JP2004018496A - 経口用液状物の製造方法および経口用液状物 - Google Patents

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Yozo Oda
小田 容三
Takaharu Mori
森 ▲隆▼治
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Abstract

【課題】防腐剤を削減または低減し、かつ、その消費期限を長期化することができる医薬品、食品等といった経口用液状物の製造方法を提供すること。
【解決手段】液状物を除菌濾過する工程(A)と、該液状物を容器に密封した後、容器ごと該液状物を液温60〜100℃で10分間以上加熱する工程(B)とを有する経口用液状物の製造方法。当該方法により、従来の経口用液状物の技術常識では考えられなかった、製造直後の菌数を著しく低減することが可能となり、防腐剤を用いないあるいは使用量を低減しても長期保存が可能な経口用液状物を提供することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は経口用液状物の製造方法および経口用液状物に関する。
【0002】
【従来の技術】
液状の医薬品、食品等においては、安全性の観点から大腸菌等の菌類の数を一定以下にすることが求められる。この要求を満たすためには、必ずしも菌の数をゼロにする必要はなく、製造直後の菌の数に基準を設け(菌数限度試験)、さらに例えば3年といった所定の期間、菌が増殖するのを防ぐために、有機酸類、アルコール類、パラオキシ安息香酸エステル類等の防腐剤を配合するのが一般的であった。しかし、当該医薬品、食品等を毎日服用するなどの理由により、これら防腐剤の摂取が多くなることは必ずしも好ましいことではないので、防腐剤の使用は極力低減することが望まれる。
【0003】
防腐剤の使用を低減するために、従来、食品、医薬品等の製造において、瞬間殺菌(例;90℃、10秒)等による殺菌を施すなどの方法が提案されている。しかし、当該方法によって得られる、防腐剤を含まない食品、医薬品等は完全滅菌ではないため、経時的に菌数が増えることが懸念され、消費期限を短くせざるを得ない(通常、3年程度に設定される消費期限を1年や1ヶ月程度とする等)のが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、防腐剤を削減するかあるいは添加せず、かつ、その消費期限を長期化することができる医薬品、食品等といった経口用液状物の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述したような菌数限度試験に合格する範囲内で菌の存在を肯定しつつその増殖をいかに抑えるか、という思想ではなく、従来の経口用液状物の技術常識では考えられなかった、製造直後の菌数を著しく低減する方法を見出し、以下の特徴を有する本発明を完成した。
(1)液状物を除菌濾過する工程(A)と、該液状物を容器に密封した後、容器ごと該液状物を液温60〜100℃にて10分間以上加熱する工程(B)とを有する除菌された経口用液状物の製造方法。
(2)上記工程(A)が、φ0.45〜0.65μmのプレフィルター処理の後、φ0.2〜0.45μmのファイナルフィルター処理に付するものであることを特徴とする上記(1)に記載の製造方法。
(3)上記工程(A)と工程(B)との間に、容器に密封する以前の工程において、該液状物を液温80〜100℃にて10秒間以上加熱する工程(C)を有する上記(1)または(2)のいずれかに記載の製造方法。
(4)上記容器がキャップを有するガラスビンであり、キャップおよびガラスビンを液状物の充填前に除菌または滅菌することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法により製造され、防腐剤を含まない経口用液状物。
(6)上記経口用液状物が食品、医薬部外品または医薬品である、上記(5)に記載の経口用液状物。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に係る方法は、液状物を除菌濾過する工程(A)と、該液状物を容器に密封した後、容器ごと該液状物を液温60〜100℃にて10分間以上加熱する工程(B)とを有することを特徴とする。図1は、本発明に係る製造方法の好ましい実施態様の工程フローの一例である。以下、この図を適宜参照しながら本発明を説明するが、本発明はこの図の工程フローに限定されない。
【0007】
本発明において、「液状物」とは、以下に詳述する工程(A)の除菌濾過に供するのに足る程度の流動性をもつ物体であり、好ましくは液体である。また、「経口用」とは、該液状物が人間用の飲料(食品)、内服剤(医薬品)、内服剤(医薬部外品)であることを意味する。
【0008】
本発明において、「菌」とは、細菌と真菌である。
【0009】
本発明に係る経口用液状物には防腐剤が含まれないことが好ましいが、ここで、「防腐剤」とは、有機酸類、アルコール類、パラオキシ安息香酸エステル類である。それらの具体例としては、安息香酸、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、ベンジルアルコール、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル等が挙げられる。
【0010】
本発明の工程(A)は、液状物を除菌濾過する工程である。除菌濾過とは、供給された液状物に含まれる所定の大きさ以上の物体をフィルターを用いて濾し採る手段である。用いるフィルターは、従来公知のものを用いることができ、その形状、材質等には特に限定はなく、例えば、高分子樹脂等からなる膜に所定の大きさの貫通孔を設けたものでもよいし、高分子樹脂等からなる不織布を所定の厚さ、密度でフィルターハウジング等に充填したものでもよい。
【0011】
本発明で用いるフィルターは、φ0.45μm以下のものであることが好ましく、φ0.2μm以下であるものがより好ましい。これは、経口用液状物に混入し得る菌(特に、後述の加熱処理を行う工程(B)で、死滅させ難い芽胞菌)は1μm程度の大きさであることが多いためである。また、フィルターのコスト、処理速度、処理圧の点から、フィルターはφ0.05μm以上のものであることが好ましく、φ0.1μm以上であるものがより好ましい。このような、フィルターの性能は具体的には、細菌チャレンジ試験によって評価される。
【0012】
本発明においては上述のフィルターで1回だけの処理を行ってもよいが、プレフィルター、次いで、ファイナルフィルターという2段階(あるいはさらに多段階の)のフィルター処理を行ってもよい。この場合、プレフィルターは、φ0.45〜0.80μmが好ましく、φ0.45〜0.65μmがより好ましい。また、ファイナルフィルターは、φ0.2〜0.45μmが好ましい。2段階(あるいは多段階)のフィルター処理を行うことにより、液状物は、比較的大きな異物がプレフィルターで除去された後に、より目詰まりし易く、かつ、高価なファイナルフィルターに供されることになり、ファイナルフィルターの処理速度および/または処理可能量が増大することが期待され、結果として低コスト化に寄与し得る。
【0013】
具体的なフィルターの処理条件は、用いるフィルターの形式等によって適宜決めればよい。例えば、ろ過前後の完全性試験を実施したり、ろ過圧力、ろ過流速、ろ過時間、ろ過温度を管理することが好ましい。
【0014】
本発明の方法においては、上述のように、工程(A)により除菌濾過を施した後、該液状物を容器に密封する。この段階で液状物を容器に封入した後は、そのまま工程(B)を経たのち微生物限度試験を行った後、出荷、販売され、用時まで開封されないように、液状物の1回分の使用量(すなわち10〜100ml、好ましくは30〜100ml)を容器に密封することが好ましい。
【0015】
液状物の密封の方法としては、工程(A)で除菌濾過後の液状物が直ちに容器に入るように配管を配置するのが好ましい。このとき、本発明では必須ではないが、フィルター処理直後の液状物が、例えば、80〜100℃にて10秒間以上加熱する工程(C)に付されるように配管に加熱手段を設けることが除菌効率をより高められる点で好ましい。
【0016】
液状物を封入する容器は、液状物の種類に応じて材質(ガラス、樹脂等)、形状等を任意に決定することができる。また、該容器は上記液状物が入れられる前に除菌または滅菌されていることが好ましい。ここで、除菌または滅菌するとは、菌を物理的に除去したり死滅させる等の手段により、結果的に菌数を減らすことをいう。当該除菌または滅菌する方法も特に限定はなく従来公知の方法によればよいが、該容器がガラスビンである場合には、例えば、水または熱湯を高圧にて吹き付ける方法等により行うことができる。
【0017】
液状物を容器に密封するとは、該容器を任意の向きにしても密封した液状物が漏れ出さない程度に、容器の内部と外部とを遮断することをいい、通常は容器に液状物を入れた後にフタ(キャップ)にて施栓することで容易に実現でき、さらに気密性であることが好ましい。キャップを用いて施栓する場合、施栓前に該キャップに対して、公知の除菌または滅菌、例えば紫外線を50mWsec/cm以上照射する処理を施すことが好ましい。
【0018】
本発明に係る方法では、工程(A)に供し、容器へ密封した後の液状物は所定の温度に加熱する工程(B)に供される。当該工程により、工程(A)では除去しきれなかった菌や工程中で汚染された菌を死滅させ、結果的に液状物中の菌を極めて少なくすることが期待される。
【0019】
工程(B)での加熱条件としては、容器ごと液状物を液温60〜100℃(好ましくは65〜100℃、より好ましくは80〜100℃)に加熱し、上記温度範囲内にて10分間以上(好ましくは15〜30分間、より好ましくは20〜30分間)保持される。温度が60℃未満では殺菌が不十分となるおそれがあり、100℃より高い温度では液状物が変性したり、コストが増大するということが懸念される。また、加熱時間が10分間未満では殺菌が不十分となるおそれがある。
【0020】
工程(B)の具体的な加熱条件は特に限定はない。例えば、上述のように工程(A)の後、容器に密封された液状物を容器ごと熱水シャワーに供するなどの方法が挙げられる。なお、上述の温度は液状物自体が到達すべき温度であるので、液状物を容器に封入した場合には、容器の温度はさらに高くなる可能性がある。
【0021】
このようにして工程(A)および(B)を経ることにより、従来の加熱殺菌処理のみによっては除去し難かった菌も液状物から除去し得る。よって、当該液状物が医薬品、食品等である場合には、上述したような防腐剤を配合しないあるいは配合量を少なくしても長期保存が可能になることが期待される。液状物中の菌の量は、具体的には微生物限度試験法という方法によって定量化でき、本発明の方法により得られる液状物に含まれる菌の量は、通常100cfu/ml以下、好ましくは0cfu/mlとなる。
【0022】
【発明の効果】
本発明の方法は、経口用液状物の製造直後の菌数を非常に少なくすることができ、防腐剤を用いない、またはその使用量を低減し、かつ、長期保存を可能にする医薬品、食品等の提供のために有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る除菌方法の好ましい実施態様の工程フローの一例を示す図である。

Claims (6)

  1. 液状物を除菌濾過する工程(A)と、該液状物を容器に密封した後、容器ごと該液状物を液温60〜100℃にて10分間以上加熱する工程(B)とを有する除菌された経口用液状物の製造方法。
  2. 上記工程(A)が、φ0.45〜0.65μmのプレフィルター処理の後、φ0.2〜0.45μmのファイナルフィルター処理に付するものであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 上記工程(A)と工程(B)との間に、容器に密封する以前の工程において、該液状物を液温80〜100℃にて10秒間以上加熱する工程(C)を有する請求項1または2のいずれかに記載の製造方法。
  4. 上記容器がキャップを有するガラスビンであり、キャップおよびガラスビンを液状物の充填前に除菌または滅菌することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法により製造され、防腐剤を含まない経口用液状物。
  6. 上記経口用液状物が食品、医薬部外品または医薬品である、請求項5に記載の経口用液状物。
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JP2014117183A (ja) * 2012-12-13 2014-06-30 Okunagaragawa-Meisui Inc 密閉容器入り清涼飲料水の製造方法及び密閉容器入り清涼飲料水

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