の官能性モノマー及び1種以上の架橋モノマーをMIPの生成に使用するが、更に、1種以上の官能性モノマーの添加を伴わずに、1種以上の架橋モノマーを使用してMIPを形成することもできる。
【0068】
通常、モノマー−テンプレート反応混合物中に使用された1種もしくは複数の具体的な官能性モノマーは、MIPが選択もしくは分離するようにされている分析物の具体的な化学的特性による。この対応は、官能性モノマーがテンプレート分子と(MIP形成時)そして分析物と(サンプルの分割及び分離時)有効な化学結合を形成することに関与する一次的成分であるために起こる。官能モノマーは最終的に反応してポリマーを形成する1個の重合可能な単位をもつ。これらのモノマーは、テンプレート分子に共有的にそして/または非共有的に結合することができる特異的な化学的官能基(例えばカルボキシル、ヒドロキシル、アミノまたは芳香族基)をもつ。
【0069】
本発明においては、官能性モノマーは好ましくは、ビニル−含有モノマーのような、フリーラジカルの重合可能なモノマーから成る群から選択される。より好ましい官能性モノマーは、アクリル、メタクリル及びスチレンから成る群から選択される。通常使用される官能性モノマーの例はメタクリル酸、ビニルピリジン及びスチレンを含む。
【0070】
官能性モノマーに同様に重要なものは、モノマー−テンプレート反応混合物中に使用される架橋モノマーの相対的量及びタイプである。概括的に、架橋モノマーの目的は、1)テンプレート分子に対して特定の配置に官能性モノマーを「固定」すること(それによりMIPの全体的特異性、または「認識行動」に影響する)及び2)生成されるMIPの構造的硬度を制御すること、である。架橋モノマーはまた、テンプレート分子と(MIP形成時)そして分析物と(分割及び分離時)の有効な化学結合を形成することに関与する単独のもしくは一次的成分として働くことができる。
【0071】
分子インプリントの分野においては、歴史的に、ごく制約された数の架橋モノマーのみが使用されてき、それらは以前は、官能性モノマーを伴わずにポリマーを形成するためには使用されなかった。これは、双方の因子が可能な代替物の数を減少させるので、モノマー−テンプレート反応混合物中の架橋モノマー自体の溶解度及びモノマー化テンプレート群の溶解度に関する考慮によることができる。しかし、スチレン及び他の官能性モノマーのポリスチレンへの架橋のためのジビニルベンゼンの異性体、アクリルもしくはメタクリル酸に基づいた系、ジメタクリル酸エチレングリコール(EGDMA)、並びにトリメタクリル酸トリメチロールプロパン(TRIM)を含む、幾つかの異なる架橋モノマーを試みて異なる度合の成功をもたらした。更に、三−及び四官能性アクリル酸架橋剤(例えばトリアクリル酸ペンタエリスリトール(PETRA)、テトラアクリル酸ペンタエリスリトール(TETEA))が近年、ペプチド−選択的分子インプリントポリマーの調製に使用され(Kempe,M.Anal.Chem.68(11):1948−53(1996))、他方、ピリジル基に接して2個のアミド官能基を含む架橋モノマーがバービツレートに対するインプリントのプロトコールに使用された(国際公開第2001055095号パンフレット)。
【0072】
本発明において、架橋モノマーは複数のビニル基を含む分子のような、複数の重合可能な単位を含む分子である。好ましい架橋モノマーはアクリル、メタクリル及びスチレンから成る群から選択される。より好ましい架橋モノマーの例はジメタクリル酸エチレングリコール及びジビニルベンゼンを含む。
【0073】
具体的なMIPの形成に使用される官能性及び架橋モノマーの選択はポリマーの所望の硬度(そのモル組成のみならず選択された具体的な架橋モノマーに従って決定された)及びテンプレート分子と相互作用するための所望の官能基に基づく。
重合開始剤系
 重合はモノマー−テンプレート反応混合物、懸濁媒質中で、またはモノマー−テンプレート反応混合物と懸濁媒質の双方中でのいずれかに重合開始系を必要とする。好ましくはモノマー−テンプレート反応混合物は重合開始剤系を含むであろう。あるモノマー−テンプレート反応混合物内に使用される具体的な開始剤は実施される重合のタイプ(以下に考察される)に基づいて選択される。概括的には、フリーラジカルの重合を実施するためにはフリーラジカル開始剤が必要であり、他方、縮合重合を実施するためには触媒が時々必要である。開始剤または触媒の機能は重合を開始させることである。
【0074】
熱フリーラジカル開始剤、UVフリーラジカル開始剤及びガンマ線フリーラジカル開始剤を含む、様々なフリーラジカル開始剤系が存在する。これらの系はすべて、活性化時に少なくとも1個の不対電子をもつ原子もしくは原子群をもつ。更に、大部分のフリーラジカルはそれらの単離を困難にする、高い反応性及び高いエネルギーをもつ短寿命の中間体である。具体的には、非常に少量の開始剤が必要である(通常、モノマー−テンプレート反応混合物に対して2重量%未満)。
【0075】
本発明に有用な好ましい熱フリーラジカル開始剤はそれらに限定はされないが、アゾニトリル開始剤(例えば、2,2’−アゾ−ビス−イソブリトニトリル、2’−アゾジ(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル))、過酸化アルキル(例えば、過酸化tert−ブチル)、及び過酸化アシル(例えば、過酸化ベンゾイル)を含む。
【0076】
重合開始剤系は、本発明の液滴重合法の精神もしくは範囲を著しく変更することなしに、モノマー−テンプレート反応混合物中でなく、懸濁媒質中に代替的に取り込むことができることは当業者に容易に明白であろう。
ポロゲン
 ポロゲンは重合過程中にポリマー中に孔を作成することにより機能する。本請求者はモノマー−テンプレート反応混合物中のポロゲンの存在はしばしば、ポロゲンの不在時の結果よりも高い表面積をもつMIPをもたらすことを発見した。一般に、高い表面積はより良い溶媒接近性、従ってより良い物質移動特性を許すために、より高い表面積をもつ吸着剤が好まれる。
【0077】
以前のMIPの研究はバルク/溶液重合にそして、限定された程度に、懸濁重合のためにポロゲンを使用した。バルク/溶液重合研究において使用されたポロゲンはTHF、アセトニトリル、CHCl、CHCl、NMP、トルエン、酢酸エチル、1,2−ジクロロエタン及びメタノール(Meng, et al.,Chinese J.Chromatography,17:4(1999);Sellergren,J.Chromatography A,673:133−141(1994))である。本発明のための、好ましいポロゲンはTHF、アセトニトリル、CHCl、CHCl、NMP、トルエン、酢酸エチル、1,2−ジクロロエタン、メタノール、他のアルコール(例えば、シクロヘキサノール、ドデシルアルコール)、アセトン、及び酢酸エチルを含む。当業者は懸濁媒質に可溶性でポロゲンとして有効に機能することができるであろう他の分子を認識するであろう。
【0078】
好ましい態様において、重合は、好ましくは懸濁媒質により、ポリマーから後に抽出することができるポロゲンの存在下で反応混合物中で起こる。ポロゲンは好ましくは、水及びポロゲンの総重量に基づいて、1重量パーセント以上の、そしてより好ましくは約2重量パーセント以上の20℃における水への溶解度をもつ。水溶性ポロゲンを使用する時は、それは、安価な環境に優しい溶媒の水で抽出することにより容易に除去することができる。ポロゲンは官能性モノマー及び架橋モノマーの合わせた容量の約1〜約50パーセント(より好ましくは約1〜約10パーセント)であることが好ましい。幾つかの場合には、ポロゲンが2δ以内、そして好ましくは1δ以内、の形成ポリマーの溶解パラメーターをもつことが好ましい。
溶媒
場合によっては、1種以上の溶媒をモノマー−テンプレート反応混合物中に含むことができる。溶媒が一般に、形成されたMIP中に孔を形成しないので、溶媒はポロゲンと異なることができる。溶媒はモノマー、テンプレートまたは開始剤の溶解性を補助することにより具体的な重合のために有利であることができる。具体的な溶媒の例は、ヘキサン、エチレングリコール、1,5−ジメチル−2−ピペリドン及びN,N−ジメチルホルムアミドを含む。
懸濁媒質
 本発明の「懸濁媒質」は、モノマー−テンプレート反応混合物がその中に放出もしくは「ドリップされ」、重合に必要なエネルギーを含むことができるあらゆる液体を表す。重合のためのこのエネルギーは例えば、熱エネルギーまたは放射線エネルギーであることができる。モノマー−テンプレート反応混合物は主として懸濁媒質に不溶性であることが好ましい。
懸濁媒質組成物
 当該技術分野で周知のように、懸濁媒質の具体的な特性は、それらが懸濁媒質中に侵入する時のモノマー−テンプレート反応混合物の液滴のサイズ、液滴の重合時に形成するMIPの生成されたサイズ、形成されたMIPの孔サイズ、及びMIPからのテンプレート抽出物すらに影響するであろう。従って、懸濁媒質の具体的な組成物の選択は具体的には、新規なテンプレート及びMIPそれぞれに対する実験により最適化を必要とする。
【0079】
本発明に使用することができる懸濁媒質は、それらに限定はされないが、水、アルコール(例えば、メタノール、エチレングリコール)、アルカン(例えば、ペンタン)、溶媒(例えば、アセトン、クロロホルム、DMF,NMP)、及びそれらの混合物を含む。これは、具体的に、フッ素化界面活性剤、関連した資本集中的溶媒回収システム、バルク相分離を防止するための著しい電力入力、及び環境に優しくない化合物を処理するための手段を必要とする、米国特許第5,872,198号及び同第5,959,050号明細書に例示された懸濁媒質(すなわち、ペルフルオロカーボン)と対照的である。
【0080】
好ましい態様においては懸濁媒質は水である。
【0081】
様々な更なる成分を懸濁媒質の最終組成物中に取り込むことができる。例えば、懸濁媒質は更に、1種以上のヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、またはポリプロピレングリコールを含んで成ることができる。これらの化合物はそれぞれ、懸濁媒質のレオロジーを修飾し、従って当業者には周知の方法で、生成されたるMIPのサイズ及び表面積を変更することができる。
【0082】
あるいは、懸濁媒質は場合によっては、重合開始剤系を含むことができるであろう。これは、モノマー−テンプレート反応混合物が重合開始剤を含まない場合に必要であろうが、モノマー−テンプレート反応混合物及び懸濁媒質の双方に重合開始剤系を含むことにより幾つかの利点を得ることもまたできる。例えば、懸濁媒質中の開始剤は懸濁溶媒が重合に必要な追加のエネルギーを含む補助をすることができるであろう。
【0083】
最後に懸濁媒質は、懸濁媒質の表面張力の修飾を許すために、具体的には懸濁媒質の1重量%未満の界面活性剤を含むことができるであろう。この成分もまた、MIPのサイズ及び表面積の調整を可能にするであろう。
懸濁媒質の撹拌
早期の液滴の凝集を予防し、それにより回転楕円面状MIPの重合を許すための最も容易な方法は、懸濁媒質に撹拌を適用することである。懸濁媒質の撹拌を伴わないと、モノマー−テンプレート反応混合物の液滴は、モノマー−テンプレート反応混合物の流速(及び従って液滴の形成)が比較的遅い場合を除いて、重合が完了する前に懸濁媒質中で凝集し易いであろう。撹拌しないと、多数の非回転楕円面状のマクロ粒子の凝集物を形成するであろう。必要な撹拌を達成する手段は機械的にもたらされる撹拌(1〜1000rpm)、超音波撹拌、幾つかの他の手段により引き起こされたバルクの流体流、または類似の方法を含む。
【0084】
撹拌の必要を回避する一方法は、オリフィス(そこからモノマー−テンプレート反応混合物の液滴が排出する)が例えば、撹拌されない懸濁媒質の表面上をあるパターンで移動することであろう。この動きが液滴の凝集の機会を最少にし(または少なくとも凝集体を最小にする)、そのため各液滴の回転楕円面状のMIPへの重合のためにより多くの時間を許すであろう。より一般的に表すと、オリフィス及び懸濁媒質は相互に対して非固定的である。
【0085】
もちろん、当業者は連続的な重合法はまた本明細書に記載の液滴重合法により達成できることを認識するであろう。この態様においては、モノマー−テンプレート反応混合物を懸濁媒質を含む容器中にドリップし、そこで懸濁媒質及び/または分子インプリントポリマー粒子が連続的に引かれる。明らかに、懸濁媒質が連続的に除去される場合は、新鮮なまたは再循環懸濁媒質を重合が起こっている容器に添加しなければならない。
モノマー−テンプレート反応混合物の結合
 本発明におけるテンプレート分子に高い特異性をもつMIPの形成は、粒子形成からテンプレート部位形成を分離する(一緒に実施されると、テンプレート−モノマー相互作用物に破壊を許す過程)。具体的には、テンプレート部位形成は懸濁媒質の不在下で(または懸濁溶媒の著しく減少量において)起こり、従って、1)懸濁媒質がモノマー−テンプレート反応混合物を飽和すること、及び/または2)テンプレートが懸濁媒質中に浸出すること、及び/または3)懸濁媒質組成物中に取り込まれた懸濁溶媒(何か存在する場合は)または溶媒のエネルギーにより、テンプレート−モノマー相互作用の破壊、を防止する。モノマー−テンプレート相互作用はそれらの結合の微少な期間内に起こると推定される。モノマー−テンプレート相互作用は懸濁媒質から隔離されて起こりそして、これらの相互作用は、反応混合物が一旦懸濁媒質に接触すると、急速な重合により停止されるので、これはテンプレートの効率的なインプリントを可能にする。
【0086】
この理解は、モノマー及びテンプレート混合物の混合、次にこの混合物を非重合条件下で溶媒もしくは懸濁媒質に添加、次に重合条件の開始、を教示しているある当該技術に対照的である[Lei Ye,O.Ramstron, and K.Mosbach, Anal.Chem.70:2789−2795(1998)]。重合条件の開始と最大速度の重合との差異は実質的であることができる−例えば、バルクの温度を上昇させるために加熱ジャケットを運転開始すること。非共有相互作用は具体的にはこの遅延期間中に短時間の規模で起こるので、モノマー及びテンプレートは、溶媒もしくは懸濁媒質、ポロゲン、等を含む他のすべての成分と数々の非共有相互作用を受ける。これらの他の非共有相互作用は極めて重大なモノマー−テンプレート相互作用を破壊し、より低いMIP親和性をもたらす。
「ドリップ」法
 液滴重合のための本発明の本質的要素は、モノマー−テンプレート混合物が小液滴の形態で懸濁媒質中に放出または運搬(すなわち、「ドリップ」)されることを必要とする。これらの液滴は好ましくは約1μm〜1cmの直径をもつ。液滴が当該技術分野で周知のようにオリフィスを通過することにより作成される時には、液滴のサイズは、1)モノマー−テンプレート反応混合物が通過するオリフィスの直径、2)モノマー−テンプレート反応混合物の流速、3)モノマー−テンプレート反応混合物の物理的特性(例えば、粘度、表面張力、温度)及び4)オリフィスがそのために形成された物質に依存する。オリフィスは例えば、金属、ガラス、プラスチックまたはゴムすらから形成することができる。液滴が、機械的、超音波、または他の匹敵する手段によりモノマー−テンプレート反応混合物の連続的流れの妨害により形成される時は、液滴サイズは機械的装置の回転速度によりまたは超音波源の周波数及び強度により制御されるであろう。
【0087】
場合によっては、モノマー−テンプレート反応混合物は重合が完了するであろう懸濁媒質と接触する前に、部分的重合条件下にさらすことができる(それにより「前−重合する」。この部分的重合はモノマー−テンプレート相互作用を「停止」させ、モノマー−テンプレート溶液の粘度を増加し、それが更に、液滴が一旦懸濁媒質中に侵入した後に、モノマーからのテンプレートの浸出を遅らせる。例えば、部分的重合は、未処理反応混合物の粘度に比して、0.1センチポアズを越えるだけ、しかしゲル点までは至らないが、反応混合物の粘度を増加することができる。この、場合による部分的重合段階は、液滴が懸濁媒質に接触する前に液滴を形成させるにちがいない。
重合法
 概括的に、重合反応には2種の大きな範疇、縮合重合及びフリーラジカル重合、が存在する。縮合重合は共有結合が、2種のモノマーが一緒に結合され、小さい分子(具体的には水)が凝縮除去されるように、再配列される時に起こる。このタイプの重合は、小分子の形成を許すであろう官能基及びポリマー連鎖の長さを増加させる結合の存在を必要とする。ナイロン、ポリエステル、レーヨン及びスパンデックスを含む、縮合反応により一般に形成されるポリマー物質には、幾つかのタイプがある。本発明の範囲及び精神は縮合による重合を含むであろう。
【0088】
フリーラジカル重合はラジカル上の不対電子との、モノマーの炭素−炭素二重結合の反応を伴う。概括的に、繁殖している群(propageting species)は通常、適切な開始剤の熱または光化学分解により誘導されたフリーラジカルの攻撃により開始される、長鎖のフリーラジカルである。重合自体は各モノマーの炭素−炭素二重結合の「攻撃」により、成長している連鎖分子のフリーラジカル末端へのモノマー分子の連鎖反応付加により進行する。重合は、2種の繁殖している群(成長しているフリーラジカル)が組み合わさるかまたは不均化して連鎖成長を終結し、1種以上のポリマー分子を形成する時に完了する。
【0089】
フリーラジカル重合はMIPの調製のための最も一般的な重合法の一つである。その方法は、熱フリーラジカル重合、放射線誘発フリーラジカル重合(例えば、紫外線、ガンマ線)、フリーラジカルを生成することが知られている化学的方法(例えば、過酸化物)、及び光重合を含む。例えば、光重合は、光反応開始剤及び場合によっては感光剤をモノマー−テンプレート反応混合物中に混合し、この反応混合物を懸濁媒質中に「ドリップ」し、そして次に液滴を光線にさらすことにより使用することができる。前記の重合法の考察はPolymer Handbook,4 th  Edition(J.Brandup,E.H.Immergut, and E.A.Grulke,Eds;J.Wiley & Sons,1999)に認めることができる。
【0090】
本発明の好ましい態様において、フリーラジカル源は、特徴的温度に加熱すると分解して、フリーラジカルを生成する化合物であることが多い。次にフリーラジカルはモノマー−テンプレート反応混合物の各液滴中に存在する1種もしくは複数のモノマーの重合を触媒する。懸濁媒質が、モノマー−テンプレート反応混合物中に存在するフリーラジカル開始剤が急速に分解する温度に維持されると、少なくとも実質的には完全な重合が急速に起こる。
【0091】
もう一つの好ましい態様において、急速な重合は、懸濁媒質が熱フリーラジカル開始剤の半減温度(ここで半減期間は炭化水素媒質中で1時間である)より20℃以上も下の温度にある時に起こる。より好ましくは、懸濁媒質は熱フリーラジカル開始剤の半減温度より10℃以上も下の温度であり、更により好ましくは、5℃以上も下であり、そして最も好ましくは、反応混合物の液滴が最初に懸濁媒質と接触する時から1時間で半減温度以上である。反応混合物がまたテンプレート、モノマー及び開始剤以外の物質を含む場合は、重合が実質的に完了する前に、これらの追加的成分のほとんどもしくはすべてが反応混合物液滴から懸濁媒質中に浸出しないことが好ましい。しかし、液滴が実質的に重合された後には、可溶性物質の浸出が起こることができる。幾つかの場合には、この浸出が望ましくさえある(例えば、テンプレート抽出のための方法としてのテンプレート分子の受動的浸出)。
【0092】
適用された重合の具体的な方法に応じて、各液滴の急速な重合により、本液滴重合法を使用して、優れたMIP(伝統的バルク、懸濁、または表面重合法を使用して合成されたMIPに比較して)が形成されることが提唱される。特に、モノマー−テンプレート反応混合物の各液滴内のテンプレート分子を囲む官能性及び架橋モノマーは、大部分、液滴の小さいサイズ及び懸濁媒質のエネルギー含量により、回転楕円面状の液滴として懸濁媒質中に侵入する時に急速に重合する。定量することは困難であるが、大部分の液滴は懸濁媒質の侵入の約1分以内に、そして好ましくは約10秒以内に完全に重合することが期待される。この急速な重合の結果として、モノマー−テンプレート相互作用にはほとんど破壊が起こらない。これが、テンプレートとモノマーとの間に近い距離を維持し、テンプレート分子の真の、正確なインプリントの形成をもたらし、増加した認識特異性をもつMIPを生成する。
【0093】
本発明のインプリントの発明は当該技術分野の方法に伴う数々の問題を克服する。先行技術においては、モノマー−テンプレート反応混合物は場合によっては前結合の期間を受ける。次に、モノマー−テンプレート反応混合物は具体的に、懸濁媒質の大量に過剰な溶媒の存在下での長時間の加熱を受ける。先行技術で使用されたこの方法はモノマー−テンプレート相互作用に破壊をもたらし、それによりその後に形成されたMIPの認識能に悪影響を与える。
液滴重合法により生成されたMIPの特徴
 本明細書に記載の液滴重合法は分子インプリントポリマーの粒子を生成する。液滴の重合により形成されたこれらの最初に生成された粒子(「一次粒子」)は具体的に、回転楕円面状の形態をもつ。一次粒子は物理的には他の一次粒子と関連しない。一次粒子のサイズは、モノマー−テンプレート反応混合物が通過するオリフィスの直径、モノマー−テンプレート反応混合物の流速、モノマー−テンプレート反応混合物の物理的特性(例えば、粘度、表面張力及び温度)並びに懸濁媒質の物理的特性(例えば、粘度、表面張力、撹拌及び温度)を含む様々な因子により制御される。概括的に、本発明を使用して、約1μm〜1mm直径の回転楕円面状の一次粒子を生成することができる。
【0094】
条件が全体に一定に維持されるある重合内では、粉末度は大体ガウスの分布に従って変動することが期待される。しかし、モノマー−テンプレート反応混合物の液滴が、それらが懸濁媒質中に侵入する前に部分的重合を受けると、より狭い粉末度分布を生成することができる。MIPの全体的に狭い粉末度分布は幾つかの利点をもつ。第1に、狭い粉末度分布はMIPがカラムの吸着のために使用される時に、より均一な充填を提供することができ、それが、カラム内により均一な流動プロファイルをもたらす。第2に、狭い粉末度分布はピークのテイリングのようなクロマトグラフィーの生成物を最小にして、より良い物質移動特性を提供する。
【0095】
従って本発明の方法は、MIPの少なくとも60%が1μm〜1mmの直径の粉末度範囲の回転楕円面状の一次粒子であり、より好ましくは、MIPの少なくとも75%が1μmから1mmの直径の粉末度範囲の回転楕円面状の一次粒子であり、そして最も好ましくは、少なくとも約90%のMIPが1μmから1mmの直径の粉末度範囲の回転楕円面状の一次粒子であるMIPを形成するであろう。
【0096】
更に好ましい態様においては、本発明の方法はMIPの少なくとも70%が1〜600μmの直径の粉末度範囲の回転楕円面状の一次粒子であるMIPを形成するであろう。より好ましくは、MIPの少なくとも70%が10〜400μmの直径の粉末度範囲の回転楕円面状の一次粒子であり、そして最も好ましくは、少なくとも約85%のMIPが10〜400μmの直径の粉末度範囲の回転楕円面状の一次粒子であるMIPである。
【0097】
一次粒子は2種以上の一次粒子から成る「マクロ粒子」に、部分的にもしくは完全に凝集することができる。幾つかの場合には、複雑な幾何学構造をもつこれらのマクロ粒子は約2.5cmまでの最大粉末度をもつように所望されることができる。これらのポリマー凝集物は概括的に、反応混合物が懸濁媒質に添加される速度を増加し、そして/または反応混合物を含む懸濁媒質の撹拌速度を減少することにより、形成することができる。
【0098】
MIPの表面積及び多孔度は少なくとも2種の方法で変更することができる。第1に、本請求者は、テンプレート分子の使用は具体的に非インプリントポリマーと比較してポリマーの利用可能な表面積を増加し、それによりポリマーの物質移動能を改善することを発見した。第2に、表面積はポロゲンが反応混合物に添加される時に更に増加することができる。もちろん、表面積の増加はテンプレート及び/またはポロゲンの量及びタイプに依存する。好ましくは、本発明の方法を使用して生成されたMIPは、特にポロゲンの存在下で製造された時には、窒素多孔度により測定すると、少なくとも約150m/g以上(より好ましくは約300m/g以上)の表面積をもつ。
MIPからのテンプレート分子の抽出
 伝統的な分子インプリント法は具体的には、重合容器からMIPを回収し、MIPを濯ぎ及び/または乾燥のために第2の容器に移し、そして次にMIPからテンプレートを抽出することにより、新規に作成されたMIPからテンプレート分子を抽出する。次に、分析物と結合するために使用することができる前に、抽出したMIPを洗浄する。これらの段階は、微細物への可能な露出を伴う固体処理を必要とし、不可避的にポリマーのいくらかの喪失をもたらす。伝統的なテンプレート分子の抽出法を使用して本液滴重合法により生成されたMIPからテンプレート分子を抽出することはできるが、本発明は更なる工程効率を提供する。
【0099】
特に、本請求者の発明によるテンプレートの抽出は場合によっては、単一容器内で、重合がおこる同一の懸濁媒質内で起こることができる。従って抽出がMIPの回収に起こることができる。テンプレートに対する親和性をもつ懸濁媒質を正しく選択することにより、重合が完了した後の一定の期間内に(具体的には約1〜4時間)、懸濁媒質(所望の場合は高温下で)内にMIPを単に維持することによりテンプレートの抽出が受動的に起こることができる。抽出方法は、概括的にHPLCにより、または当業者に既知の、そして問題のテンプレート分子に適したあらゆる他の分析法により測定することができる。
【0100】
更に、その後のインプリントにおける繰り返しの使用のために、懸濁媒質からこれらの抽出したテンプレート分子を単離し、精製することができる。再循環は、唯一回使用される場合にテンプレート分子がとてつもなく高価な時に特に有用な方法である。当業者は、その時に更なるインプリントのために再使用することができる、テンプレートを精製するための数々の分離法が存在することを認識するであろう。例えば、テンプレートと残りの化合物との間の揮発性の差異に基づいて分離を実施するために蒸留を使用することができる。
【0101】
あるいはまた、クロマトグラフィー条件(例えば、移動相及び固定相)の正しい選択に基づいて、テンプレートを分離するためにクロマトグラフィー法を使用することができる。
【0102】
【好ましい態様の説明】
数々の工業的過程に適用可能であるが、本請求者の方法はイソフラボンを分離、そして回収するのに特に有用である。
イソフラボン
 過去10年間に、フィトエストロゲン(すなわち、植物ホルモン)、そしてより具体的には、イソフラボンとして知られたフィトエストロゲンクラスの化合物、に高い興味もたれるようになった。このクラスの化合物はイソフラボンから誘導される化合物として一般的に記載されている(CAS番号574−12−9、以下の式I)
【0103】
【化1】
Figure 2004018576
【0104】
[式中、R、R、R及びR=H]。この広範なクラスの化合物内の他のイソフラボンはR、R、R及び/またはRとして、−H、−OH、−CH、−炭水化物(例えば、グルコース)、−誘導炭水化物、等の様々な組み合わ物を含むことができる。
【0105】
イソフラボンのエストローゲン活性に加えて、これらのフェノール化合物はヒトに幾つかの健康の利益に寄与するものと示唆された生物学的特性を無数に有する。例えば、イソフラボンは前立腺癌及び乳癌のようなある種の癌を予防もしくは遅延させるのに有効であることができることが示唆されている[Peterson andBarnes,Biochem.and Biophysical Res.,Communications,179(1):661−67(Aug.30,1991);Peterson and Barnes,The Prostate,22:335−45(1993);Barnes et al.,Mutagens and Carcinogens in the Diet,pp.239−53(1990),及びHermann et al.,First International Symposium on the Role of Soy in Preventing and Treating Chronic Disease,pp.757S−770S(Feb.20−23,1994)]。更に、イソフラボンはまた閉経期症状を減少もしくは予防すると信じられている(Adlercreutz et al.,The Lancet,339:1233(May 16,1992))。更に、イソフラボンは対応する心臓保護効果を伴って、ヒト及び非−ヒト霊長類の血管拡張剤として同定された(Honoreet al.,Circulation,92:1:349(1995))。
【0106】
イソフラボンは植物界に広範に分布されているが、これらの化合物の濃度は豆類に比較的高く−そして特に大豆に高い(Coward et al.,J.Agricutural and Food Chemistry 41:1961−1967(1993))。食品産業により一般に使用される大部分の大豆タンパク質は様々な濃度(約0.1〜3.0mg/gの範囲で)のイソフラボンの混合物を含む。
【0107】
大豆タンパク質及び大豆食品中に認められた主要なイソフラボンはダイゼイン、ゲニステイン及びグリシテインである。これらの大豆イソフラボンはそれぞれ、1)イソフラボングルコシド(グルコン)−−イソフラボン基に付いたグルコース分子をもつ分子(R=グルコース)、2)イソフラボン共役物−−イソフラボングルコシドのグルコース分子に付いた更なる基をもつ分子(例えば6”−OAcゲニスチンはゲニスチンのグルコース分子の6位に付いたアセテート基を含み、他方、6”−Omalグリシチンはグリシチンのグルコース分子の6位に付いたマロニル基を含む)(R=グルケートのマロニルまたはアセチルエステル形態)、及び3)イソフラボン基単独から成るアグルコンイソフラボン、として存在する。アグルコンイソフラボンは式I[ここで、R、R、R及びRはH、OH及びOCHから成る群から選択することができる]をもつ化合物から誘導される。ゲニステインはR=OH、R=H、R=OHそしてR=OHの前記の式をもち、ダイゼインはR=OH、R=H、R=H及びR=OHの前記の式をもち、そしてグリシテインはR=OH、R=OCH、R=H及びR=OHの前記の式をもつ。従って、大豆イソフラボンは具体的に以下の異なるイソフラボン:ゲニスチン、6”−OAcゲニスチン、6”−OMalゲニスチン、ゲニステイン、ダイジン、6”−OAcダイジン、6”−OMalダイジン、ダイゼイン、グリシチン、6”−OAcグリシチン、6”−OMalグリシチン及びグリシテイン、から成る。更に、ビオカニンA、フォルモノネンチン、及びクメストロールもまたしばしば大豆イソフラボンとして存在する。それとともに、これらの化合物は大豆の固有の、苦い香りを伴う。
【0108】
イソフラボンの医学的利点を得るための最近の努力は、植物物質からイソフラボンを分離し、回収することに焦点を当ててきた。以下の特許、米国特許第4,428,876号、第5,702,752号、第5,679,806号、第4,390,559号、第4,366,248号、第4,366,082号、第4,264,509号、第4,232,122号、第4,157,984号明細書、特開平1−258669号、同5−170756号公報、特開昭41−90720号、同62−126186号、同62−126185号公報、及び国際公開第93/23069号パンフレット、はプエラリア・ロバタ(Pueraria lobata)、豆類及び大豆、のような植物物質からイソフラボンを分離する様々な方法を記載している。分離されたイソフラボン物質は様々な製薬学的または食餌サプリメント組成物中に使用することができ、多数の特許文献に記載されている。
【0109】
イソフラボンの既知の利点に照らして、本発明の目的はこれらの化合物の分割及び分離のための、より効率のよい、価格的に有効な抽出法を開発することである。
大豆ホエー
 大豆イソフラボン化合物がそれらから単離できる大豆材料は、大豆、皮を除去した大豆、大豆ひきわり、大豆粉、大豆粗挽き、大豆フレーク(全脂肪及び脱脂)、大豆コチジャン、大豆モラッス、大豆タンパク濃縮物、大豆ホエー、大豆ホエータンパク質、及び大豆タンパク質単離物、を含む。大豆ホエー及び大豆モラッスは水性であるが、残りの大豆材料は概括的に固形で、イソフラボンの吸着分離を即座には受け入れられない。当業者は、イソフラボンを吸着により濃縮することができるように、イソフラボンを液体中に抽出するために適した様々な抽出法を認識するであろう。
【0110】
大豆ホエーは概括的に、油を溶媒抽出により除去してある、大豆フレークから生産される。フレークは水性抽出剤で抽出して、所望のイソフラボン化合物がその中に具体的に溶解されているタンパク質抽出物を生成する。次に、タンパク質材料をカードとして沈澱させ、水性抽出物から分離する。出発材料の残りの水性抽出物を「ホエー」と呼ぶ。大部分のイソフラボンはホエー中に溶解している。この調製に関する詳細は、米国特許第5,637,561号明細書に例示されている。
【0111】
本発明は大豆ホエーに関して例示されており、その方法は大豆ホエーからの大豆イソフラボンの回収及び分離に特に適しているが、その方法は概括的に、イソフラボンを含む様々な作物源からのイソフラボンの回収及び分離に適用できる。
大豆イソフラボンのテンプレート分子の設計( design
以下のイソフラボン:ゲニスチン:6”−OAcゲニスチン、6”−OMalゲニスチン、ゲニステイン、ダイジン、6”−OAcダイジン、6”−OMalダイジン、ダイゼイン、グリシチン、6”−OAcグリシチン、6”−OMalグリシチン及びグリシテイン、のいずれかを特定の大豆イソフラボンの分割及び分離を達成するための分子インプリントのためのテンプレート分子として使用することができるであろう。しかし、1個の「全体的」MIPを使用して多数のイソフラボンを単離できるために、これらのイソフラボンに構造的に類似体である分子を探求することが望ましかった。更に、これは、分子インプリントのためのテンプレートとして、精製大豆イソフラボンを使用する必要を回避するであろう(著しい経費の節減において)。この目的のために、本請求者は、イソフラボンがエストローゲン活性をもつので、広範囲の群の大豆イソフラボンに適した構造類似体がエストラジオール関連化合物から誘導されるであろうと推定した。
【0112】
安息香酸エストラジオール(C2528、式II)
【0113】
【化2】
Figure 2004018576
【0114】
及びイソフラボンは双方とも、エストローゲン受容体と相互作用することが知られている(Bolaos−Garca et al.“Structure Of 17−(−Estradiol Benzoate And Its Interaction With Taf−2 Domain Of Estrogen Receptor(Er) By Modeling”.XVII Congress and General Assembly of the International Union of Crystallography,August 8−17,1996;Seattle,WA)。更に、安息香酸エストラジオールは大豆ホエーに含まれるイソフラボンに構造が類似している。この決定は、分子容量、分子ディメンション、及び突き出た面積の構造的比較及び計算に基づいて実施された。
【0115】
特に、安息香酸エストラジオールのファンデルワール面内部の総容量は343.5立法オングストロームであると計算され、他方、ゲニスチンのものは354.7立法オングストロームであると計算された。分子「サイズ」は分子の回転主軸にx、y及びz軸を整列することにより各分子につき決定した。次いで、ファンデルワール面内のx、y及びzの最小及び最大値、次に(xmax−xmin)の差異の計算、等を決定して、オングストロームで、分子の長さ、幅及び広さの感覚を与えた。以下の測定は安息香酸エストラジオール及びゲニスチンにつき実施された。
【0116】
【表1】
Figure 2004018576
【0117】
最後に、突き出た面積−中央の2環式基により区画された面上で分子により突き出た面積(平方オングストロームで)として定義−を安息香酸エストラジオール(105.5平方オングストローム)及びゲニスチン(85.6平方オングストローム)につき計算した。この計算は、ゲニスチンのグルコール基は分子の残り部分に対して著しくねじれており、他方、安息香酸エストラジオールはずっと平面状であるために、2種の想像上のテンプレート分子間に僅かな差異を示した。突き出た面積のこの差異にもかかわらず、安息香酸エストラジオールは本発明において全体的に、MIPを形成するための有効なテンプレート分子であると考えられた。次に、これらのMIPは大豆ホエーから、より貴重なイソフラボンを抽出するために使用することができるであろう。
【0118】
更に、フェノールはイソフラボンと結合するようになているMIPに適したテンプレート分子であろうことが期待された。フェノールを使用することは、安息香酸エストラジオールよりも望ましくはないが、フェノールはイソフラボンと共通の構造的モチーフを共有している。
【0119】
様々な他のイソフラボンもしくは構造類似体を本発明のインプリント法のためのテンプレート分子として選択することができるであろう。テンプレートを選択するための類似の方法を、イソフラボン以外の分析物のために、インプリントするために使用することができるであろうことも当業者に容易に明白である。
【0120】
本発明において、樹脂のケットル中に供給する移動ラインに連結されたシリンジポンプから成る、小規模の重合装置を集成した。樹脂のケトルには水冷コンデンサーをとおる窒素供給物のための入り口、機械的または電気的に駆動される撹拌装置、及び樹脂ケトルの内容物の温度制御のための加熱マントルが付いている。移動ラインは懸濁媒質の数センチメーター上方で終結して、懸濁媒質中に侵入する前に液滴を短距離落下させる。多数の修飾物が、本発明の精神から逸脱せずに実施され得るので、この具体的な配置は本発明の範囲を限定するものを意味しない。
【0121】
液滴重合法を使用して形成されたMIPは最初に、重合装置の有効性及びMIP粒子の特性につき評価された。テンプレートとして安息香酸エストラジオール(EB)を使用して形成されたMIP及び「非インプリント対照」の双方は白色で、回転楕円面状の形態(〜100μmのメジアン粒子直径をもつ)をもち、そして約100〜250m/gの範囲の表面積をもった。これらの粒子を次に、EB−インプリントポリマーが大豆イソフラボンを選択的に吸着することができたかどうかを決定するために、大豆ホエーを使用して比較バッチ平衡吸着及びカラム吸着実験にかけた。結果は、通常の懸濁法を使用して生成されたMIPに比較して、EB−インプリントポリマーへのイソフラボンの優れた結合(400%)を示した。非インプリント対照はどちらのインプリントポリマーに比しても有意に劣った性能を示した。
【0122】
以下の実験は、形成されたMIPに影響を与える様々なパラメーターを広範に評価した。特に、3種の異なったテンプレート分子をインプリントに使用し(ダイジン、フェノール、安息香酸エストラジオール、または安息香酸エストラジオールとフェノールの組み合わせ物)、2種の異なったMIPが、あらゆる官能性モノマーの不在下で、架橋モノマーのみを使用して形成され、そして撹拌速度、媒質の容量及びその組成に関して懸濁媒質に変更を与えた。試験されたすべてのMIPはバッチ平衡吸着法を使用した分析に従うと、イソフラボンと選択的に結合することができた。
【0123】
より詳細な研究を、本発明の液滴重合法を使用して、形成されたMIPの表面積の特性に関して実施した。4種の異なる実験において、テンプレートを伴わずに製造されたポリマーに比して、テンプレートの使用はポリマーの表面積を有意に増加した(400%を越えるまで)ことが発見された。ポロゲンもまた、MIPの表面積を増加して、それによりイソフラボン分析物のより高い充填をもたらすのに有利であった。表面積のこの増加は、減少した表面積をもつ非インプリント対照のポリマーによる吸着に比して、MIPの吸着を劇的に増加することが発見された。
【0124】
最後に、MIPからのその抽出後にテンプレート分子を再循環させるのに適するであろう詳細なプロトコールを開発した。これは、将来の分子のインプリント応用におけるテンプレートの再使用を可能にし、それによりテンプレート分子のための経費を減少し、発明の有用性を高める。更に、同一容器内でMIPを形成し、テンプレートを抽出するための追加のプロトコールが提供される。これは、抽出前にポリマーをもう一つの容器に移す必要を妨げて、全体的工程の効率を実質的に高める。
【0125】
従って、本発明の液滴重合法は、今日当該技術分野で知られているMIPに比して、優れた吸着能をもつMIPを生成するために、広範なテンプレートによる分子インプリントに適用可能である。本方法は、形成されたMIPに特定の望ましい特性を達成するために、多様なパラメーターを変更することができるので、数々の適用に十分に適している。これらは粒子のサイズ、使用される1種もしくは複数のテンプレート、MIPの表面積及びMIPの全体的組成−−特定のモノマー、ポロゲン/溶媒、及び開始剤の適用、により決定された、の変更を含む。更に、開示された液滴重合法は、テンプレート(及び場合によってはポロゲン)抽出が同一容器内で、そして、MIP重合に使用された同一懸濁媒質により、MIP回収前に起こることができるので、先行技術の方法に従う時には可能ではない、数々の工程効率を提供することができる。
【0126】
【実施例】
本発明は以下の実施例において更に規定される。これらの実施例は本発明の好ましい態様を示しているが、具体例によってのみ与えられることを理解しなければならない。前記の考察及びこれらの実施例から、当業者は本発明の本質的特性を確認し、それらの精神及び範囲から逸脱せずに、それを様々な用途及び条件に適応させるように本発明の様々な変更及び修飾を実施することができる。
【0127】
略語の意味は以下である、「hr」は時間を意味し、「min」は分を意味し、「sec」は秒を意味し、「d」は日を意味し、「mL」はミリリッターを意味し、「L」はリターを意味し、「g」はグラムを意味し、「m」はメーターを意味し、「nm」はナノメーターを意味し、「ppm」は百万分の一部を意味し、「MW」は分子量を意味し、そして「rpm」は毎分の回転数を意味する。
一般的方法
 以下の本文に関しては、以下の化合物及び略語を使用する。
・ モノマーとして(官能性及び架橋性):メタクリル酸(MMA)99%の純度、Aldrich(St.Louis,MO)、スチレン99%純度、Aldrich、ジビニルベンゼン(DVB)80%の純度、Aldrich、4−ビニルピリジン(VP)95%の純度、Aldrich、ジメタクリル酸エチレングリコール(EGDMA)98%の純度、Aldrich、
・ テンプレートとして、安息香酸エストラジオール(EB)98%の純度、Sigma(St.Louis,MO)、
・ 懸濁媒質に対する添加剤として、ポリビニルアルコール(PVA)98%の純度、77,000MW、Aldrich、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)純度は未知、1,3000,000MW、Aldrich、ポリビニルピロリドン(PVP)、純度は未知、360,000MW、Aldrich、シクロヘキサノール99%の純度、Aldrich、ドデシルアルコール99%の純度、Kodak(Rochester,NY)、
・ 開始剤として、VAZO−52(R)(2’−アゾジ(2,4−ジメチルバレロニトリル))及びVAZO−67(R)(2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル))、純度は未知、E.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington,DE)。
特記されない限り、前記化合物はそれぞれ、更なる精製なしに使用された。大豆ホエーはDuPont Protein Technologies(St.Louis,MO)から得た。
分子インプリントポリマー重合装置
 すべての液滴重合のために使用された重合装置は樹脂ケトル中に供給する、熱追跡(heat−traced)ステンレス鋼の移動ラインに連結されたシリンジポンプから成った。移動ラインは懸濁媒質の数センチメーター(具体的には2.5cm)上方で終結している。樹脂ケトルには、水冷コンデンサーをとおる窒素供給物のための入り口、機械的もしくは電気的に駆動される撹拌機、及び樹脂ケトルの内容物の温度制御のための加熱マントルが付いている。当業者は装置の形態及びタイプは発明の精神から逸脱せずに容易に変更することができることを認識するであろう。
バッチ平衡吸着実験
 バッチ平衡吸着実験は、DuPont Protein Technologies(St.Louis,MO)から得た既知の容量の大豆ホエー(具体的には20mL)と、既知の質量の分子インプリントポリマー(具体的には0.2〜5g)を接触させることにより実施した。サンプルを回転震盪機(具体的には100rpmに設定)上に置き、4〜24時間室温で震盪した。上澄み液の一部(具体的には1mL)をHPLC分析のために採取し、実験の前後の大豆ホエー中の濃度の差により定量した。平衡は上澄み液の濃度の時間による変化が認められない時に到達されたと決定した。
成分のHPLC定量
 HPLCに200mm×2.1mmのカラムディメンションをもつHypersil ODSカラム(5ミクロン固定相)が付いていた。UV検出は260nmであった。移動相Aは88:10:2(容量比)の水:メタノール:氷酢酸から成り、移動相Bは82:2のメタノール:酢酸から成った。ポンプ勾配条件は全体で0.4mL/分を使用し、t=0分で95%A、t=1分で30%A、t=32分で0%A、t=39分で95%A、そして55分で実行の最後まで残りのAであった。HPLC手順の他の詳細は当業者には周知である。
吸着測定
 イソフラボンの吸着(例えば、大豆ホエーからの)に対して、吸着データをアグリコン基礎に変換した。6種のイソフラボン(3種のイソフラボングルコシド(ダイジン、ゲニスチン、グリシチン)及び3種のイソフラボンアグリコン(ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン))の質量吸着を同定するための定量分析法を使用して、アグリコン基礎は以下のように計算した。
【0128】
吸着されたアグリコン質量=吸着されたダイゼイン質量+吸着されたゲニステイン質量+吸着されたグリシテイン質量+[吸着されたダイジン質量*(MWダイゼイン/MWダイジン)]+[吸着されたゲニスチン質量*(MWゲニステイン/MWゲニスチン)]+[吸着されたグリシチン質量*(MWグリシテイン/MWグリシチン)]。
【0129】
次にイソフラボン充填率(吸着されたイソフラボン質量/ポリマー質量)を、吸着実験に使用したポリマーの質量で、吸着されたアグリコン質量を割ることにより計算することができる。Kmの測定はラングミュア等式への吸着データの最善の適合により計算された。
窒素多孔度
 孔の分配はBJH法(Barret,Joyner,and Halenda,J.Am.Chem.Soc.73,373(1951))を使用して窒素の等温線の脱着ブランチから計算した。本明細書で言及される「表面積」はこの方法で測定された表面積である。
レーザー回折によるメジアン粒子サイズ測定
 メジアン粒子サイズを、様々なサイズの粒子と相互作用する光線のフラウンホファー(Fraunhofer)散乱模型に基づいたMicrotrac Full−Range Analyzer(FRA)で測定した。FRA再循環セルに充填される前に、粒子を水に分散させた(約1容量%の濃度で)。本方法による、報告されたメジアン直径は同容量の球の直径を与える。
(実施例1) 液滴重合法を使用する重合
 実施例1は1種のMIP及び1種の「非インプリント対照」ポリマーの調製のための液滴重合法を示す。MIPはテンプレートとして安息香酸エストラジオール(EB)を使用して調製され、「非インプリント対照」ポリマーは同様な方法で、しかしテンプレート分子を使用せずに生成した。双方のポリマーを重合後に抽出し、後のバッチ及びカラム吸着実験に使用した(実施例2及び3を参照されたい)。
テンプレートとして安息香酸エストラジオール(EB)を含むMIP
 500mLのガラス樹脂ケトル(水駆動コンデンサー、Tefron(R)の付いた空気駆動撹拌機、N除去装置(sweep)、及び加熱マントルの付いた)にポリビニルピロリドン1.2gを含む水100mLを充填した。この懸濁媒質を約90℃に加熱し、次に700rpmの撹拌を実施した。前以て加熱したガラスのシリンジを使用して、重力供給により、MAA0.82g、スチレン0.99g、EGDMA18.2g、EB1.78g、VAZO−67(R)0.16g、シクロヘキサノール18.71g、及びドデシルアルコール1.96gの前以て混合された反応混合物を水に滴下した。モノマー−テンプレート反応混合物の滴下を35分で完了した。重合はその20分後に完了し、ポリマービーズをブッフナー濾過により回収した。
【0130】
ソックスレー抽出(全還流下で4時間、クロロホルム)を使用して、ポリマーからテンプレートを除去した。抽出したMIP粒子は白色で、レーザー回折により測定すると97ミクロンのメジアン粒子直径をもち、窒素多孔度により測定すると248m/gの表面積を有した。
「非インプリント対照」
 非インプリント対照ポリマーを前記のポリマーと同様な方法で、しかしテンプレートを反応混合物に含まずに調製した。抽出した非インプリント対照粒子は白色で、レーザー回折により測定すると約100ミクロンのメジアン粒子直径をもち、そして窒素多孔度により測定すると約150m/g以下の表面積をもつ。
(実施例2) EB−インプリントMIP及び非インプリント対照による大豆ホエーの比較バッチ平衡吸着
 実施例1からのポリマーをバッチ平衡吸着実験に使用した。通常の懸濁重合により調製された類似のインプリントポリマー(同様なテンプレート、モノマー、架橋剤比率及び他の類似の特性)も使用した。これに関しては、通常の懸濁重合は加熱を開始する前に反応混合物にすべての成分を一度に添加することにより実施した。
【0131】
バッチ平衡吸着実験、HPLC分析及び吸着測定値の決定は「一般的方法」の方法に従って実施した。イソフラボン取り込みの結果はEB−インプリントMIP、通常の重合により形成された類似のMIP、及び非インプリント対照を使用して、大豆ホエーに付き表2に示される。
【0132】
【表2】
Figure 2004018576
【0133】
これらの結果は、液滴重合法を使用する本発明の方法が高い選択性を伴ってポリマーにイソフラボンと結合させるのに十分であることを示す。本発明のドリップ重合態様を使用して調製された非インプリント対照ポリマーは、テンプレートの欠如及び特定のインプリントのために、吸着能が著しく減少したことを示した。更に、本発明の方法は、イソフラボンの最大充填が通常のように形成されたMIPのものに比して約4倍大きかったので、通常の懸濁法を使用して形成されたMIPより優れていた。充填におけるこの利点は、前記のように、改善されたモノマー−テンプレート相互作用及び急速な重合の結果であると仮定される。
(実施例3) EB−インプリントMIPによる大豆ホエーのカラム吸着
 実施例1からのEB−インプリントMIPをまた、カラム吸着実験における使用につき試験した。再度、MIPは高い選択性を示し、大豆ホエーからのイソフラボンの回収を可能にした。
【0134】
カラム吸着実験は以下のように実施した。ガラスのカラム(Amiconの1インチID、15インチの最大使用可能な長さ)を調節可能なヘッダー及び、EB−インプリントMIP(7.95g、実施例1から)及び水の混合物で充填されたスラリーを装填した。ヘッダーを締めてから、振動またはカラムをとおる水流により沈降させ、そして、ヘッダーを再度締めた。大豆ホエー(3.89L、約2.5%の溶解固形物を含む)を最初に、10,000MWの切断中空繊維膜を使用して濾過した。次に、大豆ホエーを5.5mL/分の平均速度で充填カラムをポンプで通過させた。前記の期間後に(具体的には2〜8時間)、カラムに対する供給物を水に切り替えて、カラムを濯いだ(6mL/分の平均速度で蒸留水3L)。次に、ポリマーから吸着された成分を排除するために、供給物を溶離剤(1NのNaOH525mL、8.5mL/分の平均速度)に切り替えた。カラムの実験中、カラムを排出する物質のサンプルをHPLC分析のために採取した(「一般的方法」の方法に従って)。
【0135】
得られた最大イソフラボン濃度因子は67.99であった(ここで、濃度因子=溶離剤中の濃度/供給物中の濃度)。観察された動的能力(dynamic capacity)は5.6mgのイソフラボン(アグリコン基礎)/ポリマーのgであった。
【0136】
これらの結果は、液滴重合を使用して形成されたMIPがカラム吸着実験に適し、このMIPが調製的規模(preparative scale)でイソフラボンを濃縮することができたこと示した。言い換えると、この方法で調製されたMIPは分析的適用(具体的には化合物を単に同定するためにHPLCを使用する)ではなく製造のためのイソフラボンの濃縮及び精製に適するであろうことが期待される。
(実施例4) 液滴重合法による分子インプリントのための様々なテンプレートの使用
 大豆ホエーからイソフラボンを選択的に回収する目的のための液滴重合法の実施可能性を証明した最初の実験(実施例1〜3)に従って、様々な他のテンプレート分子をMIPの生産のために使用した。特に、MIPをダイジン、フェノール及び、安息香酸エストラジオールとフェノールとの組み合わせ物、を使用して生成した。ダイジン−及びフェノール−インプリントMIPはそれぞれ、ダイジン及び大豆イソフラボンそれぞれの単離のために有効に使用された。
【0137】
結果は、様々なテンプレートを良好な充填及び選択性を伴うMIPを生産するために有効に使用することができることを示している。更に、標的分子に類似のテンプレート(すなわち、構造類似体)もまた、価格の理由であれ、実験の簡単さ、等のためであれ、所望の場合には使用することができる。
テンプレートとしてのダイジンによるインプリント
 500mLのガラス樹脂ケトル(水駆動コンデンサー、Teflon(R)パドルの付いた電気駆動撹拌機、N除去装置、及び加熱マントルの付いた)に、ポリビニルピロリドン3.6gを含む600mLの水を充填した。この懸濁媒質を>90℃に加熱し、次に300rpmの撹拌を実施した。シリンジポンプ(Harvard Apparatus Pump 44)を使用して、樹脂ケトルに、前以て混合したMAA0.82g、スチレン0.99g、ダイジン1g、VAZO−67(R)0.16g、EGDMA18.2g、シクロヘキサノール18.71g及びドデシルアルコール1.96gの反応混合物を滴下した。モノマー−テンプレート反応混合物の滴下は45分で完了した。重合はその30分後に完了し、ポリマービーズをブッフナー濾過により回収した。
【0138】
テンプレートを除去するために、ソックスレー抽出を、4時間、全還流下でクロロホルムを使用して実施した。MIP粒子は白色で、レーザー回折により測定すると160ミクロンのメジアン粒子直径をもち、そして窒素多孔度により測定すると221m/gの表面積をもった。
【0139】
「一般的方法」に記載のような、大豆ホエーのバッチ平衡吸着はホエー中5ppmの濃度で3.5ppmのイソフラボンの充填により直線の等温線を与えた。
テンプレートとしてフェノールによるインプリント
 500mLのガラス樹脂ケトル(水駆動コンデンサー、Teflon(R)パドルの付いた電気駆動撹拌機、N除去装置、及び加熱マントルの付いた)に、ポリビニルピロリドン2.4gを含む400mLの水を充填した。この懸濁媒質を>90℃に加熱し、次に300rpmの撹拌を実施した。シリンジポンプ(Harvard Apparatus Pump 44)を使用して、樹脂ケトルに、前以て混合したVAZO−52(R)0.16g、フェノール0.45g、エタノール0.90g、スチレン0.99g、MAA0.82g、EGDMA18.20g、シクロヘキサノール18.71g及びドデシルアルコール1.96gの反応混合物を滴下した。滴下は40mL/時間で実施し、移動ライン温度設定は40℃であった。実験は添加完了後30分で停止し、ポリマービーズをブッフナー濾過により回収した。
【0140】
テンプレートのソックスレー抽出を、4時間、全還流下でクロロホルムによる抽出により実施した。ポリマー粒子は白色で、肉眼でほぼ均一に見えた。
【0141】
「一般的方法」に記載のような、大豆ホエーのバッチ平衡吸着は3ppmのイソフラボンの最大充填を与えた。
テンプレートとして安息香酸エストラジオール及びフェノールによるインプリント
 500mLのガラス樹脂ケトル(水駆動コンデンサー、Teflon(R)パドルの付いた電気駆動撹拌機、N除去装置、及び加熱マントルの付いた)に、ポリビニルピロリドン2.4gを含む400mLの水を充填した。この懸濁媒質を>90℃に加熱し、次に300rpmの撹拌を実施した。シリンジポンプ(Harvard Apparatus Pump 44)を使用して、樹脂ケトルに、前以て混合したVAZO−52(R)0.16g、EB0.89g、フェノール0.22g、エタノール2.02g、MAA0.82g、スチレン0.99g、EGDMA18.2g、シクロヘキサノール18.71g及びドデシルアルコール1.96gの反応混合物を滴下した。滴下は40mL/時間で実施し、移動ライン温度設定は40℃であった。実験は添加完了の30分後に停止し、ポリマービーズをブッフナー濾過により回収した。
【0142】
粒子は白色で、肉眼で均一であると判定された。このMIPは高い選択性を伴って大豆ホエーまたは他のサンプルから1組のイソフラボンを選択することが期待される。あらゆるテンプレートの組み合わせ物が本方法を使用してMIPを形成するために有効に使用できるであろうと期待される。
(実施例5) 液滴重合法による分子インプリントのための官能性モノマーを伴わない架橋モノマーの使用
 大豆ホエーからのイソフラボンの選択的回収の目的のための液滴重合法の実施可能性を証明した最初の実験(実施例1〜3)に従って、MIPの生成のための様々なモノマー成分を検査するためのいくらかの努力をした。特に、MIPは、1)単独のモノマーとしてDVB、及び2)単独のモノマーとしてEGDMA、を使用して生成した。DVB及びEGDMA双方は2個のビニル基をもつが、DVBは芳香族架橋モノマーであり、EGDMAは脂肪族架橋モノマーである。
架橋モノマーとしてのDVB
 500mLのガラス樹脂ケトル(水駆動コンデンサー、Teflon(R)パドルの付いた電気駆動撹拌機、N除去装置、及び加熱マントルの付いた)に、ポリビニルピロリドン3.6gを含む600mLの水を充填した。この懸濁媒質を>90℃に加熱し、次に300rpmの撹拌を実施した。シリンジポンプ(Harvard Apparatus Pump 44)を使用して、樹脂ケトルに、前以て混合したEB2.89g、DVB20g、VAZO−67(R)0.16g、シクロヘキサノール18.71g及びドデシルアルコール1.96gの反応混合物を滴下した。モノマー−テンプレート反応混合物の滴下は30分で完了した。重合はその30分後に完了し、ポリマービーズをブッフナー濾過により回収した。
【0143】
テンプレートを除去するために、ソックスレー抽出を、4時間、全還流下でクロロホルムを使用して実施した。MIP粒子は白色で、レーザー回折により測定すると129ミクロンのメジアン粒子直径をもち、窒素多孔度により測定すると529m/gの表面積をもった。
【0144】
このMIPによる大豆ホエーのバッチ平衡吸着は「一般的方法」に記載のように、テンプレートの存在を除いては同様に調製された非インプリント対照ポリマーに対して0.4ppmの最大充填に対して、イソフラボンの最大充填1.1ppmを与えた。
架橋モノマーとしてのEGDMA
 500mLのガラス樹脂ケトル(水駆動コンデンサー、Teflon(R)パドルの付いた電気駆動撹拌機、N除去装置、及び加熱マントルの付いた)に、ポリビニルピロリドン3.6gを含む600mLの水を充填した。この懸濁媒質を>90℃に加熱し、次に300rpmの撹拌を実施した。シリンジポンプ(Harvard Apparatus Pump 44)を使用して、樹脂ケトルに、前以て混合したVAZO−67(R)0.16g、EB1.96g、エタノール3.92g、EGDMA20g、シクロヘキサノール18.71g及びドデシルアルコール1.96gの反応混合物を滴下した。実験は添加完了後30分で停止し、ポリマービーズをブッフナー濾過により回収した。
【0145】
テンプレートを除去するために、ソックスレー抽出を、4時間、全還流下でクロロホルムを使用して実施した。
【0146】
大豆ホエーのバッチ平衡吸着は「一般的方法」に記載のように、本実施例におけるDVBのMIPに対して1.1ppmの最大充填に対して、イソフラボンの最大充填20ppmを与えた。従って、本実施例の条件下での大豆ホエーからのイソフラボンの吸着に対して、明らかに、EGDMAが単独モノマーとしてDVBより好ましい。
【0147】
概括的観察として、架橋モノマー単独の使用は、本研究における官能性及び架橋モノマーの組み合わせ物を使用して調製されたMIPに対して、より優れた結果を与えた。
(実施例6) 液滴重合法による分子インプリントのための修飾懸濁媒質の使用
 大豆ホエーからのイソフラボンの選択的回収の目的のための液滴重合法の実施可能性を証明した最初の実験(実施例1〜3)に従って、MIPの生成のために使用された懸濁媒質を最適化するための幾らかの努力を実施した。特に、MIPは、1)懸濁媒質の変動可能な量及び撹拌の量、2)懸濁媒質中20容量%のエチレングリコール、3)懸濁媒質中のヒドロキシエチルセルロース、及び4)懸濁媒質中にポリビニルアルコール、を使用して生成した。
懸濁媒質の量の増加及び撹拌
 500mLのガラス樹脂ケトル(水駆動コンデンサー、Teflon(R)パドルの付いた電気駆動撹拌機、N除去装置、及び加熱マントルの付いた)に、ポリビニルピロリドン3.6gを含む600mLの水を充填した。この懸濁媒質を>90℃に加熱し、次に300rpmの撹拌を実施した。シリンジポンプ(Harvard Apparatus Pump 44)を使用して、樹脂ケトルに、前以て混合したMAA0.82g、スチレン0.99g、EB1g、VAZO−67(R)0.16g、EGDMA18.2g、シクロヘキサノール18.71g及びドデシルアルコール1.96gの反応混合物を滴下した。モノマー−テンプレート反応混合物の滴下は45分で完了した。重合はその30分後に完了し、ポリマービーズをブッフナー濾過により回収した。
【0148】
MIP粒子は白色で、レーザー回折により測定すると417ミクロンのメジアン粒子直径をもち、窒素多孔度により測定すると311m/g表面積を有した。懸濁媒質中への20%エチレングリコールの使用
 500mLのガラス樹脂ケトル(水駆動コンデンサー、Teflon(R)パドルの付いた電気駆動撹拌機、N除去装置、及び加熱マントルの付いた)に、ポリビニルピロリドン2.4gを含む320mLの水、80mLのエチレングリコールを充填した。この懸濁媒質を>90℃に加熱し、次に300rpmの撹拌を実施した。シリンジポンプ(Harvard Apparatus Pump 44)を使用して、樹脂ケトルに、前以て混合したVAZO−52(R)0.16g、EB1.78g、エタノール3.56g、スチレン0.99g、MAA0.82g、EGDMA18.20g、シクロヘキサノール18.71g及びドデシルアルコール1.96gの反応混合物を滴下した。滴下は40℃に移動ライン温度設定をして50mL/時間で実施した。実験は添加完了30分後に停止し、ポリマービーズをブッフナー濾過により回収した。
懸濁媒質中へのヒドロキシエチルセルロース(HEC)の使用
 500mLのガラス樹脂ケトル(水駆動コンデンサー、Teflon(R)パドルの付いた電気駆動撹拌機、N除去装置、及び加熱マントルの付いた)に、ポリビニルピロリドン1.2gを含む400mLの水を充填した。この懸濁媒質を>90℃に加熱し、次に300rpmの撹拌を実施した。シリンジポンプ(Harvard Apparatus Pump 44)を使用して、樹脂ケトルに、前以て混合したVAZO−52(R)0.16g、EB1.78g、エタノール3.56g、MAA0.82g、スチレン0.99g、EGDMA18.2g、シクロヘキサノール18.71g及びドデシルアルコール1.96gの反応混合物を滴下した。滴下は40℃に移動ライン温度設定をして50mL/時間で実施した。実験は添加完了30分後に停止し、ポリマービーズをブッフナー濾過により回収した。
懸濁媒質中へのポリビニルアルコール(PVA)の使用
 500mLのガラス樹脂ケトル(水駆動コンデンサー、Teflon(R)パドルの付いた電気駆動撹拌機、N除去装置、及び加熱マントルの付いた)に、ポリビニルピロリドン2.8gを含む400mLの水を充填した。この懸濁媒質を>90℃に加熱し、次に300rpmの撹拌を実施した。シリンジポンプ(Harvard Apparatus Pump 44)を使用して、樹脂ケトルに、前以て混合したVAZO−52 R)0.16g、EB1.78g、エタノール3.56g、MAA0.82g、スチレン0.99g、EGDMA18.2g、シクロヘキサノール18.71g及びドデシルアルコール1.96gの反応混合物を滴下した。滴下は40℃に移動ライン温度設定をして60mL/時間で実施した。実験は添加完了30分後に停止し、ポリマービーズをブッフナー濾過により回収した。
懸濁媒質中へのエチレングリコール、HEC、及びPVAにより合成されたMIPの比較
 懸濁媒質が、エチレングリコール、HECまたはPVAのいずれかを含んで成る水である、本実施例で生成されたMIPに対して、HECを含む懸濁媒質中で形成されたMIPが好ましかった。HECに対するこの有利性は(エチレングリコールまたはPVAに対して)より容易に濾過され、容器の撹拌シャフト上に固まらなかったHEC−生成ポリマー粒子の結果であった。懸濁媒質中にHECを使用して生成されたものに匹敵する同様な陽性の結果が、水及びポリビニルピロリドンを含んで成る懸濁媒質を使用して得られた。
【0149】
本実施例に記載のこれらのMIP合成は、重合条件を変更するために多数のレオロジー制御剤を使用することができることを示している。当業者は、レオロジー剤の選択は本実施例に記載のものに限定されないこと、及びこれらの薬剤は粒子サイズ、濾過のし易さ、及び表面積のような粒子の特性を変化させるであろうことを認識するであろう。
(実施例7) 液滴重合法を使用して形成されたMIPの表面積特性を変更すること
 大豆ホエーからのイソフラボンの選択的回収の目的のための液滴重合法の実施可能性を証明した最初の実験(実施例1〜3)に従って、MIPの表面の特性をいかに変更することができるかを研究するための幾らかの努力を実施した。本実施例においては、表面の特性を、2種類の方法で、1)テンプレートを伴わずに形成されたポリマーに比較してMIPの表面積を増加するためにテンプレートを使用することにより、そして2)ポロゲンを使用することにより、変更した。
MIPの表面積を増加するためのテンプレートの使用
 4種の異なるMIP及びそれらそれぞれの非インプリント対照ポリマーを含んで成る一連の8種のポリマーを生成した。「非インプリント対照」はテンプレートの使用を伴わないことを除いては、それぞれのインプリントポリマーと同様に調製された。各インプリントポリマーの合成法の詳細な説明は以下に表にされている。
【0150】
ポリマー1: 500mLのガラス樹脂ケトル(水駆動コンデンサー、Teflon(R)パドルの付いた電気駆動撹拌機、N除去装置、及び加熱マントルの付いた)に、ポリビニルピロリドン2.4gを含む400mLの水を充填した。この懸濁媒質を>90℃に加熱し、次に300rpmの撹拌を実施した。シリンジポンプ(Harvard Apparatus Pump 44)を使用して、樹脂ケトルに、前以て混合したVAZO−52(R)0.16g、EB1.78g、エタノール3.56g、スチレン0.99g、MAA0.82g、EGDMA18.20g、シクロヘキサノール18.71g及びドデシルアルコール1.96gの反応混合物を滴下した。滴下は40℃に移動ライン温度設定をして40mL/時間で実施した。実験は添加開始105分後に停止し、ポリマービーズをブッフナー濾過により回収した。
【0151】
ポリマー2: 500mLのガラス樹脂ケトル(水駆動コンデンサー、Teflon(R)パドルの付いた電気駆動撹拌機、N除去装置、及び加熱マントルの付いた)に、ポリビニルピロリドン2.4gを含む400mLの水を充填した。この懸濁媒質を>90℃に加熱し、次に300rpmの撹拌を実施した。シリンジポンプ(Harvard Apparatus Pump 44)を使用して、樹脂ケトルに、前以て混合したVAZO−67(R)0.16g、EB1.96g、エタノール3.92g、EGDMA20.0g、シクロヘキサノール18.71g及びドデシルアルコール1.96gの反応混合物を滴下した。滴下は40℃に移動ライン温度設定をして40mL/時間で実施した。実験は添加開始105分後に停止し、ポリマービーズをブッフナー濾過により回収した。
【0152】
ポリマー3: 500mLのガラス樹脂ケトル(水駆動コンデンサー、Teflon(R)パドルの付いた電気駆動撹拌機、N除去装置、及び加熱マントルの付いた)に、ポリビニルピロリドン3.6gを含む600mLの水を充填した。この懸濁媒質を>90℃に加熱し、次に300rpmの撹拌を実施した。シリンジポンプ(Harvard Apparatus Pump 44)を使用して、樹脂ケトルに、前以て混合したVAZO−67(R)0.16g、EB1.00g、エタノール3.92g、MAA0.82g、スチレン0.99g、EGDMA18.2g、シクロヘキサノール18.71g及びドデシルアルコール1.96gの反応混合物を滴下した。滴下は40℃に移動ライン温度設定をして40mL/時間で実施した。実験は添加開始105分後に停止し、ポリマービーズをブッフナー濾過により回収した。
【0153】
ポリマー4: 500mLのガラス樹脂ケトル(水駆動コンデンサー、Teflon(R)パドルの付いた電気駆動撹拌機、N除去装置、及び加熱マントルの付いた)に、ポリビニルピロリドン3.6gを含む600mLの水を充填した。この懸濁媒質を>90℃に加熱し、次に300rpmの撹拌を実施した。シリンジポンプ(Harvard Apparatus Pump 44)を使用して、樹脂ケトルに、前以て混合したVAZO−67(R)0.16g、EB2.89g、DVB20.0g、シクロヘキサノール18.71g及びドデシルアルコール1.96gの反応混合物を滴下した。滴下は40℃に移動ライン温度設定をして40mL/時間で実施した。実験は添加開始105分後に停止し、ポリマービーズをブッフナー濾過により回収した。
【0154】
4種のMIP及びそれらそれぞれの「非インプリント対照」ポリマーそれぞれの濾過後に、ソックスレー抽出を、約4時間に全還流下でクロロホルムを使用して実施した。
【0155】
以下の表3はそれぞれのMIPの表面積をその「非インプリント対照」ポリマーに比較している。
【0156】
【表3】
Figure 2004018576
【0157】
これらの結果は、非インプリント対照ポリマー(テンプレートを伴わずに製造)に比較した、テンプレートがMIP中へ取り込まれる時のポリマー表面積の有意な増加を表す。これらの結果は、多様な合成条件及びポリマー調製物に対して認められ、従ってこの動態は一般的な現象であるように見える。
【0158】
結果により、使用されたテンプレートの量の増加が、生成された分子空間の増加した数により、MIP表面積を増加するにちがいないことが暗示される。テンプレート濃度が増加するに従って、表面積のこの生成は、テンプレートの自己結合またはテンプレートの肉眼的固まりのような他の現象により最終的に制約されることが期待されるであろう。この動態もまた、考慮された1種もしくは複数の具体的テンプレート分子に依存するであろう。
ポロゲンの存在下の重合
 モノマー−テンプレート反応混合物中に取り込まれたポロゲンを「伴って」そして「伴わずに」、以下に記載のように2種のMIPを生成した。使用したポロゲンはシクロヘキサノール及びドデシルアルコールの組み合わせ物であった。双方の場合に、少量のエタノールを、可溶化を補助するために使用した。各MIPへの大豆ホエーのバッチ平衡吸着後に、イソフラボンの固体相濃度をポロゲンを伴う及び伴わないMIPにつき決定した。
【0159】
ポロゲンを伴うMIP: 500mLのガラス樹脂ケトル(水駆動コンデンサー、Teflon(R)パドルの付いた電気駆動撹拌機、N除去装置、及び加熱マントルの付いた)に、ポリビニルピロリドン2.4gを含む400mLの水を充填した。この懸濁媒質を>90℃に加熱し、次に300rpmの撹拌を実施した。シリンジポンプ(Harvard Apparatus Pump 44)を使用して、樹脂ケトルに、前以て混合したVAZO−52(R)0.04g、EB1.78g、エタノール3.56g、MAA0.82g、スチレン0.99g、EGDMA18.2g、シクロヘキサノール18.71g及びドデシルアルコール1.96gの反応混合物を滴下した。滴下は40℃に移動ライン温度設定をして50mL/時間で実施した。実験は添加開始の95分後に停止し、ポリマービーズをブッフナー濾過により回収した。
【0160】
ポロゲンを伴わないMIP: 500mLのガラス樹脂ケトル(水駆動コンデンサー、Teflon(R)パドルの付いた電気駆動撹拌機、N除去装置、及び加熱マントルの付いた)に、ポリビニルピロリドン2.4gを含む400mLの水を充填した。この懸濁媒質を>90℃に加熱し、次に300rpmの撹拌を実施した。シリンジポンプ(Harvard Apparatus Pump 44)を使用して、樹脂ケトルに、前以て混合したVAZO−52(R)0.16g、EB1.78g、エタノール2.56g、MAA0.82g、スチレン0.99g及びEGDMA18.2gの反応混合物を滴下した。滴下は移動ラインを遮蔽して、25mL/時間で実施した。実験は添加開始の100分後に停止し、ポリマービーズをブッフナー濾過により回収した。
比較的バッチ平衡吸着
 双方のポリマーをソックスレー抽出により洗浄した。ポロゲンを伴い、及び伴わないで製造したポリマービーズを「一般的方法」に記載のようなバッチ平衡吸着法を使用して試験した。表4はポロゲンを伴うMIPに対する好ましい(例えばラングミュールの)等温線及び、ポロゲンを伴わないMIPに対する、余り好ましくない等温線を示し、そこで、データはポリマーに吸着された吸着質の質量を決定するために液体相濃度を採取することにより得られた。大部分の吸着的適用に対して、低い濃度におけるそれらのより高い充填のために、好ましい等温線は具体的に好ましい。
【0161】
【表4】
Figure 2004018576
【0162】
他のポロゲンの使用は、本実験で認めたものと類似の結果を与えるであろうことが期待される。更に、使用されたポロゲンの量の変動は、認められた効果の数字を変動するであろう。
【0163】
本実施例の合わせたデータは、テンプレート分子及び/またはポロゲンの正確な選択がポリマーの表面積及び吸着能の著しい増加をもたらすことができることを示している。これらの増加はテンプレート分子及びポロゲンの量またはタイプを変更することにより変更することができる。本実施例に対しては、1種もしくは複数のモノマー及び1種もしくは複数のテンプレートの総質量の5〜15%のテンプレート濃度が好ましい。
(実施例8) 高い表面積のEB−インプリントMIP及び非インプリント対照 MIPの大豆ホエーの比較バッチ平衡吸着
 テンプレート分子を含むことが、形成されたMIPの表面積の特徴を増加することを見いだされた、実施例7の結果に従い、単一のMIP及びそのそれぞれの「非インプリント対照」ポリマーをポリマーの吸着能の比較検査のために単離した。
【0164】
MIPポリマー3を前記のように、クロロホルム(全還流、4時間)でソックスレー抽出にかけて、EBテンプレートをMIPから除去した。次に、MIP及びその「非インプリント対照」ポリマーを「一般的方法」に記載のように、大豆ホエーによるバッチ平衡吸着モードで試験した。高い表面積のEB−インプリントMIP及び非インプリント対照を使用して、大豆ホエーに対するイソフラボン取り込みに対する結果を表5に示す。
【0165】
【表5】
Figure 2004018576
【0166】
これらの結果は、非インプリント対照より760%大きい表面積をもつMIPが530%大きい選択性(最大充填に従って決定)をもってイソフラボンと結合できることを示す。非インプリント対照は、テンプレートの欠如及び減少した表面積のために著しく減少した吸着能を有した。同様な結果が、本方法で使用された他のテンプレートに対して期待される。高い表面積が溶質とポリマーとの間のより良い物質移動に有利であり、高い充填が、ある量の溶質を吸着するのに要するポリマーの量を最少にするので、これらの結果は重要である。
(実施例9) テンプレート分子の再循環
 大豆ホエーからイソフラボンを選択的に回収する目的のための液滴重合法の実施可能性を証明した最初の実験(実施例1〜3)に従って、後のMIP調製における再使用のためにMIPの形成後に「再循環」テンプレート分子の使用可能性を決定するための分析を実施した。本実施例はソックスレー抽出した実施例8の生成物がEB−インプリントMIPの生成におけるその再使用のために安息香酸エストラジオール(EB)を精製するために使用されるような方法を説明する。
【0167】
実施例8において、MIPポリマー3をクロロホルム(全還流、4時間)でソックスレー抽出して、MIPからEBテンプレートを除去した。抽出されたこの方法の生成物はクロロホルム/EB混合物で、次にそれをソックスレー装置から引き出す。混合物を100ミクロンフィルターをとおして、粒状物を除去する。濾液を、50℃及び真空圧(0.2絶対気圧)の条件下で、回転蒸発機に連結したフラスコに入れ、濾液を蒸発乾燥させた。フラスコの壁上に乾燥したEBを回収するために、約10mlのアセトンをフラスコに添加し、EBが溶解するまで渦を巻かせ、50mlビーカー中にデカントさせる。ビーカーの内容を50℃で真空下(0.2絶対気圧)に設定した真空オーブン中で蒸発乾燥させる。24時間後、ビーカーをオーブンから出して、白色粉末のみを含む。この白色粉末はHPLCにより99%純度のEBであることが証明される。純度分析後、EBをビーカーから収集し、EBインプリントMIPの形成のためのその後の液滴重合におけるテンプレートとして使用される。
【0168】
本実施例は、テンプレートが将来の分子インプリント応用への再使用のために回収して、それによりテンプレートの価格を下げ、本発明の有用性を増加させることができることを示している。当業者はテンプレートの分離を実施するために選択することができる数々の他の分離法を認識するであろう。
(実施例10) 同一容器内の分子インプリントポリマー形成及びテンプレート抽出
 大豆ホエーからイソフラボンを選択的に回収する目的のための液滴重合法の実施可能性を証明した最初の実験(実施例1〜3)に従って、増加した工程効率のための方法を開発するための分析を実施した。特に、本実施例の目標は同一容器内で、そして重合が起こる同一懸濁媒質内で、テンプレートを抽出する実施可能性を示すことである。これは、ブッフナー濾過によりポリマービーズを回収し、次に、続いてMIPからのテンプレート除去のためにソックスレー抽出を使用した実施例1、4、5、7及び8に使用した抽出法と対照的である。
【0169】
500mLのガラス樹脂ケトル(水駆動コンデンサー、Teflon(R)パドルの付いた電気駆動撹拌機、N除去装置、及び加熱マントルの付いた)に、1,5−ジメチル−2−ピペリドン400mLを充填した。この懸濁媒質を>90℃に加熱し、次に300rpmの撹拌を実施した。シリンジポンプ(Harvard Apparatus Pump 44)を使用して、樹脂ケトルに、前以て混合したVAZO−67(R)0.16g、EB1.96g及びEGDMA20gの反応混合物を滴下した。
【0170】
重合完了後、良好な物質移動を維持するために撹拌を500rpmに設定しながら、容器の温度を120℃に上昇させる。懸濁媒質のサンプルを1時間毎に採取し、EB(テンプレート)濃度につきHPLCにより試験する。約5時間後に、テンプレート濃度に変化を認めず、抽出は完了する。テンプレートの質量収率(抽出されたテンプレートの質量/重合で使用されたテンプレートの質量)は約90%である。
【0171】
本実施例は分子インプリントポリマーの形成が、ポリマーをもう一つの容器に移す面倒な段階を伴わずに、テンプレート抽出に使用されたものと同一容器内で起こることができることを示す。この場合、懸濁媒質は1,5−ジメチル−2−ピペリドンであり、従って、懸濁媒質の温度はテンプレート抽出のために120℃に容易に上昇させることができる。当業者は、テンプレート抽出に使用された温度の上昇は具体的にテンプレートの拡散係数を増加し、それによりテンプレートの抽出性を増加するであろうことを認識するであろう。更に、温度の上昇はまた、一般に、懸濁媒質のテンプレートの溶解能を増加する効果をもつ。従って、懸濁媒質の沸点及びテンプレート分子の熱反応活性に基づいて、テンプレート抽出に適した温度を選択することができる。
【0172】
液滴重合法は、反応混合物の急速な重合及び、従ってテンプレートが拡散することができる前にインプリント部位の形成を可能にするので、同一容器内そして重合が起こる同一懸濁媒質を伴うテンプレート抽出の本方法は有効である。インプリント部位が形成された後に、テンプレートを懸濁媒質により抽出する。当業者は、懸濁媒質の選択は、懸濁媒質が1種もしくは複数のテンプレートを容易に溶解することができるように、使用されている1種もしくは複数のテンプレート分子に依存することを認識するであろう。
【0173】
本発明の特徴及び態様を以下に示す。
1. 分子インプリントポリマーを形成するための液滴重合法であって、
(a) 液体懸濁媒質中に、液滴として、
(i) 少なくとも1種類のモノマー及び
(ii) 少なくとも1種類のテンプレート分子、
を含んで成るモノマー−テンプレート反応混合物を放出すること、そこで、少なくとも1種類のモノマー−テンプレート反応混合物及び液体懸濁媒質が更に、重合開始剤系を含んで成り、それにより各液滴の重合が少なくとも実質的に、液体懸濁媒質中で完了される、並びに
(b) 液体懸濁媒質から分子インプリントポリマーを回収すること、
の段階を含んで成る方法。
2. 少なくとも1種類のモノマーが、架橋モノマー及び官能性モノマーから成る群から選択され、少なくとも1種類のテンプレート分子が、フラボン、アルキル−もしくはヒドロキシル−置換フラボン、イソフラボン、アルキル−もしくはヒドロキシル−置換イソフラボン、アミノ酸、抗生物質、ステロイド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、芳香族分子、ヒドロキシル化脂肪族分子及びそれらの構造類似物である分子、から成る群から選択され、そして重合開始剤系が、熱フリーラジカル開始剤、UVフリーラジカル開始剤及びガンマ線フリーラジカル開始剤から成る群から選択される、第1項の方法。
3. モノマー−テンプレート反応混合物が更に、
(iii) 少なくとも1種類のポロゲン分子及び/または
(iv) 少なくとも1種類の溶媒、
を含んで成り、
ポロゲンが、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、CHCl、CHCl、N−メチルピロリドン、トルエン、酢酸エチル、1,2−ジクロロエタン、メタノール、アルコール、アセトン及び酢酸エチルから成る群から選択され、
少なくとも1種類のモノマーが、架橋モノマー及び官能性モノマーから成る群から選択され、
少なくとも1種類のテンプレート分子が、フラボン、アルキル−もしくはヒドロキシル−置換フラボン、イソフラボン、アルキル−もしくはヒドロキシル−置換イソフラボン、アミノ酸、抗生物質、ステロイド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、芳香族分子、ヒドロキシル化脂肪族分子及びそれらの構造類似物である分子、から成る群から選択され、そして
重合開始剤系が、熱フリーラジカル開始剤、UVフリーラジカル開始剤及びガンマ線フリーラジカル開始剤から成る群から選択される、
第1項の方法。
4. 更に、(c) 段階(b)の前または後に、分子インプリントポリマーから少なくとも1種類のテンプレート分子を抽出することを含んで成る、第1項または第3項の方法。
5. 更に、(c)液体懸濁媒質により分子インプリントポリマーから少なくとも1種類のテンプレート分子及び少なくとも1種類のポロゲン分子を抽出することを含んで成る、第3項の方法。
6. 液滴が、モノマー−テンプレート反応混合物にオリフィスを通過させることにより形成され、オリフィス及び液体懸濁媒質が相互に対して非固定的(non−stationary)である、第1項または第3項の方法。
7. 分子インプリントポリマーを形成するための液滴重合法であって、
(a) 液体懸濁媒質中に、オリフィスから液滴として、
(i) 官能性モノマー及び架橋モノマーから成る群から選択された少なくとも1種類のモノマー並びに
(ii) 安息香酸エストラジオール、フェノール、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン、ゲニスチン、ダイジン、グリシチン、マロニルゲニスチン、マロニルダイジン、マロニルグリシチン、アセチルゲニスチン、アセチルダイジン及びアセチルグリシチンから成る群から選択された少なくとも1種類のテンプレート分子、
を含んで成るモノマー−テンプレート反応混合物を放出すること、そこで
少なくとも1種類のモノマー−テンプレート反応混合物及び液体懸濁媒質が更に、重合開始剤系を含んで成り、それにより液滴の重合が少なくとも実質的に、液体懸濁媒質中で完了される、
(b) 液体懸濁媒質から分子インプリントポリマーを回収すること、並びに
(c) 段階(b)の前または後に、分子インプリントポリマーからテンプレート分子を抽出すること、
の段階を含んで成る方法。
8. サンプルからの標的分析物の吸着に使用のための分子インプリントポリマーを形成するための液滴重合法であって、
(a) 液体懸濁媒質中に、オリフィスから液滴として、
(i) 官能性モノマー及び架橋モノマーから成る群から選択された少なくとも1種類のモノマー、
(ii) 安息香酸エストラジオール、フェノール、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン、ゲニスチン、ダイジン、グリシチン、マロニルゲニスチン、マロニルダイジン、マロニルグリシチン、アセチルゲニスチン、アセチルダイジン及びアセチルグリシチンから成る群から選択された少なくとも1種類のテンプレート分子、
を含んで成るモノマー−テンプレート反応混合物を放出すること、そこで
少なくとも1種類のモノマー−テンプレート反応混合物及び液体懸濁媒質が更に、重合開始剤系を含んで成り、それにより液滴の重合が少なくとも実質的に、液体懸濁媒質中で完了される、
(b) 液体懸濁媒質から分子インプリントポリマーを回収すること、
(c) 段階(b)の前または後に、分子インプリントポリマーからテンプレート分子を抽出すること、
(d) 標的の分析物を含んで成るサンプルと、分子インプリントポリマーを接触させること、並びに
(e) 標的の分析物を分子インプリントポリマーから分離すること、
の段階を含んで成る方法。
9. モノマー−テンプレート反応混合物が更に、
(iii) テトラヒドロフラン、アセトニトリル、CHCl、CHCl、N−メチルピロリドン、トルエン、酢酸エチル、1,2−ジクロロエタン、メタノール、アルコール、アセトン及び酢酸エチルから成る群から選択された少なくとも1種類のポロゲン、及び/または
(iv) 少なくとも1種類の溶媒
を含んで成る、第7項または第8項の方法。
10. 少なくとも1種類のモノマーがジメタクリル酸エチレングリコール(EGDMA)であり、液体懸濁媒質が水を含んで成り、重合開始剤系が熱フリーラジカル開始剤であり、サンプルが大豆ホエーであり、標的の分析物がイソフラボンである、第9項の方法。
11. サンプルから標的の分子を吸着する方法であって、
a) 標的の分析物を含むサンプルと、第1項または第3項の方法により生成された分子インプリントポリマーを接触させること、及び
b) 分子インプリントポリマーから標的の分析物を抽出すること、
を含んで成る方法。
12. サンプルが大豆ホエーであり、標的の分析物がイソフラボンである第11項の方法。
13. 更に、d)その後のモノマー−テンプレート反応混合物中に再使用のための、少なくとも1種類の抽出テンプレート分子を再循環させることを含んで成る、第1、3、5、7または8項の方法。
14. 分子インプリントポリマーの少なくとも75%が1μm〜1mmの直径の粉末度範囲の回転楕円面状一次粒子である、第6項の方法。

Claims (3)

  1. 分子インプリントポリマーを形成するための液滴重合法であって、
    (a) 液体懸濁媒質中に、液滴として、
    (i) 少なくとも1種類のモノマー及び
    (ii) 少なくとも1種類のテンプレート分子、
    を含んで成るモノマー−テンプレート反応混合物を放出すること、そこで、少なくとも1種類のモノマー−テンプレート反応混合物及び液体懸濁媒質が更に、重合開始剤系を含んで成り、それにより各液滴の重合が少なくとも実質的に、液体懸濁媒質中で完了される、並びに
    (b) 液体懸濁媒質から分子インプリントポリマーを回収すること、
    の段階を含んで成る方法。
  2. 分子インプリントポリマーを形成するための液滴重合法であって、
    (a) 液体懸濁媒質中に、オリフィスから液滴として、
    (i) 官能性モノマー及び架橋モノマーから成る群から選択された少なくとも1種類のモノマー並びに
    (ii) 安息香酸エストラジオール、フェノール、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン、ゲニスチン、ダイジン、グリシチン、マロニルゲニスチン、マロニルダイジン、マロニルグリシチン、アセチルゲニスチン、アセチルダイジン及びアセチルグリシチンから成る群から選択された少なくとも1種類のテンプレート分子、
    を含んで成るモノマー−テンプレート反応混合物を放出すること、そこで
    少なくとも1種類のモノマー−テンプレート反応混合物及び液体懸濁媒質が更に、重合開始剤系を含んで成り、それにより液滴の重合が少なくとも実質的に、液体懸濁媒質中で完了される、
    (b) 液体懸濁媒質から分子インプリントポリマーを回収すること、並びに
    (c) 段階(b)の前または後に、分子インプリントポリマーからテンプレート分子を抽出すること、
    の段階を含んで成る方法。
  3. サンプルからの標的分析物の吸着に使用のための分子インプリントポリマーを形成するための液滴重合法であって、
    (a) 液体懸濁媒質中に、オリフィスから液滴として、
    (i) 官能性モノマー及び架橋モノマーから成る群から選択された少なくとも1種類のモノマー、
    (ii) 安息香酸エストラジオール、フェノール、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン、ゲニスチン、ダイジン、グリシチン、マロニルゲニスチン、マロニルダイジン、マロニルグリシチン、アセチルゲニスチン、アセチルダイジン及びアセチルグリシチンから成る群から選択された少なくとも1種類のテンプレート分子、
    を含んで成るモノマー−テンプレート反応混合物を放出すること、そこで
    少なくとも1種類のモノマー−テンプレート反応混合物及び液体懸濁媒質が更に、重合開始剤系を含んで成り、それにより液滴の重合が少なくとも実質的に、液体懸濁媒質中で完了される、
    (b) 液体懸濁媒質から分子インプリントポリマーを回収すること、
    (c) 段階(b)の前または後に、分子インプリントポリマーからテンプレート分子を抽出すること、
    (d) 標的の分析物を含んで成るサンプルと、分子インプリントポリマーを接触させること、並びに
    (e) 標的の分析物を分子インプリントポリマーから分離すること、
    の段階を含んで成る方法。1
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